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リリカルなのはクロスSS木枯らしスレ
2chが現在大規模規制中のため、12月の中旬まで避難所進行となりました。
期間中の投下はこのスレにお願いします。
ノーヴェはベッドから降り、スバルの枕元に手をついて声を荒げる。
「あの現場はおかしいよ!だって、火事だなんて言って、あれは、魔力炉の圧力容器が開放されてたんだよ、魔力素が漏れて、施設の作業員が、リンカーコアが魔力中毒を起こして……」
「ナカジマさん、申し訳ありませんがお静かに願います、他の患者さんもいますので」
「ノーヴェ、落ち着いて、私はちゃんと聞いてるから」
ナースが注意しに来た。
ぐっとこらえて、ノーヴェはしばし項垂れた。
フェイトは、問題の発電所での事故は、火災を起こしたのはカムフラージュのためで、本命は緑色の小人の仕業と推測される魔力炉圧力容器の故意の開放だと推理していた。
既に判明しているとおり、魔力資質のない人間でもリンカーコアそのものは体内にあるので、魔力素による中毒事故は魔力資質のあるなしにかかわらず起きる。
高濃度の魔力素に曝される発電所作業員にはリンカーコア絡みの疾患が起きやすいというのはわかっていたが、このように直接、大量の魔力素に触れてしまうと、リンカーコアが過剰反応を起こして肉体が内部から燃えて焼きあがってしまう。
ちょうど、重粒子線ビームを浴びたように、一瞬で身体全体が黒焦げになってしまう。
もはや救助というよりは残骸撤去の様相を呈していた。
アレクトロ社は発電所建屋を穿孔して強制排気を行い、内部に充満した魔力素を抜き取ってから作業員を突入させた。
ノーヴェたち特別救助隊が現場に入ったときには、凄惨きわまる光景が広がっていた。
作業員たちは一瞬の苦しみさえなかったのだろう、まるで影になって壁に張り付いてしまったかのように、生前の姿勢を保ったまま、炭化していた。
圧力容器を覆っていたヘッドカバーは噴気で大きくひしゃげていて、そこから噴き出した高温蒸気を浴びたと思われる作業員の遺体は、黒いガスと化して吹き飛び、壁に黒い人型の染みをつくっていた。
人間が死んだ、とさえ思えないような、人の形をした肉が焦げただけ、といってしまえるような光景だった。
現在、ミッドチルダをはじめとした次元世界で広く使われている魔力炉は電磁誘導式である。
これは加圧した魔力素を電磁石コイルの中にくぐらせることで電力に変換するものである。
魔力素は陽電子と非常に密接なつながりがあることが知られており、電気への変換は機械を用いて比較的簡単に行える。
魔力素を人間が利用しやすい形に変えることで、魔法を構築することが可能になっている。
発電用に加圧された魔力素は非常に大量の電荷と熱エネルギーを持っており、人間が触れると容易に放電・発火を起こす。
そのため、発電用魔力炉においては魔力素が漏れ出ないよう、堅牢な圧力容器に炉心となる発電コイルを収めることが必要になる。
この圧力容器には、内圧が上がりすぎたときのために緊急排気を行う弁がついているが、これが突如開放され、大量の魔力素が建屋内に噴出した。
魔力素によって建屋内の温度、放射線強度が急激に上がり、人体が瞬間的に脱水、干からびて炭化した。
高熱は建屋の外壁を発火させ、周囲には火災のように見えていた。
吹き飛んだ圧力容器の部品を回収して調べた結果、安全弁が人為的に外されていたことが判明した。
しかし、この操作を行ったのは人間ではない。
もし人間がこの弁を外したのならば、弁が外れた瞬間、噴出する魔力素で身体が焼けてしまう。
素手で外せるような部品でもないので、道具を使えば付近の容器や梁材にその跡が残る。
配管に付着していた体液の痕跡から、この弁を外した者は、高粘度のジェル状物質を塗りこむことで弁を溶かして腐食させ、時間を置いて外れるように仕掛けていたことがわかった。
そのジェル状物質が、クラナガン宇宙港での戦闘で撃破されたバイオメカノイドから発見されていたものと成分が一致した。
この発電所事故が起きたのはクラナガン宇宙港での戦闘よりも3日前、12月5日のことである。
フェイトは、アレクトロ社施設での事故とクラナガン宇宙港での事件は、同一の背景により、同時並行的に起きたと推測した。
これまで、惑星TUBOYから帰還したカレドヴルフ社の輸送船団によって初めてミッドチルダにバイオメカノイドがもたらされたと思われていたが、実際にはそれよりずっと前から、バイオメカノイドがひそかにミッドチルダに持ち込まれていたことになる。
緑色の小人は、バイオメカノイドに封入されているスライムを扱う技術を持っており、これをアレクトロ社への破壊工作に使用していた。
もしくは、この緑色の小人からスライムの扱いを教わった人間ないし組織が存在する可能性がある。
少なくとも、アレクトロ社に絡んだ事件に見え隠れしている“緑色の小人”と、惑星TUBOYに由来するバイオメカノイドとの間には、なんらかのつながりがあるとみて間違いないだろう。
スバルは脚の傷がふさがるとすぐに歩行訓練を始めた。特別救助隊の任務の性格上、現場で陣頭指揮を執れなければ話にならない。
そのため片腕がふさがってしまう通常の松葉杖は使わず、左脚に支え棒を装着する形にした。
マッハキャリバーの装着を行えるように、義足に補強をはめて、フレームが折れないようにする。病院のリハビリ室を使って、手すりにつかまりながら右足だけで歩く練習をする。
車椅子を使っている両足のない老人が、お嬢さん若いと元気でいいね、と微笑んでいた。
ノーヴェは当直が終わるとすぐに病院に来て、スバルのリハビリを手伝うと言った。
例の老人も、妹さんかい、仲がいいね、と言って、ノーヴェは少し照れていた。
「使い方さえ慣れればすぐに復帰したいよ、本チャン用の義足も今発注かけてるって」
「あー……、それなんだけど」
「なにノーヴェ?」
「シャーリーさんっていただろ、六課のとき、装備品の管理をしてくれてた……あの人から今朝連絡があってさ、マッハキャリバーの術式を改造して、脚を形成するようにできるっていうんだ。義足の代わりにマッハキャリバーを直接、左脚の代替にするって」
「ほんと?そういうことできるんだ」
ノーヴェの返事はどこか歯切れが悪かった。スバルは手すりから手を離し、ほらもう立てるようになった、と両手を広げてみせる。
「なんか浮かないみたいだけど」
スバルは笑顔をつくってみせるが、頬が包帯で覆われているおかげで片目しか動かせず、引きつったような表情になってしまっている。
もちろん本人は普通に笑っているつもりでも、顔の所作がそれについてこれない。
「どうして、だよっ……どうしてそんなにできるんだよ、スバルの顔、からだが、こんなになっちまって……一生、治らないかもしれないのに!
ゲンヤ父さんだって、もしスバルがお嫁にいけなくなったら……!」
「……ノーヴェ」
スバルはノーヴェを抱き寄せる。消毒薬と包帯の臭いが鼻をつき、病院の空気に意識が飲み込まれそうになる。
「元気にしようよ。少なくとも私は今こうして不自由なく動き回れる。気にしてばかりじゃ始まらないよ。命があるだけでも幸運だって
思わなきゃ……命さえあれば、また立ち上がれる。それを忘れないで」
「うん……」
「今は形成治療も進んでるから、大丈夫、必ず治せるよ」
野戦現場で魔導師が使う治癒魔法は、基本的には代謝を加速させるものなので、損傷した肉体を治すためには同時にエネルギーの補給も行わなくてはならない。
代謝加速を単体でかけると細胞分裂のためのエネルギーが足りなくなり、アポトーシスを引き起こして結果的には肉体が壊死してしまう。
精密な治療には、いずれにしても設備の整った病院で、外科手術による処置が必要だ。
シャーリーは、重傷を負ったスバルの報せをシャマルにも持ち込み、協力を仰いでいた。
レティが進める独自戦力の確保のため、元機動六課メンバーに声をかけていたのだ。
シャマルはシャーリーと協力して、マッハキャリバーの改造に取り掛かっていた。
スバルが習得しているのは近代ベルカ式魔法であり、マッハキャリバーもAIを積んではいるが構造的にはアームドデバイスに近いため、ベルカ式の強化手法が使える。
実際、古代ベルカの騎士たちにおいては、戦闘で欠損した手足を補うためにアームドデバイスを使用するというのは普及していたやり方である。
シャマルも、過去の主に対してそのような措置をとったことがあった。
「大腿部にパッドを巻きつけて支える形がいいと思います。スバルの戦闘スタイルだと、打撃に使用するのは足の甲から先なんで、
マッハキャリバー自体の慣性制御システムを応力吸収に使えます」
「外見は甲冑のようになるから、それほど違和感はないと思うわ」
シャマルもしばしば、次元犯罪者との戦闘で重傷を負って担ぎ込まれる武装局員の姿を目にする。
彼らの中には、自費でアームドデバイスを購入し身体強化を行っている者も少なくない。
医務官という職業柄、前線で戦う人間から色々な話を聞く機会も多い。
彼らが話すのは、いずれも、魔法技術が進歩すれば犯罪者の使う武器も進歩するので、結局のところ魔法があるからといって自分たちが絶対有利という状況にはならない、ということだった。
武器が強力になっているので、大ダメージを負う危険も増える。
ある年配の武装局員は、自分が管理局に入った頃と比べて個人携行型デバイスの破壊力は明らかに向上している、と語った。
現代の最新型魔導デバイスは、高密度プラズマや重粒子線ビームを当たり前のように撃つことができ、これを被弾すれば人間の手足など一瞬で蒸発する。
小口径の弾丸でも、銃創は体内の深くまで熱線を到達させ、焼かれて死んだ組織を摘出するなど治療も困難を極める。
また、昔であれば人間が持つことなど到底出来ないような大型の魔力機械でないと撃てなかった魔法も、拳銃サイズの魔導デバイスが軽々と発砲できるようになっている。
「質量兵器禁止の言い分も──こういうのを見ると一体なんなのか、って思うわね」
重傷者の治療や殉職者の引き取りをするたびに思っていたことだが、シャマルはまた言葉に出した。
「建前はやっぱり大事ですよ」
