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異世界BAR MEETのようです
1
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:01:39
秋のブン芸祭参加作品
2
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:02:18
異世界!!!!!!!!!!!!!!!
昨今の異世界は!!!!!!!!!!童貞クソオタク野郎にとって都合のいい創作の舞台でしかない!!!!!!!!
ニートが!!!!!!引きこもりが!!!!!!!!ゲーマーが!!!!!!!!!
ある日突然何の前振りも無く異世界に飛ばされ!!!!!!!!!!
なんかチート能力とか手にして!!!!!!!!!!!!!
可愛い女の子とイチャコラしつつ!!!!!!!!!!!!!!!!!
悪い奴らをやっつける!!!!!!!!!!!!!!!!なんか貴族とか!!!!!!!!!悪いのは大体貴族だ!!!!!!!!
中学生の黒歴史ノートのトロトロ妄想シチューみたいな世界!!!!!!!!!!!!
d('A`)b「ウンコ」
このいかにもお前らのみたいなクソ不細工なツラをしたドクオという貧弱童貞クソ野郎も!!!!!!!!そんな異世界に飛ばされた一人だ!!!!!!!!!!
だが現実は!!!!!!!!!!!異世界であろうと現実は!!!!!!!!!!!
そう甘くはなかった!!!!!!!!!!!!!!!!!!
3
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:03:36
彼の災難は!!!!!そう!!!!!!出だしからだった!!!!!!
ζ(゚Д゚;ζ「ぎゃあああああああああああああああああ!!!!!ゴブリンのゾンビーーーーーーーーーーーー!!!!!!」
幼馴染候補と思われるヒロインの第一声により!!!!!!!!!目覚めた場所を追われ!!!!!!!!
(゚、゚#トソン「この魔物が!!我らエルフの聖域に立ち入るなど!!」
好感度を上げたらあっさり股を開きそうな高貴エルフに矢を放たれ!!!!!!!
从'ー'从「ふええ〜〜〜〜」
頭ゆるそうな妹系合法ロリに金玉を砕かれかける始末!!!!!!!
('A`)「酷ない……?」
クソ不細工というだけで世界はかくも厳しい!!!!!!!!!
イチャコラハーレムはイケメンにのみ許される特権!!!!!!!!!!
性格がクズでも!!!!!!!!軟弱でも!!!!!!!!ドスケベでも!!!!!!!!
顔が良ければ女は樹液に集まる昆虫のように寄ってたかるのだった!!!!!!!!
異世界でも不細工は不細工らしく日陰で生きるしかないのだった!!!!!!!!!!!
4
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:05:13
('∀`)「へへ……やっとこんなクソみてえな世界と人生からおさらばだ……」
追われ追われて森の中!!!!!!飢えでのたれ死ぬ寸前だった彼を!!!!!!!!
「……」
どこかの誰かが救った!!!!!!!!!!!!!
「顔が悪いな。ボウズ」
ハスキーボイス!!!!!!!!アンニュイフェイス!!!!!!!!!!!!
「おうおう、そう不細工な顔で睨めつけんなって。腹は減ってんだろ?良かったらウチに来いよ」
浅黒い肌!!!!!!!!!!光る白い歯!!!!!!!!!!!
弾ける……筋肉!!!!!!!!!!!!!!!!ダイナマイト……ボディ!!!!!!!!!!
(´・ω・`)「歓迎するぜボウズ。俺の城へ」
彼の名はショボン!!!!!!!!!!!!!!
又の名を『万屋の蝙蝠』!!!!!!!!!!!!!!!!!
異世界に存在する人と魔族!!!!!!!!相対する二つの勢力のどちらにも属しない便利屋!!!!!!!!!!!!
('A`)「……」
己の正義ただ一つを貫き通す漢達の住処で!!!!!!!!!!
クソ不細工貧弱童貞クソ野郎のドクオの異世界生活が!!!!!!!!!!!!
始まるのであった!!!!!!!!!!!!!
ゼロから始まるのであった!!!!!!!ゼロから始める異世界生k(ry
5
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:06:34
異世界BAR MEETのようです
.
