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梓「ナチュラルに恋して」
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「今年の梓の誕生日なんだけどさ」
放課後、珍しく二人きりになった時、不意に律先輩が口にした言葉。
珍しく頬を染めて、瞳を何処となく潤ませて、律先輩は耳元で囁いた。
「プレゼントは私! ……ってのはどうだ?」
「…………え?」
何を囁かれたのか、すぐには理解できなかった。
言葉の意味は分かる。
律先輩が何を口にしたのかも分かってる。
分からないのは律先輩の真意。
律先輩にどういう意図があって、その言葉を口にしたのか、それが分からなかったんだよね。
誕生日が律先輩?
どういう事なんだろう?
一日中付き合ってくれるって事なのかな?
でも、それなら誕生日じゃなくてもできる事だし、この前だって二人で遊びにも行ったし。
そんな提案くらいで律先輩が頬を染める理由も、瞳を潤ませる必要も無いはずだしね。
だったらどうして律先輩は照れて、恥ずかしがっているんだろう?
恥ずかしい言葉を口にしちゃったって事なのかな?
恥ずかしい言葉……?
……え?
ちょっと待って。
もしかして律先輩が言おうとしてるのは、律先輩の言葉の本当の意味は……。
それに気付いた瞬間、私の顔は火が出そうなくらい熱くなった。
律先輩の顔が直視できない。
顔を上げられない。
心臓が激しく鼓動して、指先が震えているのも自覚できる。
どうしよう……、口を開けたら心臓が飛び出しちゃいそうだよ……。
結局、その日は唯先輩達が部室に揃っても、お茶の時間も、練習の時間も、何も集中できなかった。
澪先輩に不思議そうな顔で見られて、ムギ先輩から心配されても、私は首を横に振る事しかできなかった。
それ以上の事なんてできるはずないよ。
だって……。
だって遂に、律先輩が一歩を踏み出して来てくれたんだもん。
私との関係を進めようとしてくれたんだもん。
冷静でなんて居られるはずないじゃない……。
私の誕生日まであと三日。
その三日間、平常心で過ごせる自信が全然無かった。
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♪
平常心で過ごせなくたって、学校で失敗を続けて純に笑われたって、時間の流れは止まらない。
十年後に思えるくらい先だと思っていた三日間はあっと言う間に過ぎて、私は十七回目の誕生日を迎えた。
私の隣には律先輩が居る。
軽音部の部室でのパーティーが終わった後、皆さんに内緒で律先輩が自分の部屋に招待してくれたんだよね。
誕生日パーティーは楽しかった。
美味しいハンバーグを用意してくれていたし、手作りのケーキまで用意してくれていた。
律先輩はケーキなんて滅多に作らないはずなのに、そのケーキはいつも部室で食べているムギ先輩のケーキに勝るとも劣らない美味しさだった。
本当に楽しくて、嬉しくて、幸せな誕生日パーティー。
これだけでも幸せ過ぎる誕生日だったけれど、今日はこれで終わりじゃなかった。
「じゃ、じゃあ梓……」
パーティーの片付けが終わった後、律先輩がベッドの上で私の肩に手を回して囁いた。
律先輩の全身は小刻みに震えていたし、私の身体も緊張でどうにかなりそうだった。
肩を寄せて見つめ合う私と律先輩。
律先輩の瞳はやっぱり潤んでいて、私も気を抜けば泣き出してしまいそうな気分。
それくらい、緊張していた。
今日は、私の十七回目の誕生日は、私達がもう一歩近付く日になるんだから。
律先輩の唇に視線を向ける。
柔らかそうな唇。
何度も触れようとしながら、罪悪感と羞恥心から今まで触れられなかった律先輩の唇。
今から、私と律先輩は唇同士を重ねるんだよね……。
やっと、という気持ちが半分。
もう、という気持ちも半分。
律先輩とは付き合って一年以上経つけど、手を繋ぐ以上の事はまだしてなかった。
何度かキスを交わせそうな、そんな雰囲気は何度もあった。
だけどできなかった。
律先輩とキスをしてしまったら、何かが変わってしまいそうで怖かったから。
何かが変わるくらいなら居心地のいい関係のままでいい、ってそんな言い訳を自分にしちゃってたから。
キスできなかったその日の夜、悶え狂いそうなくらい何度も後悔してたくせに。
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「いい、よな……?」
確認するみたいに律先輩がもう一度囁いてくれる。
その声は掠れてて、律先輩も私と同じに泣き出しちゃいそうに見えた。
