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サトシ「俺の未来と過去」
1
:
名無しのデデンネ
:2015/03/07(土) 02:31:58 ID:WVIWsqbI0
ゆっくり、ぐだぐだと書き込み、初SSだから読み辛い、誤字脱字勘弁
大人になったサトシたちがまともに生きているSSがないからカッとなってやった後悔はある
楽しんでいただけたら幸いです。
74
:
名無しのデデンネ
:2015/03/22(日) 04:49:09 ID:yFBmEt/Y0
「ありがとう、ハルカ、皆も。こんな俺にここまでしてくれて・・・本当になんて言っていいのか・・・」
「違うさ、サトシ」泣きそうになった俺の肩をたたいて、タケシが言った
「ここにいるみんな、お前が自分のやりたいことに向かって頑張ってる姿が大好きなんだよ。
その姿をもう一度見たい、一緒にまた夢を追いかけたい、そう思ったからここにいて、お前と話してるんだ。
もし、そのことを感謝するなら、どんな道でもいい、お前が選んだ道を一生懸命走って行ってくれ。それが俺たちへの恩返しになるからさ。」
タケシの言葉にやっぱり俺は涙を流しそうになった。そこへ、
「まったく、大人になって親の前で涙を見せる子供がいますか。サトシ、皆、ご飯お待たせ!おかわりもあるからたっくさん食べてね!」と母さんがシチューを持ってやってきた。
75
:
名無しのデデンネ
:2015/03/22(日) 04:58:03 ID:yFBmEt/Y0
中途半端なところですが今回はここまでです。
專ブラを使ってみましたが携帯で読んでいる方は読みにくいところがあったかもしれません。もう少し工夫してみます。
皆さんのアドバイスのおかげでSS初投稿の自分のSSも最初のころと比べてだいぶ読みやすくなっていると思います。(最初がひどかっただけかもしれませんが・・・)
まだまだ問題点やつたない文章など改善すべきところは多々ありますが皆さんに少しでも楽しんでいただけたら嬉しいです。
76
:
名無しのデデンネ
:2015/03/22(日) 09:35:37 ID:WcqdowjA0
個人的には今のままでも好きよ
77
:
名無しのデデンネ
:2015/03/24(火) 21:06:51 ID:xp/96tp.0
支援
78
:
名無しのデデンネ
:2015/03/28(土) 04:49:00 ID:h885h9FM0
「サトシ、せっかく皆が集まったんだ、辛気臭い顔するなよ。」
「そうよ、今日は楽しんで、明日悩んで、答えを出せばいいじゃない!そん時に感謝してくれればいいわよ」
二人の言葉に俺は涙を拭いて、顔をあげて答えた。
「ああ!せっかくだ、皆で盛り上がろうぜ!」
それからは皆で母さんが作ってくれた料理を食べながらいろんな話をした。
かつての旅の思い出、出会った人たちのこと、今の仕事の話、これからの目標。そんな他愛のない話をして時に盛り上がり時にしんみりとした雰囲気にもなった。でもやっぱり皆と話す時間は楽しくて、かけがえのないもので、そしてそういう時間ほど早く過ぎてしまう
のであった。
翌朝。タケシが帰り、カスミが帰り、ハルカとヒカリが仕事のために俺の家を出た後、俺は皆の残してくれた資料を見比べながらベットの上で唸っていた。どの道に進むのが良いのか、そしてその後どういう人生を歩むのか、悩みは尽きない。
相棒のピカチュウは昨日の疲れが出たのか俺の横でぐっすり眠っている。その横顔を見ていたら俺もだんだんと眠くなってきた。
「少し眠ろう・・・」だれが聞いてるわけでも無いのに俺は一人呟くとベットに潜り込み目を閉じた・・・その時だった
79
:
名無しのデデンネ
:2015/03/28(土) 04:50:02 ID:h885h9FM0
正直に言って面倒くさい、せっかくひと眠りしようとしたところなのに・・・相手には悪いがここは狸寝入りさせてもらおう。そう考えた俺だったが母の次の言葉で飛び起きることとなる。
「サトシ、聞こえないの?セレナちゃんからあなたに電話よ!」