6
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:07:33
『地球平面説』
一つの盆の上で滾々と海が湧き、その上に大陸が浮かんでいると考えられていた、古代の宇宙論
現代、『宇宙』から世界を見下ろすまで発展した今となっては、そのような説など鼻で笑われる程度のものだ
しかし、その『世界』は違った。まさしく、平面上で成り立っている世界であった
海で囲まれ、巨大な森が東西を分け隔てている大陸『ノリス』
西側が、我々と同じ人種であり、人口の大半を占める『ヒューマン』。それに加え、『エルフ』や『ドワーフ』など
人類と友好的な関係を持つ亜人が支配する『スタローン』であり
東側が、竜族や人魔族など、多種多様な『魔族』が支配する『セガール』であった
両陣営の仲は非常に険悪であり、ノリスの支配、所謂『土地の所有権』を巡る争いは五百年にも及んだ
長い戦い。互いに決着を望んでいたが、どちらの戦力も拮抗していた
そこで両陣営は、図らずも同じ手段を編み出し、出し抜こうとした
それが、『異世界召喚術』である
ノリスとはまた別の場所、別の次元から、一騎当千たる有能な人材を取り寄せ、戦わせようというもの
それは一重に『腕力』だけでは無く、底なしの魔力を有する者や、戦略に長けた頭脳の持ち主
国を豊かにする政治力、兵の士気を高める魅力など、様々な分野の人材を求めた
その資格たる者に、スタローンなら『勇者』の名を。セガールなら『魔王』の名を授け、手厚い待遇を授けた
しかしその裏で、眼鏡にかなわなかった者たちの処遇も酷いものであった
ノリスでの新生活への援助はごく僅か。右も左もわからない異世界人を王都の外へと投げ出し、固く門を閉ざす
『魔力の無駄』という理由で元の世界にも帰れず、途方に暮れる間にのたれ死ぬケースが後を絶たなかった
彷徨った先の村や町で文化に適応し、暮らしていける運の良い者もいたが、それも一握りに満たない
二つの国は、他所の人間を食いつぶしながら
長い長い、いたちごっこを続けていた
7
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:09:01
もう一つ、西にも東の陣営にも組しない、森に住まう生物たち『ニュートラル』が存在する
勢力争いに興味がなく、家族や仲間と共に慎ましく生きていくのが望みの彼らにとって、その長い戦争は嫌悪の対象であった
大陸の中央を縦断している森は、戦場になることも少なくはない
時には戦火によって命を落とし、時には敗残兵に食料を奪われ、時には女子供を連れ去られていく
『ニュートラル』達は群れというコミュニティを形成するが、それは『国』と比べとても小さなものだ
反撃に出るための戦力が圧倒的に少ない上に、指揮能力や軍略、武具など、戦争に必要な『絶対条件』が揃っていなかった
静寂と平穏を望む、森に棲む者達は、ただ神に祈るしかなかった。『西の奴ら』にも、『東の奴ら』にも、出会わずに日々を過ごせるように
だが、信仰は必ずしも全ての者を救う訳ではない
神は時に悲劇を嗜む。それも、演者は弱く儚げなものを好まれる
そして今日もまた、神は筆を転がすかのように気まぐれに
哀れな演者を、選ぶのであった――――――
8
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:10:16
―――――
―――
―
♪Juice Newton - Angel Of The Morning
https://www.youtube.com/watch?v=upNUYtbPkAY
炎が巻き上がる。風にたなびく旗のように
矢が降り注ぐ。曇天がもたらす雨のように
土塊が落ちる。振り落とされる槌のように
ξ;⊿;)ξ「嗚呼、嘘!!嘘!!」
(;゚∋゚)「行くな、ツン!!」
たった『四人』の襲撃によって、ハーピィの巣は地獄と化した
竜の力を持つ『勇者』は、剣に炎を纏わせ、抵抗する仲間を両断し
聖なる加護を受けた『エルフ』は、万雷にも匹敵する矢で空を制圧し
希代の天才と呼ばれた『ウィッチ』は、巨大な土の傀儡で巣を荒らした
ξ;⊿;)ξ「放して!!仲間が!!子供が!!」
(;゚∋゚)「ダメだ!!お前は生きろ!!無駄に命を捨てる気か!!」
幸か不幸か、彼女とその夫は狩りで住処を離れていた
『四人』の襲撃に遭わなかったのが、ささやかな幸とするならば
仲間の死と、もうすぐ孵る筈だった『卵』から、ほんの数時でも目を離してしまったのが、多大な不幸だった
(;゚∋゚)「聞け、ツン……ツン!!」
取り乱す妻に、夫は必死で語りかけた
それは、最愛の彼女を死なせないためでもあったし
『僅かな可能性』を、彼女に託すためでもあった
(;゚∋゚)「奴らの目的は恐らく『卵』だ!!俺たちの子供が殺されることはない!!」
ξ;⊿;)ξ「でも!!」
(;゚∋゚)「聞け!!ここで出て行っても、奴らに容易く殺されるだけだ!!」
9
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:11:54
(;゚∋゚)「いいか、お前も聞いたことがあるだろう。『万屋の蝙蝠』の話を」
『万屋の蝙蝠』。筋が通った依頼であれば、種族を問わず引き受ける森の便利屋
どんなに困難な仕事であろうと、凶悪な敵が立ちふさがろうとも、必ず遂行する強者であった
『スタローン』も『セガール』も自らの陣営へと引き込もうとしたが、彼はそれを真っ向から突っぱねた
故に、両陣営から最も危険視される中立の存在は、『蝙蝠』と呼ばれ恐れられていた
(;゚∋゚)「彼に依頼をするんだ、『子供を取り返してほしい』と。それ以上は望むな」
ξ;⊿;)ξ「何故!?どうして!?仲間の仇は!?」
(;゚∋゚)「……今の出来事を、忘れるなんて出来ないだろう。許せるなんて、出来るはずもない」
(;゚∋゚)「だが俺は、お前に……お前と子供に、復讐の業を背負って欲しくない……身勝手な願いだ。許せ」
『種としての怨みも、仲間の無念も、自らの怒りも、全て放棄しろ』
それは、酷などという言葉では言い表せないほどの願いだった
しかし彼は、それをわかっていながら念を押した。『彼女と子供の未来』の為に
(;゚∋゚)「さぁ、行け!!見つかる前に!!」
ξ;⊿;)ξ「ッ!!貴方は!?」
(;-∋-)「……時を、稼ぐ。ここで別れだ」
余りにも残酷な別れに、彼女はさらに取り乱した
ξ;⊿;)ξ「嫌、嫌ァ!!貴方が死んでいくのに、私にはただ逃げろと言うの!?」
(;゚∋゚)「そうだ。俺の為に、そして子供の為に、お前はただ逃げろ!!」
身を焦がす炎が、それを纏う勇者が、徐々に此方へと近づいてくる
悪魔は彼女を説得する暇すら与えてくれない。彼は、妻を乱暴に突き飛ばした
10
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:12:42
ξ;⊿;)ξ「待っ……!!」
伸ばした手は、呆気なく空を切った
(;-∋-)(……今際の際くらい、抱きしめてやりたかった)
彼の人生、最大の後悔が胸に募るが、叶わぬことは承知だった
きっと、死に逝くのが恐ろしくなってしまうからだ。最愛の妻との生を、望んでしまうからだ
(;-∋-)(どうか、どうか我らの分まで、妻と子に安らぎと平穏を……!!)
