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善子「Black Sheep」

1 名無しさん@転載は禁止 :2017/05/10(水) 01:37:40 ID:JFf8Mvsk
ああ、この手の人間か。


最初に思ったのはこんなことだった。

運動ができて勉強ができて、人付き合いも上手で友達もたくさん。

いわゆる典型的なリア充というやつで、それは私とは正反対の人種だった。

どうせ私のようなインドアで社交性のない人間とは馬が合わないのだろう。

そして得てして私のような人間はこのタイプの人間を嫌悪する。

こういう人のありかたが人間のあるべき姿だとわかっているし、この人自身とてもいい人だと思う。

でもだからこそ自分の人間としての不完全さが浮き彫りにされているような気分にもなった。

私みたいな社会に適合できない人間モドキとは住む世界が違うのだ。

だから私は、この人とはある程度仲良くはなれても、深い友好関係を築くことはないだろうと思った。

しかしこの人のそれは度を越していた。

729 名無しさん@転載は禁止 :2018/07/03(火) 01:42:33 ID:bVWZqnXA

良かったというべきか

730 名無しさん@転載は禁止 :2018/07/10(火) 07:57:10 ID:WaaDhi/Y
幸せなのに切ない……

731 名無しさん@転載は禁止 :2018/07/14(土) 03:55:42 ID:rxnP88zg

善子「梨子さん……」

梨子「やっぱり今の、見てた?」

善子「…………」

梨子「ああごめんね。別に責めるつもりはないの。ただ、恥ずかしいところ見られちゃったなって」

善子「そんなこと……」

梨子「あのさ、善子ちゃん……」

梨子「ちょっと傷心で寂しいから、一緒にいてくれる? 一人だと心細くて……」

梨子「……死んじゃいそうだからさ」

善子「……はい」


それから私は梨子さんと並んで防波堤に座って、朝焼けの海を眺めていた。

薄青い空間はいつの間にかオレンジの日に照らされて、そして朝を迎える。

どこか透明な空気の中、波の音だけを聞いていた。

私も梨子さんも、一言も話さなかった。

732 名無しさん@転載は禁止 :2018/07/14(土) 03:56:00 ID:rxnP88zg
――数日後


曜「善子ちゃん!」

善子「曜さん? どうしたの?」

曜「その、報告したいことがあって」

善子「報告?」

曜「え、えっとね、その、私……」

善子「……落ち着いて曜さん。ちゃんと聞いてますから」

曜「う、うん。ごめん。あのね善子ちゃん、私……」


曜「千歌ちゃんと、お付き合いすることになったんだ」

733 名無しさん@転載は禁止 :2018/07/14(土) 03:57:14 ID:rxnP88zg
善子「……そう、なんですね」

曜「うん。善子ちゃんにはたくさんお世話になったから、一番に伝えたくて」

曜「善子ちゃんのおかげだよ。いつも支えてくれて、元気づけてくれて……」

善子「いいえ。曜さんはずっとがんばってきたんだから。それが報われただけ」

曜「……あのね、善子ちゃんがいなかったら、私はずっと何も言えないままで」

曜「ずっと千歌ちゃんとわかり合えないままだったかもしれない」

曜「もしそうなったら私、取り返しのつかないことをしたかもしれない」

曜「だから善子ちゃん、ありがとう」

734 名無しさん@転載は禁止 :2018/07/14(土) 03:57:31 ID:rxnP88zg
――


「善子ちゃん」


善子「……梨子さん」

梨子「さっき千歌ちゃんから聞いたの。曜ちゃんとお付き合いすることになったって」

善子「私も……曜さんから同じことを聞きました」

梨子「そっか。善子ちゃんもか」

善子「私もちょっとだけ焚き付けた側だから」

梨子「うん。千歌ちゃんも言ってたよ」

善子「千歌さんが?」

梨子「善子ちゃんに言われて、ずっと悩んでた大事なことの答えが出せたって」

