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【東方SS】リメイクッキー☆
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1名くらいで集まって出来たSSです☆
魔理沙がアリスにクッキーを作らされる物語です☆
(クッキー☆のストーリーを東方キャラで再構成したSSです
おおまかな流れは同じです☆)
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まだ始まってない!
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三月中旬。
幻想郷でも既に春の暖かさを見せ始めた頃。
「今日もいい天気ね」
寂れた神社の縁側でぽつりと声が聞こえた。
博麗の巫女、博麗霊夢である。
いつものように境内を掃除するフリをして、お昼ご飯を食べ終えて一息ついているところだ。
魔理沙あたりからすれば、どうして時間が有り余っているのに掃除しないのかわからない。
以前本人にそう言ってみたところ、
「じゃああんたがやれば?丁度箒も持ってるし」
「冗談。魔女の箒は飛ぶためにあるんだぜ。
地面にこすりつけるためじゃない」
これだ。要は単にものぐさなのだろう。異変が起こって何日もしてようやくおっとり刀で駆けつけるようなやつだ。
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廃材アートかな?
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人里から獣道を通らなければ辿り着けないこの博麗神社は、道中妖怪に出会う危険があるということで、人が寄り付かない。
専ら飛んで移動できる妖怪連中の溜まり場になっているのだ。
たまには普通の参拝客が来てくれないかしら、と日々願う霊夢だが、この立地ではその願いが叶う日はいつになることか。
そこにコツコツと足音が響いた。滅多に人の訪れないこの神社だ、どうせまた妖怪が遊びに来たんだろう、と霊夢は考える。
何故か飛ばずに鳥居をくぐり入ってきたのは、普通の魔法使い、霧雨魔理沙。その隣に七色の人形使い、アリス・マーガトロイド。
魔理沙は昔から霊夢と共に戦ってきた、腐れ縁ともいうべき仲だ。
アリスの方はあまり接点はない。かつての春が奪われた異変の際中、通り道にいたから無理やり倒した妖怪の一人でしかない。
少なくとも霊夢にとっては。
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「半分当たりね」
「あー?出会い頭に何だ?半分どころかお前の弾幕にはかすりもしてないぜ」
「誰もそんなこと言ってない。アリスは宴会でもないのになんか用?」
「用と言えば用ね。貴方じゃなくて魔理沙にだけど」
「こいつさっきからずっとこの調子でな。神社に着いたら話すの一点張りだ。なんとかしてくれ、霊夢」
「いや、魔理沙に用事なら他所でやんなさいよ」
「ここに来たことに意味があるのよ。これ、何だかわかる?」
そう言うとアリスは自分のバスケットの中から黒い塊を取り出した。
香ばしいチョコレートの香りが漂い、食欲を誘うお菓子だ。
ブラウニー。イギリス風のケーキだがアメリカ発祥とされる。
チョコレート生地にナッツやフルーツを混ぜても美味しい。
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「あー、お前のことだ。どうせ菓子に見せかけた戦闘人形だろう。
もしくは中に爆弾が入ってるとかな」
「どんな発想よ。これは正真正銘ただのブラウニー。
魔理沙、これを食べなさい」
「疑わしいがまあいいか。もらえる物は何でももらうぜ。
食べて死んだら化けて出てやるから覚悟しろよ」
モグモグ、サクサク、ポリポリ。一口大のブラウニーはあっという間に魔理沙の胃袋へと消えていった。
魔理沙は目を閉じ首を傾げ、ブラウニーの余韻を味わっているようだ。
「まあ美味いんじゃないか。少なくとも普段の私の食事よりはずっとマシだぜ」
「比較対象のレベルがわからないわね……。普段何食べてるのよ」
「そりゃああの森のキノコさ。魔法開発の余りを味見したりな。
たまにヤバイのもあるが」
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「その口でよくも食べて死んだら化けて出るなんて言えたわね。
ともあれこれで目的は達成。そのブラウニーの貸しは返してもらうわよ」
「は?おいおい、これを押し付けて来たのはお前だろうが。
それは通らないだろう」
魔理沙からすれば当然の文句だろう。これでは天狗の押し売りと同じである。
もちろんお返しなんてするつもりは更々ない魔理沙。こういう時は力ずくでいいだろう、と八卦炉に手を掛けた。
「魔理沙、今日はホワイトデーなのよ」
アリスが呟くように口にした言葉に魔理沙は聞き覚えがなかった。
しかしアリスから薄く怒りのオーラが立ち上っている気がして、魔理沙もおいおい、こいつマジだと理解した。
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石が入ってて殴ってきそう(汚染)
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ゴミから植物を生み出す力(ちから)!
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「何だそりゃ?訳のわからん。面倒だから弾幕で片付けてやるよ。
動くと撃つ!……じゃなくて撃つと動くだ、撃ってこい」
「外の世界のイベントでね、如月の十四日にお菓子を渡して、一月後にお返しをもらうのよ。
今私が『お返し』をあげた。元手は払ってもらうわよ。
これまで貴方が持って行った私の魔道具一式!耳を揃えて返してもらうわ!」
「なんだか本気の怒りを感じるぜ。そのためにわざわざ呼び出したのか、回りくどいやつめ。
いいさ、ちょちょいとやっつけてやるぜ」
「余裕ぶってるところ悪いけど、もう勝負はついてるわ。
貴方の死角に人形たちを忍ばせておいた。
指先ひとつで貴方の首はおさらばよ」
「えっ」
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お?藤原ニキか?
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東方の会話っぽい。こうすればクッキーはああならなかったのか…
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アリスが出した条件はこうだ。
「魔道具を返したくないなら、バレンタインデーに則ってお菓子を作ってきなさい。
そうね、クッキーでいいわ。ちゃんと美味しいのを期待してるわよ」
不意を突かれたとはいえ負けは負け。むしろ楽な条件で良かったと開き直る魔理沙。
クッキーなんて作ったことはないが、マジックミサイルより難しいということはないだろう、と気楽な調子で飛んでいった。
ここでいつのまにか奥に引っ込んでいた霊夢が三人分の湯のみを持って出てきた。
普段は魔理沙の分とで二つしか使わないのだろう。明らかに一つは湯のみと言えないほどに大きい、間に合わせの椀だった。
「あ、やっと終わったのね。あれ、魔理沙は?」
「クッキー作りの旅に出たわ。日が沈むまでには戻ってくるでしょう」
「ふうん。やっぱり魔理沙を遠ざけるのが目的だったのね。
何する気か知らないけど、面倒事は御免よ」
「相変わらず巫女の勘ってすごいわね……。そうよ。
魔理沙は放っておけばここに来るでしょうから、一旦ここに来た上で遠ざける必要があったの。
あのバトル好きに邪魔されないようにね」
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マジかよ輝殺
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キャラの発言が辛辣で原作より原作の原作に近い感じなんですね…
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「そして私の目的は、貴方よ。鬼」
「騒がしいなあ。霊夢、客か?」
アリスが指差した先には、不機嫌そうな顔で襖に手を掛けた萃香がいた。
彼女も博麗神社に頻繁に出没する妖怪の一人であり、ここ以外に確実に出会える場所はほとんどないだろう。
「あー?誰かと思えば誰だっけ?異変の時の有象無象の一人かしら」
「ご挨拶ね。わざわざリベンジしに来てあげたっていうのに」
「冗談冗談。ちゃんと覚えてるわよ、弱っちい魔法使いちゃん。
懲りずに挑みに来たのかい?」
「ええ、今度は本気で対策してきたわ。あれだけのことを言われてすごすご引き下がれないわ。
このブラウニーをあげる。お返しに私と勝負してもらうわ」
「おいおい、あんた弾幕はブレインとか言っちゃうほどの自称頭脳派じゃないのかい?
所詮は人間上がりか。私に毒酒呑ませた連中と同じ手じゃないか」
「…………」
「まあいいけどさ。おーい霊夢、お茶ちょうだい」
「魔理沙の湯のみのやつ飲んでいいわよ」
「サンキュー」
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萃香がブラウニーを口にし、ポリポリと音を立てる。同時に萃香の口から肉が焼けるような音が聞こえてきた。
「あー痛ったいわこれ。炒り豆をクランチにしたブラウニーとか斬新ねえ。
煮えた油でうがいしてる気分だわ」
「…………」
「こんなもの食べさせてよう、私がダメージを負うと思ったか?
まるで本気が感じられないわ。本気で戦う気すらないでしょう」
「そんなことないわよ。対貴方用にゴリアテ人形も完成させてきたし。
上海達も一通り強化した。本気よ、私は」
「人形如きが私の百鬼夜行に通じると思ってるのはともかく、まだあるでしょ、奥の手。
何のための本よ、それ。結構な魔力を感じるけど、人形とは繋がりを感じないわ」
「……これは」
「結局それよ。あんたは本気の本気は出さない。
本気で戦って負けたら言い訳がきかないもんね。臆病者」
「…………」
「出せばいいじゃん、本気。ここは幻想郷。美しさを競う無駄な戦いがまかり通る世界よ」
「…………」
「あんたが強さの底を晒そうが誰も興味ないわ。美しさならいくらでも鍛えられるでしょう」
「……………………」
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萃香の言うとおり、アリスは常に余力を残して戦う。
全力を出して負けるくらいなら余裕を持って降参した方がマシだと思っている。
しかし、一方で常に全力で戦う魔理沙を少し羨ましいと思っていたのも事実だ。
アリスは本当に久しぶりに手元の本に意識を集中する。
かつて手にした究極の魔本「Grimoire of Alice」。
成長した今なら使いこなせるかもしれない。
この鬼を倒して、本気を出せない自分を越える。
心を決め直したアリスは本に手を掛けそのページを……
「いや、うちでドンパチやらないでくれる?普通に迷惑だから」
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UDKにこんな真面目演技できるんですかねぇ…
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霊夢の横槍で気が削がれた、という萃香はさっさと引っ込んでしまった。
アリスとしても今まさに本気で戦おうとしたところにこれだ。文句の一つも言いたくなる。
「よくも邪魔してくれたわね」
「別に戦うなとは言わないけど、他所でやってくれる?