「なんだって!?」聞くが早いが、俺はベットを飛び出し、一階のテレビ電話のあるリビングへ向かった。
「来たわね、待たせてごめんね、今代わるから。」そう言って母さんは俺に受話器を渡し、リビングから出て行った。気を使ってくれたのだろうか?ともかく俺は受話器を取り、テレビ電話の画面に視線を向けた。
「久しぶりね、サトシ」「ああ、その、久しぶり」画面に映るセレナは十年前とあまり変わっていなかった。だが格段にきれいになっているのは俺でもわかった。
そう、十年前。それから俺たちは顔を合わせたことはなかった。なぜなら・・・セレナも俺と同じ夢を諦めたものだったからだ。
80
:
名無しのデデンネ
:2015/03/28(土) 04:51:30 ID:h885h9FM0
すいません、続きも急いで書き上げております、なんかすごい中途半端でちんぷんかんぷんな終わり方ですが、どうかご容赦を・・・
81
:
名無しのデデンネ
:2015/04/02(木) 05:19:23 ID:UOPPfMpk0
生存報告です。しばらく暇がなく思うように続きがかけない日々が続いています。でも、頑張って完結させたいと思うので、もう暫しお待ち下さい。
82
:
名無しのデデンネ
:2015/04/02(木) 09:06:40 ID:9HNIckoQ0
無理せずにな〜
支援してる。
83
:
名無しのデデンネ
:2015/04/06(月) 03:06:21 ID:LXJWOhdI0
今から十年ほど前、ポケモンマスターを目指した俺の旅は、カロス地方で終わりを迎えた。当時一緒に旅をしていた仲間、先に話題に出たシトロンとその妹ユリーカは残念そうにしていたが、俺の決めたことならば、と納得してくれた。
だが、セレナは最後の最後まで俺を説得しようとしていた、ある時は俺に発破をかけるためにバトルをしかけてきたり、またあるときには正面切って話し合い、あの手この手で俺の考えを変えようとしてきたのだった。正直に言えば気持ちが揺らいだこともあった、だが
俺もセレナと話し合い、ぶつかり合い、気持ちを伝えあった。その結果、ついに彼女も俺の旅の終わりを納得してくれたのだった。
別れの日、セレナは俺にむかって「私がサトシの分まで夢を叶える!」と宣言してきた。セレナの夢、ポケモンパフォーマーとして認められる日が来ることを信じ、大粒の涙を流しながら別れを告げる仲間たちを背に、俺は船に乗りこのマサラタウンに帰って来たのであった。
マサラタウンに帰って来た俺は、勉強に勤しむ傍ら、たびたびトライポカロンの結果をチェックしていた。
セレナは頑張っているだろうか?その努力は報われているだろうか?期待と不安の入り混じる気持ちで俺はカロス新聞を読んでいたものだ。
最初の頃、セレナは優秀な成績を残し期待の新星として注目されていた。大会に出て優勝することも珍しくなく、セレナが夢を叶える日は遠くないと思っていた。だが・・・
84
:
名無しのデデンネ
:2015/04/06(月) 03:07:36 ID:LXJWOhdI0
コンテスト結果でだんだんとセレナの名前を見ることが少なくなっていった。本当に少しずつ、徐々に徐々に順位を下げていくセレナに対して、俺はきっとまた盛り返すはずだと信じて疑わなかった。
しかし俺の願いも虚しくとうとうセレナが入賞者に名前を連ねることはほとんどなくなり、新聞やテレビで新たなパフォーマーが取り上げられるようになった頃、セレナの母親からセレナが旅を終えたことを電話で知ったのであった。
普通ならそこで慰めの言葉をかけたりするのが仲間、友達というものだろう。しかし・・・俺はできなかった。
なぜなら俺自身に負い目があったからだ。もしかしたらセレナは俺との約束にプレッシャーを感じていたのかもしれない、順位が下がり始めたときも一度心をリセットして仕切りなおすことだってできただろう。だが、俺との約束がセレナにそれを許さなかったのではないか?急ぎ順位を立て直さないといけない、盛り返さなければならない。そんな思いがセレナを追い詰めていったのではないか?
