■掲示板に戻る■ ■過去ログ 倉庫一覧■

【妄想】着ぐるみ小説スレ第10章【連載?】

1 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/03/02(月) 13:07:19
【ルール】
■執筆者以外の人はsage進行でお願いします。
■あなたが作ったオリジナルの文章を募集します。
■長い文章は何回かに分けて連載してください。(何話でも可)
■1回の投稿では30行以内で書いてください。
■執筆者は識別の為、名前欄には『必ず』ペンネームとトリップを入れてください。
■1度使ったトリップは変えないでください。
■題材が着ぐるみならどんな内容でもOKです。(アダルト可)
■文章を読んだ人はこのスレに感想を書いてください。(任意)
■関連・過去スレは>>2-10の辺りに記載します。


2 : ぬいぐるみ 1 :2015/03/02(月) 18:38:15
俺の家には一匹のクマのぬいぐるみがいる。
手足が短く目がくりくりした可愛いぬいぐるみである。

「ただいま〜」
帰ってきてまずやること。
それは妹の部屋に飾ってあるクマのぬいぐるみに会うこと。

「よお、元気にしてたか」
ぬいぐるみに話しかける。
普通ならぬいぐるみは返事をしない。だが家のは違う。
そのぬいぐるみは俺が話しかけると腕を振って答えてくれる。

「寒いかなと思って暖房入れたけど暑くなかった?あ、ごめん。君ぬいぐるみだから暑さ感じないか。」
ぬいぐるみは頭を縦に振る。

だがぬいぐるみの頭に耳を近づけると中から「ハァハァ」と苦しそうな息遣いが聞こえる。
当然だ。          ・・・・・・・   
だってこのぬいぐるみの中には人が入っているのだ。
暑さも感じれば、窮屈さも感じる。

ネタばらしをするとこのぬいぐるみの中に入っているのは妹の夏樹である。
手足を折り曲げた状態で拘束し、ぬいぐるみの背中のチャックから入れている。
シンプルイズベストだ。
家には俺と夏樹しか住んでないのでやりたい放題である。

話を戻そう。
「え〜本当に暑くないの?今日だけは特別に本当のこと言っていいよ。責めないから。」

『・・・・・・・・・です・・・・』
籠った声が聞こえるがよく聞き取れなかった。
「え?ごめんよく聞こえなかった。もう一度頼む」
いじわるそうに言う。おそらく中は灼熱地獄だろう。腕を振っただけで体力を大幅に消費する。
今声を出したのも全身全力だっただろう。だがそこをいじるのが俺の趣味でもある。

『・・・・暑いです!ハァハァハァ』
「そうか熱いか!大変だな!で?」
『?』

ぬいぐるみはキョトンとしている。

「で?俺は感想を聞いただけだ。あと1時間はそこから出すつもりはない。」
するとぬいぐるみが足元に近づき暴れ始める。
『出して!ここから出して!!』
泣きそうな声で暴れる。

「おお〜それだけ暴れれるなら2時間はいけるな。」
ぬいぐるみはその言葉にびくつき暴れるのをやめた。

「よしよし。いい子だ。大丈夫あと1時間頑張れば出してやる。」
優しく言葉をかける。
『・・・本・・当に・・・・』
「ああ。今この時計のタイマーをセットした。1時間後にタイマーが起動しベルが鳴る。鳴ったら遊びは終わり!俺と夕食だ!」
ぬいぐるみの目元に近づけ見えるように時計を見せる
ぬいぐるみの目には特殊なレンズが入っていて中から外を見れるが、外からは中は見えない。
『(コク)』
「じゃあ残り時間がんばってねぇ〜(笑)」

夏樹は最後の(笑)が気になったが残り時間を耐えることに集中する。

夏樹は残り1時間を暖房の効いた部屋で、両手足を拘束され、モコモコした皮を被らされ、ただ耐えるしかない。
しかもすでに体力は限界。
はたして夏樹は耐えれるのか。そして兄の(笑)とは。


つづく



こんな感じでどうでしょうか?
初小説投稿なので間違いや言葉の使い方がおかしいかもしれませんが、宜しくお願いします。
あと改善点とかありましたら、言ってください。可能な限り頑張ります。


3 : ぬいぐるみ :2015/03/02(月) 18:44:39
ちょうど10章の始まりだったので書きました。
仕事で疲れてるので今回はこれで。
休みの日にドバッと残りを書くつもりなので次の順番の人は書いてもいいですよ。怒りませんから。


4 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/03/02(月) 19:08:03
>>3
素晴らしい
妹は何歳くらいの設定でしょうか?


5 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/03/02(月) 22:59:27
【妄想】着ぐるみ小説スレ第8章【連載?】
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read_archive.cgi/anime/9756/1359121685/-100
【妄想】着ぐるみ小説スレ第8.5章【連載?】
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read_archive.cgi/anime/9756/1360227486/-100
【妄想】着ぐるみ小説スレ第9章【連載?】
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read_archive.cgi/anime/9756/1397911167/-100


6 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/03/03(火) 00:10:35
文章も変なところは無いし期待せざるを得ない


7 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/03/03(火) 08:42:01
少し前まで人々で賑わっていた水族館。
閉館時間も過ぎ、静まりかえった館内で、一際大きな音を立てている水槽があった。
それはアザラシのいる水槽。

水族館の職員が3人がかりで地引き網で使うような網を使ってアザラシを引き揚げようとしていた。

アザラシは抵抗することなく、引き揚げられるが、重さがあり足元が滑るので職員は苦労していた。

水槽から引き揚げられたアザラシは全部で3匹。
大人しくジッとしている。

職員それぞれがアザラシ1匹ずつの口に工具を突っ込み、喉の奥を回すような操作をすると、アザラシの口のが飛び出してきた。

お判りと思うが、このアザラシは本物ではない。

職員はアザラシの背中を押すようにし、アザラシの口を大きく開くと中から、太いチューブの刺さった黒い物体が飛び出してきた。

職員は素早くチューブを抜き、そのまま黒い物体を押し出す。
チューブを抜かれた穴からは大きな呼吸が聞こえる。
押し出された物体は床でクネクネと動いている。

職員はアザラシから飛び出した黒い棒状の物体を軽く手の平で叩くと、物体は動きを止めた。

職員は棒状の物体をいろいろ触って、手を止め何かを剥がすような仕草を見せる。

職員はそれを引っ張り剥がし始める。
それは物体をグルグル巻きにしていたラップ。
徐々に物体の正体が明らかになってきた。

出てきたのは膝も腕も曲げられた人間。
そして小柄で胸の膨らみがある、つまり女性。
黒かったのは、全身くまなく黒いウエットスーツを着ていたから。
ついでにいえば、水中ゴーグルも黒。
刺さっていた太いチューブは呼吸用のもの。

ウエットスーツを着て、ラップ拘束状態でアザラシの着ぐるみで1日を過ごした彼女たち。

アザラシの着ぐるみの横で大の字になりひっくり返る。
中に入っていた人が取り出されてもアザラシの着ぐるみの形が崩れていないのは、呼吸用のタンクが仕込まれているから。
このタンクのおかげで1日アザラシになり、水の中にいることができる。

従業員がお疲れ様と声をかけるが、返す元気もなく手振りで応える。

それから30分もしないうちに従業員出口から3人の女子高生が出てきた。
お腹すいた、何食べる?と元気な様子である。

ひょっとするとあなたの近くにもこんな女子高生が演じるアザラシのいる水族館があるかもしれませんね。


おしまい。


8 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/03/03(火) 11:41:12
ぬいぐるみいいですねぇ そのぬいぐるみをカバンとかで持ち運んでみたいw


9 : 店頭トラブル編 ◆zYQ/uWRKn. :2015/03/04(水) 07:42:52
1/11

「私、体重3kgも減ってたの」凄く嬉しそうに話す美樹。
「私は2kgぐらいかなぁ?」と真希。
「帰って頑張った自分にご褒美でデザートまで食べたから、食べなかったら美樹よりも減ってたかなぁ」
「真希、あの仕事のあとでよく食べられたね、私は疲れてすぐ寝たよ」

そんな会話が繰り広げられているのは、土曜日のウルトラマンと行くウルトラな旅のツアーから2日後の月曜日の昼を過ぎた旅行会社の奥の部屋。

2人の会話がノックで遮られる。
部屋に入ってきたのは佳恵。

「土曜日はお疲れ様、かなり無理させてゴメンね」
「交代要員がいれば、助かるんだけど友達で誰かいないかなぁ?」
それを聞いて大学の友人を思い浮かべるが、2人とも思い当たらないような表情を浮かべる。

それを見て佳恵は話を変える。
「それはまた誰かいたら紹介して」
「今日はウルトラマンになって、仕事帰りの人にツアーをPRして欲しいの」

それを聞いて美樹は「着ぐるみの中に着るゴムのスーツ持ってきていません」と。
それに対して佳恵は「美樹さんにはビラ配りとお客様を店内へ案内してもらいたいの、ウルトラマンは真希さんお願い」と。

真希は佳恵からゴムのスーツを持ってくるように言われていたので、そのスーツを持ち上げ、返事をする。

ウルトラマンの着ぐるみについては、旅行会社で保管し、ツアーの前日に取りに来て、当日はバスの待機場所へ各々直行。
ゴムマネキンのスーツは汗をかき、直接着るため個人で管理してもらうことになった。

もちろん、真希は喜んでゴムマネキンのスーツを持ち帰り、その日は裏返しにして乾かし、日曜日ローションを購入し、一人暮らしのため1日ゴムマネキンとなり、圧迫感と息苦しさを楽しんだ。
時々、鏡に映る自分の姿に驚きながら。

真希は佳恵からローションを受け取ると、ゴムマネキンとなるためフィッティングルームに入る。

真希が着替えている間に、佳恵は美樹へビラの説明と配るターゲットを指示する。
今回配ってもらうのは、ウルトラマンのツアーではなく、若い女性がターゲットのツアーなので、主に若い女性を中心に配って欲しいということだった。
もちろん、希望するなら男性でも渡してもらっても構わない。

なぜ、ウルトラマンを使うのかというと、目立つから。
ただそれだけのこと。


10 : 店頭トラブル編 ◆zYQ/uWRKn. :2015/03/04(水) 09:33:29
2/11

体だけ男性のような体のゴムのスーツを着た真希が話に入る。
「え、ウルトラマン関係ないですか?」
佳恵は「そうなの、この辺りは旅行会社が多くて少しでも目を引くことをしないと」と答えた。
そして「今日はかなり寒いけど、着ぐるみだけで大丈夫?」

真希は少し考えて「少し寒いかもです」
「ツアーの時は昼で太陽の光が当たり、お客様からも色々なポーズの要求もあり動いていたので、暑かったんですが、今日はあまり動かないですよね」

「そうなの、そこで考えたのより目立ってもらうために」
そういうと佳恵はダンボールから何かを取り出した。
それは黄色のゴム風船。
しかし、通常のものと比べるとかなり大きい。

美樹が「こんな大きな風船どうするんですか?」と質問すると、佳恵は「入ってもらうの、ウルトラマンに」
「そして、人形のように風船の中で立ってもらって、美樹さんがビラを渡し説明し始めるとウルトラマンが動きだし、店内へ入るように進めるの」
「お客様も始めはビックリするだろうけど、話すキッカケは作れるし、それに真希さんが感じる寒さも少し和らぐと思うの、どう?」

美樹はあまりピンときていないようだが、真希は面白そうと笑顔だった。

「一度、ここで膨らませて入る練習しましょう」と言って、佳恵は送風機の準備を始める。
その間に真希は美樹に手伝ってもらいゴムマネキンとなる。


11 : 店頭トラブル編 ◆zYQ/uWRKn. :2015/03/04(水) 09:43:05
3/11

まずは部屋の中央にあるテーブルをよけて、スペースを作る。
そして、風船に送風機で風を送り込んでいく。
風船はみるみる大きくなる。
風船は元々縦長だったので、細長く天井付近まで延びた。
横幅もそこそこあるが、楕円形の風船に比べると場所はとらない。

風船が膨らむと佳恵さんは動画サイトでみた風船パフォーマンスで大きな風船に入っていた様子を説明し始めた。
「風船を大きく膨らませ、風船の口を広げ頭を入れる」
「動画では2人で一気に足まで、入れてしまうのだが、不慣れな2人でやるので一旦腰辺りまで入れましょう」

「パフォーマンスのプロがやってても空気が漏れていたので、腰まで入ったら送風機で空気を足して足先まで入れる」
説明をした佳恵はゴムマネキンとなり突っ立っている真希に向いて一言「どう?」

どう、と急に振られた真希もどう答えて良いか分からず「お願いします」と篭った声で返すしかなかった。
実際、真希の心の中ではワクワクしていた。

練習なのでウルトラマンの着ぐるみは着ないで、ゴムマネキンを風船に入れてみる。
縦長の風船なので、ゴムマネキンを体育座りさせて、まず頭を風船の中へ。

真希の頭が小さいこともあり、これは動画のようにうまく入った。
続いて腰まで入れる。
風船の口を広げて一気に腰まで、風船の口を引き下げる。

この時、佳恵が想定していたよりも多く空気が抜けた。
みるみる風船の丸みはなくなり、なかのゴムマネキンの形が浮き出てくる。

下半身がゴムマネキンの黒色、腰から上は黄色のゴム風船に拘束されたように腕は胸の前で折りたたまれ小さくなっている。

それを見て佳恵は慌てる「窒息しちゃう、どうしよう、どうしよう」

でも、美樹は冷静だった。
足をバタバタさせてないから、大丈夫だろうと。
焦る佳恵に「送風機で膨らませたらいいんじゃないですか」と。

「大丈夫?」声をかけながら送風機で風を送る。
風船の中からは「大丈夫です」の返事が返ってきた。


12 : 店頭トラブル編 ◆zYQ/uWRKn. :2015/03/04(水) 09:44:10
4/11

美樹は知っていた。
少し呼吸が苦しくなるくらいなら、真希にとっては問題ないことを。
むしろ、それを望んでいる。

以前、2人でそんな話をしたことがあった。
真希が唐突に「Mな女の子どう思う?」と。
「SMのM?」美樹が問い返すと、頷き、「縛られたり、叩かれたり、痛いのじゃないけど」
「ギュッとされるたり、締めつけられたり、息苦しくなるようなこと」

美樹は「私もギュッと締めつけられるくらいならいいかなぁ」
「なんか守られてるみたいで」というと、真希は嬉しそうな顔していた。

「真希のことでしょ!」と美樹が言うと、真希は真っ赤な顔してうつむいてしまった。

そんな話をしたあとで、美樹は偶然
ロボット博のアンドロイドの機ぐるみバイトの募集を見つけ2人で応募した。



風船に真希を入れる作業だが、腰まで入ったのとゴム風船の扱いにも慣れたせいか、すんなりと全身をゴム風船の中へと収めることができた。

立たせてみるが、そこには大きな黄色の風船があるだけ、中の様子は分からない。
佳恵は通常の風船のように膨らませれば、ゴムが伸びて中が見えると思っていたが、そうではなかった。

真希に中からの様子を聞いたが、やはりなにも見えないということだった。

ゴム風船は半透明のものを使うことにし、黒いゴムマネキンの真希を一旦風船から出すことにした。



13 : 店頭トラブル編 ◆zYQ/uWRKn. :2015/03/04(水) 10:47:08

5/11

ゴム風船に入れたとき同様、足はすんなりと出たが、空気が抜けてしまい、またも上半身だけが縮んだゴム風船に締めつけられる真希。

またも送風機を持って焦りだしそうな佳恵を美樹が制止する。
「真希がどれくらい耐えられるか確認しておいた方がいいかもしれませんよ」と。

空気が抜けたままであるが、腕を胸の前で折りたたんで顔の辺りには空間ができているので、ゴムマネキンの呼吸穴はふさがれていない。

5分までは全然大丈夫だったが、5分を過ぎた頃からゴムマネキンとなった真希の体が動き始める。
苦しそうにゴムマネキンの足がバタバタし始めたのは8分過ぎ。
篭った声がさらにゴム風船に邪魔をされ、よく聞き取れなかったが
「苦しい、風船膨らませて下さい」
といっているようだった。
さらに体を捻りながら、苦しさをアピールする真希。

それを見て美樹は送風機を持っている佳恵の制止を解く。

すぐに空気が送り込まれゴム風船は膨らんでいく。

床で暴れていたゴムマネキンも楽になったようで、落ち着いてきたが苦しかった様子はお腹の起伏の激しさで分かる。

ある程度まで膨らませると、次は上半身を2人がかりで風船から出した。
佳恵はすぐに、ゴムマネキンの顔を覗き込むようにして「大丈夫?」と心配そうに聞いていた。

真希は篭った声で「大丈夫です」と答え、手でOKサインをした。

「一旦脱いで休憩する?」という佳恵の問いに、真希は「大丈夫です」と元気に答える。
「じゃあ、よろしく」
「美樹さん、ウルトラマンの着替え、お願いね」
そういうと佳恵は部屋を出ていった。


14 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/03/04(水) 11:20:16
呼吸制御か
素晴らしい


15 : 店頭トラブル編 ◆zYQ/uWRKn. :2015/03/04(水) 13:22:46
6/11

ウルトラマンの着ぐるみを着せるのを手伝いながら話す2人。

「真希、どうだった?」
「風船だと甘く見ていたら凄い締めつけで、縮むと全く身動き取れなくなったんでビックリした」
「でも圧迫感はいい感じだったよ」
「さすがに息苦しくなってきたときは、かなり焦っちゃった」と頭を掻く仕草。

「楽しめたんだ、私は苦しいのやだから、顔を出して空気抜いてもらいたいな」と美樹が言うと、「それいいね」と真希が喰いつく。

「呼吸できるからずっと入ってられるね」と真希が言うと、「汗だくになっちゃうよ、この間のツアーみたいに」と美樹が返す。
「そうだね」と2人が笑っているところに佳恵が台車を持って戻ってきた。

この台車を使ってゴム風船に入ったウルトラマンを運ぼうというのだ。

ウルトラマンの着ぐるみの準備も後はマスクを被り、背中のファスナーを閉めるだけ。
美樹が真希にウルトラマンを着せ終わるころ、佳恵も透明のゴム風船を膨らませ準備が完了していた。


16 : 店頭トラブル編 ◆zYQ/uWRKn. :2015/03/04(水) 13:28:27
7/11

「じゃあいくよ」佳恵が声をかけると、美樹とウルトラマンが頷く。
ウルトラマンは床に座り、その両側から佳恵と美樹がゴム風船の口を広げウルトラマンをゴム風船の中へと入れる。

予行演習をしただけあり、アッサリと腰まで入った。
空気の抜けた分を送風機でたす。
下半身は2人がゴム風船の口を広げ下げるのに合わせてウルトラマンが立ち上がる。
こうしてウルトラマンは透明のゴム風船の中へと収まった。

「どう?苦しくない?」佳恵の問いにウルトラマンは風船の中でOKサインをして見せる。
送風機で多めに空気を足すと、ウルトラマンの足元のゴム風船の口に封をし、空気が漏れないようにすると、風船が割れないように注意しながら台車へ載せる。

そして、ウルトラマンが転倒しないように店頭へと運ぶ。

そして店頭に容易してあった丸台にウルトラマンを載せ換えて準備完了。

佳恵が「寒くない?」と聞くと、ウルトラマンは親指を立て、いいねのポーズで応える。
「じゃあ、美樹さんあとお願いね」というと佳恵は店内へと戻っていった。

その様子を遠くから見てる青年がいた。


17 : 店頭トラブル編 ◆zYQ/uWRKn. :2015/03/04(水) 13:30:39

8/11

夕方になり人通りも増えてくる。
美樹がビラを配って旅行会社のPRをしている横で、ゴム風船に入ったウルトラマンは腰に手を当てただ立っていた。

ウルトラマン効果もあり、ビラを配っている美樹に寄ってきて「このウルトラマンは置き物ですか?」と質問する人も。
ウルトラマンは美樹と話しているのを聞くとポーズを取る。

質問してきた人はゴム風船の中で動くウルトラマンに驚き「中の人大丈夫なんですか?」と、美樹に尋ねる。
美樹は決まって笑顔で、こう答える「ウルトラマンですから」

ビラをもらった人も笑顔になり、そのまま店内へ吸い込まれていく。

ビラも配り終えたので、美樹はウルトラマンに軽く声をかけ、佳恵にこの後どうするのか聞くため店内へと入っていった、その直後事件が起きる。

店内へ入っていく美樹を見送るように見ていたウルトラマン、その風船に通行人の大きなリュックが接触。

不意のことでウルトラマンは風船に入ったまま呆気なく転倒した。
普通なら風船は割れる筈なのだが、大きなゴム風船は意外にも丈夫で割れなかった。
しかし、どこかに穴があいたのだろう。
空気がどんどん抜けていく。


18 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/03/04(水) 13:59:51
支援


19 : 店頭トラブル編 ◆zYQ/uWRKn. :2015/03/04(水) 15:23:22
9/11

みるみるゴム風船は小さくなり、ウルトラマンを締め付けていく。
部屋の時とは違い、風船の口はしっかりと閉じられている。
風船はどんどん縮み、ウルトラマンは真空パックされたような形で風船に閉じ込められてしまった。

転倒したことで軽いパニックになり、真希は呼吸穴のための空間の確保ができなかった。
そのため、ウルトラマンのマスクの呼吸穴には風船が張り付き、全く呼吸できない。

地面でイモムシのようになり必死に脱出しようと、のたうちまわるウルトラマン。
しかし、通行する人はだれ一人として助けの手を差し伸べようとはしなかった。

そこへある青年が駆け寄る。
ペンケースからカッターを取り出すと、急ぎながらも慎重に風船に切れ目を入れ、風船の分厚いゴムを裂いていく。

青年のおかげでウルトラマンは絶対絶命のピンチを脱した。


20 : 店頭トラブル編 ◆zYQ/uWRKn. :2015/03/04(水) 16:19:12

10/11

青年の名前は杉田 隼人。
小さな頃からウルトラマンに憧れていた。
大きくなると今度はウルトラマンの着ぐるみに入ってみたいと思うようになっていた。

大学の帰りに偶然通りかかった旅行会社の前で中からウルトラマンが出てくるのを見た。

少し離れた所からウルトラマンを見ていた。
台車に乗せられて運ばれてきたウルトラマンは風船に入っており、置き物かと思ったが、店頭に用意された台の上に、従業員と思しき女性2人に手伝ってもらい乗り、腰に手を当てポーズを取った。

そして残った1人の女性がビラを配り、ビラをもらった人と少し話してはウルトラマンが動いていた。
その光景を写真に収める者もいた。

「カッコいい」思わず口にする。
正直、隼人も写真を撮りたかったが傍らの女性に変な奴に思われないかと思い近づくこともできなかった。

しばらく、離れて見ていたがビラを配っていた女性が店の中へと入っていった隙にウルトラマンへと近づいたその時、通行人の大きなリュックがぶつかり、ウルトラマンが転倒した。

風船は割れることなく、萎んでいく。
風船の中ではウルトラマンが必死の抵抗を見せるが、縮んだ風船のゴムの力には勝てず、真空パックされた状態になってしまった。

ウルトラマンのピンチ、自分が助けないと!
隼人はそう思うと、地面でゴム風船に締め付けられてイモムシのようになっているウルトラマンを取り囲む人々を掻き分けて、ウルトラマンを救出した。


21 : 店頭トラブル編 ◆zYQ/uWRKn. :2015/03/04(水) 16:25:42
11/11

ウルトラマンを救出した隼人は声をかける。
「大丈夫ですか?」
ウルトラマンは苦しそうに肩で息をしている。
ウルトラマンからの熱く湿った息がかかるほど近い距離まで、隼人は顔を近づけていた。

ウルトラマンからは小さな弱々しい声で「ありがとうございます」
その声は明らかに女性の声。

ウルトラマンは手振りで返事する、もしくは男の声が帰ってくると思っていた隼人はビックリし慌てる。

顔を上げると人々に自分も取り囲まれ、そして拍手が起こる。
急に恥ずかしくなった隼人は顔を真っ赤にし、ウルトラマンを立たせると足早に立ち去ってしまった。

ウルトラマンは棒立ち、取り囲こんでいた人々もバラけていった。
美樹が戻ってきたのは、そんな時だった。

「今日はもう、良いんだって、帰ろ」
「あれ、風船割れたの?丈夫そうだったけど」と美樹は独り言のように話しながら、部屋と戻る。

部屋に入ると美樹はウルトラマンの背中のファスナーを開けながら「佳恵さんからゴム風船、透明以外のものなら少し持って帰ってもいいって言ってたよ」と。

先ほどの風船に閉じ込められ救出された一連の事件のことで真希には美樹の話は殆ど入ってこなかった。

美樹は真希の分の風船も彼女のカバンに詰めて、その日は帰った。



そして、ウルトラマン編につづく


ぬいぐるみさんのつづき、期待してます。


22 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/03/04(水) 16:39:34
GJ部


23 : ぬいぐるみ :2015/03/07(土) 12:05:11
テスト


24 : ぬいぐるみ :2015/03/07(土) 14:36:41
つづきを書こうとしてるのですが、文書のどこかに規制されている言葉があるようで投稿できません。

原因となる言葉を探しているけど、まったくわかりません。

原因がわかり次第投稿します。

投稿するのが遅れますので、次に小説を書く人はお先にどうぞ。


25 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/03/08(日) 13:27:03
削除された業者の書き込みにNGワードあるっぽい
るいヴぃとん、えすて、うでどけい
あと漢字であなたとかも書き込めなかった


26 : そして、ウルトラマン ◆zYQ/uWRKn. :2015/03/08(日) 17:40:11
1/11

ウルトラマンを救出した翌日、大学の大教室で講義を受ける隼人の姿があった。
昨日のウルトラマンのことを考え、全く講義にも集中できずにぼんやりしている。

憧れだったウルトラマン、その窮地を自分が救い、そのウルトラマンの中身が女の子だった。

いったい、どんな女の子がウルトラマンに入っていたのだろう、色々な思い、妄想を巡らす。

そんな隼人はすぐ隣に座っている人のことにも全く気づかないほどであった。

隼人は隣から不意に声をかけられる。
ビックリして、見ると綺麗で細身の女の子が座っていた。
隼人は妄想にふけっていた変な自分を見られていたのではと、少し戸惑いながらも「何か?」と返す。

そして頭の中ではこんな女の子がウルトラマンに入っていたらと、想像したがウルトラマンはガッチリした体型、この娘が入っていたら弱々しいウルトラマンになってしまうなぁと。

隼人は色々思いを巡らせていたため、女の子の声が入ってこなかった。
それはその女の子の声があまりにも小さかったこともある。
「 … がとう … した」

「え?」隼人が聞き返す。
女の子は顔を真っ赤にしながら、うつむき「昨日はありがとうございました」と。
これでもやっと、聞きとれる程度。

彼女にお礼を言われることをしたか思い返してみる。
昨日、1日を振り返ったが思い出せないというより、この子と話すこと自体初めてだった。

「誰かと間違えていませんか?」
その問いに彼女は首を振る。

悩んでいる隼人に「ウルトラマンに入っているときに」と声が小さくなる。

「えー」立ち上がり大声で驚く隼人。
その声は大教室に響き渡り、注目を浴びる。


27 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/03/11(水) 13:33:06
ぬいぐるみ様へ
ダメなようでしたらpixivなどに投稿していただけませんでしょうか


28 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/03/11(水) 17:03:04
仕事で忙しくて書けない人はピクシブで書いてた方が楽ですよ。
急かされることなく自分のペースで書けますから。


29 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/03/13(金) 09:20:47
なんか静かだね・・・寂しい・・・


30 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/03/19(木) 14:43:58
ぬいぐるみまだかなぁ はやくよみたいなぁ


31 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/03/19(木) 20:05:03
ウルトラマンの隼人さーん!まーす!宜しくでーす!楽しみに待ってまーす!


32 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/03/28(土) 09:08:53
ぬいぐるみまだですか〜


33 : 風犬 :2015/03/30(月) 15:05:52
まだか〜い


34 : ぬいぐるみ 2 :2015/03/30(月) 15:25:28
妹の部屋にはぬいぐるみがたくさんある。
その中のクマのぬいぐるみには妹の夏樹が入っている。
しかも手足を折りたたまれた状態で。
中は熱が籠るため暑い。さらに追い打ちをかけるように部屋の暖房がスイッチが入っている。
部屋から出たくてもそれは叶わない。
なぜならドアノブに手が届かないからである。
夏樹は背が小さい。小学生と思うくらい小さい。
そこに手足を折りたたんでいるのだ、さらに身長が縮んでいい感じにドアノブに届かないのである。
クックッ。お前はあの部屋でぬいぐるみのようにジッとしている以外にぬいぐるみから出れる方法はない。
まあ脱水症状になって死なれては困るので、こっそり暖房は切ってある。
あと水の入ったペットボトルも置いといた。
まだくたばるんじゃねぇぞ。やりたいことはまだ沢山あるんだからなぁ〜。

と心の中でしゃべりながら、無言で夕食の準備をする明人だった。

                  つづく


35 : ぬいぐるみ :2015/03/30(月) 15:32:54
待たせてすみません。

つづきを書こうとしたらパソコンが壊れてしまいました。
でも数日前に修理したら治りました。(笑)

これからもよろしくお願いします。


36 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/03/30(月) 16:51:46
乙です


37 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/03/30(月) 17:03:35
禁止ワードは大丈夫そう?


38 : ぬいぐるみ :2015/03/30(月) 17:59:16
やっぱりダメっぽい。
もう一度シナリオを練り直す。


39 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/03/30(月) 19:18:27
聞いたぞ

回/春/侍
ル/イ/ヴ/ィ/ト/ン
腕/時/計
エ/ス/テ
合/理/主/義/哲/学
矢/部/宏/治

あとはURL


40 : お〜いその :2015/03/31(火) 09:40:14
今回は嵐ではない
ぬいぐるみにアドバイスしにきただけだ

書き込むたびに規制されてると自分の考えを否定された気持ちにならないか?
なったならここには来ない方がいい

pixivに書くなり自分のサイト立ち上げるなりして書いていった方が自由気ままにできるぞ

こんなところで立ち止まるな
書きたいことを書けばいい

あと俺の気にそはない小説があったらことごとく邪魔するんで、そこんところヨロシク


41 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/03/31(火) 13:00:00
規制解除?


42 : そして、ウルトラマン ◆zYQ/uWRKn. :2015/03/31(火) 13:01:45
2/11

「本当に」小声で隼人が聞き返す。
女の子は顔を真っ赤にし、下を向き頷く。

隼人には目の前のこの娘が、ウルトラマンに入っているとは到底思えなかった。
それは多くの人が行き交う道でウルトラマンとして堂々と振る舞っていたからだ。
だが今は、自分の前だけでも顔を真っ赤にして恥ずかしそうにしている。
恥ずかしそうにしている理由は後で知ることになるのだが。

「名前聞いてもいい?」
「真希です」
「僕は隼人、よろしく」

「一年の時から知ってました、隼人くんのこと」
「友人の美樹が教えてくれたんで」

「美樹?」隼人の記憶にないようで考え込んでいる。
「美樹が隼人さんと小学生の時、家が近所って言ってました」

「あ!あの美樹ちゃん」
隼人も思い出した。
小学4年くらいに引越していたので、すっかり忘れていた。
虫が嫌いな美樹にカブトムシやカマキリを見せて、よく泣かせていた。

美樹は可愛い大人の女性になり凄く変わってしまったが、隼人は少年の頃の面影を残していた。
それで美樹はすぐに隼人だと分かったが、隼人は美樹の存在に気づいていなかった。

「美樹ちゃんって?」
「同じ大学ですよ、この講義も取ってますけど、今日はデートらしく来ていません」
美樹は要領よく勉強ができたことを隼人は思い出していた。


43 : そして、ウルトラマン ◆zYQ/uWRKn. :2015/03/31(火) 13:03:19
3/11

隼人はまた昨日の話に戻した。
「一つ聞いていいかなぁ?疑っている訳ではないんだけど、細い君がたくましいウルトラマンにどうやったら成れるの?」

真希はウルトラマンの着ぐるみの中にゴムのスーツを着ていることを説明した。
そして今日も夕方からバイトがあり、ウルトラマンになるかもしれないので、昨日の旅行会社の前に来てもらえれば、顔を見せることができるかもしれないと。
そして、お互いの連絡先を交換した。

真希は密かに思いを寄せている隼人と話すことができ、隼人と別れ教室を出てからもドキドキがしばらく止まらなかった。
それは昨日助けてもらった時、隼人だと気づいた真希は驚き、そして嬉しかったのと同時にドキドキと同じ感じであった。


講義には現れなかったが、バイトにはしっかりと現れた美樹。
今日も真希がウルトラマンに入って、美樹がビラを配る。
ただ、ゴム風船は割れやすいことを理由にウルトラマンそのままでということになった。

真希はゴムマネキンに着替えるときに、隼人にメールをした。
少し疑い気味だった隼人に信じてもらいたかった。


44 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/03/31(火) 13:21:25

つづきキター !


45 : そして、ウルトラマン ◆zYQ/uWRKn. :2015/03/31(火) 15:25:05
4/11

ウルトラマンが店頭に出て通行人の目を引き、美樹がビラを配り始めると自然と人が集まりだした。

真希はウルトラマンの小さな覗き穴から隼人を探す。

いた!
隼人は少し離れた位置からビラ配りの様子を伺っていた。

ある程度ビラを配り、人通りも落ち着いた時、追加のビラを取りに店内へ戻る美樹。

真希が店内へ戻る美樹を見送り、振り返えると目の前に隼人が立っていた。
隼人はどう話しかければいいのか、戸惑っているようだった。

ウルトラマンは隼人の手を掴むと、旅行会社の入居しているビルと隣のビルの間へと引っ張っていく。
普段の真希ならばできない行動だが、今はウルトラマン。
真希はウルトラマンに力をもらい積極的に行動できた。


46 : そして、ウルトラマン ◆zYQ/uWRKn. :2015/03/31(火) 15:27:56
5/11

隼人の陰で通りからはウルトラマンの姿が見えないようにし、ウルトラマンは隼人に顔を近づける。

そしてこう呟いた「隼人くん、背中のファスナーを開けて」

隼人は頷くと緊張した表情で、ツバを飲むとウルトラマンの背中へと手をまわす。

隼人の手はウルトラマンの背中辺りを彷徨う。
ファスナーはもう少し上と示すように、ウルトラマンは隼人の手を優しく掴むと後頭部の辺りへ誘導する。

ビラ配りの時はファスナーのヒダはボンドで止めていない。
そのため、ヒダを掻き分けるとファスナーに辿り着く。

隼人はドキドキしながら、ファスナーを開けていく。
ファスナーが全開になると、真希はウルトラマンのマスクを両手で挟み、体を仰け反らすようにしてマスクを脱ぐ。

隼人は真希の顔が現れるとばかり思っていた。
しかし出てきたのは黒いラバースーツののっぺらぼう。
背景の暗がりに混じり、隼人には透明人間のように見えたのだろう。
隼人はわっと声を上げ、後ずさりする。

真希は慌てて「待って」といって隼人の腕を掴んだ。
その隼人の手を取ると真希は自分の頭の後ろにあるラバースーツのファスナーへと誘導、そしてファスナーを下させる。

またも少し体をを反るようにして、ラバースーツからようやく真希が顔を出した。


47 : そして、ウルトラマン ◆zYQ/uWRKn. :2015/04/01(水) 07:20:07
6/11

「信じてもらえた?」着ぐるみに入って乱れた髪を整えながら真希が話す。
隼人は真希を真っ直ぐ見つめて頷く。

「実は信じてなかった訳ではないんだ、ウルトラマンの真希ちゃんに会いたくて」
「昔からウルトラマンに憧れていて、今は真希ちゃんみたいにウルトラマンに入ってみたいと思ってる」
と隼人は話す。

真希は佳恵の交代要員を探しているという言葉を思い出していた。
「隼人くん、ウルトラマンになりたい?」
真希の問いに、ビックリしたような表情の隼人。
「もちろん、成れるなら!」

「ウルトラマンに入ってくれるバイトを募集していたから、聞いておくね」というと、隼人は嬉しそうな顔をして「ぜひ、お願いします」と喜んで真希に抱きついてきた。

真希も嬉しくて抱きつき返す。
少しの間があり、見つめる2人。
真希が目を閉じると、隼人が真希に優しく口づけをした。

真希は恥ずかしくなり、ラバースーツを被る。
隼人も恥ずかしいのか、気まずいのか、「ファスナー閉めようか?」と。
真希はラバースーツの中で顔を真っ赤にしながら、頷く。
ラバースーツのファスナーが閉められると、すぐにウルトラマンのマスクも被り、隼人はウルトラマンのファスナーも閉めた。

再び、ウルトラマンに戻った真希は声を発することなく、手を振り隼人と別れた。
今の真希は着ぐるみの中が暑い訳でもないのに大量の汗が顔から流れていた。

真希が隼人と別れ、店頭に戻った時には美樹が不満気な顔で1人ビラを配っていた。


48 : そして、ウルトラマン ◆zYQ/uWRKn. :2015/04/01(水) 07:21:51
7/11

バイトの帰りに佳恵さんに隼人のことを伝えると、明日にでも履歴書を持ってきてとのことだった。

明日、大学で隼人の顔を見て、そのことを伝えられるか真希は不安だった。



翌日、恥ずかしくて隼人のことを探すことすらできないでいた真希に隼人が声をかけてきた。

何を話していいのか、あたふたする真希に、隼人が「昨日はいきなりゴメン」と謝ってきた。

申し訳なさそうにする隼人に「謝らないで、嬉しかったから」
「私、実は隼人くんのことが大学に入ってからずっと気になっていて」と顔を真っ赤にしてうつむく真希。

隼人の顔が急に明るくなった。
それを見た真希も笑顔になった。

そして、今日の夕方、佳恵に言われた時間に履歴書持参で田中宛で面接に来て欲しい旨を隼人に伝えた。

「一緒に仕事できるかなぁ」嬉しそうに真希にそういう隼人の目は輝いていた。


講義終わりで一緒に旅行会社へ向かう2人。
時間的に旅行会社がゆっくりできる時間に2人は着いた。
指定された時間より早かったが、店内に入ると佳恵は「面接の方?」と、すぐに面接することになった。

真希と美樹の時もそうだったが、 面接らしい面接ではない。
佳恵からの質問だけ、履歴書は形式的なもの。

真希も同席で面接が始まる。


49 : そして、ウルトラマン ◆zYQ/uWRKn. :2015/04/01(水) 12:06:21
8/11

「真希さんのお友達?」
「ウルトラマンの着ぐるみに入ってもらうけど、体力に自信ある?」
「長時間、ウルトラマンになってもらわないといけないけど大丈夫?」

隼人は答える間もなく、ただ頷くだけだった。

「今日、時間ある?」
隼人が「今日は予定ないので」と答えると、「じゃあ採寸するからフィッティングルームへ行って」と。

真希にはゴムマネキンのスーツの採寸であることはすぐに分かった。

佳恵は手慣れた感じで採寸していく。
採寸が終わると佳恵は「試しにウルトラマンやってみる?」と隼人に尋ねた。
隼人は笑顔で「ハイ」と答える。

「真希さん、今日は美樹さんに休んでもらって、あなたと隼人くんでビラ配りお願いできる?」

真希も咄嗟のことで「ハ、ハイ」と返事する。

「じゃあ、隼人くん下着とTシャツ姿でウルトラマンに入ってね」
「1人では着られないと思うので、真希さんに手伝ってもらってね」
「私は美樹さんに連絡入れてくるので、真希さんあとよろしく」そういうと佳恵は部屋を出て行った。

佳恵の勢いに押され、ほとんど喋ることもできず、部屋で2人きりになった。


50 : そして、ウルトラマン ◆zYQ/uWRKn. :2015/04/01(水) 16:58:31

9/11

椅子に座っていてもしょうがない。
「じゃあ、始めましょうか」真希が声をかけ、隼人が立ち上がりフィッティングへ。
真希は部屋の隅で干してあるウルトラマンの着ぐるみを取ると、隼人に手渡す。

ウルトラマンの着ぐるみを手にした隼人は少年のような顔をしている。
「着方が分からなかったら、言ってアドバイスや協力はできると思うから」真希がそういうと、「了解」と隼人は敬礼で返した。

真希は椅子に座り、隼人の着替えを待つ。

隼人は着替えを始める前にウルトラマンの着ぐるみを広げてみる。
ウルトラマンのマスクは自分の方へ垂れ、着ぐるみだけではヨレヨレで昨日、真希が入っていた時とは別もののように感じた。

トランクスとTシャツ姿になって着替え始める。
足を通すと「冷たッ」思わず声が漏れる。
内側もゴムでできているので、滑りが悪いが少しずつ足を通していくと、自分の足がウルトラマンの足になっていく。
下半身がウルトラマンになった時、隼人の興奮に比例し股間が硬くなっていく。
こんな姿を真希には見せられないと必死に心を落ち着かせようとするが、ウルトラマンの着ぐるみの締め付けが強くますます硬くなっていく。

ゴムの弾く音と隼人の力を入れる息づかいが聞こえなくなったので、真希が外から声をかける。
「大丈夫?手伝うから何でも言ってね」

さすがにこればかりは手伝ってもらうこともできない。
「大丈夫!」とりあえず返事を返す。


51 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/01(水) 19:13:58
来たか……ついに、ついにこの時が……!!


52 : そして、ウルトラマン ◆zYQ/uWRKn. :2015/04/02(木) 10:26:47
10/11

困った隼人が出した決断、ウルトラマンになってしまえば、呼吸が苦しくなり、興奮が収まるのでは。

腕を通して着ていく、ウルトラマンになっていく興奮と着ぐるみの締め付けからまだまだ硬くなる股間。

マスクさえ被れば。
マスクを被り、呼吸穴と視界を確保した。
これで落ち着くと思い大きく呼吸をしたとき、ゴムの臭いに混じり、真希の香水の香りが入ってきた。

頭の中には真希のことが巡る。
真希がこのウルトラマンの着ぐるみの中で今の自分と同じように閉じ込められている姿を想像すると、股間は今までにないほど硬く反り勃つ。

隼人はウルトラマンの着ぐるみにくっきりと浮き出た股間を手で刺激を加え、崩れるように膝をつく。
最後は頭を床につけた態勢で果ててしまった。

どうしよう?途中からは自分の意思で止めることができないようになっていた。

あまりに時間がかかっているので心配した真希が声をかける。
「大丈夫?手伝うよ」

今、真希に中へ入ってもらう訳にはいかない。
必死にこの状況の打開策を考える。
タオル!
カバンにタオルが入っていたそれでこの場をしのげるか、分からないがやるしかない。

「ゴメン、悪いけどカバンからタオル取って貰える、汗がすごくて」
汗がすごいのは事実だが、暑くてかいた汗ではない。
焦りから噴き出た脂汗。


53 : そして、ウルトラマン ◆zYQ/uWRKn. :2015/04/02(木) 10:29:38
11/11

真希からタオルを受け取ると、腕をウルトラマンの着ぐるみから抜いて、タオルでトランクス内で大変なことになっている部分を拭き取る。
それをタオルで包み込むようにして何とかその場は乗り切った隼人。

急いで腕を通し、マスクは真希に分からない振りをして被せてもらうことにした。

液のついたタオルは真希に気付かれないように、レジ袋に入れ封をした。

1度出てしまったので、隼人の股間は落ち着きを取り戻していた。
安心して真希に手伝ってもらう。

真希はマスクの被り方を丁寧に教えてくれたが、マスクを被ると股間が硬くなり始めたが、そこは別のことを考え必死に抑えた。

背中のファスナーを閉めてもらい、グローブとクツを履き完成。
真希の目前に男の人が入ったウルトラマン。
真希が鏡で見ている自分のウルトラマンとは違い格好良く見えた。

その上、ウルトラマンの中身は真希が思いを寄せている隼人。
思わず抱きついてしまった。

真希に抱きつかれ再び硬く熱くなる股間、このバイトは息苦しさや暑さよりもいかに自分を抑えられるかだと思う隼人だった。



おしまい

駄文にお付き合いありがとうございました。


54 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/02(木) 10:32:00
>>53
GJ部


55 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/02(木) 12:04:43
これって続編アリ?


56 : そして、ウルトラマン ◆zYQ/uWRKn. :2015/04/02(木) 15:07:52
続編要りますか?


57 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/02(木) 15:43:05
ぬいぐるみの話はまだ?


58 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/02(木) 17:06:58
>>56
もちろんです


59 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/02(木) 19:07:07
>>56
真希が、こんどは女ウルトラマン(ユリアンかベスあたり)の着ぐるみに入って、隼人の入ったウルトラマンとイチャイチャする、という光景を想像してしまいますね。
いえ、もちろんプライベートで、の話ですが。


60 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/03(金) 00:27:40
>>53
おもしろかったよ !!
漁夫の理で一番得したのは次々と演者がやってくる佳恵ではないかと思った。


61 : そして、ウルトラマン ◆zYQ/uWRKn. :2015/04/03(金) 11:22:45
いろいろご意見ありがとうございます。また、書けましたら投稿します!


62 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/03(金) 12:02:27
期待してます!!頑張ってください。


63 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/06(月) 10:57:05
で、次書く奴は誰だ
更新されないと退屈だ・・・


64 : 規制・削除依頼を承りました :規制・削除依頼を承りました
規制・削除依頼を承りました


65 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/13(月) 17:42:50
うわ〜1週間経ったよ。ここ見てるの俺だけ?


66 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/13(月) 20:29:03
一応いる、だれか書いてくれ 俺は文才がないんだ 頼む


67 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/13(月) 22:53:02
シチュエーション提供があれば誰か書いてくれるのでは(適当)
モチベーションが上がらないとメモ帳に自分が萌える所だけコマ切れで書くのだけれど、
結局詰めが面倒になり、未完のまま放置のものが多々あります
最近はほんとモチベーションが上がらない・・・


68 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/14(火) 08:01:23
第一話 母親と美少女着ぐるみ好きの息子

東京のある二階建ての家に住んでいる美人な母親の小百合と高校2年生の息子、貴史が二人暮らしで生活をしていた。
小百合は保険会社の営業マンとして働いていて近所でも評判の顔立ちも綺麗でスレンダーなモデルの様な体型の美人な母親であったが旦那とは三年前に離婚していた。旦那の浮気が原因であった。
そういう暗い過去があったりはしたが、高校生の貴史はそんな美人な母親を持っている事に誇りにさえ思っていた……が、この貴史には小百合には言えない秘密があった。
それは美少女着ぐるみ好きという事である。
貴史は自分の部屋で、パソコンをしているとあるインターネットの美少女着ぐるみサイトを見て以来、貴史は美少女着ぐるみにのめり込む様になっていった。
それからというもの貴史はネットで目がクリッとしたアニメ風の可愛い顔をした着ぐるみの面やいろんな高校の女子の制服や女子高生らが着そうな可愛い衣装やビキニなどの水着、肌タイ数点を前々から貯めていた小遣いで購入していった。小百合が外出している間を見計らって自宅に届く様にもしていた。しかし、貴史はまだ自分で着ぐんだりはせずに小百合にバレない様に自分の部屋のクローゼットの中に衣装を掛けて段ボール箱に面を入れてしまい込んでいた。

それから数ヵ月が立った夏のある日、小百合は保険会社を一週間の有給を取って久しぶりに主婦を満喫していた。自宅を掃除していたが貴史の部屋を掃除しても貴史からクローゼットの中だけは自分で整理するから開けるなと言われていたので、今まで一度も開ける事はなかった。
しかし小百合はこの日、貴史は本当にちゃんと整理しているのか気になりたまには母親である自分が片付けてあげるのもいいのではないか?などと考え貴史のクローゼットの中を開けて見てしまう。

クローゼットを開けた瞬間、小百合はア然とした…。
そこには貴史の普段着と共に女性用の衣装や制服水着などが掛けられていたからだ。
そして小百合はクローゼットの下に段ボール箱に目がいき、何が入っているのか確認をしてみると中には美少女着ぐるみの面が入っていた。
小百合は自分の息子に、こんな趣味があったのかと愕然した。
今日、息子が学校から帰ってきたら話を聞いてみよう。小百合は落ち込んだ顔で着ぐるみの面を手にしながらそう思っていた。


69 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/14(火) 08:52:43
ぬいぐるみは未完のままで終わるのか・・・残念。


70 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/14(火) 09:10:08
第二話 告白・そして…

貴史はいつもの様に、学校から帰ってくるとそこには神妙な顔をした小百合がソファーにもたれながら座っていた。

「母さん、ただいま」貴史が言うと、小百合はゆっくりと振り返って力のない声で「おかえり」と声を掛けた。

「母さん…どうしたの?」貴史が言うと小百合は
「貴史…あなたに聞きたい事があるからちょっと座りなさい」
小百合が貴史にそう言うと貴史はどうしたのかと思いながらも小百合の前に座った。

「母さん、どうしたんだよ。そんな真剣な顔して…何があったんだよ…」
貴史は下を向きながら真剣な顔をした小百合の事を心配していた。

すると、小百合は貴史に対し
「あなた…母さんに何か隠してる事はない?」
と言うと貴史は
「隠してる事?何の話だよ…僕は何も母さんに隠してる事はないよ…」

貴史には最初は何の事かはわからなかったが、小百合の次の言葉に驚いた。
「実は…母さん見てしまったの…。あなたのクローゼットの中を…なぜ、あなたがクローゼットを勝手に開けるなと言ってたのか…母さん、知ってしまったの…」

その小百合の言葉に貴史は大きく動揺した。まさか…まさか、クローゼットの中を見られてしまったのかと…。貴史は明らかにショックを隠しきれなかった。
「貴史、あなたのクローゼットの中を見たらあなたの服に紛れて女性の服や水着が掛けてあったの……それと…段ボールの中にあった女の子の顔のお面…あれは一体何なの?いつ、あんなの買ったの?」

小百合が貴史に問い詰めると、貴史は観念したのか…小百合にこう話始めた。
「実は、僕はネットを見てから美少女着ぐるみにはまってしまっていつしか興味を持ってしまったんだ」
落ち込んだ顔をして貴史は小百合にそう話し出した。

さらに貴史は続けて
「僕は…彼女もいないし、全然出来ないし…いつか自分で着ぐるみに入って、自分が美少女に変身して女の子になったらと思ってはしてたんだけど…でも、好きな娘が出来たらその娘に美少女着ぐるみの中に入ってもらいたいという願望もあるんだ…それと、美少女着ぐるみの彼女が出来て一緒に暮らせたら嬉しいだろうなって…ゴメンね、母さん…こんなバカな息子で…」
そういうと貴史は泣き出した。

小百合は貴史の告白に動揺していた。
すると小百合は
「そうなの…貴史にはそういう思いがあったなんて母さん全く知らなかった…あなたが着ぐるみに興味を持っていた事、そんな願望があった事さえも…」
小百合も辛かった…そんな息子の心情もわからなかった自分は母親失格なのではないかと…。

その時、小百合がこうきりだした。
「ゴメンね、貴史…あなたに彼女が出来ないのは母さんが悪いの…母さんがあなたの気持ちをわかってあげられなかったから…本当にごめんなさい…」
小百合はそういうと貴史が可哀想だという思いが強くなり涙を流した。

そして小百合はある決断をする。
「貴史…あなたさっき、美少女着ぐるみの彼女と一緒に暮らしてみたいという願望があったて言ってたわよね…」

その小百合の言葉に貴史は一瞬、目が点になったが大きく‘ウン’と頷いた。

すると小百合はソファーからゆっくりと立ち上がり貴史に一言
「しばらく待っていなさい」
と言うと、あろう事か小百合は貴史の部屋に行き扉を開けて中に入ろうとした瞬間貴史にこう言った。

「しばらくの間、あなたの部屋を借りるから開けないでね」

小百合は貴史にそう言った後、部屋の中にしばらく閉じこもってしまった。

だが…貴史にはまさか小百合がいつもの母親とは違う姿で現れるとは、この時は予想だにもしていなかった。


71 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/14(火) 10:17:07
第三話 母さん?美少女着ぐるみ?

小百合が貴史の部屋に入ってどの位の時間が経っただろうか。
もうかれこれ20分以上は経っているのか。

貴史は自分の部屋の中で小百合が何をしているのかを知りたかった。

が…貴史は小百合に部屋を開けるなと言われているため、真面目な性格の貴史は部屋を開ける事もなくひたすら小百合が出てくるのを待っていた。

すると、ようやく部屋の扉がゆっくりと開きある人影が廊下を歩いてくる

その姿を見た時、貴史は衝撃を受けた。
なんとそこには、貴史がクローゼットの中にしまい込んでいた美少女着ぐるみがいたからだ。

目がクリッとしたセミロングの髪をした可愛い顔の着ぐるみが、セーラー服を着て貴史の前にたたずんでいる。

すると、面の中から籠った声で
「貴史…お待たせ♪」
と母親である小百合の声が聞こえた。
貴史は驚いた表情をして「ひょっ……ひょっとして…母さん?」
と声を掛けると着ぐるみは大きく頷いた。

そう、美少女着ぐるみの中には小百合が入っていたから貴史は一瞬目を疑い驚きを隠せなかったのだ。

着ぐるみの中から小百合が
「どう?若い女の子ではないけど母さんが美少女着ぐるみに入ってあなたの彼女になってあげるからね。」

そう言うと、小百合は着ぐるみ姿で貴史の横に座り貴史に抱きついた。

「着ぐるみの中は45歳のおばさんだけど我慢してね。でも外見は17歳の美少女だから…今日からあなたの彼女だからよろしくね。」

そう言われたものの、貴史としては複雑な心境ではあった。
確かに美少女着ぐるみと一緒に暮らしたいという願望はあったが、まさか自分の母親である小百合が着ぐるみの中に入るなんて思いもしなかったからだ。

だが確かに今、貴史の横にいるのはアニメ顔の着ぐるみ…だが中に入っているのは小百合、貴史の頭の中はすでに混乱状態に陥っていた。

そんな時、小百合が
「あなたの話を聞いた時にあなたに彼女が出来ないのは、母親でもある私の責任。だったらあたしが着ぐるみの中に入って、あなたの彼女になってあげられたらて考えてね。それに、こんな事言ったらあれだけど…あたし、この面を見た時に可愛いなって思ってたしね。
着ぐるみだったら、貴史の彼女になれるかなって…良いでしょ?」

その可愛い瞳に見つめられた貴史は頷くしかなかった。
そして
「母さん、ゴメンね…こんな僕のために…母さんに着ぐるみに入ってもらうハメになってしまって…」
貴史は小百合に対し、申し訳ないという気持ちでいっぱいだった。
しかし小百合は
「良いのよ別に、あたしなら大丈夫だから…それにこの肌タイを着ていたらスベスベしてるし、面をしてたら小ジワも隠せるしね。こういう美少女着ぐるみの中に入るのも悪くはないし、45歳から17歳に戻れたしね。あっ、そうだ!この着ぐるみの名前、母さん考えてあげたの」
というと貴史は
「なんて名前にしたの?」
と、聞き返すと小百合は

「望美!どう?良い名前でしょ?」
というと貴史は笑顔で頷いた。

「じゃあ決まり!それとこれからはあたしが着ぐるみに入っている間は“母さん"ていう言葉は禁止ね♪今からは小百合ではなくあなたの彼女の望美だから、よろしくね」

この瞬間、貴史と美少女着ぐるみの望美=小百合との奇妙な生活がスタートした。


72 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/14(火) 10:26:29
濃いなぁ


73 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/14(火) 14:26:59
支援

面白そうだ


74 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/14(火) 14:40:00
熟女というところはおいといて、どこまで暴走するか気になるな。


75 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/14(火) 15:01:23
そりゃあ最後までやろ


76 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/14(火) 18:29:57
支援です

お母さんでくるとは・・・得も言われぬ背徳感
家庭環境と相まって、なんか胸にグッとくるものがある


77 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/14(火) 22:23:45
第四話 望美との再会

あれから数日が経って、小百合は着ぐるみを着る事もなくいつものように普通に主婦として貴史の母親として生活をしていた。

着ぐるみの望美はというと貴史の部屋のクローゼットの中に眠ったままになっていた。

夕方になって貴史が学校から帰ってきた。
「母さん、ただいま」
いつものように小百合に声を掛けると、小百合も「お帰りー、お疲れ様貴史」と返事を返す。
小百合は、慌ただしく夕食の支度をしていた。

「あー、疲れたぁ。今日もしんどかったぁ」と、
貴史は小百合に話しかけた。
小百合は貴史に背中を向けながら「どう?学校生活の方は、楽しい?」と貴史に聞くと「うん、楽しいよ。何か毎日が充実してるよ」
貴史は小百合にそう話した。
「そう、良かったわね」そう返事をした時、貴史は小百合の背中をジッと見つめていた。

今、キッチンに立っているのは自分の母親である小百合。
貴史はそんな小百合の背中を見つめながら、着ぐるみの望美に入っていた小百合の姿とをリンクさせていた。

そして、夕食も終わり小百合と一緒にソファーにもたれながらたわいもない話をしながらテレビを見ていた時貴史が小百合に
「あ、あの…母さん…」
貴史がオドオドしながら小百合の目を見つめた。
「どうしたの?急に改まっちゃって」
と貴史に言うと
「いや…その…あの…」

貴史が口ごもっていたのには、訳があった。
小百合が初めて望美の中に入って、貴史を抱きしめた時の感覚と面越しに聞こえていた小百合の籠った声が貴史の脳裏から離れなかったのだ。

あれ以来、貴史は小百合の着ぐるみ姿を見る事もなく平凡な毎日を過ごしてはいたが小百合の着ぐるみ姿を片時も忘れる事はなかった。
それだけ貴史にとっては、母親が着ぐるみに入ったというのが衝撃過ぎる出来事だったのだ。

小百合は、口ごもって黙っている貴史の姿をジッと見ている。
そして、しばらく黙っていた貴史はやっと口を開いた。

「母さん、ドラマを見ているとこを申し訳ないんだけど……また、望美になってくれないかな…」
と、小百合に言うが
「えっ?今から?今、いつも見ているドラマを見てるんだけど…」

しかし貴史は「ゴメン、それは分かってるんだけど…母さんが望美に変身した姿がどうしても忘れられなくて…その気持ちが抑えきれなくて、今すぐ望美に逢いたいという思いが強くなってきてるんだ…ダメかな…」

真剣な顔をして、そんな切実なお願いをしてきている息子の姿を見た小百合は断る事もなく優しい声で

「フゥーー、分かったわ。だけど、またちょっと時間が掛かるけど焦らずに待っていてね」

すると小百合はソファーから立ち上がり、貴史の部屋へと消えていった。

貴史は小さくガッツポーズをして、小百合の着ぐるみ姿を楽しみにして待っていた。

数十分が経って、部屋のドアが開くと中から望美が出てきた。

望美の中の小百合はリビングにいた貴史を見つけるやいなや
「貴史!逢いたかったよ」
と抱きついた。
貴史もそんな着ぐるみ姿の小百合を抱きしめながら「俺も逢いたかったよ、望美…」

貴史は抱きしめながら、望美との久々の再会を喜んだ。
また今から貴史と着ぐるみの望美との二人だけの夜を過ごす時間が始まろうとしていた。


78 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/14(火) 23:46:41
支援


79 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/14(火) 23:47:53
第五話 着ぐるみフェチ

小百合が望美に変身して、1時間が経とうとしていた。
小百合は完全に望美になりきっているのか、貴史と腕を組み本当の彼女の様にソファーに座りながら二人だけの時間を過ごしていた。

望美の面越しから聞こえる小百合の籠った声と息遣い。
汗ばんできている肌タイ、そんな小百合の姿に貴史は異様な興奮に駈られていた。
貴史は着ぐるみの望美にフェチ的な物を感じていた。

貴史は望美の横顔を見つめていると、面と肌タイの境目に目がいっていた。
この面越しに母さんの素顔が存在している。
貴史は自分の手で、望美の面を取ってみたいと思う気持ちをグッとこらえていた。
『そんな事をしたら、母さんは二度と望美に入ってくれなくなる…それだけは嫌だ…でも……』

心の中の葛藤と戦っていた貴史ではあったが、取り敢えず望美の中の小百合に聞いてみた。

「母さん…」
すると小百合は「もう、母さんじゃないでしょ!今のあたしは望美なんだから!」
小百合が怒りぎみに言うと、貴史は「あっ、ゴメンゴメン。望美にお願いがあるんだけどさ、この面の境目のところなんだけど…ちょっとだけ触ってみてもいいかな。」

一瞬、面の中でエッ?と目が点になった小百合ではあったが
「別に触ってもいいけど…」
その言葉と共に、着ぐるみの中の小百合も徐々にではあったがある興奮を覚えてきていた。

貴史は小百合の許可を得て、面と肌タイの境目をなぞる様に触っていた。
小百合も望美にはなっているが、貴史に触られている感覚に性的なものを感じていた。

貴史は境目を触った後、その面の境目から漏れてくる中の小百合の熱気に興奮を覚えてきた。

興奮を隠しきれない貴史のフェチ度は加速を増していく事になる。
エスカレートした貴史はいきなり禁断の領域に入ろうとしていた。
なんと、望美の背中にあるファスナーを開けてみたいという願望だった。

暴走モードに突入しようとしていた貴史は
「あ、あのさ…もう1つだけ一生のお願いがあるんだけど…」
そう言うと小百合は「何?どんなお願い?」
すると貴史は
「背中のファスナーなんだけど…開けてもいいかな……」

「!!!」小百合は面の中で動揺していた。
背中のファスナーを開けられると、中の小百合の髪や素肌が見えてしまう。
自分が望美に入っている時は、母親としての小百合の存在を消していなければいけない。
けど、ファスナーを開けられたら…。
そんな葛藤に駈られていた小百合に対し貴史は頭を何度も下げながら
「着ぐるみのファスナーを開けるなんて、そんな事をしてはいけないのは分かってる!だけど、一回だけでいいんだ!一生のお願いだから!頼むよ!お願いだから!」

何度も頭を下げられた小百合は、貴史の熱意に押されたのか了承するしかなかった。
「分かったわ、開けてもいいけどすぐに閉めてよ。望美の中に入っている以上は小百合という存在はここにはいない事になっているんだからね。だからすぐに閉めてよ」

そう言うと小百合は望美の面を持ち上げ、ほぼ面を取った状態にしファスナーを完全に見える状態にした。貴史の興奮は完全にMAXにまで達していた。

貴史は震える手で、望美のファスナーのつまみを持つと下に向かって下げ始めた。

ジーーッというファスナーを開ける音が、貴史の早く胸打っている心臓の音と重なり響いて聞こえてくるような感じにさえ思えた。

少しずつ下げていくと、開いた部分から中の小百合の団子状態になっている髪とうなじが見えてきた。
貴史は頭部の部分だけ、ファスナーを開けると中の小百合のうなじの汗と汗ばんだ熱気が貴史を包んだ。

初めて見る着ぐるみの中の人の存在に、貴史の興奮は極限を迎えていた。

「ねぇ、もういいでしょ!早くファスナーを閉めてよ!」
その小百合の言葉に貴史は我に帰り、慌ててファスナーを閉めた。
小百合は再び面を被り直し籠った声で
「貴史、どうだった?あたしの中にいるあなたの母親の存在。興奮した?あたしの中では、あなたのお母さんが汗だくになりながらあたしに命を吹き込んでくれているのよ。」

そんな小百合の言葉に、貴史はかなりのフェチ度を覚えていた。
さらに興奮を抑えきれない貴史の行動はエスカレートしていく事となっていく。


80 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/15(水) 01:08:54
第六話 着ぐるみの中の母親

極限に達した貴史の興奮はさらに増していく。

「望美、もう一回だけ面の境目を触らせてもらっていいかな?」

すると小百合は
「境目ぐらいはいいわよ、何度でもどうぞ♪」

貴史は再び望美の面の境目を触り始めた……が、ここで貴史があろう事か突然、望美の面に手をかけその面を取ろうとした。

しかし、その面を取る行動に驚いた小百合は慌てて面を両手で抑え叫びだした。

「イヤァーーーッ!!面だけは取らないで!ヤーーダーーッ!!」

小百合が面越しに籠った叫び声を上げながら、必死に面を取られまいと激しく抵抗をするが興奮した貴史は力ずくで面を取ろうとする。

小百合もかなりの抵抗を試みたが、貴史の強い力に中の小百合の口の部分が見えはじめた。

「ヤダァーーー!ヤメテーーー!お願いだから…面だけは…」

そして、小百合の必死の抵抗も虚しくついに貴史の手によって面は剥ぎ取られてしまう。

「イヤァーーーッ!」
面を取られた瞬間、小百合は両手で露わになった素顔を覆い隠した。

興奮して我を忘れた貴史は、その顔を覆い隠している両手さえも外そうとしていたが貴史は突然その手を止めた。

それは面を取られた小百合が泣いていたからだ。
小百合は泣きながら
「なんで…なんで面を取るのよ…。着ぐるみに入っている時は…小百合の存在を消して望美になりきっているのに……」

小百合が泣きながら貴史に、そう訴えかけると貴史は興奮が冷めたのか、素顔を隠している小百合に対し
「ゴメン…母さん…。つい興奮してしまって…面を取って中の母さんの顔が見たかったから…母さんを泣かせる様な事をしてしまって本当にごめんなさい!」

小百合に頭を下げて謝ると、小百合は涙声で「貴史…面を被らせて…。お願いだから…面を被せて…」

小百合の涙に、反省をしたのか貴史はソファーの上に置いていた望美の面を手に取りそれを小百合に被せた。
面を被った小百合は、貴史に
「なんで、あんなヒドイ事をしたの…?着ぐるみに入ってる時だけは、小百合はこの場には存在しないって言ってるのに…望美になりきってるのに…ヒドイわよ……」

その小百合の気持ちを分かっていながら、そんな軽率な行動をしてしまった自分に反省をした貴史。

「母さん…ゴメンね…。ファスナーを開けて中の母さんの髪や素肌を見た時、つい興奮してしまって中の母さんの素顔を見てみたいという衝動に駈られて…つい、面を取る様な事をしてしまって……本当にゴメンね」

反省した態度の貴史を見た小百合は、また横に座り籠った声で「もう…バカなんだから…」

そして、貴史と抱き合った時
「貴史、あたしは望美としてあなたの事が大好きだからね。愛してるよ」
すると貴史も
「俺も…望美の事、大好きだから…」

息子の貴史は“大好き"という言葉を母親の小百合に対してなのか?着ぐるみの望美に対してなのか?
着ぐるみの中の小百合もどんな心境で貴史の言葉を聞いているのか?

これから先、二人の複雑な親子関係が続いていく。


81 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/15(水) 01:12:31
超支援


82 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/15(水) 01:13:09
第六話 貴史の暴走

極限に達した貴史の興奮はさらに増していく。

「望美、もう一回だけ面の境目を触らせてもらっていいかな?」

すると小百合は
「境目ぐらいはいいわよ、何度でもどうぞ♪」

貴史は再び望美の面の境目を触り始めた……が、ここで貴史があろう事か突然、望美の面に手をかけその面を取ろうとした。

しかし、その面を取る行動に驚いた小百合は慌てて面を両手で抑え叫びだした。

「イヤァーーーッ!!面だけは取らないで!ヤーーダーーッ!!」

小百合が面越しに籠った叫び声を上げながら、必死に面を取られまいと激しく抵抗をするが興奮した貴史は力ずくで面を取ろうとする。

小百合もかなりの抵抗を試みたが、貴史の強い力に中の小百合の口の部分が見えはじめた。

「ヤダァーーー!ヤメテーーー!お願いだから…面だけは…」

そして、小百合の必死の抵抗も虚しくついに貴史の手によって面は剥ぎ取られてしまう。

「イヤァーーーッ!」
面を取られた瞬間、小百合は両手で露わになった素顔を覆い隠した。

興奮して我を忘れた貴史は、その顔を覆い隠している両手さえも外そうとしていたが貴史は突然その手を止めた。

それは面を取られた小百合が泣いていたからだ。
小百合は泣きながら
「なんで…なんで面を取るのよ…。着ぐるみに入っている時は…小百合の存在を消して望美になりきっているのに……」

小百合が泣きながら貴史に、そう訴えかけると貴史は興奮が冷めたのか、素顔を隠している小百合に対し
「ゴメン…母さん…。つい興奮してしまって…面を取って中の母さんの顔が見たかったから…母さんを泣かせる様な事をしてしまって本当にごめんなさい!」

小百合に頭を下げて謝ると、小百合は涙声で「貴史…面を被らせて…。お願いだから…面を被せて…」

小百合の涙に、反省をしたのか貴史はソファーの上に置いていた望美の面を手に取りそれを小百合に被せた。
面を被った小百合は、貴史に
「なんで、あんなヒドイ事をしたの…?着ぐるみに入ってる時だけは、小百合はこの場には存在しないって言ってるのに…望美になりきってるのに…ヒドイわよ……」

その小百合の気持ちを分かっていながら、そんな軽率な行動をしてしまった自分に反省をした貴史。

「母さん…ゴメンね…。ファスナーを開けて中の母さんの髪や素肌を見た時、つい興奮してしまって中の母さんの素顔を見てみたいという衝動に駈られて…つい、面を取る様な事をしてしまって……本当にゴメンね」

反省した態度の貴史を見た小百合は、また横に座り籠った声で「もう…バカなんだから…」

そして、貴史と抱き合った時
「貴史、あたしは望美としてあなたの事が大好きだからね。愛してるよ」
すると貴史も
「俺も…望美の事、大好きだから…」

息子の貴史は“大好き"という言葉を母親の小百合に対してなのか?着ぐるみの望美に対してなのか?
着ぐるみの中の小百合もどんな心境で貴史の言葉を聞いているのか?

これから先、二人の複雑な親子関係が続いていく。


83 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/15(水) 01:15:03
すいません、タイトルを間違えたので同じものを投稿させてもらいました。ごめんなさい。


84 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/15(水) 02:00:36
面被って喋るのって辛くない?


85 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/15(水) 02:16:50
第七話 小百合=望美との関係

お互いに強く抱きしめあった貴史と望美。
そして、面越しではあるが二人は熱いキスを交わした。

少し長いキスの後
「貴史、ごめんなさい。少しシャワーを浴びてくるね」

小百合はそう言うと、貴史の側を離れると一旦貴史の部屋に入り新しい肌タイを手にすると着ぐるみ姿のままでバスルームへと向かった。

貴史はその光景を見て
「エッ!?着ぐるみのままでシャワーを浴びるの!?」
貴史はまさかとは思ってはいたが、それとは逆にバスルームでの小百合の着ぐるみ姿でシャワーを浴びている場面を妄想していた。

再び興奮を覚えた貴史は、バスルームの扉が閉まる音を確認するとそちらの方へと足を進めていく。
貴史は脱衣室のドアに手を掛けると、ゆっくりと音を立てないようにドアを開けた。

するとそこには、小百合が脱いだ望美の衣装と汗ジミが染み付いた肌タイと新しい肌タイや望美の面が置いてあった。面には先ほどまで、小百合が被っていた温もりが残っていた。

『あれ?という事は…母さんは着ぐるみ姿のままじゃなくて…母さんの姿=全裸でシャワーを浴びて……』

そんな事を考えていた貴史は、興奮した気持ちを抑えるかのようにシャワールームの方へと目をやった。

すりガラスの扉の向こうには、ロングヘアーで全裸の小百合のシルエットが写し出されていた。

「脱衣室に衣装と肌タイと面が置いてあるという事はまた、シャワーを浴びてから望美に変身するんだな。今日は長い時間、望美と一緒に居られるんだ、嬉しいな♪」
貴史は喜びを隠しきれなかった。

と、同時に貴史の中である疑問が出てきた。
「これから望美にはずっと僕の彼女で居て欲しい。だけど、望美の中には母さんが入っている…確かに母さんと望美は同じ人間だし…僕が望美を彼女にしているという事は…母さんを彼女にしているのも同じ…。
僕が望美を愛してるというのも、母さんを愛してるのと同じだしなぁ…。
でも僕はさっき、母さんをおもいっきり抱きしめて、面越しではあるけどキスまでしちゃったし…。これから母さんと僕は、どうなっていくんだろぅ?母さんと恋人同士になっちゃうのかな?それはそれでややこしい事になっちゃうしなぁ…けど、望美の事は大好きだし……ハァーーー……どうしよう」

貴史の中で不安と疑念の心が浮かんできていた。


86 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/15(水) 12:17:06
「小説家になろう」で、ここの趣旨に合うであろう小説を2編。

http://ncode.syosetu.com/n2219cf/

http://ncode.syosetu.com/n3015co/

 ただし前者は、ストーリーは良いが文章が酷い。(もしかしたら、作者が日本人ではないかもしれない。)
 後者は、文章は上手いが内容的には平凡。


87 : 規制・削除依頼を承りました :規制・削除依頼を承りました
規制・削除依頼を承りました


88 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/15(水) 21:28:31
>>86
「文章ひどい」方を書いたのワシじゃ! 初めて長編を書いたし完成しようという気がまるでないし。途中で気が変わってばっかだけえ、文章が下手なのは当たり前。
文章は自分でもひどいとおもっちょるけえ、そのうち書き直す気でおるんじゃ。まあストーリーようと褒めてくれてありがとさん。それにワシは生粋の日本人じゃ。外国人だったら書かないだろうが。


89 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/15(水) 22:14:14
>>88
青銅の魔女や 代わりに着ぐるみバイトに行ったら人形娘の姿に閉じ込められたが面白いし、もっと読みたい
ただそれ以外は風呂敷広げすぎて全然たためてないし、たためる気ないって見えるのが残念、最初っから追って読んでるけど最近のは本当に書き方が雑だし
ストーリー文章酷い云々よりもまずはたためるだけのものを書いたら?


90 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/15(水) 22:31:02
>>89
そこまで酷評しつつも、ちゃんと隅々まで読んでいる謎の優しさ
(外人認定から本人登場の流れは笑った


91 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/15(水) 22:56:37
>>88
ぶっちゃけた話、機械娘にされた最初はフェチ重視で書いてたと思うけど徐々に難民キャンプだの中国だの何だのと無駄にシリアス詰め込みすぎてる
それが幹から外れた無駄な枝になってて邪魔してるように思う
そういうシリアス書きたいならフェチなしの普通の作品書けば?
あと癖なのか知らないけど「○○だと言うの!」とか「○○になったわね。あなたは□□になるのよ」、○○したのだった。□□のために。と言った書き方が多い気がするし、何か無駄に凝った書き方してる感じがするから、普通に書いたら良いんじゃないかな


92 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/15(水) 23:31:58
メイデンでAV化希望


93 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/16(木) 00:05:12
>>88
順番に全部読んでいったら文章がどんどん上手くなっててワロタ
人形娘の続きはよはよ


94 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/16(木) 00:55:02
第八話 迷い……

悩みの中にいた貴史は、小百合がシャワーを終えて出てきたらこれから先の話をしようと決意をしていた。

その頃、小百合はシャワーを終えて出てくると濡れた体をバスタオルで拭き取り脱衣室に置いてあった新しい肌タイにその身を通す。

そして、肌タイを着終えると先ほどまで着ていた衣装を洗濯カゴに入れ肌タイ姿のまま望美の面を被り肌タイの上からバスタオルを体に巻いて脱衣室を出た。

「あー、気持ち良かった」
そのまま小百合は自分の部屋のタンスの中から、パジャマを出して着替えようとしていた。
そしてソファに座っていた貴史に

「ねぇ、悪いけど今からパジャマに着替えるから向こう向いててくれる?」

神妙な顔をしていた貴史は聞こえていなかったのか下を向いたまま考え込んでいる。
「ねぇ貴史!聞こえてる?パジャマに着替えるからあっち向いてって言ってるんだけど…」

下をむいていた貴史は、ようやく聞こえたのか
「ん?な、なに?何か言った?」

考え込んでいた貴史が小百合に聞き返すと
「え〜?さっきから着替えるからあっち向いてって何度も言ってるのに…どうしちゃったの?何か元気ないよ?」
望美の面越しに小百合は心配そうに貴史の顔を除きこんだ。

「あ……ああ……着替えるんだね。ゴメン、じゃあ…あっち向くから…」

貴史が悩んでいるとは知らない小百合は、体に巻いていたバスタオルを取りパジャマへと着替えると貴史の横に座り腕を組んで二人だけの楽しい時間を過ごそうとしていた。

そんな小百合に対し貴史は
「望美…いや、今は中の母さんに聞いていてほしいんだけどさ…」

「???」
面の中の小百合は目が点になっていた。

「僕は確かに望美の事は大好きだよ。けど…望美は母さんであって、望美を彼女にするという事は、母さんが僕の彼女になるという事になってしまう。そうなってしまうと…僕と母さんの親子関係がおかしな事になってしまうんだよ…。僕はさっき、面越しに母さんとキスをしちゃったけど正直、僕の気持ちは複雑な気持ちなんだ……。母さんは望美に入ってくれてるけど、僕に対してはどんな気持ちでいるの?」

貴史の問いかけに、二人の時間を過ごすはずだった小百合は貴史と組んでいた腕を外し下を向いて黙りこんでしまった。
貴史はそんな小百合をジッと見つめた。

しばらくの間、沈黙の時間が続いていたそんな時突然小百合が望美の面に自ら手を掛け面を取った。
素顔が露になった小百合は面をソファの前にあるテーブルの上に置き、さらに肌タイのファスナーを開けて頭の部分だけを脱ぐと重たい口を開いた。

「貴史…あたし最初に言ったと思うけど、あなたに彼女が出来ないのは母親でもあるあたしの責任なの。だから、あたしがその責任を取って自ら望美の中に入ってあなたの彼女になってあげたの…。それに、あなたも美少女着ぐるみの彼女が欲しいって言ってたでしょ?
あたしは望美の中に入る以上はこの娘になりきって、本気であなたの事を愛してあなたの彼女になってみせるから。だから貴史も何も気にしないで、あたしを母親の小百合と思わずに本気で望美の事を愛して本気で彼女として見て欲しいの…お願いだから…ねっ♪」

小百合のその言葉で、貴史の曇りきっていた心の悩みが晴れたのか
小百合が話している間、ずっと下を向いていた貴史は顔を上げて小百合の目を見つめるとニコッと微笑みながら

「分かったよ、母さん。今の言葉で僕の迷いは消えたよ。これからは母さんが望美になってる間は、僕の本当の彼女として接していくから。そして本気で愛するから…」

貴史の気持ちに小百合は「貴史、ありがとう!それじゃ、母さんが貴史にご褒美をあげる!目を閉じて」

そう言うと貴史は小百合に言われた通りに目を閉じた。
すると小百合は貴史の口にキスをした。驚いて目を開けると自分の唇に小百合の柔らかい唇が重なりあっていた。
そして1分以上続いた熱いキスを終えると、小百合は

「さっきは面越しのキスだったけど生の唇の方が良いでしょ?あたしがあなたにキスをしてあげたのは…あたしにとって、あなたは大事な宝物。あたしはあなたのためなら、どんな願いでも叶えてあげるしどんな事でもしてあげるから…それに、いつでも美少女着ぐるみの中に入ってあげるからね。それじゃ、あたしはまた望美に戻るね」

小百合は再び肌タイを被り、望美の面を被った。

「さぁ、改めて二人だけの楽しい時間を過ごしましょ♪」

貴史はゆっくりと頷き、着ぐるみの望美と抱擁を交わした。
中にいる小百合の温かさを感じながら…。


95 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/16(木) 02:32:22
支援


96 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/16(木) 15:53:13
>>88
なんかワロタ


97 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/16(木) 16:18:52
>>88
広島出身?


98 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/16(木) 18:40:43
全米が泣いた!


99 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/16(木) 20:38:39
メイデンもここまでフェチシズムありのストーリーありのAVを撮ってくれれば。。。
熟女近親相姦面剥ぎ境目汗じみとかほんと素晴らしい


100 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/16(木) 21:20:38
映像制作は監督や女優、編集、着ぐるみ、販売、経理など、スタッフを揃えるのが大変かも。
お金がかかるのもあるけど。


101 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/16(木) 21:27:48
>>99
>>100

同意


102 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/16(木) 21:39:27
メイデンの面は悪く無いのだが、フェチ性の方向が違うんだよな。


103 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/17(金) 00:01:34
第九話 新たな感情

翌日の朝、貴史はソファにもたれた状態で目が覚めた。
リビングにはバルコニーの窓から太陽の光が射し込む。

「そっかぁ、昨夜からずっとここにいてそのまま寝てしまってたんだな。フワァ〜〜、でもまだ眠たいなぁ…」

貴史は大きなアクビをしてふと隣を見ると、なんとそこには望美の姿のままの小百合が横になっていた。

「ん?えっ!ひょっとして…母さん、そのままで寝てたの!?お、起こさなきゃ!母さん!朝だよ!起きてよ!母さん!」

小百合の体を揺らしながら起こすと面の中からの籠った色っぽい声に貴史は一瞬、母親と分かっていながらも胸がドキドキ
した。

「ん……うう〜〜ん……う〜〜ん…何?どうしたの…?」

かなりセクシーな声に、貴史の胸の鼓動がかなり早くなっていた。しかも焦っていたのか望美と呼ばずに、母さんと呼んでしまっていた。
焦っていた貴史は

「どうしたのじゃなくて!朝なんだってば!もう7時廻ってるんだって!」

貴史のかなり焦った様子を見てなのか、ようやく小百合は目が覚めたが自分がまだ望美の姿になっていた事に気がついた。

「あれ?あたし…えっ?あれ!?昨夜から望美のままで寝てたの!?ウソ!あっ!貴史の弁当!」

小百合もかなり焦っていたのか、自分が着ぐるみ姿になっていたのを忘れて望美ではなく素の小百合になっていた。時間はすでに7時をかなり過ぎていた。

「もういいよ、今日はパンでも買うからさ。ん?そう言えば…母さん、望美の姿なのに普通に母さんになってるね」

そう、小百合はまだ望美の着ぐるみに身を包んではいるが完全に我を忘れ素の小百合のままで貴史と会話をしていたのである。

「あっ…そういえば…そうだわね…。すっかり忘れてた。じゃあもう、望美のままで貴史を見送るわね」

貴史は慌てて顔を洗い、制服に着替えると朝食も食べずに自宅を出ようとしていた。

「あっ、貴史!ちょっと待って!」

小百合は突然、貴史を呼び止めると

「ねぇ、朝のキス☆」

そう言いながら、貴史の頬に面越しのキスをした。

「じゃあ今日も頑張ってね。いってらっしゃい!」
小百合は17歳の女の子のように可愛い仕草で貴史を見送った。
キスを受けた貴史はそんな可愛い望美を見て、心の中に何かが鳴るのを感じた。

『あれ…何だろ……この胸の想いは…ひょっとして、俺……』

この時、貴史は再び胸の鼓動が早く鳴るのを感じていたが学校に行かなければいけない時間もありとりあえず今は、その事を考えないようにして貴史は学校へと向かった。

だが貴史は、自分の心の中に今まで感じていなかった違う気持ちが芽生えようとしていた…。


104 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/17(金) 23:58:28
支援。毎日楽しみ


105 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/18(土) 22:35:24
第十話 貴史の想い

貴史が学校に行ってる間、有休明けの小百合はいつものように保険営業の仕事をしていた。

家計を支えるために自分が頑張らないといけないという使命感もあるが、
貴史を守るのは自分しかいないという思いもあった。

セールスレディとして頑張る小百合ではあるが、自宅に帰れば望美としてのもう1つの顔もある。
最近、仕事を終えて買い物と夕食の支度の準備などをしてシャワーを浴びた後に小百合にはちょっとした楽しみがあった。
それは毎日、貴史が学校のクラブも終えて帰ってくる前に望美に変身して貴史を出迎える事である。

小百合は手慣れたかのように肌タイに身を通して衣装を着ていく。
そして小百合には1つの儀式のようなものをしている事があった。それは望美の面を被る前に「望美、今日も私に力を貸してね」
そう言った後に面を被るのである。
そうして小百合はここ毎日、望美になって貴史の最愛の彼女を演じているのである。

貴史が帰ってくると、小百合は本当の彼女の様に抱きついて喜ぶと貴史も小百合が演じる望美を思いっきり抱きしめてその想いに応える。

「お帰りなさい、貴史」
「望美、ただいま。ごめんね、いつも一人にさせてしまって…」

この時だけは、高校2年の一人の少年と望美という着ぐるみの彼女との2人だけの時間が始まるのである。

「貴史が学校に行ってる時はあたし…一人で家の中にいて毎日寂しい思いをしてるんだよ」
そう言って可愛い仕草で甘えてくる望美に、貴史は美少女着ぐるみという概念を捨て普通の女の子として見るようになってきていた。
決して顔の表情は変わらない、笑顔のままのアニメ顔の面ではあるが貴史には少しずつその面の表情が変わってきているかのように見えてきているのである。

望美の中に入って演じている小百合の存在を感じていながらも、貴史の心の中は望美=母親の小百合にいつしか本気の恋人感情を抱く様になってきていた。

そんな時、小百合は一端望美から母親に戻り貴史と夕食を食べていた。
すると貴史は小百合の顔をずっと見ながら望美との想いを重ねていた。
小百合はその貴史の視線に気づくと

「どうしたの?貴史。御飯、進んでないけど…具合でも悪いの?」
と貴史を心配していたが、その言葉が聞こえているのかいないのか小百合の顔を見つめたままでいた。

「あたしの顔に何か付いてるの?何でそんなにあたしの顔を見てるの?」

小百合が不思議そうな顔で聞いていると、貴史はようやく我に帰ったのか

「あっ……いや……何でもないよ…うん…何にも……」
貴史は再び箸を手にし、御飯を慌てて進める。

そんな貴史の様子を小百合は首をかしげながら食事を進めていた。
小百合は気付いてはいないが、貴史は母親の小百合の事を母親ではなく彼女として見る様になってきていた。

「ねぇ…母さん…。聞きたい事があるんだけど…」
貴史が小百合に質問すると小百合は

「えっ?何?どうしたの?急に…あたしに聞きたい事って…」
小百合は貴史の態度がおかしいという事に少しずつ気付き始めていた。

「母さんは……母さんは僕の事を…どう思ってるの?」
貴史のこの言葉に小百合はキョトンとしていたが
「何言ってるの?どうしちゃったのよ貴史…。僕の事、どう思ってるのなんて……今日のあなた…何かおかしいわよ…?」

小百合は聞き返すが貴史は
「母さんが僕の事をどう思ってるのか……聞きたいんだ…」
小百合は困った顔をしていたが
「う〜〜ん…そうだなぁ〜…あたしは、あなたの事は一人の可愛い息子と思ってるわよ。何でそんな事を聞くの?」

「そっか…いや…いいんだ…うん…ごめんね、母さん…変な事聞いちゃって…そうだよね、母さんにとって僕はただの息子だよね…そうだよね…」

小百合としては貴史が何を聞きたいのかわからなかった。すると貴史は
「母さん、また御飯食べ終わったら…望美になってくれるかな……」

「うん、良いわよ。そのつもりだったしね♪」
しかし、今までの貴史の質問の意味を小百合は望美になって知る事になる。


106 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/19(日) 00:45:50
第十一話 愛する人は…そして告白

夕食も終わり、小百合はシャワーを浴びようとしていた。

「あたし、今からシャワー浴びるから。シャワー終わったら、そのままあたしは望美に変身して出てくるからね」

美しい笑顔と共に、小百合はシャワーを浴びに浴室へと向かっていった。

貴史は小百合を見つめていつもとは違う望美への想い、そして母親の小百合への感情…全てをストレートにぶつける決意をしていた。

数十分後、小百合はシャワーを終え脱衣室で体を拭いて肌タイを着て珍しくビキニの水着に着替え面を被る。

そして脱衣室を出ると、貴史の待つリビングへと向かう。
背を向けたままの貴史の肩をポンポンと叩くと、振り返ると同時に貴史が驚きの表情を見せた。

それもそうだろう、小百合が肌タイにビキニ姿というセクシーな姿を初めて貴史に披露したからだ。

「どう?可愛いでしょ?今日はちょっと頑張ってビキニ着ちゃったの♪」

そんな小百合のセクシーな姿に貴史は胸を早く打つ鼓動と興奮を隠せなかった。
しかし、すぐに落ち着きを取り戻した貴史は

「よし…今日こそは…」

日にちが経つと共に、段々と着ぐるみの望美と中に入っている小百合に対して親子を度外視した新たな感情が芽生えそれがいつしか望美=小百合への恋愛感情へと発展し、貴史の最愛の彼女という想いに変わっていった。
貴史にとって小百合はもう母親ではなく母子を越えた彼女なのである。

貴史はソファからゆっくりと立ち上がると

「望美…ちょっと来てくれないか?」

貴史の突然のこの言葉に、望美の中の小百合は一瞬驚いたが貴史の言われるまま手を引かれて小百合のベッドルームへと移動した。

小百合の部屋に入り、二人で一緒にベッドの上に座った。
面越しではあるが、貴史の突然の行動に小百合の表情は驚きの顔をして体はこわばっていた。

そして、部屋の中で何も言わずお互いに手を繋いだままでしばらく重い沈黙が続いていたが

「望美……俺……実は……」

貴史が重い口を開いた次の瞬間、なんと小百合をベッドに押し倒したのである。
倒された小百合は籠った声で

「貴史……やめなさい…あなた、何をしてるの?自分が今、何をしてるのかわかってるの!」

望美の姿をしている小百合はこの時、素の母親の小百合に戻っていた。
すると貴史は

「わかってるよ……わかってるからやってるんだよ…」

そう、貴史は覚悟を決めていた。
もう自分の感情が抑えきれなくなり小百合にある告白をしようと決めていたのだ。

倒されたままの小百合は面越しに貴史と互いに目を見つめあい、そして小百合の体は震えていた。

小百合は震える声で
「貴史……お願いだから、やめて…こんなバカな事してどうするの?」

母親としての立場で言い聞かせようとしたが貴史は、小百合を抱えベッドに真っ直ぐ寝かせると自分も小百合の横に寝ると
顔を面に近付け

「望美…いや、望美の中にいる母さん………俺…俺……着ぐるみの望美が好きだった……でも…今は違う…今は………今は、母さんの事が大好きなんだ!本気で好きなんだ!」

貴史の突然の告白に、呆然とした小百合は訳が分からずに頭が真っ白になっていた。

「母さん……俺じゃダメかな………」

その告白に小百合は混乱していた。自分の息子からのまさかの愛の告白に動揺が止まらなかった。

貴史は無言の小百合を抱え起こすと、強く抱きしめながら

「母さん、俺は本気なんだよ。母さんの事、大好きだし愛しているから…」

貴史の告白に動揺を隠し切れなかった小百合だったが貴史に

「そう…望美というより中にいるあたしの事が好きなんだ…」

「俺じゃ…迷惑かな…」

すると小百合は貴史を抱きしめ
「うん…分かったわ…。でも……あたしの事が好きだったなんて、母さん驚いたな…でも、全然迷惑なんかじゃないよ。あたし…逆に嬉しいな♪」

面の中で真っ赤な顔をしながら喜びを隠せなかった。
すると小百合は貴史に

「あたしの事、好きにして良いよ…望美の着ぐるみのままだけど…好きにして」

小百合は貴史を再びベッドへと誘い、着ぐるみのままで快楽の世界へと貴史を導いたのである。


107 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/19(日) 01:30:26
第十二話 終章 〜エピローグ〜

母親の小百合に愛の告白をした貴史、その告白を受け入れた小百合。

親子とはいえ、その越えてはならない一線を越えてしまった二人。

彼女が出来なくて美少女着ぐるみにハマり、着ぐるみの彼女が欲しいという思いを募らせその願望を叶えた貴史。

母親として息子に彼女が出来ないのは、自分自身に全ての責任があると自ら美少女着ぐるみの中に入り貴史の着ぐるみの彼女が欲しいという願望を叶えた小百合。

その二人が今、肉体関係を持ち実の母子から実の恋人同士へとなった。

快楽の世界から戻った貴史と美少女着ぐるみの小百合。
貴史は小百合を最後までイカせた後、小百合をお越し望美の面を取ろうとしたが小百合は首を横に振り面を取られる事を嫌った。

「お願いだから、望美のままで居させて」

小百合は貴史の告白を受けたが、あくまでも望美の姿であり続けようと美少女着ぐるみの中の人に徹した。

「わかったよ、でも俺にとっては望美は母さんであり母さんは望美だから…どっちにしろ僕の彼女に変わりはないからさ」

貴史の言葉に小百合は面の中で涙を流し、籠った涙声で

「あたしも…あたしも貴史の事、大好きだからね。ずっといつまでも側にいてね」

そして二人は再び抱き合い、キスをしようとすると貴史が望美の面を少し上にあげ小百合の柔らかい唇にキスをした。

長くて熱いキスの後、小百合は

「ねぇ…あたし、貴史の彼女になったんだからもう望美は必要ないわね」

小百合は着ぐるみの望美をこの日限りで封印するつもりでいたが

「何言ってるんだよ、言っただろ?母さんは望美で望美は母さんだって。
必要ないなんて言わずに、これからも望美の中に入ってよ。その方が望美も喜ぶし、俺も嬉しいからさ!」

貴史の言葉に小百合はまた面の中で嬉し涙を流し

「ありがとう貴史♪じゃあ、これからもあたしと望美の二人をよろしくお願いします!」

これからも母子であり恋人でもある貴史と小百合のラブストーリーは続いていく。




108 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/19(日) 12:13:48
②でした。
誰かぬいぐるみの続きか極小系書いていただけないですかねえ。。。


109 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/19(日) 14:25:20
>>108
しつこいんだよ
てめえで書けばいいだろ、リクエストばかりすんな阿呆


110 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/19(日) 16:16:01
こんにちは。貴史と小百合親子の着ぐるみ小説を書かせて頂いた者です。

もしも、モデルのような美しい体型で美人な母親が美少女着ぐるみの中に入って息子と恋人の仲になったら…という事をテーマにした着ぐるみ小説を、前から一度書いてみたいと思い作らさせて頂きました。

今、いろんなシチュエーションをテーマにした着ぐるみ小説を色々考えていますので
また違う形の着ぐるみ小説を書かせて頂ければと思いますので何卒よろしくお願い致します。


111 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/19(日) 17:28:30
>>110
すごく良かったよ!
次の作品を楽しみに待ってます


112 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/19(日) 18:41:01
>>110
すばらしい。
着ぐるみのフェチ要素がすべて入ってる。


113 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/19(日) 20:03:48
素晴らしい作品でした。ありがとうございました!


114 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/19(日) 20:54:40
読ませていただきました。親子の関係はどうかな?と最初は思いましたが
ありですね、これ
また投稿いただけたらと思います。


115 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/19(日) 23:59:00
>>110
ありがとうございました!
何回か抜かせていただきました!
良かったです。


116 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/20(月) 00:21:51
>>110
素晴らしいです。
あえて、もっとこうすればを言わせてもらえば
望美になっているときに声を変える、しゃべり方を変える
などのキャラつくりを表現できれば
面を取られるときのキャラ崩壊ができてさらにグッときます。


117 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/20(月) 01:00:03
皆さんからの良かったというお声を頂きまして、親子の着ぐるみ小説を書いた甲斐がありました。心より感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。

次回作は、もしも会社に美少女着ぐるみが新入社員として来たら…。

とりあえずですが、会社編をテーマにした小説を書いてみようと考えています。

また、よろしくお願いいたします。


118 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/20(月) 08:50:55
おお〜、もう次回作が決まってるのか!素晴らしい。楽しみにしてます!


119 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/21(火) 02:07:55
会社編の小説 書かせて頂きます。


第1章 出逢い

俺の名前は飛鳥敬司、26歳。奈良県にあるイベント会社の営業部に就職して5年になる。
近畿圏内の自治体を廻り、その地域の祭りやイベントで企画・考案したイベントの内容を提案し契約を結ぶという大事な仕事を任されている。

といっても、まだ小さな会社なので俺の場合は営業だけでなく企画も兼任しているので毎日大変な思いをしているのは確かである。

ただ、契約を結んだからといってそれだけで終わりではなくその自治体で行われるイベントにスタッフとして出演もしている。

ウチの会社は男性社員が俺を含む二人だけで、後は社長・専務・部長・課長・主任以下の社員は全員女性なのである。さらにバンド部と着ぐるみ部と二つの部があり、着ぐるみ部は全員女性社員が本業と兼任して着ぐるみスタッフとして出演している。俺はバンド部に所属し各イベントなどで、某有名デュオのコピーバンドとして出演してイベントを盛り上げている。

と、まぁ長い前置きになってしまったけどそんな俺は3ヶ月前に大好きだった彼女と別れたばっかりだった。

彼女の名前は高橋優子、23歳。俺と同じ営業部でバンド部に所属しピアノを担当していた。
俺は彼女と2年間付き合っていた。会社の飲み会で、同じ某有名デュオの大ファンという事もありお互いに意気投合し交際が始まった。

だが彼女は突然、女優になりたいと言って俺に別れを告げ辞表を出し会社を退社した。本当に突然の出来事だった。

俺は彼女が会社を辞めてからも、何度もメールや電話もしたが音信不通の状態が続き俺は彼女に捨てられたんだという事実を突きつけられた気がしていた。

あれから3ヶ月が過ぎ、今だに彼女の事が忘れられずにいた俺は心の傷が癒されないままでいた。
そんな時、本日付でウチの会社に新しい女子社員が1人だけ採用されたという話が周りで話題になっていた。

「おい、今日から来る女の子ってどんな娘なんだろうな。可愛いのかな?お前はどっちだと思う?」

そうやって声を掛けてきたのは、俺と同期入社で同い年の親友だった。

「さぁ、どんな娘なんだろうな。わかんねぇな」
俺は別れた彼女の事が、頭から離れなかったためかあまり新入社員の女の子の事には興味がなかった。

「何だよ、冷てぇ言い方するなぁ。確かにお前は前の彼女の事が好きだったかも知れないけど、彼女の事はいい加減諦めろって。彼女は女優になりたいから、お前を捨ててまで東京に行ったんだろ?だったら悪い過去にサヨナラしてさ。お前が過去にしがみついてたら、いつまでたっても前に踏み出せないまま年食っていくだけだぞ?」

「そんな事…俺だって分かってるよ…俺だって…」

親友は俺の事を心配してくれていたけど、俺はどうしても過去にサヨナラは出来なかった。
それだけ彼女の事を好きだったからだ。

時計の針は午前9時を指し、始業の時間になった。
いつものように社長が来て朝礼が始まる。
「皆さん、おはようございます!今日の朝礼を始めます。さて、いよいよ今日から1人新しい女子社員が皆さんの仲間に加わります。名前はひとみちゃんといって企画部に所属する事になりましたので敬司、あなたの後輩になるんだからちゃんと仕事を教えてあげてやってね」

社長からの言葉に俺は力のない声で
「はい、わかりました」と答えた
社長はそんな俺を見て、しょうがないなぁというような顔をしたが

「それじゃあ、呼ぶからね。どうぞ、入ってきなさい」

ドアが開き、社長に呼ばれて入ってきた女子社員を見て主任はじめ社員全員が驚き、衝撃を受けた。

髪はロングヘアーなのだが、目はかなり大きく口は開いたままでどこからどう見てもアニメ顔の笑顔で人間的な顔ではなかった。

そう…新入社員の女の子は美少女着ぐるみだった。
「皆さんに改めて紹介するわ。今日から正式に社員としてウチのメンバーの一員となった河合ひとみさんです」

社長からの紹介に、ひとみはホワイトボードとマジックを手に取り
ホワイトボードにこう書き込んだ。

「河合ひとみといいます。皆さま、よろしくお願いいたします」

ひとみは着ぐるみ人形のために喋れないので、ホワイトボードと身振り手振りでコミュニケーションを取るしかないのである。

「それじゃあ、河合さん。敬司と一緒に企画部で頑張ってね」

社長は俺の目を見ながら、ひとみにエールを送った。
そして、ひとみは俺の前に立つと

「先輩、今日からよろしくお願いします」
と書き込んだ。

この日から、俺と美少女着ぐるみとの不思議な関係がうまれた。


120 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/21(火) 02:21:54
>>119
期待。


121 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/21(火) 17:54:16
菖蒲のモラージュに5/3(日)、ウルトラの母が来店、ミニイベントするそうで。
どうにも妄想が膨らんでしまう…。


122 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/21(火) 21:16:34
すみません個人的なお願いで。親子着ぐるみの方の文才にはまりました。どうかウルトラの母の小説をお願いします。


123 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/21(火) 21:52:16
>>122
リクエストするならお前が書けや


124 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/21(火) 23:01:24
親子の着ぐるみ小説の者ですが、申し訳ありません。ウルトラの母の小説に関してですが、何も考えていませんし書く予定がなくて…非常に申し訳ありませんがご了承下さい。


125 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/21(火) 23:02:17
>>124
別にリクエストなんて聞かなくていいんだよ?
自分が書きたいもの書いてくれたらそれだけでいいんだし、リクエストする輩はほっといていいから


126 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/22(水) 06:31:04
おいその先生の過去作(抹消済み)が読みたいのですが、誰か持ってませんか??


127 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/22(水) 08:56:09
仮面の紳士っていう名前の奴の作品を印刷したものが手元にあるが。


128 : 規制・削除依頼を承りました :規制・削除依頼を承りました
規制・削除依頼を承りました


129 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/22(水) 23:46:15
>>126
>>127
おいその乙
毎回良い作品が来ると嫉妬して出て来るね


130 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/23(木) 08:53:54
今のところは、おいそのはこの作品を気に入っているようだな。


131 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/24(金) 00:23:00
第2章 疑問

朝礼も終わりまたいつもの1日が始まろうとしていた。
着ぐるみ社員の河合ひとみにしても、今日から新しい日々の始まりでもあった。
俺にしても全く喋る事が出来ずボードに文字を書きながらコミュニケーションを取る事しか出来ないひとみと、これからどう向き合っていけばいいのか考えなければいけなかった。

とりあえず俺は、ひとみとコミュニケーションを取らなければと思い彼女を社内案内するという目的でひとみに声をかけた。

「今から会社の中を案内してあげるよ、少しでも社内を把握してもらいたいしね」

ひとみは大きく頷いてホワイトボードとマジックを持っていくのだが、これはひとみにとっては相手と会話をするための大事な道具なのである。
ひとみにとって、それが相手とコミュニケーションを取る最大の武器のような物だった。

ただ、俺の中ではある疑問が渦巻いていた。

“河合ひとみ"

何故、新入社員の彼女が肌タイを身につけ美少女の面を被り着ぐるみとなってこの会社に入ってきたのか?

何故、着ぐるみの中に入らなければいけないのか?
そんな疑問が頭の中で、何度も駆り立てられていた。
社内案内の後に、一度彼女に話を聞いてみようと考えた。

一通り会社の中を案内した後、俺はひとみに声をかけた。

「どう?だいたいはわかったかな?」
と聞くと、ひとみはまたウンウンと頷くだけだった。
そして、ひとみがボードに書いたのは「ありがとうございました」という文字だった。

ここでまた俺の中で新たな疑問が芽生える。
彼女はどこから外を見ているのか?
除き穴はどこなのか?

実際に俺は、美少女着ぐるみというものとは全く無縁だったので戸惑いがあった。
夢の中ではなく、今実際に美少女着ぐるみが俺の目の前に居るのが不思議な感じだった

疑問だらけの俺は直接、本人に聞いてみようと決意した。

「ちょっと休憩室に行こうか、何か飲もうよ」

俺はひとみと一緒に休憩室へと向かった。
彼女がどこまで答えてくれるのか?わからないが俺は謎の美少女着ぐるみの事が気になって仕方なかった。


132 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/26(日) 01:17:52
第3章 追及

休憩室でお互い席に座ると、俺はひとみの事を興味深く見つめた。

ひとみは恥ずかしいというポーズをしていたが、その横顔を見ると面と肌タイの境目があってまずはそこに目がいってしまった。

それに動くたびにシワが寄る肌タイ。
俺はひとみに聞いてみた。

「さっきから君の事を見ていて、面と肌タイの境目がかなり気になってたんだけど何でそんな面を被ってたり肌タイで素肌を隠したり自分の本当の顔を隠す必要があるのか俺にはよく理解出来ないんだけど…」

あまりにストレートな質問に、ひとみは茫然としてしまった。
だけど俺は続けて

「君は着ぐるみなんだよな、だから中に誰かが入ってそういう肌タイを着て面を被って人形を演じているんだろ?それに何で着ぐるみ姿でこの会社に就職してきたのか、それさえも疑問なんだけどな」

ずっと黙って聞いていたひとみだったが、しばらく考えていた後ボードにある言葉を書き始めた。

「先輩、私は着ぐるみではないですよ。それに中に人なんていないですし、私は人形ではなく人間なんですよ」

書かれていたその言葉に一瞬、俺は目が点になってしまった。
ひとみは自分が着ぐるみになりきって、人形ではなく人間としてふるまっているみたいだった。

だが現実的な俺は少し剥きになってしまったのか

「人間ていうけどさ、口も動いていないし面を被っているというのも丸わかりだし、それにこの肌タイも触ってみても人間の肌とは全く違うよね。
それと喋れないからボードに文字を書いてるし…どう見ても着ぐるみそのものなんだけど」

俺のあまりの追及に、ひとみは明らかに困っていた様子だった。
何をどう答えればいいのか迷っているかのようだった。

下をうつむいて項垂れた感じではあったが、ようやくひとみはボードに文字を書いて

「先輩は何でそんなに私に反発的なんですか?私の中には誰もいないんですから」

そう反論するひとみに、俺はある事を提案した。

「君が人間というのだったら、その被っている面を俺が取ろうとしても取れないんだよね。その面自体が君の顔なんだから大丈夫だよね。じゃあ面を取らせてもらうよ」

俺のこの提案に、ひとみは着ぐるみの頭を自分で押さえて嫌がる素振りをした。

「やっぱり嫌なんだな、だったら正直になろうよ。君は着ぐるみなんだから、無理して人間だって演じなくても良いんだからさ」

俺のこの言葉にようやく観念したのか

「わかりました…そうですよ。私の中には女性が入って命を吹き込んでくれていますよ」

ボードにはそう書かれていた。
ようやく自分を着ぐるみだと認めたひとみは

「私の中の人は、この会社にある特令で呼ばれたの」

特令という言葉に俺の頭の中で?マークが浮かびあがっていた。

「“今からあなたは自分を捨てて着ぐるみ社員としてこの会社で生きていきなさい"とそう言われて…だから私は今こうして、着ぐるみ社員のひとみとして就職しているのよ」

ボードに書き込まれた言葉を見て俺はさらに聞いてみた。

「特令って…何の特令なんだ?それに君の中にいる女性て誰かなぁ?」

俺がそう言うと、ひとみは首を横に振り人差し指でバッテンをした。
そしてボードに

「それは言えません、これは社長に固く言われていますので…」

と断られてしまった……が、俺はどうしても納得出来ないままでいた。

何で新入社員が着ぐるみの中に入る必要性があるのか?何故言えないのか?
本当に謎だらけのままである。


133 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/27(月) 20:31:39
支援です。

続き楽しみです。


134 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/27(月) 21:38:00
支援


135 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/28(火) 00:38:36
第4章 予感

俺の中で“疑問"という言葉が消えるどころかますます増える一方だった。
ウチの会社が何で『ひとみ』という美少女着ぐるみを社員として採用する必要性があったのか?

それに“特令"とは何なのか?
中に入っている女性の新入社員て誰なのか?
全てが謎だらけだった。
こうなったら少しずつ自分で解決するしかなさそうかな…。
心の中で俺はそんな事を呟いていた。

まずは今、目の前にいるひとみに一つ一つ質問していく作戦に出た。

「ひとみちゃん、君はさっき特令って言ってたよね。という事は君はこの会社の関係者て事だよね。前は素顔で働いていたけど、会社の命令で普段の自分を捨てて着ぐるみ社員として一切素顔を見せずに生きていく決断をした。君はそれで良かったのかなぁ…。会社の特令とはいえ君は、それで納得してるの?」

ひとみはうつむいたままで俺の質問を黙って聞いていた。
俺のあまりにもストレートな質問に明らかに困り果てていた。ボードに何かを書こうとしているが、手が止まってなかなか書けないままでいた。

「どうしたの?俺の質問に困ってしまってるのかな?だとしたら、君はこの会社の関係者なんだね?君は新入社員て言ってるけど、君は一体誰なんだ?まずは君の正体を知りたいんだ」

入社初日にして、この俺にまさかこんなに追及されるとは彼女も想定外だっただろう。

ただの社内案内から追及へと変わってしまって彼女自身も困惑してしまっているのだろう。
真っ白なままのボードには何も書かれていなかったが、ついにひとみはそのボードにマジックを走らせた。

「あなたは私の正体を知ってどうするの?」

ひとみの精一杯の反論だった。
ひとみの着ぐるみの中は誰なのか…それが一番の疑問だった。だからこそ中の人の存在が気になって仕方なかった。

「君の中に入ってる人は、ウチの上司の誰か…それとも女子社員の誰かか前社員の誰かなのか…この中に当たりがあると思うんだけどな」

俺の直感ではあったが、間違いではないような気もした。
ひとみは大きく首を振って否定したが、俺の中では確信めいたものがあった。

次にひとみがボードに書いたのは

「もう社内案内は良いです。私の中の人もそろそろ休憩の時間ですので」

休憩の時間?どういう事なのか彼女に聞いてみると
「私の中の女性は2時間着ぐるんで30分の休憩する時間を頂いています」

着ぐるみ社員といっても、着ぐるみの中に入るのにも限界があるみたいだった。

「休憩するのにどこか休むとこはあるのか?」

俺はひとみに聞いてみると、ある特別な部屋を用意してもらっているらしかった。
そして、よく見ると息づかいが荒くなりひとみの肩の揺れが先程よりも激しくなってきているのがわかった。

俺はそんなひとみを見て「わかった、じゃあ戻ろうか」

もっといろいろと聞いて見たかったが、これ以上彼女に辛い思いをさせるのも酷だろうと思い職場に戻る事にした。

職場に戻った彼女は部長と一緒にある部屋へと連れていかれたみたいだったが、その部屋の中で彼女は面を取って素顔に戻っているのかと思うと余計に中の女性が誰なのか興味が増してきた。

中の女性の存在、いつか必ず知る時が来るだろうと俺は思ってはいたが…。


136 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/28(火) 13:20:14
いいね


137 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/29(水) 00:33:24
第5章

あれから月日が過ぎて、着ぐるみ社員のひとみが入社してきてから半年が経った。

俺は今だに、ひとみの中が誰なのか…わからないままでいた。
ひとみの正体を知っている上司逹のガードが固く、俺も半ば諦め半分みたいな感じではあったが中の女性が誰なのかずっと気にはなっていた。

ただ、今までずっと様子を見ていると中に入っているのは上司の誰かでもなく女子社員の誰でもなかったというのが結論であった。

では中に入っているのは誰なのか?
この会社にはいない誰か…それしか考えられなかった。

本当に新人の社員なのか?
しかし俺の中で、もう1つ新たな疑問が段々と浮かんできた。
まさかとは思うけど…俺と別れてまで女優になりたいと言って、突然この会社を辞めていった“高橋優子"?
そんなまさかな…そんな考えが消えたりまた浮かんだりしていた。

その時から俺は優子の『女優になりたい』という言葉が妙に引っ掛かり始めていた。

女優=美少女着ぐるみ?