いつかみたいに神社が倒壊しても困るのよね」
対してどこ吹く風な霊夢。こちらはいつも通りだ。
これ一つもらうわよ、とブラウニーを口に運んだ。
「あら、美味しいわね。人形作りしか能がないのかと思ってたけど」
「人形師は大抵の器用な事ができるのよ。って話をはぐらかさないでー」
「もう萃香もやる気なくしたみたいだし、日を改めなさい。
おとなしく魔理沙のクッキーを待ってましょう」
「はあ……まさか単なる口実のクッキーを待たなきゃいけなくなるなんて」
「自業自得よ」
現在午後一時三十分。魔理沙の帰りはまだまだ遠い。
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クソデカ湯呑みくんをさらっと出してくるとはやりますねえ!
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湯飲みがでかいも再現していくのか・・・
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東方×クッキー☆か
異色の組み合わせだな
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見入っちゃうやばしやばし・・・
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ごめんここまでで書き溜めの切りがいいとこだからストップします
書き溜めでもまだ立教大学から脱出できてないので
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もう何が原作かこれもうわかんねぇな
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すごいですねこれ
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カッコイイほのぼの神社アレンジがBGMとして流れてそう
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立教大学から脱出って一瞬なんのこったよと思ってしまったあたり
ワイのクッキー☆の視聴回数は足りてないみたいですね・・・
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じゃあこれ動画にして実況しようねぇ・・・(ねっとり)
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立教大学編終わりそうなのであとで投下します
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代わってこちらは霧の湖上空の魔理沙。
初めは人里で無難に材料と作り方を集めようと考えたが、よくよく考えるとアリスに無理やり押し付けられた罰ゲームだ。
少しくらい妙な物を作って仕返ししてもバチは当たるまい、と方向転換。
その後報復されるのは自分なのだが……そこまで考えた上か、それともただの無鉄砲か。
そんな訳で魔理沙はとある建物へと箒の先を向けている。
紅魔館。
霧の湖の景観を壊すように建った真っ赤な洋館。
かつて幻想郷を紅い霧で覆い尽くした恐ろしい吸血鬼とその妹が住んでおり、日光を防ぐため窓が極端に少ない。
人里の人間からは危険極まりない場所と思われており、博麗神社以上に人間が寄り付かない。
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「あの門番が面倒だな。この時間なら寝ていてもおかしくないが……。
というかいつ寝ていてもおかしくないが」
魔理沙自身お菓子作りなど初めてで少し楽しみではあるが、まるで魔法の関わらないことにあまり時間を割きたくない。
普段は門番を蹴散らして侵入するところだが、今日に限っては別。
陽動作戦だ。
「ねえ門番!あたいと弾幕ごっこしようよ!」
「ええい、引っ付くな。私はゆっくりシエスタを……じゃなくて門番の仕事をしなくちゃいけないのよ」
魔理沙は湖周辺の妖精たちを集めて、門番の方に誘導した。
地上に目を向けている隙に上空から侵入する作戦だ。
「この辺には窓がないから仕方ないな。壁をぶち破って入ろう。
随分スムーズにいったな。今度からもこの方法がいいかしら」
紅魔館側からしたら迷惑極まりないことを呟きつつ、壁を破るポイントを探っていく。
と、ここで下の門番の断末魔が響いた。誰の仕業か見なくとも想像がつく。
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「しまった、咲夜のやつに見つかったか。
あいつに見つかった以上は急いでも仕方ないな。堂々と入るか」
開き直って八卦炉に魔力を込める。
星型の光線が壁に大穴を開け、埃が飛散した。
穴を開けたのは紅魔館が誇る大図書館の壁。
紅魔館の中で最も頑丈と言われるこの場所にあっさり穴を開けたのは、当然魔理沙の実力などではない。
悪戯好きの小悪魔の仕業だ。既に咲夜から魔理沙の侵入を知らされていた彼女は、ちょっとした出来心で大図書館の魔法障壁を解除した。
もちろん魔理沙が他の場所から入ってくる可能性も大いにあり、小悪魔からすればちょっとしたスリルを味わうためのものだったが、結果は大はずれ。
悪魔が賭けなんてするものじゃないな、と現実逃避じみた思考に飛んだが、後のパチュリーのお仕置きを考えると顔を青ざめさせた。
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「よー、パチュリー。遊びに来たぜ」
「来たわね、本泥棒。あんたに渡すものなんて何一つないわ。
あと、玄関から入りなさい」
そんな小悪魔の思考をよそに、パチュリーと魔理沙が話し始めたようだ。
日頃から度々侵入しては本を強奪していく魔理沙に対して、パチュリーは今度こそきつく灸を据えるつもりらしい。
このまま日頃の恨みを晴らして私はおとがめなしといかないかなー、と往生際が悪く考えていると、その場に咲夜が乱入したのが見えた。
「よう咲夜、今日も素敵な手品をありがとう。
と言いたいところだが、種がわれた手品なんて何も面白くないぜ」
「それはそれは残念ですわ。ナイフ芸には自信があったのですけど、お気に召さなかったようで」
「なんだ手品じゃなくてサーカスだったのか。
レミリアに火の輪でもくぐらせてみたらどうだ?ちっとは人間にも人気が出るだろうぜ」
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原作のセリフをオマージュしつつ原作の原作っぽいセリフ回しいいゾ〜コレ
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「そのライオン様からの伝言です。パチュリー様、魔理沙に手を貸してやるように、と」
「…………。
『なんで私がそんなことをする義理があるのかしら。この泥棒相手に』」
「『その方が面白くなるからよ、パチェ。貴方にもちょっとした得があるでしょうから、お願い』」
「……レミィに感謝することね、魔理沙」
「お、なんだ無罪放免か?魔女裁判も案外悪くないもんだな」
どうやら戦闘は免れたようだ。このタイミングを逃す手はない!
小悪魔は柄にもなく全力ダッシュで三人の間に割り入った。この短距離で既に息が切れているのは日頃の運動不足のせいだろう。
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「はあ……はあ……パ、パチュリー様……また魔理沙さんが、やらかしたんですか?
ふうーーっ……もーう魔理沙さん!いつもいつも無理やり侵入して来ないでくださいよう!
パチュリー様もお怒りですよ、ほら!謝ってください!いやーパチュリー様、災難でしたね!まさか魔理沙さんがいきなり大図書館に現れるとは!
魔法障壁の誤作動でしょうか、こういうこともあるんですね!私もそれなりに長生きしてますがこんなことは初めてですよ!
珍しい経験ができましたね、パチュリー様!落ち込まないでください!魔女としては喜ぶべきことですよ!ほら!ほら!」
「………………」
「………………」
「………………」
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パチュリーが一通り小悪魔をいたぶり終えたあと、一行はお菓子作りの本を探すために本棚を漁り始めた。
「なかなかいいお菓子はないもんだな。
ふーむ、このクレープ・マリエットというのはどうだ?美味そうだ」
「それは貴方には難しいでしょうね。お菓子作り初心者がそんなものに手を出したらどうなるか」
「どうなるんだ?」
「アリスが貴方の家に火を放つかも」
「あいつの家だって森の中じゃないか。共倒れだぜ」
「そもそもクッキーを作るよう言われたんでしょう。さっさとクッキーの作り方を調べて作って帰りなさい」
「そういうお前は何か作らないのか、パチュリー?」
「結構よ。小悪魔に罰としてたっぷり作らせるから」
「えっ!?あれで罰は終わりじゃ……」
「何言ってるの?むしろこの程度で許されることに感謝すべきでしょう」
「あ、悪魔よ。この女……」
「悪魔はあんたよ。つまらないことを言わせないで」
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とりあえず普通のクッキーを作ろうか、と厨房に向かった魔理沙一行。
しかしそこで目にしたのは、変わり果てた冷蔵庫の姿だった。
「壊れてるな、どう見ても。物理的に」
「誰がやったのかなんて、考えるまでもないのよねえ」
「フランドール様……珍しく出ておいでかと思えばこれですか……」
ガックリと肩を落とす咲夜。咲夜だけではない。ここでクッキーを作っていこうと思っていた魔理沙も同様だ。
唯一パチュリーだけが嬉しそうな表情をしていた。
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「ほら、魔理沙。もうここにいる理由はないわよね?
帰りなさい、ほら帰りなさい」
「なに笑ってるんだか。レミリアのやつがこれを予想してないわけないだろ?」
「む…………」
「そういうこと。悪いわねパチェ」
「レミィ……この冷蔵庫は妹様が?
「そうね。さっき唐突に出てきたと思ったら、それを壊してまた地下に戻ったわ」
「材料がなくちゃお菓子なんて作れないんだが……ここには材料が他にあるのか?」
「もちろんないわ。けれど私はお菓子が食べたい。
だから咲夜!魔理沙に協力して材料を調達してきなさい」
「…………まさかそのために魔理沙を通せと言ったのかしら?」
「お嬢様……」
「私としては助かったぜ」
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紅魔館住人二人(小悪魔はいつの間にか消えていた。抜け目ないやつ)はいつも通り主のわがままに振り回されたのか、とぐったり。
「まあいいわ……咲夜、魔理沙を連れて行ってきなさい。
なるべくゆっくり行ってくるように」
「わかりました、パチュリー様。
お嬢様。フランドール様共々、後でお話がありますので」
「さくやーそれはひどいわよー」
「さっさと行くか。さて、どこで何を借りてこようか」
「待ちなさい、魔理沙貴方、また盗んでいく気?」
「いつも言ってるだろ、盗むんじゃなくて死ぬまで借りるだけだ」
「食べ物は死んでも返せないわ」
「しょうがない。私が同行しなければ何をしでかすかわからないわ。
まずは人里の食料品店をあたってみましょう」
「おい、大丈夫か?出発前に疲れてるみたいだが」
「……………………」
現在時刻午後二時。
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完璧にクッキー声優の声で再生されてしまう
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書き溜め完全に終わりです
またそのうち続きを書きます
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AILEくんに過去ログ行きされないうちにあくしろよ
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原作のセリフを原作の原作風に置き換えて原作の原作と原作の雰囲気を見事に調和させたSS
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原作がつまらないのにリメイクは面白いと感じるってことはやっぱりテンポとかが問題なんですかね?
