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“違和感”のようです

1 ◆T7j3n76Cc.:2017/08/24(木) 18:13:51 ID:Ry1To0T60

分割投下になります。

締切に間に合うように頑張りますので気長にお付き合いください。

68 ◆T7j3n76Cc.:2017/08/26(土) 10:41:01 ID:A9OrxQuE0
モナーが手を背中側に回してごそごそと探れば、正面に戻った手にはお望みのエアガンが握られている。

それをドクオに渡した後、モナーは再び手を後ろに回し、片側にグリップテープが巻かれている鉄パイプを取り出した。

( ´∀`)「ブーンには鉄パイプあげるモナ」

( ^ω^)「いらねぇwwwwちゃんと返すおwwww」

これこそがモナーの能力、【謎収納】。

どこかの空間から自分の持ち物をひょいと取り出す能力。

直接取り出すところを見ることはできないし、どこから取り出しているかも不明。

そこに違和感は一切ない。

それが納芽(おさめ)モナーの能力だ。

69 ◆T7j3n76Cc.:2017/08/26(土) 10:42:51 ID:A9OrxQuE0
( ´∀`)「怪我してるとこないモナ?バンソコーあるモナよ」ヒョイ

('A`)「いや、俺は平気」

( ^ω^)「大丈夫だおー!」

( ´∀`)「そう!それは良かったモナ!じゃあそろそろいくモナ」

立ち上がり扉の前にたどり着いた3人、ブーンが扉に手をかけてみたが開きそうにない。

( ;´∀`)「ありゃ」

(;'A`)「どうする?モナーに針金出してもらって俺がどうにか………」

( ^ω^)「いや、その必要は無いお」

ペロリと舌なめずりをしてブーンはドアの正面に立った。

( ^ω^)「今日はお昼ごはん食べ損なって『お腹が空いてる』から……」

70 ◆T7j3n76Cc.:2017/08/26(土) 10:43:39 ID:A9OrxQuE0





.

71 ◆T7j3n76Cc.:2017/08/26(土) 10:44:26 ID:A9OrxQuE0
爪#)ー`)「何事ーーーーー!!!!!??」

突如ドアを蹴りやぶって来たブーン達に、フォックスは目を白黒させた。

( ^ω^)「ツンを取り返しに来たんだお!!!」

爪#)ー`)「いやだって扉!!鍵は!?」

( ^ω^)「食った!!!!!!」

爪#)ー`)「食った!!!!!!?????」

ブーンの言葉に、ツンは先程ブーン達が蹴りやぶったドアの残骸に目を落とした。

確かにかつてドアノブと鍵のつけられた部分には、ぽっかりと空間があいている。

もっと目を凝らせば、開いた空間の近くに『歯形』が付いているのがわかった。

72 ◆T7j3n76Cc.:2017/08/26(土) 10:45:36 ID:A9OrxQuE0
ブーンは食いしん坊だ。

筋金入りの食いしん坊だ。

授業中にお腹がなれば『またお前か!』と笑われ、お腹が空けば道端の雑草すら口に入れようとしてツンに怒られる。

その食に対する貪欲さから、歯の固さはダイヤモンドを凌駕し、彼が食べると決めたものは何でも食べられるという。

それが歯噛(はがみ)ブーンの能力、【悪食】。

ξ゚⊿゚)ξ「……お腹壊すわよ?」

( ;^ω^)「久しぶりすぎて壊したお!!!!!!!!!!!!」グギュルルル

………ただし稀に腹を壊す。

( ;´∀`)「えー!胃薬のむモナ!?」

('A`)「(今俺めっちゃ空気)」

┗(⌒)(^^) 「(あそこにいる人『今俺めっちゃ空気』とかって考えてるんだろうなぁ)」

73 ◆T7j3n76Cc.:2017/08/26(土) 10:48:43 ID:A9OrxQuE0
( ^ω^)σ「だからとっととお前しばいてツン取り戻すお!!」

