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下書き

136【ソフィア2.00】(1):2019/04/03(水) 22:57:40
 暗闇に身を潜めたソフィアは、闘気を研ぎ澄ませながら、時が来るのを待っていた。静寂が支配する部屋のなかで、建て付けの悪い扉が微かな音を立てた。
「つぶれたディスコクラブ…か? なーんか嫌な予感がするけど、まァいいか」
 人の気配を感じたソフィアは、感覚だけを頼りに、長い一条鞭を放った。鞭を握る右手から、鞭先が標的の首を捉えた感触が伝わってくる。ソフィアは勢いよく右手を振り、標的を足元に引きずり寄せた。
 ガシャン、という重い機械的な音が響き、煌々とした照明が灯った。ソフィアの足元には重そうな布の袋が転がっており、腕を組んだソフィアは、ハイヒールの爪先で、その布袋をもてあそんだ。
「変わり身? さすがだわ。ショウの弟だけあってただの木偶(デク)の棒じゃないようね」
「わざわざ来た客に、ずいぶんな歓迎してくれるじゃねーか」
「ウフフ…、ほんのあいさつ代わりよ」
 妖艶な笑みで標的(エイジ・シンジョウ)の言葉を受け流したソフィアは、闘士の顔へと表情へ切り替え、鞭を構えて名乗りを上げた。
「私の名は【ソフィア】!! 理由(ワケ)あって闘神大武闘会に途中参加させていただくわ!!」
「大体そんな事だろうと思ってたけどな。やめといた方がいいんじゃねえかな。ココんとこの俺はちょっと強ぇぜ!」
「そうかもしれないわ。けれど、もう後には退けないの。【クラースヌイ・ブーリファ】を手に取った以上――」
 ソフィアが手にした鞭の名を唱えると、その長い一条鞭は、ソフィアの闘気で濃いピンク色に染まった。自信に満ちた表情で抜刀したエイジの前で、ソフィアは、バレエの演目を舞うように鞭を振った。
「何のことかわかんねえけど、後悔するなよっ」


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