彼の理性が、最後に祈りを捧げた
そして、瞼を開けた次の瞬間にはもう
(#゚∋゚)「クルォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!」
その理性も、恐れも、悲しみも
理不尽な炎に、矢に、土塊に対して向けられる怒りで塗りつぶされた
ξ;⊿;)ξ「ッ……」
対して彼女は、理性をフルに働かせた
感情に飲み込まれてしまったら、彼の献身を無駄にしてしまうとわかっていたから
嗚咽を噛み殺し、その場から静かに飛び去る
羽ばたく音は、夫の断末魔がかき消した
こうして、ただ一人。住処と、仲間と、夫を犠牲にし
神に選ばれた『演者』は、託された場所へと旅立って行った―――――
11
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:14:16
.
12
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:15:30
―――――
―――
―
森!!!!!!!!!デカい木!!!!!!!!!!その前には一人の男!!!!!!!!!
物凄い筋肉!!!!!!!!!!!!!!!そして笑顔!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
(´^ω^`)「まーーーーーーーーーーーーーーーーきーーーーーーーーーーーわーーーーーーーーーーーりーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!」
(´^ω^`)「ラリアットーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!」
樹齢数百年はいってそうな!!!!デカい木が!!!!!!ラリアットによって倒れる!!!!!すごい!!!!!!
鳥はチュンチュン鳴きながら飛びさり!!!!!!!!!!なんか獣とかが走って逃げた!!!!!!!!!
(´^ω^`)「んんんんーーーーーーーーー!!!!!資源大切ーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」
過度な森林伐採は世界の環境によろしくないと知っているこの男!!!!!名を『ショボン』といった!!!!!!
種族はヒューマン!!!!!!!本来はスタローンで住まう彼らが!!!!!!森に居を構えるのは極々稀だ!!!!!!
ぶっちゃけ普通の人間が森で生活とかしてたら!!!!!!悪いニュートラルに襲われてすぐ死ぬからだ!!!!!!
じゃあなんでこの男は生きているのか!!!!!!!!!話は単純!!!!!!
/フフ ム`ヽ
/ ノ) ∧∧ ) ヽ
゙/ | (´^ω^`)ノ⌒(ゝ._,ノ 筋肉が喜びに満ち溢れている!!!!!!!
/ ノ⌒7⌒ヽーく \ /
丶_ ノ 。 ノ、 。|/ ←ワキ(剃毛済み)
`ヽ `ー-'_人`ーノ
丶  ̄ _人'彡ノ
ノ r'十ヽ/
/`ヽ _/ 十∨
マッチョだからだ!!!!!!!!!!!!!
13
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:16:22
(´^ω^`)「割れろーーーーーーーーーーー!!!!!」
倒れた大木を!!!!!!手刀で縦に切り裂き!!!!!木材にする!!!!!!
斧や鋸は一切使わない!!!!!!!!肉体による加工!!!!!!!
人類の限界を超えた彼だからこそできる芸当!!!!!!!!!!マッチョってすごい!!!!!!!!
(;´^ω^`)「ふぅーーーーーーーーーーーーーー!!!!!いい汗かいたぜーーーーーーーーー!!!!!!」
あっという間に木材の山を作り上げたショボン!!!!!!革袋から水を飲む!!!!!!おいしい!!!!!
職業は木こりなのか!!!!!!???????いや、違う!!!!!!!!!見ろ!!!!!!!!!
( ∵)「おー、やっぱ早いなぁショボンさんは」
森に住まうニュートラルの一種族である『ゴブリン』のエントリーだ!!!!!!!ワッショイ!!!!!!!
(´・ω・`)「ちょうど今終わったところでね」
( ∵)「ありがてえ。オークのとこの集落の復旧を急がねえといけねえからな」
(´・ω・`)「全く、東西の連中には困ったものだよね。今度シバき回しとくよ」
( ∵)「こないだは北のハーピィんとこが襲われたらしいぜ。でぇじな産卵期だってのに、奴らは配慮ってもんを知らねえ」
(´・ω・`)「……」
ショボン!!!!!!!憂いを帯びた瞳!!!!!!!!!!
何を考えているのか!!!!!!!!!!!今日のご飯とかかな!!!!!!!!???????
14
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:17:52
( ∵)「おっといけねえ、仲間を呼んで木材を運び出さねえとな。ほれ、支払い」
腰にある巾着を投げ渡す!!!!!!!!!!!!!下ネタとかじゃないよ!!!!!!!!!!
じゃらりと音を立てるその中身は!!!!!!!!!!なんか汚い銅貨が入ってた!!!!!!!!
(´・ω・`)「毎度。またのご利用を心からお待ちしております」
( ∵)「おう。ご苦労さん」
そう!!!!!!!!ショボンはニュートラル達の便利屋として!!!!!!!!!生計を立てていた!!!!!!!!
筋さえ通りゃ金次第でなんでもやってのける命知らず!!!!!!!!!不可能を可能にし、巨大な悪を粉砕する俺たち特攻野郎Aチーム的な!!!!!!!
まぁ大体!!!!!!!!!!こんな感じの雑用とかだった!!!!!!!!!!マッチョは仕事を選ばない!!!!!!!!!!!えらい!!!!!!!!!!!!
15
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:18:40
『MEET』は!!!!!!!!!森の奥深くにある!!!!!!!!!!
中に空洞がある巨木を利用した!!!!!!!!!すっごいお洒落なお店!!!!!!!!!