まさかとは思ってはいるが、確かめてみる必要性はあるのではないかと思い始めていた。

というのも、ひとみと優子は背格好も体つきといいふとした仕草もどこかしらよく似ていたからだ。
優子が着ぐるみの中に入って、ひとみというもう一人の自分を演じているのではないか?
俺は、意を決して再びひとみに聞いてみる事にした。

仕事が終わり、帰り仕度をしているひとみに俺は声を掛けた。

「ひとみ…今から少し時間あるかな…ちょっと話したい事があってさ、いいかな」

ひとみは首を傾げてはいたが、ホワイトボードに 「良いよ」と一言だけ書いてとりあえずOKはもらえた。

そして二人きりで休憩室に行き、お互いに席についた。

そして俺はひとみの前に座りあの質問を投げ掛けてみた。

「ひとみ、君がここの会社に来て半年が経ったけど…君の中に入っているのが誰なのかずっといつも気にはなっていたんだけど、君の中の女性は上司でもなくウチの女子社員の誰かとも思ってたんだけど…どうやらどれも違っていたみたいだったよ」

俺がそう言うと、ひとみは安心したのかボードを手に取り

「だから言ったでしょ?私の正体を探ったところで無駄なんだから」

自信満々に書いていたが、俺のこの後の発言にひとみは動揺を見せ始めた。

「間違いではあったけど、そこで俺は違う観点からある答えを導き出したんだ」

この言葉にひとみは、俺の顔を見ながら再び首を傾げた。

「実は……君は俺の別れた彼女にどこか似ていたんだ…。背格好から容姿や仕草まで似ているところがあったんだ。で…俺がずっと考えて導き出した答えというのは……ひとみ…君の中に入っているのは高橋優子じゃないのか?」

この確信を突いた俺の言葉に、ひとみは俺から顔を背けた。

「俺は最初は本当にわからなかった、謎だらけのままだったし…。ただ、ウチの内部の人間かと思ってたんだけどみんなの姿がそこにあるし…だとしたら考えられるのはこの会社にはいない人間。
そこから引っ掛かっていた優子が言っていた言葉“女優になりたい"
この言葉が美少女着ぐるみに入る為の演出だったんじゃないかって…俺にはそう思える様になってきたんだ……どうなのかな…俺の答え、間違ってるかな……」

俺のこの言葉を下を向いてジッと聞いていたひとみは、ゆっくりと顔を上げてボードを取ってこんな言葉を書いた。

「ねぇ先輩……一緒にあたしの特別室に来てくれますか?」

ボードに書かれたその言葉に俺は大きく頷いて、ひとみと共に席を立った。

そして、この後ついに俺は…ひとみの中の女性と対面する事になる。


138 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/29(水) 00:35:46
すいません、タイトルを入れ忘れました。

タイトルは 第5章 確信 です。


139 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/29(水) 01:34:39
はよはよはよー!次読みたすぎる!


140 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/29(水) 02:41:30
早く続きが読みたい!
すごくいい!


141 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/29(水) 22:22:33
第6章 正体

俺は、ひとみがいつも休憩する時に使っているという特別室へと連れられてきた。

正直な話、この特別室という部屋がどんな部屋なのか全くわからなかった。だから今回初めて、部屋の中に案内されるとあって俺もいささか緊張気味でもあった。

ひとみは周りを見渡した後、部屋の鍵を解錠しドアを開け俺に部屋に入る様に促した。
そして、ひとみも一緒に部屋に入ると中から鍵を 掛ける。

そして、部屋の電気をつけたと同時に俺は部屋の中を見渡す。
すると、部屋の中には棚がありそこにはひとみと同じ顔をした面が4つ並べて置いてあった。さらに奥の方にはクローゼットがあり扉を開けると社内の女子用の制服と私服が掛けてあったがその私服を見た時…俺は驚いた。
なんと、そこには優子がよく着ていた服やスカートなどがあったからだ。

「やっぱりな……これで確定だな…」

俺は一人でそうつぶやいていると、後ろから聞き覚えのある少しアニメ声風の女の声が聞こえてきた。

「あ〜〜あ…見られちゃった。でも、あなたの予想通りよ。いつかはバレるんじゃないかなとは思ってたんだけどね」

面越しだからなのか、籠った声ではあったがこの声はまさしく優子の声であった。
やはり、ひとみの中に入っていたのは女優になると言って会社を辞めたはずの“高橋優子"だった。
「やっぱりそうだったんだな…最初は全然わからなかったけど、半年間ずっと一緒に仕事をしてたら背格好やちょっとした仕草とかが優子とそっくりだったからな。まさかとは思ってたけど、クローゼットの中の服を見て完全に確信したよ」

この瞬間、俺の中にあった謎と疑問は全て消えさっていた。
ひとみという美少女着ぐるみは俺の彼女が変身したもう一つの姿であった。ただ俺が思うのは何故、優子が美少女着ぐるみの中に入りひとみという女の子を演じる必要性があったのか?それを彼女自身から聞いてみたかった。

「なぁ、優子…聞かしてくれないか?何故、お前が美少女着ぐるみの中に入る必要があったんだ?
なんで自分自身を捨ててまでひとみになったんだ?教えてほしいんだ」

俺がそう訪ねると優子は肩で大きく息をついた。
そして、面越しに

「わかったわ、教えてあげる」

そう言うと優子は面に手を掛け、ゆっくりと面を外していく…が、突然その手を止め再び面を被り直した。

「やっぱり無理……面…外せないよ…」

自ら外そうとした面を外せない理由というのが優子にはあった。

「私は…敬司の事を騙して自分を捨ててまで、ひとみという着ぐるみの中に入って正体を隠して…着ぐるみ社員として特令だからとか言ってこの会社に戻ってきて、私って勝手だよね…」

涙声で項垂れる優子を見ていた俺は

「そんな事ないよ、俺はお前の事を勝手な奴だとかそんな事思う訳ないだろ。俺はお前がいなくなってから一度もお前の事…忘れた事なんてなかったよ。やっぱり、お前の事が好きだからさ」

聞いていた優子は面の中で泣きじゃくっているような籠った声が聞こえてきた。

「なぁ、優子…その面を取ってお前の顔、久しぶりに見せてくれないか…俺、お前の可愛い笑顔が見たいから…」

その言葉に優子は再び被っている面に手を掛け、面をゆっくりと取っていく。

面を外した瞬間、内面に覆われた優子の素顔が表れた。
しかし、その優子の顔は涙に濡れていた。

俺は優子の涙をそっと指で拭った後
「優子、お願いだから聞かしてほしいんだ。何故、お前が美少女着ぐるみのひとみに入らなければいけなかったのか聞かせてくれないか?」

俺はどうしても知りたかった。優子がひとみに変身した理由を…。

涙に濡れていた優子ではあったが、何故ひとみになったのか?
その事を内面姿のままで淡々と話はじめた。


142 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/29(水) 22:40:24
内面姿というワードを繰り返し聞くと何か興奮するね


143 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/30(木) 09:10:38
すごい・・・全然あきない・・・
話が進むごとに面白くなっていく


144 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/30(木) 17:44:29
第7章 真相

「私はある時、突然社長に呼び出されてウチの会社で女の子の美少女着ぐるみ社員を作る案があってその美少女着ぐるみに入る人員に私が抜擢されて背格好もスタイルもイメージ通りらしくて…それで社長からの特令として一旦、会社を辞めて高橋優子という人間を捨てて新しく着ぐるみ社員のひとみとして産まれ変わる事になってね。だから、いつでもどこでも私は美少女着ぐるみのひとみに成りきらなければならなかったの…絶対に何があっても人前では面を脱いではいけないし、会社内でもわたし用にこの特別室を用意してもらったし自宅も会社で用意してもらって行きも帰りも自宅まで送迎してもらってるしね。絶対に何があっても、ひとみの中の人は秘密でなくてはならなかったの。でも……敬司はひとみの中に私が入ってるという事に感づいて追及して、今こうして敬司の前で素顔の高橋優子としてここにいるのよ」

優子は今までの経緯を全て話した事は、俺達社員が全く何も聞かされていなかった事実が明らかになったが何故会社は着ぐるみ社員というものを作りあげなければいけなかったのか?
それが未だにわからない部分でもあった。

「優子、お前に聞いてみたいんだけど何でウチの会社は着ぐるみ社員を必要としたのか…それと何故、嘘をついて騙してまでも俺と別れなければいけなかったのか?
それを俺は聞いてみたいんだけど…」

俺が一番、納得いかない核心的な部分を優子にどうしても聞いてみたかった。

「何故、会社が着ぐるみ社員を必要としたのか…それは私にもわからないのよね。でもきっと、マスコットキャラ的なものを社長は作りたかったんじゃないのかな。これはあくまでも私のカンだけどね。それに敬司と別れたのにも、着ぐるみ社員になる為には徹底的にプライベートも含めて全て中の人の事は秘密にしておきたかったみたい。それで今、ここに存在してるのは高橋優子ではなく着ぐるみのひとみだという事にしておきたかったんじゃないのかな」

優子の話を聞いて、俺と別れた意味も着ぐるみ社員を作った事も何となく理解出来たような気がした。
でも、これから俺と優子の仲の事もどうしていくのか…それを、話しておかなければいけない思いが俺にはあった。


145 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/30(木) 22:26:38
第8章 -終章- ふたり

全ての疑問が払拭された今、俺には最後にやらなければいけない事があった。

それは、優子との愛を確かめる事だった。
俺は別れた後でも優子の事がずっと好きだった。

優子もひとみになる為に俺と離れて、着ぐるみの中でひとみに成りきっていた。
ただ今は、俺の事をどう思っているのかを確かめる必要があった。

いきなりストレートに聞くのもどうかと思い、まずは他の話題から入る事にした。

「なぁ優子、さっきから気になってたんだけどさ。棚に置いてあるいくつかのひとみの顔なんだけど、棚に4つあって優子が今被ってるのを合わせると5つも面がある訳だけど何でこんなに面があるんだ?」

最初にこの特別室に入った時から棚に並んでいる面が気になって仕方がなかった。
同じ顔をしたひとみの面がこちらを見つめ続けている。

「何で同じ面があるかって事?あ〜〜、実は2時間も同じ面を被り続けてるとどうしても面の中が汗で濡れちゃうのよ。だから休憩の時に新しい面を用意しておいて、休憩が終わったらそれを被っていくの」

なるほどと言っていいほど理解が出来た。
だから、同じ面がいる訳なんだなと。
にしても……ずっと同じ顔がこちらを見つめ続けてると少し恐い物がある。

「という事は肌タイなんかもいくつもあるって事なのかな?」
俺のこの質問に優子は

「そうよ、やっぱりたとえ2時間も入ってると汗だくになって肌タイにも汗ジミが出来ちゃうほどなのよね…だから、肌タイも常に着替えなくちゃいけないから何着もストックで用意しておかなくちゃいけない訳」

そういえばさっき、ここに連れられて来る時に俺の腕を組んでたら肌タイが汗で滲んで少し濡れていたのを覚えている。
その時のひとみの面の中は、汗だくになっている優子の顔が存在していたはずである。

「でも、もったいないよなぁ〜〜。お前は素顔でも充分に可愛いのに、着ぐるみの面で自分の顔を押し隠すなんて本当にもったいないよ」

俺は優子の可愛い素顔と笑顔が大好きだった。
優子の愛くるしい笑顔は、クタクタで疲れている俺を癒してくれるような最高の笑顔でもあるからだ。

「もったいないって、どういう意味?」
優子は俺に聞き返した。

「だから……俺は…その…なんていうか……俺は、お前の事が大好きだって事だよ。だから…もう、着ぐるみなんかに入らないで、素顔のままで…前みたいにまた俺の側にずっと居て欲しいんだ…」

そんな俺の告白に、優子は驚きと動揺を見せていたが

「でも……でも私は、敬司の事を騙した女なのよ…。そんな、ヒドイ事をした私の事をずっと想っていてくれてたなんて……」

優子はまた涙声になっていた。自分の事を忘れずにいてくれた俺に感謝の想いで心がいっぱいのようだった。

「優子……また前みたいに俺と一緒に居よう」

この俺の心からの言葉を優子はどう受け止めてくれるのか…不安ではあった。
だが優子の答えは意外な解答だった。

「敬司……私もあなたの事を一度だって忘れた事なんてなかったよ。だから、また前みたいに私は敬司の側にずっといるからね。でも、一つだけ私のお願いを聞いてほしいの」

一つの願い、それは何なのか?

「私は今、着ぐるみ社員のひとみとしてこの会社に再就職させてもらっているの。私がこの会社にいる限りは、この先ずっと高橋優子ではなく河合ひとみという一人の女性でいなくてはいけないの。プライベートでは高橋優子として、会社内にいる時は河合ひとみとしてずっとずっと…敬司、あなたの側にいるから…それでも良いと言ってくれるならまた一緒にいようね」

俺は久し振りに優子を強く抱きしめキスを交わした。
あの時、止まっていた時計の針が再び動きだしたような感じがした。

着ぐるみの中の高橋優子と素顔の高橋優子という2つの高橋優子を俺はいつまでも大事に愛していく事だろう。


FIN


146 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/30(木) 22:46:23
つたない文章で申し訳ございませんでした。

いろいろと、どんなストーリーにしてどういう展開に持っていかなければならないのか、方向性やフェチ的観点などいろんな事を考えると着ぐるみ小説を書くのも結構難しいものなんだと改めて実感致しました。

これからもいろんなストーリーを煮詰めながら考えて美少女系だけでなくふかもこ系なども視野に入れて、書かせて頂きたい所存ですので皆様また何卒よろしくお願い致します。


147 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/04/30(木) 22:47:00
おしまい?
なんとなくだけど
スピンオフ的なネタを期待してしまう終わりかただなぁ


148 : 中の人フェチ :2015/05/01(金) 00:44:19
こちらに投稿されている作品を見て、自分も書いてみたくなったので投稿させて下さい。
なにぶん、物語を書くこと自体が始めてで拙い文書な上、まとめるのも下手なので少し長くなってしまっていますが、広い心で見て頂けるとありがたいです。

※プロローグ※
俺の名前は田村隆一。
地元の市役所に勤めて5年になる27歳だ。
この4月から急遽、部署異動が決まり、地域振興課に配属となった。
なんでも俺の2つ上の先輩にあたる井上さんという人が家庭の事情で5月一杯をもって退職することが決まっており、その補充要員に俺が指名された格好だ。
新しい仕事に不安を感じながらも、1ヶ月が過ぎ、徐々に慣れてきた頃、地域振興課の上司である柳田課長に呼ばれた。
課長は50過ぎでやや小柄、少し頼りなさそうにも見えるが温厚で、ベテランらしく地元の人脈も豊富な人だ。
「ああ、田村君、忙しいとこ悪いね、引き継ぎは順調?」
「はい、異動前の仕事はもう完全に手を離れてましたし、今の仕事の引き継ぎも順調です。」
「なら良かった。それならまだ井上君の仕事で君に引継ぎ指示をしていない内容の仕事もお願いしたいんだよ。」
「ええ、どんな内容の仕事でしょうか?」
「うちの市のゆるキャラのドス熊なんだけど、その…あまり評判が良くないのは知っている?」
「ええ、まあ、なんとなくですけど…その可愛くないとかで…。」
うちの市にも昨今のゆるキャラブームにのってドス熊というゆるキャラがいる。
しかし、他のゆるキャラと差別化する為とか何とかの理由で、その姿はつり上がった目に頬にペケ傷のある熊という可愛いとはおよそ対極のデザインだ。
一体誰がデザインしたんだと突っ込んでやりたい程で、ゆるキャラの人気ランキングでは常に下位の下位だという話を聞いたことがある。
「そう、実際、イベントとかに参加しても泣き出す子供が多くてね。これは何とかしないということで課内では以前から色々と対策を検討してたんだよ。」
「なる程、確かにそれはそうかもしれませんね。」
「とはいえ、一度、市の公式キャラにしているドス熊を変えるというのも難しい。そこでドス熊の主人という設定で可愛いキャラを付けることにしたんだ。」
課長は続けてこう言う。
「もうデザインや着ぐるみ発注も井上君が進めてくれていてね。田村君に余裕がなさそうなら、他の誰かとも思っていたんだが、引継ぎも順調ということでお願いしても良いかな。」
特に断る理由もない俺は二つ返事で了解すると
「じゃあ、詳細資料は井上君がまとめてくれているはずだから今、引継ぎしている業務と併せて一緒に引き継ぎしてくれる?」
「わかりました。」
この時、俺はこの仕事に対して特に深く考えておらず、これから大変な展開が待っているとは予想もしていなかった…。


149 : 中の人フェチ :2015/05/01(金) 00:45:24
※第一話:出会い(1-1)※
課長から話を聞いた俺は早々にに井上さんのところに行き、新しいゆるキャラの詳細を確認させてもらった。
新キャラはドス熊のご主人様という設定で「あいちゃん」という女の子。
絵でのデザインを見る限り、ゆるキャラというより人型の着ぐるみだ。
俺は井上さんから、業務の引継ぎを受けながら、一つ気になるところを聞いた。
「ところで中には誰が入るんですか?」
ドス熊には地域振興課の職員で俺よりも年下の大野という男が入っているのを知っている。
それだけに同じく市役所職員の誰かと予想をしていたが、
「女の子のキャラだし、体型も出そうな着ぐるみだろ。うちの男連中じゃ無理だろうし、だからといって女性職員に着ぐるみの中身を頼むとなると嫌な顔されるだろうしね。
毎日という仕事ではないから、イベントとか必要な時だけ来てもらえる派遣さんを使うことにしてる。俺は直接会ってないけど課長が面接して採用OK出してるから。
なんでも色んな着ぐるみショーとかにも出てる経験があるらしいし、そこら辺、俺ら素人よりよっぽど安心だろ。」
市役所職員の女性にお前がお願いしろなんて言われたらどうしようかと思っていたが、これなら一安心だ。
もともと井上さんはドス熊の着ぐるみ管理や出場イベントの管理もやっていて、それにこの新キャラを加えた全般の管理を俺が引き継ぐということだった。
「言ってみたらゆるキャラ係だな。管理するお前が係長で、着ぐるみに入る大野と派遣さんが係員って感じだ。その年で係長なら早い昇格だな。」
と冗談を込みで笑っていた。
そんなこんなで6月に入り、井上さんが退職した後、発注していた新キャラあいちゃんの着ぐるみが届く日が決まり、それに合わせて着ぐるみスタッフとなる派遣さんに来所してもらうこととなった。
当日、午前中に着ぐるみが納品された。俺はもともとドス熊を保管している備品倉庫で一人、中身の確認をする。
大きめのダンボールを開けて中身を確認するが、一番大きな頭、着ぐるみのお面だが予想していたより遥かに良い出来で、どういった企業が製作しているか詳しく知らないがプロの仕事って感じだ。
この新キャラは井上さんと着ぐるみ制作会社でドス熊の怖さを中和出来る可愛らしいキャラをコンセプトに決められたモノらしい。
金髪のロングヘアーにパッチリとした大きな瞳。
衣装は白いフリフリのワンピースに編み上げブーツ。
いかにも清楚って印象だ。
興味本位で試しにお面を被ってみる。
外観の綺麗な顔に対して、中は質素なもので天頂部、左右にスポンジが接着されていて頭がグラグラしないようになっており、顎紐でシッカリ固定するようになっている。
少し息苦しいが思っていたほどではなく、瞳の一部にスリットが入り、メッシュ状の布が付けられていて、そこから外が見える。
午後になると柳田課長に呼ばれた。
「田村君、ほら、あの、新しいスタッフの方が来たから。」
公然と着ぐるみスタッフの人が来たとは言い辛いのか、何となくオブラートに包む感じで話し掛け、会議室に入るよう促す。
会議室に入室すると課長と一人の女性が立っていた。


150 : 中の人フェチ :2015/05/01(金) 00:46:57
※第一話:出会い(1-2)※
柳田課長から紹介がある。
「こちら、新しい着ぐるみスタッフをお願いしている五十嵐さん。そしてこちらがゆるキャラ関係の管理をやっている田村君。」
「五十嵐と申します。これからよろしくお願いします。」
「あ、田村です、こちらこそよろしくお願いします。」
想定していたやり取りだが、思わずどもってしまった。
というのも五十嵐さんは想像以上に可愛らしく、着ぐるみの中身に似つかわしくなかったからだ。
身長は160センチ位だろうか?肩辺りまで伸びた綺麗な黒髪に童顔で年は俺より下かな?
服装は初めて来所するということもあってか、スーツではないが、ややフォーマル寄り。
俺は着ぐるみショーとか出ているというから、勝手にもっとボーイッシュな想像をしていたが街に普通にいる女性って感じだ。
「じゃあ、これからのことは田村君に一任してるから、よろしくね。田村君、これ彼女の契約関係の書類だからよろしく。」
そう言うと会議室を出ようとし扉に手を掛け、そこで思い出した様に立ち止まり、
「あ〜あと五十嵐さんが着ぐるみスタッフっていうのを公然と話すのは避けるようにね。所内でもどこに外来の人がいるか分からないし、ほらソーシャルネットだっけ?ああいうので広まったら大変だから。」
そう念を押すと今度こそ課長は退室した。
俺は五十嵐さんに着席を促し、契約内容の確認や今後のイベントスケジュールやらの確認をしていく。
それをしながら併せて課長に渡された資料にも目を通していくが、その中で履歴書に目が止まった。
(下の名前は「唯」かぁ。年は俺と同い年。もっと若く見えんな。職歴は…名前からはよく分からんけど、アクションクラブに所属…。その辺、経験あるって言ってたしな。)
事務的な話を済ませた後に俺は聞いてみたかったことを質問した。
「柳田課長から聞いたけど五十嵐さんは色んな着ぐるみショーの経験あるんでしょ?どんなのをやってたの?」
「ん〜田村さんってそういうショーのこと詳しいんですか?」
「いや、あんまり。ポキモンとかレンジャーものとかやってるのチラッと見たことある位かな。」
「あ〜どっちもやったことありますよ。あとは有名どころならフリキュアとか、アンバンマソとかもありますね。あれは大変なんですよ。それ以外にも今回の様な自治体のマスコットキャラとか。色々やってます。」
「へえ〜色々経験してるんですね。なら心強いです。私は今の部署に異動してきてまだ2ヶ月で、こういう仕事内容は初めてで右も左も分からないんで、良かったです。」
「そうなんですか!なら着ぐるみの仕事では私が先輩なんですね。」
そう言って彼女はニコリと笑い、それまで事務的だったやり取りに、何となく柔らかい空気を感じた瞬間だった。


151 : 中の人フェチ :2015/05/01(金) 00:49:10
※第一話:出会い(1-3)※
俺は五十嵐さんと直近のイベント予定の確認をする。
「再来週の日曜日、6月○日ですけど、この市役所の敷地内で地域の特産品販売やイベントが行われる行事があるんです。その中のステージイベントで新キャラあいちゃんのお披露目会を予定してるんで初仕事はそこってことになりますね。」
「わかりました。ところで…。」
「ん、何でしょう。」
「あいちゃんの着ぐるみはもうあるんですか?出来れば本番の前に一度、着てみて確認をしてみたいんですけど。ほら念の為、サイズとか。」
「確かに!気が利かなくて申し訳ないです。丁度、今日着いたばかりなんですよ。私も午前中に少し確認しただけでなんですけど。じゃあ地下の備品倉庫に置いてあるんで一緒に確認てもらえますか。」
そう言って会議室を出て、備品倉庫に移動しながらの会話で
「五十嵐さんの履歴書を確認させてもらったんですけど私と同い年なんですね。」
「え!そうなんですか!てっきり私より上かと…って、すいません。」
彼女は心底申し訳なさそうに謝る。
「いや、よく実年齢より上に見られるんだよね。気にしないでorz」
「いやいや!そういう訳じゃないんですって!しっかりした感じの方だな〜って思ったから!」
少し凹む内容ではあったが、頑張って否定している五十嵐さんの仕草が同い年ながら可愛いと思ってしまった。
そんな他愛のない雑談をしながら俺は切り出す。
「五十嵐さんと俺って同い年だし、これから同僚として一緒に仕事していくんだから、もっと砕けた感じで話さない?俺は職員だけど着ぐるみに関しては全然素人で五十嵐さんに教えて貰うことも多いだろうしさ。もっと気軽な感じで。」
そういうと彼女は少し考えて
「ならお言葉に甘えちゃっていいですか?確かに私もその方が楽だし。」
そんな話をしているうちに備品倉庫に着いた。
地下にある備品倉庫なんていうと暗くてジメジメしたイメージだが、この備品倉庫は少しイメージが違う。
もともと会議室として設計されているが、地下にあり会議の際に上のフロアから移動が面倒ということで、使用頻度が低く、気がつけば不要な備品が置かれる倉庫になっていたという感じだ。
ドス熊の着ぐるみは非常にがさばるということもあり、ここに保管されており、今回、もう一つ着ぐるみが加わることで、ここを着ぐるみ管理するメインの場所として俺に任されていた。
扉を開けて電気をつける。
部屋は全体で20畳ほどで、一番奥にはパーテションに毛が生えた程度の薄い壁だが数畳だけ区切られた小部屋がある。
俺達に関係のない備品という名の不用品は壁際に少し置かれている程度だが、会議机や椅子も幾つか置いてあり、色々使い勝手はありそうだ。
「なんか狭いところでごめんね。一応ここで着ぐるみの管理をすることになってるんだ。あと市役所でやるイベントなんかでは、ここを着ぐるみの控え室に使うことになるんだ。ちょうど奥の小部屋が区切られてるし、五十嵐さんはそこを使ってもらおうと考えてます。」
「いやいや凄く良い控えですよ。ショーの現場とかじゃもっと狭いテントや車の中で着替えたりもするんで、個室を用意してもらえるなんて、むしろVIP待遇ですって。」
「なら良かった。」


152 : 中の人フェチ :2015/05/01(金) 00:50:18
※第一話:出会い(1-4)※
備品倉庫の説明もそこそこに俺は早速、今日届いたばかりの着ぐるみの入ったダンボールに手を掛ける。
それを横から覗き込んだ五十嵐さんは
「わあ、凄く可愛い!フリキュアみたいな感じですね。じゃあ、早速着てみていいですか?」
「うん、そしたら小部屋を使ってね。小部屋の中の棚にはよく分からない備品とかがあるから、それには触れないようにしておいて。空いてる棚は自由に使っていいから。」
「分かりました、そしたらちょっと待ってて下さいね。」
そういって五十嵐さんは着ぐるみの入ったダンボールを抱えて奥の小部屋に入っていく。
俺は思い出したように声を掛ける。
「あ!着替えの手伝いとかは大丈夫?」
「こういう人型のは一人で大丈夫ですよ。慣れれば10分もあれば着替えられちゃうんです。」
俺は了解して、小部屋に入っていく五十嵐さんを見送り、本当に10分もするとガチャリとドアノブが回る音がした。
そして俺の目の前に現れた着ぐるみのあいちゃん。
想像していたよりも遥かに可愛いことに驚き、声を失い惚けたようにあいちゃんを見てしまった。
面や衣装の可愛さもあるが五十嵐さんが中に入ることでピタッと体のラインが出る肌タイが何かエロさを感じさせ、無機質だったのに、キャラクターが本当に生きている様だ。
惚けている俺の目の前で五十嵐さんが手を振る。
「ああ、ごめんごめん。予想以上に可愛くてびっくりしちゃったよ。」
それを聞くと五十嵐さんは恥ずかしそうな仕草で両手を頬に当てる。
可愛すぎてクラクラしそうだが、俺は気を入れ直して質問をしてみる。
「サイズとかはどう?大丈夫?」
すると五十嵐さんは親指と人差し指を繋げてOKのサインを出す。
「視界とかはどうかな?」
再び五十嵐さんはOKサインを出しウンウンと二度、頷く。
問題がなさそうなのは何よりだが、俺は一つ気になることがあって尋ねてみる。
「ところでさ、五十嵐さん、さっきから何でジェスチャーだけなの?そりゃ着ぐるみが喋っちゃ駄目なのは素人の俺でも知ってるけど、今は2人なんだしさ、気にしなくてよくない?」
すると五十嵐さんは少し困った仕草をし、少し迷ってから面の中からくぐもった声で答える。
「えっと、あのですね。着ぐるみを着たときって、その役になりきっているんですよ。だからこの着ぐるみを着たらあいちゃんとして見て欲しいんです。
それに控え室で着ぐるみのまま素になってやり取りしてると、アクシデントとかあった時に思わず中の人の名前で呼んじゃったり。そういうのって子供は凄くガッカリすると思うんですよ。だからお願い出来ませんか。」
そして恥ずかしそうにこう付け加えた。


153 : 中の人フェチ :2015/05/01(金) 00:51:45
※第一話:出会い(1-5)※
「あと…こんなフリフリの衣装を着てぶりっこボーズを取ったりするのが、30近い人間なんて冷静に考えちゃうと恥ずかしくなっちゃうんですよね。だからこそ役になり切るしかないというか…。」
「分かったよ、五十嵐さん。着ぐるみを来ているときはあいちゃんだと思って接するから」
「もう!だから今はあいちゃんなんですって!」
面越しで見えないはずだが五十嵐さんが頬を膨らませている姿が想像出来て、なんだか微笑ましくなった。
「了解!あいちゃん!」
すると五十嵐さん、いやあいちゃんは大きく頷いた。
そして小部屋の前にちょこちょこと歩いていき、ちょっと待っててねというジェスチャーをして小部屋に入っていった。
こうして初めての俺とあいちゃんとの時間は終わった。
再び小部屋に入り、10分もすると着替えた五十嵐さんが出てくる。
「あ、お疲れ様。着ぐるみはどうだった?」
「ええ、ショーとかでも着たことのある人型の着ぐるみと殆ど差はないんで、これならいきなり本番でも大丈夫そうかな。」
「なら良かった。でも、さっきまであいちゃんに入っていた人が五十嵐さんなんて、なんか信じられないな。」
「あ〜だからそういうの止めて下さいって!」
「はは、ごめんごめん!」
その後は他愛もない雑談をし、最後に再来週の集合時間や注意事項なんかを再確認してその日は解散となった。


154 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/01(金) 00:53:38
地の文とセリフの間に空欄を一行入れると読みやすくなるかも。


155 : 中の人フェチ :2015/05/01(金) 00:54:54
まとめて投稿してから改めて見ると見づらいですね。申し訳ございません。
次以降、そうしてみたいと思います。


156 : 中の人フェチ :2015/05/01(金) 22:35:40
※第二話:お披露目会(2-1)※
そしていよいよ、お披露目会の前日となったが、残念なことに天候が良くない。
梅雨という時期的に仕方ない面もあるのだろうが、今日もシトシトと一日中、雨が降っており、明日も雨予報だ。
残念な気持ちで市役所の窓から空を眺めていると地域振興課の後輩である大野が声を掛けてきた。

大野は俺の2年後輩にあたるのだが入所から地域振興課に配属されている。ノリの軽い奴だが、その分、誰とでも分け隔てなく付き合うことが出来るタイプで、俺も異動前から何度か誘われて飲みにいったりしている仲だ。
今も課で最も若いということで、ドス熊の中の人をずっとやっている。

「あ〜嫌な天気が続きますね。いっそのこと土砂降りになればイベントも中止になりそうなのに。こういう中途半端な降りが一番性質が悪いっすよね。」

「おいおいイベント中止が良いなんて、課長に聞かれたら怒られるぞ。」

「田村先輩はドス熊の中の苦しさを知らないから言えるんですって。あれマジやばいっすよ。これまでのシーズンは幾らかマシでしたけど、ジメジメする梅雨から夏に掛けてはマジ地獄っすから。あれを味わったら誰でもイベント中止を祈りますって。」

確かに地域振興課に4月に配属になってから、イベントでドス熊の補助を何度かしたが、決して暑くない時期でも大野は汗だくでヘロヘロになっていた。
これからの暑くなる時期を考えると確かに憂鬱になる気持ちも分かる。

「井上先輩は午前と午後で交代してくれたりしたんですから、田村先輩もこれからのシーズンは頼みますよ!」

「え〜まあそこはしょうがないけどさ。」

「マジ、約束っすよ。明日もお願いしようかな。」

「いや、明日はあいちゃんのお披露目イベントもあって、やること多いから流石に無理。その次以降な。」

「ちぇ。でもその次はお願いしますね。約束しましたよ!」

大野は改めて念を押すと、コーヒーを買いに行くといって去っていった。
正直、ドス熊の着ぐるみは配属直後に興味本位を見たことがあるが、消臭スプレーを使っていても汗の臭いがキツく、気持ち悪くなった。
それが大野の汗だと思うと正直、ドス熊に入るのは憂鬱だが、仕事でもあるし仕方ない。
そんな中であいちゃんお披露目イベントの当日を迎えた。


157 : 中の人フェチ :2015/05/01(金) 22:37:47
※第二話:お披露目会(2-2)※
当日は予報通りの雨模様。梅雨の雨らしく強くはないがシトシトと延々降る感じで、非常に湿度が高くにジメジメとする。
俺は着ぐるみ班の中では一番乗りで出所し、柳田課長と段取りの最終確認をする。
といっても課長はイベントの来賓やらなんやらの相手もあり、多忙でこちらのことまで管理し切れず、詳細は俺に一任されている。
1人で準備をしていると、じきに大野が現れ、今日の段取りの話をしながら2人で準備を進める。

「そういや、あいちゃんの着ぐるみに入る派遣さんって、この前ちらっと見ましたけど結構、可愛い感じでしたよね。」

「ああ、五十嵐さんね。でもあの人、俺とタメだぜ。」

「うっそ!俺よか年下だと思ってましたよ。ん〜でも折角可愛いのにお面で顔隠しちゃうのって勿体無くないですか。」

「まあ、そうだな。」

イベント開始の1時間前、8時が五十嵐さんに集合をお願いしている時間だが、5分前に来所してきた。

「あ、おはようございます。今日はよろしくお願いします!でもあいにくの天気ですね〜。」

五十嵐さんがちょっと残念そうに話す。

「本当、どうせなら晴天でのお披露目にしたかったんだけどね。でも、お客さんは結構、来ているみたいですから、気合入れていきましょう。」

「はい!」

「っと、忘れてました。ドス熊の着ぐるみスタッフをやってもらっている大野です。」

「ども〜よろしくお願いしまっす!」

「よろしくお願いしますね。でもキャラ設定では私がご主人様なんですよね。」

「ははは!お手柔らかにお願いします!」

ノリの良い大野は早々に五十嵐さんと打ち解けた感じで、他愛もない雑談をしている。
これから着ぐるみに入りペアで仕事をしていく2人になるだけに親交を深めてもらいたいところだが、時間のこともある。
俺は適当なところで2人の話を遮り、今日の段取りの説明をする。

「先ず午前中だけど10時からステージであいちゃんのお披露目会。これは10分程度の予定。んで、そのままあいちゃん、ドス熊で撮影会を行います。まあ、トータルで一時間は掛からないと思うけど。」

「まあ、この天気っすからね。それにドス熊だけの時の握手会とかはお客さんが少なくていつも30分も掛からないですから。」

大野がそう付け加える。

「お昼はこの控え室で休憩しつつ取ってもらって、午後は天気のこともあるけどグリーティングを30分×2。間に30分休憩の予定。そして3時半からは今日のイベントのもう一つの目玉。うちの市の特産品の表彰があるらしくて、その表彰式に盛り上げ役として出て、それで全工程になりますね。」

その説明を聞くと大野は嫌そうに溜息をつきながら

「荒天の為、午後の表彰式は中止とかにならないっすかね。」

なんて愚痴をこぼしていた。


158 : 中の人フェチ :2015/05/01(金) 22:39:07
※第二話:お披露目会(2-3)※
そしていよいよお披露目会の時間となる。
会場となるステージは市役所の敷地に立てられたら仮設のもので一応、屋根も付いているが基本的には鉄パイプで組まれた簡素なものだ。
9時40分を過ぎたのを確認して俺達は備品倉庫を出る。
五十嵐さんはあいちゃんに着替え済みだが、ドス熊は移動が大変なので大野が下半身のみ着替えて、大きな頭は俺が持っていく。
市役所の正面玄関近くまで来たところで、表からの死角を使い大野にドス熊の頭を被せて待機する。

「もうそろそろ出番だと思うから、ちょっと外の様子を見てくるわ。」

あいちゃんは頷き、ドス熊も少しだけ前屈みに頭を下げたような気がした。
外に出るとエアコンが効いた屋内と違い、モワっとした嫌な空気が体にまとわりつく。
雨は小雨だが、雲は厚く、すぐに止みそうな気配はない。
俺は2人のところに戻り

「雨はやっぱり駄目だな。止みそうにない。ステージまでの距離は短いけど、着ぐるみが濡れるのは避けたいから、あいちゃんには俺が傘をさして、ドス熊にはビニールを被せるから、それでステージまで行こう。」

それを聞くとドス熊の中からくぐもった声で大野が抗議の声を上げる。

「いや、先輩、ドス熊の格好じゃ一人で玄関やステージの階段、乗り降り出来ないっすよ。」

「言われてみれば確かにそうだな、参った、どうしよう。柳田課長も他の仕事に掛かってるし。」

するとあいちゃんは俺の持っていた傘を手に取り、胸の前で握り締めると力強く頷いて見せた。

「え、1人で傘さしていけるの?雨も降ってて足元も悪いし大丈夫?」

あいちゃんは心配ないと言う風にOKサインを出す。

「分かった。じゃあ俺はドス熊の補助をするから、あいちゃんは俺達に並んで歩いてきて。」

そうしているうちに職員がステージに来るよう伝えに来た。

「じゃあ行くよ!」

そう言って俺は着ぐるみ2人を連れて市役所の玄関を出る。


159 : 中の人フェチ :2015/05/01(金) 22:40:13
※第二話:お披露目会(2-4)※
最初の関門は市役所玄関を出たところにある数段の下り階段だ。
生身であればなんてことないが、ドス熊が移動するのは簡単でない。
俺は右肩でドス熊を支えながらゆっくり階段を降りるがフラフラとしてかなり不安定だ。
ドス熊に入っている大野には足元が全く見えていないんだろう。
あいちゃんは大丈夫かと左を見るが、流石、五十嵐さんという感じで傘を指しながらもちょんちょんと可愛く階段を降りていた。
階段を降りるとステージまでの数十メートルの距離をドス熊の歩みに合わせてゆっくり先導する。
移動しているところで、道の脇には既にお客さんが待機しており、ドス熊やあいちゃんに声援を送っている。
俺とドス熊は移動に精一杯だが、あいちゃんは俺の横に並んで、時折、傘を回したりしながら、可愛らしくお客さんへ愛想を振りまいていた。
何とかドス熊を補助しつつ、ステージに上げると俺の仕事は一段落で、ステージを降りて脇で傘をさし待機する。

ステージ上ではMCの職員が司会進行していき、あいちゃんとドス熊の紹介をし始めた。
基本的にあいちゃんは喋るキャラにしようとは考えていないが、今回はお披露目会というこで、他の課の若い女性職員にお願いして台詞を予め吹き込んでもらっている。
五十嵐さんには段取り説明の時に内容を聞いてもらっているが、二度も聞くと覚えたので大丈夫とのことだった。

「はじめまして。私、あいちゃん!ドス熊ちゃんのご主人様なの!」

台詞が流れ始めると、それに合わせてあいちゃんは身振り手振りのジェスチャーをする。
二度聞いただけなのに、台詞と寸分狂わぬ動きに思わず俺は感心してしまった。
無事、お披露目を終えると、そのままステージであいちゃんとドス熊との撮影会だ。
俺は再びステージに上がり着ぐるみ達の傍で列の誘導をしたり、時には頼まれてカメラ撮影もした。
あいにくの天気ではあったが井上さんが退職する前にしっかりと事前告知をしてくれていた為か、撮影会待ちの列は長蛇になり、結局、撮影会が終わったのは始めてから一時間以上経ってからだった。
予想以上に長引いた撮影会を終えると一度、備品倉庫に戻り休憩を取る。
倉庫に入るなり、ドス熊大野は

「はぁぁぁ〜きっつぅぅぅ〜。頭外して下さい!」

と声を上げる。
ドス熊の手は動きはするが何かを掴めるような構造になっていないので、補助がないと頭も自分で外せない。
俺がドス熊の頭を抱えて上に持ち上げると、中の大野は頭に巻いたタオルがびしょびしょに濡れてかなり苦しそうだ。

「うわ!結局、一時間半以上、ぶっ通しで着てたんすね。今までは30分もあれば捌けたのに。」

俺は新しいタオルとスポーツドリンクのペットボトルを渡す。

「お疲れ、まあ、大変だっただろうけどあいちゃん効果で人気も凄かったし、今回のキャラ追加の狙った形になったんだから良かったじゃないな。」

「そうは言っても、こう長い時間だとヤバいですって!何度か意識飛びそうになりましたよ。」

「ん〜確かに今後の課題としては、どうするか考えないといけないな。」


160 : 中の人フェチ :2015/05/01(金) 22:41:16
※第二話:お披露目会(2-5)※
そんな話をしていると、あいちゃんもお疲れ様という感じに頭をぺこりと下げて小部屋に入っていく。

「やっぱり五十嵐さんはプロっすね、俺、ドス熊の中からだからあんま見えなかったですけど、素人とは動きが違いますもん。」

と大野がそれを見送りながら言った。
15分程で小部屋から着替えた五十嵐さんが出てくる。
真っ先に大野が声を掛けた。

「お疲れ様っす。あれ?なんか案外、普通な感じっすね?俺なんてまだ汗引かないのに。」

「そりゃドス熊と比べたら楽だからね。一応、汗拭きシートで体を拭いてTシャツは着替えたから。でもほら、髪の毛なんかはびしょびしょだよ〜。」

そう言って元々肩位までの決して長くない髪を、後ろでまとめてお団子状にした髪を俺と大野に見せてくる。
午後は少し雨足が強まって来たこともあり、市役所ロビーを使い屋内でグリーティングを行った。
グリーティングではあいちゃんがドス熊に抱きついたりと仲良しアピールをすると、その効果か、これまで子供に不評だったドス熊も子供に受け入れられてきて、最後の方にはドス熊を怖がる子供は殆どいなくなっていた。
それには可愛らしい動きで子供をあやしつつ、ドス熊は怖くないんだよと誘導している五十嵐さんの抜群の演技力があってこそだったと思う。
俺はあいちゃん導入の効果の手応えを早速掴むことが出来、大満足だった。
これならお披露目会は大成功だなと少し気楽に考えていたところで、予想もしないアクシデントが待っていた…。


161 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/01(金) 23:35:16
以前、書かせて頂いた貴史と小百合親子の着ぐるみストーリーなのですがその続編を書かせて頂きたいと思いますので皆様よろしくお願い致します。


<貴史と小百合
セカンドストーリー>
第1話 再び…

あれから数ヵ月が過ぎ、貴史が母親の小百合とはもう母子ではなく恋人のような関係に発展して以来、小百合も着ぐるみの望美の中に毎日入る様になっていた。
最初は貴史を喜ばせようと、着ぐるんでいたが今では望美になる事を趣味として着ぐるむ様になっていた。

そんな小百合に対し、貴史はいつしか望美に着ぐるんでいる小百合を写真撮影し貴史が作ったネットのホームページやブログに載せたりしていた。

HPのタイトルは
「you&me」
意味としては you=小百合 me=貴史
シンプルではあるが、貴史はどうしてもこのタイトルを付けたいという思いがあった。

このHPには、小百合が着ぐるみの望美の姿でセーラー服やビキニ・レオタードやバニーガールや私服などいろんなコスプレをしている画像などを載せている。

さらに真下からと真横や斜め後ろから撮影した望美の面と肌タイの境目のフェチ的な画像や面を取って後ろ姿で肌タイ姿だけの画像と後ろのファスナーを少し開けて、小百合のロングヘアーを出している画像まで載せていた。
だがこのHPには小百合の素顔は一切NGで非公開にされていた。

ちなみに望美の面は某工房の大量量産されている面で、可愛いポーズやセクシーショットなどいろんな画像があり各ユーザーの人気を集めていた。

ただ、ネットのユーザーとしてみれば望美の中に入って演じてるのは45歳の熟女だとは誰も思わないだろう。

しかし、たとえおばさんになっても肌タイを着て面を被れば永遠の17歳になれるのである。
そんな熟女の小百合も、美少女着ぐるみの魔力に取り付かれた一人でもあった。

美少女着ぐるみの中に入り、17歳に戻って貴史の彼女を演じられるというこんな幸せな事はなかった。

そして小百合にはある想いがあった。
それは望美になって貴史と外でデートをする事であった。
一緒に手を繋いだり、腕を組んだりして街の中を歩いてみたいという願望があった。

しかし、当の貴史にはまだその気がないのか自宅の中で望美と一緒に居られればそれだけでも嬉しいからだ。

着ぐるみデートをしたい小百合と自宅の中で一緒に居られればそれだけで良いと思う貴史。
二人のすれ違う思いに小百合はもどかしさを感じていた。

そんなある日、小百合はある作戦に出た。
なんと貴史と二人だけで国内旅行に行く計画を立てた。
旅行に行く時に、望美の面や衣装も持って行って旅先で着ぐるみデートをしようという計画だった。
パンフレットも何種類かそろえて行き先を貴史と共に選んで決めようとしていた。
この時、小百合の着ぐるみデート計画が着々と進んでいる事に貴史はまだ気付いていなかったのである。


162 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/01(金) 23:37:03
なんかキタ━(゚∀゚)━!


163 : 中の人フェチ :2015/05/02(土) 02:01:47
※第三話:目覚めた感情(3-1)※
残された午後のイベントだが、この地域の特産品が有名な賞を受賞したとのことで、その関係者への表彰式だ。
これには来賓に市議会議員も出席したりする、今日のイベントの最大の目玉となっていた。
もっとも着ぐるみ班の仕事は盛り上げ役としてステージ脇に控えて、関係者にあいちゃんが花束を渡すだけというものだった。
しかし、この表彰式の前のグリーティングが終わり、控え室に戻ったところで大野が体調不良を訴えた。
確かに午前中は長時間ドス熊を着ていたし、午後も休憩を挟んでいたとはいえ、想像以上の人気で外に出る時間が長引き、休憩時間を圧縮していた。

「ちょっと眩暈がしますわ。これは無理かもです。」

大野は普段の軽いノリではなく、心底申し訳なさそうに謝ってきており、それが本当に体調が悪いのだと感じさせた。

「仕方ないな、表彰式には俺がドス熊を着るしかないか。大野、補助はいけそうか?」

大野はそれならと立ち上がろうとするが、足元がもつれ転んでしまった。

「これは暫く横になってないと無理だと思いますよ。」

あいちゃんの着ぐるみを脱いだ五十嵐さんが心配そうに言う。

「そうだな。とはいってもこの天気でいきなり俺が補助なしでドス熊で出るのは厳しいし、今から誰かに補助をお願いする訳にもいかないし…。」

悩んだ俺は最終的に柳田課長に携帯でドス熊の表彰式参加は難しいとの連絡を取った。
課長も状況を理解してくれた様でドス熊はお休みということにせざる得ないだろうと了解してくれた。
ただ、あいちゃんは表彰式で花束を渡す役割があるから、俺があいちゃんの補助について、あいちゃんだけ参加するようにとの指示だった。
電話を切って2人に内容を伝える。

「ふぅぅ」

心底しんどそうだった大野が安心したように大きく息をついた。

「ホッとしました。これで行けってことになったらどうしようって。」

「流石にそこまでの無理は課長もさせないって。あ!もう結構いい時間だよ。五十嵐さん。そしたらもう一頑張りだからよろしくね。」

「本当だ!表彰式まで30分ないですね。そしたらサッと着替えてきます。」

そう言って足早に小部屋に向かい、10分もしない内にあいちゃんに変身して出てきた。
会議机の椅子を3つ並べて、その上に横たわる大野の声を掛け、2人で備品倉庫を後にした。


164 : 中の人フェチ :2015/05/02(土) 02:03:33
※第三話:目覚めた感情(3-2)※
市役所正面玄関から外に出ようとすると、先ほどより雨足が更に強くなっており、コンクリートの地面には午前中にはなかった大きな水溜りも出来ていた。

「あいちゃん、午前中より足元が悪くなっているから気をつけて。」

そう声を掛け大きめの傘を開くとあいちゃんを濡らさない様に相会傘をしてステージに向かう。
仕事とはいえ、少し気恥ずかしい。
ステージ脇に行くとスタッフから表彰式で渡す用の花束があいちゃん渡され、そのまま一時待機する。
ステージ脇はステージ上段と違い、屋根がないので傘をさしていないとずぶ濡れになってしまう。
俺は相会傘のままあいちゃんと出番を待った。
しかし、ここから思いもよらない展開になったのだ。

表彰式の中で来賓である市議会議員の挨拶があるのだが、この議員さん、地域の色々なイベントに積極的に参加してくれているものの、とにかく話が長いことで有名だ。
市議と直接の面識のある柳田課長の話によると、過去に同様なイベントで話が大幅に長引いたことがあるので、今回は10分程度でお願いしているとのこと。
しかし、相手はお偉いさんで、課長もあまりキツくは言えなかったんだろう。
既に目安の10分を悠々オーバーして30分以上、話が続いているが、話がどんどん違う方向に広がっていって全く終着点が見えてこず、まだまだ時間が掛かりそうな雰囲気だ。
ステージを見ているお客さんも辟易してきたのか少しづつ減ってきてしまっている。
それでも市議の話は終わる素振りがない。
いよいよ一時間近くなってくるが、相手が相手だけに誰も止めることが出来ず、時間だけが過ぎていく。
雨だけならいざ知らず、このムシムシした湿度に半袖Tシャツを着ている俺でも汗が滴り落ちてくる。
ドス熊程ではないにしろ、あいちゃんだって全身タイツで覆われている訳で暑さは俺が感じている比ではないだろう。

「はぁ、いい加減長すぎる…。」

立場的に口に出しては拙いのだが、思わず小声で呟いてしまった。
すると、それが聞こえたのか、これまで俺の右側でジッと立って待っていたあいちゃんが俺の方を見た。
そして、顔ではなく、左肩あたりを見ているようだ。
俺自身もそれで気づいたのだが、相会傘をしていて傘に入れていない左半身はびっしょりと濡れてしまっていた。
あいちゃんを濡らさないことを優先し、自分は少し濡れても気にしないでいたのだが、1時間近くもの時間、降られていたことで改めて見ると結構、悲惨なことになっている。
するとあいちゃんは俺を傘に入れようとしてか、肩と肩がぶつかるところまでグッとこちら側に詰めてきた。

「え、いや大丈夫だから。」

そう声を掛けるが、シーというポーズを取って制止してくる。

「ごめん、ありがとう。」

俺はあいちゃんの心遣いを受け入れ、素直にお礼を言った。
すると、あいちゃんと距離を詰めたことで今まで気付かなかったことが分かった。


165 : 中の人フェチ :2015/05/02(土) 02:04:59
※第三話:目覚めた感情(3-3)※
まず、触れ合っている腕に、直ぐにジワっとした湿っぽい感触が肌に伝わってきた。
よくよく見るとあいちゃんの肌タイは面との繋ぎ目にあたる首周りや、二の腕に汗染みがハッキリと見える。
そりゃそうだ、軽装に近い俺でも汗をかいているんだ。
表彰式前に市役所を出てくる時にはなかったと思うから、この待ち時間の間に出来たものだろう。
そして、市議の話の途切れ途切れ、一瞬静かになったところでは、微かに「はぁ、はぁ、はぁ」という呼吸音が聞こえる。
きっと中の五十嵐さんも相当しんどいに違いないが、不謹慎にも俺は少しドキドキしてしまった。
それでもこの状況はどうしようもなく、気を紛らわす為にも、とにかく俺はあいちゃんを雨で濡らすことだけはしないことに専念した。
市議の話は始まってから一時間をちょっと過ぎたところで

「少し話が長くなりましたが…」

なんて突っ込みを入れてやりたい言葉を言いながら締められた。
この雨や暑させいだけとは思えない会場の重い空気が幾らか緩み、その後の進行はつつがなく行われていく。
相当、苦しそうだったあいちゃんも、いざ表彰式で花束を渡す時になれば、これまでと変わらず、軽快で可愛らしい動きで仕事をこなしていた。
無事に式は締め括られ、俺は早々に備品倉庫に戻ろうとした。
あいちゃんが相当苦しそうなのは伝わってきていたし、早く開放してあげたい気持ちが強かったからだ。

「お疲れ様、あいちゃん。じゃあ戻ろう。」

そう言って市役所建屋に促すと、あいちゃんが少しよろけた。
この雨で悪くなった足元のせいか、気分が悪くなってしまっているかは外見から判断出来ないが、どちらにせよ、それで転んでしまったりしては大事だ。
俺は思い切って、傘を左手に持ち替え大きく右に傾けると、空いた右手であいちゃんの左手を握った。
すると先ほど腕がぶつかった時に感じた湿っぽさとは比較にならない湿度をあいちゃんの手に感じる。
あいちゃんの手の肌タイは汗だろう、びしょびしょになっていた。
その感触にドキドキしてしまったが、同時にあいちゃんも一瞬、びくっと驚いたのが分かった。
しかし、それどころではない。

「ごめん。だけど転んだりしたら大変だし、ちょっとだけだから。」

そう言うと、あいちゃんは抵抗することなく受け入れてくれた様で、俺は無理をさせない程度に歩を早めてステージ脇から市役所建屋に向かった。
幸いにも予定より大幅に終了が遅れた表彰式の後ということもあって、小さい子供は殆ど残っておらず、ふらついたあいちゃんを子供に見られることはなかった。


166 : 中の人フェチ :2015/05/02(土) 02:06:19
※第三話:目覚めた感情(3-4)※
備品倉庫に入り、ドアを閉める。
休んでいたはずの大野の姿が見えない。
そりゃ市議の話があれだけ長引き、時間が経っているんだ。
体調が回復してどこかに行っているんだろう。
すると、あいちゃんの面の中から「ふぅぅぅ」と大きく息をするのが聞こえた。
流石にあいちゃんになりきっている五十嵐さんでも苦しいに違いない。

「すぐ面を取って水分補給しないと!」

そう言ったが、あいちゃんはあくまで言葉を発せず、手でそれを制止するとOKのサインを手で作り、奥の小部屋に入っていく。
心配ではあるが、本人に止られてしまったら、無理に面を外すことも出来ないし、問答していても時間の無駄だ。
俺は雨に濡れた自分の体をタオルで拭きつつ、黙って待つことにした。
右手にはさっきまで握っていたあいちゃんの手の感触が残っている。
これまでなら10〜15分掛かっていたあいちゃんの着ぐるみを脱ぐ工程だが、今回は5分も掛からずドアが開く。

「お疲れ様です。もう本当に苦しかったぁ。」

そういって五十嵐さんは椅子に腰掛けうな垂れる。
これまでは休憩等で合間に着ぐるみを脱ぐ時でも、人前では最低限のみたしなみを気にしていた感のある五十嵐さんだが、今回はその余裕はないらしく顔は紅潮し、素肌が見える各所に汗が映る。
インナーとして着ていただろうグレーのTシャツは既に黒のTシャツかと思えるほど全体が汗で染みており、濡れて肌に付いた生地にはブラのラインがハッキリと確認出来る。
本当に、あいちゃんの着ぐるみをただ脱いできた、という印象だ。

「本当にお疲れ様、ほらスポーツドリンク。」

そう言って手渡すと500mlのペットボトルを五十嵐さんは一気に飲み切った。

「ごめんなさい、もう一本もらっていいですか。」

「OK、OK。はい、あとタオルね。」

五十嵐さんは顔の汗をタオルでふき取りながら2本目のペットボトルを飲み始める。
2本目を半分あたりまで飲んだところで、少し落ち着いたのか大きく息をした。
そしてタオルで腕等の汗をふき取りながら話始める。


167 : 中の人フェチ :2015/05/02(土) 02:07:52
※第三話:目覚めた感情(3-5)※
「もう、あの人、本当に話が長すぎるんだもん。途中で朦朧としてきちゃいましたよ。普通の現場ではこれだけ着ぐるみを着たままで待たされることは流石にないかも。」

「課長もあの人、話が長いからって短めでってお願いしていたみたいだけど、全然効果がなかったみたい。本当に申し訳ない。」

「そんな、田村さんが謝らないで下さいよ。あれは仕方ないじゃないですか。それより私も田村さんがびしょ濡れになっているの全然気づかなくてごめんなさい。」

「それこそ気にしないで、安物のTシャツだしね。それより帰る時、よろけてたけど大丈夫?」

「今、少し休んだら楽になりましたけど、流石にフラッときちゃいましたね。ステージで花束渡すまでは絶対、シッカリしなくちゃって気を張ってたんですけど、終わってホッとたら気が抜けちゃったのかも。」

五十嵐さんは苦笑いしながら言う。

「でも、田村さんが手を繋いできてくれたので助かりました。あれで転んだりしたら、衣装、大変なことになっちゃってたでしょうから。」

「そっか、ならよかった。一瞬びくってしてたから嫌じゃなかったか、実は心配してたんだよね。」

すると五十嵐さんは恥ずかしそうに

「それは…ほら、手のタイツが汗で濡れてたのが分かってたんで恥ずかしかったんですよね。気持ち悪くなかったですか?」

正直、今でもあの感触が手に残っていてドキドキしていたが、流石に素直に言えないので

「ああ、雨で濡れているかと思ったからさ。全然気にならなかったよ。」

そう何事もなかった様に応えた。

「そっか、なら良かったぁ。」

そう言って五十嵐さんの表情が緩む。
一息ついて冷静なったところで、五十嵐さんはTシャツが汗でびしょ濡れなのに気づいてか、着替えてきますね。と声を掛けて足早に小部屋に向かった。
まだ、ドキドキした手の感触が残っているこの状況で、薄い壁越しに五十嵐さんが着替えている音が聞こえる部屋に一人でいるのは精神的に厳しい。
そう思った俺は壁越しに五十嵐さんに声を掛ける。

「ごめん、大野のやつが見当たらないから、ちょっと探してくるよ。着替えたら今日はあがりだから、ちょっと待ってもらってていい?」

「あ、分かりました。」

そう伝えて俺は部屋を出てると、扉を閉めてそこで大きく深呼吸をする。
表彰式で肩と肩が触れたまま、待っていた時に腕に感じた感触。
手を繋いで一緒に歩いた時の手の感触。
胸の高鳴りが止まらない。

「俺、どうしたんだろうな。」

そう呟いてみるが、すぐに考えが纏まらなさそうだと悟り、この気持ちに一先ず封をして消えた大野を探すことに専念した。


168 : 中の人フェチ :2015/05/03(日) 00:45:03
※第四話:気持ちの正体(4-1)※
色々とアクシデントはあったが無事にあいちゃんのお披露目は終わった。
参加したお客さんの評判も全体的に良かった様で、柳田課長は勿論、地域振興課以外の市役所職員からも好評であった旨の話が聞けた。
まだ、始まったばかりだが、ドス熊の不人気対策として十分、手応えを掴むことが出来、業務を引き継いだ俺としても一安心だ。

その後も土日をメインに、時には平日にも地域のイベントに参加していくあいちゃんとドス熊。
2人?のアンマッチさが逆に良いのか、その後の評判も良く、イベントに数回、参加する頃には個人のファンサイトが出来る程になっていた。
それに伴い、俺のところに問合わせや出演依頼が増え、ドス熊だけだった頃からは考えられないほど忙しい日が続く。
それ自体は本当に有り難いのだが1つだけ、俺には引っかかっていることがある。
あのお披露目会の時にあいちゃん、いや、五十嵐さんなのか?に感じた不思議な感情。
あれから何度も会っている訳だが、あの気持ちが自分の中で誰に対してのものなのか消化し切れずにモヤモヤしたままだ。
五十嵐さんと話していると楽しいし、あいちゃんの補助をしている時は可愛いと素直に思う。
だけどあの時に感じた気持ちとは少し違う。

そんなモヤモヤを抱えていた7月末。
この日は商店街の販促として出演依頼があり、無事仕事を終えたところだった。

「お疲れ様。」

俺は移動用のバンから出てきた五十嵐さんに声を掛ける。
それと入れ違いで今度は大野がバンに乗り込む。
今日の現場は商店街側が用意してくれた仮設のテントが着ぐるみの控え室だったが、着ぐるみの脱着のみはともかく、汗を拭いたり、着替えたりするには少し抵抗があり、少し離れた路地裏のコインパーキングに止めたバンの中で交互に着替えを済ませている。
鍵は勿論掛かるし、一応、後部は濃いめのスモークがかかっていて、運転席側と後部座席側はカーテンで仕切れるので、市役所以外のイベント時の着替えには重宝している。
流石に大汗をかくこの時期に着ぐるみを脱いでそのまま帰るのはキツイ。
ただ、五十嵐さんはやはり着ぐるみを脱着するところを極力、人に見られたくないらしく、今日もあいちゃんとドス熊の登場・退場を時間差にして五十嵐さんの着ぐるみ脱着は1人でやってもらった。
よくよく思い返すとこれまでのイベントで五十嵐さんがあいちゃんの着ぐるみを脱着する場に立ち会ったことはない。

「我が儘言ってごめんなさい。ショーの現場ではそんなこと言ってられないですけど、出来ることならお願いしたいです。」

そう五十嵐さんから申し訳なさそうに頼まれたら流石に断れない。
あいちゃんの人気は彼女の演技力によるところも多分にあるだろうし、それ以外では本当によくやってくれている。
女性ということもあり、俺も大野も可能な限り調整することにしていた。


169 : 中の人フェチ :2015/05/03(日) 00:46:36
※第四話:気持ちの正体(4-2)※
着替えている大野を待っている間、五十嵐さんと話しをする。

「田村さん、午前中はドス熊、ちゃんとこなしていましたよね。慣れてきました?」

最近でのイベントでは俺もドス熊に大野と交代で入るようにしている。
最初は死ぬかと思ったし、30分も入ると限界だったが、今は休憩を挟めば数回は何とかなるようになっていた。
この日は休憩を挟みつつ、午前中に計一時間程、ドス熊に入った。

「まあ、ようやく慣れてきたかな。正直、あれをずっとやってる大野を尊敬するよ。」

「ですよね〜。大野さんはかなりタフだと思います。」

「でも、それを言うなら五十嵐さんもでしょう。俺らは交代でやってるけど、五十嵐さんは1人でなんだから。」

「私もドス熊だったら1日は無理だと思います。あれは交代じゃないと。特に夏場は。」

そんな話をしていたが、まさかそれが現実になるとは…。
8月に入ったある日、市役所でイベントがあったのだが、ここで大きな問題が出た。
大野の家族に急遽、不幸があり、イベントに参加出来なくなった上に、柳田課長や他のメンバーも業務の関係でこちらにヘルプが出来ない。
既にイベントの告知には「ドス熊とあいちゃんがやってくる!」と大きく銘打たれており、簡単には引っ込めることが出来ない状況だ。
色々考えた上で思い切って、俺がドス熊に入り補助はなしとすることにした。
その分、イベント会場を練り歩くようなことを止め、市役所正面玄関前でグリーティングだけをすることにした。
当日、五十嵐さんにその事を伝えると最初は凄く心配していたが、手がない状況を理解して了解してくれた。

「私が何とかリードするようにしますから!」

そう言ってくれた五十嵐さんの言葉が心底心強かった。
こうして不安一杯のイベントが始まる。
この日の2人の登場時間は予め決まっており、イベント開始の9時。
その後は11時、13時、15時の四回、一回30分が目安だ。
これだけの時間、ドス熊に入ったことはないし、補助もない。
不安要素は一杯だが、賽は投げられてまったんだから、とにかく乗り切ることだけを考えた。


170 : 中の人フェチ :2015/05/03(日) 00:48:19
※第四話:気持ちの正体(4-3)※
この日は補助がいないので、いつもなら市役所玄関近くの死角で最終的に着替えをするドス熊だが、今回は備品倉庫から完全装備で出動する。
あいちゃんが先導してくれているので移動は何とか大丈夫だったが、エレベーターで地下から一階に上がるだけでも簡単ではない。
正面玄関前に到着すると既に沢山とお客さん達が待ち構えている。
先導するあいちゃんに反応して玄関の自動ドアが開くと外の暑い空気が流れ込み、ドス熊の足元から俺にも伝わってくる。
この日は最高気温が35℃を越える猛暑日予想で、グリーティングを始めて5分もすると滝のように汗が溢れてくる。
補助の人間がいないことで、収集がつき辛くなっていたが、それでもあいちゃんが上手いこと、調整をしてなんとか捌けている状態だ。

一回目のグリーティングを終えて備品倉庫に戻る。
ドス熊は自分で頭を外せないから、当然、あいちゃんにやってもらう。
頭が取れると倉庫内のエアコンの効いた涼しい空気が肌を包む。
俺はドス熊に入れている腕を引き抜き肩に掛けているベルトを外してドス熊の中から抜け出すと、置いてあったスポーツドリンクを一気に飲み干す。
そして俺を心配そうに見ているあいちゃんに

「ありがとう。お疲れ様。もう俺は大丈夫だから、あいちゃんも着替えて水分とらないと。」

ドス熊ほどハードな着ぐるみではないにしろ、グリーティングとお客さんの誘導を同時にしているんだから楽な訳はない。
それに今日の暑さは今年一番と言える程の猛烈なものだ。
実際、あいちゃんの姿を見ると、僅か30分程だが、既にインナーは汗でびしょ濡れなんだろう。
早くも肌タイに汗染みが少し見えた。
自分自身、暑さにやられ辛いはずなのに、その姿を見ると何故かドキドキする。
お披露目会の時と同じ感情だ。
俺が大丈夫そうなのを確認すると、あいちゃんもタオルを持って小部屋に着替えに入る。
ようやく汗が引いてきた頃に五十嵐さんが着替えて出てきた。


171 : 中の人フェチ :2015/05/03(日) 00:49:30
※第四話:気持ちの正体(4-4)※
しかし、汗なんかは拭いている様だが着ている白いTシャツは汗に濡れていて、ピンク色のブラジャーが柄まで透けて見える。
目のやり場に困っていると、五十嵐さんもそれを察してか恥ずかしそうに

「ちょっと今日の暑さを舐めてたかも。着替え、1セットしか用意しなかったから、この後を考えると着替えるのは早いかなって。」

俺は敢えて気にしてない風を装い

「俺もだよ。せめてお昼食べるとき位は着替えたての気持ちいい状態で食べたいもんね。」

そしてそのまま話を逸らす。

「でも午前中はありがとう。誘導もやってもらう形になって。」

「思ってたより、大変でした。小さい子はなかなか思い通りに動いてくれないし。いつも田村さんが傍にいてくれるありかたみを改めて感じてます。」

そう笑顔で返してくれる。
普段は補助って何か着ぐるみに入るより楽してるみたいで申し訳ない気持ちがあったが、そう言ってもらえると嬉しくもあり気恥ずかしくもある。

「とにかくあと三回。何とか今日を乗り切ればだから、一緒に頑張ろう!」

その後、何とかグリーティングをこなし、終わりが見えてきたと思えた最後、四回目の途中で心配していたことが起こった。
俺の体調がいよいよ限界を迎えつつあったのだが、何かの拍子に、胃の中のモノが戻ってきた。
ドス熊の中に撒き散らしでもしたら悲惨だ。
俺は無我夢中で胃から戻ってきたものを口に留め、気持ち悪いが、それを再度飲み込む。
手も自由に使えないドス熊の中ではそうするほかなかった。
そして万が一、グリーティング中にどうしても気分が悪くなった際に決めていたサインあいちゃんに送る。
あいちゃんは直ぐに事態を察してくれたようで、身振り手振りでお客さんへごめんなさいのポーズ等を取りながらグリーティングを中断し、市役所建屋内にドス熊を誘導する。


172 : 中の人フェチ :2015/05/03(日) 00:52:09
※第四話:気持ちの正体(4-5)※
予定よりも早く帰っていくあいちゃんとドス熊にお客さんはザワつき、文句の声も聞こえるが俺にそれを考える余裕はない。
ドス熊の狭い視界からあいちゃんがお客さんに何度も頭を下げ、ドス熊を押して市役所屋内に促してくれているのが見えた。
備品倉庫に行く為のエレベーターに乗ると、あいちゃんがB1の行き先ボタンを押し、閉じるのボタンをパチパチと叩く。
急いでくれているのがその音でも判った。
エレベーターに乗っていたのは当然、2人だけだが、扉が完全に閉まった時に

「大丈夫ですか?すぐですから、もうちょっとだけ我慢して下さい。」

という五十嵐さんの声が聞こえる。
当然ながら、五十嵐さんはあいちゃんの着ぐるみを着たままだ。
あいちゃんになったままで五十嵐さんが喋ったのは初めての時だけ。
あれは、例外的なものだと思っていたし、実際にその後は徹底し過ぎていると思うくらい、五十嵐さんはあいちゃんになっている時に素を出さなかった。
朦朧とした意識の中で俺は自分の体調よりも、そんなことを考えていた。

備品倉庫に入ると、あいちゃんは直ぐにドス熊の頭を外すと、下半身部分を脱がすのを手伝ってくれた。

「ちょっと横になってて下さい。今、飲み物を持ってきますから。」

そう言って倉庫に置いておいたクーラーボックスからスポーツドリンクを取り出し、渡してくれる。
今度は、小部屋に駆け足で入ると、直ぐに出てきて、五十嵐さんの私物であろう発熱時なんかに使う冷却シートを持ってきた。

「ああ!」

シートについている薄いビニールを剥がそうとするあいちゃんだが、肌タイが邪魔で剥がし辛いみたいだ。

「貼るくらいは俺でも出来るよ。ありがとう。」

そう言ってシートを手渡してもらうと

「じゃあ私、タオルを濡らしてきます。」

そう言うとあいちゃんはタイルを数枚、手に取って着ぐるみを着たまま備品倉庫の外に出ていってしまった。
倉庫の直ぐ近くにはトイレがあるから、そこで濡らしてきてくれるのだろうか。
休日の市役所だし、外部の人間が地下までくることは、まずないので人目につく心配はないが、それにしても今までの五十嵐さんらしからぬ行動に驚く。


173 : 中の人フェチ :2015/05/03(日) 00:54:25
※第四話:気持ちの正体(4-6)※
直ぐにタオルを濡らして戻ってきてくれたあいちゃんは

「これ、脇とかに挟んで下さい。」

と渡してくれた。
涼しい部屋で水分を取ったことで幾らか楽になった俺は、本当ならお礼を言わなくてはいけないところだが、

「そういえば五十嵐さん、さっきからあいちゃんの格好のまま喋っちゃってない?」

つい気になっていたことを聞いてしまう。

「あ!」

あいちゃんは思い出したように叫び

「いや、だって、これは緊急事態だったじゃないですか。それどころじゃなかったんです!」

「ごめん、ごめん。お蔭様で少し気分も良くなったよ。もうちょっと休めば大丈夫だと思う。」

「それなら良かったですけど…。」

事態が落ち着いてきたところで冷静になり、恥ずかしそうにしつつも、ここまできてしまったことに諦めたの疲れた声で

「じゃあ、私も着替えてきます。気分が悪くなる様なら声を掛けて下さいね。」

そう言って足早に小部屋に着替えにいく。

その姿を見送りながら俺はこれまでの、五十嵐さんでもあいちゃんにでもない。
誰に対しての気持ちか分からずモヤモヤしていた感情に一つの確信を持っていた。
そのきっかけは間違いなく、今、このやりとりによってだ。
気分は悪いはずなのに、気持ちの正体がハッキリしたことで俺は妙に清々しい気持ちになっていた。


174 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/03(日) 16:13:51
第2話 旅編1

その日の夜、小百合は貴史をリビングに呼んでテーブルの上に広げていた旅行のパンフレットを見せて何処に行くのか決めようとしていた。

「母さん、どうしたんだよ。何の話?」

「うん、実はね。ちょっとこれを見てほしいの」
そう言って小百合は貴史にパンフレットを見せた。

「何だよこれ、旅行のパンフレットじゃないか。何処かに行くの?」
貴史が訪ねると

「そうよ、京都に旅行に行こうと思ってるの。もちろん貴史、あなたとね」
小百合と一緒に旅行に行くという事で、貴史は一瞬ためらってしまった。

「ちょ、ちょっと待ってよ。何で俺と何だよ?」

「何言ってるの?貴史。あなたと私は親子でもあるし恋人同士でもあるのよ。私が彼氏と一緒に旅行に行っても何もおかしくないでしょ?違う?」

確かに貴史と小百合は親子でもあり、その一線を越えた恋人同士でもある。
照れ屋の貴史とすれば、少し恥ずかしさもあって旅行に行くのをためらっていたのである。

「でもさぁ…17歳の息子が母親と寄り添って旅行って…そんな奴あんまりいないし、それに何か恥ずかしいよ」
自宅では小百合と二人きりでも恥ずかしさはないが、外でとなるとやはり違和感がある様だった。

「大丈夫よ、私は貴史と一緒に旅行に行きたいの。だからねぇ、行こうよ。良いでしょ?この後また、望美になってあげるから!ねっ」

「えっ、あっ…わかったよ…行くよ、行けば良いんだろ?」
小百合の勢いに押されたのか貴史はウンと頷くしかなかった。

「ヤッター!だから貴史大好きなのーー!絶対に楽しい旅行にしようね」

「あ……ああ…そうだね」

「よし!決まり!嬉しいなぁ〜♪さて旅行も決まったし、今から望美になってきてあげるね♪」

そう言うと小百合は、いつものように貴史の部屋に入り望美になる準備に入った。

小百合が望美に変身している間、貴史は京都のパンフレットを見て

「そっかぁ…京都かぁ。俺、京都に行った事なかったからどうしても行きたかったんだよなぁ」
実は貴史も京都に魅力を感じていて、寺社仏閣などにも興味を持っていた。
ただ、小百合と二人きりというのに恥ずかしさを感じていただけの事だった。
母親と初めてのデート、貴史は京都に行ける嬉しさからか有頂天になりつつあった。

パンフレットを眺めていた貴史だったが
「う〜〜ん、そういえば〜…」

そう言いながら、貴史は小百合が着替えている部屋を見つめていたがソファから突然立ち上がり自分の部屋に向かった。

「そういや、母さんが変身している姿見た事なかったっけ…少しドアを開けて覗いてみるか…」

望美に変身しているところは絶対に覗かないでと、口すっぱく言われていたが貴史はその禁断の扉に手を掛けた。
音をたてないようにソッと扉を開ける。

すると、そこには肌タイ姿でまだ後ろのファスナーを開けている状態の小百合がそこにはいた。
貴史はドアの隙間から小百合の着替えの様子を覗いていると、色っぽい感じでファスナーを閉めていく。後頭部の束ねた髪のところはお団子状態になっていて膨らんでいる。

次に某高校の女子用の制服を着ていく。
最後にいよいよ小百合が望美の面を手にした時、貴史が部屋の中に静かに足音を立てないように入り小百合の背後に迫っていく。

小百合が面の中に顔を埋めようとした瞬間、貴史は小百合の右肩を持って強引に後ろに振りかえさせた。
そこには内面姿の小百合の顔があった。小百合は面を床に落とし驚きの表情を見せた。

「貴史……どうして?」

小百合は突然の出来事に頭が真っ白になっていた。
「母さんが望美に変身している姿をどうしても見たくなってしまって…」

貴史のこの行動に小百合も何が何だかわからなかった。
そして、貴史は小百合を力強く抱きしめ

「二人きりの楽しい旅行にしよう」

小百合の耳の側でそう言うと、戸惑っていた小百合も微笑みながら

「うん、想い出に残る良い旅行をしようね」

抱きあっていた二人は、キスを交わした後に貴史が床に落ちていた面を拾い小百合の顔に被せ再び面越しにキスを交わした。

「母さん、旅行に行ってもまた望美になってね」
貴史の言葉に小百合は
「わかってるよ、旅行に行っても望美になってあげるからね」

いよいよ二人きりの旅行が始まろうとしていた。


175 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/03(日) 17:35:08
期待


176 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/03(日) 17:35:40
第3話 旅編 2

その始まりの前に、ずっと抱きしめあっていた二人だったが、ここでまた貴史のフェチ魂に火が点いてしまう。

「母さん、やっぱりたまらないね。この面と肌タイの境目…興奮しちゃうよ。また面を取ってもいいかな…。というより、僕が面を取ろうとするから母さんは面を取られたくないって激しく抵抗してほしいんだ。良いかなぁ」

今、被せたばかりの面を取りたくなってしまった貴史はそんなシチュエーションを小百合に提案した。

「わかったわ、面白そうね。私も何だか興奮しちゃいそう、でも取らせてあげないからね」

そう言うと、貴史は望美の面に手を掛け面を取ろうとするが小百合もそう簡単には取らせない。

「イヤァーー!イヤダァーーー!ヤメテーーー!」

小百合は面を抑えながら嫌がる振りをして逃げまどう。
だが、狭い部屋の中だけに貴史は小百合の腕を持ち体事ベッドへと押し倒しまた面に手掛ける。

「お願いだから面だけは取らないでぇーー!素顔だけは…ヤメテヨーー!イヤァーーーン!」

貴史の手によって徐々に面が剥がされていき、小百合の口が見えてきたが貴史は手を止める事なく面を剥がしていく。

「ちょっ……お願いだから……ヤメテ……」

小百合の鼻が見えてきた時、貴史は一気に両手で面を取りに掛かる。

「イヤァーーー!ヤァーーーン!」

その雄叫びと共に望美の面が剥がされてしまう。

「キャーーー!見ないでーーー!イヤァーーー!」

素顔が露わになった小百合は必死になって両手で素顔を押さえた。

その姿に興奮を押さえきれない貴史は

「母さん、どう興奮した?」

すると小百合は顔を押さえながら“ウンウン"と頷いた。

「いいよ、母さん。もう両手を離してくれていいから」

しかし、小百合は一向に両手を顔から外さなかった。
その姿を見て貴史は

「母さん、どうしたんだよ。もういいんだよ、母さん!」

すると小百合は
「イヤ…イヤなの…。何故だかわからないけど…素顔見せたくないの…お願いだから…私の顔見ないで…」

泣きそうな顔で答える小百合に、貴史はそっと横に寄り添い体を起こす。
そして、顔を押さえていた両手をそっと離してやると内面姿の小百合が恥ずかしそうな顔で貴史の顔をジッと見つめた。

「母さん、凄く興奮したし可愛かったよ」

そう言うと小百合をそっと抱きしめた。

「私も……私も興奮したよ」

小百合もまんざらではなかった。
貴史に面を取られた時の興奮を抑えきれなかったからだ。

「ねぇ貴史、旅行に行っても私と望美を興奮させてね」

小百合のお願いに貴史は

「ああ、わかってるよ。また旅行でね」

小百合と貴史の興奮の夜は終わり、二人の思いは京都へと続く。


177 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/03(日) 20:21:13
>中の人フェチさん
大変楽しく読ませて頂いてます、続きも頑張ってください!


178 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/03(日) 20:27:39
この内容でメイデンで新作着ぐるみ出れば最高だな。


179 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/03(日) 22:20:28
母子相姦はちょっと…


180 : 中の人フェチ :2015/05/03(日) 23:13:33
※第五話:告白(5-1)※
自分の気持ちの正体が分かったことで、これからどうするかを悩んだが、やはりこのまま胸にしまっておくことは出来ないと思った。
しかし、一方で気持ちを伝えるのは何時でも良い訳ではなく、然るべきタイミングがあるとも感じていた。
そして丁度良いタイミングを思いつく。
ここ最近、あいちゃん・ドス熊の人気が出てきたことで、この夏は使用頻度が例年になく多かった訳だが、特に数年前から使用しているドス熊はかなりお疲れ気味だ。
これまでは俺達、素人が騙し騙しメンテしていたが一度、専門業者にクリーニングに出すことを決めていた。
同じタイミングで地域最大のショッピングセンターから出演のオファーがあり、あいちゃんだけで対応することが決まっている。
つまり、この日は大野はおらず、俺と五十嵐さんだけとなる。
俺はこの日に自分の気持ちを伝えることに決めた。

そして当日、大型ショッピングセンターということで、着ぐるみ控え室は販売スペースとは隔離された業者専用スペースの一室を貸してもらえた。
当然だがこの部屋に出入りするのは俺と五十嵐さんだけだ。
俺はこれ以上ない状況に心の中でガッツポーズをする。
あの日、五十嵐さんはあいちゃんの着ぐるみのままで喋ったりしていたが、それ以降はこれまでの姿勢に変わりは無く、当然、着ぐるみのまま喋ったりもすることはなかった。
その為、この日も着替えの際は俺は廊下で待機し、終わったら知らせてもらい入室しるという形をとっていた。
9月末で残暑は厳しいものの、この日は空調の効いたショッピングセンター内でグリーティング。
途中の休憩の際も屋外のイベントと時よりも楽そうで、仕事自体はつつがなくこなしていく。
しかし、俺にとっては仕事終わりのその時こそが重要だった。

最後のグリーティングを終え控え室に戻る。
あいちゃんは廊下で待たせてごめんさないというジェスチャーだろう、頭をペコリと下げる。
しかし、俺は

「ごめん、今日はここを出れないよ。五十嵐さんに伝えたいことがあるから。」


181 : 中の人フェチ :2015/05/03(日) 23:15:16
※第五話:告白(5-2)※
きっと「私はあいちゃんでしょ!」と言いたいのだろう、怒ったようなポーズをとるが、俺の只ならぬ雰囲気にそれを止めると、逆に大人しくなってしまった。

「脅かしてごめん。でもどうしても伝えたいことがあるんだ。申し訳ないけど、俺の話、少し聞いてくれる?」

あいちゃんは小さくコクリと頷く。その仕草は可愛らしく、オーバーリアクション気味のあいちゃんのものではなく五十嵐さんのものであると分かった。

「俺、本当のことを言うと最初はゆるキャラの仕事なんてって、内心は軽く見ていたんだ。でも、実際にやってみたら凄く大変で、だけど多くの人に喜んでもらえる仕事なんだって分かって今は凄くやりがいを感じてる。」

彼女は少し俯きがちに聞いている。

「そして、それを教えてくれたのがあいちゃん、いや五十嵐さんだと思ってる。本当に感謝してる。だけど俺の気持ちの中には感謝だけじゃなく、ストレートに言ってしまえば君が好きだっていう気持ちも間違いなくあるんだ。」

俺は続ける

「だけど、その気持ちの対象がよく分からなかったんだ。だって君は素の五十嵐さんの時とあいちゃんの時をハッキリ区別して、その中間をなかなか俺に見せてくれないから。」

彼女がドキっとしたように肩が一瞬震える。

「でも、この前、俺がドス熊に入って倒れた時にあいちゃんの着ぐるみを着たまま俺の看病をしてくれた時に分かったんだ。俺はあいちゃんの中で一生懸命、演技をしながら頑張っている五十嵐さんが好きなんだって。
もし、俺の気持ちを受け入れてくれるなら、あいちゃんの中に入っている五十嵐さんとして答えを出して欲しい。」

そう言って俺は一気に気持ちを伝えた。
彼女はそれを俯きながら聞いていたが、やがて着ぐるみの中からのくぐもった声で答える。

「私もいつも一緒にいて、傍で支えてくれる田村さんが好き…。そう言ってもらえるのは本当に嬉しい…。」

俺はその返事に舞い上がりそうになるが、それを遮って彼女が続ける

「でも、やっぱり着ぐるみに入っている自分を見られるのは恥ずかしいよ…。好きだからこそ見られたくない。」

「そんなこと言わないで。恥ずかしくなんてない!一生懸命頑張っている時の姿が恥かしいわけないじゃないか!!俺は頑張っている君に惹かれたんだ。その姿を見たいと思うのは当然だろ!」

そう力強く言い放つと、彼女は観念したように顎紐のマジックテープをビリビリと外し、面に手を当てて持ち上げて外した。
初めて見る彼女の面を外したところの姿は、屋内とはいえグリーティングを終えたばかりの状態のせいだろう。
その内面姿は、やや顔が紅潮して内面の淵には僅かに汗染みが見え、目は少し涙ぐんでいた。
俺はその姿の彼女を抱きしめ、回した右手でそのまま後頭部にある肌タイのチャックをうなじあたりまで下げると、内面をグイっと胸前の持ってきて脱がせる。
勢いよくやったせいか髪の毛についた彼女の汗が俺の肌に飛んだ。
彼女は俺の胸の中で俯きながら

「やっぱり恥ずかしいよぉ…。」

俺はそんな彼女の顎に手を当て、上を向かせるとそのまま唇にキスをする。
口づけが終わると

「汗かいたままなのに…。」

そう恥ずかしそうに呟く彼女の唇からは確かに汗のしょっぱい味がしたが、それは俺にとって何よりも求めていた甘美なものだった。


182 : 中の人フェチ :2015/05/03(日) 23:18:00
※エピローグ※
俺の告白を受け入れてくれた彼女。
それから変わったことと言えば、仕事終わりには必ず一緒に食事に行く様になり、休日が合う日はデートをするようになったことか。
あとは呼び方。
今はプライベートでは下の名前で唯と呼んでいる。
ただ、それだけではやっぱり物足りない。
だって、俺が彼女を好きになったきっかけは着ぐるみを着て頑張る姿なんだから。
それは彼女も理解してか、最近は俺の部屋にきて、着ぐるみを着てくれている。
本当はあいちゃんの着ぐるみでお願いしたいところだが、流石に役所のものを私的には持ち出せないので、個人的に購入をしたものだ。
着ぐるみを脱がしつつ、恥ずかしがる唯の顔を暴きながらプレイをするというのは普通にHするより、数倍興奮する。
それでも、やはり実際の現場終わりの時に、素顔を暴きたいという気持ちが捨てきれない。
あれから数ヶ月経つが、ドス熊なしでというイベントはなく、また当面もそういう予定は入っていない。
大野がいるせいなのかは分からないが、唯は今までのスタンスと変わらず、あいちゃんになって素を出すことは一切無い。
それが俺の気持ちにより火を着ける。
チャンスを見つけて、いつか問答無用で襲い、唯が演じている、あいちゃんの面を剥いでしまいたいと思っている。

Fin


183 : 中の人フェチ :2015/05/03(日) 23:22:49
長々と失礼しました。

>>177さん
そう言って頂けると、とてもありがたいです!


184 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/03(日) 23:51:01
楽しませて頂きました。
書ければ続編とかも見てみたいです。


185 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/04(月) 00:13:54
>>183
いやぁ中の人フェチの一員として萌えました。


ありがとうございました。また、余力あれば次作も期待しています。


186 : 中の人フェチ :2015/05/04(月) 00:59:44
>>184さん
>>185さん
ありがとうございます。続編ではないのですが、今回の話を書きながら登場人物の大野視点で
書けそうかなと思えるエピソードを思いついたのでトライしてみます。まとめることが
出来ましたら、また投稿させて頂きます。


187 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/04(月) 05:46:40
母子相姦は嫌だが、最近付き合いだした彼女がキャラクターショーでバイトしてる
ことがわかり、そこからフェチが目覚めて以下同様の展開とか希望。


188 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/04(月) 13:13:25
第4話 旅編 3

旅行当日、貴史と小百合の二人きりでの1泊2日の京都デートが幕を開けた。

東京駅から新幹線に乗り京都へと向かう。
車内では小百合が貴史の肩に頭を乗せ寄り添っていた。

「ちょ…ちょっと母さん…恥ずかしいよ…」

貴史は顔を赤らめていたが、小百合は平然としながら

「良いじゃない、彼女なんだもん♪」

「彼女て言っても、一応母さんなんだからさぁ…」

恥ずかしがる貴史ではあったが小百合はお構い無しだった。
貴史の気持ちとは逆に今度は腕まで組んできた小百合。
貴史との京都旅行に行けるのがかなり嬉しい様子だった。

「母さんて結構、大胆なんだね」

「なによ、言っとくけど貴史がそうさせたんだからね。それに今日の夜は望美が貴史に超大胆に迫るかもね」

小百合の言葉に貴史の顔はますます赤くなる一方だった。

「それに、この間の貴史も大胆だったじゃない。望美の面を無理矢理取りに来ちゃって、あのシチュエーションに私だって興奮しちゃったんだからね」

新幹線の中でこの間の話や京都で行くところなどを話していると、いつの間にか京都に到着した。

京都に降り立った二人は、ガイド本と地図を片手に観光名所を廻る事にした。
初めての京都旅行がどんな旅行になるのか二人は楽しみで仕方がなかった。
「さぁ、行こうか」
そう言うと貴史は腕をそっと差し出した。
すると小百合は、嬉しそうに貴史と腕を組んで恋人気分で京都を楽しむ事にした。

初日は八坂神社や高台寺や清水寺などの寺社巡りをしたり、途中でお土産屋にも入ったりして1日を楽しんだ。

『でも、こうやって一緒に腕を組みながら歩いてると母さんじゃなくて彼女と歩いてるみたいだな…母さん、本当に可愛いな』

小百合の笑顔を見ていた貴史は幸せの絶頂にあった。

小百合も母親としてではなく一人の女として、貴史との京都デートを楽しんでいた。

段々と日も暮れてきて、予約してあった旅館に着いた。
部屋に案内されて中に入ると、和室があって隣には寝室もあり和室の奥には露天風呂もあった。
少しくつろいだ後、浴衣に着替えて和室で食事を頂いた後に交代で露天風呂に入ろうとしていたが小百合は

「お風呂、一緒に入らない?部屋風呂なら誰もいないし二人きりなんだから」

「えっ!母さんと混浴!?いや、でも…」
貴史は明らかに照れていた。
いくら母親と混浴とはいえ、小百合の裸を間近で見るのは子供の時以来の事だった。

「ねっ、早く入ろうよ。貴史♪」

小百合は貴史の浴衣を無理矢理脱がすと、自らの浴衣も脱いでお互いに裸になって露天風呂に入った。
湯槽に浸かりながら、小百合は貴史にピッタリと寄り添うように密着してきた。
小百合の豊満なEカップの胸が貴史の腕にビタッと張り付いていて、貴史は目のやり場に困っていた。

「どうしたの?何でよそを向いているの?」
小百合は不思議そうな顔をして聞くと貴史は
「あ…当たり前じゃないか…その母さんの…む、胸が…その…」

意識をしていたその時、貴史の下半身が完全に反応していた。

「胸?フフッ♪貴史、意識してるんだ。可愛いね」

小百合は反応している貴史の下半身を手でナデナデしながら

「反応、しちゃってるんだね。でも、まだ早すぎるよ。後でまた望美が待ってるんだから」

小百合はそう言うと湯槽から上がり

「先に上がってるね♪」

そう言うと、体を拭いて部屋へと戻っていく小百合を貴史は湯槽に浸かりながら眺めていた。
しかし小百合はそのまま寝室へと入り襖を閉めた。

「母さん、もう寝るのか…疲れてるんだな。俺はもうちょっとゆっくりと風呂に入ってから寝るかぁ」

小百合から遅れる事20分。ようやく貴史が風呂から上がってきて就寝しようと、小百合を起こさないようにとそっと襖を開けて寝室へと入ろうとすると敷いてある布団の上に座っている人影があった。

部屋の中は、電気は消えているが枕元にある小さな行灯型の電気が点いているだけだった。
貴史は薄暗い部屋の中で、何も言わず座っている人影を小百合だと思い

「母さん、僕が出てくるのを待っててくれたんだ」

と声を掛けると、突然その人影が立ち上がり着ていた浴衣を布団の上にはらりと落とした。

そして、貴史にゆっくりと近づいていく。
その姿に貴史は唖然とした。
何とそこには肌タイ姿だけの望美が立っていた。


189 : 規制・削除依頼を承りました :規制・削除依頼を承りました
規制・削除依頼を承りました


190 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/04(月) 14:50:17
第5話 旅編4

「あれ…望美…えっ?母さん…」

体は肌タイだけで、後は何も着ていない状態の望美が貴史の風呂上がりを待っていた。

「こっちへ来て…貴史」

貴史の手を引いて、布団の上へと連れて行く着ぐるみ姿の小百合。
そして布団に座ると

「貴史…私の事、好きなようにして、好きなように…」

小百合の小さな籠った声が微かに聞こえた。

「好きなようにって…どういう事だよ…」

「良いから…今から、私とあなたの二人だけの時間が始まるのよ。だから、私の事を好きにしていいから…」

貴史は戸惑っていた。
外見的には望美だが、あくまでも中に入ってるのは小百合であり好きにしてと言われても母親と肉体関係を持つなんて貴史には考えられなかった。

「でも…俺…母さんにそんな…」

小百合は貴史の両肩を持って、面越しに貴史の顔を見つめた。

「貴史、よく聞いて。もう私はあなたの母親ではないの…あなたの彼女なの。それに、今の私は望美なのよ。何も遠慮なんてしなくていいから…。ほら、私の体を抱いて」

小百合は貴史の手を無理矢理掴むと、そのまま自分の体の方へと引き寄せた。貴史は言われるがままに小百合の体を抱きしめた。

さらに貴史の手を取り、自分の胸へと持っていくと

「そのまま揉んで、力強く揉んで…」

貴史は小百合の豊満な胸を少しづつながら揉みだした。

「そうよ…アッ……ウン……いい…気持ちいい……アン……」

貴史も小百合の声を聞いて、興奮してきたのか段々と胸を揉むだけではなく布団の上へと押し倒した。
意を決したのか、貴史も浴衣とパンツを脱いで全裸になって着ぐるみ姿の小百合の上に覆い被さり迫っていった。

よく見ると、小百合の股間部分は丸く肌タイが切り取られていた。
それを見た貴史は、自分のモノを小百合の股間へと突っ込んだ。

部屋の中に小百合の籠ったあえぎ声が響き渡る。遂に、京都の地で自分の息子と肉体関係を持ってしまった小百合。

全ての行為を終えた後、小百合は着ぐるみの中で昇天していた。
面越しに、かなり激しい籠った小百合の息遣いが漏れてきていた。

貴史は、小百合の上半身をゆっくりと起こしていく。
息苦しいだろうと思い、面をゆっくりと外していく貴史だったが望美の面を取った瞬間に貴史は目を疑った。

何と、そこには素顔の小百合ではなく骸骨の顔が出てきたからだ。

「ウワァ―――!!」

ビックリした貴史は思わず後ずさりしてしまった。驚くのも無理はなかった。まさか面の下から、骸骨の顔が出てくるとは思いもしなかったからだ。

「母さん、一体何してんだよ!」

声を荒げる貴史に小百合は

「だって、貴史がいつも私の面を取ろうとするから今日は警戒して骸骨のマスクを被ってその上から肌タイを着て望美の面を被ってたの。かなり息苦しかったけどずっと我慢してて…」

籠った声で喋っている小百合の息苦しい“ハァハァ"という息遣いがまだ荒々しかった。

貴史は再び小百合の上半身を持って、肌タイのチャックを下ろして頭部だけを脱がし被っていた骸骨のマスクを取った。

ようやく、小百合の素顔が現れたがその顔は汗だくになっていて顔は紅潮していた。

「母さん、そこまで我慢してたんだ…」

貴史はそんな小百合を腕の中で抱きしめ続けた。

こうして二人の長い夜は過ぎ去っていった。


191 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/04(月) 17:37:02
一線を超えてしまった感があるがこのまま突き抜けて欲しい


192 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/04(月) 22:10:57
第5話 旅編 4

二日目の朝、貴史が起きると小百合はすでに化粧を済ませて仕度をしていた。

「おはよう、母さん」

「あっ、おはよう。目覚めた?もう朝だよ」

昨日の夜の事が嘘みたいに、小百合はいつものように平然を装おっていた。

「もうすぐ朝御飯だよ、早く顔洗って仕度して」

「あっ…うん、わかった」

貴史は少しぎこちない態度ではあったが、洗面台へと向かい顔を洗いながら昨夜の出来事を思い出していた。
あんなに大胆で激しかった着ぐるみ姿の小百合と今、普通の姿の小百合とのギャップに貴史は昨夜の事が夢のように感じていた。

そして、旅館の窓の向こうに朝日を浴びながら広がる庭園を眺めて朝御飯を頂く。
そんな美しい庭園をバックに貴史と小百合の二人は朝の時間を堪能していた。

そんな時に貴史が口を開いて

「母さん、昨夜は大丈夫だった?かなり汗だくになって息苦しそうだったけど…」

骸骨マスクを被り、肌タイを身につけ望美の面を被って二重の被り物をして息苦しさに耐えながら貴史に全てを捧げた小百合。

「大丈夫って?あぁ、昨夜の事ね。私も初めて二重被りしたけど、本当に苦しかったなぁ。いつも貴史が面を取ろうとするんだもん。だから少し驚かせてあげようと思って、骸骨マスクを被ってビックリさせようとしたけど貴史が興奮してあんなに責めてくるとは思わなかったから…予想以上に息苦しくなってきちゃって…でも、貴史もやっぱり男だったわね。見直しちゃった」

朝御飯を食べながら、昨夜の事を坦々と話す小百合に

「母さんが俺をその気にさせたからさ…俺も男らしさを出さなきゃと思って…でも、母さんは望美になるとかなり大胆な女性になるんだね。ビックリしたよ」

小百合のもうひとつの顔を見たような気がした京都での親子デート。
この日は金閣寺や平安神宮、嵐山などいろんな名所を巡って京都での旅行を終えようとしていた。

「あー、楽しかったぁ。また今度一緒に旅行に行こうね」

「うん、また行こう。」

こうして二人だけの京都デートは幕を閉じた。
この旅行で貴史は母親としてではなく、彼女としての小百合を愛していく事を誓った旅でもあった。近親相姦や32歳差という年齢差を越えた恋愛も二人の愛で乗り越えていく事だろう。




193 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/04(月) 23:17:37
>>192
乙!
色んな意味で吹っ切れてた


194 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/05(火) 15:40:46
着ぐるみアイドル
HARUKA

vol1 提案

彼女の名前は伊原かずえ
47歳 総合観光案内所で総合取締役課長をしている独身の女性である。彼女はスタイルは良いが顔は年齢相応くらいではあっても
まだまだ若い部類には入る位の綺麗さは保っていた。

彼女は案内所で天地市の職員として課長として働いているが、ここ最近は地元の天地商店街を活性化させるために“商店街向上委員会"という案内所の職員で結成したグループの委員長として動いている日々が多くなってきていた。

というのも、かずえの地元の天地商店街は毎日閑散としていてお店は開いているがお客さんの出入りがほとんどないのが悩みの種だった。

そこで案内所で働いているかずえが、他の職員らと共に委員会を立ち上げて彼女が実行委員長に就任する事となった。しかし、委員会を立ち上げたもののどういう風にして活性化していけばいいのか…最初から完全に迷宮の中に入り込んでしまっていた。

「はぁ〜〜…どうしよう…この商店街を盛り上げようって勢いよく委員会作っちゃったけど何にも考えつかないしなぁ…。何か起爆剤みたいなものってないかなぁ」

「そうですねぇ、俺もいろいろと考えてたんですけど……う〜ん…例えば美味いもの市なんてどうでしょうか?いろんな地元の食材を目一杯使って、皆さんに美味しく食べてもらえるようなイベントを開いたらお客さんも来るんじゃないでしょうか?」

そんな提案を思いついたのは、かずえの部下で名前は藤波和也。入社4年目の25歳。彼は21歳で、自分が住んでいる地元の観光場所をもっと世間に広めたいという熱い熱意でこの観光案内所に入社した。
今では、かずえの右腕となりこの案内所の職員として毎日この街のためにと日々頑張っている若手である。

「だけど、それをしようとしてもかなりのコストが掛かるんじゃない?ただでさえここの商店街はかなりの赤字を抱えてるのに、そんな事したら自殺行為になるわよ」

そう答えるのは、入社8年目でこの案内所の現場主任の篠田夏美・31歳。

彼女は一時声優を目指していたが途中でその夢を諦め、東京の大手会社とこの案内所と両方から内定が決まっていたが生まれ育った地元を離れたくないと東京の会社を蹴ってまでこの案内所に就職を決め、現在は尊敬するかずえの側近として働いている。
この3人が中心となり計
13人がこの委員会のメンバーである。

さて、先ほどの和也の提案であるが確かに只でさえ普段でも休日でも商店街に人は居てもまばらで閑散としていて各商店もかなりの赤字を抱えていた。
その赤字が祟ってか、店を廃業する店主もいるほどである。
委員会のメンバーも、どうにかしてお客を呼び込もうと必至になっていた。

他の職員からも「ご当地アイドル」や「ゆるキャラ」などいろいろな提案を出していたが、これといった案は出て来なかった。

「ご当地アイドルだとか美味いもの市やゆるキャラだとか、何かありきたりな物ばっかりだなぁ…」

夏美は頭の後ろに手を組んで不満げに言うと和也も

「確かに活性化といったら、どうしてもその方向に行ってしまうものなんですよ。仕方ないですよね」

「でも、どうせなら商店街だけじゃなくて天地市の街自体を盛り上げたいわよね」

このかずえの言葉に和也は、ずっと腕を組み下を向いてある事を考えていた。

『ご当地アイドル…それに、ゆるキャラかぁ…う〜〜ん』

そんな和也の姿を見て夏美が
「和也、何考えてるの?また突拍子もない事を考えてるんじゃないの?」

だがこの夏美の予感は的中する事になる。

「課長、ご当地アイドルとゆるキャラの着ぐるみを一体化して着ぐるみアイドルというのはどうですか?」

この提案にかずえと夏美は驚きを隠せなかった。

「着ぐるみアイドル!?あんた本気!?」

「本気も何も着ぐるみアイドルをこの街のマスコット的アイドルとして、CDを出したりイメージビデオというかDVDなどを出していろんな各地のイベントなどにも出演させるんです。そのアイドルが天地市出身だと各地に広まれば名前もこの街もみんなに覚えてもらえて有名になって、さらにこの街も活性化すれば一石二鳥どころか一石三鳥四鳥くらいになりますよ!課長!!」

和也の熱い提案に、一瞬会議室に静かな時間が流れた。


195 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/05(火) 19:14:44
最近はトリップはおろかペンネームすら使わない人が多いね。
一応、スレのルールなのに。


196 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/05(火) 21:17:39
着ぐるみアイドル
HARUKA
Vol 2 誕生

和也のいきなりの提案に唖然とする職員達だったが、夏美がキレて

「和也…あんた、いい加減にしなさいよ。頭おかしくなったんじゃないの?そんな事でお客が来ると思ってるの?こんなの地元の人でも引くわよ!それにコストがどれだけ掛かるのか、わかってんの!」

夏美は和也の勝算が取れるのか取れないのかもわからない提案に、到底納得する事は出来なかった。
だがここで、黙って聞いていたかずえが

「着ぐるみアイドル……和也、その案なんだけど遊びで言ってる?それとも本気で言ってる?どっちなの?」

かずえの問い掛けに和也は真剣な眼差しで

「僕は本気ですよ、ご当地アイドルがあるのなら着ぐるみアイドルがあっても良いと思うんです。あくまでも着ぐるみなので、中の人の顔は見えませんけど着ぐるみが注目を浴びれば中の人も一体なので夢のようなアイドル気分でいられるじゃないですか。それに俺は、生まれ育ったこの街が大好きなんです。この街のために俺は!何とか活性化をしていきたいんです!」

和也の熱い語りかけに、かずえは大きく深呼吸をして

「わかったわ、和也…あなたのその真剣な眼を見て本気度が伝わってきたわ。あなたの提案を受け入れるわ」

かずえも和也の熱い思いに根負けした様子だった。
「課長、和也の着ぐるみアイドルの案…本気で受けるんですか…?」

夏美は納得いかないままであったが

「良いじゃない、面白そうじゃない。やらないよりはやってみた方が良いんじゃないの?今は失敗する事なんて考えない方が良いと思うの。和也の思いに応えてあげようよ、夏美」

「正直、納得はいってませんけど…わかりました、伊原課長がそこまでおっしゃられるのなら今回は和也の案を呑みます。
あんた、課長に感謝しなさいよね」

夏美は和也の案には納得したくはなかったが、尊敬している課長の説得に提案を呑むしかなかった。

「よし、じゃあ決まりね。次は着ぐるみアイドルのイメージを決めないとね。どんな顔の着ぐるみにするのか、それと衣装も必要だしね」

かずえの心配をよそに和也は

「課長、その件ですが後はこの俺に任せてもらえませんか?俺の友達でそういうの専門で作ってる会社があるんで。着ぐるみの面や衣装をどんな感じにするのか?いろいろと交渉などもしていきますので。全て出来たらまた課長にも報告を致しますので」

「わかったわ、じゃあ和也に全て任せるからね。こっちはこっちでオーディションを行う日を決めて準備を進めていくわね」

段々と話も煮詰まり、全てが前に進み出していた。
それから1ヶ月後、衣装も揃っていき着ぐるみアイドルの命でもある面も和也が用意してきた。
面は、ほとんどお面と言ってもいいくらいの小さめのフィメールマスク風の女性の面だった。

「これが…着ぐるみアイドルの面?これって、ただのお面じゃないの?」

夏美は面を手に取って、不思議そうな顔をしながら和也に聞いた。

「違いますよ、ちゃんとした着ぐるみの面ですよ。まぁ、顔に密着する位の小ささですけどあんまり着ぐるみそのものだと思われるのもダメだと思うんで。お客には普通に美少女アイドルがそこに存在していると思わせたいんです」

和也は着ぐるみアイドルを作るからには、普通の着ぐるみの面ではなく美少女アイドルをイメージした小さめのフィメールマスク風の面にしたのだ。

「とにかく、これで面と衣装は取り敢えず揃ったから後はオーディションをするだけね」

かずえは天地商店街の着ぐるみアイドルがいよいよ誕生するとあって、少し心が躍っていた。

「あっ、それと名前も決まってるんですよ」

「えっ?名前も決まってるの?何て名前なのよ」
夏美が聞くと

「名前は英語になるんですけど、着ぐるみアイドルHARUKAです」

この名前に夏美とかずえは目が点になった。何で英語の名前なのかわからなかった
和也によると英語の方がインパクトがあるからという事でつけた名前らしい。

一応、準備も整っていよいよ着ぐるみアイドルのオーディションを行うだけだった。


197 : sage :2015/05/05(火) 21:46:23
しえん


198 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/06(水) 00:26:23
ふぁいと


199 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/06(水) 01:23:33
着ぐるみアイドル
HARUKA
Vol 3 緊急事態

早速、オーディションの為にチラシやネット・アルバイトの広告などに載せ着ぐるみアイドルHARUKAの中に入ってくれる女性を募集していた。

年齢は16〜30歳
時給 1000円 食事付
詳細 着ぐるみアイドルになって、各地のイベントで活躍してくれる元気で活発な女性を募集。
特に踊りや子供が好きな方。(経験者優遇)
未経験な方でもOKです。

そんな内容で募集をかけたところ、翌日から十数件の面談の予約が入りまずは一安心と面接の準備を進めた。

面談当日、かずえ・夏美・和也の3人が面接官となってオーディションの審査をする事になった。

いよいよ面談の時間が来て、3人にも緊張の時が迫ってきていた……が、面談の時間が過ぎても予約を入れていた女性達が一向に来ないのである。

「どうしたんだろう…何故、来ないんだろう…」
夏美は心配そうな顔を浮かべながら呟いた。

「いやぁ、交通事情か何か用事があって遅れてるんじゃないですか?」
和也も少し心配はしていたが、平然を装って敢えてそう言ってみた。

3人は待ち続けてはいたが、結局この日は誰一人姿を現す事はなかった。
さすがの夏美も苛立ちを隠せなかった。

「自分達から面談の予約を入れておいて、誰も来ないなんてどういう事!?」

苛立ちが抑えきれない夏美は不満を募らせていたが

「大丈夫ですよ、主任。まだ後2日あるんですから。落ち着いて下さいよ」

和也が夏美をなだめるが、やはり苛立ちは抑えきれないままでいた。
だが、かずえも
「そうよ、夏美。和也の言う通りまだ2日あるんだから、そうイライラしてちゃダメよ。それに、面談に来なかった彼女達も他に何件か面談の予約を入れてそっちの方へ行っちゃったんでしょ。仕方ないわよ」

心が寛大なかずえは、プラス思考に考えていた。
後2日に望みをかけていたが、最終的に面談に来たのは3人だけだった。

しかし、後で3人共断りの連絡が来て結局オーディションさえもする事が出来なかった。
この事で遂に夏美がブチ切れた。

「だから言ったじゃない!着ぐるみアイドルなんて反対だって!結局誰一人オーディションも出来なかったじゃない!和也!あんた、どうするつもり!?」

和也を責めたてる夏美に

「いや……俺もまさか…こんな事になるって…思わなかったし…」

「言い訳なんて聞きたくないわよ!こんな事になるって、アタシは予測してたけどね!さぁ、どう責任取るのかしら?なんだったら、あんたが着ぐるみアイドルになったらいいんじゃない?ちょうど体も華奢なんだしね。女の子姿、似合うかもよ〜」

なんと夏美は、和也に対し責任を取る代わりに着ぐるみアイドルになれと要求するが

「えっ!何で俺が!?嫌ですよ!いくら着ぐるみとはいえ女の子の格好するなんて絶対に嫌ですから!」

拒否反応を示す和也ではあったが夏美はさらに
「じゃあ、どうするの?あなたは課長の顔に泥を塗ったのよ。何らかの形で責任取らなきゃダメなんじゃないの?」

苛立ちからか執拗に和也に追い込みを掛ける夏美
の顔は鬼の形相になっていた。
下を向いて完全に脱力感しか残っていない和也。
そして…

「わかりました…俺…責任取ります。会社辞めます…辞めさせてもらいます…明日にでも辞表出しますので…」

この和也のまさかの衝撃発言に夏美もかずえも驚きの表情を見せた。

「こうなったのも全て俺の責任ですから…俺があんな提案さえ出さなかったらこんな事にならなかったんですから…すいません、課長…本当にすいませんでした」

そう言うと和也は、背を向けて部屋を出て行こうとしたその時…かずえが口を開いた。

「和也、ちょっと待って!着ぐるみアイドルの中に入る女性、ちゃんといるじゃない!」

かずえの突拍子もない発言に、和也は立ち止まって後ろを振り返った。
すると夏美は自分を指差し

「課長…もしかしてアタシですか!?」

夏美は自分だと思い込んでいたが、かずえは首を横に振った。

「あなたと違うわよ。着ぐるみアイドルのHARUKA、私が中に入るわ。それなら問題ないでしょ?だから和也、あなたも辞める必要なんてないわ」

かずえの大どんでん返しの言葉に和也と夏美は一瞬、時間が止まってしまったような感じがした。


200 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/06(水) 01:31:53
衝撃の47歳デビュー


201 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/06(水) 09:04:53
部下を日常的に下の名前で呼ぶ上司なんているのかな?そこに激しい違和感が…


202 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/06(水) 11:24:09
>>201

小さいところなら普通のような気が

家の親父の会社は社員三人だけだから普通に下の名前で呼んでる


203 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/06(水) 15:23:39
着ぐるみアイドル
HARUKA
Vol 4 始動

「課長、バカな事言わないで下さい…そんなの出来る訳ないじゃないですか!」

和也が言うと夏美も
「そうですよ!そんなの課長にさせられないですよ!それに本気で言ってるんですか!?」

みんなの反対をよそに
「大丈夫よ、それに私は学生時代は演劇部にいたし年はとっちゃってるけど演技力はまだまだ衰えてはいないわよ……多分だげどね…」

かずえは自信満々に言ってはいるが、自分でも不安はある様だった。
しかし、誰一人面談もオーディションも出来ないのは上司でもあり課長でもある自分の責任感からかHARUKAに入るのは自分しかいないと決断したのだった。

「課長、こんな事になったからといっても課長がHARUKAに入るなんて無謀です!責任は俺が取りますので!」

「あなたの責任は私の責任でもあるのよ。それに昔から一度、着ぐるみを演じてみたかったしね。
さぁ和也、面と肌タイと衣装を持ってきて。一度、試着してみるから」

かずえはすでに着ぐるむ気充分ではあったが、和也と夏美は上司にそんな事をさせていいのかと思い悩んでいた。

「何してるの?早くして、HARUKAの衣装合わせやっちゃうから」

「いや……ですが…」

和也が戸惑いの顔を見せていると突然、夏美が動き面と肌タイと衣装を持ってきてかずえの前に置いた。

「ありがとう、じゃあ奥の倉庫部屋で着替えてくるからちょっと待っててね。夏美ついてきて、着るのを手伝って」

かずえは衣装一式を持って夏美と共に奥の倉庫部屋へと入っていった。
和也はただ呆然と、その後ろ姿を見送るしかなかった。

「はぁ〜〜…俺は課長になんて事しちゃったんだろう…やっぱり俺がHARUKAをやるべきだったかなぁ。でも…女装はなぁ…」

和也は一人で後悔をしていたが、自分自身が着ぐるみアイドルになる事がどうしても想像出来なかった。

もうすぐ20分が過ぎようとした頃、夏美が倉庫部屋から出てきた。

「用意出来たわよ、課長!」

夏美が、かずえを呼ぶと奥からゆっくりとHARUKAの姿をしたかずえが出てきた。

「えっ…これが…本当に課長?」

和也が驚くのも無理はなかった。ピンク色のワンピースを着て、フィメールマスク風の美少女の面
を被ったかずえがあまりにも可愛い姿に変身していたからだ

「どう?似合うかなぁ…」

籠った声でかずえが聞いた。

「あっ…いや…ものすごく可愛いです」

和也は驚きと共に、普段のかずえと着ぐるみ姿のかずえとのあまりのギャップに動揺していた。

着替えを手伝っていた夏美も、課長からHARUKAへと変身していく姿を間近で見ていたが和也と同じくそのギャップに驚いていた。

「やだ…二人共、そんなにジロジロと見ないでよ…恥ずかしいじゃない…」

二人の視線に面の上から両手で顔を覆い隠すかずえの姿に、和也の胸はドキドキしていた。
かずえから視線を外さない和也に夏美は

「ちょっと和也、あんた何そんなエロい目で課長の事ジーっと見てんのよ。やらしいわねぇ」

「ち、違いますよ!そんなんじゃないですよ!」
慌てて反論をしていたが、いつも自分の側にいるかずえが可愛い着ぐるみへと変身した姿に、和也の中で何かいつもと違う何かを感じ始めていた。

「でも…この面って、小さいから私の顔にピッタリなんだけど密着してるような感じなのよね。だから、ちょっと息苦しいかな…。多分、こうしてずっと喋ってると酸素不足になってヤバいかも…」

少し不安なかずえではあったが、HARUKAの着ぐるみにまんざらでもない様子だった。

「視界の方はどうですか?取り敢えず、目の方は真ん中に小さな穴が空いてるんで見える様にはなっているんですけどいけますか?」

面の視界を気にする和也にかずえは

「う〜〜ん、確かにこの穴からは外は見えるけど小さいから視界が限られてるのよね…。慣れるまで時間が掛かるかも…でも、これからは私が着ぐるみアイドルのHARUKAになるんだから頑張らなきゃね」

47歳にして初めての着ぐるみに戸惑いを感じつつ、体力的に不安もあるがこの日から着ぐるみ熟女アイドルのHARUKAとして出発する事となる。


204 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/06(水) 17:35:23
>>203
良い!


