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にこ侍「あーお腹すいたぁ〜」

1 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/21(土) 05:18:03 nG6TA1V6
ときは幕末!


ここは江戸のとある町、音ノ木町……



そこに一人の流れ者の侍がたどり着く


にこ「あ〜」グギュルルルル…


にこ「もう……無理……」ドサッ


貧乏なその侍は空腹の限界により、その場に倒れた


にこ「(あーダメだまったく力が入らない……にこぉ〜…まともにご飯食べたのはいつだっけ?……うぅ…)」


うつぶせで遠退く意識の中、一人近づいてくる影に気づいた


??「…………」スッ


にこ「!?(女?……いやしかもまだちょっと幼い)」


にこの前には少しばかり幼い茶髪の少女がおにぎりを差し出していた


にこ「(お、おにぎり!?う、うわぁ……食べたい!物凄く食べたい!!でもにこは気高き一流の侍…こんな少女に施しを貰うなんて…いやでも……)」グギュルルルル


選択肢

1、要らないわ見せもんじゃないのよ失せなさい(と言って怒鳴る)

2、た、助かったにこぉ〜(と言っておにぎりを受けとる)



安価>>4


※3年2年1年の年齢差は1才ずつではなくバラバラ、安価によっては死ネタあり


2 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/21(土) 06:39:57 FEMY0vDk
とりあえず安価下とかでいいんじゃ
ksk


3 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/21(土) 08:15:52 nG6TA1V6
>>2そうします


4 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/21(土) 08:29:14 FFeMR.q2
とりあえず2で


5 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/21(土) 09:24:44 nG6TA1V6
>>1続き

選択肢2


にこ「た、助かったにこぉ〜」


にこはガツガツと差し出されたおにぎりを一気に食べた


にこ「ぷはぁ……あぁ〜!やっぱり背に腹は代えられないわ、ときには武士の誇りより、食欲よ」


??「……」ボーッ


にこ「ん?あぁありがとう助かったわあんたは命の恩人よ」


??「……」ニコッ


おにぎりを渡してくれた少女は微笑みながら首を振る、いえいえということだろう


にこ「あんた名前は?」


??「!…………」シュン


そうにこに言われた瞬間に少女は表情を暗くし俯いた


にこ「(あれ?笑顔が消えた……?……にこなんか不味いこと言った?)ご、ごめん……言いたくないならいいわ」


すると少女は立ち上がり、にこにペコリと頭を下げるとそのまま、走り去って行った……



にこ「結局謎の少女のままねあの子……」



にこはじっと走り去って行く少女を見つめた






すると…



ドン!



少女「ピャア!」


チンピラ「いってーなこらぁ!」


にこ「!?」



先程の少女が通りすがりのチンピラの足にぶつかってしまった


6 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/21(土) 09:25:43 nG6TA1V6




少女「……!……」


チンピラ「オウオウお前、このチンピラ様にぶつかっておいて何の謝りも無しかぁ?」


少女「……」ブルブル


おいおいやべーぞあの子


あれは高坂一派……


昔こそ、流儀を弁えた仁侠の者たちだったが、今じゃただのチンピラの集まり……


あ、謝るんじゃ早く…



少女「…………」ブルブル


しかし、少女は震えるばかりで一切口を開かない


チンピラ「てめえ……だんまりとはいい度胸だな」シャキーン


チンピラは腰から刀を抜いた


チンピラ「謝りもしないガキにはしつけ必要だなぁ……ほら言ってみろ"ごめんなさい"と」


少女「………」ブンブン!


少女は涙目で首を大きく振るだけ声は出そうとするも全く出ない


チンピラ「おいおい俺はガキだからと言って容赦はしねぇ…ほら」


少女に刀を突きつけるチンピラ


にこ「(ば、バカ!あ、あの子!なんで何も言わないの?)」


そう思ったときにはにこは咄嗟に行動していた



にこ「その子から離れなさい腐れ外道」


にこはチンピラの前に立ちはだかった


7 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/21(土) 09:28:54 nG6TA1V6


チンピラ「ああん?なんだてめえ?」



にこ「あんたに名乗る名前なんてないわよ」



チンピラ「んだと!こら!俺を誰だと思ってやがる!あの高坂一派のチンピラ様だ」


にこ「何一派だって?……誰よ知らないわよ…流れ者にそんなこと」


チンピラ「流れ者だと……ギャハハハハだったらてめえ何も知らずにこの町に?……命知らずなやつめ」


にこ「この町が何よ……」



チンピラ「さあな!ここで死ぬてめえに必要ねェ情報よ!」


チンピラはにこに斬りかかった


キン!


にこも咄嗟に抜刀する


キャアアアア!


8 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/21(土) 09:29:13 nG6TA1V6

白昼堂々の斬り合いに悲鳴が上がる


少女「…………」オロオロ



少女は不安そうににこを見つめる


にこ「あんたは下がってなさい……」


にこは優しく頭をポンっと叩いた


少女はそのまま物陰に隠れる



チンピラ「おい流れ者の女侍妙な正義感で首を突っ込むもんじゃねぇぞ」ブォン!


にこ「正義感?……別にそんなもん持ち合わしちゃあいないわ……ただあの子はにこの……」チャキン!



にこは上手く、捌いて


チンピラ「うげっ……し、しまっ……」


チンピラの体を崩し、背後に回る


にこ「命の恩人だから助けたまでよ」



パァン!


チンピラ「かはっ……」



後頭部に刀の峰を叩き込んだ



にこ「殺しても良かったけど白昼堂々殺すのは気が引けるしね」チャキ


少女「……」キラキラ



タッタッタ……


ギュ


少女はにこ抱きついた


にこ「おっと!あんた大丈夫?ケガはない?」


少女「……」コクコク


にこ「……ったく……なんで喋らないのよあんた……こちとらそのせいでヒヤヒヤしたんだか…………!?」




にこは何かの気を感じた



1、これは……殺気!?


2、これは……狂気!?


安価下


9 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/21(土) 09:35:22 9tPju1E.
2


10 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/21(土) 11:02:28 nG6TA1V6


2、これは……狂気!?



パンッ……パンッ……パンッ!


??「あらぁ〜強いのね〜私感激しちゃった♪」



手を高く掲げ拍手を送る謎の女が現れる


ゾクッ!


にこ「(な、何こいつ……やばい……)」


ギュ


にこは背筋が凍るのを感じた……自然に少女を抱き締める手が強くなる



あ、あいつは……



人斬りあんじゅ……



嘘だろ……そんな狂人がなんでこんな真っ昼間に……


にこは聞こえてきた声をしっかり聞いていた


にこ「人斬りあんじゅ……聞いたことあるわね……侍にあるまじき辻斬りの腐れ外道」



あんじゅ「あらぁ〜ひどいわぁ〜私が斬りたいときに目の前にいるヒトがいけないのよぉ〜ウフフ♪」



にこ「狂ってるわね……んで何?私と殺る気なの?」


あんじゅ「そのつもりだけど……」



ゾクッ





空気が止まる




あんじゅ「それはまた今度にするわ……あなた、とてもとても、素敵な目をしてるもの…今殺すのは勿体無いわ」



にこ「……そう……」


にこはまだ警戒を解かない、あんじゅをただただ睨み付ける



あんじゅ「ウフフその眼光いいわぁ〜…その血に染まったような眼と人斬りの才覚、あなたも私と同じムジナなんじゃないかしらぁ?」


11 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/21(土) 11:04:06 nG6TA1V6

にこ「あんたと一緒にしないで!」



あんじゅ「あらぁあらぁつれないわね」


あんじゅは背を向けて立ち去ろうとするが


一歩歩いたところで再び止まった



あんじゅ「あ、いいことひとつだけ教えてあげる」


にこ「?」



あんじゅ「その子に名前はないわ…いや無いというより……誰も分からない」



にこ「!……どういうこと……」



あんじゅ「さぁね?奇病か何かかしら。一切喋れないのよその子、ウフフ…可哀想にねぇ…そのせいできっと小さい頃から地獄を見てるでしょうねぇ」



にこ「……喋れない……」


にこは少女を見つめる


少女「?」


きょとんした目でにこを見つめ返す少女



あんじゅ「そうだ…たしか皆、かよちんと呼んでたかしら」


にこ「そう」


あんじゅ「ウフフ……まあそれじゃ頑張ってね…ここは修羅場よ」



一瞬で風のように消えていくあんじゅ



にこ「殺り合ってたら不味かったわね…あいつは狂ってるけど強い」



さて、ここからどうするか……


1、襲ってきたチンピラ所属の危険な雰囲気漂う高坂一派について調べる


2、身元不明の恩人かよちんという少女について調べる


3、とりあえず町の奥にそびえ立つ輝夜城という建物を目指す


安価下


12 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/21(土) 12:13:16 nfAul6GI
2


13 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/21(土) 15:33:05 nG6TA1V6

にこ「まずはこの子について情報収集ね……この子のこと放っては置けないわ……ってことであなたはどこから来たの」


かよちん「……」パァ



かよちんは明るい顔でグイグイと手を引っ張る


にこ「ちょ、ちょっと!そ、そんな引っ張らないで……え、何こっち?」


かよちん「……!」コクコク



にこ「この道なの?(この先はどう見ても町はずれ……この子ってもしかしてこの町の人間じゃないの?)」


にこは少し戸惑いながらも嬉しそうに案内するかよちんを見て歩みを進める


にこ「もし夜だと不気味ねこの道、あいつみたいなやつ(あんじゅ)が好き好みそうな場所……」


にこは少し不安を覚えた


にこ「(そんな場所をこの子が…)」


14 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/21(土) 15:33:51 nG6TA1V6


そんなこんなで町外れ…


目の前に風車の回る小屋のような建物を見つけた


ギギ…ギギ…と木の風車が軋む音だけが響くなんとも静寂な場所


にこ「……(ここがかよちんの家)」


かよちん「……!」グイグイ!


にこ「わ、分かったって!ここがあなたの家なのね、はいはい…お邪魔するわよ」


ガラガラ


??「かよちん!どこに行ってたの!外は危険だからどこにも行くなって言ったでしょ!」


にこ「おぉ!?」


??「へっ?」



扉を開けた瞬間ににこは怒られた


いや家にいた者はかよちんと間違えて怒ったみたいだった


にこ「ど、どうも」


??「あんた誰よ!回診なら後にして!」


にこ「回診?…い、いやにこはかよちんという少女の案内で…」


??「は?」


そう言うとにこの後ろからひょこっと顔を出すかよちん


??「か、かよちん!?」


15 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/21(土) 15:34:46 nG6TA1V6

赤い髪の女はかよちんに駆け寄る


??「もう、どこに行ってたのよ心配したんだから」ギュ



にこ「……」


??「……」


赤い髪の女はジッとにこを睨みつけながら


??「なんだか分からないけどかよちんが世話になったわね侍」


にこ「にこよ…あんたは」


??「フン…悪いけど侍風情に名乗る名前なんてないわ…」


にこ「なんですって!」ムカッ


??「何よ!私はね刀振り回してえらそーに威張りくさってる連中が大嫌いなの!せっかく私たち医者が必死で人の命を救ってるのにあんたたちは簡単にその命を奪う…もう本ッ当に!恥を知れ俗物!」


にこ「……あんた侍と何かあったの?」


??「大アリよ…死ねばいい侍なんか全員…!?…ちょ、痛っ!…ちょっとかよちんどうしたの!」


かよちん「……!」ポカポカ


かよちんは涙目で赤い髪の医者を叩いていた


それは何も発さない彼女だが、基本的に性格自体も大人しい彼女には珍しいワガママで駄々を捏ねるような行動


??「ど、どうしたのよ……あ、あなたがここまで怒るなんて」


するとかよちんはにこに頭を下げてきた


にこ「!」


16 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/21(土) 15:35:24 nG6TA1V6

にこ「別にいいわよ…でもとりあえず良かったわ…あんたに家が在って…お邪魔したわね」


にこは下げたかよちんの頭をポンと手を置くと背を向けた


そして、家から出ようとした


しかし、その時


??「待って!」


にこ「………」ピタッ


??「……ったわ」


にこ「?」


??「わ、悪かったわって言ったのよ!…私は真姫…音乃木の町医者よ」



にこ「フフ…あれぇ〜侍風情に名乗る名前なんてなかったんじゃなかったの〜?」



真姫「ヴェェ…ち、違っ……うるさい!死ね!調子に乗んないでよ!かよちんが認めた人間だから名乗っただけ!私は侍なんか嫌いだし、死ね!」


にこ「ぬわぁんですって!?な、何もそんなに死ね死ね言わなくても!」


真姫「知らない!」プイッ


そんな二人を見てかよちんはただただ微笑んでいた


17 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/21(土) 15:36:07 nG6TA1V6


にこはとりあえず町外れを後にした


真姫からある程度かよちんについてのこともこの町のことも聞けた


まず少女かよちんについて


かよちんの齢は現在14、別の村の生まれで生まれつき喋れない

そのせいで、その村では実の親から虐待、周りの子たちから苛めを受けていた


そんな地獄みたいな日々から救った唯一の親友がいるらしい


真姫の話によるとその親友は体中ボロボロになりながらいきなり自分の診療所へまたまたボロボロのかよちんを抱え、泣き叫びながら助けてくださいと真姫に泣きついたらしい

そのあと親友はかよちんが無事と分かると真姫の治療もほどほどに勝手に消えていったという

これはかよちんがまだもう少し幼い頃の話、かよちんはその親友の名前も顔もその事の詳しい出来事も全て覚えているが口に出せないから真姫も探しようがないらしい

唯一の手がかりは当時の真姫の記憶、かよちんと同い年くらいで橙色の髪とにゃという口癖だけ


現在そんな娘が音ノ木町にいる噂があり、その噂を信じて毎日毎日かよちんは音ノ木町出向いているが一向に見つかる気配はない


18 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/21(土) 15:36:46 nG6TA1V6


次に音ノ木町について


現在音ノ木町は三大勢力による血生臭い抗争が起きている


一つはならず者集団の高坂一派


先代高坂組長のときは、カタギには手を出さない筋の通った任侠組だったが先代が暗殺され二代目組長の現在ではただの理不尽に町民に暴力を振るい、簡単に人も殺すただのチンピラの集団となっている


真姫「私がいっちばん嫌いなやつらよ!みんな嫌いだけどこいつらだけは絶対に許さない!」



もう一つは巨大遊廓城「輝夜」

格式の高い遊廓で、かなりの権力をもっており城を見張る見張り番はどこからか集めた名のある剣客ばかりらしい


こちらも金持ちは優遇されるが貧乏人には厳しく、下級町民の不満の的でありまた、新たな権力掌握に目がなく何をしでかすか分からない怖さがある


ちなみに、ここの最高位の女郎、ことりは町民の誰もお目にかかったことはない


真姫「この城建設には町民も協力したっていうのに本当横暴よね」



最後の一つは、音ノ木町見廻局所


いわば罪人を御用する幕府の役人なのだが、少し横暴が過ぎることで悪い意味で有名


濡れ衣で町民を捕まえたり、辻斬りとの斬り合いに多くの町民を巻き込むなど、正義の味方側とはとても言い難い振る舞いで困らせている


真姫「絢瀬って局長が頭が堅いやつでね…正義を履き違えてるのよ」


19 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/21(土) 15:37:29 nG6TA1V6


にこ「そんな状態の町にあの子(かよちん)は毎日毎日…」



にこは一人で考える


にこ「友達の子もここにいるって言ってたけど本当にこんな危険な場所にいるのかしら」



うーん…とにこは腕を組んだ


1、一番に気にするべきはやはり早速にこも絡まれた血の気の多い高坂一派かしら


2、かよちんの親友…彼女がもしこの町で生きているというのなら…あの隔離された別世界のような遊廓城「輝夜」が怪しい


3、忘れてはいけないのは人斬りあんじゅ…やつは野放しにしては後々面倒な気がする…ここは一度見廻局所へ報告しに行くべきか…


安価下


※仕事行きますんでこっから書くの遅れます


20 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/21(土) 16:17:09 FFeMR.q2
3で


21 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/21(土) 21:53:45 nFErA3pU
>>20
おk
3ね
今休憩だが今日は無理っぽい書き溜めてないしね
スマソ


22 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/21(土) 22:23:12 /0NtTXkc
侍道みたいな感じなのか
楽しみ


23 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/23(月) 05:01:51 S6YbCOn2

選択肢3

ここは音ノ木町見廻局所


幕府の役所だけあって荘厳な雰囲気が漂っていた


どこも仏頂面だらけの隊員



にこは少し息が詰まりそうなのを感じた


にこ「(何よここ…何も悪いことしてないのにバツが悪い感じは)」


にこはなるべく気配を消しながら役所の門へ歩む


??「やーん!そこをなんとか」


??「ですから無理です!」


門前で何やら言い争ってるのが聞こえた


??「ええやん、一度くらい子供たちに指導したってや」


??「私たち見廻組にそんな暇はありません」


服装を見るに一人は巫女、一人は役所の重役のようだった


??「むー!海未ちゃんのケチンボ」


??「誰がケチですか、あとはちゃん付けはやめてくださいと言ってるでしょう希」


名前も聞こえたどうやら巫女衣装の紫髪の女が希、同心衣装の青い髪の女が海未という名前のようだ


にこ「あんたが見廻組鬼の副長…園田海未ね…」


言い争いの中を堂々と割っていくにこ


海未「?…今度は誰ですか?私は貴女たちと遊んでる訳には」


にこ「にこは真面目な話にしに来たのよ」


希「ウチだって真面目な話やん?」


にこ「何言ってんのよこんな場所で巫女装束で来て…役所舐めてるでしょ」


希「む!ウチは歴とした巫女なんよ!これは正装なん…あなたこそそんな浪人みたいな格好で、人間を舐めてるんとちゃうん?」


にこ「何よそれ!まるでこの格好だと人間じゃないみたいな言い方!」


希「払え給へ清め給へ」


にこ「辞めなさいよ!にこは厄か何かか!」

海未「はぁー…助けてください絵里…」


24 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/23(月) 05:03:21 S6YbCOn2

絵里「呼んだ?海未?」


海未「おおっと!?……居たのですか絵里」


現れたのは金髪の髪に後ろを結った女


希「ということでお布施出してやお侍さん」


にこ「ぬわぁんでよ!どっからそんな話になったのよ!それにあんたみたいな胡散臭い巫女にやるお金なんてないわ」


希「え〜お侍さんやのにケチやね〜」


にこ「ケチで悪かったわね…悪いけど自分が生きていくので精一杯な状態なのよにこは…」


希「え?…そんな…?…う、うん…なんかごめん」


にこ「いやいや急にあやまらないで!?」


希「いやウチが悪かったわ…これあげる」

つ100文


にこ「大きなお世話よ!なによこの100文」


希「今朝ウチの神社の賽銭箱に入ってたお金や」


にこ「貰えるか!バチ当たるわ!」


※1文平均約30円らしいですが、幕末だと大分変わってるので違うかも知れません



海未「……見ての通りです」


絵里「…………」


25 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/23(月) 05:04:19 S6YbCOn2


絵里「ちょっと二人とも…何をやっているの?揉め事なら他所でやりなさい」


のぞにこ「?……あー!!」


絵里「わぁ!?もう何よ!大きな声を出して!いい加減に……」


希「見廻組局長絢瀬絵里殿やんな?」


にこ「よね?」


絵里「?…え、ええ…それが何か…」


希「ウチの相談を一番偉い貴女に聞いて欲しいんよ」


にこ「にこもちょっと伝えたい事があんのよ」



絵里「……私は町民の御意見番ではないわ…他所に行きなさい」


希「もー頭堅いなぁそこをなんとか…」


にこ「ああもう!あんたの話はたしかにややこしくなりそうだから先ににこの話から言うわよ!」


絵里「……まぁ手短にね」


にこ「ふん…安心しなさいただの報告よ…人斬りあんじゅは知ってるかしら」


うみえり「!?」


海未「人斬りあんじゅ!?妖怪の類いとも噂されるほどの辻斬り侍」


絵里「私たちの同胞も数人斬られたわ…今や高坂一派の綺羅ツバサと並んで危険人物…それがどうしたの?…………はっ!?…まさか……あなた……」


にこ「ええ、そうよ……実は……」絵里「貴女が人斬りあんじゅ!?」


にこ「え?……は?…」


絵里「フフフ……そう、貴女があの巷の人斬り…わざわざ会いに来るということは今度の狙いは私ってことね…探す手間が省けたわ!」シャキン


絵里は腰から刀を抜いた


にこ「ち、違っ……ちょ、ちょっとぉ!?」


にこはどうにかしなさいと希と海未を見る

希「がんばってなにこっち(適当)」


海未「………(無視)」


にこ「ええええ!?」


絵里「同胞たちの仇…覚悟ぉ!」


絵里はにこに斬りかかった


26 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/23(月) 05:11:28 S6YbCOn2
遅れてすみません
もうちょい書き溜めます
>>22
その通り!
ちょっと変えてるけどベースは侍道2
だからあれ知ってたらほぼ展開分かるかもしれん
あれは良ゲー


27 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/23(月) 13:54:29 IyFaQ8/U
侍道シリーズ好きだから楽しみや


28 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/23(月) 16:19:06 OrZ8G3vQ
侍道未プレイだけど和風の雰囲気のSS好き
期待


29 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/23(月) 17:23:24 rn5ZzqkU
早速かしこいじゃないか(歓喜)


30 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/23(月) 17:32:28 enySMZuE
( ゚∀゚)o彡゜KKE!! KKE!!


31 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/24(火) 00:38:01 GTVmwGZA
侍道は初めて徹夜したゲームだわ
期待してます


32 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/24(火) 05:51:28 Wpu5ysIw


キン!


にこ「…ったく!短気、短絡、浅慮……ただ頭が堅いってどころじゃないわこいつ」


絵里「やるわね…流石は人斬り…だけど所詮我流…由緒正しき園田流の剣術には敵わないわ」


にこ「自慢気にしてるとこ悪いけどそれこの子の流派よね」


にこは海未を指差す



絵里「う、うるさい!わ、私だって会得したもん!免許皆伝だもん!」


希「そーなん?」


海未「まぁ本当ですよ…」


にこ「ふーん」


絵里「人斬りが私を…バカにしてぇ〜」


でいやぁ!


キン!キン!


33 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/24(火) 05:53:06 Wpu5ysIw
にこ「だぁから!人斬りじゃないっての!」


一合二合と打ち合い、にこは絵里の背後に回り込む


絵里「ちょこまかと!無駄よ!」


キン!


にこ「ちっ…確かにこいつ隙がないし簡単に捌けない……(ってかなんで戦わなきゃならないのよ…)」


くるくると回って間合いを離す


ザッ


土を踏みしめて姿勢を低く構えるにこ


にこ「(背の差は約三寸強、構えは上段…そんな敵には下段構えからの)」


絵里「!?……何あの構え…」


にこ「(神速の突き!)」


たぁぁぁぁ!


にこ「矢心流…下段奥義土竜突き」


ザッ…ザッ…ブォン!



絵里「は、速い……」


海未「あ、危ない!絵里!」


ザッ!ザッ!チャキ…


ガキン!


クルクル…トス!


海未の居合の一閃がにこの刀を弾いて背後に飛ばす


にこ「にこぉ!」


34 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/24(火) 05:55:19 Wpu5ysIw


海未「ふぅ……絵里落ち着いてください…この者は恐らく人斬りあんじゅではありませんよ」


絵里「え?」


にこ「やるなら最初から止めに入りなさいよ」


海未「………それは失礼しました……」


絵里「ええええ!嘘!?あんな腕前してるのよ!?」


海未「それは私も驚きましたが、ですが人斬りあんじゅはもう少し体付きが良いと聞きました」


にこ「」ピキッ!


絵里「ん?あーそうね〜たしかこんな小さくなくて背も私とあんまり変わらないくらいだし」


にこ「」ピキッ!


絵里「顔つきも大人びていて」


にこ「」ピキッ!


希「そういや胸もこんなんじゃなくて大きいって聞いたな〜」ワシワシ


ピキッピキッ


にこ「ケンカ売ってんの!?てゆうかどさくさに紛れて胸揉むな!」


ペシ!


希の額にチョップを喰らわし、刀を拾いに行く


にこ「……ったくもう…ってにこぉ!」


にこは自分の刀を見て叫んだ!


海未「どうかしましたか?」


にこ「どうもこうもないわよ!あんたのせいでにこの刀ちょっと傷んでるじゃない!」


にこの刀の耐久値が3→2になった


※強敵との戦闘では引き分け以下でこうなります

MAXが耐久値3

耐久値が0になると刀が折れてしまい、その状態で戦闘になると必ず敗北、バッドエンドルートに入りやすくなってしまいます。勝敗に関しては選択肢によりますが、3よりも2、2よりも1と耐久値が下がれば下がるほど折れやすくなります


海未「…すみません…必死だったものですから」


にこ「謝って済む問題じゃないのよどーすんのよ!そもそもあんたたちが無駄な戦いを吹っ掛けてくるから…」


絵里「ご、ごめんなさい…」


希「まぁまぁ、にこっち折れたわけやないんやから」


にこ「何よ!気安くにこっちなんて呼ばないで」


35 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/24(火) 05:57:28 Wpu5ysIw

希「ウチええとこ知っとるんよ」


にこ「はぁ?」


希「頼りになる刀鍛冶を一人知っとる」


にこ「あのねぇ、さっきから言ってるけどにこは刀鍛冶に刀を頼めるようなお金は…」


希「大丈夫、初回は無料や」


にこ「!?…何それ大丈夫なの?」


希「大丈夫大丈夫ウチもよく頼むし信頼できる鍛冶屋や」


にこ「へ、へぇー…まぁそれなら後で行ってみよーかな」


希「案内なら任してや♪」


絵里「(ん…よく頼む?彼女は巫女…よね…?……)」


海未「何はともあれ良かったですねにこ殿」ニコッ


にこ「あ、あんたねぇー誰のせいだと」


海未「それはそうと先程言いかけた事とは?」


にこ「ん?……あぁ別にあんじゅをこの町で見かけたから気をつけてって言いたかったのよ」


うみえり「!?」


海未「それは……」


絵里「海未……」


海未「ええ…」


絵里と海未は目配せして頷いた


にこ「な、何よ」


海未「にこ殿、高坂一派は聞いたことありますか?」


にこ「え、ええまぁ…最近だけど一応は聞いたわ」


海未「その高坂一派に何やら新参の剣客が雇われたという噂が立っていましてね…それが事実なら捨て置けぬ事なので気にしていたのですが…」


36 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/24(火) 05:59:00 Wpu5ysIw

にこ「なるほど、その剣客がもしかしなくても人斬りあんじゅ」


絵里「ええ、間違いないと貴女の証言で今確信したのよ」


海未「これは由々しき事態ですね…彼女一人の力でここの三大勢力の均衡が崩れるほどに」


にこ「三大勢力ねぇ…」


にこは興味も無さそうに呟く


海未「(早急に手を打たなくては…私と絵里だけではあまりにも戦力不足……ん?)」


海未はにこに目が止まる


海未「(利用する価値はありますね……)」ニヤッ


希「(今の海未ちゃんすごい悪い顔しとるなぁ)」


海未「ときに、にこ殿」


にこ「?…何よ…」


海未「貴女、お金が無いと嘆いていましたね」


にこ「え、ええ」


海未「これからそんなんでどうするつもりなんですか?」


にこ「う、うるさいわね!あんたに関係ないでしょ!」


海未「どうでしょう…ここらでいっそ私たちと働いて見ては?」


にこ「はぁ!?」


絵里「え!?ちょっと海未!?」


希「…………」


にこ「あんた正気?にこはどこの馬の骨かも分からない浪人なのよ?そんなやつが幕府の役人だなんて……」


絵里「そ、そうよ!私たちだって苦労に苦労を重ねて今の地位に……こんなの認められないわ」


海未「本来はたしかに認められません…ですが今は緊急事態です…腕の立つ御仁であるならば猫の手でも借りたいんです……」


にこ「だからって…ただの浪人に役人仕事は向いてないと思うけど?」


海未「大丈夫です…貴女にやって貰う仕事は実に簡単明快ですから」ニコッ


にこ「……報酬は?」


海未「勿論、出しますよ……一回600文でどうでしょう」

※約日給18000円の感覚…かな?


にこ「ろ、600文!?」


37 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/24(火) 06:04:07 Wpu5ysIw

海未「貴女には破格の待遇でしょう?」


にこ「…………」


海未「本当に簡単な仕事ですよ」ニコッ


にこ「(あの子(かよちん)に恩くらい返さなきゃ行けないし……そうね……一回くらい受けても……)」


希「でもそれって……汚れ仕事やろ?海未ちゃん?」


ここでずっと黙っていた希が低いトーンで口を開いた


にこ「!」


海未「…………なんの事でしょう……」ギロッ


絵里「!?」


海未は今までの穏やかな表情から一転、希を睨み付ける


希「おー怖い顔やなぁ海未ちゃん…もしかしてそれが海未ちゃんの"本性"なん?」


海未「……貴女…何者なんですか…」スッ


海未は顔を再び緩めながらも希を一層警戒していた


絵里「(海未のさっきの顔……鬼と言われている任務中ですら見たことのないようなすごい形相だった……)」


希「ウチはただの巫女や」


海未「そうですか…(嘘ですね)」


にこ「ちょっと…汚れ仕事って何よ…」


今度はにこが海未を睨んだ


海未「…………」


希「あらぁ言えんの?こんな可愛いらしいにこっちにやらせようとした"簡単なお仕事"の内容…」


海未「…………」


にこ「言いなさいよ海未」


海未「…………」



絵里「海未……」


海未「…………」



希「海未ちゃんが喋らんのやったらウチが喋ったろー♪あんなにこっち、実は海未ちゃんはにこっちに……」


希はにこにわざとらしく海未をチラチラと見ながら耳打ちした


38 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/24(火) 06:05:25 Wpu5ysIw

海未「はぁ〜…掃除です!掃除!」


にこ「掃除?」


海未「最近忙しくて、局所内も大分汚れていますからね…その掃除です」


にこ「そう…たしかにそれならにこにでも出来そうね」


希「…………へぇ〜……たしかに"汚れ仕事"やね〜」ニヤニヤ


海未「(くっ!…この女…)」ギリッ


絵里「何だぁ…それなら私も賛成だわ」ウンウン


海未「はぁ〜」


海未は頭に手を押さえた


海未「(これはお奉行に報告ですね……)」


39 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/24(火) 06:07:18 Wpu5ysIw


こうして結局、海未の仕事引き受けの件はうやむやで保留


夕刻になり、希と共に帰路についたにこだった


にこ「結局あんたの申し出はなんだったのよ」


希「ん?ああ……もうええんよ…ただ神社におる子供たちの教養係を海未ちゃんか絵里ちにして貰えんかなって頼みに行ったんやけど頑なに断ってくるし(見たらあかん一面まで見てしもたしなぁ)」


にこ「あの二人そんなに頭良いの?」


希「そりゃもう、幕府の役人であの二人の武芸、文芸に右出る者無し言われるほどには……文字も書けるんやし子供たちに教えてくれたらとても助かるんやけどなぁ」


※当時は文字を書けるのはかしこい武士だけで町民はほとんど書けないのが普通でした
(それでも識字能力はあったみたいです)


にこ「ふーん……!(ん?待てよ文字……文字!それだわ!)」パン!


希「急にどしたん?にこっち?」


にこ「ん?ああいやなんでも……ってか…そのにこっち呼びいい加減やめなさいよ」


希「いやぁなんかもう慣れちゃって」


にこ「はぁ……まあいいわ……んでこれからどうしようかしら」



1、希と共に例の鍛冶屋に行く(刀の耐久値が3に回復)

2、そういえば寝る場所がない!宿を探す(希と別れます)


3、希の神社へ向かう


40 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/24(火) 07:30:12 AZysK25M
1


41 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/24(火) 07:49:15 I3yvBDZo
1


42 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/24(火) 09:06:41 HfYS7auI
バッドエンドは避けたいからね


43 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/24(火) 16:07:46 Am5IzEso
黒うみみくんなのか


44 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/25(水) 14:55:27 MSnSKLp2


にこ「そういえば……希……例の鍛冶屋気になるんだけど連れて行ってよ」


希「ん?…ああ鍛冶屋やね…分かった案内してあげる」


希は先頭に回ってにこの前を歩いた


……………


キン!……キン!……キン!……キン!……



にこ「ここが鍛冶屋ね」



希「今は作業中みたいやね…ちょっと待っとこか」



にこ「ねぇ一体どんな人なの?」


希「んーうちらよりずっと若い女の子で大人しい子やね…でもすごい職人気質で頑固なところもあるし、抜けてるとこもある…あ、でも怒らしたらめっちゃ怖いしめっちゃ強いらしいんよ」


にこ「いや…ちょっと全然人物像が出てこないんだけど…」


キン!……キン!……キン!……キン!……


リズムよく槌を打つ音が聞こえる


キン!……キン!……キッ!



にこ「作業が終わった……?みたいね」



希「そんじゃいこっか」


にこ「え、ええ」


にこと希は鍛冶屋の工房へと足を入れる



??「いらっしゃい……ってあれ?希さん?と……誰?」


45 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/25(水) 14:56:50 MSnSKLp2


希「やぁ雪穂ちゃん元気にしとった?」


雪穂「ぅええ!?…ま、まぁ元気ですけど…いやじゃなくて何しに来たんですか?この前来たばかりじゃないですか」


にこ「本当にまだ若い……てゆうか子供じゃない!(かよちんと同い年かちょっと下くらいかしら)」


希「今日はお友達を紹介しに来たんよ」


にこ「あんたといつ友達になったのよ」


雪穂「え?……あ、どうも私雪穂っていいます」


にこ「にこよ…矢澤にこ」


雪穂「矢澤…もしかして矢心流の者ですか?」


にこ「ええ!?…何で…」


希「雪穂ちゃんは刀鍛冶だけあってか流派にも詳しいんよ…でも矢心流ってのはウチは聞いたことないなぁ」


雪穂「拙速を尊び神速を基本とする活人剣…小刻みな虚の動きから相手の隙を伺い、一瞬を狙うそんな技が多くとにかく身軽さと速さが命」


希「へえー身体の小さなにこっちにピッタリの剣術やね」


にこ「ふん…もうにこ以外覚えてるものもいなくて廃れてまくってるけどね…幕府御用達の園田流とは違うわ」


雪穂「…それで何用で?」


46 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/25(水) 14:58:15 MSnSKLp2

にこ「その園田流の手練れに相棒がやられてね」


カチャ


にこは雪穂に刀を見せた


雪穂「ちょっと失礼しますね」


スー…


雪穂は刀を抜いて水平にかざし手慣れた様子で眺める


雪穂「これは…!…名刀"空丸"じゃないですか!?…羽根のように軽くてそれでいて切れ味抜群と云われている」


にこ「んーまぁね…」


雪穂「大業物相当の名刀ですよ?どこでこれを」


にこ「にこの唯一の家宝だったものよ…これだけは手放すなって一族のものにも言われて…」


雪穂「…これが家宝だなんて………立派な侍のお家だったんですね」


希「矢心流やら名刀やらって……なぁにこっちってもしかして結構すごい人?」


にこ「フフン!希ったらやっと気づいたの?あったり前じゃないの…にこは天下一気高き侍よ」


希「じゃあなんで貧乏浪人なんてしよるん?」


にこ「うぐっ…!?……そ、それはあれよ……あの……」


希「あれ?」


にこ「…………」


雪穂「…………」


にこ「ま、まぁにこのことはいいじゃない」


希「あ、逃げた」


にこ「うっさい!……んで雪穂治せそう?」


47 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/25(水) 14:59:24 MSnSKLp2


雪穂「はい、多少は傷んではいますがこの程度なら明日までには完璧に治せそうです」


にこ「ふぅ〜」


希「良かったなぁにこっち」


にこ「あ、そうだお金は……」


雪穂「フフ…聞いてる通りですよ?…初回は勿論無料でやらせて頂きます」


にこ「…!…」パァ


希「な?いい店やろ」


にこ「ふん…そうね…でも悪いわね」


にこは名刀"空丸"を預けた


雪穂「いいんです…このご時世、差し伸べられる限りは手を差し出したいですから…私なんかこんなことでしか役に立てないから」


雪穂は少し憂いの表情で呟く


にこ「………」


にこはそれは察したか察せずか

にこ「…次はちゃんとお金を持ってまたお世話になるわ…今日はありがとね」


と言って背を向けた


雪穂「……ん?」ピン!


雪穂「あ、にこさん!…刀が無かったら困りますよね」



にこ「ん?ああ……別に今日くらい…」


希「それは危ない…意外とにこっちには敵が多いんよ?襲われたらどうするん?」


48 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/25(水) 15:00:35 MSnSKLp2

にこ「敵って……んーでもまぁたしかに腰に何もないのは落ち着かないわね…」


雪穂「代刀としてこれを差し上げます」


カチャ


にこは宝刀"東山金剛"を貰った


にこ「じゅ…重量感がすごいわね」


雪穂「私が打った刀です、返さなくて構いません…少し重いですが丈夫さなら自信がありますよ」


にこ「にこは刀の良し悪しはあまり分からないけどこれはいい刀ってすぐに分かるわ」


雪穂「ありがとうございます」


にこ「本当ににこなんかが貰っていいの?」


雪穂「ええ、にこさんなら私の刀も……」


にこ「?」


雪穂「い、いやなんでもありません…とりあえずお気持ちです貰ってください」


にこ「……ありがとう…何から何まで……」


こうして、にこと希は雪穂の鍛冶屋から去っていった


雪穂「矢澤にこさん…彼女ならお姉ちゃんを救ってくれるかな……い、いや辞めよう…変な期待を持つのは……」


町内に戻ると夕刻も過ぎすっかり夜だった


49 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/25(水) 15:03:59 MSnSKLp2


希「今日はもう宿を探した方がええんとちゃうん?」


にこ「そうねーでもにこ無一文なのよ」


希「にこっち…それずっと言うてるけど情けなくならん?」


にこ「うぐっ!?…う、うっさいわね!にこだって分かってるわよそろそろ働かなくちゃいけないことくらい……」


希「で?今日の宿はどうするん?」


にこ「そ、それは……」



希「それは?」


1、ど、どこもないわね(希の住処に行くことになります)


2、ダメ元で町外れの真姫の診療所


3、宿をとるために今晩中にお金を作る


4、野宿


(3を選んだ場合のみ

一、見廻組局所で絵里に仕事を頼んでみる(安い賃金)

二、見廻組局所で海未に仕事を頼んでみる(高い賃金)

三、仕事を頼めるとこを他に探す(???)


安価下


50 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/25(水) 15:33:19 dHYgP/zY
1


51 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/25(水) 19:00:24 ZZuqAR12
えみつん刀とかクッソ強そう


52 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/26(木) 04:32:28 V1N1YTHY
というか書き忘れていましたが"東山金剛"の耐久値は勿論3です

まあ分かっていたとは思いますが一応

選択肢1


にこ「ど、どこもないわね」


希「にこっち……」ジトーッ


にこ「そんな憐れみの目で見ないで!」


希「はぁ……しゃあないなーウチん家に来る?」


にこ「は?…ウチって希の神社?」


希「流石に巫女さんやからって神社には泊まらんよ…すぐ近くに家があるんよ」


にこ「そうなんだ……いやでも…」


希「何?遠慮しとるん?もー水臭いやん…ウチとにこっちの仲やろ」


にこ「いや今日あったばかりでしょ」


希「細かいことはええんよ…ウチのこと信頼できん?」


にこ「い、いや別にそういう訳じゃ…」


希「なら一緒に行こ?」


にこ「うぐぐ…でもにこにも自尊心というものが…」


希「むー、じゃあウチが一人で寂しいから一緒に来てや…これでええやろ?」


にこ「うむむ……いや結局それあんたにお世話になることになるし断るわ…流石にあんたに世話になりすぎだし返せない恩を受けるくらいならその辺で野宿する方がマシ、巫女と貧乏侍…全然釣り合わないわよ」


53 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/26(木) 04:41:00 V1N1YTHY

希「強情やなぁ」


にこ「悪かったわね…でもそういうことだから…じゃ」


ガシッ!


立ち去ろうとするにこの手を強く希は掴んだ


希「…………」


にこ「もう!何よ!ふざけないd…!?…」


にこが振り向くと希は泣いていた


希「いやぁ……いかんといて……」ジワァ


にこ「え?え?ちょ、ちょ、ちょ!……何泣い」希「さみしい」


にこ「は、はぁ!?」


希「グス……さみしいんよ……」ギュ


希は背後からにこに抱きつく


にこ「ぅえええええ!?////」アタフタ


にこの顔の温度は一気に上がった


にこ「ま////待ちなさい////希/////」


希「何を待つん?」


にこの耳元で艶やかな声が聞こえた


ギュー!


そして希はさらににこを抱き締めた


にこ「だあああああ!それはまずい!色々まずいから////(む、胸の感触が)」


希「ウチおって欲しいんよ」はぁと


吐息混じりの色っぽい囁きだった



にこ「(おおおお落ち着きなさい!こ、これは希の作戦…だ、だまされたら…)」


希「に こ っ ち ♥」トイキ…アーン!


にこ「に、にこぉ〜!」



にこは考えるのをやめた


54 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/26(木) 04:48:16 V1N1YTHY
あんま書けんでスミマセン
刀中の人ネタでスミマセン即興で考えたんで多分適当
深い意味はないけどμ'sは全員出したいでもパイちゃんとかどうしよう

あ、次からちょっと別キャラ視点が続きます


55 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/26(木) 06:15:22 ROYOhEqY
ああ^〜


56 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/26(木) 08:08:46 w0Lsg0U6
ハノケ組が早く見たいぜ


57 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/26(木) 15:42:00 V1N1YTHY


にこが半ば強引?に希宅へ連れられている頃


宵に紛れて音ノ木の闇の部分が動き始めていた


キン!


??「うっ…」ドサッ


クルクル…トス!


あんじゅ「あらぁ!大したことないのねぇ…」


??「ゼェ…ゼェ…そんな……強い…!?…」

橙色の髪で右側に髪を束ねている娘が刀を弾き飛ばされ、尻餅をついた

??「フフ…流石あんじゅ中々強情だった穂乃果さんをここまで追い詰めるとは」


あんじゅ「全然問題ないわぁツバサ親分…む・し・ろ…私としては斬れないのが物足りないんだけど」


ツバサ「それだけはダメよ…穂乃果さんは…フフ…私の女にするんだから♪」


ツバサと呼ばれたデコの広い女は穂乃果という娘に近づく


ツバサ「ねぇ?穂乃果さん?」


穂乃果「何度言ったって…穂乃果はあなたのものなんかに…!…」


ツバサ「フフ…強情…本当強情ね…でもそこが堪らなく好き♥」


ツバサはホノマゲを撫でた


穂乃果「ひゃ…」ビクッ


ブルブル…


ツバサ「口では言ってもこーんなに怯えてる…本当可愛いわね」


ツバサはパチンと指を鳴らした


ツバサ「ヒフミ連れていきなさい」


ヒフミ「「「はい!親分!」」」


どこからともなく三人の女が現れ穂乃果を囲む


穂乃果「そんな……ヒデコ!…フミコ!…ミカ!…貴女たちまでこの人の肩を持つの?」


ヒフミ「「「………………」」」ガサゴソ


三人は無言で穂乃果を持ち上げる


穂乃果「嫌!離して!……ヒデコぉ!いつまでも穂乃果の味方だって言ってくれたよね……!?……」グスッ


ヒデコ「…………」


ヒデコは少し顔をしかめたが無言


58 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/26(木) 15:43:26 V1N1YTHY


穂乃果「フミコもミカもこんなことするような人じゃないって穂乃果思ってたのに!」


フミコ、ミカ「…………」


二人も顔をしかめたが無言で穂乃果を抱え連れていく


そして再び穂乃果の前にツバサが立つ


ツバサ「それはね時の流れともに変わるものなの穂乃果さん…先代親分(ほのパパ)の時代もあなたを取り巻く環境も」


穂乃果「ッ!?…それは貴女が強引に変えたんでしょ!?」



ツバサ「バカね"変えてあげたのよ"先代はヤクザとしては甘ちゃんだった…この饅頭のようにね」


ツバサは手に穂と書かれた饅頭を掲げた


穂乃果「ほむまん…!…それを持つな……!…」フルフル…キッ


ツバサ「あらすごい形相ね…可愛い顔が台無しよ」


穂乃果「うるさい!穂むらを汚した貴女がそれを持つなぁ!」


ピカッゴロゴロドッカーン!


穂乃果の激昂とともにいかなり雷が落ちた


そして


ポツ…ポツ…


あんじゅ「あらぁ雨…おかしいわね今日はそんな素振りもなくずっと快晴だったのに」


ツバサ「この勢い大降りになりそうね…さ、早くいきましょう」


ヒフミ「「「はい」」」



穂乃果「うぅ…グス…グス…うぁぁ……」ポロポロ


穂乃果は抱えられながら自分の無力さに泣いていた


59 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/26(木) 20:33:45 1b3eiHTQ
綺羅ァ!


60 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/27(金) 05:52:50 l2jY7ZWY


一方


ザーーーー!


ピカッゴロゴロドッカーン!



??「土砂降りの雨だ…神様が悲しんでるのかな」


そう呟きの声が聞こえたのは輝夜城天守閣


??「雨は嫌いだな…まるで"あの子"が悲しんでるみたいで」



付き人「申し訳ございませんことり太夫様…今日はずっと晴れだと思っていたのですが」


ことり「ううん…しょうがないよ天気は気まぐれなんだし」


彼女は遊廓城「輝夜」の天守閣にいる最上位の花魁


付き人「今日もお膝の方は…」


ことり「ううん…全然ダメ…まったく動かないよ」


付き人「そうですか…」



しかし、最上位の花魁とは名ばかり…彼女はこの城から出ることを許されなかった


いや許されなかったというより出られなかったという方が正しい


いつからなのか…ことりの膝は全く動かなくなったという…歩けなくなり、立ち上がることすらできなくなった


そうして不自由な生活をしているうちに彼女自身塞ぎ込みがちな性格になり、ここから出ることを諦めた


もう、最近の彼女はこの天守閣からすら出なくなっている

ただ、1日を天守閣から見える景色を眺めては終わり、憂鬱を紛らわす鼻唄を歌っては終わる


時々、文も書く…だが誰に送ることも許されていないのでその文は自分の周りに溜まっていくだけ


今日もまるで詩のような文を書いていた


61 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/27(金) 05:54:15 l2jY7ZWY

私は籠の中の小鳥だ…何も出来ず、何もしない


世界がどう変わろうともこの大きな大きな…私には勿体ほど大きな籠の中は変わらない


私の心は何も変わらない…


この誰宛に書いたのかも分からない文も私の抜け殻だ


羽ばたき損ねて散った小さな鳥の羽根


もう私はうぶ毛ではない…もう飛べるはずなのに…籠の中は羽根まみれ



ザーーーー!


ことり「はぁ……雨止まないなぁ……」


ストン!


憂鬱に天守閣の手すりに頬杖をかき景色を見ていたことりの背後から戸が勢いよく開いた


海未「雨宿りに来ましたよことり」ニコッ


ことり「!?ッ…ンミチャン!」


ことりには唯一憂鬱が晴れる時があった


それは海未が客として現れるこのような時である


62 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/28(土) 05:34:44 9F1FxkaQ


ことり「う、海未ちゃん……な、なんで……この前も来たばかりなのに……」


海未「フフ…雨の日は貴女も憂いている頃だと思いましたね」



ことり「で、でも……お、お金は……」


海未「何…私は結構お金持ちですので」ニコッ



いつもはことりと一刻ばかり過ごすのに10両かかるので


(※約30分で120万円くらいです)


海未は月に一度くらいの間隔でことりに会いに行っていた。
ただ何をするわけでもなく世間話をするためだけに……



しかし今回はあまり間を置かず2回目…いくら幕府の重役でもまともな仕事だけで稼いだ金で払える金額ではなかった


故にことりは心配する


ことり「…………海未ちゃん……世間での海未ちゃんの噂……私でも知ってるよ…」


海未「…………」


ことり「鬼みたいだって……私聞いてびっくりしちゃった…こんなに優しいのになんで海未ちゃんが…」


海未「私は別に周りにどう思われようと構いませんよ…」


63 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/28(土) 05:36:07 9F1FxkaQ


海未「幼馴染みの笑顔の方がずっと大切ですから」ニコッ


ことり「ンミチャン////」


ことりは最近で一番の笑顔を見せた


少し照れくさそうにはしているが


海未「しかし、まだ笑顔じゃない幼馴染みが一人…いますよね…?…」


ザーーーー!


ピカッゴロゴロドッカーン!


ことり「…やっぱりこの雨…海未ちゃんもそう思う?」


海未「さぁ…ですが…もしあの子が笑っているならこんなひどい雨は降らないでしょう」


ことり「そうだね…まるで自分を責めているようなぶつけようのない悲しみを注いでる…そんな雨……」



一方


真姫「モー!ナニヨ!急に雨だなんて!…かよちん悪いけど洗濯物取り込んでく…………って……はや!」



かよちん「…………」サッサッ


こちらは真姫の診療所


真姫は何やら薬の調合をしており、かよちんはその手伝いをしていた


そして、かよちんは仕事早かった


すでに洗濯物を取り込んでおり、真姫が振り向いたときには全て畳んでいた


真姫「かよちん…貴女まさか雨が降ること予想してたの」


かよちん「!……」ブンブン!


かよちんは首を横に振る


64 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/28(土) 05:37:04 9F1FxkaQ

真姫「そう……勘が冴えてるのね…流石は私の助手だわ」


真姫はかよちんの頭を撫でた


かよちんは嬉しそうに微笑む


真姫「(あ〜かわええ〜)」



コンコン!コンコン!


すると慌ただしく戸が叩かれた


真姫「ナニヨ!誰!……せっかくかよちんで癒されてたのにー」


??「西木野真姫殿のお宅で間違いないですか」


真姫「げっ!?この声まさか……絵里……」


絵里「真姫先生……いる?…」


真姫「………………(めんどくさ……居留守居留守)」


絵里「真姫さぁん…」


真姫「………………」イライラ


絵里「まっきー…」


真姫「………………(何よその呼び方バカじゃないのこいつ)」


絵里「あれーいないのかしら……でもこんな夜分に家にいないなんて」


真姫「…!……(ま、まずい!変な方向に勘繰り入れられたら余計こいつめんどくさい)」


絵里「ちょっとぉ!いるんでしょ!真姫ぃ!開けて!開けてよぉ!」


ドンドン!ドンドン!


真姫「あーもう!うるせぇい!」


ガラガラ!


真姫「何よ!エリー!薬の調合中なんだから邪魔し……ヴェェ!?」


真姫がしびれを切らして戸をあげるとびしょ濡れの絵里が立っていた


絵里「……真姫ぃ……」ヒッグ…!


真姫「えぇー……どういう状況よ」


65 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/28(土) 09:53:54 9F1FxkaQ


目の前には半べそを掻いているずぶ濡れの女


絵里「まぎぃぃぃ!!!あだりばっぐらだじだれぼいないじ…びじょびじょだじごわがっだよぉぉぉ!」ダキッ


半べそが真姫に抱きついたとき号泣に変わった


真姫「うわ!冷たッ!?…いや怖いのはこっちなんだけど」ビチャ


真姫目線で見れば自宅にしつこく迫る人物が戸をあけるといきなり奇声に近い泣き声で飛び込んでくる


軽く怪談だった


しかし、まぁこの残念な局長の話によると


いつもは夜回りだけは苦手で人任せにする絵里が今回は海未が用事でいないことで嫌々ながら任務を受けた


しかし、やはり途中で道中が真っ暗になり急な雨と雷により恐怖が限界を振り切って混乱


そのまま帰り道も分からずふらふらと迷子のままさ迷うこと二刻程(約一時間)


真姫「……でようやく見たことある建物を見付けたと思ったらうちだった訳ね」


絵里「…………グスッ」ウンウン


真姫「はぁ…………(いやーどうしようかしら……いくら私が侍嫌いでもこれは流石に同情するわ…)」


絵里「………」グキュルルル


絵里「……お腹空いた……」


真姫「(彼女の部下に)」ハァー…


66 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/28(土) 15:36:23 /xexzyMg
2年組が色々と気になるな


67 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/29(日) 01:01:07 mNtbSyN2


かよちん「………」チョンチョン


そんな部屋の隅体育座りで縮こまり俯いている絵里にかよちんは指をつついた


絵里「………!」


絵里が顔をあげると


目の前にはおにぎり


絵里「え?………え?…」



真姫「食えって言ってるみたいね…まったくかよちんは甘いんだから」


かよちん「………」ニコニコッ


絵里「…!…」


真姫「まぁ侍風情は、こんなときでも武士の誇りだなんだで見当違いの事言って人の親切踏みにじるんでしょうけど」


真姫は嫌味たらしくそう言った


今までかよちんが行き倒れた武士に差し出したおにぎりを叩き落とされた数知れず


感謝どころか逆に怒りを買い暴行すら受けたこともある


真姫「(幕府の役人…しかも高官職が町民の握ったおにぎりなんて食うわけ…)」


絵里「おいしい……」モグモグ


暗い顔からすっかり笑顔になった絵里は何にも気にすることなく素直におにぎりを口に運んだ


真姫「!?」


68 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/29(日) 01:02:11 mNtbSyN2

絵里「ありがとう…!…」ナデナデ


かよちん「…………」ニコニコッ




真姫「へ、へぇ〜(昼間の浪人といい、こいつといい…変わり者もいるみたいね)」


真姫「(まあだからといって)」


真姫は絵里に近づき


真姫「んで?いつまでいるのよ…本当は侍風情にただ飯食わせる気なんてさらさらないのよ私は」


真姫「(だからといって私の侍全体の評価が変わるわけじゃないわ)」


絵里「…………よ、夜明けまでいていい?」ウルウル


真姫「はぁ!!??」


ピカッゴロゴロドッカーン!!


真姫「ダメ!!ぜっっっったい!!!!!ダメ!!!早く帰ってよ」


ゴロゴロ


絵里「ひぃ!?だ、だってこれ…雷がぁ…それにまだ着物が乾いてないし」


69 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/29(日) 01:04:00 mNtbSyN2



かよちん「…………」ジー


かよちんは泊めてあげてと言わんばかりに真姫を見つめる


真姫「ぐっ…かよちんまで…(まずいわね…今晩は"アレ"を作って明日の朝あいつらに渡す予定なのに)」


絵里「……雷怖い……夜怖い…」ガタガタ


かよちん「…………」ナデナデヨシヨシ


真姫「(こんなんでも一応奉行所連中に顔が利くはず…それはまずいのよ…"アレ"を奉行所に知られたら…)」



真姫「………………」


真姫は腕を組み……かなり考え込む


絵里「ま、真姫ぃ……」


しばらく雨音だけ響く空間となる



そして……



真姫「……はぁ……分かったわよ泊めてあげるわ」


かよちん「…………」パァ


絵里「真姫ぃ!」パァ


真姫「全く今晩だけ特別なんだからね?感謝しなさい!(もうどうにでもなれ…私だってあの取引は不本意なんだし)」



絵里「ありがとう!真姫って実は優しいのね!大好き!」ダキッ


真姫「ヴェェ!?ちょ…ダキツカナイデ!」


かよちん「…………」ダキッ


真姫「ああもうかよちんまで!もう〜!」


そんな真姫の顔はほんのり頬が赤くなっていた


70 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/29(日) 03:01:07 mNtbSyN2

そして雨がようやく止んだ夜中



希の家にて飯と風呂を馳走になっていたにこは少し神社の方へと足を運び



にこ「(綺麗な満月ね…雨止んで良かったわ…)」


空を見上げていた


にこ「(しかし、文字か…文字をかよちんが教われば喋れないあの娘でも他人と意思疏通が出来る…!…でも問題は誰が教えてくれるか…よね…………あの見廻組の二人が時間を割いてまで教えてくれるかどうか…そしてにこも希も文字を教えられる技量はない…真姫も文字は扱えそうだけど教えられるものならすでに教えているはず…何故教えないかは分からないけどきっと理由があるのよね)」


にこ「(はぁ……こんなんじゃダメよね……明日はかよちんに文字を教えられる人を探し)…………!?」カッ!



チャキ!


にこは殺気を感じて刀に手をつける


にこ「何奴!」


71 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/29(日) 03:02:33 mNtbSyN2


??「流石……お姉さま…気付きましたか…」


にこ「!?…………なんであんたがここにいんのよ…」


??「…………」


にこ「こころ!」


こころ「ウフフ…いちゃあいけませんか?」


にこ「…………ここあ、虎太郎は元気にしてる?」


こころ「ええ…それはそれはお姉さまを憎むほどに元気ですよ?」


にこ「そ……良かったわ……で…こころあんた…その格好…くの一にでもなったの?」


こころ「まさかぁ…このこころがそんな酔狂なものになるわけありません」


こころは不気味な笑いを浮かべた


にこ「…………」


こころ「ただこころは殺しにきただけです…お姉さまを…!…」


にこ「やっぱり…まだ人斬りなんてしょーもないことやってたのね…」


こころ「お姉さまにだけは言われたくありません」


にこ「…………」


そこから沈黙が広がった


72 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/29(日) 03:10:23 mNtbSyN2
ちょっとずつ更新ですみません
あと侍道ベースっていってたけど書いてるうちちょっと違ってきたかも


73 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/29(日) 03:25:08 61yT7OYM
ええんやで
作者さんのペースに合わせて楽しむだけや


74 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/29(日) 03:27:11 kNkOCoaA
いいね


75 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/29(日) 03:33:53 7PKeojUA
こころを敵起用は珍しいな
楽しみ


76 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/29(日) 10:10:44 mNtbSyN2

サッ!!


