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確定キャラまとめ
63
:
第九次ダンゲロスメインGK
:2012/06/28(木) 00:30:26
人物
彼は生真面目の一言に尽きる少年だった。
善悪を聞き、そう信じ、その教えを何の疑いもなく、苦にも感じず、当然のことだと順守してきた。
それは、愚直で、正直で、純粋で、融通も利かず、ただ言葉通りに物事をこなす、思慮が浅くて面白みのない少年を形成していった。
だからこそ、大人が嫌いだった。大嫌いだった。
欲汚い大人が、身勝手で無責任な大人が、
夢を無くした大人が、幼く怠惰な大人が、
卑怯で卑猥で理不尽な大人が嫌いだった。
憎らしくて、情けなくて、絶対に許せなかった。
それがこの世に溢れていることも知った。
自分がいかに親に、環境に、出逢ってきた人々に恵まれていたかを理解した。
彼にとって彼らは、この世で何よりも醜く、おぞましい生物。
嫌悪感よりも、煮えたぎる憤慨を抑えられなかった。
存在を見下していたし、消し去りたがっていた。
まだ一桁の年齢の自分にはできることが、偉い偉いと威張る大人にはできない。
分が悪くなれば都合よく逃げる。
あらゆる力で押さえつけ、単純なことでさえも先送りし、擦り付けている。
それが信じられなくて、理解できない。
子供ならではの正しい意見だ。
バカ正直な自分が損をしているようで、暴力では治まりきらないほどの怒りが、その小さな胸には積もった。
英雄や正義に憧れた。単純な勧善懲悪に騙されていた。
裏切られ、やるせない。
しかし、それも中学生までのこと。
彼は高校に入学して悟った。自分が愚かだったのだと。
あまりにも見ている世界が狭すぎた。
親でさえその人種の一部だった。都合がよくて逃げる。自分の考え以外を受け入れない。
そして、世界はどうしようもなく穢れていることに慣れた。自分も毒された。
妥協し、苦労を避け、言い訳で逃げる。偽り、嘯き、欺き、責任を持たない。
それでも、彼の性分は変わらない。
やはり気持ち悪い。矛盾の蟠りと鬱憤がたまっていくのがわかった。
正しさが報われないことに憤りが禁じえない。
幸福のためならいかなる犠牲も痛みも厭わない。
協力も支援も惜しまない。自身の死も構わない。
正義を見直して悟った。
正義は正義だ。厳正なままで、なんの力も持たない。ただの言葉。概念に過ぎない。
故に、何の効力もない。ただ、自分の矜持となる経験。それだけだ。
だから彼は言葉で厳正を説き、行動で示し貫く。
彼はこの世でもっとも失いたくないすべてを消した。その手で。
苦しませることなく、慈しみをもって、親も、妻も、娘も、友も、すべての繋がりを絶った。
彼はただ一人、唯一となる。
戦いたい奴は戦えばいい。存分に。巻き込まないことを条件に。
争いは消えないことを悟っている。それでも人間同士の争いは見たくない。
自分の短い人生経験からも、負の感情に学んだ。
真の平和などない。楽園など幻想。怠惰な腐敗よりは恐慌の世の方が命の意味がある。
刺激は本能の渇望だということも理解している。
だが、それでも争いは見たくない。
ならば、誰にも憎しみを与えない戦いを与えよう。生きるべき者が生きる世界へ導こう。
報われるべき人の願いを叶えたい。
どうにもならない事実をどうにかしたい。
摂理、理、運命、逆らって何ぼだ。
絶対にしてはいけない悪でも、皆のためなら俺には正義だ。
いつかは殺し、殺される命。すべて俺が統べる。
全ての怒り、憎しみ、俺に向けろ。俺だけを傷つけろ。俺で発散すればいい。
俺の目の前で諍いは絶対に許さない。
誰も憎むな。誰も恨むな。誰も殺すな。
俺以外と争うな。誰も傷つけあうな。
俺だ、俺だけが敵だ。
「勝手なのは承知の上 それでも俺は皆のために人類の敵となる」
※
彼に敵意を持たなければ、彼は皆を全てから守る存在である。
安易に打ち滅ぼそうとする愚者は老若男女差別なく、まとめて返り討ちに逢うべきである。
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