普段は酒場としてニュートラルに親しまれているぞ!!!!!!!!!!!でも売り上げはさっぱりだぞ!!!!!!!!
(´・ω・`)「ただいマッスル」
ただいまとマッスルを掛け合わせた帰宅の挨拶!!!!!!!!!!!!駄洒落だ!!!!!!!!!!
そういえば言い忘れてたけど!!!!!!!!!ショボンはいつもパンツ一丁だ!!!!!!!森でその格好は致命的じゃないか!!!!!??????
虫に刺されそうじゃないか!!!!!!!!!?????????虫よけが必要なんじゃないか!!!!!!??????
_
( ゚∀゚)「よう、おかえり」
出迎えは!!!!!!!MEET従業員の『ジョルジュ』!!!!!!!!マッチョだ!!!!!!!
そしてもう一人!!!!!!!ウジ虫みたいな存在感を醸し出す男がいる!!!!!!!!
('A`)「めっちゃウンコ出たわ」ガチャッ
序盤に出てきた、異世界からの来訪者ドクオ!!!!!!!!今日も顔が気持ち悪いぞ!!!!!!!
マッチョ二人に対し、こいつはガッリガリのクソ貧弱童貞野郎だ!!!!!!!!これからの成長に期待!!!!!!!!
(´・ω・`)「今日の稼ぎだ」ジャラッ
_
( ゚∀゚)「おいおいマスター、アンタの仕事にケチつける気はねえがちょいと少な過ぎねえか?」
(´・ω・`)「トレーニングのついでに駄賃貰ったと思えば儲けものだろ」
('A`)「毎日美味しい物食べて金銀財宝に囲まれて暮らす俺の夢には程遠いんだけど」
(´・ω・`)「見習いの癖に野望に溢れたでっけえ夢抱いてんな」
_
( ゚∀゚)「俺は壁一面のおっぱいに囲まれて過ごしたい」
('A`)「こえーよ」
16
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:19:51
('A`)「いやでも真剣な話、今月の稼ぎじゃ生活費厳しいぜ?」
ドクオはそろばんを叩きながら家計簿を捲る!!!!!!力仕事が出来ない代わりに、頭を使う仕事をしてる!!!!!
どんなクソ野郎にも取柄はある!!!!!!!!!長い目で付き合ってみるものだ!!!!!!!!!!
_
( ゚∀゚)「道楽でやってるこの酒場さえ潰せばなんとかなるけどな」
(´・ω・`)「ウッソだろお前……」
_
( ゚∀゚)「だってこんな辺鄙な場所に酒飲みに来る奴なんてほとんどいねえじゃん……」
('A`)「場所と酒の質の割に値段も高いしな」
(´うω;`)「そこまで言う事ないじゃん……」
泣き始めるマッチョ!!!!!!体は鋼でも心は硝子!!!!!!!!!!!
男だって人間なんだ!!!!!!!!!!!!!泣きたい夜もあるさ!!!!!!!!!
_
( ゚∀゚)「せめて便利屋の仕事が増えりゃあなぁ……それも、雑用なんかじゃねえ俺好みの荒事がよぉ」
('A`)「宇宙大魔王お仕置きん時みたいなのはもう勘弁願いたいけどな。つーかなんでアレ俺連れていかれたんだよ」
(´・ω・`)「ほら……なんか……覚醒しそうだったし……」
('A`)「人はそんな簡単に都合の良い能力に目覚めない」
('A`)
('A`)「目覚めない」(力説)
_
( ゚∀゚)「異世界に来て苦労してる奴の言う事は説得力あるな」
(´・ω・`)「その内目覚めるよ。この世界結構『超能力は適当でデタラメ。望み、確信すれば運命は応える』的なところあるし」
('A`)「惑星のさみだれかな?」
17
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:21:26
(´・ω・`)「と言うか、能力云々より筋肉を鍛えるべきだ!!!!!下手なスキルより屈強な筋肉!!!!筋肉こそ最強!!!!」
(´^ω^`)「さぁ、今日も筋トレで気持ちよく汗を流すぞ!!!!外に出ろ!!!!!」
(;'A`)「ええ〜〜〜?今日はやだよ〜〜〜〜〜〜なんか人差し指の第二関節が痛いし〜〜〜〜〜」
_
( ゚∀゚)「休む理由にしては随分ちっせえな。もっとダイナミックな言い訳考えろよ」
(#´^ω^`)「つべこべ言うなぁ!!!!!バター塗りたくったオークを詰め込んだ密室に三時間閉じ込めんぞ!!!!!」
(;'A`)「キツすぎんだろいっそ殺せよ!!!!わかったよやるよ!!!!!」
ツンデレのドクオとマッチョのショボンはいつものトレーニングを始めるために扉へと向かう!!!!!
ジョルジュは自主練する漢だったので、気が向いたときに筋トレするぞ!!!!!!!!!
ショボンが扉に手を掛けた!!!!!!!!その時!!!!!!!!!!!
扉<ガチャ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
来訪者の手によって、先に扉を開けられた!!!!!!!!!!!アンブッシュ!!!!!!!!!!
入店してきたのは!!!!!!!!フードを目深に被った小柄な人物!!!!!!!
ξ ⊿ )ξ
パツキン縦ロールがはみ出してるぞ!!!!!!!!!!!ハミキンだ!!!!!!!!!!
ハミキンっていうと別のモノがはみ出してるように聞こえるな!!!!!!!!何がとは言わないが!!!!!!!金玉とか言わないが!!!!!!!!!!
ξ; ⊿ )ξそ ビクッ!!