「それはわかるんだけど……」
実際、質量兵器と魔法兵器の線引きは限りなく曖昧だ。
いわゆる大量破壊兵器の禁止であれば、第97管理外世界における核兵器の扱いとまったく同義であるし、またミッドチルダにおいては生物化学兵器については規制がない。
召喚獣や使い魔などの存在もあり、使役動物を戦闘に利用することが広く行われていたため、そういった所謂ところの“生物兵器”に対しては人々の忌避感がもともと少ない、という事情もある。
大出力魔法に関する規制も、魔導師ランクに基づくライセンス制度が敷かれてはいるが、在野の魔導師に対して無免許での魔法使用を防ぐ手立ては事実上なく、管理局もしくは各国軍警察所属の武装魔導師による実力行使でもって制圧している、という状況だ。
魔力さえあれば、大掛かりな設備がなくても子供でも撃てる。
兵器としての危険性からいうならば魔法のほうがはるかに危険である、というのは、もはや周知の事実である。
それゆえに、管理局としてはあくまでも大量破壊兵器の所持・使用・製造の禁止として質量兵器規制を運用している。
「あくまでも武器規制のための方便、ってことですよ。
質量兵器って言葉が使われ始めた頃は、魔法がまさに新時代のテクノロジーって感じで、これまでの武器とは全く別物、ってとらえられてましたからね。
魔法兵器に対する旧時代のテクノロジーをあらわす概念として質量兵器って言葉は生まれたんです。
たとえ魔力が使われてても質量兵器と呼ばれるモノだっていくらでもありますし」
カレドヴルフ社が開発した自律戦闘マシン群にしても、機械構造や駆動システムそのものに魔力は用いられていない。
人型を実現するための高強度の確保などについては魔力で強化された金属を使っているが、それだけだ。
しかし、この戦闘マシン──アーマーダインは、質量兵器とは呼ばれない。
「“危ないから禁止”ってわけじゃないんです。軍備を管理する名分さえ立てばよかったんですよ」
「それと同時に、魔法兵器に関する技術を独占することで他世界の軍備を削いでいく……と?」
「魔法兵器を最初に実用化したのはミッドチルダですから」
シャーリーは、軍学校で近代戦史を学んでも、このあたりの経緯をまじめに考察する学生はほとんどいない、と言った。
あくまでも教科のひとつとしてこなすだけで、実践で役立つ知識ではない、と捉える者が多い。
教師も、カリキュラムに入っているからというだけで、あまり時間を割いて教えたりはしていない。
夜天の書の守護騎士システムとして、数十年ごとに途切れた断続的な記憶を持つシャマルたちにとっては、ある主のもとで覚えた世界観が、次の主の生きている時代ではまったく様変わりしている、そんな状態を何度も経験している。
質量兵器に対する一見ちぐはぐな扱いも、他の人間たちとの認識のズレが時折見え隠れする。
「だいたいからして質量兵器の所持使用なんて、ほとんど別件逮捕の材料くらいにしか適用されてないんですよ」
次元世界の現状を踏まえて、実質、質量兵器の所持それだけで罪に問われるというケースはほとんどない。
たいていは、既に何か別の容疑によって追われている者を、緊急逮捕の要件として質量兵器所持を適用するというケースだ。
魔導デバイスと質量兵器は、見た目での区別はできないし、待機状態への変形機能などは別として、武器としての機能、性能に違いがあるわけでもない。
質量兵器が、同クラスの魔導兵器に比べて特段強力というわけでも扱いやすさに優れるわけでもない。
それこそ単に呼び名の問題である。
シャマルたちが今行っているマッハキャリバーの改造も、素材は金属であるので、それを足にはめて使用するのであれば、刀剣や打撃武器との区別はつかない。
シグナムの使うレヴァンテインや、ヴィータの使うグラーフアイゼンも、それぞれ、剣、ウォーハンマーの形をしており、それが魔力で形成されていることを除けば、素材はまさしく鋼鉄である。それは溶鉱炉で鉱石を溶かしてつくっても、魔法で形成しても、できあがるのは同じ鉄だ。
さらにいえば魔導デバイスの場合、あらかじめデバイス製造時に練成した分の金属以外は形成することができない。
それを超えて損傷してしまうと自己修復ができなくなる。これはアームドデバイスでもインテリジェントデバイスでも同様である。
搭載容量に余裕のないインテリジェントデバイスの場合、金属パーツはごく薄く形成され、構造強度はほとんどが魔力によって担われることになる。
デバイスがこれら、大重量の金属を内部に構造材として持ち、また格納できるのも、次元干渉能力ゆえである。
改造マッハキャリバーには、義足部分を維持するための魔力源として魔力電池が搭載された。
日常生活であれば数時間程度の充電ですむので、就寝時などに取り外してチャージしておけばよい。
戦闘時には迅速な交換ができるよう、ワンクリックでイジェクトできるようにしておく。
万が一の際はバッテリーを強制排出することで誘爆事故を防ぐ。
シャーリーはさらに、現在管理局が調達中である新武装“SPT(スタンドアロン・サイコ・トラッカー)”についても、なのはたち、元機動六課メンバーへの優先配備をしたいと言った。
「でも、そのSPTっていうのはカレドヴルフ社の製品なんでしょう?何かよくない仕掛けでもついていたら」
これにはシャマルも懸念を示す。
それに、CW社はSPTを管理局にのみ提供しているわけではない。
ミッドチルダ、ヴァイゼンをはじめとした大国の精鋭部隊への納入、また紛争当事者である次元世界政府軍などへのセールスも行われている。
もちろんそれは第五世代デバイスでも同様である。
場合によっては、SPTを装備した次元世界軍との交戦の可能性もある。
そうなった場合、生身の魔導師との戦力差がどれほどのものになるかというのは、なのはやフェイトのような高ランク魔導師をもってしても非常に厳しいと予想される。
「そこはね……。ただ、これはレティ提督の直轄してる部署じゃないんだけど、フェイトちゃんのコネでね、執務官を何人か、CW社に内偵に入れる方向でやってるみたい。
たぶん向こうさんも、何から何までヴァイゼン政府のいいなりってわけにはいかないだろうし」
「だといいけどね」
ほとんどシャーリーの個人部屋と化している研究室で、シャマルと二人で、マッハキャリバーの術式のコーディングを続ける。
戦闘用術式のビルドは通常数ヶ月をかけて入念にテストを行うが、今回はそれほどの時間的余裕はない。
しかしだからといって品質は落とせない。
シャーリーも、寝食の時間を削って、スバルたちのために仕事を行っている。
クラナガン郊外の、やや高台になった丘の上に、円柱形のドームが数棟建てられている。
ミッドチルダ国立天文台が所有する、口径3.6メートルの反射望遠鏡だ。
ミッドチルダにおける地上設置型の望遠鏡としては最大級のものとなる。
この望遠鏡は、ミッドチルダの天文学の最前線として、また衛星軌道上に置かれた宇宙望遠鏡が運用され始めてからも、ミッドチルダ人類の宇宙への憧れの象徴として聳えていた。
その天文台を、ユーノ・スクライアは単身訪れていた。
かねてより行われていた、深宇宙探査に関する資料を無限書庫より捜索するプロジェクトがようやくひと段落つき、進捗報告のためにこの天文台で台長を務めるクライス・ボイジャーのもとを訪ねることになったのだ。
通常、無限書庫司書長が自らクライアント個人と会合を持つことはまずない。
対外的な業務は他の専門の司書に任せていた。
このプロジェクトは、それだけ、ユーノとこのクライスとが、管理局の目を避けて極秘に、個人的に調べようとしていることを意味する。
「やはり位相欠陥トンネルは実在するということで間違いはないのですな」
資料をざっと一覧し、クライスは眼鏡をなおしながら言った。
ユーノもうなずく。
「ええ。古代ベルカ時代からの肉眼でのものも含めて観測記録を洗いましたが、次元を超えて航行する者は、虚数空間からたどり着けるチューブのような航路があると言い伝えています。
これがおそらく、位相欠陥トンネルをさしていると思われます」
「その航路が実在するのならば、アルハザードもまた実在すると──」
「でしょうね。アルハザードとは、位相欠陥トンネルに阻まれて観測が困難になっている領域と考えることができます。
古代ベルカ当時の航海技術では、たとえこの位相欠陥トンネルを発見したとしても進入することは不可能だったでしょう。
あるいは、サルガッソーのように呼ばれ、船乗りからは避けられていたかもしれません」
「従来の次元航行艦ではたどり着けない複雑なトンネルを抜けなければならない場所、と……そうなると、それを探検したくなるのは人情と
いうものですな」
探険家たちがスポンサーを得る方法としてもっとも多いのが、このアルハザード探索である。
一種の宝探しのように考える好事家も多く、政府などが断った場合でも個人的に出資を行う者も中にはいる。
「われわれが発見したこの大規模な超空洞──“エリダヌス渓谷”が、あるいはアルハザードへの道かもしれませんな」
ユーノは鞄から一枚の模造紙を取り出し、机の上に広げた。手書きで書き込まれた各次元世界の連結通路と、航海の目印になる明るい星の位置が散らばっている。
「現在、ミッドチルダから惑星TUBOYへ向かう航路はこれです。次元航行艦であれば1日かからず行けます。
この航路では、虚数空間を2回通過するのですが、この2回目の通過──ここは多数の連続小ワープを行い、実はここがこの航路でもっとも時間がかかる場所なのです。
この航路の所要時間を往復36時間とした場合、そのうちの28時間はここを通過することに費やされます」
「最短距離ではあるが区間的に非常に時間のかかるポイントが存在する、と」
「これは僕の推測ですが、実はこの惑星TUBOYこそがアルハザードの正体ではないかと考えているのです」
大型の光学望遠鏡は、換気装置による強制送風すらも許さない。
大気の揺らぎによる解像度の制限を避けるため、望遠鏡がおさめられたドームは自然循環を極限まで突き詰めた設計になっており、望遠鏡を動かすとき以外は、建物の端から端まで、人が歩く足音が聞き取れるほどだ。
空気が澄んで冷える夜は、ふもとの街の雑踏が、ざわめきを丘の上まで届ける。
