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【唐澤貴洋】雑談★16

1名無しさん:2013/08/15(木) 16:46:54
唐澤貴洋は久しぶりに胸を踊らせていた。あの依頼を受けた日から唐澤貴洋の中に安寧はなかった。
虎ノ門へと事務所を移し数日、一つの手紙が届いた。
最初こそ剃刀の刃が入っているのでは、とか警戒をしたものの、意を決し開封すると
中から女性の写真に、事務所の女性事務員さんが書くような字で綴られた手紙が現れた。
予想だにしない内容物に困惑しながらも手紙を読み進める。
唐澤貴洋はこれが所謂恋文であるということに疎いながらもすぐに気付いた。
手紙には彼女のブログであるというURLも記載されている。浮き足立った唐澤貴洋に当初抱いた心配などもうなかった。
立ったままPCに向かい、記載されているURLを間違えぬように何度も視線を画面と手紙へ往復させる。
唐澤洋の怪訝そうな視線を感じる。今はそれどころではない。よし打ち込めた。
エンターキーを押し込むと頁が開く。マウスを握り、ホイールを転がし頁全体を見渡す。
何も無い。記事の一つもない。URLを間違えたのではと思い、アドレスバーと手紙を見比べる。相違はなかった。
唐澤貴洋は全身から力が抜けるのを感じ、傍にあった椅子に腰を下ろした。当職は騙されたのだ。
久しぶりに依頼が舞い込んだ。事務所を移転した矢先の依頼に幸先の良さを感じる。
事務的に開示請求する旨を掲示板に書き込む。
……何だ?何だ何なんだ。次々と非難めいたような、からかうような書き込みが寄せられている。
事態を把握すべく誹謗中傷者の集う掲示板を覗く。一番勢いのある投稿記事を開くと、唐澤貴洋は顔面蒼白になった。
くだんの恋文。あれは当職を中傷している者が画策した罠だったのだと、今更になって気付いた。
掲示板には当職のアクセスしたブログのアクセスログが晒されていた。
先程行った開示請求の際に表示されたIPアドレス。それが決定打となり当職だと特定されてしまったのだ。
騙されたことをからかうような書き込み。女性への疎さを見下すような書き込み。下心だらけだと蔑むような書き込み。
蒼白にだった顔は赤くなり、頭には血が上るのを感じた。唐澤貴洋の中で何かが切れた瞬間だった。


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