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琴吹紬(key)
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律「新曲のCD試作版届いたぞー」
唯「おおー!可愛いね!」
澪「いい感じのジャケットだな。よかった、写り悪くなくて…」
唯「あずにゃんの服かわいいねー」
梓「い、いえ…まぁよかったです。ほら、歌詞カードも可愛いですよ」
紬「頑張ってデザインしたかいがあったわね〜」
律「原案の時点ではだいぶラフだったけどな。うまいこと仕上げてくれたもんだ」
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澪「あ…律、これ、伝わってないぞ」
律「え?…あ、ほんとだ」
梓「Kb.になってますね」
唯「あれ?りっちゃんこないだ担当者さんに言ってなかったっけ?」
律「言った言った、確かに言った」
澪「ほんとか?また昔の講堂使用の申請書みたいに忘れたんじゃ…」
律「ちーがうって!もう最近は大丈夫だってば!」
紬「…えっと、キーボードがどうかしたの?」
唯「ふっふっふ!ムギちゃんはKbじゃなくてキーなんだよ」
紬「?」
梓「keyって表記してもらうように頼んだんです」
紬「え?どうして?」
律「ま、それはおいおい…ちょっと担当者さんにもう一回言ってくるわ」
澪「ああ、頼んだぞ律」
紬「???」
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梓「あ、そろそろ雑誌のインタビューの準備しなきゃですね」
澪「あっ、もうこんな時間か。律間に合うかな…」
紬「キー…きー…key…?なんだろう…あ、お茶の準備しなきゃ!」
唯「わたしも手伝うよ〜、ムギちゃん」
紬「ええ、お願いね♪」
澪「…ふふ、毎回記者にお茶出してるバンドなんてうちぐらいなもんだろうな」
梓「きっとそうですね。記者さんもついつい長居しちゃって、帰るの遅くなって怒られちゃった人もいたそうですよ」
澪「はは…なんていうか、いいのか悪いのか…この前なんか、記事がお菓子の話題ばかりになってたもんな」
記者「こんにちは〜、失礼します」
紬「あ、いらっしゃい♪」
唯「こんにちは〜!」
澪「いつもお世話になってます」
梓「どうぞ、そこへおかけください」
記者「す、すみません、いつも良くしていただいちゃって…失礼します。あれ、律さんは?」
澪「律はちょっと席外してます、すぐに戻りますよ」
紬「紅茶をどうぞ〜」
唯「お菓子もどうぞ〜♪」
記者「いやぁほんとにありがとうございます」
唯「…えへへ〜」
澪「ってこら唯!お客さんより先に食べるな!」
唯「はぅ…」
梓「もう、自分が食べたいからっていつも張り切って準備するんですから」
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記者「はは、いつも和ませてもらってますよ。放課後ティータイムはここが魅力ですよね」
澪「演奏でも魅力的になりたいんだけどな…」
梓「同感です…」
記者「い、いえそういう意味では!それに、演奏にも皆さんの仲のよい雰囲気が現れていますよ」
紬「ふふ、そうでしたら幸いです」
記者「いやぁ、まったりしすぎて聞くことを忘れそうだ。ええとそれでは、インタビューに移らせていただきます。今回は、キーボードの琴吹紬さん、あなたについて特集したいと考えています」
紬「ええっ、私!?」
唯「おお、ムギちゃんやったね!」
澪「ちょうどよかったな」
梓「…そうですね!」
紬「え、え、みんな知ってたの?」
梓「いえ、知りませんでしたけど…今回はちゃんとした話ができそうです」
記者「ああ、前回の担当がスイーツ好きでございまして…関係ない話ばかりになってしまい申し訳ありませんでした」
澪「いえいえ。この唯が盛り上がり過ぎたのが原因です」
唯「そ、その節はご迷惑を…」
梓「ふふ、反省してるならいいです」