サッ!!



キィン!


二人は同時に駆け出した


にこ「…………っ!」ツー


こころ「あれ?お姉さま?速さが足りませんよ」


にこ「("東山金剛"…これの重さで少し遅れたわ…こころは私以上の神速の使い手…まずいわね)」


こころ「上の空のようですけどどうしたんですか?そんなんではこころを相手なんて無理ですよ」


シュ!シュン!


にこ「くっ…速っ…」


キィン!キィン!


にこは四方八方から襲いかかるこころの二本の小太刀をなんとか弾いて捌いていたが、肝心のこころ自身を捉えることが出来なかった


ブォン!


にこ「ちっ……当たんないわね……」


こころ「そんな大振りでこころは斬れません」



シュ!シュン!


再び視界から消えるこころ


にこは目を瞑った


にこ「(一瞬で振り抜くしかないわ……)」スー…チャキン!


にこは鞘に"東山金剛"を納め、居合いの構え


にこ「矢心流…抜刀術…」



こころ「…………」シュン!シュン!シュン!



心眼にてこころの気配が濃く写ったその一瞬を……


にこ「"二虎振(にこぷり)一閃"!」


一閃!!!


77 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/29(日) 10:11:43 mNtbSyN2



ポタ…ポタ…



こころ「随分…腕が鈍りましたね…お姉さま…」


一閃振り切った腕に手の感触…


にこ「…ッ……!……」ポタ…ポタ…


にこの居合いの一閃は僅かにこころの首に届かず、"東山金剛"の刃はこころの首一寸横で静止していた


代わりにこころの小太刀の一本がにこの腹部に刺さっていた


血の滴が地面に落ちる


こころ「狂気に満ちた人斬りの頃では考えられない…"人斬り女士道"の異名が泣きますよ?」


にこ「"女士道"………もう捨てた名よ…」


こころ「貴女は捨てても人々の中での恐怖は!…恨みは!…消えない!…分かっていますよね……」ギギッ


にこ「…ぐっ……」ポタポタ…ポタポタ…


にこは顔をしかめる、こころが刺さっている小太刀に力を込めたようだ


78 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/29(日) 10:13:11 mNtbSyN2


こころ「母上…父上…の仇取らせて頂きます」


にこ「ぐ………ああ………」


ギギギギ…


にこもこれ以上深く刺さらないようこころの小太刀を持つ手を押し返す



こころ「!?」


徐々に押し返し始めたところで


にこ「ハァ!」


"東山金剛"の峰がこころの首に叩きつけられる


パァン!


こころ「くはっ!…な…なんで…」




にこ「フフ…ゼェ…ゼェ…まだまだね…ゼェ…ゼェ…こころ…そんなんじゃお姉ちゃんは…ハァ…ハァ…討てないわよ…」


そうにこは強がるも息は絶え絶え


こころ「む、虫の息の癖に…」



こころも脳震盪から立ち上がれない


にこ「ぐっ………」


出血のせいかとうとう片膝をつく


こころ「くっ…やっと巡ってきたお姉さまを討つ千載一遇の機…む、無駄には…」


79 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/29(日) 10:15:34 mNtbSyN2

にこ「ハァ…ハァ…」


にこは気を静めて、再び"東山金剛"を杖に立ち上がる


こころもおなじく立ち上がった


こころ「は、ハハハ…お姉さま…ざ、残念でしたね…こころはこの通りまだピンピンしてますよ?」


にこ「フフフ…随分しぶとくなったじゃない愚妹」


こころ「愚かなのはお姉さまですよ」


にこ「ぐぁぁ…」ドサッ


カシャンカシャン


にこは支えの刀ごと身体を地面に倒す


こころ「強がりもいい加減にしたらどうです?」フフフ…



にこ「あ…ああ…」


にこは倒れても尚、"東山金剛"を手を伸ばし拾おうとする


しかし


ガッ


にこ「…ぐっ……」


こころ「見苦しいです…お姉さま…」



こころに伸ばした手を踏まれる


こころ「全く惨めですね…お姉さ…!??」



こころはにこの刀を拾って驚愕した


80 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/29(日) 10:17:32 mNtbSyN2


にこ「ハァ…どうかァ…したの?…こころ…」


こころ「そ、そんな!?なんですか!?この刀の重さ!こんなのまともに振れやなしない」


にこ「…………」


こころ「(こんな重さであれだけの居合いを!?)」


にこ「………それが………どうかしたの?………」



こころ「(じ、自覚無し!?…………ば、化け物…!…さっきの居合いもし普通の重さの刀だったら……こころは………)」



こころは小太刀二つを構えた


チャキン!


にこ「………………」



こころ「(人斬り!一族殺し!化け物!鬼!外道!…こいつは…こいつだけは……今殺しておかなければ……)」



こころはうつ伏せで倒れているにこに馬乗りになった


「お姉さま……いや"人斬り女士道"矢澤にこ!覚悟!」



こころは小太刀二つをにこの首に挟むように振った




ギギギギ!



奇妙な縛音とともにこころの小太刀はピタリと止まる


81 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/29(日) 10:19:41 mNtbSyN2


こころ「な、なんですか!?これ…う、動かない…」


こころは全身を震わすほど力を込めるが全く動かず、にこの首に寸前まで突き立てた刃は止まったまま


??「あかんなーその人を殺すんはあかんなー」


どこからか声が聞こえた



にこ「(この声…の、希?…)」


にこは薄れた意識のまま、声を探る


こころ「だ、誰だ!?何を言って…」


希?「退きなさい…」


こころ「!?…て、天から…声が…」


希?「せやせや…ウチは楠楠大明神…神様や」


こころ「か、か、神様ぁ!?」



にこ「(どういう…仕掛けよ…)」呆れた目



希?「ここは神社…神聖な場所や…殺生なんかウチが許さへんよ」


こころ「神?…ハハハ馬鹿にしないでください!こんな廃れた神社に神なんて」


サワサワッ


82 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/29(日) 10:25:04 mNtbSyN2


こころ「ひゃあ!」


こころは急に胸を抑える



希「ほーほー…お姉ちゃんより可能性ある感じやね」


希はいつの間にかこころ背後を取り胸をわしわし



にこ「(こいつ…!……)」ピキッ


こころ「きゃあああああ!!い、いいいいつの間に!?背後に……!?…」


希「なんでやろなぁ?」


希は小太刀をこころに突きつけられても一応手を上げるが飄々としていた


こころ「あ、あなたは一体…!?……」


希「ウチはただの巫女や…」


にこ、こころ「(嘘つけ)」


希「わぁさすが姉妹、息ぴったりやん?」


にこ、こころ「自然に読心するな!」


こころ「いい加減にしてください!あなたは誰で何者ですか!答えねば…」


希「答えねば?」


こころ「こ、答えねば……え、えーとこ、殺す!」


希「殺す?……フフフ……なぁこころちゃん?だっけ?……ウチはここの巫女や……さっきの神通力も本物……そしてここはウチの庭みたいなもの……そして、そして、貴女のお姉さんはウチの大切な客人……この意味分かる?」


こころ「?」


希「ウチを殺すっちゅーことは殺される覚悟もあるってことやんな?」ゴゴゴゴ……


83 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/29(日) 10:28:11 mNtbSyN2
こころ「!?……(な、何…急に殺気が…)」



こころは咄嗟に判断した…


サッ


こころ「ハァ!」


今、やらねばやられると


キィン!


振り切った小太刀は弾かれる


こころ「なっ……!?…」



希「…大明刃"亜衣無"…」


構えは脇

長さは四尺(約120㎝)


希が抜いたのは大太刀



こころの体躯から見るとほとんど化物刀だった


こころ「……な、なんですか……その刀……そんなの振り回せるはずが……」


希「……」ブォン!


こころは顔に風圧を感じる


84 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/29(日) 10:31:23 mNtbSyN2


こころ「…ひっ…!?……」


軽々と"亜衣無"を片手で振り


希「最初に言うたやろ?……退きなさいって」ギロ


こころを睨んだ


こころ「…………」冷や汗


こころにこの得たいの知れない巫女への恐怖が生まれる


希「…信じよ…こころ…ときめいた瞬間を…」ブツブツ


希はゆっくり…ゆっくり…ところに近づく


こころ「ひ…ひぃ…」



希「信じよ己の眼…それは正しい…」スッ…スッ…


こころ「く、来るな…」


希「信じよ出会いは選べぬ」ブツブツ


希は謎の言葉を呟き続ける


希「これもまた偶然………信じよ……」ブツブツ…カッ


希は眼を見開くと


ササッ


すでにこころの首元に刃が到達していた


こころ「な……なぜ……一瞬で……こころの間合いを……」


希「簡単な話や…あなたの視界をほんの一瞬…斬り取ったんや…これぞ奥義"純愛水晶"」ニコッ


力の差は明らかだった


こころ「う、うわああああああ!?」


こころは叫びながら一目散に撤退していった


にこ「…………」ドンビキ


85 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/29(日) 10:33:24 mNtbSyN2

にこ「ちょっとぉ……うちの………妹に………妙なトラウマ………植え付けてんじゃ………ないわよ」


希「ええ!?刺されたのに妹心配するん?てゆうかにこっち大丈夫なん?」


にこ「大丈夫……よ………」


希「うわ……いやいや、これ大丈夫ちゃうやん!」


にこの出血はかなりのものになっていた


にこ「抜かったわ………本当………」ガクッ


にこは気を失った


希「にこっち!……にこっちぃ!いや!死なんといて!……と、とりあえず真姫ちゃんとこに……い、いやそれまでに」


希「札に命ず…見つめていろ毎日…見つめていろ朝夜問わず……さりげない仕草(こうか)……其は優しさを感じ幸は感じる気がした…乙女札一式"君癖"」


※大げさですがデカイ止血剤兼バンドエイドみたいなもの


希「傷口にお札は張った…でも気休めの応急処置…さぁ真姫ちゃんのとこまでどうするか…」


1、今すぐに真姫のところへ


2、傷の具合見つつ夜明けまでは看病…それから真姫のところへ


3、ある程度医術の心得がある希自身で治療


安価下

※ちなみにこれはどのルートにでも遅かれ早かれ起こる負けイベなのでどの選択肢を選んでもにこはこの選択肢では死にませんご安心を


ただここからの選択肢によりルートがある程度固定されて、今までフラグを立ててない影響で何かのルートが潰れる可能性はあります


86 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/29(日) 10:43:06 dwb1N.Ew
1


87 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/30(月) 01:30:16 QXbAuyyE
人斬り女士道とかいう素敵フレーズすき


88 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/30(月) 02:02:19 SY1xeMLw
にこぷり一閃もいいよね
侍道みたいに周回はできるの?周回アリならちょっと冒険した選択もしてみたいけど


89 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/30(月) 20:39:38 fEidn.P6
希さんえげつない強さじゃないですか


90 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/30(月) 20:59:01 JYXwRwJE


選択肢1


希「思い立ったが即真姫ちゃんや…いくら真姫ちゃんが侍嫌いでも重傷の人間をほっとくような医者やない」


希はにこをおぶって神社を飛び出した




………………………


少し時間を進めて時間帯は未明

竹林の中


??「ハァ…ハァ…」


左腕を押さえかなり泥にまみれた着物で身体を引きずりながら何者からか逃げる女がいた


??「に、逃げなきゃ…!……は、早く…!…」

そして、それを追うものの声


??「あらぁあらぁ…逃がさないわよぉ」


チンピラ「逃げてんじゃねーぞ穂乃果ぁ!」


その声は人斬りあんじゅ


そして無数のチンピラたちだった


穂乃果「ぐっ…もうここまで!…」


逃げている者は穂乃果…


穂乃果は身体中引きずりながら必死に竹林の中を進む


しかし、ケラケラとあんじゅは笑う


あんじゅ「バカねぇ…筒抜けよ…貴女の位置」


あんじゅは夜中にも関わらず驚異の視力で穂乃果の姿を捉え猛速で竹を斬りながら近づく


スパッ!スパッ!スパッ!


穂乃果「!?……ぐっ!」


キィン!!


あんじゅ「あら……まだ意外と抵抗できるのね」


91 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/30(月) 21:00:07 JYXwRwJE


穂乃果「…ゼェ…ゼェ……」


穂乃果は左腕をぶら下げて右手で刀を抜いていた


あんじゅ「まぁ?左腕が折れた状態であたしに歯向かうなんて無謀だと思うけどぉ?」


そう、穂乃果は逃げる途中で転んで運悪く左腕骨折した


それでは素足で逃げてきたために足も切ったりしてまともに動ける状態ではなかった



穂乃果「やる……しかないんだよ……やるったら……やる!」


穂乃果は根性で右腕だけで


あんじゅ「あらぁあんまり傷物にするなと親分のご命令なのだけど……どうしようかしら……ね!」ブォン!



穂乃果「ハァ!」


キィン!


あんじゅの刀を捌いた



あんじゅ「……!……へぇ……やるのね〜……」



穂乃果「……ほ、穂乃果だって……一流の剣士だから……」


あんじゅ「ウフフフ……笑止…!…昼間は万全で私に負けたじゃないの…」


穂乃果「あの……ときは…あのときはだよ…」


あんじゅ「へぇどう違うのかしら!」ブォン!


キィン!


穂乃果はまた上手く捌いた


あんじゅ「…!…あははははぁ!?……オモシロイ…」

あんじゅは不気味に笑い、首をコキリの鳴らした


キィン!…キィン!…キィン!


92 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/30(月) 21:01:22 JYXwRwJE


穂乃果「フー…フー…フー…あなたの刀はギザギザで殺傷力はありそうだけれど…そのギザギザを利用して引っ掻けて捌きやすい」


あんじゅ「へぇ〜一度の仕合でそこまで見切るなんて…」


穂乃果の表情は修羅と化していた


ただでさえ不利な体躯…一瞬の油断が終わり


あんじゅ「ならもっと!もっと!捌いてみなさい!ほら!ほら!ほらほらほらほらほらほらほらほらほらぼららら」


キィン!キィン!キィン!キィン!キキキキィン!


あんじゅの連撃!


穂乃果は片手で防ぎきる


「な、なんだこれは!」


囲むチンピラたちも驚愕


あんじゅ「あはははは!すごい!すごい!」


キィン!!


穂乃果「速くても剣筋が単純だよ!」ガキィン!!


それどころか最後の一撃を大きく捌いてあんじゅをよろけさせ一瞬の隙を生んだ


あんじゅ「あらぁ!?」



穂乃果「隙………機来!!超飛剣!」


穂乃果は傷ついた足であんじゅに目掛け決死の跳躍



あんじゅ「………見事………」ガシッ



穂乃果「純・粋・閃・剣!!!!」


あんじゅに飛びかかり頭部目掛けて空中袈裟斬り!



「ぎぃやああああああああ!」



見事に着地!しかしその場に膝をつく穂乃果


穂乃果「ハァ…ハァ…や、やった…」ドサッ


後ろでは血飛沫が舞う、あんじゅは斬った…穂乃果の勝利だ…


93 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/30(月) 21:03:17 JYXwRwJE


…と思われたのだが…


チンピラ「」ポタッポタッ


そこに浮いて死んで血塗れの骸になっていたのはチンピラの一人


あんじゅ「ウフフフ……危なかったわぁ…あなたスゴい技持ってるのね」



穂乃果「!?……あ、あなた……仲間を盾に」


あんじゅ「ウフフフ…あたしの目の前…そこに居たのが運の尽き…この男も…貴女もね…」


「あ、あんじゅさん…あんた一体何を!」


あんじゅ「雑魚なんてどうでもいいのよ…」ポイッ


あんじゅは盾代わりに掴み上げていたチンピラを捨てた


周りのチンピラたちにも動揺が隠せない


「○○(死んだチンピラの名前)!…あ、あんじゅ…て、てめぇ!?裏切る気か」


あんじゅ「ウフフフ……穂乃果ちゃん……決めたわ」


あんじゅの耳にチンピラの言葉は聞こえない、その瞳に写るのは力を使い果たし膝をついた穂乃果…ただ一人


あんじゅ「今夜は貴女の血化粧に染めてあげる」ニヤリ…スチャ…


あんじゅの目から正気が消えた


穂乃果「!?」


94 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/30(月) 21:11:36 JYXwRwJE
選択肢出といていきなりにこ関係ないけどまぁ一応意味はあります

>>88
俺の作品なんかに需要あんなら周回やるけど
その場合一周目が何スレくらいまでいくか分からないけどもし1000行かなくても別スレで2周目立てるかそれともそのまま書くかで悩むな

>>89希の戦闘スタイル考えてたらなんか侍道から離れた


95 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/11/30(月) 21:19:44 JYXwRwJE

そしてスマンミスある

>>91
>それでは素足で逃げてきたために足も切ったりしてまともに動ける状態ではなかった

それでは×
その上○

首をコキリの鳴らした×

首をコキリと鳴らした○


96 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/01(火) 03:45:36 SvI35mEo
にこ主人公だけど群像劇っぽい感じなのかな?いい感じ
楽しく読ませてもらってます


97 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/01(火) 04:25:36 Vr35fOKw
純粋剣閃イェイイェイェーイ


98 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/01(火) 09:47:24 gOgrj3go


「!?……何言ってんだてめー」


あんじゅ「………………」マガオ




「おい!てめぇ!?いい加減にしろ穂乃果は生け捕り……ツバサ親分の命令聞いてなかっ……うぎゃあああああ」ブシャアアアアア!


あんじゅに怒り近づいたチンピラの頭が一瞬で真っ二つ


あんじゅ「しらないわぁ…それより視界を空けなさいよぉ」アハハ


頬についた返り血を舌で舐めながらニヤリと不気味な笑みを浮かべ、ゆっくりゆっくりフラフラと穂乃果に近づく


据わってないあんじゅの眼は穂乃果一筋だった


「ひいいいいいいいい!」


他のチンピラたちは腰を抜かしたり、逃げていったりした


穂乃果「ひどい……ひどすぎる…」


穂乃果はさっきの跳躍で完全に足をやったらしい、立ち上がれなくなっていた


あんじゅ「あはははは強い女の子大好きよぉ♥綺麗な血をあたしに浴びせて♥悲痛な断末魔であたしに求愛してぇ♥」


あんじゅはもう目の前


穂乃果「ぐっ……こんなところで」


あんじゅ「まずはズタズタにしたげるわぁ〜そしてそしてそしてそしてそして最後はぁ……アンンン////生首になった貴女の口に接吻♥////想像するだけでイっちゃいそう////」


頬を染め恍惚とした表情で穂乃果を見る

※まさにあんじゅさんあるくあーるじゅーはち


穂乃果「く、狂ってる……な…なんなのこの人……」ドンビキ


あんじゅ「アアン////もう完っ全に猪鹿蝶/////」


99 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/01(火) 09:48:26 gOgrj3go


穂乃果「…ぐっ……」



あんじゅ「あははははははははははははははははははははははははははははははは」



もはやさきほど逃げなかったチンピラたちも徐々にあんじゅから距離を取り始める


あんじゅの持つノコギリのような刀"歩夕雷唸"が迫り来る


その声は狂った笑いに満ちていた


穂乃果「ぐっ…う、動け穂乃果の身体ぁ!!……こ、こんなところで……死ぬわけには…」


あんじゅ「まずはそのきれーな腕!」



ピュイーン!



ドス!









あんじゅが振り上げた左手の甲に矢


穂乃果「矢?」


あんじゅ「矢ぁ?……あぅ……ぐぅ……」ドサッ


あんじゅはふらふらっと眩んで膝をついた


あんじゅ「な、何よこれ〜…ち、力が入らない〜」


穂乃果「し、痺れてる?」



??「ええ…毒矢です」


背後から見知らぬ……いや見知った声……


穂乃果「ううう海未ちゃん!?」


穂乃果は振り向いて驚いた


100 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/01(火) 10:29:59 Dfcdf3bk
完っ全に猪鹿蝶w
それっぽくてワロタ


101 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/01(火) 22:01:12 YK8WH/co
海未ちゃん神出鬼没やな


102 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/02(水) 01:12:16 1iJRxZmg


時間が戻って時間帯は夜中

真姫の診療所



真姫「もう!今日は何よこれぇ!侍ばっかり私の家に来て〜!」


真姫はにこの容態を見ながら愚痴をこぼした


にこ「」


かよちん「…………」ウルウル


かよちんは心配そうに目を覚まさないにこを見つめていた


希「ごめんな〜まさかそんなことになってるなんて知らんかったわ」


絵里「昼間の彼女よね…たしか矢澤にこ…あの強い彼女が刀が変わったからってここまでやられるなんて…」


希「それが謎なんよ(元人斬りなことは黙っていよう)……もしかしたらやけどにこっちを襲った敵は実の妹…それが関係してるんやと睨んどる」


真姫「……ふん…何したか知らないけど実の妹に殺されかけるなんて…本当侍風情は物騒な連中ね」


希「真姫ちゃん!」


真姫「ちっ……分かってるわよ……とりあえず安静にしてりゃ大丈夫よ……貴女の不思議な札が結構効いてるみたい(医者としてはこんな札認めたくないけど…)」


希「ほっ…良かったわ〜」


かよちん「……」グス


希「かよちんも余程心配やったみたいやねにこっちのこと…」ナデナデ


真姫「なんかこの浪人に妙になついててね…私としては複雑な気分よ」


希「まぁまぁ真姫ちゃん……にこっちは悪い人じゃないよ」


真姫「ふん……どうだか…」


103 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/02(水) 01:12:56 1iJRxZmg


にこ「スー…スー…」


絵里「フフ…でもこんな可愛い寝顔見たら悪い人どころか侍にも見えないわね彼女って…」


希「せやな〜」


真姫「どうあろうと侍は嫌いよ私は」


希「随分頑固やね〜真姫ちゃんは」



絵里「彼女も色々あるんでしょう……嫌いなものを好きになれっていう方が無理よ」



希「じゃあ………絵里ちはさ…にこっちのことどう思う?」


絵里「え?………そ、そりゃあ………好きよ………彼女はその無闇やたらに人を傷つけるような士ではないもの」


希「………………フフ…そうやね…うちも実は好きやにこっちのこと」


かよちん「………」ウンウン


真姫「………………」


真姫だけは黙っていた


が唯一にこを見つめていた


希「………(にこっちのこと信じとるよやから目覚めたら"人斬り女士道"のこと教えてな………)」


そしてしばらく時間が経過する



真姫「………さて………貴女たち一旦帰ってくんない?」


絵里「えええええ!?よ、夜明けまで居させてくれるんじゃあ………」


真姫「気が変わったのよ……というか流石にこの小さな診療所兼部屋に5人は狭いし希とエリーは帰って」


絵里「そ、そんな〜」


希「そもそも絵里ちはなんでここにおるん?」


真姫「暗闇が怖いんだって……それで局所帰れなくなったみたい」


絵里「ち、違っ……」


希「なるほどいい年して迷子なんやな絵里ち……」


絵里「言わないで!!」


104 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/02(水) 01:13:53 1iJRxZmg

希「しゃあないなー……ええよウチが局所まで付いてってあげる……」


絵里「え?」



希「真姫ちゃんにこっちのことよろしくな」



真姫「患者である限りは面倒見るから安心なさい」


希「ほな、いこか絵里ち」


絵里「い、いやでも」


希「大丈夫や…なんかあればウチが守ったる」


絵里「い、いやそれは守るべき立場の局長として情けないわ」


真姫「大丈夫よ貴女すでに相当情けないわ」


絵里「ちょ…どういうことよ!私は音ノ木見廻組局長絢瀬絵里よ!」


真姫「かよちんに慰められてた貴女にその肩書きの影すらなかったわ」


希「絵里ち……」ジトー


絵里「み、見ないで!?そんな目で見ないで!」


かよちん「…………」


かよちんまで苦笑い


絵里「あーもう!分かったわよ!帰る!絵里チカお家帰るんだから!……………………でも希一応着いてきてね(小声)」


希「はいはい」


こうして絵里と希は帰って行った


105 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/02(水) 01:14:43 1iJRxZmg

これは夢…いや過去…


にこ「………………」カツ…カツ…



「桃花の着物、紅く鋭い眼光、長くおろした髪、そして満月の夜…で、出たぁ…!…出たぞ!"人斬り女士道"だぁ!」


にこ「…………」 カツ…カツ…


スー…チャキ…


にこはゆっくりと刀を抜く


にこ「今宵も血が流れる…あんたたちはこの"人斬り女士道"が成敗致す……せいぜい最期はにっこりして逝きなさい」ニヤリ


「ぎぃあああああああああ!!」



辺りは一瞬で血の海に


彼女が通った道は全て紅く染まる


それは罪悪の道


場面変わって


にこパパ「」

矢澤一族「」


血にまみれた広い部屋には無数の死体


そこには二人居た


にこママ「さぁ……斬りなさい…」


目を瞑り覚悟を決めた母と



にこ「………………」チャキスパァン!


無表情で無感情の冷たい眼で躊躇なく刀を振り下ろす娘



ブシャアアアアア!!


……………………


にこ「ハッ!?………ハァ…ハァ……またか」パシッ


バッと起き上がったにこは頭を押さえた


106 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/02(水) 01:25:13 1iJRxZmg


周りを見渡す……にこは一瞬で理解した


にこ「真姫のところね……まったく……みんな何だかんだお人好しよね」


にこはゆっくりと立ち上がる


体は刺し傷の痛む腹部から包帯がグルグルと肩まで巻かれていた


にこ「いつつ……んで……その恩人はどこ行ったのよ……」


にこは玄関を開けた……空はすっかり明るかった


にこ「……いないわね……ったく……何も言わずどこ行ったのよ……御礼も言えないじゃない……」


しかし、真姫はどこにもいない


にこ「そういえばかよちんは……」



しかし、いやと思い返す


にこ「あの娘は多分、また……音ノ木町ね…てかさっきからなんか近くらへんうるさいわね」


※重要選択その1(誰かが死亡or完全敵対するフラグが立つ可能性大)


例えば死亡フラグならこの選択肢で死ぬことはありませんが大きなフラグ立てて次の選択肢でまた立てて死亡または次の次の選択肢で立てて死亡したりします

またこれはこの選択肢一発で決まってしまいますが誰かの登場(にこ目の前に現れるという意味での登場)が完全に消えるキャラがいます



1、真姫にちゃんと御礼言わなきゃ…ってどこにいるんだろ…


2、なんか…騒がしいような…あのここからかすかに見える竹林の方かしら


3、"空丸"回収…そしてかよちんにも用事がある…それに希にも借りがあるし…とりあえず町に行くかな


4、まだ体が本調子じゃないここは安静にしておこうかしら


安価下


107 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/02(水) 01:30:03 1iJRxZmg
いい忘れてました
どれも絶対誰かの死亡フラグ立ちます
悪しからず…

安価下


108 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/02(水) 02:02:06 b3uWxLnw
難しいけど前の安価内容的に2


109 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/02(水) 03:31:43 1iJRxZmg
おk2ね
あとこれもいい忘れてたけど単純に考えてくれて構いません
ひねくれた選択肢はないです…多分


110 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/02(水) 11:31:49 DxKBIHGg
空丸回収したかったけど、まあ後回しでも大丈夫か


111 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/02(水) 16:17:29 1iJRxZmg


選択肢3


にこ「あの竹林騒がしいわね」


にこは"東山金剛"を差して竹林へ向かう



そこに…ゴロゴロ…ドサ



チンピラ「」


にこ「!?(これは高坂一派の…)」


血塗れの死体が坂から転がってくる



ここは"竹林音ノ木坂"


にこ「この上ね…血生臭いわ…」


にこの刀を握る手が強くなった


にこ「………………」



ただ坂を登る


にこ「………………」


坂を登り続ける



にこ「…………………」


ただひたすらに……





すると………



にこ「………!?(殺気…!…)」


チャキ!


112 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/02(水) 16:18:16 1iJRxZmg


??「また追っ手!次から次へとぉぉ!!!どけぇぇぇぇ!!!」


にこ「!?」


雄叫びをあげながらそれは刃を振り下ろしてきた



にこ「ちっ……」キィン!



??「!?………あ、貴女は………」


にこ「ん?………あ、あんた………」


にこ「海未!?」


海未「にこ殿!?」


刀を交えて暫く二人はお互いを誰か認識した


海未「ハァ……ハァ……にこ殿!?何故貴女がこんなところにィ………いやァ……今はそれどころではありません…」ゼェ…ハァ…


にこ「あ、あんた何よその格好…」


海未は返り血で顔も着物も血塗れ……ひどい有り様だった


いやそれよりも何よりも


穂乃果「」


にこ「背負ってるその娘は誰よ?…」


そうは問いかけるにこだったが、大体は察しがついた


あの冷静ないや冷酷なほど落ち着いている海未がこの取り乱し様……きっと……


海未「……私の大切な……大切な……親友です……」


にこ「そうみたいね…」


113 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/02(水) 16:20:01 1iJRxZmg


海未「この娘は手負いなんです…だから早く真姫殿に見せなければ」


にこ「だからって…なんでこんな竹林の坂なんか下ってんのよ」


海未「説明してる暇はありませんが…追われているんです」


にこ「追われている?…」


にこは坂下のチンピラの死体を思い出す


にこ「!?………あんた何やらかしたのよ………高坂一派……あいつらね…」


海未「"高坂"一派ではありません!!あんな下劣な奴らと…!…い、いや…その…高坂一派ではありますが…」


にこ「はぁ?……ともかく追われてんのね…」


海未「はい……」



にこ「ハァ……しょーがないわねー」


チンピラA「んだとこらー!」


チンピラB「オウオウオウ!」


海未「はっ!?しまった!ゆ、油断を…」


海未の背後から飛びかかるチンピラ二人…


しかし


にこ「このにこが助太刀致す」ブォン!


バキッ!バキッ!


チンピラA「うげぇ!」


チンピラB「ぶへ!」


にこが海未の前に立ち鞘から抜いてない状態で"東山金剛"を顔面にぶち当てる


にこ「ふん…鞘から抜くまでもないわね…」


海未「にこ殿…あなた…正気ですか?私たちが何で追われてるかも分からないのに助太刀なんかして…今度は貴女があいつらに狙われますよ」


にこ「黙りなさい…他人の心配してる暇あるんなら…」


チンピラC「んだとこ…ぶべぇ」バキッ


にこ「死ぬ気でここを抜けなさい!」


114 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/02(水) 16:25:31 1iJRxZmg
ミス
最初の選択肢2ね
なんで3になってんだか
スマン


115 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/02(水) 16:29:42 1iJRxZmg


海未「にこ殿……」


にこ「にこでいいわ……いいから行きなさい海未……」


海未「…にこ…くっ……この借りは必ず……」


海未は再び駆け下り始めた



にこ「さあて……」


「ンダトコラァ!」



「なんだぁ?このチビは」


「てめぇ邪魔立てする気か」


「あ、あいつは昨日の……」


「童顔……着物……座敷わらしみたいですてきだぁ……」ゴクリ


「↑すげー分かる…えすあーるの座敷にこにー可愛い」


「↑は?浴衣にこにーこそ至高だから」


「オウオウオウ」


「ンダラァ!」



………………


にこ「ざっと20人か……こんな雑魚でも多数いると壮観ね……」


チンピラたち「かかれええええええ!」


にこ「まあ余裕だけどね!」


116 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/02(水) 17:52:34 p79ywJVg
2年組は気になるからいいルートやね


117 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/03(木) 00:47:58 AI1OZXcM
初代侍道でいうトゥルーエンド的なのは無い感じかおk
楽しみながら読んでます。ありがとう


118 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/03(木) 03:46:34 XGvqKh02
時代劇SSってレアな気がする
面白いね


119 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/03(木) 11:15:33 o/5RcKEg



1人襲いかかる


捌いて、後頭部に一撃


「が……は……」


倒れる者はすでに眼中にない


にこ「はい…次…」


2人が左右に横からかかる


しかし、姿勢を傾け左一人を足払い、反対の右一人に刀の柄を鳩尾に突く



「ぐっ」「こほ……」


にこ「ふん!」バキィ!


そしてよろけたその二人は再び頭に衝撃


ドサッ……


にこ「次……次……」


「うらぁ!」


次は5人、にこを囲んで一気に刀を振り下ろす


にこはしゃがんで全て一本で受け止める


「な、何!?」


「受け止めただと……」


驚いた5人が刀を上げた


その瞬間……


にこ「…………」クルクル


バキッ!バキッ!バキッ!バキッ!バキッ!

高速に回転し5人の顔面に一閃


「「「ぶへぇ!」」 」


5人花弁が開くように倒れた



すると、続いて素早い動きをする3人


「ツバサ様直属隠密隊」


「いざ尋常に勝負」


「我らの動き見切れるか…散!」


シュン!

竹林の視界の悪さを利用し、奇襲しようとする隠密3人


120 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/03(木) 11:16:21 o/5RcKEg


「隙あり!」チャキ!ブォン

一人がにこの背後から奇襲するが、


シュン!

「どこが隙ありなのよ…」バキッ


「ぐはぁ…み、見事…」ドサッ


刀を振り下ろしたときには自分が背後からにこに回り込まれていた


「でいやぁぁぁ!」


残り二人は竹の上から落ちてくるようににこに襲いかかったが


にこ「バカね…ここは坂の上よ?」


ガッ…ドカッドカッ


にこは2人の落下を軽く受け流してそのまま崩れた体勢の2人に背後から蹴りを入れる


「お、おわああああ!」


「ぎゃああああ!と、止まらねぇぇ!」


2人は坂から転げ落ちる


にこ「はい…半分…」


121 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/03(木) 11:17:38 o/5RcKEg


「我ら隠密隊はまだまだいるぞ!」


7人…今までで一番多かった


7人が一斉に散り散りに動く…


隠密隊長「ハハハハ…さらにこれならどうだ…」


ドロン!


隊長が投げたのは煙幕…


にこ「ふん…」


朝の竹林の中…ただでさえ薄く霧が掛かっている中でこの煙


もはや目の前真っ白(物理)といっても過言ではなかった


しかし…にこは動じず目を閉じる



そしてしばらく隠密がガサゴソと動く音以外が消える







にこにとって視覚、聴覚が取られているのと同じ




そして


隠密隊長「ハァーハハハハハ!!討ったぁ!これぞ無音殺!音もなく気配もなく御主を殺す!」



隠密隊長はにこがいた場所に勢いよく刀を振った


にこ「だったら黙ってなさいよ」


隠密隊長「な、何!?」

シャキーン!


隠密隊長の後ろからにこの刀の鞘が見える


隠密隊長「ば、バカな…い、いつのまに…背後を…だ、だが…まだ他6人が」


にこ「……」ニヤリ


このときやっと白いもやが晴れる


隠密隊長「なん…だと…!!…」




そこで見たのは……



隠密6人「」


隊長のすぐ近くでのされている隠密たちだった


にこ「残りはあんただけよ」


122 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/03(木) 11:35:19 o/5RcKEg
>>117
2ベースに+初代要素も入れてるから
一応μ's全員生存エンディングは作った
けど元ネタ分かる人には分かると思うけど全員生存ルートは相当難しいかもしんない


123 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/03(木) 12:39:18 wgclTyLo
海未ちゃん生き急いでる感あるし助けたいわ


124 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/03(木) 19:54:53 AI1OZXcM
>>122
エンディングNo.1みたいなのは用意してくれてるんだなっ
安価SSなんだし何選ばれても気楽に楽しむさー
応援してます


125 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/03(木) 21:54:47 o/5RcKEg


隠密隊長「ば、バカな!一体何をしたぁ!何も音がしなかった……こ、こんなことがあってたまるかぁ!」


にこ「無音殺……見事なものね……でもねにこも使えるのよ…矢心流奥義"無音の今宵"」


隠密隊長「な!…我らより完璧な無音殺を……!?……」


にこ「にこ〜こう見えて〜夜の暗殺は得意だったの〜」


ドッ!


隠密隊長の顔がなんの前触れもなく鞘にぶつかる


隠密隊長「な………がはっ………それも音が………しない………だと」


にこ「さて……残りは2人ね」


にこの目の前に巨漢が2人


126 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/03(木) 21:56:07 o/5RcKEg


?「チビ女やるじゃねぇか」


にこ「誰がチビよ…あんたたちがデカ過ぎるだけでしょ」


2人の体格は六尺七寸(約200㎝)


※諸説ありますが

一尺=約30㎝
一寸=約3㎝
一分=約3㎜

(ちなみににこは154㎝なんでこの基準でいくと五尺一寸三分くらい)





一人は弁慶のような風貌で顔半分入れ墨を入れている

"チンピラ武蔵坊"

もう一人はエ○モンド○田のような歌舞伎化粧のデb…相撲取り


"チンピラ関取"


にこから見ればそれは巨人と対峙しているようなものだった


にこ「何でもデカけりゃあいいってもんじゃないのよ」ペターン


武蔵坊「あん?大は小を兼ねるという言葉を知らんようだな…」


武蔵坊は薙刀を構えた


関取「そうなんだぞぉ〜」


にこ「じゃあにこに見せてみなさいよ」クイックイッ


にこは手をこ招いた


巨漢二人は動き出す


127 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/03(木) 21:57:09 o/5RcKEg


一方こちらは


海未「ハァ……ハァ……やっとォ…抜けました………こォ……ここはァ………!……あ、あった診療所……」


海未はようやく診療所近くまで逃げ切り……息切れ激しくも目的地は目前……


海未「穂乃果もうすぐですよ……」


穂乃果「」


海未「フフ…昔っから…本ッ当、世話がかかりますね……貴女は……」


そうして……

ガララ!


海未は診療所の玄関を開ける


海未「ま、真姫殿!助けてください!」


しかし……未だに真姫はいなかった


海未「居ない!?……そ、そんな……あの仕事熱心な真姫殿が…朝から診療所を抜け出しているなんて…」


128 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/03(木) 21:58:08 o/5RcKEg
診療所はもぬけの殻


不気味なくらい静寂としていた


海未「…………」ガサゴソ


海未はとりあえず待つことにした


穂乃果を下ろし、寝かせる…自分でも少し容態を確認してみた

海未「(足の出血がひどいですね…あとは左腕の骨折…)」


海未は穂乃果の額に手を当てる


海未「(熱ばんでますね…放置が続けばまずい…消毒と包帯くらいは巻けます……やりましょう………)」


海未は真姫が来るまでの間、穂乃果の手当てをすることを決心した


しかし、大変なことに気づく


海未「あ………服脱がせないとダメなんですよね……………………………」



穂乃果の着物に手を伸ばしたところで気づいた



海未「む////////無理です////////破廉恥ですそんなこと////////」


海未は勝手に想像して…手を引っ込め、その手で真っ赤の顔覆う………海未はそういうのは全くダメだった


海未「(いやいやいや…落ち着きなさい園田!穂乃果の命がかかっているのです!……そうこんなことさっと脱がしてさっと消毒してさっと包帯を巻いてさっとも一度服を着せればいいんです……)」


海未は再び穂乃果の着物に手を伸ばす


海未「さ、さぁ〜っと…」サワッ


穂乃果「…ん…」


着物に軽く触れた瞬間に穂乃果の声が漏れる

海未「わああああああ////////ご////ごごごごめんなさい!ごめんなさい!」


何故か必死に謝る海未


129 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/03(木) 22:21:56 ZYKbzCsc
園田、はよせえ


130 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/04(金) 01:00:48 ETYgAK1Q
冷血キャラかと思ったら園田はやっぱり園田だった


131 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/04(金) 01:44:13 a2McFdqM
所詮はうみみくんよ


132 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/04(金) 10:33:13 ZRGfeDjU


ガララ


真姫「浪人うるさいわよ!何騒いで……ん?」



そんなアタフタしているところへちょうど帰ってくる籠を背負った真姫


海未「真姫殿!た、助けてください!穂乃果が」


真姫「はああああああ?今度は海未!?イミワカンナイ!」


立て続けに侍が診療所に訪問するこの状況


真姫にとってかなり珍しいことだった


海未「え?」


真姫「というかあの浪人はどこよ!」


海未「ろ、浪人?」


真姫「黒髪で左右を結ってる童顔の女侍…………って…あなたに言ってもしょうがないか…」


真姫はなんだかんだ喋りながら穂乃果の容態を既に診察中


海未「にこのことですか?」


真姫「そう…にこちゃんよ…って知ってるの!?」


海未「知ってるも何も先程助けて貰いました」


真姫「助けて貰いまし………たぁ!?」


海未はここで今までの事情を説明する



真姫「はああああああああ!!!??イミワカンナイ!!!!」


海未「ちょっと……真姫殿うるさいですよ」


真姫「バッカじゃないの!あの浪人!まだ傷も癒えてないのに!…」


海未「!」


133 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/04(金) 10:35:23 ZRGfeDjU


海未「傷?…………ちょっと待ってください…傷ってなんですか?」


真姫「にこちゃんも腹部に大ケガしてんのよ…昨日まで倒れてたんだから」


海未「そ、そんな…………じゃあ…にこは……手負いのまま私たちに助太刀してくれたというのですか……」


海未は自分が情けなくなっていた


真姫「…………」


海未「それなのに……私は……くっ……」


真姫はじっと海未を見ていた


にこが手助けしたい気持ちが一分も分からないわけではなかった


その血にまみれた身体とこの穂乃果の状況を見るに


でも真姫の心は


真姫「(侍って結局こう……一人でなんでも出来るって言ってなんにも出来てない…

増やすのは医者にとって面倒なことばっかり………

どんなに優しい人でも…結局は他人のために無茶するそんな大バカ共ばっかり…

心配するこっちの身にもなってみなさいよね…)

助けに戻りなさいよ海未…この娘は私が責任持って治療するわ」


海未「はい…助かります………ところで真姫殿……」


134 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/04(金) 10:36:47 ZRGfeDjU


真姫「真姫でいいわ…で何よ…」


海未「何故、真姫は今までいなかったんですか…」


海未はこんな状況でもよく知る人物の異変はすぐに察する……逆ににことももう少し付き合っていればにこが手負いということも気づくことが出来ただろうと心内で悔やんでもいた


真姫「………………そんなこと気にしてる場合?…………薬草を取りに行ってたのよ……にこちゃんの傷に効く薬草をね」


真姫は証拠に背負っていた籠の中を見せた


中には大量の薬草……


海未「そうでしたか……変なことを聞きました」



真姫「まぁ、結局この娘に使うことになりそうだけど……消毒必要そうだし」


海未「ありがとうございます」


真姫「礼なんていいからあの…バカ連れ戻してきて…医者をバカにした行動、後悔させてやるから」


135 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/04(金) 10:37:39 ZRGfeDjU


海未はゾッと苦笑いしながらも真姫の患者想いの言葉に安心していた


海未「(穂乃果は大丈夫そうです……あとはにこ…今から助けに戻ります!どうかご無事で!)」



……………………


こちら戻って竹林



関取「どっせい!」


ドォン!


にこ「ふん!」


関取の突進を避けるにこ



関取「おっとっと……すばしっこいやつめ〜」


にこ「あんたもデカイ図体の割りに中々の平衡感覚なのね…」


下り坂で突進攻撃…正気の沙汰じゃない攻撃だが関取の平衡感覚がそれを可能にしていた


武蔵坊「バカが余所見してる場合か…」


ブォン!


にこの背後から今度は武蔵坊の薙刀一閃


にこは軽く跳んで避けるが周りの竹が斬り倒され


それに合わせて


関取「空中では動けまい〜ツッパリ砲!」


ツッパリで竹をにこに飛ばした


にこ「!?………ちぃ!」


ガッ…ガッ…


パァン!パァン!


にこは飛んできた竹を弾いた


しかしそのため体勢を崩して着地してしまい


武蔵坊「くたばれ女ぁ!」


薙刀の刃が真上から振りかかった


にこ「くっ………」ガキィン!


ガタガタガタ…


にこはとうとう鞘から"東山金剛"を抜いて薙刀を受け止める


武蔵坊「ふん!ようやく刀を抜いたな」


にこ「ちぃ!」


136 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/04(金) 10:39:21 ZRGfeDjU


にこ「にこもまだまだね…あんたら程度に刀を抜かなきゃなんないなんて…」


武蔵坊「減らず口を…ふん!」


ブォン!


再び振り下ろす薙刀



しかし、にこの動きはそれを見切っていた


タタン!


にこは薙刀の上に乗る


武蔵坊「ぬわぁにー!」


にこ「残念♪…楽勝なのよこれくらい」


にこはそのまま薙刀を登り、武蔵坊の顔に"東山金剛"の峰を叩き込む


パキィ!!


武蔵坊「ぶへらぁ!」


武蔵坊は声を上げゆっく利倒れる


しかし、にこの眼中は…


関取「どっせい!」


すでにツッパリで迫ってくる関取


にこ「くっ………」ガキィン!


刀でツッパリを防ぐも身体ごと吹っ飛ばされる



スタッ…


関取「あれ〜おかしな刀だなわしの武器折ツッパリを食らって折れないなんて」


関取の手には禍々しい形をした籠手


それであの怪力でのツッパリ…並大抵の刀じゃへし折れるだろう


しかし、にこが今持っているのは"東山金剛"金剛石のように丈夫な雪穂の逸品だ


にこ「お礼言いにいかなきゃね…雪穂に…」


ガサゴソ!


その時だった


137 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/04(金) 10:40:25 ZRGfeDjU


武蔵坊「でりゃあああああ!」


にこ「し、しまっ……」ドコォ!


にこは気づくのに一歩遅れた避けようとしたが


武蔵坊の強烈な殴打を直撃に近いものを背中に食らう


ヒュン!ドカァ!


回転しながらぶっ飛びそれでもなんとか身体を翻し着地体勢を整えたが思いの外吹き飛ばされたため威力が強くそのまま背後の竹に激突


その竹もへし折ってさらに坂下へと転がり下る


ゴロゴロ…ドタ…ドタ…ズササササ…


にこ「うぐぁ………かはっ………(さ、流石に…き…傷口が開いた……わね…)」


包帯が一気に血で滲む


うつ伏せの状態で腹を押さえ


そのまま立ち上がる


にこ「に、にっこにっこに〜…まだ立ち上がるなんてやるじゃない似非弁慶…」


あくまで余裕に笑う


138 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/04(金) 10:50:23 PyYaBDTk
園田急げ


139 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/04(金) 20:04:52 wwfR.3hc
うみみはよ


140 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/04(金) 22:06:03 tpQyF7Ak


武蔵坊「無理をするな…冷や汗が見えるぞ」


顔を腫らしてはいるがそこにはまだ元気に仁王立ちする武蔵坊がいた


にこ「ちっ…(あいつの殴打を避けること自体そんな大したことはないし威力的にももし1、2発喰らうことがあっても普段のにこなら立ってられるでしょ…けどこの状態では…ちょっと…)」


武蔵坊「休まず行くぞぉ!」


関取「わしも行くぞ〜!」


武蔵坊、関取「でりゃあああああ!(どっせええええい!)」


2つ拳が飛んでくる


にこ「(まずいかな!)」


ヒュン!


ドカァ!ドカァ!

地面を抉る殴打を放つ二人


その抉り方は生えている竹が盛り上がるほど


にこ「(いっ!?二人威力が重なるとああなんの!?)」


武蔵坊「どうしたチビ!顔が青いぞ?」


にこ「………ふん………」


141 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/04(金) 22:06:43 tpQyF7Ak


関取「その余裕いつまで〜続くかな〜!」


ヒュン!ドカァ!

ヒュン!ドカァ!

ヒュン!ドカァ!


ヒュン!ドカァ!


にこは跳んでは避け 、跳んでは避けを繰り返す


しかし、やはり防戦一方は否めなかった


にこ「(…見極めろ…相手の隙…)」


にこは冷静に相手の隙を伺う


ヒュン!ドカァ!

ヒュン!バァン!


ドカァ!ヒュ…ヒュン!バァン!


にこ「(神経を研ぎ澄ませ…もう喰らったら終わりよ矢澤にこ)」


にこは変則的になってきた相手の攻撃も見事に避ける


武蔵坊「ちょこ…まかっ…とぉ!」


ブォン!ガッ!


にこ「(次の一発で……こいつは決める……)」



にこは武蔵坊の拳を避け、その拳を脇に挟見込んだ


武蔵坊「ん?なにしてんだ!離せぇ!」


武蔵坊はにこをそのまま持ち上げて振り回す…しかし、にこはそこで飛んだ


にこ「隙……見っけ!」


武蔵坊「はっ……!?……しまった……せ、関取ぃ!」


関取「あいよ!」


飛んだ先に関取のツッパリが


しかしにこは読んでいた


142 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/04(金) 22:07:22 tpQyF7Ak


にこ「最初から狙いはあんたよ!」


にこはツッパリを躯して籠手に刃をぶつけ受け流す


関取は体勢を崩し、ちょうどにこの背後によろける


にこ「さあ……とどめよ」


にこは後ろを向きそのまま後頭部に刀の一撃を喰らわそうとしていた

武蔵坊「俺の目の前でそんなことさせるかぁ!」


すると再び武蔵坊の拳が背後からにこに襲いかかる


しかし、にこはそこでニヤリ笑う


にこ「バカね、これは囮……にこが避けたらどうなるかしら」


武蔵坊「?…………ああ!?しまっ…」


浮いていたにこはストン!と急に重くなったように高速に地面に着地する


武蔵坊の拳はそのまま…


関取「がはあああああ!」


関取の後頭部に強打!


関取「」ドサッ!!!


巨体が一人白目を剥いて倒れた

にこ「ふぅ…あとはあんた一人…」ニヤリ


武蔵坊「やってくれたなぁ!!」


143 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/04(金) 22:08:21 tpQyF7Ak

武蔵坊「調子に乗るなよ!チビィ!」


にこ「あんた一人だともはや見切る必要すらないのよ」



にこは"東山金剛"を鞘に終う


にこ「あんたの使い方が分かってきたわ"東山金剛"ちゃん」


にこはそう刀話しかける



そうこの刀にこの刀の重さを無視してまで速さは求めない…求めるのはただ一つ…相手を一撃で倒す…その破壊力のみ


相手が速さが来るならそれは"空丸"

相手が力で来るならそれは
"東山金剛"


それでいい…


にこ「刀も適材適所……って訳ね」


武蔵坊「これは避けれまいィィィィ!」


にこ「もう避ける必要なんかないわ…力は力でねじ伏せる……矢心流奥義……」


にこは両手に力一杯込め


金剛…故に不壊

金剛…故に不破


にこ「"金剛姫の峰打"」


両手で鞘から抜刀


バキィ!バキィ!バキィ!


武蔵坊「うぎゃあああああああ!腕があああああ!」


武蔵坊の拳がにこの刀の峰に当たり、骨が砕けた


それほどの破壊力だった


にも関わらず


にこ「刃こぼれ無し…本当すごいわねこの刀」


スー…チャキ…


144 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/04(金) 22:09:41 tpQyF7Ak


にこは刀を納めた


しかし、その瞬間


にこ「ぐ…」


立ち眩みでその場に踞る


にこ「ちっと……バカやり過ぎたわね……」


にこは腹を押さえて自分が自分で苦笑い



その時、後ろから殺気…


武蔵坊「ゼェ……ゼェ……」


にこ「………………ほんと……しぶといわね……もう勝負は着いたでしょ?」


武蔵坊「なんとでも言え……俺様も侍のはしくれ……片手潰れようが勝負は着こうが……体動く限り命ある限り敵である貴様に刃を向き続ける」


砕けた右手をぶら下げ左手で薙刀を持ち、にこにかざす


武蔵坊「俺に勝った気になりたいなら殺せ」


にこ「……………………」



にこは顔をしかめる


腹が疼くのもあるが、それよりも疼くのは心


にこ「にこは……"二度と人は斬らない"」


武蔵坊「ならば……死ぬのはお前だ!」


武蔵坊の薙刀が振り下ろされた


にこ「(くそ……動けな…………)」


ザァン!


145 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/04(金) 22:10:34 tpQyF7Ak

ブシャアアアアア!


鮮血が散った



にこ「…………見事…………ね…………」

















にこ「海未……」


武蔵坊「がはっ!」



海未「園田抜刀流…山頂斬裂…」


海未の居合いの斬り上げが武蔵坊を斬り捨てた


海未「大丈夫ですか!?にこ!」チャキン


海未はすぐに納刀するや否やにこに駆け寄る


にこ「ハハ…大丈夫大丈夫……って言いたいけど……ちょっと今、にこ歩けない」


海未「すみません…そんな重傷だとは知らず…」にこを背負う


にこ「なーに言ってんのよ…にこが勝手にやったことよ…あんたは気にしないで」


海未「で、ですが…」


にこ「いーいーかーらー」


海未「………………分かりました……ですがこれだけは言わせてください










ありがとう」




にこ「フン…どういたしまして」


146 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/04(金) 22:13:08 tpQyF7Ak
とりあえずキリがいいのでここまで戦闘が侍道からは順調に離れてるのは気にしないでくれ…ください


147 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/05(土) 02:15:40 /SDhbpE6
ええやで


148 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/05(土) 03:20:57 7rHGJUOU
面白いぞ


149 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/05(土) 05:35:27 HOnBFOFw
(・∀・)イイヨイイヨー


150 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/05(土) 15:20:06 2AM7dR5Y

静寂となった竹林の中…


二人の影が去っていく海未、にこを眺めていた


??「あれが"人斬り女士道"の実力か」


??「どうする?えれ姉?」


えれ姉「どうもこうも私はこの狂犬を連れて帰らねばならんのでな…今は捨て置く」


あんじゅ「」


えれ姉と呼ばれたキリっとした顔の女は気を失っているあんじゅを片手で抱え、竹林坂を登っていく


えれ姉「ツバサへの報告はお前に任せた優理」


それに似ている優理と呼ばれた女はため息を吐いた


優理「はぁ〜またえれ姉は面倒なことを私に押し付ける…」


英玲奈「ハハ…それもお前が可愛いからだ…」


彼女ら二人はツバサ傘下の幹部


60幾度の戦いにて無敗、最強の剣豪と名高くツバサ組のまとめ役"剣聖"の異名を持つ


統堂英玲奈


その妹分で冷静沈着な参謀で汚れ仕事もお手の物…常に口に竹串をくわえている"仕置き人"


御堂優理


優理「ものは言い様だなえれ姉」


あんじゅ、英玲奈、優理


ツバサ組三剣士と呼ばれている


優理「ツバサめんどくさいし…ノリが」


英玲奈「言うな…ここに呑気に寝ている命令違反のアホより大分ましだ」


あんじゅ「ムニャ…かんっぜぇんにぃ〜いのしかちょぉ〜ムニャムニャ」zzz


英玲奈「毒抜きは私が完璧にしたとはいえこの間抜けっぷりだ」


優理「毒矢を受けたときは流石に心配したが大丈夫なようだな…そのまま死ねばよかったのに」


英玲奈「それも言うな」


151 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/05(土) 15:21:04 2AM7dR5Y


目覚めたのは朝…



どうやらあれからは3日は経ったようだ


にこ「……………」


穂乃果「…………」


にこ、穂乃果は天井を見つめながら隣にいる存在を認識した



にこ「ケガは大丈夫?」


穂乃果「貴女こそ」


にこ「にこはもう完全に癒えたもんよ」


穂乃果「穂乃果も足の方はね…左手はまだあれだけど」


にこ「そう…………」


穂乃果「あの…………」


にこ「ん?」


穂乃果「ありがとね海未ちゃん助けてくれて」


にこ「ああもういいわ…聞き飽きた」


穂乃果「へっ?穂乃果は矢澤さんと話すのこれが初めてだよ?」


にこ「海未から散々穂乃果を助けてくれてありがとうを聞き飽きたから聞き飽きたのよ」


穂乃果「ふふ…何それ」


穂乃果は笑った


にこ「あ、刀…取りにいかなきゃ…」


にこは思い出したようにバッと起きた


それを見て穂乃果は直感的に言った



穂乃果「もしかして雪穂のところに用事かな?」


にこ「!?」


にこは瞳孔を見開いて驚いた


穂乃果「さっき刀って言ったよね?音ノ木に刀を扱うところは一つしかないし、その唯一の鍛冶屋にいるのは私の妹だよ」



にこ「……へぇ……世界は狭いわね」


穂乃果「ほんとにね…でもまぁ行くなら良かった…ついでにこの刀も預けて来てくれないかな?」


にこ「?」


にこは剛刀"恵海津"を預かった


152 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/05(土) 15:22:57 2AM7dR5Y


にこ「これも中々つよそうな刀ね……それにしてもしっかりしたいい妹さんよね」


穂乃果「そう?結構おっちょこちょいだよ私に似て…アハハ」


にこ「…姉妹は似るものよ似なくてもいいとこまでね…」


穂乃果「そっかぁ…」



にこ「さて…じゃあ行ってくるわね」


にこは真姫の診療所をあとにする


思えば真姫から自由になる許可を貰うのは苦労したにこ


三日前のこと


にこ「いたた…」


真姫「待って!どこ行く気なの!」ガシッ


にこ「え?ちょっと散歩…」


真姫「ダメ!行かせない!」


にこ「ぬわぁんでよ!」


真姫「行ったら最後あなたまた帰ってこないでしょ!」


にこ「か、帰ってくるわよ!…失礼な!…いいから離して!」


にこは真姫の手を振りほどこうとするが



ガッ…ドン!


