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曜「詐欺に遭った」After

1 : ◆PChhdNeYjM :2018/01/12(金) 14:09:37 OLXW2zuk
曜「詐欺に遭った」
https://itest.5ch.net/fate/test/read.cgi/lovelive/1515387031

前作のアフターストーリーです


2 : ◆PChhdNeYjM :2018/01/12(金) 14:11:11 OLXW2zuk
鞠莉「――初めまして。貴方が佐原誠ね」

佐原「君は……小原さんか」

鞠莉「Oh、いつの間に私は有名人になったのかしら」

佐原「沼津に住んでる人間なら、Aqoursのことは誰だって知ってるよ」

鞠莉「イッツジョーク♪」


鞠莉「正直、あなたのことは懲役10年ぽっちじゃ足りないくらい恨んでるわ」

佐原「……そりゃどうも」

鞠莉「小原家の力を総動員して、沼津の海に沈めてやりたいくらい」

佐原「ここどこだか理解してる?」

鞠莉「これはジョークじゃない。本気で思ってることよ」


3 : ◆PChhdNeYjM :2018/01/12(金) 14:12:24 OLXW2zuk
鞠莉「――ま、あなたに会いたがってる子もいるわけだし? その子たちに免じて勘弁してあげる」

佐原「僕に?」

鞠莉「花丸とルビィよ。後輩だったらしいわね」

佐原「ああ……彼女たちか」

鞠莉「あの反応からして、2人の前では随分立派な先輩を演じてたみたいね。元アイドルを弄ぶのがそんなに楽しかった?」

佐原「……」

鞠莉「はい、あの二人から」スッ

佐原「なにこれ」

鞠莉「見てわからない? 手紙よ、あなた宛ての」

佐原「……」ペラ


4 : ◆PChhdNeYjM :2018/01/12(金) 14:12:58 OLXW2zuk
―――

佐原先輩へ


とても優しかった貴方が、今は刑務所にいるだなんて、正直今でも信じられません。

本当は面会に行きたかったけど、都合が合わなくて。


どうしても伝えたいことがあったので、この手紙を書くことにしました。


貴方に貸してもらったSF小説、とても面白かったです。

2年間ずっと返さないままで、ごめんなさい。


国木田花丸


5 : ◆PChhdNeYjM :2018/01/12(金) 14:13:20 OLXW2zuk
―――

沼津は、最近とても暖かくなってきました。

そちらはどうですか。

そういう施設って、エアコンとかついてるのかな。

どうかお身体に気を付けてください。


実は、私も貴方に返していなかった本があったんです。

返さないままこんなに時間が経ってしまって、ごめんなさい。


花丸ちゃんが読むような小説は、正直私には難しくて。

何を読もうか困っていた私に、貴方がおすすめの本を手渡してくれたこと、今でも覚えています。

優しい先輩でいてくれて、ありがとう。

2年間お世話になりました。


黒澤ルビィ


6 : ◆PChhdNeYjM :2018/01/12(金) 14:13:49 OLXW2zuk
―――


鞠莉「で、これがその本ね」

佐原「……懐かしいな」

鞠莉「あなたのことは、千歌と曜をたぶらかしたっていう事実以外何も知らないし。私からはもう何も言わないわ」


佐原「……これ、何? もう一通手紙が入ってるみたいだけど」

鞠莉「イタリアのカジノで会ったのよ」


鞠莉「――あなたの、母親から」


7 : ◆PChhdNeYjM :2018/01/12(金) 14:14:11 OLXW2zuk
佐原「はっ……本当に懲りない人だな」

鞠莉「日本に帰ってきて、あなたと話すよう説得したんだけどね。二言目には断られちゃったわ」

佐原「それで、この手紙か」

鞠莉「それを書いてもらうまで相当苦労したのよ。感謝しなさい」

佐原「……」カサカサ


佐原「あ……」



鞠莉「――じゃ、私はこれで失礼するわ」




佐原「あ……あぐ……うぅ……」ポロポロ


8 : ◆PChhdNeYjM :2018/01/12(金) 14:16:02 OLXW2zuk
――――――

――――

――


「「かんぱーい!」」


曜「いやー、こうしてみんなと飲む機会がくるなんて。正直ビックリだよ」

梨子「今夜は精一杯楽しまなきゃね」

千歌「ほら、梨子ちゃん。二杯目きたよー」エヘヘ