「────その根拠をお聞かせ願えますか」
ユーノは軽く咳払いをし、鉛筆を取り出して模造紙に「#511」と書き込む。
「まずこの探査機ガジェットドローン#00511ですが、これは外宇宙に同機種16機がいっせいに放出されたものです。
惑星TUBOYに向けた軌道をとった探査機はこいつだけです。
このことからも、この世界──第511観測指定世界は、当初は重要視されていませんでした。
何しろ構成や惑星の数が少なく、星間物質も少ない、“枯れた宇宙”でしたからね。
しかも、この探査機ガジェットが最初に通過したのはエリダヌス渓谷を回避した、長大な楕円軌道を取る航路です。
実際、打ち上げから到達まで7年を要していました。途中で何度もワープを繰り返していたにもかかわらずです。
つまり現在のエリダヌス渓谷航路が発見されるまでは、この第511観測指定世界は事実上到達不可能な世界だったのです」
「──そしてその世界に存在する惑星に、惑星ひとつ丸ごとという史上最大規模のロストロギアが発見された──」
「そのとおりです、ボイジャー台長」
かすかな身じろぎで、テーブルに置かれたコーヒーカップが波紋をつくる。
「惑星TUBOYで発見された“もの”は、従来のロストロギアの範疇に収まらないものです。
つくりは精緻とはいえない原始的なものですが、それゆえに、技術としてより源流に近いといえます。
ジュエルシードやレリックなど、現在発見されているロストロギアのすべての祖先がこの惑星TUBOYにあると考えられます。
先史文明人の扱っていた物質、装置などです」
クライス・ボイジャーは、宇宙論研究者たちの間では古風な昔かたぎの天文屋、という印象が強かった。
だが、それは妥協無く理論の構築と観測を続けてきた故でもある。
もともと天文学者には風変わりな人間が多く、それが突飛な発想から新たなひらめきを生み、そして理論の発展がもたらされている。
天才のひらめきとは、無限書庫のような巨大で複雑なデータの塊の中から、一瞬で必要な情報を取り出せるという意味だとユーノは考えている。
ヒトの脳が記憶することのできる情報量は無限に近いともいわれ、しかし、実際にヒトが扱える情報量はコンピュータやインテリジェントデバイス等と比較してもずっと少ない。
無限書庫を整理するためのヒントをも、クライスが与えてくれたとユーノは思っている。
自分の専門分野である考古学とはあまり縁がないと思っていた現代宇宙論だが、ユーノはこれをきっかけにクライスとやりとりをするようになり、また宇宙論を少しずつ独学で学び始めていたのだ。
そして、惑星TUBOYと第511観測指定世界の発見、ロストロギアと思われていた惑星TUBOYから発見された謎の巨大戦艦、バイオメカノイドたち、ここから、ミッドチルダをはじめとした次元世界人がずっと追い求めていた、伝説の地アルハザードの実像が、思わぬところから浮かび上がろうとしていた。
第97管理外世界、現地次元世界住民が“地球”と呼ぶ惑星。
ソビエト連邦バイコヌール宇宙基地よりプロトンL型ロケットを使用して、1機の宇宙探査機が打ち上げられた。
本機はアメリカのアレスⅤや、過去に開発されたエネルギア、サターンⅤに匹敵する打ち上げ能力を持ち、大重量の大型宇宙機を直接太陽系脱出軌道へ投入することが可能である。
西暦2023年6月14日、宇宙探査機“ボイジャー3号”は、地球を飛び立ってエンジン出力を最大まで使い切り、太陽系脱出軌道に乗った。
打ち上げから2時間後には──この時点ではまだ探査機本体はロケットから分離していないが──月を通過し、太陽系をほぼ横断するような格好で木星へ直行する。
そのまま木星でのスイングバイによって加速し第3宇宙速度を突破、軌道を約60度変えてオリオン腕を南へ向かう軌道に乗る。
これは46年前にアメリカが打ち上げた、伝説的な惑星探査機の名にちなんで命名された。
ボイジャー1号、2号の両機はともに、既に太陽系を脱出して恒星間宇宙へ進出している。
探査機打ち上げを担当したのはソ連だが、このミッションに先立って、アメリカ航空宇宙局(NASA)は、宇宙から発信されてくる不思議な信号をキャッチしていた。
それは、かつてアメリカ自身が打ち上げた惑星探査機に積まれた信号とまったく同じビットパターンを持っていた。
異星人からの返信が来たのか。もちろん、そう決め付けるのは安直というものである。
何しろ、仮に電波を使用したならば発信源は46年の半分、23光年以内になければならない。
しかし現在のところ、そのような近距離にそれらしき恒星系は見つかっていないし、信号のやってくる方向とも違う。
深宇宙探査衛星による大規模なサーベイで発見されていた、宇宙背景輻射が極端に減衰する領域の存在が、その謎を解く鍵を握っていると天文学者たちは考えていた。
この領域は全宇宙に一様に分布し、天の川銀河内部にも相当数が存在すると予想された。
もちろん、太陽系近傍にも。
この領域は、これまでの現代宇宙論ではあくまでも理論に基づいた計算式としてしか導き出せていなかった天体を、直接観測することを可能にするとの期待が持たれている。
現在の宇宙の姿を形作った、Λ-CDMモデルを直接実証することが可能になる。
かつて天才科学者アルバート・アインシュタインが考案した宇宙方程式において、宇宙項“Λ(ラムダ)”で表される、宇宙の膨張を加速させている謎の力(ダークエネルギー)。
これが、インフレーション理論がその存在を予測する位相欠陥として発見されることが期待され、そして現代の宇宙探査機はそれを捉える能力を持っている。
ただちに米ソの秘密会合が持たれ、開発中だった太陽系外縁天体観測計画機を、そのまま外宇宙探査に転用することが決まった。
それがこのボイジャー3号である。
打ち上げられたプロトンロケットは、探査機を抱えたまま加速して地球重力圏を離脱する軌道に乗り、高度42万キロメートルの遠地点に到達したところでキックモーターに点火して探査機を放出する。
このときの速度は秒速70キロメートル以上に達し、人類が打ち上げた宇宙船としては冥王星探査機ニュー・ホライゾンズを凌いで史上最速となる。
プロトンL型が静止軌道を越えて上昇していくのを、アメリカ宇宙軍が所有するSDI-6キラーレーザー衛星が撮影していた。
八神はやては、惑星TUBOYで人工的な信号が発見されたというニュースを聞いたとき、ただちにそれがボイジャー1号のものであると直感していた。
そのときには単なる天文ニュースとだけ受け取っていたが、今は事情がそれだけでは済まない。
第97管理外世界の深宇宙探査技術は、すでに宇宙の大規模構造、グレートウォールの影に、おそらく地球近傍に、未知の異次元が存在することを探知している。
ボイジャー3号は、表向きにはヘリオスフィアの外に望遠鏡を置いて観測を行う系外惑星探査を任務として与えられているが、その実は、地球人類が初めて挑む、“宇宙の始まり”を直接観測するミッションである。
その結果、これまで理論上の存在であった位相欠陥が実際に発見されるだろうと、宇宙論研究者たちは期待していた。
そしてその先には、未知の異次元世界が広がっている。
探査機の運用管制を行うジョンソン宇宙センターでは、スタッフたちが独自に探査機に愛称を付けていた。
正式な名称およびコールサインである「ボイジャー3号(Voyager 3)」とは別に、「スピンドリフト号(Spin Drift)」と命名された宇宙探査機は、彼方より飛来する信号を追い、深宇宙を目指して航海に乗り出していく。
第4話投下終了です
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すいませんが、さるさん食らってしまったので、残りをこちらに投下します。
晴明は意味ありげに眠る昌浩を見つめる。
「昌浩が起きたら、ヴィータ殿には叱る役をお願いしたい。この孫は助けられた人がどんな気持ちになるか、まるでわかっていないようなので」
真に人を助けようと思うなら、自分も死んではならないのだ。昌浩はヴィータを助けるのに必死で、自分の身を守ろうとしなかった。よかったなどと呟く暇があったら、攻撃を防ぐ努力をすべきだったのだ。
「お、おう。任せとけ!」
ヴィータががぜん勢い込んで立ち上がる。
「お前ら。もう少し静かにしろ。怪我人の前だぞ」
もっくんがピシリと尻尾を打ちつける。
晴明とヴィータは顔を見合せて笑うと、この場をもっくんに任せて静かに退出して行った。
第三話 揺るがぬ決意を胸に抱け
窮奇退治は昌浩の完治まで、延期が決定した。敵はあの大妖怪、なるべく万全の状態で挑みたい。
昌浩が養生している間、一度だけ彰子が見舞いに来た。
自分がさらわれたせいで、昌浩が重傷を負ったと彰子は酷く気に病んでいた。
昌浩は彰子は励まそうと、必死に明るい話題を振った。その中で、彰子が蛍を見たことがないと言った。蛍の時期はとうに過ぎていたので、ならば来年一緒に蛍を見に行こうと昌浩は約束した。
その間、ヴィータが歯ぎしりせんばかりに不機嫌だったのに、昌浩は最後まで気がつかなかった。
数日もすると、昌浩は起き上がれるようになった。激しい運動は厳禁だが、それ以外の行動は大体許されている。シャマルの治癒術は本当に素晴らしい。出来るなら教えてもらいたいくらいだった。
昌浩は書物を睨めっこをしながら、円盤状の物体をからからと回していた。
「何してんだ?」
ヴィータが昌浩の手元を覗き込む。
昌浩が目が覚めましてからというもの、ヴィータは食事を運んでくれたり、何かと世話を焼いてくれる。あまりに優しいので、昌浩の方が戸惑っていた。
「これは占いの道具なんだ。窮奇の居場所が占えればと思ったんだけど」
結果は芳しくない。それにそのくらいのことは晴明がとっくにやっているだろう。晴明すらわからないことを昌浩がわかるわけない。
「占いねえ」
ヴィータは占いという奴がどうも信じられない。未来が本当に予知できるなら、未来はすでに決まっていることになる。努力するもしないもすべて決まっている。ならば、心は何のためにあるのか。
「あ、疑ってるな。よし、ならヴィータの未来を占ってやる」
昌浩が道具に手を伸ばす。