( ^ω^)σ「ぶっちゃけ巻いてかないと無理だって言ってたし!!」

ξ゚⊿゚)ξ「(誰が言ってたんだろう)」

爪'ー`)「くっくっく、やれるものならやってみたまえ!!」

ブーンにそういったフォックスは、手をかざし何やらぶつぶつと唱え始めた。

彼お得意の魔法の詠唱だ。

74 ◆T7j3n76Cc.:2017/08/26(土) 10:51:08 ID:A9OrxQuE0
( ^ω^)「あぁ、やってやるお!」

ブーンは魔法詠唱中のフォックスに向かってダッシュし、

( ^ω^)「オラァッ!!!!!!」ゴスッ

爪;'ー`)「グワーーーーー!!!」バタリ

思いっきりぶん殴った。

フォックスは倒れた。

正直戦闘シーン書くのが面倒だったんじゃないかってくらい早期決着だった。

日曜朝ならきっと子供が泣いていた。

ξ゚⊿゚)ξ「(ホントに巻いていった……)」

毎度のごとく、ブーンはフォックスに対して容赦がないのだった。

75 ◆T7j3n76Cc.:2017/08/26(土) 10:52:20 ID:A9OrxQuE0
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン!!」

( ^ω^)「ツン!!」

      ヒシッ!!!!!
   ξ*゚⊿゚)ξ(^ω^* )

抱き合い再会を喜ぶ2人。

この二人、付き合っていないのだが妙に距離が近い。

クラスではほぼ事実婚だとかなんとか言われているが、本人達は知らない。

┗(⌒)(^^) 「うんうん、二人が幸せそうならなによりだよ」

('A`)「あれ?お前一応このおっさんの仲間なんじゃねぇの?」

┗(⌒)(^^) 「いや私今こいつに怒ってるから。ざまぁみやがれって思ってるから」

┗(⌒)(ノシ^^) ノシ「国分寺っ!!」

('A`)「」

ドクオは女性の怖さに触れていた。

やっぱり女を怒らせちゃいけないなぁ、とフォックスの顔面を踏んでいるラプチャーを見ながら、ドクオはそう思った。

76 ◆T7j3n76Cc.:2017/08/26(土) 10:52:52 ID:A9OrxQuE0
そしてモナーは。

( ´∀`)「ブーン、これ胃薬モナ」

( ^ω^)「ん、ありがとうお」グギュルルル

( ;^ω^)「……助かるお」

( ;´∀`)「そんじゃモナはミセリと戦ってるギコたち迎えにいってくるモナ!!」

ブーンに胃薬を渡し、どこからか取り出したバールを抱えて慌ただしく部屋を飛び出していった。

<オッパイガ!!オッパイガアタッテル!!

<イヤァアアアア!!ドコサワッテルンダヨォオ!!

<アハハハハハハハ!!タノシイネェ!!

<モララードイテ!ソイツコロセナイ!

<ワーー!!ミンナオチツイテモナーー!!

下は阿鼻叫喚だった。

77名無しさん:2017/08/26(土) 10:53:27 ID:.ki7Rx3o0
腹壊したなら正露丸とかじゃね?

78 ◆T7j3n76Cc.:2017/08/26(土) 10:53:27 ID:A9OrxQuE0
室内が慌ただしくなった頃、外に残った3人は、

川*゚〜゚)「旨いなこの菓子パン」モッチャモッチャ

(*゚〜゚)「でしょでしょー!あたしおすすめなのー!」モグモグ

(´・ω・`)「へぇ〜、今度買ってみようかなぁ」パクパク

一足先に戦線を離脱し、呑気に遅い昼食を食べていたのであった。

79 ◆T7j3n76Cc.:2017/08/26(土) 10:55:04 ID:A9OrxQuE0






.

80 ◆T7j3n76Cc.:2017/08/26(土) 10:58:16 ID:A9OrxQuE0
「「「お疲れ様でしたーーー!!!」」」

という訳で、冒頭の放課後のプチパーティへと場面は帰って来たのである。

(´・ω・`)「ツンが無事でよかったぁ」

(,,゚Д゚)「俺らは死にかけだったけどな」
  _ 
( ゚∀゚)「モララーなんか息上がって顔死んでたよ!!!」

( ・∀・)「思い出させないで辛くなる」

('A`)「(しぃがさっきから白目剥いてんだけど大丈夫かな)」

川 ゚ -゚)「しっかし『V.I.P.』の動きも大胆になってきたな……何か対策を考えなければ……あ、このチョコ美味しい」

( ・∀・)「でしょでしょ!ボクそれ好きなんだよ!」
  _ 
( ゚∀゚)「マジで!!食べる!!」パクリ
  _ 
。( *゚∀゚)゚。「うまーーー!!」ホワワーン