ハミキンは、扉を開けてすぐエンカウントしたマッチョとド不細工に驚いた!!!!わかる!!!!!!俺もビビる!!!!!
しかし、すぐに持ち直して挨拶をする!!!!!!!!!大事だ!!!!!!!!古事記にもそう書いてある!!!!!!!!
18
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:22:49
ξ ⊿ )ξ「『MEET』はこちらで、間違いないでしょうか……?」
(´・ω・`)「ええ、間違いないですよ奥さん」
('A`)(うわっ、女だ……近寄らんとこ)
クソビッチに酷い目に遭わされているドクオは軽く女性不信だった!!!!!!舌打ちを我慢したのはえらいぞ!!!!!!
ショボンはカウンターへ入り、気取った態度でこう言った!!!!!!!!
(´・ω・`)「やぁ、いらっしゃい。ようこそ、異世界BAR MEETへ」
_
( ゚∀゚)+「お席へどうぞ、マダム」
ジョルジュは左腕の筋肉を見せつけてかっこつけたぞ!!!!!!!!!キモい!!!!!!
('A`)「……」
ドクオは無言で隅っこへ移った!!!!!!!愛想無いな!!!!!!!!客商売向いてないわ!!!!!!!
ξ; ⊿ )ξ「……」
ハミキンは入り口から奥へと歩を進めない!!!!!!当然だ!!!!!
何故なら、パン一のマッチョ二人と、パン一のゴブリンゾンビフェイスが一人いる空間が気持ち悪いからだ!!!!!
しかし、意を決したのか!!!!!!!ハミキンはカウンターの一席に腰を下ろした!!!!!
19
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:24:02
(´・ω・`)「遠路はるばる、お疲れでしょう。このエールはサービスです。喉を潤してください」
マッスル気遣い!!!!!木のジョッキに並々と注がれた小麦のジュース!!!!!!!
泡!!!!!!!のどごし生!!!!!!!!!!
ξ ⊿ )ξ「ありがとうございます……」
小さな声で礼を言うハミキン!!!!!!!元気を出せ!!!!!!!
フードの袖で隠れた手をジョッキへと伸ばす!!!!!!その瞬間!!!!!!!ショボンは見逃さない!!!!!!!!
(´・ω・`)「『ハーピィ』ですか」
ξ; ⊿ )ξそ ビクッ!!
袖からチラリと見えた鈎爪!!!!!羽毛!!!!!!!ニュートラルに住まう一種族『ハーピィ』のモノだ!!!!!
見抜かれたハミキンは肩を竦ませる!!!!!!!怯えてるぞ!!!!!!!!!
(´・ω・`)「ああ、失礼致しました。他種族との関わりを極端に嫌う種族と耳にしていたものですから」
ξ; ⊿ )ξ「……」
ハーピィは過去、乱獲に遭いその数を極端に減らしている!!!!!!!!!爪から羽毛、果てはいやらしいことに至るまで、高値で取引されるからだ!!!!!酷い話だ!!!!!股座がいきり勃つな!!!!!!!
そんな事もあり、現在ハーピィは人目に着かない場所で仲間たちとヒッソリと住まうようになった!!!!!!こうしてヒューマンの前に現れるなど、言語道断だ!!!!!!
20
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:24:58
(´-ω・`)「何か、並々ならぬ災難に苛まれているご様子。お話、聞きますよ」
ショボンのセールストーク!!!!!便利屋の仕事の臭いがプンプンするぜ!!!!!!!
ξ; ⊿ )ξ「あ、あの、ここは、お金さえ払えば、何でもしてくれるって……」
(´・ω・`)「ええ、筋さえ通れば何でもこなす便利屋も兼業しております」
ξ; ⊿ )ξ「……」
ハミキン、ゴクリと溜飲!!!!!その後、フードを取る!!!!!!
ξ;゚⊿゚)ξ「……」
_
( ゚∀゚)「ヒュー♪」
現れたるは緑眼の麗しき令嬢!!!!!!ジョルジュは口笛を吹く!!!!!!
(#´゚ω・`) ギンッ!!!!!
ハミキンに気づかれないように、一瞬だけメンチを切って窘めるショボン!!!!!
ジョルジュはペロリと舌を出した!!!!!!!!!一挙手一投足がキモい!!!!!!!
ξ;゚⊿゚)ξ「子供を……私の子を……」
ξ;⊿;)ξ「取り戻してください……!!!!」
21
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:26:22
―――――
―――
―
(´・ω・`)「なるほど、事情はわかりました」
ゴブリンの棟梁が言っていたハーピィ集落の襲撃事件!!!!その混乱に乗じ、依頼主である『ツン』の卵が盗まれてしまった!!!!!
今回の依頼は、その卵を無事に取り返すこと!!!!!!!!!!久々に大口の依頼だ!!!!!!!!
しかし、厄介な事件には厄介な刺客がいるものだ!!!!!!!!!
_
( ゚∀゚)「『勇者』一行の仕業ってのは、確かなのか?」
ξ゚⊿゚)ξ「はい、間違いありません」
('A`)「……」
『勇者』!!!!!!!!異世界からの来訪者で、その才能を『スタローン』に認められた者!!!!!!
奴らは『クエスト』を受け、ニュートラルやセガールの土地を荒らし、戦利品を持ち帰る!!!!!!人の心がねえのか奴らは!!!!
それもその筈!!!!!!!!スタローンに住まう生物以外は、敵対生物だと徹底して教え込まれるからだ!!!!!!!!!ちょっとは自分の頭で考えろゴミが!!!!!!!!