「面白い。やってみろ」
円盤がからからと回り、結果を示す。昌浩はじっとその結果を読み取ろうとする。
無言のまま、時間だけが過ぎていく。
「おい」
昌浩は真剣な顔のまま答えない。そのあまりに真剣な様子にヴィータが不安になる。
「まさか、よくない結果が……」
「ごめん。わからない」
「うーがー!」
ヴィータが吠えた。
「さんざん待たせて、なんだよそれは!」
「ご、ごめん、だって見たことない形だったから」
昌浩は本で頭部をかばう。
「もう少し時間をちょうだい。きっと占ってみせるから」
「まったく。それでも晴明の孫かよ」
「あー! ヴィータまで孫って言ったー!」
「いやー。この台詞一度言ってみたかったんだよ」
「孫言うな!」
憤慨する昌浩を、ヴィータはきししと笑う。ふとその顔が疑問に染まる。
「お前、今何て言った?」
「孫言うな」
「その前だよ」
「えーと、ヴィータまで孫って言った、だったかな?」
「お前、名前」
「ああ、ヴィータだよね。やっと言えるようになったよ」
昌浩はにっこりと笑う。
「いやあ、苦労したよ。毎晩ヴィータ、ヴィータ、って繰り返して」
ちなみにザフィーラの名前はまだ練習中だ。
「ヴィータ。これで合ってるんだよね?」
ヴィータの拳が昌浩の頭を叩く。
「な、何すんだよ、ヴィータ」
昌浩が頭を押さえてうずくまる。
ヴィータは拳を握りしめたまま、全身を震わせていた。
「ヴィータ?」
「気安く呼ぶんじゃねえ!」
ヴィータが再び拳を振り下ろす。その顔が真っ赤に染まっていた。
「どうしたの、ヴィータ?」
「だから、繰り返すな〜!」
ドタバタと暴れる音が屋敷中に響いていた。
「いやー。春だねぇ」
「夏だがな」
「連日快晴だねぇ」
「それはその通りだ」
もっくんとザフィーラは、昌浩の部屋の屋根の上で並んで日向ぼっこをしていた。
「昌浩についていなくていいのか?」
「そんな野暮はせんよ」
もっくんが後ろ脚でわしわしと首をかく。本人に自覚があるかどうかは知らないが、ヴィータの気持ちは傍から見れば明らかだ。
「すまんな。気を使わせて」
「いや、昌浩にとってもいいことだ」
「ほう。もっくんはあの彰子とかいう娘を応援しているのかと思ったが?」
「おっ。堅物かと思いきや、話せるねぇ。ただし、もっくん言うな。俺のことは騰蛇と呼べ」
「心得た」
「それで彰子に関してだが、結論から言って、あの二人は絶対に結ばれない」
もっくんは一転、厳しい表情になる。
「どういうことだ?」
「身分が違い過ぎる。かたやこの国一の貴族の娘。かたやどうにか貴族の端に引っかかっている昌浩。あり得ないんだよ、この二人が結ばれるなんて」
「身分とはそんなに大事なのか?」
しょせん同じ人間ではないか。気にするほどの差があるとザフィーラには思えない。
「そうだな。お前たちの主は女か?」
ザフィーラの緊張が一気に高まる。
失言だったと、もっくんは詫びた。
「お前たちの主を詮索しようとしたわけじゃない。例えば、お前たちの主が女だったとしよう。もしお前が主に恋愛感情を抱いたら、どうなる?」
「なるほどな」
ザフィーラは遠い目になった。彼のはやてを敬愛する気持ちに、一片の曇りもない。しかし、それは決して恋愛感情ではない。
自分はあくまで守護獣、人間ではない。そんな自分と主が結ばれるなど決してない。それなのに、主に恋心を抱けば、それはまさに地獄だろう。
「つまり、この国で身分とはそれほどの差ということだ」
しかも、彰子と天皇の結婚の準備が進められているという。晴明の占いでも、それはすでに決まった運命ということだった。もし運命を変えられる力があればと、もっくんは己の無力をこれほど呪ったことはない。
失恋から立ち直る一番早い方法は新しい恋を始めることだ。昌浩を好きなヴィータがそばにいてくれれば、これほどありがたいことはない。
「しかし、我らは……」
「わかっている。窮奇を倒したら帰るんだろう。それでもいいんだ。立ち直るきっかけになれば。それに二度と来れないわけじゃあるまい?」
「それもそうだな。その時は主も連れてこよう。きっと喜ばれる」
そう、きっと大丈夫だとザフィーラは思った。いつか主を含めた全員でこの地を訪れることができる。その時は、闇の書も完成し、主の命も助かっている。時空監理局から追われることもなくなっている。我ながら虫のいい考えだと知りながら、そんな未来が来るのを願わずにいられない。
ザフィーラともっくんは雲一つない空を見上げた。
その頃、庭ではシグナムが見知らぬ女と対峙していた。女は黒い艶やかな髪を肩のあたりで切りそろえ、この時代では珍しい丈の短い服を着ている。十二神将の一人だろう。
六合と稽古の約束をしていたのだが、六合の姿はない。
「私の名は勾陣(こうちん)。六合は晴明の供で行ってしまってな。代わりに私が来たというわけだ」
「そうか。では、今日の相手は勾陣殿が?」
「ああ。せっかくだから、少し趣向をこらさないか?」
勾陣は三つ叉に別れた短剣を両手に持ち、宙を切り裂いた。空中に裂け目が走り、シグナムの体がその中に吸い込まれる。
シグナムが目を開けると、そこは砂と岩ばかりの荒涼とした風景が広がっていた。
「次元転移?」
「ここは我ら十二神将が住む異界だ。稽古もいいが、ここなら思う存分暴れられるぞ」
勾陣が口端を釣り上げる。氷のように鋭い酷薄な笑みだった。
シグナムも勾陣と同じ笑みを浮かべる。
「なるほど。より実戦的にというわけか」
「それと最初に言っておく。私は六合より強いぞ」
「面白い。では、いざ尋常に勝負!」
シグナムのレバンティンが炎をまとい、勾陣の魔力が炸裂する。
普段は静かな異界が、その日はいつまでも爆音が轟いていたと言う。
夕刻、帰宅した晴明は昌浩の部屋に向かった。天皇と彰子の結婚が正式に決まったということだった。後は日取りを決めるのみ。今すぐということはないが、もはや二人の結婚は避けられない。
薄々感づいてはいたのだろう。昌浩は「そうですか」とだけ呟いた。
それからさらに数日が過ぎた。
昌浩は表面上は明るく振舞っていたが、時折沈んだ表情や物思いにふけることが多くなった。そして、以前にもまして窮奇を倒すべく猛勉強を始めた。まるで勉強に打ち込むことで、何かを忘れようとしているかのように。
早朝、昌浩は目を覚ますと素早く着替える。怪我の為、長期休みになってしまった。同僚にも迷惑をかけたし、今日は出仕するつもりだった。晴明から頼まれた仕事もある。
「よし。完全復活」
「ほう。よかったじゃないか」
今日はよほど早起きしたのか、ヴィータが戸口に立っていた。
「うん。これもヴィータたちのおかげだよ。本当にありがとう」
シャマルの魔法とヴィータの看護がなければ、まだろくに動けなかったに違いない。
「いやー。そう言ってもらえると、こっちもありがてぇよ」
ヴィータはのしのしと部屋に入ってくる。ヴィータは指で昌浩に座るように示す。
「大事な話?」
昌浩はまだ気づいていない。ヴィータの目がまったく笑っていないことに。
ヴィータが深く息を吸い込み、
「この大馬鹿がー!!」
大音量が安部邸を揺らした。昌浩は耳を押さえて顔を引きつらせる。
ヴィータは指を鳴らしながら、昌浩に詰め寄る。
「お前が治る日を、どれだけ待ったことか。怪我人を怒鳴りつけるのは趣味じゃないからな。これで思いっきりやれる」
晴明から託された昌浩を叱る役をヴィータは忘れていない。それどころか世話を焼くことで、怒りが鎮火しないようにしていたのだ。ヴィータの怒りは最高潮に達していた。
「あの……ヴィータさん?」
「やかましい! そこに正座」
「はい!」
「大体お前は自分が怪我をしてどうするんだ。助けるにしたって、もっと上手くやれ!」
「いや、でも」
「言い訳するな!」
「ごめんなさい!」
ヴィータが機関銃のように怒鳴り続ける。昌浩はそれを黙って聞くしかなかった。
それから一刻の後、もっくんが昌浩の部屋を訪れと、晴れ晴れとした顔でヴィータが出てきた。
「いやー。ようやくすっとしたー」
もっくんが部屋の中を覗き込むと、そこには真っ白に燃え尽きた昌浩がいた。
その夜、昌浩が仕事を終えて帰ると、シグナムたちは晴明の部屋に集められていた。
「昌浩や。彰子様には会えたのか?」
「はい」
昌浩は寂しげに笑う。晴明の取り計らいで、昼頃、昌浩は彰子と対面していた。そこで昌浩は彰子に絶対に守ると誓った。誰の妻になってもいい。生涯をかけて彼女を守る。それが昌浩の誓いだった。
「それで窮奇の居場所は?」
「はい。貴船山だと思います」
都の北に位置する貴船山。そこには雨を司る龍神が祭られている。
窮奇が北に逃げたのと、ヴィータたちが来てからというもの、一度も雨が降っていない。それが根拠だった。おそらく窮奇によって封印されているのだろう。
「ならば、一刻の猶予もないな」
シグナムにとって、ここは楽園だった。六合や勾陣、他の神将たちとも、実は紅蓮とも、幾度も手合わせした。こんなに心躍る相手がいる世界をシグナムは知らない。
「そうだな」
ヴィータとて離れがたい気持ちはある。
しかし、八神はやてを救う為、二人は未練を振り切って立ち上がる。
「はやてちゃんの為にも、お願いね、みんな」
シャマルが転送の準備を開始する。それをザフィーラが咳払いで遮る。
シグナムとヴィータがじと目でシャマルを見つめていた。
「あっ」
うっかり、はやての名前を出してしまっていた。だらだらと脂汗がシャマルの顔を滴る。ちなみに、ヴィータは以前自分がはやての名前を出しことを覚えていない。
「わしは何も聞いておりませんぞ。なあ、昌浩や」
「えっ? ……ああ、はい。俺も何も聞いてないよ」
「二人とも、気を使わせてごめんね」
シャマルが涙目で感謝の意を告げる。
やがて緑の魔法陣が足元に出現する。
昌浩、もっくん、シグナム、ヴィータ、ザフィーラが、最終決戦の場へと飛んで行った。
その頃、アースラ艦内では、クロノたちが出撃の準備を進めていた。
「それでヴォルケンリッターの動きは?」
「それが変なの」
クロノの質問にエイミィが首を傾げた。
「あの世界、時間の流れが全然違うみたい」
アースラでは、クロノたちが青龍たちと戦ってから、一晩しか経っていない。それなのに、向こうでは半月以上の時間が経過しているようだった。