( ;・∀・)「うわっ!喜んでくれるのは嬉しいけどシャボン玉自重して!!」

81 ◆T7j3n76Cc.:2017/08/26(土) 11:00:16 ID:A9OrxQuE0
男子達がわいわいと騒ぐなか、意識を取り戻したしぃが、ツンの表情が沈んでることに気がついた。

(;*゚ー゚)「ふがっ!まーたギコくんはー……」

(*゚ー゚)「あら?どしたのツンちゃん?」

ξ゚⊿゚)ξ「ううん、大したことじゃないの」

ξ゚⊿゚)ξ「ただ、また私のせいでみんなに迷惑かけちゃったから……もう嫌になっちゃったかなって……」

そんなツンの言葉に一同は顔を見合わせた。

しかしすぐに、にこりと笑った。

ξ;゚⊿゚)ξ「えっ?えっ?」

予想外の反応にうろたえるツン。

82 ◆T7j3n76Cc.:2017/08/26(土) 11:01:41 ID:A9OrxQuE0
クーが口を開く。

川 ゚ -゚)「うふふ、もう決まりきってることじゃないか」

(´・ω・`)「ブーン、言ってあげなよ」

('A`)「俺たちが言ってやってもいいんだけどな、お前の方がツンも嬉しいだろ」

( ^ω^)「えっ、ぼくかお!?」

唐突に話を振られたブーンは目を白黒させて咀嚼していた煎餅を飲み込んだ。

( ^ω^)「え、えーと」

( ^ω^)「ツンの【能力】の辛さはツンしか知らないから、ぼくらにはなんにも言えないお」

( ^ω^)「でもぼくたちには、ツンの【能力】が認識できて、対策ができる」

( ^ω^)「だからぼくたちは……」

83 ◆T7j3n76Cc.:2017/08/26(土) 11:02:27 ID:A9OrxQuE0
(,,゚Д゚)「あーあ!まだるっこしいぞブーン!」パカン

( ;^ω^)「あいたっ!?」

( ´∀`)「理屈なんかいいモナ。助けたいからいつだって助けるよ、でいいモナ!」

( ・∀・)「そんでそれに広院さんが申し訳なく思うなら、言ってあげれば良いんだよ」

(*゚ー゚)「『勘違いしないでよね!あたしのためなんだから!』って?」

ξ゚⊿゚)ξ「………」

ξ*^ー^)ξ「ふふ、それ私の台詞じゃない!」

84 ◆T7j3n76Cc.:2017/08/26(土) 11:03:13 ID:A9OrxQuE0
ツンがクスリと笑ったのを見て、ジョルジュが椅子からガタンと立ち上がった。
  _ 
( >∀<)+「めんどい話は抜きにして!今日ははしゃぐぞーー!!!」

('A`)「お前今の話の流れ理解して無かっただろwwさっきまで黙ってたから薄々感づいてたけどww」

( ^ω^)「じゃあ今からww歌荷のwwゲリラコンサート始めるときのギコの物真似するおwwwwww」

(,,゚Д゚)「やめーやwwwww」

ξ゚ー゚)ξ クスッ

ξ゚ー゚)ξ「(まぁ、こんなおかしな日常も、悪くはないかな)」

教室での大騒ぎは下校時刻を過ぎて、担任に乱入され全員が頭に拳骨を落とされるまで続いたという。

85 ◆T7j3n76Cc.:2017/08/26(土) 11:04:47 ID:A9OrxQuE0













きっと彼らは生きていくのだ。

今日も、明日も、これから先も。

お互いだけが知っている“違和感”を抱えて。



ー おしまい! ー

86 ◆T7j3n76Cc.:2017/08/26(土) 11:05:17 ID:A9OrxQuE0









.

87 ◆T7j3n76Cc.:2017/08/26(土) 11:05:53 ID:A9OrxQuE0










.

