■掲示板に戻る■ ■過去ログ 倉庫一覧■
唯「ムギちゃんはウンチなんかしないよ」
-
紬「そろそろお茶にしよう?」
唯律「さんせーい!」
澪「しょうがないな…」
唯「今日の澪ちゃんはいつにもまして厳しかったねー」
律「澪はこの頃便秘気味だからイライラしてるんだよ」
澪「こんなときに言うな!この、バカ律!」ポカ
梓「下品ですよ、律先輩」
紬「」ニコニコ
唯「でもウンチが出ないのってそんなに大変なの?」
梓「何言ってるんですか。すごく大変ですよ!頑張っても出ない、お腹に爆弾を抱えてる苦しさは経験者でないと分かりません!」
澪「だよな、梓!」
律「ふーん、私は毎朝スッキリ快便だからわかんないなー」
梓「だから下品なのはやめてください!」
唯「そういうあずにゃんだってー」
澪「なぁ、ムギはわかってくれるか?」
紬「えっ、ええと…」
唯「え〜何言ってるの。ムギちゃんはウンチなんかしないよ」
"
"
-
紬「」
唯「そうだよね?ムギちゃん」
律「確かに!こんな綺麗でかわいくて天使みたいなムギがそんな汚いことするはずないよなー」
澪「考えてみればそうだな。ごめんな、ムギ。ムギは私達みたいな凡人とは違うんだもんな」
梓「もう、次からはムギ先輩に失礼のないように気を付けてくださいよ、澪先輩」
紬「」
紬「…そ、そうよ。私はそんなことしないんだから…」
唯「わーやっぱりー!」
紬「で、でも一度、みんなみたいにウンチとかしてみたいわ〜」
唯「あははは〜」
紬「そ、そういえば斉藤が今日は早く帰れって言ってたから、悪いけどそろそろ…」
唯「そうなんだ。気を付けてねー」
律「私達も帰るか!」
澪「お前は駄目だ、さっきのドラムが全然だめだったじゃないか、もっと練習だ!」
律「ちっ、いくら便秘でイラついてるからってさ…」
澪「なんか言ったか?」
紬「じゃあねみんな〜」
バタン
律「いやー唯、しかしさっきのは大した冗談だったぞ」
澪「一昔前のアイドルじゃないんだから…」
梓「乗ってしまった私達も私達ですけど…」
唯「あはは、やっぱりムギちゃんも人間だもんねー」
紬(唯ちゃんたちがあんなことを思っていたなんて…)
紬(無理よ。私だって人間だもの。ウンチをしないなんて…でも、ああいってしまった以上は、せめて学校ではしないようにしなきゃ)
紬(みんなの夢を、壊してしまいたくないもの)
-
紬(と、誓ったはずだったのに)
紬(便秘気味だったうえに、今日は誕生日だからってメイド達が変に凝った朝食をたくさん出してくれて、お弁当も妙に豪華で…)
紬(トイレ行きたい…)グルグル
さわ子「今日の授業はここまでです」
生徒たち「ありがとうございましたー」
紬(やっと帰れる…!)ホッ
紬(って、駄目だ。唯ちゃんたちが軽音部室で祝ってくれるって…!)
紬(でも、どさくさに紛れていけないかしら)
唯「ムギちゃんムギちゃん!!おめでとう!」
律「早く行こうぜー」
※2年の時の設定なので澪は別のクラスです
紬「え、ええそうね…たのしみだわー」
律「おっ、その前にトイレトイレ―」
唯「あーりっちゃん、私も―。ごめんムギちゃん」
紬(いいなぁ…「私も」って言えたらどんなにいいか)グルル
紬「う、ううん…ここで待ってるわ」
紬(でも、オシッコだけだということにしたらいいんじゃないかしら。もしくは生理とか)
紬(…ううん、もし音が聞こえたらばれちゃう。唯ちゃんたちをがっかりさせちゃう…!)
