衿串ｂｙDT - 1339343734 - したらば掲示板

1：第九次ダンゲロスメインGK：2012/06/11(月) 00:55:34: ■キャラクター名
衿串�逢

■性別
女性

■学年
一年生

■所持武器
純金の大斧

■ステータス
攻撃：20防御：0体力：6精神：3FS：1

■FS名
金属術

■特殊能力名
無敵姿勢

■特殊能力内容
効果：防御力19上昇
対象：自分
時間：永続
非消費制約：1ターン目のみ発動可能
消費制約：攻撃力5消費

能力原理：
金の延性・展性を活かした金属術。
得物の金斧を一瞬で引き延ばして無数の糸状に展開、高速回転させ自身に巻き付け編み上げる。
手芸術と源を同じくするとも噂される、高難度の魔技。
ただの金ではなく、彼女の妄信する所謂“漫画金”なので、あらゆる攻撃を寄せ付けない強固な盾と化す。
消費した武器は一回りサイズダウンする。
戦闘の只中で使うには隙が大きすぎるため、能力発動は開戦時に限っている。

■キャラクター説明
衿串 �0)(えりくしすぺりおる)。
元々、出生届には『ι』一文字書いて提出されたのだが、受理時に�逢の漢字と処理された。

彼女は名のある金属会社グループの総裁令嬢であり、生まれてすぐに金属加工学・金属化学・金属帝王学・金融学などの英才教育を受け、金属に対する造詣を深めてきた。
その中でも幼い彼女のお気に入りは、眩く輝く黄金だった。
今でも金こそが至高究極の金属と信じて疑わない。
彼女の中では、金に勝る金属などありはしないのだ。
――金属会社の跡継ぎ候補としては問題な思想なので、総裁である父は頭を抱えているのだが。

制服は金基調のオーダーメイド。
髪も金髪に染め、カラコンも入れている。それどころか下着まで金色に特注する徹底ぶり。
本当は色だけでなく素材も統一したかったのだが、過ごしにくかった上盗まれまくったので泣く泣く断念した。

部活は斧部。部活にはたまにしか顔を出せないが、実力はそこそこ。
鍵をそのまま大型化したような独特の形状の斧を操る。
戦闘スタイルは相手の懐深くに潜り込んだ上で痛烈な打撃を加える『ディープストライカー』。

希望崎学園入学後しばらくの後、魔山アリス狂終絶亜・闇に傾倒。彼女の近衛を僭称している。

■武勇伝
後日送ります

■その他
シークレットにしない/既存プレイヤー
2：米ット：2012/06/11(月) 00:59:20: とりあえず文字化けしてる部分は返信で聞きましょう
3：ロリバス：2012/06/11(月) 21:49:05: 効果1：防御力19上昇　68
範囲+対象：自分　0.75
時間：永続　2.0+α
非消費制約：1ターン目のみ発動可能　0.9
消費制約：攻撃力5消費　25

効果1　68*0.75*2*0.9＝91.8
（100-91.8+25）*（1+0.1*1）≒37

発動率最大37％

ゲロ子と同じく永続2.8にするなら

効果1　68*0.75*2.8*0.9＝128.52
（100-128.52+25）*（1+0.1*1）≒-4％

発動率-4％
4：米ット：2012/06/11(月) 22:50:14: [22:33:38] もやい: じゃあ次は衿串ですね
[22:35:14] ぽぽ: ではそれで
[22:35:31] もやい: 効果1：防御力19上昇　68
範囲+対象：自分　0.75
時間：永続　2.0+α
非消費制約：1ターン目のみ発動可能　0.9
消費制約：攻撃力5消費　25