にこ「いっ…た…!…ちょ、何すん…」


にこは壁に追いやられ叩きつけられる


真姫「重傷人を私が外に出すわけないでしょ…」


にこ「べ、別に〜…に、にこは〜重傷人じゃ……」


真姫「…………」サワッサワッ


真姫は無言でにこの服に手を突っ込み腹を軽く触る


にこ「…んふ……あっ……ん…あっ……ちょぉ……いっ……痛ッ…痛…」


真姫「こんな軽く触っただけで痛がってるじゃない…ダメよ……どうしても出ていくというのなら」


にこ「!?」


153 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/05(土) 15:24:10 2AM7dR5Y

ガチャ…


真姫は家に置いてある三日月型の刃の剣を手に取る


執刀"派入鹿"


真姫「両足を置いて行って貰うわ」ゴゴゴゴゴ……


にこ「ひっ……」ゾク…


真姫「いい……私の前から患者が消えるときはね?死ぬか治るかよ…治るまで絶対出さないわ…あんまり医者を舐めるんじゃないわよ」


シャキーン!


にこ「わ、分かりました…」


真姫「……よろしい……」ニコッ


怖いくらいの微笑みで剣を下げる真姫


…………………


にこ「(ま、真姫は…絶対敵に回しちゃダメね…)」


にこは教訓としてそう理解した


にこ「でもまぁ…なんだかんだ真姫にもお世話にはなったわね」


にこは自分にある借りを数え…鍛冶屋へ向かう


154 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/06(日) 10:27:35 .sVan3fA
恵海津
つよい(確信)


155 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/06(日) 18:42:14 r9/BJbPs
優理ちゃんいいね
スクフェスモブが出るのは嬉しい


156 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/07(月) 03:35:35 53ltFilY


ここはツバサ組本拠地


??「"人斬り女士道"?」


西洋製の椅子に脚を組みまるで女帝のように座る女は不機嫌な顔でその単語を呟いた


優理「ああ…昔巷を騒がせた人斬りの剣客…ツバサも聞いたことあるだろう?」


ツバサ「知らないわね…私は高坂穂乃果の5つからなる文字列しか知らないから」


優理「…………」ハァー


ツバサ「まあともかくそいつが私と穂乃果さんの仲を裂く元凶なのね……ふふふふ……いいじゃない……恋物語ってのは邪魔が多いほど燃え上がるもんよ……そいつを倒せば穂乃果さんもきっと私を……ふふふふ……」


優理「…………(うわ……めんどくさ……てかこの自信はどっから来るんだ…)」


そう彼女は"女帝"綺羅ツバサ


現高坂一派の親分


先代親分(ほのパパ)が急死したことをいい気に完全に乗っ取りで親分になった


乗っ取りでも一瞬で周りを黙らせ、組を巨大勢力へとまとめ上げる統率力はかなり侮れない…


そんな彼女に慕う人材も


"人斬り"あんじゅ

"剣聖"英玲奈

"仕置き人"優理


と手練れが多い


なお、先代親分からの忠臣、ヒデコ、フミコ、ミカは一応従ってはいるが心ここに非ずの様子

未だに高坂一派を名乗るのは本人によると夢が高坂穂乃果への嫁入り、高坂ツバサになることから来ているらしいが


他の者からは清廉な仁侠組だった高坂の名を汚し、失墜させるためだと思われている


ツバサ「んな訳だから"人斬り女士道"かなんだか知らないけど一応は目をつけて置きなさいみんな」


「へい!」


ツバサの鶴の一声が響いた


157 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/07(月) 03:36:20 53ltFilY

そして

優理「ということだお二方…」


英玲奈「なるほどなツバサは相変わらずホノキチで興味無しか…まあ通常運行だな…しかし"人斬り女士道"…私は専ら気になるところだ」


優理「私も死合うてみたいな」


あんじゅ「あはははは!まさかあの子が"人斬り女士道"だったなんて…私の尊敬する人斬り…素敵♥穂乃果ちゃん斬り損ねたから溜まってるのよね〜…今度こそ私の獲物よぉ♥」


英玲奈「命令違反の反省の色なしか…ハァー…お前も通常通りだな」アキレ


優理「本当あのまま毒死しさせとけば良かったのに」


英玲奈「お前のその口の悪さも私が毒抜きしようか?」


※ツバサ組とにこが対立関係になりました


ツバサ→にこ、関心なし


英玲奈→にこ、関心あり敵意


あんじゅ→にこ、お気に入り♥


優理→にこ、殺意


ヒフミ→関心あり???


158 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/07(月) 03:37:11 53ltFilY


絵里「はぁ!」カァーン!


キィン!


「ぐっ……強い……」ドサッ


絵里「どうしたの?腑抜けてるわよ!」


絵里は木刀で真剣の隊員を地面に着かせる



「き、気合い入ってるなー……絢瀬局長」



「そりゃあ……あの"人斬り女士道"がこの音ノ木町に潜伏してるという噂を聞けばなぁ…」


絵里「こら!そこ!無駄口を叩かない!敵は"人斬り女士道"だけじゃない…ツバサ率いる高坂一派も力が強くなっている今、気を抜いている暇はないのよ!お奉行を御身を守れるのは私たちだけなんだから!」


「は、はい!」



キィン!


「くっ…」ドサッ


絵里「太刀筋が甘い!素人にしか見えないわ!」


ブォン!


再び隊員を地面に叩き伏せる絵里


絵里「海未ほどとは言わないけど、もっと骨のある人はいないのかしら」


隊員たちはいやいやと苦笑い



??「じゃあ私が相手ならどうかな?絵里さん」


159 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/07(月) 03:38:47 53ltFilY



絵里「?……あなたはたしか希の紹介で見廻組に入隊したばかりの」


??「門田剣です」


そこには胴着に竹刀を持つ灰色の髪の女


希の巫女仲間で希と同じく、戦える巫女…いやむしろ彼女は本来そちらが本業?


ともかく、剣の"達人"門田剣


彼女は五尺六寸(168㎝)と絵里を越える(162㎝)背丈から繰り出される彼女の剣術はかなりもの


剣「いやー"賢人"絵里さん"鬼神"海未さんとは一度手合わせをしたくて」


絵里「中々やりそうな面構えね…」


剣「………」ブォン!


一瞬で間合いを詰める剣


カァン!


剣「どうだろう?絵里さん私の太刀筋は?」


絵里「へぇ…速いわね……いいわ"人斬り女士道"は神速剣の使い手と聞いてるわ…御互いちょっと加速しましょうか」


バッ!


二人は一瞬で間合いをあける


??「お姉ちゃん…」


それを見守る影が一つ


160 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/07(月) 03:44:17 53ltFilY

??「気になるのか?亜里沙?」

「はい仁美さん」


亜里沙と呼ばれた少女は心配そうに絵里を見ていた


彼女は絢瀬亜里沙



絢瀬絵里の妹にして"天才"の名を持つ音ノ木見廻組一番隊組長、剣術は姉に譲らず天賦の才、が体が弱くしばらく戦線から離れていた



それを気にかける男勝りな口調の女は志賀仁美


音ノ木見廻組三番隊組長、彼女も強者に会いに行くとの理由で武者修行の旅に出ていたが昨日、緊急召集に応じ帰ってきた


自由奔放な彼女につけられた彼女につけられた異名は"風来坊"

だがその強さは無類の強さを誇る


仁美「あんまり気にしてるとまたぶっ倒れるぞ」


亜里沙「でも、お姉ちゃんなんか焦ってる気がして…」


亜里沙は本当に不安そうに見つめる

絵里「はぁ!」キィン!


剣「でいやぁ!」キィン!


熱くなった二人は知らない間に真剣を抜いていた


仁美「あいつはクソ真面目だからなぁ…相手があの伝説(女士道)となりゃあ仕方ねぇさ」


161 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/07(月) 03:49:15 53ltFilY


絵里「ふぅ…やるわね…剣」


剣「そちらこそ、想像以上の強さだったよ」


絵里「貴女さえ良ければ、今空きがある二番隊組長を任せたいわ…今は海未が副長と兼任してるけど、彼女も色々大変だから…」


剣「なんと!それは願ってもない…私で良ければ喜んで」


絵里「じゃあお願いね……それじゃあ…私はまた見廻り行ってくる」


絵里は汗を拭いてから髪を結び直し、局所から出ていこうとしていた


そこに


亜里沙「あ、お姉ちゃん!」


絵里「ん?亜里沙じゃない…体は大丈夫なの?無理しちゃダメよ貴女体弱いんだから」


亜里沙「う、うん…私は大丈夫だよ…でもお姉ちゃんは大丈夫なの?」


絵里「……何言ってるの?私の身体は丈夫なんだから…それはもう大丈夫よ」


亜里沙「でも最近寝てないって……ずっと人斬りを探してるって…」


絵里「………………」


そう、絵里は"人斬り女士道"の噂を聞いてから苦手な夜も忘れて昼夜構わず探していた


絵里「奴はこの世の争いの権化……私が見つけてこの手で……斬る!」


亜里沙「お姉ちゃん……」


彼女が何をそんなに"人斬り女士道"に固執するのか……


それは強い想いから来ていた

その想いが強くなったのは彼女の血筋にあった


絵里「(私がやらなければいけないの…僅かに流るる我が一族の異人の血が冷やかな目を受けるこの世で私と亜里沙の存在を世間に認めさせるためには幕府の敵を…悪を…私が!)」


162 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/07(月) 03:53:00 53ltFilY


仁美「怖い顔してるぞ絵里…そんなんじゃ亜里沙が余計心配するだろ」


絵里「!……ごめんなさい…最近、私余裕がないみたいで」


仁美「もっと肩の力を抜けよ絵里」フゥ…


仁美はキセルをくわえて吹かし始めた


仁美「そもそも…姿は把握してるのか?何も知らないなら意味ねぇぞ?」


絵里「あ……」


仁美「……マジかお前」ハァー


仁美はやれやれと手を広げた


仁美「相変わらずそういうとこ抜けてるよなお前は…仕方ない…俺も手伝ってやるよ…その"人斬り女士道"探しってやつを…だからお前は少し休め」


絵里「え?…」


仁美「そして休んでいる間頭を使う方はお前に任せたからその"女士道"の特徴でもなんでも調べておけ」ニッ


仁美は笑う


絵里「仁美……」


亜里沙「仁美さん…」


仁美「ヘン…なーに俺は強いやつと戦いたい…それだけだ…"人斬り女士道"相手に不足はないぜ」


仁美は肩に刀を乗せて、背を向け手を振りながら見廻りに出ていった


その仁美に後から何かの影が着いていった


163 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/07(月) 03:57:37 53ltFilY

見廻組とにこの関係が変化しました


絵里→にこ、好印象

絵里→"女士道"、強い敵意

海未→にこ、好意

海未→"女士道"、???

剣→"女士道"、敵意

仁美→"女士道"、興味

亜里沙→"女士道"、敵意?


※現在、見廻組の方はにこ="人斬り女士道"と知るものはいません


※あと御堂優理、門田剣、志賀仁美については知らない方のために一応、

スマホゲーム

ラブライブ! school Idol Festival

のキャラです


御堂優理は赤紫髪のロングの顔つきがクールビューティーなちょっと英玲奈似の1年生164㎝の子です(フード姿のやつが個人的にお気に入り)


門田剣は灰色の髪の剣胴着着て竹刀持ってるまさに海未穂乃果に次ぐ公式剣道家設定の子です、168㎝と背が高い3年生です(この子巫女衣装があるのですが来てるだけと思いきや…マジで巫女みたいです…)


志賀仁美は学ランに鍔の割れたキャップ被って口に葉っぱくわえてる番長スタイルの俺っ娘風紀委員、趣味は強敵との迎逅らしいです←出る作品間違えてね?

167㎝の3年生です(最初、ジ○ジ○の承○郎に見えたのは内緒)



まあ、俗に言うスクフェスモブですね


ちなみに、この三人口調被るのでちょっと独断と偏見で性格口調を変えてます、優理はちょっと毒舌寄り、剣は丁寧寄り、仁美は男勝り寄りになってます。実際は多分違う…

この他にも選択肢によっては少なめ、または多めに違うモブが出るかもです


164 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/07(月) 04:14:36 53ltFilY
あ、また誤字脱字してるわスマン


165 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/07(月) 07:11:07 6beF0cZ6
賢人(大嘘)
大作になりそうでいいゾ〜これ


166 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/07(月) 12:38:20 9kL54Wjk
安定のほのキチ


167 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/07(月) 18:16:15 2UC6LymU
亜里沙は沖田的なポジなのね


168 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/08(火) 01:40:09 C09pGrkk


こちらは雪穂の鍛治屋


にこが到着すると、見知った後ろ姿があった


にこ「ん?あれ…海未じゃない…」


海未「どうでしょうか…"鈴三守"は」


海未は少し、怪訝そうに雪穂に渡した自分の刀について心配していた


雪穂「…………うん、大丈夫だよ海未ちゃん…流石お父さんが打った刀……全然痛まないや」チャキン


雪穂は"鈴三守"を鞘に終うと海未に返した


海未「ふぅ…………良かった…………お父様の形見…痛める訳にはいきませんから」

海未はギュッと刀を抱き締める


雪穂「そうだったね…たしか海未ちゃんのお父さんが依頼して私のお父さんが打った刀…それが"鈴三守"だったね」


海未「刀匠でもあった穂乃果と雪穂のお父様の最後の遺作でもあります…だからこれは形見…この音ノ木に居た偉大な父の大切な形見なんです」


にこ「へえ〜…この鍔のない綺麗な居合刀…あの名粋"鈴三守"なのね」


海未「に、にこ!?」


雪穂「あ、にこさん!」


にこ「邪魔して悪いわね…えーと、遅れたけど"空丸"取りに来たわ」


雪穂「お待ちしてました………はい」


にこは名刀"空丸"を受け取った


にこ「あ、それとこれ……」


にこは剛刀"恵海津"を渡した


169 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/08(火) 01:40:56 C09pGrkk


雪穂「これは"恵海津"……お姉ちゃんの刀……」


にこ「穂乃果からの授かり物よ……自分が顔出せないから雪穂への挨拶代わりに見て欲しいんだってさ」


雪穂「お姉ちゃん…」


雪穂は"恵海津"鞘から抜いて、しばらく眺めて……涙を流した


にこ「!?……ど、どうしたのよ……」


雪穂「い、いえ……ごめんなさい……ただ……お姉ちゃん無事で良かったって……この刀見てたら安心して…グス…」


にこ「そう……」


それは"刀匠"雪穂にしか分からない…いや…高坂姉妹にしか分からない姉妹の再会

観察していると雪穂は分かってしまう…刀の傷み方、柄に残っている握りしめた跡など
愛刀から染みでる雰囲気で今の姉の心情や状態を察すことが…


特に姉妹でこの刀だと…


海未「……剛刀"恵海津"……雪穂にとっては懐かしいでしょう…私のこの刀同様…雪穂たちのお父様の遺作ですから…」

にこ「へぇ…すごいのね…高坂先代組長」


海未「それはもう先代は"天下無双"の剣豪と呼ばれていてそれでいて腕のいい刀匠ですから」


にこ「天下無双…」


にこは少し引っ掛かりを感じていた


海未「特にあの刀は先代親分が若い頃から使ってて色々な伝説が残ってますから」


にこ「…へえ〜…どんな…」


170 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/08(火) 01:43:31 C09pGrkk


海未「なんでも鬼を斬ったとか、竜を斬ったとか」


にこ「鬼ィ!?竜!?…いやいやいやいや嘘でしょ…」


海未「それほど強かったということでしょう…あの"剣聖"英玲奈相手に引き分け、あの必中必殺の"人斬り女士道"が唯一殺せなかったとも聞いてます」


にこ「!?…(天下無双…どっかで聞いたことあると思ったら…まさかあのときのおっさん…)」


海未「まさかそんな伝説の人が急に病で亡くなってしまうとは…人生とは分からないものですね」


にこ「………………」


にこは10年ほど前を思い出していた


にこ「……あんたが"天下無双"………お命頂戴する………」


にこは、キセルを吹かす男の首に刀を当てる


ほの父「………………」


男はただただ無言でキセルを吹かす


にこ「何も言わないの?あんた家族がいるんでしょ…辞世の句でも……言い残す言葉でも……言いなさいよ……」


ほの父「…………………」


にこ「…そう…じゃあ…死んでもらうわ…」


にこは刀を振り上げ、一気に降り下ろした


しかし、そのとき


ほの父「…言わせてどうする気だ…お嬢ちゃん?」


にこ「!……………」


にこの手がピタッと止まる


ほの父「もし、俺が家族にここで何か言い残せば、どうしてた?」


にこ「どうもしないわ……ただにこがその言葉受け止めていただけ…あんたは殺す」


ほの父「ほう………」


にこ「………で?言葉は?……残すの残さないの?」


ほの父「娘が二人いる」


にこ「!………………で?……」


ほの父「上の娘はちょうど今年で10才でなぁ…」



にこ「で!だから!?…言い残す言葉は…!…」


ほの父「お嬢ちゃん…やめな…人斬りなんてよ…」


にこ「はぁ!?きゅ…急に何言ってんのよ…」


ほの父「うちの上の娘よりちょっと年上ぐらいでもまだ子供のお前さんがそんな業、背負っちゃいけねぇよ」


にこ「!?」


171 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/08(火) 01:52:13 C09pGrkk
※3年生組+A-RISEと2年生組+真姫の年齢差は5〜7くらい離れてる設定です

りんぱな+μ's妹はまだ未成年の設定
その他はっきりとした年齢は想像に任せます


とりあえずはここまで次はまた夜かな

選択肢はまだもうちょい先かな
重要選択だったんで選んだルートに深く入り込む&選ばなかったルートが勝手に展開進んだりで次安価まで長くなります

参考までに一応今は2年生ルートに突入、勿論まだ次の安価でルート変更もまだ可能です


あとずっと支援マジ感謝


172 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/08(火) 02:14:08 c4NcFl9g
喋るほのパパとかいう激レアキャラ
いいね


173 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/08(火) 07:50:23 L5ZKcz6g
キセル吹かす親父さんとか渋すぎ


174 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/08(火) 08:25:38 Ajczsiko
剣聖英玲奈楽しみ


175 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/08(火) 23:32:03 C09pGrkk


にこ「あんたに何がわかんのよ!」ギリ…



ほの父「分からねぇよ…俺がお前さんの親父だったとしてもな…年頃の娘が考えるこたぁ分からん…」フゥ…



にこ「だったら!余計なこと言わずに!大人しく…死になさいよ!」



にこは再び刀を男に振った



ほの父「でもなぁ…嬢ちゃん?」


キィン!


ほの父はキセルでにこの刀を止める


にこ「(な、何これ…刀がピクリとも動かない)」カタカタ…


ほの父「嬢ちゃんがこんなことしたくてやってる訳じゃないことぐれぇ分かるぜ…この俺でもな」


にこ「!?…う、うるさい…にこは!…私はぁ!」


ほの父「ふん!」キィン!


男はにこの刀をキセルで押し返す


にこ「!?……あ、あんた…」


ほの父「俺ぁ最期に残す言葉なんざ持ち合わせちゃあいねぇ」


キセルをクルクルと回しながら再び口にくわえる


穂の一文字を背負うその着物の片腕は袖を通しておらず、その背中はただただ満月を見ていた


ほの父「残す悔いがねぇんでな……それは俺の人生のどこを取っても幸せだったからだ……」


にこ「…!…」


ほの父「なぁ?嬢ちゃんは今幸せかい?」


176 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/08(火) 23:33:00 C09pGrkk


にこ「は……はあ!?……そ、そんなの…………そんな……の……」



……そんなの決まっている





にこ「幸せじゃない……」


にこは人斬りとして戻れないところまで行く寸前で、やっとやっとそのことに気付いた


にこは…カラン…と刀を落とす


にこ「………………」



男は鼻から煙を溢し


ほの父「しっかし…綺麗な満月だなぁ…」


と呟いた


にこ「………………」


にこはこのとき、初めて満月の美しさを知った、初めてこんなところに幸せがあると知った


にこにとって満月はただの人斬りの合図……


満月の夜の数だけ血が流れた、不幸は降りかかった



しかし、このときばかり、流れ降りかかったのは


にこ「うぅ……グス……ヒッグ……綺麗…グス…本当…ヒッグ…バカみたいに綺麗……グス……」


涙だった



男は背中でそれを聞きながら笑う


ほの父「……………またな……俺を斬りたきゃまた来い……」


男はその背のまま、立ち去る


……………………



にこ「(あの日以来……あのおっさんには会ってない……あの日以来……人斬りを辞めた……でもまさかあのときいっていた娘が穂乃果、雪穂だとはね……因果なもんね)」


海未「にこ?どうかしましたか?」


にこ「……え?ああ!なんでもないわ…ちょっとね…」


雪穂「ありがとうございました…にこさん…お姉ちゃんの刀…これは私が後から手入れしてお姉ちゃんに渡しておきます」


177 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/08(火) 23:34:05 C09pGrkk


にこ「べ、別にいいわよ…お礼なんて…」


雪穂「にこさんにはお世話になってますから」


にこ「世話なんてした覚え…」


海未「そうです…にこには私たちは本当世話かけてばかりなんですよ…だからあの一つ連れていきたいところがありまして…」


にこ「待って…もうお礼はいいわ…にこは大層なお礼を受けるような人間じゃないの…恩を感じることもしなくていい…」


海未「何を言うんですか!にことは仲良くしたいんですよ…だから私もある人を紹介したいんです」


にこ「紹介?」


海未「どうしてもにこに会わせたい人なんです…お願いします」ペコッ


にこ「ちょ、ちょっとぉ!あんたじ、自分の立場考えなさいよ!誰に頭を下げてるのよ!」


海未「恩人に…です」


にこ「や、やめなさいよ!あーもう!分かったわよ!どこにでも行くからそういうのやめなさい!」


海未「どこにでも…と言いましたね?」ニヤリ


にこ「!…………」ピクッ…


178 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/08(火) 23:35:20 C09pGrkk



そうして海未に連れてこられたのは輝夜城



にこ「ちょっとぉ!待ちなさい!………あんた!にこをどこに連れていく気よ!」


海未「…ここですが…?」


にこ「ここ遊廓じゃない!ナニする気よ!」


海未「?……だから会わせたい人がいると」


にこ「!…い、如何わしい接待する気満々じゃないの!悪いけどにこはそういうの自分で禁じてるの!」


海未「い、如何わしい?…」


にこ「遊廓でお礼、会わせたい人がいるって言ったらもう如何わしさ満点じゃない」


海未「………!………ち////ちが/////違いますよ!」


海未はやっとにこの言った意味に気付き、顔を真っ赤にするが否定する


にこ「違う?」


海未「ここに私の親友がいるんですよ」


にこ「それは…この店の海未のお気に入りの遊女ってことでしょ?」


海未「ち////違いますよ!私はそんな如何わしいことをしにここに来ている訳じゃありません////」


にこ「いや遊廓で如何わしい以外何があるのよ」


海未「ぐっ…と、ともかく!中に入りますよ!外では説明出来ませんから…(ことりのことを口外したら出禁ですし…)」


海未は、にこの腕を引っ張る


にこ「ま、待ちなさい!外で説明出来ないってもう怪しいわよ!」グッ


海未「入ればすぐ分かりますから!」


ズズズ…


179 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/08(火) 23:36:23 C09pGrkk


にこ「ちょっと引っ張らないでよ」



??「何か輝夜前が騒がしいな…」


??「あれ海未副長となんだろうあの子」



海未「とりあえず…中に入りましょう!そこからですよ!全ては!それで信用できないならすぐ出ればいいじゃないですか!ね?」


にこ「怪しい…」ジトー


海未「いいから!ささ、とりあえず!ね!入りましょう!入りましょう!」


ズズズ…


剣「う、海未副長が少女を無理矢理遊廓に連れ込んでる!?」ハッ…


仁美「……非番の日とはいえ昼間に何をやってるんだよ…」アキレ…


剣「あれ、完全に出合茶屋行くつもりですよね」


仁美「いやお前……女同士だぞ一応……」


二人は志賀仁美と剣…なにやら良からぬものを見た目をしていた


だがなんだかんだで二人は中に入っていく


180 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/08(火) 23:42:50 C09pGrkk
最後、細かいけど志賀仁美と門田剣な
剣だけ、名字すっとばしてたわ
また誤字ェ…
そんなに書き溜めれんかったから今日はここまで


181 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/08(火) 23:46:09 PsUR.qWk
おつ〜


182 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/08(火) 23:47:43 C.dhJgqg
おつおつ
楽しみに待っとるでー


183 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/09(水) 01:59:56 bZz/RhOU
ほのキチ兼ロリコンレズ疑惑うみみ副長


184 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/09(水) 02:21:40 u.GkYGvI
うみちゃん属性つきすぎやろwww


185 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/09(水) 03:10:54 EXcdbP56
何気にレズに疑問を持たないにこもアレ


186 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/10(木) 02:16:38 aPXn9aws



仁美「入っていったな…まぁ
あいつモテるからなぁ……女子に…」


剣「恋文が局所にかなり届くんでしたっけ?」


仁美「そう……そして送ってきてるのは大体あそこの遊女たちだ」


剣「すごいな〜」


輝夜城内


「きゃあああああ!」


奇声に近い声が周り全体からあがる


にこ「…………(う、うるさ…!…)」


にこは耳をふさいだ


「きいしたぁ!きいしたぁ!海未様ぁ〜!」


「海未様ぁ〜よくお出でなんし、さぁ後生だからわちきと床に入ってくんなんし」


海未に一斉に寄るのは遊女たちだった


海未「い、いや……いつもいってますが私はそういうことはですね……」


「もうじれっとうす!わちきたちとではなく、ことり様とはすることやしゃんすってしんしょう?」


海未「な!?バカなことを!私はことりとそんな関係では……」


「だったらわちきを抱いておくんなんし」


海未「それは無理です……と、とりあえずことりを指名で」


「む〜……わかったでありんす…ん?ちょ、ちょっと待ちなんし…海未様?…あの人様は?」ジロー


にこの方に一気に遊女の目線が集まる


にこ「………………(め、目線がきつい…つか海未人気過ぎでしょ!なんでこんな囲まれてる上に遊女全員から顔覚えられてんのよ…しかも会うなり抱いてって…これ…やばくない…)」


海未「あー、彼女は私の大切な人でして…」


にこ「ちょ、ぬわぁに言ってんのよ」


「た、大切な人ぉ!?」ガタッ


「なんでありんすかあれ…ことり様なら仕方なんしもあれは…」ギロ…


にこ「(だーー!やっぱりなんか睨まれてんじゃない…海未あんた鈍感過ぎでしょ…完っ全に修羅場じゃないこれ!)……あはは、矢澤にこでーす……に、にっこにっこにー!」


にこは秘技にっこにっこにーで気まずさを誤魔化そうとしたが


「………………………………」


空気が一気に冷めきった


187 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/10(木) 02:17:37 aPXn9aws


「なんだぁそれはぁ」


「おふざけはやめなんし」


にこ「(ぐは…や、やっちゃった…一気に敵に回したわこれ)…う、海未早く上に行きましょう………」


海未「え?ええ!…」


にこ「(こんの!鈍感モテ女!…見てなさいよにこだって…にこだっていつか…キャーキャー言われてやるんだから)…グス…」


海未「に、にこ…?…何を泣いてるんですか?」


にこ「うっさい!」


一方…



仁美「…………ところで剣……なんでお前俺についてきたんだよ」


剣「ん?だってあの"人斬り女士道"探しですよね?私、興味あるんで」


仁美「……遊びじゃねぇんだぞ」


剣「分かってますよ……でも仁美さんも興味あるんでしょう?」


仁美「…………まあな………」


剣「アハハハ……絵里さんもお熱ですし、何やらあのツバサ組も探してるみたいですよ"人斬り女士道"もモテモテだなー」


仁美「モテてるのかそれは……」


188 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/10(木) 02:18:52 aPXn9aws


戻って


輝夜の城内


にこにとって地獄だった


先ほど海未言い寄ってきた遊女たちは一階の者たち……しかし、それは城全体で見ればほんの一部だったのだ


二階、三階と階を上がっても同じ


海未様ぁ〜

キャーー


など黄色い声


となりにいるにこは蚊帳の外……いや……蚊帳の外ならまだマシだった


時々、海未が余計なこと言うと、冷たい視線があちらこちらから刺さる…


にこ「なんでにこがこんな目に…」


四階、五階、少し遊女たちの格が上がる


だがそれでも海未の人気は変わらない


むしろ、格が高くなったからか積極的な遊女たちも多く振り払うのに苦労した


もはやこうなると背の低いにこは眼中にすら入らずもみくちゃにされる


にこ「ゼェ…ゼェ…」


崩れた着物とやつれた顔でやっと六階への階段にたどり着く

海未「にこ?大丈夫ですか?」


海未は払いのけるのに慣れているのか涼しい顔


にこ「うっさいわよ…今あんたに付いてきたこと本当に後悔してるわ」


海未「す、すみません…」


にこ「…で?…あと何回よ…あんたの言う親友がいる場所は」


海未「あ、あと五階です」


にこ「は、はぁ!?」


にこは絶望した


189 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/10(木) 02:19:45 aPXn9aws


天守閣合わせて十一階



なんとか上りきる


本当に格が高くなると段々遊女たちも大人しくなっていた


それでも海未への目線は熱い視線でにこは面白くなかったようだが、


ともあれ…やっと…


にこ「やっとね…」


最後の階段の目の前にまで来ていた


にこ「ここまで来たら逆に気になるわ…ことり太夫がどんなやつか」


海未「フフ…さぁいきましょう」


にこ「というか…今までも一両とか二両とか結構高い値段かかれてあったけどことり太夫は一体…一刻いくらなのよ」


海未「十両です」


にこ「!!?じ、十両!?はぁ!?一刻よ一刻!?」


海未「ええ…十両です」


※改めてもう一度、30分120万円レベルです


にこ「あんた二人分で二十両よ?…持ってるの?」


海未「ええ…」


にこ「…かぁーー!やっぱ違うわね幕府の重役様は」



海未「そんなことはありません…役職で貰える金など大したことありません…大元は数え切れない汚れ仕事でのお金がほとんどです……………私としてもこんなことは不本意ですが………」


にこ「……そう……なの……(人斬り……いや…海未の立場だと天誅や刑執行人かしら……あんなの普通誰もやりたがらないからね……彼女はそれを率先してやった…なるほどそれで…仇名が…鬼…)」


にこはじっと海未を見ていた


海未「そういう貴女にも色々……その……最初は利用しようとしてました……すみません……」


にこ「良いわよ……利用されるのは慣れてる…」


海未「?」


にこ「あんたと似たようなことしてたのよ」


190 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/10(木) 02:21:02 aPXn9aws


海未「なんと…失礼ですが…そんな風には」


にこ「今はやっていないけどね…でも事実よ…だから海未…」


海未「?」


にこ「あんたも立場があるだろうからそんな仕事辞めろなんて無粋なことは言わないわ…でも…抱えきれなくなったらにこを頼りなさい」


海未「!!……にこ…………」


海未が色々と胸中では抱え込んでいることがにこには一瞬で悟れた


海未はその言葉だけで気が晴れた気がした


にこ「もう、にこたち……ただの他人じゃあないでしょ?」


海未「フフ……にこは本当に優しいですね……」


にこ「べ、別に……成り行きでここまでの縁になったからよ…………」


海未「…じゃあ……にこに出会って良かったです…」


にこ「ば、バカ……行くわよ!早く」


にこは急いて階段をかけ上った


191 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/10(木) 02:24:53 aPXn9aws
今日はここまでかな
言い忘れてたけど安価による展開によってはガチ百合注意な


192 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/10(木) 02:33:25 LwpQ/j.M



193 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/10(木) 02:52:47 5bvwZS/k
パイセン流石のイケメンやで


194 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/10(木) 08:19:23 .lyWRRG.
更新はゆっくりだけど一番続きが楽しみだわこれ


195 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/10(木) 09:18:29 gSnK2HcQ
240万ポンと支払う海未ちゃん凄まじい


196 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/11(金) 02:21:34 3juZAIDg



天守閣


ことり「はぁ〜……今日もつまらないなぁ……」


ことりは今日もまた退屈な日常に憂鬱としていた



思えば、こんなことになったのはあの日以来である


ことり「穂むら屋事変……あれ以来、ずっと一緒にいた私も穂乃果ちゃんも海未ちゃんもみんなバラバラ…」


それは8年前の忌まわしき出来事


音ノ木に君臨する二つの勢力


前園田局長率いる音ノ木見廻組


先代高坂組長率いる高坂組「穂むら」


その勢力の長二人の変死と勢力衰退を招いた大事変


穂むら屋…かつてこの輝夜城の位置にあり、今は跡形もない

宿泊兼甘味処「穂むら屋」にて起こったひどく凄惨な出来事


その存在は今や事変の経過とともに闇に葬り去られている



ことり「あのときから…何かが変わった…この音ノ木の何かが…」



スー


海未「ことり…また来ましたよ」


ことり「!」


ことりが声に振り向くと二人の影が見えた


197 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/11(金) 02:22:49 3juZAIDg


ことり「海未ちゃん?……と……誰?」


ことりは首を傾げる


海未「こちらはにこ……私の友人です」


にこ「ど、どうも…」


ことり「そうなんだ…よろしくねにこちゃん♪」


にこは驚愕した…遊女たちの頂点、今までの格の高い遊女たちでさえ、それに十分な風格と美しさはあった


にこ「…!……(な、なによこれ………)」


ことり「あれ〜……どうかしました?」


だが、この女は格が………いや次元が違った………ただ見ただけで、ただ声を聞いただけで上がってくるまでに見た全ての遊女が脳から霞んでいった


そう、美しいとか風格とかそんなんでは収まらないこの女を表す言葉は一つ


にこ「可愛い…」ボソ…


ことり「ええ?////か、可愛い!?////」


海未「に、にこ?」


にこ「い、いや!ぬわぁんでもないわよ!////////ほ、ほら…み、みんな言ってたから…」


にこは顔を真っ赤にしながら必死に言い訳


海未「みんな言ってたって誰がいつ言ってたんですか?ことりを実際見れた人なんてそうそう居ませんよ」ジトー


にこ「う、うっさいわね!…な、なんでもいいでしょ!」


ことり「か、可愛いって////そんなことりに勿体無いよ〜////」チュンチュン


海未「可愛い」


にこ「そうね可愛い……じゃなくて!時間ないんだから早くなんで呼んだのか説明しなさいよ!」


海未「そうですね…まずはことり…実はですねにこは…」


ことり「?」


海未はことりに、これまでのにことの出来事を話す


198 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/11(金) 02:23:40 3juZAIDg


ことり「そうなんだ…ありがとうにこちゃん、穂乃果ちゃんを助けてくれて」


にこ「ああもう…それはいいわよ…で、あんたが海未と穂乃果と昔からの親友ってのは…」


ことり「うん、本当だよ…ことりは今こんな感じだけど…」アハハ…


にこ「一人は見廻組副長…一人は本来なら次期高坂組組長…一人は遊女の頂点に立つ天下一の花魁…一体どういうことよ…この関係は…」


海未「昔色々ありましてね…みんなバラバラに…」


にこ「ふーん、でも…あんたは血筋的にその立ち位置なのは分かるわ…そして穂乃果もツバサに乗っ取られた…これも悲しいけれど理解した…でも……」


にこはことりを見つめる


ことり「?」


にこ「あんたはなんでただの町娘から遊女なんかに…」


ことり「!…………そ、それは……」


ことりは言い淀んだ…どうやらかなり躊躇うほどの話らしい



海未「ことり……この人なら話しても大丈夫です」


海未が優しくことりに促す


ことり「海未ちゃん……うん……もうことりも黙っている訳にはいかないよね…にこちゃん…聞いてくれる?ことりの…いやことりたち(ほのことうみ)の過去…」



にこ「…ええ…」


そのことりの真剣な眼差しににこはただただ頷いた


199 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/11(金) 02:24:17 3juZAIDg



ことり「ことりたちから全てを奪ったのはあの出来事なの」


ことりはゆっくり話し始めた


にこ「あの出来事……」


海未「……穂むら屋事変……」


にこ「穂むら屋事変……聞いたことあるわ……たしか過激攘夷志士の暴動の件(くだん)」


海未「そうです……それが起きたのは今から8年前……私たちが十と幾つかばかりのとき…あのときはまさに地獄でした…音ノ木全体が火の海…人も…そう…私たちの大切な人たちもたくさん死にました…」


にこ「………………」


ことり「私のお姉ちゃん、妹…海未ちゃんのお母さんとお父さんとお姉ちゃんと弟、穂乃果ちゃんのお母さんとお父さん…みんな死んじゃった」


にこ「…………ん?待ちなさい…穂乃果の親父さんは病気って……」


海未「原因はあのときの火事なんです……あのとき肺を痛めてしまって…いやそれでも元気にはしていたんですが、急にお母様の後を追うように…」


にこ「穂乃果のおふくろさん…」

海未「まさに事件の中心部だった、甘味処穂むら屋の女将です…一番に他人を助けることを考えるような人だったのでその…」


にこ「みんなを逃がしてたら逃げ遅れたって訳ね」


海未「そして…事件が終息し、穂むら屋が焼きつくされた後、ただ茫然と立っていた…あのときの先代組長の顔は忘れられません…」

………………


左手の人指し指と中指に挟んでいたキセルを落とし、右腕に小さい穂乃果と雪穂を抱えてたまま…


茫然とその場から動かない先代組長


ほの父「………………」


当時同じく小さかった海未は煤だらけの顔で険しく、悔しい表情の先代組長の顔見ていた


海未はあのときの光景、あのときの先代組長を今でも覚えていた


200 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/11(金) 02:27:57 3juZAIDg


海未「先代組長はたしかに言いました…無念だって……あれから数ヵ月後に……先代組長は亡くなられました」


にこ「(………何よ………にこに言った側から人生に悔い残してんじゃない……)」


海未「まぁ……それでいわゆる……孤児になった私と穂乃果、雪穂ですが…引き取り手は居たんです」


にこ「?」


ことり「ことりのところだよ………ことりの家は…正確にはお母さんが…音ノ木塾っていう寺子屋をしててその寺子屋は火事でも無事だったから…そこでみんな引き取られたの」


海未「私の父と母、先代組長と奥さんもことりのお母様と交流があったもので………ともかくそれで私たちも15の年になるまでそこでなんとか生きていけました…」


201 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/11(金) 02:30:37 3juZAIDg
…………………


こと母「流石、海未ちゃんは元々お家で学んでいただけあって優秀ね」


海未「い、いえ、そんなことは」


こと母「雪穂ちゃんも小さいのに偉いわ」ナデナデ


雪穂「あ、ありがとうございます」


こと母「穂乃果ちゃんは………」

穂乃果「…………」


こと母「もうちょっと頑張らないとね」


穂乃果「ええ!?そこ褒めてくんないの!塾長ぉ!」


202 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/11(金) 02:31:04 3juZAIDg
ことり「クス…」


穂乃果「あーことりちゃん笑ったーー!」


「お嬢……先代にそっくりでさぁ…」


「そうだったな…せめてきぃ様に似てたらなぁ」


高坂家の子分たちも苦笑い


穂乃果「もう!あなたたちまで!そこは子分らしく慰めてよ」


「す、すいやせん!お嬢…大丈夫です!親分はバカでも出来ます安心してくだせぇ」


穂乃果「それ全然慰めになってないよー!」


雪穂「いやおねーちゃんはなぐさめるほうがむずかしい」


海未「悔しければもっと勉強すればいいだけでしょうに…まったく…」


穂乃果「味方がいない!?」


ことり「プッ…アハハハ」


穂乃果「もう!あのことりちゃんに爆笑されてんじゃん!」


アハハハハハハハ


………………


ことり「あのときは楽しかったね…雪穂ちゃんも合わせて四人いつも一緒で」


にこ「ねぇ一つだけ聞いていい?」


ことり「ん?」


にこ「頭はあまりよろしくなかったみたいだけど…じ、塾行ってたってことは…その…穂乃果も字書けるの?」


ことり「うん、書けるよ」


海未「意外と達筆でしたね…」


にこ「マジか…うわああああ!なんだこの敗北感…にこなんか武士らしい教養一つもないってのに…」


海未「まぁ……それは……その…残念ですね…」


ことり「にこちゃん……」


にこ「露骨に哀れまないで!」


にこは生まれたときから剣一筋だったようだ


203 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/11(金) 02:31:51 3juZAIDg


ことり「でもね…その生活も私たちが15才のときまでだった」


………………



御用改めである


派手に壁を壊される塾



こと母「………………」


ことりの母は幕府の役人たちに囲まれ手を縛られていた


………………



ことり「なんだろうねお母さんは幕府にとって危険な思想な持っていたらしくてそこで捕まっちゃったの」


にこ「………………」



海未「勿論私たちも納得出来ませんでした…あの優しいことりのお母様が…何故…と…」



………………………



海未「塾長が何をしたって言うんですか!」


穂乃果「塾長を離せええええ!」


穂乃果と海未は幕府の役人に刀を向けて掛かっていく


こと母「よしなさい!穂乃果ちゃん!海未ちゃん!」


??「そうよ…無駄な抵抗は辞めなさい…」


キィン!キィン!


幕府の役人の前に何者かが立ちはだかり穂乃果と海未二人の剣撃を弾く



穂乃果「え、絵里ちゃん!…」


海未「え、絵里!!ど、どうして!」


当時、絵里は音ノ木塾の卒業生でよく私たちの前にも勉強を教えに現れていて音ノ木の子供たちのお姉さん的存在でした


でもどういう経緯かあの歳で見廻組一番隊組長になっていたんです


絵里「どうしても何も私…幕府の役人だもの…」


海未「あなたが見廻組なのは分かってます…あなたの夢でしたもんね…でも…恩師に、こんな仕打ちを…」


204 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/11(金) 02:34:19 3juZAIDg


絵里「立場ってのがあるのよ…子供の貴女たちにはわからないでしょうけど…」


海未「立場云々より何より大切なのは義だと!……私たちに言っていたのは貴女でしょう!!」


海未が再び絵里に斬りかかる


絵里「これが私の義よ…正義って言う名のね」


キィン!


海未「これのどこが正義ですか!!」


絵里「…チィ………しつこい……」


ガッ!


海未「ぐぁ…」


海未は鳩尾に柄突きの一撃を喰らう


海未「最低…で……す…あなたは………最低です……絵里…」


絵里「海未……このまま死にたいのかしら…」


絵里は、海未の首に刃を当てる


穂乃果「海未ちゃん!」


ことり「いやぁ!やめて!絵里ちゃん!」


雪穂「ふえええええええん!!!!」



こと母「やめて!絵里さん……私が大人しく捕まりますからどうかその子達だけは……」


絵里「………………命拾いしたわね………」スー…チャキン…


穂乃果「絵里ちゃん………」


ことり「グス……ヒッグ……なんで……どうして……こんな……」


雪穂も号泣


……………………


海未「こうして…塾は解体され……また私たちは逆戻りでした」


にこ「………………」


205 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/11(金) 02:36:19 3juZAIDg


ことり「これが第二の悲劇でもね…第三…第四の悲劇はすぐ起きたの」



さらにそれから一年後のこと


………………


穂乃果「そんな………どうして………」


穂乃果の前には今まで自分を慕ってくれていた子分たちの死体の山


穂乃果はその場に膝をついた


「穂乃果お嬢!雪穂お嬢!今日も塾で勉強頑張ってくだせぇ!」



塾に通うことも応援してくれて、早く先代を継げるようにと応援してくれていた穂乃果にとって大切な子分たちだった



??「悲劇ってもんは続くものよねぇ…穂乃果お嬢…」


返り血だらけで刀の刃に舌舐めずりしている当時、高坂組の若頭だったツバサがそこにいた


穂乃果「ツバサさん……なんで……」


ツバサ「別に…高坂組のこれからの方針をここのみんなと話し合った結果…私以外要らないって結論になっただけよフハハハ」ニヤリ


ツバサは悪魔の笑みを見せる


穂乃果「何を………何を言ってるの………ツバサさん………みんな……穂乃果の大切な………」


ツバサ「長かったなぁ……先代がくたばるのを見計らい…先代を取り巻くやつらが全て無力化するまでの月日はさ…………音ノ木の塾長………奴が最後の砦…侮れなかったよ……きぃの女将さんと似たような侮れなさがあった……」


穂乃果「……うっ…うう………」


穂乃果はそういえばと手で口を塞ぐ


206 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/11(金) 02:37:45 3juZAIDg

穂乃果「塾長!これわかんないよー」


穂乃果は教本を持ったまま机に突っ伏する


こと母「こらこら…分からないと最初から決めつけてはいけないわ」


穂乃果「分からないものは分からないもん!ねぇ教えてよ塾長!」


こと母「ふふダメです♪」


穂乃果「むー…いいもんいいもんツバサさんに教えてもらうもん」


こと母「ツバサさん?あの若頭の人よね…」


ツバサ…この名前を出したとき…このとき塾長はたしかに少し険しい顔をした…

穂乃果「そうだよツバサさん…穂乃果の組の若頭ですごく頭が良くて格好いいんだよ」


こと母「そう……でもねあの人に頼るのはやめときなさい」


人を差別したり一切しないあの塾長がこんなこと冗談でも言うわけなかった…


穂乃果「んー?なんで?」


こと母「あー……いや…問題は自分で解きなさいってことよ」ニコッ


穂乃果「えー………」



穂乃果「(あのとき…塾長は…見抜いてたんだ…ツバサさんの…本性を…)」


ツバサ「でも機は私に巡った…これで邪魔者はいない…ひひひ…はぁーはははは!!」ヨロヨロ



穂乃果「ひぃ…きゃ!」ドサッ


ゆっくりとヨロヨロと近づいてくるツバサに怯え穂乃果は躓き尻餅を付いてしまう


ツバサ「今日から高坂組は私のもの…そして…貴女も私のモノ」


ツバサが穂乃果に手を伸ばす


穂乃果「い、いやああああああ!!」


207 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/11(金) 02:39:28 3juZAIDg
本日はここまで
こっからちょっと穂乃果中心の過去が続きます


208 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/11(金) 03:57:48 Ah90SQLo
理事長有能


209 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/11(金) 12:20:21 ayJbz3MA
全員なかなかシビアやね


210 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/11(金) 18:39:16 3juZAIDg


バァン!


そのとき銃声が聞こえる



ツバサ「ぐぁ……なんだ…!…」


ツバサが腕を押さえる


穂乃果「!?」



ヒデコ「ゼェ…ゼェ…穂乃果から離れろ!クソアマァ!」カチャ


ヒデコが血だらけのボロボロな姿で銃をツバサに構え…叫んでいた


穂乃果「ひ、ヒデコぉ!」


ツバサ「痛いなぁ…つかなんで生きてんのよ…ちゃんと…始末したはずだけど?」



ツバサが撃たれた右腕を垂らして、そのまま横目でヒデコを睨み付ける


ヒデコ「あれぐらいで死ぬわけないでしょばーか!…高坂組の"鉄砲玉"ヒデコを舐めないでよ」ニヤリ


ツバサ「まるでゴキブリみたいな生命力…雑魚のくせに本当鬱陶しい害虫ね…」


ヒデコ「害虫はどっちよ…同胞の仇は取らせて貰うわ…私の命に懸けてね…」


穂乃果「ひ、ヒデコ!ダメだよ!逃げて!」


ヒデコ「穂乃果…私は命尽きるまであんたの味方だから…」


穂乃果「ひ、ヒデコぉ!」ブワァ


ツバサ「あはははは!じゃあ死ねここで!」


ヒデコ「ほらほら!いっぱぁつ!フミコ!ミカ!穂乃果を連れて行ったぁ!行ったぁ!」スー…チャキ…


ヒデコは刀"一発丸"を抜く


キィン!


穂乃果「え!?」


穂乃果の背後に二人の影


211 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/11(金) 18:40:19 3juZAIDg


フミコ「あいよ!退路を切り開くは私、高坂組の"掃除屋"フミコの出番だ!」チャキ…チャキ…


穂乃果「フミコ!」


フミコは二本の刀"孔雀二刀"を抜いて、待ち伏せしていたツバサの仲間に突撃


ミカ「穂乃果の護衛は高坂組"見張り番"ミカにお任せ!」スー…


ミカは居合刀"三枚卸"を構え穂乃果を庇うように立つ


穂乃果「み、ミカぁ…」グス…



フミコもミカもヒデコと同じくかなりケガをしており…どれだけツバサの裏切りに必死の抵抗をしていたがすぐに感じ取れた



ヒデコ「泣いてる暇なら死ぬ気で走りなさい穂乃果ぁ!あんたがここで捕まりゃ高坂組は完全に終わりよ!」


穂乃果「ヒデコ………」



ミカ「いくよ!穂乃果」


まだ心配そうにヒデコを見守る穂乃果


その手を強引に引っ張るミカ


穂乃果「ヒデコ………ごめん!死なないで!」


穂乃果は涙を振り切って走り出した


ヒデコ「おーそれは割りと頑張ってはみるよ」


ヒデコは後ろ手で穂乃果を見ずに手を振る


ツバサ「……………」ピキッ


ヒデコ「お?ちったぁ……堪えたかバカヤロー」


キィン!カタカタ…


ツバサ「はぁ?………………全然だけど?」ニヤリ


無理矢理笑顔を作るツバサだが完全に目は笑っておらずブチギレていた


カタカタ…

ヒデコ「無理すんなって…自慢のデコにシワよってるよアハハハ」


カタカタ


ツバサ「あぁ!!テメーだけにはデコ弄られたかねぇんだよ!似たようなもんだろーが!」

カタカタ


ヒデコ「本性現したなアバズレぇ!よっしゃあ!いっぱぁつ!」


ツバサ「死ねやぁぁ!!!」


ヒデコとツバサはつばぜり合いで睨み合い


キィン!


二人とも相手を押して、後退した


212 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/11(金) 18:43:02 3juZAIDg



ツバサ「大体さぁ…逃がすつって…どこに逃がすつもり?」


ヒデコ「フフン聞いて驚け!海未ちゃんのとこだよ!」


ツバサ「ククク…舐めてる舐めてる舐めてる舐めてる舐めてる舐めてる!この私を舐めてんのかぁ!フゥーハハハハハハ!」


ヒデコ「!?………何がおかしい………」



ツバサ「辿り着けやしないわ…だって…あいつらが行った退路には…」















フミコ「ぐぁ………」ドサッ


ミカ「う………そ………でしょ…」ドサッ


穂乃果「フミコ!ミカ!」


フミコ、ミカは地面に膝を付く


立ちはだかる者は息一つ吐いていなかった



???「全く…歯応えがないな…」



ツバサ「あの"剣聖"がいるのよ」


ヒデコ「!?…け、"剣聖"!?まさかあの…"剣聖"英玲奈が…」


ツバサ「隙あり」


ヒデコ「し、しまっ…」


ザクッ


ツバサ「ざーんねーん…これにて無駄な足掻きは終了よ」


ヒデコの腹部を綺麗に一突き


ヒデコ「ぐふ…………ご、ごめん…………ほ…………の…………か…………」


ズン…ドサッ


ツバサは刀をヒデコから抜くと


ツバサ「ここで死ねたら貴女はとっても格好いいんだけどねぇ……残念ながらそんな死に方させないさせてあげない…アハハハそこで待ってなさい…」


ツバサはヒデコにとどめを刺さずに英玲奈のいるところへとヨロヨロと向かった


213 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/11(金) 18:48:05 3juZAIDg
あんま書けんでごめんとりあえずはここまで
またすぐにでも書けたら書く


214 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/11(金) 19:26:18 phwaabB6
デコvsデコの発想はなかった


215 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/11(金) 19:29:30 Bv8sPMxA
神モブはいつでもカッコいいなぁ


216 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/11(金) 21:13:10 w8.690nI
ヒデコの下段構えが容易にイメージ出来た


217 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/12(土) 02:57:12 466/x0Gs


フミコ「ぐっ…うっ…」


ミカ「ハァ…ゼェ…ゼェ…」


英玲奈「まだやるのか?そんなケガで私相手に無謀だと思うが?」


フミコ「なんであの"剣聖"があんな奴に肩を持つ!」


英玲奈「ツバサとは昔から腐れ縁でな…」


ミカ「腐れ縁…?…腐れ縁でこんな非道なこと」


英玲奈「縁を大切してこそ武士道である…これが統堂一刀流の教えだ…」


英玲奈は八相に刀を構える


ミカは居合の構え


フミコは二刀の構え


フミコ「いくよ!ミカ」シュ


ミカ「分かった!」シュ


フミコ、ミカは一斉に駆け出し交差して英玲奈に斬りかかる



「「フミ二刃三閃」」



英玲奈の右からフミコの双刃、左からミカの居合一閃が襲いかかる


英玲奈「…それは三人揃っての大技…真ん中ががら空きでは…」


英玲奈は左手を伸ばし、刀を握った右手は引いて突きを繰り出す構え


英玲奈「ただ一突き…やられるだけだ…奥伝・荒突!(あらいず)」


ズギュゥゥゥゥン!


218 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/12(土) 02:57:43 466/x0Gs

凄まじい風圧とともに巨大な突きの斬風が起こる


フミコ「ぐは!」


ミカ「かはぁ!」


穂乃果「フミコォ!ミカァ!」



フミコ、ミカは突きの斬風を身体に食らい吹き飛んだ


フミコ「…まるで突風…あんな突き…人間に出来るの」ドサッ


ミカ「こ…これが…"剣聖"…」ドサッ


英玲奈「………………」ゴゴゴゴゴゴ…


穂乃果「み、みんな……死んじゃう…い、いや………いやだああああ!……う……うわあああああ!」シャキン!


英玲奈の強さを目の当たりにして穂乃果は取り乱した



フミコ「ダメ………だよ………穂乃果………」

ミカ「逃………げて………穂乃果ぁ………」


そのまま、穂乃果は刀を抜き、真っ直ぐ英玲奈に向かっていく


フミコとミカの声は聞こえていない



穂乃果「隙!機来!超飛剣!………だあああああああ!」



穂乃果は助走から英玲奈目掛けて大跳躍(イメージ、ススメ→トゥモロウ)



英玲奈「ほう………」


穂乃果「純・粋・閃・剣!!!」


上空から袈裟斬りして英玲奈に斬りかかる


英玲奈「見事な跳躍………だが……剣撃自体……見切れぬものでは…」


穂乃果「でいやああああ!」ブォン!


英玲奈「ない!」ガキィン!


英玲奈は穂乃果の純粋閃剣を受け止めた


219 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/12(土) 02:58:55 466/x0Gs


穂乃果「!?」



英玲奈「どうした……そんな顔して……」


穂乃果「(う……嘘……でしょ……この純粋閃剣をまともに受け止めた!?)」


英玲奈「柔よく剛を制す」


剛にて最強、柔にて最強



故に"剣聖"


英玲奈「ふん!」キィン!


穂乃果「きゃ……」


穂乃果は押し返される


英玲奈「どうした……親父さんはこんなものではなかったぞ……高坂穂乃果」


穂乃果「ぐっ……」


フミコ「諦めちゃダメだよ!はぁ!」キィン!


ミカ「そうそう!まだ私たちはやられちゃいない!でいやぁ!」キィン!


フミコ、ミカもフラフラしながらも立ち上がり再び英玲奈に斬りかかっていく


穂乃果「フミコ!ミカ!…くっ……」キィン!


穂乃果もそこに加わる



英玲奈「フッ!……三人がかりか?いいだろうそれくらいで調度いい」


英玲奈は三人の刃を受け止めながら未だに余裕に笑う


英玲奈「ふん!」



ブォン!


フミコ「ま、まず……」バッ


ミカ「た、退避ー!」バッ


穂乃果「うわわっと……」バッ



英玲奈の力強い振りに三人に一旦後退


英玲奈は肩に刀の峰を置いた


英玲奈「一人でも私の隙を突いてみろ」


220 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/12(土) 02:59:59 466/x0Gs

穂、フ、ミ「………………」




しばらく静寂


四人そこからピクリとも動かなくなった



穂乃果「穂乃果が行くよ」



穂乃果がまず先手



穂乃果「えいや!」


綺麗な横斬り


英玲奈「甘い!」キィン!


英玲奈はそれを捌く


穂乃果「わわ!」


英玲奈「貰った!」



よろけた穂乃果に一撃………


フミコ「させない……」


英玲奈「とは中々いかないか」キィン!


そこにフミコが飛び込む、英玲奈はなんなく受け止める


フミコ「………(ここは蹴りで隙を誘う)」


フミコは二本の刀での英玲奈とのつばぜり合いにて力任せに押す


英玲奈「力任せで私は………」


フミコ「狙いは崩すことじゃない!とりゃ!」


フミコは英玲奈に前蹴り


英玲奈「!……」バッ


英玲奈は跳んで後退、蹴りを見事に回避


しかし


ミカ「隙やり!」


ミカが待ち伏せたように一瞬で間合いを詰めて抜刀


英玲奈「!………なるほど……中々の併せ技……見事!…だが…」


ファン!