何はともあれ是非完走してくれよな〜頼むよ〜
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さらっとポジ子ネタ挟まれてて草
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絵と声優もリメイクするんだよ、おうあくしろよ
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紅魔館を発ち、人里に向けて飛んで行く魔理沙と咲夜。
この二人はいくつもの異変で黒幕を追い詰めた、いわば異変解決人である。
幻想郷での揉め事は力によって解決されるのではない。
美しさを競う戦い・スペルカードルール。
この決闘法が広まっているからこそ、非力な人間の身で数々の強力な妖怪たちと渡り合えるのだ。
しかし、一見同じ立場にあるこの二人の間には決定的な差が存在する。
魔理沙はどの勢力にも属さない単独の存在。
対して咲夜は妖怪に仕える立場の存在。
妖怪と戦う立場でありながら妖怪の下に付く咲夜は、決して魔理沙のようには普通の人間には理解されず、受け入れられない。
この時に限ってはその立場が大きな枷となった。
咲夜と共にいると誰も魔理沙に品物を売りたがらないのだ。
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「しまったわね……魔理沙と一緒にいたら買い物もできないわ」
「私に非があるような言い方はやめろ。
お前普段どこで買い物をしてるんだ?そこで買えばいいだろう」
「紅魔館は自給自足している物品も多いのよ。お嬢様のお好きな納豆とか、ワインのためのブドウとか、マンドラゴラとか。
それ以外は八雲紫から貰う物も多いわね。吸血鬼異変の契約だとか」
「つまりお前は普段人里で買い物をしないということか。
何しに来たんだ?まったく」
「貴方の見張りよ。それと、代金くらいは出すわ」
「財布持ちか。従者は辛いねえ、上のわがままに振り回されてさ」
とにかくこのままではクッキー作りを始めることすらままならない。
二人は人里の裏道の方を通り、材料を売ってくれる店を探した。
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なんでクッキー☆の二次創作は原作より力が入ってるのばっかなんですかね
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「あら?魔理沙と……咲夜?」
なんととうとう見つけた店ではアリスが買い物中。この遭遇は予想外と魔理沙は驚きを隠せない。
「なんでお前がここにいるんだ?神社で待ってるんじゃなかったのか」
「私もお菓子の材料を切らしてたのよ。魔理沙のを食べた後の口直し用」
「言ってくれるぜ。だからと言って美味いものを作ってやろうとは思わんが」
「元から期待してないわ。ところでなんで咲夜が一緒にいるの?」
「魔理沙がいつものように紅魔館に……」
「ああ、言わなくていいわ。お菓子作りの本を盗みに行ったのね」
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「わからんやつだな。死ぬまで借りるだけだと言ってるだろ」
「ま、その辺りはどうでもいいわ。美味しいクッキーなんて期待してないし。
さっさと作って神社に持って来なさい」
「悔しかったら美味いクッキーを作ってみろと言わんばかりだな。
面白いことなら掌の上で踊ってやってもいいが、どうもこれはつまらん。
私なりにゲテモノを作ってやろう」
「どこに対抗してるのよ。そんなの私絶対食べないわよ」
「遠慮するなよ。『お返し』だ。お前がこだわった、な」
「……冗談じゃないわ。食材の出処は確認させてもらうわよ。
私も同行するわ」
「おう好きにしろ。ただし完成品は食べてもらうからな」
「…………(仲がいいわねこの二人)」
十六夜咲夜。完全で瀟洒な従者。
少し天然さんである。
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また書き溜めが尽きました(半ギレ)
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書き溜め書き溜めいう割に執筆早すぎィ!
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一応補足ですが、咲夜が人里の人間に嫌われている、紅魔館が自給自足している、紫に物を貰ってる、吸血鬼異変の契約などは全部オリジナルです
原作に描写のない設定が入ることもあるかもなのでよろしくお願いします
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原作の原作に対するリスペクトを払い過ぎて逆に何故か「東方二次創作」っぽさが薄く感じる謎
東方二次創作って原作にあったような畜生成分が大幅に薄れてるのばっかだから非常に新鮮で、非常においしい
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先の店で小麦粉、砂糖、牛乳その他材料の大半は手に入れた魔理沙一行。
すると次に手に入れるべきは。
「卵だな。これくらいはまともじゃない材料が欲しいところだが……」
「いらないわ。あの店で買って行きましょう」
「アリス、諦めたら?ここまで来て止まる魔理沙じゃないでしょう」
「貴方は他人事だからいいけどね、私が食べるのよ、これ!」
「死にやしないだろう、妖怪。これくらいで大袈裟なんだお前は。
魔法の開発に水銀やら珪素やら吸い込んでる方がよっぽどだぜ」
「それは不可抗力でしょ!意図的に毒物なんか食べないわよ!」
「ヒステリックだな。少し静かにできないのか」
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とにかく最後の材料、卵を手に入れるため、魔理沙はどうすべきか考えていた。
他の材料がまともなものである以上、普通に作れば普通のものになるはず。普段から魔道具を生産している魔理沙は、お菓子作り程度に苦戦するはずがないと確信していた。
事実、このままいけば魔理沙は普通にまともなクッキーを作ることができただろう。
その選択肢を自ら切り捨てたのは魔理沙自身なのだ。
「よし、夜雀を襲おう」
「…………は?」
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「夜雀だよ。ミスティアとかいったか。あいつの卵でクッキーを作ろう」
「ち、ちょっと待ってそれは洒落になってないわ……」
「同じ鳥だろう。鶏とウズラの違いみたいなものだ」
「そんなわけないでしょ!大違いよ!ああもう、こんなことならこんな計画立てなければよかった……」
「策士策に溺れるってわけだ」
「あんたが水面に波起こしてるんでしょうが!」
「おいおい、お前の頼みだろうに。まあ心配するな。作る時は真面目にやるさ」
「そのときにはもう手遅れよ……」
「仲が良くて羨ましい限りだわ、二人とも」
「こいつと?冗談だろ」
「ふざけないで、誰がこんな……」
「息ピッタリじゃない」
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まりなやことのを集めて声当てして貰おうぜ
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ミスティア・ローレライ。夜雀の妖怪。
焼き鳥屋撲滅委員会委員長。ヤツメウナギ屋台店主。
その歌を聴いた者は鳥目になり、ふらふらと歩いているところを食べるのだ。
彼女は今、追われている。
「待ちやがれ、魔符『スターダストレヴァリエ』!」
「ひぃーーーーー!」
星型弾幕が彼女の後ろのから迫り来る。相手の弾幕から目を離すなど愚の骨頂だが、この密度では一旦距離をとらないとかわしきれない。
ミスティアは魔理沙から離れようと懸命に飛行する。
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「逃げるな!卵を置いていきな。
逃げると撃つ!いや、撃つと逃げるか?」
が、しかし相手は霧雨魔理沙。
幻想郷でもトップクラスの飛行速度を誇る魔法使い。下級妖怪のミスティアではどうこうできる相手ではなかった。
「こいつでとどめだ、恋符『マスタースパーク』!」
八卦炉から放たれた高密度のレーザー光は、一直線にミスティアに命中したかに見えた。
しかし、最後の力を振り絞ったミスティアは、自らの弾幕で僅かにレーザー光を逸らすことに成功した。
その結果、ひまわり畑の一角に命中してしまったのは不幸としか言いようがない。
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>>50
そこに出来上がるものは果たして本当にクッキー☆なのか(方舟問題)
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>>66
当たり前だよなあ?(式年遷宮)
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作者から愛を感じますね
立教大学パートでいつも逃げる私とは大違いです
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この辺はまあなんとかなる感はもともとあった
お菓子作りパートはマジでどうしようもない
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「あら、三人揃って姦しいわね。どちらへお出かけかしら」
風見幽香。この広大な「太陽の畑」に生息する大妖怪。
いつもニコニコ笑顔で弱い者虐めをする、性格の悪いやつだ、と魔理沙は思っている。
それなりに長い付き合いではあるが、決して仲の良い相手ではない。
「お菓子作りの材料集めだ。ついでにここのひまわりの種でもいただいていこうかな」
「構わないわよ。植物を採取する行為は決して悪いことではないもの。
むやみやたらに伐採しなければね」
「そりゃあ悪いやつだな。外の人間がそうだとか聞いたことがあるぜ」
「馬耳東風ね。耳が鈴蘭の毒でおかしくなったのかしら?あるいは頭?」
「狂うのには慣れてる。今更植物の毒なんて屁でもないな」
「あら、私がこれだけ毒を吐いても効いてないなら本当みたいね」
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すっとぼけた様子の魔理沙の様子に、アリスは徐々に不安を覚える。
かつてアリスはそれはもうこっぴどく幽香に負けているのだ。
今のように人形師としての戦いではなく、五色の究極の魔法を使った上で。
幽香の実力は魔理沙もよく知っているはず。なんでそんなに挑発するようなことを言うのよ!と内心ハラハラである。
「可哀想に。耳の病気には雪ノ下がいいわ。私が塗り込んであげる。こっちにいらっしゃい」
「わかったわかった。私が悪かったよ。ちょっとした誤射だ。
まああれだな、夜雀と半々で私が悪い 」
「反省が伝わらないけど昔のよしみで許してあげましょう。
貴方に一応謝らせただけでも収穫はあったわ」
「お、悪いな。まあ詫びにクッキーを持ってきてやるさ」
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「いらないわ。どんな毒かわかったものじゃない。植物以外の毒は御免よ。
それから、植物だって生きているのです。
花を慈しんだ上で採るのは結構ですが、無闇に扱うのはご遠慮を」
「おう」
「ところでそちらのメイド。何をこそこそとしているのかしら?」
「……何でもございませんわ。ひまわりの美しさに目を奪われていたのです」
「白々しい。ひまわりの種を回収していたんでしょう。
どうやったのか知らないけど、ここで勝手な真似は許さないわよ」
「申し訳ございません。どうかこのひまわりの種をいただけませんか」
「いいわよ。初めからそう言えばいいのに。手癖の悪い」
「手品師ですから」
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「最近のメイドは手品も嗜むのね。そういえば魔界のメイドも短剣を使ってたわ。
最近の人間のセンスには着いていけないわ」
「……!」
「魔界……そんなところがあるんですね。お嬢様なら支配したいとおっしゃるかしら」
「やめときなさい。あの小娘程度じゃとても無理よ。
アリスレベルならゴロゴロいるもの、あそこ」
「それはレベルの高いことですわー」
「おい、何をくっちゃべってるんだ。さっさと行こうぜ、まだ卵も手に入れてないんだ」
「そうね、行きましょうか。お邪魔しました妖怪さん」