効果1　68*0.75*2*0.9＝91.8
（100-91.8+25）*（1+0.1*1）≒37

発動率最大37％

ゲロ子と同じく永続2.8にするなら

効果1　68*0.75*2.8*0.9＝128.52
（100-128.52+25）*（1+0.1*1）≒-4％

発動率-4％
[22:35:56] 不祝誕生日（ロンリーバースデー）: 19上昇だから永続の倍率はもっと上げても良いと思いますが、まあとりあえず
[22:36:37] もやい: 3倍かなあ
[22:36:54] ぽぽ: ダンゲロス子の強さは　重ねがけできるところにあるが
[22:37:45] ぽぽ: 通常攻撃無効が全大である事を鑑みれば
[22:37:53] 不祝誕生日（ロンリーバースデー）: まあ、こいつは一発限りなので、なん%でほぼ無敵になれるが許容できるかですね
[22:38:56] もやい: 15％！
[22:39:06] ぽぽ: ４５×８
[22:39:31] ぽぽ: 通常攻撃無効は４５×８で
[22:39:33] ぽぽ: ３６０
[22:39:51] ぽぽ: ３６０を６８でわると
[22:40:07] 米ット: 通常攻撃無効より効果値高いのかｗ
[22:40:13] ぽぽ: だいたい５．３
[22:40:23] 米ット: 5.3ですねー
[22:40:23] ぽぽ: 通常攻撃無効と違って
[22:40:36] 米ット: それよりは弱いんじゃないかな。
[22:40:44] ぽぽ: 全大ついてないからね
[22:40:48] ぽぽ: それよりは弱いとしても
[22:40:54] ぽぽ: ４倍はくだるまい
[22:41:14] ぽぽ: ４倍として発動率はいくらになるかな？
[22:41:26] 不祝誕生日（ロンリーバースデー）: -64％っすね
[22:41:32] 米ット: 逆に、4倍なら防御力いくつアップになる？
[22:41:51] ぽぽ: 実質　ほぼ通常攻撃無効を　運ゲーでやられても困る
[22:42:02] 米ット: 効果値半分の34％だと、
[22:42:47] 不祝誕生日（ロンリーバースデー）: 4倍だと4アップで48％　まあそこまで下がれば倍率変えなくてはならないでしょうが
[22:42:48] 米ット: ４アップかｗ
[22:42:59] 米ット: ゲロ子と同じになっちゃった。
[22:43:36] ぽぽ: ４アップならそんなに倍率高くならないよ
[22:44:01] 米ット: ていうか４アップなら2.8ですねｗ
[22:44:05] ぽぽ: ほぼ通常攻撃無効にやすやすとなれると思うなというだけの話
[22:44:14] 米ット: そうですねー
[22:44:40] ぽぽ: ＋αをためらうGKが多いらしいので
[22:44:42] もやい: ｗｗｗ
[22:44:50] ぽぽ: 今回＋αをためらう必要な死
[22:44:52] 米ット: いっそ攻撃⇔防御入れ替えにするとかの代案を出して、発動率はマイナスでもいいかなー
[22:45:07] ぽぽ: 入れ替えは多分コンセプトに合わんだろう
[22:45:12] 不祝誕生日（ロンリーバースデー）: まあ、上昇数値下げれば倍率も下がるよって添えて-64％を送りつければいいかと思われます。新規さんじゃないですし
[22:45:17] 米ット: うん。＋αはあれだなー
[22:45:19] ぽぽ: 無敵の戦士になりたいんだろうよ
[22:45:26] 米ット: ＋αは必要だ。
[22:45:40] 米ット: なんでみんなそうまでしてウンコを夢見るんだ・・・！
[22:45:59] ぽぽ: ３７％で無敵の超戦士とか　それは妄想だ
[22:46:19] ぽぽ: 転校生になる夢でも見てろー
[22:46:24] 不祝誕生日（ロンリーバースデー）: 攻撃15　防御19の超戦士
[22:46:38] 米ット: 最大でも３７％なのかｗ
[22:46:53] 米ット: じゃあ発動率マイナスにするのは全くかまいませんね
[22:46:55] もやい: うんこになりたいね
[22:46:56] ぽぽ: ４７％は博打に値する
[22:47:05] ぽぽ: SSボーナスでね
[22:47:15] 米ット: い、嫌だ！俺はウンコになんかなりたくない！
[22:47:34] ぽぽ: まあこのままだと４倍って事で
[22:47:39] ぽぽ: 行きましょうか
[22:47:54] ぽぽ: 永続通常攻撃無効よりは　安いよ！！
[22:48:11] 不祝誕生日（ロンリーバースデー）: 効果1：防御力19上昇　68
範囲+対象：自分　0.75
時間：永続　4.0
非消費制約：1ターン目のみ発動可能　0.9
消費制約：攻撃力5消費　25