そんな思いが俺がセレナに声をかけることをためらわせた。それに俺だって夢を諦めたものだ、そんな俺が何を言えばいいのだろう?むしろ惨めな思いをさせるだけじゃないのか?そんな言い訳を重ねてセレナと会話する機会から逃げてしまっていたのであった。
今、セレナとこうして話をするのはそんな自分にけじめをつけるためであり、そしてセレナにも謝る機会が欲しかったからだった。
こうしてテレビ電話とはいえセレナと面をむかって話すのは緊張する、何か・・・何か話さなくては・・・気まずい沈黙を払うために必死に言葉を探す俺だったが、そんな俺にセレナはたどたどしく緊張した顔で予想を超える言葉をかけてきた
「サトシ、その、えっと・・・本当にごめんなさい。ずっとずっと謝りたかったの。」
85
:
名無しのデデンネ
:2015/04/06(月) 03:08:21 ID:LXJWOhdI0
本当に予想外だった。それは俺が言わなければならない言葉だ。なぜセレナが俺にむかって・・・
「代わりに夢を叶えるとか言っておいてその、こんな風にその、えっと・・・」
「そんなことない!謝るのは俺の方だ!」セレナの言葉を切って俺は叫んだ、そして俺が思っていたことを全部ぶちまけた。謝らなきゃいけないと思うことも、自分の負い目も、すべて。セレナは黙って俺の言葉を聞いてくれた。そして俺の話が終わった後、セレナは一言「同じだよ、私も」と呟いた。
「夢を叶えられなっくてあわせる顔がないから、とか言ってずっとサトシから逃げてたの。本当はただこんな情けない姿サトシに見られたら嫌われちゃうんじゃないかって不安で、謝ることもしないで、それで・・・」
セレナはそういって涙を流し始めた。俺がマサラタウンに帰ったあの日のように。
「結局さ、俺たち同じこと思ってたんだな。お互い相手のことを考えてたけど怖くってあと一歩が踏み出せなかったんだ。」
「そうだね、本当に馬鹿みたい。」
「でも今こうやって最後の一歩をお互い踏み出して言いたいこと言えて、また目を見て話せるようになって・・・また昔みたいに話せるようになったんだからさ、それでいいじゃん」
「うん!本当に良かった!」セレナはそう言って俺に笑顔を見せてくれた。またこの笑顔が見れるようになってよかった。俺は心からそう思った。
それから俺たちはたくさんのことを話した、旅を終えてからあったこと、昔の思い出、カロス地方のみんなはどうしているのか?など本当にたくさんのことを話した、まるで十年間話せなかったことを埋めるように。
86
:
名無しのデデンネ
:2015/04/06(月) 03:09:23 ID:LXJWOhdI0
「シトロンから聞いたよ、サトシ色々なところからスカウト来て大喜びだって!」
「そんなこと・・・あるけどさ、けど一気に来られても迷うし、悩むよ、もちろんみんなの好意は嬉しけどさ」
俺は正直な感想を伝えた、普通そうだろ?そしてもちろん今度は俺がセレナに聞く番だった。
「セレナは?今何してるんだ?」「え?ええっとねぇ・・・」いやに歯切れが悪い、まさか・・・
「まさかセレナ、俗にいうニートってやつになってるんじゃ・・・?」「違う!失礼な!」良かった、最悪のパターンは回避したようだ。
セレナはこほん、と咳払いをしてポケットから一枚の紙切れを取り出した。
その紙には「カロスマッピングブック出版 代表 」という肩書と共にセレナの名前が印刷されていた。
「ええっとね、その、私!企業いたしました!」ハイパーボイス級の大声でそう言ったセレナは照れ臭そうに顔を赤くしていた。
俺?ああ予想の斜めどころか次元を超えるレベルの衝撃事実にひんしになりかけた。うん、割とマジで。
87
:
名無しのデデンネ
:2015/04/06(月) 03:19:36 ID:LXJWOhdI0
大変お待たせしました、前回より約2週間ぶりの投稿です。楽しんでいただけたら嬉しいです。