ミカ「なっ…」


すでに抜刀していたミカより速く英玲奈の刃がミカの首に翳される


ミカの刃は英玲奈の手によって弾かれていた


英玲奈「その程度の速さ…欠伸が出る」


221 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/12(土) 03:02:54 466/x0Gs


フミコ「バカな…」


穂乃果「まだだよ!でいやああああああ!」



穂乃果はそこから再び跳んだ


英玲奈「………またか………」


穂乃果「純・粋・閃・剣!」


穂乃果はたしかに間髪入れず英玲奈に跳んだ…しかし


英玲奈「一度ですら見切った技……不意打ちなら食らうとでも?……よく見ろ空中だと横っ腹ががら空きだ」


英玲奈は逆に自分も跳び横に一閃


穂乃果「し、しま…」ゾクッ



穂乃果は空中で翻って後退


穂乃果「っと……」ツー


頬に傷がつく


どうやら英玲奈の斬撃は回避して尚、穂乃果に届いたようだ


穂乃果「…危なかった…あのままだと…上半身と下半身が完全に分かれてた」


英玲奈「なんという身のこなし…咄嗟の回避としては見事だな」


英玲奈もあの空中での穂乃果の動きは素直に賞賛


だが…


英玲奈「……………」



フミコ「見切られたら最後……あいつに大技は逆に危険だね」


ミカ「力も速さも並みじゃないし」


穂乃果「隙が一切ない……ね…」



未だに戦いにおいては三人かがりでも圧倒的に不利だった


222 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/12(土) 03:11:09 466/x0Gs
ここまでで
過去話が思ったより長引きそう

ちなみにヒフミの刀は元ネタの侍道から引っ張ってきてます
特にヒデコは侍道で俺が一番好きなキャラが元ネタです


223 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/12(土) 19:47:16 K.DDsHzc
英玲奈強すぎィ!


224 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/12(土) 20:43:16 466/x0Gs


しかし、穂乃果もだんだんと冷静になってきていた


穂乃果「あと一度だけ……一度だけ……大技でいって見よう…」


フミコ「え!?」


ミカ「正気!?穂乃果?」


穂乃果「うん…勿論…私の超飛剣じゃだめ…でも三人いればあれが出来るでしょ」


フミコ、ミカ「!!!」


フミコ、ミカはハッとしてお互いを見つめる


穂乃果「ヒデコの代わりは穂乃果がする…いくよ!」


英玲奈「なんだ?」



穂乃果「…」カチャ

フミコ「…」カチャカチャ

ミカ「……」スー…


三人は静かに横一列に並ぶ…


英玲奈「まさか…先ほどあの技か」


「フミ二刃三閃!!」


英玲奈「今度は三人…なるほど完全版という訳だな…いいだろう受けて立つ…見せてみろお前たちの全力」


英玲奈はただ刀を地面と水平に持ち静かに構える


225 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/12(土) 20:45:28 466/x0Gs


穂乃果「ハァ!」シュ


フミコ「だぁぁ!」シュ


ミカ「でいやぁ!」シュ


穂乃果は正段


フミコは二刀


ミカは居合



三人は一瞬で駆け出した


英玲奈「来い…」



英玲奈はピクリとも動かない



三人は交差して、誰がどこから来るか分からない


英玲奈はただ目を瞑る


右にフミコ!左にミカ!


フミコ、ミカ「ほフミ!」


そして少し遅れて真ん中に穂乃果


英玲奈に一斉に襲いかかる


穂乃果「一発!」


フミコ「二刃!」


ミカ「三閃!」


ほフミ「「「どりゃああああああああ!」」」















ザァン!ザァン!ザァン!


斬撃音が聞こえる


英玲奈は目を見開いた


英玲奈「ふん!」キィン!


英玲奈はただ一払い


226 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/12(土) 20:47:25 466/x0Gs


穂乃果は



信じられなかった


考えたくなかった



三人は同時に今駆けてきた場所に戻されていた


いや吹き飛ばされていた



穂乃果「ぐ…」ドサッズササササ…


フミコ「がっ…」ドサッズササササ…


ミカ「うぅ…」ドサッズササササ…


無傷の英玲奈と地面に大の字に倒れる三人




三人はやられた…完膚なきまでに…



穂乃果「そんな…私たちの全力が…」


フミコ「こ、これが…"剣聖"…!?…」


ミカ「なんてやつ………!」



英玲奈「やれやれ…他愛もない……ん?遅かったな今頃来たのか…」


ほ、フ、ミ「!?」


英玲奈の背後から来た人物に三人はさらに絶望する


英玲奈「ツバサ」


ツバサ「はぁ〜い♪皆さんこぎげんよう♪」ニコニコ


ツバサは嫌らしい笑顔で地面に倒れる三人の前に現れた


227 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/12(土) 20:49:22 466/x0Gs


穂乃果「い……いやぁ……」


フミコ「お前ェ…」


ミカ「ひ、ヒデコはどうした!アバズレ!」


ツバサ「んー?駆除したと言えば?どうなるの?」


フミコ「!?………そんな………ヒデコ………」


ミカ「嘘………だよ………ね………」



穂乃果「い、いやぁ…そんな…嫌だよ!…ひ、ヒデコぉ…」グス…グス…


ツバサ「あらぁまさに絶望…って顔してるわね…特に穂乃果さん…あなた本当…そそる顔してるわぁ…大丈夫……私が慰めてあげる……ほら……」


ツバサは地面に座り泣きじゃくる穂乃果の目の前にしゃがみ、涙を拭った


穂乃果「嫌!触らないで!」パシン


全力で否定し、手を叩く


ツバサ「」ザクッ


穂乃果「みんなの…ヒデコの仇!貴女なんか大っっっ嫌い!」


ツバサ「」ザクッザクッ!


穂乃果の言葉で白目で硬直したツバサ


ツバサ「どういうこと…………なんで………穂乃果さんは………私に………惚れないの…?……」


英玲奈「それ…マジで言っているのか…お前…」アキレ


ツバサ「……やりすぎたのは分かってるわよそりゃ……でも一周回って………ほらその………」


英玲奈「ないない…(なんだ一周回ってって)」


ツバサ「まぁともかく………それはおいおい惚れさせるということで…さぁて穂乃果さん?もう観念してついてきなさい」


穂乃果「しないもん!貴女に服従するくらいならここで」


シャキン!


穂乃果「ここで死ぬ!」


自分の首に刀を当てる



ツバサ「!?」


フミコ、ミカ「ほ、穂乃果!?」


228 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/12(土) 20:50:45 466/x0Gs


ミカ「ダメだよ穂乃果!落ち着いて!」


フミコ「そうだよ!私たちが何のために……」


ツバサ「そ、そうよ…穂乃果さん…そういう冗談はやめなさい…お姉さん別の意味でドキッとしちゃうから」アセアセ


穂乃果「穂乃果は本気だよ…そうしないとヒデコに申し訳が立たない…あの世でヒデコに詫びてくる」


その瞬間、穂乃果はグッと首に刀を押し付けようとした



ツバサ「のわぁ!」


ガシッ


ツバサはその手を慌てて掴んだ


ツバサ「ま、待ちなさい…あ、あいつは…ヒデコは…まだ生きてるわ…」


フミコ、ミカ「!?」



穂乃果「え……え…」



ツバサ「私にはやられたけどまだ生きてる」


穂乃果「本当?」ジワァ…


ツバサ「ホントウコレホントウ」


英玲奈「なんでカタコトなんだ」


穂乃果「うわあああああん!よがっだー!ビデゴォォ!」ブワァ


フミコ「ヒデコ………」


ミカ「グス…良かった…」


ツバサ「くっそー…なんであんな女なんかに泣いて……私も前髪伸ばすか」


英玲奈「いや違うそこじゃない」


穂乃果「は!?でも怪我してるって…ヒデコたちを治療してあげてよ!綺羅!」


ツバサ「き、綺羅ぁ!?呼び方綺羅ぁ!?」ザクッ


英玲奈「自業自得だ」


穂乃果「いいから!早くヒデコたちを…」


ツバサ「フフフ………どの立場でいってるのかしらぁ………穂乃果さん?………」


穂乃果「?」ビクッ


229 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/13(日) 04:58:34 sPS6ip72
綺羅すき


230 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/13(日) 21:55:34 XpVg5nok



ツバサはフミコとミカの目の前に行き、刀を突き付ける


フミコ、ミカ「!?」


ツバサ「ヒデコだけではなく、こいつらの命をどうするも私の自由なのよ?」


穂乃果「!?…い、いや…やめ…」


ツバサ「やめて欲しいならただ一つ…貴女が私の組に降ることよ」


英玲奈「急に悪に戻るなお前は」


穂乃果「そ…それは…」


ツバサ「貴女が降れば…こいつらの命は見逃し自由にしてあげる」


穂乃果「!?…本当!」


フミコ「ダメ!穂乃果!私たちのことはどうでもいいから!」


ミカ「そうだよ!そんな口車乗っちゃダメ!私たちは穂乃果があいつらの仲間になったって死ぬまで取り返しにくるよ!だから…ぐぁぁ!」


ツバサ「少し黙ってろ」ニコニコ


ドカァ


231 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/13(日) 21:55:58 XpVg5nok
ツバサはミカの腹を思いっきり踏みつける



穂乃果「やめて!」


ツバサ「んー?聞こえないないわねぇ…」ギギ…


ミカ「ぐぇ…がはっ…が…」


ツバサはさらに強くミカを踏みつける


フミコ「やめろ!」


ブォン!キィン!


フミコ「ちっ!…邪魔ぁ!」


英玲奈「…………」


フミコは斬りかかるが英玲奈に止められる


ツバサ「流石英玲奈……さぁ……穂乃果さん?」


穂乃果「っ!?………………」


ミカ「だ………だ……め………ぅあぐぅ………」


ツバサ「早く決めないと殺しちゃうわよ……」


穂乃果「………………わ、分かった………仲間になる………だからヒデコ、フミコ、ミカは解放して!」


フミコ「バカ!なにを……」



ツバサ「決まりね」ニヤリ


ツバサはミカから足を離す


ミカ「………ッ!?……ゲホ!………ゲホ!…」


穂乃果「ミカ!」


ミカ「ば、バカ!………私なんか………見捨てれば………良かったのに」


穂乃果「バカはそっちだよ!」ギュ


ミカ「!?」


穂乃果はミカを抱き締めながら怒鳴った


232 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/13(日) 21:58:16 XpVg5nok


穂乃果「こっちの気も知らないで!ヒデコも!フミコも!ミカも!三人共勝手に命捨てようとして!嫌なの!もう誰かが目の前で死ぬのは嫌なの!ミカは………ヒデコたちは………穂乃果の大切な友達だよ…」


フミコ「!?……と…友達…?…」


ミカ「へへ…何言っているの?穂乃果…私たちは穂乃果の子分であって世話役ではあっても友達では…」


穂乃果「友達だよ…海未ちゃんやことりちゃんに負けないくらいの!大切な大切な友達…だから…死なないで…」


ミカ「ほ、穂乃果ぁ」グス


フミコ「(私たちのことをそこまで…)」グス


フミコとミカは涙を流した


穂乃果が対等に扱ってくれたのが嬉しかったのだ


ツバサ「はいはい素晴らしい素晴らしい友情ねー(棒読み)」パチパチパチパチ…


面白くない顔をしたツバサが適当な返事と適当な拍手をしながら水を差した


ツバサ「こいつ…穂乃果さんに抱きつかれやがって…いつかピーーをピーー!して○す!」


ツバサはぶつぶつと英玲奈にだけ聞こえる声で呟いた


英玲奈「個性が激しいなお前…」


ツバサ「さぁでも別れの言葉も済んだみたいだし…さ、穂乃果さん?」


穂乃果「…………じゃあね…………」ニコッ


穂乃果は立ち上がり悲しげな笑顔を見せてツバサと歩き始めた


英玲奈もそれに着いていく


フミコ「い、いや!穂乃果ぁ!」


ミカ「ダメ……やめて……行かないで……」












その時だった!



??「誰の許可の得て!!穂乃果を連れていってるんですか!」


??「そうだよ!絶対許さないチュン!」


233 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/13(日) 21:58:29 .V6tNTYU
いつもありがとう
見てるぞ


234 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/13(日) 22:01:59 XpVg5nok
今日はここまで
長引いたからはよ過去話終らせたいが最近私生活の方が忙しくてあんまかけんスマン


235 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/13(日) 22:04:12 .V6tNTYU
おつおつ
リアル大事にな


236 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/14(月) 00:31:51 d17UrrSk
無理せずにね
面白いぞ


237 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/14(月) 10:18:30 81X8zvTg
ツバサとかいう情緒不安定女


238 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/14(月) 22:06:49 my8Wh8LE



ツバサ「ちっ……厄介なのが来たか……」



英玲奈「あれは……」



海未「ヒデコから聞きました……ツバサ貴女は許すまじ!」ブチギレッ


海未が居合の構えで英玲奈の前に


ことり「戦いはあまりしたくないけど……ハノケチェンの危機なら仕方ない!私も戦う!」ゲキオコッ


ことりが槍を構えてツバサの前に現れる


穂乃果「!?」


フミコ「ことりちゃん!海未ちゃん!」


ミカ「や、やった!間に合った!」


ツバサ「……で?……貴女たちなら私たちに勝てるとでも?」


海未「勝てる勝てないではありません勝つんです!」カチャ


名粋"鈴三守"


ことり「これ以上悲劇にはさせない!」カチャ


暴槍"彩真打"


ツバサ「そう……やはり貴女たち幼馴染みとの戦いは避けられないって訳ね…」カチャ


妖刀"血桜巡"


英玲奈「やれやれ…完全に私はとばっちりだな」カチャ


霜降"真宝"


二対二


四人は見合う



穂乃果「海未ちゃん……ことりちゃん……」



四人「はああああああ!」キィン!!!!


239 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/14(月) 22:07:30 my8Wh8LE


ツバサ「ちぃ!退きなさい!穂乃果さんは私と今すぐ籍に入るのよ」


カタカタ…


ことり「そんな………無理矢理はいけないよ……」ギギ


海未「園田流奥義皆伝、園田海未です以後お見知りおきを…"剣聖"英玲奈殿」


カタカタ…


英玲奈「ほう…あの園田流か…興味深い…」ギギ


バッ!!


四人は同時に後退


ツバサ「戦いはど素人かと思ったらやるじゃない南さん」


ことり「南家に伝わる護身術内田槍術…とくと見よ!」


ブォンブォンブォンブォンブォン


ことりは槍を手際よく交差に振り回す


パシッ!


ことり「はぁ!」


ツバサ「ちぃ…槍使い相手に…片手じゃ厳しいか」キィン!


ツバサは未だに利き腕の右腕は怪我したままぐったりと垂れていた


ことり優勢



海未「はぁ!はぁ!はぁー!」キィン!キィン!キィン!


英玲奈「ふむ……中々の太刀筋……全て私を追い込むには理にかなってる」


海未「同じ名門である統堂一刀流の対策は叩き込まれていますからね」


英玲奈「なるほど……手強いな……」


英玲奈は素直にそう言った


こちらは未だに互角


240 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/14(月) 22:08:54 my8Wh8LE


しかし、そんな時もずっと続くわけではなく…


ツバサ「しゃあ!」ブォン!


ことり「おっと!」バッ


ツバサの斬り上げをことりは見事に回避


ことりは槍を地面に突き立て、槍の回りを開脚して旋回


カァン!


ツバサ「ちぃ!」


ツバサを自分に近づけさせない、槍ならではの見事な範囲だ


フミコ「ことりちゃんすごい!い、いける!いけるよ!」


ことり「(いや………この戦い…ツバサさんに勝つことじゃない…長引けばやられる…だから私にやれることはただ一つ)」


ツバサ「抜かせ!」キィン!


ことりは槍でツバサを捌きながら頭の中で状況を整理した


穂乃果が高坂組邸からヒデコの決死の足止めでこの裏町まで逃げてきた…しかし、そこに待ち構えていたのは英玲奈


実力を見るにこの面子の誰も英玲奈にはタイマンでは勝てない


海未も今は食い止めているが………



海未「はぁ!」キィン!


英玲奈「………」



未だに焦る様子すらない英玲奈がこの程度で負けるはずはなく


海未もそれは分かっていた


海未「(ことり………撹乱はもう十分…後は)」


ことり「(任せて…間を見て、穂乃果ちゃんは連れ出す)」


ミカ「?」


二人は目で会話する


241 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/14(月) 22:10:20 my8Wh8LE


ことり「………」



ツバサ「………何を伺っているの?南さん?私の隙かしら?ざーんねーん…私はそう簡単に…」


ことり「隙あり!」ブォン!


ことりはツバサの会話の途中唐突に突き


ツバサ「突けないわよ!」ヒョイ!


ツバサはなんなく避けた


ことり「そこから払い!」


ツバサ「無駄ぁ!無駄ぁ!」


ツバサは体を反り払いもスレスレで避ける


ツバサの強さは見切りの眼力にある


ミカ「お、惜しい」


ツバサ「ばーか…生半可じゃ私は抜けないわ」


ことり「くっ…」


形勢はすぐに変わるもの


英玲奈「大方お前の狙いは分かった……足止め、か……実に己の実力を分かっていて結構だが………」



英玲奈は自分の着物の中に手を突っ込み……


ドスン!


海未「……!?……」


ドスン!ドスン!


体からとても重量がある何かを外した


英玲奈「この私は足止めすら難しいことを教えてやろう」


フミコ「お、重り!?…まさか…今の今まで私たち相手にあんな重そうな重りをつけて戦っていたの!?」


ミカ「そ………そんな………無理だよこんなの………」


海未「舐めてくれますね」ギリッ…


英玲奈「フッ悔しいならば来い」


242 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/14(月) 22:12:02 my8Wh8LE


海未「言われなくたって!」


海未は抜刀して袈裟斬り


英玲奈もその海未に合わせて刀を振る


キキィン!


海未「なっ!?」



海未が大きく弾かれ仰け反った


英玲奈「どうした?園田海未?」ニヤリ


しかし、驚愕の次は悪寒


英玲奈の口角が上がると同時に寒気を感じた


海未「ま、まずい!来る!」


英玲奈「統堂一刀流、断神!」


ガキィン!ドォン!


英玲奈渾身の縦斬り



海未「ぐぅ………ああ!」ズササササササ


海未はなんとか英玲奈の斬撃を受け止めるが、威力に圧され後ろに後ずさる


フミコ「海未ちゃん!」


海未「くッ!…ハァ…ハァ…なんて…力………これが貴女の本気ですか」


英玲奈「いや、まだまだだ」シュン


海未「!?」


海未の前にいたはずの英玲奈は海未の背後に来ていた



海未「ば…ばかな…!?」



英玲奈「ほらどうする?」ブォン!


海未「ぐうぅぅ!!」キィン!


ガタガタガタガタガタガタ


海未はなんとかまた英玲奈の降りかかる刃を受け止めるが力に押し負けて体勢を潰されそうになっていた


海未「ああああああ!(な、なんですかこの力…大木が私に倒れてきたみたいです)」


顔を歪めながらなんとか踏ん張っていた


243 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/14(月) 22:13:53 my8Wh8LE


ツバサ「ははん、英玲奈、本気出しちゃったか…園田さん可哀想に…下手すりゃ死ぬわ」


ことり「(海未ちゃん……)」



英玲奈「中々耐えるな…」


海未「あああ!…なんの…!…これしき…!…」


ガタガタガタガタ


海未は最後の一線では持ちこたえていた


体全身を震わせ英玲奈の迫り来る刃を押し返す


英玲奈「ほほう…押し返すか…」


海未「ぐぬぬぬぬぬぬ!」


しかし、英玲奈が未だに涼しい顔なのを忘れてはいけない


海未が全力で自分の体勢を持ち直したところで


フワァ


海未「ひ、ひゃあ!」


英玲奈は力を一気に抜いて海未を受け流しよろけさせる


拍子抜けて間抜けな声が出る海未


英玲奈「力任せだけじゃ私とは張り合えんぞ」


英玲奈が今度こそ捉えたと刀を海未に振り下ろす


海未「ぐっ………はぁ!」バッ…ズサー!



海未はよろけたついでにそのままわざと転けて、地面を滑べりながら受身


英玲奈「ふん!」ブォン!


サシュ


英玲奈の刀の間合いから間一髪、離脱する


海未の青い髪が何本が斬られたが海未は辛うじて無傷


海未「ゼェ…ゼェ…これは…少しばかり不利ですね…」


ツバサ「フン…何が少しよ…強がっちゃって…」


穂乃果「もう嫌だよ…もういいよ…海未ちゃん…ことりちゃん」


穂乃果も首を横に振り、顔を覆う



片膝立てた状態で乱れた息を整えながら海未も状況を整理する


244 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/14(月) 22:16:54 my8Wh8LE


海未「(情けないですが今の英玲奈の相手をするのは得策ではありません………ん?ツバサがこちらを見てますね…ことり…)」


海未は気づかれないようにことりに合図


ことりも無言で無動作で了解…


ことりはそれを穂乃果になんとなく伝える


ことり「(穂乃果ちゃん…)」


穂乃果「(ことりちゃん…分かった…二人を…信じてる…)」


このやり取りはたった一瞬…そう

英玲奈が海未に切りかかる間の


たった一瞬で行われた目だけの意志疎通


ツバサも英玲奈も気づきようがなかった…


まさに幼馴染みの連携だった


245 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/14(月) 22:17:19 my8Wh8LE
海未「ちぃぃ!」キィン!


英玲奈「まだまだ甘いな!」ギギ


海未と英玲奈の鍔競り合いが始まったときだった…


まず穂乃果がことりの方へ走り出す


穂乃果「今だ!逃げろ!」



ツバサ「なっ!?」


ツバサが不意を喰らい後ろを振り向き、穂乃果を捕まえようと左手を伸ばす


いやその途中で気づいて…中断


しかし、そのときすかさずことりはもう動いていた


ツバサ「くっ!?…し、しまっ…」



ことり「内田流奥義!竜顎破棄!」


ことりは槍先をくるくる回しながらしならせてツバサの左手目掛けて突く



ツバサ「く、クソが!舐めるなぁ!そんな大振りの突き!強引に弾けば怖くもない!」


ツバサは狙われた左手を動かしやって来た槍を刀で弾こうとする


しかし、ことりはそれを読んでいた


ことり「それこそ狙いだよ…一発で目当ての箇所に攻撃が当たるなんて到底思ってない…」


ツバサ「!?」


ツバサはそこで本当に気づいた…やってしまったと…


カァン!


ことりの槍はたしかに弾き返した


これでことりには隙ができた…斬ればいい…しかし…


穂乃果「うおおおおおお!」



間髪入れず穂乃果が刀を振りかざして向かってきていた


246 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/14(月) 22:19:08 my8Wh8LE



ツバサ「くっ…不自然に清々しいほど逃げたのはそのため…」カキィン!



反応の速いツバサは穂乃果の不意打ちの縦斬りにもすぐに対応した


しかし…


ことり「えい!」パァン!


ツバサ「ぐあああ!」キィン!



クルクル…トス!



ことりの槍がツバサの足元から真上に上がり、ツバサの左手に柄が強打


刀を強制的に吹き飛ばした


そしてすかさず、穂乃果がツバサの首に刃を翳す


穂乃果「勝負あり!観念して!綺羅ツバサ!」


ツバサ「ちぃ!」



英玲奈「やれやれ…とんだドジを踏んだな」


ツバサ「うるっさい!」


247 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/14(月) 22:21:28 my8Wh8LE
ここまでで…とりあえず次更新で過去は終わる
支援感謝しますありがとう!


248 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/14(月) 23:43:27 014lS4Ic
おつおつ
見てるでー


249 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/15(火) 01:49:28 Ob/DrU2o
断神断神ノンストップマイ断神

竜顎破棄がなんの文字りなのかわからん


250 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/15(火) 01:54:06 zVB/7t7k
留学破棄


251 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/15(火) 03:32:16 n1rQc0do
ああ忘れてた
どうでもいい訂正が一つ
竜顎破棄は竜顎破鬼で書いたつもりが破棄になってた
まぁどっちでもいいです
あ、元ネタは留学破棄で正解ね


252 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/15(火) 09:14:21 UkF99gYY
さすが幼なじみ


253 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/16(水) 04:23:41 JZRUAC5U


穂乃果「……貴女だけは…!…」ギリッ


穂乃果は刀をギュっと握りしめ、ツバサを睨む


ツバサの首にあてがった剣先は震えていた



ツバサ「あら……怖い顔……でも貴女に私を殺せるかしら」


穂乃果「!………………」スチャ…


海未「…穂乃果…貴女が手を汚す必要など…ここは私が…」


ことり「海未ちゃん!ダメ!(海未ちゃんだって手を汚しちゃいけない…それなら私が殺る…!…)」


フミコ「そうだよ…私が殺す」フラフラ


ミカ「私も忘れないでよね」フラフラ



フミコ、ミカはヨロヨロと立ち上がる


ことり「二人共!それもダメだよ!(穂乃果ちゃん、フミコちゃん、ミカちゃんが人を殺めたら高坂組に全体にとってよくない…やっぱり…私が…)」


254 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/16(水) 04:25:57 JZRUAC5U
英玲奈「フッ…まだ私がいることを忘れるているな」



海未「!?…し、しまっ…」


ドコォ


海未「うぐぁ!…」ドサ…


英玲奈は肘で海未の横腹を突く


穂乃果「海未ちゃん!」


海未は衝撃に耐えられずその場に倒れる


そして一瞬で…フミコ、ミカの背後


フミコ、ミカ「!?」


シュ!シュ!


英玲奈「寝ていろ…」



フミコ「あっ……」ドサ


ミカ「うっ…………」ドサ


英玲奈の手刀で二人も頭を地面に伏せる


ことり「みんな!……くっ!…」



英玲奈「あとはお前と穂乃果か…」


英玲奈はことりに近づく


255 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/16(水) 04:26:17 JZRUAC5U
ことり「何故…殺さなかったの?貴女ならさっきの一瞬で…」


英玲奈「いやいや…殺していると流石に時間がかかる……だが…おい高坂穂乃果…ツバサから刀を引け……でなくば!」シュン!


穂乃果「!?」


ことり「!?…ピィ!(しまった…でもこの人速い!…速すぎる…)」


英玲奈はことりの背後から首に手をかけ刀を向ける


穂乃果「ことりちゃん!」


英玲奈「南ことりを殺すぞ」


穂乃果は即座に刀を終う


チャキン!


英玲奈「フッ…潔いな…」バッ



英玲奈も即座にことりを解放する


ことり「!」


すると一瞬で英玲奈と穂乃果の場所が入れ替わった


穂乃果「ことりちゃん大丈夫!」


ことり「ほ、穂乃果ちゃんなんで…」


穂乃果「ことりちゃんの命の方が大事…それに迷っていたら本当に英玲奈さんはことりちゃんを一瞬で殺してた」


256 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/16(水) 04:27:10 JZRUAC5U


負けてはしまったが英玲奈との戦いで穂乃果も感じ取っていた


英玲奈は冗談で殺すとは言わない人物だと


英玲奈「まったく…これで振り出しだ…こっからどう穂乃果を奪還する?」


ツバサ「いえ、退いた方が良さそうね」


英玲奈「ん?…珍しいな面倒くさいほどしつこいお前が……!?」


ツバサ「気づいたみたいね?……いや仕方ないわ…気配の察知が速い私ですらこうなるまで気づかなかった…」


英玲奈「私とお前がここまで囲まれるまで気づかないとはな」



いきなり、ツバサと英玲奈は周りを気にし始めた


海未「フフ…どうやら…来てくれたみたいですね…」


海未は地面で倒れたまま、笑う



英玲奈「一体誰が来たと?」


ツバサ「もう誰でもいいわ…厄介なのはたしかだし…」


















海未「絵里」


「!!!!????」


海未の言葉に


そこにいるもの全員が驚いた


裏町の町影に隠れていたのは当時の音ノ木見廻組一番隊


絵里「御用改めであるってとこかしら」


257 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/16(水) 04:28:25 JZRUAC5U


穂乃果「え、絵里ちゃん!?」


ことり「なんで絵里ちゃんがここに…」


絵里「なんでって見廻組がこんな騒ぎを見逃す訳ないでしょ…(まぁ実際、海未からの通報だけどね)」


ツバサ「(囲まれただけじゃない…待機させていたうちの部下がみんなのされてる…ちっ…)」


絵里「来てみれば案の定…大物が捉えられたわ…ねぇ"反骨の"ツバサ…"剣聖"英玲奈…貴女たちに二人の過去の罪状はすでに調査済みよ…」


※このときはツバサの異名が違います


英玲奈「どうする?ツバサ…私たち一気に追うものから追われるものだぞ…」


ツバサ「捕まるわけにはいかないわズラ駆るわよ」


ツバサが立ち上がり埃を叩いて立ち去ろうと刀、"血桜巡"を拾おうとしたとき


絵里「私が逃がすと思う?」サッ


英玲奈「むっ…!…」サッ


絵里が物凄い速さでツバサに斬りかかるが英玲奈もいち速く気付いて


二人は


ガキィン!


衝突した!


バキィ!


絵里「"剣聖"統堂英玲奈ね?…私は音ノ木見廻組一番隊組長…絢瀬絵里よ…以後お見知り置きを」


英玲奈「知っている…知らない方がおかしい…見廻組始まって以来の天才をな」


ガタガタガタガタ


ピキピキ…バキィ!


絵里「それは光栄ね…」




穂乃果「じ、地面が…!?…」


ことり「わ、割れちゃった…」



そう、二人の交わる刀の丁度境目が刀のぶつかる衝撃で線引くように割れた


258 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/16(水) 04:29:24 JZRUAC5U


ツバサ「(い、今のは英玲奈が止めてくれなきゃやばかったわ……まあ……あとは適当に頼んだわよ……英玲奈♪)」シュン!



海未「なっ……一瞬で…消えた……!?…」


絵里「縮地よ…彼女は特に速いみたいね」


海未「縮地?」


英玲奈「最速の移動術だ…剣義を極めたものならある程度は出来る」シュン!


英玲奈は縮地で一瞬、絵里から離れた


海未「!?」



絵里「無駄かもしれないけど貴女たちはツバサを追って!」


「はっ!」


隊員は散り散りにツバサを追った


絵里「さて、私は…英玲奈…貴女だけでも」シュン!


絵里も縮地で英玲奈と間合いを詰める


海未「え、絵里まで…」


英玲奈「くどい!」キィン!


シュン!


絵里「逃さないわ!」シュン!


キィン!


シュン!


キィン!


シュン!


シュン!


二人は音だけ残して、目に留まらぬ戦いを穂乃果、海未、ことりの前で繰り広げた


ことり「あわわわわ…絵里ちゃんも英玲奈さんも全然何がなんだか…」キョロキョロ


ことりは目を凝らし音を頼りに首を動かし捉えようとするが捉えられず困惑


穂乃果「!?…………」ポカーン



穂乃果はいろんな出来事からの驚愕の戦いで開いた口が塞がらない


海未「くっ………情けない……」ガンッ


海未は自分がどれほど井の中の蛙か……思い知り、地面を拳で叩いていた


259 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/16(水) 04:31:41 JZRUAC5U


………………………


海未「そのあとは絵里も英玲奈、ツバサを見失って敢えなく撤退」


ことり「なんとかヒデコちゃんたちも穂乃果ちゃんたちも無事だったけど………」


にこ「穂乃果は失意のどん底って訳ね……………でもよくそんだけ穂乃果は狙われてこの5年ほど逃げられたわね…」


海未「穂乃果は上手く隠れていました我慢強く…でも見つからなかった一番の理由は…あのとき、ただでは逃がさない主義の絵里の部隊がツバサ、英玲奈以外のツバサの仲間をほぼ壊滅させていましたから実質上は高坂組と同時にその裏切り者たちもどちらも壊滅したんです…」


ことり「だけど……あのアマ…チュンチュン…ツバサさんはここ数年で完全復活した……ただの反乱からの完全に組織を乗っ取り…新たな新興勢力としてね…そうなるまでは流石のツバサさんも穂乃果ちゃんを探す暇はなかったみたいだけどまた最近になって」


にこ「それが今って訳ね……穂乃果の過去は良くわかったわ……でも待ちなさい……あんたがここにいる理由は?未だに意味がわからないんだけど」


海未「そう…それが第四の悲劇…その数年で現れた新興勢力はそのツバサ組だけではなかったんです」


にこ「?」


260 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/16(水) 04:32:18 JZRUAC5U


三年前


海未「ことりが誘拐された!?」バン!


海未は局所の壁を叩いて激昂した


海未「どこのどいつですか!答えて下さい!絵里!」


当時、見廻組副長の絵里の胸ぐらを掴み揺らす当時、見廻組二番隊組長の海未


絵里「落ち着いて海未」


海未「これが落ち着いていられますか!さぁ!早く!どいつですか!殺してやります全員!」


絵里「いいから聞いて!……はぁ…最近…倒幕派の動きが盛んなのは知ってるわね?」


海未「!?……え、ええ」


絵里「そいつらはかつての塾長の危険思想…あれを心酔する過激派なのよ」


海未「塾長の!?」


絵里「幸い、塾長自体は穏健派だったみたいだけど…倒幕思想には変わりない……絶対に過激派に目をつけられこうなることは必至だったわ……だから速めに潰すしかなかった私たち見廻組がね」


海未「(絵里があのとき…塾長を捕まえたのはそういう理由が……やはり私はまだまだ青二才のようです)…………ですが……それがことりとなんの関係が…!…」



絵里「塾長の思想を歪んだ解釈して塾長を神格化した組織よ……その奴らにとって娘のことりは…」


海未「!?ッ……絶対に手元に置いておきたい存在…」


絵里「そうよ…だからこそ…海未もう一度落ち着いて……今、私と海未は得体の知れないそんな奴らを相手にしようとしているの……下手に動いてことりが無事で見つかる可能性は?……むしろ今は奴らを刺激せずそっと様子を見た方が得策…そうは思わない?」


261 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/16(水) 04:33:36 JZRUAC5U


海未「…得策…ですが……ですが!ことりが!」


絵里「海未、よく…考えて…塾長はこういうときなんて言ってた?」


海未「………………」


海未は片っ端から塾長の言葉を思い出していた


「志があるのならば人と異なることを恐れないで」


「立場より義で動きなさい」


「世俗に流されるのは恥ずかしいことよ」


「貴女たちはどうか無駄に時間を過ごさないようにね」


「人の差に賢、愚の差はあっても一、二の差はありません」

全て塾長の言葉だった


海未は考える


今自分は成すべきは



そこに再び塾長の言葉が聞こえる



「真に義があるなら大局を冷静に遠く遠く見なさい…機さえ間違えなければ必ず義は果たせます」



海未はハッとした…これだと、海未はスッキリした表情で答える


海未「ことりは生きています…奴らは殺すためにことりを拐った訳ではないですから…あとは助け出す機を伺う…何年かかろうとも」


絵里「よく言ったわ…そう奴らが尻尾を出すまで………でもこれは賭けよ……もしもことりが殺されたりでもしたら………そのときは………」


海未「やめて……ください…絵里…今は…やめてください…」


262 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/16(水) 04:35:43 JZRUAC5U


…………………


海未「それで私は気が気ではない状態でことりがこの輝夜にいると分かるまで待っていました」


にこ「よくそんな決断できたわね」


海未「ことりを信じていましたから……とは言っても奴らの調査は怠りませんでしたが」


にこ「それで……この輝夜に何故……ことりは……」


ことり「それはことり自身が話すよ………あのね…海未ちゃんの言う通りことりは連れ去られた後も意外と普通の生活をしていたの…」


扱いとして自分たちの神…の娘、手荒な真似はしなかった


ことり「むしろ、その人たちもその人たちなりに考えがあってことりを拐ったみたい…」


にこ「幕府から手を出させないように…か…」


ことりの母は倒幕派…という幕府の認識ならばことり自身が倒幕派と幕府に認識される日もそう遠くはなかった



ことり「そう、あのあとことりが住んでいたところには幕府の役人が来ていたの…きっとお母さんと一緒で捕まえるために…」


海未「遅かれ早かれことりは拐われていた…」


ことり「だから倒幕の組織の人は真っ先にことりを拐った…そして…今…夜に輝く城という最大手の幕府からの隠匿所を作った…遊廓はただの囮…実際はことりのためだけの城…」


にこ「あんただけの匿うための場所!?…い、いやそれにしては…」


ことり「目立ち過ぎる?…ううん目立ち過ぎるから逆に…今まで気づかれていないの」


ことりは説明した


本名であることりを敢えて源氏名として使う、それに幕府の役人も一町娘の本名までは知らない…

下の遊女たちもことりの顔を一切知らないし、知れない

ことりのことは口外は不可


町民は会うことすらできない


たまに噂を聞き付けたお金持ちの客が来ても想像を越える破格の値段を言って追い出す


263 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/16(水) 04:36:51 JZRUAC5U


このことを知っているのは


海未、穂乃果、雪穂、絵里のみ


そのうち会うのが許されるのは10両払えるものだけ


元友人とは言え立場が皆違うために信頼度として払って貰う


あとのことりと面識ある者は本物のことりは行方不明という認識


ちなみに源氏名のことりは"小酉太夫"となっている


海未は勿論、絵里でさえこの事実は幕府を裏切って隠している


説明は以上


ことり「とまぁこんな感じかな…そのお陰でいままでなんとかバレてないよ…」


にこ「……あんたは本当にそれでいいの?」


ことり「?」


にこ「あんたはこのまま一生こっから出られないんでしょ……それでいいの?」



ことり「いいよ……だって結構不自由ないし……たまに海未ちゃんが来てくれるし」ニコッ


にこ「(嘘ね……明らかに無理をしてる……海未もことりに心配かけまいと自分が手段を選ばずにことりに逢うためのお金を作ってることを言わない……この子も同じ…自分が籠の中の鳥であることに嫌気がさしていることを唯一会えて唯一言える海未に言わない……)」


264 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/16(水) 04:38:05 JZRUAC5U


にこ「(こんなの……絶対にお互いのためにならないわ……はぁ……しょーがないわね……)」



選択肢

※重要ではないですが好感度には影響します


1、海未の話をことりに言う


2、咄嗟に後ろにある山積みの文を一枚取る


3、海未に何故ことりを連れ出さないのか聞く



安価下


265 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/16(水) 04:41:33 JZRUAC5U
書き忘れてた
海未とことりはお互いの本音を実は薄々は感じている
今日はここまでで支援感謝

安価下


266 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/16(水) 05:43:09 y/2JpFqs
2かな


267 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/16(水) 09:11:22 sFTL2d1s
エリチカ強いんだね


268 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/16(水) 09:36:33 Rzy7RDZ2
2年組は話の中核っぽいからどんどん進めたいけど、未だに凛ちゃんの手がかりすら掴めてないのはマズそう


269 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/16(水) 20:42:23 DNkiF2gQ
凛ちゃん気になるな


270 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/16(水) 22:56:41 j2NSnLJE
侍フォーエバー目指してまんべんなく関わっていきたいな


271 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/17(木) 01:17:45 NtpJTq7Q


にこ「嘘ね…」


ことり「へっ?」


にこ「こんな過去を送ってきてこんな場所に入れられて不満もくそもないなんておかしいのよ」


海未「ことり…」


ことり「そ、そんなこと………」


にこ「大体……この山積みの文は何?」


パサ…


にこは一枚手にして取る



ことり「あ!だ、ダメ!」


ガッ…………ピン!



海未「!?…ことり…貴女………」


にこ「ん?…!?…あ、あんた」


ことり「へ?な、何…………!?…………あ…………」



ことりは慌ててにこから文を取り返そうとして、立ち上がった…………






そう、ことりはいつしか輝夜に入ってから言っていた


全く膝が動かなくなったと…


信憑性は皆無だが海未もことりの言うことだから信じた


だが今はどうだろう


ことりは普通に立ち上がっていた


にこもまた海未から聞いていた話と違っていたことに驚いていたが


それよりも気になったのは…


にこ「膝が動かなくなった…なんでそんな嘘ついたのよ…」


この疑問だった


272 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/17(木) 01:18:48 NtpJTq7Q


海未「ことり…私からもそれは聞きたいです…」キッ


ことり「あ……うぅ…」


ことりは海未にまで問われたが一向に言い淀む


にこ「………私は……今非常に甘いものが食べたい……」パシャパシャヒラヒラ


ことり「うわあああああ////////」



にこは唐突に手に取った文を読み始める


にこ「特にふわふわしたものが食べたいな」


海未「…………」


ことり「やめてやめてやめて////////」ブンブン


ことりは耳を手で塞ぎ首を横に振る


にこ「ほむまんが食べたい……穂乃果ちゃんに会いたい…海未ちゃんに会いたい…」


ことり「や、やめてーーー!!!!」


海未「ことり…」


にこ「普通の女の子としてまたあの二人と普通に話したい、遊びたい、過ごしたい」ガシッ


ことり「やめてよ!にこちゃんバカぁ!バカぁ!」


ことりはにこに掴みかかり文を取ろうとする


にこは慌てることなくひょいっと翻して再び読む


にこ「本当は助け出してほしい…ここから出してほしい…でもそれは叶わぬ願い…だから私は嘘を吐く…膝が動かないと…ここから出られなくてもいいんだと…」


ことり「あ……グス……やめ…
…てよ……」ズン


ことりは諦めたように床に再び沈むようにしゃがみ込んだ


にこは文を丁寧畳んでことりに差し出す


ことり「?」


そして一言


にこ「とんだワガママ娘ね」ニヤリ


273 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/17(木) 01:20:02 NtpJTq7Q

ことり「わ、ワガママじゃないもん!」


にこ「不満の数だけ文がある……ワガママの数だけ文が山になる…あんたはすごいワガママなやつよ……でもね……」


ことり「!」


にこはポンと手をことりの頭に手を置く


にこ「それでいいじゃない……」


ことり「だ、ダメだよ!私がワガママを言えばまた皆が無理をして……」


にこ「だからって?あんたが無理をするの?バッカじゃない……」


ことり「…何よ………にこちゃんに!私の何が分かる…!?」ギュ


にこはいきなりことりを抱き締める


ことり「に、にこちゃん…?…」



にこ「海未…いいかしら」


にこは海未に部屋から出るように目で合図


海未「!…………フフ……ええ分かりました」


274 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/17(木) 01:20:46 NtpJTq7Q

海未は少し驚いたがしばらくしてにこの行動の意図を理解した


……………………


しばらくして



海未は天守閣を後にする



天守閣にはにことことりの二人


ことり「に、にこちゃん……なんでずっと抱き締めて……」


にこ「ずっと……抱き締めて欲しかったんでしょ」


ことり「!?」



にこ「書いてあってわよ……誰か私を抱き締めてって…寂しいって…………まぁ流石ににこもこいつぁ恥ずかしすぎるって思ったから読まなかったけどね」ニヤリ



ことり「///////い、意地悪////」


にこ「あーはいはい意地悪で結構結構…んで…どう?」


ことり「……………………」



にこ「なーんか感想言いなさいよバカ…せっかく言いづらいだろうと思って海未退散させたのに」


ことり「……………別に…………何もないもん…………」プイ


にこ「ほうほう…このにこ様の抱擁に感想が一言もないとはいい度胸ね…」


ことり「……………………」


にこ「わーっかったわよ…悪かったわよ勝手に文読んで…」


にこはことりから手を離し、後ろを振り向こうとした


にこ「んじゃあ…もうそろそろ…一刻立つか…!?」パシッ


ことり「…嫌だ……」


にこ「………………何が?…」


ことり「…もっと抱き締めてくれなきゃ嫌だ…」


にこ「フッ…………ったく…しょーがないわね…このワガママ娘は」ギュ


にこは再びことりを抱き締める


ことり「むー…ワガママになれってにこちゃんが言ったんじゃん…」ギュ…


ことりはにこの胸に顔を埋める


ことり「硬い…」


にこ「しばくわよ!」



ことり「でも…………暖かい…………」



にこ「…………そう…………」


275 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/17(木) 01:23:59 NtpJTq7Q


海未「フフ…あんな子供みたいなことり初めて見ました…ありがとうございます……にこ……」


海未は出ていったフリをして影ながらそれを見ていた


海未「一人は延長……お願いいたします……」


海未は再び10両を輝夜の客引きに差し出し、自分は出ていった



※海未のにこに対する好感度が上がりました

※ことりのにこに対する好感度が上がりました

※穂乃果のにこに対する好感度が上がりました


※その他にこに対する好感度も変動しました


海未→にこ、信頼


ことり→にこ、親愛


穂乃果→にこ、恩義


雪穂→にこ、恩義


ヒフミ→にこ、恩義


276 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/17(木) 01:30:48 NtpJTq7Q
今日はここまでで
一応ルートは大まかに言うと4ルート
一年、二年、三年、A-RISEとなってます
勿論大まかに4ルートなので細かいルート分岐はもっとあります


277 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/17(木) 01:40:11 NJS5gGfA
A-RISEルートあるのか…
2年組いい感じ、乙


278 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/17(木) 08:57:24 A9QK4eko
きゃわたん


279 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/17(木) 12:26:31 ocEESsXI
侍道がつい懐かしくて一から読ませていただきました
とても面白い読み物を読ませていただき感謝します
ところでこのシリーズ恒例として当時はまださほど有名でなかった
みゆきちことかの沢城みゆき女史がシリーズ当初から声を当てていましたが
今ゲーム中で沢城女史が声を当てていたキャラに該当する人は今後出てくるのでしょうか?


280 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/17(木) 16:02:50 INmEAOnc
>>279
穂乃果→かすみ
ことり→舞風+すず
海未→知床+史実の土方歳三
絵里→郷四郎+史実の近藤勇
希→中村さん
真姫→弦庵+吉兆
花陽→さよ
凛→???
あんじゅ→京次郎
ツバサ→半左衛門
英玲奈→鉄心
ヒデコ→坪八
フミコ→団八
雪穂→堂島
亜里沙→チェルシー+史実の沖田総司
一応うっすらとイメージしたのはこんな感じ?
その他は侍道キャラのモデルではない感じかな


281 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/17(木) 16:35:29 YQ4K0BiU
貴重なにことりすばら


282 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/17(木) 21:04:23 QYf4OkZ2
にこハールートはないんですか!?


283 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/18(金) 01:08:41 w4/X/Xl2
にこハーというか全員と仲良くは出来ます
が誰か一人をにことの好感度を上げすぎたらもう…
現時点で好感度一位はことり
なんか一気にはね上がりましたが
にこが貧乏侍である限りことりとの出会いフラグが少ない分、一回の選択肢での上がり幅が大きい感じですね
穂乃果があんまり上がらなかったのは今までもこれからもにことのフラグは結構立つ感じなのでまだ直接込み入った話していない穂乃果は恩義止まりです…

ちなみに好感度は
宿敵、憎悪、殺意、悪印象、関心あり敵意、関心無し、面識無し、知己、好印象、好意、恩義、信頼、親愛、愛情、にこキチ

一応こんだけとなっております。特殊好感度にあんじゅのお気に入りがありますがこれは親愛と殺意が共存してる感じです


今日は更新出来ません…あ、日付変わったのかまあ明日更新になるかな
人付き合いでカラオケ行ってたもんで今日は何も書いてないですスミマセン

なんかまた質問があればネタバレにならない程度で答えます


284 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/18(金) 02:20:12 Fh0LzooM
お疲れ様、年末ともなれば人付き合いもやり残した仕事も多いもの
続きは気長に待っております
>>280
ありがとうございます


285 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/18(金) 07:58:07 Wb2Cuo3k
おつ
待ってます


286 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/18(金) 22:11:18 w4/X/Xl2


にこは輝夜を後に…


にこ「さて……どうするかな……」


海未「……私はことりを救いたいです」


にこ「わーってるわよ……でもどうすんのよ……あの輝夜の裏に何がいるか分かっていないし…それが分かったところでことりが自由になる環境は揃わない…」


輝夜から出してもいずれ幕府に狙われる


海未「うーん……全盛期の高坂組なら幕府からも目を盗めるのですが……」


にこ「そんなデカかったのね……でも今やツバサってやつの天下……高坂組ってのはもう名ばかり…………ん?…なぁんか臭いわね」


海未「え!?ちょっと!?わ、私は毎日体は洗ってますけど……」



にこ「違うわよ!誰があんたを臭いつったのよ」


海未「?」


にこ「怪しいとは思わない?幕府も脅威だと言われる勢力それが高坂組…それが突然襲う悲劇…穂むら屋事変で親分の死去、ツバサの裏切りで勢力失墜…盛者必衰の世の中にしても流石に急すぎる」


海未「……た、たしかに悲劇が重なりすぎてはいますが…昔からツバサの野心は本物でした、それが運悪く穂むら屋事変後に爆発したとしか」


にこ「そうそれよ!一番怪しいのは最初の穂むら屋事変ね…本当に過激攘夷志士の仕業?…幕府に対抗し得る勢力高坂組のいる…この音ノ木を燃やして奴らに何の得があるの?」



海未「!?…た。たしかに…」


にこ「むしろ奴らなら江戸中心部を混乱させた後に音ノ木全体を味方にしようとするんじゃないの?」


287 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/18(金) 22:12:06 w4/X/Xl2

海未「ですが…それだと…一体誰が…」


にこ「決まってるじゃない…高坂組の勢力が栄えることを一番恐れていたのは他でもない…幕府よ」


海未「!?………え………にこ!?……幕府があの事変を………いや………それは流石に………」


にこの言葉に流石の海未も疑問を呈し困惑する


しかし、にこは冷めたような溜め息をつき言う


にこ「はぁ……海未……あんたにこんなことを言うのは酷かも知れないけどね……幕府の闇は深いわ…あんたや絵里みたいなクソ真面目なやつはすぐに利用されるわ……上のクズ共にね」


海未「………貴女は幕府の一体何を知っているんですか……?…」


にこ「色々知ってる……あんたよりも絵里よりもね……」ガシッ


にこは海未の両肩に手を置きそう言った


海未「で、では……穂むら屋事変は幕府の仕業だと……」


にこ「それだけじゃなくそこから繋がる惨劇は全て……とにこは考えてるけど流石に全て幕府のせいという確証までは持てないわ……」


海未「………………」


にこ「ごめんなさい……こんな話………あんたは立派な幕府の役人……見廻組副長なのに……」


海未「いえ……にこがそう思うなら……私も信じます」


にこ「!?……あんた……」


海未「私はにこのこと信頼してますから」ニコッ


海未は笑顔でにこにそう言った


にこ「海未…あ、ありがとう…」


288 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/18(金) 22:32:58 w4/X/Xl2


にこは少しくすぐったい気持ちに駆られる


にこ「と、とりあえずこれからの行動よね…」


海未「幕府…幕府ですか…」


にこ「ことりにしても穂乃果にしても幕府が敵なのは確実ね…そして海未あんたにも油断していれば牙を剥いてくるかもしれない…」


海未「………………」ゴクリ



にこ「そんなことはこのにこがさせないわ…でもまぁ情報が不足してるわね」


選択肢(通常)


1、ここ数年での幕府の行動記録…絵里が知っていそうね


2、何にしてもツバサが最大の敵ね…奴らの目的も未だに謎…にこの感では元穂乃果の仲間であるヒフミと言われているあの三人が鍵



3、穂乃果は今ケガしてるのよね…また狙われたら一たまりもないわね…まずはあの娘の安息の地の確保


4、輝夜にはまだ謎が多い…かといって調べるにしても何から調べたらいいか分からない…そんなときふと希が頭に思い浮かぶ


※全選択肢において海未が動かせます

同行させるか、また別行動(1〜4の中から)させるかも選んでください


ここである程度のステータス


海未、名粋"鈴三守"


耐久値3


構え、居合


常に刀を鞘に納めており、斬る寸前まで相手に刃を見せない構えで一瞬の隙で敵を斬り捨てる超反撃型

なお、攻撃を受け止められると刀の耐久値が自分も敵も減りやすい傾向にある


にこ


名刀"空丸"宝刀"東山金剛"


耐久値3


構え、空丸は下段、片手、東山金剛は正段


空丸下段はとにかく速い地を剃るような突き"土竜突き"があり、上段に強い、神速突き型、力もそこそこ、安定さがある型


空丸片手は身軽さを駆使して走り回りながら相手の背後を取ることに特化した八艘飛び回避型、にこが一番得意な型、ただし火力は他に比べ劣る


東山金剛正段はとにかく力任せな重量大振り型、速さが足りない型ではあるがある程度の敵ならにこは居合斬りと無音殺で対処できる


安価下


289 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/18(金) 22:39:02 kFxUNpCM
にこは1で海未は3


290 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/19(土) 01:49:13 zMXHgO/g
選択肢
にこ、1

海未、3

にこ「とりあえずにこは絵里のところに行くわ」


海未「…妥当ですね…まぁ幕府のことならこの音ノ木では絵里が一番詳しいでしょう…」


にこ「やっぱりそうよね」


海未「あ、あの私も着いていっても?局所から私が一緒にいた方が…」


にこ「いいわよ…あんた今日は非番なんでしょ?それをにこと一緒にだなんて逆に怪しまれるわ…」


海未「で、ですが…私も何かお手伝いを…」


にこ「うーん…手伝いつってもねぇ………あ!」


海未「!?…どうかしました?」



にこ「手伝いとかじゃないけど大事なこと…思い出した…」


海未「?」


にこ「穂乃果よ穂乃果!…真姫のところで安静にしてる穂乃果……今、あいつら(ツバサ)に見つかったらまずいんじゃないの?」



海未「!?……た、たしかに……で、では…」


にこ「決まりでしょ…あんたは穂乃果の護衛、そして安置を確保これで行きましょう」


海未「分かりました…では早速」シュン!


にこ「って速っ!……………縮地使うほど!?…ったく穂乃果やことりのことになるとああなんだから…」


にこ「にこはゆっくり行くわよ…縮地使うのだるいし…」


こうしてにこは見廻組局所


海未は真姫の診療所に向かった


291 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/19(土) 01:50:48 zMXHgO/g

にこside




にこは局所前に来ていた


時間は昼過ぎ


前に来たときにはここで希と門前払いを受けたが今はどうだろう…



にこ「さて、絵里はいるのかしら…流石にこのまま勝手に局所に入るのはダメよね」



にこは周りを見渡す


そこに絵里のような金髪の少女がいた


にこ「お、あの娘、見かけによらず組長位っぽいわね丁度いいわ」


にこは金髪の少女に駆け寄り言った


にこ「ね、ねぇちょっと聞きたいんだけど」



???「え?は、はい!」ビクッ


少女はビクッと肩が動いた


にこ「(まだ若いわね…)ごめんなさい…急に…ええと…絢瀬絵里局長はいる?いるならちょっと会わせて欲しいんだけど…」


???「お、お姉ちゃんですか?…え、えーと…はい、いますよ…」


にこ「お姉ちゃん!?」


???「あ、ああ申し遅れました…私、見廻組一番隊組長絢瀬亜里沙って言います…絵里局長の妹です」



にこ「妹!?…しかも…一番隊!?…嘘…でしょ…」


当時最年少で見廻組最強一番隊組長に選ばれた絵里よりもさらに更新して現在最年少一番隊組長に選ばれた絢瀬亜里沙ににこは愕然とする


亜里沙「えへへ…ごめんなさい…私みたいなのが一番隊組長で…」


292 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/19(土) 01:58:13 zMXHgO/g


にこ「本当に見えないわねー…で、亜里沙…絵里はいるの?」


亜里沙「居ますけど…お姉さんはお姉ちゃんの友達?」


にこ「友達…うーん友達ってほどでもないけど…まぁ…知り合いではあるわ」


亜里沙「?」


にこ「そういや紹介遅れたわね矢澤にこよ…言えば多分、絵里なら分かると思う…ちょっと悪いけれど亜里沙呼んで来てくれる?」


亜里沙「矢澤にこさん……か……(なんかどっかで聞いたことある気が……)………はい…お姉ちゃん呼んできます」


にこ「悪いわね……」




絵里の部屋に駆けていく亜里沙


ダッダッダッ……シャー!スタン!


にこ「意外と近場だったわね」


絵里「こら戸を乱暴に開けないの亜里沙」



亜里沙「お姉ちゃん!お友達の人来てるよー」


にこ「言い方軽っ…妹とは言え仮にも上司でしょ」


絵里「……お友達?………わ、私に………友達なんかいないわ……人違いでしょ……」


にこ「…絵里……悲しい……言い方が悲しすぎるわ…」


亜里沙「でも!矢澤にこさんって人が」


絵里「!……にこ?……」


シャー!スタン!


