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ココだけじゃね?

1おっさん:2006/05/06(土) 22:53:51
最近ムラムラしてたから丁度よかったっス!
性欲発散させて、お金貰えるなんてココぐらいじゃね??
http://seinia.mukade.jp/gag/

2人を殺すこと:2006/06/19(月) 04:20:02
「どうしたの?エリュシオン」


「先生。私は人間ではないのですか。所詮は人殺しの道具に過ぎないのですか」


「……?どういうことですか?よく分かりませんが」


「剣というものはただの人斬り包丁だと。己の意思もなく誰かを殺す存在に
過ぎぬだといわれたのです……

 ……人間らしく生まれることが出来なかったものは、所詮人間には
なれないのでしょうか。人間ではなく兵器として生まれたというのならば、
私は結局望もうと望むまいと誰かを殺すことでしか生きることが出来ない
のでしょうか」


「エリュシオン。貴女はエリュシオンです。
 それ以外の何者でもない。だから、人間なのか兵器なのか、というのは
些細な問題に過ぎないんですよ」


「先生、いつものように煙に巻いてごまかすのは止してください。
 私は確かに人間としてまっとうな生まれ方をしたとはいえない。
 所詮ジャンクヤードから拾われた壊れた人形に過ぎない。 
 それに……」


「たくさんの人を殺した、ですか」


「……はい」


「罪の意識を持っているのならば、それで良いと思うのですが?
 それを忘れてしまえば、人間は簡単に殺人という行為を手段、つまりは
生きてゆくうえで誰もが迫られる選択肢の一つとして、用意に殺人という
手段を行使できるようになるのだから」


「……」


「まだ納得できないのですね?
 あなたはとてもまっすぐだから、どうしても自分が曲がったことをして
しまったと思ってしまったならば、それをいつまでも悔いてしまう。
 ではエリュシオン。人を殺す、ということが、人にとってどういう意味を
持つか、分かりますか?」


「……はい、その……殺人という行為の意味ですか……?」


「本当に答えにくそうな顔をするのですね。
 けれど、分かります。あなたが言いたいのは、つまり……
『憎いから。殺してしまいたいからこそ殺す』ということなのでしょう?
 それがあまりに言葉として汚らわしいから、貴女はどうしてもそのことを
いうことが出来ずにいる。
 ……それはとてもすばらしいこと。あなたの心の中に良心という何かが
根付いていて、なおかつそれが貴女という存在にとって必然、あらゆる行為の
前提になっているということなのだから。
 それに甘えるのは考え物ではあるのだけれど……それがまったく存在しない
より、それはよほどいいことなのですよ」


「……けれど」


「私は誰かを殺したことがある、ですか。
 ……けれど、それは多分……殺人、とはいえないのだと思います」


「……?先生は、誰かを殺すということが、殺人ではないとおっしゃるのですか?」


「いえ、それはおそらく厳密に意味を問うならば、やはり殺人という忌むべき
行為の一環でしょう。
 あなたはそれを、確かに悔いなければ、悔い続けなければならない。
 貴女が思い描き、理想とする、「人間」という存在として、貴女があり続けるために。
 けれど……それは、やはり『仕方のないことでしかなかった』のだとも、思います。
 貴女は、殺人という行為を。『憎悪と殺意に根ざして行うもの』といいましたね。
 私はいま少し、その視点を純化してあなたに語ることができる。
 結局のところ、殺人というのは……『邪魔だから、存在してもらいたくないから』
行うものなのです。
 もちろん、例外はある。
 精神に欠陥を持つものが、己という存在の、自己表明の一環としておこなうことも
ありますし、何らかの狂気や、信仰にもとづいて行われることもある。
 けれど、それはやはり例外なんですよ。
 正気の人間であるならば……その存在が自分の思い描く人生にとって存在しては
ならないものだから、殺す」

3人を殺すこと:2006/06/19(月) 04:20:45

「どういう……こと、でしょうか」


「たとえば、誰かを愛して、愛しすぎて……そのはかりが、人の域を少しだけ
超えてしまったものがいたとします。
 彼、あるいは彼女は誰かを本当に愛している。往々にして愛というものは独占欲を
伴うものです。あの人を私だけのものにしたい。私以外の誰かと触れ合うあの人を
認めたくない。自分が知る以外の側面をあの人が誰かに向けるのが許せない。
 だから、殺す。そうすれば、そういう面を見ずにすむから。
 自分だけの、ものに出来るから……殺す。
 つまりは……自分以外の誰かと、愛している存在がすごすことを、許せないから、
殺す」


