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梓「もっと仲良くなるために」

1 : いえーい!名無しだよん! :2016/07/31(日) 20:41:27 iNyhnyWI0
律「なあなあ」

澪「…………」

紬「…………」

梓「…………」

律「なあなあ」

澪「…………」

梓「なんですか?」

律「梓ってさぁ……いつまで敬語なんだ?」

梓「へ? 敬語……?」

律「ほら、ここにいるときっていっつも敬語じゃん?」

梓「え、そりゃ……一応先輩方の前ですし、敬語なのは普通だと思いますけど……」

律「でもさぁ……。まあ、確かに敬語ってマナーだし、礼儀正しさを感じさせるけど、いかんせん相手と距離を感じさせてしまうものだと思うんだよ。なあ澪」

澪「…………」

梓「は、はぁ……」

律「梓、唯のこと尊敬してるだろ?」

梓「え……まあ……はい、唯先輩のことは、すごい……と、思ってます……」

律「そうだろー?」

梓「そ……それとこれと、一体なんの関係があるんですかっ」

律「いやな、梓には唯を超えるくらいになってもらわなきゃと思ってさ」

梓「…………?」

律「手塩にかけて育てた後輩が、自分を超えて巣立っていくのを見るのは、唯にとってそりゃもうスゴく嬉しいことだと思うんだ」

梓(唯先輩に育てられた覚えは……)

律「でも、今のままじゃ唯を超えることはできないぜ? なあムギ」

紬「…………」

梓「話が見えません……」

律「つまりな? 敬語のままじゃ、いつまでたっても先輩という壁を超えることはできないってんだ」

梓「そうですかね……」

律「敬語をやめて対等な立場に出ることで、梓は初めて唯に一歩近付けると思うんだ。なあ澪」

澪「…………」

梓「…………」

律「そういったキャリアアップの精神は、きっと唯の心に響く。今までよりもっと良い関係が作られていくんだ。なあムギ」

紬「…………」

梓「もっと……仲良くですか……」

律「そう! とりあえず梓は、今日から敬語やめな? まあお試しって感じでさ」

梓「…………」

律「もしアレだったら、少しずつ敬語を減らしてけばいいんだよ。そうすれば、唯なら変に思わずに馴染んでくって」

梓「は、はあ……」

律「ただ私らはダメだぞ。先輩だもん」

梓「!?」


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2 : いえーい!名無しだよん! :2016/07/31(日) 20:42:01 iNyhnyWI0
………♪

……♪

…♪

梓(唯先輩と同級生みたいに過ごすのは、今までよりもっともっと気ままで楽しくて、いいのかも……)

梓(律先輩の言う通りに、してみようかな……)

――ガチャッ!

唯「ごめ〜ん! 遅れちゃった〜!」

律「たるんでるぞー唯ー」

唯「ごめんごめん」ガタ

紬「はいどうぞ♪ 今日はパンケーキよ。 お好みでシロップかけて食べてね♪」

唯「わ〜おいしそ〜。あずにゃーん、シロップとって〜」

梓「……。 ……ああ、これ? はいっ」

唯「ありがと〜」ダバダバ

澪「そんなにかけたら、甘過ぎになっちゃうぞ?」もぐもぐ

唯「それぐらいがおいしいのです」フンス

梓「唯先輩、私にもちょうだい」

唯「……? はい、あずにゃん。いっぱいかけるといいよ〜」

梓「ありがとっ」

唯「…………?」

梓「おいひいでふムギ先輩!」むぐむぐ

紬「ありがとう梓ちゃん♪」


唯「……りっちゃーん」ボソ
律「おー?」
唯「あずにゃん、なんかヘンじゃなかったー?」
律「まあ、梓も日々成長してるんだろ。なにかしら変わったと感じるのは、唯が梓をしっかり観てるからだって」
唯「えー? そうかなぁ……。なんていうか、そうじゃなくて……」