それでも律先輩は泣かない。
泣かずに、身体の震えも必死に抑えて、私の瞳を見つめてくれている。
「は……い……」
喉が渇くのを感じながら、どうにかそれだけ返す。
本当は、怖い。
キスをしてしまったら、自分がどうなってしまうのか、怖い。
だけど律先輩は私との関係を進めようとしてくれたから、私ももっと律先輩の事を好きになりたかったから。
なけなしの勇気で、もう一言だけ想いを言葉に乗せられた。
「キスして……ください、律先輩」
真っ直ぐに律先輩の瞳を見つめる。
両手の指先を絡めて、軽くとだけ唇を尖らせる。
「好き……だよ、梓」
律先輩の言葉が私の耳に届いた瞬間には、私の唇と律先輩の唇は重なっていた。
重なるだけのキス。
ファーストキスはほんの一瞬。
一年生の頃の夏、合宿が終わった後に律先輩と付き合うようになって以来、一年以上躊躇っていたファーストキス。
終わらせてみれば、あっという間で呆気無いものだった。
私達の想いの成就は、本当に一瞬で済んだ。
だけど勿論、これで終わるはずがない。
呆気無いキスに満足できるはずがない私は、今度は自分から律先輩に唇を重ねた。
セカンドキスは深く、唇全体を覆うディープなキス。
不意打ちだったけれど、律先輩は驚かなかった。
私も自分自身の大胆な行動に驚かなかった。
分かっていたから。
ファーストキスを交わしてしまったら、もう歯止めが利かない事は二人とも分かっていたから。
我ながら驚くくらい、驚かなかった。
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「んっ、あずさ……っ」
「りつ……せんぱい……、りつせんぱい……っ」
お互いの名前を呼びながら舌と舌を絡める。
何度も頭の中で想像してたからなのかな?
舌をどう動かせば律先輩が喜んでくれるのか、私が気持ち良くなるのか、ほとんど本能的に分かった。
舌を絡めながら、思う。
ああ、私はやっぱり律先輩とこうなりたかったんだよね、って。
怖かったけれど、不安だったけれど、私は律先輩とキスしたかったんだ。
キスをして幸せになりたかったんだ。
世間体や罪悪感から一年以上躊躇ってしまっていたけれど、それでもずっと。
舌と一緒に指を絡める。
律先輩の指は柔らかくて滑らかで気持ち良い。……なんて事は無かった。
当たり前だよね、律先輩はドラマーなんだもん。
走り気味なドラムで私達の演奏を組み立ててくれるリズム隊なんだもん。
そんなドラマーの律先輩の指が柔らかで滑らかなはずがない。
豆が多いし、ちょっとだけ固くて、ほんの少し痛んでる律先輩の指、律先輩の手。
それが、すごく嬉しい。
律先輩の手の固さは私達を支えてくれた証拠。
私の事を想ってくれていた証拠なんだよね。
普段の部活ではお茶ばかりして遊んでばかりの律先輩だけど、私は知ってる。
律先輩の部屋に積み上げられた雑誌で、ドラムの練習をしてくれている事。
セッションしている時、私の背中を優しく見つめてくれている事。
だからこそ、私が律先輩を大好きになれた事。
律先輩が、愛しくて堪らなくなる。
「はあっ……」
「ふうっ……」
長いキスを終えて唇を離す。
唇と唇の間には光る橋が架かっていて、まるで私達を祝福してくれているみたいに見えた。
幸せなキス。
最高のキス。
私は今日のこのキスの事を絶対に忘れない。
これから何千回と律先輩とキスをしたって、この最初の二回のキスの事だけは忘れない。
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「あの、律先輩……」
目を潤ませて律先輩の耳元で囁く。
初めてのディープキスに興奮してくれたのか、肩で息をしている律先輩の姿に息を呑みながら。
「どうしたんだ、梓……?」
息と一緒に唾を飲み込む。
思っていた通り、今日の私はやっぱり歯止めが利きそうにない。
律先輩の胸に服の上から手を当てながら訊ねる。
分かり切っている答えを。
「続き、してもいいですか?」
「つ、続き……?」
「セックスですよ」
「何だよー、急にエッチだなー、梓は。先輩としてちょっと寂しいぞ?」
「茶化さないでくださいよ、もう。……しても、いいですか?」
がっついたような私の質問。
正直言ってファーストキスの直後に訊ねる質問じゃない。
律先輩相手じゃなきゃ、私だってこんな言葉なんて口にできない。
だけど相手が律先輩だから。
私の事を分かってくれている先輩だから、私は安心して我儘になれる。
「うん」
はにかんで、頬を染めながら、律先輩が頷いてくれる。
「いいよ、梓。セックスしよう?