「……それは、ひどく傲慢な行為です。
 つまるところ、その人は、その殺人者は自分以外の存在を誰も愛していないのに
等しいのではないのですか。自分が勝手に愛している人間の一面だけに理想をみて、
そしてその人物が、どこか自分の知らない部分を見せたなら、それが許せなくなる
などと。人間であるならば、誰にも見せたくない一面もある。
 人生という現実の前に、望まずして汚らわしい行為を行うこともある。
 そうしたものも含めて認めることが出来るのが、愛という行為ではないのですか。
 殺してしまうというのならば、結局それは自分しか愛していないというのと同じだ。
自分の描いた理想像が壊れてしまうぐらいなら、滅ぼして己の魂の中に理想として
いつまでも……最低だ。そんなことを想う人間などに、誰を愛す資格があるというのか」


「……愛して愛して愛しすぎて、だからこそ何もかもを滅ぼしても独占したくなる……
それもまた、人間なのです。
 ……貴女には、まだ恋の経験はないから、分からない。 
 人間というものは、誰もかもを愛で癒すほどの聖徳もあれば、誰も彼もを愛ゆえに
滅ぼしてしまいたくなる邪悪も同時に持ち合わせているものなのです。 
 それは確かに否定されるべきもので、なしてはならない悪事でもある。 
 けれど、そうなってしまう可能性は誰にだってある……まずは、それを認めて
あげなければ。
 それを認めたうえで……誰かがそういう狂気に走ることをとめなければならない。 
 それは、可能性を知って初めて出来ること。
 貴女は本当にやさしい子なのだから……それが、きっと出来ると想いますよ?」


「先生はやはり私をはぐらかしている。
 結局殺人は、認めてはならない最悪の罪悪であることに、依然変わりはない。 
 誰も彼もがそれに走る可能性はある。それを理解したとしても。
 けれど……私はそれをなしてしまった後だ。
 ならば私は咎人ということなのですか」


「ええ、そうです。
 けれど……あなたは、自分の意思で彼らを、敵であった彼らを殺したのですか?
エリュシオン」


「……いえ、違います。任務でしたし……戦わなければ殺されたから、戦って……
撃破しました。殺したんです」


「貴女は自分の意思ではなくそれをなしたのですね?
 ではそれをなさしめたのは誰ですか?」


「……私に命令を下した人物なのだと思います。けれど」

4人を殺すこと:2006/06/19(月) 04:21:09

「あなたは今とてもうかつな言葉を言った。
 考えもせずに『けれど』などといってはいけません。
 
 つまり、そういうことです。貴女の殺人は、あなた自身がなしたもの。
 けれど、それは貴女一人の罪ではない。あなたに任務を強制した何者かと、
そしてそういう状況を作りだした歴史や、運命の流れ自体が背負うべき罪
なのです。

 戦争というものは、人だけが起こすものではない。
 時代の流れ、運命の流れ。ひどいときには、そこにその人々が存在して
いたから。その程度の理由で起こることもある。
 そしてそれは人間一人がなしうる殺人行為などより、よほど多くの
人命を吸い取ってしまうものなのですよ、エリュシオン。
 この状況において、人間というものは、本当にひどい選択を迫られることになる。
 戦いというものは、敵味方、誰もが心骨を削りに削りぬいて戦い抜くもの。 
 だから……必死にもなる。だから……良心が許さぬほどの惨劇を敵と味方
とに強いてでも、勝利を求めようとする。
 どのような悲壮な勝利でも、栄光に満ちた敗北などよりはよほどいいもの
なのだから。
 敗北こそが、守るべきなにものかを……愛するべき誰かを滅ぼしてしまう
ことに直結しかねないのだから。
 ほとんどの人々は、自らのちっぽけな……そう、本当にちっぽけな。
 けれど、決して無視してはならない正義感や、良心というものにもとづいて
生きています。
 そして、それはきっと、貴女に誰かを殺せと命じた人々も同じこと。
 そう、あなたは悔いるべき。けれど、それは……普通の殺人とは、違うんです。
 あなた自身には、どうしようもないことだった。それは、まず認めなければ。
 もちろん、それを免罪符にしてはならないけれど。戦いに在って殺した人間の
数を誇るような存在を、私は侮蔑する。
 けれど、それが「戦い」避けることが出来ない戦いであるのなら……結果として、
誰かを殺してしまうことになることもある。
 だから、あなた自身があなた自身の罪だと、すべてを背負う必要はない。
 むしろ、すべてを背負おうとすることこそ、罪悪ですらある。
 指揮官とは己の行為に責任を持つもの。
 そして、貴女に命令を下しうるのは、「指揮官」という存在だけ。
 ならば、戦場においてなされるすべての悪事を背負うのは、究極的には
指揮官ということになる。 
 もちろん、ことばあそびであり、概念の問題に過ぎないのは分かっている。
 