「お邪魔されたわ人間さん」
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そう言って魔理沙、咲夜両名は飛んで行ってしまった。
アリスは一人残り、複雑な顔をして幽香に話しかけた。
「さっきからどうして私に意識させるようなことを言うのかしら?」
「魔界で会った小娘ちゃんが、久々に会ったら人間辞めてたものでねえ。
驚いちゃったのよ。どうしたの?」
「別に。人間のままでは色々限界があると思っただけよ」
「親が見たら泣くわよー。あ、親はいないんだったかしら?」
「……喧嘩売ってるの?昔の借りを返してもいいんだけど」
「見た目は成長しても中身はまだまだ子供ねえ。そんなんじゃ魅魔にも笑われるわよ」
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「懐かしい名前が出たわね……。あいつ今何してるのかしら」
「博麗神社にはたまに来てるみたいよ。ここにも一度だけ来たことがあるわ。
あっちへふらふら、こっちへふらふら。はた迷惑な悪霊だわ」
「そうね。とっとと成仏すればいいのに」
「そろそろ行ったら?魔理沙たちがお待ちかねでしょう」
「そうね。久々に話せたけど、まるで楽しくなかったわ」
「同感よ。お邪魔されたわ、妖怪さん」
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ストックエンド
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魅魔って誰だよお前の彼か?と言う方のために補足
悪霊で魔理沙の師匠的な人です
霊夢魔理沙魅魔幽香の四人が自機で、アリスがEXボスだった作品が東方怪綺談です
多分魅魔様は出てこないので読まなくてもいいです
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そろそろ午後三時に差し掛かろうという頃、一行は未だ当てもなく飛び回っていた。
夜雀から卵を強奪する作戦が不発に終わった今、代理の案を考えなければならないところだが、三人ともに妙案は浮かばなかった。
「同じ鳥なら烏天狗から奪うってのはどうだ?」
「天狗の組織力を舐めてるの?却下」
「なら地底の烏だ。あいつならどうだ」
「わざわざ地底にまで行きたくないし、またあのさとり妖怪を敵に回すの?あれだけ痛い目に会ったでしょうに」
「なんだ文句ばかりだな。お前も代案を出せよ」
「だから普通に買ってきたのでいいでしょう!なんでそこまで妙なチョイスしかないのよ!」
「ここまで来て普通の卵だけはあり得ないからな。
意地でも妙なクッキーを食わせてやる」
「お二人とも、ちょっといいかしら?」
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熱くなっている二人の間に割って入る咲夜。ある意味部外者のため、冷静さを保っている。
声をかけられた二人は邪魔するなと言わんばかりに咲夜を睨みつけた。
「なんだ。言っとくが人里まで戻ろう、は無しだぜ」
「ふざけないで。妖怪の卵を食べるなんてあり得ないわ」
「人間も妖怪も嫌なら間を取りましょうか」
「月人の住む永遠亭に参りましょう」
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永遠亭。迷いの竹林の中に位置する古風な建物。
月から逃れて来た罪人と、多くの兎たちが気楽な生活を送っている。
かつて幻想郷でも最大規模の異変を起こしたが、人間と妖怪の協力によってなんとか阻止することができた。
魔理沙、アリス、咲夜はその時の異変解決に参加していた。魔理沙とアリスはタッグを組んで、咲夜はレミリアとタッグで月人たちと戦った。
もちろんそんな異変を起こした者でも、解決すれば受け入れられる。
幻想郷は全てを受け入れるのだ。
時に優しく時に厳しい絶対のルールである。
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でも魅魔様の搾乳ならちょっと見たいかも
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「はいはいお三方いらっしゃい。永遠亭はこっちだよ」
魔理沙一行は迷いの竹林に着いたところで、胡散臭い声をかけられた。
因幡てゐ。地上の兎のリーダーで、永遠亭でも特殊な立場にある。
「ラッキーだったな。いきなりこの兎を見つけられるとは」
「アンラッキーかもよー?行きはよいよい帰りは地獄ってね。
帰りに着いて行くとは言ってないからねー」
「心配するな。帰りは兎の足だけもいで帰るからな。お前の手は必要ないさ」
「冗談じゃないよ。帰りも着いて行くから私の可愛い部下を虐めないでね」
「それも心配するな。もぐのはお前の足だ」
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はえ〜すっごい力作…
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そうこうしている内に竹林を抜け、永遠亭に到着した四人。
てゐに客間に通され、お茶とお菓子を出されてくつろぐことになった。
「師匠を呼んでくるから少し待ってて」
そう言われたのでおとなしく待つことにした三人は、穏やかな空間に安らかな気分を感じていた。
「鹿威し……こういうのもいいわね。
うちは洋館だから合わないでしょうけど」
「この菓子美味いな。お前のブラウニーよりはよっぽど」
「そうね。貴方の作るであろうクッキーのマイナス何倍美味しいのかしら」
-
と、ここで客間に向かってくる足音が聞こえてきた。
咲夜は耳ざとく聞いていたが、あと二人はお茶とお菓子に夢中で気づいていない様子。
「ほら、二人とも。もうすぐ来るわよ」
「何がだ。お迎えか?」
「貴方も霊夢も私を何歳だと思ってるのかしら。
そうじゃなくて足音が聞こえたのよ。もうすぐここの人が来るわ」
「お待たせしたわ。それで、要件は何でしょう」
部屋に入って来たのは、永遠亭の主に仕える従者にして人里のお医者様でもある、八意永琳だった。
早速要件を伝える魔理沙。いい加減材料調達を終わらせたいのは彼女も同じなのだ。
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「クッキーを作ることになってな。あと必要なのは卵だけなんだ。
何か面白い卵をくれ」
「食材に面白いも何もないでしょう。そのためにわざわざここまで来たの?」
「おう、そうだぜ。早いとこ出した方が身のためだぞ。
お前が面白い物を持ってないはずがないからな」
「くだらない話ね……。さっさとお引き取りを……」
「まあ待ちなさい永琳。なかなか面白そうな話じゃない?」
誰も知覚できない一瞬のうちに、客間の中心に現れ、声を発した。
彼女こそ永遠亭の主、蓬莱山輝夜。高貴な月の姫である。
-
「クッキー作りの何が面白いんだか。月人の感覚はわからんな」
「私からすれば何故わざわざ面白くする必要があるのか疑問なのだけれど……。
それと姫様、焚きつけるようなことを仰らないでください」
「出てきて早々これよ。やってられないわ」
意気揚々と登場して一瞬で折られた輝夜。無論この程度のことを気にするようなヤワな性格ではない。
「永琳もお菓子なんて作ってくれないし、そもそもここには兎のつくお団子くらいしかないもの。
魔理沙のクッキー、食べてみたいわ」
「やめといた方がいいと思うわよ。そいつ妖怪の卵でクッキーを作ろうとするようなやつだし」
「それが嫌なら代わりの卵を寄越せということだ。面白い物でな」
「どうします?月人さんたち。強盗のような形になってしまって申し訳ないのですが」
「……仕方ないわね。少し待ってなさい」
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そう言うと永琳は客間を離れ、どこかに行ってしまった。
おそらく期待できる物を持ってきてくれるだろう、と魔理沙はワクワクしている。
「蓬莱の薬入りの卵とかないもんかな」
「それだったら私も嬉しいわ。今までの魔理沙の暴挙を補って余りあるくらいよ」
「お二人とも不老不死になりたいのですか?人間は死んでこそ人間でしょうに」
「人間にもいろんなタイプがいるのね。まあ蓬莱の薬を使ったら妹紅みたいに後悔するに決まってるわ」
永琳を待つ間、どんな卵を持ってきてくれるのかという話が膨らんでいった。
魔理沙は面白ければ何でも、アリスは蓬莱の薬入りのもの。
咲夜はお嬢様の口に合うもの(人の血入りってことか?)。
そんな話を続けていると、ようやく永琳が戻ってきた。
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「お待たせしたわ。妖怪の卵なんてないからこれで我慢してちょうだい」
「何だこりゃ?普通の鶏卵に見えるが」
「鶏卵よ。ただし中に私特製の薬品を仕込んであるわ。これで満足?」
見た感じ普通の卵でしかなく、触ってみても穴一つあいていない。
一体どうやって薬品を入れたのかわからないが、面白ければ何でもいい。
「ところで中身は何だ?まさか食べたら即死する毒とかじゃないよな?」
「まさか。中身は『胡蝶夢丸』。飲むといい夢が見られる薬よ。
ただし五個中一個が外れ。そちらは『胡蝶夢丸ナイトメア』。
飲むと悪夢に襲われる薬よ」
「期待通りのいい仕事だ。さすがは月人。進んでるな」
「調子がいいわね、ホント……」
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ともあれ目的を達成した魔理沙一行は、とうとう紅魔館に戻り、クッキー作りを開始することにした。
私の分も作ってきてね、と手を振る輝夜に別れを告げ、永遠亭を発った。
現在午後三時四十分。日の入りが近づきつつある。
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普通のクッキーならここまでで限界なんだよなぁ
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クッキーに永遠亭パートがあるなんて知りませんでした…
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>>92
ごめんね
幽香との戦闘を回避すると魔理沙が気絶しない
→永遠亭パートが飛ばせない
ってことなので
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話の流れはクッキー☆なのにクオリティはまったくの別物ですね・・・
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今日は多分もう投下はないです
更新知らせってことであげときますので感想など随時どうぞ
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「あら、帰って来たのね。アリスも一緒とは思わなかったけど」
「げーー、帰って来ちゃったんですか……。もっとゆっくりしてくればよかったのに」
とうとう材料集めを終えた三人は、調理に入るために紅魔館に帰還した。
出迎えのパチュリー、小悪魔には歓迎されていない様子だったが、気にする魔理沙ではない。
「只今帰りました、パチュリー様」
「面白い卵が手に入ったぜ。悪魔としては喜ぶべきじゃないのか?」
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「悪魔としては真っ当にお菓子なんか作らされる時点で最悪ですよ。
それで、面白い卵っていうのは何なんです?」
「詳しくは後で話すが、五個中一個が外れだ。ロシアンルーレットだな」
「五個中一個って……きっかり分けるのでないなら混ざっちゃうじゃないですか」
「それなら卵一個分ずつで分けて作りましょう。リスクは最小限にしたいもの」
「ああ。デメリットが分散して軽減されたらつまらんからな」
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「それで結局、誰がクッキーを作るんですか?」
早速調理に取り掛かろうとした魔理沙だったが、小悪魔のその一言で手を止めた。
「私とお前と咲夜だろ?」
「せっかく五個の爆弾があるんですから、五人がそれぞれ別のお菓子を作るのが面白いと思うんです」
「ほう……腐ってもパチュリーの使い魔だな。性格が悪い」
「悪魔にとっては褒め言葉ですよ。あと私はパチュリー様の使い魔ではありません」
「あー?違うのか。図書館の司書だからなんとなくそう思ってたんだがな」
「私はレミリア様に召喚された悪魔なのです!誉れ高き吸血鬼に仕えるのが何よりの喜び!