今年の誕生日プレゼントは私って言ったんだもんな、それくらいは承知の上だよ。
見せてやるぞー、この部長のテクニックを」
「あ、律先輩のテクニックは大雑把そうだからパスです」
「ちょっ……、中野ー!」
悲しそうな表情を浮かべる律先輩を無視して、私は律先輩の首筋にキスの雨を降らせる。
多分予想外だったんだろう私の行動に、律先輩が今まで以上に顔を紅潮させた。
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「あ、梓……?」
「私に、させてください」
「えっ、えっ?」
「私に、律先輩を気持ち良くさせてください」
「で、でも、今日は梓の誕生日なのに……」
「その私の誕生日プレゼントが律先輩なんですよね?」
「い、いや、それは私が梓を気持ち良くさせてやるぞー、って意味で……!」
「聞こえませんよーだ」
言うが早いか、私は左手を律先輩の乳房に、右手を律先輩の股間に伸ばした。
服の上からでも分かる。
律先輩の乳首は固く尖っていて、律先輩のアソコは下着に染み出しそうなくらい湿っていた。
「私の方が年上なんだぞー……!」
恨み言を口にしようとする律先輩の唇をキスで閉じる。
舌で律先輩の口の中を弄びながらシャツのボタンを外して、ズボンを丁寧に脱がす。
律先輩……、やっぱり可愛い下着を着けてるんだ……。
律先輩らしい黄色で可愛らしい下着姿に自分のアソコが反応するのが分かりつつ、指先に力を込めて愛撫を始める。
「んあっ、ちょっ……! あっ、あずさぁ……!」
止まらない、止められない。
歯止めの利かなくなった私はもう止まらない。
それを分かって律先輩は私を受け入れてくれた。
私のキスを受け止めてくれた。
それが嬉しいから、泣きたくなるくらい嬉しいから、私は律先輩をもっと気持ち良くしてあげたい。
「律先輩の胸、小さくて可愛いですよね」
ブラジャーを上にずらして律先輩の胸を露わにする。
小振りだけど可愛らしい乳首が尖っていて愛おしい。
「おまえよりは大きいぞ、チクショー……!」
私の指の動きに感じてくれているのか、その突っ込みには力が無い。
さっきよりもずっと潤んだ瞳を見ていると、私の背筋に強い快感が奔るのが分かる。
ああ、やっぱり律先輩、可愛い。
唯先輩みたいに天真爛漫ってわけじゃない。
澪先輩みたいに格好いいわけじゃないし、ムギ先輩みたいに美人ってわけでもない。
だけど、それでも、私にとっては律先輩が一番なんだよね。
私の前で色んな姿を見せてくれる律先輩。
だらしなかったり、格好良かったり、可愛かったり、優しかったり、律先輩は本当に色んな顔を私に見せてくれる。
見ていて、飽きない。
ずっとずっと一緒に居てほしくなる。一緒に歩いていたくなる。
それが、律先輩の魅力なんだと思う。
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「小さくてもいいじゃないですか」
言いながら、私は上に着ていた物を全部脱ぎ捨てる。
小さい私の胸を露わにして、律先輩の小さな胸に重ねて抱き着く。
乳首と乳首が擦れて、私の下着は更に湿り気を増した。
律先輩の耳を柔らかく咥えながら、甘く囁く。
「知ってました? 胸が小さいと、誰かを抱きしめた時にずっとずっと強く相手を感じるんですよ?」
「梓を……、強く感じられる……?」
「はい、私も律先輩を強く感じられてますよ、今」
私達の胸は小さい。
だけどそれだけにより強く心臓と心臓を重ね合える。
相手の感じている鼓動を感じ合える。
律先輩の高鳴りが私の身体を熱くして、私の昂ぶりが律先輩に全身で伝えられる。
「うん、確かに感じるよ、梓の心臓の音。凄く大きいな」