 けれど。
 いいですか、エリュシオン。
 指揮官が命令を下すには、少なからぬ懊悩を必要とする。
 敵を殺すにも良心が痛むことすらあるのに。
 命令を下すということは、自らが指揮する部下をも殺すということ。
 戦場において損害を皆無にすることなど不可能。
 そう、必ず誰かが死んでしまう。
 その、愛している部下たちが死ぬかもしれない決断を下す存在が、
指揮官というものなのです。
 あなたがすべての罪を自らの背に背負おうとするならば、それは……
その命令を下した指揮官をこそ、在任であると指摘するに等しい。
 あなたに殺せと命じたのはほかならぬ彼なのだから。
 彼の苦悩、そして決断のすべてを侮蔑し哂い一顧だにしないに等しい行為。
 罪は罪。
 けれど……それは、貴女一人が背負うべきではない。背負ってはならない。
貴女の上に立つものすべて、そしてあなた自身、貴女の下にあるもの、
あなたの知らない誰かが皆で背負わなければならない罪。

 だから、安易に……己をのろってはならないのです、エリュシオン。

 ……観念論、ですね。
 私には、正直なところ。あなたが、それほど自身を責める必要はない。
 そう思っています。 
 不要、そう……あなた自身が望んでもいないのに強要された重大に過ぎる罪に
おぼれて、あなた自身の生を台無しにしかねないから。
 だから、どうにか……癒したい。 
 けれど、それは無理なのでしょうから……せめて」


「……せめて?」

5人を殺すこと:2006/06/19(月) 04:21:33

「考えなさい。なぜ、貴女は名も知らぬ彼を殺さなければならなかったのか。 
 なぜ、このような運命に世界は陥ってしまったのか。 
 なぜ、戦争というものがこの世に起こってしまうのか。 
 考え続けて下さい。

 貴女という存在は、今は戦うべきものと存在を定義され、戦いを宿命と
定められてしまっている。
 
 だからこそ、考えなさい、その意味を。
 考えて、考えて……あなた自身の基準で、事を成しなさい。
 命に背くのもいい。命に従ってもかまわない。 
 けれど、それはあなた自身の価値感に拠ってであるべきだと……私は、考えます」


「……先生はずるい。結局私の問題だと投げ出してしまっている」


「そうですよ、エリュシオン。
 人間は誰でもそう。
 人生は教えられるものではなく、己の人生を生きる者、彼自身が見出すもの。
それを放棄してしまったものは、運命の奴隷、家畜に過ぎなくなってしまう。
 ……そして、貴女はやはり剣でありたい。誰かのために戦いうる剣でありたい。
その願いには、いまだに変わりはないのでしょう?たとえその手を血に染めて
いたとしても」


「……はい。
 それだけは。それだけは、誓って言える事です。
 私はきっと、常人よりもはるかに強い力を持って生まれた。 
 ならば、この力にこそ私の人生の「意味」と「意義」とがともにある。
 だからこそ……私はきっと。 
 誰かのための、剣になりたい。

 けれど、怖い。私がただの……殺人者なのではないかと。
 私などよりよほど価値ある……私などよりよほど意義ある人生を生きたはずの
人間を、殺してしまったのではないかと。 
 私などより、よほど誰かに愛されている人を殺してしまったのではないかと。
 その人を愛していた人達のことを、私がこの手で不幸にしてしまったのでは
ないのかと……思って、しまうのです」


「……それだけの想像力があるのならば、いつかきっと分かるでしょう。
 人は、良いものだけで成り立っているわけではない。 
 誰もが本当は醜くて……その醜さによってこそすばらしいものを生み出すこともある。
 むしろ……善と悪などというものは、誰もが思うほどに不可分ではないのだと思います。
善のためになされる悪もある。悪が善を装うこともある。
 だから……それを、見極め続けなければならないのです、エリュシオン。
 いいですか、エリュシオン。考え続けるのです。思考という手段は、人間にのみ与えられた
唯一の特権であり、それこそが人間を人間たらしめるものであるのだから。
 罪を抱き、そしてその罪を悔い、その罪の意味を考えて……生き抜きなさい。
 あなたはきっと、それが出来る子なのだから」


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