205 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/06(水) 20:42:50
着ぐるみアイドル
HARUKA
Vol 5 実行

遂にHARUKAの着ぐるみの試着をしたかずえ。
いろいろと確認作業をしているが、これからは着ぐるみアイドルとして活動をしなければいけない為にダンスなどの振り付けもする事になる。

「これからHARUKAとしてCDやイメージDVDなども出していかないといけませんし、写真集もいりますからねぇ」

さっきまであんなに落ち込んでいた和也だったが、かずえの着ぐるみ姿を見た瞬間に全て吹き飛んでしまった。

「写真集って…あんたそこまで考えてたの!?」

夏美は信じられないという表情をしてあっけにとられていた。

「ちょっ…ちょっと待って?イメージDVDだとか写真集だとか…それ全部、私が中に入ってするの?だって外見的にはアイドルだけど…中の人は47歳のおばさんなのよ。あまりに無理があるんじゃない?出来たらその時だけは、若い女子社員にお願いして代わってもらった方が良いと思うんだけど…」

面の中からかずえが、不安そうな声で和也に訴えかけるが

「何を言ってるんですか、このプロジェクトは課長でしか出来ない事なんです。課長にやってもらわないと意味がないんです!お願いします!」

和也は頭を下げてかずえに頼みこむ。
この熱い願いに、かずえも嫌とは言えなかった。

「う〜ん……わかったわ…年齢的にどうかと思うけど、やれるだけやってみるわ。恥ずかしいけど、とにかくアイドル風に振る舞うようにしてみるわね」

「はい!ありがとうございます!」

全て和也の計画通りに事が動こうとしていた。

「しかし、さっきまで責任取るとか辞めるとか言ってたのに何でそこまで変われる訳?本当にあんたは、調子良いんだから」

グチグチと嫌みを言っていた夏美ではあったが、最終的には和也の計画に乗る事になってしまった。

「よし!それじゃあ商店街の店の人達にも着ぐるみアイドルのHARUKA。お披露目といきますか!」

そう、商店街の方々に着ぐるみアイドルをお披露目して評価をして頂くという仕事もあったのだ。

「ひょっとして、今から行くの?ねぇ、その前に一度だけ面を外させて。小さい面だから段々、息苦しくなってきちゃって…」

「えっ!そうなんですか!?じゃあ、わかりました。一回面を取りましょう」

かずえは息苦しさから、少し息使いが荒くなってきていた。

「ごめん、じゃあ取るわね」

面を取ろうとした瞬間

「ちょっと待って下さい、着ぐるみアイドルが人前で面を取るのはどうかと思うのですが…」

面を取ろうとしたかずえに夏美が待ったをかけた。

「課長はさっき、倉庫で着替えられたのですから休憩も同じとこでされてはいかがかと」

夏美の提案にかずえも頷いて面を外そうとした手を止めた。
そして、夏美が付き添い倉庫部屋へとかずえを連れて行った。

「いや、今は俺達しかいないのに何で倉庫で面を取る必要があるんだ?ここで取ってもいいのに、たく…主任はそういうとこだけはキチッとしてるからなぁ。というより、課長が面を取ったところ見たかったなぁ…」

その頃、倉庫部屋ではかずえがゆっくりと面を外していた。
面が小さい為に、被る時も無理矢理押し込む様に被ったために面を取る時もゆっくりと徐々に取らないと脱げないからだ。

面を全て取ったかずえは、顔が紅潮してかなり荒い息遣いをして過呼吸に近い状態になっていた。

「課長…大丈夫ですか!?かなり激しい息遣いになってますよ!やっぱり無理があるんじゃ…」

「ハァハァ…酸素……ハァハァハァ…酸素を……ハァハァ…」

夏美は酸素吸引器を手にし、かずえの口へとあてた。
ゆっくりと酸素を吸って呼吸を整えようとするが、なかなか荒い息が収まらない。

「課長、あまり無理をしないで下さい。お披露目も今度にしましょう。これ以上はやめた方が良いですよ」

だが、かずえは首を横に振り

「ハァハァ…大丈夫…ハァハァ…心配する事なんてハァハァハァ…ないから…ハァハァ…お披露目…ハァハァ…行くから…」

夏美の心配を横目に、かずえは続投を宣言した。

「けど…ハァハァ…ちょっと…ハァ…横にならして…」

「わかりました、ゆっくり休んで下さいね。また、少しマシになったら呼んで下さいね」

かずえを一人倉庫に残し、夏美は部屋を一旦出る事にした。


206 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/06(水) 23:48:59
着ぐるみアイドル
HARUKA
Vol 6 期待

夏美とかずえが倉庫部屋に入ってから、30分以上が過ぎていた。
段々、心配になってきた和也は部屋に入ろうとしていたその時夏美が倉庫部屋から出てきた。

「ああ、主任。今ちょうど部屋に行こうかと思ってたんですけど、課長は?休憩中ですか?」

心配していた和也が夏美に訪ねる。

「課長、面を取った時に過呼吸みたいになってしまって倒れて横になってるわ。それにあたし思うんだけど、あの面って課長の顔にピッタリ過ぎて息がしにくくなってるんじゃないの?ちょっと改良した方が良いんじゃない?」

和也も面が小さいというのは計算済みではある。
通常の美少女着ぐるみの面では、アイドルらしく見えない為にあえて通常より小さめの着ぐるみの面にしたのだがやはり47歳というかずえの年齢で着ぐるみに入るのは辛い物があるのだろうか。

「和也、もう着ぐるみアイドルなんて諦めて路線変更した方がいいんじゃないの?」

「俺としたら課長ではなくて、オーディションで受かった他の娘がHARUKAになってくれると思ってたんで…でも、面談に来た女の子達にウチに来る事を断られてオーディションも出来ないというアクシデントがあって…それが原因でまさか、課長がHARUKAになるなんて…俺も正直、想定外でしたよ。でも、もう後戻りは出来ないんです。時間がないんですよ!今、ここで頓挫したらまた全てがゼロになってしまうんです!ですから、こんな事言ったら課長に本当に申し訳ないんですけど…今、HARUKAになれるのは課長しかいないんです。主任、すいません!わかって下さい!」

和也の熱弁に夏美は返す言葉がなかった。

「俺、ちょっと課長の様子見てきます」

倉庫部屋で寝ているかずえのところへ向かおうとすると、ドアが開き部屋の中から寝ていたはずのかずえが面を手にし内面姿で現われた。

「課長!大丈夫なんですか!?もうちょっと休んでいた方が…」

「私ならもう大丈夫よ。ゴメンね、二人共…心配掛けちゃって…着ぐるみアイドルがこんな事で倒れてたらダメだよね。だけどもう大丈夫だから」

体力的にはまだ回復していないが、何とか和也の期待に応えたいかずえは無理をしてでも自分が頑張らなければという思いが強かった。

「課長、辛い目に合わせてしまいまして本当にすいません!申し訳なく思っております」

頭を下げて謝罪する和也にかずえは肩をポンとたたいて

「何も気にしなくていいわよ。私はね、和也の熱い想いに応えてあげたいだけなの。だって、あなたは私にとって大事な部下だから。それに私、和也の期待に応えられるような着ぐるみアイドルHARUKAになれる様に頑張るからね。さぁ、お披露目に行きましょう」

そう言うとかずえは、手に持っていた着ぐるみの面を被ると和也の背中を“行くよ"と軽く叩いた。
和也は上司でもあるかずえが、部下の自分の期待に応える為に無理をしてでも頑張る姿に感謝の気持ちで一杯だった。

そんなかずえに和也は、段々と恋心を抱いてきていた。


207 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/07(木) 00:03:54
中の人が年増な流れにはもう少し我慢せにゃならんのか(´・ω・`)


208 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/07(木) 00:57:47
>>206
面はぴったりの方が呼吸はしやすいんじゃ…


209 : おいその :2015/05/07(木) 09:05:33
登場人物に魅力を感じない
年齢がどうのとかじゃなくて、本当に魅力を感じない
もう少し個性を大きく出した方がいいじゃないだろうか


210 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/07(木) 11:34:03
わりとリアルに描写しようと頑張ってるけど色々な部分が現実離れしてるから違和感が大きいんじゃないかな?
とりあえずつっこみどころが多すぎて頭に話が入ってこない。

あとは>>195も言ってるけどトリップぐらい付けろとは思う。


211 : おいその :2015/05/07(木) 13:11:57
色々突っ込みたいところがあるが、決して書くのをやめろと言うわけではない。
次からは改善してもらい励んでいってほしい


212 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/07(木) 14:14:13
フルボッコワロタ…(´・ω・`)


213 : おいその :2015/05/08(金) 18:50:01
おいおい書くのをやめたらダメだよ〜
この間言ったじゃん「次から改善すればいい」って
この程度のことで折れてたらきりがないぜ


214 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/08(金) 18:55:46
へたなメーカーのAVの内容よりかは
ここの小説のほうが素晴らしいと
思ってるからがんばってーー


215 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/08(金) 22:11:39
駄作製造機はなんでこんなに偉そうなのだろうか。


216 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/08(金) 23:07:22
>>215
反応するからつけあがるんだろ


217 : 中の人フェチ :2015/05/09(土) 00:54:33
以前、>>148から投稿させて頂いた者です。
その話の別の登場人物視点で書いてみました。
設定なんかは以前の投稿と同じとして見て頂ければ助かります。

※プロローグ※
俺の名前は大野剛。
地元市役所の地域振興課に勤めて3年になる25歳だ。
実は俺には誰にも言っていない秘密がある。
それは着ぐるみフェチということだ。
フェチに目覚めたのは、いつ頃だったが記憶にはないが物心付くころには着ぐるみに人が入っているのを何となく理解し、その中身が気になっていた。
そして年を重ねるに連れて、特に人型の美少女系着ぐるみ中の人を性欲の対象として見ていた。
ただ、それを人に言ったり、共有する機会がなかったことで、生まれてから誰にも着ぐるみが自分の性欲の対象となっていることを言っていない。
そういうフェチのせいか、逆にリアルで着ぐるみを見ると、必要以上に興味の持っていない風を装ってしまっている位だ。
それだけに地域振興課に配属となり、うちの市でゆるキャラを設定すると聞いた時は公然と着ぐるみに触れることが出来るのではないかと喜んだもんだ。
しかし、決定したキャラのドス熊は萌え要素が皆無のデザイン。
おまけに自分は地域振興課で一番、若輩ということもあり、その中の人までやることになってしまった。

一応、役得としてゆるキャラ大集合的なイベントに行くと、控え室が一緒だったりするので他のゆるキャラの中の人を拝むことが出来たが、そうそう機会は多くないし、やっぱり美少女着ぐるみ系でないのいうのが残念だ。
そんな不満を抱えつつ、2年ほど経った頃、ドス熊の人気がないことの対策として、まんま美少女着ぐるみのあいちゃんというキャラが追加された。
影で大喜びした俺だったが、表立ってテンションを上げることは恥ずかしくて出来ない。
俺は興味がない素振りをしつつ、着ぐるみのあいちゃんと、その中に入っている派遣の五十嵐さんをこっそりとフェチの対象として楽しんでいた。
そして最初に訪れたフェチ心を揺らす出来事が、あいちゃんのお披露目会の時であった。


218 : 中の人フェチ :2015/05/09(土) 00:58:14
※第一話:包んでいるもの(1/4)※
その日のイベントで俺はドス熊に長時間入っていたことで気分が悪くなってしまい、イベントを休み、休憩していたのだが少し休むと徐々に体調が戻ってくる。
ドス熊に入っていた時は狭い視界でまともにあいちゃんの着ぐるみを見ることが出来ない。
控え室ではあいちゃんの着ぐるみに入っている五十嵐さんは隔離された小部屋で着替えてしまいマスクオフを見たりも出来なかった。
期待が大きかっただけに、控え室で休憩しながら、着ぐるみフェチ的な収穫が少なくガッカリしていた俺だが、体調が戻ってきたこともあり、どうしてもあいちゃんの着ぐるみを間近で見たくなってくる。
体調不良で休ませてもらっている以上、あまり目立つことが出来きないが、どうしても我慢出来ず、俺は控え室を抜け出し、ステージから少し離れたところに行ってみた。

もう、ステージイベントが終わっていないかと心配していたが、どうやら来賓の挨拶が長くなっているようで、未だプログラムの真ん中あたりだ。
俺は必死にあいちゃんの着ぐるみを探す、するとステージ脇に立っていた。
俺の先輩にあたり、着ぐるみの補助をしている田村先輩が傘をさして相会傘の状態だ。
かなり密着していて田村先輩が本当に羨ましい。
俺は田村先輩に見つからない様にステージを大きく迂回しながらステージ脇に移動して、あいちゃんの着ぐるみを見に行ってみる。
この日は梅雨の雨ということで暑さと共に湿度が半端ない。
俺もそれで体調を悪くしてしまったが、迷惑を掛けたとはいえ近くであいちゃんの着ぐるみを見れるならラッキーだ。
目立たない様に右後ろからあいちゃんの着ぐるみを見ると、やはりこの気候の中で結構な時間、待たされている為か肌タイは汗びっしょりだ。
俺は興奮が抑えられず、股間が硬くなってくる。
これ以上、近くにいってバレても拙いので俺は後ろ髪を引かれる思いで再びステージから離れ、あいちゃんの着ぐるみをウォッチする。

長い来賓の挨拶が終わり、あいちゃん着ぐるみが市役所へ戻っていくが、俺はそれを見ていた為、戻るタイミングを逸してしまった。

「やべ、これじゃ先に控え室に戻れないじゃん。」

そうは言っても後の祭りだ。
俺は適当に外の空気を吸いたくなったとでも言い訳しようと開き直り、会場をフラフラする。
あいちゃんの着ぐるみを見た興奮で俺の気分の悪さはすっかり消え去っていた。


219 : 中の人フェチ :2015/05/09(土) 01:01:08
※第一話:包んでいるもの(2/4)※
暫くすると田村先輩がわざわざ探しにきてくれた。

「おい、大野。こんなところで何やってるんだよ。」

「あ〜すいません。ちょっと気分が良くなってきたんで外の空気を吸ってました。」

「この蒸し暑いのに、外にいたらまた気分悪くならないか。」

「いや、俺、冷房苦手なんで。」

全くそんなことはないのだが、誤魔化すために適当な嘘をつく。

「それにしても時間長かったみたいっすね。」

「そうなんだよ。来賓の市議の話が長くて長くて。五十嵐さんも相当大変だったみたいだわ。」

あれだけ肌タイに汗染みが出来るほどなら、そりゃそうだろうと興奮しつつ思うが、

「本当、大変でしょうね。」

とあくまで興味がない体で返事をする。
そしてその後、控え室に戻ったところで思わぬ展開が待っていた。
俺と田村先輩が控え室に戻ると、五十嵐さんが椅子に座って待っている。
あの可愛いあいちゃんの着ぐるみの中の人だと思うと、またまた興奮してしまうのだが、やっぱりマスクオフが見たかったなぁ〜と改めて思う。

「あ、お疲れ様です。大野さん大丈夫なんですか?」

「心配掛けました。いや、もう大丈夫っす。ちょっと外の空気を吸ってました。」

「うわ〜私なんてもう当分は冷房の効いた部屋にいたいですよ。」

着替えていくらかスッキリしたのだろうが、それでも外の暑さを思い出してか、げんなりした顔をする五十嵐さん。

「2人とも今日は本当にお疲れ様。色々大変だったと思うけど、一先ず無事にお披露目も終わって何よりです。」

そう言って、今日の総括、今後の予定を田村先輩が話し出し、全ての内容が終わると、俺達は着ぐるみを片付けに掛かる。
といってもドス熊の着ぐるみはひっくり返し、風が通るようして消臭スプレーを掛ける程度。
あいちゃんの着ぐるみも衣装をハンガーに掛けて乾かす程度しか出来ない。


220 : 中の人フェチ :2015/05/09(土) 01:04:14
※第一話:包んでいるもの(3/4)※
一通り終わって、さあ帰ろうかというところで五十嵐さんが

「今日使った肌タイツですけど、汗でビショビショなんで私が持ち帰って洗ってから、返しますね。」

すると田村先輩は少し困った様に

「あ〜それもあったんだな。いや、これも着ぐるみ衣装の一部ではあるからさ。ちょっと外部に持ち出しちゃうのは問題あるかもしれないんだよね。」

「でも、洗えるものは洗いたいですよ。」

「それもそうだよなぁ。じゃあ、大野さ。今日使ったタオルとかと一緒にお前、一緒に洗濯してくれるか。」

確かに過去のイベントの時も今日も、汗などを拭くのに使ったタオルなんかは俺が持ち帰ってコインランドリーで洗濯することになっていた。

「ええ、良いっすよ。」

俺は全く気にしない体で返事をするが、五十嵐さんの汗がたっぷり染み込んだ肌タイを持ち帰ることが出来るという展開に興奮を隠すのが大変だ。

「え、でも私の汗でびっしょりですし。大野さんにも悪いですから。」

「いや、これまでもドス熊に入るとタオルとか大量に使うんで、経費でコインランドリーを使ってるんすよ。それと一緒に洗うから気にしないで。」

俺は興奮を必死に隠しながら説明すると、田村先輩も補足してくれる

「大野に頼めば数日で市役所に戻せるけど、五十嵐さんにお願いしちゃうと次来た時とかになっちゃうしね。これも一応は着ぐるみ衣装の一部だしさ。」

そう言われると流石に五十嵐さんも断れないのか、ちょっと躊躇するところはあったがビニール袋に入った肌タイを俺に渡してくれた。

「すいません。じゃあ、お願いします。」

それを受け取った俺はあくまで、興味が無いことを装う為に敢えて雑に他の汚れ物をいれている袋に入れた。
ただ、他の汚れ物とは混じらない様、渡されたビニール袋の口をしっかりと締め気味にしてだ。
そのまま解散となり、俺は本来であれば家の近所のコインランドリーに寄るが、この日は真っ直ぐ一人暮らしの家に帰宅する。
部屋に入り、早速、渡された肌タイの袋を開けると湿っぽい空気が部屋に広がった。


221 : 中の人フェチ :2015/05/09(土) 01:08:11
※第一話:包んでいるもの(4/4)※
匂いを嗅ぐと、もっと汗臭い匂いがすると思いきや、意外と甘い匂いがして凄い臭いという訳ではない。

「これ、女の子の匂いだ。」

俺は部屋で一人呟きながら、そっと袋から肌タイを出してみる。
マジマジとあいちゃんの肌タイを見るのは初めてだが、上半身と下半身で二つに分かれていた。
下半身は普通のタイツという感じで、上半身のタイツは内面や腕から指先まで一体化となっている。
俺は早速、上の肌タイの脇や首まわりの匂いを嗅いでみる。
この辺はかなり汗が染みていて、握ってみるとジワっと汗が染み出してくる位だ。
最初に感じた甘い匂いも混じってはいたが、流石にこの辺は汗の量が多いのか、少しすっぱい匂いがする。
興奮を抑えきれなくなった俺は服を脱いで全裸になると、この肌タイを着てみた。

まだ、時間もそう経っておらず、更にビニール袋に密封してきたので全体的にかなり湿っぽい。
普通なら気持ち悪い感触と言えるのだろうが、これを一時間位前まで、あの五十嵐さんがあいちゃんの着ぐるみに入っていた時に着ていたと思うと、むしろ気持ち良くなってくる。
五十嵐さんが汗まみれになって包まれていたあいちゃんの肌タイを俺が着ている。
そんな想像をすると俺は我慢が出来なくなり、股間を擦る。
すでに興奮MAXだった俺の息子は直ぐに射精してしまい、肌タイの股間部分に汗ではない染みを作ってしまった。
自分の汗で汚れているから、他人に持ち帰られるのを嫌がっていた五十嵐さん。
まさか、俺が家でその汗まみれの肌タイを着ているなんて思ってもみないだろう。
そう思うとなにか征服感を満たされてような気になり、再び興奮してくる。

俺は後で洗濯することを良いのことに結局、この後も五十嵐さんの汗で汚れた肌タイを暫く楽しんだ。
そして、以降も俺が洗い物を持ち帰ることが定着し、イベントが終わる度に汗まみれの肌タイを使ってオナニーをする。
あいちゃんの着ぐるみをドス熊の中から見ながら、あの肌タイには俺の精液が染み込んでいるのだと思うと、苦しいはずなのにドス熊の中で勃起してしまう俺がいた。


222 : 中の人フェチ :2015/05/09(土) 01:41:41
※第二話:面の内側(1/3)※
それから暫く経ち、相変わらず使用後の肌タイを楽しんでいたが、どうしてもそれだけでは満足出来ないことがあった。
それはあいちゃんの着ぐるみを着ている五十嵐さんはマスクオフを一切見せてくれないことだ。
最初は市役所でのイベントの着替えは、控え室に区切られた小部屋あるせいであり、外のイベントになれば拝む機会があると楽しみにしていた。
しかし、五十嵐さんは着ぐるみを着るところを極力、人に見られたくないとかで、外のイベントでも時間差で着替えたりと、マスクオフを見せてくれない。
この調子では見れるのは何時になるか。
もしチャンスがあっても、五十嵐さんの感じでは、テント等の隅でサッと着替えてジックリ見ることは出来ないだろう。
ましてや俺は着ぐるみに興味のないキャラを演じており、マジマジと見ることも出来ない。
最初は余裕で構えていたが、汗だくになる夏のうちに、なんとかあいちゃんのマスクオフをジックリ堪能出来ないだろうかと俺は焦っていた。

そして頭の中の悪魔が俺の耳に囁く。
それはまさしく悪魔の誘惑だった。

(そんなことをしてバレたら俺は間違いなくクビだ。つか、警察沙汰だ。馬鹿なことはよせ!)

そう自分に言いながらも、体が勝手に行動していく。
気付けば俺はネットで小型カメラを2台購入していた。
市役所のイベントでは五十嵐さんが着ぐるみに着替える時、控え室の小部屋を必ず利用する。
この小部屋には棚が設置されており、一部には誰が置いたか分からない古い備品が置かれていた。
これらに隠してカメラを置けば、五十嵐さんが着ぐるみに着替えるところを見れるどころか、それを記録出来てしまう。
そう思うと、頭の中ではいけないと理解しつつも、行動を止めることが出来なかった。

そして決行の日、俺は一番に出所して、控え室の小部屋に行く。
そして無造作に棚に置かれている備品の隙間等、目立たないところに2箇所、カメラを設置した。
このカメラは動くものをセンサーが感知すると勝手に録画を始めてくれる優れものだ。
カメラを設置すると俺は落ち着かない気持ちを隠しつつ、待機する。


223 : 中の人フェチ :2015/05/09(土) 01:45:03
※第二話:面の内側(2/3)※
暫くすると田村先輩と五十嵐さんが一緒に出所してきた。

「あれ、大野、早いな。どうしたんだ?」

「いや〜なんか目が早くに覚めちゃって暇だったんで。」

「凄い!今日も暑いですけどやる気満々ですね、大野さん。」

そう爽やかに挨拶してくれる五十嵐さんを見るとカメラを設置したことに対する罪悪感と、もうすぐ念願の着ぐるみへの着替えを見れるという期待感が入り混じる。
その後、今日の段取りを確認したところで着ぐるみの準備を始める。
例によって五十嵐さんは奥の小部屋に着替えにいく。
俺は田村先輩に手伝ってもらいドス熊に着替えていくが、正直言って気が気じゃない。

(目立たないようにカメラを置いたけど完全に隠れている訳じゃない、もし見つかったら…)

「ん?どうした大野?ボーっとして。」

「あ、いや今日のこれからのことを考えてたら憂鬱になってました。」

「まあ、気持ちもわかるけど。よろしく頼むな。」

そんなヒヤヒヤした思いを抱えながら五十嵐さんを待つが、いつもと同じ位の着替え時間で小部屋から着ぐるみを着て出てくる。
五十嵐さんは一度、着ぐるみを着るとキャラになりきっているとかで一切喋らない。
故にカメラに気付いたか明確には分からないが、こうやって普通に着替えて出てきている以上は恐らく大丈夫なんだろう。

そしてその後は、いつも通り、ドス熊を着たキツイ仕事だ。
休憩を挟む都度、五十嵐さんが小部屋に着替えにいくので毎回、カメラに気付かれないかドキドキするが結局、杞憂に終わった様で問題が出ることなく一日が終わる。

「じゃあ、お疲れ様でした。また次も一緒に頑張りましょうね。大野さん。」

そう言って帰っていく五十嵐さんを見送りながら、俺はカメラを回収することで頭が一杯だった。
俺は田村先輩と一緒に控え室を出た後、忘れ物をしたと嘘をつき、一旦戻ると、小部屋のカメラ2個を素早く鞄に入れて回収した。


224 : 中の人フェチ :2015/05/09(土) 01:49:55
※第二話:面の内側(3/3)※
家に帰ると俺は直ぐにカメラをパソコンに接続し、興奮を抑えつつ映像を確認した。
すると映っている映っている。
どういった向きで着替えているか分からないので念の為、安くはないカメラを2個用意して違うアングルで設置したのだが、1個目のカメラが丁度、五十嵐さんを正面に捉えるベストアングルだった。
本来であれば最初からジックリと堪能したいところだが、家に帰るまで色々と妄想をし我慢の限界だった俺は映像を進め、最も見たいと思っていたグリーティングを終えて、着替えるところの映像から見ることにした。
そしていよいよ待ちに待った着替えシーンがパソコンのディスプレイに流れ出す。

扉を開けてルンルンな感じで入ってきたあいちゃんだが、扉がしまるとフッと素に戻った感じでテンションの高さが消える。
直ぐに面の顎紐を外すと両手で面を押さえ、やや前屈みになりながらズポっという感じで面を外す。
するとそこには内面状態で頬が紅潮し、汗びっしょりとなった五十嵐さんの顔がハッキリと映っていた。
面に隠れていた肌タイの大部分は汗で色が変わっている。
面をつけている時には感じなかったが「はぁはぁ」と肩で息をしており、閉塞空間から開放され、外界の空気を必死に吸っているようだった。
次に後頭部のチャックを首元まで下げると内面を脱ぐ。
もともとそれほど髪の毛が長くはない五十嵐さんだが、そこから更に髪を縛っていても内面を脱いだことで少しぼさぼさだ。
髪の毛が汗に濡れてしまっているのが映像越しでも分かる。

続いて衣装であるワンピースとブーツを脱ぐと全身が肌タイで頭だけ素の五十嵐さんの状態となる。
全身、至る所に汗染みが点在し、肌タイが体に密着し、いやらしい位、体のラインを強調する。
当然、肌タイの下にはインナーや下着を着ているのだろうが、俺にとってはこの姿の方が全裸よりも興奮する。
今度は、首元まで下げた肌タイのチャックを背中の下の方まで下げ、脱皮でもするかの様に背中から肌タイを脱ぎ、続けて下半身の肌タイも脱いでいく。
かなり汗に濡れていて、下に来ているインナーと擦れてかなり脱ぎ辛そうだ。
そうやって時間を掛けてようやく、着ぐるみの状態から人間の五十嵐さんの状態に戻っていく。

俺は念願とも言えるその過程を見ること、記録に残すことが出来て大満足だった。
この後、五十嵐さんは更に汗でびしょ濡れになったTシャツやスパッツを脱ぎ、水色の下着を露にしながら、手早く体の汗を拭いていたが、それよりも俺は着ぐるみを脱ぐ過程を見る間に既に数回、果てていて余韻に浸っていた。


225 : 中の人フェチ :2015/05/09(土) 01:53:07
※エピローグ※
こうやってリスクを犯しつつも、入手した着ぐるみの着替え映像は俺のお宝になった。
その後も毎回、持ち帰る汗まみれの肌タイを着たり、匂いを嗅ぎならのこの映像を見てオナニーをしている。

それから暫くして秋になり、田村先輩と五十嵐さんは付き合うようになった。
2人がそう言った訳ではなく、むしろ隠している感じだが3人でいれば何となく場の雰囲気で分かる。
ある日のイベント終わりに、いつもの様に五十嵐さんが小部屋にあいちゃんの着ぐるみを脱ぎに入る。
俺はあくまで興味の無い素振りをしつつ、田村先輩に聞く。

「そういや、五十嵐さんって人前じゃ着ぐるみを脱がないですよね。俺、脱ぐとこ一回も見たことないっすけど、田村先輩はどうですか。」

「そ、そうだな。確かに無いな。うん、無い。」

そうだ、俺の知る限り五十嵐さんの彼氏である田村先輩にだってあいちゃんの着ぐるみを脱ぐところを見せていないはずだ。
五十嵐さんが恥ずかしがって彼氏も知らない、見せない姿を俺は知っていて何度も楽しんでいる。
そう思うと何か優越感を感じ、またまた興奮してくる。
今日も肌タイを回収して着替え映像を見ながらオナニーをしようと思う俺だった。

Fin


226 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/09(土) 07:10:50
単純に犯罪な件。


227 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/09(土) 09:50:36
フィクションなんだから問題ない。


228 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/09(土) 10:12:48
かなり好き。乙!


229 : SCENE ◆XksB4AwhxU :2015/05/11(月) 01:41:52
着ぐるみアイドル
HARUKA
vol 7 惨敗

いよいよ、商店街とこの街の活性化の為に築き上げた着ぐるみアイドルHARUKAのお披露目が商店街の各店の店主達や街の方々の前で行われる事になった。

総合観光案内所の中では、かずえが面を手にしHARUKAの衣装を着て緊張していた。

「夏美、私…大丈夫かなぁ…うまく、やれるかなぁ…」

不安と緊張が渦巻く中、かずえの体が震えていた。

「課長、大丈夫ですよ。あたし達がついてますから…だから、頑張って下さい」

「うん、ありがとう。私、何とか頑張るからね」

すると和也が
「課長、時間です。行きましょう」

その声に、かずえは大きく頷き面を被って準備を整えた

和也も案内所の前に設置された特別ステージに上り、マイクを手に声を張り上げた。

「皆さん、こんにちは!いよいよ、この街を盛り上げる為に活性化の為に地元のご当地アイドルを作りました!その名も!着ぐるみアイドルHARUKA!それでは遂に、お披露目です!HARUKA!カモン!」

その声と同時に勢いよく、かずえの着ぐるみHARUKAが両手を振りながらステージに飛び出した。

その瞬間、店主達や見物客の人達は唖然とした。
これがご当地着ぐるみアイドルなのか?
最初に沸き起こっていた拍手も一瞬の内に止まり、ステージの着ぐるみアイドルに全員が釘付けになった。

だが、その目はHARUKAに惹き付けられた目ではなく怒りと呆れた様にも近いそんな目だった。

「これが着ぐるみアイドルてやつか?」

「何だよこりゃ、子供騙しにもほどがあるだろ!」

「顔がリアル過ぎて恐いよ…」

「これがHARUKAかぁ……これならまだ、ゆるキャラの方がいいよなぁ」

「ア〜〜ア……来た甲斐がなかったよなぁ…。おい、もういいよ…みんな、帰ろうぜ」

「何が御披露目だよ!こんなので活性化なんて出来る訳ないだろ!」

周りからの声は散々たるものだった。
勝算ありと自信満々の和也ではあったが、結果的には惨敗であった。
結局、和也が描いていた写真集やイメージDVDなどの計画も全て暗礁に乗り上げた。

お披露目会も店主達や街の人達もが途中から次々と姿を消していき、イベントも失敗に終わった。傷心のまま会社に戻ったメンバー達。

「課長……すいませんでした。全ては俺の責任です……。やっぱり俺、自惚れていましたね…。思い描いていた事が全て上手くいくなんて…勝手に思いこんでしまって…」

和也は声を絞り込むように、かずえに対し謝罪をした。
着ぐるみの面を取らずに、黙って聞いていたかずえは

「ゴメン、夏美ちょっと悪いんだけど席を外してくれないかな」

そう言われると、夏美は奥の倉庫部屋へ片付けにと向かって行くと
かずえは面越しに籠った声で

「和也……何もあなた一人が悪いんじゃないわよ…。言ってるでしょ、全ての責任は上司にあるって…。それにね…私は、おばさんだけどあなたのおかげで少しの間でも私は…着ぐるみとはいえアイドル気分を味わえたんだもん。逆に私はあなたに感謝してるのよ。本当にありがとう」

和也はずっと下を向いたまま、かずえの言葉を聞いていた。
すると、かずえは和也の横に座りそっと手を重ね合わせた。

「和也、私……あなたの事が……あなたの事が大好きよ…」

この言葉を聞いた和也も、重ねていたかずえの肌タイの手を握りしめ
そして、思いっきり強く抱き締めた。

「課長、実は俺も…俺も課長の事が…好きでした…。課長の事が好きだったから、どうしても課長にHARUKAになってもらいたかったんです。
でも、その夢が少しの時間でも叶って良かったです。本当にありがとうございました。もう着ぐるみ姿は見られないと思うと…少し淋しいですけどね」

失敗に終わった着ぐるみアイドルの計画。
今後は着ぐるみを処分して、違う形で活性化を考えていかなければならなかったのだが…。

「ねぇ、和也。私が着ているこの着ぐるみなんだけど……これからは、私がもらい受けて良いかな…。それで…今後は、あなただけの為の着ぐるみアイドルになりたいの」

「課長……」

再び、着ぐるみ姿のかずえを抱き締めた和也は

「もう二度と離しませんからね…」

「私もだよ…和也…」

アイドル計画は惨敗ではあったが、かずえとの恋愛は大成功で幕を閉じた。




230 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/11(月) 02:18:00

次の方どうぞ


231 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/12(火) 12:46:18
ジャンプの打ち切り漫画臭


232 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/12(火) 16:50:15
思わずなんだこれって言っちまったわ


233 : 何かが始まりそうで始まらない話 :2015/05/12(火) 18:36:45
『ピンポーン』
「ハーイ」

ある日一つのダンボール箱が届いた。
それは大きめで人一人入りそうなくらいの大きさだった。

「宛先はなしか・・・今日は僕の誕生日だしサプライズプレゼントか?」

恐る恐る箱を開ける。
中は衝撃吸収材で埋まっている。
かき分けるとそこには・・・

「ッ!」

中には少女の姿をした人形が。

「なんだこれ?」

それが俺と姫子の初めての出会いだった。


234 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/12(火) 20:03:31
期待


235 : 何かが始まりそうで始まらない話 :2015/05/13(水) 11:11:04
このつづきはピクシブで!!&コミケで!!


236 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/14(木) 15:45:25

次の方どうぞ


237 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/14(木) 22:48:57
はじめてください


238 : おいその :2015/05/15(金) 08:55:47
ピクシブの何てネームで投稿してるんだ?見つからんぞ


239 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/16(土) 15:40:48
一時期あれだけ活況だったのに...


240 : 電車にウルトラの母 ◆zYQ/uWRKn. :2015/05/16(土) 16:04:08
隼人が面接と初めてのウルトラマンとなり真希とビラ配りをした日、ウルトラマンを脱いだ隼人は汗だくになっていた。

着ぐるみのことも考え、佳恵は隼人のゴムマネキンのスーツを作ること、そしてスーツが出来てからツアーに参加してもらうことを隼人に伝えていた。

隼人の汗とある液のついたウルトラマンの着ぐるみは今週末のツアーには使用せず、ウルトラの母とピグモンでいくことに佳恵は決めていた。
そんな週末のことである。


隼人は男友達と遊んでいる間も、頭の中から真希のことが離れないでいた。
そんなこともあり、友人とは早めに解散し、あらかじめ真希に教えてもらっていたバスの待機場所へと隼人の足は向いていた。

バスツアーが終わる時間に合わせて下見に来たテイで真希に会うのが目的。
バスツアーが終わって待機場所へと戻ってくる時間も聞いていた隼人。

少し早めに最寄り駅に到着し、改札に向かうためエスカレーターに乗ろうとした時、隼人の乗ってきた電車とは反対方向へと向かう電車の列に違和感を感じた。

よく見るとウルトラの母が乗車の列に並んでいる。
黒の光沢のあるロングのダウジャケットに黒のロングブーツを履き、その間からは銀色と赤色の太ももが出ている。
肩にはカバンを掛けている。

ウルトラの母は何事もないかのように並んでいるが、その列だけが他の列に比べ長く、男性ばかりが並んでいた。

電車がホームに入り、人々は電車へと乗り込む。
隼人はウルトラの母が気になり下見を中止し、別の入口から電車に乗り込んだ。
夕方の人の多い時間、次から次へと人々が電車に飲み込まれていく。
隼人も、そして別の扉から乗り込んだウルトラの母も電車内奥の方へと追いやられていく。
気づけば隼人の目の前にウルトラの母の後ろ姿が。

そのままギュウギュウに人々を詰め込んだ電車はゆっくりと動き出した。


241 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/17(日) 21:03:11
ウルトラマンママって本当人気あるよな
コレ系のキャラで女性ってのは唯一無二か


242 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/17(日) 22:39:45
今はユリアンとかいるよね
http://p-bandai.jp/item/item-1000094873/

母の方が美人な気はする


243 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/18(月) 20:32:35
パンパカパ〜ン


244 : 電車にウルトラの母 ◆zYQ/uWRKn. :2015/05/18(月) 21:21:38
電車内はすし詰め状態で、全く身動きが取れない。
男たちにウルトラの母は囲まれ視線が注がれる。
カバンを持ち、ソコソコの高さのヒールのブーツを履いているがウルトラの母の身長は隼人より少し低い。
身につけているダウンやブーツ、身長からウルトラの母の中身が女性であることは容易に想像できた。

男たちの刺さるような視線を感じて、恥ずかしさからウルトラの母は次の停車駅まで下を向いて全く動かなかった。

ウルトラの母はずっと下を向いたままなので、背中のヒダが隼人にはよく見えた。

このヒダを開くと中にファスナーが隠れていること、そしてこのヒダで自分自身でファスナーの開閉が難しいことを最近ウルトラマンの着ぐるみを着た隼人はよく知っていた。

しかし、よく見るとそのヒダはウルトラの母の一部分であるかのように隙間なく一体となっている。
それはウルトラの母が着ぐるみではなく、隼人に実在したものであるかのように思わせた。

どうやって、ウルトラの母の着ぐるみを着たのだろう。
隼人の視線は周りの誰よりも強く、ウルトラの母に注がれた。

次の停車駅に着く寸前電車が大きく揺れた。


245 : 電車にウルトラの母 ◆zYQ/uWRKn. :2015/05/19(火) 23:45:14
高いヒールのブーツを履いていたウルトラの母はバランスを崩して隼人に凭れかかる。

倒れそうになったウルトラの母を支えたのは隼人。

ウルトラの母は完全に振り返ることができず、顔を横に向け篭った声で「すみません」と。
その声は小さかったが紛れもなく女性、それも若い感じがした。

こんな感じ前にも。
隼人がそんなことを考えているうちに、ウルトラの母は電車を降りていった。

我に返った隼人は、ウルトラの母の後を追って、人を掻き分け電車を降りる。
追いかけるには訳があった。
あの声はおそらく真希。
どうして着ぐるみのまま電車に乗っていたのかは、分からないがとにかく後を追う。

彼女はウルトラの母の着ぐるみを着て、ヒールの高いブーツを履いているにも関わらず、隼人が階段を登ったときには改札を抜けていた。

自転車置き場へと続く、階段を降りている途中で、隼人はようやくウルトラの母に追いつき、彼女の腕を掴んだ。

驚き振り返るウルトラの母。


246 : 電車にウルトラの母 ◆zYQ/uWRKn. :2015/05/21(木) 13:00:27
驚き掴んだ腕を振り払ったウルトラの母だったが、隼人の姿を確認すると「え、なんで?」と。

そして、隼人に凭れ掛かるように抱きつき「怖かった」、そういうと動かなくなってしまった。
隼人も優しく抱きしめる。
ここへ来るまで、かなり気を張ってきたのだろう。
隼人を見た瞬間、緊張感の糸が切れてしまった。

階段を通る人たちが自分たちのことを見ていることも気になったが、それ以上に隼人の腕の中で小さくすすり泣く声の方が隼人は気になっていた。

隼人は真希の家を知らない。
「家はこの近く?」
隼人が尋ねると、ウルトラの母は首を振る。
「自転車で」篭った声でそういうと階段を降り、自転車置き場へと向かう。
途中、少しでも目立たないようにと、隼人はダウンのフードをウルトラの母に被せた。

自転車置き場に着くと、カバンから鍵を取り出し、隼人に渡す。
隼人は自転車の後ろにウルトラの母を乗せ、走り出した。

辺りは暗く、駅から離れたので人通りも少ない。
ウルトラの母に注目する人はいなくなったが、隼人は自転車の速度を上げる。
その訳は早く真希を着ぐるみから解放してあげたいから。

真希の案内で、真希の住むマンションが見えた時、不運が2人を襲う。


247 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/21(木) 15:05:37
おお〜 いいぞいいぞ


248 : 電車にウルトラの母 ◆zYQ/uWRKn. :2015/05/22(金) 16:55:50
巡回中のお巡りさんに出くわしてしまった。

2人乗りをしていた隼人は当然のように停められる。
2人乗りの注意を受けた後、自転車が盗難品でないか問い合わせするお巡りさん。

隼人が対応し、真希はダウンのフードを被ったまま、ウルトラの母であることが分からないように、お巡りさんに背を向けていた。

問い合わせの結果、自転車の持ち主が女性と判明。
隼人に対するお巡りさんの追求が始まる。
真希は慌てて、免許証と学生証をカバンから取り出すと隼人に後ろ手に渡した。

隼人はそれらを受け取ると、お巡りさんに渡すが、本当に彼女のものなのか疑っている様子。
それを見て隼人は慌てて自分の学生証も出し、同じ大学であることを伝えた。

しかし、お巡りさんがなかなか信用してくれない。
それには訳があった。
自転車の持ち主である彼女がずっと背を向けていて顔を見せないから。

免許証の顔と同じかどうか確認するから、こちらを向くように指示するお巡りさん。
しかし、真希はお巡りさんの方をすぐに向くことはできなった。

だんだんと口調が強くなるお巡りさんに抵抗することができなくなり諦めて真希は、お巡りさんの方を向いた。


249 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/23(土) 21:29:13
アクシデントでkigurumiを佳恵が脱がすことができなくなったのか?




250 : 電車にウルトラの母 ◆zYQ/uWRKn. :2015/05/25(月) 10:10:58
振り向いた真希はみずからフードを取る。
お巡りさんは免許証を見てから、真希を見て驚く。
目の前に現れたのが、ウルトラの母。

「え、あ、なに?」といって言葉にならなかったお巡りさんであったが、頭を振ると突然大きな声で「ふざけてるのか!」と自分の焦りを隠すように怒鳴りつけた。

その声にビックリして、その場に座り込み顔を押さえ真希は泣き出してしまった。

泣かせるつもりもなかったお巡りさんも慌てる。

隼人はお巡りさんに真希の家がすぐ近くであること、そして着ぐるみを脱がせて顔を確認させることを約束し、真希を立たせ3人は歩き出した。


251 : 電車にウルトラの母 ◆zYQ/uWRKn. :2015/05/25(月) 18:48:23
程なくし、真希の家に到着した。
移動中、フードを被り終始俯きながら歩く真希は、犯罪を犯し捕まったようであった。

家に着き、カバンから鍵を取り出し隼人が代わりに鍵を開ける。
真希を部屋に入れると、隼人は
「少し待って下さい」とお巡りさんに言う。

するとお巡りさんは、真希の免許証と住所を確認し、「もう、いいよ。住所も合っているし」
「女の子が泣いた顔を見られたくないだろうから」
そういって、真希の免許証を返してくれた。

帰り際に、「2人乗りはしないように」そういうと足早に帰っていった。

隼人はホッとし、少し脱力しながら真希の部屋に入る。

部屋に入ると、隼人以上に脱力した様子でソファに座るウルトラの母の姿がそこにあった。


252 : 電車にウルトラの母 ◆zYQ/uWRKn. :2015/05/26(火) 20:00:48
どうしてウルトラの母の着ぐるみを着て帰ってきたのか、理由を聞きたかったがまずは着ぐるみを脱がせることが最優先。

背中のヒダの部分にカッターを入れて開こうと思い、真希にカッターがないか聞くと、真希はカバンの中からヒダを接着しているボンドの剥離剤を取り出し隼人に手渡した。

そして、隼人の耳に顔を近づけ剥離剤の使い方を説明してくれたが、ウルトラの母のマスクから真希の声と一緒に漏れる温かい息がなんとも言えず、隼人は説明がほとんど頭に入ってこなかった。

それでもなんとかなるもので、ヒダの部分の接着剤はうまく剥がれ、中のファスナーを開けることができた。

背中のファスナーが開くと中からゴムマネキンの頭が顔出す、当然真希の表情は伺えない。

真希を着ぐるみから解放できた事の安心感から我に返り、隼人は自分が女性の家に上がり込んでいることに気まずくなり「あ、もう俺帰るわ」と声をかけ玄関へと向かう。


253 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/26(火) 20:20:24
このおまわりさんはいい人だなw




254 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/27(水) 11:33:25
しゃべらないのは猿轡的な何かをしてるからかな?


255 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/27(水) 17:51:41
さすがに汗の香りが酸っぱそうで萌えるなww



257 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/28(木) 11:00:23
>>254
その発想はなかったw


258 : 電車にウルトラの母 ◆zYQ/uWRKn. :2015/05/28(木) 15:48:12
玄関に向かおうとした、隼人の腕をウルトラの母の手が掴む。
そして、隼人の耳元で「もう少し一緒にいて」消え入りそうな声がゴムマネキンから聞こえてきた。

隼人は頷くと、部屋にあるソファに座った。
ただ、待っているのも緊張するので「テレビ見ていてもいいかなぁ?」と声をかけると、ウルトラの母の着ぐるみから上半身だけ出たゴムマネキンはコクリと頷き、恥ずかしそうな仕草で浴室へと入っていった。

着ぐるみを脱ぎ終わったのだろう、ゴムの弾くピチピチという音がテレビを見ていても、隼人の耳にはよく届いた。
やがてシャワーの音が。

隼人の頭の中では真希の裸のことばかりを想像し、テレビを見ていたが全く入ってこなかった。

隼人は自分の股間が熱くなるのを感じながらも、テレビを見て必死になだめる。

今度はテレビに集中し過ぎて、シャワーの音が止まっていることに気づいていなかった。

突然、部屋の明かりが消えた。


259 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/29(金) 18:45:55
まさかイチャイチャするのか!?グッド(゚∀゚)b


260 : 電車にウルトラの母 ◆zYQ/uWRKn. :2015/05/29(金) 18:51:04
不意のことに、隼人が後ろを振り向くと、隼人の頭が少し濡れた真希の両手で掴まれた。
そして、隼人のくちびるに温かく柔らかい感触が。

隼人の目の前には、石鹸に混じり少しゴム香りのする真希が目を瞑りくちづけをしてきたのだった。

胸から下はバスタオルに包まれた真希は、そのまま隼人の手を取ると引っ張りベッドへと誘導。

咄嗟のことで動揺した隼人は「テレビ!」と真希に声をかけるが、「いいから!」と笑顔で言われ、そのまま2人は寝室へと消えていった。

そして2人は初めて結ばれた。

2人がいなくなった部屋では、テレビは朝までついていた。

おしまい


駄文にお付き合いありがとうございます。
真希がウルトラの母の着ぐるみのまま電車に乗ることになった真相編を妄想中です。


261 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/05/29(金) 19:11:49
>>260
GJ部です


262 : この小説の題名を教えて :2015/06/01(月) 11:13:50
ストーリーがヒロインがアンドロイドを作る工場の裏事業を知ってしまい、

それを裏事業に加担している社長たちの陰謀で無理矢理試作品のパワードスーツを着せられて、受付ロボとして配属されてしまう。

ヒロインは猿轡をされているから助けを呼ぶことも出来ず、自力で脱ぐことも動くことも出来ず、ただレンズ越しに見える同僚に聞こえるかもわからない悲鳴を上げ続ける。

10話くらいのお話でたしか最後は解放されてハッピエンドだったような気がするのですが、つい最近になってもう一度読みたいと思い調べたいのですが、題名が思い出せません。

誰か題名を知っている人いますか?可能であれば教えてください。


263 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/01(月) 13:19:40
こいつのどれかだろ

http://mypage.syosetu.com/463791/


264 : 電車にウルトラの母 真相編 ◆zYQ/uWRKn. :2015/06/01(月) 20:13:44
行為の終わった後、隼人はずっと気になっていたことを聞いみた。
なぜ、ウルトラの母のままの姿で帰ってきたのかということを。

真希はゆっくりと話し出した。


いつものようにウルトラマンと行くバスツアー。
違うのは主役のウルトラマンがいないこと。
しかし、料金の割引などで対応しツアー客には納得してもらった。

ウルトラの母には真希、現地に着いてからピグモンには美樹が入って記念写真を撮った。
ピグモンに入らなくて、よくなった佳恵は写真を撮る係をしたり、着ぐるみの2人を誘導したりといつもより進行がスムーズに行われツアーはいつもより早く終わった。

ウルトラの母を着た自分の姿を色々な角度でスマートフォンに収めたく、いつもはツアー客を降ろしたバスの中で、頭だけ出すのだが、今回はそうしなかった。


265 : 電車にウルトラの母 真相編 ◆zYQ/uWRKn. :2015/06/01(月) 20:15:28
バスの中でも忙しそうに電話をする佳恵、バスの待機場所ではなく、途中でバスを降りてしまった。

真希と美樹を乗せたバスはいつもの待機場所に到着。
バスの運転手に挨拶をし、プレハブ倉庫へ向かう。
中に入ると、早速写真を撮ってもらおうと真希は自分のスマートフォンを取り出す。
その間に美樹は、用意されていたジュースを紙コップに自分と真希の分を注いでいた。

ジュースを飲みながらスマートフォンを触っている美樹に電話がかかってきた。

「うん、どうしたの?」
「うん、うん、わかった」
「すぐ帰るね」
美樹の電話が終わるのを、ウルトラの母の着ぐるみのまま、自分のスマートフォンを持って待っていた真希。

その真希に「ゴメン、真希。急用ができたんで、写真はまた今度で。お疲れ」そういうと、美樹は自分のカバンを掴むようにして倉庫を出て行ってしまった。

声をかける間もない、一瞬の出来事。
写真が撮れなくて、残念。
仕方ないので着替えて帰ろうと思ったときに大変な事に気が付いた。

着ぐるみが脱げない!
そのことに気づいて、美樹の後を追いかけようとするが、焦りと視界の狭さからテーブルにぶつかった。

「痛ッ!」
ぶつけた太ももを押さえる。
そのとき、液体の流れ音が。
それは先程、美樹が入れてくれた紙コップのジュース。
それがぶつけた衝撃で、こぼれたのだった。

しかも、それが運悪くパイプイスの上に畳んでいた真希の下着や服を濡らしてしまった。

濡れた服をタオルで拭き取っていて、美樹を追いかけることができなくなってしまった。


266 : 電車にウルトラの母 真相編 ◆zYQ/uWRKn. :2015/06/01(月) 20:16:33
電話!
手に持っているスマートフォンを見て、真希は電話をすることを思いついた。
しきりに画面をタッチするが、全く反応がない。
無情にも着ぐるみを着た状態では、真希はスマートフォンを操作することができず、電話をかけることができなかった。

真希の状況は絶望的なものだった。
背中のヒダまでも完全に接着された着ぐるみの中に閉じ込められ、自分一人では脱ぐことができない。
だれかを呼ぼうにもスマートフォンも使えない。
仮に着ぐるみを脱ぐことができても、下着も着替えもない。

いつもなら、美樹も佳恵さんもいて団欒してから帰るのに、なぜ今日に限って。


しかし、いつまでもジッとはしていられない。
ずっと着ぐるみを着ているので、かなり体が熱い。
外に出れば少しはマシかもしれない。
そう考えた時、真希の頭に浮かんだのは「ウルトラの母のまま、帰るしかない!」
最寄り駅まで、電車なら二駅程度。
真希は行動に移すことに。


267 : 電車にウルトラの母 真相編 ◆zYQ/uWRKn. :2015/06/01(月) 20:17:38
意を決して帰ることを決めた真希。
だが、このままでは目立ち過ぎる。
履いてきたブーツもダウンのコートもジュースの影響はない。

まず、母のブーツを脱ぎ、自分の履いてきたブーツに履き替える。
ブーツは最近買ったもので、膝上まである。
ダウンのコートも長くお尻まではしっかりと隠れる。
少し太ももは見えるが、ウルトラの母の銀色と赤色の体の大半は隠すことができた。

ダウンのフードも被り、その姿を鏡で確認する。
想像していた通り不自然そのもの。
それならいっそ、全てを晒け出してとも考えたが、そんな勇気もなく、この不自然な格好で駅へと向かった。

駅までは人も少なく、冬で日も短いこともあり、辺りは薄暗くて人目を気にすることはなかった。

しかし、駅に入ると照明が自分ばかりを照らしているような気がし、周りの人たちも自分を見ているような気がしてならなかった。

電車を待つまでは、それほど気付かれていなかったが、さすがに電車の列に並んでいると、周りがザワつきだした。


268 : 電車にウルトラの母 真相編 ◆zYQ/uWRKn. :2015/06/01(月) 20:18:50
真希は恥ずかしくなり、フードを深く被り下を向いて必死に電車が早く来ることを願っているときに、隼人がウルトラの母の存在に気づいた。

また、2人は知らないが隼人と同じ電車で美樹もこの駅へと戻って来ていた。
真希が1人では着ぐるみが脱げない状況であることを思い出したのだった。
美樹は何度も真希に電話をしたが、真希がそれに気づくどころか、気づいたところで電話に出ることができないことは言うまでもなかった。

電車内での人々の視線を一身に浴びて、ようやく最寄り駅に着いて見られている緊張感から開放され、自転車置き場へと向かう途中、真希は重大なことに気づく。

たとえ、無事に家に辿り着いても、ウルトラの母の着ぐるみを脱がせてくれる人間がいないことを。

そんなときに隼人に腕を掴まれたのである。
嬉しさと安堵感から力が抜け、自然と涙が溢れてきたのだった。


269 : 電車にウルトラの母 真相編 ◆zYQ/uWRKn. :2015/06/01(月) 20:19:57
そして真希からは何故、ウルトラの母が私であることがわかったのかを尋ねられた隼人。

隼人は電車内でバランスを崩して凭れかかったウルトラの母からの「すみません」の声が真希であることを確信して追いかけたことを説明した。

と同時に求められていない説明も始める。
ウルトラマンに憧れ、ヒロイン的なウルトラの母への想いも昔からあり、駅で見たかけた時、思わず後について電車に乗ってしまった。
ただの追っ掛けの一人として。
まさか、中身が真希とは知らずに。

「そうだったんだ!おかげで私は助かったよ」
「なにか、お礼したいけど」
真希が言うと、隼人は「付き合ってもらえますか?」と。

真希は満面の笑みで「私がずっと伝えたかったことだから、お礼にならないよ、他にないの?」と返す。
隼人は真希をギュッと抱きしめ、真希が聞き取れないような声でボソボソと呟いた。
「なに?聞こえないよ」


270 : 電車にウルトラの母 真相編 ◆zYQ/uWRKn. :2015/06/01(月) 20:21:19
隼人は真希に抱きついたまま「叶うなら目の前でウルトラの母から女の子が出てくるところが、見られたらと」と恥ずかしそうに、今度は真希に聞き取れるように呟いた。

そんな話をしているうちに、いつしか隼人は眠ってしまった。
どれほど時間が経っただろうか、気がつくと隼人の横にはウルトラの母の姿が。

隼人が目覚めたことに気づき、隼人に抱きつくウルトラの母。
当然、中身は真希。
隼人は力強く抱きしめた。
しかし、ウルトラの母の背中のファスナーは、開いたまま。
ファスナーの中を触ると、熱を持った真希の素肌がそこにあった。

「なかなか、起きてくれないから暑かったよ」そういうと、真希は頭を後ろに反らせ、ウルトラの母を脱ぎ始める。
中からは裸の真希が玉のよう汗をかいて出てきた。
真希の乳房を汗が伝う。

汗をかいているからと、嫌がる真希に抱きつく隼人。
そして、2人はベッドで再び絡み合った。



おしまい



駄文に失礼しました。


271 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/01(月) 20:23:38
支援


272 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/01(月) 22:06:57
>>270
情景がリアルに想像できてとても良かった


273 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/02(火) 00:50:25



274 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/03(水) 00:13:37
262>
違いますなあ、該当無です。でも読んでみたい!


275 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/03(水) 09:15:53
探しているサイトは何かの理由で閉鎖された可能性がある


276 : コテハン ◆/Pbzx9FKd2 :2015/06/06(土) 09:26:35
ちょっとここの趣旨とは違うかもしれませんが、自分の体験談を話していいですか?

こないだとあるゆるキャライベントのアルバイトをやってきまして
各地から集まったキャラクターのうち、地元のスタッフが来られなかったキャラクターの中の人をやるのが自分達の役目でした。

で自分が担当することになったのが、あのせ○○くんで^^;

せ○○くんて、普通の着ぐるみと違ってパーツがいくつにも分かれてて装着が大変でして
アテンドについてくれた女の子に手伝ってもらいました。

この女の子が、若い頃の安めぐみみたいなほんわかした感じの子だったんですけど、ちょっと天然入ってまして^^;
悪戦苦闘しながらも、なんとか装着し終わって、さあオープニング出ようかと思ったら

「あの・・・せ○○くんにハグしてもいいですか?」

といきなり言い出すんです。

さっきまで着替え手伝って、中に自分が入ってるの解ってるのに、いいのかな^^;と思いながら「ど、どうぞ」と言うとおもむろに
「うわーーあたし前から大ファンだったんですぅ」
とおもむろにディープなタイトハグ(笑
せ○○くんって、着た人わかると思いますが、意外とガワが薄くって、抱き付かれると彼女のオッパイとか股間の感触がダイレクトに伝わって来て…

不覚にも思わず着ぐるみの中で下半身が反応しかけました^^;


277 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/07(日) 14:40:58
キモい


278 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/08(月) 12:58:41
俺もゆるキャラに学生のときボランティア活動で入ったことあるけど
女子の撮影するときのテーションMAXは確かに。。
あのときは体重50kg台だったから中の人女子だと思われてた。
今は仕事の不規則なシフトでもぉねぇ


279 : 着ぐるみへの初挑戦 Ⅰ :2015/06/09(火) 10:09:35
「ゴッホゴッホ・・・悪いわね・・必ずこの恩は仇で返すから・・・」

「いや仇で返しちゃダメだろ。とにかくお姉ちゃんは安静にして、早く風邪治してね。行ってきまーす。」

私の名前は田中冬美。大学生。
今私は姉の代理として、姉が働いているアルバイト先に向かっている。
行き先はとあるデパート。

デパートに着くと一人の女性に話しかけられた。

「あなたが冬美さんね。初めまして、私マネージャーの青木順子といいます。早速ですが衣装に着替えていただきます。こちらへ。」

「あ、はい」

マネージャーに案内され『関係者以外立ち入り禁止』と書かれたドアを抜け、さらに奥に行ったところで更衣室のような所についた。
女性スタッフが2人いる。
そして女性スタッフの手にはウルトラの母の着ぐるみが。

私の姉のアルバイトはスーツアクターである。とくに戦隊ショーやプリキュアのステージなどで活躍しているその道のベテランでもある。
今日はウルトラマン何十周年記念ということで、歴代ウルトラマンの変身アイテムや劇中に出て来た怪獣の模型などの展示会をやっている。
その中でメインイベントとして一時間に一回、その時間限定のウルトラマンがデパートの中を巡回するというイベントがある。
姉はウルトラの母の担当で今日の昼2時からの出番であった。
しかし昨日になって季節外れのインフルエンザになってしまい、今日のアルバイトは出られなくなってしまった。

姉はとても残念がっていた。なぜならウルトラマンになることが姉の夢だったからである。
そして姉はこんな提案をした。

「私の代わりにウルトラの母をやって!」

姉と私は双子の姉妹だ。しかも顔も同じ、スリーサイズも同じなのである。(まあ双子だからそんなもんか)
だから姉の体に合わせて作られたウルトラの母の着ぐるみは妹である私にも着られるのではないかと考えたのである。
実際にお互いの私服を取り替えて着たこともあるので可能だ。

最初は冗談かと思ったが、姉が真剣であること。そして姉の職場を知りたいという好奇心が後押しして、今に至る。


280 : 着ぐるみへの初挑戦 Ⅱ :2015/06/09(火) 11:08:13
事前に姉が関係者に代わりに私が来ることは伝えているのだがマネージャーも含め女性スタッフ達は私の顔を見て驚いている。

「本当に夏樹さんじゃないんですか?すごい!こんなそっくりな双子に会ったのは初めてです。あ!自己紹介が遅れました、桂木といいます!宜しく!!」

「ど、どうも」

ハイテンションなスタッフに一歩引く。

「悪いけど巡回まであと20分しかないから、すぐに着替えて。」

もう一方は逆にクールだ。

下に着ていたワンピース型の水着を残し、それ以外の物を脱いだ。
姉から「着ぐるみを着る時は水着を着るんだよ」と聞いていたため信じていたのだが、周りの異質な物を見る視線で気が付いた。騙された。帰ったら往復ビンタをはなとう。

スタッフさん達に手伝ってもらいながら着ていく。
背中のヒダを開け、その中からチャックを開く。
白い粉を脚にふりかけ、片っぽずつ足を通していく。ひんやりとした感触が気持ちい。
白い粉のおかげでスルスルと通っていく。

両足を通し終わったら、腰のあたりまで引っ張る。
次に腕。足と同様に粉をかけてから通していく。
指の一本一本まで姉に合わせて作られているがさすが双子、ぴったりである。

両腕を通し終わったら、肩まで引っ張っていき後はマスクを被るのだが、桂木さんにあるお願いをしてみる。

「いいよ!じゃあ先にグローブとブーツを履いた方がいいね」

変な感覚だ。もうグローブとブーツを履いている感覚なのに、さらにその上からグローブとブーツを履いていく。

「前は通気性がいいように手と足の先は露出していて、グローブとブーツを履いていたんだけど
 どっかの悪ガキが無理矢理グローブを脱がせたっていう事件というか事故があってから、脱がされても大丈夫なようにしたの。」

最近の着ぐるみ事情を聞かされながら、私の首から下はウルトラの母になった。
首の前にはウルトラの母のマスクが垂れている。
自分のバックからデジカメを取り出し、桂木さんに渡す。

「はいいくよ〜。ハイ、チーズ!(パシャッ)どうかな?」

「うん、いいですね。ありがとうございます。」

先程のお願いとは写真を撮ることである。
出かける際に姉からデジカメを渡されてお願いを受けた。
自分がウルトラマンになった写真を撮ってほしいと。
だが、複雑な気持ちだ。ここに写っているのは姉ではなく、私だ。顔は同じだが姉ではない。

「大丈夫?」

「えっあっごめんなさい、大丈夫です。次いってください。」


281 : 着ぐるみへの初挑戦 Ⅲ :2015/06/09(火) 11:43:48
髪を後ろに結び、スイミングキャップを被る。

「じゃあ、顎を引いて」

マスクに顔を沈めていく。目、鼻、口の位置を合わせていく。
意外と視界が狭い。あと息が苦しい。

「チャック閉めまーす!」

チャックが閉じられていく。チャックが閉まっていくと体に吸い付いてくる感覚がある。
チャックが上までいき、完全に閉じられた。

「聞こえますか〜。聞こえたらうなずいてくださ〜い。」

うなずく。が、聞こえずらい。

「大丈夫なようですね。ではヒダ閉じまーす。」

(え?)

ヒダの内側にハケで何かを塗っている。

「え?何やってるんですか」

籠った声がマスクの中で響く。
先程まで無口だったスタッフが口を開く

「これは接着剤みたいな物。大丈夫。1時間もすれば自然に剥がれるから」

(なんで接着剤・・・・)

疑問に思ったが、すぐに解決した。

(あ!そっか悪ガキか。悪ガキがきっと背中のチャックを開けようとするのか。)

「はい!終わり!終わりましたよ〜。」

着ぐるみのサイズは緩すぎず、きつすぎずちょうどいい。
が、(暑い。暑いよ。これ)
腕を通しているあたりから立ちっぱなしだったので、一度イスに座ろうとした時

「休んでいる時間はありませんよ。すぐにスタンバイしてください。」

マネージャーに手を引かれ、先ほど入った『関係者以外立ち入り禁止』と書かれたドアの内側の所まで連れて来れれる。
そこにはウルトラの父がいた。

「今日は宜しくお願いします。」とウルトラの父が籠った声でペコリとあいさつしてきた。
「宜しくお願いします。」とこちらも籠った声で返す

「分かってるとは思いますが、巡回中は絶対に声は出さないでください。あと手を振られたら、振替してください。
 握手を求められたら、必ず握手してください。おっさんでも握手してください。」

「はい!」

そしてドアが開き、巡回が始まる。


282 : 着ぐるみへの初挑戦 Ⅳ :2015/06/09(火) 15:43:33
おもちゃ売り場の横から出てくるため、すぐに子供たちが集まってくる。
子どもたちが足元でキャッキャッと騒いでいる。
私はアタフタとしている隣でウルトラの父は黙々と子供たちと握手をこなしていく。

(やっぱり手馴れているな・・・)

それを見習いながらフロアを巡回していく。
が思いのほか移動できない。子供たちが道を塞ぐようにしているためである。

一度握手をしてもその場にとどまり続けている。
一様数人のスタッフ達が握手が終わったら下がるように言っているのだが、子供たちは理解していない。
挙句の果てに足を踏まれる。尻を叩かれる。チャックを探られるなどいろいろひどい目にあう。

ウルトラマンは地球上には3分しかいられないというが、本当に3分しかいられないかもしれない。
熱がこもって暑い。息が苦しい。止まらない汗が着ぐるみに張り付いて気持ち悪い。
元気にふるまっているが正直もう帰りたい。
お姉ちゃんはいつもこんなことをしてるの?こんな気分なの?それを毎日?と改めて姉のすごさに気づく。

(だけどここで挫けるわけにはいかない!大丈夫あと何分かの辛抱だ。)

デパートの中を全部通るわけではない。中の人のことも考えれば、せいぜいその階のフロアを1周するくらいである。
そしてちょうど今半分まで来た。
ヘトヘトだった体を奮い立たせ、残り半分に力を尽くす。


283 : 着ぐるみへの初挑戦 Ⅴ :2015/06/09(火) 16:37:05
突然記憶が飛んだ。

気が付くとどこかのベッドに寝かされていた。

「あれ・・・私・・・・どうしてここに・・・」

「あ!目が覚めた!マネージャーさ〜ん!目覚ましましたよ〜!」

駆け足でマネージャーがやってくる。

「よかった〜途中で倒れたんですよ、あなた。」

「え?そうだあの後頭がボーとなって・・・あ、そうだ巡回はどうなったんですか?」

「最初は子供たちびっくりしてたけど、『ウルトラの母は前回の戦いの疲れが残ってて』とか説明したら納得してくれたわ
 あと彼にお礼を言った方がいいわ。彼があなたをここまで背負って運んでくれたから」

「彼?」

マネージャーの後ろにイケメンの男の人がいた。

「ありがとうございます。」

「いえいえ当然のことをしたまでです。礼を受けるほどのことは・・・」

(あれ?この声どっかで・・・)「あ!あなたはもしかしてウルトラの父の・・・」

「はい。ウルトラの父の担当の藤川健二です。」

私の心の中で何かが芽生えた。

「いい感じになっているところ悪いけど彼女の着ぐるみ脱がせないとダメだから男は出て行って」

クールな方のスタッフが遮るように彼を部屋から出す。

(着ぐるみ?)

自分の体を見るとマスク、グローブとブーツは脱がされているがまだ首から下はウルトラの母のままである。

「立てる?」

「あ、はい」

チャックをしたまで下ろし、腕を抜こうとするが汗が張り付いて抜けない。

「ちょっと待ってて」

水の入ったペットボトルを持ってきて、腕にかける。

「抜いてみて」

すると気持ちいくらいスポッと抜ける。

「あの名前聞いてなかったんですけど、あなたの名前は?」

「小野香菜」

「へぇ〜可愛らしい名前ですね。」

「・・・・・」

そうしているうちに足も抜け、ようやくウルトラの母から解放された。

「ありがとうございます」

「あなたは彼のことどう思う?」

「彼?えっとさっきの藤川さんのことですか?」

「そう」

「いや・・・そのカッコイイなぁと思いました。」

「そう。その水着のままだったら私服が汚れるから。これ下着」

水着は汗を吸い込んでグショグショになっていた。
どうやら小野さんがデパート内で私のために下着を買ってきたようだ。

「あ、どうも・・・(今の質問何だったんだろう?)あの下着のお金は・・・」

「いらないわ。着替えたら帰っていいよ」

「はい・・・今日はどうもありがとうございました。」

なんとなくギクシャクした感じの会話になってしまった。と考えながら家路に急ぐ私。


284 : 着ぐるみへの初挑戦 Ⅵ :2015/06/09(火) 16:53:53
家に着き玄関のカギを開ける。
すると突然中から人間台の犬が出て来た。

「ワオーン!おかえりワン!」

条件反射で犬の顔めがけて拳で殴る

「インフルエンザじゃなかったのかー!?」

すぐに中に姉がいることはわかった。

「ゲホッゲッホ・・・そんなに怒らんでも」

家の中に入って問いただす。

「いやついさっき治ったんだよ。それでびっくりさせるために・・・」

「最近お姉ちゃんの思考力がおかしい。」

「そんなことは置いといてどうだった?結構きついでしょ?」

「うん。でも面白かった。」

「そっかそっか。で例の写真撮れました?」

「あ、うん。でもこれ私だよ?」

「いいのいいのそこは妄想で何とかできるから。」

「なんじゃそりゃ」

「!?」

「どうしたの、お姉ちゃん?」

「これ・・・顔出てる・・・」

「え?だって顔出さないとわからないよね?」

「頭の天辺から足の先までウルトラマンにならないと意味がないのよ!」

「それなら誰でもいいじゃねーか!!」

姉の頭に鉄拳がとんだ。


                                  挑戦編おわり

駄文に失礼いたしました。そのうちにつづき書きます。あとエロがまったくなくてスミマセン。


285 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/09(火) 18:21:17
>>284
ぜひ続きを


286 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/09(火) 20:43:39



287 : 電車にウルトラの母 ◆zYQ/uWRKn. :2015/06/09(火) 22:40:01
続き期待しています!


288 : SCENE ◆Aij8IZLtbU :2015/06/10(水) 00:00:31
嫁さんは着ぐるみ師

第1話

俺の名前は前田裕之
大阪の工場で働いている会社員である。
嫁さんと結婚もしている。
俺の嫁さんの名前は結花
彼女は主婦の傍ら女性ばかりのボランティアの着ぐるみサークルに所属していてリーダーとしていろいろな保育園や幼稚園や児童施設などを周って着ぐるみ劇を演じたりしている。

そんなある日、俺が仕事
から帰ってくると結花が

「あなた、今日ね私達のサークルにこんな話を頂いてきたんだけど」と1枚のパンフレットを俺に見せてきた。

そこには『夏のこどもまつり』と書かれていた。

「お〜〜!懐かしいなぁ。こどもまつりやないかぁ!へぇ〜」

夏のこどもまつりというのは、毎年7月後半〜8月初めまでN県T市で行われている子供達のための夏の最大のイベントの事である。

実は俺も、小学1年〜小学6年まで毎年参加していた。

この夏のイベントでは日本中いや世界各国からの子供達が一同に概して各行事を廻ったり夜にはきらびやかなパレードを見るためにT市に集まるのである。

「実は私達のサークルにね、ぜひ子供達のために着ぐるみ劇をT市で演じてみないか?っていう話を頂いてきたんだけど…どうしたらいい?」

結花は俺にパンフレットを見せながら聞いてきた。

「へぇ〜〜、着ぐるみ劇ねぇ。ええんちゃうの?やってみたら?」
と言うと結花は

「えっ?本当に?ありがとう!でね?ちょっとお願いがあるんだけど…」

俺は結花の“お願い"と
聞いて嫌な予感がした。

「お願いて…何?」と聞くと

「実は私達のサークルって、女性ばかりじゃない?でね、やっぱり1人位は男性にも居てもらいたいんだけど…」

と、俺の顔をジッと見つめながらニコッと微笑んだ。

「まさか…その男性って…」

その嫌な予感は的中した。

「そう!そのまさかなの!話がわかるぅ♪」

その男性というのは俺の事を指していたのだった。
まさかの展開に俺は“何で?"という気持ちでいっぱいだった。

「実は、その話を頂いた時にね私の中で王子様と姫の恋を描いた着ぐるみ劇をしてみたいという思いがあるのよね」

俺は何とか逃げようと考えてみたが実は俺は着ぐるみフェチでもあり嫁さんの着ぐるみサークルの練習風景を一度でも良いから見てみたかった。

「ホンマに俺でええんか?俺でええんやったら参加させてもらうけど…」

すると結花はしてやったりの顔をして

「はい!決まり!じゃあお願いしますね!王子様♪」

こうして俺の着ぐるみサークル参加が決まったのだった。


289 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/12(金) 13:13:59
イスやソファーに人が入った話はあるのにマッサージ機についてはあまり見られない。不思議。


290 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/15(月) 21:19:03
確かに、読んでみたいな〜
支援


291 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/16(火) 09:01:03
>>288

この小説は1話完結なのか?それとも続きがあるのか
今から4日間更新されない場合は順番を待っている人に譲ってください


292 : これって着ぐるみ? ◆zYQ/uWRKn. :2015/06/16(火) 12:56:12
一人暮らしの狭い部屋には似つかわしくない2人掛けのソファ、そしてマッサージチェアーがある。

この部屋の主である男は帰宅すると、まずソファに座りテレビをつける。
そして、合皮のどこにでもありそうなソファに横たわる。

何気ない光景であるが、違うところが一つある。
男が横になると、「んぅぅぅ」とソファの中から女性の声が漏れる。
その声に男は満足そうな笑みを浮かべながらテレビを眺めていた。

その部屋にインターホンが鳴り響く。
男は渋々といった様子で立ち上がると玄関へと向かう。

そして、扉を開ける。
そこには若く美しい顔立ちの女性が立っていた。
男と何やら会話を交わした後、部屋へと入る。
女性は部屋に入ると、いきなり服を脱ぎ始めた。
男は女性の裸には目もくれず、マッサージチェアーの背面で何かをしている。
女性は裸になると、今度は持ってきた大きめのバッグから黒いラバースーツを取り出し足を通していく、みるみる彼女の体は顔を残し黒いゴムで覆われてしまった。

男はマッサージチェアーから彼女の元に戻ると、彼女に耳栓をし口にはボールギャグ、そして頭に鼻の穴のみ開いたマスクを被せ、手にはボールのようなグローブを取りつけた。
これで彼女は聴覚、視覚、言葉を奪われた上、両手の自由までも奪われてしまい1人ではなにもできなくなってしまった。

そんな彼女の手を引き、男はマッサージチェアーへと誘導する。
ピッタリとしたラバースーツに押し潰されないほど大きな胸に触ることなく。

そしてそのまま彼女をマッサージチェアーの中へと押し込める。
彼女もまた抵抗することなく、その中に収まり、男はマッサージチェアーの背面の複数あるファスナーを内から順に閉めていく。

ファスナーを閉め終わると男はマッサージチェアーに勢いよく座る。
それを合図にマッサージチェアーは動き出す。
丸いボールのような揉み玉が男の背中をほぐしていく。
揉み玉が丁度良いところにくると、男が合図を送る。
すると揉み玉はそこをマッサージし続ける。

マッサージは10分程続いている、ラバースーツに身を包み、満足に呼吸のできないマスクを被せられ、マッサージチェアーに閉じ込められた彼女は一体中でどうなっているのだろう。


293 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/16(火) 14:49:52
激しく期待


294 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/16(火) 15:26:38
いい・・・いいねこれ

GJ部だよ


295 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/16(火) 17:16:48
素晴らしい・・・感動した、ぜひ続けてほしい。


296 : これって着ぐるみ? ◆zYQ/uWRKn. :2015/06/16(火) 18:25:25
そんな時、インターホンが再び部屋の中に響く。
男はマッサージチェアーから立ち上がり、玄関へと向かう。
男が退いたマッサージチェアーからは、苦しそうな呼吸が聞こえる。

男が玄関を開けると、髪の長い小柄な女性が立っていた。
男はなにも話さず女性を部屋へと通す。
女性はかなり小柄で150cmにも満たない。
そんな彼女もまた服を脱ぎ始めた。

またも男は女性には目もくれず、奥の部屋へと入っていく。
小柄な女性は、あらかじめ競泳水着を身につけていた。
これから水泳でも始めるかのように、長い髪をゴムのスイミングキャップに収める。

小柄な女性が髪をキャップに収めたとき、男が奥の部屋から出てきた。
右脇には大きなクマのぬいぐるみ、左手には業務用ラップ。

小柄な女性は男の姿を見ると、床に座り込み左腕を曲げる。
男はポケットから何かを取り出した。
それは包装の解かれたいくつかのコンドーム。
男はその一つを取ると、小柄な女性の畳まれた左腕の肘からコンドームを被せていく。
被せ終わるとすぐにそれが外れないように、その上からラップをキツく巻いていく。

その同じ作業を右腕、そして両脚にも同じように施した。
もちろん、脚は曲げた状態で。

こうして、両手両足が使えなくなった小柄な女性に耳栓をし、口の部分のみ開口したバルーンマスクを被せて、膨らませる。

そして用意していたクマのぬいぐるみの背中を開く。
そして小柄な女性をクマのぬいぐるみへと押し込めていく、折り畳まれた脚から順番に。

最後にクマの鼻の呼吸穴へと伸びるホースをバルーンマスクの開口部へと突き刺し、クマの頭へと押し込む。
クマのぬいぐるみの背中の部分を完全に閉めてしまうと生きたクマのぬいぐるみのできあがり。

クマのぬいぐるみは両足で立とうとするが、フローリングに足を取られ、仰向けに転倒。
短い両手をバタバタさせるが、起き上がれない。
必死に体を左右に振りうつ伏せになろうとするが、全くできなかった。


297 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/17(水) 01:40:50
>>296
2話もgj


298 : これって着ぐるみ? ◆zYQ/uWRKn. :2015/06/17(水) 06:01:06
男は少し疲れた様子で、床で起き上がろうとバタバタするクマのぬいぐるみを一瞥すると、テレビを消して奥の寝室へと消えていった。

テレビの消えたリビングダイニングには、人影はなかったが、複数の呼吸音がはっきりと聞き取れた。

その呼吸音はソファ、マッサージチェアー、床に転がったクマのぬいぐるみ、そしてダイニングのイスの二脚から聞こえてくる。

ダイニングのイスは二脚とも、黒く光沢を帯びている。
見た目からして人の形をしているが、顔はなく頭は卵のような形をしている。
イスの脚はピンヒールを履いたような脚が2本と、お尻を支えるようにして伸びる脚の計3本。

背もたれには2つの大きな膨らみがあり、よく見ると動いているのが見て取れる。

男がいなくなった部屋では、動くモノはいなくなり、ただただ呼吸する音だけが部屋を覆っていた。


299 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/17(水) 08:58:43
さまざまな家具を自然に描く所がすばらしい
ひとつの題材(マッサージチェアー)に集中しながらもクマのぬいぐるみやイスの中の人にことも描かれている所もいい


300 : これって着ぐるみ? ◆zYQ/uWRKn. :2015/06/17(水) 18:12:01
奥の寝室では男が寝る準備を始めていた、とはいっても服を脱ぎ下着姿になっただけである。
そしてそのままベッドに腰掛ける。
「んぅぅ」マットレスの中の方から声が聞こえてくる。

男はその声に全く動じることなく、そのままベッドに横になる。
「ふぅん、ふぅん」と力を入れるような女性の鼻息とも呼吸とも取れる音がマットレスの中から少し続いたが、それもすぐにやんだ。

男はベッドの端にあった抱き枕に抱きつく。
この抱き枕は白いエナメル素材でできており、上の部分は円筒状で下の部分は円筒を2つに割った半円筒状になっており脚のようになっている。

男は抱き枕の脚のようになった部分に自分の左脚を挟み込むようにし、抱き枕に自分の股間を擦りつけた。
抱き枕は始め、されるがままだったが執拗な男の股間攻撃に、ついには体をよじって、やめてといった感じで抵抗を始める。

そして「いい加減にして、バカ!」
抱き枕が言葉を発した。
男は驚き抱き枕に抱きつくのをやめた。
抱き枕は半円筒の脚をうまく使いベッドから降りた。

そして、上半身を振り回し男に反撃する。
あまりの抱き枕の攻撃ぶりに男は堪らず、「ゴメン、悪かった、調子に乗り過ぎた」と謝罪した。

すると、抱き枕は動きを止めたが、激しく動いたせいで抱き枕は前かがみになり、苦しそうな様子を見せる。
もちろん、抱き枕から漏れる呼吸音も荒い。
そしてそのままベッド脇の床に、女の子座りでへたり込んだ。


301 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/17(水) 22:50:35
支援


302 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/17(水) 23:35:24
かつて小説スレ創立以来のBIG3のうちの1つと呼ばれた「玩具」と似ていてヌケル


303 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/18(木) 00:11:23
GJ
後小柄な女性にクッションとか座布団とかに入ってもらいたいw


304 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/18(木) 01:07:20
>>303
抱き枕の内綿(?)が正されるがままになっていない所に萌えました。



305 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/18(木) 01:20:58
無造作に置かれた小さなカバンとかスーツケースの中にも・・・


306 : scene ◆Aij8IZLtbU :2015/06/18(木) 01:24:51
嫁さんは着ぐるみ師

第2話

あれから2ヶ月後、俺は嫁さんに連れられ着ぐるみ劇の稽古場に連れていかれた。

そこは、自治体が管理している小さな公民館だった。

「どうぞ、入って♪」
嫁さんにそう言われて中に入ると、稽古場にはいろんな動物の着ぐるみ達がテープの声に合わせて身振り手振りだけで稽古をしていた。
猫や犬やリスなどの動物だった。

「はーい、みんなぁ。ちょっと集まって」
ウチの嫁さんの集合のかけ声に動物達が集まってくる。

集まった着ぐるみは、全部で7人いた。
「みんな、紹介するね。この人がウチの旦那の裕之。今日から私達の劇団に入る事になりましたぁ。よろしくね」

そう言うと、動物達は自分の頭を取る。
すると、中から出てきた顔は20代前半〜後半位の若い女性達だった。

「あれ?全員女性の方だったんですか?みなさん、綺麗というか可愛い方なんですね。あっ……初めまして、僕は結花の旦那の前田裕之といいます。よろしくお願いいたします」

着ぐるみの中に入っていた女性達は、俺に笑顔で会釈してくれた。
俺はこんなにも可愛い女性達に囲まれて劇に参加するなんて、なんて幸せ者なんだと一人感慨深い想いに浸っていた。

このサークルの女性達は、ほとんどが結婚していて子持ちの主婦だというがとてもそんな風には見えなかった。
ウチの嫁さんも28歳で、この着ぐるみサークルでは一番年上でリーダーである。
俺にはもったいない位のアイドル風の可愛い顔立ちをしている。

「この中で…男は俺一人…天国だ!!」

そう思うと俄然やる気がみなぎってきた感じがした。
「さぁ!自己紹介も終わったし、私も着ぐるみに変身してきますか!みんな、また練習に戻って。私もすぐに参加するから」

「はい!」

集まっていた女性達は、再び着ぐるみの頭を被って顎ヒモを閉め稽古を再開した。

俺はそのふかもこ系の着ぐるみのマスクオン・マスクオフ姿を、こんなに間近で見れるだけでもすごく幸せだった。

結花も壁側に置いてあった洋服などを入れたりする大きなクリアケースのフタを開けると、ピンク色のふかもこのウサギの衣装を出し着込んでいく。

「裕之、悪いけど背中のファスナー上げてくれない?」

「ん?えっ?ああっ…わかった」

着ぐるみフェチの俺は、さきほどの光景に興奮していた。
震える手で着ぐるみのファスナーを上げていく。
自分の嫁さんとはいえ、このファスナーを上げる行為も俺にとっては初体験でありかなり興奮気味でもあった。

「ありがとう、じゃあ私は今からウサギちゃんになりまーす」

結花はウサギの頭を手に取ると、自分の顔に被り顎ヒモを閉める。
結花はウサギになって稽古に参加した。

これから俺は、こんな素敵で幸せな着ぐるみの世界に囲まれて劇に参加出来る事に俺の着ぐるみフェチ魂は頂天に達していた。


307 : これって着ぐるみ? ◆zYQ/uWRKn. :2015/06/18(木) 06:23:47
疲れて動けなくなったのかと、男がベッドの上から覗き込むと、抱き枕の上部分の円筒のてっぺんからジッジッと音がして円筒のフタが開いた。
中から出てきたのは黒いゴムの手、続いてのっぺらぼうの頭。
そして全身ゴム、黒いラバースーツに身を包んだ女が飛び出し、勢いよく男に飛びかかる。

そして「ふざけないで!マジメにやって」そういうと女はラバーマスク越しに男にキスをした。
女が先ほどとは打って変わって、優しく言う「明日、がんばって、お願い」と、そして女は少し呼吸が落ち着いてから、先ほど飛び出し、もぬけの殻となっていた抱き枕へと再び入っていく。


308 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/18(木) 09:11:09
小説スレのBIG3のすべての作品名ってわかりますか?
それって今でも読めるのですか?


309 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/18(木) 11:01:05
>>302
「玩具」と「これって着ぐるみ」同じ作者だから、話似てきます。


310 : これって着ぐるみ? ◆zYQ/uWRKn. :2015/06/18(木) 11:11:27
抱き枕の中の女は、これらの家具をデザインしたデザイナー。
男は海外から家具を輸入する傍らフェチなグッズを輸入し取り扱っていた。
2人が出会ったのは、男の輸入家具のお店。

女が人の形に見える家具を見つけたことが、人間家具を始めるきっかけとなった。

女は人を家具に入れて恋人へのサプライズとして送ることを思いついた。
男はそんなバカげたことをする人はいないと否定したが、男の予測に反して入ってみたいという希望者があり、それはまた女性ばかりであった。

こうして、人も集まったので実験的に行ってみようということになり、男の部屋で実験が開始された。

まずはどれほどの時間耐えられるか。
女も抱き枕として、自分自身も実験に参加。
他の女性は動きはもちろんなのだが、見ること、聞くこと、話すことを制限される条件を了承してもらった上で家具等に入ってもらっている。

一晩、家具として過ごしてもらった後、家具として梱包され男の家具店へと配送される。
そこでようやく家具から解放される。
最後に用意したアンケートに答えてもらい、希望があれば、入っていた家具を格安での購入も可能。


311 : これって着ぐるみ? ◆zYQ/uWRKn. :2015/06/18(木) 18:42:44
人間家具と化した女性達に囲まれて一夜を過ごした男。
早朝から家具の梱包作業を開始する。
男は手慣れてた感じで家具の梱包を施し、自分で配送する。

まずは、抱き枕。
プレゼントを想定して細長いビニール袋に入れて封をする、少しの空気穴を残して。

先行して抱き枕の女を店に配送し、男は部屋へ戻り人間家具が傷まないようにしてから、次々と店へと運ぶ。
抱き枕の女はその間に着替えを済ませ、人間家具が運ばれてくるのを待って、2人で彼女達を解放していくという段取り。

男はビニール袋に入れた抱き枕を肩に担ぐと軽自動車へと向かう。
抱き枕は屋外ということもあり、おとなしくしている。

軽自動車に載せて、車が動きだす頃にはビニール袋には水滴がつき曇り始めていた。
店に着いた時には、声は出さないものの苦しそうにビニール袋の中でしきりに細かく動いていた。

男は車の中で、ビニール袋を開け新鮮な空気を入れてやる。
落ち着いたようで、抱き枕の動きも収まる。
それから、再び封をすると男は抱き枕を肩に担ぎ店へと運ぶ。


312 : これって着ぐるみ? ◆zYQ/uWRKn. :2015/06/18(木) 22:43:20
店の中でソファに包装されたまま抱き枕は降ろされた。
包装を解かれるまで、ジッと待つ抱き枕。
しかし、男はその様子を少し離れたところから眺める。

しばらくすると、再び呼吸が苦しくなり、動き出す抱き枕。
「早く出して!苦しい!」
大きな声を上げ、動きは一層激しくなる。
そして、ソファから落下。
「痛っ!」
全身がクッションのような抱き枕、それほど痛くはないのに大袈裟だと思いながら、その様子を眺める男。

女は苦しさから、抱き枕からの脱出を試みるが、男は中から女が自分では出られないように細工してあった。
「もう、なんで開かないの」叫びにも近い言葉がビニールに包まれた抱き枕から漏れる。

それでも必死にもがく、しかしエナメル素材でできた抱き枕はビニールに擦れるだけで破れることはなかった。

「たすけて!」最後の力を振り絞って叫んだ。
ここでようやく男が動き出す。
ビニール袋を破り、抱き枕を出すとソファに乗せ、抱き枕の上部を開ける。
中には黒い頭が見えるが飛び出してはこない。
男は抱き枕の中に腕を突っ込み、ぐったりした全身ラバースーツの女を抱き枕から引っ張り出した。


313 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/18(木) 23:01:05



314 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/19(金) 00:21:29
やはり片方は人間家具のデザイナーだったかw

つ④


315 : これって着ぐるみ? ◆zYQ/uWRKn. :2015/06/19(金) 07:04:31
力なく抱き枕から引き出された女のマスクを男が外す。
中からは長い髪、そして綺麗な顔立ちの女の顔が現われた。
今、巷で話題になっている美しすぎる家具デザイナーとして、名前が売れ始めているだけあって、素っぴんでもかなりのものである。

女は呼吸ができなくて怖かったのだろう、目には涙が滲んでいる。
そんな女を男は優しく抱きしめた。

いつもは気の強い女も、今のような呼吸制御をしてやると、途端におとなしく従順になる。
「家具運んでくるから」といって、涙ぐんでいる女の頭を撫でると、男は店を出ていった。

男は仕事用のトラックに乗り換えると、自宅へと向かう。


316 : これって着ぐるみ? ◆zYQ/uWRKn. :2015/06/19(金) 12:22:38
男が自宅に着くと、ソファの横に仰向けでクマのぬいぐるみがいた。
ソファやマットレスを運び出すのに邪魔になるので、寝室の奥へ移動させようと持ち上げると、変な声を発して動き出した。
おそらく今まで寝ていたのだろう。

男は寝室の奥の壁にクマのぬいぐるみを座らせた状態でもたれ掛けさせると。
寝室のマットレスを運び出した。

途中、男の後ろで音が聞こえたので振り返るとクマのぬいぐるみが立ち上がり、二足歩行でこちらへ歩き始めていたので、家具の運び出すのに邪魔にならないよう、ドアを閉めた。

クマのぬいぐるみはそれほど大きくないので、最後に助手席にでも載せて、男は運ぶつもりでいた。

まずマットレスやソファに緩衝材を簡単に巻いてからトラックへと積み込む。

続いて、ダイニングのイス。
こちらは入念に緩衝材を巻いていく。
それもそのはず、人の部分がほぼ剥き出しになっているからだ。
また、男はこのイスの背もたれの柔らかく大きな膨らみを触りたい衝動とも必死に戦い自分を抑えた。

ダイニングのイスは緩衝材を巻いた上から、さらにビニールを被せ、トラックに積み時は横向きにして積んだ。

次にマッサージチェアー、こちらも寝ていたようで緩衝材を巻くため、移動させた際驚いたようで、揉み玉である手が激しく動いていた。

それでもすぐに自分の状況を把握したようで、揉み玉の動きは落ち着いた。
そして、トラックはマッサージチェアーを載せると、男の自宅を出発した。


317 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/19(金) 13:05:10
家具商の男によるポゼッションプレイに興奮しています。



318 : これって着ぐるみ? ◆zYQ/uWRKn. :2015/06/19(金) 18:18:32
トラックで一度に運ばれてきた家具たち。
女もシャワーを浴び、化粧まで済ませ準備万端という様子。
ただ、一日中ラバースーツを着ていたせいで、ボディソープの香りに混じり、ゴムの匂いもしていた。

家具を男が運び、女が梱包を解いていく。
家具から解放していく順番については先に入った人から解放すればよかったのだが、最初に入ったマットレスやソファに入った女性は中で眠っているらしく、顔のある辺りに耳を近づけると寝息が聞こえてきた。

その次に長いのは、ダイニングのイスの2人。
友だち同士で参加してくれたが、どうも片方の女性は辛くなってきたようで、小刻みに揺れている。

ダイニングのイスのベースには光沢のある黒の3本脚がある。
前方の2本の脚の先はハイヒールになっており、後ろの1本は普通のイスの脚。
全身ラバースーツを着た女性が、ハイヒールを履くことで、イスの脚は完成となる。

座の部分はベースがお尻の型になっており、若干後ろに下がっている。
後ろに下がっていることで、イスとなる女性の足が上方へ突き出すことで脚が長く、見た目が良くなる。

イスとなる女性は、座の部分に座り太ももから腰の付け根にかけて、使用者の座となるパーツを被せるように取り付け、ネジで固定する。
これで女性の足の自由は奪われた。
背もたれは人の背中を型取ったもので、イスのベースと一体で女性の背中をしっかりと支えることができる。
その背もたれからは腕を突き出したとき下側にベースがくるように、肘掛けが伸びている。
肘掛けの先は半球状になっており、女性が手をグーにして入れ、上からフタをし完全な球形にする。

肩から胸の下辺りまで、背もたれに固定するパーツをこれもネジで取り付ける。
このパーツは二の腕、首も完全に固定してまうが、乳房の所だけは穴が開いており、座る人の背中に当たるようになっている。

体を完全に固定、ラバースーツの露出しているところは足の膝から下、お腹、胸、肘から先。
自分では体を動かせなくなった女性に顔も耳もない全くの、のっぺらぼうのマスクを被せる。
マスクは首を固定するパーツに接触していて全く動かせなくなる。


319 : これって着ぐるみ? ◆zYQ/uWRKn. :2015/06/19(金) 18:19:55
”説明が長く分かりにくくなってしまいました、すみません”


320 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/20(土) 00:39:44
>最初に入ったマットレスやソファに入った女性は中で眠っているらしく
中に入っている内綿が大人物過ぎるwww




321 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/21(日) 18:04:42
やっぱりすごい!



322 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/22(月) 15:41:54



323 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/22(月) 17:46:30
続きが楽しみです!


324 : これって着ぐるみ? ◆zYQ/uWRKn. :2015/06/22(月) 21:23:50
こうして、時間と手間をかけてできたイスは最後に光沢剤を全体に塗る。
ベースとなる素材は薄い強化プラスチックで、ラバースーツの露出している箇所も光沢剤を塗ってしまうと、境目が分からないほどになった。

これがデザイナーである女の今回の傑作の人間家具。

ネジで数カ所固定しているため、取り付けも大変だったが、これらの工程を遡りイスのパーツを外していく。
かなりの時間を要し、2人は女性たちは解放された。
しかし、体を一日中固定されていたため、すぐに立つことはできず、少ししてからようやく立ち上がることができた。

イスから解放された女性たちは女に案内され、ラバースーツ姿のまま、シャワー室へと向かう。

イスだった2人の女性の胸が形もよく、大きかったので少しくらい触れば良かったかなぁと後悔しながら、マットレスの女性を解放しながらも、男の目はシャワー室へと消えていく女性たちを追っていた。


325 : これって着ぐるみ? ◆zYQ/uWRKn. :2015/06/22(月) 21:31:31
すみません、スマホからのペースト上手くいきません。
コツがあったら教えて下さい!


326 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/22(月) 21:41:57
気合


327 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/23(火) 00:27:36

新しいkigurumiの可能性の地平線を見ているかのようだ




328 : これって着ぐるみ? ◆zYQ/uWRKn. :2015/06/23(火) 15:09:33
続いてマットレスとソファだが、ファスナーが取り付けてあり、至ってシンプルな構造。

マットレス、ソファの真ん中部分がくり抜かれていて、その部分に女性を入れてファスナーを閉めればできあがりなのだが、ただ入ってもらうだけでなく、物に成り切ってもらうための作業が入る。

まずは厚手のウエットスーツを着てもらう。
手も足も顔も一切露出の無いもの。
あるのは鼻の部分に空いた呼吸用の穴だけ。

そして、ウエットスーツを着るときは耳栓をし、音を遮断する。
これだけでも十分、外部と隔離された感はあるが、クッション性がない。

そのため、ゴムでできたバルーン寝袋に入ってもらう。
バルーン寝袋は空気を注入することができ、膨らみマットレス、ソファとしてのクッション性が出る。

ただ、バルーン寝袋は外側に膨らむだけではなく、内側にも膨らむため、中の女性も同時に圧迫し動けなくする。

この状態でマットレス、ソファに女性たちは閉じ込められていた。


329 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/23(火) 21:23:42



330 : これって着ぐるみ? ◆zYQ/uWRKn. :2015/06/24(水) 08:52:13
ソファとマットレス、それにダイニングのイスの2人については、男がまだ働いている時に男の部屋へとやってきて、デザイナーの女によって人間家具にされ、女自身も抱き枕として仕事が終わりの男の帰宅を待っていた。

男が帰宅してからはご存知の通り、マッサージチェアーとクマのぬいぐるみについて説明の必要はない。
ただし、付け加えるならば先の4人はネットによる希望者。
マッサージチェアーは、男の家具店のフェチグッズのコーナーに貼られたチラシを見ての応募、クマのぬいぐるみは2人の共通の知り合い。

さて、マットレスとソファの人間家具にされた2人を解放するため、奮起する男だったがバルーン寝袋がしっかりと挟まり引っ張り出そうとするが、男の力でもビクともしない。
「よくこんなものを中へ入れられたなぁ!?」
「女のくせに怪力か?」
と男が一人言をボヤきながら、バルーン寝袋を引っ張ってる後ろに女が戻ってきていた。

「誰が怪力って?」
「•••••••」
なにも言い返せない男に女が続ける。
「中へバルーン寝袋をひいてからそこへ入ってもらい、空気を入れて膨らましたのよ」
「少しは頭使いなさい!」

男は慌ててバルーン寝袋の空気口を探す、そして口を見つけると空気を抜き始めた。
空気は勢いよく抜けていく。
こうして、また女性2人が解放され、女は全身ウエットスーツ姿のままの女性たちをシャワー室へと手を引いて誘導していく。

男はまたしても女性たちの顔を拝むことはできなかった。


331 : これって着ぐるみ? ◆zYQ/uWRKn. :2015/06/24(水) 09:40:40
次にマッサージチェアーの解放に取り掛かる。
自分で人間家具にしたので、解放はお手のもの。
マッサージチェアーの背後に回り、複数あるファスナーを次々に開けていく。
最後のファスナーを開けると、男の腕に体重が掛かるのがわかった。

中の女性はお尻から二つ折りになるようにして外へと出てきた。
中から引き出そうと準備していた男は慌てて抱き抱えるようにして、女性を受けとめた。

女性が自ら希望したボールギャグが、呼吸を妨げ苦しそうであった。
男は女性を抱き抱えながら、片手でマスクを外そうとしたが、なぜか女性は拒否。
イヤイヤといった仕草を見せる。

「どうして?」男が話しかけるが、耳栓をしていて女性にその声は届かない。
その間にもマスクの繋ぎ目からは、涎とも汗とも分からない液体が流れ出る。

男は女性の背後に回り、マスクを剥がす。
少し抵抗したものの、マスクを取ることに成功した。
女性の背後からマスクに続いてボールギャグ、耳栓を外す男。

女性は最後は抵抗することなく、それを受け入れた。
改めて男は「マスクを外すの、イヤだった?」優しく問いかけると。
女性は「拘束されている感じが良くて」と、消え入りそうな声で、恥ずかしそうに下を向いて答える。


332 : kiki :2015/06/24(水) 16:04:01
ラバースーツの生地が持つ独特の感触がよいです。
あの不思議な見た目は一回くらい着てみたいと思いますでしょうねぇ。
キャットスーツ姿を好んで見ること・・・
自ら着て、性的嗜好を満たすこと・・・
両方も大好きです。

http://www.jpzentai.com/japan-wholesale-415.html


333 : これって着ぐるみ? ◆zYQ/uWRKn. :2015/06/24(水) 22:23:19
男はそれを聞くと近くに女がいないことを確認し、「また人間家具、お願いできる?」
マッサージチェアーの女性が頷く。
続けて、「今度はもう少し拘束具を増やしてみようか?」と男がいうと、まだボールギャグの痕が残り、顎の辺りに涎が残った顔を男の方を向け、ニッコリ微笑んだ。
その顔は女性というよりは、少女のような表情だった。

少女の表情から、すぐに女性の顔に戻ったと思うと女性は「あ、どうも」といって、男の後ろに視線をやる。
女が戻ってきた。
「何か変なことされませんでした?大丈夫ですか?」男の方を見ながら戻ってきた女が女性に尋ねる。

「いいえ、何も」
「シャワー室が空いたので行きましょ」女が女性の手を引く。
女性も慌てて立ち上がりついていく。

何かを思い出したように女は振り返り「ラストよろしく」女はそういうと女性とシャワー室の方へと消えていった。

マッサージチェアーのあの若く綺麗な女性が、ドMなのか。
男の頭の中では、次回あの女性をどう攻めてやろうかと想像していたが、途中恋人関係にもある家具デザイナーの女が想像の中まで割り込んできて、男は何度か頭を振った。


334 : これって着ぐるみ? ◆zYQ/uWRKn. :2015/06/24(水) 22:25:12
それでも、男の頭の中はどんどん妄想で満たされていく。
先ほどマッサージチェアーから出てきた女性が、ラバースーツを着て目の前に立っている。
顔は少女のような表情を見せ、そして恥ずかしそうにラバースーツと一体となったマスクを被り、背中のファスナーを器用に自分で閉めれば、肌の露出は全くなくなってしまった。

ラバーマスクの口の部分には、コンドームのようなものが付いており垂れている。
女性はそれを自分の口へと収める。

そして、目が見えないので手探りで男へと近寄ってくるラバードール。
男の体に触れると、今度は膝を床につけ男のズボンのベルトを手で探すと、外し始める。

ベルトを外し男のペニスを引き出すと、今度はゴムの手でシゴき始める。
ペニスの大きさを確認するように何度も撫でる。
男のペニスが次第に硬く大きくなると、次はコンドームのようになった口にホウバリ、刺激を与え続ける。

あまりの気持ちの良さに男も堪らず、ラバードールの頭を両手で掴むと激しく動かす。
激しさを増す程に、ラバードールの呼吸も激しくなる。
マスクの鼻のところに空いた小さな穴では、とても呼吸が追いつかず、ラバーマスクが張り付き女性の顔が浮き出る。

それでも女性は男のために精一杯の奉公に努める。
そして女性に応えるかのように男はフイニッシュ。

ラバードールから男のペニスが抜かれる。
ラバーマスクの口からは、白い粘液が床に垂れ落ちる。
それを男は優しく拭いてやると、ラバードールは男に近づき、ラバーマスク越しで篭った声であったが「今度は私の番、痛いのはやめてね」と。


335 : これって着ぐるみ? ◆zYQ/uWRKn. :2015/06/24(水) 22:26:22
男は女性にお返しとして、重ね着をしての圧迫と呼吸制御を考えた。

好きだったようなので、コンドームの口にボールギャグを取り付け、その上からのっぺらぼうのゴムのマスクを被せてやる。
「あぁぁぁウゥあ」苦しさから言葉にならない声を上げる。

ラバードールの体に男はローションを塗り、光沢の出た体にネックエントリータイプのラバースーツを着せる。
妙な締め付け感に気持ち良くなったのか、ラバードールは太ももをこすり合わせるようにして体をくねらせる。

その上から、ゼンタイを。
そしてパンストを次々に被せていく。
かなり苦しいようで、着せられたものを剥ぎ取ろうとするが、手がパンストが邪魔をして指が使えない。

重ね着を繰り返し、中の女性の体型が想像できない程に膨れている。
手足を曲げることができず、指もなくなって床をのたうち舞う。
苦しんでいるのに、彼女はこの状況を一人楽しんでいる。
そんなことを思うと男も興奮してきたが、床を這い回る姿はまるで、クマのぬいぐるみ。

”‼︎ ” ” クマのぬいぐるみ! ”

男は膨れ上がった妄想から、現実に引き戻される。
と同時に女の言葉が出てきた。
”ラストよろしく”
つまり、クマのぬいぐるみから女性を解放すること。

辺りを見回す男、そして重大なことに気づいた男の顔は焦りに満ち、慌てて店を飛び出していく。


336 : これって着ぐるみ? ◆zYQ/uWRKn. :2015/06/24(水) 22:27:44
大きな家具を運び出すのに邪魔だったんで、寝室の隅に移動させて、最後にトラックの助手席にでも載せようと思い忘れてきた⁉︎

大急ぎで自宅へと戻る。
クマのぬいぐるみは、家具デザイナーの女の妹。
姉妹よく似ていて2人とも美人。
それもそのはず、双子なのだから。

家具デザイナーの姉は昔からどちらかといえば、おとなしく、妹の方は活発であった。
妹はずっと新体操をしていたが、ケガをしてからは新体操も辞めてしまい今は普通にOLをしている。
それでも体は相当に柔らかく、運動神経もいい。
姉がふざけて、「体を小さくしてクマのぬいぐるみに入ってよ」と声をかけたところ、「面白そう」といって参加してくれた。

家具デザイナーの女は、男にも内緒で男の自宅の2部屋と家具店内の数カ所にカメラを設置してあった。
女は募集を募った時点で、人間家具の動画を撮影するつもりでいた。

撮影のことは、この姉妹だけが知っており、男にはヒミツにされていた。

男が奇跡的にも参加者にイタズラしなかったことは男自身を救うことになったが、家具デザイナーの女が入っている抱き枕にしたことには、撮影が台無しになるので、女が怒ったのである。


337 : これって着ぐるみ? ◆zYQ/uWRKn. :2015/06/24(水) 22:38:03
自宅に戻ってきた男は、寝室へと飛び込む様に入っていく。
寝室の隅に座らせたはずのクマのぬいぐるみがいない⁉︎

慌てて周りを見渡すが、見当たらない。
マットレスのなくなったベッドの奥にクマの耳と頭が見えている。

どうやら、自分で移動したようだ。
男が声を掛けようとしたとき、クマのぬいぐるみは器用に立ち上がり、ベッドに手をかけて体を支えるようにして歩き出した。

「歩けるの?」男は思わず声をかけたが、耳栓をしバルーンマスクを被っているため、男の声は届かない。

それでもヨチヨチ歩きで、クマのぬいぐるみは知っているかのように、男の方へと近づいてきた。
そのあまりの愛らしさに、男は自分からも近づきクマのぬいぐるみを抱きしめる。

クマのぬいぐるみは急に抱きつかれたことに驚き、妙な声を上げた。


338 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/24(水) 22:42:10



339 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/25(木) 01:59:32
監視カメラとかデザイナー女の方が一枚上手だったw


340 : これって着ぐるみ? ◆zYQ/uWRKn. :2015/06/25(木) 09:44:27
男はクマのぬいぐるみの背後に回ると、クマのぬいぐるみの背中を開く。
そして、バルーンマスクの空気を抜き妹の頭を引き出す。
そしてバルーンマスクを外す。
妹は眩しそうにしながら、部屋の照明から目をそらす。

男は妹の耳栓を外し、謝罪する。
「ゴメン、遅くなって」
妹はまだクマのぬいぐるみを着たまま、キョトンとした様子で男を見ている。
そして「え!どうしたんですか?」と。
男は妹だけを店に運び忘れたことを説明した。

妹は頷き、事の次第を理解したようで「気にしないでください!ほとんど寝てましたし、それに歩けるようになり、いい感じですから」と笑顔で男に答えた。

男はホッとした表情を浮かべたが、妹は続けて「いいんですけど、お願いしたいことが」
少しビクつく男。
普段、家具デザイナーの姉のお願いが突拍子もないことが多かったからだ。

何をお願いされるのか、心配しながらも妹に尋ねると「私をもう一度クマのぬいぐるみに戻して下さい」と。
そして「寝室のクローゼットの前にある、スーツケースに入れて運んで下さい、運ぶ場所は家具屋さんでなく、私の彼氏のところに」

少し間があり、「ぬいぐるみとして動けるようになったので、彼を驚かせたいんです」と。


341 : これって着ぐるみ? ◆zYQ/uWRKn. :2015/06/25(木) 16:42:16
妹は自分のカバンをクマの短い腕で指し、「あのカバンに彼の家の鍵が入ってます、それから住所言いますんで、メモして下さい」

男は語尾こそ丁寧だが、なんだか恋人である姉に指示されている気分になってきた。

「スーツケースを見て思いついたの、私とお揃いのだから、彼の家に置いてあっても変に思われないと思うので」イタズラを思いつき少女のような表情で話す妹。

「だったら、そのバルーンマスクをやめて顔だけが露出するようなバルーンマスクに替えてみる?」と男が提案。
「それなら、クマのぬいぐるみの目を通して彼が帰ってきたこともわかると思うよ」

それを聞いて、妹は嬉しそうにウンウンと頷いている。

今被っているバルーンマスクを引っ張って脱がせると、中に被っていたスイミングキャップも一緒に脱げて、長い髪があらわになった。

男が別のバルーンマスクを用意し、あらわになった妹の長い髪を慣れない手つきで、スイミングキャップへと収める。
そして、新たに用意したバルーンマスクを妹に被せ、クマのぬいぐるみへと戻す。

「どう?」ぬいぐるみの前で男が手を振ってみる。
「あぃよぅうへふ」呼吸用のパイプを咥えているので、ハッキリとは話せないが、大丈夫のようだ。


342 : これって着ぐるみ? ◆zYQ/uWRKn. :2015/06/25(木) 17:10:03
クマのぬいぐるみは、前方に倒れ四つん這いになってから、いとも簡単に立ち上がる。
その無駄のない動きから、さすが新体操選手と男を絶賛させた。

クマのぬいぐるみは立ち上がると、スーツケースへと向かって歩き出す。
そして、スーツケースに辿り着くと短い腕でスーツケースを叩き、早く運んでと言わんばかりであった。

男は包装用のビニール袋をクマのぬいぐるみに見せ、「プレゼント包装しますか?」と尋ねると、クマのぬいぐるみはウンウンと応えた。

男がビニール袋の口を開いてやると、クマのぬいぐるみは自分から、その中へと収まった。
ぬいぐるみの頭は出したままで、ビニール袋の口をクマのぬいぐるみの首のところで締めて、プレゼントらしくリボンをつけた。
「これで君はプレゼントのクマのぬいぐるみ、だからもう声を出さないように!」男がそう言うと、クマのぬいぐるみの頭が少し動いた。

男はそのままクマのぬいぐるみを抱えると、スーツケースへと入れ、ケースを閉めロックを掛けて運ぶ準備にかかる。
部屋を出てガラガラとスーツケースを車へと運ぶ。

スーツケースの中は、頭こそでているがビニール袋に入りクマのぬいぐるみに閉じ込められた妹はかなりの暑さを感じていた。
加えてこの揺れ、物として扱われているが、逆にこのことで少し興奮を覚えて始めていた。


343 : これって着ぐるみ? ◆zYQ/uWRKn. :2015/06/25(木) 17:11:13
車に着いたようで、スーツケースが転がるのが止まった。
しばらくすると、体が浮き上がる感覚。
そして今度は体制が横向きになった。
「ちょっ…」ちょっと待ってと叫びたかったが、自分がぬいぐるみであることを思い出し、言葉を発するのをやめた。

スーツケースを車に積み込むのに縦向きのままでは載せることが出来ないので、横向きにしたのだがクマのぬいぐるみの顔が下を向いてしまい、呼吸口を圧迫し呼吸しづらくなった。
四つん這いの姿勢になって呼吸を確保しようとしたが、狭いスーツケースの中では短いクマのぬいぐるみの腕すら満足に動かすスペースはなかった。

”我慢だ!”
クマのぬいぐるみに閉じ込められた妹は自分にそう言い聞かせ、顔が潰された状態で早く彼の家に着くのを待った。


344 : これって着ぐるみ? ◆zYQ/uWRKn. :2015/06/25(木) 17:13:03
走り続けた車がようやく止まった。
スーツケースが縦向きになり、ホッとする妹。
体が宙に浮く感じがした、そしてガラガラと音を立てスーツケースは運ばれる。

部屋へと着いたようで、またしてもスーツケースが横向きに。
そしてロックが外れ、新鮮な空気が入ってくるが、クマのぬいぐるみがうつ伏せ状態。
男は慌てて一旦スーツケースを閉じると、反対側へ横向きに倒して、ケースへと開く。

「もしかして、車の中でずっとうつ伏せ?」歯切れ悪く男が尋ねると、クマのぬいぐるみは言葉を発せず、頷いた。
「ゴメン、申し訳ない、大丈夫?」
男が反省していることが十分伝わってきたので、クマのぬいぐるみは短い腕を懸命に伸ばし、男の肩を2回ポンポンと叩いた。

「本当にすまない、じゃ帰るからあとは上手くやってね」
「あ!そうそう、彼の家の鍵は施錠した後、お姉さんに渡しておくから、またもらってね」と男は言い残し帰っていった。


345 : これって着ぐるみ? ◆zYQ/uWRKn. :2015/06/25(木) 17:15:32
家具商の男とデザイナーの女が、その後どうなったかは想像にお任せしますが、人間家具を希望する人が少しずつ増えているようです。
もしかすると、あなたが何気なく使っている家具にも女性が息を潜めて入っているかもしれませんよ。





デザイナーの妹については、クマのぬいぐるみで彼を驚かせることに成功。
その後、彼の希望でクマのぬいぐるみに入ってのプレイが増えたそうです。

彼のSっ気と妹のMっ気もこれがきっかけで開花したようで、クマのぬいぐるみに入る時も腕と足だけでなく、頭にまでコンドームを被せられ、その上からラップを巻かれたりと、エスカレートしているとか。

そのまま呼吸穴だけ確保し、クマのぬいぐるみに閉じ込められるようになったようで今では全く声を出せなくなっている。

その上、縛られてバルコニーに吊るされたり、時には人間家具ならぬ、ぬいぐるみ家具となることもある。
中でも彼のお気に入りは、クマのぬいぐるみが入ったエナメル素材で造られた小さめの抱き枕。
それを股に挟んで寝るのが、凄くいい。
もちろん、中のぬいぐるみは苦しくてよく動くが彼は気にしない。
そして、夜が更けていく。



おしまい


リクエストに応えて、短くまとめようと思っていたのが、長くなってしまいました。
短く終わるつもりだったので、登場人物の名前も考えていませんでした。
読みにくかったと思います。
長々とお付き合い頂きありがとうございました。


346 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/25(木) 17:52:37
>>345
乙です


347 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/25(木) 20:12:14
良作乙!
デザイナー女と家具屋男と熊妹の行く末に幸あらんことを!


