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【017】救世主まきちゃん

4流血少女GK:2016/07/11(月) 22:44:16

―――。数秒後。まきちゃんの、否。地球の前には、巨大な隕石の姿はありませんでした。真っ二つに成った隕石は軌道がそれ、地球から離れていったのです。

「やったよ、お父さん……。」
まきちゃんはその手に握られた剣に向かってつぶやきました。隕石とまともにぶつかった剣はぼろぼろで、所々が焦げ付いていました。まきちゃんのからだも、同じくらいボロボロで、右目は殆ど見えず、左腕の感覚はありませんでした。
それでも、彼女の顔には満面の笑みが浮かんでいました。そのはずです、彼女は、世界を救ったのですから。

「まきちゃんはやっぱり、救世主だったよ……。」
最後にそうつぶやき、彼女は地面に倒れました。冷たい朝の空気が、彼女の肌をなでました。

---
次の日の朝。まきちゃんは病院で目を覚ましました。
いろいろ大変な怪我でしたが、命に別状はなく、後遺症もないようでした。
「うんうん、やっぱりこういう物語はハッピーエンドじゃなくちゃね!」
マキちゃんはひまつぶしのために、備え付けのテレビを付けました。ビデオカードは結構高いのですが、気にしないでおきましょう。
テレビでは、昨日と同じ朝のニュースが流れていました。
『いえーい!早起きな君達にベリーグッドなニュースをお届けするぜ!昨日世界を滅ぼすはずだった隕石はどこかの誰かさんの手によって真っ二つに成って、何処かへ飛んでいっちまった!世界は救われた!喜べー!ちなみにこの一連の事件で犯罪率は150%上昇、刑務所はパンパンで裁判も追いつかないって話だが、そいつは些細な問題だ!兎に角世界は救われたんだ!これも若い君達が投票に行ったお陰に違いない、さあ、君もレッツ投票だ!』
世界は救われた。その言葉を聞いて、まきちゃんはとても誇らしい気分になりました。ですが、同時にこうも思うのです。
世界を救ったのは自分かもしれない。でも、これから世界を導いていくのは、一人だけの力ではなしえません。世界を導いていくには、皆の力が必要なのだと。
そんな力は自分にはないと、そう思うかもしれません。ですが、それは間違いです。私たちには、世界を変える力があります。
そう、投票権です。これを投じるだけで、世界は変る。貴方の一票で、世界を変えることができる。
皆、投票に行こう!それこそが救世主ではない私達が、世界にできる大きな献身なのです。
皆が投票に行けば、救世主がいなくても、世界を守ることはできる。
そうなれば、私も救世主ではなく、一人の女の子として、投票に行くことができるーーーきっとそれこそが、世界を本当に救うということなのだ。
まきちゃんはそう心に強く思いながら、入院中でも投票できる、不在者投票のやりかたを検索するのでした。

彼女が中学生では投票できないことに気づくのは、もう少しだけ後のお話……

おわり。

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忙しいので参加は難しい(参加率10%未満)

■アピールポイント
ごめんな。でも参加したいねん。


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