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【まどか☆マギカ】まどか×さやかスレ避難所

151名無しさん@まどっち:2012/09/23(日) 00:14:26 ID:jdaoQYSE0
「ちょっとあんたたち、一体何ほうけてんの!?」
 突然鋭い言葉が私の鼓膜に突き刺さった。振り向くと、水色の髪をし、白いマントに身を包んだ魔法少女が今まさに私の目の前を
走り抜けたところだった。水色の魔法少女は、まどか様の傍らに立つとその腕を取って無理やり立ち上がらせた。またもまどか様に
無礼を働く輩かと私たちが身構えると、水色の光がまどか様の腕を包んだ。
「貴様、なにをする!? まどか様から離れろ!」
 私が叫ぶと、水色の魔法少女はきっと私の方をにらみ、私以上の大音声で言い返してきた。
「何をする!? 決まってんでしょ!? まどかの傷を治してんのよ! あんたたちこの傷が見えないわけ!?」
 水色の魔法少女が、光に包まれたまどか様の片腕を差し上げた。見ると、手首と肘のちょうど中間あたりに真っ赤な傷口が走って
おり、その傷が魔法によってみるみる回復していくところだった。気が付かなかった。サリーの魔法少女の剣を受け止めた時、
まどか様は負傷しておられたのか。そして、水色の魔法少女は誰も気づかなかったまどか様の傷に気付いたのか。
 傷が完全に治りきると、水色の魔法少女はゆっくりとまどか様の腕を下ろし、あろうことかまどか様の頭に手を置いて撫でた。
「嫌な予感がして家を飛び出したら、案の定だわ。もう大丈夫だよ、まどか。痛くない?」
「あっ、うん。ありがとう、さやかちゃん」
 私たちはあっけにとられていた。なぜなら、まどか様の声がさっきまでとは全く別人のように聞こえたからだ。さっきまでの
まどか様は慈愛に満ち溢れ軽やかな鈴の音のようなまさしく成熟した大人の声だったはずなのに、今水色の魔法少女に答えた声は
舌足らずで子供の声そのもので、水色の魔法少女に甘えるような響きすら感じられた。姿かたちは全く変わっていないのに、
まどか様の中身だけがそっくり別人に入れ替わってしまったようだった。
 そして、水色の魔法少女はというと、なんとまどか様のお体を自分に抱き寄せ、ぎゅっと抱きしめてしまった。まどか様も
なすがままになっている。まどか様の突然の変貌にあんぐりと口を開けているしかなかった私たちは、それを見て正気を取り戻した。
「貴様! さっきからまどか様に向かって度重なる無礼、もはや勘弁ならん! いったい何者だ!」
「うっさい! あああもう、やっぱだめだわ。絶対無理! あんたたちにまどかは任せられない!」
 水色の魔法少女はまどか様を抱きしめたまま叫び返してくる。
「あたしが何者かって? いいよ、名乗ってやろうじゃない。あたしの名前は美樹さやか。まどかの親友よ!」
 その名前には聞き覚えがあった。まどか様の現世での友人で、ともに魔法少女になった間柄であるという。しかし、ただの友人の
魔法少女ごときが、言うに事欠いてまどか様を抱きしめたり呼び捨てにしたりなどということが許されていいはずがない。
「その友人が、何の用だ! 現世からの友人だからと言ってまどか様に対する無礼が許されるとでも……」
「あんたたちこそ、まどかをなんだと思ってんの!? まどかはね、可愛い可愛いあたしの嫁なんだよ!」
 嫁え!? 嫁って、つまりこのさやかとかいう魔法少女とまどか様はそういう関係なのか!? 確かにまど界ではそういう形の
恋愛が一般的ではあるが、まさかまどか様がそんな下々の者のような不適切な関係を他人を持つはずがない。目の前の状況が
受け入れられず、私は完全にパニックに陥った。おそらくほかのお付きのお魔法少女も同様だったろう。私は自分を奮い立たせ、
どうにか言葉を絞り出した。
「ま、まどか様……この者はこう申しておりますが、まさか、それは本当ではありませんよね……?」
「あ、うん。さやかちゃんは、わたしの旦那様だよ?」
 急に地面がその場からなくなったような感覚を覚えて、私は足元から崩れ落ちた。そんな、まさか。まどか様は一体どうなさった
というのだろう。高潔で優雅で凛々しくなにものにも汚されないまどか様はどこへ行ってしまったのか。私が手をついた地面に
水滴が落ちる。ああ、私は泣いているのか。
「まどか様……まどか様ぁ……」


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