それが何であんなカビ臭い喘息女に……」
「紅魔館もいろいろ複雑みたいだな。やっぱり一人が気楽でいいわ」
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レミリアかパチュリーをお菓子作りに参加させたいけどどっちにしようか決まらない…
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ぼくはPTRY姉貴がいいです
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パチュリー姉貴のがまだ興味持ちそう
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クッキー☆にRMLA姉貴ほぼ出てこないやん
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>>102
何と言うかチェックポイントだけ通過する別物みたいな感じなので
霊夢魔理沙萃香がブラウニーを食べるならアリスの目的が違ってもいい
同じメンバーがいるなら会話の中身が違ってもいいみたいな
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クッキー☆の二次創作ならクッキー☆で出番の多いPTRYを使って欲しい
東方の二次創作だったら好きにしたらいいと思う
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>>104
なるほど一理ある
じゃあパチュリーで書くことにします
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早口おばさんは一目でアリスが怪奇談のちっこいのと同じだって分かったのに何回も合ってるRU豚は全然気付いてないのか(呆れ)
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RUは誰にも関心がないからしゃーない
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完結したらクッキー☆☆版も書こう (ゲス顔)
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>>106
怪綺談と妖々夢の間は2年も空いてない(怪綺談〜紅魔郷が1年)のでアリスの見た目はそこまで変わってない、ということで
霊夢が気づかないのは単に忘れたんじゃないですかね
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今は誰も見てないだろうけど一応
今週末には何とか投下して一気に終わらせたいです
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見てます(小声)
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期待してるで
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投下します
外からの書き込みなんでキャップ付けたままです
あしからず
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「と、いうわけでお前らも参加しろ」
「まあいいわよ。魔理沙の見張りと口直し作りってことで」
「なんで私が参加する流れなのかしら……」
「数合わせだ。レミリアのやつは食べたいだけだからな。
あいつよりお前の方が多少マシなものができそうだ」
「私だって作りたいわけじゃないんだけどね」
「私がお手伝いしますので、頑張りましょう、パチュリー様」
「いや、咲夜が二人分こなせばいいんじゃないの?」
「たまにはこういうのもいいでしょう。魔法の研究ばかりでは生活力が衰えてしまいます」
「魔法使いには食事も睡眠もいらないってこと忘れてない?」
「忘れちゃいないさ。私だってそれは羨ましいからな。
いずれ魔法使いになることも視野の内よ」
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「私のところに弟子にくる?本を盗まなくなるなら考えてあげるわ」
「お前の魔法はどれもちまちましててつまらん。ロイヤルフレアくらいしか面白いものがないな」
「人間が生意気言ってくれるわ。あんなのスペルカード戦用に調節したものに決まっているでしょう。
あなたのマスタースパーク程度なら私だって再現できるのよ。見ていなさい。燃費は悪いけど、五行の反発効果を利用して属性を全て火力に回した『エーテルスパーク』を……」
「あーうるさいうるさい。どうして魔法使いってのは聞いてもないのにごちゃごちゃ話し出すのかね」
「こいつ……」
「お気をお静めください、パチュリー様」
「放しなさい咲夜。クッキーの前にこいつの肉を焼いてやるわ」
「魔法使いになると短気になるのかしら。しばらくは人間のままでいいかな」
-
とにもかくにもクッキー作りは始まった。
咲夜は自分の作業を進めつつ、パチュリーと魔理沙の方にも気を配っていた。
手先の器用そうなアリスや咲夜はともかく、がさつそうな魔理沙にクッキーなんて作れるのか、と思うのも無理はない。
しかし彼女は人の立ち入らない魔法の森に住んでいるのだ。
自炊くらいできなければ即、命に関わる自体が待っている。
咲夜の予想に反して、魔理沙はレシピを見つつテキパキとこなしていった。
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「意外ね、貴方も料理ができたとは」
「当たり前だぜ。メイドを雇う金なんてないからな」
「お金があれば雇うのかしら?」
「そっちから願い下げだろ?」
「こっちからお断りさせていただくわ。あら、小悪魔がパチュリー様の生地に手を出してるみたいね」
そう言うやいなや、小悪魔の額にナイフが一本生えた。
耳に残る嫌な叫び声をあげて、小悪魔は床に伏した。
「さ……咲夜さん……。吸血鬼の使い魔に、銀のナイフは勘弁して……」
「ちょっかい出す方が悪い。さっさと作りなさい」
「相変わらず冷たいですねー。あっ、魔理沙さん、お湯ください」
けろっとして立ち上がる小悪魔。どうやら迫真の演技だったようだ。
いつもいつもこの調子なので咲夜も辟易している。レミリアの使い魔でなければ追い出しているところだ。
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「おう、ちょっと待ってろ。八卦炉で沸かすからな」
「ほんと便利ね、それ。月に行くときもお世話になったわ」
「湯沸かしから放火まで幅広く使えるぜ。やらないからな」
「放火なんてされても困るわ」
「いや、この八卦炉はくれてやらんということだ」
「放火の方を否定しなさい」
-
「えーーーーと、バニラ、エッセンス?をこれに……」
「パチュリー様、それは2、3滴で構いません!多すぎます!」
「あ、そうか。それじゃあ別のを……キャッ」
パチュリーがバニラエッセンスをテーブルに戻そうとした時、薄力粉の袋に手を引っ掛けてしまい、ぶちまけてしまった。
「(これは予想以上に不器用ね……)」
パチュリーは魔法関連のこと以外はさっぱりだった。
もちろん膨大な本を貯蔵する大図書館の主だ。お菓子作りの本も戯れに読んだことはあり、知識としては作り方も覚えていた。
しかし知っていることと理解していること、そして実際に出来るかどうかはまるで別なのだ。
-
咲夜のフォローなしではまるで作業にならない。自分が付いていて本当によかった、と安堵した咲夜であった。
「パチュリー様、次はこれを入れるんですよ。ンフフフ」
「騙されるわけないでしょ、小悪魔。次はあれよ」
「違いますパチュリー様。さっきのはやり直しですから、小悪魔の持っている方が正しい材料です」
「そういうことです、それじゃ私は自分のを進めますんでー」
「……………………」
-
そうして協力あり、妨害あり、事故ありのクッキー作りは続いた。
各々得意不得意はあっても、滅多にない経験に真剣に取り組んだ。
幻想少女はお遊びにこそ真剣になるのだ。
魔理沙は初お菓子作りにしては上々な手つきで、アリスは慣れた手つきで、咲夜はいつのまにか、パチュリーはグダグダになりながら、小悪魔は怪しげな雰囲気を出しつつ。
クッキーが完成した。
-
「いやーみなさんお疲れ様です。どれも美味しそうですね、一人を除いて」
「…………」
「あれ?どうされたんですパチュリー様?誰とは言ってませんよ、私。
まあご自覚があるようで何より……痛った!咲夜さん!やめてください!」
「やめるのは貴方よ。見た目ほど悪い味にはなっていないわ。私が保証します」
「咲夜、フォローになっていないわ」
「あ、あら?そうですか。ところでアリスの姿が見当たらないようですが」
「あいつならとっとと帰ったぜ。先に神社に戻って休憩するってよ」
「そう。それじゃあ各自自分のお菓子を持って行って」
「誰のが外れなんですかねー。いやー楽しみです」
「私のが外れだといいわ。食べるのは小悪魔だもの」
「んじゃな。私は帰るぜ。いろいろありがとなー」
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そう言って魔理沙はお菓子と箒をつかみ、レシピ本を放り投げて出て行った。
パチュリーはいつものように本を持って行かれなかったことに少し驚き、いやいやこれが当たり前なのよと思い直した。
せめて注意はしておかないと調子にのるから、と魔理沙に向けて声を張り上げた。
「本は大事に扱って!」
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嬉し恥ずかしチョコ落書きタイムを昇華させられなかった無能
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パチュリー、ウッ!
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>>124
魔理沙とアリスのクッキーKissとクッキー☆は別物だから多少はね?