ξ ⊿ )ξ「奴らに住処を荒らされ、殺され……残ったのは私だけです……」
ξ ⊿ )ξ「燃えていく仲間が、毎晩夢に出てきます。剣の切断面から体が焼け溶ける臭いまで、鮮明に」
ξ ⊿ )ξ「雨が恐ろしくなりました。逃げようとした仲間が、空から降り注ぐ幾千もの矢を受ける様を連想させられるから」
ξ ⊿ )ξ「地を見るだけで、土塊の巨人を思い出します。傷つき、飛ぶことすら出来なくなった仲間を虫のように踏みつぶした……!!」
ξ;⊿゚)ξ「それでも、これから産まれてくる筈の息子が居れば耐えられた、どんな責め苦にも、困難にも……!!」
エールに落ちる水滴!!!!!!!!!若き母の涙!!!!!!!!!!
ξ;⊿;)ξ「それをも奪われてしまっては……もう、生きる意味も無い……私の、全てなんです……!!!!」
('A`)「……」
おっと!!!!????これはギャグ作品じゃなかったのか!!!!!??????すごいヘビーな話にちょっと引くドクオ!!!!
しかし同時に!!!!!!!!!彼女たちを襲った暴虐への怒りも湧き出てる!!!!!!いいぞ!!!!!主人公っぽいぞ!!!!!!
ただし不細工だ!!!!!!!!!!!!!主人公でも不細工は不細工だ!!!!!!!!!可哀想に!!!!!!!!!!!!
22
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:27:49
(´・ω・`)「わかりました。それでは、報酬の件なのですが」
対しショボンは淡々と商売を続ける!!!!!!!!!!情に流されないのが商人だ!!!!!!狼と香辛料にそう書いてある!!!!!!
書いてなかったかも知れないけど似たようなことは書いてある!!!!!!!!!!!多分!!!!!!!!!!!
ξう⊿;)ξ「……私には、財産と呼べるものは何もありません」
_
( ゚∀゚)「そいつぁ困るなぁ。俺達ぁ慈善団体じゃあねえんだぜ?」
('A`)「うわ、リアルでそのセリフ言う人初めて見た」
高利貸のセリフである!!!!!!!!!!!チンピラ感丸出しで恥ずかしい!!!!!!!!!
ξ゚⊿゚)ξ「はい、ですが……幸いにも、私はハーピィです。この爪も、羽も、高値で取引される代物と聞きます」
(´・ω・`)「……では、何を差し出して貰えるのでしょうか?」
ショボンの冷たい声!!!!!!!コワイ!!!!!!!!!
ξ゚⊿゚)ξ「『片目』を」
(;'A`)そ ガタッ!!
結構グロい話になってドクオはビビる!!!!!!!!!報酬が眼球ってなんだよ!!!!!!!!コワイ!!!!!!!!
(;'A`)「お、おいおいアンタ。いくら何でもそりゃあ……」
(´・ω・`)「黙ってろドクオ」
口を挟もうとしたドクオをショボンが制する!!!!!ギャグ作品にあるまじき緊張感だ!!!!!!!!!
23
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:28:50
ξ゚⊿゚)ξ「私の眼は、収集家の間で特に高値で買い取られる代物だそうです。国が国なら、一生は遊べる金額が手に入る筈」
(´・ω・`)「……確かに、緑眼のハーピィは希少種ですからね。しかし、何故その決断を?」
涙で濡れる瞳を覗きながら問いかける!!!!!!!!!そりゃそうだ!!!!!!!!羽でも爪でも良い筈だからだ!!!!!
料金を聞く前に金を払う客がいるか!!!!!!!!!!???????いないだろう!!!!!!!!???????
ξ゚⊿゚)ξ「……我が子を、取り戻してもらえるなら」
ξ゚⊿゚)ξ「命以外、何もかも差し出してもいい。足りないと仰るのならば、もう片方の目も差し上げます」
_
( ゚∀゚)「太っ腹だねぇ。だが、命は惜しいのか?」
ξ゚⊿゚)ξ「当然です。私は、あの子を育てる義務があるのだから」
_
( ゚∀゚)「……ま、当然だな。愚問だった」
母は強し!!!!!!!!!!ショボンは満足そうに頷いた!!!!!!!!!
(´・ω・`)「十分過ぎる報酬です。引き受けましょう、ツンさん」
MEET始動!!!!!!!!!今回の仕事は、スタローン某所から、ハーピィの卵を奪い返す!!!!!!!!
敵は勇者!!!!!!!!その他多数!!!!!!!!!!!!!対しこちらの戦力!!!!!!!!!!!
(´・ω・`) マッチョ!!!!!!!!!!!
_
( ゚∀゚) マッチョ!!!!!!!!!!!!
('A`) クソ貧弱童貞野郎!!!!!!!!!!
以上!!!!!!!!!!!!!!!!!なんて安心感のあるパーティなんだ!!!!!!!!!!!負ける気がしない!!!!!!!!
24
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:29:49
ξ;⊿;)ξ「ああ、ありがとうございます……ありがとう……!!」
二つ返事で引き受けた男たちに、彼女は再び涙を流す!!!!!!!!
そっとハンカチを差し出すショボン!!!!!!!!本物の紳士はハンカチを持ち歩く!!!!!!
(´・ω・`)「涙はお子さんに会うまで取っておくべきですよ」
ξ;⊿;)ξ「はい……はい!!」
え!!!!?????パンツ一丁なのにどこに隠してたんだって!!!!!!!!!??????
お前は本当に野暮な奴だな!!!!!!そんなんだから彼女も出来ないんだよ!!!!!!!!!
_
( ゚∀゚)「そんじゃあ、先ずは子供の安否を確かめるか」
ξう⊿;)ξ「ええ、すぐにでも……ですが、どうやって……?」
_
( ゚∀゚)「見てなって、そんじゃあ行くぜ……!!」
ジョルジュは、サイヤ人が気を高める時のように『はぁああああああああああ!!!!』って始める!!!!