効果1　68*0.75*4*0.9＝183.6
（100-183.6+25）*（1+0.1*1）≒-64％

発動率-64％
※防御力上昇数値を下げれば時間倍率は下がる
[22:48:16 | 22:49:35を編集しました] 米ット: ４倍でいいかな。ていうか冷静に見れば博打に勝ちさえすれば白熊の上位互換だし。
[22:48:26] もやい: ではこれで
[22:48:29] もやい: 次！
[22:48:45] ぽぽ: はい次
5：ロリバス：2012/06/11(月) 22:50:26: 通常攻撃永続無効と比較し、時間倍率は4倍

効果1：防御力19上昇　68
範囲+対象：自分　0.75
時間：永続　4.0
非消費制約：1ターン目のみ発動可能　0.9
消費制約：攻撃力5消費　25

効果1　68*0.75*4*0.9＝183.6
（100-183.6+25）*（1+0.1*1）≒-64％

発動率-64％
※防御力上昇数値を下げれば時間倍率は下がる
6：第九次ダンゲロスメインGK：2012/06/12(火) 01:26:07: 一回目返信完了
7：第九次ダンゲロスメインGK：2012/06/12(火) 19:24:41: プレイヤー返信一回目

GK業務お疲れ様です、DTです。
以下の四点について修正しましたのでよろしくお願い致します。

・名前を衿串亅に変更(これならおそらく文字化けしないと思います)
・能力内容をまるごと変更、それに伴ない原理も修正
・ステータスおよびFS名変更
・キャラ説の魔山先生の漢字が間違っていたので修正

お手数をかけて申し訳ありませんがよろしくお願いいたします。
■キャラクター名
衿串亅

■性別
女性

■学年
一年生

■所持武器
純金の大斧

■ステータス

攻撃：8防御：13体力：6精神：3FS：0

■FS名
手芸

■特殊能力名
無敵姿勢

■特殊能力内容
効果1：攻撃力1上昇
効果2：防御力2上昇
対象：自分
時間：永続

効果3：能力休み解除
対象：自分
時間：一瞬

制約：なし

能力原理：
金の延性・展性を活かした金属術。
全身の金装具を一瞬で引き延ばして無数の糸状に展開、高速回転させ自身に巻き付け編み上げる。
手芸術と源を同じくするとも噂される高難度の魔技ゆえ、失敗することも往々にしてある。
ただの金ではなく、彼女の妄信する所謂“漫画金”なので、あらゆる攻撃を寄せ付けず、あらゆる守りを打ち砕く強力な金属兵装と化す。

■キャラクター説明
衿串亅(えりくしすぺりおる)。
元々、出生届には『ι』一文字書いて提出されたのだが、受理時に『亅』の漢字と処理された。

彼女は名のある金属会社グループの総裁令嬢であり、生まれてすぐに金属加工学・金属化学・金属帝王学・金融学などの英才教育を受け、金属に対する造詣を深めてきた。
その中でも幼い彼女のお気に入りは、眩く輝く黄金だった。
今でも金こそが至高究極の金属と信じて疑わない。
彼女の中では、金に勝る金属などありはしないのだ。
――金属会社の跡継ぎ候補としては問題な思想なので、総裁である父は頭を抱えているのだが。

制服は金基調のオーダーメイド。
髪も金髪に染め、カラコンも入れている。それどころか下着まで金色に特注する徹底ぶり。
本当は色だけでなく素材も統一したかったのだが、過ごしにくかった上盗まれまくったので泣く泣く断念した。

部活は斧部。部活にはたまにしか顔を出せないが、実力はそこそこ。
鍵をそのまま大型化したような独特の形状の斧を操る。
戦闘スタイルは相手の懐深くに潜り込んだ上で痛烈な打撃を加える『ディープストライカー』。

希望崎学園入学後しばらくの後、魔山アリス狂終絶哀・闇に傾倒。彼女の近衛を僭称している。

■武勇伝
後日送ります

■その他
シークレットにしない/既存プレイヤー
8：第九次ダンゲロスメインGK：2012/06/12(火) 22:45:13: 清書
効果1：攻撃力1上昇　5
対象：自分　0.75
時間：永続　2.5

効果2：防御力2上昇　10
対象：自分　0.75
時間：永続　2.5

効果3：能力休み解除　80
対象：自分　0.75
時間：一瞬　1

制約：なし

効果数値：
（5*0.75*2.5）+（10*0.75*2.5）+（80*0.75）＝88.125

発動率：
（100-88.125+10）*（1.0.1*0）＝21.875

能力発動率：22％
9：第九次ダンゲロスメインGK：2012/06/13(水) 02:05:59: GK返信二回目完了
10：第九次ダンゲロスメインGK：2012/06/14(木) 02:04:01: キャラ確定！