善子「……」

梨子「それが曜ちゃんとのことだったみたいだけど……」

735 名無しさん@転載は禁止 :2018/07/14(土) 03:57:44 ID:rxnP88zg

梨子「……こんなこと考えても仕方ないんだけどさ」

梨子「もしかしたら、善子ちゃんが何も言わなければ、千歌ちゃんは私の隣に来てくれたのかな?」

善子「……」

梨子「私が東京に行かないで千歌ちゃんのそばにいて、曜ちゃんの付け入る隙もないくらい千歌ちゃんを求めたら……」

梨子「千歌ちゃんと恋人同士になれたのかな……?」

善子「梨子さん……」

梨子「……なんて、冗談だよ。変なこと言ってごめんね」

736 名無しさん@転載は禁止 :2018/07/14(土) 03:58:04 ID:rxnP88zg
梨子「私の千歌ちゃんへの想いと、曜ちゃんの千歌ちゃんへの想い。そして、千歌ちゃん自身の想い……」

梨子「単純に私が負けちゃっただけ、なんだよね」


……力なく笑う梨子さんに、かける言葉がなかった。

梨子さんが選ばれなかった理由。

私が千歌さんを焚き付けたこと。それは間違いなく原因の一つだ。

梨子さんの言う通り、私があの日千歌さんに何も言わなければ結果は違っていたかもしれない。

軽はずみな気持ちで言ったわけじゃない。

曜さんに悲しい顔をしてほしくなかった。

幸せになってほしかった。

だから私はああしたんだと思う。

私自身がどうなろうと構わないって、決めたから。

737 名無しさん@転載は禁止 :2018/07/14(土) 03:58:24 ID:rxnP88zg
梨子「……善子ちゃんは」

善子「?」

梨子「善子ちゃんはこういう経験、ある?」


こういう経験、とは……

失恋という意味だろうか

梨子さんは今まさに失恋をしたばかり。

想い人に気持ちを伝えて、そのうえで断られた。

私は、どうだろう。

……。

738 名無しさん@転載は禁止 :2018/07/14(土) 03:58:48 ID:rxnP88zg
善子「失恋なんて、とうてい言えない」

善子「もっと弱くて惨めで、土俵に上がってもいない」

善子「何も伝えられなくて……失恋すら、できなかった」

梨子「……そっか。まあ、どっちが偉いとかないけどね。私も善子ちゃんも結果は同じだし」

梨子「善子ちゃんも善子ちゃんで頑張ってたこともあるだろうし、本当にそれぞれだよ」

善子「……」




梨子「ねえ善子ちゃん。改めて聞きたいんだけど……」

梨子「善子ちゃんは曜ちゃんのこと、好き?」

739 名無しさん@転載は禁止 :2018/07/14(土) 03:59:31 ID:rxnP88zg
お待たせしました。今回分です。
ノーマル√はおそらく次で最後になります。
読んでくださってる方々ありがとうございます。

740 名無しさん@転載は禁止 :2018/07/14(土) 08:52:47 ID:BE8zISnw
善子ちゃんと梨子ちゃんの心境が心にグサグサくる……
ふたりとも良い子過ぎて辛い……

741 名無しさん@転載は禁止 :2018/07/14(土) 13:19:53 ID:cDN6x2tk
ノーマルってなんだっけ……?ってレベルで切なすぎてつらい……

742 名無しさん@転載は禁止 :2018/07/15(日) 02:53:02 ID:itBpi.pw


743 名無しさん@転載は禁止 :2018/07/15(日) 02:56:07 ID:PA7SHG/A
http://nazr.in/11y6

744 名無しさん@転載は禁止 :2018/07/27(金) 23:50:34 ID:lLhKWdGQ
ノーマルという名のビターエンドだね…
結末が気になるところだ

745 名無しさん@転載は禁止 :2018/08/21(火) 01:47:48 ID:uEIohNPw
気長に待つか

746 名無しさん@転載は禁止 :2018/08/26(日) 10:24:20 ID:.LQc7MCA
まだかな…?