88 ◆T7j3n76Cc.:2017/08/26(土) 11:07:01 ID:A9OrxQuE0
「……とまぁ、こんな感じでまとめてみたんですがどうでしょう?」

「なぁ。1つ聞きたいんだが」

「ハイハイ、何でしょう」

「このちょいちょい挟まってる謎の例えは一体なんなんだ?」

「分かりやすいかと思ったんですけど、ダメですか?」

「いや、ダメじゃあないが……」

「じゃあいいじゃないですか」

「あと途中すごい私怨入ってるし。
どうしたのこれ」

「せめて例えの中だけでも、と思ったんですけど
やっぱリア充の波動で吐き気が凄くて」

「リア充の波動って何さ……」

89 ◆T7j3n76Cc.:2017/08/26(土) 11:07:33 ID:A9OrxQuE0
「それにしたって『V.I.P.』は厄介ですよ。折角襲撃によって1人……広院ツンを無力化できると思ったのに火鳥ショボンに庇われちゃいましたし」

「あー、『V.I.P.』の邪魔も入って失敗しちゃったんだったか」

「一応情報収集の為に『V.I.P.』に此方側の人員も幾らか潜らせてはみたんですけどね。
内部にたどり着く前に歌荷しぃに吹き飛ばされる始末……」

「そっか、ドンマイドンマイ」

「励ましてる場合じゃ無いですよ。こうしている間にも、確かな“違和感”がじわじわと広がってきているんですから。
現に富楼クールや火鳥ショボンの【能力】は以前よりも確実に世界に溶け込んできているんですし」

「よりによってその2人かぁ……一番世界に溶け込んじゃマズいやつじゃん……」

「だから問題なんですよ。場飛ドクオや歯噛ブーンを初めとした他の面子も“違和感”の扱いに慣れてきていますし」

「そっかぁ……まだまだ俺たちがするべきことは沢山あるねぇ……」

90 ◆T7j3n76Cc.:2017/08/26(土) 11:08:10 ID:A9OrxQuE0
(゚、゚トソン「それじゃあ、そろそろ行きましょうか」

大量のレポート用紙を集め揃えながら、少女はそう言った。

( ФωФ)「うん、そうだね」

それに答えた両目に傷のある青年も、腰掛けていた椅子から立ち上がる。

(゚、゚トソン「私たちの“信念”を貫くために」

( ФωФ)「世界を“あるべき姿”に戻す為に」

そう言い微笑みあった二人は、振り返らずに部屋を出ていく。




     [ξ*゚ー゚)ξb]
            [(◎'A`)]
[d(^ω^* )]
          _, ,_    [(,,゚Д゚)]
       [川∩゚ -゚)]
 [(っ´-ω-`)っ]       [(*゚ワ゚)]
           
       [( *´∀`)]
   _            [(・∀・; )]
[( >∀<)+]



後に残されたのは、青年が座っていた椅子の元に散らばる写真達。

少年少女達はまだ、自分達の身に降りかかる運命を知らない。





To be continue …… ?

91名無しさん:2017/08/26(土) 11:09:46 ID:A9OrxQuE0
終わりです。ありがとうございました。

92名無しさん:2017/08/26(土) 11:28:06 ID:.ki7Rx3o0
おつ!

93名無しさん:2017/08/26(土) 15:29:50 ID:gd8uSiDE0

紅白だけにとどめておくには惜しい設定だなあと思ったら続いてくれるんか!
うれしい!

94 ◆TflJu3mvXc:2017/08/27(日) 01:26:35 ID:NDTquKGQ0
【業務連絡】

主催より業務連絡です。
只今をもって、こちらの作品の投下を締め切ります。

このレス以降に続きを書いた場合

◆投票開始前の場合:遅刻作品扱い(全票が半分)
◆投票期間中の場合:失格(全票が0点)

となるのでご注意ください。
(投票期間後に続きを投下するのは、問題ありません)

詳細は、こちら
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1500044449/257
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/21864/1500044449/295

95名無しさん:2017/08/27(日) 18:28:13 ID:DLuBsRzs0
続編クルー?

96名無しさん:2017/08/28(月) 10:41:18 ID:XEgEjaoU0
面白かった、名字がユニークだ

97名無しさん:2017/09/09(土) 00:55:23 ID:0RMFXRHA0
>>36
絶対にエロい事してるじゃん!!!羨ましいな


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