348 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/25(木) 21:22:28
個人的にかなり良かったけど、エロシーンがまったくないことがガッカリ。
マッサージチェアーだったら稼働時に中の人も気持ちよくなったり、クマの中の人が
悶えながら暑さと戦って、「暑いよ気持ちいいよ・・・早くだして!」のようなシチュがほしかったな


349 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/25(木) 22:59:39
そういうのを脳内補完するのが小説だ


350 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/27(土) 13:28:34
>>345
乙でした。 また色々小説書いてください〜


351 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/30(火) 08:52:18
ウルトラマンのショーを観にいった。
やけに軽快なウルトラマン。

三匹の怪獣たちに取り囲まれてもあっと言う間に倒していく。
応援していた子どもたちも大興奮。

ウルトラマンが勢いよく怪獣に飛び蹴りを入れると、怪獣は転がり頭から舞台下へと落下。
落下したのは僕の目の前だった。
「痛っ!」怪獣から女の子の声が聞こえた。
「大丈夫?」思わず声をかけたが、怪獣からの返事はなかった。

怪獣のボスである星人が舞台を降りてきて、素早く怪獣を舞台へと戻すが、その後のショーでは舞台から落ちた怪獣の動きは際立って悪かった。

ショーが終わって、しばらくするとウルトラマンとの握手会が始まった。
握手会の列を案内している人たちはキャップを被っていたが、全員が汗をかき暑そうにしていた。
おそらく先ほどまでウルトラマンとの戦いを繰り広げていた怪獣たちを演じていた人たちだろう。

その中にいた!
手首を痛そうにかばいながら、案内をする女の子。
怪獣に入っているのが、勿体無いほど可愛い女の子だった。

「手首、大丈夫ですか?」声をかけると、「はい!先ほどは心配して頂いたのに…」
「怪獣の時は喋ってはいけないんで」と。

僕は後ろの方に並んでいたので、彼女と少し話ができた。
彼女の夢はウルトラの母を演じること、そのためにこれからも怪獣でがんばるそうだ。


おしまい


352 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/30(火) 18:50:13
続1

怪獣でがんばる女の子と出会ってから半年後、彼女はウルトラの母を演じ、僕の目の前にいる。

しかし、ショーの舞台上ではない。
彼女の家の中である。
あの後、連絡を取り合うようになり、付き合い始めた。

明日から始まるショーの前に僕にウルトラの母の姿を見せるため、ショーの責任者にお願いして、ウルトラの母の着ぐるみを家に持ち帰らせてもらった。

ウルトラの母となった彼女は、鏡でその姿を何度も確認する。
表情は分からないが、動きから分かることはすごく楽しそうである。

そして、腕を組んできた。
ウルトラの母の柔らかく大きな胸が僕の腕に当たる。
僕はドキドキしながら、母の方を見ると、母もこちらを向いて頭を傾ける。

しばらく、顔だけ向き合う。
静かな部屋の中では、彼女のマスク越しの呼吸と僕の早い鼓動が一段と大きな音に思えた。

気がつけば組んでいた僕の腕を彼女は自分の股のところへと移動させられていた。
”柔らかい!”
奇妙な肌ざわりと柔らかさ、僕の股間も熱くなってきた。
母は僕の手を取ると、ゆっくりと移動。
奇妙な手の感触は母の銀色の太ももから股のところへと移動して行った。

「あぁぁぁ」マスクの隙間から吐息が洩れる。
いつしか母の手は僕の大きくなった股間をズボンの上から撫でていた。

母の手よりも速く僕の手は、母の股間を撫で始めていた。
気づけば形勢逆転?
母の手は完全に止まり、内股になりながらも僕の手の動きを素直に受け入れていた。


353 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/06/30(火) 20:44:17
このスレはウルトラの母フェチの人が多いのけ?


355 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/07/02(木) 21:33:45
書き手にそういうひとがいるっぽい。


356 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/07/03(金) 15:28:33
ふかもこで中に閉じ込められて気持ちよくなっちゃう系、誰か書いてください


357 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/07/03(金) 21:38:44
具体的に気持ちよくなっちゃうってどんな感じ?


358 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/07/04(土) 11:20:57
>>356 じゃないけど、バイブ仕込んで動かすとかどう?


359 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/07/04(土) 11:23:31
今までにもそういう作品結構なかったっけ?


360 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/07/04(土) 21:38:18
続2

「あぁ!ダメぇぇぇ」その声と共に僕の手をしっかりと股に挟み、かつ僕の腕に掴まるようにして、ゆっくりと床へ座り込んでしまった。

床に座り込んだ後もまだ小刻みに震えている。
僕の腕はゆっくりと解放された。
そして彼女の前に座り様子を伺う。
彼女の呼吸はかなり荒かったが、ウルトラの母から出ようとはしなかった。

彼女によると、呼吸が制限された状態だと、異常に感じやすくなり、すぐに逝ってしまうそうだ。

しばらくして、母は立ち上がると僕を立たせズボンを脱がせ始めた。
僕は抵抗することなく、それを受け入れる。

もう既に僕のアソコははち切れんばかりになっている。
それを母は優しく掴むと、シゴき始める。
しばらくすると、僕は母を押し倒していた。

そして母の股間に擦り付ける。
母も感じているようで、抵抗することなく
マスクから洩れ声が徐々に大きくなってきた。
ついには着ぐるみを破らんばかりに下から突き上げる。

そして逝ってしまった、僕も母も。
ウルトラの母を僕の精液で汚してしまった。


361 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/07/05(日) 20:52:23
家具として実際に使ってるとこがみたい、ホテルの備品になったりとかもいいと思う。ぬいぐるみ家具は是非読んでみたい



362 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/07/06(月) 19:29:21
>>352 >>360
これで彼女が、ウルトラの母に、全裸で入っていたりしたら……。


363 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/07/09(木) 21:56:11
人魚の着ぐるみきて水族館で泳ぐみたいなの読みたいなー
あとぬいぐるみはどうなった?


364 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/07/13(月) 17:50:10
続3

申し訳ない気持ちにはなってはいたが、母をギュッと抱きしめた。

さすがの彼女も生き絶え絶えの状態で、僕に”開けて”と合図をしてきた。

彼女の背後に回り、ファスナーを開けるとゴムの匂いと汗の匂いが広がる。

ファスナーが開くと、彼女は反り返るようにして頭を出した。
「ふぅぅ」かなり苦しかったのであろう、大きく息を吸うとウルトラの母の着ぐるみを脱ぎ始める。

僕も着ぐるみを脱ぐのを手伝う。
着ぐるみから出てきたのは、何もつけていない彼女の裸だった。

彼女は顔を真っ赤にして「ウルトラの母を私、汚しちゃった」そう言って、ペロッと舌を出した。
そして「シャワー浴びてくるから、ベッドへいってて」と。
裸で恥ずかしそうに浴室へ小走りで向かう彼女を見送る。

ベッドに腰掛け、先ほど自分の見た光景を振り返る。
ウルトラの母に裸で入っていた女の子、その子は僕の手にアソコを触られて、着ぐるみの中で絶頂を迎えた。

僕の股間は再び熱く隆起した時、バスタオルを巻いた彼女が現れた。

「なに想像してたの?」僕を見る彼女。
「いえ、なにも」僕が答えるのと同時に彼女が飛びかかってきた。

2人は笑いながら、ベッドに横になった。



おしまい


365 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/07/13(月) 17:57:15
汚しちゃった(二重の意味で)

乙でしたm(__)m


366 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/07/13(月) 20:23:54
>>364
ひょっとして彼女、ステージでも全裸で入るのかな?


367 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/07/15(水) 01:41:36
自分の後頭部を叩きその勢いで舌を出し、
その後両手で両耳をひっぱり舌を元に戻す所までが一連の動作

これ思い出した


368 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/07/15(水) 19:57:12
>>364
今度は、怪獣の中から全裸で出て来るというのは……。


369 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/07/16(木) 23:10:16
小柄ぐるみよみたいなぁ〜・・・


370 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/07/19(日) 23:52:43
自分で書くっちゅう選択肢もあるんやで?


371 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/07/24(金) 09:58:59
断固クレクレする!


372 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/08/01(土) 18:30:30
読みたい


373 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/08/15(土) 20:57:55
誰か書いてくれないかな…


374 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/09/08(火) 07:13:44
1

”有限会社えんくろーじゃー”
会社名からは何をする会社は想像できない方もいると思う。

”エンクロージャー”は取り囲むものという意味である。
株式会社えんくろーじゃーでは、人をすっぽりと取り囲む、つまり着ぐるみを作製している。
社長の守田守は造形の専門学校を卒業し、この会社を立ち上げた。
その時、世間では空前のゆるキャラブーム、自治体や企業がこぞって、自分たちのゆるキャラを作った。
そのおかげで守の会社は業績を伸ばし、本来守がやりたかった本格的な着ぐるみも作製し、販売し始めた頃の話である。

守の会社には連日、着ぐるみのサンプルを見学に自治体や企業がやってきた。
会社はショールームと事務所関連、それとは別に工房があった。
工房では守の専門学校の後輩が、多く就職し着ぐるみの製作に精を出していた。

工房に広いスペースを取ってしまったため、ショールームのスペースは狭かった。
そのショールームに、ところ狭しと着ぐるみが並べられてあった。

着ぐるみをオーダーするために、見学に来た客を迎えるのは、受付と書かれたプレートのある机の向こう側に立っている光沢のある黒いのっぺらぼう。
のっぺらぼうであるが、裸ではなく服を着ている。
とはいえ着ているのはキャンペーンガールのような青と白のエナメルのワンピースに、青いロングブーツ。
エナメルのワンピースの縦半分側には、横書きで社名が入っていた。

ワンピースから出ている手足も顔同様、黒光りし妖しい光を放っている。
一見すると置き物にも見えるが、客がショールームへと入ってくると、深々とお辞儀をする。
大抵の客はこれにビックリした。

そして、受付の机に見学者に手振りで人数分の署名を手振りで求める。
見学者が署名を始めると、内線で社長の守へと連絡する。
黒光りし凹凸の無い顔、署名を終えた者は大抵不思議そうに顔を近づけ覗き込むように見てくる。


375 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/09/08(火) 07:15:55
2

佐藤詩織はそんな守の会社で受付をしている。
詩織は短大を卒業したばかりの21歳、身長が147cmと低いので、友人たちからは子ども扱いされたが、身体はかなりのスタイルの良さ。
友人たちの口癖は、”背が高ければモデルで食べていけるのに”だった。
そう、顔もかなり可愛かった。
しかし、人と話すとジロジロ見られることが多く意識し過ぎて人と話すのが苦手になってしまった。

そのため、短大のあった都心では就職せず、地元である田舎で就職したのが、有限会社えんくろーじゃーだった。
田舎なので、そんなに人の出入りもなく、知っている人もいるので大丈夫だろうと、高を括っていた。

しかし、面接の時、毎日数組の見学者が来ることを知って、一時はこの会社への就職を諦めようと考えた。
その時、詩織の顔はかなり曇った表情をしていたのだろう、そんな彼女に社長の守は切り出しにくそうに、机の上にあるものを置いた。
そして「受付なんだけど、これを着てやってもらいたいんだ」

詩織は机に置かれたものを手に取り「何ですか?」と。
「ラバースーツなんだけど、これを着てさらに顔が見えないようにマスクを被って受付をやってもらいたいんだ。もちろん、喋らなくていい、手振りだけで結構」

こんな田舎にはそうそういない可愛い女の子に、こんなお願いをしても引き受けて貰えるはずがない、守はそう考えていた。
可愛いことを自覚しているから、受付事務で応募してきたのだと。

だから、必死に説得を始めた。
「会社の社名にもあるエンクロージャーは、取り囲むという意味があり、受付から来てくれるお客さんにアピールし、驚かせたいんだ」力が入り過ぎ、守は机に覆い被さるようにして、詩織に近づいていた。


376 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/09/08(火) 12:11:41
3

あまりの迫力にポカンとしていた詩織だったが「いいですよ」と。
あまりの温度差と呆気なく了承した詩織に、守は固まってしまった。
「え、いいの?」
「はい、よろしくお願いします」
詩織は笑顔になっていた。
「あ、はい、こちらこそ」
なんとなく、気の抜けたような返事を返す守。
しかし、笑顔になった守の顔がまた強張る。
守にはもう一つ考えがあった。
守の表情を見た詩織が尋ねる。
「どうしたんですか?」

「え、いや、あのー」守は何か言おうとするが、言葉が続かない。
「今から言うことは、嫌なら聞き流して欲しい」
「何ですか?」詩織が返す。

「ラバースーツを着たまま、うちの会社で作っている着ぐるみに着替えて欲しいんだ、お客さんの前で」
守は最後は詩織に頭を下げるようにして言った。
守が頭を下げたのは、詩織にお願いする意味と変なお願いをしているので、とても詩織の顔が見ることができなかったからである。

「いいですよ!」
軽い感じの返事が返ってきた。
「⁉︎」下を向いていた守が頭を上げる。
そこには笑顔の詩織が。
「私の顔は分からないんですよね!」

「え!あぁ」なんとも間の抜けた返事をまたもや返す守。
そして「え、本当にいいの?」
「ハイ!是非。応募する前から着ぐるみを着てみたいと思っていたんです」

そこには笑顔の2人が向かいあっていた。


377 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/09/08(火) 12:17:17
4

翌日、早速 受付嬢用ラバースーツ、衣装と着ぐるみの作製に入る。
詩織には下着のサイズを事前に聞いており、詩織に合うヌーブラと極力裸に近くなるショーツが準備されていた。

詩織が裸に近い状態で、3D測定器の中に入ると、すべてのサイズが測定されデータとして残る。
そのデータを基に衣装や着ぐるみを作製することができる。
データは詩織の全身の型取りが不用になっただけで、これからは工房の職人たちの腕の見せ所である。

ラバースーツや衣装については、すぐに作製できるが、着ぐるみはかなりの時間を要することを詩織は守から告げられた。

衣装や着ぐるみが出来上がってくるまでの間、工房を見学したり会社のことについて学んでもらうこと。
そして会社について学んだことを見学に来られたお客さんにタブレットやショールームの大画面テレビで説明する練習をしてもらうことを守から伝えられてた。

詩織は自分の仕事内容もさる事ながら、どんな着ぐるみを自分が着ることになるのかの方が気になっていた。
そして、そのことを守へ聞いてみた。
「すみません、仕事内容については分かりました。ところで私が着る着ぐるみはどういうものなのですか?」

”着ぐるみを着てみたい”と、会社の方針に合わせて詩織が気を使ってくれていたと思っていた守は少し驚いた。
「あぁー、そうだね」
「今、僕が考えているのは、ゴリラ、ワニ、恐竜、ロボット、それにウルトラマンの5つ」

詩織はそれを聞いて想像を巡らせているのか、目は遠くを見ている。
そして詩織が「ロボットって、体が銀色で角々したのですか?」と。
守は「ロボットというよりは、アンドロイドのイメージかな?例えるなら、スターウォーズのC-3PO」

詩織はスターウォーズのC-3POが分からず、キョトンとしていたが、人型であることは理解した様であった。

「あのー、もう一つ質問があるんですが、いいですか?」
「どうぞ!」
「私、女なんですがウルトラの母でなく、ウルトラマンなんでか?」
それに対して守は「そうなんだ、ウルトラマンなんだ。女性が着ぐるみを着ても中身が女性だと分からなくなることをお客さんに見せたいんだ」
と、少し力を入れて詩織に語る。

そんなものなのかなぁと思いながら、詩織は話を聞いていた。


378 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/09/08(火) 15:07:27
¥④


379 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/09/08(火) 23:04:54
支援


380 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/09/09(水) 09:32:57
支援


381 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/09/09(水) 10:14:15
5

社内研修を行って3日目の午後は、会議室に詩織は呼ばれた。
部屋に入ると、少し変わった匂いがする。
その原因は机の上にあった。
ビニール袋に入っているが、匂いを放っている。
詩織がそれに近づき確認しようとした時、守が入ってきた。
「ゴメンゴメン、お待たせ!衣装が出来たから、試着してもらおうと思って」息をきらせながら守が言う。

そういって、守はビニール袋の中から黒い物を取り出した、ラバースーツである。
ラバースーツを詩織に手渡す。
詩織はラバースーツを大きく広げてみる。
ゴムの匂いと共に詩織の目の前に弾力のある衣装が広がる。

しかし、どこを見てもファスナーが見当たらない。
それどころか、身体に合わせてみると少し小さい。
どうやって着るのかも分からず、おまけに小さいラバースーツに困惑している詩織に守が「そのラバースーツ伸びるから、伸ばしてみて」と。
詩織は守の言うようにラバースーツを横へ引っ張ってみると、伸びた。
触った感触からは想像できない程の伸縮性だった。

守からの説明は続く。
「着るときは、頭の部分の先に小さな口があるから、そこを大きく広げて体を滑り込ませる」
詩織はラバースーツの頭の天辺部分にある口を確認している。
そして、自身でも口を大きく広げ納得したように頷いていた。

「ラバースーツを着てから、今度はこれを頭に被ってもらう」
そういうと守は詩織に黒い球体を渡した。
これはフェイスロール、ラバースーツの内側に被り、視界や呼吸を確保する焼く目をする。
詩織が受け取ったフェイスロールは下部には大きな穴が、そして上部にはよく見ないと分からない様な穴が開いていたのだが、詩織は上部の穴には全く気づいていなかった。


382 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/09/09(水) 10:44:23
6

フェイスロールの下部は真ん中から半分に開くようになっていて、詩織の頭がすっぽりと収まるようになっている。
詩織は試しに被ってみた。
フェイスロールの中は詩織の顔を型取っているので、妙に収まりがよく、外から見ていたのとは違い中からはサングラスのようになっていて守の姿がよく見える。
守が声をかける「どう?一度閉めてみるから、口の辺りにあるマウスピースくわえてみて」
詩織は守の指示に従って、マウスピースをくわえると呼吸ができた。

「じゃあ、一度閉めまーす」
そして開いていたフェイスロールが”カチッ”という音とともに閉じられた。
閉じられたものの視覚や呼吸だけでなく、周りの音もよく聞こえることに詩織は驚きつつも、一つできないことに気づく。
それは話すこと。
守から「大丈夫?」と声をかけられたが、答えることができなかった。
マウスピースをくわえ、頭を完全に固定されているため、口の動きが完全に奪われてしまっている。
出せるのは「んーんーんんん」
詩織は”大丈夫です”と答えたつもりだったのだが。

守は用意していた姿見鏡に、今の詩織の姿を映す。
そこに映っていたのは、リクルートスーツを着たマネキンだった。
でも、足と手はマネキンではなく人間。
変な合成写真を見ているようだと思いながら、詩織は自分の頭を触った。
なんとも変な感覚だった。

守は「フェイスロール、一度外すから」そういって詩織からマネキン頭を外す。
「どうだった?」と守。
「よく外が見えるし、呼吸もできたことに驚きました、穴もないのに」そういって詩織は脱いだばかりのフェイスロールを撫でる。

「早速なんだけど、試着お願いできる?」守の言葉に詩織は頷く。
「今はこの部屋で着替えて、鍵がかかるから。いずれは専用の更衣室も用意するつもりだから」そういって守は部屋を後にしようとしたが、振り返って「ラバースーツの下は裸でね、ピッタリのサイズで作ってあるのと、下着の型が浮き出てしまうから」
そう言い残すと部屋を出ていった。


383 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/09/09(水) 15:15:23
支援


384 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/09/09(水) 16:38:10
7

詩織は部屋の鍵をかけ、着替えを始める。
ドア付近では落ち着かず、部屋の奥で着替えを始めた。
「裸でって言われたけど、恥ずかしいな」
そんな独り言を呟きながら、リクルートスーツのスカートは脱がずに、パンストと下着だけ脱いだ。

そして、ラバースーツを手に取り、頭の天辺の口を開く。
「入るのかなぁ?破れないかなぁ?」そんなことを呟きながらも、口を大きく広げて足を入れていく。
「冷たッ」春先の部屋のテーブルに置かれていたラバースーツは少し冷たくなっていた。

それでも詩織の両足が、黒いラバーに覆われるころには冷たさを感じなくなっていた。
腰までラバースーツを捲し上げてから、スカートを脱いだ。
お尻を触ってみると、なんともいえない変な感触と共に気持ち良さが詩織の身体を走る。
興奮してしまった様で、マン筋がクッキリと浮き出ている。
今の状態でココを触ると、入社したばかりの会社の会議室で大変なことになってしまいそうで必死に堪える。

シャツを脱ぎ、ブラも外し両腕をラバースーツの中に入れて腕を通そうと試みるが上手くいかない。
仕方ないので、右腕をラバースーツから出して左腕を通すことにしたが、右腕が出ているので右のおっぱいが丸出しになってしまった。

誰も見ていないのだが、なにか恥ずかしい。壁に向かって左腕を通し、右のおっぱいを揺らしながら、左腕を通すのに悪戦苦闘する。ようやく左腕を通し、右腕をラバースーツ内に入れて今度は右腕を通す。
左手、右手がラバースーツに覆われ、詩織のDカップの立派な胸もラバースーツに覆われた。

首のところに頭部分のラバースーツが固まり、首を圧迫したが呼吸が苦しくなる程ではなかった。

お尻を触った感触を思い出し、鈍く光る胸を触ってみた。
「あぁぁ!」先ほどと違いラバーに覆われた手で触ると、感触はさらによくおまけに自分で触っているような感じでなく、他人に触られている感覚がした。
気持ち良さから見る見るラバースーツに乳首が浮かび上がってきた。


385 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/09/10(木) 01:12:03



386 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/09/10(木) 04:20:47
期待


387 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/09/10(木) 06:52:04
8

その乳首を軽く触ってみる。
「んーーん!」
ものすごく大きな声を出してしまいそうになり、必死で抑えたが声が出てしまった。
大きく深呼吸をし、自分を落ち着かせようとするが、体は正直なもので、太ももを液体が伝わっていくのがわかった。
「え!もう⁉︎」自分でも驚く詩織。

その時、”コンコンコン”ドアが3回ノックする音が会議室内に響く。
守が戻ってきた。
「少し待って下さい、すぐ開けます」
とは言ったものの、乳首は硬くクッキリとそしてマン筋も浮き出ている。

着ていたシャツとスカートを慌てて、身につけ会議室の鍵を開ける。

そこには青と白の衣装、それに青いロングブーツを持って守が立っていた。
「どう?上手く着られた?」
「はい、でも恥ずかしいくて」
詩織はそういってシャツで胸を隠す素振りを見せる。

「そうだね、初めてだから」
そう言いながら、守は持ってきた衣装をテーブルの上に広げている。
衣装はレースクイーンがよく着ているようなエナメルのワンピースで左右で色が、青と白と異なっていた。
青の方には白字で会社名”えんくろーじゃー”と入っていた。

「受付はこれを着てやってもらうから」そういうと衣装を簡単に畳んで、詩織に手渡す。
そして、「頭部を被る前に衣装を着てもらっても構わないよ」と。

もう、乳首の勃起も収まっていたが詩織は先に衣装を着ることにした。


388 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/09/10(木) 07:55:52
9

スカートを脱ぎ、手早く衣装に体を通す、シャツも脱いで衣装に腕を通したところで、守に背を向け首のところまであるファスナーを閉めてもらう。

さすが、自分の体に合わせて作ったというだけあり、ピッタリしているというより、ピッタリし過ぎて苦しいくらいだった。
苦しいのにはもう一つ理由が、衣装が首まで覆ってしまうため、頭部分のラバースーツが口を完全に覆って、鼻でしか呼吸ができなくなっていた。

しかし、こんな状況でありながら、詩織の身体は気持ちよくなり反応し始めていた。
興奮と共に乳首が硬くなる。
守には気づかれていないが、このエナメルの衣装越しに薄っすらと、乳首が浮き出てきているのを詩織は確認していた。

乳首のことを気にすればする程、詩織の乳首はどんどん硬くなる。

「…さん、…さん!佐藤さん!」
詩織は胸の辺りばかりに集中するあまり、守の声が聞こえていなかった。
「はい!」慌てて返事をする。

「大丈夫?」心配そうにする守に対して、詩織は「すみません」とだけ返した。
ラバースーツとエナメルの衣装を着て、気持ち良くなっているなんて、とても言えなかった。

少し心配しながらも、守は「フェイスロールも被ってもらえるかな?」と。
詩織はすぐに返事をして被ろうとしたが、首元で塊になったラバースーツが邪魔になって被れない。

守がエナメルの衣装のファスナーを少し下ろし、首周りの自由を確保してから詩織はフェイスロールを被った。

一度被ったこともあり、すんなりと被りマウスピースをくわえる。
守の「閉めまーす」の声で、”カチッ”と閉まった。
程よい圧迫感と息苦しさが詩織を快楽へと誘う。

「じゃあ、ラバースーツで完全に覆ってしまうね」そういって、守はマネキンのようになった詩織の頭部に首元で、塊になっていたラバースーツを被せていく。
最後に頭部の天辺にある小さな穴に、詩織の全身を覆いきれずに余ったラバーを慎重に押し込んでいく。
その小さな穴からは、”スーッ、スーッ”と音が聞こえる。
この穴はマウスピースに繋がっており、詩織の生命線である。
そのため、守は穴を塞がないように慎重に作業をしていた。


389 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/09/10(木) 16:12:02
10

小さな穴にラバーを押し込んでいくことで見事なまでにシワのない、ラバーマネキンが守の前に現れた。
「どう?大丈夫?」守が尋ねる。
「んん、んーんんん」詩織は答えるが、前回同様言葉にはならない。
守は「苦しかったら暴れて、そうしたら助けるので」その言葉にラバーマネキンはコクリと頷いた。

「じゃあ、衣装のファスナーも上げるね」
そういって守がファスナーを上げる。
喉が先ほどよりも圧迫される感じがするが、苦しくはない。
”頭部をつけた影響だろうか?”
詩織はそれぐらいにしか思わなかった。

しかし、これも計算された事だと、詩織は気付かされる。
守から「佐藤さん、声出せる?」と。

言葉は発することは出来ないが、”唸り声のようなものなら”と詩織は声を出そうとするがでない。
”え!なんで?”

詩織の心を見透かしたように守が、「これらを着ると声が出なくなるんだ」
そして「会社のコンセプトとして、受付で一言も発しないで、お客様を案内してもらいたくて」
「だから、声が出ないようにラバースーツとその衣装を着てもらう必要があったんだ」
「じゃあ、ブーツを履いて、ショールームへ行こう」

”顔も見せず、声も出さなくいいなら”とこの状況を受け入れた詩織はイスに座りブーツを履き始めるが、ピッタリとしたエナメルのワンピースはギシギシと音を立て、ブーツを履くのを邪魔する。
それでも、なんとかブーツを履くことができた詩織に守は「ついてきて」といって部屋を出た。


390 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/09/10(木) 17:02:25



391 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/09/11(金) 00:07:17
内臓さんの汗ジミを防ぐためにラバースーツを着せているんだろうな。


392 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/09/11(金) 08:12:24
11

守の後をついて歩く詩織。
ブーツは高めのピンヒールだが歩きにくいこともなかった、しかしピッタリしたエナメルのワンピースが少し歩くだけで音を立て、ズリ上ってきて黒いラバーのお尻が顔を出す。
それを絶えず下げながら移動して、ようやくショールームへと着いた。

ショールームには受付用のテーブルとタブレット、そして奥の丸く広い部屋、ホールになっているところには、奥側に大画面モニターが2つ設置されていた。

守は「今から簡単に、業務の説明をします」と。
声の出せない詩織は、”よろしくお願いします”の気持ちを込めて一礼する。

「基本的にはお客様が来るまでは、受付周りの整理や片付けを、何もない時は座って人間らしさを消して座っていて下さい」
詩織はコクリと頷く。
「お客様が来られたら、お名前をこちらのシートに記入してもらいます」と一番上に会社名があり、その下には個人名を書く欄があった。
「お客様が会社名を書いた時点で、佐藤さんはタブレットにお客様の会社名を書いて私へ送信、そして私に内線を入れて下さい、もちろん無言で構いません」
詩織は2回大きく頷く。

「お客様全員の名前を書いて頂いたら、奥のホールへと案内して下さい」
「ホールの手前には銀色の自動扉があります、今は開いていますが普段は閉まっていて扉横のキーボードに暗証コードを入力しないと開かないようになっています」
「暗証コードはkigrumuです」

「扉が開くまでには、私はホールにスタンバイしています」
「画面で着ぐるみの作製の説明をし、最後に佐藤さんにラバースーツの上から着ぐるみを着るのを実演してもらいます」
「実演は私が着るのを補助しながら説明しますので」
「以上が業務の大まかな流れです」

「あ、そうそう言い忘れていましたが、ホールの壁にある透明のアクリルケースの中には、着てもらう着ぐるみが入っていて、その中の一つをお客様に選んで頂いて、佐藤さんが着ることになるので」

詩織はそれを聞き終わると、右手の人差し指で1にし、首をかしげ、OKサインを出した。
守は始めキョトンとしていたが、「一つ質問あるのかな?」と詩織に逆に問いかけると、詩織は大きく2回頷き、OKサインを出した。

そして、アクリルケースの前に移動し、アクリルケースに入る、着ぐるみは何かと体を大きく使って守に尋ねてみた。
守はすぐに理解したようで「着ぐるみはまだ製作中なんだ、一斉にはできてこないので、都度できたら着る練習をしていこう」
「ところで、大丈夫?長い時間ラバースーツ着たままだけど」
詩織が時計を見ると、もうお昼に近い時間になっていた。
「一度会議室へ戻ろう!」
そう言って守は歩き出した、それに詩織もついていく。


394 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/09/14(月) 07:19:19
12

会議室へと戻ってきた2人。
守は詩織の背後に回ると、エナメル衣装のファスナーを下ろす、そして頭部を両手で掴み下の方へとゆっくりとズラしていく。
すると小さな穴から押し込んであったラバースーツの余りが出てきた。

小さな穴に収まっていたラバースーツを引き出すと、次に守はラバースーツの口を大きく開き、詩織の頭を覆っているフェイスロールをラバースーツから完全に露出させてからロックを外す。
ロックの外れたフェイスロールを詩織は自分で脱いだ。中からは玉のような汗をかいた詩織の顔が出てきた、肩まである黒髪も汗でグッショリと濡れていた。
口からもマウスピースをずっとくわえていたので、涎が垂れていた。

守は「汗凄いよ」と言って、タオルを渡す。
汗と涎にまみれた顔を見られたのが、恥ずかしい詩織はタオルで顔全体を隠している。

守は詩織に気を使い背を向け、「そのまま聞いもらえる?佐藤さんと今日は呼んでたんだけど、お客様の前でマネキンのような受付にそのままの名前で呼ぶことに違和感を感じたので、呼び名を考えてみたんだけど聞いてくれる?」
「はい!」詩織が答えると、ビックリして振り向く守。

先ほどまでの身振り手振りでのやり取りの必要なくなったことを詩織の顔を見て思い出し、守は話を続ける。
「佐藤さんの下の名前の詩織から、”シオン”ってのはどうなかぁ?」

「シオン!カッコイイですね、気に入りました」詩織は顔に当てたタオルから目だけを覗かせ答えた。
こうして受付スタッフ シオンが誕生した。


395 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/09/14(月) 07:20:31
13

見学者が多くても、まだまだ大きな会社ではないので、ラバースーツから事務員の服に着替え、事務作業や電話対応の業務も勉強しなければならない。

簡易のシャワー室に案内され、そこでシャワーを浴びて着替えてから昼食を取り、事務作業に移る。

守からラバースーツはシャワー室に置いておくように言われたが、家でも着替えを練習したいと申し入れた。
守も詩織の前向きな姿勢を素直に受け入れた。
実際のところ、詩織には他の目的があったことはいうまでもないが。

事務作業を終え、詩織はシャワー室に干してあったラバースーツを取りに行く。
3時の休憩に裏返しにして干しておいたので、ほぼ乾いていた。
守からは、サンプルで作ったというエナメルの衣装も渡された、というよりは頂いた。
会社名も入っておらず、それは赤と黒のワンピースだった。
そして、中に被る頭部も貸してくれた。
ラバースーツだけで、十分だった詩織を仕事熱心な子だと、守が勘違いしての行動であった。
しかし、実家に戻り家族と暮らしている詩織にとっては、守の勘違いが彼女にとっては良い方向に働くことになる。


396 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/09/14(月) 18:20:18
14

家に帰った詩織、実家へ戻ってからも短大へいく前も自分の部屋でテレビを見てのんびり過ごし家族が寝静まってからお風呂にゆっくり入るスタイルは今も昔も変わらなかった。
家族と過ごす時間は食事の時だけだった。

だから、家族も対して気にも留めていなかった、いつもよりも早く食事を済ませ2階の自分の部屋へと向かう詩織のことを。
しかし、詩織の中では違った。
会社で味わったあの感触をもう一度、そして最後まで。

部屋に入ると、鍵を閉める。
両親の部屋にも、弟の部屋にも鍵は付いていない。
中学生の時、母親と部屋に入る入らないで大げんかをした。
あまりに酷かったので、見兼ねた父親が付けてくれたのだった。

ラバースーツの音を消すために、テレビの音量を高めにして、着替え始める。
まずは、服をすべて脱いで裸になり一つしかないラバースーツの口を大きく開き足を入れていく。

まだ4月初旬、ラバースーツは冷たく感じたがお尻まで引き上げた頃には冷たさなど、どこかいってしまっていた。
自分の部屋ならDカップの胸を揺らしていても気にならない。
先に両手を通してから、両手を何度も伸ばすようにして着ていくと、会社で着た時よりもスムーズに着ることができた。

体がラバースーツに覆われ軽い締め付けをうけただけで、乳首は硬くなり体はすでに反応してしまっていた。
ラバースーツを押し上げて、浮かび上がる乳首をラバーで覆われた手で触ってみる。
「あぁぁぁ!」慌ててベッドに倒れ込み、枕に顔をうずめる。

テレビの音量を上げていたが、隣りの部屋に声が漏れたかもしれないと、隣りの部屋の壁に耳を当ててみたが、人の気配はない。


397 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/09/14(月) 18:21:40



398 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/09/15(火) 07:11:49
15

家族にはバレずに大丈夫だったが、詩織の体はもう大丈夫ではなかった。
会社では仕事であり、場所も会議室ということで自制も効いたが、今は自分の部屋、詩織は興奮を抑えることができなくなっていた。

”どうしよう⁉︎”
その時、目に入ったのがサンプルで作ったエナメルのワンピースとラバースーツの中に被るフェイスロール。

”これなら!声が出ないはず!”
早速、フェイスロールから装着する。
帰りに守から装着の説明を受けていた。
フェイスロールを被りマウスピースをくわえ、”カチッ”と音がしてうまく閉めることができた。

詩織はラバースーツの口を両手で引き上げて自分の顔を完全に覆った。
そして手探りで頭部天辺の小さな穴へと、余ったラバースーツを押し込んでいく。

ラバースーツの余った部分をすべて押し込んだ後、体全体を触りシワがないことを確認しようとしたが、すぐに詩織の体は本人の意志に反し敏感に感じてしまい声を押し殺して座り込む。

それでも少しして立ち上がると、今度は姿見鏡で、自分の姿を確認する。
エナメルのワンピースを着てなかったら、高級なブティックにあるマネキンのようである。

ラバースーツは何も塗っていないが、妖しい光沢を放っている。
ポーズを取り後ろ姿も確認し、鏡に顔を近づける詩織。
背中にファスナーはなく、顔も黒い玉子のようにツルッとしていて、呼吸穴も覗き穴もない。

喘ぎ声を消すために、詩織はエナメルのワンピースを着る。
体は柔らかい方なので、ワンピースのファスナーは自分で上げるが、ピッタリ作られているため、ファスナーを上げていく度に体が締め付けられていく。
そんな締め付けを心地よく感じながら、ファスナーは上までしっかりと上げられた。

しかし、会社のワンピースとは違い首周りの締め付けが緩い気がする。
試しに声を出してみる。
「…ん……ん………」
少し声が出る。


399 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/09/15(火) 07:13:05
16

”どうしよう?”
詩織は考えた結果、布団の中へ潜り込むことで少しでも声を抑えられると考えた。
それでも、気持ちよくなり絶頂を迎えた時、声が漏れないか心配しながら、部屋の扉を見つめる。

その時、キャンプで使った寝袋が詩織の目に入った。
寝袋に入って布団に潜れば、声はほとんど抑えられるそう思い、エナメルのワンピースをギシギシときしませながら、寝袋を引っ張り出す。

寝袋をベッドの上にひき、その中へ足を滑り込ませていく。
そして、掛布団を頭まで掛けてから寝袋に全身を入れ顔だけ出た状態に。

更に寝袋の首元のヒモを引っ張り閉めていくと、完全なイモムシ状態である。
詩織が動くと寝袋が頭頂部の穴を塞ぎ軽く呼吸を制限する。

そして、詩織のラバーに覆われた手が、まずは胸へ。
準備に時間をかけている間も詩織は興奮を抑えているつもりだったが、詩織の乳首はエナメルのワンピースの上からでもハッキリと分かるほど硬くなっていた。

軽く撫でてみる。
”あぁぁぁぁぁぁ!”
直接触っていないが、凄く感じる。
その手は股へと伸びる。
動き回っている内にワンピースのスカートをめくり上がり、今は股が丸出しになっていた。

マン筋のクッキリ浮き出たところに触れる。
始めはゆっくりと、そして徐々に激しさを増していく。
「ん……!」
「ん………!」
「ん…………!」
「ん……………!」
掛布団の下では、寝袋のイモムシが激しく蠢く。
掛布団が吹っ飛びそうな動きをして、その動きは治まった。
同時に長いため息のような音が漏れる。

布団はベッドから半分落ち、テレビは賑やかだったバラエティー番組から静かなドラマへと変わり、夜が更けていった。


402 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/09/15(火) 14:17:57
17

全身ラバースーツにエナメルのワンピースを着て受付、お客様の前で着ぐるみに着替えるのが、詩織の仕事。

ホールにお客様を案内すると、守が出迎える。
守に誘導されエナメルのワンピースを脱ぎ、詩織はボディラインが顕著に出たラバースーツ姿で用意されたカメレオンの着ぐるみの背中側から足を通す。
カメレオンの手足は細く、体の部分は詩織の体が収まっても、まだ少しの余裕があった。
玉子のような黒い頭をカメレオンの着ぐるみの中へとうずめていく。
カメレオンの口の下、喉の辺りに覗き穴があり、そこで視界を確保し指示を待つ詩織。

着ぐるみが閉められていくようで、今まで聞こえていた会話が遠ざかっていく。

体を叩かれ床に伏せるように指示され、それに従う。
しばらくすると背中から何か熱いものが入ってきたと同時に締め付けがキツくなる。
その熱いのものは背中を伝い、胸やお尻そして手や足まで伝っていくのが分かった。
しかし着ぐるみの中では何もできず、それを受け入れるしかなかった。
熱いものを全身をくまなく伝い、詩織の着ぐるみの中からの視界も奪ってしまった。

着ぐるみの中に入ってきた熱いものの正体は分からないが、着ぐるみの中で膨張したことだけは分かった。
膨張したことで、詩織の視界は奪われ、音も聞こえなくなってしまった。

着ぐるみの中から状況も分からないので、ただされるがままだった。
立たされたり、体を触られたりと。


403 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/09/17(木) 00:45:54
つ④


404 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/09/20(日) 10:40:01
いいね!


405 : 暇つぶしのための短編「ぬいぐるみ」 :2015/09/20(日) 12:13:51


「・・・本当にこれを着れば”あのこと”は黙っててくれるの?」
「ああ、もちろんさ。でも僕を満足させてくれればの話だが。」
「わかった。やるわ。」
小学生のような小柄な女とその女より明らかに年上な男が話している。
女の足元にはクマのぬいぐるみが。先程の話から察するに女はこのぬいぐるみを着るようだ。

「じゃあ僕は隣の部屋で準備しているから君はこれに着替えてから来てね。くれぐれも逃げるっていう考えは持たない方がいい。君のためにも・・・ね?」
女は静かにうなずく。そして男からあるモノを渡される。それは頭を覆うフードが付いた黒いラバースーツ、それとラバー手袋とラバーブーツ。
男は隣の部屋に移動し、女はラバースーツに着替え始める。
着ていたものを全て脱ぎ、生まれた頃の姿になる。
背中のチャックを開け、片っぽずつ足を通していく。ラバーは一度通すと彼女の脚のラインに合わせて包んでいくのがわかる。
次に下半身。次に腕と段階を進めていく。
フードは目、鼻の穴しか開いてない仕様で、口に当たる部分の内側にマウスピースのような物が付いている。
「くわえればいいのかな?」
女は恐る恐るそれをくわえる。サイズ的にブカブカで口も動くので猿轡ではないのか。
目と鼻の位置を合わせ、背中のチャックを閉めていく。
閉めて行けば行くほど、体が締め付けられていく。頭のところにきたとき、ある異変に気付く。
「ン・・・・(口が・・・・)」
ラバーフードの前方側がチャックを閉めることで引っ張られ、先程加えたマウスピースが本領を発揮する。
ブカブカだったマウスピースはガッチリとハマり舌が動かせない。口を開こうとするが顎の周りを締め付けているラバーがそれを邪魔をする。
そして口が塞がれた今、呼吸経路は鼻だけ。息苦しさが彼女を襲う。
(おかしい・・・一回脱ごう・・・)
そう思ったとき、男が女のいる部屋に入って来た。
「おお!似合うねぇ。あれ?今脱ごうとした?それはダメだよ。」
女は口を動かせないので身振り手振りで息苦しさを訴える。
「大丈夫大丈夫。そうゆう仕様だから。それよりも時間かかりすぎ。」
すると男はラバー手袋を手に取り、女に履かせる。
手袋は二の腕まである手袋で、履き終えチャックを閉めるとより一層圧迫する。
次にブーツも履かせる。ブーツも手袋と同様、通常より長いものでそれもチャックが閉まると圧迫感がある。
「よし!これで残り半分!こっちに来て。」
女は男に腕を引かれ隣の部屋に連れて行かれる。
                                         Ⅱにつづく


406 : 暇つぶしのための短編「ぬいぐるみ」 :2015/09/20(日) 18:14:11


女と男は隣の部屋に来た。
女は部屋に置いてある大きな鏡を見る。自分の今の姿を見たかったのだ。
鏡に映っていたのは頭の天辺から足の先までラバーで覆われた小柄なゴム人間がいた。
体のラインがくっきりと浮かび上がり、妖しい光沢を放っている。
(こんな姿誰かに見られたら・・・)と思うと女の心の中で何かがくすぶる。
全身を締め付けられているうえに口は塞がれているため、息が苦しい。
しかもこの姿が完成ではない。
さらにこの姿の上から着るものがある。
それが最初にでてきたクマのぬいぐるみ。
部屋の真ん中に背中のチャックが開いた状態のぬいぐるみが置いてある。

「それじゃ、さっそく入る準備に取り掛かる。まず正座して。」
女は言われた通り正座をする。
すると男が折りたたんだ脚を革のベルトで何本も巻き、拘束してしまう。
腕も同様に折りたたんだ状態でベルトで拘束する。手にはミトン上の袋を履かされ自力で脱いだり、ベルトを外せないようにする。
なぜ折りたたむのかと言うと、こうすることで手足の短いクマのぬいぐるみに入ることが出来る。

次に拘束した彼女をベッドの上に移動する。身長が低い彼女は体重も子供並みに軽い。たやすく移動できる。
そしてぬいぐるみの足に彼女の脚を入れていく。
ぬいぐるみの裏側は薄い布と綿で出来てるので破けないように入れていく。
足が終わったら彼女の胸のあたりまでたくし上げる。この時男は偶然彼女の胸に触れた。
その瞬間女が身震いする。男はそれを見逃さなかった。
「おいおい、感じているのかな〜」
女は否定するように頭を横に振る。
「まあ仕方がないよね。全身締め付けられて気持ちよくないわけがない。でも恥ずかしい!こんな男の前で認めるわけにはいかない! その気持ちわかるよ。」
女はそれでも横に振る。
そうこうしてるうちに腕も入り、頭が最後になった。
ぬいぐるみの頭の口に当たる部分、その裏側にはノーズマスクが付いていた。
ノーズマスクとは装着者の鼻と口の周りを覆うマスクのこと。レスキュー隊がしているマスクや、水中リポーターがしているフルフェイスマスクを想像してくれればいい。
ノーズマスクを彼女の鼻と口の位置に合わせ、マスクに付いているベルトを後頭部で取れないように絞める。
左右と上の3本のベルトで絞められているため、首を振ってもノーズマスクは取れない。
これで背中のチャックを閉めることで彼女は人から人形になる。

はたから見れば可愛らしく動くクマのぬいぐるみだ。
だが実際は全身をラバーで覆われ、手足を折りたたまれた状態で拘束された少女が入っていると誰が想像するか。
恐らく中は暑いだろう。ラバーもそうだが、ぬいぐるみの綿が熱を吸収蓄積してサウナ状態だろう。
脱ぎたくてもミトンで包まれたその手では何もできまい。
ぬいぐるみの足には細工されていて、立つことはできない。つまり立って逃げることはできない。
目にはレンズがはめ込まれているので中からは外がくっきり見える。
ノーズマスクはぬいぐるみの鼻の穴に繋がっており、その穴から彼女は呼吸している。

「あ〜かわいい。かわいいよ君は。」
しかしこれで終わったわけではない。これから彼女・・・いや人形は人形らしく男と遊ぶのである。

Ⅲにつづく


407 : 暇つぶしのための短編「ぬいぐるみ」 :2015/09/20(日) 19:18:06


(暑い・・・熱い・・・苦しい・・・・・腕が・・足が痛い・・・・助けて・・・・)
ぬいぐるみのチャックが閉まってから1分もしないで苦痛が彼女を襲う。
サウナにいるような蒸し暑さ。折りたたまれている関節の痛み。ぬいぐるみの鼻の穴が小さいのか、彼女の肺が欲するほど酸素が入ってこない息苦しさ。
このまま目をつぶれば楽になれるのだろうか。そう思ったとき。
「・・・・・!!」
彼女の体に電気が走り、失う意識から無理矢理起こされる。
男はぬいぐるみの股に電マを当てていた。
「おいおい、眠るにはまだ早いよ。これから面白くなってくるのに眠ってたらダメだよ。」
ぬいぐるみは逃れるように体をよじらせる。
しかしこの姿では逃げられない。
手を振っても意味はない。足をバタつかせても意味はない。頭を振っても意味はない。
男は股の他にも胸も責めてくる
(ハァ・・ハァ・・・あ、あたまがおかしくなりそう・・・)
女の体中を経験したこのない感覚が巡る。
ぬいぐるみは後ろに倒れる。それでも男の攻撃はやまない。
調子をよくした男はぬいぐるみの鼻の穴を手で塞ぐ。
穴をふさがれたことで彼女は息が出来なくなった。
(はなして・・・いきが・・・・できない・・・・・・)
しかしその言葉は通じない。
そして
「ン・・・ンンーーーーーーーーーーー!!!!」
女が悲鳴にも似た声を上げ、動かなくなる。
「やっべ!やりすぎたか?」

男は急いでぬいぐるみのチャックを開け、頭だけ出す。頭を覆っているラバーフードも脱がせる。
「ハァ・・ハァ・・・・・」
息はしている。ずっとマウスピースをしていたため、口から糸をひいている。泣いたのか目元が赤い。
男は女の頬を軽く叩く。
「おーい。起きろ。」
すると女が目を覚ます。
「ん・・・・・あれ・・?私・・・・」
「よかった〜。一瞬あせった〜。いや〜ごめんごめん。やりすぎた。」
「・・・・・・してよ・・・」
「え?」
「早く帰してよ!!なんで私がこんな目に・・・もういや・・・・」
「えーでもこれは君が悪いんだよ。・・・・・カンニング魔ちゃん♡」
「・・・・・・・」
「カンニングしなければこんな目に合わなかったんだしー。まあこの僕の前でカンニングしたことが間違いだったね。でもそろそろいいかな・・・」
「え!じゃあ解放してもらえるの?」
「うん。」
そういうと男はぬいぐるみの後ろに回る。
女は脱がしてしてもらえると歓喜する。
だが男は素早くぬいぐるみの頭を被せ、チャックを閉めてしまう。
「っ!ちょっ!どいうこと!!脱がせて!!」
「え?誰も脱がせるなんて言ってないじゃん。君を日常から解放するんだよ。ワクワクとドキドキが止まらない先生との非日常に連れてってあ・げ・る。
大丈夫時間ならたっぷりある。今日は9月の19日。休みは5日もある。ゆっくり楽しもうね。お人形さん」
「いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」

この時彼女は思った。もう2度とカンニングはしないと。
そしてこの後人形は呼吸穴を塞いでの窒息責め、ノーズマスクに水を入れての水責めなどありとあらゆる責めを受けるのだが、その話はまたどこかで。

終わり


408 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/09/20(日) 21:12:24
GJ


409 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/09/20(日) 21:28:17
最近ここもpixivも豊作で良いことだ


410 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/09/21(月) 08:31:58
にわかピクシブな俺は『ペット』しか知らないが。。。オススメ有りますか?


411 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/09/22(火) 20:00:30
pixivは画像についてるcaptionや漫画が秀逸なイメージ
探さないといけないのが難点だが


412 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/09/23(水) 11:39:43
ジャンルによって好みが変わる。
ぴっちり?小柄?もこもこ?ウルトラマン?怪獣?拘束?などなど
あなたはどれが好み?


413 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/09/23(水) 20:51:51
もこもこと拘束さえあれば生きていけます


414 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/09/23(水) 21:37:23
もこもこさえあればいい


415 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/09/23(水) 21:47:01
拘束とかヒトイヌ系が合いそうかな?そのまんまぬいぐるみ閉じ込め系もあるけど


416 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/09/24(木) 22:55:03
ところで「えんくろーじゃー」のつづきどした?


417 : 河童1 :2015/09/27(日) 22:09:01

「みなさ〜ん!こんにちわ!俳優の田中太郎です。今日は自然豊かで河童伝説が語り継がれているX村にやってきました〜!!」
毎週有名人が名所のある町や田舎を紹介する旅番組。

今週もいつもどおり昼食や名所の観光などを紹介している。
「え〜今僕は村の人達から『河童胡』と呼ばれているところにやってきました。
 ここでは江戸時代から河童の目撃情報があります。」
俳優が胡の周りを歩きはじめる。
「今のところは河童には会えませんが、湖の周りは綺麗な花や木々が神秘的です・・・」
その時である。

『クェェェェェェーーーーーーー!!』
茂みから緑色の物体が俳優を襲う。
「うわあああああああ!!なんだコイツ!?」
それは緑色の体表。手足の指の間には水かき。亀のような甲羅。黄色いくちばし。・・・・そう、河童である。
河童は威嚇するように腕を上げて体を大きく見せ、俳優に近寄る。
『クァァァァァァ!!』
「ああああ!!!た、助けてーーーーー!!!」
あまりにも突然の出来事で俳優は腰を抜かした。
すると俳優を撮っていたカメラマンが何やらプラカードと思わしき物を俳優に見えるように掲げる。
『ドッキリ大成功!!』
それを見た俳優は唖然とする。
「・・・は?え?これドッキリ?え〜マジかよ〜。」
茂みの奥からぞろぞろとカメラマンやスタッフが出てくる。
「え?てことはこの河童着ぐるみですか?」
河童が頷く。
「すごい!体の鱗なんかリアルで今見ても着ぐるみとは思えない。」

最後に俳優と河童が肩を並べて「ドッキリ成功!ダマされちゃった!」と言って収録は終了。
俳優はこの後もスケジュールがあるため、そのまま車で次の現場へ。

河童は胡の近くの仮設テントへ歩いていく。


418 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/09/27(日) 22:15:31
ほうほう


419 : 河童2 :2015/09/27(日) 23:13:55
仮設テントに入っていくと1人の女性スタッフがいた。
「おつかれさま川崎さん。今脱がすからね。」
河童は頷き、パイプ椅子に腰を掛ける。
河童の着ぐるみは甲羅から手と足、頭が出ているデザインをしている。そのため甲羅を取らない限り脱ぐことはできない。
甲羅は6本のネジで固定されているのだが、どこからどう見てもネジが見当たらない。

女性スタッフはマイナスドライバーで甲羅の表面をいじりだす。
すると小さいカバーが浮き上がり、ネジが姿を現す。
ドライバーで前側3本後側3本を外すことで甲羅が取り除かれる。
取り除かれたことで現れた体は鱗で覆われていた。
体のラインや胸の膨らみから見て、中の人は女性であることがわかる。

次に甲羅によって隠されていた背中のチャックを下ろす。
その瞬間中から熱気があふれる。それと同時に現れる肌色の肌。
女性スタッフは河童のマスクをめくるように剥がす。マスクは体のスーツと一体になっている。
「ぷはっ」
出て来た顔はまだ幼さが残る。年は10代後半か。
彼女の名前は川崎舞。このX村の隣、山を挟んでのY町に住む学生である。
夏休みのバイトで今回のドッキリ企画の河童役についた。

「はいこれ水」
「・・・あ、ありがとうございます。ゴクッゴクッ」
ペットボトルの水があっという間になくなる。

「大丈夫?」
「・・・はい。大丈夫です。」
首から下の着ぐるみを脱がせる。
汗で張り付いているのか、なかなか脱げない。
少しずつめくりながら脱がせていく。
内側はラバーで出来ている。
これは着ている人のボディーラインに合わせることでよりリアルになる。それとシワがあるとすぐに着ぐるみとバレてしまうため、シワが出来ずらいゴム製を採用している。

ようやく脱ぎ終わり、川崎は河童の着ぐるみから解放された。
川崎は下着を付けてない姿だった。これにも理由がある。
裸の方が着る時や脱ぐ時に下着を着けている時よりもスムーズに着脱できる。

川崎はそのままの姿で椅子に腰かけていた。
しばらくすると落ち着いたのか私服に着替える。
「次の収録は明後日だから川崎さんは明日は休みね。ゆっくり休むといいわ。」
すると川崎は女性スタッフに恥ずかしそうに口を開く。
「あの・・・実はやってみたいことが・・・・・ゴニョゴニョ」
「・・・ふ〜ん。いいわよ。じゃあ今日の夜9時にまたここで。」


420 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/09/28(月) 23:28:47
支援


421 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/09/29(火) 12:29:02
はて? 河童の甲羅は、背中側にしかないはず。甲羅を外さないとファスナーが開けられない、というのなら解るが?


422 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/09/29(火) 19:34:25
>>421
そんなんどうでもいいわぁ〜
書いてくれてるのに文句言うなよ


423 : 河童3 :2015/09/29(火) 23:21:45
夜の9時の仮設テントにて。

「ごめんなさい。私のわがままにつき合わせちゃって。」
「いいのよ。でも川崎さんが『河童の姿で湖の周り歩きたい』って言ったときびっくりしたわ。」
やってみたいこと。それは河童の着ぐるみを着て湖を探索すること。

「でもなんで河童の着ぐるみを着て?」
「・・・あの・・・笑わないでくださいね?・・・実は私河童に会いたいんです。」
「え?河童に?プフッ、あごめんごめん。笑ってないよ?へぇ〜川崎さんはこういうオカルトの類を信じるんだ。」
「・・・(照)」
「ちょうど私も本人が着た状態で着ぐるみのメンテナンスしたいなと思ってたの。それに今日は満月の夜。絶好の月下探索を楽しめるわよ。」

川崎舞と女性スタッフはさっそく着替える準備を始める。



すみません。今日はここまでです。次回からはちゃんと着ぐるみを出します。
言い訳になってしまいますが仕事が忙しくて2日に一本というペースになってしまいます。すみません。

あと河童の着ぐるみのイメージとしてはガメラをモチーフにしています。前と後で間中のように挟み込んだ形です。
自分の中では河童=ガメラが定着しているため、こんな感じになりました。説明不足だったようですね。スマン


424 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/09/29(火) 23:27:53
紫煙
忙しい中、続きを期待してマス


425 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/10/02(金) 18:35:20
支援


426 : 河童4 :2015/10/04(日) 15:36:02
裸になった川崎は体に白い粉末を体中に塗る。
この白い粉末はスーツを着やすくするための潤滑油のような役割を果たす。
次にマスクと一体になっている河童スーツを着る準備に入る。
ウェットスーツを着る要領で背中のチャックを開き、脚を通していく。
白い粉のおかげスルスルと通っていく。そしてゴム製のスーツが彼女の通し終わった脚に張り付いていく。
ヒンヤリとした感覚が彼女を気持ちよくさせる。
「いっつも思うんだけどさ、絶対川崎さん着ぐるみかラバーフェチでしょ?普通の人はそんなに目がトロンとしないはずよ。」
すると川崎は我に返り、
「い、いえ・・その・・・あ!そう!暑いんです。さっきまで暑くてこのヒンヤリとした感じで涼んでいたんです!・・・本当ですよ?」
「あ〜はいはい。(適当)ソウデスネアツイデスネ」
「絶対加藤さん信じていないでしょ?!」
紹介し忘れたがこの女性スタッフは加藤夏未。着ぐるみなどの道具の製作担当である。
この河童のスーツを作ったのも加藤である。

「うん。信じてない。」
「絶対私はそうじゃないですからね!ほら次腕通すんで手伝ってください!」
水かきが付いた手に腕を通す。指の長さを彼女に合わせて作られているため、ピッタリと余ることもなく合う。
次に頭。なのだがその前にやっておくことがある。
耳に小型の補聴器をつける。これはマスクをつけると外の音や声が聞き取りづらくなってしまうためである。
肩まである髪は後頭部で結び、スイミングキャップを被る。
次にマスク。
河童のマスクの内側、口ばしのあたりに鼻と口を覆うノーズマスクが付いている。これは着ている人の声を河童のような声に変換するマスクである。
変換といっても完全に着ている人の声は消せないので、ノーズマスクには防音性の素材を使用している。これにより河童の鳴き声だけしか出せないようになっている。
くちばしは声を発すると自動で開いたり閉じたりする。
河童のマスクの目には外から見ると中の人の目は見えず不気味に黄色く光る眼だが、内側からは外の視界はクリアに見える特殊レンズがはめ込まれている。
目と鼻と口の位置を合わせ、背中のチャックを閉じる。これでスーツは終わり。

これで終わったわけではない。次は甲羅だ。
甲羅は前と後ろの2つのパーツに分かれていてる。
前のパーツを彼女の体に装着させる。
「川崎さん前を押さえといて。」
『クワッ(はい)』
今の彼女は人の声を発せない。
前のパーツだけでは手を放すと取れてしまうため彼女にも協力してもらう。
次に後ろのパーツを前のパーツと合体させる。
後はネジで固定し、ネジ隠しのカバーを付けることで河童の完成である。


427 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/10/04(日) 19:03:38
18

しばらくすると、ハッキリとは分からないが周りが静かになった。
そしてうつ伏せにされ、背中の方で何か作業を始めた感覚が。
ようやく、着ぐるみから出してもらえると詩織は思ったのだが、背中での作業は途中で止まってしまった。

それからしばらく、何も動きがない。
5分くらい経っただろうか、遠くからサイレンの音が近づいてくる。
そしてすぐ近くでサイレンは止まった。

詩織は何もできず、ただジッとしていたが突然、体が持ち上がり何かに乗せられた。
体をゴムバンドのようなもので固定される。
そのまま運ばれているようで少し揺れたあと、自分のすぐ近くでサイレンが鳴り出した。

”え!私運ばれてる?救急車で”
サイレンがしばらく鳴り続け、車の揺れを感じながら病院へと運ばれた。

救急車から降ろされ、ストレッチャーで移動。
巨大なカメレオンがストレッチャーに乗って運ばれている姿を人が見たら、どう思うのだろう?詩織がそんなことを考えている内に診察室にでも運ばれたのだろうか、ベッドに降ろされる。

背中の辺りが少し涼しく感じる。
そして、着ぐるみの中に手が入って来て詩織の黒い玉子のような頭を引っ張り出す。
続けて、頭頂部からラバースーツが引きずり出され、頭部が現われる。

この時やっと詩織に視界が戻ってきた。
目の前には白衣を着た医師、その傍らには看護師が心配そうな表情で立っていた。


428 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/10/04(日) 19:07:07
ホスト規制で投稿できませんでした。


429 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/10/04(日) 19:08:48
19

”カチッ”音と共に頭部が外される。
詩織はかなりの汗をかき、口からは涎、それを見た看護師が気を利かせてすぐにタオルで拭いてくれた。

医師は詩織に向かって、重い口を開く。
あなた、今の状況を理解できてますかの問いに、全く状況の分からない詩織は横に首を振る。
あなた、着ぐるみを着た後、熱い液体が流れ込む感覚はありませんでしたか?
すごくありましたと言わんばかりに詩織は首を大きく縦に振る。

その答えに医師は続ける。
その液体は温められた特殊な有機溶剤で、着ぐるみのウレタンとラバーに反応し、膨張した上それぞれを接着してしまう効果があると。

詩織はラバースーツとカメレオンの着ぐるみがくっついてしまったことを確認するように、腕を動かしたり、手をグー、パーしている。

そんな詩織に、医師はさらにこの有機溶剤の恐ろしさを伝える。
それはラバーとの反応性がよくラバーを溶かして、今は詩織の皮膚に融合していることを。

それを聞いた詩織が蒼ざめた表情で質問しようとするのを遮り、医師からはもうあなたは着ぐるみを脱ぐことはできません。
脱ぐためには、皮膚を剥ぎ取るしか方法はと…、言葉を詰まらせる。

診察室にある大きな鏡には、診察用のベッドを上でカメレオンの着ぐるみを着て、背中から頭だけを出し、絶望した表情の詩織の姿が映っていた。


430 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/10/04(日) 19:10:49
20

先生!なんとかできないんですか?
泣きながら、医師に泣きつく詩織。
それをどうしようもないといった表情で、席を立つ医師。
医師に続き看護師も退室していく。
看護師にすがるように、手を伸ばすが看護師に触れることができず、詩織はベッドから転落。

どさッ!
ベッドから転落した詩織。

……?……夢⁈

掛布団はベッドから落ち、その上に全身を覆っていた寝袋が足に絡まった状態で転落していた。
”良かった!”
”夢だった‼︎”
安堵と共に一気に汗が噴き出し、ラバースーツの中を伝っていく。
”大丈夫、皮膚もラバースーツにくっついていない”

詩織は絡まった寝袋を外し立ち上がる。
全身に溜まっていた汗が、足へと流れていく。
”変な感じ”詩織はそう思い、笑顔になっていた。

しかし、時計を見ると午前3時。
信じられないほど時間が過ぎている。
”明日も仕事なのに⁉︎”
焦って動いたため、ラバースーツの中に溜まった汗で足が取られ、その場で転落。
運よく、掛布団、寝袋の上だったので音も痛みもなかった、それに悲鳴をあげることも。

詩織の頭に浮かんだことは、とりあえずお風呂。
これだけ汗をかいているので、お風呂に入らない訳にはいかない。
それにラバースーツを長時間着ていたので、ゴムの匂いもするだろう。
それにラバースーツも洗わなければ。

まずやることはフェイスロールを外しラバースーツの上から部屋着として、いつも着ているジャージの上下を着て、先ほどのようにラバースーツの中の汗に足を取られて、転ばないようにして、風呂へといくこと。

考えがまとまってから今度は行動。
フェイスロールの天辺の小さな穴に押し込まれたラバースーツの余りを引き抜く。
そして、頭部を覆っているラバースーツを首の方へと引っ張り、フェイスロールを露出させる。
ラバーは普通滑りが悪いのだが、全身を巡った汗のお陰でスルリと脱ぐことができた。

フェイスロールの固定具を外す、汗だらけの詩織が出てくる。
「あー、すごく涼しい、それに空気が美味しい」

お風呂へはこのまま行くのは、家族に会う危険性もあるので、部屋着のジャージを着る。
ラバースーツを着ていると、普段感じないようなことも感じてしまうほど、肌が敏感になっているので、ジャージが擦れるだけでも気を抜くと声を出してしまいそうであった。


431 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/10/04(日) 19:14:13
21

部屋の鍵を開け、頭を出して家族の様子を確認するが、時間は午前3時。
家族全員すでに寝ているようで、家の中は静まり返り、照明も消えていた。

階段をゆっくりと降り、これまたゆっくりと廊下を歩いて、お風呂へ。
ラバースーツを脱いで、溜まりに溜まった汗を出す。
かなりの量の汗、どうりで喉が乾くはずであった。

汗を流して湯船に浸かる。
「うーん、気持ちいい!」これはまたラバースーツに包まれている時とは違う気持ちの良さ。
湯船横の洗い場に脱いだまま、置かれたラバースーツを見つめていると夢のことを思い出してきた。

カメレオンの中で、有機溶剤が膨らんできての締め付けもなかなか良かった。
皮膚まで融合してしまったと言われたときは、涙が出てきたが。
あんな締め付けで、着ぐるみにずっと入っていてもいいかも⁉︎
そんなことを思い返していると、また詩織の体は熱くなってきた。

体の敏感なところに触れる。
大きな声が出そうになるが抑える。
それに湯船の中は、チョットと思ったのであろう。
湯船を出て洗い場にある、ラバースーツの上に乗る。
気持ち良くなった感覚を思い出し、ラバーに触れる。
先ほどまで腕を通していた左腕が反対にめくれているのを見つけ、詩織は右腕を通す。
右腕が再びラバーに包まれると、その手は股へと延びる。

そのまま、ラバーの手は詩織の体の中まで入り、刺激を与え始める。
詩織はそれを受け入れ、あっと言う間に逝ってしまった。
声はラバースーツに押し付けて、必死に抑えた。
詩織はそのまま、しばらく眠ってしまった。

お風呂を出て部屋へ戻った時には、窓の外が少し明らみ始めていた。


432 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/10/04(日) 19:17:01



433 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/10/04(日) 19:21:10
22

詩織は少し睡眠をとって出社する。
体はまだゴムくさいようにも思ったが、着ぐるみが着られるかもしれないと思い、期待に心膨らませて出社した。

守からは「家でも早速、ラバースーツ着る練習したんだね」と声をかけられた。
それは詩織からゴムの匂いがしたからだろう。

詩織の期待とはウラハラに着ぐるみを着ることはなく、事務作業が2日間続いた。
慣れない電話の応対に、パソコン入力。
詩織よりも年上の事務員の女性 真紀からみっちり指導を受けた。

3日目の朝、「今日も事務作業かなぁ?」とこぼす詩織、2日間の慣れない、そして楽しくない事務作業に疲れていた。

出社すると、守が笑顔で手招きをしている。
「なんですか?」と頭を傾げていた詩織だったが、着ぐるみが完成したことに気づく。

守の前に行くと、「一つだけ着ぐるみ完成したから試着お願いできる?」と。
事務作業で暗くなっていた詩織の顔が明るくなった。

守は早速立ち上がり、歩き出す。
それに続く詩織。
「なんの着ぐるみなんですか?」質問する声も明るくなっている。
それに対して守は「お楽しみ!」とだけ返した。
ショールームに入ると、5つのアクリルケースの内一つだけ中に着ぐるみが入っていた。
暗くてよくわからなかったがシルエットを見て「ゴリラ?ですか?」と詩織。
「そう!今日はシオンにはゴリラになってもらいます」
「一度着てもらって痛かったり、おかしなところはどんどん指摘してね、修正するから」と。

「では、シオンになってもらえる?」そういうと守は、受付へと向かう。
受付の後ろには先日までなかったドアが。
守に促されるままドアを開けると、三畳ほどのスペースにシャワーと更衣室が、それにシングルハンガーがあり、そこにはラバースーツがいくつか掛かっていた。
「シャワーの後はそこにあるタオル使ってね、使い終わったらこっちのカゴへ、じゃあよろしく」説明を終えると守は扉を閉めた。
詩織は鍵を閉めると、辺りを見回しながらラバースーツを手に取る。
そして、着替え始めた。


434 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/10/04(日) 19:22:59
23

慣れた手つきで、ラバースーツを着ていく。
数回しか着ていないが、詩織はすでに要領を掴んでいた。
首から下が黒光りするラバースーツに覆われてからフェイスロールを探すと、タオルの置いてある横に2つ用意されていた。
「予備かなぁ?」そんなことを言いながら詩織はフェイスロールを被り、固定具で頭に固定する。
そして、ラバースーツを引き上げて体全体をラバーで覆う。
ここまでは順調だったが、最後のフェイスロールの天辺にラバーを押し込んでいくのが上手くいかない。
それでも詩織が懸命に押し込んでいると、ドアがノックされた。
「大丈夫?手伝おうか?」

ラバースーツの中ですでに汗をにじませていた詩織は、守の言葉に甘えることにした。
鍵を開けて、更衣室を出る。
更衣室から出てきた詩織の姿は、全身が真っ黒で、頭にラッパが刺さった様であった。

守は丁寧に穴へとラバーを押し込んでいく。
詩織が1人でやった時は、時々息ができなくなるが、守はそうではなかった。

「シオンの完成!」そう言ってシオンの肩を軽く叩いて、ショールームへと移動する。
ショールームは先ほどとは違い照明が点いていた。
アクリルケースに入ったゴリラの着ぐるみを引き出す守。

そのゴリラをまじまじと見ると、剥製のようにリアルに見える。
ゴリラの表情は優しく、目を瞑り眠っているようだった。

引き出されシオンの前に立つゴリラ。
自分とそれほど身長は変わらないが、体はゴツかった。
”なぜ、立ってるの?”守が支えている訳でもないのに、自立している。
そういえばアクリルケースの中でも。

そんなシオンの疑問は言葉にできなかったため、守は着ぐるみについて説明を始めた。


435 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/10/04(日) 19:24:17
24

「この着ぐるみは背中側の肩部分から着るんだけど、まずはファスナーを引っ張り出します」
守の説明が始まったので、シオンは慌てて後ろに回る。
守はゴリラの着ぐるみの首の付け根辺りに手を突っ込むと、毛皮を引っ張り出す。
毛皮が引っ張り出される内に、ファスナーが出てきた。
ファスナーは左肩から右肩にかけて開くようになっていて、そのファスナーを開くと黒い物が見える。

黒い物の正体は、ネオプレンゴム。
守はネオプレンゴムの割れ目を探して、開くと中には白っぽいものが。
守の説明では特殊な素材で、柔らかく膨張収縮にも優れいる。
だから、着ぐるみの中に入ると体にピッタリと合うそうだ。
外側は硬く中が柔らかいので、転倒しても内臓となる人が怪我をしないようにできている。

もう着ぐるみに入るものだと、早るシオンを制止して守が説明を続ける。
「このゴリラの着ぐるみの脚の部分には、金具が入っており、しっかりとは伸ばせないが、その代わり支えになっているので中腰の姿勢で立っていても苦にならない。
ただ、少しガニ股になるので我慢してね」

そしてまだ説明は続く、「ゴリラの腕は長く、マジックハンドのようなものが入っていて指一本ずつ独立して動かすことが可能。
腕も人間のように曲げ伸ばしはできず、この着ぐるみを着るだけで、動きがゴリラになってしまうんだ」
そういうと守は、着ぐるみの中に手を突っ込み、指を操作する。
なるほど、指が独立して動くので慣れば、物も掴めそうだとシオンは思った。

「あと、マジックハンドの指の操作とは別にその上にボタンがついており、それを押すことでゴリラは色々な表情を見せるんだ。操作ボタンは親指が笑顔、人差し指が怒った顔、小指が普通の顔、そして2つ同時に押すと、目を閉じるようになってるんだ」

「正面に回って見て、押してみるから」
守に言われた通り、ゴリラの正面にまわる。
守の言葉と共に、表情を変えるゴリラはまるで生きているように見えた。
「シオンがゴリラの中に入って、このゴリラに命を吹き込んで」と守が言いながら着ぐるみの中で何か操作すると、ゴリラは力が抜けた様にダラリと床へ倒れ込む。


436 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/10/04(日) 19:26:14
25

守が操作したのは、着ぐるみの中に入っていたハリガネ人間のような棒。
ある程度の形を決めて、ネジを回すと一定の形で固定でき、ネジを反対に回すと固定が解除される。

ゴリラの着ぐるみから引き出されたハリガネ人間の棒の代わりに、今度はシオンがゴリラの中へ。
イスに座った状態で、ゴリラの肩の大きく開いた部分から両脚を入れていく。
脚が完全に着ぐるみに入ると、今度は守がゴリラを支え、シオンはイスから飛び降りるようにして脚を中まで通す。

この時点で、シオンはゴリラの開口部から両腕を上げた状態になっていた。
両腕が使えないので、守が脚を通すのを手伝う。
下半身はゴリラに収まり、次は両腕を着ぐるみの中へ入れて、マジックハンドを探したがシオンの腕では短くて届かなかった。

シオンは頭もゴリラの中へ入れるが、思ったよりも圧迫が強く、ゴリラの顔のところから射し込む光は見えているが、そこへ頭を通せない。
それどころか、圧迫されて呼吸ができない。
一旦着ぐるみの外へ頭を出そうとするが、両腕が使えずそれもできない。
両腕をバタつかせて苦しんでいると判断した守は、腕を突っ込みシオンの頭を引っ張り出した。

「ちょっと、待って!急に頭を突っ込んだからビックリしたよ」
「頭にはこれをさしてから」そういうと守は着ぐるみの中からホースを取り出した。
「このホースはゴリラの鼻に繋がっているから、これをシオンの頭の天辺にある呼吸穴に繋がないと」そう言って、頭の天辺にホースをさした。

ちょっと変な匂いはしたが、呼吸は楽になった。
シオンは再び、頭をゴリラの中へ。


437 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/10/04(日) 19:31:27
26

今度は苦しくならない、それどころか守が外からゴリラの頭をシオンの頭に被せるようにしてくれたので、頭も入った。

気づけば腕もマジックハンドに届いていた。
「どう?着られた?」ゴリラの顔のすぐ前で守が訪ねてきた。
ゴリラの中では聞き取りにくかったが、近くで話してくれたおかげでなんとか聞き取れた。
シオンは慣れないマジックハンドで、それに答えようとOKサインをつくろうとしたが、上手くできなかったが守には伝わった。

「じゃあ、後ろ閉めるからね」そう言って守はゴリラの背中へ回り込んだ。
目の前には大きな鏡があり、そこにはゴリラが映っている。
詩織が腕を上げるとゴリラも腕を上げた。
”あ!”ゴリラの顔がアクリルケースから、出された時のままだった。
マジックハンドについているボタンを探し、押してみた。
ゴリラは目を開き、笑顔になった。
それを見た詩織も笑顔になった。

その時、急に圧迫が強くなる。
守が肩の開口部を閉じていた。
内側のネオプレンゴムに付けられた大きめのファスナーが先に閉まったため、圧迫が強くなったのだった。
毛皮のファスナーも閉めて、シオンが着ぐるみに入った開口部よりも下に、隙間がありそこへ毛皮を押し込んで完成。

見た目にリアル、ファスナーも見当たらず更には内臓となる人の動きまで制限したゴリラが出来上がった。


438 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/10/04(日) 23:03:58
27

「どう?痛いところない?」守が尋ねてみるが、反応がない。
シオンに守の声は届いていなかった。
ファスナーを閉めてしまったことで、シオンはゴリラの着ぐるみと一体化したような状態で密閉され、外部の音が聞こえなくなっていた。

守は手振りで待っていてと伝えると、ゴリラは頷いた。
ガニ股の中腰、細かく震えているのが分かった。
立たせておくのもかわいそうに思えたので、手振りで座るように伝え、ショールームを離れる。
ゴリラがゆっくりと腰を下ろすのを確認して、守はショールームを出ていった。

声が聞こえなくなってしまうのは、守には想定外だった。
改善で頭部にワイヤレスのイヤホンを追加しなければならないことは、今後の課題となった。

守は事務所にホワイトボードを取りに行く。
言葉が伝わらないのでは、話にならない。
試したいこともいくつかあったからだ。

一方、ショールームに残されたゴリラに入ったシオンこと詩織は守が居たときから、もう既に大変なことになっていた。

ゴリラに入った時点でも、程よい締め付けでアソコは湿り始めていた。
ファスナーが閉められ、圧迫が強くなると、もう逝きそうになっていた。
この状況で股になにか接触しようものなら、大声を上げてしまいそうだった。
必死に耐えて、足は小刻みに震えていた。

だから、詩織の頭の中は真っ白になりかけで、守の声が聞こえていたが入ってこなかったのだ。


439 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/10/04(日) 23:05:35

28

更に守に座るように指示され、座った床の上には積み木が落ちており、ゴリラの股に刺さるように直撃した。

勢いよく座る衝撃だけでも、感じてしまいそうだったのに、よりによって三角形の積み木の上に狙ったかのように、座ってしまった。
当然、シオンの体を衝撃が走り、呆気なく逝ってしまった。

この積み木は、ゴリラになったシオンが着ぐるみを着こなせるようになるために用意したもの。
先ほどの着ぐるみの中で頭が詰まった騒動の時に、守が準備していた積み木を慌てて撒き散らしてしまっていた。
すぐにほとんど、片付けたのだが一つだけしまい忘れたものだった。

脚を投げ出し、力なく項垂れるゴリラ。
ほとんど動きはないが、時折ビクッと動いていた。

守が会議で使うような大きなホワイトボードを押して戻ってきた時には、シオンの意識もしっかりとしてきていた。

ホワイトボードは、守と事務員の真紀と2人がかりで運んできた。

真紀はショールームの真ん中辺りに座るゴリラを見て、かなり驚いていた。
「社長、ゴリラがいますよ!」といって、守を盾にその後ろからゴリラの様子を伺う。

「大丈夫!佐藤さんだから」
「え⁈でも!」
言葉にならない。

まだ、動けないゴリラに恐る恐る近づき、背後に回る。
「ファスナーとかなさそうですよ」
それに対して守は、「本物そっくりにしか見えないように着ぐるみを作るのが、うちの売りだからね」


440 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/10/04(日) 23:07:39
29

確かにパッと見ただけでも大きなゴリラではない。
立っても真紀よりも小さいことが想像できた。

守がホワイトボードに、”積み木で遊んで下さい”と書いて、ゴリラの前に用意していた積み木を置く。
真紀はその様子を近くで見ていたが、積み木の箱をゴリラが勢いよくひっくり返した途端、悲鳴を上げて守の方へと逃げてきた。

それを見たゴリラは、ゆっくりと立ち上がると、守と真紀に近づいてくる。
真紀は守の後ろに隠れる。
ゴリラはホワイトボードのペンを器用に取ると、文字を書き始めた。
”まきさん、そんなにこわがらないでください”文字は小刻みに震えていた。

それを見て「本当に詩織ちゃん?」と。
ゴリラはコクリと頷く。
そのやり取りを見ていた守があることに気がつく。
「シオン、聞こえるの?」

まさか、気持ちよくなって頭が真っ白になっていたとも答えられない詩織は、ホワイトボードに”すこし”とだけ書いた。

守は「ホワイトボードあった方が、会話できるからいいか」といって、「ありがとう、助かったよ」と真紀に声をかけた。

真紀は守からそう声をかけられ事務所に戻ることにした。
詩織が着ぐるみに入っているのを見て、真紀の中で着ぐるみに対する考え方が変わり始めていた。

ゴリラに入ったシオンは、積み木を再開したが、指が上手く使えないことで、その動きは本当のゴリラに見えた。
あと、守が試しておきたかったことは、転んだときどんな感じなのかということ。

内臓となる人が転倒したときに怪我をしないかというところもお客様へのPRポイントとなると考えたからだ。

転んでも大丈夫と確認できた時点で、今日は始めての着ぐるみということもあり、ゴリラの着ぐるみを脱がせた。
シオンにはシャワーを浴びて事務所へ来るように言って、守は先に事務所へと戻っていった。


441 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/10/05(月) 17:51:48
30

事務の武藤真紀は長身165cmのモデル体型、顔もそこそこの28歳。
3歳になる息子と夫の3人暮らし。
都会出身の彼女は以前OLをしていたが、夫の希望で田舎生活を始めた。

田舎で事務の仕事を探して見つかったのが、有限会社えんくろーじゃー。
事務作業に長けていた真紀は、すぐにえんくろーじゃーへの就職が決まった。
給料が良いというだけで、選んでしまったこともあり真紀は業種に全く興味はなかった。

しかし、詩織の入ったゴリラの着ぐるみを見て興味を抱き始めていた。

守よりも先に事務所に戻り、事務作業を坦々とこなしている真紀であったが、頭の中では今まで関心のなかった着ぐるみが気になって仕方なかった。
そこへ守が戻ってきた。

真紀は少し躊躇しながらも、守に尋ねてみる。
「社長、着ぐるみについてお聞きしたいんですが」
守は目を丸くして「どうしたんだい?」と。
今まで着ぐるみに全くといっていいほど関心を示さなかった真紀の口から着ぐるみという言葉が出てきたからだ。

「あの精巧な着ぐるみはいくらぐらいするものなんですか?」
真紀が作って欲しい着ぐるみでもあるのかと思い、守は金額の話はしないで逆に質問してみた。
「武藤さん、着ぐるみに関心出てきたの?」
そして、続けて
「作って欲しい着ぐるみでもあるの?」

その質問に対して「あのー、息子がウルトラマンが好きで、中でもバルタン星人が好きなんです、それで」
何か話しにくそうにする真紀。

「バルタン星人の着ぐるみを作ったらいくらぐらいするか知りたかったの?」
真紀は頷き「もうすぐ息子の誕生日なので」
「いつも仕事で寂しい思いをさせてしまっているんで」と。

「着ぐるみ作ると結構するよ!真紀さんの給料で3ヶ月から半年分くらいかなぁ、大きさにもよるんだけど」
守の回答に「そうですか」沈んだ声で真紀が呟いた。

「一度、どれくらいになるか見積りして見ようか?」と守が提案した、それに力なく「とりあえず、お願いします」と真紀は答えた。


442 : 河童 :2015/10/05(月) 22:25:42
えんくろーじゃーが再開したようなので私はしばらくお休みさせていただきます。


443 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/10/05(月) 22:33:00
いつ規制かかるともわかないので、どうぞ。

河童の続き楽しみにしています!


444 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/10/05(月) 23:12:48
しえん

Feminized and turned into a rubber doll - TG Transformation
https://www.youtube.com/watch?v=oRnF7lNNwQg


445 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/10/06(火) 06:46:10
31

事務作業を中断、2人は工房へ。
そして、真紀に極力裸に近い状態になってもらい3D測定器に入ってもらった。
そして、再び事務所へと戻る。
「え、これだけですか?」真紀の質問に、守は「そう!」とだけ答えた。

拍子抜けした真紀は、再び事務所に戻り事務作業へ戻り、少しして詩織が戻ってきたが、真紀は何を話していいかわからないまま、終業時間となりその日は終わった。

翌日は朝一から守と詩織は、ショールームへ。
ゴリラの着ぐるみが気になって、仕方ない真紀は事務作業を手早く済ませると、2人のいるショールームへと向かい、中をこっそり覗きみる。

ショールームの中には、今まさにゴリラに入ろうとする詩織?の姿があった。
「え!」思わず声が漏れる。
ゴリラの着ぐるみに入ろうとしているのは、黒光りしたマネキン。

”あの黒いのは何?詩織ちゃん?”心の中で疑問が巡る。
黒光りしたマネキンは顔の凹凸もなく、全くののっぺらぼう。
真紀は驚きつつも、その光景から目を離せずにいた。

詩織の全身を覆っているのは、一体なんだろう?
もしかすると、ラバー?
そう考えると、真紀は興奮してきた。
というのも、真紀の夫がラバーグローブにラバータイツを真紀に着けてもらうことを要求。

初め変な趣味だと嫌々付き合ったが、これが真紀の新たな一面を解放することになった。
自分の腕や足が妖しい光沢を放ち、自分の腕や足を別のものへと変える。
更に触れたり、触れられる感触もまた良かった。
あの感触が全身で感じられるのかと想像するだけで、真紀のアソコは湿り始めていた。
あれを着て主人にキツく抱きしめられたら、想像が広がり真紀のアソコはもう大変なことになりかけていた。


446 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/10/06(火) 17:33:32

32

真紀が我に返ったときには、黒光りしたマネキンはゴリラの着ぐるみの中に消えていき、守がゴリラの肩辺りで何かをしていた。
そして、昨日自分の前に現れた小さめのゴリラが再び現れた。

小さなゴリラはホワイトボードに書かれことをジッと見たあと、書かれたことを忠実にこなしていた。

”着ぐるみの中はどんな感じなのだろう?”
”誰かに強く抱かれるよう感じなのだろうか”
そんなことを想像していると、真紀の太もも辺りを何かが流れていく。
”ヤバい”
真紀は慌ててその場を離れ、トイレに向かう。

想像していただけで、こんなに興奮してしまうなんて、自身でも信じられなかった。
そして、真紀は自分もあのラバースーツを着て、着ぐるみに入りたいと思うようになっていた。

真紀がいなくなった後も、小さなゴリラと守のやり取りは続いていた。


数日後、守から真紀に土曜日の出勤依頼があった。
これまでは一度もそんなことはなかったのだが。
インターネットにホームページを立ち上げてからは、問い合わせが増えた。
そのことに起因しての出勤依頼と真紀は思っていた。

「おはようございます!」平日と同じ時間に出勤すると、守は笑顔で「おはよう!」と返した。
いつもと変わらない日常の風景。

いつもと違うのは、真紀の机の上に置かれたビニール袋に入った黒い物体があること。

守は「それを持ってついてきて」と。
意味が分からないが、黒い物体を持って後に続くが、真紀は気づいた、その黒い物体が何か、それに守の向かう先、そしてそこに何が待っているかも。
嬉しい反面、少し顔が暗くなる。

守と真紀はショールームに着いた。
照明を点けると、現れたのはバルタン星人。
守は真紀が喜んでくれると、思っていたが反応が薄いので真紀に尋ねる。
「どうしたの?」

真紀は下を向いて「バルタン星人は凄く嬉しいんですが、払えるお金がなくて」声が小さくなる。

そんな下を向いている真紀の肩を叩いて、「仕事だよ!モニター」
「子供のいる家で、モニターをしてもらい子供がどこを触ってくるか?関心があるか?をモニターしてもらいたいんだ」

「ただし、着ぐるみを破損した時は」そう言って守は話しを切り、真紀を見つめる。
真紀の頭には”高額の弁償”の文字しか浮んでこなかったが、次に守が発した言葉は「モニター代が出ませんので、よろしく!」
真紀は笑顔になった。


447 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/10/07(水) 06:42:08
33

「あと、もしかするとモニター代は出ないかもしれないので、着ぐるみを持って帰って頂いて構いません」

真紀は嬉しさのあまり涙を浮かべていた。
守が遠回しにプレゼントしてくれたことを理解したからだった。

守の「お子さん、喜ばせてあげて」に対して、真紀は声を出せさずコクリと頷いた。

声を出さずに喜んでいる真紀に守は「一度着方を教えるから、着てみて」と。
まずは、ラバースーツの説明。
ネックエントリータイプになっているので、ファスナーはなく少し着るのに苦労することと、ラバースーツを着ることで着ぐるみ内の滑りを良くすることを説明した。

そして、えんくろーじゃーの売りである全身をくまなく覆うのは、着ぐるみだけでなく着ぐるみの中でも全て覆っていること。
そのために、フェイスロールを装着していることを説明した。

真紀はまず、詩織がいつも使っている更衣室に入り、ラバースーツに着替える。
普段、ラバーの扱いには慣れているので、教えられずとも着ることができた。
自分の体が光沢のある黒い体になると、気持ちいいことが分かっているので触りたい衝動に駆られたが、それを”着ぐるみを着てみたい”という思いが勝って自分を抑えることができた。

フェイスロールの説明を受けていたので、自分で被ってみる。
思っていたよりも簡単に装着できた。
そして、ラバースーツを引き上げて天辺の小さな穴へと余ったラバースーツを押し込んでいく。

”完成!”マウスピースをくわえていて言葉にならないのは分かっていたが、自分を抑え切れずに声を挙げた。
目の前の大きな鏡に、光沢を放つ黒いマネキンがそこにいた。
鏡に近づき自分の顔を見ようとするが、全く顔は見えない。
”凄い!”またも声を挙げる真紀。

その時、背後でドアをノックする音が聞こえ「大丈夫?」と守が声をかけてきた。
おそらく、何度か声を挙げているのが聞こえていたのだろう。
もう着替え終わっていたので、真紀は更衣室から出ることにした。

更衣室から出ると守が心配そうにしていたので、真紀は指でOKをつくり大丈夫であることを伝えた。
それを見て守はホッとした様子だった。


448 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/10/07(水) 15:43:43
支援


449 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/10/07(水) 18:26:40
34

いよいよバルタン星人へ。
守は置き物のように立っているバルタン星人の脇の所に手を入れて、上半身部分を持ち上げた。
中から出てきた下半身部分は、ゴム長のようになっていた。

バルタン星人の上半身部分を床へ置くと守るは、手招きをする。
それに引き寄せられるように、黒いマネキンとなった真紀が近づく。

下半身部分には、しっかりとした腰までのマネキンが入っており、守がそれを引き抜くとバルタン星人の下半身は力無く床へと崩れ落ちた。
そして準備してあったイスに座るように真紀を促し、守はバルタン星人の下半身を拾い上げ真紀へと渡した。

”初めての着ぐるみ”
真紀はドキドキしながら足を通していく。
ウエットスーツの素材でできているようでピッタリとしている。
しかし、ラバースーツが滑りをよくしていることもあり、真紀の下半身はみるみるバルタン星人へと変わっていった。
バルタン星人の下半身は足先まで一体になっており、真紀に合わせて守が少し手を加えていた。
それは足元がハイヒールになっていること、見た目にはロングブーツを履いているようにも見える。

真紀もなかなかのプロポーションの持ち主。
バルタン星人の下半身の最上部にある材質の違う外側へと少し折り曲がった部分を掴み引き上げるが、真紀の大きな胸の下で止まってそれ以上引き上げることはできなかった。
さらに上へと引っ張り上げようとした時、守が「そこまででいいよ」と声をかけた。

次に「バンザイをして!」守は自分の両手を挙げながら真紀に指示する。
真紀が守に従い両手を挙げると、下半身部分がずり落ちる感じがしたものの両手を挙げた。

守は床に置いたバルタン星人の上半身部分を持ち上げ、真紀に被せていく。
バルタン星人の上半身部分の入口は狭く頭の部分が少し広がっているのだが、装着者が細身の真紀ということもあり中にはクッションのような詰め物があり固定できるようにしてあった。


450 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/10/08(木) 19:13:54
35

守にバルタン星人の燕尾服のような上半身部分を被せてもらう。
入口は狭くかなり窮屈ではあったが、またもラバースーツの滑りのよさが装着を助けてくれた。

腕を通し頭をねじ込んでいくと、僅かではあるが光が見える。
その光が射しているところに頭を入れると外側が見えた。
とは言ってもハッキリと見える訳ではなく、横に走ったスリットの向こうに守の顔が見えている。

「どう?見える?」守が覗き込むようにして尋ねる。
手でOKサインを作ろうとして大きなハサミを振り上げる真紀、それに驚いて仰け反る守。
守も驚いたが真紀もまた驚いていた。

真紀はバルタン星人の両腕の大きなハサミはかなりの重量があると、見た目の色と外観からそう思い込んでいた。
しかし、意外なほどの軽さだったので、少し上げるつもりが勢いがつき過ぎて振り上げてしまったのだった。

ハサミを合わせて”ゴメンなさい”ポーズで守に謝る。
守は笑いながら「大丈夫そうだね!」そういうと最後の仕上げである上半身の下部の左右から手を入れると、何かを引っ張った。

すると、上半身と下半身の部分が一体となり上下から真紀らを締め付けた。
しかし、苦しくはない、しっかりと採寸計算されていることがよく分かった。

「どうかなぁ?動いてみて?」
バルタン星人となった真紀は、大きなハサミを振って歩いてみる。
”いい感じ!股の所が少し窮屈だけど”
歩きながら姿見鏡に向う。


451 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/10/09(金) 10:15:40
36

気になった股の所がプッくりし割れ目がみてとれる。
自分が気にしているだけで、他人から見ればどうということはないと真紀は気にしないように努めた。

息子の本に載っていたバルタン星人の4つに割れた腹筋のような上にも大きな膨らみが2つある。

真紀が苦しくならないようにとの守の配慮ということはなんとなく分かった。
しかし、鏡の前に立つと女性らしさのにじみでるバルタン星人が映る。
真紀は少し考え、固まってしまったが見られるのが家族だけならと、考えを改めた。

ここを手直ししてもらっていたら、明日の息子の誕生日には間に合わないからだ。
そう、守はこの日に間に合わせて、着ぐるみを作製してくれたのだった。

真紀が嬉しくて涙したのは着ぐるみを作ってくれただけでなく、息子の誕生日に間に合わせてくれたこともあったのだった。

「バルタン星人になった感想は?」守からの問いかけに言葉では答えられない真紀は体いっぱいで表現し守に伝えた。
守も嬉しそうに笑っていた。

その後、着ぐるみを脱いだ真紀は簡単に着ぐるみの脱着や取扱いの説明を受けて、土曜の出勤は早めに切り上げ帰宅した。


452 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/10/09(金) 18:32:38
支援


453 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/10/12(月) 20:32:13
37

真紀が家に帰ると、息子の大河と夫の晴彦が出迎えてくれた。
「早かったね!もう仕事いいの?」晴彦の質問に簡単に返事を返し「私、夕飯の準備始めるから車の荷物取ってきてくれない?」

晴彦は「あぁ、分かった」、そして「プレゼントとケーキは明日買いに行く?」と。
それに対して真紀は「そうしましょう!荷物よろしく!」そういうと台所へと向かう。
出迎えた大河も真紀とリビングの方へ、先ほどの続きのテレビでも見るのだろう。

晴彦は1人車へと荷物を取りに行く。
後ろの座席に大きなダンボールが一つ積まれていた。
ダンボールには封はされていない。
何が入っているのだろうと、中を覗いて驚いた。
バルタン星人がこちらを見ている。

”ディスプレイ?”そう思いながらバルタン星人をダンボールから取り出す。
「すげぇ!」晴彦は思わず声に出した。

持ち上げると腕、そしてハサミまである。
”着ぐるみ?”
狭い車内ではここまで見るのがやっとだったので、とりあえず自宅へと持ち帰った。

夫婦の部屋へダンボールを置くと、晴彦は夕飯の準備をしている真紀のところへ行き「あれ、どうしたの?」と尋ねる。

真紀は夕飯の準備の手を止めることなく「会社からのプレゼント、凄いでしょ!あとで着てあげる」

その言葉に晴彦は驚き質問したいこともあったが、、夕飯の準備の邪魔かと気を回し台所から離れた。

晴彦の頭の中は、妻である真紀がバルタン星人に入る、それを想像しただけで静かに興奮し始めていた。


夕飯を食べ終わり大河も寝て、ようやく2人の時間となった。
そう、晴彦が待ちに待った時間がやって来たのだ。
晴彦が声をかける前に、真紀から「では変身するとしますか!」その声の調子から真紀自身もこの時間を楽しみにしていたことが伺えた。

真紀は晴彦の手を引き「手伝って、1人じゃ大変だから」その言葉に晴彦は生つばを飲みコクリと頷くと真紀に続いて、バルタン星人の着ぐるみの置いてある部屋と向かった。

ダンボールから取り出されたバルタン星人の上半身、大きなハサミの付いた腕はダラリと垂れ下がる。
真紀はそれを床へ置き、ダンボールの底の方を漁る。

出てきたのは、ビニールに包まれた黒い物体。
真紀がビニールからそれを取り出すと、晴彦には匂いでそれが何か、すぐに分かった。
”ラバー!”
着ぐるみだけでも興奮している晴彦は更に興奮した様子で「それってラバースーツ?」
分かっているのにワザと尋ねる。
「そうよ!いいでしょう」真紀は笑いながら返す。
真紀はラバースーツをイスの背もたれに、広げてかける。
着替えが見られると、少し前傾姿勢の晴彦に「床のバルタン星人の上半身取って!」と。
とっさのことで晴彦は「あ、あ、うん!」
よく分からない返事を返しバルタン星人の上半身を拾い上げる。


455 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/10/13(火) 06:33:14
38

「いい。最後に上半身を頭から被るからハサミを上に上げて着易くなるように手伝ってね」と言ったあと、上半身を着せてから上半身と下半身を結合する説明を加えた。

説明を理解したようで、晴彦は大きく頷く。
”分かりましたので、早く着替えて下さい”と目で訴える晴彦に「それと着替え中は部屋から出て廊下で待ってて、準備ができたら中からノックするから入ってきて」
「くれぐれも合図があるまでは部屋に入らないでね!」
とクギを刺すと、真紀は晴彦の背中を押して部屋の外へ出す。

そして真紀1人になった部屋で、裸になると独特の匂いを放つラバースーツに足を通していく。
扉の向こうの晴彦には、ラバースーツに着替える時の”ピチッ ピチッ”という音だけが聞こえていた。
晴彦にとってはその音だけでいろいろな想像してを巡らせることは容易であった。

しばらくすると音は聞こえなくなり、”ガサゴソ”という音が聞こえてきた。
おそらくはダンボールの中から何かを取り出しているのだろう。
晴彦は扉に阻まれ中が見えない状況を逆手にとって、妄想をどんどん膨らませていた。

部屋の中では黒マネキンとなった真紀が、バルタン星人の下半身を履き、続いて上半身の狭くなった部分に頭を突っ込んでいた。
しかし、思った以上に頭が入らない。
そこで晴彦に手伝ってもらうことに。
先に腕だけ通してから、扉をノックして隠れるように頭を突っ込む。

しかし、ジラされていた晴彦は真紀がノックすると、すぐに勢いよく扉を開けた。
内開きの扉はバルタン星人になりかけの真紀を床へと弾き飛ばす。
晴彦が扉を開けた時には、胴体の長いバルタン星人が床に仰向けに倒れていた。

バルタン星人は大きなハサミを振り回している。
その姿は助けを求めているようにも、怒っているようにも見えた。
晴彦はとりあえず両手を合わせて「ゴメン、ゴメン!」といった後、バルタン星人の背中を持ち上げるようにして立たせる。

上半身と下半身の切れ目からは黒いラバースーツがチラつく。
晴彦はそれを気にしながらも、バルタン星人の大きなハサミを上に上げて着せるのを手伝う。
上下の結合も上手くできて、晴彦の目の前にバルタン星人が現れた。

もともと身長の高い真紀がヒールを履いた状態になっている、加えてバルタン星人の長い頭を入れると高さは180cm程になった。
182cmの晴彦と並んでも遜色ないほどだったが、中身が女性ということもあり、すらっと細いバルタン星人となった。


456 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/10/13(火) 17:21:18
支援


457 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/10/13(火) 18:45:18
39

「すげぇ、カッコイイなぁ!」晴彦は改めて感心した口調で言う。
それを聞いて真紀も調子に乗り、ハサミを振り上げてバルタン星人独特のポーズを取ろうとしたが、ハサミが照明に接触したので、すぐに止めた。

晴彦はバルタン星人になりきり、焦ったりビックリしても声を出さない真紀に感心していた。
普段なら何かあれば、すぐに大声を上げているからだ。
ご存知と思うが、マネキン状態の今の真紀は少しぐらいのことでは声が出せないでいる。

ハサミを振り回すのは狭い部屋では危険と判断した真紀は軽く腕を開いて晴彦にハグを要求。
着ぐるみの圧迫の中で、晴彦にハグされたいと思っていたからだ。

晴彦もバルタン星人真紀のその行動の意味を理解し2人はハグをした。
そしてバルタン星人の後ろにあったベッドへと、そのまま押し倒す。

バルタン星人は抵抗なくベッドに横たわり、その上に晴彦が覆い被さる。
照明がバルタン星人の顔を照らす。
晴彦はバルタン星人の覗き穴から真紀の顔を探すが見つからない。

晴彦はすぐに諦めて、今度はバルタン星人の内ももを優しく撫で始めた。
それを抵抗せずに受け入れるバルタン星人。
着ぐるみを着ているが、ラバースーツがその感触を真紀に正確に伝える。
内ももに力が入り内股になるバルタン星人。

しかし、晴彦の攻撃はこれでは治らず股へと向かう。
内ももを刺激された真紀のアソコは、隆起し固くなっていた、それは着ぐるみの上からでも分かるほどに。

真紀はあまりの気持ちの良さに、体を捻って抵抗しようとしたとき、晴彦が耳元で「あんまり動くと、バルタン星人傷まない?」と。
その言葉のあと、真紀は抵抗することができなくなり、晴彦の攻撃を受け続けた。

結果、抵抗できない分あっさりと真紀はバルタン星人の中で逝ってしまった。
声が出ないので、真紀は逝っていないと思い晴彦の攻撃はなおも続く。
”ヤバイ、また逝っちゃう!”
そう思った瞬間にまた逝ってしまった。

”もうダメ!” ”やめて、壊れちゃう!”
真紀の思いとはウラハラに晴彦の攻撃は激しくなる。

真紀は堪らず、声を上げた。
「んんん〜ん〜!」
そのあと、大きなハサミはベッドの上にドサッと落ちた。


458 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/10/14(水) 06:47:14

40

なおも股を攻め続けていた晴彦だったが、全く動かないバルタン星人の異常に気がつく。
慌ててバルタン星人を脱がせようとするが、慌てているときは上手くいかないもの。
かなりの時間を要し、バルタン星人の上半身と下半身を繋ぐ結合箇所を外すことができた。

バルタン星人をバンザイのポーズにし、ゆっくりと引き上げて脱がせる。
晴彦は意外とすんなりと上半身を脱がせることができた。

しかし、出てきたのは顔の凹凸の全くないのっぺらぼう頭。
驚きながらもラバースーツを脱がせようと仰向けからうつ伏せへと真紀の体を反転させるが、”ない⁉︎”背中にあるはずのファスナーがどこにも見当たらない。

晴彦は慌ててファスナーの見当たらないラバースーツの背中に手を当てて手の感触でファスナーを探すことを試みるが、伝わってくるのは真紀の体温だけだった。

晴彦が困り果て顔に手を当てた時だった。
うつ伏せにされた真紀に反応が。
うつ伏せにされたことで、半分気絶していた真紀は気がついた。

真紀は起き上がり自分の頭を触りバルタン星人でないことを確認すると、のっぺらぼうの頭を両側から掴み下へとズラす。

すると頭の天辺からラバーが出てくる。
2回ほど繰り返すと、フェイスロールが現れた。
それを器用に真紀は自分で外した。

その中から、ようやく晴彦のよく知っている真紀の顔が現れた。
真紀の口からは涎が垂れ、暑かったのだろう顔は真っ赤になっていた。
「もう、やり過ぎ!でも気持ちよかった」
と真紀は言って晴彦に抱きついた。

真紀はバルタン星人の下半身を脱ぎ、ラバースーツ姿になり晴彦の手を引きベッドへと戻る。
「どう?この姿、興奮するでしょ?」抱きついた時に晴彦が勃起していることに気づいていてが、真紀はワザと聞いてみた。
「うん、触っても?」「どうぞ!」

こうして子どもが生まれてからは、すっかり夫婦の営みが無くなっていた2人に営みが戻ってきた。


460 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/10/14(水) 22:15:26
支援


461 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/10/15(木) 06:37:11
41

週明けの月曜日、守が真紀に尋ねる。
「どうだった?」
「ありがとうございます!息子は大喜びでした。息子より主人の方が喜んでいたようにも思います」と真紀は返した。

「よかった!」守は嬉しそうに笑い、今度は詩織に声をかける。
「次の着ぐるみが完成したから、また試着お願いできる?」
「ハイ!」詩織は元気な返事をする。

真紀は少し詩織を羨ましく最近は思うようになっていた。

事務作業は真紀に任せて、守と詩織はショールームへと向かう。
「モニターのこと聞くの忘れてた、まぁいいか」
守の独り言に詩織が問いかける「モニターってなんですか?」
守は「また今度話すよ!ところで佐藤さんはなにか好きなキャラクターや動物とかいる?」と笑顔で詩織に聞く。

「え!なんですか?急に」少し考えた詩織は「また、今度でもいいですか?」と笑顔で返し、「ところで、今回の着ぐるみはなんですか?」と質問した。

「えーとね、少し態勢が厳しいけど大丈夫?」詩織の質問の答えでないことを返す守。
続けて「水が苦手だったりしない?」と逆に質問を返した。

「泳いだりするんですか?泳ぎは得意ですよ」笑顔で答える詩織にひとまず安心する守。
暗いショールームに入ると、ゴリラの横のアクリルケースに中にかが入っている。

ハッキリとは分からないが、細長い。
近づいて分かった”ワニ!”
詩織は守の厳しい態勢の意味が理解できた。
ワニになって、地面に這い蹲るような姿勢を取ること。
そして、水に入ることも同時に理解した。
しかし、まだ4月下旬、水に入るにはまだまだ寒い。

守の説明を遮り、詩織が先に「水に入るにはまだ寒いですよ!」
「まぁ説明を聞いて、ワニの着ぐるみは完全防水ではないので、おそらく水は入ってくる」
「夏場はいいが、12月から5月くらいまでは寒くて仕方ない」

詩織の顔は”ほらー”と少しムクれた顔になっている。
「そこで、寒い時はこれを着てみて欲しいんだ」そう言ってアクリルケースからワニを取り出し、ワニの口に手を突っ込み何かを取り出す。


462 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/10/16(金) 06:46:33
42

出てきたものはピンク色をした少し光沢のあるもの。
リアルなワニから出てきたので、内臓のようにも見えたが広げてよく見ると、それはフード付きのウエットスーツだった。
「これを着れば寒くないと思うんだ、どうかなぁ?」
「かわいい!」思わず声をあげた詩織。
彼女の好きな色はピンクだった。
守は詩織の履歴書を参考にして、彼女が気持ちよく仕事ができるよう配慮したものだった。

守は「今回はそのまま着てもいいよ!」嬉しそうにしている詩織に言ったが、詩織は固まってしまう。
「どうしたの?」
守の問いに「かわいいですけど、派手過ぎるので、恥ずかしくて」下を向く詩織。

「じゃあ、いつも通りシオンになってくれる?」
「ハイ!着替えてきます」詩織の声は明るくなり更衣室へと走っていった。

しばらくすると、更衣室の扉が開き受付嬢の衣装まで身につけた、シオンが現れた。
「着替えるの早くなったね!」守が声をかけるとシオンは無言でピースサインをした。

守はシオンにワニの着ぐるみについて説明を始める。
「ワニの着ぐるみは口の上顎の歯が外れるようになっており、これを外すと防水ファスナーが現れ、このファスナーを開いて中に入ります」
「ワニの手足は短いので、装着者が自然とその姿勢になるように胴体部分は肉厚に作ってあるので中に入るとかなり窮屈だと思います」
「ワニの中ではお尻を尻尾の方へ突き出した姿勢になります」

そういって守はワニの上顎の歯を外し、歯の下にあるファスナーを開いてシオンに見せる。
シオンは理解したというように頷く。

続いて守は塊で置いてあると何かの内臓のような色をしたウエットスーツを広げ、説明を始める。
「この内臓のようなウエットスーツは、背中のファスナーを開いて着ていきます」
「通常と違うところはフードが付いていることと、そのフードの目の部分に細かな穴が複数あること、そして頭の天辺辺りにフェイスロールの呼吸用の穴があることです」

”顔が完全に隠れるなら、シオンにならなくてもよかった”と少し思う詩織。

「フードを被る際は、呼吸穴を塞がないように気をつけないといけないね」
守は自分に言い聞かせるように言った。

「そして呼吸穴にワニの鼻の穴から繋がるホースを差し込んで、呼吸は確保できるんだけど水が入ってきたら一度大きく息を吐いて水を吐き出してね」

「以上で説明は終わりだけど、大丈夫かなぁ?」
シオンは手でOKサインを出した。


463 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/10/16(金) 12:32:29
社長は部下を大切にする良い経営者だなあ


464 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/10/17(土) 15:57:48
43

「じゃあ、早速」そういってウエットスーツをシオンに渡す。

シオンは受付嬢の衣装を脱ぐと、ウエットスーツに足を通していく。
ウエットスーツの内側にも工夫がしてあり、ピッタリであるが、スムーズに着ることができた。
詩織は色ばかりに気が取られ、手や足先も完全にウエットスーツに覆われてしまうことは着ている途中で気がついた。

”それにしても結構な圧迫”詩織の思っていることが通じたのかと思うようなタイミングで守が「ワニの中で動きやすいように少しウエットスーツを小さめに作ってあるから」と。

下半身がウエットスーツに覆われた時点で、詩織は少し気持ちよくなり始めていた。
この調子ではフルカバーのウエットスーツを着て、ワニに入る頃にはどうなっているのだろうと想像しただけで壊れてしまうのではないか思った。

腕、続いて頭を通すが、頭は入ったものの呼吸穴が合わない。
穴を合わすのに時間がかかり、腕をバタつかせ苦しさを露わにするシオン。

守も慌ててシオンの頭を引き出す。
苦しかったようで、頭の天辺の呼吸穴からは激しく呼吸しているのが分かった守は、ピンクのウエットスーツから頭を出したシオンを座らせてどこかへいってしまった。

ショールームには残されたシオンの呼吸穴だけが響いていた。


466 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/10/18(日) 18:52:18
昨日の夜勢いでSS書いてみたんだけど、投稿してもいいかな? 
色んなの読んでて影響されてて初めて書いたやつだから下手くそな文章化もしれんけど。

内容はスーツアクトレスの女の子とそのファンの話。


467 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/10/18(日) 19:00:04
>>466
アクトレスそそられる
投稿お待ちしてます


468 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/10/18(日) 19:22:00
>>467
投稿はえんくろーじゃーさんの投稿が落ち着いてからのほうが良い?
今までのを読んでた感じ複数の作品が同時期に連載されてるの見たけど。

もし、今から投稿してもOKなら日付が変わる前くらいに投稿するけど。


469 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/10/18(日) 19:33:45
支援!