どうもその間、ヴォルケンリッターたちは原住生物と戦い続けているらしい。
「闇の書もかなり完成に近づいたということか。みんな、準備はいいか?」
クロノが集まったメンバーを見回す。
ユーノにアルフ、青い顔をしたなのはとフェイト。
「な、なのは、どうしたの?」
ユーノがなのはの顔を心配そうに覗き込む。
「ちょっとイメージトレーニングを」
なのはは車酔いをしたかのようにふらふらしていた。
青龍に備えて、父と兄に怒られた時のことを一晩中ずっと思い出していたのだ。
「フェイト、しっかりおしよ」
「……アルフ、大丈夫よ」
フェイトの使い魔のアルフが、フェイトの体を揺さぶる。それにフェイトは消え入りそうな声で答えた。
「エイミィ」
クロノが無言で逃げようとしていたエイミィの腕をむんずとつかんだ。
「フェイトに一体何をした?」
「ええと、頼まれてあの戦いの映像をちょっと……」
フェイトはフェイトで、あの戦いの映像を一晩見続けたのだ。しかもエイミィの好意で、男連中の顔を大写しにした編集版を。
苦手意識を克服しようと無理をすれば、かえって悪化する場合がある。なのはたちの負けず嫌いが今回は完全に裏目に出た。
クロノはユーノとアルフをつれて、部屋の隅に行った。
「いいか。男連中の相手は僕らでやる。二人には絶対に近づけるな。最悪、一生のトラウマになる恐れがある」
ユーノとアルフが決意を込めた表情で頷く。
そして、五人は転移を始めた。
うっかり第三話も一緒に投下していました。どうりで長いわけですね。すいません。
実はもうほとんど書きあがっているので、次回最終話も近いうちに投下できると思います。
楽しんでいただければ幸いです。
mttp://infinity-library.int/r-type_lyrical
**概要
「AB戦役」。
一般にそれは次元世界では、新暦78年に発生した大規模次元間戦争のことをいう。
この事件では、ある管理世界が遭遇した未来時空から来襲した生物兵器の存在が中心となり、次元世界各国に波紋をもたらした。
それは、「バイド」なる超大型生物兵器システム群の存在である。
**遭遇
最初の契機は、新暦77年暮れ頃から頻繁に発生していた時空嵐である。
多数の次元断層が発生し、民間航路への危険が増したことから、時空管理局は軍艦によるパトロールの強化を決定した。
哨戒任務についていた管理局所属艦船クラウディアは、次元間航路付近で不審な行動をとる国籍不明艦を発見、追跡を開始した。
接近し、その不明艦が管理局において使用されているL級に酷似していることが判明した。
さらに同じく国籍不明の小型戦闘機が不明艦に対し攻撃をかけており、交戦状態にあるとみなされた。
不明艦は軍艦旗を掲げておらず、不明機も識別信号を発信していなかった。
クラウディアでは国際遭難信号の周波数で警告を行った。
不明艦、不明機ともに応じなかったため、クラウディアでは民間航路内での戦闘行為を禁じる管理局法に基づいて不明艦および不明機の拿捕を試みた。
クラウディアが接近すると、不明機は搭載していた大型砲で不明艦を破壊、さらにクラウディアにも攻撃をかけてきた。
クラウディアはただちに応戦、対空砲火で不明機を撃墜した。
不明機の機体を確保することには成功したが、破壊された不明艦は損傷が酷く曳航は不可能と判断され、接舷してひととおり調べた後に撃沈処分とされた。
だがこのとき、不明艦に書かれていた艦番号のマーキングから、この艦がかつて「闇の書事件」の際、暴走したロストロギア闇の書と共にアルカンシェルによって消滅したL級2番艦、「エスティア」であることが判明した。
クラウディア艦長であるクロノ・ハラオウン提督は、闇の書事件当時エスティアを指揮していたクライド・ハラオウン提督の息子である。
時空管理局本局に帰還したクラウディアは、不明機との戦闘で受けた損傷の修理を急ぐと共に、次元航行艦隊司令部にも仔細の報告を行った。
場合によっては、非正規武装組織が管理局艦を偽装していた可能性がある。
調査の結果、不明機は第106管理世界アイレムにおいて使用されているR-9A型戦闘機と判明した。
管理局の信頼に係わる重大な問題であるとされ、第106管理世界に対し、事実関係を明らかにするよう要請および抗議が管理局より行われた。
当該宙域においてアイレム地球軍が何らかの作戦行動をとっていたのかである。
**第106管理世界アイレムの動き
当世界では、数十年前よりUFO目撃例が多発し、未知の世界からの侵略がまことしやかにささやかれていた。
それは突如太陽系内に出現した生物兵器群により真実と信じられるようになった。
新暦69年(当世界における西暦2169年)、アイレム地球軍ではバイドと呼ばれるこの生物兵器が26世紀の未来からやってきたことを突き止め、その大元を探った。
その未来が、現在より400年後の第97管理外世界であることが判明し、新暦77年(西暦2177年)、地球軍はひそかに艦隊を発進させた。
しかしそれは出港よりまもなく、管理局哨戒艦により探知される。
**管理局の動き
第106管理世界の大規模な軍事行動に伴い、周辺世界への影響を懸念した管理局は介入を検討する。
拘束されたR-9Aのパイロットは管理局執務官フェイト・T・ハラオウンが聴取を担当した。
また、R-9Aの機体は管理局本局に移送されたが、管理局の質問に対しても第106管理世界は機体の返還要求等を行わなかったため、倉庫にそのまま留め置かれることになった。
第106管理世界艦隊が第97管理外世界に向かっていることが明らかになり、管理局はその事実を同世界出身の高町なのは一尉へ伝えた。
**第97管理外世界の動き
次元間航行技術を持たない同世界では、第106管理世界および管理局の動きを把握していなかった。
しかし、第106管理世界艦隊の出現は第97管理外世界からも探知され、管理局に報告された。
管理局提督リンディ・ハラオウンは警戒のため、近傍宙域にいたXV級艦船3隻を第97管理外世界に向かわせるよう命令した。
乙
まともなクロスになることを願う
ユーノは四肢切断を免れたんですね、まずは一安心です。
何度やっても、エラーが出てしまい、対処法がわからないので、すいませんが、こちらに続き投下します。
「これ、運転する必要ないんです。自分で走りますから」
昌浩が妙なことを言って、左前輪のタイヤを示す。タイヤのホイール部分に、鬼の顔がついていた。スバルは少し趣味が悪いと思った。その時、鬼の目がスバルを見上げた。
「うわ! 動いた」
「これ、車之輔っていう、家に先祖代々使える車の妖怪なんです」
昌浩の前世が仲間にした時は、牛車の妖怪だった。牛車とは貴族の乗り物である。時代に合わせて姿を変え、現在ではベンツになっているのだ。
勾陣が乗っているのは、形だけだ。
車之輔はスバルとティアナにぺこりと頭を下げ、なのはを送るべく出発した。
「おい、スバルとティアナと言ったな」
朱雀がやや横柄な感じで声をかけた。
「お前たちの部屋に案内する。ついてこい」
スバルとティアナが案内されたのは、屋敷の一角にある畳敷きの部屋だった。安倍邸の部屋は、ほとんど和室で構成されている。
「ここにいる間は、俺たちがお前たちの担当だ。自分の部屋だと思ってくつろいでくれ」
スバルたちより先に天一が正座する。その膝を枕に朱雀は寝そべる。
「どうした? ゆっくりしてくれ」
スバルたちは部屋に入ることなく扉を閉めた。
二人が恋人同士なのはよくわかった。しかし、客の前では自重して欲しい。
そこに晴明が通りかかった。
「すいません。担当替えてもらえますか?」
半裸やら、人前でいちゃつく奴らやら、十二神将にもう少しデリカシーを求めても罰は当たらないだろうと、ティアナは思った。
以上で投下終了です。
二回コテトリ入れ忘れました。すいません。
前回は短めでしたが、今回は十話は余裕で越えます。
さるさんされたのでここに投稿します。
―――――
「・・・いや、ミシェル。俺は前線を退くつもりはない。確か格納庫には予備の〝ワルQ(きゅー)〟(この世界でのVF−1の愛称)があったはずだ。あれを
貰う」
アルトの視線が、隣に座る少女に注がれる。
彼女は壇上で、復活に涙するアースラ機関長の話に夢中らしい。まったく気づかない。
「俺はコイツを─────ランカを守ってやらなきゃいけないんだ。今日の事でよくわかった。俺はできる範囲でもいいからコイツを他人任せにしたくな
い。この手で守ってやりたいんだ。も─────」
〝もちろん、なのはやさくら達だって同じだ。〟と言おうとしたアルトだが、ミシェルの手が肩に置かれ、言えなかった。ミシェルはかつてないほどの笑
顔を作る。
「そうか、やっとお前も〝心を決めた〟ようだな。あのプレイボーイが、うん、うん。」
なんだかわからないが、ミシェルはしきり感心する。アルトにとっては、ただ自らの手で大切な人〝達 〟を守る事を、新ためて決意しただけなのに。
しかしミシェルは、両方が勘違いしていることに気づかないうちに話を続けた。
「よし、お前の一世一代の決断に俺は乗ったぞ。今日、基地に帰ったらすぐ、技研の田所所長に連絡を入れろ。『例の計画の件で、ミシェルから推薦さ
れました』って。」
「そうするとどうなるんだ?」
「まぁ、見てからのお楽しみだ。とりあえず、(ランカちゃんを)しっかり守ってやれよ。」
「なに言ってるんだ。当たり前だろ。(みんなを守っていくなんて。)」
色恋に関して天然バカの早乙女アルトと、勘違いしてしまったミシェル。まったくもってお似合いの相棒だった。
(*)
その後、今後の計画についていろいろと話し合われ、地上時間2200時をもって終了。
各自部隊へと帰還していった。
(*)
2314時 聖王教会中央病院
そこにはなのはとランカの姿があった。
2人の目的の1つは突然幼生化したアイくんの精密検査。そしてもう1つは保護された少女に関するものだった。
この時間の病院は消灯後であり、通常静かなもののはずだ。しかし三浦半島の市街地で出た重篤患者がここに集められて治療が行われていたた
め、今も忙しく人が行き交っていた。
「こんなに怪我人が出たんだ・・・・・・」