■キャラクター名
衿串亅

■性別
女性

■学年
一年生

■所持武器
純金の大斧

■ステータス

攻撃：8防御：13体力：6精神：3FS：0

■FS名
手芸

■特殊能力名
無敵姿勢

■特殊能力内容

効果1：攻撃力1上昇　5
対象：自分　0.75
時間：永続　2.5

効果2：防御力2上昇　10
対象：自分　0.75
時間：永続　2.5

効果3：能力休み解除　80
対象：自分　0.75
時間：一瞬　1

制約：なし

効果数値：
（5*0.75*2.5）+（10*0.75*2.5）+（80*0.75）＝88.125

発動率：
（100-88.125+10）*（1.0.1*0）＝21.875

能力発動率：22％

能力原理：
金の延性・展性を活かした金属術。
全身の金装具を一瞬で引き延ばして無数の糸状に展開、高速回転させ自身に巻き付け編み上げる。
手芸術と源を同じくするとも噂される高難度の魔技ゆえ、失敗することも往々にしてある。
ただの金ではなく、彼女の妄信する所謂“漫画金”なので、あらゆる攻撃を寄せ付けず、あらゆる守りを打ち砕く強力な金属兵装と化す。

■キャラクター説明
衿串亅(えりくしすぺりおる)。
元々、出生届には『ι』一文字書いて提出されたのだが、受理時に『亅』の漢字と処理された。

彼女は名のある金属会社グループの総裁令嬢であり、生まれてすぐに金属加工学・金属化学・金属帝王学・金融学などの英才教育を受け、金属に対する造詣を深めてきた。
その中でも幼い彼女のお気に入りは、眩く輝く黄金だった。
今でも金こそが至高究極の金属と信じて疑わない。
彼女の中では、金に勝る金属などありはしないのだ。
――金属会社の跡継ぎ候補としては問題な思想なので、総裁である父は頭を抱えているのだが。

制服は金基調のオーダーメイド。
髪も金髪に染め、カラコンも入れている。それどころか下着まで金色に特注する徹底ぶり。
本当は色だけでなく素材も統一したかったのだが、過ごしにくかった上盗まれまくったので泣く泣く断念した。

部活は斧部。部活にはたまにしか顔を出せないが、実力はそこそこ。
鍵をそのまま大型化したような独特の形状の斧を操る。
戦闘スタイルは相手の懐深くに潜り込んだ上で痛烈な打撃を加える『ディープストライカー』。

希望崎学園入学後しばらくの後、魔山アリス狂終絶哀・闇に傾倒。彼女の近衛を僭称している。

■武勇伝
後日送ります

■その他
シークレットにしない/既存プレイヤー

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11：第九次ダンゲロスメインGK：2012/06/21(木) 21:05:38: ■武勇伝

『記憶力が貧弱で、逆方向にしか働かないの』

体育館裏に、男女が二人。
一人は、首元に布切れを巻き付けた男。
もう一人、女の側の風体は異様。
金色の髪、金色の目、金色の服、金色の鞄――全身を偏執的にまで黄金に染め上げた少女、衿串亅(えりくしせんちねる)。