紬「んっ」プス・・・
紬(まずい、ガスがきてる)
律「ふー出すもの出してすっきり。お待たせムギ。さー行こっか」
唯「もう、りっちゃんは下品なんだから―」
律「うるせー唯には言われたくないやい」
紬「うふふ、よかったわねー」プルプル
唯「ねぇムギちゃんちょっと顔色悪い?」
紬「そ、そんなことないわよ早く部室行きましょう」
律「そうだな、今日は澪も梓も早く終わるって言ってたしな」
唯「あ、待ってーおいてかないでよー」
紬(我慢我慢、これくらいなんとも…)
-
ガチャ(部室の戸を開ける音)
パンパン!
紬「!」プ、プスス
澪「お誕生日おめでとうムギ!」
梓「ムギ先輩おめでとうございます!」
紬「ありがとう、澪ちゃん梓ちゃん。びっくりしちゃったわ〜」
律「まさかクラッカーを用意しているとはな」
澪「梓と相談したんだ。こんなものしか用意できなかったけど…」
唯「部室もきれいに飾られてあるねー」
紬(今のでガスが出ちゃったけど…気付かれてないかしら)
梓「でもクラッカーの煙ってにおいますねー」
紬(ほっ。うまく紛れてくれたみたいだわ)
唯「ムギちゃんこれプレゼント!」
律「私からも、ジャーン!」
澪「こんなのしか用意できなくてごめんな」
梓「ムギ先輩にとってみたらつまらない物でしょうけど…」
紬「ううん、嬉しいわ。ありがと〜」
紬「お礼と言っちゃなんだけど、今日もケーキと紅茶持ってきたわよ〜」
唯「わーい!」
澪「いいのか?ムギの誕生日なのに私達がケーキもらうなんて」
紬「いいのよ。誕生日はみんなで楽しむものなんだから。みんなの喜ぶ顔が一番のプレゼント、なんてね」
律「お、いいこというねぇ〜」
梓「かたじけないです」
紬「早速配るわね」
律「あれ、ムギの分は?」
紬「いいのよ。さっきも言ったでしょ。みんなの喜ぶ顔がプレゼントって」
紬(食べたりなんかしたら、持たない)プルプル
澪「でも、せっかくムギの誕生日なのに」
唯「大丈夫!私の家でムギちゃんのためにおっきなケーキ用意してるんだから!」
紬「えっ」
梓「唯先輩、駄目じゃないですか今言っちゃ」
唯「えへへ、うっかりしてた」
律「ま、そういうわけで、これから唯の家で改めて祝うことになってたんだ」
澪「このあと、用事とかないか?」
紬(…唯ちゃんの好意を無駄にはできないわ)
紬「…ええ!唯ちゃんのケーキ、楽しみだわ〜」
プップシュ…
紬(ゆ、唯ちゃんの家に行くまでにどうにかして行かないと…そうだ!)
紬「わ、私教室に忘れ物しちゃったから取ってくるわ〜」
-
律「あ、私もプリント忘れた気がするから一緒に行くぜ!」
澪「またか。しょうがないな律は」
紬「り、りっちゃんのは私がついでに見てきてあげるわ。だからゆっくりケーキ食べてて」
律「ケーキなんてもう食べ終わっちゃったよ。さ、私がとってくるからムギは座った座った」
唯「そうだよムギちゃん、せっかくの誕生日なんだからゆっくりしてなよ。あと紅茶お代わり!」
梓「唯先輩、言ったそばからムギ先輩働かせてるじゃないですか」
唯「でへへ〜ごめんね」
紬(みんな誕生日の私に気を遣ってくれてる…)
律「それでムギ、何を忘れたんだ」
紬「…あ、やっぱり忘れてなかったみたい。勘違いだったわごめんね」
"
"
-
部活終了!
