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リリカルなのはクロスSS木枯らしスレ2

48聖王のおまる(増量版)-29 ◆b0oj18fZ9A:2013/12/30(月) 22:28:06 ID:.nepKEUE
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〜  エピローグ  『IV』のゆくえ  〜

 
  ・   ・ ・   ・ ・ ・   〜

 
 コンクリート製の汚れきった水路。その端にしがみつき、汚水から脱出した者がいた。

 
「…ぐ……え゛ぇっ!!ガハッ、げほ、あ゛…っ…はっ、はっ…!」

 
 彼女が意識を取り戻したのは、何処かの、狭い下水道。
 それ以外は、何も解らない。

「うぇぇぇぇッ…!おぇぇぇぇぇ…!ゲホォッ、ェホォッ!」

 行方不明の扱いとされた戦闘機人ナンバーIV――クアットロ――は、
 汚れきった濁流の中で目を覚まし、這い上がって、吐き、咽び、また吐いた。
 正直、気分はいいものではない。最悪だ。悪臭を伴った汚水の中という寝醒めの上、
 口の中にはドブネズミが入り込んでいたのだから!

 押し流されていた間に何処かで失くしたのか、
 固有武装のケープは失われ、トレードマークの眼鏡は、既に無い。

「…っ、……っ、生き…てる……?」

 ――いや、ここがいわゆる“冥界”なのかもしれない――とも、クアットロは考えを巡らせたが、
 気持ちの悪い濁流と、ドブネズミが口中に入ってきたリアルな感触があるなら、
 やはりまだ死んではいない――そう結論付けた。

「なんで、こんな所……」

 ――おかしい。
 私は『ゆりかご』の中で、思い出したくもないほどにおぞましい体験を経て押し流された。
 こんな都市部の地下水道のような場所にまで流されたにしても、場違いが過ぎる。――

 戦闘機人としての機能をほぼ全て失っているクアットロは、
 この場がどこなのか知るため、水路の汚い流れを嫌がりながらも、膝下まで浸かって探索し始めた。


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