747 名無しさん@転載は禁止 :2018/08/28(火) 07:55:39 ID:6VIjKqdY
大変お待たせして申し訳ありません
明日、明後日の夜には投稿できるよう調整しております
次の更新でノーマル√完結予定です

748 名無しさん@転載は禁止 :2018/08/28(火) 08:39:13 ID:7mYbRMo6
待ってた

749 名無しさん@転載は禁止 :2018/08/28(火) 12:23:35 ID:FBHI.fQ2
正座待機

750 名無しさん@転載は禁止 :2018/08/29(水) 04:46:22 ID:RQRBOq1I
ゆっくり待ってるよ

751 名無しさん@転載は禁止 :2018/08/30(木) 05:25:34 ID:bsHOfXsw


善子「はい、好きです」

善子「笑った顔が好き。かっこいいところが好き。何でもできるところが好き。明るいところが好き。優しいところが好き」

善子「実は弱くて臆病なところが好き。泣き虫なところが好き。なんでも一人で抱え込んじゃうところも好き」

善子「全部私のものにしたいくらい、大好きで……」

善子「心の底から、愛していました」

梨子「……素敵だね」

梨子「私も、そうだったんだ……千歌ちゃんを、本当に愛してたよ」

752 名無しさん@転載は禁止 :2018/08/30(木) 05:26:36 ID:bsHOfXsw
――


梨子「善子ちゃんさ、これで良かったって思ってる?」

善子「え……」

梨子「なんとなくわかるんだ。善子ちゃんの考えてること。同族だからかな?」

善子「どうかしら。よくわかりません」

善子「最初は、あの人が笑ってくれれば、幸せになってくれればよかった」

善子「ううん。それは今でも同じ。だけど……」

善子「…………」

梨子「……辛いね、善子ちゃん」

梨子「好きな人の幸せが、自分の幸せだったら良かったけど……」

梨子「そううまくはいかないね」

善子「……本当に良かったはずなの。私はずっと、こうなることを望んでた。そのために頑張ってきた」

善子「私は、私の願いを叶えた。だからこれでいいはずなの」

善子「それでも、悲しいのは……」

善子「……ああ、そっか」

梨子「善子ちゃん?」

善子「ねえ梨子さん」




善子「私の初恋……曜さんへの初恋、終わっちゃった……」

753 名無しさん@転載は禁止 :2018/08/30(木) 05:27:02 ID:bsHOfXsw

梨子「……うん、私も。残念だけどね」

善子「梨子さんは、悲しくないの?」

梨子「もちろん悲しいよ? 今も一人になったら泣いちゃいそうなくらい」

善子「……」

梨子「でもね善子ちゃん。私って曜ちゃんのことも大切な友達だって思ってるから」




梨子「ちゃんと、祝福できるよ」


――


梨子「じゃあ私はここで。また明日ね善子ちゃん」

善子「ええ。さよなら」

梨子「……あのさ、たまにこうして二人でお話したりしない?」

梨子「善子ちゃんとは立場が同じだから、いろいろわかってくれると思うし」

梨子「……私もわかってあげられると思う」

善子「……ええ。ぜひ」

梨子「ふふっ。ありがとね」

754 名無しさん@転載は禁止 :2018/08/30(木) 05:28:54 ID:bsHOfXsw


――

私と話している間、梨子さんは笑顔を崩さなかった。