470 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/10/18(日) 20:41:01
どんどんはさんでいいと思う
えんくろさんまだまだ続きそうだし
スレの最後にまとめてくれる人居るでしょ


471 : 俺のガールフレンドはスーツアクトレス ◆ONxZLz0otQ :2015/10/18(日) 21:01:36
466です。それでは投稿します。何分、初めてで勢いに任せて書いたので少々見苦しいところがあるかもしれませんが、よろしくお願いします。
ここの過去スレの作品やピクシブの上がってる作品の影響を多分に受けてるので何処かで見たことあるようなってシーンがあるかもしれません。

それでは、始めます。


俺は新庄 翼(しんじょう つばさ)どこにでも居る普通の高校1年生だ。高校生活にも慣れて来て高校での友達も出来た。


でも、実は誰にも言っていない秘密がある。着ぐるみのヒロインが好きなのだ。それも特撮系の。中学に上がったばかりの頃、ネットでたまたま同人サークルの自主製作の特撮ものでアンドロイドのヒロインの着ぐるみを見て以来それに惹かれてしまった。

そのサークルの着ぐるみの中の人、スーツアクトレスの一人に自分と同じ年の女の子が居た事も影響していると思う。

自分と同じ年の子がスーツを着てアクションをしているのを知って一体どんな子がスーツアクトレスをしているのだろうと興味を持った。

そのサークルのHPで作品の制作日誌を見ていると着ぐるみキャラのマスクを取った状態、いわゆるマスクオフの状態の画像が載っていたりしてスーツアクトレスさんのマスクオフ姿に魅力を感じ、自分と同じ年の子のマスクオフ姿が無いか探したのだけど、中々見つからず見つかっても顔の所を加工してあって素顔は分からないままだ。


その同人サークルは丁度、自分の住んでる近隣の地域で活動をしていることもあって公開ロケを見に行ったりもしている。


今は授業中だけど担当の先生が出張で居ないらしく自習となっていた。なのでスマホでサークルのHPにアクセスし3日前に用事で行けなかった公開ロケの様子を見ていた。


472 : 俺のガールフレンドはスーツアクトレス ◆ONxZLz0otQ :2015/10/18(日) 21:04:37
「いてっ!」


するといきなり後ろの席からシャーペンで背中を刺された。


「なに、自習だからってスマホ弄ってんのよ。今度、先生にチクるわよ?」


そう言ったのは俺の後ろの席の長瀬 日香里(ながせ ひかり)だった。彼女は成績は優秀、脚が長くてスラッとしていてスタイルも良くスポーツは万能。身長も高い方だ。おまけに美少女ときた。でも性格がきつそうで、ちょっと近寄りがたくあまり話したりはしなかった。


「授業中にスマホ弄ってたのは謝るよ。だからそれだけは勘弁してくれないかな?」


「素直に謝ったから今回は見逃して開ける。・・・で、何を熱心に見てたのよ? もしかしてエロ動画とか?」


そう言って俺の手からスマホを取り上げた。


「あっ、おい」


終わった・・・。あぁ、ヤバい・・・完全に変な奴だと思われる・・・。


「え? これ何なの?」


「そ、それは・・・」


「あたしに見られたらまずかったわけ?説明しないとやっぱチクるわよ?」


長瀬はスマホを人質にしやがった。こうなれば観念して白状するしかない・・・。


「あ〜、えっとそれはね、この近くで活動してる同人サークルが製作してる作品の制作日誌だよ。詳しくはこの後昼休みに飯を食ったら説明するから、それで勘弁してくれるか?」


「ふーん、分かったわ。んじゃ、お昼ご飯食べたら屋上で」


一番、知られたくなかった奴に秘密にしていたことを知られてしまい憂鬱な気分で昼休みまでの時間を過ごすこととなった。


473 : 俺のガールフレンドはスーツアクトレス ◆ONxZLz0otQ :2015/10/18(日) 21:06:04
今から出かけることになったので今日はここまでです。よろしくお願いします。m(_ _)m


474 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/10/18(日) 21:57:26
改行が多くてちょっと読みにくい・・


475 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/10/18(日) 22:58:22
俺は新庄翼
どこにでも居る普通の高校1年生だ。
高校生活にも慣れ、高校でも友達が出来た。

でも、誰にも言っていない秘密がある。
俺は実は、着ぐるみのヒロインが好き。それも特撮系・・・。
中学に上がった頃、ネットでたまたま同人サークルの自主製作特撮で
アンドロイドヒロイン着ぐるみを見て以来それに惹かれてしまった。

ここまで赤点してみた


476 : 475 :2015/10/18(日) 23:06:38
自分でも、原文見直しての
>>475だったので
粗は、スルーしてくれ

おもしろい話っぽいので、期待してる


477 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/10/18(日) 23:06:39
たしかに>>475みたいな感じだと見やすいかも
内容はアンドロイド着ぐるみだから超期待してる。
続き待ってます。


478 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/10/18(日) 23:36:15



479 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/10/19(月) 12:16:05

44

しばらくして戻ってきた守の手にはホースが。
その頃にはシオンの呼吸も落ち着いていた。
守はホースをウエットスーツのフードの天辺の穴に突き刺してから、シオンの頭へと接続する。

こうすれば、呼吸困難になる心配も要らないし、確実に呼吸ができる。
シオンは再びウエットスーツの中へ。
視界の調整もできたようで、OKサインを出すシオン。
背中のファスナーは守が閉めていく。

ファスナーが閉まっていくと同時に詩織の感度は上がっていく。
完全にファスナーが閉められた時、詩織は体をブルっと振るわせた。
快感でアソコはもうかなり大変なことになっている。
体全体を程よく圧迫されていることが、詩織を刺激し続ける。
また、ウエットスーツで外部の音がほとんど遮断された自分だけの世界。

ピンクに見えているあまり良くない視界に守が入ってきた。

こちらを覗き込みOKサインを出している。
ピンクのウエットスーツに包まれたシオンもOKサインを返す。

視界から守が消えて、今度はワニが現れた。
守はワニを仰向けにして口を大きく開けて”どうぞ!”と手で着ぐるみに入ることを促す。

ピンクのシオンは頷くと、床に座ってワニに食べられていく。
厚みのなかったワニは命を吹き込まれたように膨らんでいく。
力なく垂れていた足に命が宿る。

ココで着る態勢が苦しくなったのか、シオンの動きが止まる。
守もなんとなくではあるが、状況を察して手伝う。
お尻を尻尾の方へと押し込みながら、更に中へ。
そして次は手、手にも命が宿る。
硬い鱗板に覆われた指の一本一本がしっかりと動く。
シオンの頭もワニの中へと収まった。

出ているのは呼吸用のホースだけ。
守はワニに始めから付いていたホースを抜くとシオンの頭から生えているホースへ差し替えた。
ワニの鼻から呼吸出来ていることを確認した後、ワニをうつ伏せというよりは本来の自然な態勢に戻し上顎のファスナーを閉めて、鋭い歯を取り付けた。


480 : 俺のガールフレンドはスーツアクトレス ◆ONxZLz0otQ :2015/10/19(月) 15:41:02
466です。期待の感想ありがとうございます。読みづらくてすいません。添削ありがとうございます。
ちょっと改行やら長いセリフの部分をいくつかの「」に分けるなど元の文章を弄ってみました。

一応、SSは完結しているので、皆さんの期待に通りな内容か不安ですが続きを投稿します。
それでは、行きます。色々と実験しながら投稿するので、まだ改善した方がいいところ等ありましたら指摘お願いします。

そして、昼休み屋上にて自習中に長瀬に見せてHPの事を説明することになった。
「で、あれは何を見てたの?」
「あれはだな、ある同人サークルの作ってる作品の撮影日誌だよ。この近隣で活動してるらしくてな、この間公開ロケをやってたんだけど、用事が出来て行けなくてね。ロケの様子が公開されてたから見てたんだよ」
「新庄はあぁいうのが好きなんだ?」
「・・・そうだよ。今まで家族にも秘密にしてたけど、まさか長瀬に見つかるとは思わなかった」
「何で好きなの?」
俺は観念して全てを話した。何故だか気分が軽くなって洗いざらい吐き出すように全てを話した。
この同人サークルのこと、アンドロイドのヒロインや特撮系変身ヒロインのスーツアクトレスのこと。
そしてそのスーツアクトレスの中に自分と同じ歳の子がいる事。たぶん犯人が警察で取り調べを受ける時ってこんな気持ちなんだろうな。

「で、俺らと同じ歳のスーツアクトレスの人アルファベットでRIKAって名前なんだけど、なかなか素顔を出してなくてね」
「一体どんな子がスーツアクトレスやってるんだろうって気になってるんだよ。俺らと同じ歳で学校に行ってる傍ら、同人とはいえスーツアクトレスとして頑張ってるからすごいと思うよ」
「夏の日とか暑さで大変だろうにアクション頑張ってるし尊敬するよ。自分なんかもっと勉強頑張らなきゃって思うよ」
「最近、このサークル歌って踊ったりするアンドロイドキャラを出したけど、そのキャラのアクトレスもRIKAって子らしいしね」
「公開ロケ見に行ったときは握手してもらったり公式サイトから応援のコメントを送ったりしてる」

「へぇ、よっぽどそのRIKAって子のことが好きなのね」
「まぁ、顔は全く分からないんだけどね。公開ロケとかでキャラのスーツを着てるのは見た事あるけど」
「ふーん、ところで明後日の日曜日予定空いてる?ウチに来ない?」

正直、意味が分からなかった。女子から家に呼ばれる、だと?

「えっ? 日曜日は何もないけど、どうして急に長瀬の家に行く話になるんだよ」
「予定はないのね。んじゃ、必ず来なさいよ! 来なかったらスマホの件チクるから」
「ちょ、待てよ!」

言うだけ言って長瀬は逃げるように屋上から去って行った。

「はぁー。何でこうなったんだか。てか、俺を家に呼んでどうする気なんだろ?」

とりあえず、俺も教室に戻ることにした。


481 : 俺のガールフレンドはスーツアクトレス ◆ONxZLz0otQ :2015/10/19(月) 15:51:06
良く見たら1行目の文章にミスがありました。訂正します。

×そして、昼休み屋上にて自習中に長瀬に見せてHPの事を説明することになった。

○そして、昼休み屋上にて自習中に見ていたHPの事を長瀬に説明することになった。


482 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/10/19(月) 21:21:35
俺のガールフレンドはスーツアクトレスさん、意外な展開を期待しています。


483 : 俺のガールフレンドはスーツアクトレス ◆ONxZLz0otQ :2015/10/19(月) 23:07:37
>えんくろーじゃーさん
意外な展開ですか・・・。期待に添えてるといいのですが(^^;


484 : 俺のガールフレンドはスーツアクトレス ◆ONxZLz0otQ :2015/10/19(月) 23:09:10
日曜日、電車に乗って長瀬の家に向かった。電車で3駅行ったところの近くのマンションに住んでるらしい。

「ここか。ずいぶん立派なとこだな。501号室だったよな」

俺はマンションの入り口の所にあるインターフォンを押した。
「すいません、長瀬さんのお宅でしょうか?」
「来たわね。今、解錠するから入って良いわよ。それとカメラは持ってきてるわよね?部屋の前に着いたら連絡ちょうだい。あたしが入っていいってLINEするまで絶対に入らないでよ?」
「あぁ、カメラは持ってきてるぞ。てか、なんでそんな面倒なことするんだ?」

訳が分からなかった。普通に迎えればいいじゃないか。それに必ず公開ロケの時に持って行っているカメラを持ってこいというのは謎だった。

「別に良いじゃない。間違ってもあたしが許可するまで部屋に上がらないでよ?良いわね?」
「はいはい、分かったよ」

エレベータで5階に上がりすぐに部屋に前に着いた。そして長瀬の奴にLINEで連絡を入れる。
すると、すぐに入って良いとの許可を得たので部屋に上がる事にする。

「女子の家に上がるって緊張すんな・・・」
女子の家なんか小学校以来行ったこともない。ましてや学校では美少女で通っている長瀬の家に行くなんか想像もしてなかった。
「ごめんくださーい。長瀬、入るぞ」
俺はおそるおそる玄関のドアを開けると、そこには長瀬の姿はなかった。そして代わりに同人サークルのアンドロイドのキャラ、サポートロイド セリカが居た。
セリカは同人サークルの出してる作品のキャラの中で一番好きなキャラだ。
スーツアクトレスは俺と同じ歳のRIKAさんが担当している。そのセリカがどうしてこんな所に?

「えっ、これはどういう・・・?」

するとセリカはお辞儀をした。

『お待ちしておりました。新庄 翼 様ですね。長瀬様からはいつもお話を伺っております。こちらへどうぞ』
セリカは透き通るようなきれいなアニメ声でそういった。彼女に案内されリビングのソファーに座る。
『お茶をどうぞ』
なんだか、セリカの登場する作品の主人公になったような気分になった。セリカは主人公の青年のサポートロイドとして身の回りの世話などをしていた。
そんな生活を続けているとある日、謎のアンドロイドに襲われた。青年の祖父と対立していた組織の送り込んだアンドロイドだった。
それからセリカは青年を守るために戦うというストーリーの作品のキャラだった。

「あの、これはどういう事でしょうか?」
『長瀬様からは新庄様が私の写真を撮ってくださるとお聞きしています。なので今日、カメラを持参されているのでしょう?』
「え、そんな事あいつが言ってたんですか?」

あいつ何勝手なことを言ってやがるんだ。てか、何故セリカが居るのかさっぱり分からん。
セリカの声から察するにセリカのスーツを着ているのはRIKAさんだよな・・・。
『はい。撮ってくださらないのですか?』
そう言ってセリカは青く光るセンサーアイを上目使いな感じで俺を向けてきた。ここまでされたら撮らないわけにはいかない。
俺はバックから愛用のカメラを取り出した。Ca○onの一眼レフだ。一番初級者向けの奴だけど6万くらいはした。
買った年のお年玉とそれまでの貯金は全て一眼に消えた。でも後悔はしていない。


485 : 俺のガールフレンドはスーツアクトレス ◆ONxZLz0otQ :2015/10/19(月) 23:13:01
俺はセリカをテレビの前の空間に立たせて撮影を始めた。目の前には俺の好きなアンドロイドキャラのセリカが居る。
セリカは黒とシルバーを基調としたキャラで青いセンサーアイと優しそうな表情をしている。
そしてアクトレスのRIKAさんのスタイルの良さと相まって製作している同人サークルのキャラの中では一番好きだった。
スーツにはラテックスとかいう素材が使われていて身体のラインがはっきりと出る上にテカテカとした光沢があった。
セリカの脚はシルバーなのでRIKAさんの脚のラインがハッキリと分かりおまけにシルバーの光沢があるので特に目を引いた。

そんなセリカのスタイルの良い身体に目を奪われながらも夢中でシャッターを切っていった。

『そろそろ、お昼ですね。新庄様、簡単なものしかありませんが、召し上がって行ってください』
「いいんですか?」
『はい、写真のお礼という事で。と言ってもレトルトのカレーしかないですが』

そう言ってセリカはキッチンに立って鍋に水を入れお湯を沸かし始めた。そんなセリカの後ろ姿をただただ夢中で眺める事しかできなった。
しばらくしてカレーが出来上がり二人分のカレーを持って来てくれた。
部屋のミニテーブルにカレーの入った皿を置いて冷蔵庫から取り出したお茶をこれまた2人分のコップに注ぐ。
そして俺の座っているソファの隣に身体を密着させるように腰かけた。

「ありがとうございます」
『良いんですよ。冷めないうちに召し上がってください』
セリカはそう言うが、そのままだとセリカ―――RIKAさんはカレーを食べられない。

「あのー、なんか言いにくいんですが、今セリカのスーツを着ているのって作品中でもアクトレスを担当されていたRIKAさんですよね?」

するとセリカは俯き呟いた。

『システムを終了します・・・』

そう言うと青く光っていたセンサーアイが消灯する。そして・・・。

「さぁ、お腹も減ったから早くたべましょうかね」

急にそんな事を言うとセリカ―――RIKAさんはマスクに手をやりマスクを外した。

正直言ってドキドキした。だって初めてRIKAさんの素顔を見ることが出来るのだから。
そして現れた素顔は――――――なんと俺の良く知る、というかこの部屋の主の長瀬日香里だった。


486 : 俺のガールフレンドはスーツアクトレス ◆ONxZLz0otQ :2015/10/19(月) 23:15:01
今日はここまでです。投稿はあと2,3回で終わると思います。
夕方、2話目も書き上げましたので落ち着いたら、そちらも投稿します。

それでは、おやすみなさい。


487 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/10/19(月) 23:50:02
期待してます!


488 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/10/20(火) 06:59:44
45

もう、どこからどう見ても普通のワニにしか見えない。
小柄な詩織だからこそ、余計に本物ぽく見える。
「後は動きだなぁ!」
ワニのような動きしかできないように造ってはいるが実際にどう見えるかは、守にも分からない。

ワニはジッとしたまま動かない。
中の詩織はというと、ウエットスーツの圧迫でかなり感度が上がりヤバい状態に、加えてワニの中の詰め物がさらに詩織を圧迫していた。
そのため少しでも刺激があると逝ってしまいそうだった。
それで自分を落ち着かせるためにジッとしていた。

守が何度も声をかけたが、反応がない。
いくら声をかけられても、ラバースーツにウエットスーツ、そしてワニの着ぐるみと三重に包まれた詩織には普通に話しかけただけでは守の声は到底届かなかった。

次に守は心配してワニを揺らす。
突然の揺れで慌てて動き出したワニ。
人としてみれば動きにくそうに見えるが、ワニとしてみれば少しぎこちなくも見えるが始めてだからと、守は一人納得していた。

ワニの中では突然揺らされて、パニック気味になった詩織。
パニックで動いたならば、ぎこちない動きも頷ける。

守は自分の声が届いていないと判断し、ホワイトボードに何かを書き始めた。
そして、書き終わるとワニを持ち上げ床に接している腹面をホワイトボードへと向けた。

ワニの着ぐるみには腹面の顎の付け根辺りに覗き穴がある。
ウエットスーツを着た状態ではかなり見にくくはあるが。
それで守はワニを持ち上げたのだった。

ホワイトボードには
”今から水槽に入ってもらいます”
”浸水してきたら、水槽の外に出て下さい”
”水槽は浅いので、多分出られると思います”
の3つが書かれていた。

ワニの中のシオンにホワイトボードに書いた連絡事項を読ませようと、守がワニを持ち上げる。
しかし、持ち方が悪かった。
詩織の胸、そして股の敏感な部分を刺激するように抱き上げてしまった。

ワニは始めは大人しかったが一転激しく抵抗するような動き、そしてついには床に落としてしまった。
心配になった守は急いでワニの口を開き、ファスナーを開けてピンクのシオンを引っ張り出したが呼吸が荒い。

すぐにウエットスーツを脱がせにかかる。
シオンのフェイスロールを外すと、涎を垂らし目がトロンとした真っ赤な詩織の顔が現れた。

「大丈夫⁈」守が声をかけるが、反応が薄い。
「しっかりして!」と軽く揺すると、詩織はようやく気がついた。
「すみません、私…」詩織の言葉を切って、守が「少し休憩しよう!なにか飲む?」
詩織はただ「ハイ」とだけ答えて下を向いてしまった。
守がすごく心配してくれていることがよく分かった。


489 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/10/20(火) 16:15:47
続き気になります!


491 : 俺のガールフレンドはスーツアクトレス ◆ONxZLz0otQ :2015/10/20(火) 22:50:49
応援コメントありがとうございます。それでは、今夜の分いきます。

「どう、驚いたでしょ?あんたの熱く語っていた同人サークルのスーツアクトレス、RIKAの正体はあたしでした」

マスクを脱いでインナーフード姿となったクラスメートの長瀬日香里はイタズラが成功した子供みたいな表情でそう言ったのだった。
「マジかよ・・・。信じられねぇ・・・。長瀬がRIKAさんでセリカのアクトレスしてたのか・・・」

この時の俺は本当にハトが豆鉄砲を喰らったかのような顔をしていたと思う。
「そうよ。じゃなかったら、ここにセリカが居るわけないでしょ?そんな事より早くカレー食べましょ。冷めちゃうわよ」
「あ、あぁ・・・」

そう言って長瀬と俺はカレーを食べ始めた。

「でも、なんでセリカのスーツを着て俺を部屋に上げてくれたの?」
「お礼がしたかったのよ。あんたにね。あんたよくサークルのHPからコメントであたしの事応援してくれてたじゃない?」
・・・確かに。公開ロケの後やイベントの後によくコメントを送っていた。
「それに屋上ではあんなに熱く語ってくれたしね。あたし感激しちゃった。・・・去年の夏のこと覚えてる?」

あぁ、はっきり覚えてる。それはセリカの登場する作品の公開ロケ最終日の事だった。
その日はとても暑くスーツアクトレスをしていた彼女達には地獄のような日だったと思う。
そんな日いつものように公開ロケを見ているとセリカ―――RIKAさんの様子がいつもと違っていた。
いつものようにキレのあるアクションはなく休憩の度に木陰でしゃがんでいた。
RIKAさんはファンの前では絶対にマスクを脱がない人での時もずっとマスクをかぶりっぱなしだった。
その日の公開ロケは暑さもあってか1時間ほどで終わったが、最後のファンサービスのときRIKAさんは疲れ切った様子だった。
たぶん、熱中症になりかけていたと思う。これはヤバいと思った俺は近くにある自販機を探してポカリを買った。
そして公開ロケ終了後、ロケバスに乗ろうとしていたセリカ姿のRIKAさんに冷たいポカリを渡したのだった。
その時、抱き着かれて「ありがとう」と弱弱しい声で感謝されたのは今でもよく覚えている。
RIKAさんの素の声を初めて聞いたのもその時だ。因みにこの日のロケをもってRIKAさんは活動を一時休止してしまった。

「あの日かなり暑かったでしょ? あたし顔隠してるからファンの前では絶対にマスク取らないって決めててね、お蔭で熱中症になりかけてた」
「そんな時、あんたがポカリくれたじゃない? あの時ね、涙が出るほどうれしかったわ」
そうだったのか。そこまで喜んでくれてたんだ。
「あのポカリ、俺がメッセージ付けてたの読んでくれた?」

そう、あのポカリにはメッセージを書いたメモ紙を張り付けていた。コメントを送るときのハンドルネームも一緒に書いて・・・。
「もちろん、読んだわよ。いつも応援のメール送ってくれてるのがこの人なんだなってあの時は思ったわ」
「ときどき公開ロケで見かけはしてたけど、あの日は学生服で来てたから中学生だったんだって思った」
「西中の制服だったでしょ。同じくらいの年かなとは思ってたけど」

「あの日は、中学の授業参観があって終わってからすぐに公開ロケに向かったから・・・」
あの時は、何で公開ロケの日に授業参観なんてやるんだよって学校を恨んだものだ。お蔭で途中参加となってしまった。
「あの後、高校受験の関係でアクトレス活動を一時休止したでしょ?その時も受験の応援してくれてありがとね。ホントに励みになったわ」
「本当はお礼のメールか手紙を送りたかったんだけど、あんたの連絡先分からなかったから、お礼が出来なくてずっと気になってたの・・・」
そう、あのサイトはメールを送る感じでは無くコメントを投稿する仕様になっていたのだ。
「だから高校に入ってあんたと同じクラスになれたときは本当に驚いたんだから!これは運命だと思った程よ」

それは本当にすごい運命の巡り合わせだと思う。自分でもまさか後ろの席の女子が憧れのRIKAさんだとは思わなかった。
こういうのを神のイタズラというのだろう。

そしてカレーを食べ終わったところで長瀬が話を切り出した。

「ね、新庄。触ってみたいでしょ?」

それは唐突だった。完全に図星だった・・・。俺は完全に固まってしまった・・・。


492 : 俺のガールフレンドはスーツアクトレス ◆ONxZLz0otQ :2015/10/20(火) 22:55:31
今日は少し短いけど、ここまでです。
昨日の内に2話目を書き終えたのですが、今日仕事をしているうちに1話目を日香里の視点で進めるのも面白いかな?と思いました。
2話目を連載する前に1話の内容を日香里の視点から見た話を書いてそれを投稿した方がいいですかね?

もし、日香里の視点からの話が読みたいと言う意見が多ければ、その話を書いてからそっちを投稿しようかと思います。

それでは、おやすみなさい。


493 : sage :2015/10/20(火) 23:15:15
読みましたが、ただのマニア童貞が女とやるだけの作品にしか
先が見えません

クロスオーバーは後に置いといて
今、現時点で、この作品を見直してみるのは
いかがですか?


494 : 俺のガールフレンドはスーツアクトレス ◆ONxZLz0otQ :2015/10/20(火) 23:30:33
>493
まぁ、この物語は妄想したことを勢いに任せて書きなぐったものなので、そういう意見もあるでしょう。

批判・酷評も来ることも重々、承知の上の投稿でしたので・・・。

とりあえず、この話に限っては完結しているので、明日の投稿でラストとなります。

私の作品へのコメントありがとうございました。


495 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/10/20(火) 23:31:02
度々、失礼します
作者さまが、伏線を意識していただければ
拾えた、ネタ、会話、語尾など
あったかもしれませんが

ムリカナ


496 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/10/20(火) 23:35:13
>>494
失礼な発言を
受け入れていただいているので
応援がてらです。誤解なきよう。

ちゃんと、読んでいますので
楽しみにしております


497 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/10/21(水) 00:14:04
>>494
女の子側からも面白そうですね。
まずは男の子側からの視点楽しみにしています!


498 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/10/21(水) 00:59:30
>>493
投稿し終わってからでいいだろうよ批評は
なんで途中で腰を折るような事挟むかな


499 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/10/21(水) 03:50:45
途中だろうが終わってようが
結果が見えてれば
同じだろうが


500 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/10/21(水) 06:03:35
一話目らしくストレートで楽しめてるよ。
最初から伏線張るのも後で大変かもだし。
以降の展開に期待。


501 : 俺のガールフレンドはスーツアクトレス ◆ONxZLz0otQ :2015/10/21(水) 22:45:39
こんばんは。沢山のコメントありがとうございます。それでは最後です。

「ね、新庄。触ってみたいでしょ?」

それは唐突だった。完全に図星だった・・・。俺は完全に固まってしまった・・・。

「そ、それは・・・」
「今日、この姿であんたと出会ってからチラチラとこのスーツ見てたでしょ。誤魔化さなくてもいいわよ」
「・・・う、うん。すごく気になってた。そのテカテカした銀色の脚とか腕とか。本当に触っていいの?」
「えぇ、良いわよ。イヤらしいな触り方じゃなければね」

長瀬はからかうように言うと身体を俺の方に向けた。
俺はおそるおそる手を伸ばす。

「もう、そんなにビビらなくても何もしないわよ」

そう言って長瀬は俺の手首を掴むと太ももに俺の掌を触れさせる。ビニールとか薄手のゴムみないな感触だった。

「もっとギュッとしていいから」
「うん・・・」

腕を触ってみる。こちらも同様な感じ。女の子の身体ってやわらかいんだな・・・。
「胸のアーマーのとことかもいい?」
「えぇ、いいわよ」
「こうなってるんだ」
「そうよ。マスクも触って良いわよ」
長瀬は脇に置いていたセリカのマスクを取り俺に渡した。
「目の所の光のスイッチってどうなってるの?」
「それはね、手首のとこのパーツにスイッチが付いててリモコンになってるの」
そう言って長瀬はスーツの手首の所のパーツを触るとセリカの目の所が光った。そのあとマスクの覗く部分とかを教えてもらった。
「で、これからどうする?この状態でまた写真撮る?」
「いいの?」
「ネットとかに上げなかったらいいわよ」
「ありがとう。それじゃあ・・・」

それからしばらくマスクオフ姿の長瀬の撮影会となった。色々なポーズで写真を撮りあらかた撮り終わった時だった。

「ねぇ、一緒にセリカのDVD観ない?」
「あるんだ。じゃあ、お言葉に甘えて」

長瀬はちょっと待っててと言うと自分の寝室からノートパソコンを持ってきた。
起動させてセリカの出ている作品のDVDを挿入する。しばらくしてから再生が始まった。

「このシーンなかなか上手くいかなくて大変だったんだから。何回も取り直してやっと出来たと思ったら、編集の時にデータが消えちゃって、また撮り直し」
「・・・この時ばかりは本気でカメラさん恨んだわ」
「はははっ、そりゃ災難だったな。何気ない1シーンでもそんなに苦労してるんだな」
「そうよ。一発で決まるシーンもあれば何回もNGだしちゃうシーンとかもあるんだから」
作品が始まると、長瀬は撮影の苦労話を話してくれた。
作品自体は海外の動画サイトにアップロードされてるのを何度が見た事があったので(もちろん違法だが)とても新鮮だった。


502 : 俺のガールフレンドはスーツアクトレス ◆ONxZLz0otQ :2015/10/21(水) 22:47:12
「そういえば、長瀬はどうしてスーツアクトレスをやるようになったんだ?」
これはRIKAさんについて気になっていた事の一つだ。
「あぁ、それはね。このサークルの作品にも出てるけど大井 希望(おおい のぞみ)ってアクトレスさん居るじゃない?」
勿論知っている。高校生の時にこの同人サークルでスーツアクトレス始めて大学に通う傍ら、ヒーローショーなどでも活躍している人だ。
俺のPCのフォルダにはマスクオフ姿の画像もある。
「従姉なの。お姉ちゃんが子役で劇団に入っててね、私も小学校低学年の頃から一緒に活動してた」
「それでお姉ちゃんが高校上がって少しした時にあのサークルの作品にアクトレス兼女優として出るようになったの」
「それからしばらくして姉妹ロボって作品を撮ることになって、私が呼ばれたの。それがきっかけね」
勿論、姉妹ロボって作品は知っている。自分が中学の頃に製作された作品だ。
この趣味に嵌ったきっかけを作った作品と言っても良いくらいだ。

「確か、その作品がRIKAさん、長瀬のデビュー作なんだよな。たまたまネットで見つけてRIKAさんの事を知るきっかけになった作品だよ」
「大井さんの従姉だったなんて初めて知ったよ。だったらあの作品本当に姉妹だったんだな」
姉妹ロボはピンク色を基調とした姉妹アンドロイドを主人公としたコメディ作品だ。
この作品にも撮影日誌があってアクトレスさんのマスクオフ姿がちらほら公開されていた。

「まぁ、そうなるわね。その時の縁で今もサークルのアクトレスをやってるわけ。そこの左の部屋がお姉ちゃんの部屋よ」
どうやら、ここには従姉の大井さんと2人で暮らしているらしい。まぁ、確かに独りで暮らすには部屋が広すぎた。
「そうなんだ。で、大井さんは今日はどうしてるの?」
「お姉ちゃんは、ショーに出た後に大学のコンパだって言ってたから今日は遅いと思う」
「あぁ、大学生だからな」
大学生やる傍らスーツアクトレスの仕事こなして同人サークルの活動やヒーローショーやってるんだから凄いと思う。
「そういえば、なんでRIKAって名前で活動してるんだ?」
「あぁ、それはね。アクトレス始めた事、周りにあまり知られたくなかったからなの」
「日香里の名前を逆から読むと“りかひ”でしょ?そこから“ひ”を取ってアルファベットでRIKAにしたわけ」
マスクオフ姿の画像を公開しないのもそういう理由だそうだ。
「そうだったのか」
「そうよ。ところで晩御飯はどうする?ウチで食べてく?」

RIKAの名前の由来を聞いた後も色々と他愛のない話が続いていつの間にか夕方になっていた。
「いや、お昼も御馳走になってるのに夕食まで御馳走になるのは申し訳ないよ。そろそろ、帰るよ」
流石に夕食まで作ってもらうのは気が引けた。俺は持ってきた荷物を纏め始めた。


503 : 俺のガールフレンドはスーツアクトレス ◆ONxZLz0otQ :2015/10/21(水) 22:49:30
「別に遠慮しなくていいのに。それじゃ、玄関まで見送るわ。流石にこの格好でマンションの外までは行けないし」
「今日はありがとな。なんか本当に今日は夢みたいな一日だったよ。今日撮った画像は宝物にするよ」

すると、長瀬はにっこりと微笑んだ。正直、見惚れてしまった。

「マスクオフの時の写真は絶対ネットに上げちゃダメだからねっ!! 上げたらどうなっても知らないわよ?」
「もちろん分かってるよ。絶対にそんな事しない」
「そう、それじゃ気を付けてね。また明日学校で」

そういうと長瀬は俺にギュッと抱き着きついた。セリカのスーツを着てる長瀬と密着することになった・・・。
胸のアーマーが俺の胸に当たる。そして、ほっぺに軽くキスをしてくれた。

「こういうの期待してたんでしょ?これはね、あたしの事を今まで応援してくれたお礼よっ!」
「・・・べ、別にあんたの事が好きとかじゃないんだからねっ!!」

離れて急に顔を真っ赤にしながら長瀬はそういうとそっぽを向いてしまった。
「あ、あぁ・・・。そ、それじゃ帰るわ」
俺も突然の事にどう反応を返したら良いか分からず早口になってしまった。そして玄関のドアを開ける。

「待って。今日から特別にあたしの事、日香里って名前で呼んでいいわ・・・。その代りあたしもあんたの事、翼って呼ぶから」
「それじゃ、今日はありがとう。日香里・・・さん」
「日香里でいいわよ。翼、気を付けてね」

そして逃げるように長瀬の部屋を出たのだった。
この日はこの後どうやって帰ったか家に着くまでの事をあまり覚えていない。
あんまりにも突飛な事が多すぎて着いていけてないとう言うのが正直なところだった。
でも、これがきっかけで長瀬と付き合う事になったのは間違いない。
俺はスーツアクトレスのRIKAさん―――長瀬日香里の一番のファンだ。
それは今までもこれからも変わらないと思う。だから、これからも身近に応援していこうと思う。

FIN


504 : 俺のガールフレンドはスーツアクトレス ◆ONxZLz0otQ :2015/10/21(水) 23:19:01
466です。これにてこの作品は終了です。以下、作者のあとがきのような物です。
朝、通勤途中に電車の中でスマホからこのスレを覗いて見ると沢山のコメントが付いていたので、スマホから投稿しようとしましたが、ホスト規制がかかっているらしく投稿出来ませんでした。
沢山の人に見て貰えたようで大変感謝しております。その中には今までの自分と同じようにROM専の人も居るかと思います。
その方々に対してもお礼を申し上げます。ありがとうございます。

さて、この作品は私がこんなストーリーの話を読みたいって思った内容を妄想して勢いに任せ書きなぐった物です。
なので、お応援のコメント以外にも、もちろん批評・酷評などのコメントも付くでしょう。
確かにその内容にっては多少なりへこむ事もあるかもしれませんが、それはこの作品を見た・読んだって証拠なのです。
作者として一番辛いのは何も反応をもらえず無視されることです。なのでどんな感想が来ようと受け入れる次第です。
ここで俺の作品にケチつける奴は許さん!ってして自分に都合のいいコメントだけ受け付けてたら、都合の悪いことには目をつむり何にでも反対反対言ってる人たちと同じになりますから。

とりあえず、これにて完結です。続きもありますが、ここで公開するかはまだ決めてません。
伏線についてのコメントを頂いていましたが、なにぶん自分の思いついた話を他の人にも見て感想をもらいたいと思って書きなぐった話なので、そこまでは考えてる余裕はありませんでした。
まともにSSを書くのは初めてだったもので・・・。(^^;

こんな私の妄想に基づく駄文ですが、最後までお付き合い下さいましてありがとうございました。m(_ _)m
掲載中は応援のコメント等をもらい大変励みになりました。ピクシブ等で公開する前にここで公開して本当に良かったです。

最後に他力本願にはなりますが、この作品を書くに当たってR18なシーンを書いたり続きで登場する予定のキャラとの百合な展開を書いてみようとはしたのですが、私の文章力では無理でした。
なのでこの作品にもそのような描写はありません。期待させてしまった方、すいません。
伏線の話も出ましたが、どんな感じにすればもっと面白かったでしょうか?今後の参考のためにどなたかご教授いただければと思います。

また、厚かましい事かもしれませんが、この作品をもとに2時創作や似たような作品を作ってみようと思った方がいらっしゃいましたら、どんどん書かれてください。というか、私自身読んでみたいと思います。

最後に長々となりましたが、これにて失礼します。ありがとうございました。


505 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/10/22(木) 00:13:30
乙でした!


506 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/10/22(木) 00:18:06
乙!エロありきではなく色々と想像が膨らむ内容でした。


507 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/10/22(木) 01:12:40
おもしろかったです!乙


508 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/10/22(木) 01:13:24
乙、良かったヨ!ありがとう。


509 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/10/22(木) 12:11:06
続き、楽しみに待ってます。


510 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/10/22(木) 14:24:46
46

ショールームの端にあるベンチに、下半身がピンクのウエットスーツ、上半身が黒のラバースーツで顔を出した状態で詩織は座っていた。

”まさか何重にも包まれ、圧迫されたことで気持ちよくなり、着ぐるみの中で逝ってしまった”なんてことを守にとても言えない。
ましてやそのことで、守を心配させたのだから。

守を安心させるために、そのことを伝えるか迷っている時に守が飲み物を持って戻ってきた。

スポーツドリンクを渡され「ゴメンね、かなりキツかった?」と守。
答えに困り下を向いたまま頷く詩織。

「今日はやめておこうか?」と言う守に、詩織は立ち上がり「大丈夫です!できます‼︎」と元気よく答えた。

それを見て守は急に元気になった詩織に少し驚きながらも「じゃあ、続けよう」と。
「ただ、この後の段取りだけは説明しとくね」と続けた。

段取りはこう、まずウエットスーツまで着てワニに入る。
次にホワイトボードに書いたように水槽に入ってもらう、補足するとワニは浮くように造ってあるので沈まないので安心して。
着ぐるみの中に水が入ってきたら、水槽からでて欲しい。
もし水槽から出られないようなら、手足をバタバタさせてくれれば救出する。

「大丈夫そう?」先ほどのことがあるので、守は心配そうであるが、すっかり落ち着いた詩織は笑顔で頷いた。


511 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/10/23(金) 13:08:38


>守を安心させるために、そのことを伝えるか迷っている
伝えない方がww(笑


512 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/10/26(月) 08:54:34
47

再びシオンになり、そしてピンクバージョンのシオンになる。
また、気持ちよくなり始めるが、守に心配をかけないようにと必死にこらえる詩織。

ワニの中に入ると”ヤバい!”と思ったが、マウスピースを噛み締めてこらえた。
しかし、この後プールへ持ち上げて入れられる。
”変なところだけは触らないで!”心の中で強く念じる。

「じゃあ、プールに入れるよ!」守が声をかけるが、詩織には遠くでなにか言っているが聞き取ることはできなかった。
でも、事前説明を受けていたので次に何が起こるかを察して体に力を込める。

詩織が力を入れて手を握りしめた時、体が持ち上がる。
同時に快感が体中を駆け巡る。
詩織の思いとは裏腹に、胸と股辺りでワニを持ち上げる守。

体をプルプルと震わせながら耐える詩織。
すぐにプールへと降ろされたが、詩織にはかなり長い時間に感じられた。

プールの中は体が浮き、不思議な感覚だった。
緊張感から解放され程よい圧迫の中で先ほど持ち上げられていた時のことを思い出す。
着ぐるみの上からではあるが、あんなにキツく守に抱きしめられたことを思うと気持ちよくなってくる。

着ぐるみの中に水は入ってきていないので、手足を動かさず体を上下に揺する。

一度逝ってしまった詩織にとってはこの衝撃だけで十分だった。
”あぁぁぁ!”と声が漏れたかと思うが、おそらく何重にも覆われている詩織の声は守には届かなかった。

少し落ち着いてから、手足を動かしてみる。
縦に長い透明のプールの横の壁に接触しながらも泳ぐワニ。

外では守が拍手していたが、その拍手は詩織には届かず、ワニはすぐにプールの長手方向の端へと到着し動きをやめてしまった。


513 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/10/26(月) 12:02:26
休み明けに更新乙!


514 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/10/27(火) 06:43:32
48

守はプールに手を入れてワニを抱きかかえるて一旦プールの外へ出す。
ワニ中の詩織のことが気になっての行動だったが、不意を突かれ感じてしまい体をくねらせたことで、守はワニをまたも落としてしまう。
しかし、ワニはプルプルとしながらも立ち上がり ”大丈夫です!”と言わんばかりの行動をとる。

これは詩織が守に心配させまいととった行動であり、心配されてワニの外へ引き出されシオンから解放されれば、今自分は大変なことになっている。
そのことを知られたくなかったからである。

詩織自身でも鏡を見なくても分かるぐらい顔は赤く、異常な程涎は垂れて鼻水も出ている、そして虚ろな目になっていることは想像できた。
顔もそうだが、アソコはもっと大変なことになっている。
守に見られることはないが、シオンとして顔を合わせることはできても、詩織としては顔を合わせたくないと思ったからだった。

守はシオンをワニから解放する。
ワニからゴソゴソと出てきたピンクのウエットスーツに包まれたシオンはフラつきながらも、ホワイトボードへと向かう。

そしてペンをとると、なにか書き始めた。
”かなり疲れました、事務所に戻るの時間かかってもいいですか?”
そして守は頷くとペンをとり、”午前中はゆっくりして”と伝える。

詩織は頷き、またペンをとり”ウエットスーツのファスナーを降ろしてもらえますか?”と。
守はそれを見ると、慌ててシオンの後ろに回りファスナーを降ろした。

シオンはピンクの背中の切れ間から、黒い体をチラつかせながら、力なく更衣室へと向かった。

ショールームには守と先ほどまでシオンの入っていたワニ、そしてシオンの脱ぎ捨てられた衣装だけが残されていた。
守はワニをアクリルケースに戻すと、シオンの衣装を拾い受付のテーブルの上に置くと事務所へと戻っていった。

更衣室の中では、「ふぅー」頭の天辺のホースからため息にも似た息が漏れる。
依然ピンクのウエットスーツを着たままシオンは壁にもたれて座りこんでいた。

シオンがようやく動きだしたのは10分ほど経ってから、体が傾き少し眠っていたようだった。
頭をウエットスーツのフードから先に抜くとホースが外れて息ができなくなる、おまけにウエットスーツから腕を抜くこともできなくなると1人ではどうしようもなくなると考えた詩織。

ウエットスーツの背中のファスナーの開いたところを上手く使い腕だけを器用に抜いた。
両手ともウエットスーツから抜くことはできたが、同時にウエットスーツの腕の部分が中へと入り込んだ。
外から見ると腕のない人型のピンクの物体になった。

ウエットスーツの中で手が体に触れただけで、先ほどの気持ち良さが再現される。
詩織の手は自分のアソコへ。
そしてそのまま弄り始める。
詩織はマウスピースをくわえて声を挙げた。
”あぁぁぁぁぁ逝ぅぅぅ!”

ピンクの人型の物体は前のめりに倒れて、小刻みにピクピクと震えていたが、しばらくすると真っ直ぐに伸び、動かなくなってしまった。


515 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/10/28(水) 06:44:16
49

事務所へと戻ってきた守。
「早かったですね」真紀が声をかける。
「なにかあったんですか?」

真紀が早かったといったのは、守から今日は1日かかるかもしれないことを伝えてあったからだ。

守の予定では、ワニの着ぐるみに朝から夕方まで入ってもらい耐久性なども含めてテストしたいと思っていた。
耐久性や内臓となる人がどうかをテストすることによって、長時間着用可能な着ぐるみとしても”売りになる”と考えていたのだった。

「いゃあ、詩織ちゃんにはキツイみたいで」
そういって守は言葉をきった。

それを聞いた真紀から今までは想像もできなかった言葉が飛び出す。
「私がやりましょうか、ワニ?」
守に変に思われないように「バルタン星人のこともありますし」と付け加える。

「いや、武藤さんには事務所守ってもらはないと」そういうと守は自分の席にゆっくりと座った。
それを聞いた真紀は残念そうな表情を浮かべる。

真紀のガッカリした表情を守は見逃さなかった。
「忙しくなってきたし、もう一人事務員さんを雇ってみるか」
「そうすれば、武藤さんにも手伝ってもらうこともできるし!」
独り言のように言う。
それを聞いて真紀の表情がパッと明るくなった。
「じゃあ私、求人広告の会社に電話しますね」
守から条件を聞いて真紀は早速電話をした。

詩織が戻ってくるのはもう真紀が仕事を済ませ、片付けを始めた頃だった。
「すみません、今日は」
守に頭を下げ謝る詩織の顔はまだ少し赤みがかかっていた。
「いいよ!気にしないで」
守が優しく声を掛けてくれたが、詩織にとってはそれが辛かった。

なぜなら、更衣室でウエットスーツの袖が内側に入った状態でイモムシのような動きをしながら、2度も絶頂を迎えた。
絶頂の足袋に軽く意識が飛び、着替えるのに異常なほど時間がかかってしまった。

真紀の隣の席に詩織が座ると、真紀も心配して声をかけてくれたのも辛かった。


517 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/10/29(木) 06:08:41
50

守が詩織に「あんまり辛かったら、ワニは武藤さんに代わってもらうよ!」と。

詩織はワニの中で圧迫されることで気持ちよくなり快感に浸っていた。
その行動が守に心配をさせ、クールなモデルのような真紀に着ぐるみを着せることになる。
そんなことは真紀にさせられないので断わろうとした時、真紀が詩織を制止した。
まるで、詩織の気持ちを見透かしたように。

真紀は小さな声で「私も着ぐるみに入りたかったから、やらせて!」と。
詩織は目をまん丸にして真紀を見る。
「そんなに驚かないでよ、何か別のものに変身できるみたいでたのしそうじゃない!」
真紀の言葉に黙って頷く詩織だったが、心の中は複雑だった。

一緒にできるかもしれないという嬉しさの反面、自分の仕事を取られるような気がして少し嫌だった。
また、詩織自身は暑く圧迫された空間(ラバースーツを着ての着ぐるみの中)を気に入っているが、真紀はどうなのだろうと考えた。

2人がヒソヒソと話している時、守は内線で工房に連絡を入れ、真紀用のワニの作製を指示していた。
工房とのやり取りで、明後日にはワニもウエットスーツもできることを聞いた。
ワニは事前にデモで造られていたものを改良するだけでいいとのことだった。

内線を終えると守はまだ何やら話している2人に「明後日、大きいワニの試着するから」と伝えた。
真紀の表情は明るくなったが、詩織の表情は微妙だった。


518 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/10/29(木) 19:19:58


>真紀はどうなのだろうと考えた。

あれ?社長はバルタンレディー製造の件は詩織に話していなかったのか


519 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/10/30(金) 06:43:13
51

そしてすぐにその日はやって来た。
詩織の今日の役目は真紀のお手伝い。
更衣室で1人準備をする真紀を待つ2人。
しばらくして出てきた真紀に詩織は驚いた。
全身が真っ黒な、まるでシオンが現れたようだった。

「なんで?」思わず漏らした詩織に、守が答える。
「息子さんが怪獣好きと聞いて、息子さんの誕生日に合わせて着ぐるみを造ったんだ」
「その時にあれも!」
「それに怪獣の着ぐるみを着てから、着ぐるみに対しての考え方が変わったみたいだよ!以前は全く関心なかったからね」
守はシオンそっくりの真紀を見ながら話す。

変に納得しながら頷く詩織。
「そうだ、何かニックネーム考えないとね」
そう言ってホワイトボードの前に立つ守。
そしてペンを走らせる。
”マッキー”
「どう?」守が自身ありげにこちらを向いた。
表情は見えないが真紀の反応がイマイチなので、納得していないことを詩織は察したが、真紀は気を使ったようでOKサインを出していた。

「ではマッキー、準備はいいかな?」
そういうとワニの鋭い歯を外し、大きな口を開き中からピンクのウエットスーツを取り出す。
事前に説明を受けていなかったようで、マッキーは内臓が飛び出たとでも思ったのだろうビクついついた。

取り出されたウエットスーツのフードの天辺の穴に呼吸用のホースを刺す。
そうしてからウエットスーツを着始める。
そうしないとシオンの時のようになってしまう。

ピンクのウエットスーツを着て、人型の内臓のように真紀だったが、詩織の時同様になにか様子がおかしい。
守はホワイトボードを引っ張ってきて、”苦しい?”と書いてマッキーに見せる。

マッキーはジッとホワイトボードを見たあと、少ししてからOKサインを出す。

詩織には真紀の行動がよく分かった、ウエットスーツを着ると視界がかなり悪くなるので、ホワイトボードの文字を読むのに時間がかかったことを。
そして、もしかすると自分と同じように圧迫されるのかもしれないという疑念を抱いていた。

それは守がウエットスーツのファスナーを閉めていくにつれて、内股になり体に力を込めて何かを我慢しているように見えた。


521 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/10/30(金) 09:21:07
>518
バルタン星人の件は詩織には内緒です。
真紀の子どもを喜ばせるためのものだったので。

あと、59話で一旦終了します。
話が長くなってきたので。


522 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/10/30(金) 09:23:39
52

詩織は自分と同じように圧迫されることで、真紀が快感を得るタイプの人間なのかを確かめたくなった。

確かめる方法は真紀に強く抱きつくこと。
詩織は守に「人型の内臓になった真紀さんに抱きついてもいいですか?」と聞いてみる。

守は「真紀さんがいいなら、僕はかまわないけど、でもどうして?」
それに対して詩織は「ピンクで柔らかそうで抱きつきたくなったんです、自分が着ていたら抱きつけないでしょ」
「うん、じゃあ僕はワニの準備を始めるから」
そう言って守がワニの準備を始めた。

マッキーは棒立ちのまま、守がワニの準備している様子を見ている。
その背後にそっと詩織は回り込み、予告なしにマッキーに抱きつく。

不意を突かれたピンクの人型の内臓は、天辺のホースからなんとも言えない声を漏らしながら床に座り込んでしまった。

ワニの準備をしていた守も驚いて、振り向いた。
詩織はすかさず「すみません、強く抱きつき過ぎたみたいで、真紀さんいやマッキーを驚かせたみたいです」というと、守は納得したようでワニの鋭い歯を外す作業へと戻った。

実は詩織は軽くしか抱きついていなかった、しかしすごく感じたようで声を挙げて真紀は崩れ落ちた。
詩織は確信した自分と真紀がよく似ていることを。

そして、この後ワニの着ぐるみを着ることでさらなる快感が真紀を襲うことを詩織は容易に想像できた。

準備のできたワニの口から丸呑みにされるように入っていくマッキー。
しかし、少し入る度に妙な動きをみせる。
守は首をかしげながら「ワニの着ぐるみってそんなに着るの大変なのかなぁ?」と漏らしていた。

かなり時間はかかったが、ようやくワニの中に収まったマッキー。
2人の目の前には、大きく立派なワニが横たわる。
噛まれればひとたまりもない感じだが、ワニは全く動かないというより、動けないことは詩織が一番よく知っていた。


523 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/11/02(月) 06:40:51
53

全く動かないワニを見ながら守が「ワニの着ぐるみの中ってそんなに苦しいの?」と詩織に尋ねてきた。

詩織は少し回答に困ったが、「どう動いたらいいか考えているんですよ、私もそうだったから」と誤魔化した。
「あと、プールに入れる時はゆっくり優しく持ち上げて下さいね、強く抱くと着ぐるみを着ていてもビックリしてしまうので」と付け加えた。

しばらくして動き出したワニの頭辺りを軽く叩いて合図をした後、守はワニを持ち上げてプールへと入れた。
持ち上げられたワニからは目一杯我慢していることが詩織にはよく分かった。
ワニは手足をプルプルさせながら、カチッと固まってしまっていた。

プールに入るとまた動かなくなる。
先ほど抱きかかえられた影響だと詩織は分かっていた。
しばらくすると手足を動かし泳ぎ出した。
やがて細長いプールの端へ。
心配そうにしている守に詩織が「大丈夫ですよ、心配ならワニの鼻からの呼吸確認してみて下さいよ」と促す。

守はワニの鼻辺りに耳を持っていき確認する。
確かに苦しそうではあるが、呼吸は乱れていない。
守が安心して立ち上がった直後、ワニはプールの中でグルっと横に一回転してみせた。

それは事務所で真紀自身で言っていたことを実践した。
守がワニの着ぐるみで詩織が苦しそうにしていたことを真紀に話した時のことである。
真紀がワニの着ぐるみに入ること、そして大丈夫ならプールの中で一回転できれば、耐久性の試験をしてもいいという合図であることも伝えていた。

こうしてワニの耐久性の試験が開始された。


524 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/11/02(月) 18:28:12
54

これを見ていた詩織はなんとも言えない気持ちになっていた。
事務では先輩の真紀だが、着ぐるみに関しては自分の方が先輩で少しながら経験もある。

真紀だけに耐久性の試験を任せていては自分の居場所がなくなってしまうような気がした。
詩織は守に「私も着替えてくるので、一緒に耐久性の試験させてもらっていいですか?」そういうと守の答えも聞かずに更衣室へと走り出した。
守は詩織を制止することができず、その背中を見送った。

数分後、詩織はシオンとなり守の元へ戻ってきた。
シオンは早速手振りでワニを着せて欲しいと訴える。
何か焦っているシオンを今度は制止し、説明を始める守。

「事務員が2人ともワニになってしまっては電話の対応もできないし、僕も君たちのことを見ておかないといけなくなると事務所は無人になってしまうんだ」
「だから、事務所の方からも見える中庭の池で耐久性の試験をしたいんだがどうだろう?」

それを聞いたシオンは納得したようで大きく頷く。
「じゃあ」そう言って守は小さなワニの着ぐるみの中から内臓のようなピンクのウエットスーツを取り出しシオンに渡した。

シオンは全身をピンクに変え、ワニの中へ。
そして、守はプール内のマッキーの入った大きめのワニと床に寝そべるシオンの入った小さめのワニを台車へと載せ中庭へと運ぶ。

台車に載せられた2匹は大きめのワニに小さめのワニが覆い被さるようになっていた。
台車に載せられたことでマッキーは自分以外の別の存在に気づいていた。


525 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/11/02(月) 22:43:20



526 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/11/03(火) 01:39:18


ここの会社だったら「巨大昆虫観察」の着ぐるみを作れるよな


527 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/11/03(火) 21:37:39

55

守は中庭に着くと小さなワニ、続いて大きなワニを降ろし中庭の池へと誘導する。
ワニたちはゆっくりと水に入り、池の中で気持ち良さそうに浮いているのを確認してから守は事務所へと戻った。

事務所に戻ると中庭に向けていたビデオカメラを停めた。
中庭へとワニにたちを運ぶ途中で、自分がワニの中で作業している風景を撮っておくのも面白いと考えたからであった。

知らない人が見ればかなり危険な作業だが、ワニの中には可愛い女の子とモデルのような人妻が入っているので噛まれる心配など到底不要だった。

ワニたちは池の中で、時々接触はしていたがお互い視覚もままならないので、ただ池に浮いているだけだった。

ワニの中の2人はというと、次第に気持ちよくなり自分を落ち着かせてを繰り返していた。
しかし、シオンは我慢できずに終いにはワニの着ぐるみから、右手を抜いて自分のアソコへ。
池の中で激しく動いた後、動かなくなったりしていた。

ワニの中に水は入って来ず、時間が経つにつれて着ぐるみにもなれた2人は昼寝をする余裕も出てきていた。
一方、守は電話対応に事務作業と自分の業務ができないほど仕事に追われていた。
そんな中、事務員はあと1人か2人は必要であることを実感していた。

夕方近くになり、2匹のワニを池から引き揚げる。
ワニ自身も池からあがるのを手伝ってくれたので、守1人でも容易に引き揚げることができた。

池の周りの芝生の上で軽く水を切ってから、2匹を台車に乗せる。
そして、落ちないように気をつけながら、ショールームへと運ぶ。


528 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/11/04(水) 02:36:18



529 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/11/04(水) 07:44:40

56

ショールームへと運ばれたワニは鋭い歯を外されると体を横に振るような仕草をした後、口から鮮やかなピンク色をした内臓っぽい人型のものが出てきた。

大小2体の内臓っぽい人型は両腕を上に挙げて伸びをしている。
「お疲れさん!」守が声をかけ、背中のファスナーを開ける。
黒いゴムの体が少し開いたファスナーからのぞいている。

ファスナーから黒い体をチラチラのぞかせながら、2体は更衣室へと歩いて行った。
守は床に並ぶように横たわるワニの着ぐるみを持ち上げると、専用のハンガーに掛けて乾燥室へと運び、そのまま事務所へと戻った。

更衣室に入ると、内臓のようなピンクのウエットスーツを脱ぎ始める。
しかし、中々スムーズには脱げない、悪戦苦闘の末ようやく脱げた時には、2人の頭の天辺の呼吸穴からは苦しそうな呼吸音がしていた。

マッキーはウエットスーツを脱ぐと、続けてラバースーツも脱ごうとし始めたが、その手をシオンが止める。

そしてそのままマッキーに抱きつき、キツめのハグをした。
ラバースーツ同士で触れ合うだけでも相手の体温が伝わりなんともいえない感覚に加え、キツめのハグにマッキーはその場に座り込んでしまった。

座り込んだマッキーを押し倒すようにして、シオンが覆い被さる。
マッキーよりも小柄なシオンを払いのけることができるはずのマッキーはそれをせず、シオンを受け入れる。

シオンはマッキーの股に自分の太ももを押し込むようにして擦り付け始めた。
同時にマッキーの太ももを自分のアソコに当たるように擦り付けた。

ワニの着ぐるみの中で火照った体が冷めぬまに、また熱を帯び始める2人の体。
2人の動きもどんどん激しくなり、声にならない声を頭の天辺の呼吸穴から挙げて、最後は覆い被さっていたシオンがマッキーの上に崩れ落ちた。

しばらく、荒い2つの呼吸だけが更衣室をつつむ。


530 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/11/04(水) 14:54:47

57

動き始めたのはマッキー。
自分の大きな胸の谷間に顔をうずめるようにしているシオンの頭を掴むと、ラバースーツをずらすように降ろしフェイスロール、そしてそれを外した。
中からは髪が汗でグッショリ濡れ、紅潮し虚ろな目をした詩織が涎を垂らしながら現れた。

詩織の涎が垂れ、黒光りした大きなマッキーの胸を流れ落ちた。
マッキーは脱力しきった詩織を壁に寄り掛かるように座らせ、自分もフェイスロールを外した。
真紀もまた顔が紅潮し涎は垂れていたが、目はしっかりとしていた。

首から下はラバースーツのままの真紀、まだ力なく壁に寄り掛かって座る詩織に近づくと、腰を降ろしまだ涎の垂れている詩織の口にキスをした。
そして「よかったよ」と声をかけ、着替えを始めた。

しばらくして、詩織は我に返って立ち上がると着替え始めた真紀に抱きつく。
そして「また、一緒にワニやりたいですね」と恥ずかしそうに声をかけて、詩織も着替え始めた。

2人が着替えを終えて、事務所に戻った時にはは終業10分前だった。
「すみません、遅くなりました」2人声を合わせて言う。

「いいよ、それよりコレを見て欲しいんだ」
と守が言った。
守のパソコンの前に2人が来ると、動画が始まった。

そこにはワニの着ぐるみから取り出されたピンクのウエットスーツに身を包むシオンかマッキーの姿が、そしてワニの着ぐるみの中へ。
大きさから見ておそらくマッキー。
その後、ワニは2匹になり台車で運ばれて中庭の池へ。


531 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/11/05(木) 09:42:32

58

始めの着ぐるみを着るシーンを見ていない人が途中からこの映像を見れば、かなり驚くことだろう。
なにも安全対策のしてない男がワニを素手で触っているのだから。
大小2匹のワニを池へと放す。

その後はワニが中庭の池に浮いているシーン。
そして次は、池からワニを引き揚げるのだが、ワニも協力的であることが見て取れる。

自分たちがさっきまで中に入っていたワニがこういう風に見えるのかと興味深く見ている2人。

最後にワニの鋭い歯が外されて、着ぐるみを脱ぐシーンだがまるで内臓が飛び出してきたように見えて、真紀は思わず「すごい!」と声を挙げた。

映像を見ていた2人に守が、「どうかなぁ?ホームページにアップしたいんだけど」と言って2人の顔色を伺う。

2人とも少し考えていたが、真紀が「会社がよくなるなら、いいですよ」と。
渋っている様子の詩織に、守が「もう一つあるんだけど見てくれないかなぁ?」と。

それを聞いて詩織は黙って頷く。
映像が始まる。
シオンがゴリラになるシーンから、そしてゴリラの着ぐるみを着ると手足の動きを制限され、まるで本物のゴリラのように見えた。
「すごいねぇ、詩織ちゃんゴリラの演技勉強したの?」と真紀が尋ねる。

詩織は黙って首を振る。

黙り込んでしまった詩織は、きっと勝手に映像を撮っていたことを怒っているのだと思い守が諦めた時、「いいですよ!顔は写ってないので」と笑顔で答えた。


532 : えんくろーじゃー ◆zYQ/uWRKn. :2015/11/05(木) 18:25:39

59

映像自体はすごくよく撮れていて、詩織も嬉しくなっていたが、自分以外の真紀にも着ぐるみを着せたことに腹を立てていたので、守を少し困らせてやりたかったのだ。

映像を見て黙り込んだことで、守が困った様子だったのを見て納得したので、映像のホームページへのアップを承諾したのだった。



この映像がアップされてからは話題となり、会社は今までになく忙しくなる。
問合せや見学客が増え、以前は工房の資材発注と一部の業者からの発注だけだったので、真紀だけでも事務作業をこなせていたが、そうもいかなくなってしまった。
事務員を新たに募集して少しした時、真紀の妊娠が発覚しさらに事務員が必要となった。

因みに真紀の妊娠は、晴彦とのバルタン星人プレイによるものであることはいうまでもない。

新たな事務員、そしてこのエンクロージャーな着ぐるみの話は第2部に続きます。
駄文に長々とお付き合いありがとうございました。


533 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/11/05(木) 19:48:17
>>532



534 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/11/06(金) 02:45:40
>>532
乙ー 読んでいて楽しかったよー


535 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/11/18(水) 17:54:59
着ぐるみ来てメイドしてイロイロするの読みたいなー


536 : ◆ZKY.fU/GGY :2015/11/21(土) 21:22:18
てすてす
初めて投稿します。目指せラノベのノリ!と書いてみたものの意外と難しいですね。では参ります。


537 : 着ぐるみ地下アイドル ◆ZKY.fU/GGY :2015/11/21(土) 21:27:06
東京、渋谷にあるライブハウス・ヒットマン。
ここはロック、ポップスメインの箱だけど最近はアイドルもライブを行うようになっていた。

とある夏の午後8時。
私、伊東カグラが所属する3人組アイドル「ヒカル☆☆☆(ヒカルトリプルスターと読む。)」が今夜のライブを終えたところだった。

「今日はヒカトリのライブ来てくれてありがとうございます!」
「また来てくださいねー!」

私は帰るお客さんとハイタッチしながら次々と声をかけていく。
…と言っても今日のお客さん15人だけどね!!ワンマンなのに!!
地下アイドル始めてまだ2ヶ月ではじめは伸びがあったのに最近は増える予感がしない!
何が悪いのかな?どうやれば観客増えるのかな?
終わった後の楽屋でメンバーのルカとユウリと一緒にぼんやりため息をついた。メンバーのルカは元気印なショートヘア、ユウリはゆるウェーブなロングヘアのおっとりさんでみんな18歳。3人ともアイドル根性はあると思うけど、この上手くいかない感じにはただただへこんだ感じであった。
私たち活動続けられるのかなぁ…。

「3人とも元気ないわよー。アイドルに必要なのは笑顔でしょ!?笑顔!」
ひょっこりと楽屋に顔を出してきたのは同じくヒットマンを拠点にしてるバンド、ブラッシュボールのキーボードの千里さんだ。後ろにはギターの晴人さんの姿もあった。
ブラッシュは20歳前後の5人組のバンドで千里さんたちはフライヤーを置きにきたついでに私たちに会いに来てくれたのだった。

千里さんはバンド紅一点の美人なのに何故かウーロン茶でもクダを巻けるやたら明るい人だ。
「いやいやヒカトリはちゃんと自分を売ろうとしてて偉いよ!
それに引き換えブラッシュは晴人が俺の音楽性〜とか自分が好きな曲ばっか書くから…ねぇ?」

晴人さんはただのお供だったようでこれまで面倒そうに後ろでじっとしてたが、不意打ちで千里さんにディスられた晴人さんが攻撃的に吐き捨てた。

「つかお前ら売れたい売れたいいってアイドル本気でやってんのか?」
「ちょっと晴人…」
「アイドルとか人気商売なのに人気でないってことはなんか足りねえってことなんだよ。」
「ヒカトリつーかあんたらダンスバラバラだったじゃん?トークはどうなんだ?テキトーに踊って常連にちょっとチヤホヤしてもらえばそれで満足ーって終わってんだけなんじゃないの?」
うるさい、むかつく。ブラッシュもそこまで売れてないのに何こいつ偉そうに。
でも私は何も言い返せなかった。ユウリは下を向き、ルカは目が潤んでいる。

さらに晴人さんが追い打ちかけそうなところで千里さんがストップをかけた。
「いやいやいや!晴人まあまあ!彼女達だっていいライブ作ろうと考えてるんだよ?カグラちゃんっホントごめんね」
「…そうだ!ねぇ、カグラちゃん、ゆき詰まってるならたまにはライバルを見るのもいいんじゃない?
これなんてどうよ?着ぐるみアイドルのdreamD!」
壁にたくさん貼られたバンドやアイドルのフライヤーの一枚を千里さんがビシッと指差した。
え…着ぐるみ?
そこにはライブの告知と水色髪のアニメ顔にメイド服の女の子の着ぐるみが写っていた。
いやぁ、これはキワモノ過ぎでしょう。戸惑いを感じずにはいられない。

「千里さん…慰めはありがたいのですが思いつきで言ってませんか?」
「カグラちゃん、私は本気よ!これ面白いから一度行きなって」
「えーっ。行ったことあるのですか?」
「じゃなきゃオススメしないわよ。晴人もこれは凄いって言ってたわよ。ねー?」
「千里はいちいちうるせーんだよ」
この音楽性〜とか煩そうな偏屈も見たのか…。
着ぐるみアイドル…か。
なんで生身の人間よりいいのかなと、どんなものなのかちょっと興味が湧いたのだった。


538 : 着ぐるみ地下アイドル ◆ZKY.fU/GGY :2015/11/21(土) 21:36:28
プロジェクトdreamDのステージに立つのは着ぐるみアイドルのサーヤちゃん(17)。喋らないけど貴方に真心届けます!
(以上ポスターより)
ってなんで17歳をつけるの!?

まだまだ暑い夏の昼下がり。私たちはdreamDの客としてヒットマンに来ていた。

ルカ「ふざけてるかもだけど…」
ユウリ「千里さんがすすめてましたし…」
箱は昼なのに50人くらい入っているだろうか。

開演のSEと共にスケッチブックを持ってサーヤちゃんがぴょこぴょこ歩いて登場した。
サーヤちゃんは水色のハーフツインテールのロングヘアがゆれ、水色のふわっとしたミニワンピースに厚底のエナメルの靴。
そして普通のアイドルと異なり手足は肌色のタイツ地に覆われ、顔も大きな茶褐色の目のアニメ顔な、硬いプラスチックのマスクに覆われていた。

サーヤちゃんはスケッチブックをめくり客席に手を振った。
<こんにちは!着ぐるみアイドルのサーヤちゃん17さいです!>

客席から「中の人はーー?」とコールがかかると
<中の人なんていませーん(>_<)>
とあらかじめ書いてあるスケッチブックのページをめくり
客席から「えええええぇー」
とレスポンスがかえってきた。

どうやらお約束の挨拶らしい。
中の人の件をつっこめばいいのか17歳をつける件をつっこめばいいのか。少なくとも中の人がいるとして17歳ではない気がする!

ポップなオリジナル曲やボーカロイドの曲とかに合わせて踊るサーヤちゃんのダンスは曲にぴったりで、また動かない笑顔が少し機械っぽくもあった。
ソロと3人の差はあるけど、確かにうまいし、曲もノリやすい。客席からのミックス、オーイングもガンガンに決まって会場の一体感がヒカトリと段違いだった。

曲の合間には客席からの質問を受けると、スケッチブックでやりとりを交わしていて意外とアドリブでも筆談できるらしかった。

サーヤちゃんの理想の男性は<ずっとサーヤといっしょに笑ってすごせる人>らしい。
ええ、サーヤちゃんは常に笑顔だけど、相手にそれは難しいのでは…というか喋るんだよね?マスクとるんだよね?
アイドルらしい回答だけど色々想像すると謎だらけだ。

また別の質問に移ると夏に食べたいものが<そうめん(≧∇≦)>
客席から「どこから食べるのーー?」とツッコミが入ると
<もちろん口からだよ☆>と着ぐるみのマスクの顎の下あたりを指しながら応酬していた。
って中の人いない設定ぶれまくりだよ!といいますか意外と庶民的ですね!

サーヤちゃんは着ぐるみだから表情がないけど、伝えようとする細身の身体からの身ぶり手ぶりが小動物らしく可愛らしい。
周りを見渡すとお客さんはサーヤちゃんが次は何をしてくれるのか一挙一動に目が離せなくなっているようで、私もすっかりそんな客の一人になっていた。


539 : 着ぐるみ地下アイドル ◆ZKY.fU/GGY :2015/11/21(土) 21:53:26
中盤も過ぎるとステージライトの熱や会場の熱気でサーヤちゃんの肌色のタイツ地が徐々に汗で濃く色が変わっていることに私は気づいた。
首から鎖骨なんて完全に汗でぐしゃぐしゃで大変そうなのにサーヤちゃんは絶対ニコニコしてる(ように見える!)。
ほぼ出ずっぱりだけど、大丈夫かな。
汗ふけないよね…?

最後の曲が終わって、ずっと踊っていたサーヤちゃんは肩で大きく息をしていた。
タイツは濡れてない箇所のほうが少ないくらいにぐっしょりし、ステージライトの光で体から湯気まで見える気がする。

サーヤちゃんは大きくおじぎをしてスケッチブックにサラサラと挨拶を書いた。
<今日はきてくれてありがとう☆>
<たのしんでくれましたか?>
客席からはパチパチと拍手が起こる。

<これからもっともっとかわいいアイドルをめざします!ありがとー!大すきだよー!>

そしてサーヤコールが湧き上がる中、サーヤちゃんはスケッチブックを客席に投げ、空いた両手でハートを作って客席に投げてライブはお開きとなった。

「ライブ面白かった!着ぐるみだけどめっちゃかわいかった!!」
「不思議と目が離せない感じでしたね!中の人すごいと思います!ね、カグラ!…カグラ?」

ルカとユウリがテンション高く喋っていたが、私は声も出ないで呆然とサーヤちゃんの世界にドキドキしていた。

なんだろう、もちろんサーヤちゃんはかわいいんだけど、大変そうな中の人とのギャップ萌えというか?私はサーヤちゃんと中の人、どっちを気にしてるのかな…。

変な倒錯した世界に迷いこんでいる気がした。とりあえず今思うこととしてはもっとサーヤちゃんの近くに行きたい!!


540 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/11/21(土) 22:19:43
支援


541 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/11/21(土) 23:28:18
支援


542 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/11/22(日) 00:16:06
これは期待できる


543 : 着ぐるみ地下アイドル ◆ZKY.fU/GGY :2015/11/22(日) 00:19:16
「dreamDと対バンがしたい?いいよ、早速日程決めようか?」
翌日、私たちヒカル☆☆☆はヒットマンのオーナーにdreamDとの対バンを申し込んだ。

dreamDはオーナーがプロデュースしているそうで、同じくヒットマンを拠点にしているヒカトリとの対バンはすぐにやることが決まったのだった。

すいすい話を進めるオーナーに
ユウリが聞きづらそうに声をかけた。
「あのー、オーナー。サーヤちゃんの中の人ってどんな方なのでしょうか?いつも同じ人なのでしょうか?」

うんうん、気になる気になる!けどオーナーは…
「すまんが、ユウリちゃんには秘密だな。そういうのは見えないから面白いってもんだろ。」
「ほら、ディズニーランド行ってミッキーの中の女の子の着替えが見たいか?サーヤちゃんもそれと一緒さ」
オーナーはにこにこしているけど、うーん一緒かなぁ?

スターの地位が確立してるミッキーと謎のアイドル17歳ではなんか違う気もするけど、そういうことにされてしまった。

「一つだけ教えてあげると、中の人は一人だけだな。キャラがブレるのはダメだろ?」
…いやすでにブレまくってるキャラという芸風になってますよー。

--------------------

サーヤちゃんに負けないくらいいいステージを作らなきゃ、これを機にヒカル☆☆☆をアピールするんだ!
対バンの日まで私たちはこれまで以上に練習に励んで本番に臨んだ。

対バンの当日の開演前。
私たちヒカトリよりもサーヤちゃんの方が先に着いていたので、私たちはサーヤちゃんの中の人に会うことはなかった。

顔合わせでも、こっちは胸を借りるつもりでと気合いれて挨拶しても、サーヤちゃんは丁寧にお辞儀をするだけであとは無反応な人形に徹していた。
楽屋くらい喋ってもいいと思うのになんだか距離感あるなぁ。

お客さんも入った開演前の袖でヒカトリとdreamDの集合写真をとることになり私たちは横に並んでみた。
オーナーがサーヤちゃんのマネージャーみたいにパシャパシャ写真を撮っていく。

今日のサーヤちゃんは髪と同じ水色と黒のビスチェのトップスとボリュームスカートに編上げブーツ。少しパンクぽくてかわいかった。

私は横からサーヤちゃんのマスクをじっと見つめてみた。
つるっとした表面。大きな鳶色の瞳と三角に開いた笑顔の口。瞳の中には何本か細く切れ込みが入っていて視界を確保していることがわかったが、切れ込みは黒い布で塞いであってこちらからは中の人の様子は見えなかった。
どんな子が入っているのかなぁ。中の人もかわいいのかな。

サーヤちゃんはじっと見つめる私の視線に気付いて、なぁにと小首を傾げてきた。
大きなサーヤちゃんの目とその奥の人と目が合っていると思うとドキドキする。

「ねえ、サーヤちゃんはなんで着ぐるみでアイドルやってるの?」
「喋れないと大変でしょ?顔出しして活動できないの?」
私の矢継ぎ早な質問に中の人は困ったよう肩をすくめた。

「ねぇあなたは私が知ってる人なの?」
中の人はまた小首を傾げるだけだった。否定はしてない、ということでいいのかな…

やがて開演時間になり先に出演するサーヤちゃんはステージに向かっていった。


544 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/11/22(日) 00:24:17
支援


545 : 着ぐるみ地下アイドル ◆ZKY.fU/GGY :2015/11/22(日) 00:25:34
支援ありがとうございます。
いざ書き込むと改行が少ないと読みづらいし多いとうざったいしタイミングが難しいです(スマホ環境)

手直ししながら載せていきますのでお待ちください。


546 : 着ぐるみ地下アイドル ◆ZKY.fU/GGY :2015/11/22(日) 00:57:22
<こんばんは!着ぐるみアイドルサーヤちゃん17さいです!>
客席「中の人はーー?」
<中の人なんていませーん(>_<)>
「ええええーーー!?」

今日もサーヤちゃんはスケッチブック片手にステージに立ち、曲をこなしていく。
私たちは袖でスタンバイしつつサーヤちゃんのステージを見ていた。
「サーヤちゃんは今日もいい動きですね!」
「これはもうサーヤプロって呼ぶべきかもー」

今日も元気に踊っているサーヤちゃんだったが事件は突然起きた。
ある曲のイントロのステップで左右の厚底をぶつけてバランスを崩したサーヤちゃんは前のめりなって転倒してしまったのだ。
その派手な転倒っぷりに客席からああっと声が上がる。
曲も止まりお客さんがざわつき出した。

大変!!
そう思った私はオーナーよりスタッフさんより速くタオルを持ってステージのサーヤちゃんに駆け寄り、
もし何かあってもお客さんに見えないように自分の背を客側に向けてしゃがみ込んだ。

「大丈夫!?怪我してないの!?」
私の呼びかけにサーヤちゃんは指で輪を作ってOKOKと合図をおくってきた。
「オッケー?ほんと??」
意地でもしゃべらないけど本当に大丈夫なの?
一息ついてサーヤちゃんは一人で立ち上がった。

マスクは笑顔のまま取れてないけど水色のカツラは大きくずれて横に落ちそうになっている。崩れた姿はアイドルとして痛々しく見ていて悲しくなってしまう。
「髪の毛ずれてるから一回戻ろ?いい?」

サーヤちゃんは小さく頷いて私が持ってきたタオルを被るとスケッチブックに
<きゅうけい!>と書き置いて私と袖に下がった。
--------------
袖に下がったサーヤちゃんは休む間もなくカツラを一回外して見せた。
サーヤちゃんのマスクは後頭部が殆どなく、普通のお面みたいな後ろに紐で結ぶ構造になっていた。
ぎゅっと結ばれたマスクは踊っても転んでも?取れないようになってた。

なるほどというか意外と簡単に着ぐるみの裏を見せてくるなぁ。
後頭部は手足と同じタイツの頭で、首からビスチェの背中に続くチャックに、チャックの中の人に私は興味津々だったが、すぐに水色のカツラをバサッと付け直されてしまい、それは見えなくなってしまった。

髪のセットが完了したサーヤちゃんはしっかりした足取りでステージに戻って行った。特に怪我とかしてないみたいで私たちは一安心したのだった。

ステージに戻ったサーヤちゃんを、客席は拍手や頑張れーというかけ声で迎えた。

<おまたせ!ご心配おかけしましたがサーヤは元気です!>
<ヒカトリのカグラちゃんにはかんしゃです!このあとのステージもちゃんとさいごまで見ていってね☆>
といつものようにスケッチブックで客席に伝えて、あとの曲はトラブルなく進行した。

私はサーヤちゃんのステージの後半はドキドキしてて実はあまり覚えていない。
だってステージに戻る途中のサーヤちゃんがスタスタと私に近づきマスクを耳元に寄せたと思うと
「ありがと。」
とささやいて、さっと離れていったから。

サーヤちゃんの声はカサカサな囁き声なうえに篭っていて声に心当たりは見当たらなかった。
けど、囁き声から中の人の息遣いを感じて私の心拍は上昇しっぱなしだった。


547 : 着ぐるみ地下アイドル ◆ZKY.fU/GGY :2015/11/22(日) 01:12:59
あとに出演した私たちのステージはサーヤちゃんと比べられちゃうのかなとヒヤヒヤものだったけど、私たちらしい歌、ダンスを披露…できたかな?

フリートークではサーヤちゃんのこと聞かれ
「ステージ袖でも絶対しゃべんないし私たちにも中の人見せてくれないんだよー」
とルカが切り出すと
「ルカ、中の人なんていないのよ」
とユウリ。

「そんな訳ないじゃん!きっとすごいかわいい子がいるんだよ!ね、カグラ?」
「えっ?えーと…」
さっき私たちは中に人がいるのは見たっけ…
「ほらボーッとしない!!では次の曲に行くよ!!」

ヒカトリのステージも無事に終わり、楽屋に戻るともうサーヤちゃんの姿は無かった。
中の人どんな人なのか会いたかったのに…。というか助けたのに挨拶なしとか!
残念半分、無礼な気がする半分な気分。

一息ついた後、トイレに行くため私は楽屋の脇から客席側に向かった。
お客さんは掃けたあとの空っぽの会場の中に見慣れた金髪ボブヘアーの後ろ姿がちょうど通用口から出て行くのが見えた。
あれは…ブラッシュボールの千里さん??

目立つ風貌の千里さんは客席には居なかったし、ブラッシュの用事で来てたならいつもヒカトリの楽屋に遊びに来てくれる。
それがないということはサーヤちゃんの中の人は千里さんってこと!?

さっき聞いたサーヤちゃんの声が千里さんだったか思い出そうとするけどよくわからない。160くらいの背格好は近い気がする。
でも確証が持てなかったので楽屋に戻っても千里さんが居たことはルカとユウリには言わず、この日は解散となった。
--------------------
ライブの高揚感とサーヤちゃんの中の人の件で頭がいっぱいの帰り道の渋谷駅で、私はブラッシュのギタリスト・晴人さんにもばったり遭遇した。

今日は盛りだくさんだな…うん。なんか疲れてきた。
この前はすごくすごくムカついたけど、事実でもあり恨みはないので普通に声をかけた。こいつはいつか見返したいしね!

「あ、晴人さん」
「ようカグラ、今日はdreamDとの対バンだったよな。お疲れ。」
「はい。いろいろあったけどうまくいったと思う。」
「カグラ、サーヤちゃんのステージに乱入したんだって?なかなかやるんだな。」

晴人さんも会場に居なかったと思うけど、ついさっきのライブのことをなぜか知っていた。
そうか、千里さんから聞いたんだね。この二人は組んで私をからかって楽しんでるのかな…

今日の晴人さんは前と違って不機嫌じゃないのか、私のもやっとした感じにお構いなしだった。
「カグラから見てサーヤちゃんどうよ?千里の言うように勉強になったのか?」
勉強…ライバル…。初めはそんな目的だったけど今はなんというか中の人への憧れに近い気がする。

「なんだろう、目が離せない感じで、会場盛り上げ方がいい感じで。あれはマネできないかなぁ」

私の敗北の弁に、晴人さんは
「ヒカトリも最近いい感じに頑張ってるじゃん。大丈夫。そのうちヒカトリのパターンができるって」
と笑顔で励ましてくれた。

おや、今日は喧嘩売ってこない…?
笑う晴人さんは初めてみたけど、悪い人じゃなさそうだし、なかなかかっこいいかもしれない。
でももやもやしている私は
「うーん。晴人さんに励まされるとは思わなかったかな。では…」
と足早に改札にむかった。

本当は素直に嬉しかったのに、なんでお礼も言わずあんな冷たい言い方してしまったのか、家に帰って眠るまで後悔の念だらけになってしまったのだった。


548 : 着ぐるみ地下アイドル ◆ZKY.fU/GGY :2015/11/22(日) 01:41:51
それからしばらくしてのヒカトリのワンマンライブ。対バンの後からお客さんは少し増えていて嬉しい。
客席には翌日のブラッシュボールのライブ準備に来てた千里さんの姿もあった。あの対バンの日ぶりに見かけた千里さんだけど、私はドキッとしてしまい目が合わせられなかった。

ライブは無事盛況に終わり、今日はいつものように千里さんが楽屋に入ってきた。
「今日のライブお客さんの反応よかったよー!ヒカトリまたリピーター増やしたんじゃないのー」

千里さんはいつも明るい人だ。でも明るい態度が白々しく感じて、私は軽く愛想笑いだけしてメイク落としに集中してるふりをした。

この人はなんで着ぐるみやってるのかな。美人だし口は達し、普通にソロアイドルしてもよさそうなのに…。

遠回しにdreamDを紹介したりしないで教えてくれればいいのに。
対バンもしたのに私は信頼されてないのかな。
もっとアイドルのこと、サーヤちゃんのことを千里さんや晴人さんと語ってみたいよ…
えーとなぜそこで晴人さんが出てくるんだ私!と頭の中はぐちゃぐちゃだった。

メイク道具持ったまま俯いてる私を千里さんが気づいた。
「カグラちゃん、大丈夫?」
「い、いえ、ライブ終わってぼーっとしてて」
慌てて取り繕ったものの変な声になった気がする。

「そっか…終わったばかりだし疲れてるよね…。
ねぇ!!今からみんなでヒットマン女子会って感じにご飯行かない?話したいことあるんだけど?」
--------------------
ルカとユウリは千里さんとのご飯に行き、断った私は楽屋に一人残ってぼーっと座っていた。

何やってるんだ私は…まだ頭に正体不明の黒い感情が渦巻いていてスッキリしそうにない。
嫉妬?諦め?…何に?サーヤちゃんが私よりアイドルとしてイケてること?晴人さんと仲良いこと??

1時間くらい同じもやもや状態が続いたときに前触れなく楽屋のドアノブのガチャリという音がした。
楽屋のドアが開き、入ってきたのは…サーヤちゃん…!?

今日はアイドル衣装ではなく、下ろしたロングヘアで白いニットに赤チェックのミニスカという女の子らしい組み合わせだった。
私服もかわいいけど千里さんはさっき女子会に行ってて…。
なんで???ドッキリ??

「千里さん?なんで?」
わけがわからず立ち尽くす私にサーヤちゃんはまっすぐ近づいてきて、私をぎゅっと抱きしめた。

耳元にマスク越しから前と同じくカサカサなささやき声がする。
「ごめん…」
「なんで?しかもなんで謝るの??」
問いかけても中の人は無言で私を抱くままだった。

混乱する私だけど、抱きしめられるとサーヤちゃんに覆われている中の人の体温は感じることができるかも…。
その温かさにやがて焦りは消え、力が抜けた私はよくわからないままサーヤちゃんに身を預けた。

でも少し経って頭はふっと冷静になって…なんだろうこの違和感…。
だらっと下げてた両手でサーヤちゃんの腰から胸のほうになぞってゆく。
そしてペタペタと小振りな胸を触ってみたらサーヤちゃんの胸はなんと詰め物の硬い胸だった。

「?!?えっ!?えぇっ?」
思わず後ずさりながらサーヤちゃんを突き放した。
もしかして私は色々と勘違いをしていたかも??
中の人はもしかして…

「ごめんな、カグラ」
突き放した先のサーヤちゃんは俯いていた。


549 : 着ぐるみ地下アイドル ◆ZKY.fU/GGY :2015/11/22(日) 02:03:38
「俺がサーヤちゃんやってカグラが苦しむなんて、申し訳なくなってきて…」
お互いが向かい合うように座ったところでサーヤちゃんの笑顔のマスクの中から晴人さんが低い男性の声で呟いた。

なお晴人さんはマスクを取ろうとしたけど、また混乱してる私は晴人さんをどんな顔で見ればいいのかわからないし、
頭だけ晴人さんのサーヤちゃんなんて直視できないと、サーヤちゃんの姿のままで居るよう頼んだのだった。

晴人さんがポツポツとことの経緯を話してくれた。
「元々dreamDの着ぐるみアイドル企画したヒットマンのオーナーは当初ヒカトリから中身スカウトする気だったらしい」
中の人うちらの可能性もあったの?

「でもそれだと将来的に対バンできないから、ジャンル被らないブラッシュの千里にお声がかかって千里も面白がってOKしたんだ。
カグラはサーヤちゃんは千里だって思ってたんだろ?」
私はうんうんと頷いた。

「だからデビュー時のサーヤちゃんは千里だったけど、千里が一回本番前に練習で足ひねって、代役にチビの俺が入ったんだ。
そしたら千里より動きがアイドルらしいって…一回のはずがそのまま…」
ええ、サーヤちゃんはとーってもアイドルアイドルしてましたね。

目の前に座るサーヤちゃんはなで肩で男っぽさはないし、座り方も足を揃えて斜め前に出していて、どう見ても育ちのいい可愛い女の子に見える。

「内緒にするのも結構大変だし…対バンのときの助けてくれたことは本当に感謝してるのにちゃんと礼も言えなかったし」
「カグラたちヒカトリには言わなきゃって思ってたんだ。けど男が着ぐるみとかアイドル17歳とかキモくて引かれるのが怖くて…」
「ソロだけだとネタのストックがきついからなぁ。カグラに嫌われたらサーヤちゃんは引退かな…はははは」

自重気味に呟きながら俯くサーヤちゃん。
でももうマスクしてても中の晴人さんの存在を感じる。
これまで見てきたステージでのサーヤちゃんやトラブったときのサーヤちゃんに励ましてくれたときの笑顔の晴人さんを重ねると、目の前のサーヤちゃんがとても愛おしものに感じた。
引退なんてありえない!

私は思わずタイツに覆われた晴人さんの両手を強く握った。
「ううん!引くわけない!サーヤちゃんが居たから私はここまで頑張ってこれたの!
サーヤちゃんには超感謝してるし、中身が誰であろうとサーヤちゃんはかわいいアイドルだもん!」

サーヤちゃんの目、晴人さんの目を見てると勢いだけで言葉が飛び出してくる。
「むしろ中の人が男の晴人さんでよかったと思う。私、アイドルとしてサーヤちゃんに負けないから!!」

晴人さんがきょとんとする。
「え、、、負けないって今まで勝負してたの?つかまだ勝負すんの?」
「当然でしょ!?私がオトコ女にアイドルとして負けるなんてありえませんから!」
「えーと俺れっきとした男だし、本業違うんだけど…」
「私も本業は学生だもん!」

逃げ腰の晴人さんに食い下がる。
「今サーヤちゃんいなくなったらファンも私も悲しむよ?
だからこれからもサーヤちゃんでいてください。お願いします!」

少しの空白の間が空いて、サーヤちゃんが握る私の手を握り返してきた。その握りは力強く、完全に男だけど…

「本当にありがとうな、カグラ。
もちろんファンは大切だしもう少し続けるよ。カグラはせいぜい早く俺を倒してくださいな。
まっ俺のサーヤちゃんのほうがカグラよりまだまだ数段かわいいけどね。」
一言余計だー!!
いつか絶っ対にこいつ倒す!


550 : 着ぐるみ地下アイドル ◆ZKY.fU/GGY :2015/11/22(日) 02:22:27
1ヶ月後、ヒカル☆☆☆とdreamDの対バンが再び開催された。
前よりどちらのファンも増えて、さらに両方応援してくれる掛け持ちも増えた気がする。ヒットマンはほぼ満員になった。

開演前の舞台袖で私、ルカ、ユウリ、そしてマスクをしてない晴人さんで丸く並んで手を重ねた。
ブラウスにベストの学生服風のアイドル衣装に男の頭なのは変な光景だけどこれがサーヤちゃんの現実。
着ぐるみには頑張る中の人がいて、それでかわいいサーヤちゃんがいる。もう晴人さん以外の中の人は考えられない。

サーヤちゃん=晴人さんについて、ルカとユウリの二人は千里さんとの女子会でサーヤちゃんの中の真相を聞き、驚きはあってもアイドルとして受け入れてくれた。

また、あの夜、落ち込む私に晴人さんを呼んでくれたのも千里さんだったそうだし、さらに余談だけど千里さんの彼氏はブラッシュのボーカル・勇治さんだそうで、
恥ずかしすぎて当分千里さんに頭が上がりそうにない…。

円陣で一番上にタイツの手を重ねた晴人さんがみんなに気合を入れる。
「ステージ盛り上げていくぞ!!」
「おーーーー!!」
晴人さんはサーヤちゃんのマスクを被ると女の子らしい動きに切り替えて、ステージに駆け出していった。

各々がステージを見せるのに加えて、
今回はdreamDとヒカトリのコラボステージも最後に1曲披露した。
サーヤちゃんをセンターにして4人で踊るもので、最後まで盛りあがるライブになった。
-----------------------
ライブを終えて楽屋に戻ると、サーヤちゃんは汗をかいたタイツを取り替えてきて、ヒカトリとdreamDの4人でSNS用の自撮り&撮影大会となった。
ルカ「サーヤちゃんは常に決め顔ってずるいかも」
ユウリ「サーヤちゃんもっとアップで撮ったほうが受けるんじゃないかしら?」
晴人「正面だとゴツく見えるから斜めからにしてくんない?」
「こら!着ぐるみアイドルは人前で喋らない!!」
千里さんがカメラマンやりながら晴人さんに注意する。

私はサーヤちゃんと腕を組んでのツーショットを撮り、最後に硬いほっぺにそっとキスをした。
しかしサーヤちゃんはキスされたことに気付いてないで周りがニヤニヤしてるのにキョトンとしている。

千里さんがにっこりとキスしてる写真をサーヤちゃんに見せたら、えっ?と晴人さんが慌てふためいた。
「カグラ!サーヤちゃんになにやってんだ!こういうのは後でやれ!」
「えー。いいじゃん女の子同士のキス写。何?晴人さん、私とキスしたいんですかー?」
「そんなんじゃっ!」
「残念でした!アイドルだから女の子としかキスしないもん。まぁお願いって言われたら、考えてもいいですけどー?」
「誰がお前なんかと!」

「でも晴人さんさっき"後でやれ"っていいましたよね」
「!」
ユウリが面白そうに背後から近寄り、サーヤちゃんの左右の胸を死角の脇から撫でるように触るとサーヤちゃんの全身が一瞬震えた。

さらにルカが前からサーヤちゃんの小さい胸を指でつつく。
「うわわわ!?」
「晴人さん、声が裏返っててかわいいかもー。その無い胸で感じちゃった??」

「何言ってるんだ、アイドルの自覚たりなすぎだろ!
つか絶対俺がこの中で一番女子力高い!」

女子一同「!!!!」

千里さん「こーいーつーー!誰のおかげでアイドルできてるかわからせなきゃ。ね、ユウリちゃん!」
千里さんの指令でユウリに後ろから羽交い締めにされた晴人さんはさらに女子陣営のおもちゃにされるのだった。

おわり。


551 : 着ぐるみ地下アイドル ◆ZKY.fU/GGY :2015/11/22(日) 02:33:26
書いた人の感想。
読んでくださった方ありがとうございます。
サーヤちゃんの中の人は女主人公と絡むなら男がいいかなと、空想ながら無茶してみました。

また誤字に気づいてしまったらすみません。
もっと雰囲気とかある文章を書けるようになりたいものです。


552 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/11/22(日) 20:26:49
乙、ただ個人的には中身女の子の方がよかったなー※個人の感想です
とてもよかった!


553 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/11/22(日) 22:47:27
中、女の子のほうが良かったけど作品の出来はよかったね。
実際にクオリティ高ければ美少女着ぐアイドルありなんじゃないかな。
にょロボの盛況もあることだし。


554 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/11/23(月) 02:07:29
着ぐるみ地下アイドル

久しぶりにGJ!


555 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/11/23(月) 14:09:03
みんな着る側は女の方がいいのかね
自分に合わせて読んでるから着る側は男性の方が好みだな


556 : ◆ZKY.fU/GGY :2015/11/23(月) 16:36:50
感想ありがとうございます。
自分はどちらも展開次第でありですね。
続きも書いてみたいけど一度バレるといちゃこらするだけになりそうなので、まったく別の話でもいいかと慎重に妄想中です。
ではななしに戻ります


557 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/11/23(月) 17:14:51
>>556
話は読みやすかったし、自分としてはもっといろんなシチュエーションを読んでみたいんで
まったく別の話に一票かな

のんびり期待させてもらいます


559 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/11/23(月) 22:38:29
着ぐるみアイドル面白かったよ!!GJ!!
次回作も期待してます


560 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/11/29(日) 16:54:08
誰かいるー!


561 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/05(土) 16:45:56
10月の連休が終わり、校舎3階から吹き込む風を浴び、美穂は思い切り深呼吸をした。窓の下には新興住宅地の屋根が広がり、その向こうを走る赤い電車が視界から消えたころ、南風に乗り微かにミュージックホーンのメロディーが聞こえた。教室の後ろの席では、特撮オタクの樋田君と矢野君が、いつものようにスペースマンZの話題で盛り上がっていた。美穂は、高校2年なのに、まるで小学生みたいと少し軽蔑した眼差しをを送った。樋田君の話は、連休中に中京デパートで開催された「スペースマンZ展」の話題になっていた。「俺さー、昨日中京デパートのZ展に行ったんだけど、そしたらZボーイが会場内を歩いていたんだ。身長が小学生と同じ位でさー、いいよな小学生でZボーイの着ぐるみ着れるなんてさ」と話すのを聞いて、美穂は思わずドキッとした。


562 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/05(土) 18:51:52
極小着ぐるみきた 期待! 是非続きお願いいたします!