「……手紙をくれたのはキミか、両津君。
どうした？キミとボクはろくに話をしたこともないだろう」

両津流雨。衿串亅のクラスメートとはいえ、二言三言交わした程度の仲だ。
野暮ったく巻かれたスカーフを手放さない、陰気な男。その程度の認識でしかない。

「えっと、その……おれ……衿串の事ずっと見てて、その……」
「……その……知りたいんだ！衿串の事」

空気が変わった――彼女は直感する。
彼は、本気だ。
衿串亅は姿勢を正し、彼を正眼にしかと見据える。鞄を握る手にも、自然と力が篭る。

「……全部、聞きたいんだ！あの技、何処から誰から知ったか――」

風にたなびくスカーフが、彼の顔を包む。
弱々しげな表情を覆い隠し、直後――ぎちぎちとした、異音。

面を隠し、冷たい目元だけを見せる男、両津流雨。

「――洗いざらい吐いて貰う。その後に貴様を殺す」

∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝

感情の死んだような、氷の声。
両手首から先は、鋭く尖る巨大針に変じている――彼の能力『カップルニードル』の産物だ。

「成る程、部活熱心(ちょうきょうずみ)かい。道理で親睦会じゃ能力伏せてた訳だ」
「我々の目は欺けない。貴様の武技――手芸術……いや、陶芸の秘奥」

「おいおいよしてくれよ、両津クン。ボクは告白かと思ってときめいたってのに、そんな――」

軽口は布石――既にその場に衿串亅の姿は無く、彼の懐に潜り込んでいる。

「――期待外れが、あるかい！」

ふつ、と風切る音。
手に持っていた鞄が、いつの間にか巨大な鍵のような得物へと変じている。
二度の空中転を打ち、その一撃から逃れる両津。
鞄だったものから吐き出された内容物が、ばらばらと宙を舞う。

「ああもう、折角の黄金が黄土色に犯されてしまうじゃないか」

両津流雨は応えない。
着地と同時に踏み込み、恐ろしい速度で突撃。
亅も迷わず前に踏み込む。
鍵型の金色戦斧を構え、下段から振り上げる。

両津は大きく仰け反ってそれをかわすと、片手を地面に突き刺す。
奇怪な姿勢のまま、もう片腕が奇襲的に伸び迫る！

咄嗟に掲げた武器防御を、針はあざ笑う。
衝突寸前で二股に避け、斧を迂回。がら空きの側面を衝く！

「報いを受けろ、"邪悪な簒奪者(ダークスティール)"！」

両の脇下に鋭く向かった鉄の針は、悪趣味な金色の専用制服を刺し貫く――

「おいおい、ただでさえ薄い胸を狙わないでくれよ」

――事叶わず、尖端が欠け折れる！

「そんな"しみったれた鉄(ダークスティール)"じゃ、ボクはオちないぜ」

本来、金は非常に柔らかい金属である。武具としては不適切な程に。

だが、彼女、衿串亅の認識は違う。
金こそ、最強の金属。最強の前には、硬いも柔らかいも意味をなさない――！
その幼稚な信奉こそ、彼女の真の能力、『金牢完遮』。
金を至高へと押し上げる力。
12：第九次ダンゲロスメインGK：2012/06/21(木) 21:06:16: ∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝

彼女は猫をあしらった純金の髪留めを解き、手遊びを始める。
そのままくるくるとその場で回転を繰り返す。
ほどけた長髪が靡き、細やかな縞模様の残像を描く。
残像は軌跡に、軌跡は道筋に、道筋は実体に――！

視界が純なる金に染まる。

そして、急制動。

髪がくしゃくしゃと乱れる。
暫くするとすとん、と収まり、辺りに金の糸が舞う――
髪と近い細さのそれは、髪そのものではなく、引き延ばされた純金糸。

「おめかししてみたのだけど、どうかな、両津クン？」

両津は応えない。
既に飛び撒かれた金糸により、全身をボロボロに刻まれた状態で、意識朦朧と佇むのみだ。

自身に纏わせるつもりではなく、最初から攻撃を狙った行動だったのだ。
回転による防具の縫製術と誤認し、阻止機動をとった彼は、見事に虚を衝かれた形になる。

「見惚れて言葉も無しかい、いけずだな……まあいいさ」

物言わぬ重症体を尻目に、衿串亅は踵を返した。

「出来れば無関係と報告してくれたまえ。キミの先輩にでも来られたら困るからね。
レッサー位階だろうキミならともかく、グレーター級と相伴あずかるなんて御免だよ、ボクは」

「――なれば、そうさせて貰おう」

∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝
13：第九次ダンゲロスメインGK：2012/06/21(木) 21:06:33: 「……おやおや、容赦無いね」

頭上から響く、冷涼なる声。
屋上から姿を現したのは、人間サイズのぬいぐるみ人形。
間抜け顔のぼろ人形と侮ることなかれ。これはあからさまに手芸の産物なのだ！

恐らくは、衿串亅の実力を凌駕するほどの使い手。
そして、彼女の立ち回りも割れているとみるべきだろう。
人形は勢いよく飛び降り、音もなく着地する。

「後輩の逢瀬を覗き見なんて、野暮な真似じゃないのかい？」
「……邪なる売女にたぶらかされる様を、看過は出来まい」
「そいつはあれかい、耽美な感じのやつかい。さしずめボクは泥棒猫、ね。
大丈夫、ボクはそこそこ理解のあるつもりだよ、その手の」