でも私はその心の内を推し測ることは出来なかった。

私も梨子さんも同じように失恋をしたけれど、同じ心の傷を負ったとは限らない。

いや、私は曜さんに失恋した反面、曜さんを幸せにするという望みを叶えられた。

けど梨子さんはただ失恋をしただけ。

私などでは理解できない傷を負っているのだろうと思う。

梨子さんと会話して、少しだけ理解することは出来た。

でも少しだけだ。

私や梨子さんのこの気持ちは、これからどこへ行くのだろう。どこへ行けばいいのだろう。

答えなんか出るはずもなく、私の心はどこかぽっかり穴の開いてしまったような、そんな気持ちになった。

755 名無しさん@転載は禁止 :2018/08/30(木) 05:29:12 ID:bsHOfXsw
――数日後、屋上

善子「……」


今日はAqoursの練習は休み。

地区予選の準備が思った以上に順調。メンバーのやる気もかなり高まっている。この勢いのまま練習を重ねていこう。

とみんな思っていたけれど…


ダイヤ「オーバーワークはいけません。勢いとやる気にまかせて無茶をしすぎると怪我にもつながってしまいますわ」


とのことで、落ち着いた時間をとろうとのことだった。

確かに私自身もその通りで、やる気ももちろんあるけれどそれ以上に他のことを考えたくなかったからAqoursの活動にうちこんでいた。

だからこういうふうに時間が空いてしまうと余計なことばかり考えてしまう。

一人でいると、なおさら。

それでもこうしてなにもないはずの屋上に来ているのは、どうしてだろう。

……いいや、むしろ何もない方がいいから。誰もいない方がいいからなのかもしれない。

一人だと思い悩むくせに、誰かがいても煩わしいと思う。

この気持ちに出口はなかった。

756 名無しさん@転載は禁止 :2018/08/30(木) 05:29:28 ID:bsHOfXsw
ルビィ「善子ちゃん」

善子「……ルビィ」


気が付くと、後ろにルビィがいた。

放課後、すぐに教室からいなくなった私を心配してきてくれたのだろうか。

それとももっと前から、私の気持ちを読み取っていたのだろうか。

……優しい子だ。


ルビィ「あのね、善子ちゃん、その……」

善子「……心配してくれてるの? 大丈夫よ」

ルビィ「善子ちゃん、でも……」

善子「ルビィ、私、今本当にうれしいの」

善子「曜さんが本当に幸せそうで……あんなに心から嬉しそうにしてる曜さんなんて初めて見た」

善子「だから、私も……すごく、幸せなの」

善子「すごく、すごく……」グスッ

善子「本当よ、本当なの」グスッ

善子「本当の、本当に、幸せ、なの」

善子「幸せ……なんだから……!」ポロポロ

757 名無しさん@転載は禁止 :2018/08/30(木) 05:29:45 ID:bsHOfXsw

ルビィ「……善子ちゃん」ギュ

ルビィ「ルビィね、善子ちゃんが頑張ってきたこと知ってるよ」

ルビィ「今までたくさん、辛い思いして、我慢して、戦ってきたこと、ちゃんと知ってる」

ルビィ「だからね、だからね、善子ちゃんは本当に立派で」



ルビィ「素敵な、人間だよ」ポロポロ




善子「……なによ、なんでアンタが泣いてるのよ」

善子「アンタが……泣くことなんて、ないでしょ……」ポロポロ

ルビィ「だって、だってぇ……善子ちゃんがつらいの、わかるから」ポロポロ