「当たり前じゃないですか。とってもドキドキしてるんですよ、私」
「ああ、私もだよ、梓」
またはにかむ律先輩。
その表情が艶っぽくて、愛おしくて、私は自分の衝動がまた止められなくなった。
左手を伸ばし、下着の間に指を通して律先輩のアソコに触れる。
「ひゃんっ!」
律先輩らしからぬ可愛らしい悲鳴。
熱くてびしょびしょに濡れてしまっている律先輩のアソコ。
多分同じくらい濡れてしまっている自分のアソコに気付かない振りをして、指を柔らかく動かし始める。
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「あっ、ああっ、梓の指が……、梓の指が私のアソコを弄ってるぅ……! ああんっ!」
「気持ち良いですか? 私の指使い、気持ち良いですか、律先輩?」
「う、うん……っ、うんっ! 気持ち良いよ、梓ぁ……! んあっ! で、でも……」
「でも?」
「こんなテクニック、何処で覚えたんだよぉ、ああっ!」
「内緒、です」
内緒、これだけは絶対に内緒。
これは律先輩とキスできなかった今までの一年間、律先輩の事を思い浮かべながらオナニーして鍛えられたテクニック。
律先輩の事を思い浮かべて、律先輩の事だけを考えて磨き上げられちゃった指使いなんだよね。
その回数は多分、百回を下らないと思う。
思い返してみると恥ずかしくて赤面物だけど、同時に誇らしくもある。
私は百回以上律先輩の事を想って自分を慰めて来た。オナニーを繰り返して来た。
切なくて泣いちゃった事も何度もあったけど、その度に自覚できた。
切ないけれど、苦しいけれど、それでも私は律先輩を諦められないって。
律先輩とキスやセックスをする関係になりたいって。
全身で私の想いを伝えたいんだって。
律先輩との関係を進める事には躊躇いや罪悪感があった。
女の子同士だって事、世間体、将来、色んな事を考えると進めなくなった。
私の想いが律先輩の未来を奪ってしまう事になるかもしれないと思うと、怖くてしょうがなかった。
だから踏み出せなかった。
それでも律先輩は、今年の私の誕生日をきっかけに言ってくれたんだよね。
『プレゼントは私』だって。
私とセックスする関係になりたいんだって。
嬉しかった。幸せだった。幸せで死んじゃうかと思ったくらいだった。
だからこそ私はもう逃げ出さない。
自分の気持ちに正面から向き合ってみせようと思う。
大好き……、ううん、愛してます、律先輩。
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「んあっ、ああんっ……、気持ち良い……! 気持ち良いよ、梓っ……!」
律先輩の嬌声を聞きながら指の動きを激しくする。
ベッドのシーツに愛の液が染みをくっきりと作っていく。
その間、私は律先輩と自分の胸を擦り合わせて昂ぶりながら、気が付けばアソコに貼り付く下着を脱ぎ捨てていた。
合宿の時以来、律先輩の前で露わにする私のアソコ。
そう考えるだけで何度か果ててしまいそうになった。
でも駄目。
今は律先輩を気持ち良くさせてあげる時なんだから。
まずは律先輩を思い切り気持ち良くさせあげなきゃ。
「律先輩のアソコ、激しく動き始めましたよ? イキそうなんですよね?」
「うんっ……、イキそう……! 梓のテクニックでイッちゃいそうだ、ああっ……!」
「いいですよ、律先輩? イッてください、私の前でイク姿を見せてください……っ!」
「ひゃああっ、あずっ、あずさああああっ!」
もうすぐ律先輩をイカせられる。
最高に気持ち良くしてあげられる。
そう思って幸せになりかけた時、急に律先輩が私の腕を強く掴んだ。
「えっ?」
突然の律先輩の行動に戸惑いを隠せない。
私、何か失敗しちゃったの……?