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記者「さて…紬さんについてお聞きします。紬さんはキーボードの他、作曲も担当されているのは周知の通りですが、これは昔からそうなのですか?」
紬「は、はい。高校生のころからです」
唯「ふわふわ時間から、ずっとムギちゃんだよね」
澪「何気無く作曲を頼んでたけど、改めて考えるとすごいよな。あの時、もう既にふわふわ時間は完成してたんだから」
梓「それまで、クラシックしかやってなかったんですよね?」
紬「え、ええ…」
記者「それでいきなりロックの作曲をこなすとは、確かに素晴らしい才能ですね」
紬「そうなのかしら…」
唯「ムギちゃん、顔赤いよ?」
紬「そ、そ、そう?」
梓「ふふ、ムギ先輩、褒められ慣れてないんですか?」
記者「そもそも、クラシックからロックへと鞍替えされたきっかけというのは何だったのですか?」
澪「ああ、それは…」
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律「言ってきたぞ〜!って、あれ?そっか、インタビューか!」
記者「あ、お疲れ様です。すみません、先に始めさせてもらってました」
澪「律、ちょうどいいとこに来た。ほら、ムギと最初に会った時のこと語ってくれよ」
律「え? あぁ、えっと…澪が文芸部に入りたい〜ってゴネるから…」
澪「そ、それはいいから!」
律「えー?こういう情報こそファンが求めてるもんだろ?んでな、澪が私との約束を忘れてさ〜」
澪「それは捏造だっ!」ゴチン!
律「」プクー
記者「おお、これが噂の夫婦漫才…この目で見ることができるとは」
澪「め、めお…!?なんですかそれ!? 」
紬「ふふ。澪ちゃんにりっちゃん、とっても楽しそうでしょう?私、あの時まさにこのやりとりを見て軽音部に入るのを決意したんです」
記者「ほほう。お二方の人柄に惹かれて入部されたんですね」
紬「ええ。あの時、軽音部に入っていて本当によかったと思います」
唯「ねー!ムギちゃんがいてくれて本当によかったぁ」
梓「…唯先輩、今お菓子のこと考えながら言いましたか?」
唯「むむ、失礼だよあずにゃん!私は心からムギちゃん大好きだよ〜」
紬「ありがとう唯ちゃん〜♪」
唯「だからこれからもお菓子を…」
梓「はあ…やっぱり」
律「でもな、お茶とお菓子は私たちにとっては絶対に必要なものなのだ!」
唯「そうだよねりっちゃん!」
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澪「…ところで律、話はどうだったんだ?」
律「え?ああ、やっぱ向こうが忘れてたってよ。ちゃんとkeyにしてもらった」
記者「key、とは何の話でしょうか?」
律「ええと、今度からムギの担当楽器の表記を『key』に統一するように頼んだんだ」
梓「今まであまり気にしてなかったので、Kb.とかkybd.とかいろんな書き方をされてたんです」
紬「…でも、どうして?」
唯「ムギちゃんはね、放課後ティータイムのカギなんだよ!」
紬「…カギ…それでkey?」
澪「ムギがあの時軽音部に入ってくれたから、私も軽音部に入ることにしたんだ。ムギがいなかったら、放課後ティータイムはなかったよ」
紬「それは…みんなだって…」
律「さらに!放課後ティータイムの曲は昔っから全部ムギの作曲!」
梓「それはさっき言いました」
律「えぇ〜…」
唯「それにね、ムギちゃんがお茶とお菓子をいつも持ってきてくれて、それで放課後のティータイムが始まって…」
澪「そのまま、バンド名になったんだ。やっぱり、私たちといえばティータイムだよな」
律「まぁ最初は澪も梓もガミガミ怒ってたけどな。それもすぐに懐柔されたけど」
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梓「…最初は戸惑うこともありましたが、でもこのティータイムこそが、私たちの、その、絆を深めるのに必要なものだってわかってからは、楽しくなってきました」
紬「梓ちゃん…」
律「他にもあるぜ。合宿所を貸してくれたのもムギだし」
澪「律が文化祭前に急にいなくなってどうしようって時も、ムギは『りっちゃんの代わりはいません』って言ってくれたんだ」