ルビィ「ルビィは……ルビィだけは、わかるんだから……!」ポロポロ

ルビィ「一緒に、泣かせてよ……」

善子「バカね……本当にバカよアンタは」

善子「でも、ありがとね……」グスッ

ルビィ「善子ちゃん、つらかったね」

ルビィ「頑張ったね……!」

善子「う、うぅ……うぁぁぁぁぁ……!」

758 名無しさん@転載は禁止 :2018/08/30(木) 05:30:08 ID:bsHOfXsw
――

ルビィ「えへへ、ごめんね善子ちゃん。ルビィまで泣いちゃって……」

善子「ううん、こっちこそ。ありがとう」

ルビィ「善子ちゃんのしたこと、間違ってないよ」

ルビィ「つらい選択だったと思うけど……ルビィはとっても誇らしいよ」

善子「……」

ルビィ「……これからも、つらいだろうけど」

善子「うん。もう大丈夫」

善子「……とは言えないかもしれないけど、頑張る」

善子「だって、曜さんが笑ってくれたんだもの」

ルビィ「……」

善子「幸せになって、くれたんだもの」

759 名無しさん@転載は禁止 :2018/08/30(木) 05:30:23 ID:bsHOfXsw
ルビィ「……うん。きっと、善子ちゃんのおかげだよ」

ルビィ「曜さんも千歌さんも、善子ちゃんに感謝してる」

善子「……ええ。そうだと、いいわね」

ルビィ「ね、そろそろ帰ろうよ。今日は沼津にでも遊びに行かない? 花丸ちゃんも行きたいって言ってるんだ」

善子「……うん。行きましょうか」

ルビィ「えへへ! じゃあ早く教室まで戻ろうよ! 花丸ちゃんも待ってるよ!」タタタ

善子「ええ……」


ルビィは楽しそうに駆けだした。

人の気持ちを理解し過ぎて同調してしまう子だ。

さっきも泣いていたように、今もつらいのだと思う。

それでも、私を気遣ってくれているのだろう。

こんな私を心配してくれている。

……。

760 名無しさん@転載は禁止 :2018/08/30(木) 05:30:38 ID:bsHOfXsw
善子「あ……」

ふと屋上から校門を眺めると、千歌さんと曜さんが歩いているのを見つけた。


千歌「〜〜〜〜〜」

曜「〜〜〜〜〜!」



善子「……」


二人とも、とても幸せそうだった。

今まで二人が楽しそうに話しているのは何度も見てきた。

でも、今は違う。もっと、楽しいよりももっと満ち足りている顔で。

ああいうのを、幸せと呼ぶのだろう。

あんなに生き生きと、輝かしい目をした曜さんなんて初めて見た。

私では曜さんを、あんなふうに笑わせてあげることなんかできなかっただろう。

きっと千歌さんでなければいけなかった。曜さんを救えるのは、千歌さんだけ。

……私は、その手助けをしただけ。

それだけだ。

私にできたのは、それだけだ。

だから、これでいいんだ。

私は正しいことをしたんだ。

761 名無しさん@転載は禁止 :2018/08/30(木) 05:30:54 ID:bsHOfXsw

善子「うっ……ぐすっ……あぁ……」

悲しいことなんてなにもない。

悲しいなんてあるわけない。

でも……

……。

…………ああ。

ああ、ああ、ああ!!!

曜さん! 曜さん曜さん!!! 曜さん!!!

大好き! 大好きでした! あなたを愛していました!!!

叶うなら、あなたの隣を歩いて……

あなたを支えたかった!