絵里「にこ?何の用かしら……今ちょっと私忙しいんだけど」


にこ「(あんたも開け方乱暴じゃない……)ちょっとね…!……」


しかし、ここでにこをハッとする


にこ「(ど、どう聞こう…直に幕府のここ数年の動きって聞く?…いや絶対怪しまれるわ…それにちょっと今絵里ピリピリしてるっぽいし…ここは…)」


絵里「……ちょっとね?…何?冷やかしならやめ…」


にこ


選択肢(好感度)


1「あんたの顔が見たくなったのよ悪い?」


2「忙しいって何やってんの?」


3「あんたたち姉妹は立派ね……ちょうどにこにもこれぐらいの妹が…」


安価下


今日はここまでで
こっからちょっと安価が増えます


293 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/19(土) 02:06:39 /15ZIeBA
1


294 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/19(土) 17:20:50 nzZB9oYY
絵里は敵に回したくないしね


295 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/19(土) 18:31:29 zMXHgO/g


にこ「あんたの顔が見たくなったのよ…悪い?」キリッ


絵里「え?////////」



絵里がいきなりのにこの言葉に顔を照らす


亜里沙「おー」



亜里沙は何故か感心していた


にこ「ん?……どうしたのよ…」


絵里「あ、あの〜…その////う、嬉しいんだけど////その私も…今忙しくて…あ、後でいいかしら////////」モジモジ


絵里はモジモジと完全に純情乙女と化していた


にこ「…?……何照れてんのよ…」


亜里沙「(そりゃ照れるよ……でもお姉ちゃん可愛い……)」


にこ「よく分かんないけど後で話聞いてくれるのね……じゃあ待つわ…」


絵里「い、いやそれは悪いわよ」

にこ「別にいいわよ…あんたとどうしても話をしたいのよ(今の幕府の現状にこも早く把握したいしね)」


絵里「ええ、そんなに///////(う、嘘…にこが私と話したいだなんて…!…)」


にこ「…なんなら待ちきれないくらいなのよにこは…(後手に回るとまずいからね)」


絵里「あ、ありがとう////////(ま、待ちきれないくらい!?……こ、ここまでなの…!…嬉しい…!…嬉しい…!)」グス


にこ「はぁ?なんでお礼言いながら泣いてんのよ…」



亜里沙「フフ…(多分勘違いだけど良かったねお姉ちゃん)」


296 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/19(土) 18:51:32 zMXHgO/g
今日はもうちょい更新できるけど
チョットマッテテー


297 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/19(土) 19:12:32 XnejYIRs
待ってる


298 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/20(日) 00:40:09 2ezk8Nhw
面白い


299 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/20(日) 00:56:44 XAOzd3dA


しばらくして


絵里「い、いいわよ…は、入って///」


にこ「え、ええ…入るけど何そんなソワソワしてるの?(まさか幕府を深く詮索するってことバレた!?…)」


絵里「そ、そうね…お、落ち着くわね…」


にこ「(ま、まずいわね…ここは…)そ、そう言えば…絵里はさっき何を忙しそうに調べてたの?」



絵里「ん?…ああ…あれはちょっとここ音ノ木に入る凶悪犯の情報をまとめてたのよ」



にこ「おぉ〜…それは気になるわね(これは…情報収集に結構近づいたわね…幕府が今狙う凶悪犯は一体…)」


絵里「え?気になる?(こんな物騒な話でいいのかしら…にこは私と楽しい話をしたいんじゃ…)」


にこ「ま、まぁ最近物騒だし…ちょ、ちょ〜っと気になるのよね…」


絵里「そう…(にこでもやっぱり物騒なことは嫌いなのね…)」


にこ「で?…その凶悪犯っていうのは…」


絵里「現在、この音ノ木に集まってきていると情報があるのは7人よ…まず、"人斬り"あんじゅ…その名はもうすでに天下でも轟く大罪人だけに音ノ木に来たときからうちの同胞がずっと目をつけていたんだけど…見事に返り討ち…惨殺死体として局所に送り返してきたわ」



にこ「…………(やっぱりあいつはイカれてるわね)」


絵里「今も尚、私たちの目を掻い潜り、辻斬りを繰り返している………しかもあの"女帝"ツバサの剣客にもなってるみたいだしさらに警戒が必要なの…」


にこ「こ、こわいにこ〜(て、適当に)」


絵里「にこ…(あんなに強いにこでも怯えてる…そうね…相手はあのあんじゅだものね…)大丈夫よ…にこは私が守るわ」


300 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/20(日) 00:58:54 XAOzd3dA


にこ「あ、ありがとう…絵里は頼もしいわね」


絵里「お礼なんて…見廻組として当然よ」フフン


にこ「あはは、それで?他には?」


絵里「え?あ、あの…そんな一人ずつ聞きたい?怖いやつが7人いるじゃダメなの?」


にこ「どんなやつか知ってなくちゃもしものとき何も出来ないでしょ……も、もし襲って来たら…に、にこぉ怖くて…グス…夜も…寝れない…グス…」


調子づいたにこはか弱い乙女の演技がだんだんと大袈裟になっていく


絵里「にこ……な、泣かないで!わ、分かったわ…それでにこが満足するなら話す…話すから…だから泣かないで?ね?」ギュ


絵里は完全に、にこを強そうに見えても実はか弱い乙女だったと信じ込み…先ほど自分になついて来たのもあって庇護欲に駆られ抱き締めた


にこ「ありがとうにこぉ」ニヤリ


にこの抱き締められて肩に乗せた顔は完全にしめしめといった表情


絵里「二人目はさっき"女帝"ツバサ…冷酷、残忍、狡猾…質の悪い悪党の三拍子揃った本当に厄介な奴よ…欲しいものならどんな手段を使っても手に入れる…そんな奴の今欲しているものは三つ…争い、支配、穂乃果よ」


にこ「…………(絶対穂乃果は入ってるのね……こいつも本っ当にブレないわね……だけど……他二つは野心そのもの…まだ満足してないところを見るとあいつが欲しいのは高坂組にとどまらずさらに上の支配って訳か)」


301 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/20(日) 01:00:42 XAOzd3dA


絵里「………三人目は、堕ちた"剣聖"英玲奈…質実剛健、清廉潔白…そんな彼女だったけれどツバサと組んで行動してからは悪事も躊躇いなくやるようになった…


基本的な性格は変わってなくてぶっ飛んでいるあんじゅやツバサと比べるとまともな奴だけど


やっぱり少し冷血な眼をするようになった


でも何よりも厄介なのはその負けなしの強さよ…

過去に二度引き分けを喫しているだけで残り60幾度の戦いにおいて全勝」



にこ「………(相変わらずの伝説ね……)たった二度の引き分けって?(一人は穂乃果の親父さんだろうけど)」


絵里「一人は高坂組先代親分……もう一人……これは……噂の域を出ないけど……」


にこ「で、出ないけど……?……」


絵里「ツバサみたいよ」


にこ「…それはまたまたやばいわね……(本当だとしたら…ツバサ組は個人戦力ではこの音ノ木では断トツじゃない…)」


絵里「英玲奈に関しては私も…勝てるかは怪しいわ…過去戦いにもならない程度だけど彼女と殺りあった…でも隙がつける気がしなかったわ……」


にこ「…どんだけ強いのよ英玲奈……あー…それで四人目は……」


絵里「四人目ね………四人目はその英玲奈の妹分"仕置人"御堂優理…冷静沈着を徹底した汚れ仕事もお手のものの凄腕の暗殺者…彼女の暗殺成功率は10割…つまり、一切の失敗無しでここも英玲奈の妹分らしく完璧よ」


302 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/20(日) 01:24:36 XAOzd3dA


絵里は続けて言う


絵里「だからまぁツバサ組には気を付けることね…危ない奴ばかりだから…それでツバサ組以外の危険人物なんだけど…」


にこ「………」


絵里「私もここからはよくは知らないの…調べてもほとんど供述がない…不自然にまるで消されたみたいにね」


にこ「!?」


絵里「でも…まぁ通り名だけは…聞けたわ五人目は貴族や豪商の屋敷で大規模な盗みをやらかす盗賊で盗む前には必ず鐘を鳴らすことで有名だけど神出鬼没で正体不明、"輪廻半鐘の"義賊

六人目は本当に謎に謎だらけ…詩を吟い不吉な予言とともに去っていく"さすらい"の吟遊詩人…

分かっているのは女ということと彼女が通ったところは必ず不幸が起こると言われているわ…

どちらも謎に満ちているけれど町民からの黒い噂が音ノ木や音ノ木周辺で絶えないわ」


にこ「………」


絵里「にこはこの二人を知ってるかしら?この二人のことを知っているなら逆に聞きたいくらいなの」



にこ「………いや……初耳よ……(そいつらは知らない……知らないけど……恐らくそいつらの情報を消したのは幕府……本当にただの盗人と吟遊詩人なら情報を消すほどの存在じゃないわよね……)」


303 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/20(日) 01:26:42 XAOzd3dA


絵里「そう……それじゃ……最後の七人目……これは……今私が一番目をつけている奴なの」


にこ「……」ゴクリ


絵里「奴に関しても私が知っている情報が少ないの……でも……その悪名はすでに天下では伝説級……世の人々から満月の夜を奪った史上最悪の人斬り」


にこ「!?……」



にこはそれを聞いた途端に確信してしまった……



絵里「供述にはこう書いていた……ある一夜で幕府の重鎮を何人も暗殺、ある一夜で公家の一門を皆殺し、ある一夜で勝手に悪人に天誅……そしてそれを見かねた幕府が送り込んだ刺客はことごとく返り討ち……そして……私は……この次の供述を見てこれほど怒りに震えたことはないわ……」



絵里は続ける


にこは皆まで言わなくても次に絵里が言うことが分かっていた


絵里「……この…この…!…人斬りは!…挙げ句の果て自分の一族まで皆殺しにした!!!!許せない!家族をなんだと思っているの!私の周りには幼い頃から親に不自由していた穂乃果たちがいた…!…妹の亜里沙がいた…!…私は…私は…許せない!この人斬り…"人斬り女士道"を!!!!」ガァン!


にこ「………………まったくもって……そうね……返す言葉がないわ……」ギリ…


そう……絵里が一番の憎しみ込めて言う凶悪犯は



かつてのにこだった


304 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/20(日) 01:27:44 XAOzd3dA
今日はここまでね


305 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/20(日) 08:23:10 0oVoOrHo
おつ〜
にこえりルートはなかなかに難儀しそうだな


306 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/22(火) 13:40:05 .tPyZM7Y

絵里「だからこいつは私が見つけて私の手で斬るつもりよ」


にこ「……そいつが許せないのは正しいけれど…でもあんたがそんなやつのために手を汚す必要はないわ……」




絵里「そんな覚悟私はとっくに出来てるわ……悪・即・斬…ここに義も理もいらないって…」


にこ「!?…(この目…本気ね…)」


絵里「それにね…私は…早く幕府に認めさせなければならないのよ…絢瀬という一族が一流だってことを…」


にこ「認めさせる…?…どういうこと?」


絵里「……私と亜里沙の髪って金髪でしょ……」


にこ「え、ええ……」


絵里「眼も碧眼だし…これはね……私の一族はずっと昔から異人の血が色濃く残っていて…皆こんな感じなの…珍しい家系でしょ?」


にこ「……ええ……」


絵里「でもね……やはり他人から見たら珍しいを通り越して気味が悪いって……ずっと差別されて迫害されてた……」


にこ「そんな……」



絵里「それでも……辛かったけど……それでも耐えてお婆様、お父様、お母様、私、亜里沙の家族四人で暮らしてた……でもねある日……」



異人は排斥せよ



絵里「黒船の来航から、激しくなった異人の排斥運動で私たちは家族は殺されかけたわ何度も…何度も…」


307 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/22(火) 13:40:52 .tPyZM7Y


絵里は余程嫌な思い出だったのか顔を歪めながらさらに続ける


絵里「そして……とうとう殺されたのよ……お母様もお父様もお婆様も……ね……」


にこ「!?……」


絵里「私は必死に……必死に!これが現状だとこれが現実だと!……歯を食いしばって…必死に思い込んだ……そして今は逃げるしかないと…死に物狂いで幼い亜里沙を連れて逃げたわ……」


にこ「…悲劇ね…」



絵里「ええ……でもなんとか私は今生きてる……あのあと海未のお父様のところに行き剣術を習った…ことりのお母様のところで勉学を習った……そして私は見廻組入った……何のために?それは勿論正義のため…そして私の一族の無念を晴らすためよ」



にこ「あんたが幕府で絢瀬の名を轟かせれば、一族の扱いが変わるから…そして幕府として戦えば仇である倒幕派を討てるから…」


絵里「そうよ…………だから私は必ず幕府に仇なす奴らを全員……」


にこ「絵里!……ダメよ……それじゃ……あんたの嫌いな"人斬り女士道"と同じ…」


絵里「!?」


にこ「片っ端から悪人を斬っていく気?…そんなの人斬りと全く変わらない…あんたは正義を貫きたいんでしょ…だったら……」


絵里「何よ……何よ!私だって!こんなのことやりたくないわよ!でもしょうがないじゃない!」


にこ「!」


絵里の叫びは二人に沈黙を作った



絵里「…………ごめんなさい……急に怒鳴って……でも無理なの…今更私が悪を斬らないって言えると思う?見廻組局長のこの私が…悪を許せないって立ち上がったこの私が……!……」


にこ「……絵里……一つだけ……聞いて……幕府だけが正義じゃないわ…」


絵里「……!……」


にこ「いつだって正しいのは民衆…よ…」


絵里「民衆…」


にこ「そう…なにも知らない…純粋に生きている民衆…彼らの未来を守ることが…彼らの安泰を維持することが正義…そうは思わない?」


絵里「だ、だから私は世に仇す悪人を…」


にこ「そうね……その通りよ世に仇す悪人を斬る…それが正解…少なくともにこはそうしてきた」


にこは絵里の手に手を置く



絵里「?」


にこ「絵里本当に斬る相手は救いようのないバカだけにしなさい……あんまりその綺麗な手を汚すんじゃないわ」ギュ


308 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/22(火) 13:41:32 .tPyZM7Y


絵里「き、綺麗な手だなんて/そ、そんなことないわ///」


にこ「いや綺麗よ…肌も色白で…それにその髪も、その眼も、胸も、背丈も…まったく嫉妬しちゃうわ…」


絵里「え、ええ//////」


にこ「異人の血って凄いのね…羨ましいわ」


絵里「う、羨ましい?……な、何を言ってるの?これのせいで私たちはどんなにひどい迫害を」


にこ「それが何?絵里の一族の血がすごいことに……絵里が立派なことには変わりないじゃない」


絵里「!?」


絵里は衝撃を受けた……


絵里「(私が立派…)」


立派など言われたことなかった…


異人の血はこの地では蔑まれるものだと思っていた


どんなに努力したって自分が立派だと感じる瞬間などなかった


だけど目の前の彼女は真っ直ぐな目で自分を立派だと言ってくれた


絵里「にこ……ありがとう……」ギュ


にこ「な、ななな…何よ……急に////」


絵里はにこに再び抱きついた


絵里「ご、ごめんこんなつもりじゃ…でも……グス…ちょっと楽になったの…グス…」


にこ「強がりね…そんなに泣き顔見られたくないの?」


絵里「な、泣いてなんか…グス…」


にこ「はいはい」トントン


にこは未だ意地を張る絵里の背中を優しく叩いた


絵里のにこに対する好感度が変動しました


絵里→にこ、信頼

絵里→"人斬り女士道"、憎悪


309 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/22(火) 13:42:26 .tPyZM7Y


海未side



シュシュン!


スタッ…


海未「穂乃果!」


ガララ!


穂乃果「……!…海未ちゃん?どうしたの?慌てて」


海未「ふぅ……良かった……(まだ無事ですね……流石に昨日の今日で行動は起こしませんよね…)」


真姫「何よ…うるさいわね…」


海未「す、すみません…あ、あの真姫…穂乃果の容態の方は?」


真姫「見ての通り…まだ左腕がね…」


海未「…………」


穂乃果の左腕は未だ骨折状態とても戦える状態ではなかった


海未「完治はどれくらいになりますか」


真姫「そりゃ骨折してるんだからまだまだよ……まぁ骨折としては軽い方だし穂乃果、結構丈夫で回復力すごいから早く見積もって二月くらいかしら……」


海未「ふ、二月……(ま、まずいですね……私も見廻組の仕事がありますし……常に穂乃果を護衛してるわけにはいきません……これは本当ににこの言う通り隠れ家のようなものが必要です……)」


海未は頭を抱えた


真姫「ん?何を考えてるのよ?海未?」


海未「い、いえ……ときに真姫ここは……あの…高坂組に居場所は割れてますか」


真姫「!?……え、ええ……まぁあいつらも客として来るし……」


海未が気づかない一瞬だったが、真姫は目を見開いて少し動揺しながら答えた




海未「そうですか……まずいですね…」


穂乃果「ん?何がまずいの?」


海未「穂乃果…貴女は自覚が無さすぎます…貴女はあの変態デコ女に常に狙われてるんですよ?貴女が療養中でもここに押し掛けて襲ってくる可能性もあるというのに…」


310 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/22(火) 13:47:04 .tPyZM7Y
更新遅れてスミマセン
忙しくて色々仕事がアレでして大体リア充しか得しないクリスマスのせいです←ただのヒガミ

また夜に更新します
支援いつも感謝


311 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/23(水) 00:12:19 DQKJp2XQ
エリチカかわいいのう


312 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/23(水) 02:11:27 EFdGgwuI
更新がプレゼントになるやで
待ってる


313 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/23(水) 03:50:13 NXXNCk.E


穂乃果「あ、あーたしかに…」アハハ…


海未「アハハじゃありません…今の貴女なら本当に誰でも拐える状態なんですから…注意してくださいよ」


真姫「あ、あいつらが押し掛けて……ヴェェ!…たしかにそれははた迷惑な話ね」


海未「そうでしょう?……だから真姫一緒に穂乃果の安全対策を考えてください」


真姫「ヴェェ……なんでよー……あ、貴女がここにいなさいよ」


海未「それが出来れば苦労しません…私にも仕事があります」


真姫「じゃあ見廻組をやめて穂乃果を守る用心棒に転職しなさいよ」


穂乃果「いや〜それは流石に……」


海未「ふむ……そうですね……それもいいですね……」


穂乃果「うぇ!?」


海未「穂乃果の用心棒に転職……それはたしかに私の前々から思っていた理想の天職先ですが……」


穂乃果「天職なの!?」


真姫「ならいいじゃない……ついでに穂乃果のお世話や教学もやってあげなさいよ」


穂乃果「げっ……(海未ちゃんと教学は嫌だなぁ口うるさいし息詰まるよ絶対)」


海未「それは平和な世になってから考えますね」


穂乃果「ほっ……」


海未「何をほっとしているのですか?穂乃果?」ニッコリ


穂乃果「べ、別にー」ギ、ギクゥ…


真姫「はぁ……じゃあどうすんのよ……」


314 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/23(水) 03:52:01 NXXNCk.E

海未「真姫、護衛の方を……」


真姫「オコトワリシマス!ただの医者が侍とまともに戦えるわけないじゃない」


穂乃果「え?でも真姫ちゃん刀持ってるよね?」


真姫「"派入鹿"のこと?バカね…いざってときのただの護身用よ…しかも刀じゃない向こうの医術を修得するため蘭学を習ってたときに異人の知り合いから貰った言わば西洋剣…切れ味は刀に遠く及ばないし私自身戦いに心得があるわけじゃない…」



及ばないとは言え大きなメスと言える人体を切り裂くに十分な武器であった


故に執刀"派入鹿"(パイルカ)


海未「ですよね…では一体どうすれば…」


真姫「というか…穂乃果は今までどこで暮らしてたのよ…ずっと狙われてたんなら音ノ木町の中じゃないんでしょ」


穂乃果「え…?…い、いやぁ〜…それは…」


海未「たしかに…それは盲点でした…!…穂乃果がツバサに連れ去られる前までどこにいたのか…隠れ家を見付けたとまでは聞いていましたが…」


真姫「で?どこにいたのよ?穂乃果」


穂乃果「うぅ〜…そ、それは…ひ、秘密です…」


海未「なんですか…勿体ぶって…早く言いなさい」


穂乃果「い、いや…ひ、秘密にしないと私が怒られちゃうんだよ」


海未、真姫「?」


海未と真姫は頭に?を浮かべて顔を見合わせる


315 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/23(水) 03:54:09 NXXNCk.E

海未「怒られる?誰にですか?」


真姫「誰かに匿って貰ってるってこと?」


穂乃果「そ、それが言えないから言ってるんだよ〜」



海未「ハァー……穂乃果?今緊急を要しているのは分かりますよね?」



穂乃果「だ、ダメだよ……い、言えないもん!」



海未「…穂乃果…」キッ



穂乃果「な、何?…う、海未ちゃん怖い顔して…」


と言いながら穂乃果はこうなった海未は不味いことにすでに気づいていた


海未「私に隠し事とはいい度胸してますね」ニコッ


穂乃果「ひぃ……べ、別に何も隠してないもん…」


海未の端から見れば屈託のない笑顔…しかし、長年その笑顔の意味を知っている穂乃果は怯えていた


海未「そうですかそうですか」ニコニコ


海未は徐々に穂乃果に詰めていく


穂乃果「う、海未ちゃん?」



海未「いーち、にー、さーん」ニコニコ


穂乃果「ひぃぃ…」


急に数え始めた海未に穂乃果はとてつもなく怯え出す


海未「しー、ごー、ろーく」



穂乃果「う、海未ちゃん?……ほ、穂乃果怪我人だよ!?…怪我人なんだよ!?」



海未「だーいじょうぶです…真姫は優秀な医者ですから…あれぐらい怪我にも入りません…ほら…しーち、はーち…」ニコニコ


穂乃果「え……マジ?…………い、いやああああ!」


真姫「一体何する気よ…」アキレ


穂乃果「ま、真姫ちゃん…助けて…」


真姫「シラナイ」


穂乃果「そ、そんなぁ!」


海未「きゅーう……じゅー穂乃果「ひいいいいいい!分かった分かった言うから言うから!裁逞裏拳だけはやめてぇ!」


海未「……分かればよろしい…」ニッコリ


穂乃果「ゼェ…ハァ…ハァ…」


真姫「イミワカンナイ」


316 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/23(水) 03:55:01 NXXNCk.E


海未「で?誰ですか?穂乃果?」


穂乃果「え……えーと……」


海未「穂乃果♪」ニコッ


穂乃果「わわ!待って待って言うよ言うから……え、えーと……の……」


海未、真姫「の?」


穂乃果「希…ちゃん…です…」


海未、真姫「!?」



二人は意外な人物に驚愕した


海未「の、希?希ってあの希ですか?」


穂乃果「う、うん……巫女さんの希ちゃん」


海未「で、では!?もしかして穂乃果は今まで希の神社に?」


穂乃果「いやそれは違うよ……最初匿ってくれたのは希ちゃん……でも……そのあと匿う居場所を提供してくれたのは名前は分からないけど多分海未ちゃんなら聞いたことあるんじゃないかな?」


海未「?」


穂乃果「"さすらいの"吟遊詩人さん」


海未「なぁっ!?」


海未は驚愕どころではない声が出た


海未「穂乃果……貴女そいつは今…見廻組で指名手配中の…」


穂乃果「そ、そうだよ……だから言われてたの希ちゃんに秘密だって……」


海未「…そういうことですか…(希…そんな者交流が…やはりただの巫女ではないようです)……しかし、何故希なんですか?穂乃果」


穂乃果「ん?ああ……それは…あの4年くらい前……ツバサさんから逃げてるときのこと覚えてる?」


海未「え?、ええ…勿論…」


穂乃果「絵里ちゃんの部隊が撤退するツバサさんを追跡し、絵里ちゃんが英玲奈さんと戦闘中のとき……穂乃果たちはもうとにかく逃げてたよね…」


海未「ええ…それはもう死に物狂いに…でも途中で貴女が雪穂を心配しはじめて私とことりから再びはぐれましたよね」


穂乃果「あのときはごめんね…やっぱりどうしても雪穂が心配だったから…」


海未「それはもういいです…結果貴女と雪穂は無事だったんですから」


317 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/23(水) 04:01:32 NXXNCk.E


穂乃果「それなんだよ!何故雪穂が無事だったのか…それ希ちゃんのおかげなの」


海未「?……意味が分かりませんが……」


穂乃果「実はね……あのとき……」



………………


穂乃果「雪穂……雪穂ぉ……グス……どこいっちゃったの……お願い出てきて……」


どこともなく雪穂が居そうなところを探し回っていた穂乃果


だが……雪穂見つからなかった


もしかしたらツバサ組のやつらにすでに拐われて……と……嫌な考えが浮かんでいた


穂乃果「ゆ、雪穂が人質に取られたらもう穂乃果も諦めるしか……」



そのときだった



ガシッ!グイ!



穂乃果「ひゃあああ!」


?「フフフフフ…おっと騒ぐな騒ぐと痛い目に合うぜ(低い声)」


穂乃果は背後から謎の人物にしがみつかれた


首に手を回され、耳で囁かれる


穂乃果「だ、誰!?まさかツバサ組!?」


?「フフフフフ…さあどうや…だろうなぁ…でも君の可愛い妹は預かっとるよ…ぜ…(低い声)」


穂乃果「やっぱり!?ツバサ組の…くっ…ここまでか…ごめんみんな…」


穂乃果は諦めたように項垂れた


すると



フニフニ


穂乃果「へ?ひゃあああああ!」


318 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/23(水) 04:02:04 NXXNCk.E
?「おー、流石姉妹、反応同じやね」ワシワシ



穂乃果「な、何するの!…って巫女さん?…あ、あなた一体誰?……はっ!?まさか巫女に扮したツバサ組の…」


巫女さん「どうやろうなぁ…貴女はどう見える穂乃果ちゃん?」


穂乃果「……見えない……で、でも……」


巫女さん「信用ならん?でもウチが雪穂ちゃん預かっとるんは本当なんよ?」


巫女さんは着物を見せる



穂乃果「!?……それは雪穂の……」


巫女さん「ウチがツバサ組でもでなくても妹がおるんならほっとけないよね?妹想いの穂乃果お姉ちゃん?」クスクス…


穂乃果「ゆ、雪穂はどこ!?」


巫女さん「(ほらきた……)ついておいで…穂乃果ちゃん」



穂乃果「…………」


穂乃果は無言で警戒しながら巫女さんに付いていく


319 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/23(水) 05:08:33 Aaf98Eqo
強キャラ感ある


320 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/23(水) 08:06:19 qnVfQ2HQ
吟遊詩人は誰なんだ
さっぱり検討がつかん


321 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/23(水) 20:00:20 GygrmUDo
>>320 ??? 「」


322 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/24(木) 00:14:50 0li3evNY
さすらいの吟遊詩人…いったい何者なんや…


323 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/24(木) 01:41:07 5SJ2.9JQ



そうしてついて行ったのは巫女さんの神社


巫女さん「………………」



穂乃果「………………」



この間無言だった……


穂乃果は色々と考えていた…もし…罠だったら…と…もし…本当に雪穂が捕まっていたら…と…


穂乃果「(私はどうなろうと…雪穂だけは…)」ギュ


穂乃果は拳を握りしめ、どんな光景が広がっていようと覚悟を決めようとしていた



するとそこに


雪穂「あ、希さんお帰りなさい」


希「ただいま、雪穂ちゃん…掃除ありがとさん」


雪穂「い、いえお世話になりましたしこれくらい…」


希「いや〜しっかりした妹さんやなぁ穂乃果ちゃん」



穂乃果「へ?」



巫女衣装に包まれた雪穂が竹箒で神社を掃除していた…

目の前の巫女さんこと希に普通に挨拶をしていた…



穂乃果は呆気に取られてしまう



雪穂「…お、お姉ちゃん!?」


穂乃果「ゆ、雪穂…雪穂なの…」


穂乃果はまだ目の前の光景が嘘じゃないかと思っている



希「正真正銘雪穂ちゃんや」フフフ


希はこう言ってそっと身を引いた


穂乃果「ゆ、雪穂ぉ…」ブワァ


感極まって涙が溢れる穂乃果、やっと安堵できたようだ


雪穂「あ、あのお姉ちゃんごめんね…心配かけて…でも私はげん!?」ダキッ


穂乃果「雪穂ー!雪穂ー!よがっだぁー!ゆぎほまでいなぐなっだらもう…わだじ…わだじ!…うわあああああん!!」


雪穂「お姉ちゃん…」ヨシヨシ


自分に抱きついてオイオイとなく穂乃果に雪穂は優しく微笑みながら頭を撫でた



希「あらこれじゃあどっちがお姉ちゃんか分からんなぁ」クスクス



穂乃果「はっ!?…そういえば!」


穂乃果はいきなり泣き止んで希に振り向く


324 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/24(木) 01:42:15 5SJ2.9JQ


穂乃果「あ、あの…希さん!」


希「んー?」


穂乃果「なんで雪穂と居て…なんで雪穂はこんな格好を?」


希「あはは…なんでやと思う?」


穂乃果「な、なんで…って…誘拐?」


希「心外やなぁ…うちそんな風に見えるん?」


穂乃果「だ、だって謎だらけでワケわからないし」


希「せやなーうちすぴりちゅあるやから」


穂乃果「す、すぴ…?」


希「すぴりちゅある…南蛮語で不思議って意味なん」


穂乃果「ふ、不思議……って余計に怪しいじゃん!」


希「アハハ…たしかに…」


雪穂「もう!お姉ちゃん!希さんはいい人だよ!私を助けてくれたんだから」


穂乃果「ええ?」


325 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/24(木) 01:43:05 5SJ2.9JQ


これは…穂乃果がまだ屋敷からフミコ、ミカと逃げているときの


音ノ木のとある料理屋



希「あー…やっぱりお昼はここのおうどんさんやねー」ズー…ズー


常連の希はいつものようにきつねうどんを頼み、美味しそうにすすっていた


すると何か店の外が騒がしかった



「最悪あの妹の方だけでも拐っていくぞ」


「ああ……たしかここらへんに居るって話だ」



希「?」


「さっさと連れて帰るぞ……手段は選ぶな」


「へい!」



希「むむっ…なんかよく分からんけど物騒やね」ズー…ズー…


希は店内にて聞き耳を立てながらうどんをすする


希「美味い!最高やん♪」


そのときだった



雪穂「ハァ…ハァ…ど、どうしよう…なんでこんなことに…」


必死な息づかい必死な声の少女の声が聞こえた


希「…!…(この少女のただならぬ気配…さっきの男たちの会話…)」


雪穂「グス……グス……無事だよね……お姉ちゃあん……」



そこから希の頭の回転は速かった


希「(よく分からんけど……この少女はシロであの男たちはクロや…なんでやって?それはもうウチの勘やん♪)」


希は行動も速かった


バサッ


希「お嬢さん…すごい汗だくやけどどうかしたん?」


希は店の暖簾から顔だけを出して店の前にいる雪穂に話しかけた


雪穂「う、うわぁ!?」


326 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/24(木) 01:43:46 5SJ2.9JQ


希「おっと!?……そんな化け物を見たみたいに驚かんでも」


雪穂「す、すみません……」


希「まぁいきなりやったしウチも悪かったなぁ…ごめんな…で?大丈夫なん?お嬢さん…」


雪穂「え、ええ…その大丈…!?」



「ちっ…見つからねぇ…勘づいて逃げやがったのか…?…」


「まだ子供だ…逃げてるにしても近くを逃げ回ってるだけだろう」


近くからツバサ組のチンピラたちの声が聞こえてきていた


雪穂「や、やば…」


希「……こっちや」グイッ!


雪穂「え?」ヒョイ!



希は咄嗟に店内に雪穂を引き込む



そして希は移動し一番店の奥の座椅子の下に雪穂を隠す


ちょうど入口辺りなら完全に死角で見えない


雪穂「ちょ、ちょっとみ、巫女さん」


希「ウチ東條希や…ええからええからそこ隠れてて」


雪穂「な、なんで…見ず知らずの私なんて…」


希「そういうのは言いっこ無しや…そうやなぁなんかBiBiっと来たんや…お嬢さんは守らなあかんって」


雪穂「私…高坂…雪穂…です…」


327 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/24(木) 01:44:27 5SJ2.9JQ


希「高坂…雪穂…ちゃん?高坂…ほうほう…(なるほどなんとなーく…状況掴めて来たわ…)」


すると


「一応この店の中も見ていくか」


「そうだな…ガキはかくれんぼが好きだから案外いるかも知れねぇ」


希、雪穂「!?」


希は頭に手を当て天井を見上げた


希「あっちゃあ…ウチにしてはついてないなぁ…」


雪穂「の、希さん…」


椅子の下から不安げに見つめる雪穂


希「しっ!大丈夫や…まさか…ここにおるとは思わへんやろ」


「おう、邪魔するぜぇ」


店内にチンピラ二人が登場


現在、店内の椅子に座っているのは希ともう一人の客


この客の少なさも今回運が悪かった


客が少ないと必ず


「おい!そこの巫女!このガキ知らねぇか?」ペラッ


巫女衣装の希が一番に声を掛けられやすい


それは雪穂のそっくりの似顔絵、それを見せるチンピラ


希「(絵上手いなぁ……誰なんやろこの絵……ん?…統堂英玲奈って書いてある)」


希はまずそこに驚いた


希「いや見てないなぁ」


しかし、今反応するとバレるので希は表情を押し殺した


「そうか……」


これでチンピラの店にいる客へのただの質問一つとして終わるはず




だったが…やはり今日は運が悪かった…


328 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/24(木) 01:45:06 5SJ2.9JQ


「しかし見ねぇ顔だな…」


「巫女なんてここらじゃ珍しい」


希「(あかん…いつも巫女衣装でいることが仇になった…これやと注目が削がれん)」


「………………」


二人の男の視線が希を見ることを止まらなかった



希「(奥を覗かれたらおしまいやん)」


「しかもなかなかの別嬪だな……おい!女!」


希「!……な、なんでしょう……」


雪穂「!?」ガタガタ


雪穂はまずいと震え出していた


「ちょいと付き合えや」


希「ごめんなさい……ウチそういうのは…」


希はあくまで平然と答える


「まぁまぁいいじゃねぇか」


「おいおい、こんなところで油売ってると怒られるぞ…」


希「(うーん…これ以上…近づかれるとまずいやんなぁ…ごめん雪穂ちゃんちょっと出てくるわ)……じゃあ少しだけ」


希はさっと立ち上がる


雪穂「(え…の、希さん!?)」


「よし!やった!」


「おい!真面目に…」


「なんだよ硬ぇな…こんな別嬪誘わねぇ方が失礼だろう…ツバサ姐さんもそう言ってる」←ツバサ直属部下


「あの人の言葉は半分聞き流せと英玲奈さんが…」←英玲奈直属部下


希「ウチが別嬪やなんて…お兄さんお上手やなぁ」


希は適当に会話しながら店を出ていく


329 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/24(木) 01:45:52 5SJ2.9JQ


雪穂「(ま、まずいよぉ…希さんは関係ないのに…あのままじゃ…ひどい目に遭うかも…)」


雪穂の心配をよそに


希「♪」パチン


希は出ていくとき雪穂に向けウィンクした


雪穂「?」



希「(さて…この危ないお兄さんたちをちょっとお仕置きや…)」


希は振り袖からそっと札を二枚取り出した



それから



雪穂「それから…たしかあの男たちから悲鳴が聞こえてきて」


「ぎゃああああああああ!!」


「くぁwせdrftgyふじこlp」


雪穂「げ、現在に至ります…」


穂乃果「………な、何したの?」ドンビキ


希「それはヒミツや」


穂乃果「………ま、まぁいいや…でなんで雪穂まで巫女の衣装を?」


330 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/24(木) 01:46:45 5SJ2.9JQ


希「別に?雪穂ちゃんに着せたら可愛いやん?」


穂乃果「え?うんまぁ…そうだね…似合うけど…」


雪穂「ち////違うよ///変装になるから着てるんだよ……私は顔が割れてるでしょ?だから髪型も衣装も変えて…」


穂乃果「おーなるほどー!」


希「穂乃果ちゃんも着る?」


穂乃果「い、いやいいよ…でも…希さん…ありがとう!雪穂を助けてくれて…」


穂乃果は深々と希に頭を下げた


希「ええんよ…ウチが好きでしたことやから」


穂乃果「それでもありがとう…」


希「ええからええから……それより…これから穂乃果ちゃんたちはどうするん?」


穂乃果「へ?」


希「狙われてるゆーことは逃げなあかんやろ?でもいつまでも逃げてるわけにもいかんやん?だとしたらどうするん?」


穂乃果、雪穂「!?」



二人はハッとする


穂乃果「た、たしかに…屋敷も取られて住む場所もない…」


雪穂「ど、どうしよー!」



希「(どっちも考えてなかったみたいやな…ここはやっぱり姉妹やなぁ)」クスクス


331 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/24(木) 01:47:50 5SJ2.9JQ


希はパァン!手を叩いて


希「大丈夫ウチに任せとき」


と言った


穂乃果、雪穂「?」



姉妹は首を傾げる


希「ちょーっと…当てがあるんよ…ただ二人ともこれから会う人物は誰であろうと誰にも秘密するんよ?」


……………………



海未「それで出会った人物が吟遊詩人だと?」


穂乃果「彼女は虚無僧姿で決して素顔は晒さないけど……ただ誰にも見つけられない場所は教えてくれたの」


真姫「じゃあ、なんで捕まったのよ……」


穂乃果「分からない、急に場所を特定されちゃって……まだ雪穂の鍛冶屋は特定されていないと思うけど……でも雪穂は腕がいい鍛冶屋だし…一つしかない鍛冶屋だからツバサさんはもう気づいていると思う」


真姫「多分敢えてね…今は本命の穂乃果が拐いやすい状況だから、雪穂はいざというときの人質」


海未「雪穂も昔とは違って対抗できる術は持っているとはいえ…穂乃果のときのように英玲奈やあんじゅを寄越されたら…流石に捕まるでしょう」


穂乃果「そんな…もう…雪穂を…こんな隠れ続ける生活に…巻き込みたくないよ……」


海未「穂乃果…」


真姫「……………」


海未「ともかく……希ですね」


穂乃果「!?…………あ、あの……海未ちゃん……」


海未「?………フフ……貴女は本当に他人の心配ばかりですね……大丈夫です安心してください私も今は鬼ではありません……罪人と繋がりがあるからといって穂乃果の恩人の希を捕まえようなんて考えてません………ただ事情聞きたいだけです」


穂乃果「海未ちゃん……」パァ…


332 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/24(木) 01:48:36 5SJ2.9JQ


海未「しかしこれだと穂乃果の護衛が…」



真姫「はぁ…仕方ないわじゃあそれまで私が護衛するわ」


海未「真姫…!…ありがとうございます」


真姫「ば、べ、別に?まだ穂乃果があくまでまだ私の患者だからよ…ほ、本来こんなこと不本意なんだから…」


海未「それでもありがとうございます」


穂乃果「ありがとう真姫ちゃん」


真姫「シ、シラナイ!////」



こうして海未は希のところへ


穂乃果は一時的に真姫が護衛することにした



真姫「さて、移動するわよ穂乃果」


穂乃果「へ?どこに?」


真姫「この小さな診療所でも隠し部屋はあるのよ…患者として来る者もまだ誰一人として知らないから(本来は私がアレを隠れて作ってたところだけど)…一時凌ぎにはなるわ」


穂乃果「へぇ、すごい!」


真姫「あくまで一時凌ぎだけだからね?貴女がここで療養中なことくらい幹部のやつらきっととうに気づいている…それなのに来ないってことは何か作戦が…」


333 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/24(木) 01:49:16 5SJ2.9JQ


……………………


ツバサ「ええ!?ほ・の・かさんが怪我ぁ!?どどどどどどうしてそんなことににににに」ガタガタガタガタ


英玲奈「この屋敷の牢から逃亡中あの竹林坂で転けて骨折したらしいぞ」


ツバサ「………あの坂を平地にしなさい…いますぐに!…そうすれば私から逃亡しても怪我せずに済む」


英玲奈「落ち着け無理だバカ…逃亡しても…ってまず逃亡されるの前提なんだな…逃亡されないようにはしないのか」


ツバサ「してたわよ…でも…外れるはずのない鍵が外れてたのよねあのとき」


英玲奈「……ネズミがいるな…まずはそいつから探した方が良さそうだな……向こうの差し金かも知れない」


ツバサ「まぁ当面穂乃果さんはこのままでいいわ……怪我なら派手に動けないでしょうし……あの煩わしい幼馴染み共も最近ざまぁwww状態だしアッハハハハ」


英玲奈「…………(まぁ高坂穂乃果から頭を離して征伐に勤しむならなんでもいいか)」アキレ


……………………



真姫の考えとは裏腹にツバサは適当だった


真姫はかよちんといつも寝ている寝室の隣の隠し扉をガコンと開ける



穂乃果「おー!忍者屋敷みたーい」


真姫「……まぁこの見た目だから閉めれば端からはほぼ家壁にしか見えない……だからとりあえず大人しくしとけば大丈夫よ」



穂乃果「うん……ごめんね真姫ちゃん迷惑かけて……」



真姫「……………………」


真姫は隠し部屋に穂乃果を支えて移動させ無言で立ち去る


ガタン…


そして扉を閉めて、遠目で違和感がないか確認……そして……一言呟く……


真姫「…………謝らなきゃいけないのはこっちのほうよ」


この小さな呟きは誰にも聞こえていない


334 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/24(木) 01:50:04 5SJ2.9JQ


戻ってにこside

時刻は夕刻、見廻組局所絢瀬邸


にこは幕府見廻組記録を読んでいた


打ち解けた絵里の隙を意外とすんなり突き読んでいた


にこ「……………高坂穂乃果…誘拐……これが一番最近の事件」ペラッペラッ


にこは一気に貢を戻す


にこ「音ノ木に裏取引があり…その物恐ろしき薬の噂あり……飲んだものが病気になる甘い薬………な、何よこれ……」


にこは驚きを隠せないでいた


にこ「今は亡き…ほむら屋の饅頭…ほむまん…それにそれらしき成分があると疑惑に……幸いに現在ほむまんが音ノ木の表沙汰で出回ることはないため…そんなに広がっている訳ではないが見つけ次第扱いには注意されたし……」



にこ「ほむまんはもう売っていない……穂乃果も海未も言っていた……なのに……裏で麻薬として……まだ?……裏って何よ……まさか、幕府!?」


にこはハッとする


にこ「ツバサと幕府は繋がっている?…だとしたら全て辻褄が合うけど……」


にこはさらに貢を戻す


にこ「指名手配犯、統堂英玲奈の統堂家代々幕府の重臣の家系だったがここ最近の幕府の体制変動においてそれを降ろされる



同じく指名手配、優木あんじゅ、彼女は幕府に仇なす罪人を父を持ち、幼き頃に非道な尋問を受け、そのときの記憶が今の精神状態を作り出している……何よ……これ……何よこれ!」


にこは怒りで畳に記録を叩きつける


にこ「幕府と繋がっている…違う…ツバサ組は……みんな……みんな……幕府に関係してるけど恨みを持つ方に……つまりあいつらは幕府と繋がっているんじゃなくて幕府の裏切りものと内通し幕府転覆を狙ってる……だとすれば…黒幕は…その幕府の裏切り者」


335 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/24(木) 01:51:58 5SJ2.9JQ


流石に黒幕までは書いてはいなかった…しかし…有力な情報は得た


謎の麻薬化としたほむまんが裏(もしかしたら幕府)で取引されている

ツバサ組に与する者は皆、現幕府に不満を持っている

幕府に現在裏切り者がいる可能性


それとツバサが繋がっている可能性


それにその麻薬が関係している可能性


にこ「でもまだ輝夜については全然分かってないわね…」


元々にこは今回輝夜について調べに来た


どうするか…


にこ「そうね…やっぱり…」


選択肢(通常)


1、絵里には悪いけどもうちょっと調べさせて貰うわ


2、ここは一度引いて起きましょう、別の方法から輝夜の秘密を探しましょ


3、一度輝夜は忘れましょう、気になる人物も出てきたことだし一、二、三、四について調べようかしら


一、"輪廻半鐘の"義賊

二、"さすらいの"吟遊詩人

三、"人斬り"あんじゅ

四、"剣聖"英玲奈


4、一旦、海未と合流するわ


今日はここまで
皆さん良いイブを


336 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/24(木) 02:41:11 TWpl4iHE
4


337 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/26(土) 03:19:43 nzq8UawQ

選択肢4


にこ「一旦、海未と合流しましょう」


にこは幕府記録をそっと棚に戻し


絵里に帰るということを伝えにいく


絵里「え…?…もう帰るの」シュン


絵里は違う部屋にて書を認めていた


にこ「大方聞きたいことは聞けたわ…それにこれ以上、あんたの邪魔するわけにはいかないしね…」


絵里「そ、それはいいわよ…わ、私も息抜きになったし」


にこ「…んじゃあありがとう…行くわ」


にこは背を向け、戸に手を掛ける


絵里「あ、に、にこ!」


にこ「?」


絵里「ま、また…会ってくれる?」


座ったままで上目遣いでにこを見上げた


にこ「…ええ、勿論よ…私たちもう友達でしょ」


絵里「に、にこ…!…」パァ


にこ「じゃあね」


スタン!


スタスタスタ


絵里はにこの足音を聞きながら


絵里「友達…友達かぁ…」


と満面に微笑み呟いていた



にこ「さて、今海未はどこにいるかしら?まぁ分からないから一度真姫の診療所に戻りましょうか」


にこは局所の門を後にして、診療所に向いて歩みはじめた


338 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/26(土) 03:20:14 nzq8UawQ


そのしばらくした道中だった


裏町のさらに裏側、民家の少ない場所


目の前から人影


その人影は網笠を頭に被り、口に串をくわえにこの反対側から歩いてくる


?「…………」


にこ「…………」



二人は無言にただすれ違った


?「………………」ニヤ


にこの斜め後ろに位置したとき、網笠の者の口角が上がった


にこ「………」チャキ…


にこはゆっくり刀を抜いた


?「でいやぁ!」



キィン!


?「……!……流石だな…人斬り……完全に裏をついたつもりだったが」


にこ「ただの渡来人しちゃあ…身なりが綺麗すぎたからね…端から警戒はしてたのよ」


?「なるほど伊達に修羅場は潜ってないということか」


にこ「んで?誰よあんた…」


?「言えないな…今から始末する相手に」


にこ「抜かすわね…」


バッ!


二人は同時に引き下がる


339 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/26(土) 03:20:50 nzq8UawQ


にこ「ちょうど体が鈍ってたのよ」コキコキ


にこは両肩を回し鳴らした


?「フフ…怪我は大丈夫だったみたいだな」


にこ「…!…どこまで知ってるのよ…気持ち悪いわね…」


?「あんたは有名人だ…追っかけには注意しろ」


キィン!


にこ「随分物騒な追っかけね」


キィン!


?「あんた自身が物騒なことしてるからそうなる」


キィン!


にこ「全くその通りね…ふん!」


バンッ!


何合かの打ち合いの後、にこは相手の攻撃感覚をずらす…蹴り


?「…っとぉ!!」


ガッ


なんとか網笠の女も足でその蹴りを止め、後退


しかし、


にこ「矢心流…夏色、一跳」


?「!?」


間髪入れずに飛ぶように間合いを一瞬で詰めて刀を女に振り抜く



ブォン!


バキィ!


?「がぁ!」


網笠の女の首ににこの刀の峰が強打し、勢いで網笠とくわえていた串が吹き飛んだ


にこ「峰打ちよ…ただ油断したわね…」


?「ぐっ…」


女は紫色の長い紙を晒し、首を抑えて膝をつく



にこ「さあ?あんたは何者かしら?」



?「…ふふ…一本取られたな…刃の部分なら私はあの世行きか……まだまだ甘い」


にこ「…………」


にこは鋭い目で未だ刀を女に向け続ける


340 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/26(土) 03:24:14 nzq8UawQ


?「ふふ…分かった分かったよ…そんなに睨まないでくれ…私は御堂優理…」


にこ「…!?…御堂…優理…ですって…!…」



にこはここ最近で聞いた名だった



にこ「あんたが"仕置人"優理……想像より遥かに若いわね」


優理「知っていたのか…なら話は早い…そう…私は貴女の後輩だよ…先輩?」


にこ「?」


優理「数々人を始末してきた…始末屋としての貴女の後輩だ」



にこ「…………そう………厄介な後輩ね………」


優理「そう言うな……にこ先輩……貴女が突如バックレてやらなくなった仕置も始末も私が全部やった…全部こなした…つまり貴女の尻拭いした…それで貴女は後を濁さず姿を消せた…いい後輩だとは思わないか?」


にこ「別に頼んでないわ…あんたが勝手にやっただけでしょ…」


優理「連れないね…でも…その実力は流石…やっぱり貴女は最高だな…英玲姉にあったときを思い出すよ…その圧倒的強さ…」


にこ「……………」


優理「だから故に実に惜しい」


スタッ

にこ「……!……」



優理は首を未だ抑えたまま立ち上がった


341 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/26(土) 03:26:49 nzq8UawQ


優理「痛たたた……昔の貴女なら今私の首はここについていない」


優理は首を傾げて擦りながらにこを睨む


にこ「………………」


優理「惜しい……本当に惜しい……貴女なら始末できぬ者などいないだろうに」


にこ「にこは二度と人は斬らない………そう誓ったのよ」



優理「誰に誓ったかは知らないが随分と甘ちゃんになったものだ……幻滅するよ、にこ先輩…これでも私は昔、貴女に憧れていたんだ」


にこ「………………」



優理「任務のためなら…世を正すためなら一族さえ、親さえ、躊躇いなく殺すその冷酷さ…任務に対する執念…実に素晴らしかった…流石の私でも家族同然の英玲姉を殺せと言われて殺せる自信はない…やはり躊躇うだろうな…だけど貴女は違う無惨に殺した…まさに外道中の外道!本当に凄い!尊敬に値するよ」フフフフ



後半は完全に嫌味だ


優理はニヤリと笑う


にこ「そりゃどうも」


にこの目は変わらず鋭いまま優理を見つめる


342 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/26(土) 03:27:36 nzq8UawQ


優理「だから残念なのさ…今貴女がそんなに見せかけだけのお人好しになってる…ぬるま湯のような偽善者になってるのが…」


にこ「!?ッ…」


優理「あんじゅも言っていたよ…にこ先輩のその鋭い目、自分の同じ目をしてると…ねっからの人斬りだと…」



にこ「違う…」


優理「違わない…懸命に血の流れない戦いを志しているみたいだが…」


優理は一呼吸置き…スッ刀をにこに向ける


優理「よくよく考えてみろ…にこ先輩?…貴女がそんな戦いをしたところで貴女の周りで争いが止まることがあるか?」


にこ「……………」


優理「争いは終わらない…いくら善人ぶったところであれだけ修羅だった貴女には一生、戦いという業はつきまとう…みんな貴女を狙ってる…各々の考えでかつての伝説を打ち破ろうと…英玲姉も私もそしてあんじゅもその一人だ…きっと見廻組の者達だってそう…だからもうやめにしよう?先輩?」


にこ「……何を辞めろって?……」ギロ


にこは歯を噛みしめ、優理を睨む


優理「!?」ゾクッ


今回のにこの睨みは普通ではなかった…優理は背中に冷たさを感じる


優理「は、ハハハハハ…これが本来の"人斬り女士道"の殺気か…やっぱり素晴らしいよにこ先輩は」


にこ「この程度で震えるガキが調子に乗るんじゃないわよ…」


343 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/26(土) 03:32:10 nzq8UawQ


にこは刀を優理に翳す


まるで宣戦するように


にこ「あんたが言いたいことはよーく…分かったわ…」


優理「…………」



にこ「つまり、にこに全力を出せと言っているのね?」ヒュウウウウウウン!



優理「!?……そ、その通りだ(体が一気に冷える……)」ゾクッゾクッゾクッ



優理は凍りつく空気を感じた、しかし優理はこの状況でニヤリと笑う


にこ「雑魚がベラベラ偉そうに…後悔しなさい…」


優理「ハハハハハ…そうこなくては…わざと負けてわざと煽った甲斐がない」


優理も先程は手を抜いていた、すべてはにこからかつての修羅を炙り出すため


優理もまた、より強者との戦いを望む修羅だった



にこ「せいぜい今、笑ってなさい……後で笑えなくなるからね」


にこは"空丸"の持ち方を片手持ちへと変える


優理「…!…」


にこ「…来なさいよ…」クイクイ!


にこは掌で挑発


優理「…なるほどこっちから攻めろと?…面白い…どう出る…先輩!」


ブァン!


優理は脇差しの構えから横に一閃


それは目にも止まらぬ速さ

一瞬でにこの体を刃が捉える!


344 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/26(土) 03:55:20 nzq8UawQ


にこ「遅い…」ヒョイ!



なんと、にこはすれすれでその刃を体を反らして避けた


優理「!?」バァン!


優理は避けられたことに驚愕しながらも隙なく次は縦に一閃


今度こそ、にこの体を捉えた


優理「殺った!」


と思ったが再び刃は空を斬る


優理「なっ!?」


にこ「どこを斬ってるの?幻覚でも見てたのかしら?」チャキ!


優理の背後にいて刀を翳すにこ


優理「ざ、残像……ぐっ!」バァン!


優理は回れ右で再び横に一閃!


シュン!


パシュ!


しかし、その一閃が当たったのは木葉


優理「!?…もう姿が見えない?……まるで旋風……」キョロ…キョロ…


優理は全方位に首を振る


全神経をにこを察知することに使う…


しかし、捉えることも察知することも…いや感じることすら不可能だった


345 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/26(土) 04:06:04 nzq8UawQ



優理「み、見えない…!…何も感じない!?…ば、バカな…こんなこと…」


優理から先程の余裕は消え去り、恐怖を感じ始めた



にこ「ねぇ…さっきは手を抜いていたみたいだけど…今も続行中?」


スー!


優理「……」ゾクッ!




ガッ!ブォン!



優理は突然、耳元で囁かれたような気がして、後ろを振り向きながら刀を振る


しかし、当然…空振り



優理「…………」 タラタラッ…


優理のこめかみ辺りから嫌な汗が垂れる


優理「な、なんだ…これ……は………」


それもそのはず、優理は必死でにこを目で追っても、神経を研ぎ澄ましても……一切にこを捉えられないのだから


そう、始まってから一度もにこの姿を視認出来ていなかったのだから……


優理「……いや落ち着け……ここは場所が広い……にこ先輩は広範囲を高速で動き回り、相手の背後を取る奇襲型」


ならばと優理は警戒しながら家屋と家屋の隙間の狭い場所へと移動しはじめる


タン!…シュン!…タン!…シュン!


地面に随分と遅れてにこの足音を響かせる


にこの速さに音すら追い付くのが必死なようだ


346 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/26(土) 04:08:38 nzq8UawQ
中途半端ですがとりあえずここまで
一旦寝ます

遅れましてすみません
メリークリスマス……でしたか…?…


347 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/26(土) 04:11:51 nzq8UawQ
ひとつ訂正

>>345

地面が随分と遅れてにこの足音を響かせる


348 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/26(土) 05:05:25 psZ4VWbA

空丸フル活用は初やね


349 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/26(土) 17:27:29 ZvxG/5Co
音を置き去りにする位速いんか
クリスマスはいつも通り平和そのものやったで(白目


350 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/26(土) 22:09:11 tyxiaNdA
にこちゃん思ってたより遥かに強かった


351 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/26(土) 22:36:32 cODzeCs.
神速が勝ってるとかいうこころちゃんって実は凄い……?


352 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/27(日) 00:01:18 6Q6LnppA
化け物みたいな相手に逃げだしただけで万全ではないとはいえにこを仕留める寸前までいったから相当だな


353 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/27(日) 04:56:07 07tuYkr.

先程より狭く、縦長いが幅はない路地裏



優理「……あの速さでは流石に埒が空かない…だがここならば…」



スタッ


にこ「…………」



流石のにこも一度加速していた動きを止め静止



優理「いやはや驚いたを通り越して焦った…これが本気の先輩か…」


にこ「にしては嬉しそうね」


優理「ああ、恐怖なのか高揚なのか良く分からないが武者震いが止まらないよ…」フフッ



にこ「変わり者ね…流石ツバサ組」


優理「フフ…分かってないな…この殺されるかも知れない感覚がいいんだ殺し合いってのは!」


優理は刀を構え直し、にこに駆けていく


スタスタスタスタスタ!


優理「(横幅は狭い場所、先のように派手に動けない……ならば縦移動に特化した私の縮地で……)」



縦長い路地裏で縦長いにことの間合いも一瞬で詰める


優理「縮地法!兎串穿!」


刃が矢のようににこの胸を貫く



しかし、刺さった感触がなかった


優理「!?…………まさか、また残像……」



にこ「矢心縮地法、錯覚十文地」


ダン!ダン!ダン!ダン!ダン!

シュ!シュ!シュ!シュ!シュ!


にこの足元は爆発音のような足音を鳴らし、地を縦、横と十字に小刻みに移動していた



その速さは残像が残り、縦に一列三人、横一列三人、分身しているように見えるほど



優理「なんてこと……驚異的な脚力で地を蹴る縮地は速いゆえに猪突に一方向に流れやすい……それをこんな小刻みに方向転換を……」



そうこの縮地ならこんな狭い場所でも使えた


354 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/27(日) 04:57:47 07tuYkr.



優理「化け物か…」


にこ「こーんな可愛いにこに対して失礼ねー」


優理「ふん…だがそれは攻撃には向かないだろう…ただ同じ範囲を十字に移動するだけだ…」


優理は再び兎串穿の構え


優理「そして、その残像はもう三度目…流石に見切れてきた…」


チャキ…



ダン!ダン!ダン!ダン!ダン!ダン!


シュ!シュ!シュ!シュ!シュ!シュ!シュシュ!


優理「行くぞ!」


にこ「…!…」タラッ


にこの額から汗が垂れる



優理「流石に疲れてきたみたいだな…捉えたぞ!」


再び放たれた兎串穿!


にこ「チィ!…」


にこは寸前でなんとか避ける


にこの赤い瞳に写るのは襲い伸びてきた優理の刀と腕



優理「…!…さっきのはこちらも速さを上げた…それを避けるとは…」


にこ「ふん!」



キィン!


にこはそこから優理の刀を弾こうと斬り上げ


しかし


優理「残念ながら読んでいる」


優理の刀は弾かれるどころかびくともせず、水平のまま


カタカタカタ…


355 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/27(日) 04:58:37 07tuYkr.


震える刀たち…二人の力が拮抗していた


優理「降り下ろす力と振り上げる力が拮抗とは……これは屈辱だな」


にこ「………………」


優理「速さだけじゃない……小さな貴女にどこにそんな力が」


にこ「さあね…鍛えたつもりはないけどね」


ギギ……


優理「!?……」


優理の刀が水平より少し浮いた……


にこの力が増してきた


優理「…っ!?…ひどいなぁ…まだ余力を隠していたのか」


にこ「あんたに基本的なこと教えてあげるわ…鍔競り合いは微力を残して競り合いなさい」


ガッ!


その瞬間、にこは優理の刀を完全に押し返す


ぶつかりあった刃に僅かに間が生まれる


優理が少し仰け反る形で隙が出来た


にこはすかさずにその隙を逃さず、刀を一払い


優理の体躯に刃が……




……かに思えた


優理「残念ながらその基本……熟知している」ニヤリ


にこ「!?」


優理は仰け反るフリをしていただけだった


そのまま再び、強烈な縦斬りを繰り出す


356 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/27(日) 05:00:48 07tuYkr.