支援してくださった方ありがとうございます。あともう少しで終わりになると思いますので、また感想等を聞かせていただけたら嬉しいです
あとこれはあまり関係はないのですが、アイリスが好きな方々お詫びします、このSSアイリスを出す予定がありません、ヒロインのなかで唯一出番が作れず申し訳ないです。
続きは近いうちにアップ予定ですのでまたご覧になってください。それでは
88
:
名無しのデデンネ
:2015/04/13(月) 06:33:23 ID:t/bbNoCM0
「起業って会社作ることだよな?ってことはセレナは社長ってことか?」
「そうだけど、別に全然大したことじゃないよ!社員私一人だもん。」
「そこじゃなくて、会社を立ち上げることがすごいよ!いったい何をする会社なんだ?」
俺の質問にセレナはやや誇らしげに説明を始めた。
「うーんとね、簡単に言えばタウンマップ作ってる会社だよ。」タウンマップとは名前の通り地図のことだ、冒険をするうえで欠かせないものだが、最近はデータ化して手持ちの携帯機器にダウンロードする方が主流だ、なぜそんな会社を作ったのだろうか?
「正確に言えばガイドブックの方が正しいかも、それにその町までの詳しい行き方、道中のポケモン紹介、観光名所やらトレーナーとして覚えておきたい施設の紹介などなど、いろいろ盛り込んであるのが私の出してる本かな。実はポケモンリーグの推薦図書の一つだったりするんだよね、これが」
「すごいじゃないか!推薦図書だなんて!でもいったいなんでそんな会社を作ろうと思ったんだ?」
「それは・・・私たちと同じ夢を追いかける人の応援がしたかったからだよ。」セレナは一度言葉を切ってそう答えた。
「旅に出るってさ結構勇気がいるじゃない?家族と離れて心細くて、大変なことも自分で乗り越えていかなきゃいけない。そう考えて旅に出ることをためらってる人って結構いると思うの、だからその不安を少しでも取り除いてあげたいと思って、つまり旅の一歩目を踏み出す勇気をあげられたらなって。」
セレナの言うとおり、旅には危険がつきものだ。そういったリスクを恐れて旅に出れない人間もたくさんいる。だが情報や困ったときにどうすればいいかなどの知識を得られれば話は別だ、準備がしっかりしていれば別に恐れることはない。そういう知識を得れば勇気もでる、セレナが言いたいのはそう言う事だろう。セレナが話す話を俺は黙って聞き続けた。
89
:
名無しのデデンネ
:2015/04/13(月) 06:34:38 ID:t/bbNoCM0
「旅に出た後も、何に注意すればいいか、困ったときどうするのがベストなのかっていう紹介と説明。あと旅に出てるんだもん、楽しめる施設とかの紹介もしてるから普通の旅行にも使えるんだよ。そっちは女に人に人気だね。あとあと、ユリーカにも手伝ってもらうこともあるんだけど、その時の企画も面白いのよ!こないだなんて<町で見た!兄のためにキープしたい美女美少女ベスト10!>なんてものを書いて掲載したんだけど、ものすごい反響でね!才能あるわよユリーカ!」
「ははは、シトロンも苦労してそうだなぁ。」「本当にね」かつての仲間の話をして昔を思い返した俺たちは少し黙った。
「・・・でも一番この仕事をしようって思った理由は、皆の夢を叶える手伝いをしたいなって思ったの。」
セレナは急に真面目な顔をして俺に言った。
「自分がうまくいかなかったからこそ夢を叶えることの難しさはよくわかってる。でもこれから夢を叶えようと頑張る人のために何かできないかって考え続けて、それでこの仕事をやってみようって思ったの。最初の一歩と、途中までの道。そこを進むために必要なことを一つでも教えられたらなって。」
「そうだな・・・」俺は答えながら改めてセレナを尊敬した。行動力や経営手腕ではなくだれかの役に立つ仕事をしよう!と思っていられるその優しさは本当にすごいと思った。俺なんか自分のことで手一杯なのに・・・
「それでねサトシ・・・」俺が落ち込んでいるところにセレナは声をかけてきた。