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なーにが週末に書き上げるだよ無能が
藤原妹紅 無能 カス ゴミ ファザコン 低脳 脱糞 放火 遅筆 バカ 唐沢貴洋 逆恨み ホームレス 悪臭
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書き上げる(投下するとは言ってない)
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ワイは完成楽しみに待ってるやで
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あくしろよ (せっかち)
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ちょっと更新止まってんよ〜(煽り)
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忙しくてすまんな
こういうのって一度止まるとどうしても続きがしんどくなるんや
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丁度今日は空いてるから絶対書き上げてやる畜生め
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ダーウイン見終わったら投下します
全部書き終えたぜざまーみろ
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博麗神社までの帰路の途中、魔理沙はこのクッキーを誰に食べさせるか考えていた。
食べても毒ではない以上、自分で食べるのは当然。お返しの物なのでアリスが食べるのも当然。
「あとは霊夢でいいか。これ以上分けると効果が薄くなっちまうかもな」
そんなことをぼんやりと考えていると、正面から珍しいやつが飛んでくるのが見えた。
地獄鴉のお空だ。呑気な風な顔をして、何も考えずに飛んでいるのだろう。
何でこんなところにいるのかはどうでもいい。魔理沙の知ったことではない。
-
「あいつ昼からちょくちょく見るな。地底の斥候か?
おーいお空!そこをどけ!止まらなくても撃つが止まっても撃つ」
「それはどっちも一緒ってこと?
同じ撃つなら私も撃たなきゃ損損!弾幕勝負だ!」
鳥頭で享楽的な鴉は、戦いをふっかけられたら乗らずにはいられない。
かつてのリベンジも兼ねてこいつをぶっとばそう!と誘いに乗った。
「(そういえば私なんでここにいるんだっけ?……まあいいや!)」
「一枚目!『地獄の人工太陽』!」
-
暇つぶし程度のお空との戦いを終えて再び神社に向かう途中で、魔理沙はある異変に気付いた。
「あちゃあ、クッキーが割れてるな。まあ味に変化はないし良しとしよう」
元々細かいことは気にしないタチの魔理沙だ。形が不恰好でも味が同じなら、もっと言えば薬の効能さえあればどうでもいいと思っていた。
大切なのはクッキーそのものではなく、胡蝶夢丸の効能なのだ。
もっとも、魔理沙自身は「ナイトメア」でもいいと思っていたのだが。
-
「お、帰って来たみたいね」
「とうとう帰って来たのね……。まああのクッキーは見た感じまともだったから大丈夫かしら」
「悪い、アリス。クッキー割れちまった」
「別に気にしないわよ。貴方が気にしないのは腹が立つけど。
もう少し申し訳なさそうにしたら?」
「腹に入れば同じだ」
「それはこっちが言うセリフよ」
「どうでもいいけどさ、さっさとクッキーの用意してくれる?
私はお茶を用意するから」
「おう」
-
「さて、いただきます」
霊夢が用意したお茶と共に、まずは魔理沙のクッキーを一口。
「思ったより悪くないわね。本当に夜雀の卵じゃなくてよかったわ……」
「いつまでそんな話をしてるんだお前は」
「意外と器用なのねえ。初めてにしては上手く出来たじゃないの」
「だろう?実は私も悪くないと思ってたんだ。まあ当分お菓子作りなんてする気はないがな」
「それがいいわ。今度作ったら何を入れられるかわかったものじゃない」
「そういやさっきお空に会ったぜ。地獄の鴉の卵なんてどうだ」
「あんたねえ……」
-
続いてアリスのクッキー(口直し用)を口にする三人。
お菓子作りには一日の長があるアリスのクッキーだ。当然魔理沙の物よりも美味だった。
「ううむ、美味いな。昼のブラウニーよりも。
お前私に失敗作を食わせたのか?」
「穿った発想ねえ。あれはわざわざ炒り豆なんて入れなきゃいけなかったから……」
「炒り豆?なんだってそんなもん入れたんだ」
「今更隠しても仕方ないから言うわ。元々今回の目的は、伊吹鬼へのリベンジだったのよ。
貴方に邪魔されないために遠ざけたかったの」
-
「はあ?そんな事のためにこんな面倒なことをさせたのか。
萃香へのリベンジなんざ好きにすればいいだろう。いちいち私の顔色をうかがわなきゃ何も出来んのかお前は」
「あんたはいちいち挑発しなきゃ会話も出来ないのかしら。
どの道失敗だったし、本当はクッキーなんてどうでもよかったのよ」
「何から何まで無駄だったな、今日は」
「ほんと。まあ胡蝶夢丸の予備を貰えただけで良しとしましょうか」
-
と、ここでひとつ疑問が出てきた。
魔理沙にとっては重要で、ある種どちらでもよいことであるが。
「私たち今二人分のクッキーを食べたよな?胡蝶夢丸とナイトメアの両方を食べてたらどうなるんだ?」
「ナイトメアの効果がでるわ。ほんと余計な気を回してくれるんだから、あの医者……」
「待ちなさい、胡蝶夢丸がこのクッキーに入ってるの?聞いてないわよ」
「言ってないからな」
「そう悪いものじゃないわよ」
「常用してるやつに言われても説得力ないわよ、この薬中」
「まあ既に時遅しだ。おとなしく夢を楽しむんだな。
それじゃあ私は夢を見に帰るから。いい夢見ろよ」
そう言うと魔理沙は箒に跨りすっ飛んでいった。
まるでスコールみたいね、とアリス。
霧雨と掛けたの?別に上手くないわよ、と霊夢。
ただいま午後六時。ちょうど日が沈む時刻であった。
-
これで幻想郷のほんの一部を巻き込んだクッキー作りのお話はおしまい。
明日にはすっかりいつも通り。
またいつもの人間と妖怪たちの殺伐とした平和な日常が始まるだろう。
ずっとずっと未来に、こんな日もあったね、とふと思い出せる。
そんなちっぽけな一日でありますように。
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ぐう面白かった
無印クッキー☆はそこそこ原作に忠実だと思ってたけどこうしてみるとやっぱりそうでもないんすね
原作愛がないと書けない内容+1145148101919187点
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まだエピローグがあります
ダーウイン見終わったら投下します
あらかじめ謝っときます ごめんなさい
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〜レミリア・スカーレット〜
「喰らうといいわ!私の最強の体術を!」
決まった。高速でぶち込んだ私の拳があの高飛車女の腹に突き刺さる。
弾幕じゃないって?私自身が弾なのよ、文句あるか。
あの月人の首に手刀を添えてチェックメイト。
やった!私の完全勝利よ!
咲夜と魔理沙はいい前座になってくれたわ。あれだけ盛り上げてから私の勝利となれば、スタンディングオベーション間違いなしね。
霊夢は出番なしよ。悪いわね。でもこれで霊夢も私の真の実力に気づいたでしょう。
紅魔館に移住したいならいつでも待ってるわ。
そう思って霊夢にウィンクを飛ばす。
決まった。
「これより月の都は、このレミリア様が手中に収める!」
「はっ……夢か……」
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〜パチュリー・ノーレッジ〜
「完成よ。五行『エーテルスパーク』。魔理沙のマスタースパークでも正面から打ち破れる……」
「本を盗みに来たぜ〜」
「飛んで火に入る夏のなんとやら。くらいなさい、エーテルスパーク!」
「マスタースパーク!ダメだ負けた」
「やったわ。今まで盗んだ本も全部返すことね!」
「うへえ、パチュリーには敵わんぜ。本もお返しします」
「………………なんて夢。お粗末すぎでしょ…………」
-
〜小悪魔〜
*おおっと*そう簡単に私の夢は見せませんよ。
残念でした。
私は小物なもので、なるべく手の内は晒したくないんですよ。
それにしても人の夢を覗くなんて、相変わらず悪趣味なことしてますねえ。
なーんて、誰が見ているのかは全くわからないんですけどねー。
-
〜紅美鈴〜
「き、貴様!太歳星君!なぜ再びここへ!?」
「ふははは、あれでわしが滅びたとでも思うたか?
この姿とて影のひとつ。力を集めれば何度でも蘇る!
お主のごとき小娘にどうこうできる相手ではないわ!」
「くっ、何てこと!まさかこいつと二度合間見えることになろうとは……」
「さあ往生せい!中華小娘!大ナマズは世界とて呑みこむぞ!」
「舐めるな、デカブツめ!今の私はあの時の10倍強い!
貴様なんぞに、負けるかあああああああ!」
美鈴の勇気が幻想郷を救うと信じて!
ありがとうございました!紅先生の次の夢に御期待下さい!