ブォン!


にこ「おっと!……なるほどねぇ……」


にこは少しは焦るもスレスレで避ける


しかしこれで一発で決められるとは当然思ってなく間髪入れず


優理「ほら!先輩!喰らえ!私の連撃!」

ブォン!


横払い!


にこ「っと!」


体を反らして避ける


ブォン!

縦斬り!


にこ「とっと……」


側転して避ける


ズゥン!

突き!


再び側転


ガッ!ブォン!


踏み込んでからの斬り上げ


にこ「はっ!」


後ろに爆転


クルクルクル…スタッ!


にこは華麗に着地し優理から完全に間合いを空ける"空丸"を片手でクルクルと回しながら肩に峰を置く


優理「おかしいな…さきほどの連撃…決して手は抜いていない…」


にこ「ふぅ…だから言ってるでしょ…まだあんたは未熟だって…」


にこは一息吐いてそう呟いた


優理「……聞き捨てならないな」ムッ!


357 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/27(日) 05:02:53 07tuYkr.


にこ「事実よ…にこの後輩を名乗るならその凶暴なだけな剣をなんとかしなさい」


優理「凶暴…?…私の剣が…?…私の剣はあの"剣聖"英玲奈の剣……つまりあの名門統堂 一刀流の剣術だぞ?」


にこ「統堂一刀流ねぇ…あの堅っ苦しい…斯斯な動きの型に填まった息苦しい剣術よね…」


にこはやれやれというように統堂一刀流を愚痴る


優理「なんだと…!…」ギリ


冷静な優理の顔が険しいものに変わる


にこ「あんなののなにがいいのかしら…」


明らかな挑発…


普通、優理ほど賢明なら剣士なら引っ掛からない


しかし


優理「黙れ!…英玲姉の剣術をバカにするな!統堂一刀流は最強!天下無双だ!」



優理は単純なほどすぐに激昂


にこはシめたという風に笑った


にこ「ケッ…何が最強(笑)…ガキね」


優理「き、貴様ぁ!」


優理はいままでの戦いからは考えられない浅慮な猪突


それほど優理は英玲奈を心から尊敬しているようだ…


しかし、この戦いにて


圧倒的場数を踏むにこ相手に冷静さを欠いては…



にこ「矢心流…抜刀術…」スー…チャキ…


迫り来る優理ににこは"空丸"を鞘に戻す


358 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/27(日) 05:04:33 07tuYkr.


優理「猪串閃!」




にこ「二虎振一閃!」



二人の一閃が交差する



にこは刀を振り抜いた状態で静止



その後ろで優理も刀を正段に構えたまま静止



しばらく沈黙の後




にこ「だから未熟だってんのよ…」


にこの第一声はそれだった


真顔のにこ、悔しさが形相に滲む優理


優理「…………え、英玲姉……す、すまない……わ……た……し…負け……ぐはぁ…」ドサッ


パキン!


優理の刀は折れて、優理はその場に倒れた


しかし、出血は少なく……血らしい血は吐血のみ


優理「ど……どういう……つもりだ……何故私は死んでない……き、斬られた……はず……だ……」


優理が傷を確認すると胸を斜めに斬られてはいるが浅い傷



にこ「……急所は外したわ……手遅れじゃなきゃ……まぁ助かるわね……」


達人の域になると斬りながらも相手を半殺しで止めることも可能


優理「ふ……ふざけるな……何故殺さない……こんなの……屈辱以外の……な、何者でもない…!…早く殺せ!」ビクッビクッ


痙攣しながらにこに精一杯叫ぶ


にこ「はぁ?アホらし…なんでにこが負け犬に命令されなきゃなんないのよ…」スー…チャキ!


にこは刀を納め後ろを向いて優理を見向きもせず


優理「き……貴様……私に生き恥を」


にこ「バーカ死ぬ方が余程恥ずかしいでしょーが」


359 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/27(日) 05:08:33 07tuYkr.


優理「……!……」


にこ「死ねば敗けが一生の恥、生きれば敗けでも一回の恥……それで済む……それとも何?また復讐戦でもする?」


優理「……………………」



にこ「よく考えなさい青二才……どうしても死にたいなら切腹でもすれば?」


優理「……くっ……後悔しろ……私を生かしたこと……」



にこ「もう後悔してるわ……あんたと戦った時間自体をね」



にこはそのまま一度も優理に振り返ることもなく立ち去る



優理「ぐっ……何が死ぬことが恥…!…こんなところで……中途半端に生かされた方が……」


英玲奈「ああ……屈辱だな……」


優理「!?……え、英玲姉……!……」


突如現れたのは英玲奈


いや途中からきっとにこの戦いを見ていたのだろう


英玲奈「派手にやられたな優理」


優理「え……英玲姉……す……すまない……ぶ、無様な……姿を…」


英玲奈「ああ……無様だな……今の戦いはなんだ、統堂一刀流の者、敗北即死に値する……」

優理「ああその規約通りだ……こ、殺して……くれて……構わない……私は……不敗の統堂一刀流に泥を……!?」ギュ


英玲奈「だが……生きててくれて良かった……」


英玲奈はそっと優理を抱き締めた


優理「え、英玲姉ぇ…」ウグッ


優理は優しい英玲奈の声に泣きそうになる


優理「わ、私は……き、規約を……」


英玲奈「規約?そんなこと知るか……何度助けに入ろうと思ったことか……でもあれはお前が仕掛けた戦い……ぐっと堪えた…だがなやっぱり……お前が心配で心配で堪らない…本当に生きてて……良かった…」


優理「うぐっ……ひっぐ……ふえええええん!」

耐えていたものが溢れだす


路地裏に一人の女の泣き声が響いた


英玲奈「(しかし……優理は決して弱くない……矢澤にこ……測り知れぬ奴だ……)」ヨシヨシ


360 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/27(日) 05:20:53 07tuYkr.
ここまでで
速さのみだと
人斬り現役にこにー≧こころ>人斬り引退にこにーになります
金剛装備+手加減だったのであのときは敗北
まぁこんな感じですかね


361 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/27(日) 15:56:00 RP1VZNmo
おつおつ


362 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/27(日) 19:45:22 00z3cHoo

人切り抜刀斎モードと流浪人モードの違いのようなものか


363 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/28(月) 09:49:02 seZPpc/g
なるほど
にこちゃんつおい


364 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/30(水) 00:54:35 4Kuw7nuU
優理ちゃん何気に可愛い


365 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/30(水) 18:29:52 SmL/pmIo


海未side


かくかくしかじか


希「なるほどなー…ほんでウチのところに来たん?」


海未「貴女のことは正直今でも信用できません」


希「それはお互い様やウチも海未ちゃんは信用出来んなぁ」


海未「ですが…穂乃果の話を聞いたり貴女を庇おうとする態度を見る限り…悪い人間ではないと私は判断します…だから貴女がやらかしたことは一度水に流しましょう」


希「それを聞いてウチも一安心やん、穂乃果ちゃんの親友ってことならウチも海未ちゃんを信じる」


海未「ですが事情は聞かせて貰います…副長としてではなく、穂乃果の親友として」


希「………………」


海未「希、お願いします……」


希「しゃあないなぁ…こんなこと見廻組の人間に言うなんて絶っっっっ対っ!あかんことなん…だから絵里ちには黙っといてな…良くも悪くも絵里ちは真っ直ぐやから…」


海未「内容にもよりますが…約束しましょう…」


希「はぁ………まさか海未ちゃんにバレることになるとはなぁ……ウチも抜かったなぁ」


366 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/30(水) 18:30:26 SmL/pmIo


海未「希…観念してください」


希「しゃあないなーほんまに」



海未「…………」ジー


希「怖いなぁ海未ちゃんそんな睨まんでよ……せやなぁ…まずはどこから話そうか…ウチが何者か…からかなぁ」


海未「お願いします」


希「ウチは言わば観察者なんよ」


海未「観察者?」


希「そう観察者…もっと分かりやすく言うと気を伺ってるんや」


海未「気を伺う?いや全然意味が分かりません」



希「そのまんまの意味やよ?気を伺ってるんや……そう…」




海未「………」ゴクリ…


















希「倒幕の気をね…」ニヤリ



海未「!!!!????」


希はニヤリと笑った


海未は言葉に出来ない衝撃を受けた


そして自然と刀の柄に手が触れていた


海未の背後に何者かの影…


367 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/30(水) 18:31:02 SmL/pmIo


にこside



にこ「海未いる?」


ガラララ


にこは真姫の診療所の戸を開けた


しかし、そこに海未の姿はなく…あるのは


真姫「…………」スー…スー…


疲れて机にうつ伏せて眠る真姫


にこ「う……ごめん……海未……は……いなさそうね……どこにいったか聞きたいけれど……」


真姫「…イミ……ワカン……ナイ……」スー…スー


にこ「こんな気持ち良さそうに寝てたら聞くに聞けないわね…つーか診療はどうしたのよ…まだ本業してる時間でしょ」


もう日が落ちそうな夕刻…そろそろ診療所を閉める時間ではあるが…閉める時間を待たず真姫はスヤスヤと眠っていた


にこ「というか穂乃果もいないわね…どこにいったのかしら」


真姫「……………」スー…スー…



にこ「本当…どうしたもんかしら」


選択肢(好感度)


1、布団を掛けてあげて真姫が起きるまで待つ


2、穂乃果を探す


3、悪いけど真姫には起きて貰う(普通に起こす)


4、少し意地悪して起こす


安価下


368 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/30(水) 18:34:28 GIL4VbKg
4


369 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/30(水) 18:35:59 SmL/pmIo
いやー遅れてすみません
夜勤から朝勤からの飲み会、帰省してるライバー友達とカラオケなどで最近ほとんど時間が取れなかった


いい忘れてましたが好感度選択肢は話の内容と好感度とフラグが変わるのみで物語の流れは変わりません
物語の流れが変わるのは通常、重要選択肢の方です
一応説明

では安価下で


370 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/30(水) 18:37:23 SmL/pmIo
すみません
じゃあ4で素早い安価ありがとうございます


371 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/30(水) 18:41:38 GIL4VbKg
たまたま覗いたら来てたからね
いつも楽しみにしてるよ


372 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/31(木) 10:57:43 8mYDSZb2
年末年始はゆっくりでしゃーない
楽しみに待ってる


373 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/31(木) 23:43:43 N8iQoYsU

選択肢4


にこ「しょうがない真姫を起こすしかないわ……でも普通に起こすんじゃ面白くないわよね〜」ニヤリ


にこは悪い顔をして眠る真姫の背後に近づく


真姫「…………」スー…スー…



にこ「………」ソー…


ゆっくりと真姫のわき腹に手を伸ばす


にこ「こちょこちょ」


真姫「……ンフフ……ヤ…ヤメナサイヨ…んにゃ…んにゃ」


軽く擽って見る


しかし、寝言で笑い…否定するのみ


にこ「うーん、起きないわね〜…じゃあ…」


にこの手は真姫の顔に移動する


サラッ


ぷにぷに


真姫の髪を掻いて頬を触って見る


真姫「んー……」


にこ「いつも目がつり上がってるし無愛想だから気づかなかったけど……可愛いわね」


真姫「ッ!?////////…………」


にこ「ん?今照れたような……」


真姫「………………」スー…スー…



にこ「ははーん…そういうこと…」ニヤリ


真姫「………………」



にこは再びわき腹に手


にこ「はーい!にっこにっこにー!」コチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョコチョ


真姫「ンフ!……ンフフフフフ!…ちょ、…くふ…ふふふははは…や、やめなさいってばぁ!……くははは」


にこ「やーっと起きたわね」


真姫「!?……………」スー…スー…


にこ「まだ意地はって寝たフリする気なの…!…」


374 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/31(木) 23:46:50 N8iQoYsU



真姫「………………」スー…スー…



にこ「いや完全に起きてたわよね?」



真姫「………………」スー…スー…



にこ「あっそ…意地でもそうくるのね」ニヤリ


にこは再び悪い顔して手を真姫に伸ばす


プニ…プニ…


真姫「ヴェ!?…」


にこ「これでも起きない気ね」モミモミプニプニ


真姫「きゃああああああ!ちょ…どこ触って!」


真姫は一瞬で跳ね起き…ジタバタもがき始める


そう、にこは胸を揉んでいた


にこ「ちっ…あんたもにこよりでかいわねくっそー」ワシワシモミモミ


真姫「ちょ////や、ヤメナサイヨ!////お、起きたからぁ////」


ワシワシモミモミ

ワシワシモミモミ

しかしにこはワシワシを辞めない


にこ「いーや許さん!ほれほれー!」ワシワシモミモミプニプニ


真姫「ち////ちょっと////いい加減に…!?」



モミモミワシワシクリッ


真姫「あっ////んっ////」


にこ「あ、ごめん…今乳首触って…」


375 : 名無しさん@転載は禁止 :2015/12/31(木) 23:47:48 N8iQoYsU
真姫「………////////」ジワァ…キッ!


真姫は顔を真っ赤にして涙目でにこを睨む


にこ「(あ、まずいわこれ…)」


真姫はフルフルと体を震わせていた


ストッ


にこ「!?」


音を立て勢いよく立ち上がった真姫は





シャキン!


真姫「わああああああ////死ね////死ね////腐れ侍!!!」


ブォン!ブォン!


真姫は咄嗟に"派入鹿"を手にしてにこに目掛け本気で振り回す


にこ「おわっ!!ちょ…ちょっと!?真姫!?落ち着いて…」ヒョイ!ヒョイ!


真姫「うるさい!うるさい!バカ!バカぁ!にこちゃんのバカぁ!」ブワァ



ブォンブォンブォンブォン


にこ「ぎゃあああああ!危ない!危ないって!マジで死ぬから!ごめんなさい!マジでごめんなさい!」


真姫「絶対許さない!死刑よ!斬首よ!」


ブォン!


にこ「ちょ、冗談でしょ」



スパァン!



にこ「ひっ」ガタガタ


にこのスレスレ目の前の机が真っ二つ


目の前には髪の毛も相まって山姥の形相に見える真姫


376 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/01(金) 00:35:27 Ndi6bfoM
新年早々いいゾ〜これ


377 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/01(金) 01:02:30 99dP.7y6
素晴らしいですわ


378 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/01(金) 11:23:04 RCVKEnpE


真姫「……………………」ゴゴゴゴゴゴッ!



にこ「……あ…あの〜………ま、真姫?………いや真姫さん?にこも最後のアレは悪気があった訳じゃなくてですね…そのですね…じ、事故でして…まさかあんな感じるなんて…あっ…」


にこは言ってから気づく…要らんこといったと


真姫「///////…最っ低…!…」キッ!


チャキ…



真姫はにこに"派入鹿"を向ける


にこ「にこぉ〜」


にこは尻餅をついたまま無抵抗…ただ真姫に許してもらおうと必死で反撃するということすら頭に無いようだ





穂乃果「ん?なんか外が騒がしいね…真姫ちゃん何してるんだろ?………ハッ!?まさか早速敵襲!?」



穂乃果は隠し部屋からそろ〜っと覗く


穂乃果「ん?」



しかし、見た光景は


見たことある二人が一人は座り、一人は立っていた


穂乃果「に、にこちゃん?…帰ってきてたんだ……で?真姫ちゃんは何してるの?」


にこ「!?…ほ、穂乃果ぁ!?あんたどっから…」


真姫「にこちゃん!話は終わってないわ!いや貴女はここで終わりよ」


チャキ…


にこ「ひっ…だから悪かったわよ!」


穂乃果「ちょ…ちょっと!?真姫ちゃん何やってるの!?」ガッ


穂乃果が慌てて"派入鹿"を振り回す手を掴み、真姫を止めに入る


真姫「ど、どきなさい穂乃果!こんの破廉恥侍だけはぁ!」


穂乃果「ええ〜…にこちゃん何したの?真姫ちゃんすごい怒ってるよ?」ユルッ


379 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/01(金) 11:25:27 RCVKEnpE


穂乃果はその瞬間手を緩めてしまった


ブォン!ブォン!ブォン!


真姫が再び得物を振り回す


にこ「わあああ!穂乃果!そ、そのまま止めてなさいよ!」


真姫「止めなくていいわ!あああ!」


チャキン!…ブォン!



にこ「ひいい!」


ガァン!



穂乃果「ああもう!待って!待って!」


穂乃果が間に入る


真姫「ふー…ふー…」


穂乃果「真姫ちゃん落ち着いて…今こんなことしてる場合じゃないでしょ」


真姫「…………」


にこ「そ、そうよ落ち着いてよ」


穂乃果「にこちゃんも!」


にこ「!?」


穂乃果「悪いことしたならちゃんと謝らないと」


にこ「い、いやさっきから謝ってるけどその前に…真姫がにこを殺そうとするから」


穂乃果「もう一度謝って真姫ちゃんは私が抑えておくから」


真姫「人を獣みたいに言わないでよ…はぁ…もういいわよ…なんか冷めたわ」


にこ「いや謝らせて…」


にこは地面に膝をつける


真姫、穂乃果「!?」



にこ「大変申し訳ございませんでした」土下座


380 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/01(金) 11:33:42 RCVKEnpE



真姫「とても情けないわね」


にこ「…許してください」土下座


真姫「侍が聞いて呆れるわ」



にこ「誠に申し訳ごさいませんでした」土下座


真姫「ねぇあなた侍としての誇りとかないの?」



にこ「そんな誇りなんて…殺されちゃ堪りませんし」土下座額地面つけ


ドン!


穂乃果「やめてにこちゃん私これ見たことある」


穂乃果には腕組みしている真姫が海未、土下座しているにこが自分に見えていた


真姫「はぁ〜もういいわ…あんなぶちギレてた私がバカみたい…に、二度としないでよ/////」


にこ「はい、すみません」



真姫のにこに対しての好感度はそのまま


真姫→にこ、好印象(多少は上がっている)


381 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/01(金) 11:41:42 RCVKEnpE
正月も仕事なんでとりあえずここまで

あけましておめでとうございます
まさかにこちゃんを正月早々土下座させる羽目に


とりあえず俺もm(__)m


382 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/01(金) 17:36:36 99dP.7y6
あけましておめでとう
今年も楽しみにしてるよ


383 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/02(土) 02:19:08 0oLZH3l2
あけおめにこ土下


384 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/03(日) 16:02:22 ZHQFSqtI


そしてしばらくして


にこに今までの事情を説明


にこ「なるほどね…それで海未は希のところに………にしても遅くない?」


そうもう夜刻


海未が出ていったのはまだ明るいときで希と話し込んでいるとは言え流石に帰るのが遅い


穂乃果「うん…穂乃果もちょっと心配になってきたよ」


にこ「そうねー…でも穂乃果あんたはそのまま隠れてなさい」


にこはスッっと立ち上がる


にこ「希の神社に行ってくるわ」


真姫「大丈夫なの?夜は常に誰かが斬られるって言われるほどこの音ノ木は物騒なのよ」


にこ「大丈夫よ………というか今日すでに二回斬られかかってるし」


その二人→優理、真姫


穂乃果「いや余計心配するよそれ」


にこ「物騒なのは慣れてるわ、もう色々ありすぎて何が来ようが怖くないし(さっきの真姫以上に怖いものなんて)」ジトー


真姫「…?…何よ…」


从廿_廿从


にこ「い、いやなんでもないわ………と、とりあえず神社に向かうわ……真姫は穂乃果をお願いね」


真姫「当たり前でしょ…元々そのつもりよ」カミノケクルクル


にこ「じゃあよろしく頼むわね」


真姫「ふん!変態侍の頼みなんてこっちから願い下げよ!」カミノケクルクル…ピッ


にこ「だ、誰が変態よ!」


真姫「寝てる私に背後から胸を…」カミノケクルクル…サワッ…サワッ…


にこ「ぐっ……しつこいわよ」


真姫「貴女の土下座ぐらいで私の恥辱が晴れるとでも?……本来ならあんな姿を晒してしまった貴女を今すぐにでも消したいのよ…」カミノケクルクル…チャキ…


"派入鹿"準備


にこ「あ、いやごめんなさい……勘弁してください……」ペコリ


穂乃果「うわぁ……にこちゃんすっごい格好悪い」


にこ「うっさい!!」


とにもかくにもにこは希の神社に向かう


かよちん「…?…」


ちょうどすれ違いでかよちんも帰ってきた


心配そうな不安そうな顔をしている真姫を見て首を傾げていた


真姫「……バカ……」


385 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/03(日) 16:03:00 ZHQFSqtI


海未side


少し時間が戻って夕刻



?「…………」チャキン!



海未「希どういうつもりですか?」


謎のくの一が背後から海未の首に刃を当てる


希「何……大人しくウチの話を聞くだけなら何もせえへんよ?」


海未「………………」


希「ごめんなぁ海未ちゃん…やっぱり一応…見廻組はな…」


?くの一「………………」


海未「はぁ……まぁいいでしょう、倒幕といいましたね…貴女たちはまさか攘夷志士なのですか?」


希「うーんちょっと違うなぁ…うちは一応幕府側なんよ」


海未「…???…倒幕なのに幕府側?意味が分かりませんが…」


希「せやからウチはあくまで巫女や」


海未「?」


希「まぁええんよウチの話は……まぁ見廻組の敵ってことは間違いないな」



?「………」チャキン!


海未「………………で、この背後の人間は誰ですか?先程から殺気がすごいのですが……まさか……これが"さすらいの"………」


希「あー違うんよ……その娘はね……」


386 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/03(日) 16:05:15 ZHQFSqtI

希「"さすらい"ではないんや」


海未「では誰ですか?」



希「それは流石に言えんなぁ…」



海未「希…洗いざらい話すと言ったはずです…破るならこの無礼な状況許しませんよ」チャキ…


刀の柄を握り目が尖った海未



希「洗いざらいとは言ってへんよ?」


海未「そんな下手なとんちみたいな言い訳はいいです」


希「規定は規定や…ウチにも立場がある…この娘の正体を暴く権利はないんや」



海未「それは正体は知っているということですね…なるほどなら…」チャキ…


スパッ…キィン!


海未「力ずくで…」


希「強引やなぁ」ギギ…



海未は一瞬で間合いを詰め、くの一に向けられた刃も一瞬で振り切り、希に斬りかかる…しかし、鞘から半分刃を出したくらいで希の"亜衣無"に受け止められる


海未「やっぱり…貴女はただ者ではないですね…」カタカタ


希「一回…落ち着かん?海未ちゃん?」カタカタ



?くの一「ごめん希ちゃん…」


海未「甘くみられたものですね、背後を取られたくらいで私を無力化できたと思わないでくださいね」カタカタ


希「いやーそれは思ってへんよ…でもなぁ…」カタカタ


海未「…!?…」


海未はその瞬間、背筋が凍った感覚に陥った


バッ!


即座に希から離れ、背後からの殺気を探す


希「そのくの一も甘く見ない方がええよ」フフフ


387 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/03(日) 16:07:20 ZHQFSqtI


シュン…シュン…シュン…


海未「なるほど…速い…目では追えませんね」


リン…リン…リン…


海未「これは…鐘の音…?…」


?くの一「…鳴り続け…!半鐘…!…輪我鐘」


リン…リン…リン…リン…


ピシュ!


海未「くっ…」


海未は飛んできたクナイを辛うじて避けるが


リン…リン…ピシュ…リン…リン…ピシュ…リン…リン…


海未「ちぃ!」ツー…サッ…


今度は頬と、腕を掠める


海未「(目ではすでに捉えられない耳でも鐘の音が煩すぎて足音も動作音も分からない…そもそも集中できない)」


リン!リン!リン!リン!リン!リン!リン!


海未「ですが…なるほど分かりましたよ貴女の正体…」スー…チャキン!


海未は戦闘を止め鞘をしまう



希「あーやっぱりなぁ…残念やね…」


くの一「いいよいずれはバレる運命…」


スタッ!


くの一は海未の目の前に着地


くの一「………………」


海未「……その誰も気にせずにはいられない鐘の音……貴女は"輪廻半鐘"ですね………いや名前までは分かりませんが」



くの一「凛だよ」


海未「!?」


希「言ってええの?凛ちゃん?」


凛「ここまで来たら勢いにゃ…」


海未「これは初耳ですね……巷を騒がす義賊の名は…凛…」


凛「星隠れのくの一、星空凛にゃ…以後お見知りおきを…」


海未「星隠れ!?……また随分と名門の名を聞きましたね……」


388 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/03(日) 16:08:54 ZHQFSqtI


凛「まぁ抜け忍だけどね」


海未「…里を抜けた…?……なるほどそれで義賊を……しかし何故抜けたのですか?」


凛「!ッ…」


忍装束で鼻まで隠している凛の表情は目しか伺えないが、その目が海未の疑問で少し憂いた



しかし、暫くの沈黙の後、表情を戻し、目線をしっかり海未に向け


凛「親友のためだよ」


はっきりと言った


海未「親友のため…?…」


凛の目は真っ直ぐだった


凛「そう…凛の大切な大切な親友のため…凛は里を抜けた」


海未「………………」


具体的な理由は分からない凛もそれは語らない……だが……海未には理解できた


凛が自分と同じ何かを決意した目をしていたから


海未「そうですか」


故に海未は信じることが出来た


海未「…で?希とはどういう関係ですか?」


凛「ああ…それは…」



希「それはあれやんなぁ…凛ちゃんと一夜の間違いがあってやなぁ」


凛「そうにゃ…あのときは凄かったよねー」


海未「なっ////////」


389 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/03(日) 16:09:51 ZHQFSqtI
とりあえずここまで
あんま書けんですまぬ


390 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/03(日) 16:44:20 UtIn7rY.
正月だし書いてくれるだけでありがたいさ


391 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/03(日) 23:37:37 ZpG5B6J6
今年もよろしくやで


392 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/05(火) 11:05:39 5Rj4D8.k
一夜の間違いを詳しく


393 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/06(水) 14:47:09 UIZrd/r2
しえん


394 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/07(木) 00:58:57 2aPWENNI
おいついた
期待


395 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/07(木) 16:09:30 HX10ryLA

希「あの夜は気持ちよかったね」


海未「き////////気持ちよかった////////」


凛「あんな世界もあるんだなぁって思ったにゃ」


海未「あんな////世界////」


希「あんな夜を過ごせるなんてやっぱり凛ちゃんと出会ったのは運命やったね」


凛「うん…凛も希ちゃんに出会って良かったにゃ…凛も少し大人に…」ウットリ



海未「や、やめなさい////は、破廉恥ですよ!そんな////」


希、凛「破廉恥?」



………………………



希と凛の出会いはそれは本当に間違いから起こった



希「ふんふーん♪」


希がいつものように賽銭箱の周りを掃除していたときのこと


手紙「天下の大泥棒…"輪廻半鐘"からの果たし状!」


奇妙な手紙が挟まっているのを見つける



希「ん?"輪廻半鐘"?あー、なんか最近騒がしてる泥棒さんやな…ウチなんか目をつけられるほど悪いことやったかなぁ…」


希は頬に手を当て、思い浮かべる


そう、"輪廻半鐘"は金品財宝を奪い去る泥棒なのだが、奪う相手は決まって悪徳商人や貴族など悪人にしか盗みを働かない


希は自分では真っ当な生き方をしているつもりだった


希「だって巫女だし」


誰に言っているのか分からない声を上げる


希「まぁ何にせよ…謎の怪盗"輪廻半鐘"…ウチと戦う気みたいやね」


手紙「悪徳巫女…東條希!今宵お主の庭であろう神社にて待っていろ…その存在が罰当たりな賽銭箱はしかとこの私が神に返してやろう」


希「…………」


396 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/07(木) 16:10:26 HX10ryLA


希「えらい言われようやね…悪徳巫女、存在が罰当たりな賽銭箱…いや全く身に覚えないなぁ」


……………………



希「…………」スタスタッ


チンピラ「…………」スタスタッ


ドカッ…ピタッ


チンピラ「いってーな!てめー!どこに目つけてんだ!」胸ぐらグイッ


希「ご、ごめんなさい」


チンピラ「謝って済む問題じゃ…………なぁっ!?」ガタガタ…


希「ど、どうしたんですか…?…」アタフタ(ニヤリ…


希は気崩れた着物を直す


パタ…パタ…


チンピラ「か、身体が…動か…」


希「動かへん?…それは大変やなぁ…キスケさん」ニマニマ


チンピラのキスケ「!?…………な、なんだてめー…なんで俺の名前を!……」


希「奥さんと子供に暴行してるんやってなぁあかんよそんなことしたら」ザッ


希が取り出したのは巾着袋…恐らくチンピラの財布だろう


チンピラのキスケ「そ…それは俺の…」


希「ちゃうやろ?貴方の奥さんと子供のや…暴行して金だけ巻き上げて…今日もこの賭博場で散財?あかんなぁ」


チンピラのキスケ「あのアマぁ!…てめえ!!あいつの差し金か!!!」


希「いいんや…ウチは知ってるんよただ知ってるだけや」シャキン!


チンピラのキスケ「!?」


希は"亜衣無"を翳す


希「さて…それよりどうするん?」


チンピラのキスケ「…ま、待て…お、お前は一体…(ち、ちくしょー…なんで身体が動かねぇんだ!!)」


希「質問に質問はあかんなぁ」ギロッ…シャキン!


397 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/07(木) 16:11:16 HX10ryLA


チンピラの首スレスレに刃



チンピラのキスケ「ひぃぃ!ま、待て…!…待て…!…」


希「じゃあどうするん?」ギロッ


チンピラのキスケ「そ、その…財布は好きにしろ…だ、だから命だけはぁ!」


希「フフン!毎度あり♪じゃ!」


希は先程の不気味な睨み顔、ドスの聞いた声ではなく爽やかな声と笑顔でチンピラに手を振り、そのまま通りすぎる


チンピラのキスケ「え?…ちょ…」プルプル


希「さてさて賭博場♪賭博場♪いこいこ〜♪」


チンピラのキスケ「お、おい!待て!この動けないのどうにかしろ!」


希「え?」


チンピラのキスケ「いや…え?じゃねぇ!なんか知らんがお前の仕業だろ!」


希「知らんよ?」真顔


チンピラのキスケ「は、はぁ!?ちょ…おま…ふざけんな!!!」


希「いやいやウチも急にお兄さん動かへんなったんわ予想外やったわ…いや〜世の中まったくすぴりちゅあるやな〜」


チンピラのキスケ「す、すぴ…?…いやそれよりもこれ…」


希「あー…」


チンピラのキスケ「あー…じゃねぇよ!」



しばらくの沈黙





希「うーん…」考えるフリ


チンピラのキスケ「…………」ゴクリ……



再び沈黙





希「さっぱり分からん」真顔


チンピラのキスケ「はぁ!?」


希「じゃ、まぁお兄さん頑張って」フリフリ



チンピラのキスケ「いや…ちょ……ふざけんなあああああ!だ、ダレカタスケテー!」


希「クスクス♪」


チンピラの背中には希の不思議な御札


希「朝から晩まで貼り付いて動かずそれは溢れだす愛しさか呪縛か…乙女札二式、双離幸縛……まぁ解けるまで素敵なことでも数えててや」クスクス…


希の振り袖に隠れている手からも指に挟まれた御札


希は笑いながら賭博場に消えていく


398 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/07(木) 16:14:25 HX10ryLA


……………………


そしてなんだかんだ夜


希「うーん…まったく思い当たる節がないなぁ…ちょっと失礼やない?ウチに対して」


希は今日のことを思い返したが何も悪徳と言われる筋合いはないと憤慨した


とりあえず希は応戦の準備だけは心得た


希「ま、久々の参拝客歓迎しよ」


パン!


希は両手を一回叩く


希「誰もいらない…誰も知らない閉じ込めた空間、結界、硝子の花園、二ノ丸」


ギュイーン!



希「泥棒さんがどこまで優秀かは分からないけどウチの花園はそう簡単には参拝させんよ……ん?」


シュ


希の足元には手紙が括られたクナイ


希「…………」ペラペラッ



手紙「もう侵入したから結界は手遅れにゃ」


希の結界破られたり


希「!?………へぇー……これは楽しそうな相手やん」


しかし、希は楽しそうだった



希「結界の存在を知ってるということはウチが結界を使うことも知っていた…ということは最初からそのつもりやったな……泥棒さん……これはウチとしたことがこんなに読まれてるとはなぁ」


神社内にいる…しかし、姿は見えなかった



いや……見えるものはあった


399 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/07(木) 16:14:49 HX10ryLA
希「羽根?………すぴりちゅあるやね……こんな羽根ウチは知らない」


凛「気づけば羽根まみれ!星空殺法!羽根の刻印!」


舞う羽根型のクナイが希に先端を向け無数に飛来する


希「逆さまに逆巻け、乙女札三式、流転死」


希は御札をばら蒔くように展開


飛来する羽根型クナイが御札がぶち当たる


その瞬間、クナイの軌道が逆さに流れ始める


?「なっ!?」


ちょうどクナイが跳ね返るように流転し帰す


ピキン!ピキン!ピキン!ピキン!


凛「うわにゃにゃにゃ…」


シュン!…シュン!


400 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/07(木) 16:17:14 HX10ryLA


凛「あっぶないにゃー」


スタッ!


凛はひっくり返ってきたクナイを持ち前の瞬発力で全て避け、希の目の前に着地


希「すっごい身のこなしやね…流石、忍出身の泥棒」


凛「そこまで知ってるんだ………いやそれよりもその御札は何なの?」


希「うーん、我流陰陽神道ってとこかな?」


凛「随分曖昧答えるね…まぁ結界を張ってくる時点でそんな感じだとは思ったにゃ」


希「そっちは…忍術やろ」


凛「そうにゃ…まぁ陰陽道に比べたらまだちゃちなもんだけどね」


希「いいやさっきのあのクナイには度肝を抜かれた…並大抵の忍術やないよ…くの一さん」


凛「奇妙な御札でそれを全て跳ね返した貴女がいうの?並大抵じゃない巫女さん?」


希「ウチはそんな大したことないよ」スー


凛「にゃ!?」パシッパシッ



凛の視界が切り取られるように狭まる


凛「な、何これ…何これ!…気持ち悪いにゃ」


希「ウチの"亜衣無"はよく光が跳ねる…それが貴女の視界を射し込むように切り取られても不思議じゃないんよ」


凛「光って…今、夜だよ…!?…」


希「月光さえあれば十分や……これが奥義、純愛水晶」


凛「マジで何もんなんだにゃこの巫女」


希「ウチは普通の巫女や…それやのに随分ひどい言い草で何の用なん?くの一さん」


凛「嘘はいけないにゃ…貴女から色々と黒い噂は…」


希「ふむふむ黒い噂ねぇ」


401 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/07(木) 16:19:06 HX10ryLA


希はてくてくとのんびり歩き出す


凛は警戒しバッと身構えるが希は後ろ手に組んだまま


夜空を見上げる


希「綺麗な星空やね」


凛「!?ッ」


希「んー?どうしたん?くの一さん?星空に反応したね?まさか名前は星空さん?」


凛「し、知らないにゃ…」プイッ


希「………………しかし、満天の星空はいいよね…とても綺麗……」


凛「………………」


希「あ、流れ星!」


凛「!?……ほんとだ」


希「珍しいこともあるもんやね星空さん」


凛「そんなこと言ったって無反応貫くにゃ」


希「フフフ……ねぇでも星って綺麗よね?」


凛「……?……う、うんまぁ……」


希「貴女はあの綺麗な星々が実は近付いてみると汚いとか考える?」


凛「へ?い、いやあんまりそんな深くまでは考えないけど…」


希「そう、普通は誰も考えない……考えない人がいないって訳じゃないけどそういうこと考える人はきっと突き詰めて突き詰め過ぎる頭が堅い真面目な人なんやと思う」


凛「……何がいいたいの?……」


希「さて……星空凛……貴女はどっち?」


凛「り、凛の名前を…!…なんで…!?…」


希「質問に質問はあかんなぁ……」


凛「………………」



希「さぁ、凛ちゃんはどっちや、純粋に星を綺麗と思える人間か、いやいや実は……と突き詰める人間か……」


402 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/07(木) 16:20:08 HX10ryLA


凛「それは貴女のことを深く詮索するなってことかにゃ」


希「さあね…ウチはどっちにしても」ドサッ


希はその場に寝転がった


凛「!?」



希「こんな綺麗な夜に殺し合いなんてしたくないし、争う気はないよ」



凛「正気かにゃ」


希「これを正気と考えるか罠と考えかも凛ちゃん次第や」


凛「なるほど…希さん貴女が白か黒か綺麗か汚いか自分の考えで見極めろって訳か」


凛はうーんと唸った


凛はどこからか手に入れた希の情報…それは実際の希を見るに合致しそうで不合致な情報だった


いや所詮、この情報は噂…と切り捨てることもできるのだが


それだけでは凛も動かない


やはりこの女に何かあると考えるのが凛自身の直感である


しかし、凛は直感ですら


希「…………」


凛「(悪そうな人間に見えないのは事実にゃ)」


と感じていた


403 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/07(木) 16:22:30 HX10ryLA


多分、希はこう言いたかったのだろう


自分の直感を信じて綺麗なものを綺麗なまま見続けるか、突き詰めて汚い部分を見つけるか


そう言われると凛の答えは決まっていた


凛「…凛も一緒に寝転がって星を見ていい?」


凛に後者の趣味はなかった


そもそも、そういうのが嫌で忍を抜けたのだから


希「ふふ♪ええよ凛ちゃん!」


凛「ありがとう…え、えーと希さん?…」


希「希ちゃんでええよ」


凛「う、うん…希ちゃん!」ドサッ…ギュ…


希「え!?//////」


凛は寝転がって希の手を握る


意外に人懐っこい凛に希もこれは不意打ちだった


凛「ん?どうかしたの?希ちゃん?」


希「い、いや別に…急にすごい距離が近いなぁなんて////」


凛「凛も寂しかったんだにゃ…ずっと大切な友達とは別れないといけなかったり、ずっと一人でいなくちゃいけなかったり………だからぁこれが罠でも今のうちに希ちゃんには甘えておくにゃー♪」ギュー


希「ふ、ふわぁぁぁ////////(こ、これは予想外やった……)」


この反応………凛は確信した


なんだか分からないけれど希ちゃんはいい人だって



だから余計に攻めた


凛「希ちゃーん!」モッギュー


404 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/07(木) 16:23:33 HX10ryLA


……………………


希「あの凛ちゃんの激しい攻めはすごかったな(物理)」


海未「激しい攻め////////だ、だから破廉恥です////////」



凛「何言ってるの?希ちゃん全部受け止めて跳ね返してきたじゃん(物理)」


海未「受け止めて////////跳ね返して////一転攻勢////////だ、駄目ですぅ〜////そんなの破廉恥ですよ!」



希「やからなんで破廉恥?最後は夜空の下抱き合いながら寝てたけど……破廉恥なん?」


海未「夜空の下/////まさか野外で//////は////破廉恥ですよ十分!何考えてるんですか!」


希、凛「?」首傾げ



海未「ま、まったく……最近の若い者は風紀が乱れきってるみたいですね」


凛「海未ちゃんも最近の若い者にゃ」


希「ウチに関しては海未ちゃんより年上やし」


海未「こ、こほん……ともかく事情は分かりました……それでやっと本題に入りたいんですが……」


希「ふむふむ」


405 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/07(木) 16:24:37 HX10ryLA
一旦ここまで
最近更新疎らで本当にすみません


406 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/07(木) 18:18:15 vngjRFeE
リリホワ〜


407 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/07(木) 18:37:37 N7hJjhFY
希ちゃんが人外じみている


408 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/08(金) 00:17:25 hS/asTvs
マイペースでいいんだぜ


409 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/11(月) 02:03:01 70bKgmCA


海未「"さすらい"についてです……もう気づいてはいるでしょうが彼?彼女が穂乃果の隠れ家の提供者だということはこの園田把握済みです……そしてそれと繋がりのある貴女方二人……私が言いたいことは分かりますね」


希「ふむふむ穂乃果ちゃんとその隠れ家で同棲生活をしたいっちゅーわけやな」


海未「そうそう……穂乃果と二人きりの……って違いますよ!そもそももう奴ら(ツバサ組)に場所割れてるでしょう!?違います!隠れ家の提供者"さすらい"について伺いたいのと…あわよくばその穂乃果の元隠れ家を……」


凛「ぶっ壊すにゃ!」


海未「そうです!ぶっ壊します隠れ家として役に立たないそんな家は…!…って違います!ぶっ壊してどうするんですか!そんな過激なこと私はしませんよ……ちょっと凛?話してる途中で余計な茶々入れないでくださいよ…違いますよ!その隠れ家を一度拝見したいと言ってるんです!」


希「隠れ家かぁ…たしかにそれを見ることや案内することは簡単なんよ」


海未「で、では」


希「でもな…その隠れ家を見たところで"さすらい"の何かが分かるわけないし"さすらい"がいるわけでもないし海未ちゃんが今やろうとしてることの何の参考にもならへんと思うよ」


海未「?」


希「彼女は誰にも干渉せえへん……したのは穂乃果ちゃんの手助けだけ…ウチも彼女を見かけたのは数回だけ協力関係なんてそんな大袈裟なもんじゃないんや」


410 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/11(月) 02:04:29 70bKgmCA


海未「何者かも?」


希「もちろん分からへん…ただひとつ分かるのは穂乃果ちゃんの危機には駆けつける言うことやんな」


海未「なら今は何故姿を現さないのですか…」


希「さあ…まだ"さすらい"さんにとってまだ危機じゃないのか…それとも…もうどこかで暗躍してるのか…」


海未「なんですか…それ…そもそも"さすらい"の隠れ家がツバサ組に見つかったからこうなったんですよ…」


希「それにはウチの責任もある…せやから協力するよ」


海未「協力?何をです…」


希は海未に近づきボソボソといった



希「穂乃果ちゃんとの新居探し」


海未「し、新居!?違いますよ!穂乃果の隠れ家探しです!わ、私と穂乃果が住むみたいな言い方はやめてください!」


希「違うん?」


海未「違います!…コホン…と、とりあえず隠れ家は別で探すしかないと…そういうことですね」


希「せやなー…せやからそれまではウチらは協力関係ってことでいい?」


海未「…………」


希「そこ黙らんといてよー」


海未「はぁ……分かりました……分かりましたよ…」


希「よし、決まりや!……で凛ちゃん?凛ちゃんはどうする?」


凛「うーん……凛…凛はぁ……」


凛は腕を組んで悩んでいる


まだかなり警戒しているようだ


凛「様子見でいい?」


海未「随分警戒しますね」


希「しゃあないやろ、簡単に言えば泥棒が岡引きと協力関係築こうなんて状況で…凛ちゃんほどの泥棒が素直にはいなんて普通言えんよ…なぁ凛ちゃん」


凛「うーん海未ちゃんも信用出来ないのももちろん…凛はもう一人…」


海未、希「?」



凛「そのにこちゃんって人も信用できないにゃ」


411 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/11(月) 02:06:40 70bKgmCA


海未「!?…そ、それは…」


希「あー…たしかになぁ…凛ちゃんはにこっちにあったことないし」


凛「伊達に凛もくの一やってたわけじゃないにゃ…そのにこって人昔何やってたか知らないわけじゃないし」


希「げっ…それはまず…」


海未「!?」


凛の発言に海未の眉がピクリと動き、希はばつの悪い顔をした


海未「にこが何をしていたか…知っているんですか…失礼ながら聞いてもいいですか…私も色々彼女のことを知りたいのは山々なんですが…いかんせんどこにも書述などないですし彼女自身も話そうとしませんので」


凛「そりゃそうだよ…彼女は…」


希「んあーーーー!!」


海未、凛「!?」


海未「希?何を大声出してるんですか…しかもかなり変な…」



希「んーんーあーあー…凛ちゃんええんやないかな…にこっちのことは」


凛「?」


海未「よくありません私はにこのことをもっとよく知りたいんですよ…知っているというのなら希貴女にも聞きたいんです」


希「ひ、人には知らん方がいいこともあるんや…海未ちゃん、にこっちも言いたくないということは…そういうことやろ?」


412 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/11(月) 02:07:51 70bKgmCA


海未「で、ですが…にこは私の友人です……その友人のこともっと知りたいって気持ちは間違ってますか」


希「ま、間違ってないけど……(あかんのや海未ちゃんが知ってしまったら…)」


希が言い淀む中、しびれを切らした凛は……



凛「いいじゃん希ちゃん……海未ちゃんの言ってること間違ってないよ…友達に色々隠してるのって良くないにゃ…それがどんな理由でもさ…だからこれはにこちゃんの責任 」


希「凛ちゃん……(それは自分にも言ってるんやろ……)」


凛「海未ちゃん聞いて」


海未「はい……」


希「ほ、本当に話すん?」


凛「その方がいいよ……いずれバレることだし…そうでもしなきゃ凛はにこちゃんを信用できない」


希「でも…それを伝えたら今度は海未ちゃんがにこっちを…」


海未「いいから言ってください…私なら何があろうとにこを信じますから」


希「………分かった……もう何も言わへんよ……」


海未「………凛、お願いします」


凛「あのね…海未ちゃん…にこちゃんは…いや矢澤にこは…」




海未「……………」ゴクリ…


希「………………」ジーッ






凛「あの"人斬り女士道"だよ」


衝撃の事実


海未「なっ!?………………」



海未はこれまでもなく絶句した


413 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/11(月) 02:09:06 70bKgmCA
一旦ここまでで短くてすまない……
支援感謝です


414 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/11(月) 02:54:08 ABVdcSXI

バレちゃったかー


415 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/11(月) 08:20:51 ad8SOPCw
どきどきする


416 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/13(水) 02:59:05 W8PJPnck


にこside


夜の刻


すっかり夜となった音ノ木…にこは神社へと向かう


にこ「海未…何してるのかしら…たしかに話を聞くなら遅すぎるわよね…(もしかして、海未の身に何かあった!?)」スタスタスタ


にこは少し不安になり、神社へ早足で向かう


スタスタスタスタスタスタ


にこ「(いや…でも相手は希よね…希は…………勘だけど…悪い奴じゃないはず…いくら海未が見廻組だからって…)」スタ…スタ…スタ…


にこ「(い、いやでもあの二人にこが見たときはなんか気まずい感じだったし怪しいわよね…!…)」スタスタスタスタ


にこ「(まさかの場合、斬り合いに発展してる可能性だって)」スタスタスタスタ、タッタッタッタッ!


にこはとうとうはや歩きから駆け出しに変わる



すると…スッ


にこ「?」タッタッタッタッ!


?「……」タッタッタッタッ!



にこ「!?………いっ!?……」


凛「やぁ!」


知らぬ間に隣にピッタリとくっついて走っている凛がにこの横目に映る


にこ「な、何奴ぅ!」チャキ!ブォン!



凛「うおっと危ないにゃ」



にこ「にゃ?」



凛「お初に…人斬りさん」


にこ「どこの隠密かしら……ただ者ではないのは分かったけど…(まったく気づかないまま…隣で走られていた…ちょっと屈辱よ)」


凛「さぁね…星隠れの忍とだけ名乗っておくにゃ」


にこ「星隠れ……なるほどこれはこれは……で何の用なの?(ん?…にゃ?)」


凛「まぁ色々と用はあるんだけど…うーんとねー……」


にこ「何よはっきりしないわね…悪いけどにこは人を探してるの…あんたに構ってる暇は…」


凛「人って…海未ちゃんのことかにゃ?」


にこ「!?………なんであんたが知ってるのよ…」ギロ


凛「……!…(おーこれがにこちゃんの殺気か…空気が一気にピリリってなるにゃ)」


にこ「答えなさい…なんであんたが海未のこと探してるの知ってるのよ」


417 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/13(水) 02:59:43 W8PJPnck

凛「さぁね……そりゃあ私が関わってるからじゃないかにゃ?…海未ちゃんの生死に」



にこ「!?………あんた………海未に何をしたのよ」


凛「あはは…もう私が海未ちゃんになんかしたと思ってるの?にこちゃんって結構短気?」


にこ「ふざけないで!…海未に何かあったら…何かしたらあんた許さないわよ」ギリ…


凛「おー格好いいにゃー」



にこ「💢あんたぁ…」チャキ!カタカタカタ…


"空丸"を持つ手に怒りで力が入り過ぎて震えていた


にこ「答えろ…海未はどこよ…」


凛「へぇー海未ちゃん一人にマジギレ寸前、人斬り辞めてから滅多にキレるなんてしてないって聞いてたのに………」


にこ「……質問に答えろつってんのよ」



凛「余程、海未ちゃんが好きなのかな…でもそれって人斬りって呼ばれてるほど散々非道なことしてきたにこちゃんが…たかが他人の命の心配なんて………」



にこ「………………」



凛「少し寒くないかにゃあ?」



ブチッ!💢💢💢



にこ「ああああ!!!💢💢💢殺す!………殺す!……」


凛「あはは!(よし!挑発成功にゃ〜…さあ本当のにこちゃんの真意見せて貰うよ…)」



にこは本気の殺意を向けて凛に斬りかかった


418 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/13(水) 03:01:01 W8PJPnck


キィン!



凛「すっごい速いにゃー」



にこ「にゃーにゃーうっさいわよ!鬱陶しい……斬る!殺す!」


凛「あはは♪にっこちゃんごときに斬っれるかにゃー♪あはは♪」



シュン!シュン!シュン!


にこ「あああああああ!!!いちいち腹立つクソガキがぁ!」



バッ!


ガシッ!



海未「は、離してください希!に、にこを止めなくては…」


どこかの陰から海未が飛び出す…しかし、希がそれを腕を引っ張り引き戻す


希「待って…海未ちゃんも初めてやろあんなにこっち…恐らくアレが今まで隠してきたにこっちの本当の気性…今までは多分仮面を被ってたはずなんや…ウチらは一度にこっちの素の姿ってのを見ておく必要がある」


海未「で、ですが…あれは私を心配してのこと…私は私のために怒ってくれたあのにこで十分信頼に値します」


希「分かってる優しさから来た怒りやって…でもあのちょっと他人の死をちらつかせるだけで一気に激昂する気性…とてもこれから背中を預ける仲間としては危険や(にこっちは人の死に一番敏感なんかもしれんなぁ)」


海未「だからって…こんな…」



希「まぁまぁ…危なくなったらウチらも出ていけばいいんよ」


ブォン!シュン!ブォン!シュン!


にこ「ちょこまかと…」イライラ


凛「ほらほらどうしたの?にこちゃん!」


にこ「チィ!」ブォン!


スーチャキン!


にこは刀を一度鞘に終う



凛「ん?諦めたのかにゃ」


にこ「いやーどうも本っ当…厄介な猫ねあんた……」


419 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/13(水) 03:02:16 W8PJPnck


凛「そうだね私は猫よりも速い猫にゃー!」


にこ「はん!」トン!トン!トン!トン!


にこは足の爪先をトントンと地面に突き始めた



凛「お?その独特な足踏み縮地かにゃ」


にこ「ええ!」



ここは優理のときとは違い、動き回れる広い場所


にこも全速力の縮地を使える


トン!トン!トン!トン!トン!トン!ダッダッダッダッダッダダダダダダダダダダダダダダ



にこ「後悔しなさい…にこを怒らせたこと矢心流、究蹄縮地"豹駆"」



ピシュン!



凛「!?」


にこの姿が消えた



ピシュ!タッ!


遅れてから風切り音と着地音が聞こえた



にこは瞬きした瞬間に凛の背後で刀を構えていた



海未「な!?」



ズバッ!ズバッ!


にこが一直線に凛に駆けて移動した地が割れるように斬れる


ズバッ!バキィ!



海未「に、にこは神速剣とは聞いていましたがここまでとは…これがにこの本気…」


希「限り無く全盛期に近いっていったところやな」


海未「はっ!?ですが…それでは凛は!?」


凛「」スパーン!


海未「り、凛!」


420 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/13(水) 03:04:52 W8PJPnck



凛が真っ二つに割れる



にこ「チィ!豹駆をかわすとはね…」



真っ二つに割れたのは忍装束の案山子


どうやら変わり身の術のようだ


希「凛ちゃんも素早さでは負けてないみたいやね」



トン!


静かににこの背後に着地する凛



凛「い、いやーさっきのはドキッとしたー!」


にこ「白々しい…」


凛「ほ、本当だにゃー…凛の目でよく見えないってにこちゃん速すぎだよ」


にこ「…!…………へぇ〜あんた凛っていうの……」



凛「あっ……」


思わず素が出てしまった凛


にこ「なんでそんな煽ってくるんだと思ったら……猫被ってたわねあんた」ジトー


凛「な、なんのことかにゃー」


希「あちゃあ、やっちゃったなぁ凛ちゃん」


海未「の、希…」


希「わ、分かってるよ…にこっちの殺気が一気に消えたのくらい…で、でももうちょっと待って」


にこ「海未はどこ?無事なんでしょ」


凛「ま、まだ勝負は…」スッ


にこ「はぁ…」ストン!


にこはため息混じりに抜刀した刀を鞘に勢いよく納刀


すると


スパッ…スパッ…


スル…スル…


421 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/13(水) 03:09:53 W8PJPnck



凛「にゃ?…」



凛は自分の真下からする奇妙な音に振り向いた


凛「にゃあ////////」



にこ「あら可愛らしいおみ足ね」


海未「なっ////////」


希「あらら…」


そう…にこは上手く凛の下の袴だけを斬り落とし


丈を膝上の際どいところまで晒した


凛は堪らず下を手で抑える



にこ「さて、海未はどこ?」ジー!



凛「いやぁ////み////みないで////」


にこ「拒否する!…海未の場所を吐けば見ないわ…言わないとずっと見るガン見よガン見」


凛「うぅ////変態!////にこちゃんの変態!////」


にこ「だぁれが変態よ!いいから早くいいなさいよ!」



希「これはええもん見れたなぁ海未ちゃん」ニヤニヤ


海未「何を楽しんでるですか…ほら早くいきますよ」


希と海未はそこでにこと凛のところへ出ていく


422 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/13(水) 03:13:01 W8PJPnck
ここまでで

あと訂正
海未「何を楽しんでるんですか…」でお願いします


423 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/13(水) 06:10:36 aHTKtroY

ステータスが信頼だからこそこの収まり方かね


424 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/13(水) 09:55:43 dPDHkEx2
かわいいにゃ


425 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/13(水) 15:15:20 cfps8rqc

やっと追い付いた
久々に続きが気になるSSや
期待して待ってます


426 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/13(水) 15:21:30 /zj6Wl9k
りんちゃん


427 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/14(木) 10:50:43 WqYZag6k


にこ「……!……海未…それに希……」


海未「あ、あの…にこすみません…試すような真似をして……ですがまさか貴女が"人斬り女子道"だとは……」


にこ「…!?…そう……ばれちゃったのね」


海未「正直信じられません……優しい貴女が……何故貴女ような者が人斬りなど……」


にこ「にこが弱かったからよ」


海未「?」



にこ「にこが弱かったから…あのとき全てを失った…だからもう手段なんて選んでられなかった」


海未「あのとき?」


にこ「な、なんでもないわ……」


希「にこっち……」



海未「にこ……」


凛「…………」


にこ「にこのこと信じられないならそれでもいいわ……今までありがとう…ね…海未、希」


にこはばつの悪そうに背を向けた


海未「待ってください!私は貴女を信じます!」


希「海未ちゃん……」フフ…


にこ「は?…あ、あんた正気!?」


海未「正気です…貴女には穂乃果の件、ことりの件で貴女には借りがあります」


にこ「そ、そんな大したことじゃ」


海未「貴女はずっとそう言いますが…私は貴女にどれほど救われたか…貴女は私の希望なんです!」


「矢澤さんは私たちの希望」



にこ「やめて…」


海未「私は、何があっても貴女を…」


にこは海未の声が別の声に聞こえた


「矢澤さん…私たちは何があっても最期まであなたを…」


にこ「やめて!!!」


海未、希、凛「!?」



にこ「…!…………ごめん……でもにこなんかに期待しないで…にこなんか希望でもなんでもない……今やってるのはただの罪滅ぼし…全てね…」


428 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/14(木) 10:53:46 WqYZag6k



希「(これは根が深そうやね)」


海未「にこ………」


にこ「海未、貴女はにこを斬らなければいけない立場よ……だから貴女は…」


海未「嫌です!言わせません!」


にこ「こんの…!?…わからず屋!…あんた自分の立場を悪くしてる自覚はあるの!?今日、絵里のところにいったけどあの娘のにこに対する憎しみは本物だった!…つまり見廻組はにこの敵…いやにこは見廻組の敵よ」


海未「絵里は絵里です!私は私!今の私は貴女を必要としているそれでいいじゃないですか!」


にこ「……………」


海未「にこが一緒にことりと穂乃果を助けてくれるって信じています……私の覚悟は出来ています」


にこ「………………」


海未「にこ!」



※重要選択肢(色々フラグ立ちますのでご注意)



1、分かった………わ……


2、ごめん………やっぱり無理よ……


3、少し……考えさせて……


安価下


429 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/14(木) 10:59:15 bACf8ARs
3で


430 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/16(土) 18:19:24 9xZPceAA


選択肢3

にこ「少し……考えさせて…」スッ…サッ!