律「お? 梓ぁ〜! いじきたないぞーシロップ舐めて!」

梓「えっ、ち、違います! これは……」カチャッ

唯「……あは、分かるよーあずにゃん、私もよくやるー」

梓「いやしてないしてない笑」
唯「…………」

梓「……どうしたんすか唯先輩?」
唯「な、なんでもないよー」

澪「………」ぺろぺろ
律「なんでお前も舐めてんねん」


3 : いえーい!名無しだよん! :2016/07/31(日) 20:42:34 iNyhnyWI0
……♪

……♪

紬「じゃあ、お皿片付けるねー♪」カチャカチャ

唯「ごちそうさま〜ムギちゃーん」

澪「今日も美味しかったよ」

梓「ごちそうさまです!」

律「おし、私らも片付けるか〜」カチャ

唯「私フォーク集めよ〜」
梓「あ、これ、ムギ先輩に渡して」つフォーク

唯「…………」

唯「りっちゃん」ボソ
律「あん?」
唯「あずにゃんさぁ、さっきからタメ口じゃない?」
律「え? 誰に?」
唯「私にだよぉ〜。分かんないの?」
律「うーん分からねー……」
唯「…………」ムスー
律「あ、ムギ〜、こっちの皿まとめとくぜ〜!」カチャカチャリン
紬「ありがとうりっちゃん」


梓「澪先輩っ、私運びます」ガチャ
澪「お、ありがとう梓」

梓「あ、唯、それこっちちょうだい」ヒョイ
唯「…………」

梓「ムギ先輩、お皿集めてきました」
紬「うん。それじゃあ、悪いけどシロップの器もお願〜い」
梓「分かりました」

梓「ちょっと、ちょっとごめんねっ」手のばしっ
唯「っ…………」

唯「りっちゃん……」ボソ
律「あー?」
唯「気付いてるんでしょ? 絶対分かってるよねりっちゃん。あずにゃんタメ口だよ」
律「……それは、それだけ梓と唯の心の距離が近付いてるからそう感じ……
唯「そーゆーのじゃなくって……完全にタメ口じゃん」
律「…………」
澪「…………」

紬「唯ちゃ〜ん。良かったらテーブルクロス持ってきてくれる〜?」

唯「…………」
律「…………」
唯「……ほーい、今いくよー」さっ


4 : いえーい!名無しだよん! :2016/07/31(日) 20:43:33 iNyhnyWI0
………♪

……♪

…♪

澪「じゃあ、ホットケーキも食べたし、合わせ練習するか」

律「しゃー!!! まずはふわふわ!」

唯「うん、いくよ〜」

ジャカジャカジャンジャンジャカジャ……

唯「あ……アンプ付けるの忘れてた〜」とことこ

澪「おいおい、三年目にもなって……」
紬「唯ちゃんたら……」ニッコリ


唯「ちょっとあずにゃんごめ……

梓「ああやるやる、やるよっ」

唯「やるよ って誰に口利いてんのさ、ねえ」

梓「…………」
律「…………」
澪「…………」
紬「…………」

梓「え? 私がやるよ? これくらい」プスッ

唯「…………」

梓「はいできたよ。しっかりしてよねも〜」スタスタ

唯「」ケツキックバシィン
梓「んぎばっ!?」

唯「さっきからなに言ってんの?」
梓「もう、いきなりなにするのよ!? ひどいじゃん!」
唯「その口の利き

律「アンプ付いたなー! さーやるぞー!!!」


5 : いえーい!名無しだよん! :2016/07/31(日) 20:44:32 iNyhnyWI0
………♪

……♪

…♪

澪「よし、今日はこれくらいにしとこう」
律「帰るかー!」

唯「あずにゃんちょっとこっち来なよ」ガチャッ 退室
梓「え? なにー? どうしたの唯」

律「……」
澪「……」
紬「……」

梓「あの、すいません、ちょっといってきます。片付けは戻ったらやりますので……

――唯「あずにゃああああん!!!!!」

梓「もーなにい!? 今行くってばー! ちょっと待ってよ〜!」ガチャッ 退室――


律「……」

澪「……」

紬「……」

律「まあ何というか……やっぱ先輩という垣根は超えちゃダメだよな」

澪「ふクッ……」プルプル
紬「ンンッ!!!!!」グッ

律「先輩だもんな」

澪「う、うん……。とりあえず、二人を待とうか」
紬「帰ってくるまでに片付け済ませちゃお?」
律「おーう」

澪「それにしても、唯怖かったなぁ……」
律「あれマジギレしたらとんでもないやつだよな」
澪「梓は今どうしてるんだろう……」


終わり


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6 : いえーい!名無しだよん! :2016/07/31(日) 20:50:54 iNyhnyWI0
ガキ使の企画してるけいおん部と、不遜な後輩に対してキレる先輩が書きたくて書きました。


7 : いえーい!名無しだよん! :2016/08/02(火) 10:55:21 rxQyo2i20
前振りの長さがちょうど良くて読みやすかった



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