「じつはカントーのシルフカンパニーの協力でカントー版の本を出すことになったの!その手伝いをしてほしいんだけど、そのえーっと・・・ええい直球勝負!わが社の社員になりませんかサトシさん?一気に副社長に迎えるけど!」
「ちょ、落ち着けセレナ!てかまたこのパターンか!」俺はセレナをたしなめながら自分自身にも落ち着くように言い聞かせた。
数分後、落ち着いたセレナは俺に謝ったあと、再びスカウトを始めた。
90
:
名無しのデデンネ
:2015/04/13(月) 06:36:37 ID:t/bbNoCM0
「サトシはカントーだけじゃなくてほかの地方も旅をしてその特色をつかんでるし、顔見知りもいっぱいいる。調査がやりやすくなるのは間違いないわ。私もサトシは信頼してるしこれ以上いい条件の人材どこ探してもいないのよ!」
「なるほどなぁ」俺は納得しながらうなずいた。今までは旅で得た何かを評価されてきたが、今回は旅に出たこと自体が評価されているようだ。そう考えると俺の旅には本当に無駄なものは一つも無かったんだな、と思えた。
「もちろん、サトシが良ければの話だよ。ほかのみんなの話と併せて考えてみて。」
「わかった。ありがとうセレナ」セレナと一緒にたくさんの人の夢を叶える手助けをする。悪くない、むしろいい感じだ。自分が得たものを伝えるための場所にもなる。こうしてまた一つ俺に新たな道が示されたのだった。
「いやーでもサトシがうちに就職したら今度は私と二人きりの旅になるね!」「え、あ、ああ、そうだな」
「二人きりで色々な街をまわって行くわけでしょ。周りの人にはどう見えるかなあ・・・?」
「セ、セレナ?」雲行きが、いやセレナが変だ!
「いや、私と彼はそんな関係じゃ・・・でもこちらとしてはそっちの方が・・・2人きりなら芽生えるものもあるだろうし・・・」
「もしも〜し、セレナ、もどってこ〜い」「えへへへへ、えへへへへへ」だめだ。セレナは壊れた。夢の世界へ飛び立った彼女を見ながら、こんな社長がいる会社は大丈夫なのだろうかと、俺は別の意味で頭が痛くなってきたのであった。
91
:
名無しのデデンネ
:2015/04/13(月) 06:37:21 ID:t/bbNoCM0
この一日だけで数多くの進路の紹介を受けた俺、だが驚くことになんとそこから一週間の間にさらにスカウトに来る人が現れ続けたのだった。
バトルフロンティアからリラとジンダイさんがやってきて新たなフロンティアブレーンとして俺をスカウトしに来たり。
P-1グランプリで知り合ったアノキさんが「オコリザルの子供であるマンキーを一緒に育てて世界を目指そう!」とやってきたり。
リザフィックバレー管理人のジークさんがやって来て「将来自分に代わってリザフィックバレーの管理人になるつもりはないか?」と聞いてきたり。
ハンサムさんが一緒に私立探偵をやろうと言ってきたりもした。丁重に断ったが。
今ここに挙げたのはほんの一例であり、もっとたくさんの人たちがおれに会いに来て話をし、未来を語り期待の言葉をかけてくれたのだった。これはとても嬉しい事だ、それに間違いはない、だが俺は困ってしまった。ほんのすこし前までは未来が見えず悩んでいたのが今や示された未来が多すぎて悩んでいるとはこっけいな話だ。
92
:
名無しのデデンネ
:2015/04/13(月) 06:38:36 ID:t/bbNoCM0
やりたいことをやればいいと皆が言う。もちろんその通りなのだが、俺はわがままなのか、馬鹿なのか、すべてに挑戦してみたいと思ってしまっている。トレーナーとしての挑戦、ポケモンを守る活動、後進の育成。そのすべてに全力で取り組んでみたい・・・だがそれはできない、できるはずがない。どんなに悩み迷おうと俺は決めなければならない、たった一つ、自分が人生をかけて進む道を。そしてその道を全力で進んでいかなければならない。それが俺がみんなにできる唯一の感謝を示す方法だった。