にこは背中を向けたまま一切振り向かずそのまま消えた



海未「あ………に、にこ…!…」


希「はぁ……ま、しゃあないなぁ…」


凛「海未ちゃんどうするの?」


海未「私は変わりませんにこを信じます……ですが……にこは私を信じてないのでしょう…」


希「それはないと思うよ…にこっちも海未ちゃんのこと好きやと思う…ただ怖いんや」


海未「怖い?」


希「そう、信頼してるから怖い、信頼されるのが怖い…それが怖いもの知らずなにこっちの唯一の弱点かもなぁ」


海未「信頼が怖い…?…」


希「んーまぁこの件は海未ちゃんにしか任せられへんな」


海未「え?…私…ですか…?…」


希「この三人の中で誰がにこっちと親しいか言われたら海未ちゃんやろ…それににこっちに頼みたいことがあるのも海未ちゃん…なら海未ちゃんが頑張って説得せんと」



海未「…ですが…私の言葉などにこに響くでしょうか…」


希「にこっちは恐らく海未ちゃんが死ぬのが怖いんや…せやから私は死にません的なこと言っとけば大丈夫や」


海未「そ、そんな適当に…」


431 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/16(土) 18:20:26 9xZPceAA


希「心配せんでええよ…穂乃果ちゃんとことりちゃんの件は凛ちゃんと色々準備しとくから…海未ちゃんは今は幼馴染みの心配を一旦皆忘れてにこっち全力で心配してあげて」


海未「全力で心配…!?…そ、そんなこと言われましても…」


海未はぶつぶつと呟きながらもにこを追った


その様子を見て


希「さて、ウチらはウチらで動こうか凛ちゃん」



凛「いいけど…本当に大丈夫かにゃ?にこちゃん…凛はやっぱり信頼まではできないよ」


希「まぁそんな破廉恥な敗北味あわされたねぇ…」


凛「わ////忘れてたのに////」


希「恥ずかしがることないやん、その素足を晒してるくの一姿も可愛ええよー凛ちゃん」


凛「や、やめてよ////凛は可愛いとかそういうのじゃないから」


希「ふむふむ…凛ちゃんは可愛いと言われると照れる…っと…」カキ…カキ…


凛「何を記述してるにゃ!」



一方その頃


432 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/16(土) 18:21:04 9xZPceAA


英玲奈「あのバカ共はどこにいった!?」


英玲奈の怒号が屋敷内に響き渡った



「ひっ……お、おい…すごいご立腹だぞ…どうしたんだよ」


「なんか…あんじゅさんがまた単独行動しているらしい」


「えぇ…またかよ…勘弁してくれとばっちりを受けるのはこっちなんだ…」


チンピラ共がひそひそと愚痴をいっていた


英玲奈「あー!!あいつらは何故こうも思慮が足らないんだ!」ジタンダ!


「お、おい…いつにも増してイライラしてるぞ…いつも冷静な英玲奈さんがあんな態度にまでイライラを出すだなんて…」


「い、今聞いたが夕方に妹分の優理さんが"人斬り女士道"がやられてそれのモヤモヤもあったらしい…しかしそれでイライラする英玲奈さんじゃない…それから絶対安静の優理さんをあんじゅさんが連れ出しどっかに行方をくらます…」


「あんじゅさん…自由過ぎる…」


「さ、さらにそれだけじゃねぇ!ツバサ親分も別件で勝手にいねぇ!」


「あらら…最近大人しいと思ってたんだが…」


「だからか…英玲奈さんが怒るのも無理はない」



英玲奈「ツバサのアホ…あんじゅのバカ…一度痛い目にあえ…もう知らん…知らんからな…」


「あ、怒りすぎて英玲奈さんいじけた…かわいい…」


「いってる場合かよ」


英玲奈「は!?…優理だけでもあのバカから助けないと…おい!お前ら!あんじゅの行方は知ってるか?」



「なんか町外れの診療所に行ったらしいですよ」


「どうせまた辻斬り…でしょうなぁ…」


433 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/16(土) 18:22:27 9xZPceAA



「案外、優理さん治しにいったんじゃ…」


英玲奈「いや…それはないな…何か嫌な予感がする…ちなみにツバサの行方の方も聞いて良いか?」


「い、いえ…ツバサ親分の方は全く行方知らずで…」


英玲奈「ちっ…あいつ…」


「す、すみません」


英玲奈「いやお前らのせいじゃない…あいつらを制御できるやつなんてこの世に居やしない…留守を頼む」


「「へ、へい!」」


英玲奈「あの町医者に何用だ…あんじゅ…」


英玲奈は急いで町外れに向かった


一方こちらは


見廻組局所


三番隊組長


仁美「ふぅ異常なし…か…」


二番隊組長


剣「そうですね…今日は平和で良かった」


一番隊組長


亜里沙「いえ…そうでもないみたいです…」


仁美「ん?亜里沙か…」


剣「亜里沙隊長?今からどこへ」


亜里沙「海未さんに不穏な動きがありと報告がありましたので私がその監察の任に…仁美さんたちは心当たりは…」



仁美「海未?あああいつはたしかに…幼女を連れて昼間っから遊廓に行ってたが…」


剣「そうですね…でもそれは別に怪しい動きは…!?」


シャキン!



亜里沙「あの〜ふざけてます?あの格好良くて素敵な海未さんがそんなことする訳じゃないですかぁ」ニコニコ



いきなりの殺意に二人は空気をピリつかせる


仁美「い、いや事実だ(そうだしまったこいつは海未のこと病的に尊敬してたな)…だがそれは別に悪いことでは…」


亜里沙「……………(どういうこと…海未さんがいつも遊廓に行くのはあのことりさんのところ……でも幼女って何?その女は誰?)」


434 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/16(土) 18:24:21 9xZPceAA

亜里沙「フフフ……まぁいいです……どの道裏切りは許しません……海未さんはそんな人じゃない……間違ってる海未さんは私が……フフフ……」


仁美「相変わらずだな……お前のその海未に対する自分の理想の押し付け」


亜里沙「海未さん待ってて…道を誤ったなら修正してやります…貴女を間違わせた奴みんな殺します…フフフ…」


仁美「ダメだこりゃ」


剣「いつもの亜里沙さんと違いますね…だ、大丈夫なんだろうか…」


仁美「これが平常だ…病んでるんだこいつは心も体も」


亜里沙「ゲホ…ゲホ…病気が酷かったとき、私を避けもせず見舞いに優しくきてくれたのはお姉ちゃん以外には海未さんだけ…あの海未さんが私の海未さん!海未さんだけは離さない…裏切りは許さない…アハハハハ…」シャキン!



スタタタタタタ!


仁美「あ、おい!…………チッいっちまった……」


亜里沙が立ち去った後、続いて



絵里「……」スタスタスタ



仁美「ん?ちょ……ちょっ〜と待て!……絵里お前までどうした!」


絵里「……こっ……」


仁美、剣「?」


絵里「矢澤にこ…が……"人斬り女士道"だったのよ……」


剣「や、矢澤にこ?」


仁美「ああ…たしか昼間に絵里のとこに来ていた客人だったはず」


絵里「……友達だと……思っていたのに…昼間のことはみんなみんな……私を騙すための嘘ね……フフフ…さすがにこね……まったく、疑いもしなかった……それに騙されて……私……私…バカみたい……」グスッ



剣「絵里局長!……で、でもまだ…そう決まったわけでは」絵里「許さない!矢澤にこ!私がこの手で斬ってやる!」シャキン!


スタタタタタタ!


剣「ああ!?………いっちゃった……大体場所分かってるんですか?夜も苦手なんでしょ…?…」


仁美「…まったくあの姉妹は………はぁ…おい剣…お前は留守番だ…」


剣「え?まさか仁美さん…」


仁美「局所に隊長が誰もいないのはまずい…だが…あの姉妹はちょっと放っておけねぇし…俺も行く…海未にも報告する義務もある…とりあえずいそうなとこ探しまくる亜里沙より先にな」


435 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/16(土) 18:25:13 9xZPceAA


剣「えー…だからって私だけおいてけぼりですかぁ」


仁美「いや、お前には他にも頼みたいことがある……」


剣「ん?」


仁美「何で絵里が急に"人斬り女士道"を特定できたんだと思う?」


剣「!?……確かに……」


仁美「誰かがけしかけてるそんな気がしねぇか……」


剣「言われてみれば……でも……」


仁美「たしかに確証はねぇしこういうのは俺は苦手だが、なんかくさいんだよな」


剣「はぁー分かりましたよ……局所は私が死守しときます……んで裏調べときゃあいいんですよね…」


仁美「頼んだ新米隊長……んじゃ…行ってくる」


タッタッタッ







剣「まったく新米になーに任せてんだか」ニヤ


436 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/16(土) 18:32:59 9xZPceAA
※選択肢により

"人斬り女士道"動乱ルートに入ります

ここまでで


437 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/16(土) 18:42:19 KM44sIg6
海未ちゃんとにこちゃんは辛い立場だな


438 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/16(土) 19:24:05 9xZPceAA
しまった肝心なの忘れてた


にこの行き先安価

1、音ノ木門(にこが>>1で倒れた場所)

2、音ノ木竹林坂

3、輝夜城下町

4、園田道場

5、南寺子屋跡

6、音ノ木裏町(希が賭博してたところ)

7、謎の場所(適当にぶらついていたらたどり着いた場所)


選択肢によってはカオスになったりあっさり終わったり注意です


439 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/16(土) 19:43:52 KM44sIg6
4


440 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/16(土) 20:52:56 dVq/s65Q
やんやん姉妹


441 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/18(月) 23:25:01 so0IqskI



442 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/20(水) 02:45:26 sQVYtvic
さすらいはバーローかしら


443 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/20(水) 22:47:00 p68kncDk
注意って何を注意すればええんや…
面白いからあっさり終わるのは嫌やな


444 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/20(水) 23:12:56 CIy0uxJU
とりあえず絵里が知ってる所はダメで、うみにこ二人で行動してた場所を…みたいなノリじゃない?


445 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/22(金) 20:25:30 N4ew6IBs
はよはよ


446 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/23(土) 10:50:51 wxoqcLdo


かつて……そうかつてだ


人斬りをやるよりほんの少し前……

矢澤にこは幕府側の人間だった


幕府側の剣客として過激攘夷志士を鎮圧の任についていた

これは"人斬り女士道"時代を知っている者でも知らない


恐らく本人しか知らないちっぽけな過去…


伝説の"人斬り"を生んでしまっただけのちっぽけな過去


にこ「かかれぇ!」



ワアアアアアア!!!!


その日、合戦規模の大きな斬り合いが江戸城にて起こった


江戸城・冬暮の乱である


江戸城門警備を任されていた当時小さな小さな部隊の主格であったにこは修羅ごとき活躍にて革命軍たちを城門から跳ね返していた


にこ「うりゃああああ!!!」


…………………



結果的には勝利だった


だがにこ受けた損害はそれを感じないほど凄惨だった



にこ「……………」


周りは共に戦っていた同志たちの屍


にこ「…グス…何よ……にこと一緒に天下一の侍目指すんじゃなかったの……ヒッグ…」


にこは屍となった数人の同志に手を合わせる



にこ「見てなさい…あなたたちの無念は必ず……」


447 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/23(土) 10:51:43 wxoqcLdo


この乱でかなりの同志が亡くなり、にこに起きた悲劇の序章だった



「矢澤さん…」


にこ「あんた!?…どうしたのよそのケガ!?」


それはにこの部隊の同志たちがボロボロの身体を引きずりにこに歩んでいく


にこ「ば、バカ!そんな身体で動いちゃダメ!」


にこは大慌てで先頭の一人に駆け寄る


「ぐっ…矢澤さんすみません…必ず生き残るって約束したのに…」


にこ「だ、誰が!こんなこと!?あんたの方には敵はもういなかったはず!」


同志たちは首を横に振る


「う、裏切り者がいたんです………いえ…裏切っていたのは幕……ガハッ…」ドスッ


同志は力なく微笑むと同時に胸に飛んできた鋭利な刃物に刺された


続く他の同志たちも次々と刺され倒れていった


にこ「!?っ……………」


刺客「矢澤にこだな?」


にこ「誰よあんた」ギリッ


刺客「さあな?今から始末するんだお前に関係なかろう」


にこ「そう……じゃあ私の同志を殺したのもあんたって訳?」


刺客「ふん…」


にこ「!?」バッ


にこは背後に殺気を感じ後ろを振り向く


刺客「お前の敵はこれだけいる」


ずらーっとにこを半円囲む刺客たち


にこ「!?…なによ…これ…まだこれだけ敵が…」


刺客の一人「ふふ…お前が招いた事態だ」


にこ「くっ攘夷志士共が…」


「違う!矢澤さん!そいつらは幕府の人間だ!」


にこ「な!?」


448 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/23(土) 10:52:29 wxoqcLdo

にこ「幕府が!?なんで…そんなこと…」



刺客の一人「ちっ…生き残りがいたか…」


「ハァ…ハァ…矢澤さん逃げて…いくらあなたでも…幕府相手じゃ…」


にこ「バカ…あんたみたいにまだ生きてるやつもいるんでしょ!?なら逃げるわけにはいかないわ」


「矢澤さん…」


にこはフラフラの生き残りの同志たちの目の前に庇うように立つ


にこ「忠誠を誓ったこいつらを裏切るような真似を…こんの恥さらしの幕府がぁ…!…」


刺客の一人「ばれてしまってのは面倒だが…まぁどの道…消す!」


にこ「なんで裏切ったぁ!」


刺客の一人「ククク…愚かよな…裏切ったのはお前だよ矢澤」


にこ「はぁ!?…私がいつ幕府を裏切ったのよ」


刺客の一人「幕府の一剣客としては危険すぎる…その剣の腕と率先して部隊を率いる能力…その全てがな」キィン!


にこ「意味が分からないつーの!」キィン!ブシャアアア‼


刺客の一人「ぐはぁ………その強さだ……何者にも屈しない……その強さ……とても危険だァ……かはぁ……」


ドサッ


「き、貴様……幕府が相手と分かって刃を向けるか……それは裏切りを肯定ということか?」


にこ「何よ!だから先に裏切ったのはあんたたちでしょ!」



「矢澤さん……無駄です……こいつらはビビったんですよ矢澤さんの力に……だからあいつらにとって厄介な存在になる前に是が非でも消すつもりです」


にこ「ちっ……何よ大袈裟な大所帯のくせに……やれ異人だ攘夷志士だとビクビク怯えて……挙げ句の果てにはこんな可愛いにこにーまで怯えるなんて………」チャキ…




にこはスーと息を吸う


にこ「来なさい腰抜け幕府共…返り討ちにしてやるわ」


ワアアアアアア!!


これが冬暮の乱第二戦



にこは再び修羅の如く幕府の刺客たちを殲滅する


しかし、第三、第四とにこの命を狙う刺客は次々と送られ…その度に…



「ガハッ…矢澤さん…お逃げを…」


「ぐふ…矢澤さんは私達の希望……」



にこ「嫌…嫌ぁ!…死ぬなぁ!あんたたち何でにこなんか庇って…」


生き残っていたにこの同志たちも次々倒れていった


449 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/23(土) 10:55:44 wxoqcLdo


「矢澤さん…私達は何がなんでもあなたを守ります何があろうと最期まであなたを信じて…ま…す…」



その言葉を死に際に発した女はにこにとって生き残り最期にして一番の同志だった


にこ「いやああああああああ!!!」


しばらくして


にこはボロボロの着物で佇む


にこ「………………………」



??「いやぁ!尾崎さん!尾崎さん!死なないで!尾崎さぁん!」


尾崎「……き……ちゃ……んは…さ…いご……まで……しの……んだね……」


??「え?嘘……でしょ……尾崎さん!?……………ぐっ…うぅ…うわあああああああああ!!!!!!!」


悲しみの泣き声がどこからか聞こえた


にこ「なんなのよ……これ……」


??「……りさ……泣かないで……お姉ちゃんがついてるから……ね?」

??「けほっ……けほっ……うん」グス…


変わった髪の二人の少女が身を潜めるように崩れかけの家屋に縮こまっていた



にこ「平和掲げる攘夷志士も秩序守る幕府も……何んにもできてないじゃない……バッカみたいね」



これが冬暮の乱の余波


乱自体は1日で終わったがその余波はにこのように何日も何十日も何年も悪い流れを引き摺り続けていく者たちも沢山いた


にこ「もう誰も信じるもんか……」


……………………………


450 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/23(土) 11:07:18 wxoqcLdo
ここまでホント今忙しくて…すまんな

あとファイナル落ちて→ありふれた悲しみの果てになってたのも原因(言い訳)


あと選択肢はそうだね…

絵里→にこ
亜里沙→海未
海未→にこ
あんじゅ→?真姫、穂乃果
ツバサ→?
の状況を考えると戦闘があっさり終わる場合もカオスでめちゃくちゃになる場合もあるって意味ね

でこのにこの過去は選択肢関係なしにぶっこむ予定だったのもの
いきなりまったく関係なくてすまんな


451 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/23(土) 11:09:15 wxoqcLdo
あ、あと
仁美→海未、亜里沙
英玲奈→あんじゅ

もね


452 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/23(土) 11:10:02 2O4TaWbA
乙 俺も落ちたけどまだHP先行があるから…


453 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/28(木) 19:54:54 .FdXhEC.
まってるよ


454 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/29(金) 21:47:05 XhT22BBU
まだかな?


455 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/01/30(土) 01:08:08 qtIHaoDE
はようはよう


456 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/01(月) 17:37:40 r7S.eGFE
まってるぞ


457 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/02(火) 21:12:02 Jy4AVjrE
2月はみんな忙しいから…


458 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/02(火) 21:12:56 Jy4AVjrE
2月はみんな忙しいから…


459 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/03(水) 15:10:49 2njoohtw
大事なことなので


460 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/04(木) 02:26:57 DyTIjQ1M

選択肢4


にこはなんとなくその場所へ来ていた


―園田道場―


今こんな自分を慕ってくれている一人の女をよく知るために


にこ「……」

これを知ったところで何か変わるわけではないが、何故だろうもう少し海未のことを知りたいと思うようになっていた


にこはほとんど不法侵入だが恐れず道場内へと足を踏み入れた


草鞋を脱ぐと冷たい床がにこを迎えた


にこ「(当たり前だけど誰もいないわね)」


別に来た目的は何もない、深層心理の中で海未を考えていたら流れてこの場所へと来ていただけ


とりあえず一人になりたかった

でも無意識に海未を意識してここに来たということは…


にこ「答えはとっくに出てるのよね………結局、にこはあの娘の力になりたいって思ってるってこと……」


とりあえずせっかく不法侵入したんだし、色々と見て回ろう


461 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/04(木) 02:27:33 DyTIjQ1M


にこ「しかし立派な道場ね…うちの稽古場とは大違いだわ」



にこは道場を見渡す


剣術、舞踊、弓道


三つの稽古が出来る大きさ当然といえば当然だがにこはかなり圧されていた


にこ「この木刀、柄に血が滲んでる…どんだけ素振りしたのよ…」


努力の証だった


にこ「流石に名門は厳しさも違うみたいね」



そう思うと同時に


にこ「(海未も過去に悲しいことたっくさん起こったのに、にことは違って現実と向き合って厳しいことからも辛いことからも決して逃げなかった……)」


にこ「あの娘は強いわね」



自分は彼女に何かしてやれるだろうか


本当にことりたちを自分が救えるのだろうか…海未ですら何もできなかったというのに何もなし得ていない上に何もかもから逃げ出した自分に


不安ばかり過った


にこ「にこみたいなのが人を救う…ふん…馬鹿みたいね…」



にこ「でも…だからって…ことりたちを見捨てることなんて出来ないわよね…」


462 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/04(木) 02:28:09 DyTIjQ1M


それから…

海未も恐らくやっているだろう精神統一


にこも海未の部屋の入室し正座して目を瞑った




……………………


にこ「さあーて…うじうじ悩んでも仕方ない…か…とりあえず」


しばらくして背伸びしてにこは部屋を後にする



にこ「しっかりしろ矢澤にこ」パン!


両手で自分の顔を叩くにこ


にこ「全て自業自得…だからこそやるべきことがある」チャキ


にこ「行かなきゃ…海未のところに…」



すると…


ガララ…スパン!


仁美「海未!!!…いるか!?」


強く戸が開かれた


463 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/04(木) 02:28:53 DyTIjQ1M



仁美、にこ「!?」



お互いに予想外の人物の登場



にこ「………………」


仁美「………………」


しばらく言葉に詰まる



だが、一瞬で把握した両者


スッ!


スッ!


チャキン!


にこ「あんたはたしか見廻組の」


仁美「お初に!志賀仁美だ…矢澤にこ!なんで斬りかかられるか…もう分かってるよなぁ!?」キッ!
ガッ


ブォン!


鍔競り合いから仁美はにこを押し返し、乱暴に横払い


にこは押し返された反動ののけ反りをうまく利用しそのまま避けた


仁美「ちっ!縦なら………いや…それは危険か…」



にこ「話し合いでなんとかなる性格ではなさそうねあんた…」


仁美「初対面でよく分かってんなぁ…その通りだよ…俺はごちゃごちゃ相手の言い分聞くようなタマじゃねぇ…味方の家に巷で噂の敵がいた…これでもう俺がどうするか答えは出てる」


にこ「そう単純ね…」



仁美「ふっ…否定はしねぇよ」カチャ


仁美は肩に刀の峰を乗せた


にこ「そういうあっさりと行動…気持ちがいいわね…嫌いじゃあないわ」スー


仁美「どうも、さぁ覚悟しな矢澤にこさんよぉ」


タッタッタッタッ!


ガァン!


464 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/04(木) 02:30:00 DyTIjQ1M


キィン!


仁美「らぁ!」ブォン!ブォン!


にこ「…………」ヒョイ!ヒョイ!


にこ「乱雑……しかし力任せじゃあないわね意外と……」


仁美「ふん!」


にこの顔面に仁美の拳が飛んで来る


にこ「隙をついてくるわね……っとと」ガシッ!


仁美「へぇー……俺の拳をまともに食わねぇやつは初めてだ……絵里も海未も最初は効いたんだが……」


にこ「そうなの」


仁美「くそ真面目だからな……卑怯よ、(卑怯です)とかなんとか言って急に拳ぶちかます俺の喧嘩剣術を否定してた」


にこ「型にはまってるあの二人に型破りなあんたがよく着いていけるわね」


仁美「そりゃ根はいいやつだって知ってるからな」


仁美「だから…あんまりたぶらかさないでくれるか…色女さんよぉ」ブォン!バッ!


ドスッ!


再び横払い、殴打、蹴り


にこ「んなつもりはないわよ」ヒョイ、ヒョイ、ヒョイ


465 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/04(木) 02:32:14 DyTIjQ1M


仁美「海未も絵里もにこ、にこってあんたの話ばっかりしてるぜ…まったく女遊びは遊廓があるんだからそっちでやってくれ隊内の風紀が乱れて敵わねぇんだよっと!」ヒョイ


にこ「だぁかぁら!そんなんじゃないってば!」ブォン!


今度はにこの一振り


仁美は屈んで避ける



仁美「でもな…俺も別に非難したい訳じゃない…あいつらもあんたの話をするときは楽しそうだからな」


にこ「………」


仁美「ただ分かるよな…俺は見廻組であんたは人斬り」


にこ「いいわ…来なさい」バッ



にこは勢いよく戸を開け道場の中央へと移動する


にこ「海未の家だしあんまり暴れたくない…唯一暴れられるとしたらここ」


仁美「なるほど」


にこ「さぁ、決着でも」


仁美「後悔すんなよ矢澤にこ!」


チャキィン!


稽古のようにぶつかる二人、しかし真剣勝負だ



にこ「!?っ」キィン…


空丸の刃が少し軋んだ


にこ「あんたと刃がぶつかったのはこれで二度目…まさか二度でここまで…」


仁美「俺の自慢の愛刀…美閃"室打"独特な模様で美しいこいつは最上大業物の逸品」


にこ「美閃"室田貫"!?天下五名刀のひとつじゃない!!」


仁美「そう美刀"室打"、究刀"京極"、無頼剣"花打"、神刀"櫻小太刀"、羅刹"畑悪鬼"……天下五名刀」


にこ「まずいわ……名刀中の名刀で完全に上位互換…」


466 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/04(木) 02:34:05 DyTIjQ1M
短いけどここまで
しばらく音沙汰なかったのは本当にすまんかった

ちなみに興味ないとは思うけど忘れそうだから俺用↓


今までの刀→得意な構え

スクフェスで言うSR覚醒↓

剛刀"恵美津"→正段

暴槍"真打彩"→槍

名粋"鈴御森"→居合

執刀"派入鹿"→片手

名刀"空丸"→下段、片手

鏡月"亜依無"→脇差

妖刀"血桜巡"→肩乗

血吸"歩夕雷唸"→片手

霜降"真宝"→正段


スクフェスで言うSR↓

宝刀"東山金剛"→正段


スクフェスで言うR覚醒↓

一発丸→下段

孔雀二刀→二刀流

三枚卸→居合


スクフェスで言うUR覚醒↓

美閃"室田貫"→肩乗

究刀"京極"→正段

無頼剣"花打"→脇差

神公"櫻小太刀"→逆手二刀

鬼刃"畑悪鬼"→八角


467 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/04(木) 02:36:23 DyTIjQ1M
ミス>>465
の天下五名刀が没ネタの名前になってる>>466が正解

ややこしくしてすみません


468 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/04(木) 05:17:40 UuxC5FpI
エタッてなくてよかった


469 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/05(金) 11:00:19 jnDUO3WA


にこ「ただの雑魚が持ってたらアレだけれど持つべき者が持っていたら厄介ね…」


仁美「俺に刀を折られないように気ぃつけろよ!」


にこ「刀折りの戦法か…丈夫な最高級の刀でこそできる戦法」


仁美「バカが!元々俺はそういう戦い方だ!」ガキィン!



カッ……


再び刃が軋み少し欠けた


名刀"空丸"の耐久値が3→2になりました


にこ「ちょ!?……冗談じゃないわよ!」


仁美「どうした名刀とやらはそんなもんか」


にこ「(こいつ……刀の弱いとこを失敗すれば自分の刀も痛めるってのに……普通の刀なら今ので終わってたわ)」


にこ「分かった……戦い方を変える」


仁美「ほう」


にこは"空丸"を納め"東山金剛"を抜く


スー


仁美「良い刀だ」


にこ「とりあえずぶったまげたわ……"空丸"も脆い訳ではないんだけど……まさかここまで刃こぼれするとは…」


仁美「刀も俺も鍛えてるんでな」


にこ「そう、やっぱり手入れって大事ね…(空丸の鍛冶…お金ないのにどうしようかしら)」


仁美「打てば打つほど丈夫になる…そして丈夫になればなるほど……俺の破斬は」スッ…タタン…


にこ「…………」スッ…タタン



ガキィン!


仁美「より強力な衝撃を刀にもあんたにも与え……!?」


にこ「残念……力任せに力任せで"金剛姫の峰打"」


美しい閃は僅かに軋んだ


仁美「んな!み……」


にこ「どうせ見かけによらずそんな力技なんてよくやるなって言いたいんでしょ」


仁美「……」


470 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/05(金) 11:00:58 jnDUO3WA


にこ「言われ慣れてるのよ…」


仁美「不思議な女だなあんた……不思議なほど強く魅力がある」


にこ「はぁ?口説いてんの?」


仁美「抜かせ…喧嘩は売っても口説くなんてしやしない花より喧嘩だ……そうだなあんたは喧嘩の花ではあるが」


にこ「バカね争いで咲く花なんてありゃしないわ」


仁美「もっともだ!」キィン!


にこ「金剛姫の峰打」


ミシ……



仁美「……!……厄介だなその技」


にこ「刀の腹は硬いもので叩かれると弱い…それがこの刀の金剛のような峰」



仁美「あんたなんでも知ってるのな、刀折り専門家の俺しか知らないような知識を…」


にこ「何よ…刀折り専門家って……んまぁ私も経験がないわけではないからね」


仁美「伊達に伝え説かれてねぇな…まさかこいつを逆にへし折る気か」


にこ「別にそれを狙っちゃいないわ…にこが狙うのはあんたの……」チャキッ


にこは突きの構え


にこ「再起不能よ」



仁美「人斬りが随分と優しい言葉を」


471 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/05(金) 11:01:40 jnDUO3WA


にこ「なんとでも言いなさい……にこはあんたを殺さない(にこは海未たちに恥ずかしくない侍になるのよ)」



キィン!


仁美「舐められたもんだなぁ」


にこ「くっ……」


仁美「ただそんな構えしてて俺が警戒しないとでも!うらぁ!」ブォン!


にこ「(振りが速い……)」ツー


にこは躱すが少し肩に掠る


にこ「(……!?……いや……次は見切れる……さぁ……こ……)」


仁美「らぁ!」ドォン!



にこ「かはっ!(しまっ…こいつの攻撃は剣撃だけじゃなかった…油断した……)」


仁美の肘撃ちが飛んでくる


仁美はとにかく斬撃打撃なんでもいいから相手にぶつける型破りな剣士


仁美「おらおら!」


回し蹴り


にこ「……ぐはっ……」パァン!



未だに肘撃ちの痛みが残っていて避けるのもままならないまま蹴りが直撃にこの頭に追撃が入る


にこは肩膝をついたが辛うじで意識は残り手と刀で打撃に防御体勢


仁美「ふん!甘い!甘い!」バキィ!



にこ「……くっ……!!」カキーン!


カラン!カラン!


しかし、仁美はさらに追撃、前に突き出す蹴りでにこの刀を吹き飛ばす


仁美「そのまま、顔面にオラァ!とな」


仁美の強烈な膝蹴り


にこ「ぶはぁ!」ゴッ!



直撃


ドォン!ブォォォォォン!ズササササ…ドタドタドタ…ダァン!ガッ!ドサッ……


道場の中央から端まで吹き飛ぶ


床に叩きつけられ転がり壁にぶつかりようやく止まる


472 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/05(金) 11:02:15 jnDUO3WA


仁美「ハハハ流石に喧嘩にゃ慣れてないみたいだな伝説さんよ」



にこ「ペッ!あったり前でしょ…こんなにか弱い乙女のに喧嘩だなんて野蛮なこと…にこできなぁーい怖ーい」ガンメンチマミレ


仁美「いやそんな面で言われてもあんたが怖いから」


にこ「ふん……」


仁美「まだ余裕なようだな…頑丈なやつだなあんた……普通なら首の骨ごと逝ってただろうに」


にこ「い、いや……結構来てるわね……」フラフラ…


にこは当たりどころが悪かったのか…意識が遠退きそうになっていた



仁美「ありゃりゃ…ん?待てこれ生け捕る絶好の機会じゃねぇか!?」


仁美「…………覚悟しな伝説さん……あんたの伝説も最期だ」


仁美はゆっくりと縄を取りだしにこに近づく

にこ「!?…………ちっ……こんなとこで……あーくそ!まともに目の焦点が合わない……わ……」



フラフラ……スッ…


にこ「にこぉ〜!」ブン!


にこはふらつきながら空丸を抜き振り回す


仁美「おっと残念だな……そんな酔っぱらいのチャンバラごっこで当たりゃしねぇよ」ヒョイ!


ガシッ


にこ「ぐっ」



仁美はにこの腕を掴み


仁美「さあて」ガッ



カラン…カラン…


にこの刀を叩き落とす


これでにこの刀は二本共手から離れた


にこ「………………」ギュウ



一瞬で体に縄が縛られた



仁美「矢澤にこ捕らえたりってとこか……とりあえず局所行きだな」


にこ「(完全にやられた……わね……海未…)」



こうしてにこは強制局所連行


473 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/05(金) 22:03:26 evndtCzA
更新ありがとす
期待してます


474 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/06(土) 10:25:20 7dODY8oo

にこは400文持ってるかな


475 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/06(土) 23:28:13 Y1rDmht.


話は未明まで進む



にこ「…………」


凛「…………」


穂乃果「…………」



縄に縛られた三人は局所の牢屋で無言で並んでいた



にこ「………………」


凛「………………」


穂乃果「………………」



全員それはもう静かだった


普段騒がしい三人がほとんど喋らなかった


凛「ねぇ……」


沈黙を破ったのは凛


にこ、穂乃果「?」


凛「なんでにこちゃんも穂乃果ちゃんも捕まってんの?」



にこ「いやそれこっちの台詞だから」


穂乃果「いやいや普通にこっちの台詞だよ……忍者と伝説の侍がなんでこんなあっさり捕まってるの?」


凛「よく言うにゃ組の親分になろうお方がこんなあっさり捕まったら示しつかないよ」


穂乃果「穂乃果はいいもん!親分なんて今飾りだし!」


にこ「いや自信満々に言うことじゃないでしょ…つうか真面目にあんたが局所に捕まる理由が分からないんだけど……にこと凛は指名手配だし……多少はね?」


凛「そうにゃ……いやーくわばらくわばら」


穂乃果「そこ正当化しないでよ!こんなあっさり捕まったら神出鬼没の大怪盗と伝説の人斬りの名が泣くよ……というか穂乃果が聞きたいよなんで捕まったのか……」


にこ、凛「…………」


穂乃果「はぁ〜穂乃果たちどうなっちゃうんだろ」


にこ「いや打ち首でしょうね」


凛「良くて島流しにゃ」


穂乃果「最悪だよ!怖いよ!なんで二人ともそんな冷静なの!?」


476 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/06(土) 23:29:24 Y1rDmht.


にこ「いやぁみんなからの憎まれ具合を考えるとねこれがまぁ自業自得ねぇ……」


凛「はぁ……せめて最期にお握りが食べたい……好き放題盗みまくって最終的に一番好きなものが手に入らないとは泥棒失格だにゃあ……」


穂乃果「もはや悟ってんの!?いやいや待って待って!穂乃果はそんな悟るほど身に覚えが……」


にこ「ガタガタうるさいわよ穂乃果…あんたもならず者の親分やってんだから悪事の一つや二つくらい」


穂乃果「だから!やる前に親分剥奪されてるんだってば!」


凛「それでも部下の悪業はみんな親分の責任にゃ」


穂乃果「そんな無茶苦茶な……」


にこ、凛「…………」


にこ「よし、とりあえずガタガタ騒いでも埒があかないから全員捕まった経緯を話なさい」


凛「ここで捕まるなんてさすがにこちゃんにゃ」


穂乃果「痺れるなぁあこがれるなぁ」


にこ「それは敬意!経緯を話せって言ってんのよつかバカにしてんの?」


凛「うーん経緯と言っても凛が隠れてたけど友達見かけたから外に出ちゃってそれで捕まったというオチです」


にこ「バカ丸出しの答え来たわね……何公私混同してんのよ、ちゃんと忍者らしく忍んでなさいよ」


凛「凛は忍者の本分より友情を取ったにゃ!」


にこ「さも格好いいようにいってるけど格好悪いからね」


穂乃果「そういうにこちゃんはどういう経緯でこんなことに?」


にこ「……海未の道場に行ったら海未の同僚と鉢合わせして捕まった」


穂乃果「いや他人のこと言えないバカだよね!?にこちゃん海未ちゃんの道場どこにあるか分かってるよね?局所の近くだよ?そりゃ局所の人来るよ!何なの自首しにいったの?」


477 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/06(土) 23:30:26 Y1rDmht.


にこ「し、仕方ないじゃない!海未のこと考えてたら自然に…」


凛「うわぁ気持ち悪いにゃ」


にこ「ぬわぁんでよ」


穂乃果「いやにこちゃん流石にそれは」ドンビキ


にこ「ぬわぁによー!仕方ないでしょ!色々悩んでたのよ…あ、あの娘が変なこと言うから」


穂乃果「海未ちゃんより今のにこちゃんの方が変だよ」


にこ「ぐっ……そ、そういうあんたはなんで捕まってんのよ」


穂乃果「知らないよ……家にツバサさんの追っ手、あんじゅさんと英玲奈さんが来て真姫ちゃんがまずいって言ってから裏口から逃がしてくれたけど…その後手刀で背後から襲われて気を失って…気がついたらここだったし」


凛「!!?」


にこ「ちょっと…待って…色々聞きたいことがあるわね」



凛「ちょっとどころじゃないにゃ…それ…大丈夫なの!?」


穂乃果「え?穂乃果は大丈夫だけど…」


凛「違う!それは見たら分かるにゃ!!凛が心配してるのは…!?…………」


しかし、そこで凛はハッ!?と口を閉じた


にこ「…………」


478 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/06(土) 23:33:44 Y1rDmht.


穂乃果「り、凛ちゃん?」


凛「ご、ごめん……」


にこ「……で真姫は無事なの?あとかよちんも」


凛「!?」


にこはすでに凛の聞きたいことを察していた


穂乃果「大丈夫…とは言い切れないけど…やつらの狙いは穂乃果……流石に真姫ちゃんたちに危害は」


にこ「そうは言い切れないわ……あんじゅという何するか分からないやつがいるし……それに……」


凛「……………………」


にこ「真姫が奴らに狙われる理由に心当たりがあるやつもいるしね」ジト目


凛「り、凛は……べ、別に…」


にこ「…ふーん……」


穂乃果「?」


にこ「はぁ〜……面倒なことになったわねぇ…こりゃここから出なきゃ海未との約束どころじゃないわ…ま、いいわとりあえずこっから脱獄しましょう」


凛、穂乃果「脱獄!?」


479 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/06(土) 23:34:32 Y1rDmht.


凛「む、無理!無理!ここは忍者泣かせのカラクリ屋敷牢、一度捕まったら出られない…脱獄等しく死だよ!?」


穂乃果「げっ…なにそれ…穂乃果手負いだよ…無理じゃん…」


にこ「そんな凄いの?ここ」


凛「当たり前だよ…だから看守も誰も居なくて罪人以外無人…連行してくる役人以外は楽に抜ける道を知らない…それ以外は罠だらけの修羅の道」

にこ「…………」


凛「しかもここの罠は残虐そのもので屍もゴミのように捨てられる…確実に大人しく斬首された方がマシな死に方するんだよ」


穂乃果「」


穂乃果「あ、あははは……じゃあ……やめようか」


にこ「大丈夫、なんとかなるわ」


穂乃果、凛「なんとかならないよ!!」


にこ「あーうるさい!…いーい?あんたたちこのままでいいの?穂乃果はなんで捕まったのか分からない…色々と背負うものもある、凛も心配なことがある……こんな状況で本当に悔いなく死ねる?」


穂乃果「………………」


凛「………………」


にこ「にこは嫌よ……捕まった自分が情けなくて嫌になるけど………それ以上に海未たちに何もしてやれないのが嫌」シュ


にこはいきなり縄を体から取っ払った


穂乃果「い、いつのまに……」


凛「そんなの忍者でもできないにゃ」


にこ「これよ」


カランカラン…


480 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/06(土) 23:36:54 Y1rDmht.


にこ「木片………海未の道場でドンパチやって捕まったときに咄嗟に拾った」


凛「ま、まさかこれでちょっとずつ縄を切ってたの!?」


穂乃果「これ別にそんなに鋭くもないし…これで縄を切るなんて途方もないよ…」


にこ「そうね…本当…諦めかけてたわ…でもね…諦めなかった」


穂乃果、凛「!?」


穂乃果「(にこちゃんの手、真っ赤になって…)」


凛「(この人は…本当に一体何なんだにゃ…)」


にこ「もうにこは諦めないわ………であんたたちはどうするの?」


穂乃果「………………」


凛「………………」



シュル…シュル…


にこ「とりあえずあんたたち…縄はほどいておくわね」



にこ「さて……次は檻か…木製だし刀なら一刀両断出来そうだけど…今は当然丸腰だし…どうするか…」


にこは腕を組んで考える


にこ「………………」


にこ「………………」



にこ「………………」


しばらく考えた結果


にこ「ダメ全然……何も思い付かない……蹴り壊すしかないわね」


穂乃果「脳筋…」ボソッ…


481 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/06(土) 23:38:35 Y1rDmht.

にこ「うっさいわね!逃げる気ないなら黙ってなさいよ!」


穂乃果「ぐっ………誰が逃げないって言ったの!穂乃果もこんなところで死にたくない!穂乃果だって!」


にこ「………そ………んで?何か案はあるの?」


穂乃果「…………ないです………」


にこ「ないんかーい!ちっ…使えないわねー」


穂乃果「あ、ひっどーい!にこちゃんだって何も思い付いてないくせにー!」


にこ「にこは蹴り壊すって案出したでしょ!」


穂乃果「そんなの案のうちに入らないよ!」


にこ「ぬわぁんですってー」


にこ、穂乃果「ムムムムム……」


二人が喧嘩していると



凛「…星空忍法……」ピシュー…カリッ…2…パッ…パッ…ダン…


凛は巻物を取り出し、自分の親指を犬歯で噛んで血印を書く…そこから印を結んで地面に手を叩きつけるように置く


凛「口寄せ…猫又」


ボォン!


にこ、穂乃果「!?」


檻を覆い隠すほどの煙が上がる


猫又「「「主、お呼びかニャ?」」」


煙が上がると三匹の尻尾が二股に分かれた(白、黒、三毛)猫がいた


482 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/06(土) 23:43:51 Y1rDmht.
今日はここまでで
最初は金で解決してあっさり脱獄も考えたけど400文で脱獄できると絵里ちゃん何やってんの?ってなるからやめた


483 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/06(土) 23:48:05 AG03.zhg
>>482
確かにかしこくない


484 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/07(日) 06:22:22 MvVNaFHI
面白すぎる
週刊誌とかより遥かに先が気になる


485 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/07(日) 08:24:25 ih6aP/Eo
確かにあの何人斬っても400文ポッキリの保釈金システムはね…w


486 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/09(火) 10:29:17 giiA2N/o


にこ「!?」


穂乃果「ふぇ!?ね、猫!?」


にこ「凛?これは………」


凛「星空忍法口寄せの術にゃ…凛が口寄せしたのは猫又…まぁ化け猫だね」


白猫「私はシロです」

黒猫「僕はクロ」

三毛猫「…ミケだ…」


にこ「化け猫って………あの妖怪よね…」


凛「妖怪でもあるし猫でもある…神様でもある………でもまぁこの娘達がいればこの檻からの脱出くらい…造作もないにゃ」


パァン!凛は手を勢いよく合わせる

にこ「ってことは………あんたもこっから脱獄ってことでいいのね」


凛はコクンと頷くと


凛「ってことで頼んだよ皆」


猫又「「「御意」」」


凛「せーの!散!」


シュ、シュ、シュ!


にこ「!?」


穂乃果「一体何したの?」


凛「ここの鍵を探して貰うにゃ」


にこ「なるほど…でも大丈夫なの?」


シュ、シュ、シュバッ…パシッ


凛「大丈夫…探すのは嗅覚の効くあの娘たち……でも見つけるのは凛にゃ」ピキーン!


にこ「なっ…」


穂乃果「目が…猫目みたいに…」


凛「星空秘術!凛廻眼の術」


穂乃果「に、忍者ってすごい…」


487 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/09(火) 10:30:17 giiA2N/o


にこ「忍者…か…」


凛「三匹の視覚は凛と共有される、鍵も偽物と本物があるみたいだね」


にこ「いやこれ忍者なの…?…」




それからしばらくして



カチャ…スー…ストン


凛「鍵の解錠自体は案外簡易な作りだね」


穂乃果「すごい…本物にただの猫にしか見えないのに」


にこ「…ともかくやっと出れたわね」


凛「さてこっからが問題だよ見たところ罠だらけだったし…クシュ!」



にこ「何よ…風邪?」


凛「い、いや…猫又の術を使うと…クシュ…反動で…ズズ…体調が…」


穂乃果「はぇー…一概に忍術も便利とは言えないんだね」



「いや主だけだよ…こうなるのは…たしかに術は体力を使うけど」


「主は里を抜ける前までこの年で上忍の位置にいたお人です…だからこの程度の術で本来は体調崩すほどではないんです…けれど…」



「…主は我ら猫が元々合わない体質…近づいただけで病にかかったように不調に陥る」


488 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/09(火) 10:32:19 giiA2N/o


にこ「契約動物は選べるって聞いたわよ…じゃあなんで…猫なんかに…」


「…そこが…主の懐の広さだ…」


凛「ちょ…やめてよ////」


「主は子猫のときのそんな体質に関わらず私たちを助けてくれた恩人です…」


「凍える冬に暖を取ってくれた…自分が体調を崩してまで…」


にこ「………………」


「…そして……そんな体質に関わらず……そのあとすぐ死んでしまった我らと……契約してくれた……おかげで我ら兄弟…二匹は間に合わなかったがこうして三匹は無事に化け猫として主の飼い猫として…生きている…」


「僕たちは主に大恩があるんだニャ」


凛「やめてよ////そんなん大層なもんじゃないよ////ただあのとき凛も寂しかったから…」


にこ「いいえ、彼らが恩だと思ったならそれは恩よ凛…立派ね…」


凛「そ、そんなこと…」


にこ「まぁ悪いやつじゃないとは思ってたけどね」


穂乃果「………(それはにこちゃんもだよ…海未ちゃんもことりちゃんも穂乃果もにこちゃんに恩を感じてるんだから)」


にこ「ん?何よ穂乃果……」


穂乃果「なんでも…にこちゃんって案外鈍いね…」


にこ「はぁ?」


489 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/09(火) 10:33:33 giiA2N/o


凛「と、とりあえず行くよ…(早くかよちんを助けないと)」


「(なんと花陽様の危機ですか)」


凛「(いやまだ分からないけど…でも…まずいことになってる)」


「(花陽様も私たちの恩人…必ずやお救いします)」


凛「(ごめん…みんな助かるにゃ)さぁこっちにゃ…こっちはまだ罠が少ない道…」


にこ「罠が無い道はないのね」


穂乃果「なんでもいいよ先に進もう」


こうしてにこ、穂乃果、凛は順調に屋敷を突破していく


明らかに危険な足場や罠が丸見えの場所を避けて通ってはいたがそれでも毒の矢が飛んできたり刃が真上から振り落ちて来たり竹槍を面に並べた天井が落ちてきたり、壁に押し潰されそうになったり


まさに修羅場だった


にこ「ゼェ…ゼェ…」


凛「イッ!クシュ!…ここは大丈夫なのかにゃ?」


穂乃果「ふぅ…もう、何か落ちてくるネタはいらないよ」


にこ「なんであんたらそんな元気なのよ」


無尽蔵の体力を持つ凛と穂乃果

手負いと体調不良を差し置いてもにこよりバテていなかった


スー!ストン!


凛「たのもー!」


にこ「見た感じはただの畳があるだけの部屋ね」


穂乃果「いやただの畳だけの部屋って逆に怪しすぎない?」


にこ「…………」


穂乃果「…………」


凛「…………」


三人は扉の前でピタリと部屋に入らず無言で棒立ち



凛「………」コクッ


穂乃果「………」コクッ


凛と穂乃果は目を合わせて頷く


凛、穂乃果「にこちゃんお先にどうぞ」スパッ


にこ「ぬわぁんでよ!」


490 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/10(水) 08:47:55 UT37Uo52
やっぱりにこにーはこういう立ち回りか


491 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/11(木) 02:20:11 7XusH6z6

凛、穂乃果「いや…年功序列」


にこ「こういうときにだけ、そんなの持ち出してんじゃないわよ!」


凛「で?行くのかにゃ?行かないのかにゃ?」煽凛


にこ「あ、あんたねぇー!」


穂乃果「にこちゃんふぁいとだよ!南蛮語で頑張れって意味だよ!」


にこ「どーでもいいわよ!」


にこ「…………………」


穂乃果「絶対行かないわ!絶対行かない!」


凛「そう言いつつも覚悟を決める矢澤にこであった」


にこ「変な語りやめなさい!」


凛「もう!早く行ってよ!にこちゃん」


にこ「何で完全ににこが行くことになってんのよ!」


穂乃果「えーそこは行ってよー」


凛「逆ににこちゃん以外誰がいるの?」


穂乃果「満場一致でにこちゃんだよ!」


にこ「おいお前ら…」


にこ「はぁ……わーったわよ……ただ……」


凛、穂乃果「ただ?」


492 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/11(木) 02:23:22 7XusH6z6


にこ「流石に手ぶらでこれ以上先には進めないわ…にこたちの武器はきっと別の牢屋にあるはず……そのためのその3つの鍵……1つはもう使ったからあとは2つ……牢部屋があるはずよ」


穂乃果「そこに穂乃果の"恵美津"も」


凛「凛の"里峰"も」


にこ「ええ……にこの"空丸"もあるわ」


にこ「まずはそこへ向かいましょう…刀さえあればどんな罠だって進んでやるから」


凛「わぁ…流石にこちゃん」


穂乃果「とてもにこちゃん」


にこ「うっさいわ!絶対バカにしてるでしょ!あんたたちぃ!」


行くも地獄のこの屋敷



二手に別れた

にこ、穂乃果、三毛

凛、黒、白


493 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/11(木) 02:24:02 7XusH6z6
にこside

にこ「とりあえず外れはやめてよねっと!」ヒョイ!


ガシャーン!


ザス!ザス!ザス!


鉢が落下、横槍登場など


相変わらずえげつない罠が発動


しかし予め三毛が偵察していたために予見は完璧だった


しかし油断すると


穂乃果「………………」スタスタスタ


バシッ!


穂乃果「わわっ…」ガッ…フラッ


穂乃果の足元で急に縄が張られそれに足を引っ掛かけた穂乃果


目の前の床面がひっくり返り斜めに切られた竹藪が敷き詰められた床面に変わる


無論そのまま倒れたら悲惨


命は無い


穂乃果「いやぁぁぁぁ!?」


にこ「おっと…」ガシッ


穂乃果「!?……」ギュ


にこがそのまま穂乃果を抱き寄せて回避


にこ「大丈夫?穂乃果?」キリッ


穂乃果「う////うん////ありがとう////(あ、あれ……?……)」


にこ「気を付けなさい…油断が命取りよ」


穂乃果「(なんか…にこちゃんが格好いい…?…)」


にこはそのまま先頭を切って牢屋を目指す


494 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/11(木) 02:27:55 7XusH6z6


しばらくして牢屋その参


にこたちがいた場所が牢屋弐


にこ「ふぅ…結構遠かったわね」


穂乃果「こ、ここにあるのなかな?」


にこ「さぁね…入ってみないとなんとも…」


カチャ…


にこは鍵を開け木の板を外し中へ入る


そこには……………



にこ、穂乃果「!?」



穂乃果「そんな……なんで……」


にこ「………………」


「……誰だあんたは……」


???「………………」



驚くべき人物が………



一方、こちらは凛


こちらはにこたちよりもさらにあっさり牢屋に到着……



目当てのものもあっさり見つかっていた


凛「あったにゃ!凛の忍閃"里峰"」


「こちらはにこ様の"空丸"と穂乃果様の"恵美津"」


「これはなんだろ?これは槍?こっちは見知らぬ刀…?…」


凛「槍なんて誰か使ってたっけ?」


「いえ、少なくとも我らの面子では…」


「……ふと気になったのですが主?ここって本当に無人なのですか?」


凛「……?……凛はそう聞いてるけど?」


「妙ではありませんか?看守がいないのは確かな様ですが他の囚人すらいないというのは……」


凛「!?………た、たしかに……じゃあ…ここに他に捕まっている囚人がいる可能性が……」


495 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/11(木) 02:34:59 7XusH6z6


???「そういうことだ」


凛「だ、誰!?」


「何奴!」


???「そりゃこっちの台詞だよ…化け猫」



ほの暗い牢屋壱の闇から現れたのは黒装束を纏った少年


凛「その格好…凛と同じ忍の者…」


「…綺麗な紅い瞳…(うーんどこかで既視感が…)」


???「まぁ感謝しよう…こんなところで一生を終えるつもりはなかったからな…俺には野望がある」


少年は刀を取る


凛「野望?」


???「…………見ず知らずのお前らに言うつもりはない…これは俺の…俺だけの野望だ」


そういうと黒装束の少年はさっさと牢部屋から出ようとした


496 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/11(木) 02:35:55 7XusH6z6
「待ちなさい少年!」


???「なんだ?化け猫風情が…」


「我が主にその不遜な態度……気に入りませんね」


???「下らん……言いたいことはそれだけか?」


「あなた……」シャー!


???「やる気か化け猫とくの一ごとき俺の相手にならないとは思うが」


凛「ムカッ💢じゃあやってみるかにゃ!」


「まぁまぁシロも主も落ち着いて…えーっと君!…名前だけでも言っていきなさいよ」


???「ふん…お前らに名乗る名など無い…ただ俺は復讐者だ…」


凛「………………」


「………………………」



「………………………」



「はぁ?」


「え………えーと………それで名前は?」


凛「ちょっと寒くないかにゃー?」


???「💢…ぬわぁんだと!………ちっ…まぁいい…お前らに俺の闇など分からん」


シュン!


黒装束の少年はそのまま、姿を消した


凛「ちょっとどころじゃなく大分寒くないかにゃー?」


「し、しかし…あの身のこなしは流石忍者…」


「やっぱりあの目見たことがあるね…しかもつい最近…」








シュン!


???「ちっ…あの絵里とかいう者に不覚を取ったが次はそうはいかん…かならず奴を殺すまで俺は死ねん…そして今奴がここにいるのが最大の好機……フフ待っていろ矢澤にこ…!…」


497 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/11(木) 12:31:05 BP31wOUk



498 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/11(木) 13:27:00 CJxA0Bfw
虎太郎、元気に痛くなってまぁ…


499 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/13(土) 00:35:09 pV8b54Yw
SIDいいね


500 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/18(木) 00:30:13 wQFGM7wU
期待


501 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/18(木) 10:49:29 v1vb/aBY


場面はカラクリ屋敷から変わって


局所内庭



海未「………………」ギリッ



仁美「おいおいそんな睨むなよ海未……俺は当然のことをしたまでだよ」


海未「分かっていますよ……分かっていますとも……ただ自然と貴女を睨んでしまいます……」


仁美「おっかねぇなぁ…亜里沙と絵里の暴走を止められるのはこれの他、方法はなかったんだよ…その場でにこを殺さなかっただけでもお前の気持ちを汲んでやったとは考えてはくれないか」


海未「無理です…よりにもあの屋敷…ただ殺すよりも非道でしょう」


仁美「ただの牢屋だったら絵里が納得しねぇよ…というかあいつなら即斬ってる」


海未「分かってますよ!でも…でも…あんな………地獄みたいな場所に…!…にこを!私の大切な人を!」


仁美「……海未…………お前は少し頭を冷やせ………見廻組の副長が………殺人鬼に肩入れするんじゃねぇ」


ダァン!


海未「にこは殺人鬼なんかじゃありません!」


海未は壁を殴り付け怒りを露にする


仁美「!?」


海未「貴女の言い分も分かりましたし貴女にとっての英断だということは分かりましたが………私ももう一歩も引けないんですよ…」


仁美「何故お前はそこまで矢澤にこに………」


海未「知ってしまったんです………にこの過去を………全てを………」


502 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/18(木) 10:50:32 v1vb/aBY


仁美「何を…矢澤にこの過去なら既に"人斬り女士道"として…」


海未「それは表の過去…にこが望んだ訳じゃない憎悪の道…」


仁美「残念だが…原因が冬暮の乱というのも調べはついてる…幕府に裏切られ、誰も信用できなくなった悲劇の士…だから幕府を恨むのは理解できる…だがその復讐がやり過ぎだろうよ」


海未「そんなのは知ってて当たり前の過去…違います…やはり話になりませんね…」


仁美「!?(何を……これ以上に矢澤にこについて語ることなんて……)」


「面白そうな話をしているな」


海未、仁美「何奴!?」バッ!


スー…チャキン!スー…チャキン!


察知が速かった二人一斉に気配を感じた方へ刀を振る


キィン!


英玲奈「こいつは重畳…中々の抜刀術だな」


英玲奈が二人の居合いを軽く防いで呟いた


仁美「!?…お…お前は……!?」


海未「…統堂英玲奈!…貴女が何用ですか?」


英玲奈「なーに、私も知りたくてな矢澤にこのことをな」


海未「どいつもこいつも…ふざけないでください…にこは見せ物でも聞き物でもありません…」


英玲奈「そう言うな……私も彼女には注目しているんだ…彼女には善悪を越えた強者を惹き付ける魅力があるとでも言うのか……」


仁美「さあな………それよりも…だ」チャキ…


英玲奈「成る程……殺る気か」


仁美「あの組で一、二を争ってお前が厄介なんでな」


海未「…………(正直過去私は英玲奈には完敗しています…あれから時間は経過してはいるとはいえ…)」


英玲奈「園田海未?お前は来ないのか?」


503 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/18(木) 10:51:29 v1vb/aBY


海未「(いや……考えている暇はないですね……)邪魔立てするなら斬ります」



英玲奈「迷いがあるようだな大丈夫なのか」


海未「…っ!?……そんなことまで…」


仁美「おら!海未!俺とのもめ事は後だ…今は全力で奴をぶっ倒す!」


海未「ちっ……(にこ……すみません救出が遅れます……)」





……………………




場面変わり音ノ木門


絵里「………………」


ツバサ「……………」



両者は睨みあっていた



ツバサ「あらら面倒なのに捕まったわね」


絵里「何をしているの?ここで……」


ツバサ「さぁね…あなたには関係のないことよ」


ツバサ「そういうあなたは何でわざわざこんな場所を見廻り?」


絵里「別に…私は矢澤にこを追っていた…ただそれだけよ」


ツバサ「あらそう…でも残念私の察する感じでは彼女はここには居ないわ」



絵里「ええ…そのようね」


ツバサ「あらら分かってるのね?…じゃあ帰れば?」


絵里「冗談!……貴女がいて見逃すと思う?」


ツバサ「私と戦えば…肝心の矢澤にこは見逃してしまうわよ」


絵里「…一瞬で決着が着けばそうでもないわ」


ツバサ「あは♪私相手にそんなこと出来るつもりでいるのかしら?」


504 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/18(木) 10:54:04 v1vb/aBY

スッ!