梨子「ええ!? まだ半分しか飲んでないのにぃ」


果南「みんな遅い。私はもう三杯目だよ?」

ダイヤ「果南さんが飲み過ぎなだけですわよ」

鞠莉「ダイヤ! もっとテンション上げなってばー!」ギュー

ダイヤ「ひっつかないでよ、暑苦しい」


花丸「ふわぁぁぁ……このお酒おいしい」

ルビィ「私のおすすめなんだ。甘くてすっきりしてるでしょ?」

善子「ちょっとルビィ、あんたまだ未成年でしょうが……」コソコソ

ルビィ「家の付き合いでね、仕方なく飲んでるっていうか。善子ちゃんもせっかく来たんだから、ウーロン茶だけなんてもったいないよ」

花丸「善子ちゃんも飲んでみる? 甘くてフワフワするよー」

善子「わわっ、いいってばー!」


9 : ◆PChhdNeYjM :2018/01/12(金) 14:16:31 OLXW2zuk
―――




千歌「みんなばいばーい……ふわぁ、すっかり出来上がっちゃったのだ」フラフラ

梨子「飲み過ぎよ……」

曜「じゃ、今度は私たち三人で2次会にいこー!」

千歌「オー!」

梨子「えぇ……」


10 : ◆PChhdNeYjM :2018/01/12(金) 14:17:02 OLXW2zuk
―――




曜「ねえ、千歌ちゃん」

千歌「んー?」

曜「仕事辞めるって、ホント?」

千歌「うん……そのつもりだよ」

曜「なんで? せっかくいい職場なんでしょ」

千歌「そうだけどさ。もう、アパートは退去しちゃったし」

曜「そっか……」


梨子「――二人で住んだら?」

曜「へ?」

梨子「シェアルームよ。二人には丁度いいじゃない」

曜「そんな……シェアルームなんて……」


千歌「チカは……その……」モジモジ

千歌「よーちゃんさえ……よければ……///」


曜「うぇぇぇ!?」カァァァ///


梨子「フフッ、2人ともかわいいんだから」

曜「ま、まあでも……その方がいいかもね。千歌ちゃん、仕事辞めなくてすむし!」

千歌「それはそうだけど……いいの」

曜「うん、いいよ」


曜「一緒に住もう、千歌ちゃん」ニコッ

千歌「じゃ、じゃあ……よろしくお願いします……///」


11 : ◆PChhdNeYjM :2018/01/12(金) 14:18:05 OLXW2zuk
―――




曜「2人ともおやすみー」

梨子「またね、よーちゃん」

千歌「また明日ー」


千歌「……ねえ、梨子ちゃん」

梨子「ん?」

千歌「梨子ちゃんさ、本当にヨーロッパ行っちゃうの?」

梨子「うん。向こうでやらなきゃいけないこと、たくさん残ってるし」

梨子「まだまだ未熟者なんだ、私」


千歌「――っ」ギュッ

梨子「千歌ちゃん……!?」


梨子「……もう浮気ですか?」

千歌「グスッ……」

梨子「……」ナデナデ

千歌「行っちゃやだ……せっかくまた会えたのに」

梨子「また戻ってくるわ」

千歌「……ほんと?」

梨子「千歌ちゃんと曜ちゃんが、帰る場所をくれたから」


梨子「私、やっぱりここが好きなんだ」

千歌「内浦が?」

梨子「それもそうだけど……なんだろう」

梨子「千歌ちゃんや、曜ちゃん……Aqoursのみんなと過ごした、色んな場所が」


梨子「だから、絶対に戻ってくるよ」

千歌「約束だよ?」

梨子「うん……」


12 : ◆PChhdNeYjM :2018/01/12(金) 14:18:32 OLXW2zuk
パタパタ


千歌「あれ……よーちゃ――」


ギュッ


梨子「ちょ、あぶなっ……」

曜「……!」ギュー

千歌「よーちゃん……」


曜「いつか、3人で暮らそうね」

梨子「――っ」

千歌「……うん、そうだね」


梨子「いいの……? 私が、一緒にいても」

曜「一緒にいてよ……いてほしいんだよ」

千歌「梨子ちゃんが一緒じゃなきゃ、やだ」


梨子「あ……ぁ……」ポロポロ


千歌「約束だよ」

曜「3人の、約束」


梨子「……うん」


13 : ◆PChhdNeYjM :2018/01/12(金) 14:18:52 OLXW2zuk

――いつか必ず、私たちはまた巡り合う。



Fin


14 : 名無しさん@転載は禁止 :2018/01/28(日) 07:51:39 3xywSUaw
ちゃんと過去ログ化依頼しないとダメだよ?


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