-
〜十六夜咲夜〜
「咲夜よ、これまで良く尽くしてくれた。
私にはお前なくしてこの生はないよ」
「勿体無きお言葉。この十六夜咲夜、身に余る光栄でございます」
「……本当に人間のまま死ぬのだな」
「はい、私は一生死ぬ人間であると決めましたから」
「…………本当に、良く、尽くしてくれた」
「勿体無きお言葉です」
「うーん、いい夢ね。さすが月人。いい薬だわ」
-
〜アリス・マーガトロイド〜
〜霧雨魔理沙〜
〜博麗霊夢〜
霊夢「(ずずずっずぞぞぞぞ〜)ぷはー今日もいい天気」
アリス「あ、霊夢。またサボり?」
霊夢「休憩中よ」
魔理沙「きっと今日は休憩の日なんだよ」
アリス「じゃあ、明日は?」
魔理沙「神社閉店の日」
霊夢「くぉら!」
魔理沙&アリス「きゃっ」
霊夢「……あ〜、アンタたち、ホントに仲いいわね…」
アリス「そうそう、今日は霊夢のために、おみやげを持ってきたのよ!」
霊夢「あら、ありがとう。それじゃあお茶を用意するわね」
魔理沙「霊夢ぅ〜、特級茶葉で頼む!」
霊夢「はいはい……⑨番茶でいいわね」
-
魔理沙「やっぱりアリスが作るブラウニーはうまいな。生地がしっとりしていて、それでいてベタつかないスッキリした甘さだ。ココアはバンホーテンの物を使用したのかな?」
アリス「フフフ、ありがとう魔理沙」
霊夢「ホントに美味しいわね。でも、作るのはいつもアリスね。……魔理沙が作ったりとかしないの?」
魔理沙「えー?私だって作ることはあるぜ?」
アリス「あら?魔理沙が作ったお菓子なんて食べたことあったかしら?」
霊夢「アリスが食べたことなかったら誰も食べたこと無いんじゃない?」
魔理沙「そんなことないだろ!?この前、作ってやったハズだぜ!ほら、この前もらったバレンタインのおか……え……」
アリス「もらったかしら?」
魔理沙「あーっ……」
霊夢「わたしもあげたけど、お返し無いわね〜……義理だけど」
魔理沙「あああああああああ!!忘れてたああああ!」
-
アリス「わっ!ちょっと魔理沙!?」
魔理沙「ホワイトデイ!ごめん!!忘れてた!そこでだアリス!悪いがもう少しだけ、追加で待っててくれないか?待っていたらたぶん、魔理沙さんの素敵なプレゼントが先着1名様にもれなく配られることになるはずだ!たぶん!」
霊夢「先着1名……私には無いのね」
魔理沙「霊夢はたくましく生きていてくれ!」
霊夢「ちょっと待て!!!」
魔理沙「では諸君っ!さらばだー!!」
-
霊夢「恋する乙女のパワーは凄いわね〜」
アリス「え!恋なんて……そんな、もう!霊夢ったら……ばかぁ〜」
霊夢「はいはい、ごちそうさまでした」
アリス「お粗末さまでした(ペコリ)」
霊夢「……」
アリス「……」
霊夢「あーっ……、でも魔理沙がお返しを忘れてたとはねー」
アリス「いいのよそんなこと。私は魔理沙といっしょにいるだけで幸せを感じられるんだから」
霊夢「はいはい、ごちそうさま」
アリス「お粗末さまでした(ペコリ)……」
-
萃香「霊夢ぅ〜、客か?」
霊夢「アリスよ」
アリス「萃香、こんにちわ。よかったらこれどう?」
萃香「イカスミ焼き?」
霊夢「お菓子よ!この酒飲みが!」
アリス「はい、萃香☆」
萃香「あっ……まい!!」
霊夢「お菓子だからね」
アリス「はい!霊夢も」
霊夢「えっ!?わっ、ちょっ……(ハグ)……おいしい。じゃ
あ、アリスにも。(クイッ)」
アリス「(はぐぅ)ぅんぐっ!じゃあ、霊夢にもう一回〜(ニヤニヤ)」
萃香「わたしも食べさせる〜」
霊夢「おまえら……」
-
チルノ「あたいー」
ルーミア「そーなのかー」
大妖精「隣の垣根に囲いが出来たんですって!」
美鈴「へー」
咲夜「お仕事の最中におしゃべりとは、随分と大層な御身分ね〜?」
大妖精「あっ!……どっ、どうも(ぺこり)」
美鈴「……さっ咲夜さん!!……やっ、その、え〜とですね……そう!門の中には進入させていません!」
咲夜「そう、仕事は全うしていると言う訳ね」
美鈴「……進入されてしまいました〜」
-
魔理沙「よー、パチュリー!遊びに来たぜ!」
パチュリー「ゲホッ、ゲホッ……あなたはいい加減、ドアから入るって事を覚えなさい」
魔理沙「それで……今日は本を借りに来たんだ」
パチュリー「ギャー!!もってかないでー!」
魔理沙「大丈夫!ちょっと借りるだけだ」
パチュリー「借りる?盗むの間違いじゃない?」
魔理沙「いや返す気はある」
パチュリー「気だけでは帰ってこないわ」
魔理沙「気持ちだけでも受け取ってくれ」
パチュリー「モノをよこせ」
魔理沙「現金だなーパチュリーは。うぉっ!」
-
咲夜「魔理沙、また泥棒に来たの?」
魔理沙「よう咲夜!今日も素敵な手品をありがとう!」
咲夜「あなたは相変わらず騒々しいわね〜」
小悪魔「はぁはぁ……、パ、パチュリー様。また魔理沙さんが、やらかしたんですか!?」
パチュリー「その言い方だと、漏らしたみたいね」
魔理沙「わたしは子猫じゃないぜ!」
小悪魔「それは大変失礼しました(ペコリ)……じゃなくて!魔理沙さんいい加減壁を突き破ってくるのやめてくださいよぅ!」
魔理沙「そうだ咲夜、あとで厨房貸してくれないか?」
小悪魔「って魔理沙さん全然わたしの話聞いてないし。わたしイジケちゃうし」
-
咲夜「なにか作るのかしら?貸すのはいいけど、さすがに厨房はあとで返してね」
魔理沙「ああ、アレは私のポケットには、ちょっと大き過ぎるからな」
パチュリー「あっ!(ポン)、本をでかくすれば盗まれない?」
小悪魔「そーいう問題ではありません!」
咲夜「……で、アリスかしら?」
魔理沙「いや……まぁ……そう、アリスに、美味しいお菓子をプレゼントしようと……」
パチュリー「あら、あなたにも可愛いとこ、あるのね」
魔理沙「可愛いの?」
パチュリー「うん」
魔理沙「照れるぜ」
咲夜「私も作ろうかな」
三人「え!?」
-
小悪魔「えーと、お嬢様にでしょうか?」
咲夜「さて、誰のでしょうね〜」
咲夜「というわけで、一緒に作りましょうね、魔理沙☆」
魔理沙「ええっ!い、いいよ!ひとりで出来るって!」
咲夜「あなただけだと、料理が出来ても厨房が大惨事になりそうだから」
パチュリー「うんうん、まさに推して知るべしね」
小悪魔「あの〜、私もご一緒してよろしいですか?」
咲夜「パチュリー様に?」
小悪魔「えっ!……は、はい!」
パチュリー「小悪魔のお菓子は好きよ。やさしい味がするから」
小悪魔「はい!!精一杯がんばらせて頂きます!」
-
まさかの展開に草生える
-
魔理沙「厨房には女3人……女3人で姦しい(かしましい)ってヤツだな」
パチュリー「魔理沙……あなた意味を分かって言っているの?」
魔理沙「知らん!」
咲夜「いばるな!で、魔理沙は何を作りたいの?」
魔理沙「そーだなぁ〜このクレープ・マリエットってヤツにしようかな」
咲夜「アンタねぇ……お菓子作り初心者がそんな難しいの作ろうとしたら、どうなるか分かる?」
魔理沙「そんなもんか?うーん……じゃあこのクッキーは?チョコクッキー」
小悪魔「へ〜、プレーンクッキーにチョコソースを付けるのですか」
魔理沙「ああ、チョコで顔とか描いたりな」
小悪魔「あ、それ面白そうですねぇ」
-
咲夜「そうね、それくらいが妥当かしら……あら?」
魔理沙「ん?どうした?」
咲夜「おかしいわね……」
小悪魔「どれどれ?(ひょい)あーこれはこれは」
魔理沙「だから、どうしたんだよ?(ひょいっと)あっ……」
咲夜「チョコが無い」
小悪魔「タマゴも無くて」
魔理沙「作れない……」
三人「あぁ〜あ」
-
レミリア「あら?三人そろって珍しい」
咲夜「あ、お嬢様。いえ実は、クッキーを作ろうとしたら材料が無くて困ってたんですよ」
魔理沙「まったく品揃えの少なさにビックリだぜ」
小悪魔「魔理沙さん、うちはお菓子材料の店ではありませんよ」
レミリア「ああ、材料が無いっていうのは、私とフランで使ったから無いのよ」
咲夜「え!?お嬢様は料理をされるのですか?」
レミリア「私じゃなくて、フランがどうしても作りたいって言うから。わたしは現場責任者として居ただけよ」
-
咲夜「それで出来たものは?」
レミリア「無いわ」
魔理沙「つまり無を生み出したワケだな」
小悪魔「魔理沙さん、深いですね〜」
レミリア「深くはなくて、浅いわよ。結局散らかして、片付けて終わりよ」
魔理沙「遊んでポイか」
咲夜「もー、食べ物を粗末にしないで下さい」
レミリア「フランに言って!」
咲夜「あ〜しょうが無いわね〜」
-
魔理沙「どうする、材料がないとクッキーが作れないぜ?」
小悪魔「そうですねぇ……」
咲夜「よし、魔理沙。材料の調達をしてきて」
魔理沙「まて咲夜、お前も一緒に来い」
咲夜「わたしは適任ではないわ」
魔理沙「なぜ私だけなんだ?」
咲夜「魔道シーフだから」
魔理沙「お前も盗んでただろ。ロケット作るのに、うちに忍び込んで八卦炉を取ろうと。得意の手品を使うんなら、私より適任だ」
咲夜「逃げ足で言えば、魔理沙が最速で適任よ」
-
小悪魔「あの〜、盗むの前提なんですね〜」
魔理沙「払ったら負けだ」
小悪魔「たまには負けましょうよぅ〜」
咲夜「ふむ、私も同行しましょう」
魔理沙「どうした?」
咲夜「あなたの負ける姿が見たい」
魔理沙「私は負けない!!」
小悪魔「それは結局、盗むということじゃあないですか〜」
-
アリス「あら?魔理沙と咲夜?」
咲夜「こんちにわ、アリス」
魔理沙「あれ?霊夢のとこにいたんじゃないのか?」
アリス「二人とも酔って寝ちゃったから」
魔理沙「なんで緑茶飲んでて、酔っぱらうんだ?」
アリス「萃香がいたから」
魔理沙「なるほど、飲んだのか」
アリス「ふたりは、お菓子の材料買いに来たの?」
魔理沙「そーだが、ココはアリスのよく来る店か?」
アリス「そうよ、大抵のモノが揃うからね」
-
魔理沙「そーなのかー……う〜ん」
咲夜「何かまずいの?」
魔理沙「美味しいものを作ろうとしてるが……ちょっとまずいな」
咲夜「まずいのはダメね」
魔理沙「アリスには今まで食べたことの無い味を堪能してもらいたいんだ」
咲夜「なるほど!ここのお店の味は、アリスは知ってるわけね!」
アリス「店の味って……材料屋だけど……」
咲夜「全部じゃなくても、どれか1つでも奇抜な材料があればいいんじゃない?」
アリス「……その、奇抜な食材を食べるのは私なんだけどー」
-
魔理沙「あ、そうだ!」