律「そ、その話はよせやい!てかあれは風邪だって!」
紬「あ、あれは…つい、気持ちが抑えられなくなって…」
律「…へへ、ありがとな」
唯「他にもいっぱいあるんだよ?文化祭のときにふわふわ時間のアンコールを始めてくれたのもムギちゃんだし」
梓「いつもみんなのことを見ててくれて、気遣ってくれる優しい先輩で」
澪「演奏面でも、ムギはみんなの音を良く聞いていて、的確に私たちの音楽を彩ってくれるんだ」
律「ムギがいてくれると安心するよな」
紬「……」
唯「他にもね〜、ムギちゃんは力持ちだし…あとね…」
澪「いや、そろそろ脱線してきてるぞ」
梓「とにかく!ムギ先輩は、私たち放課後ティータイムにとってなくてはならない存在なんです」
律「ムギなしに放課後ティータイムはありえないな」
澪「そう。ムギは放課後ティータイムの『鍵』なんだ。だから、その感謝の意味を込めて、今度からkeyって表記してもらうように頼んだんだ」
紬「……!!」
律「keyboardもダメだぜ。ずーっとkeyだ」
記者「おお…これはいいお話を聞かせてもらいました」
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紬「…みんな…ありがとおぉぉ〜」ボロボロ
律「ムギ!?」
澪「泣きすぎだって!?」
紬「わたし、わたし〜、ひぐっ、一生みんなに、お菓子、持ってくるからぁ〜」ボロボロ
梓「い、いえいえ!?そういうことじゃなくてですね!?」
唯「ムギちゃんよしよし…」
律「いい奴すぎるだろムギ…」
澪「本当にありがとうな、ムギ」
記者「わかりました。我々も確実にkeyと表記するように気をつけますね」
律「おっ、それ是非よろしく!」
澪「…ん…新しい詩が浮かびそうだ…」
律「なんだ、アナタの心のカギを開けちゃうぞ☆とかか?」
澪「ち、違う!ちゃんとムギのことを表してる詩だって!」
梓「ふふ、いいですね。きっといい曲になります」
紬「み、おちゃん、ひっぐ、私、命をかけて作曲するから!!」ガシッ
澪「あ、ああ…って痛い痛い!ムギ、手加減してくれ!」
律「はっははは!」
唯「カギかぁ…きっと、お菓子とか夢とか、可愛いものがいっぱい入ってる宝箱のカギなんだね」
澪「…!!しまった、唯とかぶるなんて…!」
唯「え!?」
律「お、唯が急にまともな詩を書く現象とかU&I以来か?」
唯「む、りっちゃん!そんなことないよー!?」
紬「まあまあまあまあまあまあ」
澪「あ、復活したな、ムギ」
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梓「宝箱…いいですね。私たち、宝箱になれるかな。そうなれるように頑張らなきゃ」
律「なれるだろ。カギがいるからな」
梓「いや、カギだけいてもダメなんですが…」
澪「鍵というか、もうムギは放課後ティータイムそのものというか…まぁキーボードの略語でって縛りがあるから鍵って思いついたんだけどな」
紬「みんな、本当にありがとう。私、そのkeyって称号、大切にするね」
記者「…いやぁ、圧倒されてしまいました。これは2ページぐらい特集を追加しなければ、ですね」
律「お、マジ!?」
記者「ええ。もうしばらくお付き合いいただけますか?」
紬「はいっ!頑張りますっ!!」バンッ!
唯「うわわ!?お茶がこぼれちゃった!」
紬「あっ、ごめんなさい!?」
梓「あはは…気合い入りすぎです、ムギ先輩」
記者「はは…みなさん、本当に紬さんのことが好きなんですね」
唯澪律梓「「「「もちろん!」」」」
紬「ありがとう♪」
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おわり。
カギだからkey表記云々は、実在するバンドを元ネタにさせてもらいました
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乙
どっかのゲームを思い出したよw
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乙乙
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