でも決められない、時間はあるが決して長くはない。一人で悩んでいても仕方がないと悟った俺は再びオーキド研究所の扉を叩き、思うことすべてを博士に打ち明けた。博士は黙って俺の話を聞き、少し考えたようなそぶりを見せるとこう言った。
「サトシよ、その悩みに応える前にわしの話を聞いて欲しい。…安心してくれ、何も意味のない話にお前さんを付き合わせる訳じゃあない。わしが話したいのはこの爺がなぜポケモンの研究者になろうと思ったのか、そのきっかけとそこから何を思い今日まで生きてきたのか?ということじゃ。少し長くなる、それでもかまわんかね?」
俺がかまわないと答えると、博士はミルクの入ったマグカップを俺に渡し、どこからか古いアルバムを持ってきて俺に見せてから自身の昔話を始めた。
93
:
名無しのデデンネ
:2015/04/13(月) 06:46:32 ID:t/bbNoCM0
短いですが続きを更新しました。このオーキド博士の話が最後の山場となります。ここもあと少しで書きあがるので少々お待ちください。皆さんに最後まで楽しんでいただけるよう頑張ります!
94
:
名無しのデデンネ
:2015/04/13(月) 08:51:32 ID:MTmE8PhQ0
乙!
期待してるぜ!
95
:
名無しのデデンネ
:2015/04/13(月) 23:19:39 ID:t/bbNoCM0
わしがなぜ研究者になったのか、それを決めたのはわしが12歳のころ、お前さんと同じくポケモンマスターを目指して全国を旅しておったころじゃった。
当時のわしはそりゃあ強かった。嘘ではないぞ!ライバルの女の子がおったのじゃがその子もかなりの強さで大人も顔負けだったのじゃが、わしにだけは勝てなかったんじゃからな。まぁ、その話は置いておいてわしは強く、周りも「きっとポケモンマスターになるだろう!」と口々に誉め囃したもんじゃ、わしもその気じゃったし、そのための努力を欠かさなかった。
ある日のことじゃ、わしはポケモンによって受けるわざのダメージに差があることに気が付いたんじゃ。今当然とみなに知られている「タイプ相性」のことじゃな、当時は研究も進んでおらずそんなことは知られずにただただポケモンによって攻撃力と防御力に差があるとしか考えられていなかったんじゃ。
わしはこの謎を解くために実験を始めた。手持ちのポケモンのわざを調べ、そして撃ちあったんじゃ。結果手持ちのポケモンがどんな攻撃に強く、そしてどんな攻撃に弱いかという事はわかったんじゃ。だがポケモンの数は当時でもわかっているだけで100を超えておった。そのすべてを調べることは不可能だった訳じゃな。
96
:
名無しのデデンネ
:2015/04/13(月) 23:21:06 ID:t/bbNoCM0
そしてわしはポケモンについていろいろと考えるようになった。「ポケモンにも得手不得手があり、生態があり、相性があり、それぞれのルールがある。人間と同じように生活する彼らのことをわしらは何も知らない、それでよいのか?」とな。
そしてわしの旅がセキエイ高原にたどり着きポケモンリーグに挑戦する寸前になったときわしは自分の旅を終えることを決めた。このままポケモンのことを何も知らないいまま、ただ勝負に勝っただけで「ポケモンマスター」という称号を得ることに疑問を持ったからじゃ。むろん止める人も数多くおったよ、特にライバルの女の子は大変な騒ぎ様でな、「私に負けるのが怖いのか!」とすごい剣幕じゃったよ。
・・・思えばその子はわしに勝つために努力を続けておったからの、きっとわしが勝ち逃げすることが許せなかったのじゃろうなぁ。いや、ライバルを失うのが惜しかったという方が彼女らしいかの、・・・目を閉じればゴーストタイプを使う彼女のことが今でも思い出せるわい。