563 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/07(月) 03:14:20
河童の続きすごく楽しみにしてるんだけど…


564 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/07(月) 22:29:25
なんか未完の作品多い・・・・


565 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/07(月) 23:39:04
慌てない慌てない…


566 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/08(火) 07:46:33
>>564
書き上げてから投稿しないからだな
普通なら書き終えてからでも何度も推敲を重ねるもんだが
文章書きの基本ができてない奴が多すぎるのが原因


567 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/08(火) 13:07:15
ごちゃごちゃ言ってるなら自分で書けよ。


568 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/10(木) 18:36:40
続きまだぁ


569 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/13(日) 17:36:08
テスト


570 : Zボーイ :2015/12/13(日) 18:27:48


1ヵ月前。
着ぐるみのバイトをしている甥っ子から美穂に電話をしてきたことから始まる。

『お前さ、中の人の仕事しないか?』
最初は「?」だった。中の人?どゆこと?
中の人とは着ぐるみの中身のことだと説明される。
でもどうして私?
『スペースマンZって知ってるか?』
知ってる。同じクラスの特撮オタクから嫌というほど聞かされている。
最近テレビでやっている特撮で、宇宙からのナンチャラエネルギーを浴びて超人的なパワーを得た主人公が宇宙帝国ナントカと戦う話だったか。

『で、その話の中でZボーイって出てくるだろ。あの小っちゃい奴。」
Zボーイとは主人公と同じくエネルギーを浴びて圧倒的な俊敏力を得た人物。たしか正体はヒーロ好きの小学生とかなんとかと特撮オタクが言ってたっけ。
ん?小学生?
『1ヵ月後にスペースマンZ展があるんだけど、イベントの一つで決まった時間になるとスペースマンZとZボーイが会場を歩くっていうのがあるんだ。
それでなんだが美穂にZボーイをやってもらいたいんだが・・・』

ほー理由を聞こうか。怒らないから正直に言いたまえ。なぜに私?
『え?いや〜・・・Zボーイと美穂って同じくらいの慎重だよな〜と思って・・・」
つまり?
『・・・あの番組に出てるZボーイの中の人が実際の小学生だから、イベントでも小学生くらいの身長の人が入らないとダメなんだよ!』
誰が小学生じゃぁぁぁぁぁ!!!
美穂は身長のことを気にしていた。美穂は小学5年の時から身長が伸びなくなっていた。
牛乳をたくさん飲んだ。鉄棒にぶら下がった。ありとあらゆる手段を用いたが失敗に終わり、今に至る。

その後甥っ子との交渉が10分も続いた。
条件に合う中の人が美穂しかいないこと。番組に出ているZボーイの中の人は仕事が忙しくてイベントに参加できないこと。
イベント会場が美穂の住んでるところからバスで30分のところにあること。そして何よりバイト代が高いこと。
美穂は渋々甥っ子に返答する。

「・・・・・分かった。いいわよ、やるわ。」
『よし!ありがとう!じゃあさっそく今度の日曜に衣装合わせをしよう。』

つづく


571 : メリークリスマス ◆zYQ/uWRKn. :2015/12/14(月) 12:47:01
ちょっと、書いてみました…汗


とある高校の教室。
男子生徒たちが集まり、ある話題で盛り上がっていた。
それはこのクリスマス時期に昨年同様、話題に上がっていること。
それは近くにあるショッピングモールに、真っ白なスタイル抜群のマネキンが赤い帽子にこれまた赤いエナメルのロングブーツ、そしてミニスカートのサンタの衣裳で現れるのだ。

なぜマネキンなのに話題になるのかというと、お客さんが入ってくると”いらっしゃいませ”と声をかけてくれる。
それだけでなく、キチンと顔もあり、時々瞬きをするのだ。
当然中に人が入っているのは間違いないのだがオープンから1時過ぎまでの長時間、同じ体勢で微動だにすることがなかった。

男子生徒たちはプロのモデルが入っているとか、中に入っていて顔を見せないくらいだからブスだとか、実は有名人で顔を出せないだとかつまらない議論をしていた。

マネキンサンタが引っ込んだ後は、発泡スチロールをベースに造られた雪だるまが握手でお出迎え。
そして最後は太っちょの着ぐるみのサンタが迎えてくれる。

女子生徒たちはマネキンサンタよりも可愛い雪だるまやコミカルな動きのサンタを話題に挙げていた。

「男子って、絶対エロいこと考えてるよ」
グループのリーダー的存在の七瀬がいった。
「そうだよ、絶対そう。今、なにかコソコソ話してるもんねぇ」真奈美が続く。
「由貴もそう思わない?」
そう振られた由貴は「うぅうん、そうだね」なにか拍子抜けた返事を返すと、七瀬が突っ込む。

「また、圭介くんのこと見てたの?」
「そんなことないよ!」由貴はそう返したが、真っ赤になった顔は嘘を隠せなかった。
「告白しちゃいなよ!幼馴染みなんだし」2人が詰め寄ると由貴はさっきよりも顔を赤くし、下を向いてしまった。

下を向いた由貴の耳に圭介の声が入ってきた。
「でもあのマネキン、俺にはあいさつしないだよね」
「おまえ嫌われてるんじゃね」笑いながら隆が突っ込む。

「由貴!聞いてる?」
七瀬の呼びかけにハッとする由貴。
「確かにあのマネキンすごくスタイルいいけど、モデルかなぁって、真奈美と話していたんだけど、由貴ってあそこのショッピングモールでバイトしてなかった?」

「うん、バイトしてるよ」
「じゃあ、マネキンの中の人見たことある?教えてよ」七瀬と真奈美がまたも詰め寄る。
「私、裏で検品とかしてるだけだから、わからないよ」由貴がそう答えると2人はあっさりと諦めて昨日のテレビの話を始めた。
由貴は2人には聞こえない小さな声で、「いろいろ大変なだよ」と呟いた。


572 : メリークリスマス ◆zYQ/uWRKn. :2015/12/14(月) 12:48:47
土日限定でマネキンに雪だるま、サンタは現れる。
マネキンにはおじさんや若い男性が声をかけるが返ってくる言葉は”いらっしゃいませ”だけであった。
中にはマネキンをずっと遠目でビデオ撮影する輩もいた。
マネキンはキャスター付きの台に載っていて、台には取り外し可能な取っ手がついている。
1時になると、スタッフがマネキンを回収してバックヤードへと消えていく。
その後をゾロゾロと男どもが追ていく光景は、もう当たり前の光景となっていた。

その光景を舌打ちし、圭介は眺めていた。
クラスの殆どの男子が”あのマネキンの声には癒される”とか”あの娘はあんな苦しい状態の中でも優しく声掛けてくれる”といったことを聞かされていたが、圭介にマネキンから一度も声をかけて貰えずにいた。
ある時は友人と一緒にきたが、マネキンから声をかけて貰えず、友人から圭介のせいだとキレられた。

マネキンに何かして嫌われたのかとも考えたが、そんなことはまるで見当もつかなかった。
しばらく、ソファに座り吹き抜けの天井を見ていたが、こんなことをしていてもと思った圭介が立ち上がった目の前に由貴がいた。

「あっ、ゆき!」
「え!」由貴は圭介の方を見た。
「圭介くん、どうしたのこんなところで?」

「え、あぁ。買い物、ゆきは?」
「バイト、今休憩なの」
「そっかぁ、もう昼食べた?」
由貴の耳は真っ赤になり、首を振る。
「じゃあ、一緒にどう?」
「うん!」由貴は笑顔になった。

店に入り話し始める2人。
「最近、あまり話さなくなったな、ゆきと」
「そうだね」

高校に入ってどんどんかっこ良くなっていく圭介を意識して由貴は話せなくなっていた。
それどころか意識すればするほど、どんどん好きになっていたが、想いは伝えられないでいた。

「ねぇ、ゆき。ここでバイトしてるんだったらマネキンの中の人知らない?」
由貴の心の中では自分のことよりも、マネキンのことを聞いてきたことがショックであったが、圭介の話を聞く。
「知っていたら、俺が何かしたか聞いてもらえない?」
「なんか俺嫌われてるみたいで、あいさつもしてもらえないだ」
「うん、わかった」由貴は引き受けてしまった。


573 : メリークリスマス ◆zYQ/uWRKn. :2015/12/14(月) 12:53:24
それから数日後、クリスマス後の26日の朝。
圭介が起きてきてリビングへ行くと、母親が飾ったクリスマスツリーの横に雪だるまがいる。
「母さん、うちに雪だるまなんてあった?」
キッチンに立つ母親に問いかける。

母親はエプロンで手を拭きながらやってきて「雪だるまさんが来てくれたよ」笑顔でそういった。
「よしてくれよ、もう俺、高3だぜ」
そんな圭介の言葉も聞かずに母親は雪だるまの横へいくと雪だるまを持ち上げる。
中からはサンタクロースが出てきた。
「サンタさんも来てくれたんだよ」笑顔の母親。

圭介はあることに気づく。
雪だるまもサンタクロースもショッピングモールで見たことがある。
母親はサンタクロースの背中で何かしている。

サンタクロースの背中がぱっくりと割れ中から出てきたのはあのマネキン。
ビックリして固まる圭介に母親は「母さん、しばらく買い物にいってくるから、あとは若い2人でごゆっくり」そういうと出かけてしまった。

普段、ショッピングモールでは動くことのないマネキンがゆっくりと歩いて圭介に近づいてきた。
「え!何?あれ?」
動揺を隠しきれない圭介の手をとるマネキン。
白い瞳で圭介を見つめて「嫌ってなんかいないよ!むしろその逆。好きで緊張してしまって声をかけられなかったの」
「あと、声でバレたくなかったの。着ぐるみのバイトしてるの恥ずかしかったから」

動揺していた圭介だったが、その声を聞いてマネキンの中の人がだれか理解した。
「実は俺も、高校に入ってから、ゆきのこと意識し始めてあまり話せなかったんだ」
「ゆきもあまり話してかけてくれないし、嫌われたのかと思ってた」そういうとマネキン姿の由貴をギュッと抱きしめた。


574 : メリークリスマス ◆zYQ/uWRKn. :2015/12/14(月) 12:56:56

「もうマネキン、脱いでもいい?」
由貴の問いに圭介は頷き、由貴にわからないように生唾を飲んだ。
ふと我に返って「ここで着替えて大丈夫?俺の部屋へ行く?」
今度はマネキンが頷く。

2人は階段を上って圭介の部屋へ。
「あのー、ブーツ」圭介は階段を登るコツコツという音が気になり声をかける。
「ゴメンなさい、おばさんがブーツ履いた方が感じ出るわよって言われて、新品だから家は汚れないけど、部屋いったら脱ぐね」

マネキンは隣の圭介の両親の寝室からカバンを持って、圭介の部屋へ入った。

膝上まであるニーハイブーツを脱ぐ。
「手伝おうか?」と圭介。
「大丈夫、座ってて」そう言われベッドに腰掛け、着替えを見ている圭介。
帽子は固定されているようで、マネキンの頭の上で動き回っているが、頭から外す外れない。
ミニスカートを下ろすと、中には光沢のある緑色のレギンス。
赤いミニスカートと合わせたクリスマスカラーになっている。

上の服を脱ぐと白く大きなマネキンの胸が飛び出す。
マネキンなので中には下着などは着けていない。
大きな白い胸に見入っている圭介は思わず質問した。「この胸本物?」
興味深く見入る圭介に「詰め物よ」と答えると”やっぱり”という表情をしたので、すかさず「ウソ!」と答える。
圭介は「どっち?」といってきたので、圭介の手を取り自分の胸に当てた。

由貴は自分でも驚くほど、大胆な行動をとってしまった。
マネキンの時は、違う自分になったようで大胆になれた。
圭介は驚いていたが、そのまま由貴の胸を揉み始める。
気持ち良さからマネキンのわずかに空いたスリットの口から、吐息が漏れる。


575 : メリークリスマス ◆zYQ/uWRKn. :2015/12/14(月) 13:02:32
本物と分かったようで、圭介が胸を揉むのをやめると、由貴は胸を隠すようにして後ずさりした。
「分かった!本物でしょ、普段胸が大きいとバカっぽく見えるから隠しているのよ」
圭介は”なるほど”といった感じの相槌をうつ。
着ぐるみの中ではタダでさえ締め付けられて苦しいから、胸は開放していることを説明した。

圭介から少し離れた位置で、マネキンを脱ぐ作業を続ける。
緑色のレギンスを脱ぐと、マネキンの左の内くるぶしから右の内くるぶしにファスナーが走っている。
マネキンの由貴は立ったまま、前屈みになりそのファスナーを開けていく。

圭介はファスナーの開いたところから、由貴の肌が見えると思っていたが見えるのは黒い肌?
思わずベッドから乗り出して覗き込む。
そして「マネキンの中、どうなってるの?」
由貴は圭介の質問を制止し、「先に脱がせて!」そういって、マネキンを足元から脱いでいく。

マネキンの中から出てきたのは、頭から足の先まで黒いラバースーツに包まれた由貴、ただ目だけは白い瞳のままだった。

「すごい!なにこれ?」
圭介の質問に答えないで、ラバーのマスクを外し、白いコンタクトを外すといつもの由貴の顔が現れる。

「ラバースーツといってゴムでできたスーツなの」触りたそうにしている圭介を事前に制止させるため「触らないでね」と由貴が言うと、伸びかかっていた手を圭介は引っ込めた。

全身ラバースーツでマスクを外した姿の由貴は圭介の横に座ると、事の経緯を話し始めた。


576 : メリークリスマス ◆zYQ/uWRKn. :2015/12/14(月) 13:06:35

「圭介とランチを一緒にしたあの日、バイトが終わってショッピングモールを歩いていると、圭介のお母さんにも出会ったの。

お母さんに声をかけられ久しぶりだからお茶に誘われ、最近、うちに遊びに来なくなったことをお母さんから言われて、もう高校生なので男子のお宅へ遊びに行くのも、なにか気まずいことを伝えると。
なにかを察したお母さんから、圭介のこと好きなの?と聞かれて私は顔が熱くなるのを感じて下を向いてしまったの。
もしかすると、すでに顔が赤くなってたのかもしれない。

その後、色々話をして圭介くんがショッピングモールのマネキンのことを最近気にしていることを聞いたわ。
それでそのマネキンの中が私であることを告白したの。
実は雪だるまもサンタクロースも自分が演っていることも。
すると、お母さんはいい作戦思いついたといって協力してくれたという訳」

事の経緯をジッと聞いていた圭介だったが「一つ疑問があるんだけどいいかなぁ?」と。
由貴が頷くと、「どうやってあんなに動かずじっとしてられたの?」と聞いてきた。

由貴は少し迷って「マネキンの時は顔以外はポーズを取ったまま、ラバースーツの上からラップを巻かれて動かないように全身を固定されているの」
「そしてその上からマネキンの着ぐるみを被せるように着せられる、それで足元から脱着するようにできてるの」
圭介は”へぇ”といった感じで納得して頷く。

「その後、サンタの衣裳を着せられて台に固定されたブーツを履いて完成、所定の場所に運ばれるという訳、分かった?」
”うんうん”と嬉しそうに頷きながら、聞いてくれている圭介に着ぐるみバイトを話す。


577 : メリークリスマス ◆zYQ/uWRKn. :2015/12/14(月) 13:10:51
「マネキンの時はミニスカートで台の上に立っているから、スカートの中が覗き放題になってしまうので小さい子どもは構わないんだけど、嫌らしい目で覗き込むオヤジもいるんで気持ち悪くて」
そう話すと圭介はムッとした表情になったことが由貴には嬉しかった。

「マネキンが終わるとずっと体を動かせずにいたので手足が痺れてるの、だから少し休憩した後の雪だるまは中が広く座ることができるようになっていて楽なのよ」

「最後のサンタは空気を入れて膨らませて太っちょに見せているので、内側はかなり圧迫されてるので、笑顔のサンタとはウラハラに中では凄い顔になってるのよ」由貴はそういうと笑って圭介の顔を見た。

圭介は真面目な顔で由貴を見ている。
そして由貴の肩を抱き、優しくキスをした。
そのまま2人はベッドに横になる…。


圭介の母親が家に帰ってきた時には、由貴は服に着替え終わっていた。
「ありがとうございました」そういうと由貴は笑顔で帰っていった。


2月、バレンタインが近づくとショッピングモールにはチョコレート色をしたマネキンが、白いエナメルのミニスカートのワンピースに、同じ白いエナメルのブーツを履いて現れた。

圭介が1人ショッピングモールへ行くと、マネキンは「いらっしゃいませ、私の大好きな人」と挨拶してくれた。
「大丈夫?無理しないでね」と圭介はマネキンに声をかけるとショッピングモールの中へと入っていった。




おしまい

駄文失礼しました。


578 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/14(月) 13:17:26
>>577
素晴らしい


579 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/14(月) 17:13:58
>>577
何か爽やかだな


580 : メリークリスマス ◆zYQ/uWRKn. :2015/12/14(月) 17:36:20
>>578
ありがとうございます。
>>579
ドロドロしている方がお好みですか?


581 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/14(月) 17:46:11
完結がなにより


582 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/14(月) 21:45:24
>>577
GJ。

できたら、マネキン着る時の話とか読みたいかも


583 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/15(火) 07:36:59
>>580
いや、特に好みはないけど爽やかで何か高校生の時考えてたこと思い出した


584 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/15(火) 20:07:35
GJ! もっと読みたい、できればえっちいやつ


585 : ELL :2015/12/15(火) 22:59:33
私も初めてながら書きましたー


「イベントのバイトするの?お前?」
「知り合いのおじさんに誘われてね。毎年やってるんだ。」
俺、浅見洋平は彼女の茅野真理奈と夏休みの予定についてスタバで話していた。
真理奈とは大学の文芸サークルの仲間でお互い波長も合ってか今年の4月から付き合っている。
容姿は細身でスタイルが良く肩までの長さの黒髪に赤ぶちの眼鏡をかけている。
顔は俺からすれば羨ましいくらいに可愛い方だ。
服装は西洋系の可愛いファッションを好んで着ている。
「んでそれは何のイベント?何をするわけ?」
俺は昨日のテストの疲れからかぶっきらぼうに答えた。
「ワンホビって知ってる?ほらワンダーホビーフェスティバル?そこでおじさんが出すサークルの手伝いするの。」
「ワンホビ!?マジかよー。一緒に行こうって誘おうと思ってたのに!」
そういえば今度一緒に行こうって言うの忘れたと思い、俺はあわてて反応した。
ワンダーホビーフェスティバルは年にニ回ある主に模型やフィギュアのイベントで企業の最新作の模型の発表や展示がされていたりするイベントだ。
そのほかにもコスプレブースもありコスプレも楽しめるのだ。
プラモ作りが趣味の俺は今年は彼女の真理奈を一緒に誘おうと思っていた。
「残念、私そのときは忙しいんだー。時間ができたら一緒に回ろ。」
その日は真理奈は笑顔で答えた。
でもその時俺はまさか真理奈がああなるとは思っていなかった。


586 : ELL :2015/12/15(火) 23:00:47
ワンホビ当日、俺は2000円のパンフレット兼入場券を買って例年どおりに並んだ。
真理奈から来た連絡ではもうサークルの手伝いをしているみたいだ。
俺はパンフレットを見ながら見たい模型の展示や欲しいガレージキットの情報を調べていた。
「しかし例年通り暑いなぁ、まだかよ開場は...」
俺はまだかまだかと列に並びながら待っていた。
ようやく開場時間となり、そこから30分並んだのち、ようやく中に入ることができた。
俺は先に見たいものや欲しいものをを一通り周ってそこから真理奈のところに行くことにした。
約1時間ほどで用事を済まし俺は真理奈から教えてもらった番号名のサークルを探した。
「ここかぁ、言っていたサークルって、しかし奇妙だなぁ?お面・・・?」
サークル名はGURU-FACTORYと書いてあっただけでよくわからなかったがお面みたいなものが展示されてあった。
その周りには肌色の全身タイツに衣装をまといお面のかぶり物をしたコスプレをしている人が何人かいた。
結構ゴツい体していたのでたぶん中の人は...俺は察した。
「すげえなぁ、このサークルのブース。でも真理奈どこにいるんだか。」
そこに真理奈の姿は見当たらなかったがそのうち来るだろうとそのサークルの展示物を色々見ていた。
「へぇ、お面の内側ってこうなってるんだー。すげー」
「この手袋は?」
「これは肌タイツっていう着ぐるみの皮膚となる生地でできているんですよー。」
とそのブースの人が説明してくれた。
俺は手袋をはめてみた。
「すごくフィットしますね。肌触りもいいかも。」
「でしょー。」
ちょっと俺はその奇妙なブースに夢中になっていた。


587 : ELL :2015/12/15(火) 23:02:07

「あの子カワイー!」「すごーい動いてるー!」
周りが何かぞよめいてるのを感じ振りかえるとそこには他の着ぐるみよりもスタイルが良すぎる可愛い美少女の着ぐるみがそこにいた。
「あれ黒園イリスじゃん、しかし完成度高いなぁ、てか体細っ。」
黒園イリスは人気ゲームのキャラクターで黒髪のツインテに服装がゴシックなノースリーブのワンピースと腕にはめるような袖、脚はニーソックスにスニーカっぽい靴を履いている。
俺は完成度の高さに驚きイリスちゃんを凝視していると目があったのかイリスちゃんがこっちに来た。
俺のところに来たイリちゃんは次に俺にハグしてきた。それも結構強いハグ。
少しパニックになった俺はイリヤちゃんのお面からくぐもった声が聞こえるのを感じた。
「まってたよ、よーへい。」

「え・・・まさか...!?( ゜Д゜)」


588 : ELL :2015/12/15(火) 23:04:10
俺はイリヤちゃんとハグした後、握手した。その肌タイツ越しの握手は少し心地良い感じもしたし同時に触り覚えのある感覚もした。
自慢じゃないが俺は真理奈とデートするときは手をつないでいる。だから握り心地もかすかにわかる。

色々テンパった挙句、着ぐるみに包まれた状態の彼女を名前で呼ぶのも不謹慎なので言わないことにした。うん、夢は守らなきゃね。
その後、イリスちゃんはその周辺でキャピキャピ動いていた。
「かわいーでしょ?この娘、ウチの自慢の着ぐるみなんですよ。」
自慢げそうにGURU-FACTORYの人は語った。
「これって男だとさすがに着れませんよねー。」
俺は冗談半分にそのおっさんに質問し
「そうですね〜この中に入ってるのは可愛い女の子ですからハハハハハ。」
「ですよね〜( ̄▽ ̄)」

普段の彼女と違い、肌色の全身タイツに覆われそこに衣装やお面を被って全く露出のない彼女を見るのはかなり新鮮だった。
さっきされたハグも真理奈自体には触れていないのだと思うとなぜか少し切ない気もした。
背中に見えるチャックを開けるとその中に真理奈がいるのだと思うと少しドキドキした。
何考えてんだ、俺は...でもなんかちょっとイイかも。

イリスちゃんはこの後屋外にあるコスプレブースに移動するらしいのでスタッフと一緒に暇な自分も付いていくことにした。
イリスちゃんは俺の片腕をギュッと抱きなら歩いた。小声で「ヨーヘイヨーヘイ」言ってるのがなぜか聞こえたw
普段中の娘にされたこともないので俺は少し戸惑っていた。
ようやくコスプレブースにつくと早くも写真撮影の列ができていた。
「やっぱ人気だなーしかし暑いなぁ...」
さすがに今日の気温は30度越えの真夏でもあり、俺も鼻に水滴がつくくらいだ。
そんな中でも、イリスちゃんはポーズをとりながら順番に写真を撮られている。
俺も何人か気になるコスプレ写真を撮りつつ(主にロボアニメ系)30分ほどして再びイリスちゃんのところに戻った。
どうやら一回サークルのブースに戻るみたいだ。
イリスちゃんはまだキャピキャピしていた。でも少し変化があった。
肌のタイツの脇や首筋のあたりは色が変わっていた。いわゆる汗ジミってやつだ。
心なしか少し体で息しているようにも見えた。
イリスちゃんはまた俺の腕をギュッとつかみながら歩いた。
すぐ近くにいてもかすかにハァハァと息遣いも聞こえていた。
「大丈夫イリスちゃん?」
俺が声をかけたらイリスちゃんは小さくうなづいた。でもさっきより息遣いが荒くなっているようにも思えた。
俺はそのイリスちゃんの頭をいつものようにナデナデしてあげた。こうしてあげると少し喜ぶんだよね。

ようやくブースにつくとまた写真を撮られいつものようにイリスちゃんはポーズをとった。
ひと段落するとGURU- FACTORYのおっさんが「一旦休憩させまーす。」と一言。
イリスちゃんも少し安心した様子だった。するとおっさんと話しているのか俺の方を指差した。
「今からイリスちゃん休ませるけど一緒に行く〜?」
おっさんに言われ拒否する理由がないと思った俺は勿論行くことにした。


589 : ELL :2015/12/15(火) 23:05:41
ベンチや自販機が多く置いてある会場端の2階のフリスペースに向かい、そこでイリスちゃんを休憩させることにした。
イリスちゃんがベンチに腰掛けると人気がないのか息遣いもまた荒くなって体で息をしているようだった。
「そうだねーここはやっぱ彼氏さんがマスク外してあげないとね。あとはまかせたよー。」
そう言っておっさんは新品のハンドタオルを俺に渡して去っていった。
その後すぐに外してほしいかのように今度は俺の腕を汗で湿った手で掴んだ。
「これどうやって外すの?」
俺は戸惑いながら答えるともう声が出ないくらい苦しいのか彼女はそれでもわかりやすいジェスチャーをしてくれた。
どうやらうなじに固定してあるマジックテープを外せばいいらしい。
マジックいテープを外している時、肌タイに包まれた彼女の頭部に触れたが少し熱かった。やはりそうとう暑かったんだなぁ。
「よし、テープも外せたし、もうお面外してもいいよ。」
「マスクも外して。」
なぜか彼女は恥ずかしそうに答えた。
「わかった、じゃあ外すよ。」
俺はその瞬間ドキドキした。着ぐるみを着た彼女の汗で濡れた顔を見れるのはすごいドキドキしているのと同時に興奮もしていた。


590 : ELL :2015/12/15(火) 23:07:14
まるで大役を担う王子様かのように俺は彼女のマスクを外した。
頭に張り付いて髪の毛が透けてるくらいぐっしょり濡れている肌タイに包まれて濡れている真理奈の顔がそこにはあった。
自分の膝に伏した状態の真理奈からは床から大きい水たまりができるくらいに汗が垂れていた。
「ハァ...ハァ...ハァ...ハァ...」
今まで呼吸が制限されていたのか、苦しい息遣いが途絶えることなく続いていた。
俺はここまで弱々しくなっている真理奈を初めてみた。いつも明るくて少し天然で暗い時はなかったくらいなのに
俺がそんな彼女に元気がない時はどれだけ勇気づけられたかわからない。
今はそんな弱々しい真理奈を俺は今すぐにでも抱き締めたいし頭ナデナデしたい。そんな気持ちになった。
でも今やるとさすがに暑苦しいと思うからからやめとこ。
「俺すぐに飲み物買ってくる。」
「うん。」
このままだとホントに興奮が収まらないので俺は気を落ち着かせるために自販機へ向かった。
飲み物を買いに戻るとマスクを両手に抱え、頭に張り付いていた肌タイから頭を出し、長い髪を後ろにまとめた真理奈がタオルで汗を拭いていた。
何よりも首から下がイリスちゃんの着ぐるみのままなで素顔を出してる真理奈が最高にかわいかった。
いつも眼鏡をかけていたからコンタクトにしている真理奈を見るのは今回が初めてだった。眼鏡を外しても似合うのは前からわかってはいたが改めてみると本当に可愛かった。
「はい飲み物、これでよかった?」
「嬉しい!ありがとー!」
俺は真理奈ににスポーツドリンクをわたし真理奈は半分ほど一気に飲み干した。


591 : ELL :2015/12/15(火) 23:08:23
「どうだった私の着ぐるみ?可愛かった?」
「最初はすごく驚いたよ。そんなこと一言も聞いてなかったし、でもホント可愛かったよ。」
そう聞いて真理奈はすごくうれしそうだった。
「でも俺じゃ絶対できない。つか死ねる笑」
「でも私これで子のイベントで着るの3回目だからね、これ以外にも色々やってるよ。年に5、6回は着てるかな〜。」
俺は驚愕した。てか3年前ってJKの時から着てたのかよ。
「このマスクってどこから見てるの?」
「この目の部分の小さい穴から見てるの。じっと目を凝らしてね。あと口も小さい穴が空いていて一応呼吸もできるの。」
俺はマスクを手にとって裏側を見た。確かに目を凝らさないと視界が良く見えないようになっている。
呼吸の穴も大きくはないし思ったような空気の循環はできないだろう。
「あと着心地もいいんだよ。肌タイとか、あれ私の為に採寸したオーダーメードだからすごくフィットしてるの。」
「確かに皺とかないもんな。俺も手袋みたいなのさっきはめたけどあの生地は確かにすごい。質感が良すぎるでしょあれ。」
「触ってみる?」
「え?いいの?」
真理奈は袖のようなものを左腕だけ外した。
俺は真理奈の肌タイに包まれ腕を触った。
「すべすべしてるね。」
汗に濡れて少し湿っていたが彼女の肌タイに包まれた細い腕はすべすべしてていつまでも触っていたい感触だった。
思わず彼女のタイツに包まれた手を俺の頬にあてた。
「いきなり何?」
真理奈は少し苦笑しながらどよめいていた。

「似合ってるねその格好。ホントに可愛いよ。」
首から下がイリスちゃんの真理奈がやっぱり可愛かったのかつい口に出してしまった。
「どうしたの急に?」
ゆっくりと真理奈は答えた。

「なんだろ、さっきまでイリヤちゃんの着ぐるみまで覆われていたけど体はやっぱり真理奈だし、
そんな真理奈が汗びっしょりになって必死に演じててさ、普段と違う真理奈になんか切なさを感じたんだよね。
で、俺がマスクを外してあげたとき、真理奈の汗びっしょりで苦しそうな息遣いをしてる顔を見たときはなんか心にくるものがあったし
すげえ守りたくなるって思ったよ。」
俺は心の思いうちをそのまま彼女に言った。

「よーへい.......やっぱ変わってるね。」
「もうそれでいいよ。今はすげえ抱きしめたい。いいかな?」
もう我慢できなかった...
俺は彼女の返事も聞かずギュッと抱きしめた。汗で潤った彼女の髪からはとても使っているシャンプー香りかとても良い匂いがした。
そのあと、俺は彼女の汗で潤った唇にキスをした。
無理にしちゃったけどその時の真理奈はちょっと泣きそうなくらいすごく嬉しそうな顔をしていた。やっぱり守ってあげたい。
今日一日で彼女との距離がグッと近づいたように感じた。


「おつかれーそろそろ第二波行くよーって...あ!」

「やべッ!見られた...」



「グッジョブ!(´∀`)b」


592 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/15(火) 23:47:17
支援


593 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/16(水) 01:11:19
GJ!


594 : ELL :2015/12/16(水) 02:32:18
>>592
イリヤって書き間違えてた箇所がありましたすみません


595 : ELL :2015/12/16(水) 02:33:24
>>591
一部イリヤって書き間違えてた箇所がありましたすみません


596 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/16(水) 14:55:01
GJでした! 極小着ぐるみどなたか書いてほしい〜です!


599 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/17(木) 00:00:00
グッジョブ!(´∀`)b


600 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/19(土) 17:04:57
来ないかなー


601 : 「人気の熊」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2015/12/24(木) 23:13:44
メリークリスマス!ということで、
久しぶりの投稿です。
エロ要素は薄いですのであしからず。


602 : 「人気の熊」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2015/12/24(木) 23:15:02
最近、すごく気になるものがある。
それは、俺のバイト先の向かいの店に置かれた
『熊のぬいぐるみ』である…。

俺の名前は『斎木 光』高校生。
親戚の兄ちゃんの店(スポーツ用品店)でアルバイトをしている。
アルバイトといっても、高校で禁止されているため、
親戚のお手伝いといった形になっている。
この店は、家からは少し離れた場所なので調度よい。
しかも、そんなに客も多い商店街ではないため、
忙しくも無く、学校の休みの時だけという好都合。
そんな、ゆるゆるとした職場に、ある転機が訪れた。

うちの店の向かいに、まあぼちぼち客の来るケーキ屋がある。
そこにある時から店先に『熊のぬいぐるみ』が置かれたのである。
そのぬいぐるみは、大きさにして1mくらいだろうか…。
いつも午前の10:00くらいに、店の奥から台車で運ばれきて、
17:00くらいに、また店の奥へと運ばれていく。
その横には、
『お子様以外は、手を触れないで下さい。
 故障の原因となります』
という看板がある。
何がすごいかというと、このぬいぐるみは、子供が来たりすると、
ランダムに、微妙に動くのだ。
どういうセンサーがついているかは分からないが、
微妙に手足をモゴモゴと動かす。
この微妙さ加減が人気となり、最近はこのケーキ屋も、
子供連れの親を、メインに、客足をかなり伸ばしている。
基本的には土日に設置されるらしが、土曜日のみ、日曜日のみの週もある。
そのランダムさがまた、客足を呼んでいるところだろう。


603 : 「人気の熊」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2015/12/24(木) 23:16:30
ある日曜日、うちの店はかなりの暇具合で、そのぬいぐるみを眺めていた。
相変わらず、子供が来るとモゴモゴと手足を動かし、
子供たちはその熊のぬいぐるみと写真を撮ったりしていた。
「光、今日はもう上がっていいよ、後は俺一人で大丈夫だから」
ぼーっとしている俺に、親戚の兄ちゃんが声を掛けてきた。
「え?でもまだ15:00ですけど?」
「まあ今日は俺も余裕あるから、大丈夫っしょ。
 お前のおかげでうちも潤ってるから、なにせお前目当てのJKとかくるし」
「そ…そんな…俺目当てはいないっすよ」
「謙遜するな…ホントにお前目当ての客がいるから…おれは悔しい…」
「やめてくださいよ」
「ハハ…お前はそのルックスと性格でなんで彼女がいないんだか」
「…それは…」
「まっ!とにかく今日はOK!」
「…分かりました、じゃ、お言葉に甘えて」
そして、俺は早上がりした。

バイトを終え帰ろうとしたが、このところ気になっているぬいぐるみを
間近でみてみようと向かいのケーキ屋に向かった。
そして、大きな熊のぬいぐるみを、まじまじと眺めてみた。
はたから見たら、熊のぬいぐるみを眺める高校生男子、
これはおかしな光景だとは思うが、幸いにも人通りはなく
俺は覗き込むように、熊のぬいぐるみを眺めていた。
(どこにセンサーがついているんだ?)
そう考えながら、熊の顔を覗き込んでいると、
突然、熊のぬいぐるみが動き始めた。
「うわ!?」
俺はつい声を出してしまった。
なぜかと言うと、突然、しかもいつもよりも激しく
熊のぬいぐるみが動き始めたからだ。


604 : 「人気の熊」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2015/12/24(木) 23:17:44
そして、熊のぬいぐるみはその動きが激しかったせいか
バランスを崩しふらついた。そして、
「きゃ!!」
というくぐもった声とともに、座っていた台座から倒れこんだ。
その瞬間、俺は周りを見渡した。
周りには、全く人はいない。
(え!?ちょっと待て…今の声は、このぬいぐるみ???)
倒れこんだ、熊のぬいぐるみを見ながら俺の頭は混乱する。
(そんなはずはない…サイズ的にも人が入っているはずはないし、
 午前10時頃から夕方の5時頃まで、ここに置いてあるんだ…
 トイレとかも考えれば、それはあるはずがない…)
いろいろ考えているうちに、店内から女性店員が出てきた。
「あ!?ごめんなさいね。…なかなか不安定だからこの『機械』
 びっくりさせちゃったわね。大丈夫、私が直しておくから」
声をかけて来たのは、スタイルのいいお姉さんといった感じの綺麗な人。
「あ…す…すいません…なんか僕が倒しちゃったみたいで」
「違う違う、こっちの問題だから、君は気にしなくて大丈夫よ」
「でもホントに触ってないです」
「大丈夫!中から見てたから、君が何もしてないのは分かってるから」
そんなやり取りをしている中、熊のぬいぐるみは倒れてうつぶせの
状態で微動だにしない。
「あ…あのこれ、壊れてないですよね?」
「大丈夫だって…よいっしょっと」
そう言いながらお姉さんは熊のぬいぐるみを元に戻した。
「よし、動かしてみよっか」
お姉さんが熊の顔の前に手をかざし、手を軽く振ってみる。
すると熊のぬいぐるみは、モゴモゴと動き始めた。
「よ…よかった…壊したかと思いました…」
「だから大丈夫だって、君には全く責任もないから♪
 …にしても、君はまじめだね」
そのお姉さんの言葉に照れつつも、壊れていないことにホッとした。
「よかったです…それじゃ僕は」
そう言って、俺はその場を立ち去った。
お姉さんが不思議な微笑みを浮かべていた事に気付きはせず…。


605 : 「人気の熊」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2015/12/24(木) 23:19:08
翌日、俺は『あの声』がなんだったのか…
そのわだかまりを抱えたまま、高校に登校した。
その通学中、いつも通りに友達の山田 弘樹に会った。
「おはよ、光」
「お…おはよ…弘樹、あのさこの写真のぬいぐるみ…」
そういって俺は子供と熊のぬいぐるみが写っている画像を見せた。
「なんだよお前、朝からファンシーな写真を…」
「このぬいぐるみに人が入れると思う?」
「はぁ…!?」
そういって弘樹はまじまじと俺の携帯を眺めた。
「あほか…お前。子供がこのサイズなんだから、
 この中に人が入っているわけはなかろう!」
「…だよな…」
「なんのクイズだよ、これ?」
「あ…いい…気にするな、なんでもない」
「なんでもないクイズを俺に…出すなぁぁ!!」
そんなくだらないやり取りをしていると、
後ろから、突然頭を軽く小突かれた。
「いて!?」
「おはよ!!どうしたの!馬鹿コンビ!」
小突いてきたのは、新田 彩加。
同じクラスの女子だ。
容姿端麗、スタイルはよく顔もかわいい。
だから、とにかくモテる、何度か告られているのを目撃している。
性格はざっくりしていていて、俺の頭を後ろから小突くくらいだ。


606 : 「人気の熊」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2015/12/24(木) 23:20:22
「おはよ彩加、光の奴がさこのぬいぐるみに人が入れるか?
 なんてクイズを俺に出してきた訳だ。朝からオチもなく」
そう言って俺の携帯を彩加に勝手に見せる弘樹。
相変わらすデリカシーの無い奴だ。
「ん?…ああこれね。ケーキ屋の奴でしょ」
さすが情報通の彩加、よく知っている。
「これに人が入る訳無いじゃん…小さすぎるでしょ」
「でも、俺さ声を…」
「さ!馬鹿言ってないで、遅刻するわよ」
「光!急ぐぜ!俺には後が無い」
「…あぁ…」
弘樹の後が無いことは関係ないが、遅刻しそうなので、
とにかく俺たちは急いで登校した。

そんなわだかまりを残したまま、俺のバイト生活は続いた。

そんなある日、高校の創立記念日とかで平日に休みがあったので、
俺はバイト(お手伝い?)をすることにした。
土日もたいして人の来ない商店街だから、平日は尚更人は少ない。
そして何故か土日だけだと思われた熊のぬいぐるみも今日は設置された。


607 : 「人気の熊」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2015/12/24(木) 23:24:01
そして、やることもなく暇をしていると、
向かいの店に、性質の悪そうな小学生3人組が近づいてきた。
しばらく3人組は熊のぬいぐるみの前で話をしていると、
3人掛かりで熊のぬいぐるみを押し倒したのだ。
びっくりしたが、店員さんが出てくると思い、俺も少し傍観した。
すると、小学生たちは倒れた熊のぬいぐるみの上に、
飛び乗る、蹴りをいれる、手足を引っ張る、
とにかくやりたい放題やり始めた。
店を放置できないとはいえ、小学生の乱暴も限度が過ぎたため、
俺は店を飛び出し、小学生達を止めに走った。
ケーキ屋の店員さんは気付いていないらしく、
俺が駆けつけるまで、熊のぬいぐるみはやられたい放題だった。
「こら!お前たちやめろ!」
「やべっ!大人が来た!逃げろ!!」
俺が来たことに気付いた子供たちは、そそくさと逃げ去った。
そして、地面に這いつくばっている熊のぬいぐるみを起こそうと、
抱きかかえ力をいれた。
(ん!?…この感触??)
俺の手にぬいぐるみの中の支柱というべき物の感触、造型が伝わってきた。
外側は柔らかいぬいぐるみだが、あからさまに中にはそれよりも硬い感触が。
硬いといっても金属とかではない…まさに人の柔らかさがそこにあった。
(この…感じ…人…か??)
驚きはしたもののの、中身が人だという可能性がかなり濃厚となった。
もとの場所に戻した後、俺は自然と
「大丈夫か?」
と声をかけていた。
すると心なしか、熊のぬいぐるみが頷くように体を縦に揺らした気がした。


608 : 「人気の熊」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2015/12/24(木) 23:25:36
そうこうしていると、店員のお姉さんが店から慌てて出てきた。
「ありがと!!ごめんね助けてもらっちゃったみたいで」
「いえ、子供たちが大変なことしてたんで」
「助かったわ、それより…ちょっとこっち来て」
お姉さんは、熊から少し距離をとったところに俺を呼んだ。
そして小声で耳打ちをしてきた。
「気付いちゃった??」
「え!?何をですか?」
俺は内容は分かっていたが、一応同様したふりをし聞き返した。
そしてコソコソ話は続いた。
「中身よ、熊の中身」
「…ま…うん…気付きました…」
「あのさ、これ『企業秘密』ってやつだから、
 内緒にしておいてくれないかな?」
「も、もちろんですよ、誰にも言いません」
「その代わりと言ってはなんだけど、今日仕事何時にあがるの?」
「17時ですかね」
「オッケー、じゃあ仕事終わったらうちの店に来て、
 いろいろ『伝えたい事』があるから」
「分かりました、じゃあ仕事終わったらこちらに伺います」
そういうことで、俺は仕事終わりに向かいのケーキ屋に行くことになった。


609 : 「人気の熊」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2015/12/24(木) 23:28:06
訂正:9行目 同様→動揺 ですね・・・


610 : ELL :2015/12/24(木) 23:52:01
私も続きができたので書かせて頂きます。


611 : ELL :2015/12/24(木) 23:53:13
「いやーお二人さん!いいね!」

「あ、えーっとこれは...」

「いいよいいよ続き続き♪(´∀`)」
おっさんはニコニコしながらラブラブな二人に話しかけた。
「もうっ...やめてくださいよぉ///」
ヤバイ真理奈がかなり赤面してる、つか可愛いすぎる。

「これからまた戻って第二波やっちゃうけどやっぱマスクオフの状態可愛いしそのままでもいいよぉwww」
おっさんは変な笑い方で斬新な提案をした。

それやばくね?だってそれ夢壊s(ry
「え、良いんですか〜!?じゃあお言葉に甘えてそうしますねー!」
真理奈は即答した。良いのか真理奈ホントにいいのか真理奈...!?
「おっけー!いやぁ〜中入ってるの一体どんな娘なの〜?ってたくさん聞かれたからねーみんな驚くよぉー。」

こうして真理奈は顔から下がイリスちゃんの状態でGURU-FACTORYのブースに戻っていった。


612 : ELL :2015/12/24(木) 23:54:30
GURU-FACTORYブースに戻ると着ぐるみのマスクなどを不思議そうに見ている人。、着ぐるみを着ている人(たぶん男)、
「ナニコレー」と呟いている女性や隣の自作のガレージキットを売ってる人やフィギュアを展示している人や子連れの親子からwktkしてる外国人まで一斉に


2度見した。


「あれさっきのイリスちゃん!?」「中の娘可愛いっ!可愛すぎるっ!!!」「トーチャンアノオネーサンカワイーゾー」「WHY JAPANESE PEOPLE!? CRAZY!!!」
周りから様々な声が聞こえてきた。まぁそうだろうな。
「さっきのイリスちゃんですよね?一緒に写真撮ってもいいですか!?」
「いいですよーよーへい撮ってー。」
急遽おれは撮影係を任された。

真理奈は左手でイリスちゃんのマスクを抱えながら右手で色々なポーズを撮っている。
終始周りに囲まれながら写真を撮られている。
俺もなぜか写真を撮るのに夢中になっていた。一つ一つのポーズが可愛いっていうのもあるけど。

撮影がひと段落つくと興味を持ってそうな人たちが次々と質問してきた。
「着るのってやっぱ大変?」「マスク被ってる時ってやっぱり苦しいの?」「細い体なのに大丈夫だった?」
など色々な質問が飛び交ってきた中、真理奈は
「着るときはやっぱり肌タイの後ろのファスナー閉めるとか大変だったな〜マスク被ってるときは徐々に苦しくなるし、全身露出してないから勿論外に出ると蒸れちゃうし、
 私も運動神経ないから欲からだ持ったな〜って。マスク外したときはずっとハァハァ言っちゃって苦しかったです。」
真理奈は終始笑みを浮かべながら答えていた。まるでアイドルかのようだ。


613 : ELL :2015/12/24(木) 23:56:02
その後真理奈は「じゃあそろそろ着替えてくるねー。」と言って更衣室へと向かっていた。

「どう?着ぐるみには興味持ったかい?」
「そうっすね。なんかすげーなーって。まさか真理奈があの中に入るなんて。」
「君も細いしスタイル良いから今度着てみる?」
「いやそれはーちょっと...」

真理奈が戻る間おっさんと20分ほどたわいもない話をしてるとキャリーバックを引きながら私服に着替え眼鏡をかけた真理奈が戻ってきた。
今日のファッションは俺と共通して好きな某バンドのtシャツにチェック柄のスカート、ニーソックスにスニーカーを履いた組み合わせだ。

「今から色々周ってこよ。よーへい。」
と、前にも約束した通り俺と真理奈は一緒に終了時間まで会場を周り、イベントは終了した。


そのあとGURU-FACTORYで打ち上げをやるらしいのだが俺も誘われ真理奈と一緒に行くことにした。
その後の打ち上げはというと...話がアニメだのゲームだのフェチや変態な話で盛り上がって、至ってカオスでした笑。

二次会のカラオケは真理奈が疲れていることもありそのまま一緒に帰宅することにした。
俺たちは帰りの駅のホームで電車を待っていた。
「今日楽しかったね〜。すごく疲れたけど」
「そうだな、色々驚かされたよ。」
「うん、あのねよーへい。」
「ん?どーした?」
「今日私の家泊まる?」
「なんでさ?」
「うん、なんというかね、今日は...」




「一緒にいてほしいの...///」


614 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/25(金) 01:11:52
wktk 続き読みたい!


615 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/25(金) 11:46:50
>>611
残りに期待しています!


616 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/25(金) 14:17:43
>>608の続きも期待


617 : 「人気の熊」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2015/12/25(金) 20:15:33
そして、17時になり仕事を終えた俺は、約束通り向かいのケーキ屋に向かった。
「こんにちは、お約束どおり伺いました」
「あ、光君、ちょっと店の奥の部屋で待っててね」
そう言われ、店の奥にある8畳ほどの部屋に通された。
(ん!?…あれ?お姉さん俺の名前呼んでたな…名前いったっけ?)
部屋の中でそんなことを考えながら暫らく待っていると、お姉さんの声が、
「お待たせ!」
そういってお姉さんは台車にのせた熊のぬいぐるみを運んできた。
部屋に入ってくるやいなや、熊のぬいぐるみがかなり激しく動き始めた。
「さて、降ろしますか」
そういってお姉さんは暴れる熊を台車から降ろした。
すると熊は暴れながら、必死にお姉さんから逃げようとした。
しかし逃げようとしている雰囲気は伝わるが、
モゴモゴと動いてるだけで、それほど距離は移動できていなかった。
この動きからも中身が人であることは確信に変わった。


618 : 「人気の熊」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2015/12/25(金) 20:16:41
そして、その熊を制するようにお姉さんは体を抑え熊に語りかける。
「もう…暴れないの…開けるわよ」
その言葉を聞いた熊はさらに激しく動き抵抗をし、
そしてくぐもった声が聞こえ始めた。
「…やだ…だめだって…やめて…」
(女の子の声だ!)
やはり熊のぬいぐるみの中は女の子である。
熊も抵抗はするものの、やはりお姉さんには敵わず、
背中のチャックをいとも簡単に開けられてしまった。
そしてさらに抵抗を強める熊。
「やだ!!やめてよ!!」
チャックが開いたせいでさっきよりも声がクリアーだ。
「もう…いい加減観念しなさい!!」
お姉さんはそういいながら、暴れる熊から中身を引きずり出し始めた。
背中はもうチャックから出てきているが、必死に抵抗をする中身。
「やめて!お姉ちゃん!!やだって!!」
(お姉ちゃん??)
疑問には思ったが、今取り上げるのはそこではない。
「よい…しょっと!!」
「いやぁ…!!」
お姉さんはぬいぐるみの中から、黒色の中身を引っ張りだした。


619 : 「人気の熊」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2015/12/25(金) 20:18:09
うつむいたその中身は全身タイツのような黒いスーツを着て、
腕と足は折り曲げた上体で固定されている。
それはまさに4足歩行の獣ような状態。
顔の部分だけは丸く穴が開いており、それ以外は全身黒いタイツで
包まれているようだ。
確実に人間で、ぴっちりとしたボディラインから女性というのもはっきりと分かる。
そして、ぬいぐるみの中が暑かったせいだろう、体は汗まみれで、
軽く湯気が出ているのではないかというくらいだった。
うつむいていたその女性が、顔をあげてお姉さんに文句を言った。
「やめてよ!お姉ちゃん、いやだって言ったのに…」
その起こした顔に俺は驚いた。
「彩加!!」
しまった!っといった表情でこちら見る彩加と目が合う。
俺は次の言葉が出ない…それは当たり前だ。
学年でも一番モテるだろう彩加が、
想像を絶する姿で俺の前に座っているのだ。
するとお姉さんが、
「光君、これが秘密にしておいて欲しい事の全容よ。
 あ!?ごめん自己紹介が遅れたわね。
 私は彩加の姉の『咲』、このケーキ屋の店長よ」
少し動揺が収まった俺は、ひとつ大きな深呼吸をし、
「咲さん、で…この状況は??」
「そうだ!彩加、光君にまず言わなければならない事があるでしょ、
 助けてもらったんだから!」
「え…あ…うん…その…あ…ありがと…」
「はっきり言いなさいよ!」
「分かったわよ、助けてくれてありがと!」
少し照れながらお礼を言う彩加がかわいかった。
「それほどの事はしてないよ。ところで、なんで熊のぬいぐるみの中身が彩加なんだ??」
「そ…それは…」
照れながら言葉を濁す彩加。すると咲さんが説明し始めた。


620 : 「人気の熊」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2015/12/25(金) 20:19:54
「彩加がどうしてもうちの店で、バイトしたいっていうから」
「…ってそれで、お姉ちゃんの悪ふざけで、ぬいぐるみの中に入って客寄せしてって
 いうからさ…」
「結果オーライでしょ!学校にもばれないし、客足もかなり増えてるし、
 なにより、彩加のお目当て通り、光君の近くに居られる訳でしょ♪」
「!?ちょ!ちょっと、お姉ちゃん!!」
(!?ん…今の…どういうことだ?)
俺の頭の中は、また混乱をし始めた。
「言っちゃえばいいでしょ、全く…彩加は奥手なんだから…」
「え…でも…う〜…」
「ここまでばらして、もう言ったようなものでしょ!さあ!」
「…あーーー!!もう!分かったわよ!
 光!私はあなたの事が好きなの!!だから偶然向かいの店にあった
 お姉ちゃんの店でバイトしたいと思ったの!分かった?!」
そう言い放つとまたうつむく彩加。
俺は正直動揺した。確かに俺は彩加に恋心を抱いてはいた。
しかし、俺ごときが相手にされる存在ではないと思っていたため、
こんな想定はひとつもなかった。
色々な考えが頭の中でグルグルとかけ回っていたが、
自然と体が動き、俺は正座状態で座る彩加を後ろから軽く抱きしめた。
彩加は一瞬びくっとしたが、抵抗もなくそれを受け入れた。
タイツは彩加の汗でビショビショで、その下からは彩加の温かさを感じた。
「俺も好きだよ、でも正直、俺ごときは彩加には相手にされないと思ってた。
 こんな俺でよければ…」
「うん」
彩加もやさしく頷いた。


621 : 「人気の熊」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2015/12/25(金) 20:21:01
…とそんないい雰囲気のところに咲さんが切り込む。
「よかったよかった、ようやくお互い伝えられたじゃない!
 私のおかげと感謝しなさい!!
 …ところで、そんないい雰囲気になってるけど、彩加、全身タイツだけどね」
咲さんのその言葉に、俺も彩加も我に返った。
彩加から離れ、よくよく見てみると、下着も着ていないらしく、
胸には乳首がはっきり浮き出ているくらいだった。
「そ…そうだ…光!ちょっとこっち見ないでよ!恥ずかしいから!」
「そ、そうだね、タイツだし、すごい格好だしね…」
「って!わざわざ、そこを言わなくてよし!…
 …あ〜この格好で告白って、どうかと思うよ…」
・・・そしてこの日から俺たちは付き合い始めた。

それから土日はスポーツ用品店のお手伝い、ケーキ屋のぬいぐるみという
不思議な関係は続いた。
平日はもちろん、土日はたまには休みを合わせデートにも出かけた。


622 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/25(金) 22:46:48
ほのぼのでとてもいいんじゃないすかね


623 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/25(金) 23:43:35
顔が出るタイプのタイツっていうのもいいな
最近はラバーゼンタイが多かったから新鮮


624 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/26(土) 00:35:35
支援!


625 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/26(土) 01:39:10
さすがに女子高生にラバー全身タイツ着せられないだろ!


626 : 「人気の熊」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2015/12/26(土) 08:31:20
そんなある日、二人でいる時に俺は彩加に疑問を投げかけた。
「彩加、ところでバイトの『あれ』きつくないの??」
前から思っていたが、初めて口にしてみた。
「う〜ん…きついっていえばきついかな。夏場は死んじゃうじゃないかって
 くらい暑かったし、体制も楽じゃないしね…」
「やめないの??」
「え!?…ま…まあ…お姉ちゃんの店の名物にもなってるし…
 それにね…」
なんだか言葉を濁す彩加。
「それにってなんだよ?」
「え…っと、なんていうか…うーんと…あのね…」
「なんだよ、はっきり言えよ」
「誰にも言わないでよ…」
「言わないよ」
「…全身包まれている感じが、落ち着くっていうか、気持ちいいっていうか…」
少し驚いたが、俺は動じた気配をみせず、
「彩加ってそういうフェチなんだ♪」
「フェチって!そ…そ…うん…まあそう言われれば…そうか…」
茶化したつもりだったが、彩加は意外にあっさりそれを認めた。
そして、もう一つ気がかりだったことを聞いてみた。
「あとさ、7時間くらい着続けてるじゃん。トイレってどうしてるの?」
「あっ、それは大人用の薄型のオムツはいてるから…
 …って!!何言わせんるのよ!!」
「ふーん」
「もう!女子に言わせる事じゃないでしょ!」
「ゴメンゴメン」


627 : 「人気の熊」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2015/12/26(土) 08:32:35
お互いしか知らない秘密を共有しているせいか、
変にぶっちゃけた関係を続けていた。
そして店の手伝いをしながら、熊のぬいぐるみを眺め、
あの中に彩加が入っていて、汗だくになりながら必死にモゴモゴ動いていると
思うと少し興奮した。
そんな俺もフェチということだろう。

そしてクリスマスが近づいたある日、
「彩加、クリスマスイブはやっぱ『あれ』?」
「うん、ケーキ屋だしねそこは忙しいよ」
「そうか…しょうがないな」
実は俺の家は両親共働きで、しかもイブの夜は二人とも泊まりで仕事なので、
家にも誰もいないし、帰りが遅くなっても文句も言われない。
「まあ…ゆっくりするかな」
「ゴメンね」
「いいって、お手伝いがんばれよ」


628 : 「人気の熊」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2015/12/26(土) 08:33:51
するとクリスマスの前日、咲さんから突然メールがきた。
「お!?なんだ、んっと、『いつも妹のことありがと、
 クリスマスプレゼントを贈るから♪イブの夜は家にいるかな?』
 って、咲さんがプレゼントか…気が利くお姉さんだな」
特に予定もない俺は、何も予定ないと返信した。
すると咲さんからは『♪』の一文字が返ってきた。
彩加がお手伝いのため、一人になってしまう俺にフォローとは、
なかなか出来るお姉さんだ。


629 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/26(土) 08:55:52
支援!


630 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/26(土) 09:53:49
わくわく


631 : ELL :2015/12/26(土) 18:19:25
俺はその後、真理奈が一緒にいたいということで彼女の家に泊まることにした。
電車を3駅ほど乗り継いで徒歩10分で真理奈の住むアパートについた。
「なんか久しぶりだね。私の部屋来るの。」
「5月にサークルのメンバーで集まった時以来だからなぁ。」
「でも二人きりって初めてだよね?私ちょっと嬉しい。」
そう会話しながら真理奈はアパートの鍵と部屋のカギを開けた。
築数年程しか経っていない比較的新しいアパートなため外観も綺麗で鍵もカードキーだ。
早速俺は約3か月ぶりに真理奈の部屋にお邪魔した。
「おじゃましまーす。」
「どうぞー。ゆっくりしていってねっ。」
部屋は綺麗に整頓してあるのか物も散らかっていないし埃や毛も落ちていなかった。こまめに掃除されているのが良く分かる。
「あーつかれたぁ〜」
と言って真理奈はベッドでばたんきゅーした。
「そりゃぁ疲れるさね。ゆっくり寝なんし。」
「それじゃ駄目だよ〜よーへい連れてきた意味なくなっちゃう〜。」
「じゃあ今から何するの?一緒にゲームでもする?」
「とりあえず先シャワー浴びてくるね。」
と言って真理奈はシャワーを浴びに浴室へ行った。
それまで俺は一人テレビを見ながらボーっとしてると30分ほどでパジャマ姿の真理奈が戻ってきた。
「よーへいもシャワー浴びて来てー。お風呂も沸かしてあるよ。」
「え、いいの?」
「とにかく入って!最低でも30分は入っててね!」
「え?」
「絶対だから。」

と言われた俺は浴室で30分間過ごすことになった。
いやー丁度帰りにスーパー銭湯とかに行く予定だったんだよなぁ、変えのパンツとか持ってきてよかった〜。んなこたぁいいんだよ!
俺はゆっくり風呂につかりシャワーを浴び真理奈の使っている女の子用のシャンプーを使い髪を洗い風呂からあがって着替えて部屋に戻った。


「!?(((;゚Д゚)))」


この話を読んでるお前らにありのまま今、起こった事を話すぜ!!
俺が風呂に入り30分間浴槽に浸かってシャワー浴び終わって部屋に入るとそこにはなんと全身肌色のタイツに覆われ
更にはフリフリのピンクのビキニを付けた茶髪ロングツインテの可愛い顔した女の子のお面を被った何者かがおねえさん座りをしてそこにいた!
よく見るとベッドの上には、手動のマッサージ機のようなものッ!?が置いてあるッッ!これはいったい何なんだ!?
俺はまさか別次元にでも飛ばされたというのかッ....!?


632 : ELL :2015/12/26(土) 18:20:38
「え、何やってんの?まr(ry」
俺があまりの困惑に呟くのと同時にとっさに彼女は人差し指を立て、しーのジェスチャーをとった。
俺がまじまじとどうすればいいか混乱していると自分の膝を指差して後次におやすみのジェスチャーをとった。
つまりは膝の上で寝ろということである。とりあえず俺は俺は指示通り彼女の膝の上で横になった。
肌タイに覆われてはいるものの彼女の細い太ももの感覚は前にしてもらった時とほぼ同じだった。
同時に頭を肌タイに包まれた細い手でナデナデされた。すべすべしているのでその感触もなんかスベスベして気持ち良いし
やはり皺のないぴっちりとした肌タイとマスクの中に彼女がいると思うとなんか変に興奮してきた。
「ところでさ、やっぱりしゃべらないの?」
俺がそうつぶやくと着ぐるみの彼女は立ち上がりたそうだったので俺は彼女の膝から起き上がった。
すると立ち上がり、後ろにある戸棚の引き出しから何かをあさっているようだった。
立ち上がった後ろ姿を見ていると肌タイからブラジャーの線が浮き出ていないのが良くわかる。
つまりはつけていないということだ。しかし水着しか着ていない事もあってかその体は真理奈そのもので本当にスタイルが良い。
後ろのチャックもこれを開けると真理奈の生肌があるんだなぁって思うとこれ以上考えるといけねぇわ笑

彼女が引き出しから取り出したのはホワイトボードと水生マジックをそれを消すものだ。
すると早速ホワイトボードに何か書きだした。
「どこでもさわっていいよ。」

「えー...いきなりそう書かれても困るんだけど...」
俺は数秒ほど沈黙していたが
「と、とりあえず、じゃあ、触るよ?」
俺は最初に彼女の細く締まったお腹や二の腕をとりあえず触った。
触った途端に彼女はビクッっとなったがこれは変に触ってしまったからかもしれない笑
感触は細いながらもホントに柔らかかった。女の子の体って意外と柔らかいんだな。
真理奈は少し感じているようだった。マスクからかすかにハァハァと聞こえてる。
やばいちょっと興奮してきた。この後どうしようか、というかいきなり俺を部屋に連れて来て一緒にいたいあまりこんな格好になってるとか
おかしすぎだろ?もう好き勝手いかしてもらうわ。


633 : ELL :2015/12/26(土) 18:22:10
その後、俺も我慢できなかったのか彼女を後ろか抱きしめた。
突然だったのか「うぅ...」と彼女の声が漏れた。
興奮しているのか彼女の鼓動が早くなっているのがわかった。

「いきなり俺を部屋に連れ込んでさ?なんでいきなりこんな格好してるわけ? ねぇ?」
「.........」
「つかその格好でいると興奮するんでしょ?そうだよね?」
「.........」
「しゃべれないの?でも声とかかすかに聞こえてるし笑」
「.........」
「こんなおもちゃも用意して俺を連れ込んでさぁ? 分かってるの?」
「.........」
「そこ座れよ。」

何もしゃべらない彼女に質問攻めした俺はまずベッドに彼女を座らせ俗にバイブと呼ばれる電動マッサージ機のスイッチを入れ、彼女のおっぱいにあてた。
「んんっ、あぁんっ!!・・・ハァハァ・・・///」
いきなり喘ぎ声を出しながら彼女は興奮した。
俺は彼女のビキニの胸の部分を外し肌タイ越しの豊満な彼女の胸を揉んだ。
「ひゃぁっ!・・・うぅん、ハァ・・・ハァ・・・」
「マスク越しから声ただ漏れなんだけど?そんなに気持ち良い?」
「うん・・・ハァハァ・・・」
「乳首触るね。」
「あぁんっ!、んんっ・・・ハァハァ・・・」
「そろそろ下の方も行くけどどうする?」
真理奈は大きく首を横に振ったが、問答無用で俺はバイブを彼女の股間に当てた
「あぁぁんっっっ!!!・・・らめっ・・・いっちゃうっ・・・いっちゃうよぉ・・・」

「あれ?あ、こいつ調整できるんだ?今まで弱でやってたんだ俺、最強にしよ?」
「らめえぇっっ!・・・よーえぃやっちゃらめぇぇぇ!!!・・・・いっちゃう!・・・」
俺はスイッチを最強に入れた。
「ひゃああぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!」
彼女は大きく悲鳴を上げた。

「そんなに気持ちいの?俺でもこんなに叫ばないのに?」

「らめええええぇぇぇ!!!・・・・ああああああぁぁぁぁぁんっ!!!・・・・うぅぅぅぅ・・・よぉへいぃぃいっちゃうよぉぉぉ!!!!」

「もっとこうしてやるっ!」

「あぁぁぁんっっっ!!!いっちゃう・・・いっちゃうよぉぉぉぉ!!!・・・んんっっ!・・・いくぅぅぅ!!!!・・うっ!!!・・・あああぁぁぁぁんっっっっ!!!!」

彼女は大きく3回くらいビクンッ!となって絶頂にイッたまま横に倒れた。


634 : ELL :2015/12/26(土) 18:23:26
「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」
彼女の全身にフィットした皺のない肌タイからは首や脇、胸のところは乳首が透けるくらい汗でびっしょりになっていた。
特にビキニのパンティーから染み出た我慢汁はぐっしょり濡れていた。脱いだらもっとすごいんだろうなー。

俺は自分でもやりすぎた感から「なんか申し訳ねぇー」って感じの罪悪感が少し残っていた。
「起き上がれる?手貸すよ?」
俺は彼女右手を掴み、ベッドから起き上がらせた。
そのまま彼女は息苦しかったのか、すぐにマスクを外した。
マスクを外すと、顔を真っ赤にした汗でぬれた真理奈の顔がでてきた。
髪の毛が汗で張り付いて肌タイから透けて見える程だった。はっきりと後ろで髪をまとめているのがわかる。
真理奈は少し涙目にもなっているようにも見えた。
そのまま彼女は肌タイの頭部分を後ろに出し、ベッドから立ち上がって、冷蔵庫のある方へ向かっていた。
喉が渇いていたのか彼女はペットボトルのスポーツドリンクを冷蔵庫から取り出し一気飲みした。

そのままペットボトルを持ち、再び俺の隣に腰掛けた。
「ごめん。ちょっとやりすぎたかも。」
「あんなんだとは思わなかった。酷いよ...幻滅した。」
やっぱりちょっと怒っていた。そらそうだわないきなりSっ気になってたし、ホントはMなのに...
「嫌いにになりましたよね?」
「そんなことないよっ、いつも通り大好きだよっ!」
まりなぁぁぁぁぁ!!!って思わず抱きしめたくなるような笑顔、あー生きてて良かった。

「でもさっきの着ぐるみよりさぁ、ホントはマスク外したこのスタイルが一番好きなんだよね?」
「だってさ、ホントは絶対見てはいけないものじゃんこういうのって。このレアな感じがいいなーって。」
「ふふっ、やっぱり変態だね〜。」
「この汗ジミとか最高」
「もおっ!...///」
また真理奈は赤面して俺の方を向いて照れた。

「そうだ、最後にとっておきのがあるんだけど」
と、真理奈は立ち上がって濡れてぐっしょりとしたビキニを脱いだ。
「やだっ!...汁が垂れてるぅ...///」
「マジ!?(゚∀゚)」
「見ちゃだめぇぇぇ!...///」


635 : ELL :2015/12/26(土) 18:24:31
「この肌タイね、ここにもチャックついてるんだよ。」
「え...ってことは...」
「うん、そういうこと。早く脱いで。」
と俺はとっさに服を脱いで裸になった。

「挿れていいよ...///」
「わかった。生でも良いの?」
「うん、大好き...」
「俺も」

俺はこの後、肌タイに包まれた真理奈の体を抱きしめながらHをした。触り心地が気持ちよすぎてすぐイきそうになった。

互いにイッた後は3分ほどキスしたかな...その後はお掃除フェラまでしてくれた。(愛があれば賢者タイムなんてないんや。)
こんなに長く良い夜はなかった。ホント生きてて良かった。

翌朝、目が覚めると真理奈はキスをして起こしてくれた。
「朝ですよーよーへいさん。」
「んぁ?」
目が覚めると彼女が作った朝食が用意されていたので二人で一緒に食べた。
「ねー。よーへい、結婚するってこんな感じなのかな〜。」
「そうだな、こういうのがいつまでも続くといいなー。」
真理奈はいつものようにフフッと笑みを浮かべた。

「今日どこいこっか?」
「雑貨屋さんとか色々行ってみたいな〜あと美術館とかも!」

「じゃあ今から行こっか、」
「うん!一緒にお揃いのマグカップ買いに行こ!」

FIN


636 : ELL :2015/12/26(土) 18:29:42
今回思い切って初めて投稿しました。
また手直しかけてpixivとかにもあげると思うのでそちらもお願いします。
これからも続々とまた作品書いていきます。ご期待ください。


637 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/26(土) 20:50:09
>>636
とてもよかった。


638 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/26(土) 21:40:21
落差にやられたわw


639 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/26(土) 21:52:31
期待してます! 
あとまとめサイトのためにタイトルが欲しいのですが…


640 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/26(土) 22:29:15
>>639
彼女 in the Dolls

でお願いします


641 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/26(土) 22:32:21
>>628
プレゼント期待!まさかとは思いますがw


642 : ELL :2015/12/26(土) 22:40:48
>>639
すみません名前を書いていませんでした。
彼女 in the Dollsで大丈夫です


643 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/26(土) 22:41:49
おむつをはいているという描写があるということは
中でしてる最中の彩加の心理描写的なものも期待してしまっていいのか


644 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/27(日) 00:39:38
>>642
ありがとうごさいます!


645 : 「人気の熊」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2015/12/27(日) 01:47:36
そしてクリスマスイブ当日を迎えた。
19時頃になりそろそろ夕飯でも食べようかと思っていた時、
ピンポーンとなり誰かが来た。
「はい、どなたですか?」
とインターホンの画面を見ると、そこには親戚の兄ちゃんがいた。
「光、俺だ俺、開けてくれ」
「分かった今開けるよ」
なんで兄ちゃんが来たのか分からないが、とにかく玄関を開けた。
するとそこには、何故か兄ちゃんと咲さんの二人、大きなダンボールがあった。
「メリークリスマス!!光、お前にプレゼントだ」
「はぁ??」
「この前メールしたでしょ、家に一人で寂しい思いさせて悪いと思ったから、
 私からのプレゼントよ」
「あ…ありがとうございます…ところで何で兄ちゃんが…」
「まあそれはいい、とにかく中に入れるからな」
そう言って、二人は家の中に箱を運び込んだ。
「それじゃ、私は店の片付けもあるから戻らないと、じゃあね♪」
「俺も帰るから、またな」
そういうと二人とも怒涛の勢いで帰っていった。
後日知ったことだが、あの二人は付き合い始めていたらしい。


646 : 「人気の熊」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2015/12/27(日) 01:49:16
とにかく俺は箱を今の方まで移動し、ダンボールのふたを開けてみる。
すると中には『あの』熊のぬいぐるみが入っていた。
まさか!と思い俺はダンボールから熊のぬいぐるみを出そうと持ち上げてみた。
すると、中の感覚は間違いなく人が入っている。
「彩加だよな?」
「うぅ〜う〜んむ〜ぅ…」
かなりくぐもった声でうなり声が聞こえてきた。
(なんだ…しゃべれないのか??どういうことだ??)
しかし状況的に中身が彩加であることは確信した。

そして気付くとダンボールの中に小さな箱が入っていた。
その箱を開けると、何かのコントローラーと紙が。
紙には『熊の取り扱い説明書』と書いてある。

『本日の熊はクリスマス特別仕様です。
 ・ゴム製の頭全体を包むマスクのため、中身はしゃべられません。
  呼吸は鼻の穴のみとなります。
 ・タイツは特殊ゴムを使っているため、液体等は外に漏れません。
  その仕様のため、中の温度は普段よりかなり高くなります。
 ・特別仕様のコントローラーは・・・お楽しみ♪
                   咲より』


647 : 「人気の熊」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2015/12/27(日) 01:51:10
しゃべられない事、そしていつもより中が暑いこと、
そのあたりは理解できた。
そして最後のコントローラー、こればかりは試してみるしかない。
何かは分からなかったが、とにかくスイッチを入れ、
数字を真ん中の5くらいまで回してみた。
すると、熊がモゾモゾと動き始めた。
それと同時にくぐもった声でが聞こえてくる。
「ん…ん…うぅ…ん…う…ぅ…ぅ…ぅ…」
その声と動きで、熊が感じている様が伝わった。
(ってことはこのリモコンは、電マかなにかだな…)
それを理解した俺は、改めて熊のぬいぐるみを傍観した。

そこにいるのは熊のぬいぐるみ。
その中には手足を縛られ身動きを制限され、電マで陰部を攻められ、
汗だくになりながら、もがいている彩加がいるのだ。
しかも普段より呼吸も制御された状態で。

俺は異常な興奮を覚え、スイッチはそのままにして
熊を自分の部屋まで運んだ。
その間も熊は、うめき声を上げ続けていた。


648 : 「人気の熊」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2015/12/27(日) 01:52:25
ベットに転がした俺は、リモコンのスイッチをの8メモリまで回した。
すると熊は激しく動きはじめる。
激しくといっても動きに制限があるため、
激しくもがくといった表現が正しいだろうか?
「う…うぅっ!うぅ〜う!んぅ〜う!うぅ!うぅ!うぅ!」
くぐもったあえぎ声を上げながらもがく熊。
俺のフェチ心が悪戯をする、また5くらいにメモリを落とし少し攻め手を和らげる。
すると、ぬいぐるみの動きも少し収まる。
しかし呼吸はかなり激しいせいか、ぬいぐるみは体をかなり上下させていた。
そしてもう一度8メモリまであげる。
「うぅっ!うぅ〜う!ぅ〜う!うぅ!うぅ!うぅ!」
また、激しくもがき始める熊。
しばらく続け、熊の動きが激しさを増したと感じた瞬間、
また5メモリまで下げた。
「うぅぅぅ・・・」
激しく上下する熊、そして、ぬいぐるみのため、全く見た目変わらないはずの熊から、
あからさまな表情と雰囲気が見て取れた。
『逝かせて・・・』と。
そんな表情がまた、俺のSなところをくすぐる。
「そうだね、これで逝けるかな?」
スイッチを8メモリまで動かす。
「うぅ!ん〜ん!うぅ、うぅ、う〜う!・・・」
またもがき始める熊。
「でも終わり〜」
またメモリを下げる。
「あんな表情されたらさ・・・そんな簡単には終わらせられないよ」


649 : 「人気の熊」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2015/12/27(日) 01:53:42
・・・
そこから何回か強弱を繰り返した後、俺はぬいぐるみに問いかけた。
「そろそろ逝きたい?」
すると、ぬいぐるみは体を使って首ごと縦に動いた。
それを見た俺はリモコンを最大の10までまわす。
するとぬいぐるみは今までにないくらい激しく動く。
「う!うぅ!う〜〜〜う〜〜〜うぅ〜〜!う〜〜う・う・う…ううううぅぅぅぅ…」
激しいうめき声とともに、ぬいぐるみの動きは止まりぐたっとした。

俺はリモコンのスイッチを切り、ぬいぐるみを抱きかかえる。
力が入っていないようで、かなり重さを感じた。
ぬいぐるみを起こした俺は、背中のチャックを開け中身をだそうとした。
チャックを開けた瞬間、中から凄まじい程の熱気が流れ出てきた。
そして中身の彩加を引っ張りだそうと脇の部分に手をいれ体を持った。
(ん…!?なんだこれ?ゴムか?しかも汗で濡れていない…)
これが取説に書いてあった特別な素材だろう。
薄いゴムのような素材で、彩加の汗は外まで染み出してはいない。
とにかく力のない彩加を引っ張り出す。
すると、そこから出てきてのは、前のように顔は出ていず、
頭をすっぽり覆うような黒いマスクをつけている、呼吸穴は鼻のみ。
汗を通さない素材のタイツ、そしてこのマスク、ぬいぐるみの中は
相当暑く、相当苦しかったことが伺える。


650 : 「人気の熊」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2015/12/27(日) 01:54:54
俺は彩加のマスクを外した。
「んはぁぁ…はぁ…はぁ…はぁ・・・ぁ」
すると汗でビショビショの彩加の顔が現れた。
呼吸は荒く、表情はとろんとしている。
俺はたまらず、彩加にキスをした。
そして陰部のほうに手を伸ばし、チャックを開けた。
・・・
・・・
・・・
そして俺と彩加は、一つになった…彩加の手足はそのままで。

ひと段落し、俺は彩加に囁いた。
「さて戻ろうか…」
「え!?……うん…」
彩加は一瞬驚いた顔をしたが、なんともいえない微笑を浮かべ頷いた。
そして、またマスクをかぶせ、ぬいぐるみの中に彩加をいれる。
チャックをしめ、熊のぬいぐるみの完成。

そして俺は熊のぬいぐるみを抱き枕のように抱きながら眠りについた。

俺と彩加の不思議な関係は今も続いている。

---------------END---------------


651 : ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2015/12/27(日) 01:58:51
駄文にお付き合いいただきありがとうございました。
ニーズがあればですが、
--彩加's side--
も近々あげるつもりです。


652 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/27(日) 02:09:40
彩加's side ④
手足はそのままで一つにか
情景を思い浮かべ続けながら読ませてもらいました
最後に熊の中に戻すのがいいな


653 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/27(日) 16:46:24
GJ!GJ!GJ!
書きたいことは>>652に先に行われていた。


654 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/28(月) 01:08:38
おもしろかったです。

熊のぬいぐるみの中でラバースーツに鼻の穴しか空いていない全頭マスクを被り、手脚を拘束された状況で彩加はどんな気持ちだったんでしょうね。
さらに箱詰めされるという状態、そそりますね。

また、妹を熊のぬいぐるみに詰めた上箱詰めにする姉の咲は事前に自分でも身をもって検証したんでしょうか。

ラバースーツを着た美人姉妹の入った熊のぬいぐるみ、どこかにいたらいいのになぁ。


655 : 「Cat & Bunny's」 ELL :2015/12/29(火) 18:32:32
2作目書いたんでお願いします。


俺はとある地方に住む実家暮らしの大学1年生、相沢慶人。
夏休みの丁度折り返し地点に差し掛かろうとしている9月頭のある日のの夕方。
ネットでレンタルしたDVDが届いているか家のポストを見ると、
無事郵送されたDVDと共にある一通の封筒が妹宛てに届いていた。
それを手に持ったのと同時に玄関から妹が帰宅してきた。
「ただいまー。」
「おっ丁度良かった。お前宛てにこれ。」
「あー!これ今日だったの!?どうしよぉ...」
「ん?」
「オーディションの合格通知...」

俺の妹、相沢亜美は高校1年生で顔が俺の友人がわざわざ見に来る程可愛く、おまけにスタイルも良い。
身長は160センチほどで黒髪にウェーブが掛かったロングヘアだ。
それを活かしてか小5からローカルアイドル「Anemois」というグループに所属している。
「お前の妹アイドルなのかよっ!」と中高のよく同級生にからかわれたものだ。

今回はあるローカル番組のメンバーを決めるためのオーディションの合格通知らしい。
このオーディションはアイドルやモデル一般の女の子でも参加できると妹から前に聞いたことがある。

「緊張するなぁ〜...」
「なんか俺まで緊張してきたよ。」
妹が封筒を開け中に入っている通知の紙を確認すると。
「やったー!受かってたぁ〜!」
合格の結果を見て妹は飛び跳ねるくらいに嬉しそうだった。

「おめでとう。良かったじゃん、アイスでも奢るよ。」
「ありがとう!じゃあハーゲンダッツがのイチゴがいい!」
「相変わらずだなお前( ̄▽ ̄)」

この日は俺がご褒美にアイスを買ってあげて、そのあとは特に何も話さなかった。


656 : 「Cat & Bunny's」 ELL :2015/12/29(火) 18:33:36
一週間たったある土曜日。番組の打ち合わせのためにテレビ局へ出かけた妹が帰りに迎えに来てほしいと連絡があった。
両親はこの日二人とも珍しく仕事で帰りが遅いらしい。先月免許取りたての俺は自分の車を走らせ妹を迎えに行った。

テレビ局につくと見知らぬスポーツバッグを持った妹が後部座席に座った。

「あれ?そんなバッグ持ってったっけ?」
「あぁこれね、ディレクターさんからもらった番組の衣装が入ってるバッグなの。とりあえず一回着てみてって渡されちゃった。」
「採寸とかそういうの?」
「着心地とか一回見てほしんだって。」
「へー。ところでどういう番組に出るんだっけ?」
「一応子供向け番組かなぁ。」
「あーそれは確かにいるかもねー。」
「でもその衣装が結構可愛いんだぁ。お兄ちゃんだけに後で見せてあげるねっ。」
「それは楽しみだな。」

家に着くと妹は我先に自分の部屋に入り衣装に着替えた。

俺も自分の部屋に戻り、ベッドで横になりながら、少しドキドキしているのか自分の好きなバンドの音楽を聴きながら紛らわせた。
10分ほど経つと妹からLINEで「準備できたよー。」と通知が入った。
俺はノックして妹の部屋に入った。
「入るぞー。」

ガチャ

「え....えぇ...!...うそ、こんなんなんだ....」

俺はちょっと唖然した。


657 : 「Cat & Bunny's」 ELL :2015/12/29(火) 18:35:04
まぁ簡単に妹が今どういう格好しているか説明しよう。

まず妹は今白いウサギのような格好をしている。
白いウサギといってもバニーガールやパジャマの着ぐるみでもない。
まず、頭部はウサギの頭をイメージしたもこもこのパーツで顔が真ん中でくりぬかれており前髪が出ている。
次にトップスやボトムスももこもこのパーツで構成されており、トップスはタンクトップで胸下までしかなく
ボトムスは1分丈のハーフパンツのようになっている。まるで某コンテスト番組のメダルをくれるお姉さんみたいな感じだ。
腕はもこもこのアームウォーマーを付けており足はうさぎの足をイメージしたもこもこのスリッパのようなものを履いている。恐らく室内用だからだろうか。

そして驚くことに本来肌が露出してるであろう部分を顔以外ぴっちりとした皺のない全身白いタイツで覆っているのだ。

「ちょっと恥ずかしいなぁ...どうかなぁ?この衣装...」
妹は後ろで腕を組みながらモジモジしている。

ヤバイ!直視できない。
これ本当に子供向けの番組で着るのかよ。
これ作った人の顔が見たいわ...!いや少し尊敬するわ。

「ちょっと、エロくない?子供に刺激強過ぎなんじゃ..」
「そうかなー私はすっごく気に入っているよ。」

気にいっとるんかい!
でも実際のところどうなんだろう、恐らくトイレするときとかは全部脱がないと無理そう。


「実際に着てみてどう?絶対着たことないでしょこういうの。」
「まず顔以外全部覆ってる全身タイツ着るんだよね。その感触がスリスリしてて気持ち良いかな。
「着心地もすごく良いし。触ってみる?」

そういって俺の方に腕を伸ばした。
実際に俺が触ってみると確かにスリスリしてて気持ちよかった。クセになりそうだ。
もこもこのアームウォーマーも毛布を触ってるみたいで気持ち良い。


658 : 「Cat & Bunny's」 ELL :2015/12/29(火) 18:36:14
「ちょっとベッドで横になってみよっ。」
そう言って妹は自分のベッドでに横たわった。

「お兄ちゃんも早くっ。添い寝しよっ。」
「えっ...しょうがないなぁ。」
そう言われて俺は妹の隣でベッドに横たわった。実はちょっと嬉しかった気もする。


「ねぇお兄ちゃん?」
「ホントは亜美のこと好きでしょ?」
とタイツで覆われた細くてきれいな指先で俺の頬を触った。

「いきなり何?」
しかもこんな格好で言われるとか...

「ずっと前から知ってたんだから...」
そう言って亜美は俺の事を胸にうずくまった。
「はやく抱きしめてよ...」
ここまでされると俺もはちきれそうだった。
妹を恋愛感情としてみるのはいけないことかもしれないけど俺が妹の事が好きなことは事実だ。
でもその日は好きという言葉は言わなかった。


その日俺は、そのまま妹を抱きしめながら眠りについた。


659 : 「Cat & Bunny's」 ELL :2015/12/29(火) 18:40:28
時間後、俺は目を覚ました。
妹を抱きしめながら横に寝ていたので下になっていた右手が痺れて痛い。感覚がないようだ...
その後、俺はしばらく妹の寝顔を見ていた。
ウサギの恰好をして寝ていた妹の寝顔は不思議すぎて笑っちゃうけどホント可愛かった。
綺麗な細い脚も少し触った。
タイツのすべすべしてて少し蒸れた生温かい感触が気持ち良かった。

さすがにこんなの抱きしめてたら犯罪的だよな...
記念に俺は数枚スマホでこっそり写真を撮ってから部屋をあとにした。


この1週間、なんか妹とは顔を合わせづらいと思い、極力顔を合せなかった。
朝はいつもより早く出て、夜は遅くまで図書館で勉強して帰った。
あっという間に金曜日になり、妹からLINEが来た。
「明日、送り迎えお兄ちゃんだよね?その次いでに収録風景見ていかない?」

とのことだった。
その日はバイトも入れてなかったので俺は暇つぶしに行くことにした。
というかこの1週間、俺はどんな子供番組か気になっていたところだ。


660 : 「Cat & Bunny's」 ELL :2015/12/29(火) 18:41:45
翌日、俺は妹を車に乗せてテレビ局に向かった。
「あれ?衣装の入ったバッグは?」
「あれは記念に貰った家で楽しむもの用だよっ。実際のと全く変わってないけどね〜。」
「マジでっ!?あれそうだったの!?つーかそんなの記念に貰えるんだなぁ。」
「凄いサービスで驚いちゃった。これから着たいときに着てあげるねっ。」
「お、おう...」
「ところでさ、何て名前の子供番組なの?何するの?」
「Cat & Bunny'sって名前なの。だからウサギ意外にも猫のコスチュームもあるの。」
「へぇ〜猫もあるのか」
「猫のコスチュームもしっぽがついてて可愛いんだよ。」
「私以外にもウサギのコスチュームの子1人と猫のコスチュームの子が2人いるんだよ。」
「でね、亜美を含めた4人でゲストの小さい子供たちと歌を歌ったり踊ったりお話したりする番組なんだ。」
「なんかすごいなそれ。ちょっと楽しみかも。」

そんな話をしてテレビ局に入った。
「ハーイ。亜美ちゃーん。これが噂のお兄さん?。」
「おはようございますっプロデューサー!。ウワサのお兄ちゃん連れてきましたー!」
「君がお兄さんね?」
「ど、どうも、はじめまして。」
「私はこの番組の総合プロデューサーの杉原和音です。よろしくね。」
えっこの人が!?
俺は最初、プロデューサーはどうせ無精髭の首にマフラーのようなものを巻いた小太りの変態おっさんだろと思っていたら、
ヴィジュアル系のかっこいい服を着た美人なお姉さんだったことに驚いた。
なんでこんな人がって感じでギャップがあった。
「ささっ2人ともスタジオに案内するわ。」
そう言って2階にある収録スタジオにある女性に連れて行かれた。


661 : 「Cat & Bunny's」 ELL :2015/12/29(火) 18:43:06
2階のスタジオにつくと妹と同い年くらいの可愛い女の子3人が待っていた。
「おはよー。亜美ちゃん。これがウワサのお兄ちゃん?」
「そうだよー。」
「ど、どうも、はじめまして。」
俺は軽く会釈した。というか何話したんだ妹は?俺がだいぶウワサになってるらしいけど。

「はじめまして、私の名前は綾瀬ノエルです。イギリスと日本のハーフです。」
彼女は地毛なのか髪の色が金髪だった。セミロングの髪が他が可愛い。
「私は北原希といいます。はじめまして、お兄さん。」
彼女は黒髪のストレートで眼鏡をかけている。いかにも日本美女って感じだ。俺が好きな感じの子だ。
「笹原心美です。よろしくねっ。」
彼女は少し茶髪のサイドテールの女の子だ。服がカジュアルで可愛い印象である。
「みんな同級生なんだよー!」
と妹が答えた。

みんな個性豊かでスタイルがよくて可愛い。きっとアイドルとかモデルをしているんだろうなぁ。
「ささっ全員揃ったことだし、4人とも早めに衣装に着替えちゃおっか?」
そういって4人は楽屋の方向かった。
他の3人もそれぞれ衣装に着替えるのかぁ...なんかドキドキ。
「あの衣装に着替えるんですね? 」
「妹さんの見たんだよね?どーだった?可愛かったでしょ?」
「すごいインパクトありましたねぇ。あの衣装考える人もすごいなぁって。」
「でしょ?あれ考えたの私なんだよねー!」
「凄い趣味ですね笑。」
「いやぁ照れるなぁ (´∀`)」
「反響絶対大きいと思いますよあれは。」
「そうだね笑」


662 : 「Cat & Bunny's」 ELL :2015/12/29(火) 18:44:33
そうやって俺はプロデューサーと色々会話した。それにしてもこのプロデューサーノリノリである。
「どころでさぁお兄ちゃんちょーっとお願いがあるんだけど。」
「はい、なんでしょう?」
「今日の収録のゲストに出てくれない?」
「え?何でですか?」
「番組のコーナーにさ、働いている人にインタビューするコーナーがあるんだけど。ちょっと今日のゲストさんが身内の不幸で急遽来れなくてさぁ...」
「俺まだ大学生ですよ?働いてるって言ってもバイトですし。」
「大学生って卒業すると働くじゃん?だから初回にはいいかなーって。これから社会に巣立っていくわけだしさ。ねー?」
「いいんですか?俺出ても?」
「是非お願いしますっ!」
「はい...」

急遽何故か大事な話をしていると4人が番組の衣装に着替え再びスタジオ入りした。

「キタ━━゚+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゚━━ ッ !!!」
突然プロデユーサーが興奮し出し発狂した。
「いやああああんかわいいいいいいいい!!!!」
俺も改めて見た彼女たちの衣装を見て思った。これぜってー深夜枠だわ笑。


663 : 「Cat & Bunny's」 ELL :2015/12/29(火) 18:45:36
「お兄ちゃんっあみぴょんだよっ!」
「おっそうだな...」
いきなり妹が元気に話しかけた。
抱きしめたくなるくらい可愛いけどなんかうぜぇ笑

「ど、どうですかお兄さん?似合いますか?」
と恥ずかしそうに希ちゃんが話しかけてきた。
希ちゃんは黒い猫の衣装だ。妹が着ているウサギのと違って猫耳でしっぽもついている。靴も猫の足をイメージしている。
「凄い可愛いと思うよ。」
正直なところ可愛すぎる。今一番気に入ってるかも

そのほかにもノエルちゃんは灰色の猫、心美ちゃんはピンク色のウサギの衣装を着ている。
にしてもみんな可愛いけど全員高校生にしてはエロすぎる恰好である。

「そうだ、あなたのお仕事なんですか?のコーナー急遽ゲストさん来れなくなったから大学生のお兄ちゃんだすよー。」
「ええっ!そうなのっ!?お兄ちゃん?」
「なんかそういうことになった。」
「んじゃあ質問考えといてね〜。なんでもいいよー!それじゃあ今日の収録みなさんお願いしまーす!」

そう言って第一回目「Cat & Bunny's」の収録が始まったのだ。


664 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/29(火) 19:16:23
顔出しか、これは希少価値ある作品になりそう
頭がタイツって描写を入れるところがわかってるな主は
髪が出てるところは賛否ありそうだが


665 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/29(火) 23:36:57
支援!


666 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/31(木) 02:32:01
実験的作品は大歓迎
遠慮無く投稿して欲しいぜ


667 : おいその :2015/12/31(木) 15:35:31
 飲み水ができた。鶴山美紀は驚いて目を丸くして、「わたしの着ぐるみ?」と言う。手に飲みかけのスポーツドリンクを持って、肩にはタオルをかけている。
仕事が終わり、着替えして出てきたところだった。
 着ぐるみの耳の辺りから取り出されたボトル内には綺麗な水が貯まっていた。
「そうだよ、今メンテナンスしてるところだ」そう言って、鳶山葉介は空のボトルと入れ替える。
水の入ったボトルはポケットの中に入れてから葉介は「準備完了だよ」と言った。
葉介は美紀に説明を怠っていたが、この着ぐるみは冷却機能を使用すると排水する必要があった。
 「今のは何をしていたんですか?」美紀はとても気になっていた。
地球の自転の向きが右回転か、左回転か、そのぐらい気になっていた。
それもそうだろう、自身の専用の着ぐるみの知らないことなんてのは作りたくないのだろう。
「ここに水が貯まると、冷却装置が機能しなくなる」耳の中のボトルを見せて葉介は説明した。
 「一回使ったら、新しいものに交換しないといけないんだ」そう言って、葉介はボトルに耳を被せた。
 「一回使ったボトルの水を抜いて、再利用なんてことはできないんですか?」美紀は効率の良さを考慮する発明の母になった。
「可能だとは思うが、整備の決まりできないことになっているんだ」葉介は美紀を軽くあしらうような口調で返した。
「水の貯まった古いボトルはどうするんですか?」美紀は水の入ったボトルのある葉介のポケットに指をさして質問した。
葉介はポケットからボトルを取り出して、中の水を美紀に見せる。
「連結部にペルティエ素子を通してるから、中身はただの水なんだけど整備の決まりで廃棄扱いになってる」葉介の説明に対して、美紀は難しい顔していた。
 「そうなんですか、整備の決まりって面倒なんですね」美紀の質問が、単純な感想に変わる。葉介はそろそろ会話が終わると感じた。
 「そうかな、確かにボトルの交換は面倒だけど、廃棄はただの水だし処理に困らないで済むことが幸いだ」葉介が会話を切り上げよう思ったら、美紀が喰いついてきた。
「ボトルの水の処理って捨てるってことですよね?」美紀は何か思い込みをしていると葉介は思った。
 「捨てることに問題があるの?」葉介の返答に美紀は不満そうな表情をして、ボトルの水を使うところが見たいと葉介の部屋までついてくる。
 元々、ペルティエ素子は飲み水の少ない地域で空気中の湿度から飲み水を作るために開発されたものだった。ボトルの内部に、飲み水が貯まる仕組みになっている。
貯まった水といってもコップ一杯分だ。それでも飲み水の少ない地域では貴重な水となっている。
 葉介がボトルの水をインスタントコーヒー入りのカップに注いでいくのを見て、美紀は「だめ!」っと手を伸ばして制止させた。
「飲んでるの?」美紀の質問に、「ああ」葉介はいつも通りといった感じで答える。美紀は顔を赤くしていた。
部屋中は散らかっており、空のボトルがいくつも転がっている。
「ここの水道水はカルキが強いから、飲用すると腹を下すんだ」美紀の制止で一度手を止めたものの、葉介はボトルの水でコーヒーを作った。
「飲んじゃだめ!捨てて!」美紀がコーヒーを奪おうとする。「なにするんだよ」葉介はコーヒーを高く持ち上げる。
すると突然、美紀の拳が葉介の腹部に突き刺さった。
「っ痛ぁ」葉介は突然の攻撃に体勢を歪めたが、美紀の拳には、体勢を崩すほどの強さはなかった。
 「これからの廃棄はわたしに任せて下さい!」美紀はそう捨て台詞を残して部屋を出る。
「待て」葉介は美紀を追いかけて、部屋まで連れ戻した。興奮して動揺している美紀をこのままにしておくわけにはいかないので落ち着くまで傍にいることにした。
「きしょ飲んでるし・・・」美紀はイライラしている。


668 : おいその :2015/12/31(木) 15:41:48
葉介はコーヒーを飲み終えて、美紀の体を舐めるように眺めた。
「いつも着ぐるみ着てるから意識したことなかったけど、結構良い体してるじゃん勿体ないね」美紀は軽率な判断をしていると思った。
こんなところにいたらどんな弁解も説得力を失ってしまう。
一刻も早く葉介の部屋から出ようと美紀は考えたが思うように言葉が出てこなかった。
「もういいよ」美紀は部屋からでようとすると、「何が?」と葉介に腕を掴まれる。
手がでかい!という感覚がダイレクトに脳に伝わって、「だから・・・」美紀は言葉が続けられなかった。
「自身の着ぐるみの排水が使われてたことが不快だったかな?」葉介は至近距離で美紀に声をかけた。
美紀は顔を伏せたまま「だから、これからは廃棄はわたしが・・・」と答える。
「廃棄を任せてもいいけど、ひとつ条件がある」葉介は美紀の顔を持ち上げて「代わりの水を毎日届けるって約束できる?」葉介の目はまっすぐにこちらに向けられていた。
「そんなへんな約束したくない!」美紀は泣き出す。
「もういい、帰れ!」美紀は部屋から追い出された。
 あんなことがあったにも関わらず、美紀は着ぐるみの仕事を続けた。
葉介はすっかりもう来れないだろうと思っていた。「すいませんでした!」普段の仕事の帰りに、謝罪を受ける。
「排水のことはもういいのか?」葉介が質問すると、「ええ、ただの水ですし」美紀は少しさっぱりとした性格になったようだ。
「毎日、汗だくになって大変だね」美紀の目線が斜め上に泳いだのを見て、葉介はまだ気にしているのだなと感じ取った。
「そのことだけど」美紀が目を真っ直ぐにこちらを向ける。
「一杯三百円ぐらいの御代は頂けるのかしら?」美紀の成長した美しい姿がそこにあった。
「面白い冗談を言うようになったな!」葉介は笑った。
そして美紀も一緒に笑った。
 喫茶店で待ち合わせをしていた。
「おまたせ!」美紀とは和解が成立して、付き合うようになる。
美紀は着ぐるみを引退しているが、仕事の手伝いで新人を教育してくれることもある。
また、着ぐるみのボトルの水を捨てるのを監視されている。
すっかり妻の型がついてきている。
お互いの幸せのため、結婚の準備を進めている。ご愛読ありがとうございました。
これからも、おいそのをよろしくお願い致します。


669 : 名無しさん@着ぐるみすと :2015/12/31(木) 16:40:26
よく書けてるよ、おいそのさん


670 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/01(金) 21:31:58
面白かったよ。結婚まだせずに続けてほしかったかも


671 : メリークリスマス 裏方編 ◆zYQ/uWRKn. :2016/01/06(水) 00:53:45
リクエストありましたので、書いてみましたが時間かかってしまいました。面白くなかったらすみません…。





「青山さん!お願いがあるんだけど…」
少し恐縮気味に声をかけてきたのは、企画課の野原課長。

私、青山由貴は近くのショッピングモールでアルバイトをしている高校三年。

「何ですか?」と返すと、「去年同様、今年もお願いしたいんだけど、アレ」
もう、野原課長が声をかけてきた時点で内容はおおよそ見当がついていた。
「また、ですか?」
「安田くんにもスタッフで君についてもらうから」
中年太りの大きな体の野原課長の陰から、小柄な女性、安田香織が顔を出した。
「今年も2人で盛り上げてよ!」

内容はクリスマスにマネキンの着ぐるみを着た上から、サンタの衣裳を着てモール内を歩いていくというもの。
サンタの衣裳は中が見えそうなほど短いミニスカートに、赤いエナメルのブーツ。

その動くマネキンに関心を持ち、喜ぶのは男性ばかり。
奥さんや彼女の前で鼻の下を伸ばし、男性は罰として高額な商品を購入することになる。

「アレの中ってすごく汗臭くなるんですよ」
由貴は露骨に嫌な顔をする。
実際、クリスマス商戦の始ったばかりの時は良かったが、クリスマスが近づくにつれて自分の汗とはいえ臭くなる上、あちらこちら破れてくるといった始末だった。

おまけに何度も来店している客の中には、衣裳の中に手を突っ込み背中のファスナーを開けようとする輩も出てきた。
由貴はそんなことがあったんで、断り続けた。


672 : メリークリスマス 裏方編 ◆zYQ/uWRKn. :2016/01/06(水) 06:37:53
野原課長の強引な説得が続く。
そしてある条件が提示された。
”1年間、バイト代が時給1000円アップ”というもの。
この条件にはさすがに心が揺れた由貴。
迷っていると、2人に強引に手を引かれ移動を始める。
「着ぐるみ、試着して!新調したから大丈夫‼︎それに着ぐるみの汗の臭い対策も考えてあるから安心して」
野原課長は笑顔でそういった。

控室に入ると机の上には2つのマネキンの着ぐるみが用意されていた。
去年は1つだったが、これが対策なのかと思っていると。

野原課長が「去年とあまり体型変わっていないよね」
平然と失礼なことを聞くなぁと心の中で思いながら「ええ、まぁ」と返事をする。
「去年の寸法で造ってあるから、あと安田くんよろしく」
そういうと野原課長はさっさと部屋を出ていってしまった。

「ゴメンね、強引で」香織が今日初めて口を開いた。
「私がやればいいんだけど、体小さいから…」
香織に落ち込まれると申し訳ない気持ちになり、「じゃあ試着しましょうか!」と元気よく香織に声をかけた。

笑顔になった香織が、今年の着ぐるみについて説明を始める。
今年は歩き回らずに、ジッと立っててもらうこと。
マネキンの着ぐるみのファスナーも背中ではなく脚の内側に付いていること。
そして、汗の臭い対策として中に黒いラバースーツを着ること。
ラバースーツは水洗いできるから臭くならないといって、香織がビニールから出して広げると独特の香りが部屋に拡がった。

「まずはこれを着て!」
そういって黒いラバースーツを差し出す。
由貴はラバースーツを受け取り広げてみるが、ファスナーなどは見当たらない。
「これどうやって着るんですか?」
由貴が尋ねると香織は頭を傾げて
「どうやって着るんだろ?」
”それはこっちの台詞”由貴は心の中で突っ込だ。


673 : メリークリスマス 裏方編 ◆zYQ/uWRKn. :2016/01/06(水) 11:48:28
「えーと」そういいながらラバースーツの入っていたビニールの中を探ると、紙が一枚でてきた。
特に説明は書いておらず、URLだけが書かれていた。
香織はそのURLを自分のスマホで検索すると、出た!
ブロンドの髪の女性が裸で現れた。
そして手にしたラバースーツに唯一ある首の開口部から椅子に腰掛けて足を通していく。

お尻までラバースーツに覆われると、今度は両腕をラバースーツに通すと、腕を横へ開いたり戻したりを繰り返すとラバースーツはどんどん上へと上がっていき、体全部が黒く光沢のあるラバースーツに覆われた。
それを見た2人は思わず「おおぉ」と声を上げた。

このラバースーツの着用方法は分かったので、着ることになったが、1つの問題に由貴が気づく。
それは裸で着用しなければいけないのかということ。
由貴は裸で着用することを想像し顔が真っ赤になる。
香織にそれを伝えると、香織も頭を捻りまたもスマホで検索を始めた。

どんなページを開いたのか由貴には見せてくれなかったが、香織が驚いているのは表情で分かった。
由貴は後で自分でもラバースーツについて調べて見ようと思った。
香織はスマホを置くと、「滑りが悪くなるから下着も脱いだ方が良さそうね」
「それにずっと着ていると汗もかくみたいだし」

由貴は心の中で”他人事だから、簡単にいうけど…”と叫んでいた。
香織は「ちょっと待ってて」そういうと控室を出ていった。


674 : メリークリスマス 裏方編 ◆zYQ/uWRKn. :2016/01/06(水) 14:39:02
”何かいい案でも思いついたのかしら?”
”でも裸は絶対イヤ!”
そう心の中で思いながら、パイプイスに腰掛ける。
数十分後、香織が戻ってきた。
「ゴメン!お待たせ‼︎」
そういって戻ってきた香織の手には水着が握られていた。
その水着は由貴が今まで見たことない水着、表面に光沢がありワンピースタイプなのだが背中にファスナーが付いている。
「これなら滑りもいいんじゃない?」
そういって由貴に手渡す。
「これって水着なんですか?」由貴が尋ねると、「そうよ、水球ってプールで行う球技用の水着なの、これを着て着替えてくれる?」
「ええ、まぁ」由貴が返事すると、「水着だから濡れても大丈夫よ」と笑顔で更衣室へ誘導される。
香織にしては珍しく強引だったので、押し切られてしまった。

更衣室に入りまずは裸になり水着に着替える。
かなりピッタリした水着で由貴の豊満な胸は潰され、乳首だけが水着の圧迫に抵抗する。
「すごい!この水着‼︎ 体が引き締まる感じ」
更衣室の中で思わず声を上げてしまった。

「どうする?ラバースーツ渡そうか?」
香織が声をかけてくれ「水着なんで外で着替えます」
そういうと由貴は水着姿で更衣室から出てきた。
「ピッタリ過ぎるくらいピッタリだね」香織が笑顔でいった。
「ハイ!」由貴も裸にならなくていい安心からか返事の声も大きくなった。

早速、由貴はイスに座りラバースーツに着替える。
香織も足を通すのを手伝う。
新品で中にベビーパウダーのような粉が塗してあったおかげでスムーズに着ることができ由貴の体は黒いゴムに覆われた。

「すごいねぇ!」そういって香織が由貴に声をかけ、体に触れると急に由貴はその場にうずくまってしまった。
「ゴメン!大丈夫?」と香織。
由貴は立ち上がり逆に謝る「すみません、このラバースーツを着ると触られるとすごく敏感に感じてしまって」
「そうだったの、ゴメン!気をつけるわ」

そういって香織はマネキンの準備を始めた。


675 : メリークリスマス 裏方編 ◆zYQ/uWRKn. :2016/01/06(水) 16:31:33
マネキンの脚の内側のファスナーを開ける。
「じゃあ、試着しましょうか!」
ラバースーツ姿の由貴に被せようとする。
「ちょっと待って下さい!頭はこのままですか?去年は中にもう一枚、目出し帽みたいの被ってましたけど」

それを聞いて香織も確かにといった表情で、ラバースーツの入っていたダンボール内を探る。
「あった!」ラバースーツが入っていたのと同じ小さなビニール袋。
出してみるとマスクのようだった。
ファスナーなどはなく、ゴムなので伸ばし被る。
マスクを被ると由貴は目以外はすべてゴムで覆われた。
去年は強盗みたいと2人で騒いだが、今年は目だけ、実に怪しすぎる。
呼吸穴も確保するため鼻の辺りにも小さな穴が無数に空けられていたが、ほとんど分からないほどだった。

その姿を鏡で呆然と見る由貴。
”恥ずかしくて、とても他人には見せられない”と思っているところに、香織がマネキンの着ぐるみを被せ着せてきた。
声を出そうとしたが、ラバーマスクが邪魔をして声を出すことができずにいる間にマネキンの着ぐるみを着せられてしまった。

黒から白へ変わってしまった由貴。
唯一変わってないのは瞳だけであった。
「瞼にはアイプチで着ぐるみの瞼をくっつけ、白いコンタクトを入れれば完成ね」
瞬きする由貴。

「由貴ちゃん、どう?大丈夫そう?」
そう言われても、マスクがピッタリと口を封じているので話すこともできない。
それどころか呼吸もできない。
瞬きし、首を振り異常を知らせる。
香織も何かに気づき、一旦着ぐるみを脱がせる。

マスクを自分で外し、一言「息ができないので苦しいです!」
息を切らせながら香織に訴える。
香織も少し強張った表情で頭を傾げていたが、「もう一度トライしてくれない?さっきは少しふざけてしまったのもあるので、今度はきちんとやるから」と手を合わせて由貴にお願いしてきた。

断わり切れない由貴は「お願いしますよ」と言って香織に従う。
先ほどとは違い丁寧に着たら意外と呼吸に支障がでなかった。
股の部分のファスナーを閉める。
かなりのフィット感はあるものの、由貴が思っているほどキツくはなかった。


676 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/06(水) 17:01:47
ウルトラの母のグラビアを撮影してみたらエロ過ぎて“けしからん”結果に

ttp://togetter.com/li/917725


677 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/06(水) 17:11:17
>>676
>ブロンドの髪の女性が裸で現れた。
これつくったのってファンタスティックなラバーを売っている店だなw

無数に細かい穴の開いているマスクって視界は確保できるんだけど長く着続けていると湿って呼吸しづらくなるから
ベルト穴をあけるポンチで穴を大きくしたっけなあw


678 : メリークリスマス 裏方編 ◆zYQ/uWRKn. :2016/01/06(水) 18:26:07
「どう?」香織が尋ねる。
声が出せるようにマネキンの着ぐるみの口の部分に穴は開いているが、ラバーマスクには穴が開いていないので、聞き取れない篭った声でしか返事できなかった。

「あとで穴開けるとして」香織は独り言のようにつぶやくと、今度はマネキン用の衣裳の試着の準備を始める。

まずは光沢のある緑色のレギンスを履き、股のファスナーを隠す。
次はサンタの衣裳、ミニスカートを履かせ上着を羽織る。
「帽子はと、後でボンドで接着しちゃいますか」香織は笑いながらそう言って、姿見鏡の前にサンタの衣裳を着たマネキンを立たせ、帽子を被せた。

「大丈夫そうね」そういって香織は納得していたが、由貴に1つの疑問が。
それはこのままジッとしていられるかということ。
香織に質問しようとしたが、上手く喋れない。
とりあえず、脱がせて欲しいとアピールする。
試着が終わったので、香織はすんなりと脱がせてくれた。

マスクを取った由貴は乱れた髪を直し、香織に質問する。
「あのマネキンの着ぐるみを着てジッとしているなんてできないですよ、どうしたらいいんですか?」

「でしょうね!」香織はそういうと部屋の奥からキャスターの付いた台を出してきた。
その台には真っ赤なエナメルのブーツが乗っている。
首を傾げる由貴に、「このブーツ台に固定されていて全く動かないのよ!」と。
「でも」由貴の言いたいことを察したようで、由貴の言葉を遮り香織が説明を続ける。

「体でしょ?体はこれ」そういって見たこともない大きなラップを取り出した。
「これはね、業務用のラップで荷物を崩れないように固定するものなんだけど、これを使ってあなたの体を固定するの」
「えー!!」
由貴の悲鳴が部屋に広がった。


679 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/06(水) 18:49:17
支援


680 : メリークリスマス 裏方編 ◆zYQ/uWRKn. :2016/01/06(水) 21:26:44
「じゃあ、早速やってみましょうか?」
笑みのこぼれる香織がラップを持って近寄ってくる。
「ら、ラップで体を固定するとマネキンの着ぐるみ着られなくなるんじゃあ…」
香織から距離を置くように後ずさりしながら言うと「それもそうね」と香織も納得してくれた。

”やっと着ぐるみから解放されたばかりなのに、汗だくになってしまうからすぐは困る”
その思いからラップで巻かれることから逃げた。

ラップで体を固定しても、着られるポーズを模索する2人、由貴はもちろんマスクを外した状態で。

そして着られそうなポーズも決まりラップを巻いていく。
ラバースーツにラップが張り付き、簡単にラップが巻ける。
香織は調子が出てきたようで、由貴の黒い体を締め付けながらどんどん巻いていく。
由貴の体はあっと言う間にラップに包まれ身動きが取れなくなった。

「次は頭ね」そういってポーズを取ったまま動けない由貴の頭にマスクを被せ、首を振り抵抗する由貴の頭を巻き始めて、あることに気がついた。
「あ!マスクの口のところ穴開けてない!」
由貴は大きくウンウンと頷く。

しかし、香織は「今日はこれでいきましょ!我慢して」そういってラバーマスクの上からもラップを巻いていく。
呼吸は確保できたようで、暴れることもなく由貴はされるがままの状態。
そんな由貴に今度はマネキンの着ぐるみを着せる。


681 : メリークリスマス 裏方編 ◆zYQ/uWRKn. :2016/01/06(水) 23:37:52
香織は苦労したが、1人でマネキンの着ぐるみを着せることができた。
「ラップをキツめに巻いたおかげで、マネキンの着ぐるみも着れたでしょ!」
そういって、動くことのできないマネキンの目を見ると怒ったような目をしていた。

ここまででもかなりの重労働。
まだ、サンタの衣裳を着せて、台に固定したブーツを履かせなければならない。
さすがに1人でできることは、ここまでと理解できた。
「サンタの衣裳を着せた時点で、レギンスとブーツを履かせる時は男性スタッフが必要ね」
大きな独り言を言って、「今日はここまで」香織はマネキンの着ぐるみを脱がせてラップ拘束を解き始めた。

きれいに巻かれたラップは外すのが難しく、最後はハサミを使って強引に外した。
昼過ぎに始まった試着は、夕方までかかった。
由貴が物凄く汗をかいて、疲れきって帰宅したことは言うまでもない。


そして、クリスマス商戦開始とともにサンタの衣裳を纏ったマネキンはショッピングモールに登場した。


682 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/07(木) 02:11:47

あやうくマミー着ぐるみにさせられるところだったんだな。


683 : メリークリスマス 裏方編 ◆zYQ/uWRKn. :2016/01/07(木) 06:57:23
初日、マネキンとなった由貴は白いコンタクトの奥からお客様を見つけると「いらっしゃいませ」と声をかけた。
初めてのお客様はかなり驚いている様子を由貴は楽しんでいた。

マネキンになって1時間ほど経ったころ、左の足元に何が置かれた。
体を動かすことができないので、それが何か分からない。
それが自分で動いて由貴の視界に入った。
”トナカイ!”角がわずかに見えるが、すぐに視界からは消えてしまった。

視界から消えるとお客様が慌てた様子で店員を呼びにいった。

また、マネキンの足元に戻ったトナカイだったが、由貴の視界に少し入ると消えてしまう。
すると店員が飛んでくる。

”何なんだろう?このトナカイ!」と思っている内に、野原課長が走って台車を持って現れトナカイを横倒しにして運んでバックヤードへ消えていった。

トナカイは小さく人が入れる大きさではないので、機械仕掛けのトナカイにトラブルがあったから引き上げたのだと由貴は思った。

マネキンでいる時間は3時間の予定だが、野原課長以下スタッフも忙しく対応できる人がいないため、早めに控え室へと由貴は戻ってきた。
このあと、休憩を挟んで雪だるま、また少し休憩をしたあと太っちょサンタを演じる。

マネキン以外は自分1人でもできるので、マネキンの着ぐるみを脱がせてもらいラップの拘束を解いてもらえばあとは楽勝である。

マネキンから解放してくれたのは、マネキンの近くのショップの店員さん。
由貴に「大丈夫?がんばってね!」と声をかけて店へと戻っていった。


684 : メリークリスマス 裏方編 ◆zYQ/uWRKn. :2016/01/07(木) 10:56:36
ラバースーツも脱いで、あとの雪だるまと太っちょサンタに備えて持ってきたジャージに着替えて由貴はイスに座った。
「ふーっ!」一段落して大きくため息をついた時、机の向こう側で何かが動いた。

少し警戒しながら、机の向こう側を覗くと、先ほど野原課長が台車に載せて運んでいったトナカイがそのまま置かれていた。

「故障かなぁ?」そういって由貴がトナカイを触ろうとすると動いた。
ただ動いただけでなく、立ち上がろうと脚を動かし始めた。

由貴は驚き後ずさりした、トナカイが台車から滑り落ちた。
「痛っ!」篭った声だが、由貴にはそう聞こえた。
恐る恐るトナカイに近寄る由貴。
トナカイは横倒しになりながらも立とうとして脚を動かすが空を切る。

よく見るとトナカイの首の付け根辺りが一定間隔で膨らんだり萎んだりを繰り返し呼吸しているように見える。

由貴がそこに耳を近づけると、「ハァハァ」と苦しそうな呼吸音が聞こえた。
”誰か入っている⁉︎”
小さなトナカイに到底大人は入れそうにないが、”まさか子ども?”