スッ!


ブォン!



ガッ


タタン!


絵里の不意討ちの払い斬り


ツバサ「!?…っと…」


絵里「よく躱したわね…」


ツバサ「こんなもの…」ツー


頬に裂傷


絵里「冷や汗…」


ツバサ「!?ッ」タラー


絵里「貴女も結構表情が分かりやすいのよね…海未ほどではないけれど…今貴女…とても焦ってるでしょう」ドヤァ


ツバサ「焦ってる?何のことかしら……?……これは余裕という奴よ…!…」チャキン


ツバサが刀から納刀音


サァン!


絵里「!?」


トス…


絵里の髪結い衣が切れて下に落ちる


絵里「やるじゃない」タラー


ツバサ「冷や汗…」


絵里「う、うるさい!」


ツバサ「そんな調子だと矢澤にこに辿り着けないわよ…いや寧ろ…私で死んどく?」


絵里「ふざけないで…私は負けない…誰が相手でもね」キッ


505 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/18(木) 10:55:03 v1vb/aBY
ツバサ「あーはいはい…熱いのは苦手なのよ…落ち着きなさい」


絵里「…そうね……そうするわ……」


絵里は目を瞑り、刀を上段に構える


下ろした海未ほどの長い髪が靡く



ツバサ「(雰囲気が変わったわね……いいわ来なさい……)」



絵里「園田流…」


ツバサ「!?」


ツバサは何かを察して即座に体を大きく逸らした


絵里「嵐入恋斬!」


スババババババババ


スパァーーン!


ツバサの背後の家屋が一瞬で真っ二つ


ツバサ「…………」


スッ!


ツバサ「!?」


キィン!


絵里「私をなんだって?」


ツバサ「クク……いいわねぇあなた」


絵里「強がりを……」


ツバサ「………」


キィン!バッ…


二人とも後退


絵里「さっきからずっと受け身ね…どうしたの?」


ツバサ「………………」チャキン!



ザァン!


絵里「ぐぁ」


絵里の肩から出血…


ツバサ「ククク…威力はぶったまげたわ…でもね…あくびが出る…貴女隙だらけよ」


絵里「ぐっ…」


506 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/18(木) 10:55:40 v1vb/aBY
ここまで
出勤前だからまた夜に


507 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/18(木) 12:59:14 sj.Z8aVM
おつおつ 続き待ってる


508 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/19(金) 00:27:25 ARVB2r0Q
戻ってカラクリ屋敷牢


穂乃果「…あ……あ……」


にこ「………………」


穂乃果とにこが向かった牢にいた人物……それは……







穂乃果「じゅ、塾長ぉ!」


タッタッ!バッ!ギュー!


ことり母「ふふ…久しぶりね穂乃果ちゃん随分大きくなったみたいね」


穂乃果「塾長ぉ!うわぁぁぉん!いぎでだぁ!よがっだぁ!」


ことり母「ええ……生きてたわよ……ずっと……ずっと……ね……貴女も生きてて……グス…良かった…」


にこ「(お邪魔みたいね…)」


にこはそっと牢の外へと掃けて行った






しばらくして



穂乃果「でもどうして塾長が?…あのあと穂乃果たちには塾長は処刑されたって…」


ことり母「処刑…ね…そう…世間ではそうなっているのね…恐らく…絢瀬さんが…」


穂乃果「絵里ちゃん?」


ことり母「私を死んだことにしてくれたんだと思うわ」


にこ「へぇー…幕府至上主義のあいつが上を裏切るなんてね…よほど貴女を殺したくないみたいね…」


ことり母「あ、あなたは…」


穂乃果「にこちゃんだよ!今は穂乃果の…用心棒?みたいな人なの…ちょっと頼りないけど」


にこ「一言余計よあほのか」



ことり母「にこ!?まさかあの"人斬り女士道"矢澤にこさん?」


にこ「ご名答…さすが塾長ともなるとすぐバレるわね」


ことり母「いや私のような過去の人間で……貴女を知らない人はいないわ」


穂乃果「へ?ああそうかにこちゃんってもう結構おば…」バシ


穂乃果「あいたっ!」


にこ「しばくわよ!あんた!」


穂乃果「しばいてんじゃん!」


509 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/19(金) 00:28:18 ARVB2r0Q


にこ「ったく…まだピチピチの二十代よ!」


穂乃果「でもどちらかというともうすぐ二十代終わる方に近いんでしょ?」←二十歳丁度くらい


にこ「だ ま れ」


穂乃果「…………はい」シュン


ことり母「……」←ほぼ確定で四十歳以上


ことり母「こほん!あーそれで……矢澤にこさん……」


にこ「?」


ことり母「貴女を私は信用していいのかしら?」


にこ「……!…………貴女に任せますよ……塾長さん…」


ことり母「そう……じゃあ……」


ことり母「もし良ければ私も一緒にここから出してくれるかしら?」


穂乃果「そんなの勿論だよ!ねぇにこちゃん!」


にこ「え?(いやーマジですか……この人連れてこの罠だらけの場所を突破できる?…)」


穂乃果「にこちゃん……?……」


にこ「ぐっ……(正直足手まといよね……いや……でも今の穂乃果の様子を見ても連れていかないというのはあまりに…)」


にこ「…はぁ………お安いご用です」


穂乃果「にこちゃん!」パァ


ことり母「ありがとうにこちゃん」


にこ「(まぁなんとかなるでしょ)」


510 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/19(金) 00:29:24 ARVB2r0Q


にこ「さて…んでこっちには私たちの得物はなかったからあっちの猫隊のほうね」


穂乃果「猫隊って…」


ことり母「あらまだ仲間がいるの?」


にこ「ええ……かなりバカですけど」


穂乃果「それにこちゃんもじゃん」


にこ「あんたもでしょ!」


ことり母「ふふ」ニコニコ




しばらく立って


………………







凛「凛ちゃんくの一たっだいまー参上!」


にこ「遅い!なーにやってたのよ!」


凛「いやちょっと変な忍者がいて…」


にこ「…?…変な忍者はあんたでしょ」


凛「違うよ赤い目の黒装束の……多分凛と同じかちょっと下くらいの年齢じゃないかにゃあ」←かよちんが14凛が15


ことり母「くの一……しかもまだ…わ、若いわね…ねぇにこちゃん」


にこ「ここで真っ先ににこに親近感覚えるのやめてくれます?」


ことり母「だってこの中で私に一番年齢が近…」


にこ「いやしかし…変な忍者ねぇ…心当たりがあるというか」


ことり母「…」シュン


にこ「こころ辺りかな?とは思ってるんだけど」


凛「にこちゃん何言ってるんだにゃ?」



にこ「まぁいいわ…後で考えましょ…さて、凛…みんなの得物を…」


凛「はいはーい」シュルルルル…シュ…バッ…タァン!


凛「口寄せ!武器一式」


ボォン!


"空丸""恵美津""???"


511 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/19(金) 00:30:10 ARVB2r0Q


にこ「ご苦労様」


にこは"空丸"を装備


穂乃果「ありがとう凛ちゃん」


穂乃果は"恵美津"を装備


凛は"里峰"を装備


にこ「で?この槍は…」


凛「分かんないにゃ…とりあえず持ってきただけで…」


ことり母「あら?この槍は」


凛「ん?もしかしておばさんのかにゃ?」


ことり母「お、おば…」


凛「というかこのおばさん誰かにゃ?」


ことり母「」


にこ「やめなさい!ことりの母上よ」


凛「にゃああ!?嘘でしょ…ことりちゃんのお母さんってあの音ノ木塾の塾長で…たしか数年前に…」


穂乃果「それがね…殺されたと思ってたらここに閉じ込められていたの」


にこ「んでせっかくだから一緒に脱出しようってなったわけよ」


凛「へぇ〜」


穂乃果「凛ちゃんお願い!塾長救出も手伝って!」


凛「う……(に、にこちゃん……あの〜……)」


にこ「(わーってるわよ……あんたの言いたいことはね……でもあのキラキラした穂乃果の目を見て……塾長がいたら…脱出になんとかかんとか…あーだこーだ言えると思う?)」


凛「(流石の凛も穂乃果ちゃんの恩人に失礼なことは)」


にこ「(どの口が言ってるのよ!)」


512 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/19(金) 00:30:59 ARVB2r0Q


凛「(おばさんなのは事実にゃまぁことりちゃんのお母さんだけあって綺麗な人だけど)」


にこ「(後半のそこ!思ってるだけじゃなく口で言いなさいよ!……というかまぁそういうことよ……大丈夫…いざとなればにこがなんとかするから…ね?…)」


ここまでにこと凛の脳内会話

かかった時間三秒足らず


凛「了解にゃ!親鳥さん一緒に脱出しよう!」


ことり母「お、親鳥?」


凛「ことりちゃんのお母さんなら親鳥でしょ?」


ことり母「もうなんでもいいわ…」


穂乃果「じ、塾長?落ち込んでる…?…」


にこ「失礼に失礼重ねんな」バシ


凛「あて!」


にこ「と、ところでこの槍は…」


ことり母「あ、ああ…これは私のね…もう随分使ってないけど…南家に伝わる槍よ」


聖槍"南日高"



にこ「"南日高"…!?…」


穂乃果「……?」


凛「り、凛知ってるよ…平安時代から逸話のある凄い槍だって…」


穂乃果「ええー!?そんなの伝説級じゃん!」


凛「そう…伝説級…だから扱う者も伝説級じゃなきゃ扱えない…」


にこ「………塾長さん…あなた一体…」


ことり母「べ、別に私はただのおばさんよ…」


513 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/19(金) 00:31:56 ARVB2r0Q


穂乃果「そういや…昔…穂乃果と絵里ちゃんとことりちゃんと一緒にイタズラで塾長に不意打ちで襲いかかったら軽く躱されて足払われてような…」


にこ「マジですか……」


ことり母「まぁ……あのときはことりたちも子供だったし」


穂乃果「うちの塾で一番強かった絵里ちゃんが塾長だけには敵わないって言ってたし」


凛「マジなのかにゃ……」


ことり母「まぁそういう時期もあったわねぇ…」


にこ「いやいや…相手はあの絵里よ…(もしかして足手まといどころか……)」


凛「(すっごい戦力なんじゃ……)」


ことり母「今の絢瀬さんは……いや絢瀬姉妹はあのときより強くなっているでしょうし……ともかく早くいきましょう……モタモタしていると……」


にこほのりん「?」



ことり母「あまり良いことにならない気がするわ」


………………


再び戻ってちょうどカラクリ屋敷の外…………局所大庭




海未「でいやぁ!」


ブォン!シュー!



上空斬り上げ居合い


英玲奈「なるほど……強くなったな」





海未「随分上からモノを言いますね……」


上空とクルンと反転して



横払い


英玲奈「!?」


ザッ……


英玲奈「危ない……さっきのは…危なかったぞ」


仁美「そうかよ!じゃあこれで終わりだな!どりゃあ!」


英玲奈が後退した隙をついて仁美が右正拳突き


英玲奈「!」


ガッ!


英玲奈の顔に見事に直撃


514 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/19(金) 00:33:13 ARVB2r0Q


海未「決まりました!」



英玲奈「見事だ…久々だな…私が攻撃を受ける感覚は…」


仁美「(たしかに直撃したのに手応えがねぇ)」


英玲奈「ただ甘いな」ギュッ!


仁美「ぐお!」


英玲奈は仁美の右手を掴んだ


仁美「(びくともしない!?なんだ…なんだ…まずい!!)」


英玲奈「格闘というのはこうするものだ」バヂン!


英玲奈の裏手打ちが仁美の顔に飛んでくる


仁美「ぶっ」ドゴォ



ファァァァン!



ズササササササ


仁美「がっ…ぐはっ…」


海未「ただの裏手打ちでどんだけなんですか…仁美!大丈夫なんですか!」


仁美「バカ野郎大丈夫じゃねーよ!ちっくしょー…なんであいつ俺の正拳が効いてないんだ」


英玲奈「…………」


海未「(くっ……やはりあのときから実力差は何一つとして変わっていないみたいですね)」チャキ……


仁美「おい海未…?…」


海未「下がっていてください…仁美…」


英玲奈「…(雰囲気が…)死ぬ気か…園田海未…」


海未「あなたを倒すにはこれしかありませんので」


海未「いきますよ…園田流…噫無情」


515 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/19(金) 03:45:05 PDaznjMk



516 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/19(金) 18:59:45 BY91UlxE
おつ
南日高を何と読むのか分からん…


517 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/19(金) 20:13:30 tYMzvmlI
みなみひだかでいいんじゃない?
キャラの苗字と声優の苗字合わせた的な


518 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/23(火) 18:07:07 ijLV06zY
しえん


519 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/02/28(日) 18:01:46 DqvXquZ.
まってるぞ


520 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/03/02(水) 11:16:06 p37YYNEo
3月ですよ


521 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/03/06(日) 10:20:49 zzGg3Bo.
エタらないで


522 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/03/06(日) 19:25:44 gk/lD/XE
まってるまってる


523 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/03/07(月) 16:52:44 zNaXN7Bs
支援ありがとうそしてすみません
今職場が周り異動しまくりのカオスでアレ


本当にすみませんエタりはしないからもうちょっと待ってて(懇願)


524 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/03/07(月) 19:16:01 HNEKFRdc
ゆっくりでいいよ


525 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/03/07(月) 21:29:44 nUdlRGEk
よかった、生存報告あれば安心よ


526 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/03/07(月) 21:41:59 A.lSBlm6
無事で何より
楽しみに待ってるよー


527 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/03/07(月) 23:33:48 0Ycn.1GM
この時期は大変だからね


528 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/03/12(土) 10:48:04 K73nfdGo


場面が変わって屋敷牢



あの畳の間へと戻ってきたが、少し違いがあった



にこ「………明らかに穴が空いてるわね」


穂乃果「ここの罠は落とし穴だったんだ…」


凛「何それ…単純過ぎて逆に予測できないよ」


にこ「ということは誰かが落ちたってことよね」


ことり母「他に侵入者が…」


穂乃果「うーんさっき凛ちゃんが言ってた変な忍者とか?」


凛「いやいやいくらなんでも…忍者だよ?こんな安易な罠に引っ掛かるなんて…」


にこ「たしかにバカね……というか落ちた先はどうなるのかしら?串刺し?」


凛「酸の池かもしれないにゃ」


ことり母「いや飢えた獣の檻かも知れないわ」


穂乃果「みんな発想怖いよ!?なんでそんな冷静に惨いこと言えるの!?」


にこ「ともかく……罠には気をつけましょう」スッ



にこはポッカリ空いた畳二枚分の空洞を避けて隣の畳に足を踏み入れる



ことり母「(でもなんで畳の間に落とし穴なのかしら……畳を開いて下に落とす……たしかに落とし穴にしやすい構造だけど……逆に誰も怪しんで足を踏み入れる人なんていないわ……それに一回誤作動したらそれで終わり…………!?……いや……)待ちなさい!にこちゃん!ここもしかしたら……全部畳がそういう感じに……」


にこ「え?」トン!



カチャ……


529 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/03/12(土) 10:52:07 K73nfdGo



時すでに遅し


足下は真っ暗闇


にこの体はふわっと空中を一瞬歩く


にこ自身未だに自覚がない 


そう、落とし穴に引っ掛かった自覚が……


にこ「………………」


下を眺める


にこ「……!?……」



徐々に状況を分かってきたにこの頭と重力が


にこ「!!!!!!!」


にこに襲いかかった



にこ「ぎゃああああああ!」


ヒュウウウウン!


高速でにこが下に落ちていく


530 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/03/12(土) 10:52:34 K73nfdGo
凛、穂乃果「にこちゃぁぁぁぁん!」


サァン!


ことり母「くっ!にこちゃん捕まりなさい!」


塾長は咄嗟に槍の柄を伸ばした


にこ「…!………ぐぅ……」


ガシッ


にこも咄嗟の反応で差し出された槍を掴む


ことり母「ぐっ……でもこれ……支え……きれない……!……」


凛「手伝うにゃ」


穂乃果「ほ、穂乃果も」



凛と穂乃果も塾長に重ねて槍を掴んでにこを引き上げようとする

にこ「あ、ありがとう……みんな……」


穂乃果、凛「うー!!」


ことり母「ダメ…!…引き上がらない……もうちょっと身を乗り出して………はっ!?…そもそも…ここは…………」



塾長は青ざめた…咄嗟ににこに槍を伸ばしたとき、自分の足場を確認していなかった



ことり母はゆっくりと足元を見た



親鳥の下も畳


そしてカチャという音が刻まれる


凛「にゃ?」


穂乃果「へ?」



ことり母「これあかんやつね」



にこ「え?ええー!!まさかぁぁぁ!?」



バァン!



四人「ぎゃあああああああああ!」ヒュウウウウン!


531 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/03/12(土) 10:53:12 K73nfdGo



ポタポタ…



血……それも決して大げさではない量



ポタポタ……



家屋がいくつ倒れたのだろう


もはやこの二人の戦いは剣豪 の域を越えていた



まるで天災







絵里「うぐっ……」ドサッ


身体中に切り傷を負った絵里は堪らず膝をついた



ツバサ「まるで嵐と戦ってるようね」


ツバサは未だに頬傷一つ


ツバサ「ただし私は嵐すら返り討ちにできる女だけどね」


絵里「ぐっ……なんて奴……」


ツバサ「未だに致命傷は避けられているけど……このまま続けば死ぬのはあなた」チャキン



絵里「!?(また……あれだ!……次はどこから!?……)」


絵里は鋭く感覚を尖らせ……察知する……



絵里「(右、左、上、下……いや……)」


シュシュン!


絵里「後ろか!」キィン!



飛んできた斬撃を辛うじて弾いた


しかし



ツバサ「やるわね……ただ……次はどう?」チャキン


絵里「なっ!?またぁ!……」ザクッ!



絵里「うぐぁ!」


次に飛んできた斬撃は脇腹を深く斬りつけた


絵里「あああああ!!(しまった……この傷は……深い……!?……)」


ツバサ「間抜けな悲鳴ね」


絵里「くっ……」


532 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/03/12(土) 10:55:39 K73nfdGo


絵里「(あれを破らなければ……私の勝利は……いや命は……)」ジワァ……


絵里の脇腹から今まで以上の出血



ツバサ「観念なさい絢瀬絵里……あなたの負けよ」


絵里「馬鹿……言わないで……あなたみたいな素人に……」



ツバサ「はぁ?素人だと?……現在敗北条件役満してるあなたが私に素人……笑えない冗談ね」


絵里「残念ながら冗談ではないわ……私は冗談言えるほど器用じゃない」フラフラ


ツバサ「立つのも覚束ないあなたが何を言っても冗談にしか聞こえないわね」


絵里「………………」スチャ



荒れた息を整え絵里は構える


目を閉じてスーっと静かに息を吐く



ツバサ「ククク……馬鹿の一つ覚えね……またそれ?」


構えは嵐入恋斬


ツバサ「所詮、あなたは愚直な女なのよ……冒険もしない考えも保守的で……挑戦することを恐れている臆病者……」タッタッタッタッタッ


ツバサは駆け出す……絵里の嵐入恋斬はすでに見切り、怖くもなんともなかった


絵里「………………」



ツバサ「賢さはあるのに愚かで不器用で臆病……そういうやつはなんて言うか知ってる?」タッタッタッタッタッ


一気に勝敗を決めようと絵里に詰め寄る


絵里「……………」



絵里の刀は高速で振り下ろされた


ツバサ「(笑止、見切り切っている!止まって見える!……)」


ツバサは余裕綽々と振り下ろされた刀を避けた


ツバサ「ポンコツっていうのよ!!!!」


ツバサが叫びながら絵里に斬りかかる


ザァン!



絵里「……」スー…チャキン


ブシャアアアアア



鮮血が散る


533 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/03/12(土) 10:57:45 K73nfdGo


何が……起きた……



意味が分からなかった……理解が追い付かなかった


鮮血に染まる絵里……苦しそうな表情で鮮血に染まって倒れた










ツバサの鮮血に染まって……





ツバサ「ぐはぁ……!」ドクドク


絵里「っ………………」ポタポタ……


ドサッ


脇腹を抑えるもそれでも滲み落ちる血


苦しそうにゆっくりと膝から倒れ込む



ツバサ「な、何が……起きた……私は見切ったはず……」



絵里「………………」



ツバサ「答えろよ!ポンコツ女ぁ!……ぐぅは……」


吐血…ツバサがおった傷も深いようだ


絵里「ハァ…ハァ…別に…貴女の技を…ハァ…模倣しただけよ…」


ツバサ「模倣……?……私の……衝撃血祭を…………」


絵里「…ぐぅは…そんな名前なのね……ゼェ……ゼェ……」


ツバサ「斬撃が飛び…時間差で予測不能に襲いかかる私の秘技…衝撃血祭」


合図は納刀音



絵里「やはりね…私もそれをやった」


ツバサ「…!?…馬鹿な……あの英玲奈でさえ…真似できない技を…あり得ない!…そんなこと…ぐはぁ…」


絵里「喋らない方が身のためよ…肺を一突きした…下手したら死ぬわ…よ…」


534 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/03/12(土) 10:59:01 K73nfdGo


ツバサ「(突き!?…馬鹿な…斬撃を飛ばすのも難しいのに突きを飛ばす!?…こいつ…見様見真似どころか…)」


絵里「ぐふ……ダメね……限界が近いわ……」


絵里はうつ伏せのまま、ピクリとも動けなくなっていた


ツバサ「(私の衝撃血祭を……進化させやがった!?)」


ツバサはガタガタと地面に突き立てた刀を震わしながら立ち上がる


ツバサ「前言…………撤回……あなたは私の計画にとって最も邪魔になる存在……この私が認めてやるわあなたを……天才剣士だと!!」ブォン!



ツバサが刀を振りおろした


絵里「(ツバサが致命傷になるまでは……いや動けなくさせるまでは……あと少し足りなかったか……それで結局……ここまで……………本当に……私は詰めが甘い……)」




ザァン!


音ノ木町門前


ツバサ対絵里


勝者ツバサ


535 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/03/12(土) 11:01:52 K73nfdGo
とりあえずここまで
続きは夜書く
技とか刀の名前とかはフリガナ振ってないですが自由に読んで下さっていいです
一応、南日高はみなみひだかが自分の認識ではありますけど


536 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/03/12(土) 12:45:22 Af35ITOc
待ってたぞ


537 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/03/12(土) 16:29:38 NZ2V/kS2
待ってる


538 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/03/12(土) 17:06:48 YnHmvcmY
おつおつ


539 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/03/12(土) 17:24:55 g1WpSN52
待ってる


540 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/03/13(日) 04:05:14 XmpKmizg



海未「!?」



英玲奈「ん?どうした……園田海未?」


海未「いや……なんでもありません(何故私は今、死んでいく絵里が頭に過ったのでしょうか……)」


英玲奈「…………それでどうする?現状何も変わってないが」


海未「…………変わりますよ……確実に……噫無情はそういうものです…」


英玲奈「?」


シュン!


背後に海未


英玲奈「!?」


仁美「は、速い!」


海未「遅いですよ!」ブォン!


英玲奈「ちっ……」ザスッ……


仁美「偶然か?あの英玲奈に攻撃が当たった!?」



英玲奈「(来るか……構えなければ……)」


海未「ですから遅いです……」


英玲奈「なっ!?」ザァン!


英玲奈に再び斬りつけた


541 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/03/13(日) 04:05:34 XmpKmizg
仁美「偶然じゃない……また当たった」


海未「…………」シュン!


英玲奈「ぐっ……(速い……だがそれだけじゃない……)」


海未「はぁ!」スー…


英玲奈「(来た!…抜刀から直進の突きか…!……狙いの精度も上がっている!だが……流石に……)」


キィン!


英玲奈「今度は上手く受け流せたぞ」


海未「…………」ニヤリ……


英玲奈「!?」


海未「無情に飛沫け!」チャキン!


英玲奈「なっ……」ズサズサズサ


海未「既に斬っています残念ながら」


英玲奈「ぐぅ……」


仁美「海未……なんてやつだ……抜刀からの突きに見せて既に三振りもしているとは」


海未「速度が上がったのは移動だけではありません……抜刀速度もです」


英玲奈「……なるほど……ぐっ……厄介だ……」ドサッ


仁美「すげぇ……あの英玲奈が膝をつくなんて見たことない…」


ヒュン!


仁美「ん?」ザァン!


仁美「痛っ!?お前何してんだ海未!」


海未「ああ…すみません仁美…何分この技…速さの制御が効かないみたいで…さきほどは突き、と一振り二振り三振りしただけのつもりがどうやら四振りしていたみたいです…」


542 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/03/13(日) 04:06:27 XmpKmizg


仁美「おま…ふざけんな…そんなこと速く言え!」


仁美は海未と英玲奈の戦いの場から即座に離れた





英玲奈「なるほど…故に無情か…たしか聞いたことがある見廻組鬼の副長、園田海未…無情にも敵とあらば味方を巻き込んで斬ることもあるとな…」


海未「昔の話です…今は恐らく随分あのときより丸くなりましたよ……ただし、悪・即・斬の信念は変わっていませんが……」



英玲奈「ふむ……では何故矢澤にこは斬らない?」


海未「悪ではないからですよ」シュン!



英玲奈「…………来たか……(いい加減……見切れてきた……目でのなど追跡は不可……ならば……あとは心眼にて気配を……)」


英玲奈は目を閉じる


海未「無駄です」



英玲奈「かは!?」ザァン!


海未「無は情だけではなく全て無……音も気配も無なんですよ」


英玲奈「……なるほど……厄介だ……」


仁美「…すげぇ無情は…英玲奈のお手本のような正攻法ですら太刀打ちできない域なのか」


英玲奈「ああその通り……正直ここまでやるとは微塵も思ってもなかったよ……お手上げだ」


海未「では降参しますか?」


543 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/03/13(日) 04:07:12 XmpKmizg


英玲奈「愚問だ……するわけがない……」


海未「ならば死、あるのみです!」シュン!


英玲奈「(やはり目にも止まらないほど速い……だが……)」


英玲奈「(その速さ自体……珍しくはない…むしろ厄介なのは…察知できない気配と速い抜刀術のため刃が見えない故に読めない斬撃の軌道…ん?)」


英玲奈「読めない?…………!?…………フフフ……分かったぞ……その技の弱点……」



海未「…………馬鹿なことを!!」


キィン!ザァン!



英玲奈「ぐっ……」


英玲奈は咄嗟に一瞬見えた海未の刀に自分の刀をぶつけた



海未「この技に弱点などありません…刀をぶつけたところでその時点ですでに二回刀を振っています………貴女のその姿が証明しているでしょう」



英玲奈「…………いや逆だ……弱点がない技などない……それは無敵と言われた私の剣技が破られ惨めに斬られている今の私がそれを証明している……」


海未「………………」ギリ……


英玲奈「その表情どうやら……心当たりはあるようだな……お前は分かりやすくて好きだ」


海未「…………なっ////馬鹿なことを!ありません!弱点など!」


英玲奈「ほう……ならば問おう……」


海未「?」


英玲奈「どうして早く私の首をはねない?」


海未「え……そ、それは……えーとその…」(゜ロ゜;


英玲奈「わかりやす」


海未「////////…!?…い、いいませんよ!?」


英玲奈「ふん、まぁいい大方分かっている」


海未「え……」


英玲奈「……速い故に自らも無情の斬撃……つまり」


海未「……!……」


英玲奈「狙って斬れやしないんだろう?」



海未「べ、別にそんなことは……」(゜ロ゜;



英玲奈「わかりやす」


544 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/03/13(日) 04:09:37 XmpKmizg


海未「ちっ……たしかに速すぎる故に制御できません……ですが……あなたが避けられないのは変わりませんよ?」


英玲奈「どうかな?仕組みのまったく分からぬものを触れるのと多少分かっているものを触れるとでは心の持ちようも変わってくるものだろう」


海未「屁理屈を……」シュン!


ザァン!


英玲奈「やはり速い……か……」


キィン!


ザスッ


英玲奈「くっ……ここでは間違いか」


英玲奈の腕に海未の斬撃が擦った


海未「………………」



英玲奈「いまだに軌道は分からん……だが……慣れてはきたぞ」


545 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/03/13(日) 04:10:14 XmpKmizg
海未「(私の無情斬撃がただ擦っただけ……初めてですね)」



英玲奈「切り刻まれ続けるのは頂けんが…致命傷にならない限り」スー…チャキン


ズバッ


海未「!?……うぐっ…」


英玲奈「こちらとて反撃は出来る」


海未「(そんな…いつ斬られた)」


英玲奈「その見えない無の斬撃を躱す手はただ一つ…"私も使って見ること"だ」


海未「なっ…」


海未はニヤリと笑う英玲奈に恐怖を感じた


この僅かで無情をある程度の見切りと再現をこなしていた



海未「………化け物ですかあなたは」


英玲奈「それはお互い様だ」



海未「……………………」



英玲奈「!…………(なるほど精神統一…命中率を高める気か)」


海未「早めにぶった斬ります!」スッ……サッ……



海未はこのときまさに無情であっただろう


ヒュン!ブォン!



英玲奈「ハハ…お前は素晴らしい剣士だ園田海未!」



!!!キィン!!!



とうとう両者は次の一合に互角と成る


546 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/03/13(日) 04:16:33 XmpKmizg
とりあえずここまでで
こっから戦いがインフレしていくかも知れない…


547 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/03/13(日) 04:20:55 B7UszERA
おつおつ
やっぱりンミチャーはンミチャーだったな


548 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/03/13(日) 04:26:18 0N6IIwdY
死んだとか死ぬかもってなるとやっぱこう引き締まる感じがするね、向こうでも話したけど


549 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/03/14(月) 21:37:59 k20TCg3.
まってる


550 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/03/15(火) 22:10:16 QlRHsgDY
まつてーる


551 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/03/18(金) 21:10:32 oKUeArnw
まつてーる したらば過疎ってるからしょうがないか


558 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/03/22(火) 18:13:37 3KQkWf/w



559 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/03/24(木) 21:33:22 /WfGiVTU
ほしゅ


560 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/03/25(金) 12:53:46 oseAgzOQ
まつてーる


561 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/03/28(月) 08:19:02 aYHAm.yo
いつまでも舞ってる


562 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/03/30(水) 22:16:09 FFqbikPI
まってる


563 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/03/31(木) 16:14:58 fCsG2C/I
まつてーる


564 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/04/02(土) 00:10:20 n0iI5g96
まつてーる


565 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/04/04(月) 19:58:04 ps4kvLUc
まってる


566 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/04/05(火) 18:53:35 shF/ONeM
いくらでも待つぞ


567 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/04/06(水) 04:58:49 oX.vMcUw
舞ってるぞ


568 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/04/06(水) 19:20:01 Wqy4fPPU
まってる


569 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/04/06(水) 20:15:46 9heIxuqg
応援している


570 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/04/07(木) 21:21:00 s2Qmfh7g
まだかなまだかな


571 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/04/08(金) 00:45:16 UutUF3IA
まだか


572 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/04/09(土) 20:39:00 5T/pgChk
私待つわ


573 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/04/10(日) 03:01:49 xjFf.hwI
待ってるーずっとー待ーってーるー


574 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/04/10(日) 10:10:11 Zasulnag
もうだめかもしらんね…


575 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/04/10(日) 10:28:01 8HiBdnPM
ここは落ちないんだから無駄に埋めるなよ
それにまだ一ヶ月もたってないだろ


576 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/04/10(日) 14:36:38 sYB8BMcA


深淵


奈落


死、惨死


落ちるというのはその想像しかにこの頭にはなかった


にこ「………………」


暗転から明転


掌が眼に映る


にこ「…?…」


どういう状況か考えるにしばし時間がかかる


とりあえず生きているみたいだということは把握していた



にこ「…………」ヒョイ



上を見上げる


見覚えのある天井が遠くに見えるかなり高いところから落ちてきたのが分かる


577 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/04/10(日) 14:37:04 sYB8BMcA
続いて周りを見る


にこ「洞窟?……かしら……地下に落ちたみたいね……てか……」


にこはさっと慌てて立ち上がる


にこ「いたた……やっぱり腰は強打してるみたいね……でも……」

足元の地面に足で触れる


にこ「比較的に柔らかい土ね……腐葉土のような…ん?そういえば……」


にこは気づいた


にこ「穂乃果?凛?塾長?」



穂乃果「ん……うーん……」


にこ「穂乃果!」


仲間の安否について確認しなければいけないことに


偶然助かったのは自分だけかもしれない


凛「ん……うーん…」


にこ「凛!」


意識が戻らない穂乃果と凛……

にこに不安が募る


しかし……



ことり母「し…………心配ないわ……」


にこ「塾長!ご無事で」


辛うじて目覚めたことりの母はそう呟いてにこの不安を掻き消す


ことり母「恐らく気を失っているだけよ…私たちより長くね…」


578 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/04/10(日) 14:37:39 tGnM1N9g
待ってた


579 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/04/10(日) 14:38:26 sYB8BMcA


にこは二人に近づき改めて確認する


にこ「ふぅー……確かに静かに息を立ててる……眠っているだけみたいで……良かった…………いやよくないわよ!ここどこよ!」


ことり母「恐らくただの落とし穴で掘った先は何も無い場所……罠を考えた方も何も知らない場所って感じね…」


にこ「まさかこんなところに直結してるとは思ってないでしょうね」


ことり母「だけど…結果絶望的な状況に変わりないわ…脱出方法が分からない…いや無いかもしれない」


にこ「……………」


凛「誰かさんのせいだにゃ」



にこ「ぐっ………起きてたなら言いなさいよ……」


穂乃果「ああ……穂乃果はここで徐々に腐って死んでいくのかぁ誰かさんのせいで」


にこ「ぐぅっ!?……あーもう!悪かったわよー!」


ことり母「にこちゃんを責めても仕方ないわ……とりあえず全員起きたことだし探索しましょう」


にこ「探索っていったって色々道が別れてる洞窟でどうやって……」


ことり母「二手に別れましょう…」


凛「二手に?」


ことり母「とりあえず脱出するにはひたすら探索しかないわ」


穂乃果「それしかないかぁ…」


580 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/04/10(日) 14:40:13 sYB8BMcA

にこ「二手に別れる…それはいいけど誰の組合わせがどの道を行くのか…」


1、限りなく遠くいってみる

2、とりあえず付近を探索


組合わせ


にこ、凛、穂乃果、ことり母から二人組


1にどの組合わせか

2にどの組合わせか



いきなりですが安価選択肢


1安価下

2安価下二


遅れてすみません


581 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/04/10(日) 14:42:55 tGnM1N9g
ほのにこ


582 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/04/10(日) 14:43:35 tGnM1N9g
間違えた↑は無しで2


583 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/04/10(日) 14:47:15 xjFf.hwI
ほのにこ


584 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/04/10(日) 15:04:28 sYB8BMcA
ありがとうございます
1ことり母、凛
2ほのにこ

でおkですか

という安価の仕方ミスりましたね四人しかいないのに2つ安価出しても被るだろうと


585 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/04/10(日) 15:07:04 tGnM1N9g
続くなら何でもいいです


586 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/04/10(日) 17:31:40 XB1XoWfA
まってました


587 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/04/10(日) 22:16:55 /Ohmcp2Q
きたか


588 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/04/13(水) 21:09:37 J5oofftE
まてー?


589 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/04/13(水) 21:10:29 J5oofftE
すまん 間違えた


590 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/04/21(木) 20:48:56 4Cy5kaUo
どうした? 待ってたるぞ


591 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/04/24(日) 12:38:33 R.wQMoD6
待ってる


592 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/04/24(日) 23:17:15 Y87btwLk
あー待ちくたびれたぁ


593 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/04/26(火) 23:00:33 iQgGsr0M
エタらないって言ってるから大丈夫やろ(適当)


594 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/05/01(日) 20:11:15 txq76J/U
どこで?


595 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/05/01(日) 21:46:36 TQLQSuuw
いってええんかよくわからんがss懺悔の会みたいなところで言ってた


596 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/05/03(火) 18:42:57 G/fgdlnE
まあ本人だという確証もないけどね


597 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/05/06(金) 03:17:27 XwBYScSc
あれが本人ならいずれ帰ってくるだろし


598 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/05/09(月) 17:37:23 0d5c3UIs
待ってるぞ


599 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/05/20(金) 16:18:33 vJ8UZj2I
まってるぞ


600 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/06/01(水) 11:54:56 VZtxKibM
さっさとしろ


601 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/06/02(木) 18:05:17 DBhKcA12
まだまてる


602 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/06/18(土) 09:53:51 c0qOVgWg
待ってるぞ


603 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/06/24(金) 00:11:25 x.ekTa4M
はよ


604 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/06/24(金) 18:51:50 XbYbCiHk
めちゃくちゃ面白いな


605 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/06/25(土) 13:52:56 L7kNJYDY
エタるのがもったいない作品


606 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/06/30(木) 20:07:47 oQFrQ5V2
待ってるぞ


607 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/07/09(土) 23:39:47 x5LMu0Ro
早くしたまえ


608 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/07/23(土) 23:21:53 HUiUhjes
死んだか
非常に残念です


609 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/08/13(土) 13:39:50 KDzhruzs
まだ?


610 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/08/26(金) 23:15:33 lP.daIoI
まってるぞ


611 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/09/03(土) 23:12:55 9om9e9is
帰ってきたら奇跡だよぉ


612 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/09/06(火) 00:08:55 A52eTzjg
帰ってきてクレェ


613 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/09/14(水) 12:58:47 TI4g2jN2
エタッたか


614 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/09/25(日) 23:12:15 zh2QIUoE
私待つわ


615 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/10/13(木) 20:29:10 w3/dxQUc
生存報告くらいしろ


616 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/10/29(土) 13:21:44 iRRVmhTU



617 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/11/04(金) 21:14:31 mMFHmIdw
あく


618 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/11/15(火) 23:30:06 H2dJi2eA
リ`^ヮ^)まだかな��


619 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/11/16(水) 17:59:33 DSXKtZx.



620 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/11/23(水) 17:07:37 nNIgO2SY
もう来ないかな


621 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/12/14(水) 23:21:18 e.Dpdg9w
頼む...!戻ってきてくれ


622 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/12/16(金) 10:18:01 cUctB8xU
一年放置すみません
来年2月くらいからようやく私生活落ち着きそうなので書けそうです
もしかするとエタらなきゃなんないかも知れなかったのでエタらないと宣言した手前逆に何もどうも言えなかったのが本音…
とりあえずはい
読み直しから始めたいと思います


623 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/12/16(金) 10:47:51 H5kqPlQI
復活と聞いてどのスレかと見たらにこ侍かよ
最高じゃん


624 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/12/16(金) 10:52:47 FntOTabY
これは当たり
超楽しみ


625 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/12/16(金) 10:56:05 H5kqPlQI
ラ板の、絵描きにSSの挿絵やシチュ絵を描いてくれと言うスレの>>250にクッソ格好良い人斬り女子道のイラストあったぞ


626 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/12/16(金) 19:41:08 LLgLkXdk
報告だけでもありがたい
今年終盤にして一番の朗報


627 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/12/17(土) 01:44:58 j3EvkzeI
やっぱりここだったか
あっちでも言ったけれど、楽しみにしてる。のんびり待っとるよ


628 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/12/20(火) 00:03:00 PJxkMUDQ
情報聞いたから飛んできたらまじかよ
気長に待ってるよ


629 : <削除> :<削除>
<削除>


630 : 名無しさん@転載は禁止 :2016/12/23(金) 11:36:03 1xenc2Aw
>>629
グロ


631 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/01/06(金) 17:07:37 uH.FeI1c
まだかな


632 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/01/06(金) 21:06:10 vwO99dW6
2月つってんだろ


633 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/01/06(金) 21:31:42 8IlvnceY
せっかちさんワロタ
まってる


634 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/01/14(土) 22:30:14 P3oCV7Gc
大好きだったSS再発見したと思ったらエタ→復活してた
楽しみだわ


635 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/01/18(水) 10:40:56 6OWWFXTs
復活まじかすごい楽しみ


636 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/02/02(木) 23:21:03 KikDFzr.
2月になったぞ


637 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/02/12(日) 23:45:35 AIsbFZ6w
2月中旬にこ


638 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/02/15(水) 20:29:28 6IkRG9bs
中旬だぞ


639 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/02/17(金) 17:39:18 EoB.JuyE
まあ月末まで急かさず


640 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/02/18(土) 14:46:47 yDVpczgg
すまんインフルかかってぶっ倒れてたから遅れた
今書き溜めてはいるからちょい待ち
はやけりゃ今日の夜にでも
書き方ちょっと変わったかも知れん(若干地の文多目)


641 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/02/18(土) 21:35:12 OxeMrj5A
お大事に
がんばれー


642 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/02/18(土) 22:38:06 CpoOuXEk
おお


643 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/02/19(日) 08:45:06 4PYldmHU


1、ことり母、凛で遠くまで



凛「とりあえずこういうのはずっとずーっと突っ走るのが正解にゃあ!」ズタタタタタタ


にこ「あ!ちょ…バカ凛!…仕方ない…ここはにこが…」


ことり母「いえ、私がいきます」


にこ「!?」


穂乃果「塾長!?」


ことり母「遠くまでいくのは脱出に関しては活路が開ける可能性があるかも知れない…だけど同時に何があるか分からないから危険でもあるわ」


にこ「そうよ、だからにこが…」


ことり母「いえあなたと穂乃果ちゃんは付近を警戒して頂戴…」


ことり母は槍を構えてブォンと振り回し


タン!


にこ「でも!」


ことり母「あなたはなんでも自分で守ろうとし過ぎよ…星空さんも弱くないし私もまたまだ現役」


にこ「!?……なんでも守ろうとし過ぎ…か、ううんでも…………いや分かったわ。今回は言う通りにこは穂乃果と近場を探索して見る」


ことり母「任せたわ…穂乃果もそれでいいわね?」


穂乃果「うん…でも塾長も気をつけて」

>>580の続きから

ことり母「ふふ…心配ご無用よ」


こうして二組は別れた


644 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/02/19(日) 08:47:06 4PYldmHU

遠くの道ルート



しばらく歩いていただろうか…暗闇で正確な位置はまったく分からないが未だ…音ノ木
の地下というのはひしひしと感じていた


ことり母「星空さん…随分速いわね…」



ことり母「ん?」


塾長が見つけたのはさほど喜ばしくないものだった



サッ…サッ…サッ…サッ…


ことり母「誰?貴女たちは…」



現れたの顔が目だけ確認できる謎の色鉢巻きをしたくのいち四人


「……………」



ことり母「だんまり…ね…まぁ恐らく…味方ではないわよね…」


「…………」シャキン!


ことり母「言葉は要らずか……はぁ……」



塾長は目を閉じてため息をつく


静寂………………静観


からの静止



そして



カァン!

槍の柄突音が洞窟に響く



サッ…サッ…サッ…サッ…


四人のくのいちは一斉に塾長に斬りかかる


645 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/02/19(日) 08:49:12 4PYldmHU



「忍!殺!」


ズサズサズサズサ


くのいちの一人が高々と宣言する…


手応えは十分


速さも十分


あの速さで四人で掛かればどんな豪の者も死なない奴はいない



サッ…サッ…サッ…サッ…


四人は再び円に塾長を囲む


いや正確には塾長の屍を囲むと言っても……



カァン



「!?」



音がする……やられた者が発していた音だ



ことり母「四人連携での一撃必殺……私は知っている……貴女たちをね」


カァン!



青鉢巻「馬鹿な……生きている」


赤鉢巻「ああん?手応えはあったはずだ」


橙色鉢巻「アリエナイ……アリエナイ」


紫鉢巻「謎回避」


ことり母「その装束……そして何故この場所にいるか……」


「かかれ!」


「御意!」


ことり母「貴女たちも国家転覆を目論んだ反幕府の乱波……」


「忍!殺!」


ズサズサズサズサ


再び刺さるそれぞれの武器……


と思いきや刺さらない……


ことり母はまるで何もないように続ける


ことり母「亀隠れの里の忍、通称亀甲隊」


646 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/02/19(日) 08:50:43 4PYldmHU


ことり母「しかし消えたのはずっと前…最近では噂にすらならなかった貴女たちが何故ここに…まさか貴女たちもここで迷ってるという訳ではないわよね」



赤鉢巻「!?……我等の正体を……貴様何者だ……」


青鉢巻「ああん?今さっきも手応えはあったハズだぜ…何故だ…」


橙色鉢巻「アリエナイ…ワカラナイ…」


紫鉢巻「こいつ…危険…」



ことり母「赤鉢巻は二刀流のれお、青鉢巻は鉤爪のらふぁ、橙色鉢巻はヌンチャクのみけ、紫鉢巻は棍のどなどな」


れお「名前まで…こいつ…どうする…?…」二刀流シャキンシャキン


らふぁ「知るか!こうなったらやるぞ!」鉤爪チャキン!チャキン!


みけ「カワバンカ!久々ニ強敵!」ヌンチャクヒュンヒュンヒュン!


どなどな「いや油断はするな…」棍ブォンブォンブォン!



ことり母「やる気ね…しかしもう気づいたでしょう?…貴女たちの攻撃は…」


れお「でいやぁ!」


ことり母「見切っているわ!」キィン!


れお「うぐっ!」


塾長の槍の突きにれおは押し込まれるように吹き飛ぶ


れお「くそ…見切っているとはな…油断した」


ことり母「…………」


れお「不服そうだな……いやそりゃそうか……三度見切り全て我等の技を躱し突いても……」



ことり母「まるで傷がつかない……」


れお「よくぞ!……その通り……我等は亀甲隊だ……武装は完璧…装束の内に隠れている亀甲鎧は金剛石よりも硬い」


ことり母「それ故の亀甲隊なのね…」


れお「貴様が何者かは分からないが……ここまでよく戦えたものだ……だが」


647 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/02/19(日) 08:54:20 4PYldmHU


ことり母「(もう一つ分かったことが…この中で一人…もうすでに倒す算段はつけているのだけど……)」


れお「この戦力差覆せるか?」


ことり母「…………(まずいわね…たしかに四人はきつい…)」


らふぁ「おらおらぁ!なんとか言えや!」


みけ「負ケダロ…」


どなどな「優勢…大いに優勢…」


れお「無理もない何故ならば四対一だからな」




すると





サッ!



凛「四対一?…いや四対二にゃ」



ことり母「星空さん!?」


凛「おばさん…突出してごめんにゃ…ただ…凛も遊んでた訳じゃないよ」


みけ「ナンダ?ナンダ?ヘンテコ忍者?」


凛「変な鉢巻つけてるやつらに言われたくないにゃ」


らふぁ「ああん?やんのかテメー!あたいら誰だと思ってんだ三下くのいち!」


凛「そりゃね…凛でも知ってるよ……僅か数人で琉球にある一国を無傷で滅ぼした伝説のくのいち集団…たしかその武勇は琉球から南蛮国にも伝わり……その南蛮での異名は…」


ことり母「……………」






凛「ミュータントガールズ……」



れお「そこまで……!?…やはり生かしてはおけんな…」シャキン!シャキン!


凛「二刀流のれお…あいつが隊長…ここは凛が…」


ことり母「いや…私に任せて」

凛「!?……だめにゃ……あいつ強いよ……雰囲気で分かるもん…」


ことり母「だから任せて……大丈夫よ倒す算段はもうつけてある…」


648 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/02/19(日) 08:55:46 4PYldmHU


れお「倒す算段?……ほう……この我を倒せると?」


ことり母「代わりに残り三人は頼んだわよ」


凛「………任せるにゃ」



らふぁ「ずいぶんと舐めてくれんじゃねーか」


みけ「気ニイラナイナ」


どなどな「理解…不能…笑止…千万…」

凛の周りを三人が囲む


ことり母「それじゃやるわよ」


凛「にゃあ」


ことり母、凛対ミュータントガールズ


※ミュータントガールズ元ネタはミュータントタートルズで亀の忍者四人組

落とし穴付近side



にこ「さて…周りを見渡すにしても…どこから行くべきか…」


穂乃果「とりあえず歩いてみよう…じゃないと何も分からないもん」


にこ「ふーむ……」


穂乃果「にこちゃん?」


にこ「いやね……なーんか気配がするのよ…」


穂乃果「気配?」


にこ「あんた気づいてないの?」


穂乃果「全然……だけど……」


にこ「はぁ……侍失格よ」デコピン!


穂乃果「あいた!……ええ!?そんなに!?」


にこ「……そうね……侍……いや武芸に携わるものなら気づかない方がおかしいくらいに」


穂乃果「うっそだー…」


649 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/02/19(日) 09:00:12 4PYldmHU



にこ「大体考えて見なさいよ……落とし穴に落ちた奴らがにこたちだけだと思う?」


穂乃果「……たしかに……」


にこ「それからここに落ちた奴は一体どんな奴?」


穂乃果「少し頭が足りない人でしょ」


にこ「いや否定は出来ないけどそれ以前に……」


穂乃果「?」


にこ「大罪人……それも絶対脱獄不可能な牢獄に対し脱獄を試みる程度には度胸のある…ね」
 


穂乃果「………………」



穂乃果の額から冷や汗


穂乃果「え……えと……つまりこれ……結構……危ない状況ってこと?」



にこ「まぁそうなるわね……だって何が潜んでるか分からない……その潜んでる者たちはみんな罪人……まさに生きたままの地獄だもの……」



穂乃果「………………うわぁぁぁ!?どーしよー!これぇ!どーしよー!」


穂乃果は頭を抱え、ぶんぶんと頭を振った


にこ「暗闇でうるさいと一瞬で死ぬわよ」


穂乃果「死ぬの!?」


にこ「来る!」


穂乃果「ひぃ!な、何がぁ!?」


にこ「…穂乃果!頭伏せなさい!」


穂乃果の頭を強引に下げさせるにこ

飛んできたのは矢


にこ「チィ!」キィン!


650 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/02/19(日) 09:02:06 4PYldmHU


にこはもう片手で刀を振るい矢を弾く


穂乃果「わ、罠……?……」


にこ「………………(罠?……いや…さっき…確実に穂乃果を狙って……)」


にこは険しい顔のまま飛んできた矢先を見つめる



穂乃果「それにしてもにこちゃん……あ、ありがとう……きゃっにこ「!?まだよ穂乃果」


にこは穂乃果に覆い被さるように伏せる


穂乃果「な、何?」


にこ「さっき言ったでしょ……嫌な気配がするって……ここは地獄だって……恐らくにこたちは地獄の鬼にすでに歓迎されてるわ」



???「放て」



ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン



穂乃果「うわぁぁぁ!何!?何何ぃ〜!?」


無数の矢が洞窟にあちこちから飛んでくる


先ほどの矢の比ではない量と速度で


サシュ!


伏せていてもにこの着物に矢が掠る


にこ「(避けらんないわね……くっ……仕方ないわ……にこが覆い被さっていれば穂乃果には当たらない)」



矢はさらに多く放たれる


ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン


ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン



サシュ!ガッ!サシュ!


にこ「うぐっ……」


にこは穂乃果を抱き締める

背や肩に矢が掠り、にこの皮膚を裂いていく


穂乃果「に、にこちゃん!?」ギュ

ドス!ドス!


にこ「ぐああ!」


穂乃果「にこちゃああん!!!」


二本まともににこの背に矢が刺さる


再びにこに確実に当たる矢が複数飛んでいく


にこ「……な……舐めてんじゃないわよ……」


にこは鞘のまま刀を円回転


キィン!キィン!キィン!キキィン!!


651 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/02/19(日) 09:04:20 4PYldmHU


それからにこは立ち上がる


にこ「穂乃果はそのまま伏せてなさいよ」


穂乃果「でも……にこちゃん……」


にこ「大丈夫…矢が止んだ……(でも…こんな灯りもない場所では…どっから飛んできているかなんて)」



ドクッ…ドクッ…


にこ「ぐっ…」


カラン……カラン……


血に染まる矢…にこはゆっくりと捨てる


にこ「(方向は把握…あとは)」


ヒュウン!ヒュウン!


にこ「間合い!」


キィン!キィン!



穂乃果「凄い!ピッタリだ」


にこ「鬱陶しいわね!早く出て来なさいよ!」


「………………」


ヒュウン!ヒュウン!


にこ「逆側でしょ?知ってるわよ」


キィン!キィン!


にこ「(弓の速射、隙のない攻め、暗闇で相手を捉えられる目……確実にここでの戦いに慣れている)」


「流石は"人斬り女士道"……噂に嘘はないみたいね……」


「まぁ実物は初めてみたけどね……想像とは違うけれど」


暗闇から現れたのはツインテールの橙髪(穂乃果の髪色より茶より)とパッツン紫髪(希より赤寄りであんじゅっぽい髪型)


にこ「たった二人であの速射を……あんたたち……」


「何者かって?……まぁそうだねぇ……私たちも同業者かな」


「まぁ同業者というより同罪者?」


にこ「あんたたちも人殺しってことね……」


穂乃果「えっ…穂乃果は違うん……」


「「そうそう♪」」


穂乃果「いや明るく言われても怖いよ!だから穂乃果はなにもしてないって!?」


652 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/02/19(日) 09:05:59 4PYldmHU


にこ「……で?一体あんたたちは誰かしら」


ツインテ「今から殺す相手に言うとでも?」チャキ


パッツン「まぁそうだね普通言わないよね」チャキ



にこ「はぁ……仕方ないわね……力ずくで聞くわ」シャキン


穂乃果「ひぃ……もう嫌……なにこの人たち物騒過ぎるよ」


にこ「穂乃果下がってなさい」チャキ…


未だに洞窟の優位は相手側にあった


ツインテ「危ない」ヒョイ


にこ「…!」


いとも簡単ににこの居合いの飛刃を避けた


ツインテ「それだけかしら?」


にこ「ちぃ…こいつら…(こんな暗闇でにこの居合いを…)」

力ずくとは言ったものの早くも攻めあぐねるにこ


ツインテ「あらもう攻めるのやめたの?案外口先だけ?」


パッツン「…名が聞いて呆れる…」


にこ「(分が悪い…さして交戦はしていないけど…あいつらこの暗闇の中でしっかり視えている…!…)」


穂乃果「く、暗すぎて何がなんだか…」


ツインテ「情けないわね…私たちはしっかりはっきりと視えているわよ…あなたたちの…!」


にこ「…ッ!」


キィン!


653 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/02/19(日) 09:06:56 4PYldmHU
時間来てしまった
とりあえずまた後で


654 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/02/19(日) 09:11:57 SYPj./Gg
絵里アンチ茸乙
安価も流れも無視して唐突に絵里殺して楽しい?


655 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/02/19(日) 14:24:35 bLBP/8kM
つまんな
こんなの大人しくエタっとけ


656 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/02/19(日) 14:44:36 daG69O2c

久々の再開で嬉しいわ
今後も期待


657 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/02/19(日) 16:20:03 1bQyKmY.

最高


658 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/02/21(火) 00:35:35 pCICLC.Y
来てたか
期待してる


659 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/02/24(金) 10:24:48 ug3kql7w
復活してるじゃん!嬉しいから上げとく


660 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/02/25(土) 10:47:49 vQTM3wfc
おいおいまじかよ...一年位立ってたからエタったと思ってたわ
復活してくれて超嬉しい


661 : <削除> :<削除>
<削除>


663 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/02/28(火) 00:35:51 vh5Okx7U
>>661
死ね


664 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/03/08(水) 14:55:03 MJ06a0mc
続きまだかな?


665 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/03/13(月) 00:17:35 ASF26A1E
死んだで


667 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/03/17(金) 19:53:45 3AUh/suU
粘着してる奴なんなん?


668 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/03/18(土) 08:09:18 3Dvwyjls
嫉妬民


669 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/03/27(月) 12:00:01 pl/HsBdE
まだかー


670 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/04/04(火) 16:38:56 FN2RYFJw
まだかな?


671 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/04/05(水) 11:22:10 WMmxRZLc
復活とはなんだったのか


672 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/04/09(日) 03:04:07 caNk.Lpw
腋臭はもう最近ダイヤアンチに移行してるからもうこれ書かんだろ
絵里殺したしdisも飽きたんだろうな


673 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/04/15(土) 13:49:39 MC8F5Wok
腋臭はよ


674 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/04/17(月) 12:25:28 ADN/ijdc
はよ


675 : 名無しさん@転載は禁止 :2017/05/30(火) 12:13:20 2zNgb0to
復活してたー!!いつまでもまってるぜ


676 : sage :2018/05/08(火) 00:15:42 fB/odefk
復活してると思ったらまた消えてるw
待ってるから最後まで書いてほしい


677 : 名無しさん@転載は禁止 :2018/05/08(火) 00:17:38 fB/odefk
来るの久しぶりすぎて間違えた
申し訳ない。


678 : 名無しさん@転載は禁止 :2018/05/08(火) 02:17:54 qYkHVlbA
https://lndt.net/evZbCx


679 : 名無しさん@転載は禁止 :2018/05/08(火) 04:28:04 qYkHVlbA
https://lndt.net/evZbCx


680 : 名無しさん@転載は禁止 :2018/06/07(木) 21:38:05 gScrE.yw
ドン・ファンの隠しネタ
http://bit.ly/2JVc7to


681 : 名無しさん@転載は禁止 :2018/12/07(金) 22:11:43 .E3FD2gs
エタっちゃったかな……


682 : 名無しさん@転載は禁止 :2019/03/27(水) 23:43:08 ZG.ffyOc
年号変わっちゃうぞ


683 : 名無しさん@転載は禁止 :2020/08/11(火) 20:40:12 Uy4bowqk
2年ぶりくらいに見に来たけど全く内容覚えてないやw完結しないかなあ


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