一体何が始まると言うのか!!!!!!!!!!!その答えは直ぐにわかる!!!!!!見ろ!!!!!
_
(#゚∀゚)「マッスル〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜……」
_
(#゚∀゚)「『教えてお星さま』!!!!!!!!!」ゴワッバァアアアアアドッガアアアアアギャアアアアアンギャアンギャン!!!!!!!!!ッポォイポイ
で、出たーーーーーーーーーーーーー!!!!!!ジョルジュの十八番、『マッスル教えてお星さま』!!!!!!!!
筋肉の力を極限まで高めることで、星々におわす神々が色んなことを教えてくれるのだ!!!!!!!
何を言ってるのかわからないと思うが俺も何言ってるのかわからん!!!!!!!!!!そういうお話だから仕方がない!!!!!!仕方がないんだ!!!!!!!!
25
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:30:12
+ ゚ . + . . .゚ .゚。゚ 。 ,゚.。゚. ゚.。 .。
. . ゚ . o ゚ 。 . , . .o 。 * .゚ + 。☆ ゚。。. .
。 。 *。, + 。. o ゚, 。*, o 。.
゚ o . 。 . . , . , o 。゚. ,゚ 。 + 。 。,゚.。
゚ , , 。 . + ゚ 。 。゚ . ゚。, ☆ * 。゚. o.゚ 。 . 。 「ええ星やな……」
。 . .。 o .. 。 ゚ ゚ , 。. o 。* 。 . o. 。 . .
。 . 。 . .゚o 。 *. 。 .. ☆ . +. . . 「せやな……」
。 . . . . . 。 ゚。, ☆ ゚. + 。 ゚ ,。 . 。 , .。
゚ 。 ゚ . +。 ゚ * 。. , 。゚ +. 。*。 ゚. . . . .
。 . . 。 。゚. 。* 。, ´。. ☆。。. ゚。+ 。 .。 . 。 .
. 。 ゚ ゚。 。, .。o ☆ + ,゚。 *。. 。 。 . 。 .
゚ .゚ ゚ 。゚ + 。. +。 * 。゚。゚., ,+ 。゚. 。 . . , , .
゚。゚+゚`, o。。.゚*。゚ 。.゚ 。 ☆+。。゚. ° 。 . , ゚ ゚
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゚. o * 。゚。゚.。゚。+゚ 。 。 ゚。 ゚ 。 ゚
゚` .゚ .゚. ゚. . ゚ . ゚ . , . . . 。 ゚ .
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以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:30:44
+ ゚ . + . . .゚ .゚。゚ 。 ,゚.。゚. ゚.。 .。
. . ゚ . o ゚ 。 . , . .o 。 * .゚ + 。☆ ゚。。. .
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゚ o . 。 . . , . , o 。゚. ,゚ 。 + 。 。,゚.。
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。 . .。 o .. 。 ゚ ゚ , 。. o ( ^ω^)<ママーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!
。 . 。 . .゚o 。 *. 。 .. ☆ . +. . . 「わっからへん……」
。 . . . . . 。 ゚。, ☆ ゚. + 。 ゚ ,。 . 。 , .。
゚ 。 ゚ . +。 ゚ * 。. , 。゚ +. 。*。 ゚. . . . .
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:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:31:50
http://boonenjoy.web.fc2.com/illust/29.jpg
(;'A`)「相変わらず滅茶苦茶だな……」
窓ガラスから夜空をみて気持ち悪い顔で呆れるドクオ!!!!!!!!顔が気持ち悪い!!!!!!
_
( ゚∀゚)「ん、南西の方角……早馬で二日の距離ってところだな」
(´・ω・`)「お前ツンさんのご子息の顔、夜空にフライング映写してるじゃねーか」
ξ;゚⊿゚)ξ「えっ、ウソ!?まだ卵ですよ!?」
うっかりクソ眉毛だった!!!!!!!!
_
( ゚∀゚)「気にすんな。お子さんはクソ元気だからよ」
ξ゚⊿゚)ξ「そう、ですか……無事なら良いのです。無事なら……」
なんか腑に落ちなそうだぞ!!!!!!謝れクソ眉毛!!!!!!!!
(´・ω・`)「ここから南西に二日……『ココロガピョンピョンスルン城』か?」
_
( ゚∀゚)「だろうな。あそこの城主は魔物と亜人のコレクターだっつー噂だ」
('A`)「城の名前よ」
_
( ゚∀゚)「森からそう遠くねえ城だ。堅ぇぜここは」
ココロガピョンピョンスルン城は、森から近いこともあり!!!!!!!!度々魔族から攻め込まれていた!!!!!
故に!!!!!!!!守りは堅く!!!!!!!!!!!保有兵力も多数!!!!!!!!
その気になれば!!!!!!!!いつでも戦争を起こせるのだ!!!!!!!!!!
そして城の名前は気にするな!!!!!!!!!!!!!!かの名作アルファベットだってアニメから取ってただろ!!!!!!!なっ!!!!!!!!???????
28
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:32:27
('A`)「まぁ聞いても無駄だと思うけど、今回は隠密行動だよな?」
(´・ω・`)「……?」
_
( ゚∀゚)「……?」
キョトンとするマッチョ!!!!!!!溜息を吐く不細工!!!!!!!!!!!
(´・ω・`)「隠密って何……?」
_
( ゚∀゚)「正面突破以外の選択肢ってあるの……?」
マッチョ小細工を好まず!!!!!!!真っすぐいってぶっ飛ばす!!!!!!!!右ストレートでぶっ飛ばす!!!!!
