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最新流出情報

1名無しさん:2004/10/13(水) 16:15
広○涼子のハメ撮り流出しました!
http://synergy.zive.net/index2.html

2Der Freischuts〜狩人達の宴〜:2006/03/28(火) 21:09:03






二人の狩人が夜に舞う

3Der Freischuts〜狩人達の宴〜:2006/03/28(火) 21:18:36
舞台はアメリカ。高層ビルの立ち並ぶ大都市の一角。
裏路地の奥の奥。電灯もまばらで暗すぎる場所。
一人の女性と数人の男達がいた。
「女性を引っ掛けるなら、もうちょっと注意したほうがよろしいですわ」
腰に掛かる長い黒髪に丸い眼鏡。
女性にしては背が高く足も長い。
そして顔に広がるそばかす。
みれば純朴な印象を受けるが、笑みに歪んだ顔がそれを払拭する。
口を開く。唇が歪む。月光の下にさらされる突き出た牙。
「まったく、無駄な時間でしたわ。先方の気分を損ねていないとよいのですが」
喋っているのは女性一人だ。
少しだけ首を傾げ、これから会う仕事上のパートナーについて思案
をしている。
目の前の男達は声を上げない。
平生なら、自分達を無視する輩は片っ端から暴力の対象にするの
だが、今の彼らにそんな能力はない。
脳髄を破壊され、内蔵をぐちゃぐちゃに犯されスープにされ、骨
という骨が砕かれ壁のしみに成り果てた男達に、そんな能力はない。
「ああ、大変! もう少しで遅刻です! もう、あなた達が悪いんですよこの米
国野郎共。次に生まれ変わったときは、もう少し利口になっているといいですね」
女性は目の前の惨事を気にも止めず、微笑みながら傍らの火打ち式
マスケット銃を握り直し、屈伸するように足を曲げ、
「よっと」
跳躍。
軽がると十階建てのビルの屋上に着地。
そのまま地面から生える鉄の塔に飛び移りながら、目的地へ急ぐ。
残された裏路地に人の気配はない。
むせ返るほどの濃密な血の匂いのみ。

4Der Freischuts〜狩人達の宴〜:2006/03/28(火) 21:19:43
漆黒のスーツに身を包んだ女性。
そのすらりと伸びた手足は見事なスタイルで、麗人と呼んでも遜色ない。
その一方で、どこか田舎娘的な側面もこの女性は見せる。
だが、その特徴の一つ一つが、彼女の本質を隠す手助けをしていた。
彼女は吸血鬼。血を好み血に飢えた戦鬼の徒。
鉄火をもって戦を始める悪鬼羅刹。彼女の真の姿は、化物である。
黒く塗り潰された空には、何も見えない。
もう人間は星の光に頼ることをしなくなった。
ビルの合間を飛ぶ女性の眼下には、過剰すぎるほど人工灯が瞬いている。
―――ただ月だけは、いつも変わらずそこにある。
タン、とコンクリートを軽く蹴る。たったそれだけの動作で女性の体は空を飛ぶ。
―――やはり、人間ではない。
「いけないいけない。急がなくっちゃ」
女性は慌てた様子で足を速める。
しかし、顔は笑みで溢れている。
そして今の彼女性の動作は、見方を変えれば、スキップをしている
ようにも見える。
大事そうにマスケット銃を抱えて、夜の世界へ溶け込んでいく。
下に住むただの人間が、それに気付くことはない。
化物は隠れるのが得意だから。
しかし、今の女性の頭に自分を隠匿しようなどという考えはない。
ただ、約束の時間に間に合うようにと足をすすめるだけだ。
もっとも、夜空を飛ぶ人影を、誰かが見かけたとしても、そして
それを他人に吹聴したとしても、誰も真面目に取り合わないだろう。
そんなものは現実の埒外だからだ。
しかし、吸血鬼は飛ぶ。
無辜の人間を嘲笑うかのように。
どの人間の血を吸おうかと選別しているように。
牙が疼く。
血が、欲しい。

5Der Freischuts〜狩人達の宴〜:2006/03/28(火) 21:20:44
「おっと! いけないいけない。今から仕事なのに」
軽く頭を振り、吸血衝動を意識の外に出す。
ほんのひとときしか忘れられないが、仕事にさしつかえない程度
には我慢できる。
まさか、今から会いにいく人間の首筋に牙を突き立てるわけにはいくまい。
ケチらないほうがよかった、と女性は後悔した。
さっき銃殺した男達の血を、臭いからと飲まなかったことを。
女性は迷う。
非常食としてもってきた輸血パックを、ここで飲んでしまおうかと。
先程思わぬいさかいに巻き込まれたため、少々喉が渇いていた。
どうしようか。
飲んでしまおうか。

6Der Freischuts〜狩人達の宴〜:2006/03/28(火) 21:21:52
「――いえ、やめておきましょう」
首を軽くふる。そうだ、別に焦らなくてもいい。
今回の仕事は彼女の宿敵である王立国教騎士団やヴァチカンが
からんでくることはない。
数多く存在する“協力者”――奴隷ともいう――が、情報操作に
一役買ってくれた。
だから、彼らのようなアンチフリークス達に、彼女達ミレニアムが
こうして世界経済の中心地まで枝葉をのばしていることを知る機会はない。
明確で強力な敵と遭遇する心配がない以上、血を吸って体力を保持する
こともないだろう。
どうせこの街の警察は、どうあがいても彼女に勝つことはできない。
なら、今の自分の心配は杞憂だ。女性はそう判断した。
何度目かの跳躍を止め、あるビルの屋上に立ちつくす。
目の前に広がる建造物……彼女と彼女のパートナーとの待ち合わせ場所。
……女性の気配がわずかに零れる。
ほんの少しの殺気。
眼鏡から漏れる深紅の光。
「少し……空気がざわついていますわね」
蛇のように体をはい上がってくるような不快感。
ちりちりと目の裏が焼ける。
この緊張、まごうことなき闘争の世界。
女性は目を細めて眼前のビルの窓を見る。
吸血鬼の超知覚は遥か遠くの部屋の様子をこと細かに脳へ伝達した。
わずかの間、女性はその場に固まっていた。
しかし、すぐに行動を再開する。
懐から親指ほどの大きさの紙袋を取り出す。
丁寧に開く。
中身は弾丸。
マスケット銃にそれを込め、構える。
「どこのだれかは存じませんが、仕事の邪魔はいただけませんね。死んでもらいましょう」
一つ目の銃声。

7Der Freischuts〜狩人達の宴〜:2006/03/28(火) 21:22:39
かくして猟師は狩場に降り立ち、獲物を狩らんと矢をつがえ弓を引く。
だが、今、吸血鬼にして最後の大隊のヴェアヴォルフにして魔弾の射手
であるリップヴァーン・ウィンクル中尉は、自分と拮抗する者がいる
とは夢にも思わない。
自分が狙っているのは、無力な獲物ではなく、己と同じ猟師であることを。
そして“魔弾の射手”の異名を冠することを、リップヴァーンは
まだ知らない。


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