ああ、すまんの脱線してしまったな。話を戻そう、その後わしは再び旅に出た、ポケモンの種類とその相性、今でいうタイプじゃな、それを調べるためにな。多くのトレーナーや野生のポケモンと出会い、調べ壁にぶつかり、それを乗り越えわしはポケモンのタイプの分類を詳しく分けそれを調べられる装置を作った。今ポケモン図鑑の中にも入っているものの基礎となった物じゃな。・・・知らなかった?お前のぅ、少しは賢くなったと思ったが変わらんのぉ。
まぁいい、わしはその頃にはいいおっさんになっておった。そしてポケモンのタイプとその相性を学会に発表して一躍有名研究者の仲間入りをした、というわけじゃ。じゃがまだまだわしには知りたいことがあった。この世の中にはどんなポケモンがいるのか?どんな生態をしているのか?それを調べることが生きがいになってたわけじゃな。
97
:
名無しのデデンネ
:2015/04/13(月) 23:21:50 ID:t/bbNoCM0
それを調べ続けわしはとうとう自身の集大成と呼べる物を完成させた。ポケモン図鑑じゃな。これを使えばポケモンの情報が捕まえるだけでわかる。わしが知りたかったこと、皆に伝えたかったことが全てわかる!そう意気込んだわしは再び旅に出ようと思った・・・じゃができなかった。・・・わしはいいおっさんからじじいになっておったんじゃ。わしがポケモンのことを知りたいと思ってからあまりにも長い年月が経っておった。もうわしに旅に出る体力は残ってなかったんじゃよ。
わしは絶望した。過酷な道を切り開き、ここまで来たが、今ここから!という時に道が絶たれるとは・・・わしは力なく座り込むことしかできなかった。そのときじゃ
わしの後ろから現れた人間がな、わしが進むことを諦めた道に飛び込み、そして道を作り始めたんじゃ。それも1人2人ではない、100、1000、いやもっと多くの人々が先に進もうと飛び込み、そして己の道を切り開いていった。わしはその人たちが作り上げた道を進みその先でわしの夢の結晶、完成したポケモン図鑑を見つけられたんじゃ。
わしの後ろから現れた人々、誰だったと思う?それはサトシ、お前さんたち若い世代の人間じゃよ。
98
:
名無しのデデンネ
:2015/04/13(月) 23:22:29 ID:t/bbNoCM0
彼らは「オーキド博士に憧れて研究家を目指しました!」という人もいれば、関係なくポケモンマスターを目指す人間もいた。じゃが共通して皆わしのおかげだ。と言っておった。
ある人間はわしのタイプ研究をもとに新しいタイプを発見し、またある人間はポケモンの生態研究を元にポケモンの誕生、「タマゴ」について研究しタマゴグループというものを発表し、またある者は進化のさらなる可能性を追求し「メガシンカ」を見つけ出した。全てわしの研究がもとになってのものだった。
わしはその時になって初めて気が付いたんじゃ、わしの進んできた道は「わしだけが進む道」では無かったことにな。わしが切り開き、進んできた道、その道を通って新しい世代の人間がさらに道を切り開く、その繰り返しじゃよ。誰だって自分だけの人生を進む人間はいない。誰かが開いた道を進み、誰かと共に人生の道を進み、そして誰かに道を譲ることになる。
わしが言いたいことは2つじゃサトシ、お前さんが進もうとする道どれもが素晴らしい、きっとお前さんがこれから切り開く道は先の世代の人々の進む道になる。今はどの道に進めばいいかわからなくてもきっと時が来ればわかる。その日はそう遠くはないじゃろう、今は悩め、それで良い。そして・・・
そこまで話すと博士は俺に深く頭を下げそしてこう言った。
99
:
名無しのデデンネ
:2015/04/13(月) 23:22:56 ID:t/bbNoCM0
「わしの夢を叶えてくれて本当にありがとう
100
:
名無しのデデンネ
:2015/04/13(月) 23:23:27 ID:t/bbNoCM0
博士との話を終え家に帰った俺は博士の言葉をずっと思い返していた。自分だけの人生を進む人はいない、俺もこれから先俺を誘って
くれた人と共に人生の道を歩むことになる、隣でともに歩む人、それは誰なんだろう?