春に、出会いと別れの不安の中を一緒に踏みだしたかった。

夏に、茹だるような暑さの中を連れまわしてほしかった。

秋の冷たい風の中、身を寄せて「寒いね」なんて二人で笑って歩いて。

冬に、冷たくなったあなたの手を包んであげたかった。

762 名無しさん@転載は禁止 :2018/08/30(木) 05:31:08 ID:bsHOfXsw
願っていました。

あなたとの幸せな未来を、願っていました。

でも、そうか。

もう、終わるんだ。

あなたに恋をした夢の時間が、もう終わろうとしている。

だけど、どうしてだろう。

とても悲しくて、でもとても暖かい。

……きっと、思い出があったから。

とても優しい思い出があったから。

私は、曜さんに救われた。

どうしようもない、救いようのない人間モドキの私を、人間にしてくれた。

嬉しかった。

私でも、まっとうな人間になれるんだって思えた。

私でも、幸せに生きられるんだって、教えてくれた。

763 名無しさん@転載は禁止 :2018/08/30(木) 05:31:25 ID:bsHOfXsw
それは、初恋の夢。

この手に触れようとした瞬間に消えてしまった。

けれど、胸には確かに残っていた。

あの時もらった優しさが。

暖かさが。

私を救ってくれた笑顔が。

まだ私を、照らしてくれていた。


善子「……うん」


歩ける。

だって私は教えてもらったから。

私の生き方を教えてもらったから。

大切なものを見つけるうれしさ。

それを失う悲しさ。

そして、幸せを追いかける大変さ。

曜さんからもらったものぜんぶ。

これは私の宝物だ。

ぜんぶ抱えて生きていくんだ。

764 名無しさん@転載は禁止 :2018/08/30(木) 05:31:39 ID:bsHOfXsw

善子「大丈夫」


歩こう。

私にはまだ行くことのできる道がある。

進もう。

嬉しいことも悲しいことも全部抱えて。

きっとそれが、生きるということ。

私はまだ、歩きはじめたばかりだ。

765 名無しさん@転載は禁止 :2018/08/30(木) 05:31:53 ID:bsHOfXsw
――

ルビィ「あっ、善子ちゃん来たよ!」

花丸「遅いずら! ルビィちゃんが呼びに行ったっていうのに何してたの?」

善子「ごめんね、ちょっと……」

花丸「ちょっと?」

善子「ううん。なんでもない。行きましょ」

花丸「……そっか」

ルビィ「じゃあ早く行こう! 遊ぶ時間なくなっちゃうよ!」

善子「ちょ、ちょっとルビィ! 引っ張らないでよ!」

花丸「あぁ! 二人ともまってよ〜!」

ルビィ「えへへ……!」

善子「……!」

花丸「置いてかないでほしいずら〜!」

ルビィ「急いで花丸ちゃん! バス来ちゃうよ!」

善子「早く行くわよ!」

花丸「も〜!」

善子「……ふふ」

766 名無しさん@転載は禁止 :2018/08/30(木) 05:32:08 ID:bsHOfXsw


曜さん。

おめでとうございます。

あなたが幸せで、私も幸せです。

あなたに恋をして本当に良かった。

幸せな夢を見られて本当に良かった。

全部あなたにもらったもの。

大切な友達。尊敬できる先輩。

スクールアイドル。

私の生きる意味。まっとうな人生。

でも、それだけじゃきっとダメで。

これからは、曜さんがくれたものにしがみついているだけじゃダメなんだ。

私、がんばります。

曜さんがくれたものが間違いじゃないって、証明するために。

767 名無しさん@転載は禁止 :2018/08/30(木) 05:32:49 ID:bsHOfXsw
ねぇ、曜さん。

私も。

私もきっとあなたのように幸せになります。

だから、いつかその時が来たら。

あなたのとびきりの笑顔で、祝福してください。


ノーマル√ おわり

768 名無しさん@転載は禁止 :2018/08/30(木) 05:37:13 ID:bsHOfXsw
お待たせしてすみません、ノーマル√ラストです
不完全燃焼な感じでアレですが一応これで完結ということで

次はハッピーエンド√に続きます

769 名無しさん@転載は禁止 :2018/08/30(木) 08:16:39 ID:T3SbuJaI
おつ
ハッピールートも待ってる

770 名無しさん@転載は禁止 :2018/08/30(木) 08:35:53 ID:0e9oY08M
おつ
ハッピーエンド楽しみ

771 名無しさん@転載は禁止 :2018/08/30(木) 20:25:10 ID:ZPcvJWNM
乙です
ハッピーエンド√も楽しみに待っております

772 名無しさん@転載は禁止 :2018/08/30(木) 20:31:19 ID:tR1ZJ5BA
不完全どころかトゥルー感すらあるのだが。

773 名無しさん@転載は禁止 :2018/08/31(金) 06:38:22 ID:RGp1IVx2
おつ
善子はもちろん、祝福できるって言い切った梨子も良い子だな
ハッピーエンドも楽しみにしてる

774 名無しさん@転載は禁止 :2018/09/01(土) 19:37:55 ID:ZQeaQaZs
乙、ノーマル√はビター風味なエンドだったね
バッドエンド√でも思ったけどこの善子とルビィの関係性好きだわ
ハッピーエンド√も待ってます

775 名無しさん@転載は禁止 :2018/09/05(水) 01:54:19 ID:Y37VIjyo

曜が分裂でもしないとハッピーエンドにならなそうだけどどうなるのかな

776 名無しさん@転載は禁止 :2018/09/22(土) 20:05:55 ID:gWrDMf7o
ここまで来ると全員に幸せになってもらいたいものだ

777 名無しさん@転載は禁止 :2018/10/18(木) 20:35:29 ID:2/JGha12
そろそろ続きを……

778 名無しさん@転載は禁止 :2018/10/21(日) 02:01:11 ID:Q2IbOsdw
待ってるぜ


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