紬(練習中は危なかったわ。音がお腹に響いて…何度もオナラが出ちゃった。幸い演奏にかき消されて誰にも聞こえてなかったみたいだけど)
紬(もっと練習しようって言う澪ちゃんが、私の誕生日だからって唯ちゃんとりっちゃんの説得に応じてくれなかったら、どうなっていたことかしら…)
律「どうせまた今回もイチゴ乗せる以外は憂ちゃんが全部やったんだろ」
唯「失礼な!今回はケーキにろうそくを立てたよ!」
澪「どこが失礼なんだ」
紬(そして今唯ちゃんの家に向かってるんだけど…)
紬「うっ」ギュルル…プ、プスゥ…
律「ん、どうしたんだムギ、急に立ち止まって」
梓「ムギ先輩、顔色悪そうですよ。大丈夫ですか」
紬「だ、大丈夫よっ」
澪「無理しなくていいんだぞ」
唯「そうだよー。ケーキは明日食べればいいんだしさ。我慢できなくなって私がちょっと食べちゃうかもしれないけど」
梓「唯先輩の『ちょっと』はちょっとどころじゃないでしょ、全く…」
紬(折角みんながパーティの準備をしてくれているのに、それを、私のウンチなんかで…みんながあり得ないと思っている私のウンチなんかで台無しにできないわ)
紬(それに、ちょっと波も引いて来たし)
紬「大丈夫よ!唯ちゃんたちのケーキ楽しみだわ〜」
澪「無理するなよ」
唯「気分悪かったらすぐ言ってね!」
紬「ええ!」
-
唯の家!
紬律澪梓「お邪魔します」
紬(あ、唯ちゃん家のトイレ…)ジッ
唯「どうしたのムギちゃんボーッとして」
紬「あ、ううんなんでもないわ」
紬(唯ちゃん家のトイレなんて借りれるはずないのに…)
キッチン!
パーン!
憂「紬さんお誕生日おめでとうございます!」
紬「あ、ありがとう憂ちゃん」
紬(ま、また…)プシュッ
唯「このクラッカーは私が指示したんだよ!」ふんす
梓「ん?なんか臭くないですか?」くんくん
紬「!!!」
澪「クラッカーの煙だろ」
梓「いや、違うんですよ。おならみたいな…」
紬(いやあああああああああああ)
律「そーかー?」クンクン
紬(嫌、嗅がないで、いやあっ)
梓「まさか律先輩が…?」
律「なんで私なんだよ!中野、このーっ!」
紬(ごめんなさいりっちゃんごめんなさい…)
澪「にしてもこの大きさだと、私達も食べることになりそうですね」
唯「別腹別腹。ムギちゃん、願い事しながらロウソク消して」
紬(我慢できますように…)ふっ
唯「さあケーキ入刀だよ!憂、ムギちゃんと私のは大きめに切ってね!」
梓「何ちゃっかりしてるんですか」
紬「い、いいわよそんな」
澪「ムギ、さっきから妙にケーキ食べたがらないよな」
憂「やっぱり紬さんにはうちのケーキは…」しょぼん
紬「そ、そんなことは!」
澪「いや、さっきの高級ケーキも食べなかった。まさか…」
紬(我慢してるのが…バレた⁉︎)ドキドキ
澪「ダイエット中か⁉︎」
紬「」ガクッ
澪「やっぱり!実は私もダイエットしないとやばいんだ。夏太りしちゃってさ…」
紬「あ、あはは、わかるわ〜」
-
唯「じゃあムギちゃんと私のは小さく切ってね。そのぶん私のを大きく…」
梓「全く唯先輩は…」
澪「いいなぁ、太らない体質…」
憂「はい紬さん。紬さんみたいな人に私の手作りなんか合わないかもしれませんけど…」
紬「そんなことないわ。とっても美味しそうよ」
紬(ウンチ出そうでなければ)フルフル
唯「ジュースも入れるねー」トクトク
紬(炭酸…これ以上オナラが出たら…)
律「澪のは私が食べてやるぜー」
澪「やめろ!」ポカッ
律「ちぇー。まぁ、澪は太っても美人だと思うけどな」
澪「な、何を…///」
紬(あぁ、折角の律澪なのに萌える余裕がない…)
唯「それじゃあムギちゃんの誕生日を祝って、いただきます!」
律澪梓「いただきます!!」
紬「い、いただきます…」
紬(食欲がない…このケーキも、食べちゃえばウンチになって私のお腹に)ギュルル
紬(うっ…意識したらますます)グルル…
唯「ムギちゃん…食べないの?」
紬「!た、食べるわ!」モギュモギュ、ゴクゴク
憂(無理して詰め込んでる感じ。やっぱり紬さんには…)
紬「お、おいしい…わっ!?)ギュルル…プス、ブチ…
紬(まずい、押し出されて出てきちゃってる!)ガタ
唯「ムギちゃん!?」
澪「おい、どこ行くんだ!?」
紬(早く、早くトイレ…)タッタッ
-
唯「ムギちゃん、もしかしてトイレ!?」
紬(ああ、バレてしまった。でも今は間に合うことが第一なの…はうっ)ゴロゴロ
唯「あの、言い忘れてたけど」
紬(はぁはぁ、間に合った…)ガチャ
紬(…え?)