ランカは病院のロビーで全身に包帯を巻かれた人や、虚ろな目でベンチに寝かされながら点滴を打たれている人、etc、etc・・・・・・を見て呟く。
皆顔は暗く、項垂れていた。
「ランカちゃんがいなかったらもっと被害が出てた。だからランカちゃんのせいじゃないよ」
だがなのはのフォローもあまり効果ない。
確かにアルトが生きていたことは言葉に表せないほど嬉しかった。しかし今回の事件で200人以上の死者が出たことには変わりなかった。
ランカは俯こうとして自らの抱く緑の物体と目が合った。
それは愛らしく
「キュー?」
と鳴く。
「アイくん、励ましてくれるの?」
「キューッ」
アイくんは喜色をあらわに、肩に飛び乗ると、頬をすりつけた。
「にゃはは、かわいいね」
なのははアイくんだけではない。そんな緑色の1人と1匹を見てそう言った。
(*)
アイくんは精密検査では異常は何も発見されず、ランカの持つバジュラの幼生に関する科学的データと比べても同じだった。唯一わかっているのは、
縮んだのは元素分解による質量欠損であること。これは体表面にエネルギー転換装甲を物質操作魔法した時と同様の特殊な反応があったためだ。し
かし『魔法を介さない元素操作は不可能』なはずだが、ランカには物質操作魔法の素養もなく、デバイスもシャーリーによると対応していないそうだった。
謎を呼ぶアイくんだが、〝動く生物(質量)兵器〟が無害化したのと同意のため、周囲は無条件で受け入れていた。
(*)
清潔な白一色の部屋。
俗に病室と呼ばれるその場所は、通常ベッド数が4の広い病室だったが、今ベッドは中央に1つしかなかった。
そしてそのベッドにも、不釣り合いなほど小さな女の子が1人、眠っているだけだった。
その部屋の唯一の扉が開かれ、2人の人影が部屋に入る。しかしそれでも少女は目を覚ます様子はなかった。
「・・・この子がそう?」
ランカはなのはの問いに頷くと、アイくんを伴って少女をのぞき込む。
医師によれば衰弱の度合いは低く、今日、明日にでも意識を回復するという。
まだ精密検査は行われていないが、この子が通常とは違う人の手によって作られたという可能性が第108陸士部隊のギンガ・ナカジマ陸曹からもた
らされていた。現場から1キロ離れていないところで輸送業者の事故があり、そこで密輸されていた生体ポットの主が、あの少女だと言うのだ。
ギンガはベルカのボストンで唯一生体ポットと関係のある「メディカル・プライム」が〝何らかの事情〟を知っていると見て調査しようとしたが、それはな
のはによって止められていた。なのはにはメディカル・プライムとの独自のパイプがあり、「公式の調査で相手を硬化させるより、そこから聞いたほうが
よい」との判断であった。
まだ向こうとは通信していないが、なのは自身は〝恩人〟であるあの企業を疑いたくなく、少女が人造であるとはっきりするまでは聞かないつもり
だった。
閑話休題。
アイくんは寝ている少女が心配なのか「キューッ」と鳴きながら張りついた。
そんなアイくんのぬくもりを感じたのだろうか?少女が口を開いた。
「ママ・・・」
だが意識が戻ったわけではなく、目を閉じたまま手が宙をさまよっている。なのははそんな少女の手を握り、
「大丈夫、ここにいるよ」
と呼び掛ける。
すると少女の腕の力は抜け、また眠りの底に沈んでいった。しかしその少女の顔は、なのは達が入ってくる前よりいくぶんか微笑んで見えた。
―――――
以上、投下終了です。
レポートとかリアルが大変ですが、頑張ります。
ではでは(^^)ノシ
今回は、現在連載中の【魔法戦記リリカルなのは】と【ワンピース】とのクロスオーバー作品を自分なりに考えてみましたが、内容的にファンの方々や作者達にとってはかなり憤るものになるのかもしれませんが、そのへんはどうか宜しくお願いします。
早速、その作品の内容について説明したいと思いますが、まず最初の内容として、現在『少年ジャンプ』で連載中の作品『ワンピース』に登場するあの【麦わらの一味】と、現在エクリプス事件等で何かと関わっている【フッケバイン】との死闘を繰り広げるというもので、その内容は、『新世界』での航海中に麦わらの一味がある孤島の遺跡に入り込み、そこで謎の集団が人の命を弄ぶような研究を繰り返し行っていたことを知ったルフィは激怒し、その遺跡を破壊する。だが、その際に研究で使っていたとされる謎のウィルスによって、一味の仲間であるナミが感染し、そのウィルスの因子適合者(ドライバー)となってしまう。
そのウィルスによる破壊殺戮衝動に苦しむナミをなんとか助けようと模索するが治療方法が見つからず、それでも仲間を救うため航海を続ける一味の前に、フッケバインの構成員を名乗る集団が現れ、ナミを連れ去ろうとしたところで、その構成員達との激しいバトルになるが、彼らの圧倒的な攻撃力の前に一味は敗れ、ナミは連れ去られてしまう……。
その後、彼らがアジトとする飛空艇へと連れて行かれたナミは、そこで応急措置と彼らによって彼女が今蝕んでいるウィルスの正体を聞かされる。そして彼らは彼女自身の命を救う条件として、彼らの仲間になるよう要求するが、ナミはそれを拒否。ナミも早く一味のもとに返すよう要求するも、彼らにそれを拒否され、そのまま治療室内に閉じ込められるが、ナミは一瞬の隙をついてうまく脱出することに成功した。
一方、麦わらの一味はナミを取り返すための航海途中に立ち寄ったとある集落で、ある軍事企業から逃げ出して、今はその企業が造り出したという謎のウィルスに対抗できるワクチンの研究を行っている元研究員と出会い、そこであの企業が行ってきた非情な研究の数々と、今ナミを苦しめているそのウィルスの正体を聞かされる。
その後、飛空艇から脱出してきたナミと再会し、元研究員の男と一緒に彼女を苦しめている謎のウィルスに対抗できるワクチンの開発に協力することにした。
だが、そんなある日、突如現れた謎の男女二人組に集落の襲撃を受けるが、一味も集落を守るために応戦。しかし、二人の男女の驚異的な力に、一味は苦戦を強いられる。そんな時、『フッケバイン』の首領『カレン』と、彼女が束ねる構成員達が現れ、二人の男女を不意討ちで倒してしまう。その二人の男女は、前から『フッケバイン』が追っていた集落破壊集団のうちの一組だった。
その後、構成員の一人が集落に隠れていたナミを発見し、再び連れ去ろうとするが、怒った一味は身勝手な彼らのやり方に対し、それを阻止。再びバトルとなるが、また返り討ちにあい、ナミは一味の命と引き換えに『フッケバイン』の下ヘ行ってしまった……。
彼らが去った後、怒りに燃えた一味は再びナミを救い出すため、『フッケバイン』の飛空艇を追う航海へと旅立った。
一方、『フッケバイン』はエクリプス事件の元凶ともなった『ヴァンデイン・コーポレーション』の各施設を襲撃。だが、当然無関係な人や子供達までも犠牲になるため、それに失望したナミは飛空艇ごと彼らを爆破し、再び脱出を試みようとするが失敗。その後、構成員から痛い仕打ちを受け、監禁室へと幽閉されてしまう……。
それから数日後、ついに『フッケバイン』の飛空艇を発見した麦わらの一味は艇内に突入し、首領カレンと各構成員との三度目のバトルを繰り広げる……!またしても、この死闘で返り討ちにされるであろうと思われたが、一味にはあの元研究員がワクチン開発の過程で、新たに開発された対感染者用の切り札があった!!(それは、{アンチエクリプス剤}とよばれるエクリプス・ウィルスの感染者のみ極度に反応する特殊な液体で、因子適合者《ドライバー》がそれを注入すると、細胞又は原子レベルでの拒絶反応が起こり、人体内部から大爆発を起こし、その後も傷口から人体の細胞の腐敗が進んでいき、再生も出来なくなる。〈ちなみに、普通の人間がそれを注入しても、何も起こらない。〉)
(上記の続き。)
そこで、最終決戦での各キャラクターによる対戦の取り組み形式を、自分なりに考えてみたら、こんな風になります。
モンキー・D・ルフィvsカレン・フッケバイン
ロロノア・ゾロvsサイファー
サンジvsヴェイロン
ウソップvsアルナージ
フランキーvsドゥビル
ナミ、ニコ・ロビン、ブルック、トニートニー・チョッパー、今後一味に加わる予定のキャラクターvsフォルティス、ステラ、その他フッケバイン構成員
その激しい戦いの中で傷つきながらも、次々と構成員を倒していく一味達。そして、ナミを無事に救い出し、制御室でフォルティスを感電、ステラを遥か彼方へと殴り飛ばした後、飛空艇の自爆装置を作動させ、仲間全員を脱出させる準備のため、サニー号ヘ戻った。
一方、ルフィは未だカレンとの激しい戦いの真っ最中で、カレンはルフィと互角以上の実力を見せつけるが、ルフィの一瞬の機転により形勢逆転!そして、“ゴムゴムのジェット・ガトリング”をお見舞いし、止めの“ゴムゴムのエレファント・ガン”をまともに受けたカレンは、壊れゆく飛空艇の残骸と共に地の底へと墜ちていった……。
死闘の末、見事カレンを打ち倒したルフィは、爆発寸前の飛空艇から脱出するため、サニー号へと急いだ!そして、飛空艇が大爆発を起こす間一髪のところで、一味を乗せたサニー号は脱出に成功し、ルフィも爆風に飛ばされながらも、無事生還を果たした!
だが、その直後に逆上したアルナージがサニー号を襲撃してきたが、すかさずナミの機転で船から弾き出した!
その後、集落に戻った麦わらの一味は、元研究員がナミの血液で作り出した血清をもとに、ようやくワクチンを完成させ、それをナミに注入した後、今まで彼女の体を蝕み続けていた“エクリプス・ウィルス”は完全に死滅し、元の人間の体へと戻っていった……!
そして、集落の人達と元研究員に別れを告げ、麦わらの一味は再び“新世界”の航海へと旅立った……!
まあ、第一部“死闘・フッケバイン編”の内容はこんなものですが、一部“ワンピース・フィルム・ストロング・ワールド”との内容と類似する点がたくさんあります!もし、企画が決まった場合、この後の“激闘・特務六課編”と同様、都筑真紀先生と藤真拓哉先生、緋賀ゆかり先生と尾田栄一郎先生との話し合い等で考えても構いません!
それではもう1つ、『激闘・特務六課編』のストーリー内容についても自分なりに考えてみたので、是非見てください!