由貴は慌てて着ぐるみを脱がせないとと思い、着ぐるみの入口を探すが、見ているだけでは見つからない。

触ると暴れそうなので、トナカイの背を軽く叩くと落ち着いたようで、ジタバタしていた脚を止めた。


685 : メリークリスマス 裏方編 ◆zYQ/uWRKn. :2016/01/07(木) 11:41:35
普通では分かりにくいところに着ぐるみの入口があると考え、由貴はトナカイの腹を探る。
” ? ! ”
大きく柔らかい2つの膨らみがある。
中は子どもではない、間違いなく大人の女性。
胸を触られトナカイの脚がピクンと動いた。

その胸の下を探ると、”あった!”
ファスナーがトナカイの毛に隠れていた。
ファスナーを開けると、中の熱気が由貴の手にしっかりと感じられた。

ファスナーを全開にして、中の女性を引き出す。
苦労して引き出したトナカイの中身は、全身がラバースーツで覆われ腕と足は折りたたまれラップでグルグル巻きにされていた。
顔を見ようとしたが、被せられたラバーマスクは鼻の穴しか開いておらず誰かは分からなかった。

苦しそうに呼吸しているのでラバーマスクを外してみる。
「香織さん!」思わず由貴は声を上げた。
手足を折りたたまれトナカイに入っていたのは香織だった。
確かに小柄な香織が手足を曲げて着ぐるみに入れば信じられないほど小さくなることに、今にして由貴は納得できた。

いつもクルーな感じの香織が汗だくになり、由貴の前に横たわっている。
由貴は思わず「どうして?」とつぶやく。
香織は顔だけ持ち上げ「いつも由貴ちゃんだけに無理させてるから」

あとで聞いた話では、雪だるまや太っちょサンタの作製の時、野原課長の反対を押し切りトナカイを作製してもらったそうだ。

「トナカイの着ぐるみ、試着しかできなかったからまともに立っていられなくて」と力なくこぼす香織。

始めは酷い対応とも思ったがよくよく話を聞くと、野原課長の対応も分かるような気がした。


686 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/07(木) 12:16:23

女子高生に手慣れた様子でラッピングするから妖しいとは思っていたが
やはり彼女も”経験者”で目口まで覆った上級者だったとは…


687 : メリークリスマス 裏方編 ◆zYQ/uWRKn. :2016/01/07(木) 12:42:53
まだ手足を折りたたまれ床に転がっている香織が「ゴメン、ラップ外してくれない?」と由貴にお願いしてきた。
少し考えた由貴は試着のことを思い出した。

「香織さん、立って歩けるように練習しません?」笑顔で提案する由貴。
首を振り「マスク被ると何も見えなくなるのよ」と嫌がる香織に再びマスクを被せる。

「私の休憩時間、香織さんの練習に付き合います」そういうと由貴は短い手足で必死に抵抗みせる香織をトナカイの中へと戻す。

そして、何か聞き取れない篭った声を発するトナカイを立たせる。
4本脚だが安定せず、ふらふらしている。
「あ!そうだ!」
そういうと由貴は不安定に立つトナカイをそのままにして控え室を出て行った。

倒れないように必死にバランスを取るトナカイ。
由貴は3分ほどで戻ってきたが、トナカイの香織にはもっと長く感じた。
視界を奪われ、手足を折りたたまれ四つん這いでバランスを取る。

そんなトナカイに首輪を付ける由貴。
そしてリードを引いて机の周りを歩く。
バランスを崩すとリードを引っ張り、バランスを保つが香織も呼吸穴が塞がるのでバランスを取るのに必死だった。



翌日からはマネキンとトナカイが並んでお客様を迎えたが、トナカイが歩くことはなかった。
由貴と香織の関係がどうなったかはご想像にお任せします。


おしまい

駄文失礼いたしました


688 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/07(木) 14:13:48

よかった。ただもうちょっとがんばって書いてもらって、太っちょサンタの中に入って顔が変形して窒息しそうになりながらやってるところまで読みたかったなぁ〜


689 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/07(木) 18:37:04



692 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/08(金) 00:44:01



693 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/08(金) 01:15:32
乙ー

その後、マスクに目の穴を開けてトナカイ着ぐるみにもわからないように穴を開けたんだろうな。


694 : ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2016/01/10(日) 00:29:46
人気の熊の彩加'side、ニーズがあればアップします。
無駄に長くなってしまったので、そこも踏まえて・・・


695 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/10(日) 00:34:41
ぜひお願いします。


696 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/10(日) 01:36:55
>>694
お願いー


697 : 「Cat & Bunny's」 ELL :2016/01/10(日) 08:18:00
>>663の続きです。

亜美「テレビの前のみんな、ハロー!私たちは猫とウサギの女の子4人組Cat & Bunny'sだよっ!これからよろしくねー!」
亜美「私の名前は亜美だよっ!あみぴょんって呼んでねっ!」
希「私の名前はのぞみですっ。これからよろしく。」
ノエル「ハーイ!イギリス来た帰国子女のノエルだよー!みんなよろしくネー。」
心美「やっほーここみだよー。みんな応援してねー!」

と初回なので4人がテレビの前のみんなに挨拶をして番組が始まった。
俺は和音さんの横の席に座って見学していた。

最初のコーナーは4人がこの番組のオリジナル曲を歌うコーナーである。
歌やダンスも短い期間ながら覚えたらしい。
そういえばうるさいくらいに練習してたっけ隣の部屋で。

ノエル「次のコーナーはみんなから届いたお便りを読むコーナーだよっ!」
このコーナーでは子供たちから届いた質問に答えるコーナーだしかし、まだ初回なのでお便りなど届くはずがない。
プロデューサー曰くこれは各自で考えたお便りらしい。それってありなのか...

まず、妹が自分で作ったお便りを読んだ。
亜美「○○市に住むけいとくんからのお便りですっ。」
おいっ!俺の名前じゃねぇか!

亜美「ぼくは嫌いな食べ物があります。それはきゅうりです。なぜかというと栄養がないからです。あとにおいも苦手です。
なのにいつも家でサラダとかに必ず出てきます。ぼくはきゅうりを食べたほうがいいのですか?」

しかも内容まで俺だしっ...確かにそうだわ。

亜美「私はきゅうり美味しいと思うなぁ...」

心美「確かにきゅうりの一本付けとか美味しいよねー。」

亜美「きゅうりは栄養がないかもしれないけどなんでも食べないと大きくなれないよ〜?」
   けいとくん、好き嫌いしないでおおきくなってね〜。」

いや栄養がないって言ってんだろっ!
つかお前も嫌いな食べ物あるだろ?...生の魚介類全部食べれないだろあとなんだっけえっとそれだけか...

次にノエルちゃんや希ちゃん心美ちゃんもそれっぽいような質問を作ってきてみんなに答えた。
結構皆面白い質問だったので聞いてて楽しかった。


698 : 「Cat & Bunny's」 ELL :2016/01/10(日) 08:19:41
和音「次のコーナーで慶人くんがゲストだよ。準備はOK?」
慶人「はい、大丈夫です。少し緊張もしますが。」
和音「頑張って!自由に話して大丈夫だから!」
いよいよだ。どんな質問がとんでくるのやら...

希「さて次は働いてる人たちにインタビューしてみるコーナーだよっ。どんな話が聞けるかな〜。」

亜美「うわぁ楽しみ!」
希「ちなにみみんなはなりたい職業とかある?」
ノエル「外交官!」
心美「なにそれー?」
ノエル「外国行ってお仕事する人だよっ」
亜美「へーすごーい英語しゃべれるもんねー。私はーアニメの声優さんとか興味あるかもっ」
心美「私もアニメとか好きだよ!もしかしたら今日来てたりしてー?」

希「今日はなんと、実際に働いてる人じゃありません。」
亜美「えー!?じゃ誰だろー!」

希「今日紹介するのは、大学生です!」
心美「大学生!気になるかもー!」
亜美「どういったことしてるんだろう〜?」
希「気になるかもっ」

和音「ここでVTR流れるから、ここから慶人くん入ってねー。」
ここで俺は登場してスタジオに用意された椅子に座った。

希「今日来てもらったのは大学生の相沢慶人さんです。」
慶人「どうも〜。」

パチパチパチパチパチ(拍手の音)


希「これから色々インタビューしていくのでお願いします。」
慶人「はい、こちらこそお願いします。」


俺は4人から何を勉強しているのか将来何になりたいか?彼女は?など色々な質問に答えた。
実際に参加してみるとかなり楽しかった。緊張もそんなにない感じだった。


699 : 「Cat & Bunny's」 ELL :2016/01/10(日) 08:23:12
こうしてこの日の第一回目の収録は無事に終わり、亜美たち4人は楽屋に戻って着替えに戻った。

和音「今日はホントありがとー。助かったよーお兄さん。」
慶人「いえいえ、こちらこそ楽しかったです。」
和音「何かお礼しなきゃー。今度渡しとくね〜。あっ私の連絡先交換しとくね。」

俺は和音さんと連絡先を交換し、そのあと偶然にも趣味の話などで色々盛り上がった。

亜美「お兄ちゃんお待たせ〜さて帰りますかっ!」
希「お兄さん今日は楽しかったです。」
ノエル「色々なこと聞けて楽しかったです!」
心美「お兄ちゃんまた来てほしいな〜。」

慶人「うん、今日は楽しかったよ。みんな可愛かったよ。」

亜美「あっそうだっ2週間後の土曜日パパもママも家にいないんだ。でもお兄ちゃんいるしその日みんなで私の家でお泊りパーティしない?
   どうせなら衣装も持って来て着てみようよっ?」

え?いきなり何その提案?

心美「それいいかもっ楽しそー!」
希「私もその日空いてますね。いいですねっ!」
ノエル「お兄さんとまた話せますねっ!」

亜美「その日バイトじゃないよね?お兄ちゃん?」
俺は急いでスマホの手帳アプリを確認した。夕方までしか入れていない良かった。
慶人「大丈夫夕方までだよ。」
亜美「そっか、良かったっ。」

亜美「おっけーじゃあ再来週そうしよっみんなっ!」
3人「さんせー!」


700 : 「Cat & Bunny's」 ELL :2016/01/10(日) 08:28:57
俺はこの2週間妙なドキドキ感を抱えながら過ごし、講義中もずっとそのことが頭に浮かんでいた。
まさかあのエロい衣装を3人とも俺の家に持ってきて着替えるとは...考えただけでも興奮してきそうだった。
特に希ちゃんは結構俺の中では気に入っていた。あんな清楚系の女の子があのエロい黒猫の衣装に着替えたときはホントに可愛かった。

そしてその前日の金曜日の夜、俺はワクワクしてなかなか眠れなかった。
妹が家で着ることはこれまでになかった。また見れるのは2週間ぶりとなる。
「いつでも着てくれるって言ってたなぁあいつ、言っとけばよかったぁ...って何言ってんだ俺」
くだらない独り語とともにこの日は寝た。

俺は朝早く起きてバイトに行った。これが無事終われば拝めるっ。

俺は某ドーナツ屋でバイトをしている。飲食系のバイトは好きな食べ物が嫌いになるかもしれないので好きじゃないが
ドーナツはそこまで好きではないので割と働ける。
あと働きがいもある。でもこの日は100円セールで人もたくさん来ている。

俺は8時間のバイトを終えて帰宅した。

「ただいまぁぁぁぁつかれたぁぁぁ」

と俺はリビングに行くと布団が4枚セッティングされていた。どうやらここで泊るらしい。
「そういえばご飯食べてから行くって言ってたな。」
となるとだいたい8時ごろかもしれない。

俺は帰宅するまで2階の部屋でスマホをいじっていた。
するとLINEで和音さんから連絡が着た。
「今日お泊まりするんだよね!?」
俺は「そうですよ」と入力した。
「写真頼むよォ...(*´д`*)」
相変わらずだこの変態プロデューサー...
「わかりましたよ。期待しといてください。」
「マジで!?(゚∀゚) サンキューーーーーー!!!」
俺は最後に適当なスタンプを付けてトークを終えた。


701 : 「Cat & Bunny's」 ELL :2016/01/10(日) 08:39:48
早く来いと思いながら首を長くして待っていた。
何もしないで待ちぼうけ。時間が全くたたない感覚、それはまるで2秒で1秒がたつかのようだった。
俺はとりあえず買ってきたコンビニのパンで夜を済また。
時計は8時30分を差したとき、思わず好きなバンドの曲を見つけ聞こうとした時


ガチャ...

「ただいまー!」
「おじゃましまーす!」

「こういうタイミングで来るんだなぁ...」
俺はかなりドキドキしながら1階 降りて玄関に向かった。。

慶人「おかえり〜!よく来たね〜。俺が送ってあげればよかったね。」
亜美「大丈夫だよっプロデューサーとご飯一緒に食べてタクシー代まで払ってくれたもんっ!」
慶人「それなら安心だな。」
希「お久しぶりでお兄さん。」
ノエル「久しぶりー。」
心美「また会えたねお兄ちゃん。」

彼女たち3人も前と変わっていなかったが心美ちゃんの髪型がサイドテールからツインテのおさげになっていて可愛かった。


亜美「お兄ちゃん今から着替えるから覗かないでね。準備できたら連絡するから」
慶人「うん、分かった。」

亜美「明日の朝11時30分からだから番組だから録画しとかないとっ」
ノエル「あ〜緊張するかも〜」

4人は楽しそうに話しながらリビングへと向かった。


702 : 「Cat & Bunny's」 ELL :2016/01/10(日) 08:51:57
俺はそのまま自分の部屋へと戻った。
部屋でさっきの新曲を聴いていても今頃あの衣装に着替えていると思うとドキドキしてそれどころではなかった。

数分後、妹からLINEで
「準備できたよ〜」
のことだったので俺は階段を下りリビングのドアを開けた。

ガチャ

俺はドキドキとワクワクと共にドアを開けると
そこにはほぼ全身タイツだが猫とウサギの衣装で覆われた可愛い女の子4人がそこにいた。

俺は思わずニヤニヤが止まらなかった。
4人ともニコニコしながらこっちを見ていた。
亜美「希ちゃんが少しお兄ちゃんの事気に入ってるって。」
希「ちょっと亜美ちゃん...」
希ちゃんは赤面しているようだった。
マジかよ...実は俺も希ちゃんの事は気にしていたので嬉しかった。

心美「膝枕とかしてもらったら、お兄ちゃん?」
希「えっちょっと心美ちゃんまで...」
慶人「えっと...これはした方がいいの?」
希「えっと...」
亜美「せっかくだししてもらいなよっ。なかなかないよっ!」

希ちゃんはまだ顔を赤くして恥ずかしそうに俺の方を見ていた。
希「お願いします...」
恥ずかしそうに彼女は答えた。

俺は黒猫の衣装に覆われた細くて柔らかいタイツで覆われた彼女の膝の上に頭を乗せた。
希「どうですか?」
といってタイツに覆われた手で俺の頬を触ったり頭をナデナデした。
「すごくいい気分かなぁ...上手く言えないけど笑」
もう最高だ...こんなの夢のようだ。

心美「いいな〜私もお兄ちゃんにさせたい〜」
ノエル「私も色々としたいな〜」
亜美「ちょっと!私のお兄ちゃんだよぉ〜!」

妹を含めた可愛いコスプレした女の子4人に囲まれるハーレムな状態になっている俺ではあったが
さすがに今の俺はゲスい...ゲスすぎる...


703 : 「Cat & Bunny's」 ELL :2016/01/10(日) 08:53:02
ノエル「次は私かな?ねぇお兄ちゃんこのままキスしても良いかな?」
慶人「えぇ!?ちょっとさすがにそれは...」
大胆だ、さすがイギリスの帰国子女なだけある。
そう言ってノエルちゃんは俺の頬にキスをした。
ノエル「ほっぺならいいでしょ...?」
ちょっと顔が赤くなっていた。あぁぁぁ俺が壊れる...
心美「じゃあ私は...」
心美ちゃんはそのままギュッと俺に抱きついた。
亜美「いいな〜私も抱きついちゃおっ」
ノエル「私も〜!」

希「ええっ!ちょっとぉ...」
2人も抱きついてきたので膝枕されている希ちゃんは少し困惑した様子だった。

あ〜最高の空間だ...生きてて良かった...

そのあとは家にあるゲーム機でみんなで遊んだり、トランプなどして楽しんだ。

亜美「そろそろお風呂入っちゃおっか?汗かいてきちゃったし。」
心美「そうだね〜先にゲームで勝ったウサギ組から入っちゃうよ〜?」

希「うん、先入っていいよ。」

亜美「じゃあ先入ってるね〜」

そういって亜美と心美ちゃんのウサギ組は仲良く浴室に行った。


704 : 「Cat & Bunny's」 ELL :2016/01/10(日) 08:57:20
希「お兄ちゃん頭の部分だけ脱ぐけどいいかな?ごめんね?」
ノエル「私も脱いじゃっていいかな?」
慶人「全然大丈夫だよ。良いよ脱いじゃって。」
そう言って希ちゃんとノエルちゃんはもこもこの猫の頭部パーツを脱いだ。頭に覆われているタイツはぐっしょり濡れて頭に張り付いているのが見えた。
ノエルちゃんは灰色で分かりやすいのか色がはっきり変わっていた。
それから頭を覆ってるフード状のタイツを後ろに出した。
ノエル「はぁ〜暑かった〜。意外と蒸れるんだよね。これ着ちゃうと。」
希「そうだね〜髪の毛とかだいぶ蒸れてるよね。」
そう言って希ちゃんは長い髪を後ろで結んでいたのかその髪をほどいていた。
ほどき終わると長い黒髪をさらして首から下がまだ黒猫のコスチュームの希ちゃんがいた。
希「ごめんねお兄ちゃん。夢壊すようなとこ見せちゃって。」
慶人「全然良いよそんなの。むしろそっちの方が似合ってるかも...」
希「そうかなぁ...」
ノエル「私もう全部脱いじゃっていいかな?先にパジャマなってよっ。」
慶人「え...?ここで!?」
ノエル「お兄ちゃんの前ならいいや。」
そう言ってノエルちゃんは他の猫のパーツをすべて外し、灰色の全身タイツの姿になった。俺は少し目をそらしながらチラ見した。
ノエル「ファスナーおろしてくれると嬉しいなぁお兄ちゃん?」
慶人「え?...あ、うん。」
そう言われ、俺はノエルちゃんの体を覆っている全身タイツのファスナーをおろした。
ノエル「うん、ありがとう。」
そう言ってノエルちゃんは全身タイツを脱いでいく。
下着姿になった彼女の姿を俺はそのまま直視してしまった。
ノエルちゃんは自分のパジャマに着替えていく。


705 : 「Cat & Bunny's」 ELL :2016/01/10(日) 08:58:30
ノエル「希ちゃんはまだ脱がなくていいの?」
希「私はまだいいかな?お兄ちゃんがこのスタイルも好きって言うし...」
慶人「え、まぁそうだね笑」
希「ほら、また膝枕してあげる...おいで、お兄ちゃん。」
そう言われ心の中の何かががはちきれたのか俺は彼女の膝に飛び移ってしまった。

希「フフッ...お兄ちゃんたらっ...可愛いっ」
また俺は彼女にナデナデされた。あぁぁぁぁぁぁ夢のようだ...
今度は黒猫の女の子じゃなくて希ちゃん自身にされているようでとても興奮した。

ノエル「希ちゃんがクレイジーになってくっ...ワンダフー!」
希「だって本当にお兄ちゃんが大好きなんだもん。しょうがないよね。」

すると風呂から上がった亜美と心美ちゃんがパジャマ姿で戻ってきた。
手にはさっき着ていた衣装が折りたたんである。
亜美「あがったあよー!次猫ちゃんチームの番だよー!ってあー!希ちゃんまた膝枕してるーずるーい!」
   あれ?ノエルちゃんもう着替えちゃったの?」
希「うん、すぐ入ってくるねっ。じゃあまたね、お兄ちゃん。」
ノエル「先にもう着替えちゃった。じゃあ私も入ってくるね。」
猫チームの二人は浴室へと向かっていた。

心美「じゃあまたゲームの続き始めよ!」
亜美「うんうん!やろう!お兄ちゃんもっ!」
慶人「しょうがねぇなぁ...手加減はなしだぞ!」
亜美「えー!お兄ちゃん強いもーん!」
今度は3人で今話題の人気ゲームソフトのゲームを始めた。


706 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/10(日) 17:13:16



707 : ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2016/01/10(日) 21:01:25
>>695
>>696
それではまた流れが一段落いたしましたら。
こそっと派なのもで・・・。


708 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/10(日) 22:30:46
test


709 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/10(日) 23:18:38
着ぐるみを専門にして、役者に歌やダンスを学ばせる教育を請け負っている。

「姿勢が高い!」ベテランの着ぐるみ役者が、受講者の頭部を上から押さえつけた。

「腕のフリが小さい!」っと叱咤を響かせたあとに「君、やる気あるの?」と発して黙って突っ立つ。

「はい!」真面目な受講者がいようものなら「もういい!帰れ!無駄!」と言ってベテランの着ぐるみ役者は教室を出た。

このベテランの着ぐるみ役者には欠けているものがある。

それは、技術を過信し、本来の着ぐるみとしての親しみやすや愛嬌の良さ、受け対する圧倒的な自身の無さだ。

着ぐるみの基礎を固めることは演技の幅を広げるのに良いことではあるが、それ本来には何の意味も無い。

私はこのベテランの着ぐるみ役者から外して、着ぐるみに一切関わらせないようにチケットの販売部に配置換えをした。

「着ぐるみが可愛そう」っと私がベテランの着ぐるみ役者にことの趣旨を伝えると、ベテランの着ぐるみ役者は泣きついてきた。

「すべて完璧にしようなんて考えなくていい」と諭すと、ベテランの着ぐるみ役者はぐったりと体を傾けて退いていった。

今の動きを着ぐるみで表現して講習をしてくれたらいいのだがなっと内心あざ笑っていた。

最近、受講生に若い女が増えたので、いい気になっていたのだろう。

葉介はこれからは私が輝く未来ある若者の面倒をみていこうと思った。

一日でも多く着ぐるみを着て勉強してくれることが葉介の喜びであった。

ベテランの着ぐるみ役者は今日もチケットをちぎっている。


おしまい

なんか女の子に厳しい作品多くないですか?少し反省しろと自分に戒めた。


710 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/11(月) 00:46:29
おいそのの分際でなんか言ってる


711 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/11(月) 11:58:45
よく分からん!?


712 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/11(月) 12:02:40
おいそのの作品は毎回意味が分からない


713 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/11(月) 12:10:52
上官「まるで意味が分からんぞ!」


714 : かえる ◆zYQ/uWRKn. :2016/01/14(木) 11:28:38
大きく股を開いて、うんこ座り。
両手は前について少し前傾。
これが私の仕事の時の基本ポーズ。
男の子なら恥ずかしくないのかもしれないけど、女子大生の私にとってはすごく恥ずかしいポーズ。

まだ、着ぐるみを着てるからいいんだけど…。
なんの着ぐるみかって?
ポーズで分かると思うけど、カエル。
綺麗な黄緑色をしたカエル。
それも物凄くリアルに造られたアマガエル。
着ぐるみの素材はよく分からないけど、着るとボンドのようなゴムのような匂いがするの。
それだけじゃなく、腕や脚は動かせる範囲が決まってるの。
だから、頑張って動いてもカエルのような動きしかできなくなってるの。

始めはこのポーズも、ボンドのような匂いも、そして自由に動けないことも嫌だったけど、今は随分慣れて中で寝てしまうこともあるの。
包まれているとすごく安心感を得られるの。

それに動きもカエルっぽいので、お客さんの受けも上々。
そうそう、なぜカエルの着ぐるみに入ってることになったか説明するね。


715 : かえる ◆zYQ/uWRKn. :2016/01/14(木) 11:29:46
私は彩乃、芸術大学に通う女子大生。
私の家は商店街で雑貨店を経営しています。
きっかけは同じ商店街で、家が薬局をやっている幼馴染みの一哉。
同じ芸大に通っているが、学部は別。

そんな一哉からバイトに誘われたの。
それは一哉が作った薬局のキャラクターの着ぐるみに入るというもの。
ポリ塩化ビニル製の表面が硬くしっかりとしたキャラクターの着ぐるみは小さいので、一哉では入ることが出来ないから私に声をかけてきたみたい。

キャラクターはカエルで大きな頭に短い手足で直立してるんだけど、どう見ても私でも収まらないほど小さかったの。
それで無理だって断わったんだけど、最後は一哉の押しに負けちゃて。

で、着ぐるみに入ることに。
私よりも小さい着ぐるみにどうやって入ったかっていうと、腕と足を曲げてラップでグルグル巻きにして固定してから入ったの。
カエルの大きな頭を取ってそこから。
カエルの脚の中はクッションがあり、膝で立っていも痛くないようになっていたの。

曲げた腕もピッタリと収まったの、まるで私の体に合わせたように。
必要以上に一哉がお願いしてきたのは、そういう理由があったのかって思ったわ。
あ、ちなみに私は141cmしかなく時々小学生に間違われることもあるの。
失礼な話でしょ。


716 : かえる ◆zYQ/uWRKn. :2016/01/14(木) 11:31:54
話戻すね。
どうしてリアルなカエルの着ぐるみに入ることになったかっていうと、一哉が私んちの着ぐるみを作ったの。
私んちの雑貨店で扱っているもので、雨具が多かったからカエルをイメージキャラクターにしてはどうかって、うちの親に提案したわけ。

一哉、カエルについていろいろ勉強して創作していたから作りやすかったみたい。
うちの親も完成したカエルを気に入って店の前に置くと言い出しの。
うちの親はただの置き物と思っていたみたいだけど、一哉がこれ着ぐるみなんです。
彩乃ちゃん少し借ります、そういって私の手を引き一哉の家へ。

そこで簡単な説明を受けてリアルなカエルの着ぐるみに入れられてしまったの。
一哉の勢いに抵抗する間もなかったわ。
一哉んちでバイトもしていたから、着ぐるみが違う程度で私自身、それほど違和感もなかったの。
ただ、このリアルなカエルの着ぐるみ、着てみると違和感だらけだったわ。

私がリアルカエルになると、一哉は私をかかえ台車に載せ、再び私んちに戻る。
両親の前で台車から降ろされると、一哉が耳元で、アヤ動いてと。
仕方なくゆっくり動く。
動くリアルカエルを見ながら、一哉が中に私がに入っていることを説明したらしく。
今度は彩乃、右手を振ってと父親の声が聞こえ、それに応えたわ。

こうして気に入った父親からリアルカエルの着ぐるみを着て店に貢献するよう言われ、雨の日限定で着ぐるみに入ることになったの。

この話はこれで終わらなくて続きがあるの知りたい?


717 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/14(木) 12:33:44
知りたい!


718 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/14(木) 18:09:45
知りたい!


719 : かえる ◆zYQ/uWRKn. :2016/01/14(木) 18:14:34
リアルカエルの中ではミドリの全身タイツを着てるんだけど。
ある蒸し暑い雨の日が続いたとき、全身タイツ予備もあったんだけど、洗濯しても乾かなくて困った一哉は次の着ぐるみ用に用意していたラバースーツを私に渡したの。
リアルカエルの着ぐるみの中も毎日洗浄すると痛むので、ラバースーツで着ぐるみの洗浄回数を減らそうとしたみたい。

私、ラバースーツって初めてで。
ベビーパウダーを使って滑り易くしてから、足を通していったの。
ピッタリしていて着るのにすごく苦労したのよ。
あ、そうそう、ラバースーツの下はハダカ、少し恥ずかしかったけどね。
このラバースーツつま先から、頭まで一体型になっていて、着ると顔も体も全身が黒いゴムで覆われてしまうの。

目のところに小さな穴と鼻の穴に挿し込むように短いチューブが付いていて視界と呼吸は確保できるというわけ。
苦しいかと聞かれると、少し苦しかったけど慣れればそれほどではなかったわ。
ただ、口が塞がっているので、喋れなかったけどね。

ラバースーツを着てリアルカエルの着ぐるみに入ると、全身タイツなら滑りがよく簡単に着れるんだけど、滑りが悪く引っかかり着るのに苦労したわ。
だけど、一度リアルカエルの着ぐるみを着ると全身タイツの時にはなかった密着で着ぐるみとの一体感ができ、自分の手足のように動かせるようになったの。

それとラバースーツって着るのたいへんだけど、あの密着感や触られた時の感覚は癖になりそう。


720 : かえる ◆zYQ/uWRKn. :2016/01/14(木) 18:15:48

リアルカエルの着ぐるみはどうやって着るかっていうと、カエルの口の上部分にファスナーがあり開くと着ぐるみの中への扉が開かれるの。

足から入っていくんだけど体の部分には若干詰めモノがあり、脚は殆んど私の足。
だから触られれば、すごく敏感に反応してしまうの、もちろん腕も。
中に入ると詰めモノが私を丁度いい位置に固定してくれる。
あとは一哉がカエルの口のファスナーを閉めれば完成!

私はというと口の下に開いている小さな穴から外を伺い、お客さんが来たらカエル用に作った小さな傘を挙げてアピールする。

いつものように私んちの店頭で、カエルとして振る舞っていたが、一哉がいつもより早めに迎えにきた。
私の父親に事情を説明した後、私の耳元で帰るよと声をかけて台車に載せたの。

私はラバースーツの中で熱が篭り、いつもより汗をかいていたので、内心助かったと思っていたわ。
しかし、まさかあんなことになるなんて!


721 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/14(木) 19:50:45
支援


722 : かえる ◆zYQ/uWRKn. :2016/01/14(木) 21:49:46
いつものように台車で薬局の裏口から入ると、商品の在庫スペースになっていて、そこで着ぐるみを脱いで全身タイツのままシャワーへ行くんだけど、その日は違ったの。

裏口から入ると一哉はリアルカエルの私を抱きかかえると、2階の自分の部屋へ。
部屋に入ると部屋の鍵を閉め、ベッドに着ぐるみを着たままの私を優しく置いたの。
股を閉じることもできず仰向けの状態。
仰向けにされると手足が上を向くので動くこともできない。

一哉は私に覆い被さると、覗き穴に顔を近づけこう言ったの、アヤずっと好きだった。
私はその言葉で固まってしまい動けなくなってしまった。

固まった私の前で一哉はズボンを下ろし、再び覆い被さる。
一哉はリアルカエルの私を抱きしめ、そしてゆっくり優しく私のアソコに熱いモノが侵入してきたの。
すごくビックリしたわ。
でもそれが何か、すぐに分かったんだけど、抵抗せずに受け容れたの。
私も一哉が好きだったから。

それになぜ一哉のモノが着ぐるみ越しなのに侵入してきたのかも、感じていた違和感から分かったの。

リアルカエルの着ぐるみがいつもよりスースーする感じがしたのは、股のところに穴が開けられていたから。
そしてラバースーツの股のところに、コンドームのような袋が付いていたこと。
それはこのためと、私は一哉に強く抱かれながら理解できた。
ラバースーツで口が閉ざされ殆んど声を出せないまま私は逝ってしまった。

一哉も逝ったようで私の上に覆い被さってきた。
私はカエルの腕で一哉を力一杯抱きしめたよ。


723 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/14(木) 23:18:48
大江健三郎の「性的人間」を思い出すね。支援。


724 : かえる ◆zYQ/uWRKn. :2016/01/15(金) 06:48:42

その後、着ぐるみから解放されたんだけど、ラバースーツの股のところからは一哉の精液がゆっくりと流れ落ちそうになったのを拭き取ると、今度は私からラバースーツのまま一哉を押し倒したの。

一哉は嬉しそうな表情を浮かべて、第2ラウンドへ。
一哉がラバースーツスーツ姿の私のことも優しくしてくれたの。
途中激しく絡みあったので、苦しいなり口で呼吸しようとしたがゴムが顔に張り付き、口の中まで入ってきたのを覚えてる。
私はリアルカエルの着ぐるみからずっとラバースーツを着ていたので、もう中は汗といろんな液で大変のことになってたわ。

とりあえず、シャワーを借りたんだけど、ラバースーツを脱いだ時は凄かったわ。
シャワーを浴びて部屋着のようなラフな格好で一哉の部屋へ行くと、スポーツドリンクが準備されていて、私はそれを一気に飲み干してしまったの。

ベッドに腰掛けてテレビを観てたんだけど、2人ともひと言も喋らなかったの。
お互いのことが気になりテレビの内容は全く入ってこなかったわ。

沈黙に耐えきれなくなった一哉が私の方を向いて両肩に手をやり、キスしてきたの。
そして再びベッドの中へ。

私に覆い被さってきた一哉に、今度は一哉がゴムつけてねと、笑顔でいったらすぐにゴムをつけて部屋の電気が消えました。



おしまい


725 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/15(金) 11:20:35



726 : かえる ◆zYQ/uWRKn. :2016/01/15(金) 16:52:17
おしまい

と見せかけて、まだ続くけどいいかなぁ?


ベッドの中で一哉に尋みた。
ラバースーツを着る着ぐるみって、もう出来てるの?
すると、一哉は頷くとパンツだけ履いて部屋を出て行っちゃったの。
その間に私は部屋着まで着て、ベッドに座って待たんだけど、なかなか戻ってこない。

テレビでも見ようかと思ったその時扉が開いて、お待たせの声と共に一哉が戻ってきた。
手には小さなピンクの物体と黒いラバースーツらしきものも、でも何か違う。

黒いものを広げると、手足の短いスーツ?
素材は合皮っぽい。

ピンクの物体、これが着ぐるみだがこれも手足が短い。
全身にテカリがあり表面はビニールのようにも見えるが、触ると弾力がある。
名前はピンキーと名付けたんだって。

可愛らしい顔が描かれている方が前。
それは分かるし、あの手足の短いスーツを着て着ぐるみに入るのもなんとなく理解はできたんだけど。
顔の上の頭の天辺が大きく開いているが、ファスナーなどはない、なぜ?
製作の途中と思って聞いたんだけど、一哉はこれで完成という。


727 : かえる ◆zYQ/uWRKn. :2016/01/15(金) 18:36:18
数日後、ピンクの手足の短い着ぐるみピンキーは一哉のベッドの上にあったの。
頭の開口部はキレイに閉じられて。
一哉が声をかけるとピンキーは動き出しの、起き上がろうとして。

でも、短く丸みのある手足では移動することもできず、ただベッドの上で手足を動かすだけしかできなかったよ。

一哉が可愛い抱き枕となったピンキーを抱きしめ横になる。
ピンキーの手は小さく一哉を撫でるように小さく動いていたの。

でもしばらくするとピンキーは、抱かれていた一哉に反抗するように動き出したの。

一転して一哉を攻撃し始めんだけど、ピンキーの短く丸みのある手足ではあっさりとかわされてしまったの。

それどころか一哉の口からオシオキの言葉が、ピンキーをベッドにうつ伏せにすると、一哉は裸になりピンキーに覆い被さる。

ピンキーはそのまま一哉のモノがピンキーに突き刺さっちゃったの。
ピンキーになりきり声を出さずにいたんだけど、さすがに我慢できずに私、大声出しちゃて。
恥ずかしい。


728 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/15(金) 19:37:15
帰りの電車で勃起しちゃってやばい


729 : かえる ◆zYQ/uWRKn. :2016/01/15(金) 22:52:29
一通り事が終わると一哉がピンキーの私を抱きしめながら話しかけてきたの。
デート行こうかって。
気持ち良くてもう少しこのままでいたいって、私は答えたんだけど。
一哉、別の意味の捉えちゃって。

ピンキーから解放されることなく、一哉は大きな袋にピンキーを入れると車に乗せちゃたの。
そしてそのままドライブデート。

車の外に出た時はドキドキしたわ。
だって、このまま置き去りにされたら私どうなちゃうんだろうって。
誰かに見つけられてもおそらく着ぐるみだとは気づいてもらえないだろうし、出してもらうこともできないかもしれないからね。

仮に出してもらえても、手足を折りたたんだ状態で着ているスーツ、そしてその中はラバースーツ。
ラバースーツの下は裸。
それにそれらのスーツの股の所だけはナニを挿入できるようになっているとなればなおさら、
とても他人には見せられないし、見られたくないよ。

置き去りにされることなく、無事に一哉の部屋に戻って来たけど、ピンキーから解放されたのはもう一度ベッドで交わってからだったわ。


730 : かえる ◆zYQ/uWRKn. :2016/01/15(金) 23:48:46
ピンキーはラバースーツを着て背中のファスナーをビニールテープで目張りするの。
次に手足の短いスーツに腕も足も折りたたんで入るんだけど、結構キツキツなんだよ。
でも、薬局の店頭でラップで手足を折りたたんで入っていた経験からそれほどツラくは感じなかったわ。
そしてこの手足の短いスーツの背中のファスナーにも目張りをするの。
始めはこの中にずっと閉じ込められるんじゃないかって思ったわ。

でも、これは中に入る私を守るためなの。
ピンキーに収まると頭頂の開口部が閉じられ、薬品を使って継ぎ目なく、封をしてしまうの。
その薬品は体に触れるとよくないから、ファスナーまで目張りして私を守ってくれてたというわけ。

薬品で接着するのに時間がかかるから、私は一哉のベッドの上でしばらくジッとしておかないといけないの。
部屋に一哉が入って来たら、動いてもいい合図になってたというわけ。

抱き枕となったピンキーのままHすることにも、抵抗を感じなかったのはリアルカエルでもHしたせい?
と考えたとき、お互いの店の前で私に着ぐるみを着せたのは、このためだったのかなぁって。


731 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/16(土) 00:50:24
いいっすねぇ。小柄を生かしてもっと小さい所に詰めちゃって下さい!


732 : かえる ◆zYQ/uWRKn. :2016/01/18(月) 06:29:58
私的には一哉に作って欲しい着ぐるみがあるの。
子どもがビニール製で空気を入れて膨らませた犬なんかの動物の足に車輪がついたの。
分かるかなぁ?

私が手足の短いスーツを着て、その着ぐるみに入るの。
そして空気を入れて膨らませて、首輪をかけて一哉に引っ張って散歩してもらうの。

一哉の影響かなぁ?
私もどんどん変になっているような(笑)

今度は私から一哉にお願いしてみようと!

もし一哉が作ってくれたら、その話を今度話すね。


これでホントにおしまいです。
読んでくれてアリガト!
すみません、ご意見頂いたのに期待に応えられなくて。


733 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/18(月) 09:55:34



734 : かえる ◆zImbMaxpGg :2016/01/18(月) 11:51:31
へっくしょい!
ぶぇっくしょい!
ぶわくしょい!


735 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/18(月) 20:46:10
乙!面白かった

おいそのらしき奴が来てるってことは名作である証拠


736 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/21(木) 21:50:58
流れが一段落どころか止まってしまった・・・


737 : 「人気の熊 彩加's side」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2016/01/23(土) 00:15:08
「人気の熊 彩加’s side」をアップしようかと思います。
ベースは上の「人気の熊」にて。

私の視界から見えるもの。
少し曇ったクリアーパーツから見える、
向かいのスポーツ用品店。
私の名前は『新田 彩加」高校生。
今、私は『熊のぬいぐるみ』の中にいる。


私は同級生の『斎木 光』に思いを寄せていた。
その『光』がアルバイト(お手伝い?)をしているスポーツ用品店、
なんと、なんの偶然か私のお姉ちゃん『新田 咲』が経営するケーキ屋が、
小さな商店街の向かいの店だったのである。
光はアルバイトといっても、親戚のお兄ちゃんの店らしく、
お手伝いというスタンスで働いている。
光にとって家から少し離れた場所にあるため、
バイト禁止のうちの高校にとっても都合がいいらしい。


738 : 「人気の熊 彩加's side」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2016/01/23(土) 00:16:32
その事実を知った私は、なんかのきっかけになると思い、
何か店の手伝いが出来ないか、お姉ちゃんに相談していた。

そんなある日、お姉ちゃんがある提案をしてきた。
「ほれ彩加、知り合いからでっかい『熊のぬいぐるみ』をもらったんだ」
「お〜かわいいね♪」
「でさ〜これ、うちのケーキ屋の店先に置こうと思うのよ」
「いいじゃん、人気出そうだし」
私は何も考えずに『熊のぬいぐるみ』の感想を述べた。
「でさ…彩加…これに入ろう♪」
「いいね・・・!?って何いってんの?入るって??」
お姉ちゃんが言っている意味が全く分からなかった。


739 : 「人気の熊 彩加's side」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2016/01/23(土) 00:17:45
「だって、彩加が店の手伝いしたいって言ったでしょ」
「それは言ったけど…ま…まずさ、この大きさで入れるの?」
見た感じは高さでいったら1mくらいではないかというくらいだった。
「ま、そこはあとで考えるとして、
この『熊のぬいぐるみ』が動いたらかわいくない??」
「そ…それは、かわいいかも」
相変わらず私の質問はそっちのけでお姉ちゃんのペースだ。
「でしょ!それでうちの店の人気も出るし、熊の中だったら
 高校にばれることもないし、なにより大好きな『光』君の
 近くで働くことが出来るよ♪」
「…ま…まあ…やってみても…いいよ…」
私は色々、理に適うことを言ってくるお姉ちゃんに気おされた。
「じゃあ決定!!今週の土曜日までに出来るようにしておくから♪」
「う…うん、分かった土曜日ね」
「やるって言ったからには、約束よ」
「分かってるって…」
私は半ば、流されるように約束をした。
その時、お姉ちゃんが意味深げな微笑を浮かべていた事に気づかず。


740 : 「人気の熊 彩加's side」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2016/01/23(土) 00:20:18
そして土曜日を迎えた。
私は朝からお姉ちゃんの店の裏口へと向かい扉をあけた。
「お!?彩加きたね♪こっちは準備ばっちりだから、とりあえず中に入って」
そういわれて、店の中の部屋に入った。
するとこの前見た『熊のぬいぐるみ』がそこに座っている。
見た感じは何も変わった様子はなさそうだ。
熊のぬいぐるみを眺めているとお姉ちゃんが、
「さ!彩加とりあえずこれに着替えて!」
といってお姉ちゃんが取り出したのは黒い全身タイツ。
「え!?ちょっと…これ??…これ着るの??」
「いいでしょ、どうせ私しかいないし」
お姉ちゃんしかいないとはいえ、私も女子高生だ…
さすがに全身タイツは恥ずかしい。
「早く脱ぎなさいって、私もそんなに暇じゃないの、
 店のオープン時間があるから」
「でもさ…さすがに…」
「約束したでしょ!あれは嘘なの?あ〜そう…嘘なん…」
「分かった!分かったわよ」
「よろしい」


741 : 「人気の熊 彩加's side」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2016/01/23(土) 00:21:48
私はとりあえず私服を脱ぎ、下着姿になって黒い全身タイツを手に取った。
「ちょっと!下着も脱ぐの!」
「え!?」
「姉妹なんだらいいでしょ!早く」
私は渋々ではあるが下着も取り、全裸になった。
「あ!あと長丁場になるから、これつけて」
そういって薄型の『オムツ』をお姉ちゃんが渡してきた。
「え?これ?オムツ?」
「うん、そう」
「そう…って、これはさすがに…」
「文句言わない、漏らして熊の中をおしっこだらけにするの?」
「もう〜分かったわよ…」
お姉ちゃんのごり押しっぷりに仕方なくオムツをはく。
まさか高校生になって、ナプキンではなくオムツをはく事になるとは。


742 : 「人気の熊 彩加's side」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2016/01/23(土) 00:23:17
そして、黒い全身タイツを着ていく。
手足を通してみると、意外にナイロンの肌触りが気持ちいい。
頭の部分は顔が出るようになっていて、頭までかぶると、
顔以外はタイツで包まれた状態になった。
「じゃあ背中のチャックを閉めるわね」
そういって、お姉ちゃんが背中のチャックを閉める。
何だろうか、チャックを閉められ、体にピッタリとすると、
軽く締め付けられる感じがまた、少し気持ちいいというか落ち着く。
「はい彩加、正座して座って」
私は、言われるがまま正座する。
「で、頭の後ろで手を組んで」
「こ…こう?」
私は両手を曲げ、頭の後ろで両手を組んだ。
するとお姉ちゃんが何やら、太ももの付け根部分と足首の辺りを
ゴソゴソとし始めた。
タイツ越しに、お姉ちゃんが優しく触れるのが、私を刺激する。
「ちょ…ちょっとお姉ちゃん…やめ…」
(!?私は何感じてんの?姉妹でしょ!)
感じてしまった自分が恥ずかしくなりつつも、自分に突っ込む。
そんなことを考えているうちに、
「はいオッケー!」


743 : 「人気の熊 彩加's side」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2016/01/23(土) 00:24:27
すると、気付かない程手際よく、
私の手足は折りたたんだまま、軽く縛って固定された。
「え!?ちょっとこれ??」
「そりゃそうでしょ、あのぬいぐるみに入るんだから、
 手足がそのままじゃ無理でしょ」
「確かに…」
納得はしたが、私の自由はほぼ奪われた。
「いい感じよ彩加、さすがスタイルがいいわ…
 うらやましくなっちゃう…あら?こんなにはっきり浮き出ちゃって♪」
「あぁ!!」
突然私の乳首を触るお姉ちゃん。
「ちょ…ちょっと…お姉ちゃん、何するの?」
「いや〜そこまではっきり浮き出ちゃってたら、触りたくなっちゃうでしょ、
 あ…彩加…好きなんだ、こういうの」
「そ…そんなことないよ…」
ナイロンタイツの感と締め付けに、気持ちよさを感じていた私は、
顔を赤らめながら、弱く否定することしか出来なかった。
「まあいいわ、それじゃこれから『熊のぬいぐるみ』に入れるね」
そういうとお姉ちゃんは熊の背中にあるチャックを開けた。


744 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/23(土) 10:11:00



745 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/23(土) 12:24:29
待ってた


746 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/23(土) 23:01:58



747 : 「人気の熊 彩加's side」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2016/01/24(日) 07:36:42
そして私を小さな台に乗せ、前に熊の背中側を向けて置いた。
「じゃあ膝から熊の足に入れるから」
そして熊のぬいぐるみに膝から入っていくと同時に、台からするりと降りる。
腰から下は熊の中に入った。
「じゃあ上半身入れるから、頭下げて、腕閉じて、出来るだけちっさくなって」
私は言われるがまま、出来る限り縮こまった。
するとお姉ちゃんが私を熊に押し込む。
「中に入ったら腕通してね…ん〜よいしょ…っと」
狭い入り口を通り中に入ると私は熊の腕に肘を差込み、
頭を熊の頭の中に入れた。
「お…お姉ちゃん、これ結構…頭の中狭いね…」
「でも大丈夫、空気穴は確保してあるから」
見た目の熊の頭の大きさに比べ、思ったより顔が圧迫される感じだった。
しかし、確かに呼吸は確保されているし、視界もそれほど悪くなかった。
「じゃあ閉めるわよ」
そう言って、お姉ちゃんは熊の背中のチャックを閉めた。
「かんせ〜い!!かわいい♪彩加、ちょっと動いてみてよ」
私は動きにくいながらも手足を動かしてみた。
「こ…こんな感じ?」
「うわ!かわいい!これは人気でるわ〜抱きしめたくなっちゃう♪」
「そ…そう?」
ちょっと自分が褒められたようで気分がいい。
「さてと…店の前まで運ぶから台車に乗せるわね」
そして私は台車に乗せられ、店頭まで運ばれた。


748 : 「人気の熊 彩加's side」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2016/01/24(日) 07:37:47
「さてと…小さな台座っていうか椅子というか、そんなものに乗せたから。
 うまく乗っていれば、足が痺れたりはしないはずだから」
さすがに外に出たため、熊のぬいぐるみ頭部に向かってこっそりと話てきた。
私は軽く上半身で頷いた。
「子供限定で触っていい事にしてあるから、写真とかとってあげてね。
 あと…動いてもいいけど、絶対しゃべっちゃダメ。外に聞こえるからね」
(そ…そうか、ぬいぐるみから声が聞こえちゃおかしいしね…)
「じゃあ………夕方、よろしく♪」
(オッケー…って!?夕方?…このまま夕方まで?ちょ…ちょっと、お姉ちゃん!)
それは無理だと抗議しようとしたが、
「いらっしゃいませ!」
「あらかわいい熊ちゃん。この前はなかったですよね?」
「ええ、今日から設置したうちのマスコットです」
お客さんが来たのでしょうがない…。
「この熊、動く仕組みになっているんですよ♪」
「へぇ〜。どうやったら動くんですか?」
「気まぐれですかね、企業秘密というか」
「うわぁ…動くとこ見てみたいです〜」
「ランダムなんで『運がよければ』見れますよ」
(なんだこの会話は…お姉ちゃんは私に空気を読んで動けと
 言っている様にしか聞こえないぞぉ…)
それから、お客が来るたびに、熊のぬいぐるみは注目を浴びた。


749 : 「人気の熊 彩加's side」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2016/01/24(日) 07:38:53
お姉ちゃんは店の中で働いているため、私は放置状態だった。
たまに動けば、お客の反応はいい。
そして子供連れのお客が来た時は、動いた後、写真撮影も受けていた。
・・・どのくらい時間が経ったのだろうか?
ぬいぐるみの中では時間が分からない…。
ぬいぐるみの圧迫感に少し落ち着きというか、快感的なものを感じ始めていた。
しかし、季節は夏。
ぬいぐるみの中の温度の上がり方から言って、昼頃な感はあった。
(あ…暑い…夕方って…言ってたけど…無理かも…)
顔はもう汗だくで、額から落ちる汗が目に入りしみる。
少し意識がボーっとし始めた頃、口の部分にチューブが入って来た。
「くわえて、水分入れるから」
こそっとしたお姉ちゃんの声が聞こえてきた。
私はとにかくそのチューブを加え吸ってみると、スポーツドリンク
らしきものが口の中に入って来た。
(お…おいしい…)
私はむさぼるようにドリンクを飲んだ。
「じゃあ…また後ほど…」
(あ…やっぱり、夕方なのね…出してはもらえないんだ…)
そうは思ったものの、ぬいぐるみの中の圧迫感、
しかも、この暑さもまた快感を促し始めていたため、
出してほしい半分、そうでない自分もいた。


750 : 「人気の熊 彩加's side」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2016/01/24(日) 07:40:15
そんな中、ついに危惧していた事が起きた、尿意である。
(あ…どうしよ…オムツをはいているとはいえ…)
さすがに私も高校生だ、オムツに出すのには抵抗がある。
暫らくは我慢することに決めた。
三十分くらいだろうか、お客に愛想を振りまき、自分を誤魔化していたが、
限界を迎えた。
(も…もう…無理だ…よ…)
暑さで頭がボーっとしているのもあり、我慢ができなくなった。
(あ…あ…でちゃう…あ…あぁぁぁ)
そのためにオムツはしていたのだが、
自分でも、女子高生がオムツにしてしまったと考えると恥ずかしい。
(しちゃった…で…でも…お姉ちゃんしか知らない訳だし
 そ…そう、してしまったものはしょうがない…うん)
そう自分に言い聞かせた。
心を入れ替え、またしばらくお客さんに愛想をふりまいた。


751 : 「人気の熊 彩加's side」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2016/01/24(日) 07:41:35
そして夕方を向かえた頃、
「さあ…熊ちゃん、お家に帰ろうか♪」
というお姉ちゃんの声が聞こえてきた。
そして、また台車に乗せられ、店の奥の部屋へと運ばれていった。

部屋に入るとお姉ちゃんが、また意地悪な発言をする。
「お疲れ!どうする?出る?」
「な…何いってんの?出してよ!」
「あ…そぉ…中にいるのが気持ちいいよさそうに見えたんだけど?」
「そ…そ…そんな…そんなこと、無いわよ…早く出してよ!」
外から見て分かるはずはないのに、私は動揺してしまった。
しかしながら、そこを突いてくるとは、どSのお姉ちゃんらしい…。
「しょうがないな…じゃあ開けるね…」
背中のチャックが開くとともに、新鮮な空気が中に入ってくる。
そして自分で出ようとしたが、どうやら自力では出られないらしい。
「じゃあ引っ張り出すわよ」
そういって私の脇から手を入れるお姉ちゃん。
「うわっ!彩加びっしょびしょ」
「当たり前でしょ、この中、めちゃくちゃ暑かったんだから」
頭はまだ熊の中のまま反論をする。
「よいしょっと!」
そして熊のぬいぐるみの中から、私を引っ張り出した。


752 : 「人気の熊 彩加's side」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2016/01/24(日) 07:42:51
一気に開けた空間に出る。
「ぷは〜〜〜!!なんかすごい空気が新鮮な感じがするぅ〜」
「どう?初仕事の感想は?」
「どうもこうも、すごい苦しいし、すごく暑いし、
 まさかの夕方までって、お姉ちゃんちょっとやりすぎじゃない!?」
「ふ〜ん、じゃあもうやめる?」
「え!?…あ…う…ぅうん…で…でも、またやってあげても…いいよ…
 お客さんにも好評だったしね」
「ちょっと、雇用主は『こちら』、別にやってくれなくてもいいんだけど?」
相変わらずお姉ちゃんの、見透かしたところとSっぷりにはかなわない。
「分かったわよ…やらせてください…これでいい?」
「りょうか〜い♪じゃあこれからもよろしくね♪」

そうして、土日の私の『ぬいぐるみ』生活が始まった。


753 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/24(日) 13:38:22
あいかわらず俺たちの心をつかんでくるなw
子供との撮影中とかのタイミングでも粗相をしているんだろうかと妄想してしまった


754 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/24(日) 18:53:15



755 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/24(日) 21:38:43
支援


756 : 「人気の熊 彩加's side」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2016/01/24(日) 22:16:00
もとはと言えば、光となんらかの接点を持てればと思って、
お姉ちゃんに持ちかけた『アルバイト』の話であったが、
現状は、私はぬいぐるみの中。
学校以外でのプライベートの接点が出来るはずもない。
しかし、時々、光がこっちを眺めているのには気付いていた。
(まさか、私がこの熊の中にいるとは思わないよね♪)
そんな秘密を持っていることに、少し嬉さを感じていた。
それに加え、熊の中の圧迫感、手足の拘束感、微妙な息苦しさ、
そこに満足を感じ始めていた…くせになるような…。

土日のぬいぐるみ生活を始めて、数ヶ月がたったある日。
私は、前日、夜更かしをしていたこともあり、
午前中はなんとか乗り切ったのだが、午後になり急激な眠気に襲われた。
(ふぁ〜あ…眠い…ちょっとだけ寝ちゃおう…見た目は分からない訳だし)
そう考えた私は軽い眠りについた。

しばらく寝てしまった私が目を覚ました瞬間、薄曇った視界に
驚く光景が映った。
(ひ…光!!!!)
なんと、私の視界に光のどアップが飛び込んできた。


757 : 「人気の熊 彩加's side」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2016/01/24(日) 22:17:25
光が熊を覗き込んでいる、そう思った瞬間、私は動揺し、
焦るように激しく動いてしまった。
「うわ!?」
私の動きに驚く光。驚いたのはこっちなのだが。
そして動揺して不思議な暴れ方をした私は、バランスを崩した。
「きゃ!!」
バランスを崩し、台座から落ち地面に倒れこんでしまった。
(あ…声!!!でちゃった!!)
私はうつ伏せに地面に倒れこんだまま、動きを止めた。
声を出してしまった事への動揺、そして今私の上から
光が眺めているという状況は間違いなかった。
ほんの1分そこらの間だとは思うが、恐ろしく長く感じた。
心臓は驚く程、早く脈打ち、色々な考えが頭をよぎる。
(声は聞こえた?光はそこにいるよね?ばれたかも…どうしよ…)
うつ伏せのまま、動けないでいると、
「あ!?ごめんなさいね。…なかなか不安定だからこの『機械』
 びっくりさせちゃったわね。大丈夫、私が直しておくから」
(お姉ちゃんだ!助かった…)
「あ…す…すいません…なんか僕が倒しちゃったみたいで」
(…私が勝手に倒れただけだよ…)
「違う違う、こっちの問題だから、君は気にしなくて大丈夫よ」
「でもホントに触ってないです」
(うん…触ってない)


758 : 「人気の熊 彩加's side」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2016/01/24(日) 22:20:26
「大丈夫!中から見てたから、君が何もしてないのは分かってるから」
「あ…あのこれ、壊れてないですよね?」
(壊れてない壊れてない…機械じゃなくて人間だし)
「大丈夫だって…よいっしょっと」
お姉ちゃんがまた同じ体勢に戻してくれた。
「よし、動かしてみよっか」
お姉ちゃんはそういって私の顔の前に手をかざし、手を軽く振った。
(そういうシステムなの…私?…まあいいや…)
そして私はいつもと同じくらいの感じで、モゴモゴと動いた。
「よ…よかった…壊したかと思いました…」
「だから大丈夫だって、君には全く責任もないから♪
 …にしても、君はまじめだね」
(ホントに光は真面目なんだなぁ…)
「よかったです…それじゃ僕は」
そういって光は帰っていった。
(ふぅ〜よかった…ばれてないね…)
そうして、その日は終わった。


759 : 「人気の熊 彩加's side」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2016/01/24(日) 22:34:07
翌日、学校に登校している最中、前方に光とその友達『弘樹』の二人を発見した。
私はいつも通りに、後ろから光の頭を小突く。
「いて!?」
「おはよ!!どうしたの!馬鹿コンビ!」
私はあくまでいつも通りの挨拶をした。すると弘樹が
「おはよ彩加、光の奴がさこのぬいぐるみに人が入れるか?
 なんてクイズを俺に出してきた訳だ。朝からオチもなく」
(え!?)
そう言って弘樹は私に、光の携帯を見せてきた。
(私…ってか、私の入ってる熊じゃん!!しかも人が入れるか?って!!)
心の中では恐ろしく動揺した、しかしその動揺を悟られないよう、
「ん?…ああこれね。ケーキ屋の奴でしょ…
 これに人が入る訳無いじゃん…小さすぎるでしょ」
「でも、俺さ声を…」
「さ!馬鹿言ってないで、遅刻するわよ」
「光!急ぐぜ!俺には後が無い」
「…あぁ…」
そして、そのまま登校した…。
(聞かれてた…やっぱり声…聞こえちゃったんだ…
 とにかくごまかすしかない…うん)
かなり焦ったものの、私は自分にそう言い聞かせた。

その後は光からもその疑問を聞かれることは無かった。
そして、本当の事は隠したまま時は流れた。


760 : 「人気の熊 彩加's side」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2016/01/24(日) 23:28:21
その後…
彩加「グエー死んだンゴ」
姉「じゃけん熊に入れましょうね��」

おしまい


761 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/24(日) 23:45:30
なぜベストを尽くさないのか・・・


762 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/25(月) 00:04:57
乙!


763 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/25(月) 00:08:09
uza


764 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/25(月) 00:19:42
今日はここまでって意味じゃ?


765 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/25(月) 00:30:47
おいその嫉妬=良作の法則


766 : 「人気の熊 彩加's side」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2016/01/25(月) 07:08:24
高校の創立記念日、平日のお休みである。
休みのため、平日ではあったもののお姉ちゃんの店の手伝いをすることにした。
すると向かいの店に光の姿が見せた。
(やっぱ、光も休みだから手伝ってるのね)

…しかし、私たちは学校が休みだが、世間は平日。
とにかく暇だ。人通りも極端に少ない。
午後になり、暇をしていると小学生の男の子3人組みが私に近づいてきた。
にやにやしながら、コソコソ話をしている3人組。
(…嫌な予感…ダメだぞぉ…君たち…予想どおりのことはしてはいけないぞぉ…)
私は何となく危惧していたが、見事に答える小学生。
「きゃ!!」
なんと三人で私を押し倒してきた。
そのまま仰向けに横になってしまった私の上に一人が飛び乗って来た。
(ぐふ!!)
いくらぬいぐるみの綿があるとはいえ、小学生に勢いよく乗られれば、
痛いし、のり所具合で息も詰まった。
その上、一人は体に蹴りを入れて来た。
(痛い!!やめて!!)
そしてもう一人は足を引っ張り引きずろうとする。
(いや!!ちょっと…ぐふっ!!…いたっ!!
 や…やめ…ぐ…誰か…いたっ!!)
子供たちの容赦ない攻撃は続く。しかし私にはどうする術もなく
一方的にやられるだけだった。
(だ…だれか…うぅ!!…だれか…助けて…ぐふ!!)
その時、ある声が聞こえてきた。


767 : 「人気の熊 彩加's side」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2016/01/25(月) 07:09:41
「こら!お前たちやめろ!」
光だ!
「やべっ!大人が来た!逃げろ!!」
子供たちは光が来たことに驚き逃げていった。
(…た…助かった…光…ありがと…)
安堵感に少し涙が出てきた。
すると持ち上げられる感覚が…
(え!?…ちょ…ちょっと、光!)
光が私を抱きかかえ、もとの台座に戻してくれたのである。
ばれてしまったのではないかという焦り、
そして好きな人に抱きかかえられたという事に対する照れ、
様々ことが頭の中を交錯する。
「大丈夫か?」
と光が声をかけてきた。
私は後先も考えずに、反射的に頭から体を使い頷いてしまった。
すると、お姉ちゃんの声が聞こえてきた。
「ありがと!!ごめんね助けてもらっちゃったみたいで」
「いえ、子供たちが大変なことしてたんで」
「助かったわ、それより…ちょっとこっち来て」
お姉ちゃんと光は少し離れたところで何か話していた。
しかし、私の胸は高鳴りを押さえられず、そんなことはどうでもいい状況だった。


768 : 「人気の熊 彩加's side」 ももぴ ◇cjl2Ca89sE :2016/01/25(月) 07:11:13
そして、その日の終わりの時間が来たようだ。
お姉ちゃんが台車で私を運びに来た。
いつものように奥の部屋まで運ばれる。
部屋に入るところでお姉ちゃんが
「お待たせ!」
(お待たせ??…今、私に言った??)
部屋に入ると、いつもと違う光景が私の視界に飛び込んできた。
なんと、そこには光が立っていたのである。
私は瞬時にこの後のことが想像できた。
この部屋に戻ってきたと言うことは、ぬいぐるみを脱ぐこと、
脱ぐ時に光がいること、つまりお姉ちゃんは中身をばらすつもりだ。
(!?…ちょっと…まずいよ!私全身タイツだし!変な格好で固定されてるし、
 汗だくだし、いろいろダメだって)
私はたいして動けないのだが、力の限り暴れダメだというアピールをした。
しかし、お姉ちゃんはそんなことお構いなし。
「さて、降ろしますか」
暴れる私を台座から降ろす。
そして私はうつ伏せになり、必死に逃げようともがいた。
しかし手足を折りたたまれ、ぬいぐるみに入ってる状態ではたいして移動も出来ない。
ただ、必死に動くことで呼吸だけ上がっていく。


769 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/25(月) 11:01:58
ところでなんでトリップがトリップじゃないの


770 : ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/01/25(月) 12:30:13
すいません。トリップつけ間違えてました。
ところで>760はどなたでしょう?
まだ続きますので…


771 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/25(月) 14:39:31
よかった人違いで


772 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/25(月) 19:17:59
※770
おいそのさんだと思うのでスルーしてください


773 : おいその :2016/01/25(月) 20:19:13
深夜一時、廃墟の旅館に着いた。
差し押さえられて放置されたままの車は今はもう帰らぬ者を待ち続けて18年が経過していた。
あたり一帯は静寂と暗闇に包まれており、旅館の入り口は特に暗い黒色をしている。
まるで死の世界に繋がっているような雰囲気は、まさに恐怖の心霊スポットだった。
そんな廃旅館の壊れた扉の隙間に一つの人影が消えていった。


774 : おいその :2016/01/25(月) 20:20:17
「この歳になって兄貴と心霊スポットに行くとは思わなかったな」
京介が助手席に座っているのは久しぶりだった。
「兄弟で心霊スポットってさ兄貴友達いないの?」
京介は私よりも少し背が高く、細身でやんちゃの頼もしい弟だ。
「同じ男兄弟だからわかるぞ!わくわくしてるだろ!」
京介は苦笑しながら「確かに」っと答えた。
葉介は廃旅館でのとある噂を耳にして、真実はどのようなものかを確かめてやろうと思っていた。
それで、弟の京介を呼んで心霊スポットへ行くことにした。


775 : おいその :2016/01/25(月) 20:22:10
旅館に着いた車を降りた二人だが、入り口を前にして硬直した。
「兄貴、着いたぞ」
普段なら兄を差し置いて先へ進んでいくくせに、恐いものがあると馬鹿にしている兄を頼る。
「わかってるさ」
葉介は中に入ると辺りを見回して安全であることを確かめると京介に目で合図を送った。
階段を登って、4階を上がるところにロープが張られていた。
ロープを跨いで越えてさらに上の階へゆく、最上階は8階だった。
旅館は意外と広くて、窓から見下ろす景色から外には外灯が無数あることがわかった。
葉介は噂の真相を確かめようと、それに近いものを探していた。


776 : おいその :2016/01/25(月) 20:23:25
鶴山麗は仕事で悩みを抱えて、ストレスが溜まっていた。
麗は思い出の旅館が廃業して取り壊されずに廃墟になっていると知って、なんとなく1人で見に行った。
誰も怖がって近づかない廃墟の中で、子供の頃の思い出がボロボロの光景に映し出された。
それがとても素晴らしいものであったので、麗は開放感に包まれて服を脱いで下着姿で子供のように徘徊していた。
ある日、家に妹がバイトで使っている着ぐるみが置いてあったので、麗はそれを持ち出した。
それから、1人で廃墟の中を全裸で着ぐるみを着て徘徊するのが習慣になっていた。
もしも、誰もいない廃墟で人に見つかって着ぐるみを脱がされたらという想像をしないこともなかった。
自分ことを幽霊と思ってめちゃくちゃにされちゃうんじゃないかと思うと興奮した。


777 : おいその :2016/01/25(月) 20:24:36
「帰ろう・・・」「え?」
京介のいるおかげで何とか廃旅館の内部を調べることができているのにと葉介は思った。
「正直言う、ここコワい」「・・・」
京介の青白い表情を見て、もう限界であることを理解した。
すると、トットットットっと暗闇の奥の方から何者かの足音が聞こえた。
「足音?」
「兄貴!冗談はやめてくれ!マジで!」
トットットットット・・・トットット・・・トットット
それは確かに何者かが階段を下りてゆく足音だった。
二人は怯えながら廃旅館を出た。
足音の正体は掴めなかったが、廃旅館に何かが潜んでいたのは確かだった。


778 : おいその :2016/01/25(月) 20:25:44
京介が突然声を上げた。
「兄貴!人!いや、クマ!」
「うわああああ!」
葉介は廃旅館の心霊スポットで、お店の着ぐるみを見たというお客さんから指摘を受けていた。
一体何のことなのかさっぱりわからないので廃旅館まで真相を見に来た。
そしてそこに紛れもなくお店の看板着ぐるみのウサピョンがいたのだ。
「美紀ちゃん・・・、一体こんなところで何をしてるの・・・?」
葉介はウサピョンに向かって声をかけた。まさか、本当に心霊スポットでお店の着ぐるみが徘徊しているとは思っても

みなかった。
ウサピョン「・・・」
かつてコレほどまでに不気味にウサピョンが見えたことがあるだろうか、いや無い。
ウサピョン「・・・」
葉介は意を決して、着ぐるみの頭を取り上げた。


779 : おいその :2016/01/25(月) 20:27:02
「うわあああああああ」
京介は姿を確認することもなく走り去っていた。
そこには、見たことのない女性が入っていた。
「あの、驚かせてすいません。私、美紀の姉の麗です」
葉介は状況が読み込もうと頑張ったが無理だった。
「あの、それお店の看板着ぐるみなんで、廃墟で着られるのは・・・」
麗は申し訳なさそうに平謝りを繰り返した。
「返してもらえますか?」
「あの、今、下に何も着てないんです・・・」
葉介は考えるのをやめた。
「その着ぐるみ、美紀ちゃんにちゃんと返してくださいね!」
葉介は麗にそういい残してその場を去った。
「あの着ぐるみ何なのさ、兄貴が仕込んでたの?なんなの?兄貴?」
京介は兄へ猜疑心を抱いていた。
「何がなんだかさっぱりわからんけど、もうしないと思う」
「何言ってるのかさっぱりわからない」
京介は兄への猜疑心を振り払うことができなかった。


780 : おいその :2016/01/25(月) 20:28:27
私が九歳だったことにこの旅館に家族で泊まった。
まだ、おじいちゃんもおばあちゃんも元気だった。
一週間ほど宿泊しただけなのに、とてもとても長く感じた。
すごく楽しかった思い出だけ残して、その後すぐに廃業したことを大人になるまで知らなかった。
いつまで残っているのだろうか。
麗は幽霊のようにいまだに廃旅館を訪ねている。

おわり


781 : ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/01/25(月) 21:46:45
すいません。
途中でトリップが変わってしまいますが、
ここからはこのトリップで続けます。
やめた方がよいご意見があればやめますので。


782 : 「人気の熊 彩加's side」 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/01/25(月) 21:48:32
すると背中からグッと重さを感じる。
(あ!…お姉ちゃんに取り押さえられた!!)
すると語りかけるように声が聞こえてくる。
「もう…暴れないの…開けるわよ」
(ダ…ダメだ…お姉ちゃん、本気だ…)
最後の抵抗とばかりに暴れる。
そして、もう無理だと分かった瞬間、抑えていた声も出てしまった。
「…やだ…だめだって…やめて…」
しかしお姉ちゃんの手は止まらない。
すぐに熊の背中のチャックが開けられた。
私は必死に抵抗した。
「やだ!!やめてよ!!」
「もう…いい加減観念しなさい!!」
無理やりお姉ちゃんは引きずり出そうとする。
もう背中部分はぬいぐるみから出始めていた。
「やめて!お姉ちゃん!!やだって!!」
必死に抵抗したが、やはり手足が折り曲げられた状態では
抵抗にも限界があった。
「よい…しょっと!!」
「いやぁ…!!」
そして私はぬいぐるみから引きずり出された。


783 : 「人気の熊 彩加's side」 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/01/25(月) 21:49:59
私は無理やりなお姉ちゃんに対して、さすがにカッとなって、
お姉ちゃんに向かって文句を言った。
「やめてよ!お姉ちゃん、いやだって言ったのに…」
その瞬間、お姉ちゃんの側に立つ光に気付いた。
「彩加!!」
うっかり光と目が合ってしまった。分かっていた状況ではあったが、
お姉ちゃんに対する怒りで、すっかり忘れていた。
(し…しまった!!)
すぐに私はうつむいた。
(どうしよ…ばれた…顔見られちゃったよぉ…はずかしい…
 あぁ…逃げたい…逃げたい…逃げたい…)
そんな私にはお構いなく話しを進めるお姉ちゃん。
「光君、これが秘密にしておいて欲しい事の全容よ。
 あ!?ごめん自己紹介が遅れたわね。
 私は彩加の姉の『咲』、このケーキ屋の店長よ」
「咲さん、で…この状況は??」
「そうだ!彩加、光君にまず言わなければならない事があるでしょ、
 助けてもらったんだから!」
「え…あ…うん…その…あ…ありがと…」
「はっきり言いなさいよ!」
「分かったわよ、助けてくれてありがと!」
「それほどの事はしてないよ。ところで、なんで熊のぬいぐるみの中身が彩加なんだ??」
当たり前の質問ではあるが、すごく説明のしにくい所を聞かれる。
「そ…それは…」


784 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/25(月) 21:50:15
おいそのに効いてる効いてるw


785 : 「人気の熊 彩加's side」 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/01/25(月) 21:51:04
私は言葉を濁してしまった。するとお姉ちゃんが、
「彩加がどうしてもうちの店で、バイトしたいっていうから」
「…ってそれで、お姉ちゃんの悪ふざけで、ぬいぐるみの中に入って客寄せしてって
 いうからさ…」
「結果オーライでしょ!学校にもばれないし、客足もかなり増えてるし、
 なにより、彩加のお目当て通り、光君の近くに居られる訳でしょ♪」
「!?ちょ!ちょっと、お姉ちゃん!!」
相変わらずマイペースだ、人の恋心をさらけ出すとは。
「言っちゃえばいいでしょ、全く…彩加は奥手なんだから…」
「え…でも…う〜…」
「ここまでばらして、もう言ったようなものでしょ!さあ!」
私はお姉ちゃんのペースには逆らえないもの分かり腹を決めた。
「…あーーー!!もう!分かったわよ!
 光!私はあなたの事が好きなの!!だから偶然向かいの店にあった
 お姉ちゃんの店でバイトしたいと思ったの!分かった?!」
そして私はまたうつむいた。
(あぁ〜…いっちゃったよ…勢いだ…勢いでいう事なの…もう…)
そんな考えをめぐらせ、後悔すらも感じていると、
急に背中から抱きしめられた。
(え!?光???)
少し驚いて体、びくっと反応してしまった。
(…ちょ…ちょっと…私汗だくだし…)
抱きしめられた高揚感、それとは裏腹に汗だくの状態を触られる事への動揺、
様々な思いが頭の中を駆け巡る。


786 : 「人気の熊 彩加's side」 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/01/25(月) 21:52:37
すると光が一言、
「俺も好きだよ、でも正直、俺ごときは彩加には相手にされないと思ってた。
 こんな俺でよければ…」
(え!?)
驚いた反面、その言葉をストレートに受けとめた私は素直に頷いた。
「うん」
少しその空間に浸っているとお姉ちゃんが切り込む。
「よかったよかった、ようやくお互い伝えられたじゃない!
 私のおかげと感謝しなさい!!
 …ところで、そんないい雰囲気になってるけど、彩加、全身タイツだけどね」
その言葉に私は我に帰り、自分の状況を直視した。
全身タイツで、手足を折りたたまれ固定された状態、
しかも下着は着ていないため、乳首もはっきり浮き出ている。
「そ…そうだ…光!ちょっとこっち見ないでよ!恥ずかしいから!」
「そ、そうだね、タイツだし、すごい格好だしね…」
「って!わざわざ、そこを言わなくてよし!…
 …あ〜この格好で告白って、どうかと思うよ…」
(…私の告白って…ちょっとした変態だわ…これ…)
・・・そしてこの日から私たちは付き合い始めた。


787 : 「人気の熊 彩加's side」 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/01/25(月) 21:54:02
それから土日はスポーツ用品店のお手伝い、ケーキ屋のぬいぐるみという
不思議な関係は続いた。
平日はもちろん、土日はたまには休みを合わせデートにも出かけた。
そんなある日、二人でいる時に光が質問をしてきた。
「彩加、ところでバイトの『あれ』きつくないの??」
「う〜ん…きついっていえばきついかな。夏場は死んじゃうじゃないかって
 くらい暑かったし、体勢も楽じゃないしね…」
実際、本当に夏場はぬいぐるみの中は恐ろしく暑く、意識が飛んだ時もあったし、
体勢も手足は縛られたまま固定されているから、痛く感じる時もあった。
「やめないの??」
予想外の質問に少し驚いた。
「え!?…ま…まあ…お姉ちゃんの店の名物にもなってるし…それにね…」
(…包まれてるのが気持ちいいとは言えないよぉ…)
「それにってなんだよ?」
「え…っと、なんていうか…うーんと…あのね…」
「なんだよ、はっきり言えよ」
「誰にも言わないでよ…」
「言わないよ」
「…全身包まれている感じが、落ち着くっていうか、気持ちいいっていうか…」
「彩加ってそういうフェチなんだ♪」
「フェチって!そ…そ…うん…まあそう言われれば…そうか…」
光は茶化しながらフェチと言ったのが分かったのだが、
あまりにも的確な表現だったので、妙に納得してしまった。
すると光が質問を続ける。


788 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/26(火) 01:17:32
ももぴさん支援

おいそのさん、悔しいんだろうけど邪魔は良くないよ


789 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/26(火) 02:50:36


おいそのが妬んで邪魔をするSSは名作。わかるんだよねw


790 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/26(火) 10:11:59
支援


791 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/26(火) 22:27:34
>>734
>>760
他人になりすましてまで邪魔するのは卑怯だぞ、おいその


792 : 「人気の熊 彩加's side」 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/01/27(水) 02:42:56
「あとさ、7時間くらい着続けてるじゃん。トイレってどうしてるの?」
「あっ、それは大人用の薄型のオムツはいてるから…」
流れでうっかり話してしまったが、今まで伏せていた部分を
さらけ出してしまい、顔を真っ赤にしてしまった。
「…って!!何言わせんるのよ!!」
「ふーん」
「もう!女子に言わせる事じゃないでしょ!」
「ゴメンゴメン」
恥ずかしかったものの、そんな事を言える関係になったというのが
少しうれしくも感じた。

そんな関係が続きクリスマスが近づいたある日。
光から当然の質問を投げかけられた。
「彩加、クリスマスイブはやっぱ『あれ』?」
「うん、ケーキ屋だしねそこは忙しいよ」
「そうか…しょうがない。まあ…ゆっくりするかな」
「ゴメンね」
「いいって、お手伝いがんばれよ」
光には本当に申し訳ないと思ったものの、やはりお姉ちゃんの店も
ケーキ屋である以上、稼ぎ時なのでしょうがない。
私もクリスマスイブは熊のぬいぐるみの中で過ごす決意はしていた。


793 : 「人気の熊 彩加's side」 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/01/27(水) 02:44:03
そしてクリスマスイブ当日。
私はいつも通り、熊のぬいぐるみの中にいた。
すると珍しく、まだ外が明るいにお姉ちゃんが台車で迎えに来た。
(あれ?まだ明るいのに…どうしたんだろ?)
私はいつものように台車に乗せられ、奥の部屋へと運ばれていった。
するとお姉ちゃんが熊の背中のチャックを開け、私を中から引っ張りだした。
「ぷはぁ〜…、お姉ちゃん、まだ時間早くない?」
「うん、いつもより早いよ。でも今日はクリスマスイブだからさ、
 長丁場になると思って、休憩とお着替え♪」
「あ!そういうこと」
私はその言葉になんの疑いもなかった。
するとお姉ちゃんは私のタイツまで全部脱がし、
「トイレも行って来ておいてね、その間に着替え用意するから」
「うん、分かった」
お姉ちゃんに言われるがまま、少しの休憩とトイレを済ませる事にした。
そして、トイレも終わり帰ってくるとお姉ちゃんが新しいタイツを用意していた。
「彩加、今からはこれ着てね、特別製だから」
「ふ〜ん」
渡されたタイツを手に取るといつものタイツより少し厚手で、
すごく柔らかいウエットスーツのような不思議な素材だった。
そして、私はタイツを着る前にいつもつけるオムツを探した。


794 : 「人気の熊 彩加's side」 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/01/27(水) 02:45:20
するとお姉ちゃんが、
「あ?オムツ?いいよ、つけなくて。そのタイツは水分は通さないから」
「え!?」
「それにトイレも済ませてきたんでしょ」
「う…うん」
「とにかく早く着なさい」
少し意味が分からないとは思ったものの、毎度のお姉ちゃんペースに流されて、
全裸のまま、オムツもつけずにタイツを着た。
「オッケー、閉めるね」
お姉ちゃんはたたみ掛けるようにチャックを閉める。
チャックを閉められると、確かに水分を通さない感じが体全体から伝わる。
(…少し圧迫間があるのと、通気性が悪いせいか少し苦しい感じがあるなぁ…)
そんな事を考えながらも、いつも通り手足を曲げる。
すると手際よくお姉ちゃんは私の手足を固定した。
ここまではいつも通り、タイツの素材が違うくらいだった。

すると突然、私の視界が真っ暗になった。
(!?何…何か被せられた!!)
私は突然の出来事に、かなり動揺した。
そしてその何かは私の顔というか頭全体を締め付ける。
「うん〜ぅん、ぅう、うう!」
文句を言おうとしたが、何故か言葉にならずうめき声しかでない。
(あれ!?しゃべれない??なんで?)


795 : 「人気の熊 彩加's side」 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/01/27(水) 02:46:29
「今日は特別、顔もマスクをつけま〜す。夜になるとさ明るさの差で、
 ぬいぐるみの中が透けて見えちゃう可能性あるから、顔も真っ黒にしたの。
 あ!?鼻は穴が開いているから呼吸は出来るでしょ♪」
(あ…ホントだ…鼻で呼吸できる・・・って!そこじゃないでしょ!)
「うんう、うぅううぬんうぅぅ!!」
しゃべれない事に文句を言おうと思ったが、やはり声は出ない。
「しょうがないでしょ、これしか真っ黒マスクがなかったんだから…」
さらに抗議しようと思ったが、手足を折り曲げたまま固定された私になす術は無い。
私が観念したのが分かったのか、お姉ちゃんの悪ふざけが始まる。
「さてと…あとは私からのプレゼント♪」
そう言うとお姉ちゃんが私の股で何かをし始めた。
(…なに?…この股の部分の開放感は?)
すると、私の大事な所に何か入ってくる感覚があった。
(ん!…え!?今何か入った??)
「おおぅ…やっぱり彩加はこういうプレイ好きなんだねぇ…
 まさか何もする前から濡れてるんだもん…すぐ入っちゃった♪」
その言葉でお姉ちゃんが何をしているか理解した。
(!?もしかして、このタイツ…股のところが開くの?…でもって
 お姉ちゃん、何か私のあそこに入れた!?
 …しかも濡れてるって…姉妹とはいえ…恥ずかしい…)
「よ〜し準備完了!また熊に戻すね」
そう言って、またいつものように熊のぬいぐるみの中に入り、
台車で店頭へと運ばれた。見た目はいつも通り。
いつもと違うのは、タイツが特殊なため通気性が悪く体温が上がること、
視界はゼロとなり呼吸は鼻のみ、しゃべられない、
そして、私のアソコに何か入っていることくらい…全部、中身の事情だ。


796 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/27(水) 21:07:35
支援


797 : 「人気の熊 彩加's side」 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/01/27(水) 23:45:30
暫らくして、特別製タイツの効果を感じる。
12月の屋外、さっきまで熊のぬいぐるみの中はちょうどよいくらいの温度だった。
それが、少し暑く感じ始めた。
そして暑くなることで呼吸も少し荒くなる。
(…ちょっと呼吸しにくいな…やっぱ、鼻だけだと少し苦しいや…)
そう思うものの、耐えられない程ではなく、いつも通りお客に接した。
ただ視界はゼロのためお客の声を頼りに動いた。
数時間たっただろうか…視界も遮られたため時間感覚がなくなる。
すると、突然持ち上げられ台車に乗せられる感覚があった。
(あ!?…終わりかな?)
そして、いつもどおり奥の部屋へと運ばれた。
すると何故か、そこで男の人の声が聞こえた。
「咲、手伝いにきたよ」
「ありがと」
(…!?だれの声だろう??聞いたこと無い声だ…)
「で?咲、このぬいぐるみを『これ』に入れればいいのか?」
(これ??)
「うん、このダンボールに入れたいの♪」
(ダンボール!!どういうこと!!)
私は何を言っているのか分からなかったが、とにかくお姉ちゃんに
『何か』をされるという危機感は感じた。


798 : 「人気の熊 彩加's side」 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/01/27(水) 23:46:53
「じゃあ、せ〜ので持ち上げるわよ」
「分かったよ」
「せ〜の!!」
その掛け声と共に私は持ち上げられ、ダンボールに入れられた。
熊のぬいぐるみが軽く押し込められるくらいの大きさの箱らしく、
入ると、体に圧迫感を感じた。
(何?!何!)
「さてと、リモコンとメッセージをいれて…と…よいしょ…」
(!?ちょっと!!待って!!…何してるのよ!!)
「うぅぅう!!!うぅ!うぅ!!」
声を上げたが、やはり言葉にはならずうめくだけだ。
とにかくお姉ちゃんがやる事に危機感を感じた私は必死に抵抗した。
「もう…抵抗しないの…ちょっと手伝って」
「手伝うけどさ…ホントに大丈夫なん?」
「姉の私が大丈夫って言うんだから、大丈夫よ♪」
「ふ〜ん」
(大丈夫じゃない!!大丈夫じゃない!!お姉ちゃん、やりすぎだから!やめて!)
私は必死に抵抗したが、大人二人の力には敵わない。
熊の頭部を押さえつけられ、ダンボールに押し込まれる。
「ううぅう!!うぅうっ!!うう!」
(やめて!!お姉ちゃん!!無理だよ!無理!無理!)
その叫びもむなしく、ダンボールの蓋はとじられた。


799 : 「人気の熊 彩加's side」 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/01/27(水) 23:48:00
「ガムテープ貼って…と…よし…オッケー!!出来上がり!」
(だ…ダメだ…完全に封をされた………く…苦しい…出して…)
ただでさえ呼吸もしにくかったうえ、ダンボールに押し込まれたことで
体勢もきつくなり、いっそう苦しくなった。
「さてと、こっからは急ぎで運ばないと♪」
(…運…ぶ…?)
私の疑問など関係なく、ダンボールごと持ち上げられる感覚があった。
そしてどうやら車に乗せられ運ばれるらしい。
暫らく車の振動とエンジン音が聞こえる。
(…私は…物として…どっかへ運ばれてる…体勢も…きついし…
 …苦しいよ…早く…出して…)
すると、車のエンジン音が止まった。目的地に着いたらしい。
そしてまた、持ち上げる感覚を感じた。
(…もう…どこでもいいから…はやく…出して…ほしい…よぉ…)
外から人の声がしたが、ダンボールの中ではなんだか分からない。


800 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/27(水) 23:51:02
支援


801 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/28(木) 00:32:38

これ、着ぐるみはともかく全身タイツや日々のオムツ代、それにウェットスーツ生地の
全頭・全身タイツでけっこう金かけているのね<おねえちゃん


802 : 「人気の熊 彩加's side」 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/01/28(木) 23:32:30
意識が少し朦朧としていると、突然、頭部を押さえつける感覚がなくなった。
(…蓋が…開いた…)
そして誰かに抱えられた。
「彩加だよな?」
(この…声は光…!)
その瞬間私はおおよそを理解した。
お姉ちゃんは、私をぬいぐるみに入れたままダンボールに押し込み、
クリスマスプレゼントとして光のところまで運んできたのだ。
やりすぎのお姉ちゃんらしい発想だ。
私は必死に光にアピールした。
いつもと違い、かなりぬいぐるみの中が暑いこと、
呼吸がかなり制限されていること、そしてその状態で箱詰めされ
ここまで運ばれてきたため、かなりきつかったこと。
「うぅ〜う〜んむ〜ぅ…」
しかし、声に力もなく言葉にもならない。

・・・そして少しの沈黙が続いた・・・
(光に…伝わらなかったのかな…はぁ…はぁ…声も外に届かないのかな…)
私は視界も遮られているため、その沈黙がとても長く感じた。
そして、事態が急変した。


803 : 「人気の熊 彩加's side」 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/01/28(木) 23:34:51
突然、私の陰部に入ったものが動き始めたのである。
「ん…ん…うぅ…ん…う…ぅ…ぅ…ぅ…」
体は正直なもので、つい声がでてしまった。
(あ…や…やめて…ぅ…だ…ダメ…ちょ…ちょっと…)
ただでさえ、ぬいぐるみに包まれている事に快感を感じているうえ、
今日のタイツのせいで体温が上昇してきついこと、
呼吸が鼻からしか出来ず苦しいこと、
その重なる状況が、快感をさらに増幅させていた。

そして私はまた抱えられ、どこかに運ばれた。
柔らかい所に転がされた、どうやらベットの上のようだった。
すると陰部に入ったものがさらに激しく動き始めた。
「う…うぅっ!うぅ〜う!んぅ〜う!うぅ!うぅ!うぅ!」
(あぁ!!や…やめ…やあ…う…うぅ…ああ…だ…だめ…)
私は動けないながらも、体ごと動かしもがいた。
(いや…や…だ…だめぇ!!…こ…壊れる…い…いや…い…!!)
絶頂を迎えようした瞬間、また股間のものの動きが収まった。
(え!?…ちょ…ちょっと…何…)
私は逝くことは出来ず、ただ呼吸を荒げるのみだった。
(はぁ…はぁ…はぁ…く…苦しい…空気が…欲しいよぉ…)
体を上下に揺らし鼻だけの穴から空気を可能な限り取り込む。


804 : 「人気の熊 彩加's side」 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/01/28(木) 23:37:00
するとまた、股間のものが暴れ出す。
「うぅっ!うぅ〜う!ぅ〜う!うぅ!うぅ!うぅ!」
(!?あああ!!い…いやぁ…あ…う…ぅう…だ…だめ…無理ぃ!!)
そして暫らくしてまた逝きそうになると、また収まる。
「うぅぅぅ・・・」
(ふぅふぅふぅ…も…もう…無理…だよぉ…い…逝かせてよぉ…)
私は力なく、どこにいるか分からない光に訴えた。
すると、その訴えが光に届いたのか、
「そうだね、これで逝けるかな?」
また、股間のものが激しく動きはじめる。
「うぅ!ん〜ん!うぅ、うぅ、う〜う!・・・」
(あぁ!あ…あ…あっ…ぅ…ぅ…い…逝く…い!)
また動きが収まる。
「でも終わり〜あんな表情されたらさ・・・そんな簡単には終わらせられないよ」
(光…いじわる…い…逝かせて…お願い…だから…壊れちゃうよ…)
・・・
そこから何回か強弱が繰り返された。
もう半分、心がどうかなりそうになっていると
「そろそろ逝きたい?」
と光に聞かれたため、残る全ての力を使い、体ごと縦に振った。
すると、股間のものは今までにないくらいの動きをし始めた。
「う!うぅ!う〜〜〜う〜〜〜うぅ〜〜!」
(うぅぅああぅ!!あああ…こ…壊れ…ちゃう…いやぁあ…あ…あ…ああああ!!!)
「う〜〜う・う・う…ううううぅぅぅぅ…」
そして私はついに逝った。
全ての力が入らなくなり、倒れこむ熊のぬいぐるみ。


805 : 「人気の熊 彩加's side」 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/01/28(木) 23:38:40
・・・・・
暫らくして、光に抱えあげられた。
すると、熊の中に新鮮な空気が少しづつ入って来た。
(…あ…く…空気…)
私にはもう力も入らず、光に身を任せる他なかった。
そして、光は私をぬいぐるみの中から引っ張り出した。
体も起こせずその場にへたり込む…手足は折られ固定された状態で。

するとマスクが外された。
「んはぁぁ…はぁ…はぁ…はぁ・・・ぁ」
呼吸が一気に楽になったが、ほとんど私の思考は止まっていた。
今はただ、ようやく見えるようになった目から、光の姿を見つめていた。
突然、光が私にキスをしてきた。
そして、光は私の陰部に手を伸ばし、タイツの陰部のチャックを開けた。


806 : 「人気の熊 彩加's side」 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/01/28(木) 23:39:49
・・・
・・・
・・・
そして私と光は一つになった…私は手足は拘束されたまま。

ひと段落したところで、光が私に囁いた。
「さて戻ろうか…」
「え!?」
私は一瞬、タイツ越しとはいえ光の感触があるこの状況に浸っていたため
困惑したが、すぐに後の状況が理解できた。
…『ぬいぐるみ』として、光と一夜を過ごすこと…
「…うん…」
私は微笑みながら頷いた。
そして、またマスクを被せられ、ぬいぐるみの中に押し込まれた。
スッとまたチャックが閉められる。
これで、私はまた熊のぬいぐるみへと戻る。

そして、ぬいぐるみとして光と共にベッドで眠りについた。

私と光の不思議な関係は今も続いている。

   -おわり-


807 : ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/01/28(木) 23:50:02
長々と駄文にお付き合い頂きありがとうございました。
前作「人気の熊」ありきで書いたため、わかりにくいところも
あったかとは思いますが、お許しくださいませ。
また次回作ができましたらアップいたします。


808 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/29(金) 03:40:20
相変わらず熊から脱出後の合体らへんが特に神
そういえばマスクを取ったっていうことは頭はもじもじ君なわけだな
それに手足を折り曲げられた状態で合体って本当羞恥心を煽る格好だなw


809 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/29(金) 12:05:34
乙ー
荒しにも負けずにsidestoryをよく頑張った!感動しました!

>私と光の不思議な関係は今も続いている。
イイハナシダナー


810 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/29(金) 16:17:07
乙でした
ものすごく良かった!
おいそのが荒らしに来る時は名作の証拠、の法則通りの超名作だった


811 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/29(金) 21:12:29
着ぐるみ小説スレ 第7章

これをどうしても見つけることができない。。。

どなたかお力添えを...お願いします。


812 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/01/30(土) 01:25:46
確かに言われてみれば見つからないなー
なんでだ?


813 : ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/01/31(日) 20:52:40
また時間がある時に、以前アップさせて頂いたものも
pixivにあげる予定です。
…まだpixivを使っておりませんが。
皆様のご意見、ありがたく受け止めております。
ありがとうございました。


814 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/01(月) 23:29:38
誰も魚拓とってないから
長い住人は知ってると思うけど、ここの掲示板一度落ちたからな


815 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/01(月) 23:37:54
つーか掲示板落ちたのってなんだったの?
何か知ってる奴いたら雑談に移動して教えてもらえないか


816 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/02(火) 04:10:40
>>815
その雑談スレの392から410あたりに色々書かれてるね
まあ憶測に過ぎないけど


817 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/02(火) 20:58:26
着ぐるみ小説スレ 第7章

ここの内容はまさに名作だらけだった


818 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/02(火) 23:13:08
>>813
乙でした!期待してまってます!


819 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/04(木) 21:32:29
第7章ってどんなんがあったんじゃ?


820 : シャチ屋内編 :2016/02/11(木) 17:59:33
部屋の真ん中にシャチがいる。
といっても本物ではない。夏場の海でよく見るシャチの形をした浮輪だ。
パンパンに膨らんだフォルムとクリリンとした愛嬌のある目が可愛い。
背中には取っ手があるので乗ることも出来る。

自分の手元にはリモコンが。試しにスイッチを入れてみる。
するとシャチはヒレや尻尾を動かしながら嬉しそうに踊る。

リモコンには+-と書かれたスイッチが。+を2回押す。
シャチは先程よりも激しく動く。時折何かの声が聞こえるが、きっと外で子供が騒いでいるのだろう。

今度は逆に-を押してみる。
シャチの動きが静かになった。

再び+を押す。動き出すシャチ。
-を押す。静かになるシャチ。
これを何回か繰り返す。シャチの反応を見てると面白い。

ここで自分は独り言を言ってみる。
「あ〜あ、何だか飽きて来たな〜。そうだリモコンを置いてコンビニに行こう。」
一度リモコンのスイッチを切る。
シャチはスイッチを切っっているのに動いている。息をするように体全体が上下に動いてる。

「さてジャンパーを着て・・・・と見せかけてのスイッチON!!」
自分は素早い指さばきでスイッチを入れ、+を連打する。
シャチの体が一瞬浮いた気がする。そして激しく体を揺らし、ピクリとも動かなくなった。

自分は慌てることなく、シャチの胴体の横にある栓を抜く。
「シュー」と空気が抜ける音とともにシャチが萎んでいく。
萎んだシャチを腹が上になるようにひっくり返す。
シャチの腹にはチャックが。開けていく。

開けると中に何かが入っている。それを引っ張り出す。
黒い人の形をした物が出て来た。全身が真っ黒で、頭と思われる所にはガスマスクが被らされている。
ガスマスクにはホースが付いており、ホースの先がシャチの口に繋がっている。
ガスマスクを剥がす。のっぺらぼうの黒い顔がでてきた。鼻のあたりにポツポツと小さな穴が沢山空いている。

その時、人の形をした何かが小刻みに震えながら動き出す。
「おっ!?今回は目覚めが早いな。」
人の形をした物を背中に負ぶって風呂場に向かう。

自分は再び独り言を言う。
「お前はホント変態だな。」

「・・・それはあなたもでしょ♡」

今のは空耳だろう。そう思いながら人の形をした物の顔面を、水を入れた洗面器にぶち込んだ。
頭をあげれないように後頭部を押さえる。
息がしたいのだろうか?ジタバタと暴れる。

「まだ攻めは終わってないぞ?次は半魚人になってもらうけどいい?」



おわり


821 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/11(木) 20:53:22
支援! GOOD


822 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/13(土) 20:52:38
座ることによって椅子になる着ぐるみチェア
ttp://www.roomie.jp/2013/10/106202/
誰かこれで一本・・・


823 : ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/02/16(火) 20:40:32
次のが出来ましたので、投稿させて頂きます。
今回はエロ要素はございませんのであしからず。


824 : 『一言の災い』1 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/02/16(火) 20:44:03
(あ…私今…怪獣にはいってるんだっけ…)
そう、私は怪獣の着ぐるみを着てステージに倒れている。

それは今日の朝から始まった出来事だ。
私の名前は『平井 千夏』
普段は会社員、週末はキャラショーのアクターという顔をもっている。
ショーの経験も、そこそこになり最近は『スイートプリンセス』の主役をやっている。
『スイートプリンセス』通称スイプリは、女の子に大人気のアニメで、
ショーのほうはアクション・ダンス有りのなかなか大変なショーだ。

そして今日もスイプリのショーに行く予定だった。
夏真っ盛りなため、今日もそれなりの覚悟で朝早く事務所に向かった。
「おはようございます」
私は事務所のドアを開け、中にいた先輩に挨拶をした。
すると、先輩が急いだ口調で、
「お!千夏!今日、コスモマンの現場、一人病欠でだめになっちゃてさ」
「はぁ…それは大変ですね」
コスモマンは巨大ヒーローと怪獣が戦う番組のショーのため、
普段は男性ばかりで、私には全く未知な世界だった。
なので、私の返答も他人事の空気は出てしまったかもしれない。


825 : 『一言の災い』2 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/02/16(火) 20:45:16
「ん〜大変なんだよ、でさ、千夏、コスモの現場に行ってくれ」
「あ、分かりました・・・って、何言ってるんですか!
 私、一度もコスモマンの現場なんてやったこともないです!」
「大丈夫、大丈夫、周りはベテランだし、千夏なら何とかなる!」
「他の男の人は?私、女ですよ!」
「衣装が小さいから代わりに着れる男がいないんだ」
確かに私は女の子では身長はあるほうだ。
「で、でも、リハーサルもやってないし、第一、スイプリの方はどうするんですか?!」
「スイプリの方はスライドして、代役見つかってるから。
 リハも大丈夫、普段『スイプリの主役』やってるお前なら、
 アクションも対したことないって。
 とにかくピンチなんだ、頼む」
なんだか腑に落ちなかったが、とにかく事務所のピンチは放っておけない。
「分かりました…で、私は何をやればいいんですか?」
「ありがと!キャスティングは怪獣ミジール、よろしく!」
「怪獣!?」
私は、アニメのヒロインと戦隊ものしかやったことが無かったため、
怪人ではなく怪獣的なものは見たことすらなかった。
「だ…大丈夫ですかね…」
「大丈夫、スイプリより楽なものだろ」
「ま…まあ…分かりましたやってみます」
そうして、勢いで現場に向かうことになった。


826 : 『一言の災い』3 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/02/16(火) 20:46:41
行きしなの車の中で、ショーの内容を確認した。
「ところで、台本とかは?内容、全く知らないんですけど」
「あ!内容?極めて、簡単だから。
 ザックリで、最初にきっかけでステージに出て、ヒーローとアクション。
 そこでやられてステージに倒れてて。
 悪の親玉がきて復活させるから、復活したら最後のアクション。
 それで、必殺技でやられてステージからはければ終わり。
 簡単でしょ、アクションも最初と最後同じでいいから、今日1回ショーだし」
「わ…分かりました…」
(ほんとにザックリしてるな…スイプリと比べればセリフもないし、
 ダンスも無いから、なんとかなるか…)
少しの不安もあったが、なんとかなると思い現場に向かった。

現場に着き、いつも通りの準備を済ませリハーサルを始めた。
先輩たちは、初めての私に気を使ってくれたのか、
「千夏は移動だけ覚えてくれれば、こっちがうまくやるから」
「え?それで…大丈夫なんですか?」
「大丈夫、俺がつかみかかって勝手に投げられたりするから、
 後は攻撃をくらったら、派手にリアクションしてくれればオッケー」
「分かりました」
そして、なんとなくのリハーサルが終わった。


827 : 『一言の災い』4 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/02/16(火) 20:48:10
夏のとても暑い日なので、リハーサルを軽くするだけで汗だくだ。
「私、何もしてないのに汗だくですよ」
「しょうがねぇな、夏だから」
そんないつもの会話をしながらテントに戻った。
すでにテントの中もかなりの温度になっている。
すると先輩が、
「ステージと階段も確認しておけよ、特に千夏は階段上るだけで大変だから」
「あ!やっぱり、怪獣だと階段大変なんですか?」
「当たり前だよ…ま…やれば分かる」
そうは言われたものの、私は高をくくっていた。
(とはいえ、所詮は数段の階段だし大丈夫でしょ)
そう思いながらステージと階段を確認した。
「あ…ステージ、屋根なしなんですね。
 直射日光はショーの時はやめてもらいたいですね」
「そうだな…」
夏のショーのステージは直射日光は恐ろしく体力を奪う。
少しでも日陰になることを願いながら確認を終えた。


828 : 『一言の災い』5 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/02/16(火) 20:49:33
またテントに戻り、衣装を確認する。
「千夏の怪獣ミジールはこれな」
そういって先輩がダンボールから衣装を出した。
「うわ!すごいですね…これ」
私は初めて見る怪獣に興味津々だった。
「ちなみに千夏、ミジールは基本は四つん這いな」
「え!?」
「モチーフが亀だからな。まあ…衣装の構造上、直立しようとしても出来ないけど」
「そ…そうなんですか??ちょ…ちょっと着てみてもいいですか?」
「着てもいいけど、着るのすごく大変だから、今着るより
 ショー前に早めに来て確認したほうがいいんじゃない?」
確かに着るのに時間が掛かるなら、今着て、また脱ぐよりそのほうが効率がいい。
「そうですね、じゃあショー前に早めに着ます」
(…1時間前は早いから、45分前くらいかな…)


829 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/16(火) 22:20:24
紫苑!


830 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/16(火) 23:28:55
支援!
ももぴさんにまた小柄な少女の着ぐるみ書いて欲しい!


831 : 『一言の災い』6 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/02/17(水) 22:39:26
そうして、ショーの45分くらい前を向かえ衣装を着てみることにした。
いつものレオタードを着て、頭に被る顔の穴あきの面下タイツを探した。
「あれ先輩、面下のタイツは?」
「あ、これこれ、怪獣の時はこれをつけるんだ」
そういって先輩が渡してきたのは、目の部分と鼻のところだけに穴のある
厚手の硬いタイツのようなものだった。
「これ、口も覆われるんですか?」
「ああ、怪獣の時は覗きから中が透けて見えないように、これなの」
「そ…そうなんですか…」
スイプリや戦隊では見たこともないものだったが、
コスモマンの現場が初めての私は信じるしかなかった、
普段はそんなものは被ってないとは、知るよしもなく。
とにかくその渡されたものを被る。すると先輩が
「じゃあ後ろ閉めるから」
そう言って、後頭部のチャックを閉める。
(お…思ったより小さい…顔が圧迫されるな…)
目と鼻の位置を合わせ、視界と呼吸を確保する。
(口で息できないってのは…結構苦しいな…でも、慣れかな)
「よし千夏、じゃあ衣装着るか」
「ふい」
返事はしたものの頭に被ったもののせいで、はっきり発音が出来なかった。


832 : 『一言の災い』7 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/02/17(水) 22:40:48
横たわった怪獣ミジールの背中から足を入れていく。
(よいしょ…ん…なかなか入らないな…)
足も中身がタイトに出来ているため、中々入っていかない。
全力で足を突っ込みながら、なんとか足を入れる。
(ん〜…ふん!よ!…よいせ!…うぅん…よっと!!)
なんとか足が先まで入った。
体全体で力を入れていたので、かなりの労力、
そして口の覆われたマスクを被っているため、呼吸が乱れる。
「ふぅ…ふぅ…ふぅ…」
しかし、口では呼吸が出来ないため、鼻からの呼吸音が大きくなる。
(こ…これ…ホントに着るだけで疲れるな…)
呼吸を少しでも整えようとしていると先輩が、
「じゃ、体と頭も入れようか!」
(え!?すぐ?)
少しためらったが、先輩たちはなんの躊躇もなく、私を怪獣ミジールの中へと押し込む。
その勢いと『ノリ』に抗うことなく、私も衣装の中へ腕を入れ
そして体と頭を入れた。


833 : 『一言の災い』8 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/02/17(水) 22:41:53
頭を怪獣の頭部に突っ込みながら、手も通していく。
(あ…意外と怪獣の頭の中って空間がないんだ…)
私はスイートプリンセスや戦隊の面の中はよく知っている。
スイプリの面の中もかなり空間がない。
しかし、想像で、こういう怪獣は衣装が大きいから、スイプリなんかよりも
面(怪獣では頭が入る部分)は中はゆったりしていると思い込んでいた。
(へぇ〜意外…結構、顔に中がくっつくんだ…)
背中のチャックを閉めてはいないが、完全にミジールの中に納まった。
すると先輩が
「じゃあ、閉めるぞ」
そういって、背中のチャックが閉まった。
(ん…閉めると顔も体も、結構閉められるなあ…)
私でこのサイズなのだから、確かに小柄な男性以外は着れないだろう。
そうして、怪獣ミジールは完成した、ショー30分前。


834 : 『一言の災い』9 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/02/17(水) 22:43:05
私は起き上がってみようとした。
しかし怪獣ミジールの手足の短さに体の動きはかなり制限された。
(け…結構動きにくいぞ…ん…どうやったら立ち上がれるの?)
とはいうものの、スーツアクターとしては衣装に負けてはいられない。
とにかく四苦八苦しながらなんとか起き上がろうとする。
傍から見れば、ミジールがただ、寝転びながらもがいているようだろう。
しかし、中身の私は必死だった。
(よ…足を踏ん張って…手は支えにならないから…体で…よいしょ!)
何とか起き上がり中腰で立つところまでは出来た。
しかし中腰のところからはどうやっても直立は出来ない。
(な…なんで………あ!?)
私の直立を邪魔するものはミジールの尻尾だった。
(この尻尾がつかえて、これ以上起きれないんだ…)
尻尾のせいで直立出来ず、中腰前のめりの状態になった。
衣装の特性上、足も伸ばすことは出来ない。
(この体勢は…ちょっと…き…きつい…)
私はまた手を地面に付き四つんばい状態となった。
その瞬間、その行動を見ていた先輩が
「な、直立出来ないだろ。ミジールは二足歩行じゃないから、そういう作りなんだって」
「わ…わふぁりました…ふぅ…ふぅ…ふぅ…」
一回立ち上がっただけで、かなり息が上がる。


835 : 『一言の災い』10 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/02/17(水) 22:44:32
「ちなみにさ怪獣は衣装が分厚いから、パンチとか直であたっても大丈夫だから」
「ほ…ほうなんですか…」
「うん…試しに…ほれ!!」
そういって、先輩は私のおなかにパンチを入れてきた。
(ん!?た…確かに、今当たった感触はあったけど、全然痛くない)
「痛くないだろ?」
「ふぁい」
ボフっと言う感触はあったが、痛みは全く無かった。
「だからアクション中は、この感触があったらリアクションしてくれればオッケーよ」
「わふぁりました」
確かにこれが合図になるから、スイプリとかの目で追いかけるより分かり易い。
「さて千夏、ショーまであと25分だけど、どうする?脱ぐ?」
着るのに15分掛かったため、脱いでまた着るには非常な時間である。
「とりあえずこのまま、頭だけ出し…」
「あ!?このままね、分かったよ!じゃあよろしく」
(え!?ちょ…ちょっとまってこのまま!?)
とにかく一回チャックを開けてもらい、上半身と頭を出そうと思ったが、
それを伝える前に先輩の声に遮られ、このまま放置されることになった。
少し外の空気を吸いたい感はあったが、脱ぎ着をする労力を考え、
このまま待つことにした。


836 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/17(水) 22:52:11



837 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/18(木) 19:35:26
支援!


838 : 『一言の災い』11 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/02/18(木) 21:49:51
中腰はきついので、横向きに寝転がることにした。
真夏のテント内はただでさえ蒸し暑くなる。
普通にいても暑いのに、今私は怪獣を着たままいるのだ…
当たり前のように暑い。
(…なにもしてないのに、じわじわと暑いなぁ…とにかく待つか…)
ただ待つだけではあるが、寝るわけにもいかない、
なにせショーまで20分そこしかないのだから。
テント内にただ放置されている怪獣ミジール。
周りの先輩たちは、その存在に気付かないと言わんばかりに、
たわいもない会話をしている。
そう…今私は『千夏という人間』ではなく、
怪獣ミジールの衣装としてテント内に存在しているのだ。
そのまま時が進む。
(…今、ショーが始まる何分前なんだろう…?)
衣装を着ているので、時計も確認出来ない。
視界も悪く、周りの声も聞こえにくい状況だと、時間概念も分かりにくくなる。
かなりの時間が経った気がした。
(…もうそろそろ始まるかな…?)