「ピカチュウ、お前俺の人生のパートナーわかるか?ああ、お前はもちろんだけどそれ以外な!」
「ピィカ?」ピカチュウもわからないようだ。まぁ当然だよな。俺はピカチュウにおやすみと告げ一緒にベットに潜り込んだ。
気が付くと俺は道の真ん中に立っていた。見当もつかない場所、周りを見渡していると自分が経っているのは分かれ道の入り口だとい
う事が分かった。
どの道へ行けばいいのか?普通なら止まっていた方がいいのだろうが、なぜか進まなければならない気がした。
でもどの道を進めばいいのだろう・・・?迷う俺の肩を誰かが叩いた。そして
「一緒に行こう、サトシ」
101
:
名無しのデデンネ
:2015/04/13(月) 23:24:22 ID:t/bbNoCM0
再び気が付くと俺はピカチュウと同じベットの中にいた。
「今のは・・・夢か。」そう気が付いた俺だったが。眠る前とは違うことが一つあった。
すぐにベットをでて居間へ向かう。電話を前に再び自分に問いかける。この道で良いのか?と、答えはYESだ。
目を覚ました時、自分の進む道が決められた気がした。解ったんじゃない、決めたんだ。これから進む道も、一緒に歩く人も。だからすぐに伝えよう、博士の言っていた「わかるとき」が来たのならすることは一つ、全力で進む、それだけだ。
かつての旅の中、俺は新しい世界に進む鍵をいつの間にか手に入れていたらしい。それを使ってこの先の未来に進む。みんなと一緒に。それを最初に伝えるのはこれから先、一番近くにいてくれる人だ。電話をかけてしばらく待つ。まだ朝早いが出るだろうか?
きっとこれから先、大変なこともあるだろう、でも一人じゃないなら大丈夫だ。ピカチュウたちもいる、皆で切り開いていく道はきっと素晴らしい未来につながっているだろう。いつか道の先で俺達の過去が誰かの未来につながっていく事を夢見て、生きていく。
電話が繋がり、相手の声が聞こえる。さあ、伝えよう、自分の決意を、自分の言葉で。
俺達の進む未来が今、ここから始まった。
102
:
名無しのデデンネ
:2015/04/14(火) 04:44:34 ID:YxwvIDeI0
なんだかはっきりとしませんがこれで完結です。サトシがどんな未来を選んだのかは皆さんのご想像で・・・と言うマルチエンディングでいかがでしょうか?
もともとこのSSを書こうと思った理由はアニポケを題材としたSSでサトシがまともな大人になっているものがほとんどなかったからです。
それが悪いとかではなくて、単純に幸せな未来を過ごしているみんなを書いてみたくて無謀にもこのスレを立ち上げてみました。自分が書きたかったものが書けてひとまずは満足しています。サティスファクション!
ここまで読んでかださった方、または感想やアドバイスを下さった方々、本当にありがとうございました。ここまで書き上げられたのは皆さんのおかげだと思いますし、アドバイスのおかげで読みやすく楽しめる内容になっていたと思います。
もう一度、本当にありがとうございました。
これでもうSSは書かないのか?と聞かれるとそうではなくまた別の作品を執筆中です。こっちでも皆さんに楽しんでいただけたら嬉しいです。また、リクエストがあればこのSSの続編も書いてみたいと思っています。その際はどれか一つのルートを決めて書くことになると思いますので良ければリクエスト気軽にお声掛けください。
ここまで長々とお付き合いありがとうございました。また次のスレで会えるのを楽しみにしています!ではこの先の未来でまた会いましょう!
103
:
名無しのデデンネ
:2015/04/14(火) 09:39:24 ID:LciF7dFU0
おつかれー!いい話だった。
マルチエンディングいいですね。サトシが自分の道を見つけることができて何よりです。ここから再出発って感じもいいですね。
別の作品も楽しみです。また書きに来る日をお待ちしております。
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