フッケバインとの死闘から約数週間後のある日、麦わらの一味は“新世界”での航海中、突如空に次元の歪みが発生し、その中から謎の少女が落ちてきて、ルフィはその少女を助けたあと、彼女を一味の仲間として迎え入れた。
それから、その少女と一緒に笑い、一緒に歌い、一緒に遊び……。そんな彼女との面白おかしい日々が長く続くと思われた……。
だが、ある日サニー号の後方から飛空艇らしき影が現れ、停船命令をかけてきた後に、時空管理局の局員を名乗る者たちが船へと乗り込んできた。
彼らは、一味が匿っているあの少女の身柄引き渡しを要求してきたが、ルフィは断固拒否!その後、サニー号船内での戦闘となり、序盤は一味が優位に立っていたが、後から駆けつけてきた高町なのはの参戦により戦況は一転、一味の圧倒的不利な状況へと変わってしまい、あのゴム人間のルフィですら脱け出すことができない拘束魔法をかけられ、なのはが得意とする全力全開の砲撃魔法“スターライト・ブレイカー”を放たれた瞬間、たまらず飛び出した少女が一味を庇い、その砲撃をまともに受けてしまう!そして、その少女は傷だらけの体で最後の力を振り絞り、自らが持つ強大な力をルフィに託し、消滅してしまった……。
そんな彼女の死を目の当たりにしたルフィの脳裏に、マリンフォード頂上決戦での悪夢が甦り、再び失意のどん底に墜ちてしまう……。
ついに追い詰められた一味は決死の逃亡を謀るも、局員らの一斉砲撃を受け、やがてサニー号は沈み、一味全員も海ヘと放り出されてしまう……!
その後、麦わらの一味は全員逮捕され、それから次元拘置所へと送られるのかと思われたが、一味全員の持つそれぞれの能力に興味を抱いたなのはは、突然彼らを自らが戦技教導官として主導している模擬訓練に参加させたいと言い出し……。
それから、なのははかつて六課の新人達だったメンバーらを集めて、一味全員を模擬訓練に参加させたが、少女を守れなかった絶望と時空管理局ヘの怒りに狂ったルフィは、なのはに歯向かおうとする。あわててナミとウソップは、上手く機転を利かせてその場をやり過ごしたほうがいいと説得するが、ルフィは聞かず、そのことに訓練参加者の一人のスバルがルフィを止めに入るも、逆に殴り飛ばされる。そして、他の一味もなのは達に対する憤りを表し、再び戦闘となってしまうが、なのはの下で厳しい訓練を積み重ねてきた六課のメンバー達の前では、麦わらの一味もかなり苦戦を強いられ、ルフィもなのはの高度な戦術の前に全く歯が立たず、意図も簡単に一味全員が制圧されてしまった……!
その後、一味の怪我が回復する度、何度もなのはや六課のメンバーらに戦いを挑み続けるが、ことごとく制圧されるという日々が続いていった……。
一方、麦わらの一味が全員時空管理局に拘束されていることを知ったボア・ハンコックやペローナをはじめとする(マリンフォード頂上決戦以降の二年間お世話になった方々《当然、あの新人類軍団も登場。》。)は一味を救出するため、ミッドチルダの首都クラナガンにある時空管理局・地上本部を襲撃!局員らとの激しい戦闘の末、見事一味を救出することに成功する!
その後シャボンディ諸島ヘ向かい、再びレイリーの下で修行を積むこととなる……。
(上記の続き。)
それから長い月日が流れ……。麦わらの一味の行方を捜索していた管理局は、ついにシャボンディ諸島で彼らが潜伏しているところを発見し、なのは達が過去に活躍してきたかつてのメンバー達で編成された特務六課を中心に、各部隊は麦わらの一味全員を再び制圧するため、シャボンディ諸島ヘと出撃した……!
そして、三度“麦わらの一味”と“特務六課”が激突するわけですが、その最終決戦の各キャラクターの取り組み形式を想像してみますと……。
モンキー・D・ルフィVS高町なのは
ロロノア・ゾロVSフェイト・T・ハラオウン
ナミVSヴィータ
ウソップVSティアナ・ランスター
サンジVSエリオ・モンディアル
トニートニー・チョッパーVSキャロ・ル・ルシエ(フリード)
ニコ・ロビンVS八神はやて
フランキーVSスバル・ナカジマ
ブルックVSシグナム
CW-ADXラプターVS今後一味に加わる予定のキャラクター
シャッハ・ヌエラVSシルバーズ・レイリー
ギンガ・ナカジマVSジンベエ
トーマ・アヴェニールVSボア・ハンコック
アイシス・イーグレットVSエンポリオ・イワンコフ
なのはファン(希望のある方)VSペローナ
その他時空管理局員VS新人類等の一味の恩人達
元ナンバーズの面々VSボア・マリーゴールド&ボア・サンダーソニア
そんな特務六課の高度な戦術に苦しみながらも、何とか彼らを倒すことができた一味だが、あらゆる拘束魔法と新武装で攻めてくるなのはの前に大苦戦するルフィ!だが、気合いと怒り、そしてルフィを庇い死んでいった“あの少女”から託された“ロストロギアの力”で何度も立ち上がり、そして執念でしかけた打撃と見せかけた掴み投げが決まって形勢逆転!その後、なのはのデバイス(レイジングハート)を破壊し、さらに魔法が使えなくなるよう彼女の両腕をもへし折ったルフィは、死の恐怖に怯えるなのはに容赦無い鉄拳制裁を下し、とどめの一撃でLS級艦船ヴォルフラムとそのクルー達、ロビンに敗れたはやてごと海に沈め、一味は修復したサニー号に乗り込み、三度“新世界”の航海へと旅立って行った……。
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淳に頭を下げ、やった、とフェイトは内心で喜んだ。どうやら探りは上手くいったようだ。
「来い」と言い、つかつかと先を行く淳の足取りに合わせて、フェイトもその後をついて行く。
実のところ淳はフェイトの美貌、そして育った胸や体つきに目を付けただけなのだが、フェイトにそれに気づく感性は無かった。
―――――――――――――――――
やがて林を歩いていると、前方の道が横たわる大量の土砂と倒れた樹木によって途切れていた。あの地震によって地面が崩れたのだろう。
しかし偶然にも途切れた道の左手に、フェイトの目線生け垣を下りると、二人の目の前には棚田が広がっていた。棚田は石を積み上げて作られており、見たところ先の生け垣も棚田の一部だったようだ。
その棚田を飲み込んでいる崩れた土砂に、街灯を押し曲げられ、倒れかかっている。
田のいずれもが赤い水に満たされており、それらはまるで山伝いに上へと伸びる、無数の血の溜め池のようだった。
そんな異様な光景に、フェイトは恐れおののきつつも、その中を先導して歩く淳から話を聞いていた。
聞くところによると、淳はこの村の教会に向かっているようだ。そこは比較的安全らしく、避難して来ている人も少なからずいるらしい。
もしかしたらキャロやティアナもそこにいるかもしれない。日本奥地のこんな閉鎖的な村に、西洋宗教の教会があることに疑問を感じつつも、フェイトは望みを掛けてその教会を目指してついて行くことにした。
棚田を囲むように通っている広い道をゆっくりとしたペースで歩く二人。変異した村人の確かな気配を近くに感じたが、とりあえず今のところは自分達が気付かれるような位置にはいないようだ。
相変わらず深い靄に包まれた景色の中で、周囲を壁のように囲む山の稜線が巨大な影となって見える。
妙に閉鎖的な雰囲気が漂う場所だな。かつて日本に住んでいた経験があるにも関わらず、まるで知らない場所にいるかのような気分だ。
そうフェイトは思いながら周りを見渡していると、ふと棚田の中に立つ、木材を奇妙な形に組んだ案山子のようなものを見つけた。
しかし手袋や農夫の格好をしているわけでもなく、そもそも人の形をしていない。
更によく見て、フェイトは息を呑んだ。
犬だろうか、剥がされた獣の皮らしきものが無造作に縫い合わされ、組木の天辺にかぶせてある。
なぜ閑散とした棚田の中にそんな禍々しいものが立っているのか。そんな、組木を凝視するフェイトの様子に、淳が気付いた。
「あぁ、あれは眞魚字架だな」
組木を一瞥しながら、なんともないように淳は言った。
「マナ字架?」
「この羽生蛇村に古くからある眞魚教の象徴だ」
「マナ教……」
その名前を確かめるように、フェイトは呟いた。聞いたこともない宗教だ。教会と聞いたからにはキリスト教やそれに似た宗教かと思っていたが。
一応、マナ教という名前に注意をしつつも、フェイトは一番聞きたい情報を得るために、話を切り出した。
「……ところで、神代さんはどうしてあそこで倒れていたんですか?」
すると淳は恥じているのか、しばしの沈黙の後、やや言いにくそうにしてから答えた。
「妹と、緑色の服を着た男にやられたのさ」
「妹?それが、みやこっていう?」
「ああ」
誑かしやがって、という先程の言葉を思うに、その男に妹が教唆されて淳を襲ったということなのだろう。
「それでその……緑色の服を着た人というのは?」
「さあな。ただ、あの出で立ちは外部から、都市部から来た奴に違いないだろう。
秘祭を盗み見ていた上に美耶子を誑かしやがって」
淳の口から、また『ひさい』という言葉が飛び出した。フェイトはそれを糸口に、淳の知っている秘密を聞き出そうとした。
「その『ひさい』ってなんなんですか?」
すると淳は振り向き、フェイトを睨み付けて、即座に答えた。
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だからもちろん、お前にその内容を教えることはできない」
その言葉から『ひさい』が『秘祭』と表記するだろうことは予想がついた。淳の様子や言動からしてそれは、村の中でもタブーな存在なのかもしれない。
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本スレへ投下できないのでコチラへ
久し振りの投下となりますが、リリカルTRIGUN第二十三話投下したいと思います
―――星にひとつの伝説が穿たれた。
人々は見た。
地上から伸びる白色の極光。
世界が怯えるように震え、音を立てていた。
それはまるで世界の終焉が始まったかのよう。
常識という枠から外れた天災。
人智を越えた現象。
その現実とは思えぬ光景に、人々はただ寄り添う。
そうしてなければ圧し潰されてしまいそうな『跡』であった。
悠久の時を惑星に寄り添い見守っていた衛星。
夜天にて惑星を見降ろしていた雄大の星。
そこに刻まれた、暗い穴。
穿たれた星は毎夜として人々に語り掛けるだろう。