839 : 『一言の災い』12 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/02/18(木) 21:52:23
そう思っていると、司会のお姉さんである瑞穂さんの声が聞こえてきた。
「千夏ちゃん!…大丈夫?」
「だいじょうえふ…」
私は寝転がったままその問いに答える。
「もうそろそろショー始まるから、あと3分くらいね」
「わふぁりました…」
私はようやく時間も分かりショーを始める準備をする。
ショー前からすでに汗だくである。
体を起こしたが、立とうとすると中腰のきつい体勢になるため、
四つん這いの状態でスタンバイすることにした。

そして、ショー開始時刻。
瑞穂さんがステージにでていく
「みなさ〜ん!こんにちわ〜!!今日は・・・」
いつも通りの喋りがはじまり、ショーが始まる感覚が高ぶる。
この感覚はスイプリの時も同じである。
そして、瑞穂さんがステージを降り、お話がスタートした。


840 : 『一言の災い』13 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/02/18(木) 21:53:51
少しのナレーションが入り、怪獣ミジールの登場となる。
そして、きっかけとなる音が入り、ステージ上へ上がろうとした。
(よ…よい…しょ…あ…あれ!?階段が…あがれない…)
ステージの袖にある階段が中々上がれない。
(ちょ…ちょっと…やばい…よ…間に合わない!!)
怪獣を着ると、いつもスイプリでトントンと上がる階段が、
こんなに上がれないものだと感じる。
焦っていると、
「とにかく早く出なさい!!」
そう言って、階段の下から押し上げてくれたのは瑞穂さん。
しかし、着ぐるみプラス中身の私、女性一人で押し上げられる重さではない。
すると音響を担当していたスタッフも手伝ってくれて、
何とかステージ上に上がった。
ステージに上がるだけで、そうとうの労力、既にかなり息は上がっていた。
(はぁ…はぁ…はぁ…なんとか…あがれた)
ステージの真ん中で大きく暴れる演技をする。
すると、ヒーローの声が、
「やめるんだ!!」


841 : 『一言の災い』14 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/02/18(木) 21:54:58
颯爽と登場するコスモマンのコスモシルバー。
「この会場の子供たちは俺が・・・(略)・・・いくぞ!」
そしてアクションが始まった。
先輩は攻撃は当ててくれるので、リアクションはとり易い。
そして予定通り、私が手を跳ね除ければやられてくれる。
転がる時は先輩が反動をつけて押してくれる。
(分かりやすい!ありがとうございます!)
それでも、それなりに動くので呼吸は荒くなる。
(はぁ…はぁ…はぁ…もう…とどめだよね…)
そろそろきついと思い始めた頃、ヒーローの必殺技が。
「コスモ…ライザー!!!」
ビームが放たれ、ミジールに直撃する。
…そして私はステージの中央後ろに倒れこんだ。

「みんな大丈夫だったか?俺は・・・(略)」
コスモシルバーの話が始まり、数分間。
しばらく話すと、シルバーはステージを後にし退場した。
入れ替わりに瑞穂さんが、ステージ上に出てきた。
「みんなコスモシルバーのおかげで・・・(略)」
ここから、瑞穂さんが子供たちにピンチの時の話が始まる。
「みんな、コスモマンがピンチの時には・・・(略)」


842 : 『一言の災い』15 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/02/18(木) 21:56:48
ミジールが必殺技をくらってから、コスモシルバーが帰るまで数分、
そして瑞穂さんの話が5分を超える。
この後、悪の親玉が来て、ミジールを復活させるまで数分の予定。
その間、私はステージ上でやられたままである。
真夏の炎天下のステージ。
ただ着ているだけでも暑い衣装なのに、ステージ上は日向、これは暑い。
しかも私はやられている事になっているため、動くことは出来ない。
ただ、この暑さに耐えながら待つしかない。
(あ・・・暑い・・・)
汗が目に入りしみる。
私の見にくい視界には青空がうっすらと映る。
ステージ上で動けないまま、ただ青空を見つめながら待つ時間はとても長く感じる。
軽く意識がぼーっとする。

(あ…私今…怪獣にはいってるんだっけ…)
そう、私は怪獣の着ぐるみを着てステージに倒れている。

やることも無く色々なことが頭を巡る。


843 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/18(木) 22:14:02



844 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/18(木) 22:55:07
怪獣ミジールって、バラゴンみたい。


845 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/19(金) 11:50:26



846 : 『一言の災い』16 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/02/19(金) 21:51:57
よくよく考えてみると、私は仰向けに倒れ手足を開いた状態、
まるで車に轢かれたカエルのような体勢である。
それは、ミジールという怪獣が倒れていると思えば自然だが、中身は20代の女の子。
自分が手を広げ、足をがに股の状態で広げてステージ上で寝ていると思うと、
急にとても恥ずかしくなった。
(…い…衣装着てなかったら、自殺ものの格好だよ…)
しかしながら、その体勢で待つしかない。

そして容赦なく日差しは、私を照りつける。
(あつ…い…はずかしい…なんで…私がこんなこと…)
次第に着ぐるみ内の温度もかなり上昇し始めた。
(き…きつ…い…脱ぎたい…)
とにかく衣装を脱がして欲しい、そう思い始めたが、
この後まだショーの後半があり、アクションもあることは変わらない。
(…後半…もつかな…)
私は、以前先輩たちに、スイプリのほうがアクションの後、ダンスもあるのだから
大変だと言った事を思い出した。
(…前言撤回…ごめんなさい…これは…かなりきついです…)
そんな後悔をしつつも、ひたすら待った、
女の子の格好ではない体勢で日差しを浴びながら。


847 : 『一言の災い』17 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/02/19(金) 21:53:28
すると意表をついた瑞穂さんの声が聞こえてきた。
「みんな、ミジールはきっと悪い怪獣じゃないよ。みんなの声で目を覚まさせてあげて!
 名前を呼んで、正しい心を取り戻してもらおう!いくよ、ミジ〜ル〜!」
(!?え…聞いてないよ…何?)
「目を覚まして!」
するとキラキラとした効果音が入った。
(…こ…これは…起きろってこと?)
私は力を振り絞り体を反転させ、また四つん這いの状態に戻った。
「ミジール、やっぱりあなたは良い心を持っているのね」
(…どういう展開なんだろう…任せるしかないか…)
「じゃあ、せかっくみんなに力をもらったことだし、良い心になった証拠に
 みんなの知ってる歌でダンスとか披露してよ」
(!?な…何言ってるの…瑞穂さん!ダンスなんかしたら…)
必死に無理だということを訴えようとしたが、瑞穂さんはそんな私を見て、
「そっか、やってくれるんだ、さすがミジール!」
(無理!…無理です!)
「ミュージックスタート!」
瑞穂さんはお構いなく話を進める。
すると聞きなれたイントロが始まった。
(スイプリの曲だ!?)
流れてしまった以上、もうやるしかない。
しかも散々、スイプリのショーの時には踊っている曲、振りは完全に体にしみ込んでいる。
違いはスイプリの動きやすい衣装か、直立すらままならない怪獣の衣装というところ。


848 : 『一言の災い』18 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/02/19(金) 21:56:40

とにかく私は必死に踊った。

同じ振りは到底出来ないが、それとなく近い動きは出来る。
傍から見れば怪獣が無様に動いているだけに映っているかもしれないが…

スイプリですらダンスはきつい。
怪獣で動くには恐ろしい程の体力を使う。酸欠で意識が飛びそうになる。
(あ…あと…少しで…お…終わる…)
そして曲の最後で決めポーズ。
「さすがミジール!!すごい、完璧だよ!」
(ふぅふぅふぅふぅ…く…空気…空気が…ほしい…し…死んじゃう…死んじゃう…)
私は体ごと呼吸をしているため、ミジールは大きく上下していた。
激しく動いたせいで、体温も衣装の中も恐ろしい温度となっていた。
「さて…じゃあもう一曲…」
(!?無理…無理無理無理…いや…いやぁぁ!)
瑞穂さんのその言葉に、本当の危機を感じた。
しかしその瑞穂さんの言葉を遮るように、悪の親玉の声が聞こえてきた。
「いい加減にするのだ、ミジールよ」
悪の親玉の登場だ。


849 : 『一言の災い』19 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/02/19(金) 21:57:57
「ミジールよお前は闇の怪獣だ、目を覚ますのだ…はぁ!!」
そしてビリビリといった効果音が入った。
(…私は…悪い怪獣に…なればいいの…?)
「ようし、これでお前は元通り、闇の怪獣だ。子供たちにもらったパワーは
 ありがたく頂戴するがな!さあ、地球を滅ぼすのだ!」
(わ…私は悪くなったの…ね…これで…シナリオどおり…か)
会場を襲う演技をしようとするも、もうほとんど前に進む力すらない。
すると瑞穂さんがヒーローを呼ぶ。
「そんなことはさせない、みんな!コスモマンを呼ぼう、コスモマ〜ン!!」
「待て!!」
コスモシルバー、コスモゴールドの登場である。
そして、対峙するヒーローと悪側。
「予定どおり二人とも来たか。パワーアップしたミジールの力を味わうがいい」
「それはどうかな?いくぞ!!」
そうして最後のアクションが始まった。


850 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/19(金) 22:22:07
キター


851 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/19(金) 22:38:39



852 : カニ ◆zYQ/uWRKn. :2016/02/19(金) 22:52:46
冬といえばカニの季節。
僕は旅行で北陸を訪れていた。
活気のある市場の中で一際目を引いたのが、カニがたくさん並べられた冷蔵ケースの上に吊られて動いている大きなカニ。
作り物であることはすぐに分かったが、気になったのはその動き。
機械とは思えないような不規則な動き、時々動かなくなり休憩しているようにも見える。
ただ、ヒトが入るにしては小さ過ぎる、甲羅の大きさはザッと見ても70cmほど。

カニも買わないのに、そのカニを冷蔵ケースの前で見上げているのも不自然なので一旦そこから離れた。
離れて見ていると、冷蔵ケースの前からお客さんが引いてしまうと、店の主人らしき人はカニの甲羅の下の方から出ているコードを手繰る。
そしてその先にあるスイッチらしきものを操作すると、カニはビクッとした後、また動き出した。

やはり、不自然だと思ったが予定通り次の観光地へと向かった。
観光している間もあのカニが気になって、再び市場へと戻った。

戻った時には市場はすっかり落ち着き、中休みといった雰囲気。
例のカニのところへ行くと、冷蔵ケースのカニはすっかり売れてなくなっていた。
そして吊られていたカニは、大きな発泡スチロールの中に片側の脚を全て出した状態で収まっていた。
店の主人もおらずその大きなカニは放置されていた。
カニの甲羅の下から伸びるコードの先にはリモコンが有り、オフと強、弱の文字。

”弱”のスイッチを押してみる。
「あぁぁぁ」カニから確かに女性の声がした。
そしてカニは動きだす。
僕はビックリしてスイッチを握ったままコードを引っ張ってしまった。
すると、コードはカニから抜けて先には男性器のような形をしたモノが。
それはブルブルと振動している。

カニは動かなくなったが、僕はその男性器が抜けた箇所が気になり、指を入れてみた。
”あったかい!”
そのまま指を奥へ入れて搔き回すようにすると、カニからは先ほどよりも大きな声を上げた。
と同時に僕の後ろから「コラッ!」怒鳴り声が聞こえた。
振り返ると、店の主人が鬼のような形相で立っていた。
僕は「ゴメンなさい!」と言って慌ててその場を立ち去った。

その後は店の主人が怖くて市場には近寄っていません。

僕の推測ですがあのカニには、体の柔らかい女性が頭の後ろで足を組んでカニに入っていたんじゃないかと思う。
甲羅の下から延びていたコードの先はおそらく…。



おしまい


853 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/19(金) 23:01:54
ttp://s.eximg.jp/exnews/feed/Curazy/Curazy_50235_24.jpg
こういう体勢ということか


854 : ティラノちゃん ◆zYQ/uWRKn. :2016/02/20(土) 00:29:57
俺は仕事で営業をしている。
ある日、たまたま地元近くの大きな駅に立ち寄った際、恐竜のイベントがやっていた。
その駅の近くのイベントホールで恐竜の化石や骨、卵を展示するということだった。

チラッとイベントを覗いて仕事に戻ろうとした時、舞台裏から大きな卵が運ばれてきた。
「今日は会場にティラノちゃんが来てくれました!」
「みんな!ティラノちゃんって呼んであげて」
司会の女性が会場に来ていた子どもたちに呼びかける。
子どもたちは、バラバラだが大きな声でティラノちゃんと声をかける。

卵から飛び出すのかと見ていると、司会の女性はハンマーのような物を取り出すと卵を叩いた。
卵は割れることなく転がり、舞台の端で見ていた俺の方へ転がってくる。

そして落ちた!
そこそこの高さから落ちて鈍い音ともに卵が割れる。
そして中から緑色の粘度のある液体が殻から漏れ出る。
俺の周りも司会の女性も驚いていた、しかし一番驚いたのは俺だろう。
卵から「キャッ」という女性の悲鳴が聞こえたのを聞いたからだ。

割れた卵からは緑色の粘液にまみれたリアルなティラノサウルスが出てきた。
そして俺と目が合うと慌てて舞台に登ろうとするが、粘液に脚を取られて登ることができない。
すぐに男性スタッフが飛んできて、ティラノちゃんを舞台へと押し上げた。

そしてティラノちゃんは粘液で脚を滑らせながらヨタヨタとした脚取りで、司会の女性の横に並ぶ。
「ゴメンね」司会の女性が声をかけると、大丈夫と言わんばかりに元気な姿をアピールしていた。

しかし、俺の中では中には一体どんな女の子が入っているのか、そしてティラノちゃんの着ぐるみを着て卵に閉じ込められていた彼女はどんな気持ちだったのか想像していると、アソコが熱くなり硬くなるのを感じ、その場を離れた。


855 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/20(土) 01:44:18



856 : ティラノちゃん ◆zYQ/uWRKn. :2016/02/20(土) 09:20:17

遠く離れた高い場所からイベントを眺める。
そこからは舞台裏も少し見えた。

司会の女性がイベントの詳しい情報をパネルで説明している間に、ティラノちゃんが舞台裏にはける。

舞台裏のテントへと入っていくティラノちゃん。
少し遅れて女性スタッフも中へ。
そして、しばらくするとまた別の女性スタッフもテントの中へ消えていった。
そしてティラノちゃんの着ぐるみを持って外へ出てきた。
あの子が入っていたのか?
でも、さっき入っていた女性スタッフのようでもある。
あと2人出てきたらどちらがティラノちゃん!
見極めてやろうというより、着ぐるみの中の女性を見たい一心でテントの出入口を凝視する。
着ぐるみを着ていたのだから、暑いのでラフな格好をしている。
そう思いテントを睨む。

そこへタイミング悪く得意先から電話がかかってきた。
慌てて手帳を取り出しスケジュール確認をして、テントに目を戻すとイベントが終了したようで司会の女性もテントの中へ。
司会の女性も着替えて出てきたあと、男性スタッフがテントの入口を閉め、全員引き払ってしまった。

その後、仕事に戻ったがティラノちゃんのことがずっと気になって仕方なかった。
で、スマホで検索するとイベントはあと一週間あることが分かった。
動画もアップされていたので、見てみたが動きからも、やはりティラノちゃんの中身は女性であることを確信した。
しかし、仕事が多忙で気づけばこの恐竜イベントは終わっていた。


857 : ティラノちゃん ◆zYQ/uWRKn. :2016/02/20(土) 10:44:18
ティラノちゃんのことが気になり、その後自宅のパソコンでも色々と検索をしていた。
で、妻と共用で使っているので当然妻にもバレた。

そして、ティラノちゃんの卵が舞台から落下して俺の前で割れた事件を説明し、中身が女性であることが気になり調べていたことを話した。
妻はふーんといった感じで聞いていて、「中身の女性のこと分かったの?」と。

「いや、分からなかった」と答えた俺に「そうでしょうね」と。
なにか追求があると俺は思っていたが、妻の追求はなかった。

「じゃあ、俺寝るわ」と妻に声をかけ寝室へ。
俺が寝たあと、妻は風呂に入り1日の仕事を終えてのんびりするのが、最近の習慣になっていた。

しかし、その日は何かが違った。
俺がベッドでスマホをいじっていると、扉がゆっくりと開く。
妻には目もくれずにスマホをいじり続けていると、肩に尖ったものが当たる。

「何?」そう言って振り向くと、そこには恐竜⁉︎ティラノサウルス⁉︎
ビックリしてベッドの反対側へ落ちた。

「ははははは〜」笑い声が聞こえてくる、恐竜から。
ベッドの向こう側から頭だけ出して覗くと、短い前脚をバタバタさせて恐竜が笑っていた。

俺が拍子抜けした声で「ティラノちゃん?」と聞くと、ティラノちゃんは俺の方へ片腕を突き出し「正解!」と。

そう、ティラノちゃんの中身は妻だったのだ。

ベッドの向こう側でまだ近寄らずに見ていると、ティラノちゃんの短い前脚がダラリとなると、そして体を左右に振りだした。

しばらくすると、口から黒いモノが出てきて、ティラノちゃんは口を大きく開き床に落ちた。


858 : ティラノちゃん ◆zYQ/uWRKn. :2016/02/20(土) 14:12:12
代わりに現れたのは顔までもすっぽりと黒い全身タイツで覆った妻。
頭の後ろファスナーを下ろし、ようやく妻の顔が出てきた。

話によると、1日家事してるのも退屈になってきたから、イベントホールで働いている友人になにか仕事がないか聞いたら、短期バイトと言ってティラノちゃんの着ぐるみに入るバイト紹介してくれたそうだ。
もともと、妻は外で仕事をバリバリしていた、結婚後は専業主婦でいくと宣言していたが、子どももいないので退屈になったのだろう。
1ヶ月限定で身長150cmほどの人を探していたからちょうど良かったそうだ。

「ビックリしたわ!あの時は」そう言って話し出す妻。
それは俺の前に卵ごと落ちてきた時のことだ。
「だって、卵は舞台から落ちるし、出てきたらあなたがいるんだもん!慌てて舞台に戻ろうとしたけど、ローションで滑って全くダメだったわ」と。

妻の話ではいつもはローションを卵に少ししか入れないのに、あの日に限って卵の半分以上入れられて卵が割れにくくなったそうだ、そのため女性司会が力一杯割ろうとして事件は起こった。

それで俺はティラノちゃんに興味を抱くことになった訳だが。


859 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/20(土) 14:18:46
支援!カニはすっごく良かった!


860 : ティラノちゃん ◆zYQ/uWRKn. :2016/02/20(土) 15:28:07
ありがとうございます。
規制がかかっていて投稿できませんでした。汗


861 : ティラノちゃん ◆zYQ/uWRKn. :2016/02/20(土) 15:30:28
話を聞きながら、全身タイツの妻の手を触っていて肌触りのよさについスリスリを繰り返していた。

「何?あなた全身タイツ気に入ったの?」
「私のコレクション見る?」
そういって、部屋から出て行ってしまった。
寝室には脱ぎ捨てられたティラノちゃんの着ぐるみと俺。
ティラノちゃんを手にとってみる。
初めて見た時、まさか自分の妻が入っているなんて夢にも思わなかった。

妻が全身タイツ姿のまま戻ってきた。
「お待たせ!」
手には今着ているのと同じ黒い全身タイツと赤いもの、そして肌色のもの、光沢のある黒い全身タイツもあった。

驚いて尋ねる「どうしたの?これ」
妻は「イベントが終わったから貰ったの、色々試行錯誤した結果、黒い全身タイツしか使わなかったから、他のはほとんど新品なの」
そういって全身タイツをベッドに並べながら、「バイト代少なかったから、ティラノちゃんも貰っちゃった」楽しそうに妻がいう。
おそらく、俺がネット検索しているのを知って驚かせようとして、貰ってきたのではないかと思った。

ティラノちゃんにビックリさせられ、妻がティラノちゃんだったことに興奮していたが、ようやく落ち着き、妻に驚かされたことへの反撃を練り始める。


862 : ティラノちゃん ◆zYQ/uWRKn. :2016/02/20(土) 15:58:14
ベッドに並べた全身タイツを眺める妻の後ろから抱きつき、体を触ると思った通り、下着は着けていなかった。
隣りに座って話している時に、乳首がくっきり浮き出ていたので、そうではないかと予想はしていたが、予想通りであった。

「俺を驚かしたお仕置きを始めようか」
妻は顔を赤らめ、下を向く。
妻はMっ気があり、自分を攻めて欲しい時俺に何か仕掛けてくる。
俺はまず、全身タイツの背中のファスナーを下まで下げ、リモコンバイブを妻のアソコへ差し込む。
もう、お仕置きの言葉で濡れ始めていた妻のアソコへバイブは抵抗なく入っていく。

全身タイツで顔まですっぽりと覆いファスナーを閉める。
次にもう1枚の黒の全身タイツ、続いて赤、肌色、最後に光沢のある黒い全身タイツを着るように指示する。
妻は抵抗することなく、それらの全身タイツを着たが最後の光沢のある黒い全身タイツの時には自分で背中のファスナーが閉めることができなくなっていたので、俺が閉めてやった。

始めは顔の凹凸もわかったが、5枚も重ね着すると鼻も潰され顔の凹凸はなくなってしまった。
「見えるか?」目の前で手を振ってみるが首を振る。
それどころか、「少し息苦しい」と篭った声でいってきたので、「じゃあ、戻ろうか」といって全身タイツのマネキンのようになった妻をティラノちゃんへと押し込んでいく。

途中で着ぐるみを着せられていることに気づき抵抗を始めた時にはもう体の半分以上がティラノちゃんに呑み込まれていた。


863 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/20(土) 16:12:47



864 : ティラノちゃん ◆zYQ/uWRKn. :2016/02/20(土) 16:54:50
そのまま押し込んで、着ぐるみの中に手を突っ込みバイブを作動させると、ティラノちゃんの口から篭った喘ぎ声が漏れ出す。
立ったまま、ピクンピクンと小刻みに揺れるティラノちゃん。
それをベッドに座り眺めて楽しむ。
しかし、ティラノちゃんのダンスはそう長くは続かなかった。
「逝く、逝く、逝く、逝っちゃうぅぅぅ、ああああぁぁぁ」と今までにない大きな声を上げてティラノちゃんはその場に崩れ落ちた。

そして、前かがみに倒れたティラノちゃんは、苦しそうに体を上下させながら呼吸をしている。

まだ、大丈夫だと判断した俺は再びティラノちゃんの口に手を突っ込む。
中はかなり暑くなっているが、呼吸は少し落ち着いたように思ったので、バイブを強に切り替えた。

ティラノちゃんは床で再び震え出す。
ティラノちゃんから出てこられては面白くないので、ズボンからベルトを外し、短い前脚の下辺りでベルトを体に巻きつける。
これで中で腕を抜こうとしても、ベルトが邪魔をして腕を抜くこともできないし、着ぐるみを脱ぐこともできない。

床を這いずり回りながら、喘ぐティラノちゃん。
それを見ていても面白くなくなってきた俺はティラノちゃんを立たせた。
ブルブル震えながら少しは立っていられたが、すぐに崩れるように前かがみ倒れる。


865 : ティラノちゃん ◆zYQ/uWRKn. :2016/02/20(土) 17:07:01
快楽で足の踏ん張りもきかず、呼吸もままならないのだから仕方がないのだが、俺にはそんなの関係ない。

ベルトにフックを引っ掛け、無理やり立たせる。
そしてついにあの言葉が「ダメ、ダメ、壊れちゃう、ゴメンなさい、許して、ああああぁぁぁ」
その言葉を最後にティラノちゃんは動かなくなってしまった。
バイブの音だけが、寝室に響く。
妻はあの言葉を口にした後、気を失ってしまう。

俺はティラノちゃんからベルトを外し、ティラノちゃんの中から全身タイツのマネキンを引っ張り出す。
バイブを止め改めて体に触ると、かなり熱をもっているが呼吸はしている。

軽くほっぺたを 3回程叩くと、すぐに気がついたが「何も見えないよ、苦しいよ」と黒い光沢のあるマネキン。
楽しませてもらい、俺もムラムラしている。
全身タイツを全て脱がせて、妻に優しくキスをした。



おしまい


866 : フェブラリー ◆zYQ/uWRKn. :2016/02/20(土) 17:14:14
続いて、制限中で投稿できなかったので、季節外れになってしまいました。汗

私はコンビニでバイトしている。
この季節になると恵方巻に力がはいるんだけど、周りはコンビニだらけの激戦区。
他店との差別化のため、店長が繰り出した案は鬼の着ぐるみを導入しての集客。
着ぐるみは特別手当も出るということで、私は手を挙げた、いや手を挙げてしまったと言った方がいいのかもしれない。
軽い気持ちだったが、店長は本格的だった。

年明けすぐにこの話がでたのだが、私の体を細かく採寸するため、スキャンまでとある会社まで出向いた程だった。
もう、この時にはやっぱり辞めます、なんて言えない雰囲気になっていた。

1月末、赤鬼の着ぐるみが完成し、試着することになった。
赤鬼の着ぐるみの出来はというと、リアル過ぎる。
そのひと言に尽きた。
私が女性であることも考慮し、胸までしっかりある赤鬼。
顔は私の顔をベースに造られていており、ホリが深く眉間から額にかけて深い皺が入っていた。

下半身と上半身に分かれており、下半身を履いてから上半身を被るのだが、汗をかいても着ぐるみが汗臭くならないようにと、赤いラバースーツというのを着せられた。
それも頭の先から足の先まですっぽりと私を覆うもので、穴があいているのは、目と口のところだけ。
とはいっても目出し帽のような感じではなく、細かい穴が無数にあいている。
だから、見た目には赤いゴム人形にしか見えなかった。
そして、このラバースーツには汗を外に逃がさない役目ともう1つ、赤鬼の着ぐるみを繋ぎ止める役目もあった。
というのは、ラバースーツを着て着ぐるみを装着すると、その間に接着剤を流し込まれた。

時間が経つと粘着力が急激に低下するという説明を受け、赤鬼の着ぐるみを中で接着された。
赤鬼の頭も上半身と一体になっており、目玉はレンズになっており、外がよく見える。
口にはキバがありうっすらと口あけているので、呼吸もできる。
外から口の中が見えるが、赤いラバースーツを着ているので問題ない。

最後に上半身と下半身の継ぎ目を接着剤で固定して完成となる。
鬼ということで、私の体に隆起するほどの筋肉がついた感じになっているが、それほど体型も変わらない感じの細マッチョといった感じに仕上がっていたので私はこれはこれで気に入った。

仕上げとしてトラ柄のミニのワンピースを渡された。
このワンピースはエナメル製で光沢があり、ハイレグのワンピース水着にミニスカートを付けたようになっていた。
しかも胸の谷間がしっかりと見えるほど。
そして、ワンピースと同じエナメル製のニーハイブーツ。

見た目にはかなりセクシーな赤鬼が出来上がった。


867 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/20(土) 17:58:43



868 : フェブラリー ◆zYQ/uWRKn. :2016/02/20(土) 17:59:17
「店長!この接着剤って、どれ位の時間で外れやすくなるんですか?」
「ゴメンゴメン、えーと、5時間って書いてある」
「えー!試着ですよね、今日」
思わず大声で店長に文句を言う。

「せっかくだから、赤鬼でチラシお願いできる?」
妙に低姿勢で店長が頼んできた。
「だって、私今日シフト入ってないんですよ!」
「そこをなんとか、特別手当も今から出すから」
そういわれて渋々引き受けることに。

コンビニの外に出てビラを配り始めると効果歴然。
人が集まり、あっとゆう間にビラを配り終えた。
それどころか、写真撮影まで頼まれる始末。
店長も出てきて撮影を手伝っていた。

そんなことをしている間に、5時間が過ぎコンビニの中へと引き上げる。
着ぐるみ初体験で5時間の労働は、さすがに疲れた。
着ぐるみを着たまま、イスに腰掛けると店長がワンピースとブーツを脱ぐのを手伝ってくれた。

接着剤は取説通り、5時間経ってから引っ張ると簡単に剥がすことができ、私は赤鬼の着ぐるみから解放された。
で、ご想像通りラバースーツの中は汗だくで、下着はびしょ濡れ。
とても着て帰れなかったので、ノーパン、ノーブラでその日は真っ直ぐ家に帰った。


869 : フェブラリー ◆zYQ/uWRKn. :2016/02/20(土) 18:09:38
節分が近づいたある日、店長が笑顔で近寄ってきた。
何か嫌な予感がした、私の予感は的中。
内容は恵方巻の大量注文が入った、それだけなら赤鬼で頑張った私はのおかげで終わるのだが続きがある。
赤鬼の出張サービス。
なんでも、コンビニから少し離れた幼稚園で恵方巻の大量注文を届ける際に、赤鬼に来てもらいたいとのこと。

お分かりと思うがただ出張するだけでなく、豆まきの的になることはすぐに分かった。
「イヤですよ、痛そうだもん」
「そういわずにお願い!」
また、店長の低姿勢のお願い。
私が断固ことわると、「ボーナス出すから」と言い出した。

またしても受けてしまった私は、節分当日、大量の恵方巻が積まれた店長の箱型の軽自動車の助手席に赤鬼姿で座っていた。
もちろん、コンビニで外回り作業の時に着るスタッフジャンパーをフードまで被って。

幼稚園に着くと、園長先生が出迎えてくれた。
私を見て園長先生はビックリしながらも、控え室へと案内してくれた。
店長は恵方巻を車から園内へと運び入れていた。

園児たちの声が聞こえない、昼寝でもしているのか凄く静かだった。
通された控え室にも昼間の温かい陽射しが入ってきて、すごく気持ちよくなり机にもたれかかる。

肩を叩かれ、目が覚める。
「おまたせ!」


870 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/20(土) 18:11:55
支援!


871 : 『一言の災い』20 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/02/20(土) 19:05:17
私はもう体を起こすことで必死だったが、なんとか打ち合わせどおりの移動だけは
しようと力を振り絞った。
すると打ち合わせでは、いるはずの悪の親玉がステージから出て行った。
「くそ!ミジール後は任せた!」
(!え…どういうこと…)
ステージ上に残されたのは、ヒーロー二人と私だけ。
(ど…どうしよ…)
戸惑っていると胸元に大きな衝撃があった。
(きゃあ!!!)
衝撃とともに、私はステージの隅までゴロゴロと転がった。
どうやら、シルバーが私にとび蹴りをして来たらしい。
さすがに衣装が厚いとはいえ、これだけの力が加われば痛い。
(い…痛いよ…ひ…ひどい…)
それでも私は必死に体を起こそうした。
すると背中から激しい衝撃が!
(あぁっ!)
今度はゴールドが背中の上に飛び乗ってきた。
しかもボディプレスのように全体重をジャンプして乗せてきたのだ。
(うぅ…痛い…苦しい…)
弱弱しい動きではあるが、もだえ苦しむ。


872 : 『一言の災い』21 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/02/20(土) 19:06:30
すると、今度は突然背中が軽くなる。
ゴールドは勝手に私の上から離れていった。
すると次はシルバーが私に掴みかかり起こそうとしてきた。
私は直感で危機を感じた。
(や…やめて!…)
振り払うように少し暴れる、すると簡単にシルバーは離れていった。
するとヒーローの声が入った。
「く…確かにパワーアップしているな」
「倒すにはシンクロ攻撃を仕掛けるしかない、いくぞ!」
「ああ!」
(パ…パワーアップ…え…シンクロ攻撃って…!?)
どうやら、ヒーローが勝手に離れていったのは、
私に攻撃されて吹っ飛んだ演技をしたらしい。
そして、ヒーローの攻撃は手を休まない。
二人同時に私に掴みかかり、体を起こされる。
そして引っ張られるがままステージ上を、右へ左へ走り回る。
(や…や…やめて…走らせ…ない…で…し…しんじゃ…)
最後はステージ中央の壁に押し付けられた。
(うぅ!)
するとヒーローは二人同時にパンチを連打する。
パンチくらいでは痛くはないが、立っているだけで必死な私にとって、
この衝撃すらも体力を奪っていた。


873 : 『一言の災い』22 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/02/20(土) 19:07:45
しばらくして、パンチの衝撃が止んだ。
(…お…終わった…の…)
すると両腕を開いた状態で左右を一人ずつに抱えられた。
そのままステージ中央まで移動し、ステージに対して横を向いた。
(…な…何…どう…したの…)
すると、私の下半身がスッと浮き上がった。
(え!?…もしかして…)
私は二人掛かりで持ち上げられ上空で逆さにされた。
…私は悟ったこのままステージに叩き付けられることを。
その姿勢のまま少しの『溜め』の時間があった。
少しの間ではあったが、とても長く感じる。
私の恐怖を煽るには充分な時間であった。
(やめて!やめてやめてやめて!)
すると、スッと体が動き始める。
(いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!)
そしてそのまま、私はステージに勢いよく叩き付けられた。
(ごほぁっ!!)
壮絶な音ともに叩き付けられ、あまりの勢いに軽く弾むミジール。
(い…痛…い…い…息が…)
痛さもさることながら、衝撃で息が詰まる。

壮絶な暑さ、酸欠、痛み、様々なものが私を襲う。
(…だ…ダメ…だ…ほ…ホントに…しんじゃ…う…よ…)


874 : 『一言の災い』23 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/02/20(土) 19:08:59
もう起きることも出来ない、そう思ったがシルバーが私を起こし
背中側にまわり羽交い絞めのような形をとった。
(も…もう…かんべ…ん…して…ください…)
「ゴールド!俺が抑えている間に止めだ!」
「分かった!必殺!コスモ・・・ノヴァァァァ!!!!」
ビームと爆発の効果音が入った。
そして、私はシルバーによりステージの階段の方に投げ飛ばされた。
そして力ない私は、そのままステージ袖の階段を転げ落ちた。
階段を転げ落ちる痛みがあったが、そんなものは、もうどうでもよかった。
そこにあるは、控えに戻れるという気持ちのみだった。
(…よ…よう…やく…出られ…る…た…助か…った…)
瑞穂さんと悪の親玉役の人により、階段下からテントの奥へと引きずりこまれる。
(は…はやく…背中を…チャック…を…開けて…)
そう思ったが意思表示をする力が出てこない。
移動が終わったかと思うと、二人の気配が消えた。
(!?え…あけて…くれな…い…待って、出して、出して出して出してぇぇぇ!!!)
私の心の叫びは虚しく、誰にも届かない。
そして私はショーが終わるまでそのまま放置された。

ショーが終わり、ヒーロー達が帰ってた。


875 : 『一言の災い』24 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/02/20(土) 19:10:08
「お疲れ様!」
そう言って悪の親玉役の先輩がヒーロー達のチャックを開ける。
「ぷはぁ〜あちい〜きつかった〜」
そうして、ヒーロー達はどんどんと脱がされていった。
しかし、誰一人私に構いもしない。
(…な…なんで…私…は…出して…くれないの…)
力が入らない私は、暫らく周りの状況を声と音で判断するしかなかった。
周りのキャスト陣、そして司会の瑞穂さんまでも、
私の事は全く気にもせず、あたかも置かれている衣装のような扱いだ。
「さて、そろそろ撤収だな」
先輩たちの予期せぬ言葉が耳に入った。
(!?…え…私…まだ…怪獣の…中に…)
私は自分の存在をアピールするため、必死に言葉を発した。
「…だ…だひて…ふだふぁい…」
必死に出した声だが、か細く力のないものだった。
しかも、怪獣の中から。
周りに聞こえるかどうか分からない程のもの。


876 : 『一言の災い』25 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/02/20(土) 19:11:30
すると先輩が
「今、何か聞こえたか?」
「いや、何も。それにしてもすごいよな、千夏はたいしたものだ。
 スイプリよりも怪獣のほうが楽なんだから」
(!?…ぇ…)
「そうだよな、俺じゃそんなことは口が裂けてもいえないな」
「ホント、たいした『度胸』だわ」
(…も…もしか…して…先輩…たち…)
「にしても、瑞穂のアドリブには驚いた」
「音響やってるこっちも、大慌てだよ」
すると瑞穂さんが、
「大丈夫だよぉ〜、だって千夏ちゃん、怪獣は『余裕』なんだから♪」
(…み…瑞穂…さん…)
「まぁそうか、スイプリのほうがきついって言い切るくらいだからなぁ」
(そ…そんな…こと…ない…で…)
「まあ、千夏にしてみれば俺たちは楽してっるってことだろ」
「ははっ、そういうことだな」
先輩たちの会話が心に刺さる。
そして、全てを理解した。朝から全てが『シナリオどおり』だったことを。


877 : 『一言の災い』26 ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/02/20(土) 19:12:51
「じゃ、そろそろ帰るか」
すると、体が持ち上がる感覚があった。
(…そ…そんな…や…やめて…やめて…やめて…)
私は数人で持ち上げられ、中身入りの衣装のままダンボールに入れられた。
そして、ダンボールの蓋が閉じられようとする。
(…あ…あ…や…やめて!…だ…出し…て…出して…出して…た…助けてぇ…)
私の思いは虚しく、ダンボールの蓋は閉じられた。
(いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!)

そして私は車に積まれ、現場を後にした。
怪獣ミジールの『衣装』として。

車の中で私は後悔と助けを求め続けるだけだった。
(…ごめん…なさい…ごめん…なさい…ごめん…なさい…
 …出して…ください…出して…ください…出して…ください…
 
 …出して…く…だ…さ……)


--------------------END----------------------------


878 : ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/02/20(土) 19:16:17
駄文にお付き合い頂きありがとうございました。
またご支援いただけるようでしたら、次回作もお願いいたします。


879 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/20(土) 19:45:01
支援! こちらこそお願いいたします。
何度も下げ忘れたことをお詫びします。


880 : フェブラリー ◆zYQ/uWRKn. :2016/02/20(土) 20:17:08
知らぬ間に寝ていた私は、起こされて振り返ると大きな赤鬼が!
ビックリしてイスから転げ落ちる。
「ゴメン、ゴメン」
手を差し伸べてきた赤鬼からは店長の声がした。

店長、いや男の赤鬼の手を掴み起こしてもらう。
「いやぁ、赤鬼任せっきりってのも気が引けて自分のも作って、夕方のバイトに入ってもらうまでは実は俺も赤鬼になってビラ配りしてたんだ」

店長の大きく逞ましい赤鬼はトラ柄のパンツに裸足で、胸には立派な胸毛が生えていた。

園児たちの声が聞こえ始める。
「じゃあ、そろそろヤラレにいきますか」
そういって、逞ましい男の赤鬼は女の赤鬼の手を引き園児たちの元へ。

赤鬼が現れ、泣く子もいたが、勇敢に立ち向かい豆を投げつけてくる子もいた。
豆が当たりしゃがみ込むと蹴りを入れてくる子もあらわれた。

2人の赤鬼は園内から外へ。
そして、「ゴメンなさい」の声とともに幼稚園の裏手へと逃げていった。

そこで園長先生からスタッフジャンパーを受け取り、撤収した。
赤鬼のまま、車に乗り込む店長に園長先生が「その格好で大丈夫ですか?」と聞いてきたが、「店近くなんで!またお願いします」そういうと車を発進させた。


881 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/20(土) 21:34:52



882 : ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/02/20(土) 22:01:18
>>879
ご支援ありがとうございます。
下げは個人的なところですので、お気になさらず。
また、よろしくお願いいたします。


883 : フェブラリー ◆zYQ/uWRKn. :2016/02/20(土) 22:03:24
私はスタッフジャンパー越しでも筋肉が隆起した逞ましい店長の腕に思わず、抱きついてしまった。
そして「好き!」と自分の思いを口にしてしまった。

店長は何も反応なかった。
車はしばらく走り続ける。
聞こえていなかったら、いなかったでいいかと自分で割り切ったとき。
「俺も!」
「え!?」
私が聞き返すと、店長ははっきりと「俺も君のことがずっと好きだった」と。
それを聞いて私は店長の腕をさっきよりも強く抱きしめる。

車はひと気のない駐車場に入って停まった。
「後ろ行こう」
私は頷いた。
大量の恵方巻を下ろした荷台は2人が横になるのに十分なスペースがあった。

赤鬼のまま抱き合う2人。
「着ぐるみのままでゴメン、時間が来たら着ぐるみを脱いで抱き合おう」
そう店長に言われ恥ずかしくなり、赤鬼の胸毛の生い茂る胸に顔を埋める。

どれ位時間が経ったのか、気づけば辺りは暗くなっていた。
2人とも起きたのは、車のガラスを叩く音、警察官がライトで車内を照らしこちらを見ている。
慌てて起きると警察官も驚いていた、その後2人して警察官に絞られたのは、いうまでもない。


884 : フェブラリー ◆zYQ/uWRKn. :2016/02/20(土) 22:07:30
ももぴさん、面白かったです。次回作期待してます。


885 : フェブラリー ◆zYQ/uWRKn. :2016/02/20(土) 22:11:47
節分の翌日、店長が「相談があるんだけど」と、低姿勢で近寄ってきた。
赤鬼の時もそうだが、私は店長のことが好きでお願いされると断ることができなかった。
「今度は何ですか?」
強めの口調で店長に返す。

店長は何も言わず、カレンダーを指差す。
”2月14日!”
「知ってます、バレンタインです、で!」
店長は用意していた大きめダンボールから何かを取り出した。

少し光沢のある茶色のそれは人の形をしている。
顔は私の顔!!
目玉までも茶色一色。
髪型はショートになっているものの、常連が見れば誰かすぐに分かる。
「えー、これって私ってバレバレじゃないですか!」
店長は何もいわずに私そっくりのチョコレートの着ぐるみを渡し、次にダンボールから茶色のラバースーツを取り出した。
「要領分かってるよね、お願い」
手を合わせてお願いされると断れなかった。

バレンタインまでの期間、私はまたチョコレートの着ぐるみを着て頑張った。
私が頑張ると店長は決まって、着ぐるみの上からギュッと抱きしめてくれた。

バレンタインが終わると、また店長が低姿勢でやってきた。
そしてカレンダーである日を指差す。
「ホワイトデーですけど、白いチョコレート人形になんてならないですよ」
「えー!マシュマロウーマン」
”どっちらにしろ着ぐるみだろ!”
私は心の中でツッコんだが、店長の押しに負けて、結局店の前でモコモコした白い着ぐるみに包まれ立つことになった。


おしまい


886 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/20(土) 22:26:57



887 : 着ぐるみ派遣 ◆zYQ/uWRKn. :2016/02/20(土) 22:33:28
ガソリンスタンドの一角に大きなアルファベットのOILの文字が並んでいる。
イベントでガソリン20リットルにつき、ソフトバレーボールを渡され、文字を倒すことができるとオイル交換の値引き券が貰える。
”I”が1000円、”O”が2000円、”L”が3000円で全て倒すと6000円の値引きとなる。

ただ、この大きなアルファベットは置きものではなく、ヒトが入っている。
” I ”の大きさが150cmほどしかないことから推測すると中身はおそらく女の子であろう。

だから、ボールが当たってフラついても飛び跳ねるなどして、バランスを取り倒れないこともあった。
倒れた文字は店員が立てて、元のOILの並びに戻す。

この文字の中の女の子たちは、ガソリンスタンドの店員ではない。
それどころか店員は文字の中の女の子を見たこともなかった。
というのも、本部から朝ワンボックスカーに載せられて連れてこられ、また夕方には回収されるからだ。
そしてこの文字の着ぐるみ、ファスナーや人が入れるような切れ目すらなかった。
あるのは呼吸用の空気穴のみ。
その呼吸穴からはボールが当たった際、「キャッ」という声が漏れていた。

さて彼女たちはというと、着ぐるみ内臓の派遣会社から来た社員でイベントなどある際は、着ぐるみとともに顧客の要望があれば、着ぐるみに入った状態で派遣される。

このアルファベットの着ぐるみにどうやって入ったかというと、まずはゴムでできた厚手の全身タイツを着る。
顔や手足、全てをゴムで覆い鼻と口のところだけ呼吸用の小さな穴が開けられている。
見た目には真っ黒なゴムの塊でしかない。
そしてその真っ黒な頭にガスマスクを被せられる。
ガスマスクのホースの先は着ぐるみの呼吸穴に繋がれ、呼吸が確保される。


888 : 着ぐるみ派遣 ◆zYQ/uWRKn. :2016/02/20(土) 22:57:00
そしてそのままアルファベットの着ぐるみに入るのだが、着ぐるみは柔らかい素材で文字の形になっていて、” I ”ならば棺桶のようになっている。
底に当たる部分は素材が厚くなっている。
そこへ仰向けに横になると、発泡ゴムのような素材が流し込まれる。
発泡ゴムのような素材で” I ”の文字が、完全に満たされ、真っ黒なゴムの塊となった女の子が見えなくなると、まだ粘着性を持ったその素材に着ぐるみの外側を覆う同じ素材を貼り付けて完成となる。
5分もすると、素材は固まり動いても大丈夫なので、車に積み込まれて顧客へと派遣される。
発泡ゴムのような素材は固まると、彼女たちの着ている厚手のゴムの全身タイツにしっかりとくっつき、着ぐるみの内臓である彼女たちの動きを忠実に再現する。

因みに” I ”と” L ”は頭の上に、” O ”は内側の円に呼吸穴がくるようになっている。

さて、この着ぐるみ脱ぐ時はどうするかというと、カッターで最後に接着したところの外側部分を剥ぎ取る。
そして、あとは着ぐるみの内臓周りの発泡ゴムをむしり取っていく。
このむしり取られた発泡ゴムは溶かすと、再利用が可能なものだ。
ある程度までむしり取ると、中の女の子が自力で脱出する。

ゴムの全身タイツにも発泡ゴムが所々に、くっついているので、それは溶解液をかけると溶けてゴムの全身タイツから外れて落ちる。
こうして、着ぐるみからかなりの時間をかけてようやく解放された女の子はゴムの全身タイツ姿のまま、シャワーを浴びにいく。


889 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/20(土) 23:02:09
支援!筆が冴えてますねー


890 : 着ぐるみ派遣 ◆zYQ/uWRKn. :2016/02/20(土) 23:33:10
この着ぐるみ派遣を個人宅で使いたいと思う男がいた。
男は会社の社長で、ある女性を指名し着ぐるみを着せて自宅への派遣を要望してきた。
着ぐるみは肉食恐竜〔ティラノサウルス〕。

まず、女性は薄手のラバースーツを身にまとう。
ラバーマスクも被り、その上からはガスマスク。
そして胸の少し上辺りでゴムのバンドで固定され、腕を肘から下しか動かないようにされる。

ガスマスクの先は恐竜の口の部分へ呼吸できるように接続され、そのまま大きく開いた恐竜の背中から中へと入る。
ゴムバンドで動きを制限された腕は、恐竜の小さな前脚へ。

黒いゴムに覆われ肌の露出の全くなくなった女性が、恐竜の着ぐるみというよりは爬虫類のような恐竜の皮の中に収まると、背中のファスナーが閉められる。
この時点で恐竜の着ぐるみは、エア着ぐるみのような状態。

恐竜の頭の天辺にあいている穴から、液体状の発泡ゴムのような素材が流し込まれる。
素材が着ぐるみの中の女性に当たると女性は身震いをした。
そんなことは御構い無しに素材はどんどん流し込まれる。

発泡ゴムは恐竜の着ぐるみの中で固まりながら、恐竜の中を満たしていく。
脚の部分から徐々に張りが出てくる。
それと同時に中の女性は着ぐるみの中でしっかりと固定され始める。
発泡ゴムが恐竜の着ぐるみを全て満たすと、かなり恐竜らしくなった。
最後に背中のファスナー部分にも発泡ゴムのような素材を塗り、ファスナーを完全に隠したその上に背ビレをつけて完成。

恐竜の中の女性が小さいため、サイズこそ小さいがリアルな恐竜が目の前に現れた。
恐竜に首輪をつけると、そのままリードを引く。
前傾姿勢で歩く姿は、恐竜そのものであるが中の女性は慣れない姿勢のため歩くのが遅い。
それでも強引にリードを引っ張り後部座席を取り払ったワンボックスに積み込む。
リードは運転席のヘッドレストに巻きつけ車は発進した。

社長宅に到着すると、恐竜はそのまま地下の駐車場へと連れて行かれた。
駐車場には車はなく、その代わり原始を思わせるような木や岩、そして床には人工芝が引かれていた。
よく見ると木が複数生い茂ったように置かれている所には、四つん這いの草食恐竜もいる。


891 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/21(日) 10:15:59
④ エロ期待


892 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/21(日) 13:29:47
エンクロージャーの続きみたい


893 : 着ぐるみ派遣 ◆zYQ/uWRKn. :2016/02/21(日) 13:30:24
社長は肉食恐竜のリードを外すと、本格的なビデオカメラを取り出しバンドスピーカーで声を掛けた。
「じゃあ、始めるからよろしく」
すると、草食恐竜は長い首を振り、木も左右に動いた。
同時に小さく篭った声ではあるが「ハイ」という女性たちの声も聞こえてきた。

地下の駐車場の限られたスペースに造られたセットに肉食恐竜が首輪を外され放たれる。
肉食恐竜はゆっくりと左右に首を振りながら、草食恐竜へと近づく。
ある程度の距離まで来ると、肉食恐竜は走り出し木々を薙ぎ倒し草食恐竜に襲いかかる。
草食恐竜は走って逃げようとするが、四つん這いではスピードは出ずにあっさりと肉食恐竜に捕まってしまった。

肉食恐竜は草食恐竜の体の上に登ると、小さな前脚をしきりに動かす。
獲物を獲得した肉食恐竜を讃えるように左右に木々が配置につき、木々が揺れて「カット!」の声がかかる。

この撮影はインターネットで配信するための自社の宣伝用動画。
なかなか、仕事の依頼が増えないことから社長の妻である専務が宣伝用動画を提案した。
発注から実際に着ぐるみに入り派遣される流れを忠実に再現しようというもの。

因みにラバースーツを着て肉食恐竜に入り、肉食恐竜として扱われ派遣されてきた中の女性は専務であった。
撮影どれくらい時間がかかるかわからないので女子社員にさせるのはかわいそうということで自ら着ぐるみに入ることを買って出た。

その間に草食恐竜と木の役の女子社員たちは先に社長宅にいって準備を進めてもらっていた。
今回の女子社員たちの着ぐるみはいつもの完全密閉タイプのものとは違い簡単に着れるものにしてあった。
つまり、完全密閉タイプの着ぐるみは専務の肉食恐竜だけである。

撮影は終わり本日の業務は終了、後日今回撮影した映像に女子社員たちが、着ぐるみを着ていく中での状況を会話形式で入れてもらうことを説明し、解散となった。
社員たちが帰って駐車場には2人だけ、いや1人と1匹になった。


894 : 着ぐるみ派遣 ◆zYQ/uWRKn. :2016/02/21(日) 17:12:38
家に戻ろうとする社長を恐竜が引き留める。
「ゴメン、ゴメン、脱がせないとね」
そう声をかけたが恐竜は体を左右に振り、違うとアピール。
「え、だれか戻ってきたらどうするの?」
恐竜は短い前脚で地下駐車場の人が出入りできる扉を指す。
つまり、鍵を閉めてこいと言っていると理解した社長は鍵を閉めて戻ってくる。

すると恐竜は大きな口をあけ、社長の頭に噛みついた。
恐竜に噛みつかれた社長の前には、呼吸用の穴が見える。
そこから「いつもみたいにして」と篭っているが甘えてくる妻の声が聞こえた。

「分かった」と返事をすると、恐竜の口から頭を抜く。
そして首輪を恐竜につけリードで強めに引っ張り駐車場の端にある支柱にリードを結ぶ。
そしてすぐ横にある棚からガムテープを手に取ると恐竜の口の中へ入れ、呼吸用の穴を半分ほど塞ぐ。

次に棚からスイッチのようなものを手に取ると電源を入れた。
途端に恐竜がビクッと動き出した。
しかし、リードで動ける範囲も制限されている。
社長であり、夫である男が電源を入れたものは妻が自分自身のアソコへ仕込んでいたバイブ。
それが動き出したのだ。

体をくねらせ、全身で気持ち良さをアピールしているようにも見える。
恐竜の口からは荒い呼吸音と共に色っぽい吐息も聞こえ始めてきた。
バイブが弱であることを確認すると、恐竜の着ぐるみを着た妻をそのまま駐車場に放置し、家へと戻っていった。
今日撮影した動画の編集をしておくため。

駐車場には恐竜の着ぐるみを着て、バイブに弄ばれている妻を監視カメラだけが見ていた。




おしまい

その後の展開はご想像にお任せします。


895 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/21(日) 17:41:54
節分回の店長と同じくいい上司や<専務

乙ー


896 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/21(日) 18:03:58



897 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/21(日) 19:45:39
乙、カニのおかわりできますか?


898 : 着ぐるみ派遣 ◆zYQ/uWRKn. :2016/02/21(日) 20:44:59
”カニ”のおかわり、がんばってみます。
”えんくろーじゃー”続き書いてるんですが、未完ですので、出来次第投稿したいと思います。


899 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/22(月) 13:07:41
カニは軟体要素もあってよかって自分的にははまりましたね。もっと小さいカニとかも登場させて欲しいですね。


900 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/22(月) 13:20:58
怪獣が地面に叩きつけられる瞬間の(ごほぁっ!!)に萌えた


901 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/22(月) 14:24:22
こう言うのは盛り下げてしまうんだろうけど、でもあれって下手すりゃ暴行罪になりかねないんじゃ?
やってる側は中にダメージが入るって気付いてやってるわけだし。
しかも着ぐるみが厚いから大丈夫って嘘ついてまで。


902 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/22(月) 15:59:52
通報すりゃいんじゃね?


903 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/22(月) 16:11:36
>>901
流れに逆らうようだから黙っていたけど同じこと思った
この作者だけじゃないけど要所要所で有り得ないようなシチュエーションが入るからリアリティが感じられないんだよなあ

でもきっと私のような意見はこのスレでは少数派なので作者様はスルーして下さい


904 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/22(月) 16:41:43
普通にドン引きしたんで、あの作者さんは別な場所でやってもらいたいね。


905 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/22(月) 16:48:21
こまけぇこたぁいいんだよ!
書いてくれるだけありがたい。
エロがあれば尚良、気にせず頑張ってください。


906 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/22(月) 17:03:11
たしかに救いのないオチはちょっとなぁ


907 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/22(月) 17:12:19
せっかく書いてくれた人にこれか…
やっぱ変なのがいるな…


908 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/22(月) 18:08:03
書くのも自由
読むのも自由
感想を書くのも自由
称賛があるように批判があってもおかしくない
称賛も批判も広義では作品に対する感想なんだから両方あってもいいだろ


909 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/22(月) 19:01:50
そう思うが「あの作者さんは別な場所でやってもらいたいね。」はおかしいと思う。
書く人がいなければ読むのも感想を書くのもできなくなる。
もう少しやさしく批判できないかな・・・


910 : ももぴ ◆rPiekA2zqc :2016/02/22(月) 22:57:13
なんだか申し訳ありませんでした。
『妄想』ということで書かせて頂きましたが、気分を害した方が多いようでしたので、
深く反省いたします。
今後はこちらにはアップしないようにいたしますので、
今後は読者として、こちらのスレッドを楽しませて頂きます。
ありがとうございました。


911 : 着ぐるみ派遣 ◆zYQ/uWRKn. :2016/02/22(月) 23:20:42
気にしなくていいと思いますよ。
自由に投稿するところですから、酷評も参考にすればいいと思います。


912 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/23(火) 00:16:16
そうそう。それにあの終わりかたが気に入らないって人が居るのなら、続きを書いちゃえ。
例えば、着ぐるみの管理に来た社長に助けられ、社長と組んで仕返しする話とかさ。


913 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/23(火) 00:49:50
水差してるのはおいそのの名無し自演だろw
気にするこたぁない


914 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/23(火) 02:14:21
>>913
おれもおいそのの自演だと思ったw

>ももびさん
いつも楽しくみさせてもらっていますので雑音に負けずこれからもがんばって
独創的な着ぐるみSSを書いてください・


915 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/23(火) 02:16:38
>>908
他のスレにもあるでしょ?既出や興味なかったり気に入らないもの貼られたら「スルー推奨」って言葉が
そんな何でも自由にしてたらタダでさえ荒れやすい掲示板がこうなるのは目に見えてる
>>1で感想は任意としている点の意味をもう少し踏まえた方がいいかもね
言っちゃ悪いけど執筆者以外の書き込みは全部ファンレターだと認識できるくらいが丁度いいんだよ
正直感想っていうよりもっとこういう内容がよかったっていう好みの押し付けに見える
俺から見ればこのスレに出てくるインナーは何でいつも全頭なんだよもっと顔を出せとか言ってるのと変わらない


916 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/23(火) 08:00:46
このスレの小説に犯罪だなんだを言ってしまえば、ほとんど犯罪だと思う。
いろいろなフェチがいる訳だし、いいんじゃないかな。

にしても、多様なフェチを書くももぴさんはすごいと思う。
がんばってください!


917 : カニ〜おかわり編〜 ◆zYQ/uWRKn. :2016/02/23(火) 18:57:44
とある市場で衝撃的な出来事を体験してから半年後、僕は再びあの活気ある市場を訪れた。

カニの季節ではないと思っていたが、紅く小振りのベニズワイガニが旬を迎えていた。
その他にもホタルイカや日本海で取れる旬の魚介類が市場を賑わせていた。

あのカニのいた店を覗いてみる。
あの怖い店の主人はいてない。
その代わりおばさんと小柄な女の子がいた。

女の子は僕と目が合うと、「どうぞ!」といってカニの試食を渡してきた。
僕は「あ、どうも」といって試食をくちにする。
”美味い!”僕の表情から彼女は「小振りだけで美味しいでしょ、一杯どうですか?」と。

試食に反応し、よく見ればかわいい女の子に勧められ、断り切れずに一杯購入した。
「ホールにテーブルがありますので、ゆっくりどうぞ!」
彼女に勧められ、カニを持ってホールへと向かう。
ホールでは数人の客が僕と同じようにベニズワイガニを食べていた。

座って食べていると、「あのー、これ記入してもらえますか?」
先ほどの彼女が立っていた。
「ハイ?」気の抜けた返事を返すと、彼女は笑顔で「このアンケートに答えて頂くとズワイガニが当たるかもしれませんよ、どうですか?」と。

「はー」僕はカニを食べ始め口の周りにカニの身をつけたまま、間抜けな返事をまたもしてしまった。
普通なら恥ずかしくなるところだが、笑顔で話しかけてくる彼女のことを見惚れてしまっていた。

彼女が読み上げるアンケートの質問に答え、手にカニ身をつけたまま、自分の住所を記入した。

住所を見た彼女が「へー、東京からいっしゃったんですか?」と。
僕がコクリと頷くと、「秋葉原って行ったことあります?」
「ハイ」と答えると、「いいなぁ、私アニメ大好きで」そう話していると、店からおばさんが「美咲ちゃん、戻ってきて!」と大きな声。
そういえば、先ほどテーブルについたトキ、大きな観光バスが入ってきたのを思い出した。


918 : カニ〜おかわり編〜 ◆zYQ/uWRKn. :2016/02/23(火) 20:38:57
折角、北陸まで来たので観光をして2日後に市場を訪れた。
今回の目的は、カニではなく”美咲ちゃん”
しかし、あの店には以前怒られた店主とおぼしき男性と美咲ちゃんと働いていたおばさんしかいなかった。

僕はその時、冷蔵ケースの上に吊られている大きなカニの存在には気づかなかった…。


それから月日は流れ、冬のカニ解禁のニュースをテレビで見るようになった頃、僕の携帯に見知らぬ電話からの着信があった。
イタズラくらいにしか思っていなかったが、たまたま操作中に電話がかかってきたので、出てしまった。

「もしもし、片岡さんの携帯電話でしょうか?」僕が「ハイ」と答えると、少し緊張したような震えた声で「高原美咲と言います。以前、カニをお買い上げ頂き、アンケートを書いて頂いた。覚えてますか?」と。

「あ!美咲ちゃん?」思わず下の名前を呼んでしまった。
まだ、緊張しているようでそのことには全く触れずに用件を伝えてきた。
「カニが当たりましたので、いつ頃お届けしたらよろしいでしょうか?」

「仕事、5時には終わるから、平日の7時には自宅にいます」
住所確認をしたあと、美咲ちゃんからの電話は切れた。
正直いうとそれほどカニが大好きということもなかったが、当たったことに悪い気はしなかった。
それより、あのかわいい美咲ちゃんから電話があったのだから、思い切って番号くらい聞けば良かったと後悔していた。


919 : カニ〜おかわり編〜 ◆zYQ/uWRKn. :2016/02/23(火) 21:17:20
数日後、インターホンが鳴った。
あまり鳴ることのないインターホンなので、美咲ちゃんが送ってくれたカニだということはピンときた。

部屋の扉を開けるとそこに立っていたのは美咲ちゃんだった。
「来ちゃった」
うつ向きかげんでいう美咲ちゃん。
「どうぞ!」僕は彼女を部屋へ招き入れた。
「カニをお届けに来ました」大きな荷物の中から発泡スチロールを取り出して渡す。

「東京に遊びに来たの?」尋ねてみると、彼女はコクリと頷いた。
「秋葉原行った?ホテルは?明日土曜で休みだから案内しようか?」
僕のマシンガンのような質問に彼女は、あたふたしていたが、一つ一つ答えてくれた。

秋葉原には行っておらず、明日行く予定で、僕の家の近くでホテルは予約していることを。

「あのー、彼女さんとかいないんですか?」
「いないよ!だから1人旅してたんだ」
そう答えると彼女の顔がパッと明るくなった。
「じゃあ明日、秋葉原案内してもらっていいですか?」
「喜んで!ところで荷物大きいからよかったらうちに置いときなよ」
ちょっと、迷ったような表情をする美咲。
「中身物色したり、盗んだりしないから」
そう答えると、「そうじゃないんです」といって彼女はうつむいた。

そしてその顔はどんどん赤くなっていく。
どうしたのだろうと心配していると、突然「カニ覚えてます?大きな」

咄嗟のことで言葉も記憶からも出てこなかったが、去年の冬の大きなカニのことを思い出した。
もともとはあのカニに会うために、あの市場へ行ったのだが美咲と出会い、すっかり頭から飛んでいた。


920 : カニ〜おかわり編〜 ◆zYQ/uWRKn. :2016/02/23(火) 21:31:54
「ああ、覚えてる。大きなカニの作り物、人が入るには小さいけど」
「あれ、私が入っていたんです」
「え!あれ、カニ、えー」
もはや、動揺し過ぎて言葉にならない。
「え、美咲ちゃんが!」驚きを隠せない僕に彼女は1枚の写真を見せてきた。
それは水槽に入った巨大なホタルイカの写真。
「これも私が入ってるです」
「水槽から飛び出ているこの足が命綱なんです」
確かにホタルイカは水の中に全身が浸かった状態であった。

「なぜ、こんな話しをしてくれるの?」
僕の今の率直な気持ちを彼女にぶつけてみた。
彼女の顔はますます赤くなり、うつむいたまま「好きなんです!あなたのことが、去年の冬からずっと」
”えー”もはや言葉にならない。
あまりの急展開にもう僕の頭はついていけなくなっていた。

「カニになって吊られている私を離れた場所からずっと見ていてくれたでしょ」
「その後もまた来てくれたの知ってるわ…」
美咲の顔がますます赤くなる。
美咲が顔を赤らめている理由には僕も心当たりがある。

「半年ほど前に来てくれた時も、大きなカニを探していたみたいだったけど」
美咲にそう言われて、僕は吊られた大きなカニのことが気になったことや、仕事の関係でなかなか旅行に行けなかったことを話した。
しかし、発泡スチロールに無造作に掘り込まれていたカニにしたことは話さなかった。

「あの大きなカニのこと気になる?」
そう聞かれて、僕が頷くと彼女は持ってきた大きな荷物から何かを取り出し始めた。
出てきたのはカニの甲羅。
甲羅を開くと中にはカニの脚が収まっていた。
それとは別に赤い服のようなものを取り出す美咲。
それは真っ赤なラバースーツだった。
それを見て僕はカニの下に指を突っ込んだことを思い出していた。

カニの中の感触は温かく、なにか不思議な感覚がした、その理由が1年越しで理解できた。


921 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/23(火) 21:37:57
つ支援
ありがとうございます。


922 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/23(火) 21:54:06
④ 
荒しに負けずに頑張ってください!


923 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/23(火) 21:57:21



924 : カニ〜おかわり編〜 ◆zYQ/uWRKn. :2016/02/23(火) 22:16:31
カニの着ぐるみを出した彼女。
このまま目の前でカニになって欲しいと僕は思った。
その願いはすぐに叶う。

「どうやってこのカニの着ぐるみを着ていたか気になりませんか?」
「なるなる!」食いつくように言ってしまった僕。
彼女は笑いながら、「インナーに着替えたいので隣りの部屋お借りしていいですか?」と。

僕は慌てて狭い隣りの部屋を簡単に片づけ、彼女に着替えてもらうことになった。
「散らかってますが、どうぞ」
僕は緊張して声が震えているのが自分でもわかった。

彼女の着替えをドキドキしながら待つ。
着替えを済ませて隣りの部屋から、出てきた彼女は全身が真っ赤で顔だけは美咲ちゃんのかわいい顔が覗いていた。
その姿を凝視する僕に、「そんなに見ないで下さい」と恥ずかしそうに言う彼女。
それもまた可愛いかった。

カニの甲羅を開き、中に入っていた脚を取り出し、甲羅へと取り付けていく。
取り付けが終わると、彼女は僕に「少し協力してもらえますか」と。
もちろん僕は力いっぱい頷いた。

彼女は「私、体操やってたので身体軟らかいんです」そう言いながら足を頭の後ろに、もう片方の足も頭の後ろにひっかけた。
荷物の中からカニのハサミを取り出し、両腕に嵌める。

「すみません、甲羅に入れてもらっていいですか?」
僕は小柄な彼女を持ち上げ、甲羅に優しく入れた。
甲羅の中は緩衝材が入っていて、彼女の身体を守るようにできていた。
後はもう一方の甲羅で蓋をする。
蓋をする時にフックに引っかけ、反対側でロックする。
それが全部で4箇所。
これで彼女は自分ではカニから出ることはできなくなった。


925 : カニ〜おかわり編〜 ◆zYQ/uWRKn. :2016/02/23(火) 22:18:24
1年前、北陸の市場で見て衝撃を受けたカニが自分の目の前にいる。
その中味はかわいい美咲ちゃん。
その美咲ちゃんが凄いポーズでカニの着ぐるみの中に収まっていると思うと、僕のアソコが固く熱くなってきた。

美咲ちゃんは「どうですか?」と声をかけてきた。
「凄いよ、でも苦しくない?」僕が尋ねると、「慣れてますから!カニ、カニ!」と篭った声で返事をしハサミを動かした。

かわいいと思うと同時に、甲羅の下の部分が気になった。
「美咲ちゃん、カニ触ってもいい?」僕の質問に「どうぞ」と。

カニをマジマジと眺めながら、あちこち触ってみる。
ハサミを触ると彼女も開いたり閉じたりをした。
そして気になっていた甲羅の下側へ。
カニの甲羅が途切れていて硬くない部分がある。
そこは温かく柔らかい、そして「あっ」という彼女の声がした。

そのまま指を奥へと入れていく。
「ああぁぁ、ちょっと、ダメ!」
彼女の声には気づかないフリをしてさらに指を入れたり抜いたりした。
触っていて分かったことだが、どうやらラバースーツでアソコの部分が袋状になっていることが分かった。

そのまま指の出し入れを繰り返す。
カニの中からは喘ぎ声と荒い息づかいが続く。
止めようかと思った時、カニの中から「入れて!あなたのを入れて下さい」と。

僕はズボンを脱ぎ、カニに覆い被さる。
そして、すでに固くはち切れんばかりになっているペニスをカニに差し込んだ。
カニからは「ああぁぁぁぁぁ!」と今まで聞いたことの大きな声が聞こえてきた。

僕はそのままカニへのペニスの抜き差しを繰り返す。
ついにカニからは「ああぁ、ダメ、ダメ、逝っちゃうぅぅぅ!」の声と共にカニのハサミは床に力なく落ちた。


926 : カニ〜おかわり編〜 ◆zYQ/uWRKn. :2016/02/23(火) 22:19:59
静まり返った部屋に荒い息づかいが2つ。
1つは篭った感じの息づかい。
僕はカニに覆い被さったまま、「どうだった?」と声をかけると「良かったよ」と恥ずかしそうな彼女の返事が。

「どうする?」僕の質問に彼女は「もう1回!」と返事をしたので、カニのままベッドへ連れていき、カニの中から流れる白い液を拭き取ってから再び交わった。
その後は彼女も見かけによらず、好きモノで何度も交わり気を失いかけるまで行為は続いた。


それから程なくして、彼女は養父母の元を離れ、僕と同棲を始めた。
家事は全部やってくれていて、一緒に夕食を済ませて僕が風呂から出てくると、コタツの横に大きなミカンが出現する。
中身は言わずと知れた彼女の美咲。
ミカンの着ぐるみを新たに造り、カニとは違い一人で着ることができるようにした。
もちろんミカンの中では、足を頭の中後ろに回したポーズで。
風呂上がり僕はそのミカンを見つけるとミカンの下にバイブを差し込んで、コタツの上に置く。

そして、テレビに続いてミカンに繋がるバイブの電源を入れる。
ミカンは僕が見たい番組の間、コタツの上でずっと声を抑えて揺れている。
番組が終わると、ミカンをベッドに移動させて剥いて中身の美咲を食べるのが、最近の日課になっている。



おしまい

仕事の合間に書いたので、面白くなかったかもしれません。すみません。


927 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/23(火) 22:23:11
その熱意たるやいと素晴らし!


928 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/23(火) 23:16:15
>>926
素晴らしい まだまだ続いてほしい


929 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/24(水) 00:33:48
うん
中の様子を想像するとめちゃくちゃ萌えるな
足を頭に組んだ状態で完全に束縛され刺激に耐えなければならないだけではなく
さらに交わる描写も入れてくるとか。さすがっす
タイツが顔出しということはカニの甲羅がスケルトンの状態なら
表情と様子を観察しながら遊べるとか追加で妄想しましたTHX


930 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/24(水) 08:42:16
俺は救いのないバッドエンド好きだな
最近だと>>877みたいな、これから一生着ぐるみに閉じこめられるのでしたオチは妄想が捗る
もっと言うと男主人公が好きだけど


931 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/25(木) 14:34:36
超小柄な女の子が小さな自分から出られない小さな所へ閉じ込められる的なやついいっすね


932 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/25(木) 18:06:11
>>931
着ぐるみじゃないからよそ行って下さいな


933 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/25(木) 18:17:43
いつかのスレにあった産業スパイの娘が実験的にロボットの着ぐるみに入れられて、脱がずに終わるエンドはスパイという悪事をしたから救いが無くても楽しめたけど、>>877は脈絡もなく着ぐるみに閉じ込められて終わりだからなあ…
自業自得の要素もなければ、着ぐるみの衣装に閉じ込められておしまいって言うのは少し腑に落ちないのもわかる気がする

それにただ脱げないって脱水起こして、最悪脱水で死んだら『衣装』とするには死臭が付いて使えなくなると思うんだけど、その点はどう考えて『衣装』としたのかが分からない
ももぴさんには悪いけど着ている人を衣装にするってどう言うことなのかな?


934 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/25(木) 18:26:47
書いてて長文になってごめんなさいあともう一つだけ

脱がさないで『衣装』とするのであれば、その目的が知りたかった
ただ意地悪で他の役者が脱がさないだけにしか読み取れなかったから、その点の補足が欲しかったな


935 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/25(木) 20:26:53
自業自得要素あるよちゃんと読もうね


936 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/25(木) 20:51:12
>>935
いやその自業自得要素ってどこだよ
主人公が怪獣の役普段より簡単だなって思ってるところが自業自得じゃないよな?
他のアクターさんに簡単ですねとか言って苛つかせたならともかく、そういう描写も何もないから唐突に閉じ込められて終わりになってるから、ただの意地悪になってないかって書いたんだよ


937 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/25(木) 21:10:43
>>824の他人事に聞こえたかもって言うのが伏線のつもりだったのかな?
まあ『妄想』で二度と書かないみたいだし不毛だからやめようか


938 : ホタルイカ ◆zYQ/uWRKn. :2016/02/25(木) 22:19:23
私の名前は高原美咲。
養父母のもと一緒に市場で働いています。
冬はカニ、初夏にはホタルイカが特に有名だけど、1年を通して魚介類が美味しいこともあり、観光客も多いの。

市場の中、他店との差別化を図るため、うちの店ではリアルな着ぐるみを取り入れたお話をします。

私は冬場、大きなカニの着ぐるみに頭の後ろで足を組んだ状態で入っています。
こんなことができるのもずっと体操をやらせてもらっていたから。

カニの着ぐるみは上下に分かれた甲羅の間に私が入り、合わせて4箇所の金具で固定するの。
甲羅の中にはクッションのような緩衝材があるので痛くはないんだけど、着ぐるみに入るときに着るラバースーツとカニの近くに置かれることもあったので、着ぐるみから出るとゴムの匂いとカニ臭さが体に残ったので、お風呂でしっかり体を洗わないと大変。

カニの脚は動かせないんだけど、ハサミには腕が入るので、動かすことができた。
大きなカニの着ぐるみといっても、実際のカニと比較したものでとても人が入っているとは到底思えないサイズだったわ。
実際、カニの着ぐるみから出ても、体が同じ態勢のままいるので固まってしまい、すぐには動くことはできなかったわ。

カニの着ぐるみ効果は上々で、買ってくれたお客さんに愛想を振りまくカニのおかげで店は賑わった。

カニの着ぐるみで味を占めた養父母。
今度はリアルなホタルイカの着ぐるみを造ったの。

ホタルイカの着ぐるみと言っても、頭から被りイカの脚に紛れて私の足があって立てるというものではなかったの。

カニの時に使った赤いラバースーツを着て、同じ赤いラバー製のマスクを被せられる。
マスクは頭全体を覆い視界はゼロ、音も聞こえにくい、あるのは口のところに短いホースがあるだけ。
この短いホースを咥えると呼吸ができるの。

ホタルイカの着ぐるみの形状に私の体を合わせるため、ラバースーツとマスクを装着すると、今度は前屈姿勢になる。
私、体が軟らかいから前屈すると顔を足にくっつけることができるの。
その態勢のまま、黄色のラップで前屈姿勢が崩れないように頭の辺りから腕を伸ばした足先へラップをしっかりと巻かれる。
少しキツイけど、我慢できないほどではなかったわ。
腕と足は1つに固定されて、少ししか動かすことができないほどだったの。

つまり、私は肌の露出が全くない真っ赤なゴム人形となり、さらには2つ折りにされ、ラップでグルグル巻きにされた。
もはや、人ではなくものにしか見えないよね。


939 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/25(木) 22:38:37
別視点からキタコレ


940 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/25(木) 22:55:17



941 : ホタルイカ ◆zYQ/uWRKn. :2016/02/25(木) 23:18:35
ラップに巻かれゴムの塊となった私を養父が抱え、養母がリアルなホタルイカの着ぐるみの頭の先を開いて待ち受ける。
小柄な私は2つ折りにされ、さらに小さくなっているので難なくホタルイカの着ぐるみの中に収まる。

ホタルイカの着ぐるみは半透明で表面にマダラ模様があるの。
そしてこの着ぐるみのすごいところは、全体に青色のLEDが仕込まれていて、暗くするとすごく綺麗に光るらしい、というのも私はずっとホタルイカの中にいたので見たことないんだけど。

最後に足先のところのラップの拘束を少し解いて、ホタルイカのある脚に私の命綱でもある呼吸用のホースを繋ぐ。
この脚は空洞になっていて、普段浅い水槽の中でこの脚だけは外に出して私の呼吸を確保しているというわけ。

そして残りの他の脚には細い透明の糸が繋がっていて、もう片方には丸い輪が付いているの。
それが呼吸用のホースであいたラップの穴から私の指に1つずつはめられる。
私が指を動かすとホタルイカの脚がまるで動き生きているかのように見える仕組み。

こうしてお客さんを喜ばせ、他店との差別化を図ったおかげでうちの店は大盛況だったんだけど。
ホタルイカの頭の先は完全に接着剤で止めてしまうのて、一度入るとほぼ一日中入ってなきゃいけなかったので嫌だった。
それに水槽に入れられると、少しずつ水が入ってくるのも怖かったわ。

私、着ぐるみの中でがんばってるんで、旅行で近くに来たらよってみてね。



おしまい


942 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/26(金) 06:45:55



943 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/26(金) 12:38:04
この養父母はサイコパスだわ。女子中学生にラバーを着せた上で
ラップ巻にバイブ挿入とかありえんわ。


944 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/26(金) 12:38:39
おいそのうるさいぞ


945 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/26(金) 13:26:14
ももぴさん書いてくれないかな・・・


946 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/26(金) 13:47:56
ももぴはもう書かないだろ?
自業自得要素がどこだか分からん、そしてつまらん


947 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/26(金) 14:07:16
人気の熊はあんなに良かったのに、おいそののせいで…pixivとかでもいいからももぴさんの小説が読みたい


948 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/26(金) 16:29:22
読解力無い人に荒らされちゃったね


949 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/26(金) 18:12:43
バッドエンド上等だと思うけどね。英語のネットフェチ小説には珍しくも無い。


950 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/26(金) 18:25:30
もういいよ。


951 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/26(金) 22:25:19
>>948
同感。読解力があれば全て伝わった。
ももぴさんお願いだから次の作品を。


952 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/26(金) 22:29:00
読解力(笑)


953 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/26(金) 22:37:33
バッドエンド上等だけど、因果関係がなくいきなりバッドエンドはネット界隈に山のように転がってるデスゲーム小説と大差ないしなあ…
ももぴにはバッドエンドとは何かを学んでからまた書いてほしいな


954 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/26(金) 22:42:13
着ぐるみに閉じ込められました、いきなり空からギロチン降ってきて首チョンパでもバッドエンド好きにとっては良いのかwww

着ぐるみフェチの小説が読みたいだけなのに何だこの荒れ様www


955 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/27(土) 02:15:37
ちょうどもうすぐスレ終わるんだから次から作者のやる気削ぐ感想全部NGって追加しとくか?
上にも書いてる奴いたが仮に作者が求めてるとしてもそれは感想で評価なんてしなくてもいいんだよ
>>954が言うように着ぐるみ要素がよければOKなのに勘違いが湧くなら堂々とアク禁できるようにするしかないでしょ
デメリットはその規制に主も巻き込まれる可能性があることくらい
どうする?


956 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/27(土) 11:51:44
このスレってかこの板は荒らしはスルー黙って通報。の原則が守られずに
荒らしがいる!テンプレにルールを追加しよう!って騒ぐ自治厨が沸いてるのが本当に残念
ルールに追加なんぞしても荒らしには何の関係もないし、この板の管理人はいちいちスレのルールに追加しないと荒らしの対策をしない放任主義なのか


957 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/27(土) 12:28:49
否定的な意見=荒らしという判断は短絡的すぎる
誰かが書いていたけど一見否定的な内容であっても
それが作品に対する純粋な感想なら荒らしではない

文章力や内容等、結果的に作品の出来が悪ければ
批判的な意見があるのは当然の流れだろ
称賛は受け付けるけど批判はお断りします、ってのはおかしい

問題なのは批判的な感想に乗っかった愉快犯的な荒らしの存在かな
作品に対する批判は構わないけど作者自身を否定するのは違うと思う


958 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/27(土) 13:07:53
>>956
それを管理人がやったらやったでグチグチ言う奴が出てくるだろ
>>957
ももぴが君の言う純粋な感想を見分けられず愉快犯をスルーできなかったのは残念だが
それを本当の意味で見分けられるのは管理人だけで案外難しいだろ
だから管理人が行動しやすいようにテンプレに追加した方がいいと思う
それに今回争点になったのは作品の出来どうこうじゃなく内容の好みの問題
登場人物が死のうが酷い目に合おうがフェチ色次第なんだからそういう批評は荒れるしするべきじゃない
そもそもこのスレは書き手がいないと成り立たないんだから何でも思ったこと書くと素人である書き手は潰れるだろ
感想っていう認識よりかは「見てるんで頑張ってください四円」みたいなニュアンスで捉えて保護するくらいじゃないとスレが持たんぞ


959 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/27(土) 13:38:41
>>958
荒らし含めて万人が納得行く方法なんて出来るわけねーだろ。犯罪者が可哀想だから警察組織廃止しろって言うのかお前は

荒らそうと思って書き込んでる奴に「これはルール違反だ!通報だ!」なんて騒いでも全く意味が無い。スレの雰囲気がなおさら悪くなるだけ
どうせお前はテンプレに追加されたら「お前の書き込みはルール違反だ。お前も、お前も」ってコピペして「俺はスレの秩序を保ってる」ってオナニーの自己満足するんだろ。そんなの全く意味ねーから
テンプレに追加するべきは「荒らしはスルー、通報はどこどこのスレへ」これだけ。2016年にこれを説明する事になるとは思いもしなかったわ

そもそも匿名掲示板で「優しい言葉で作者を保護」なんて理想論にもほどがあるし、繰り返し言うけど、意図的に荒らしをしている奴には何の抑止力もねーよ
やりたいならお前が管理人で「絶対ネガティブな発言が来ない(管理人が削除保証)招待制のSNS」でもやってろ。自分は匿名で無登録で作品を発表したいけど、批評はされたくない><
なんて都合よすぎ


960 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/27(土) 14:25:49
自分の作品が評価されないからって長文とはね。見苦しいやつ


961 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/27(土) 14:26:18
長文書いてあーだこーだ言ってる奴らはいい加減自分も荒らしと同じって事を把握した方がいいよ


962 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/27(土) 15:14:28
せやな
つまらんかったら読まん
面白かったら読めばええんやで
不満はチラ裏


963 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/27(土) 15:28:36
この論争はいつまで続くんですか?
投稿してもいいのかなぁ?


964 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/27(土) 15:34:31
ええで
作品にケチつける自演が湧くかもしれんが
実際こうやって荒れたしこれ以降は管理人がどうにかしてくれるっしょ
読者の俺もそういうコメ出てきたら管理人に通報するからももぴ氏も安心して投稿せえ


965 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/27(土) 17:57:44
>>963
お願いします


966 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/27(土) 18:09:04
どうでもいい。つまらん。


967 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/27(土) 22:09:30
そうやってヘソ曲げんなってw
こんなの無視して作者さんドゾー


968 : イベント ◆zYQ/uWRKn. :2016/02/27(土) 23:24:27
「片岡く〜ん」山本課長が優しいトーンで名前を呼んできた。

私、片岡真由美はショッピングモールの裏方、総務課に勤務するアラサー女子。
上司の山本が、こんな感じで声をかけて来る時はロクなことがない。

なぜなら通常業務でないことを押し付けてくる。
つい先日もショッピングモール内のイベントで、”カピバラさんとふれあおう”というイベントをやったのだが、このカピバラさんが着ぐるみで中に入る予定だった女の子が当日休んでしまった。
かなり小さな着ぐるみで男性職員では到底対応できず、女性でも150cm以下でないと中に入ることができなかった。
その時も上司の山本が優しいトーンで名前を呼んできたのだった。
私の身長は148cmと小柄なので、年齢よりは若く見られるという利点もあるが、この職場ではそうではなかった。

こういう事はしばしばあり、カピバラさんの前はウルトラ怪獣のピグモン、その前は…
いちいち説明しているとキリがない。
こんなことが日常であった。

名前を呼んできた課長の方を向くと「今回はなんですか!」聞き返すというよりは怒鳴るようにいってしまった。
これも習慣かなっと、自分でも少し反省。

「実は…」何か言いにくいそうに紙を手渡してきた。
課長からその紙を受け取り見ると、時間と場所、持ち物が書いてあった。
「なんですか?これ?」
「片岡くん明日、そこへ行って欲しいんだが、大丈夫かな?」
「仕事はいいんですか?課長」
「ああ、行ってもらえば分かるから」
課長はそれだけ伝えてきた。

今はイベントも無いし、なんだろう?
私の頭は疑問だらけだったが、翌日指定された時間にその場所へ行った。


969 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/28(日) 09:46:05
なんか一人騒いでるのがいるけど、作者の自演か?


970 : イベント ◆zYQ/uWRKn. :2016/02/28(日) 10:47:16
その場所は造形スタジオ、映画やテレビなどで使われる特殊な衣装や道具を主に扱っている会社だった。

課長からはヤマモトさん宛で行ってほしいと。
言われた通り、事務所へ行くと相手の方から立ち上がり、「片岡さん?山本です」と。
その顔、名前で課長の親戚であることはすぐに分かった。
「いつも、叔父がお世話になってます」

お互い挨拶もそこそこで、本題へ。
「早速で申し訳ないんですが、準備に入って貰えますか?」
「はい!」山本さんが工房へと案内してくれた。
「これから何をするんですか?」
「え!叔父さんから何も聞いてないんですか?」
「ええ」
「そうなんですか、今から体全体の型取りをします。それで今日は終わりです」
「型取り?なにを造るんですか?」
「え!全くなにも聞かされてないんですか?叔父さんひどいなぁ」

「聞いた話によると、ドラゴンボールの映画イベントでフリーザの着ぐるみ作製依頼があったんです、フリーザ知ってます?」
「悪くて強い奴ですよね、小さいのに…」
私はなぜ自分なのかが分かった。
”小さいから!”
着ぐるみは中に入る人よりもかなり大きくなってしまう、それで小さいキャラクターの場合、中に入る人も小さいことが必須となる。


971 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/02/28(日) 12:20:05
っ④


972 : イベント ◆zYQ/uWRKn. :2016/02/29(月) 20:41:42
着ぐるみのキャラクターが何かを伝えれば、私が受けないと考えた課長は敢えて伏せていたのだ。
現場へ行けば、もう逃げることはできない。
私が腹をくくるのも計算の上のことだった。

工房の更衣室で水着に着替える。
山本さんからスイミングキャップを渡され、指示どおりに髪と耳までキャップの中に収める。
プールもないのに泳ぐみたいだなぁと思いながら山本さんに促されるまま、ピンク色をした物を敷き詰めた前へと連れてこられ、仰向けで寝るように言われた。

「これなんですか?」ピンク色の物を指差しながら私が聞くと、山本さんが「それ、今はブヨブヨしているけど、時間が経つと固まって、型を取ることができるんです」と教えてくれた。

「寝てもらうと、ある程度沈む。その上からさらにピンク色の型取り剤を全身に塗っていくからね」笑いながら山本さんが言った。
私が「全身にって顔もですか?、呼吸できるんですか?」

「大丈夫!大丈夫!ちゃんと呼吸穴は確保するから、心配しないで」
「閉所恐怖症じゃないよね」
「はい、それは」私は自信なさげに答えた。

ピンク色の型取り剤に横たわり、上からも型取り剤が足下から上に上がってくる。
まな板の上の鯉状態だなぁと思いながら、もうあとはされるがまま。
型を取り終えるとその日は帰された。

翌日出勤して、朝の挨拶より先に課長に文句を言ったのは言うまでもない。


973 : イベント ◆zYQ/uWRKn. :2016/03/01(火) 15:58:49
そしてもう型を取ったことも忘れた頃、映画の宣伝のための握手会企画を任された。
私の下には入社2年目の男性社員とアルバイトの女性2人。

宣伝する映画はドラゴンボール、それを見て思い出した。
そうだ ”フリーザの着ぐるみ”型を取ったけど、どうなったんだろうと思っていたら、翌日私宛で着ぐるみが届いた。

中を開けるとゴムの匂いが広がる。
その場で広げそうになったが、自分がこの中に入ると思うと少し恥ずかしくなり、着ぐるみを持って誰もいない会議室へ移動し鍵をかけた。

そして改めて届いたフリーザの着ぐるみを広げてみる。
ウエットスーツのようなネオプレンゴムでできており、背中が開閉できここから着ることができることを確認した。

それにしてもよくできている。
筋肉の隆起もしっかりとある。
感心していたが、まだパーツがあるようでだしてみると、紫色が散りばめた戦闘服が出てきた。
それにツノのついたヘルメットのようなものや、長いリストバンドのようなものまで。
それが何かはすぐに分かった。

初めに広げた着ぐるみはフリーザの変身後の最終形態、その上にこれらを着用することで変身前の姿になれるということを。
着ぐるみを取り出した箱のそこに封筒にメモが入っていた。
封筒からメモを取り出すと一緒に、ボンドのようなものも出てきた。

メモにはこう書かれていた。
”着ぐるみを着用したあと、附属のパーツを付けてもらうと、変身前のフリーザになれます”と。
「分かってますよ」メモに独り言で答える。
しかし、メモには続きがあり
”同封しているボンドを使うと、背中のファスナーを完全に塞ぐことができます”と。
私は試しに着ぐるみのファスナーの端、開閉には影響のないところにボンドを塗って接着してみた。
どうやら、ボンドは着ぐるみを作った素材と同じもののようで、切り口が全く分からなくなった。
「すごい!」思わず声を上げてしまった。


974 : イベント ◆zYQ/uWRKn. :2016/03/01(火) 18:24:29
わざわざ、型取りまでした着ぐるみ。
一体、どれほどのものかと思い着ることにした。
会議室のドアの鍵がかかっていることを確認してから、服を脱いで下着姿で着ぐるみを着る。
これまで色々な着ぐるみを着てきたので、抵抗はなかった。
足を通すと今までにはない感覚が私を襲った。
”ぴったりしてる!”まるで、肌に吸い付くような感覚。
”気持ちいい!”変な感覚が体を走る。
両足はフリーザの白い足に。
次に両腕を通し、最後に着ぐるみに通した両手で視界や呼吸穴を調整しながら、頭を被る。

私は体が軟らかい方なので、背中のファスナーに手が届く。
フリーザの白い手ではファスナーのツマミを掴むのは難しかったが、なんとか掴み引き上げた。
「できた!」思わず声を上げた。
そして、吸い付くような、なんとも言えない感覚に全身が取り込まれ、気持ちよくなる。
そしてなぜか、股下の長さがあっていないようで食い込んでくる。
でもその食い込みが私を気持ち良くさせる。

あまりの気持ち良さに立っていられず、床に女の子座りで座り込む。
”ダメ!!”自分の意思で抑制しようとしたが、右手は股へ、左手は胸へ別行動を取る。
乳首が勃起していることは、微かにだが分かるほど固くなっている。
着ぐるみ越しのため、実際には自分の体なのでそのように感じただけかもしれないが。

股を擦り始めるとてが止まらない。
”ココは会社の会議室”理性を働かせ、止めようとするが手の動きはますます速くなる。
止めることができないと、悟った私は同梱されていた戦闘服に顔埋め声が漏れるのを必死で抑えた。


975 : イベント ◆zYQ/uWRKn. :2016/03/01(火) 18:40:40

「あぁぁぁ、逝くぅぅぅ!」
ここまできたら、どこまで外に声が漏れたかは分からない。
この声を誰も聞いていないことを願うだけだった。

前のめりに戦闘服に顔を埋め、足は女の子座りのまま、しばらく余韻に浸る。
私の耳には電話が鳴る音と忙しそうに話す従業員の声が聞こえてきて、今の自分とのかけ離れていることを強く実感した。

ようやく、落ち着き立ち上がる。
視線を感じ振り返ると、会議室の壁上部のクリアな小窓から、菱木が覗いていた。
菱木智則は入社2年目の社員で、今回の映画イベントの私の部下。

”どこから見られてたの?”
顔が急激に熱くなる。
”どうしよう?”気持ちは焦るが、もうどうすることもできない。
覗いている菱木に会議室に入ってくるように手振りで指示する。

会議室を入ってきた菱木の第一声は、「すごいですね、この着ぐるみ!本物みたいだ」
そして続ける。
「どうしたんですか?倒れてましたけど」
”良かった!見られていない!見られたのは事がすべて終わってからだった”

気持ちを切り替え「どう?いい感じでしょ!」
努めて明るく話す私に彼が一言。
「片岡さんの背中、白くてキレイですね!」
裸を見られたということは、行為をしている一部始終を見られたことは確実。
私は言葉を失い、沈黙が続いたが菱木が「これってあの戦闘服ですか?」
床に落ちている戦闘服を拾い上げて話を逸らした。
力が抜けて立っていられなくなり、私はイスに座った。

その私の肩を揉みながら、「あのお硬そうな美人の片岡さんがあんなことするなんて、しかも着ぐるみを着たまま、僕すごく興奮しちゃいましたよ」と、
すごく嫌味な口振りで話す菱木。
イケメンの菱木と仕事をすることになり、独身の私はこの仕事を楽しみにしていたが、状況は一変した。

”最悪だ!どうしょう?”
この言葉がずっと頭の中を巡っていた。


976 : イベント ◆zYQ/uWRKn. :2016/03/01(火) 18:52:47
「どうします?片岡さん、戦闘服や装備品、一度すべて取り付けてみます?」
なぜかすごくやる気になっている菱木とは対照的に私は小さな声で「うん!」とだけ答えた。

あと菱木にされるがまま戦闘服を着せられていくが、もう私の頭の中は”オナニーを見られたこと”そのことしか頭になかった。

すべてつけてもらい鏡の前に立つと、不敵な笑みを浮かべる変身前のフリーザがそこにいた。
私は思わず手を後ろで組むとそれはアニメでよく見たフリーザそのものだった。

フリーザの出来に関心して魅入っていると、「今日は試着これぐらいでいいですか?」と菱木の横槍が入った。
「ええ、そうね」そう答えと、「バイトの女の子たちそろそろ来る頃なんで、着替えてもらえますか?」と。

時計を見ると、打ち合わせの時間が迫っていた。
”コン コン コン”会議室のドアがノックされた。
菱木が対応する。
話している感じから、バイトの女の子たちのようだった。
”どうしょう?!”
とりあえず自分の服をまとめて、更衣室で着替えることにしたのだが、一人の女の子が「すごい!」と声を上げた。
もう一人の女の子も「ホントだ!本物そっくり!でもちいさくてなんだかかわいい」

私はその声に反応することなく、2人の間をすり抜け、「着替えてくるから説明始めておいて」と菱木に指示をして更衣室に向かった。


977 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/03/01(火) 19:34:26



978 : イベント ◆zYQ/uWRKn. :2016/03/01(火) 21:02:58
更衣室に向かいながら、着ぐるみのままの方が良かったかなぁ、 戦闘服は一人で脱げるかなぁなど色々考えていて、すれ違う人の視線には全く気づかないほどだった。
更衣室に入ってまず、戦闘服を脱ぐ。
柔らかい素材でできていて若干の伸縮性もあり、すぐに脱ぐことができた。
頭のツノのついたヘルメットやその他腕や足につけた装飾も外し、背中のファスナーを下す。

「ぷはぁ!」空気がすごく美味しく感じる。
変態と思われるかもしれないが、着ぐるみに閉じこめられるのも、私的にはなかなか気に入っている。
そしてその着ぐるみから解放もまた堪らない。
着ぐるみを脱いでいる途中で、重大なことを思い出した。
”着ぐるみの中でオナニーをしてしまったこと”
足を抜いているとき、液体が足を伝って流れて落ちていく。
着ぐるみの中を自分の淫らな液で汚してしまった。
打ち合わせがあるので急ぎながらもキレイに着ぐるみの中を拭き取る。
着ぐるみの中を拭いている姿は、ほぼ全裸で到底、ヒトには見せられないカッコだった。

着替えを済ませ会議室へと向かうが、私のスカートの中は何も履いていないので…。

会議室に入ると、一斉に3人がこちらを向いた。
女の子2人はなかなかな可愛く、課長好みで採用したのは見え見えだった。
さっきは、バタバタしていてとても女の子の顔までチェックできなかった。

「え!この人がフリーザに入っていたんですか?」1人の女の子が声を上げた。
「ホント!すごい美人さん」

2人の褒め言葉に悪い気はしない。
「ありがとう、私は片岡真由美、この企画の責任者、よろしく」
2人も自己紹介をする。
ショートヘアの可愛い系の子が、明智美穂。
ロングヘアの美人系の子が、田口里香。
「そして唯一の男子、彼が」といいかけたところで、自己紹介してもらいました。
2人が声を合わせた。
よく見るとホワイトボードに菱木の名前が書いてあった。


979 : イベント ◆zYQ/uWRKn. :2016/03/01(火) 23:41:33
自己紹介も終わったので、改めてイベントの期間、段取りを説明する。
ショッピングモール2階の吹き抜けのホールで、フリーザとの握手会のイベント。

順番に握手を行っていくためのお客様の誘導を菱木と明智さんにやってもらい、喋りの得意な田口さんにはイベントの進行と私のフォローを担当することになった。

女の子2人にはイベント用にフリーザに合わせた紫と白のエナメルのワンピースとブーツ。
菱木は紫と白のスタッフジャンパーを渡した。
スタッフジャンパーは女性陣3人分ももちろんあった。

ショートヘアの明智さんが私に尋ねてきた。
「着ぐるみの中って、どんな感じなんですか?」
突然の質問に少し戸惑う。
「えーと、そうね、始めはいいんだけど、しばらくすると熱くて息苦しくなってくるわ」
「へー、私もやってみたいなぁ、前から一度やってみたかったんです」と明智美穂。

「美穂って片岡さんと身長変わらないからいけるんじゃない?」田口里香も後押しをした。
「うーん、代わりお願いしようかなあ⁉︎」わたしがそういったとき、菱木が口を挟む。
「変身前と最終形態の2人ってのは、どうですか?」一堂が一瞬キョトンとしたが、確かにそれもありかと考え直す。

それに私が気持ちよくなり、淫らな液で汚した着ぐるみに美穂ちゃんを入れる訳にはいかないと思い「課長に一度相談してみます、その上でまた結果は連絡はしますので」
今回はとりあえずこんな感じで終わり。
イベントの前日にまた集まることとなった。


980 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/03/01(火) 23:51:23
支援


981 : イベント ◆zYQ/uWRKn. :2016/03/02(水) 08:26:12
打ち合わせが終わり課長のもとへ。
いつも口うるさく予算予算といっている課長にもう一つ着ぐるみを作って下さいなんて、よくよく考えてみたら無謀すぎた。

でも、彼女たちに言ってしまった反面、ダメ元で交渉することにした。
「あのー課長、次のイベントのことなんですけど、もう一体着ぐるみ作ってもらうことできませんよね」
最後は声のトーンが下がり消え入りそうな声になった。
「いいぞ、といっても先に送られてきた着ぐるみに不具合があったそうだ」
「なんですか?不具合って?」聞き返したかが、「なにやら難しいこと言っててよくわからなかった」と課長。
「だから新しく作り直して送るそうだ、だがどうしてだ?壊したか?」

「壊してません!」私を疑り深く見る目に向き合い、先ほど打ち合わせしたことを話した。
「なるほど、そういうことなら俺も手伝わせてもらうよ」
やけに物分かりのいい課長に不気味さを感じていたが、これは私に起こる不幸の前触れだったと、その時は知る由もなかった。

数日後、着ぐるみが届いた今度はフリーザだけ
だった。
明日が前日で集まる予定の日だったので私の面子も守られたとホッとした。


982 : イベント ◆zYQ/uWRKn. :2016/03/02(水) 14:46:17
イベント前日、フリーザのポスターの貼ってある会議室で少し遅めに打ち合わせがスタートした。
打ち合わせが遅れた原因は大学生の彼女たちの授業がおしたせい。
一度、ホールへ行って握手会の順番を確認した後で、再び会議室に戻ってきた。
そして簡単に段取りの確認をする。
始めホールに設置された舞台上で、私が扮する変身前のフリーザが出て、あらかじめ用意されたテープの音声が流れる。
「あなたたちに極上の恐怖を味あわせてあげましょう」
これを合図にスモークが焚かれ、照明がスモークを照らし私が下がる。
代わりに美穂が扮する最終形態のフリーザが登場するという設定。
特に難しくないので打ち合わせも終わり、フリーザの着ぐるみの試着を始めることに。

私と美穂、それに里香もお手伝いとして更衣室へ一緒に移動。
なぜか私たちの後をついてきていた菱木を注意したのは、いうまでもない。

更衣室に入りすぐに鍵をかけた。
ムキになって鍵をかけている私を見て2人は笑っていた。
その笑顔もダンボールからビニールに入ったフリーザの着ぐるみを出すと、2人の驚きの顔に変わった。

「すごい!やっぱりリアルですね」里香が興奮気味に話す。
「これって、新品ですか?」美穂の問いに「そうよ!」と答えた。
すると「よかった!あの後ネットで調べてて汗の匂いがすごいとか色々書かれていて不安になってきちゃって」と笑顔になった。

「私がこの前試着したのも、新品だったから製品のような独特の匂いはするけど、大丈夫よ」「ただ、私の体のサイズに合わせてるから、その辺りが心配かな⁉︎」
3人とも笑顔になった。

まずは美穂が着ていくことに。
水着になり着ぐるみに足を通していく。
滑りはよくないがフィト感がすごい。
「足に貼りつくみたい、なんか気持ちいい」
美穂のその言葉を聞いてよくわかってるわ、この子と思った。


983 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/03/02(水) 15:24:31



984 : イベント ◆zYQ/uWRKn. :2016/03/02(水) 17:58:42
2人がかりで美穂をフリーザにした。
「どう、美穂ちゃん?」
「思ってたより、ずっといい感じです」
不敵な笑みを浮かべるフリーザから明るい美穂の声が聞こえてくるのには、かなりの違和感を覚えた。

「じゃあ、次私も着るから手伝って!」
「できれば、着替えてリハーサルしておきたいから」
そういって、2人に手伝ってもらい私もフリーザになった。
着せる時と着る時では当然違うのだが、着ぐるみの触った感触に違和感を感じた。

私と美穂はフリーザになり、1人会議室で待つ菱木の元へと戻った。
菱木も2人のフリーザに驚きの表情を見せる。
そして菱木から「本番さながらに、このボンドで背中のファスナー部分もわからなくしません?」と提案があった。

明日が本番なのだから、やめればよかったのに菱木の提案に乗ってしまった。
私たちが着ぐるみの着替えをしている間、暇だったからだろう菱木はボンドの説明を熟読していた。

ボンドは速乾性で塗料も含まれており、塗ると着ぐるみのファスナーが隠れている隙間をわからないようにキレイに埋めてくれる。
脱ぐ時は着ぐるみに触れファスナーで固くなっているところにカッターを入れると上手く切れると書いてあった。

美穂ちゃんから先に始める菱木。
付属のヘラを使い上手く切れ目を消していく。
”なるほど”関して見ていると、次は私の番。
背中の切れ目を消して、ほとんどすぐに戦闘服を着せてきた。

そのまま装飾品もつけていく。
里香も手伝って手際よく変身前のフリーザが出来上がった。

再びホールへ移動する。
ショッピングモールの店員さんもほとんど帰ってしまっていない。
舞台だけが照明に照らされていた。


985 : イベント ◆zYQ/uWRKn. :2016/03/03(木) 10:01:09
リハーサルを始める。
もちろん、音声もスモークもない、簡単に動きを確認。
どんな感じの方が雰囲気が出るかなど、力を込めた時のポーズなどを実演し笑いながら確認した後、会議室へと戻りボンドで接着した部分をカッターで切り開き、着替えて解散の予定だった。

会議室でまず、美穂ちゃんのフリーザの背中を切開する。
私も菱木がやるのをフリーザのまま見ていた。
指で背中のファスナーが埋まって固くなっている部分を探し開いていく。

ファスナーが露わになり、そのファスナーを菱木が開こうとしたのを里香が止める。
「女子が汗だくで、髪ボサボサって恥ずかしいんですよ」
そう言われ、菱木は引き下がった。

次は私の番。
「菱木、戦闘服脱がすの手伝って!」
「ハイ!」と返事して、戦闘服を持ち上げて脱がそうとするが、くっついているようで脱げない。
それどころか、小柄な私は菱木に持ち上げられ、ただでさえ股に食い込むフリーザの着ぐるみが激しく股に食い込んでくる。
思わず「あぁぁぁ」という声が漏れたが、菱木には聞こえていなかったようで、戦闘服を脱がそうと何度も持ち上げる。

しかし、戦闘服は着ぐるみにしっかりとくっつき脱ぐことができなかった。
「なぜ?」全員で知恵を出し合って色々試してみたがダメだった。

時間がどんどん遅くなるので、とりあえず美穂と里香を家に帰した。
この着ぐるみを作製した山本さんに私の電話を渡して菱木から電話をしてもらうが、でない。


986 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/03/03(木) 11:51:21



987 : イベント ◆zYQ/uWRKn. :2016/03/04(金) 10:09:36
しばらくしてから、山本さんから折り返しの電話がかかってきた。
事情を菱木から説明してもらう。

ふんふんといった様子で聞いていた菱木だったが、突然「えー!‼︎ はい、はい、分かりました」といって電話を切った。

これから聞かされことは私にとってよくないことはある程度覚悟していたが、その通りだった。
「脱げないそうです、着ぐるみ」
「先に送った着ぐるみと後で送った着ぐるみは使っている材質が違うんです」
「だから、あの切れ目が消えるボンドを使うと着ぐるみが溶けてしまうんです」
「ダメ押しで悪いんですが、片岡さんの着ている着ぐるみのファスナーって、金属製ではなかったですよね」
思い返して、頷く。
確か、プラスチックみたいだったことはなんとなく覚えている。
「その着ぐるみファスナー、あのボンドを使うと溶けてしまうそうです」
「だから、着ぐるみを脱がせるには着ぐるみを破らないといけないみたいなんです」

私は力なく膝をついた。
それを見てか菱木が「山本さん、今出張中で明日の夕方には帰ってくるので、なんとかできるかもしれないので待って欲しい」と。

着ぐるみを破って脱いでしまうとイベントに影響するから、脱ぐこともできなくなってしまった。
責任者としてもイベントを台無しにする訳にはいかないので、フリーザのまま一夜を過ごし、イベント初日を迎える覚悟を決めた。


988 : イベント ◆zYQ/uWRKn. :2016/03/04(金) 10:17:41
菱木も責任を感じ、2人で泊まり込むことになった。
「襲ったりしないでよ!」
「しませんよ、片岡さん今、フリーザなんですよ」
「でも、中身は女の子よ」
「女の子って、歳ですか?」嫌味をいう菱木。
続けて「自分の顔見えないからですよ、不敵な笑みでこっち見てるんですよ、怖いくらいですよ!」
2人は応接室のソファで向かいあって寝ていた。
それにしても寝にくい、戦闘服の肩の突き出したところが幅を取り、ソファから落ちそうな態勢になる。

「ああ、そう言えば聞こうと思って忘れてました」
「フリーザの着ぐるみ、1人で試着した時会議室でうずくまって何してたんですか?」
忘れていればいいのにと思いながら、どう答えていいかと思いを巡らせると同時にあの時のことを思い出すと顔が熱くなってきた。
「着ぐるみ着たのは、いいけどキツくって立っていられなくなったの」
声もうわずっているし、惚けた感じがありありと出てしまった。
嘘丸分かり。

しかし、菱木は「そうだったんですか?今は大丈夫なんですか?」と。
「ええ、まぁ」顔が熱いまま答え菱木を見ると、彼にはどうでもよい会話だったようで、寝てしまっていた。

「どんなんだよ」静かに菱木に突っ込みを入れ、オナニーがバレていなかったことにホッとした。


989 : イベント ◆zYQ/uWRKn. :2016/03/04(金) 12:42:47
あの時のことを考えると、無性にムラムラしてくる。
今もあのフリーザの着ぐるみの中に閉じ込められている。
”このまま出られなかったら、どうしよう?”
着ぐるみを着たまま仕事をするのかと、事務所でフリーザが動き回っている絵を想像する。
なぜか少し笑えた。

別のことを考えているとよかったのだが、この着ぐるみの中に拘束されていることを思い返すとだんだんと興奮してきた。
自分でも薄々気づいていた自分にはMっ気があることを。
このシュチュエーション、萌えない訳がなかった。
もう、乳首はまた固くなっていることは分かっている。
軽く触ると声を上げそうになるのを必死で堪える。
股もすっかり濡れている。
”触ったらダメ、隣りで菱木が寝ている”
頭ではそう思っても手はいうことを聞いてくれない。
ゆっくりとそしてだんだん動きが速くなる。

”ダメ、ダメ!”自分に言い聞かせている言葉が、「ぁぁぁん、ああぁぁ」喘ぎ声に変わってくる。
少しでも菱木から離れようとソファの裏へ回る。
左手で顔を押さえ声が漏れないようにしているが、右手は股から離れず擦り続ける。

そして遂に「ダメ、逝くぅぅぅ!」自分では精一杯最小限に声は押さえた。
土下座したように体を丸めて床に伏せている私の背後に菱木が立っていた。


990 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/03/04(金) 13:04:32

菱木がダウントンアビーのトーマスのような男で合あることを祈ろう!


992 : イベント ◆zYQ/uWRKn. :2016/03/04(金) 18:09:16
「片岡さん、大丈夫ですか?」
まだ、呼吸が整わない。
ハァハァという声が着ぐるみの口元から漏れる。
”なにかいい訳しなきゃ、熱くボーッとした今、何も思いつかない”
それでも必死に考え、「戦闘服の肩の突き出したところが邪魔でソファから落ちそうになるので、床の方がいいかなぁって思って」
自分でもあまりにお粗末な言い訳だと思ったが、菱木は倉庫から以前イベントで使ったクッションマットを持ってきてくれた。

「これなら寝やすいんじゃないですか?」
と笑顔の菱木。
オナニーをして、嘘をついている自分に反省しつつ、「菱木、ありがとう、これなら寝られるわきっと」と声をかけた。



朝、目が覚めると菱木の姿はなく、置き手紙と共にストローの刺さったパックのスポーツドリンクが置かれていた。
「着ぐるみから息苦しそうな寝息が聞こえていたので、喉渇いてたら飲んで下さい」手紙にはそうかかれていた。

「菱木、ありがと!」そういってから、スポーツドリンクを着ぐるみの呼吸用の穴からストローを挿し込んで飲む。
飲まず食わずで口にしたスポーツドリンクは体に染み渡っていくようだった。

しばらくすると、菱木が戻ってきて私のことをえらく心配してくれ、変に優しかった。
「大丈夫ですか?無理しないで下さいね」
昨日は初めて着ぐるみを着たまま寝たため、うなされていたのかと思ったが、菱木に確かめる勇気はなかった。


993 : イベント ◆zYQ/uWRKn. :2016/03/04(金) 18:11:10
規制かかりそうなので、急ぎます!!


994 : イベント ◆zYQ/uWRKn. :2016/03/04(金) 18:22:12
菱木が戻ってきてすぐあとに美穂と里香が「おはようございます!」と元気に入ってきた。
しかし、私の姿を見ると昨日のことを思い出したようで、声のトーンが下がった。

「私のことは気にしないで!里香ちゃん着替えの手伝いお願いできる」
里香は「ハイ!」と返事して2人は更衣室へと。

落ち着こうと思った時、課長が入ってきた。
入ってくるなり、フリーザを見て
「片岡くんか?」と。
私が頷き「ハイ」と返事すると、「早くから着替えて気合い入ってるなぁ」と。
事情を知らない人は気楽なものだと思った。
菱木は課長の言葉に対して微妙な表情をしていた。

課長と応接の社員に、何をしてもらうかは菱木から説明してもらった。
説明も済み、ひと段落した所で美穂のフリーザも登場した。
菱木は美穂のフリーザの背中のファスナーが隠れるようにボンドで塞ぐ、それを興味深気に課長が見ていた。

いよいよ、時間となり移動を始める。
ホールには予想以上の人が集まっている。
課長以下応接はお客様の交通整理、菱木は私と美穂ちゃんの誘導、里香ちゃんは先に段取り通り司会進行を進めているようで声が聞こえてくる。

明らかに人員不足だと思いながら舞台へと向かう。
照明が落ち真っ暗になると私が舞台に駆け上がるのだが、昨日からずっと着ぐるみを着ているので、汗が足に溜まり滑る。
それでもなんとか舞台へ。
フリーザの声に合わせて、舞台を左右に移動する。
私を追うように照らす照明が暑い。
そして、待ちに待った変身の時、照明が落ちスモークが舞台に広がる。
そのスモークに身を隠し舞台裏へ下がる。
途中、美穂ちゃんのフリーザとすれ違い、ハイタッチをして舞台を彼女に託す。


995 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/03/04(金) 18:28:27
支援


996 : イベント ◆zYQ/uWRKn. :2016/03/04(金) 18:32:45
舞台裏で菱木を見た瞬間に、私は倒れたそうだ。
多分、緊張の糸が切れたのだろう。
山本さんも出張から早く戻ってきてくれたのでそれも幸いし、軽い脱水症状でソファに寝かされていた。

フリーザで握手会をやり切った美穂ちゃんと司会をがんばった里香ちゃんが着替えさせてくれようとしたが、着ぐるみの中が裸だったことを思い出して慌ててソファで寝かせることになったそうだ。
試着だから水着も用意してなかったし、下着で入ると汗で濡れてしまうということを建前にして裸で着ぐるみを着たのだ。
本当のところは、裸の方が気持ちいいからなのは言うまでもない。

フリーザの着ぐるみも山本さんのおかげで、壊すことなく脱ぐことができたが、その後の握手会には使えず、美穂ちゃん1人ががんばってくれた。
あの一晩を過ごしたフリーザの着ぐるみはというと、私の家にある。
美穂ちゃんが着たフリーザは会社で保管されている。
次に機会があれば、私が着ることになるだろう。

あと、菱木と私の関係がどうなったかというと、やっぱりオナニーしてたのがバレてて。
でも、そんな私のことが気になり仕方なくなったと告白され付き合うことになった。

今夜も彼の前でフリーザから裸の私に変身して彼を倒すの。



おしまい

駄文にお付き合いありがとうござます。
おそらくこれで10章はラストです。
また、11章でお会いしましょう。
ここは書きたい人が自由に書けばいいとおもいますよ!コメントにへこまされることもあるとおもいますが…


997 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/03/04(金) 21:37:46
最後駆け足でなんかもったいないな…


998 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/03/05(土) 02:38:41
後2スレ


999 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/03/05(土) 20:36:05
後1スレ


1000 : 名無しさん@着ぐるみすと :2016/03/05(土) 20:43:51
昔と違って馬鹿みたいに1000取り合戦はなくなったんだな


■掲示板に戻る■ ■過去ログ倉庫一覧■