咲夜「どうしたの?」
魔理沙「タマゴも無かったよな?」
咲夜「そうね」
魔理沙「買ったのではなく、産みたてなんかどうだ?」
アリス「誰が産むの?」
咲夜「魔理沙が産むの?」
魔理沙「私は鳥ではない。だが、鳥の知り合いはいる」
咲夜「夜雀(よすずめ)ね!」
魔理沙「ちょっ!食材の出所は知っときたいから、私も付いてく!」
-
ミスティア「ぎゃーーっ!!」
魔理沙「待てーーーーっ!!」
咲夜「おとなしく卵を産んでくれれば危害は加えないわ!」
ミスティア「無理無理無理っ!産めない!というか危害すでに加えてるじゃないかー!」
アリス「……」
魔理沙「ちょこまかと!ええい!!マスタースパーク!」
幽香「あらー?面白い花火を上げる輩(やから)がいると思ったら……懐かしい顔ね」
魔理沙「なっ!?幽香」
アリス「魔理沙!」
咲夜「どうやら、厄介なところに紛れ込んだようね」
ミスティア「ひーーーーーーーーーっ!!」
-
幽香「お久しぶり、魔理沙。ところで、あれが何か説明してくれない?」
魔理沙「(咲夜、アリス)」
咲夜「(うん、わかった)」
アリス「(みんな無茶しないで)」
幽香「どうしたの?答えられないの?なら……答えられるようにしてあげるわ!!!」
魔理沙「咲夜!」
咲夜「はい、タネ無し手品でございま〜す。幻在「クロックコープス」!」
幽香「フン」
魔理沙「恋符「マスタースパーク」!」
幽香「あらハズレよ。お返し、マスタースパーク」
魔理沙「うわあああぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
アリス「魔理沙ぁぁぁあぁぁーっ!」
-
魔理沙「う、う〜ん……あれ?ここは?」
アリス「魔理沙!?」
小悪魔「気付かれたんですか?」
咲夜「おはよう魔理沙」
魔理沙「幽香は?」
咲夜「花畑を荒らしたのは私たちです。ごめんなさい。と言ったら許してくれたわ」
魔理沙「そーか……うん、よし!次は勝とうぜ!」
咲夜「何気にタッグを組もうとしないで」
アリス「そうよ!もう危ないからやらないでね!」
小悪魔「そーですよー、もしリベンジするにしても、私は巻き込まないで下さいね〜」
魔理沙「お前には100年早い」
小悪魔「ひどっ!」
-
魔理沙「アリス……そーだな、自重するよ」
アリス「うん!」
咲夜「それでは、お菓子作りを始めましょうか」
小悪魔「そーですね」
魔理沙「というわけで、プレゼントされる人は出てって下さい」
アリス「はい!……あ、出て行く前にコレを!」
魔理沙「これはどうしたんだ?」
咲夜「気絶したあなたを連れ帰る途中で、蓬莱人に会ったの」
魔理沙「永琳?」
咲夜「そう、たまごを探してるって事情を話したら恵んでくれたのよ」
小悪魔「永琳さんのたまご?大丈夫ですか?」
アリス「地獄カラスのたまごinビックリセット!だって」
小悪魔「びっくり?」
魔理沙「危険そうな……」
アリス「なんでも……5個中、1個がハズレだって」
小悪魔「こわっ!?」
魔理沙「ハズレはどうなるんだ!?」
咲夜「割ってみてからのお楽しみね」
-
小悪魔「魔理沙さん、お湯ください」
魔理沙「おう、粉と混ぜるのか?」
小悪魔「混ぜないで下さい!!バターを湯せんするんです」
咲夜「天ぷらじゃないんだから」
魔理沙「クッキーの天ぷら?」
小悪魔「気持ち悪いです」
咲夜「じゃあ、わたしはチョコを溶かしておくわ。魔理沙、こっちにもお湯」
魔理沙「よっしゃ!」
咲夜「だからお湯を入れるな!」
小悪魔「で……でわ、たまごを入れます」
魔理沙「ドッキドッキ」
咲夜「ごくり」
小悪魔「ここは思い切って……えい!ゲホゲホガハゲホッ!」
魔理沙「ぐぇーーーー、か、辛い〜〜〜っ!?」
咲夜「けほけほ……からしの〜霧〜」
魔理沙「ひっどいぜ(げほげほ)」
小悪魔「ギャー、目が〜目が〜。では気を取り直して、他のたまごを入れます」
-
魔理沙「それは大丈夫なのか?」
咲夜「味見したら?」
小悪魔「怖くてできません」
アリス「なによ?顔に何か付いてる?」
パチュリー「な、なんでもない(アセアセ)(死相が見えた気が……)」
-
魔理沙「お湯はいらんか〜?」
小悪魔「もー要りません!」
魔理沙「ケチー」
咲夜「魔理沙、オーブンの用意!」
魔理沙「おう!さて、嬉し恥ずかし、チョコ落書きタイム!」
小悪魔&咲夜「おーっ!」
魔理沙「さて、何を描こうか?」
咲夜「オーソドックスに、愛の言葉とかどう?」
小悪魔「『君の瞳に映る、わたしが美しい!』というやつですね」
咲夜「ただのナルシストね」
魔理沙「え〜と……『好きだよ』」
咲夜「わたしは顔を描くわ」
小悪魔「あっ!わたしもパチュリー様を描く!」
魔理沙「あっ!ちょっ!?それならわたしもアリスだ!」
-
小悪魔「そーいえば、チョコで描いても、固められなかったらベタベタなままですよね〜」
咲夜「時を止めて凍結する?」
魔理沙「そしたら破壊不可能なクッキーになるぞ」
小悪魔「硬度10以上の難攻不落のクッキーですか!?」
魔理沙「それではヤバイのでこれを使う」
チルノ「魔理沙、あたいは何をするんだ」
咲夜「なるほど」
小悪魔「冷えたら美味しそうですね」
-
魔理沙「よっしゃああ!完成だぜ!」
咲夜「うん、上出来!」
小悪魔「魔理沙さんおめでとうございます!」
パチュリー「騒がしいと思ったら、やっと完成したようね」
小悪魔「あ!パチュリー様!そうです!出来たんです!だ
からコレを!」
パチュリー「わっ!わたしの顔!?」
小悪魔「そーです!」
パチュリー「うまく描けてるわね」
小悪魔「ありがとうございます!わっ!?」
パチュリー「うん、美味しいわよ、小悪魔」
小悪魔「あ……美味しかったですか」
咲夜「食べても大丈夫みたいね」
魔理沙「これで安心だぜ」
パチュリー「……何やら不安な会話が……」
-
魔理沙「パチュリー、アリスはまだ図書館か?」
パチュリー「あー、少し焦らすのもいいかもねって、博麗神社に行ったわ」
咲夜「逃げたのかしら?」
小悪魔「食べても大丈夫だって伝えないと」
魔理沙「そうだな!行ってくる!いろいろアリガトなー!」
パチュリー「本は大事に扱って!」
小悪魔「返すなんて珍しいです。感謝の気持ちですかね?」
咲夜「もー料理する気が無いだけかも。爆発したり、死に掛けたり」
パチュリー「危険ね」
小悪魔「普通、料理で命に危機は訪れません!」
-
魔理沙「そーこーをーどーけーーっ!」
お空「うにゅ?」
魔理沙「いててて、どけって言ったろ空……」
お空「いたたたた、どけと言われてどくヤツがあるか!?」
魔理沙「普通はどくぞ」
お空「知らなーい」
魔理沙「なんなんだー?うん?……あっ」
-
霊夢「お、来たみたいね」
アリス「うふふふふっ」
魔理沙「……アリス〜」
霊夢「おや?」
アリス「どうかしたの?」
魔理沙「これ……」
霊夢「ハートが見事に割れてるわね」
魔理沙「ごめんな、こんなプレゼントで。ハート型、がんばったんだけどね、ハートのクッキーを、アリスに食べさせたかった……」
-
霊夢「魔理沙……」
アリス「……魔理沙」
魔理沙「うん?」
アリス「これ持って」
魔理沙「お、おう」
アリス「それとこれ。ね、こーして合わせると」
魔理沙「あは、はーと☆」
アリス「ほら、全然壊れてないよ。魔理沙の気持ち」
魔理沙「ありがとう、アリス!」
アリス「じゃあ、がんばったご褒美!」
魔理沙「あんぐっ。おいひい」
アリス「おいしかったんだ!」
魔理沙「うん!おいしいよ!」
アリス「じゃあ、わたしも食べて平気だね!」
魔理沙「……わたしで毒見させるな!させるなら霊夢にしろ!」
霊夢「待てコラガキ!」
アリス「アハハハハハハッ☆」
-
美鈴「グーグー。ギャーー!」
咲夜「寝てるな!」
美鈴「ごめんなさいー」
咲夜「どーして寝てるのかしら?」
美鈴「ごーめーんーなーさーいー」
咲夜「門番の仕事をちゃんとやりなさい」
美鈴「はい!がんばります!!」
咲夜「これからがんばってくれるのね?」
美鈴「はい!」
咲夜「じゃあ、がんばってくれるんなら、」
美鈴「はぐっ……」
咲夜「プレゼント」
美鈴「……おいしい」
咲夜「そう、よかった☆」
美鈴「咲夜さん、すみません」
咲夜「なに?あっ……」
美鈴「お返しです」
咲夜「うん、ありがとう」
-
「なによこの夢……」
「…………うん、貴重な経験だ。前向きに考えよう」
「……私がハズレを引くとは思わなかったわ……気持ち悪」
おしまい☆
-
アルコ
-
すいませんでした
本当に終わりです
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おめでとうございます。読みました。面白いなと思いました(AILE並感)
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予想はしていたが怒涛のほんへに草まみれや
+114514893点
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(一応)今日の投下分>>135からです
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申し訳ないが原作批判はNG
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クッキー☆実況は醒めることのない悪夢だった…?
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>>151
ファッ!?
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真夏の夜の同夢・・・
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もこカス冷えてるか〜?
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なんで無事完結したのに冷える必要なんかあるんですか(正論)
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IDやったぜ
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