全ては夢ではないと、全てはあったことなのだと。
その時、何があったかを知るのはたった一人の少女だけ。
何も知らぬ人々は、ただ息を呑み、空を見上げるだけであった。
◇
八神はやては暗闇の中で目を覚ました。
何か音が聞こえた気がしたのだ。
床を踏みしめる音か、はやては細く目を開き、霞がかった意識を暗闇へと向ける。
まどろみでぼやける視界の中には、人影があった。
暗い部屋の中で枕元に立ち尽くす者。
薄ぼんやりとしたものでありながら、それでもはやてにはその者が誰なのか分かった。
「……シグナム?」
間違える訳がない。分からない訳がない。
彼女の大切な大切な家族。
鮮やかな桃色の髪、凛々しさと優しさが入り混じった顔立ち。
鮮明となっていく意識が烈火の将の姿を浮き彫りにさせていく。
「帰ってきてたんか……どうしたん、こんな遅くに……」
主の問い掛けに、シグナムは無言であった。
結局、昨夜は夕方に何処かへ出かけたきり、待てども待てども帰宅する事はなかった。
何時の間にか眠ってしまったはやてであるが、あえて言及をしようとは思わない。
無事に何事もなく帰ってきてくれた。それだけではやては満足であった。
ただ微笑みを携えて口を閉ざし、はやてを見詰めるシグナム。
その表情は、その瞳は、まるで母親のように温かなもの。
シグナムは黙ってはやての頭に手を伸ばし、優しく撫でた。
「なんや、いきなりー」
くすぐったいような、むずがゆいような、ふわふわとした感覚。
嫌な感じは少しもなく、心中に温かな何かが湧き出るのが分かる。
ずっとずっとこうしていたい。素直にはやてはそう感じた。
「あったかいなあ、シグナムは」
頭で動く温かな感覚に身を任ていると、眠気がさざ波のようにゆったりと迫ってきた。
意識は再びぼんやりとしたものとなり、暗い中に沈んでいく。
温かな気持ちのまま、温かな眠りの中へと落ちていく。
「ずっと一緒やよ。私たちはずっとずっと……ずーっと一緒や……」
まどろみの中で零れた言葉は、八神はやての偽りならざる本心であった。
ようやく出会えた『家族』。
その温かな生活を、ずっとずっと続けていきたい。
そう、ずっとずっと。これからもずっと、永遠に……。
「……申し訳ありません」
眠りへと落ちる瞬間、最後に聞こえてきた声は優しげで、だが何処か悲しくも聞こえるものであった。
それきりはやての意識は再び床に付き、そうして場に残されたのは烈火が騎士が一人。
シグナムはそれから数分はやての頭を撫で続けた。
「別れは、すんだか」
心地よい沈黙。
それを打ち破ったのはナイブズであった。
はやての傍らに立つシグナムを、無表情に見詰める。
「……ああ」
答えたシグナムは沈痛な面持ちで立ち上がった。
申し訳なくて仕方がないのだ。
主の願いも聞き入れられず、その盟約すら破らざるを得なくなった事に。
それでも前に進まなくてはいけない現状。
自分に力があれば、自分に冷徹な心があれば……悔恨は留まる事を知らずに次から次へと浮かび上がってくる。
「すまないな。わがままを聞いてもらって」
「かまわん。おそらくは、これが最後になるだろうからな」
「……そうだな」
再びの視線をシグナムは寝息をたてる主へと向けた。
守りたい、守られなばならぬ主。
もう決意したことであった。もう覚悟したことであった。
だが、烈火の将の強靭な決意と覚悟をもってしても、それは尋常ならざる悔いを生み出す。
もう一度あの幸せな時間を、と願わずにはいられない。
深すぎる親愛の念は、身を切り裂かれんばかりの痛みとなって心に渦巻く。
それでもシグナムは主から視線を外した。
万感の想いを断ち切り、ただ主の平穏を願って、主へ背中を向ける。
これから待ち受ける戦いは過酷なものなのであろう。
肉体的にも、おそらくは精神的にも。
シグナムは既にナイブズから話を聞いていた。
これから自分たちが行う外道の術を、主の約束からも守護騎士との誓いからもは余りに掛け離れた手段を。
だが、もうこれしかないのだ。
主が無事な日々を過ごすには、これしか残っていない。
「行くか」
「ああ」
二人の人外が言葉を交え、寝室から足を踏み出す。
寝室を出た先にあるのは、『家族』と一緒の安寧の時を過ごした空間。
瞳を閉ざせば、今にも瞼の裏へと浮かぶ。
戦いしか知らぬ騎士達を『家族』として扱い、人としての感情を与えてくれた場。
自然と浮かべられるようになっていた笑顔は、もはや忘れる事はないだろう。
無人のリビングを眺めながら、過去に想いを馳せる。
そんな自分に対して嘲りを感じながら、シグナムは表情を変えた。
これより突入する修羅の道。
これより自身が行う事を知れば、心優しき主であろうと軽蔑し、侮蔑し、嫌悪する筈だ。
二度と笑いかけてくれる事も、『家族』と呼んでくれる事もないだろう。
もう自分が心底からの笑顔を浮かべることなど許されない。
(……それでも構わんさ)
全ては覚悟の上だ。
やり遂げる。やり遂げなければならない。
罪は全て将たる自分が背負おう。
「主はやて。あなたはどうか幸せの内で……」
決意と共に、烈火の騎士は言葉を残す。
彼女は気付いていない。
後方にて佇む男の、その表情が愉悦に歪んでいる事を。
全てが男の掌の上で転がされているという事を。
知らず、悲壮な覚悟で場を後にする。
二人が出て行った八神家に遺されるは痛いほどの静寂。
全てが動き出した状況で、闇の書が主たる八神はやては未だ何も知らずに眠り続ける。
◇
―――ヴァッシュ君がバイトを休んだ。
それは時折ある事であったし、今更どうこう言う事でもないのかもしれない。
彼のお陰で大分助かっている事は事実であるし、殆ど無償で働いてもらっているのだ。
多少のサボりくらいは目を瞑ろうとも思う。
だが、今日に限っては話が違った。
昨夜、桜台を中心として発生した謎の現象。
消えてしまった桜台と、空の彼方にある衛星に刻まれた『跡』。
理解の範疇を越えていた。常識の範疇を越えていた。
全ては、まるで夢の中のような非現実的な光景であった。
しかしながら、いくら現実逃避をしようと視線を少し上げるだけで、それは実際としてそこにある。
日本は、いや世界はバケツをひっくり返したかのように騒ぎ立てた。
空を飛ぶメディアのヘリコプターは一機や二機ではとても聞かない。
リモコンを押すと、プツリという音とともにテレビが付く。
テレビは、どのチャンネンルでも、昨晩から緊急特番で今回の事象をずっと取り上げていた。
テレビの中のリポーターは興奮したような口調で、こう告げていた。
『ここが巨大隕石が落下したとされる海鳴市桜台です―――』
冗談だろうと思ってしまう。
下らなすぎて、苦笑すら浮かばない。
あれは、そんなものではない。
隕石などといった言葉で片付けられる現象ではない。
誰もが誰も見たのだ。
地上から伸びる白色の極光を。世界を呑み込む白色の極光を。
数十万キロと彼方に在る衛星を穿つ極光を。
見た。
誰もが。
それこそ老人から子どもまで。
世界が終わるやもしれぬ光景を見たのだ。
それを人間の知識の内に在る言葉で説明しようという事が、烏滸がましくすら思えてしまう。
うんざりとした気分でテレビを消し、カウンター奥の椅子へと座る。
昨日今日ではどうせ客も来やしないだろうと思いきや、ちらほらと常連の姿が見える。
この状況でも喫茶店に足を運んだり、会社へ出勤し、あくせく働く者いるのだから人間は分からないものだ。
いや、あえて日常へ身を浸からせる事で、現実から目を背けようとしているのか。
かくいう自分もその口だ。
何時も通りに起床し、何時も通りに仕込みを行い、何時も通りに店を開けた。
染み付いた習慣とは恐ろしいもので、殆ど呆然の中でありながら普段と変わらぬ動きができた。
見回すと、来店した客たちは心ここにあらずといった様子でボンヤリと座っている。
いかに日常に逃げ込もうと、全ては現実として重く圧し掛かるのだ。
誤魔化し切れぬ現実がそこにある。
「あなた……」
不意に声が掛かる。
顔を上げると、そこには心配そうな表情で俯く桃子がいた。
愛する妻。
彼女は横に椅子を並べて座り、身体を寄せてきた。
「なのはとヴァッシュさんは大丈夫なのかしら」
重い口調で紡がれる。
そう、本当の心配の種はそこにあった。
昨日より姿を見せない愛娘と、一人の居候。
「なのはは大丈夫さ。フェイトちゃんやリンディさんも付いてくれてるんだ」
愛娘については連絡は付いていた。
友達のフェイトちゃんの家に数泊するとメールが来た。
昨日の今日なのだ。直ぐに帰ってこいというメールを送ったが、珍しくも反抗的な返信が来た。
フェイトちゃんの保護者であるリンディの話によると、帰りたくないと駄々を捏ねているとのことだ。
フェイトちゃんも昨日の大災害で怖がってしまい、なのはと共にいることを望んでいるらしい。
短い付き合いではあるが、リンディさんは信頼のできる女性だと思う。
電話にてなのはの無事な声も聞いた。
ならば、仕方ないかとも思う。
あの年頃にもなると、家族といることよりも親友といることを心強いと感じるものなのだろう。
そうすることで少しでもあの大災害の恐怖を忘れられるというのなら、それで良い。
「でも、ヴァッシュさんは……」
「……そう深く心配することもないさ。彼の事だ。今にもひょっこりと顔を出すだろうさ」
もう一人の男―――ヴァッシュ君には連絡すらつかないでいた。
部屋に姿はなく、持たせた携帯電話も通じない。
知り合いに聞いてまわるも、ヴァッシュの姿を見たものはいない。
もしや、と考えてしまうのを止められない。
だが、その一方で彼がそう簡単に、とも考えてしまう。
とある世界で『人間台風』と呼ばれていた賞金首。
銃が支配する世界で賞金首という餌を首にぶらさげられ、身体に数多の傷を負いながらも生き延びてきた男。
そんな男が、そう簡単に消えてしまうものか……そう信じたい。
「彼なら大丈夫さ。きっと……」
妻の肩を抱き、優しく告げる。
返事は頷くだけに終わった。
自分の言葉は、強がりにしか聞こえなかっただろう。
それでも、そう言わないと二度と帰ってこない気がしてしまうのだ。
あの短くも騒がしく、賑やかだった日々が、もう二度と―――。
「……きっと帰ってくるさ」
自身に言い聞かせるよう、呟く。
一変してしまった日常が、ゆっくりとゆっくりと過ぎていく。
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