そうして不安になりかけた時、律先輩が私に軽くキスしてくれた。
優しく、色っぽい顔で、笑ってくれた。
「嫌だよ、梓……」
「嫌……って?」
「初めてのセックスなんだ。
セックスはこれからも何百回もするんだろうけどさ、最初くらい梓とイキたいんだよ。
一緒に気持ち良くなりたいんだよ、私の可愛い恋人の梓とさ」
律先輩の言葉にまた私の心臓が高鳴った。
それはこれまでのセックスへの興奮の高鳴りとは違って、恋のときめきからの高鳴りだった。
イキそうだったのに、頭も真っ白になりそうだったはずなのに、イッてしまった方が楽なのに。
そんな状態で律先輩は私の事も考えてくれていたんだ……。
どうしよう……。
今までセックスをしてたのに、それ以上に嬉しくて律先輩の顔が見られないよ……。
今、律先輩の顔を見ちゃったら、ドキドキで死んじゃうかも……。
でも。
「あーずさっ」
目を逸らそうとした私に気付いたのか、律先輩が私の顔を手のひらで真正面に固定した。
真正面から見つめ合う私達。
優しくて、可愛くて、格好いい律先輩。
ああ……、心臓が口から飛び出しちゃう……!
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「一緒に気持ち良く、なろ?」
律先輩が耳元で囁く。
「梓は私と一緒にイキたくないか?」
「えっと……」
「私は梓と一緒にイキたいぞ? 一緒に気持ち良くなれたら、すっげー幸せだと思わないか?」
「それは……、思いますけど、でも、どうしたら……」
「こうするんだよ、梓」
言い様、律先輩が下着を脱ぎ捨てて一糸纏わない姿になる。
その後で足を開いて、私のアソコと律先輩のアソコを重ねた。
クリトリスとクリトリスが触れ合って、突然の刺激に私の愛液は更に溢れ出た。
「こうやって二人のアソコを擦り合わせるんだ。結構気持ち良いと思うぞ?」
「律先輩、こんな方法、何処で……?」
「いやー、梓とにゃんにゃんする時の事を考えて、一人でイメトレやってたんだよなー」
ムードの無い軽口を叩いて頭を掻く律先輩。
だけど分かる。
律先輩は私の緊張をほぐすためにわざと軽く言ってくれたんだって。
私が口にできなかったオナニーの事を平然と告白までしてくれて。
ありがとうございます、律先輩。
私、もう愛しさが、爆発しそうです。
「律先輩律先輩律先輩っ!」
想いのままに唇を重ねて舌を絡める。
律先輩は私の激しいキスに合わせて、重ね合わせた胸とアソコを擦らせてくれる。
「んっ……! 梓っ、梓も気持ち良くなってくれよなっ? あんっ!」
「はいっ! 私も……、私も律先輩と気持ち良くなります! なるですっ! んああっ!」
「梓、誕生日おめでとうっ、おめでとうなっ! これからも一緒に……、あんっ、ずっと一緒に祝おうなっ!」
「ああんっ! もち……、勿論ですっ! 律先輩とずっと一緒に居たいです……! 居たいですううっ!」
重なるアソコ、重なるクリトリス。
律先輩のアソコの動きが激しくなって止まらない。
きっとさっきまで私が攻めていたからだ。
私に攻められていた分、すぐにでもイッちゃいそうなんだ。
だけど律先輩は我慢してくれてる。
今すぐにでもイッちゃいそうなのに、私と一緒にイクために我慢してくれてるんだ……!
イかなきゃ……!
私も律先輩と一緒にイクために気持ち良くならなきゃ……!