紬「なんで、なんでドアが開かないのっ!」ガチャガチャ
プシュ、ブリリ…ミチミチ
紬「嫌ああああああああああああああああああああああああ!!!」
唯「うちのトイレのドア壊れて…えっ」
澪「ムギ!」
梓「うわぁ…」
律「マジかよ…」
憂「紬さん…」
紬「ごめんなさい、見ないで、見ないでぇ…」モリモリ
-
梓「そのあと、私達は泣き喚くムギ先輩をなだめながら風呂場に連れて行き、着替えさせました」
-
律「ずっと我慢してたって…なんで私達とトイレに行かなかったんだよ」
澪「そうだぞ。言ってくれれば…」
紬「ごめんなさい。だって、唯ちゃん達が、私はウンチしないって信じてるみたいだから、夢を壊しちゃいけないと思ったの」
律「あー、あれ本気にしてたのか?」
紬「え?」
梓「冗談に決まってるじゃないですかあんなの」
澪「そうだよ。ムギも人間だし排泄くらいするって、私達幾ら何でもわかってたよ」
紬(そんな…私、なんのために…)
紬(みんなのために我慢しようとして、1番迷惑をかけて、1番の醜態を晒して…)
澪「でも、私達のために我慢してくれていたんだよな。無理させてごめんな」
梓「こんなことで私達、ムギ先輩を嫌いになったりしません」
律「そうだぞー。私も昔澪の家でしたことあるからな」
澪「お前…あれば最悪だったぞ」
律「そーゆー澪しゃんだって、私の布団でおねしょ」
澪「わー!言うなー!」
紬「みんな…」クスッ
梓「ところでさっきから唯先輩が一言も喋ってませんが」
唯「…」
紬(唯ちゃん、怒ったみたいな顔…当然よね。唯ちゃん達の好意を無駄にした挙句、家を汚して…。もう、友達でいてなんて…)
紬「唯ちゃん、本当にごめ」
唯「だってムギちゃん、憂の服着てるんだもん!」
紬「…え?」
律「は?」
澪「どういうことだ?」
唯「私の服は胸のサイズ的に入らなかったのに、憂の服がぴったりなんて悔しいよ!」
澪「なんだそんなことか」
律「そんなこととはなんだ!」
梓「唯先輩、お気持ちよくわかります!」
澪「おい…」
紬「唯ちゃん、憂ちゃん、本当にごめんなさい」
唯「ううん、私があんなこと言ったからだよね。ごめんね」
憂「こちらこそ気付かなくてすみません。来年はもっと美味しいケーキを作りますから、楽しみにしててくださいね」
紬「そんな…」
2人が謝ることないのに。
それは言葉にならず、優しい皆に囲まれて、私はただ泣いていました。
恥ずかしさと申し訳なさと、そして、少しの嬉しさで。
-
梓「…ということがあったんだよ」
純「へ、へぇ…ところで、なんで私に話すの?」
梓「…純、さっき食べたケーキのことだけど」
純「うん。憂が作ったやつで、余り物っぽくて形崩れてたけど凄い美味しかったよ。なんで私だけにくれるのって思ったけど」
純「…まさか」
憂「…あのあと、さすがに皆食欲なくしちゃって」
終わり
-
ハッピーバースデー
誕生日に遅れてごめんなさい
ムギちゃんごめんなさい
純ちゃんもごめんなさい
プレゼント考えるのめんどくさくてごめんなさい
和ちゃん出すの忘れたけど、生徒会で忙しかったことにしとこう
-
さわちゃんも出せなかった…急いで仕上げたから。
吹奏楽部で忙しかったってことで
"
"
■掲示板に戻る■ ■過去ログ倉庫一覧■