言葉とは裏腹、衿串は全力で逃げる手立てをシミュレートしている。
脳内で無数の手段が悉く潰され、次、次の策を――！

「……逃げ切られぬ事実の否定は結構だが、それよりは辞世の句を考える事を勧めよう」
「やっぱりそうなるかね、嫌だな色気の無い」

遅ればせながら、知る。最早逃げ道などは無い。手芸者がそう告げたのだから。

押し黙る衿串。にじり寄る縫製人形。

――カツ、カツ

そこに分け入るは、静謐を破る、靴音。
全くの偶然ではあったが、その闌入者こそが、運命を完全に変えたといえよう。

――彼女の名は、魔山アリス狂終絶哀・闇。

∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝
14：第九次ダンゲロスメインGK：2012/06/21(木) 21:06:54: ――魔山アリス狂終絶哀・闇。
かつて、学園最強の名を恣にし、現在の希望崎にもその名と籍を残す歴代最強存在。
彼女が、その重い口を開く。

「己の法(アルカイド)は己で決める。そして背信(コキュートス)に呑まれぬ事。
それは己の生き方(レーゾンデートル)を己で決める事に繋がる――」(止めて下さい、そんな物騒な……！殺しとかダメですよ怖い)

「邪魔をしないで頂きたい。我々は貴女に干渉しない、貴女も我々に干渉してくれるな」

それまで構っていた女を無視し、人形は答えた。

「あなたがそれを知るのは遅すぎた。人にとって、斯様な愚問(エニグマ)が解せないとは……」(ど、どうして分かってくれないの……？)

「手を引け、と？　その女を傘下にお加えか、狂終絶哀猊下。食えぬお人だ」

「私に出来る事はこんな事だけ。
還りなさい。再び、父祖(ユミル)へ。母胎(ギンヌンガ・ガップ)へ。
こんなに悲しくなった事は初めて……」(帰ってくれないかな……怖くて泣きそう)

「……」

押し黙った着ぐるみが、決断する。

「……我々とて、これ以上に荒立ては望まん。そなたと事を構えては英語弁論部への備えも儘ならぬ」

人形は両津の体を掻き抱くと、煙のように消え去った。

∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝

ボクを、衿串亅を救ってくれたのだ。
あの魔山アリス狂終絶哀・闇が、他ならぬ魔山アリスが。

ボクのような存在(まよいねこ)を救ってくれたのだ！
それが如何なる気紛れの産物であろうと、それが何だというのだ！

「ボク、は……」

気付かずに、涙が流れていた。歓喜の涙だ。

貴なる御手が、亅の頬に触れる。美麗なる指先が肌を伝い、優しく滴を拭い去った。

彼女と、目が合う――
ふっと魂の呑まれたように、衿串亅は気を失った。

「お休みなさい、良い夢(アーマゲドン)を」

∝∝∝∝∝∝∝∝∝∝
15：第九次ダンゲロスメインGK：2012/06/21(木) 21:07:09: 教室に響く、かしましい声々。
一人の少女の席に数人の少女が集まり、質問攻めを行っている。

「エリちゃん両津君に告られたっての本当なの？噂になってるけど……」
「どうなの？もう付き合ってたり？」

「おやおや、秘密にしておこうと思っていたのだけど……参ったね」

尋ねられた少女は、肩を竦めるような仕草を見せ告げる。

「折角だけど、彼のお話は袖にさせてもらったよ」

「わー勿体無っ！両津君クールで人気なのにー」
「何で蹴っちゃったのー？もしかして……心に決めた人がいるとか！」
「えー、エリちゃんそうなのー？誰誰、クラスの子？」

鳴り響くチャイム。

「ほらほら、席に着いた方がいいぜ。次が何の授業か、忘れたわけじゃあるまい」
「あ、やばいやばい！」

慌てたように席に駆け戻る女子達。

「まあ、収穫はあったさ」

開いていく扉を見つめながら、衿串亅は独りごつ。

「――素敵な人を見つけたからね」

教室に登場した国語教師の姿を認めると、彼女はひそかに破顔した。