控えめな胸を二人で揺らして擦り合わせる。
鼓動を感じて幸せになりながら、私は律先輩のアソコの周りを刺激する。
その間、律先輩は私のクリトリスを優しく弾いて快感を高めてくれていた。
二人の溜まりに溜まった幸せな快感の量が近くなっていく。
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「梓っ、どうだっ、クリトリス気持ち良いか? イッちゃいそうかっ?」
「んああっ! はいっ! 律先輩の指とおっぱい、凄く気持ち良い! 気持ち良いです! イッちゃいそうですっ! ああんっ!」
「そっか……、ははっ、そりゃ、あんっ、よかった……!」
「律先輩律先輩律先輩律先輩ぃ……! 好きですう、愛してますうっ!」
「私もだ……、私も愛してるよ、梓っ!」
その言葉がきっかけになった。
二人の『愛してる』がクリトリスへの刺激以上の快感になった。
もう……、止められないよ……。
躊躇う事無く私達はクリトリスとクリトリスを強く擦り合わせる。
「律先輩っ! イクっ! もうイッちゃいますううっ! あああああっ!」
「私も……っ! 私も、もう我慢できない……っ! イクよっ、梓ああああっ!」
「愛してます律先輩っ! イッちゃううううううううううっ!」
「私も梓のアソコでイクぞっ? 梓と一緒に……、イクううううっ!」
「律先輩いいいいっ!」
「梓ああああああっ!」
飛び散る二人の愛液。二人の想い。
私は全身で律先輩を感じ、律先輩もきっと全身で私を感じてくれていた。
素敵なセックスだった。
初めてのセックスで二人でイケるなんて、どれくらいの確率なんだろう……。
意外とまあまあある確率かもしれないけれど、だけどそれを目指してくれた律先輩の姿こそが嬉しかった。
私に気持ち良くされるだけじゃなくて、二人で気持ち良くなりたいって思ってくれた律先輩。
その律先輩の姿こそ、私が恋してる律先輩の姿なんだろうな……。
「はあ……、はあ……、梓……」
「律先輩……、んっ」
絶頂の後のキスを交わす私達。
もう、キスを怖がらない。セックスだって、未来だって怖がらない。
私の事を一番に考えてくれる律先輩が居るから、もう何も怖くない。
これからも道を誤りそうになる事は何度もあるかもしれない。
だけど律先輩と二人なら、笑顔で生きていけると思う。
「一緒にイケたな、梓」
長いキスを終えた後、律先輩が幸せそうに笑った。
私も幸せな気持ちを表情に出して、律先輩に強く抱きついた。
「はい……、素敵でした……」
「ああ、これからのセックスでも一緒にイこうな、梓」
「はいっ!」
「それはそうと……」
「どうしたんですか?」
「梓のアソコ、ぐしょぐしょだな?」
「なっ! り、律先輩もじゃないですか」
「それもそうだけど、それより綺麗にしてあげたいんだけど、どうだ?」
「どう……って?」
「こういう事っ!」
言うが早いか律先輩が身体を逆さにして、私のアソコに頭を向けた。
舌を伸ばして、丁寧に舐め回してくれる。
「もう……、律先輩ったら初めてのセックスが終わったばっかりなのに……」
「嫌か?」
「嫌です。私だって律先輩と同じ気持ちなんですよ?」
そう言ってから私も律先輩のアソコに舌を伸ばして舐め回し始めた。
シックスナインの体勢。
これも想像の中で律先輩と何度もしていた体位の一つ。
「また、一緒に気持ち良くなりましょう、律先輩?」
「ああ、そうだな、梓」
二人でお互いのアソコを舐め回していく私達。
さっきまでの貝合わせの体位とは別の快感があって、とても気持ち良い。
こんな風に素直になろうと思った。
自分の気持ちを誤魔化さずに、したい事を律先輩と一緒にして、自然に想いをぶつける。
自然に、恋していく。
今日律先輩から貰えたのは最高のセックスだけじゃなくて。
そう、自然に生きていこうと思える気持ちだったんだ。
ありがとうございます、律先輩。
ずっとずっと愛してます。
心の中だけでそう呟いてから、私はまた律先輩と二人で昂ぶっていった。
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完結です。
少し遅れたけど誕生日おめでとう。
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乙です
エロい律梓もイイ!
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乙です。
とても素晴らしい律梓を書いてくださり本当にありがとうございました。
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