('A`)←そしてこいつは不細工だ!!!!!!!!!!!!!!!一字違うだけで意味合いが全く別の物になるな!!!!!日本語、難しい!!!!!!!!!!!
(;'A`)「これだから脳筋は……卵を人質に取られたらどうすんだよ」
ξ;゚⊿゚)ξ「ッ、それは困ります!!」
(´・ω・`)「大丈夫だって。こっちの目的をバラさなきゃいいんだし」
_
( ゚∀゚)「それに、あそこの城主は強欲なコレクターで有名だ。最後の最後まで手に入れたコレクションを潰そうなんて発想にはならないだろうさ」
希望的推測!!!!!!!!!!本当に大丈夫か!!!!!!???????
(;'A`)「オーケイ。なら、あくまで押し入り強盗として突っ込むぞ。卵のついでに金品もいくらか掻っ攫おうぜ」
(´・ω・`)「それは……泥棒じゃん?」
_
( ゚∀゚)「いくら金がねえからって犯罪はダメだろ……」
('A`)「アンタらがもっと柔軟に仕事をしてくれりゃあ俺だってこんなクソみてえな提案しないでいいんだけどなぁ」
泥棒!!!!!ダメ!!!!!絶対!!!!!!!
マッチョは自分の体で稼いだお金でしか美味しいご飯を食べられないのだ!!!!!!!!!!
29
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:33:23
(´・ω・`)「そんじゃあ、作戦をまとめるぞ」
・ココロガピョンピョンスルン城に真正面から衝突
・並みいる兵士と勇者を真正面から撃破
・城主から卵を真正面から奪還。その後キツいお仕置き
・殺さない(出来るだけ)、盗まない、犯さない。徹底しよう、ヨシ!!
('A`)「作……戦……?」
_
( ゚∀゚)「最後なんか工場の安全スローガンみてーになってんぞ」
作戦とは名ばかりのごり押し!!!!!!!マッチョは強行突破が大好きだ!!!!!!!!
ξ;゚⊿゚)ξ「……」
頼む場所を間違えたかと不安に思うツン!!!!!!!!しかし!!!!!!マッチョ達は自信と筋肉に満ち溢れている!!!!!!
(´・ω・`)「ご安心ください。必ず息子さんは取り返します」
_
( ゚∀゚)「大船に乗ったつもりでいろって」
ここぞとばかりに筋肉をアピール!!!!!!!!物理的説得力!!!!!!!
こいつらならきっと何とかする!!!!!!捻じ込むような安心感!!!!!!!!!!!!!!
ξ;-⊿-)ξ「よろしく……よろしくお願いします……!!」
悲痛な懇願!!!!!!!男達の決意はさらに固まる!!!!!!!!!
敵が例え神であろうと勇者であろうと!!!!!!!!母と息子を引き裂く外道には容赦しねえ!!!!!!!!
(´・ω・`)「往くぞ」
カウンターを拳でカツンと叩き!!!!!!男達はすぐさま戦いへと赴く!!!!!!
即日実行!!!!!!!アマゾンもビックリの仕事対応!!!!!!!!!!!
こうして、パンツ一丁の男三人は!!!!!!!!ココロガピョンピョンスルン城へと!!!!!!!!
出撃したのであった!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
('A`)「いやパンツだけは寒いわ」
ドクオだけは黒いローブを羽織ったぞ!!!!!!!!!!!人に見せられない恥ずかしい体だからだ!!!!!!!
でも下はパンツ一枚だ!!!!!!変態だ!!!!!!!衛兵さん!!!!!!!!!男の人呼んで!!!!!!!!!
30
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:39:38
―――――
―――
―
『ノリス』に呼び寄せられた者は、例外なく一つ『スキル』を付与される
それは、日常生活でよく使用されるポピュラーな物から、パワーバランスを根本から覆さねかねない物まで様々だ
スキルレベルに合わせ、E〜SSのレアリティが決められる。当然ながら、レアリティが高いほど召喚率も少ない
それに加え、召喚術を行う者が望むスキルを必ずしも引き当てられるわけではない。有能な人材を揃えるためには、回数をこなす必要があった
『勇者』もしくは『魔王』に選定されるために必要なレアリティは、最低でもC
Cとは、普遍的なスキルの持ち主だが、威力の桁が違っていたり、巧妙な使い方をする人材を指す
それ以下のDは、威力も使い方も並みの普遍的スキル。わざわざ異世界人を使わなくとも、徴収兵で十二分に間に合うような人材だ
Eはに関しては、二通りのパターンがある
一つは、普遍的スキルが『並み以下』だった場合。所謂、落ちこぼれとして扱われるパターン
訓練を繰り返せば、『並み』になれる可能性はあるが、時間とコストを掛けてまで彼らの面倒を見る必要はないという
もう一つは、滅多にない特殊なパターン。『ジャンクスキル』
スキルを付与されたものの、使い物にならなかったり、使い勝手が極端に悪いタイプなどが対象となる
また、発動条件が不明瞭なものも挙げられる。要するに、使い物にならない『ゴミ』として扱われるスキルだ
31
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:40:24
では、高レベルスキル保持者については
現在『ココロガピョンピョンスルン城』城下町に存在する勇者たちを例に挙げて説明をする
( ^ν^) ニュッ・セイキョウ 保有スキル『ランカイ』 スキルレベルS
風を司る巨大な神獣『ストームビースト』を使役するスキルの使い手
攻城兵器を超す身の丈を持ちながら、獅子そのものの身のこなしを見せ、一度咆哮を上げれば竜巻が巻き起こる
さながら、天災である『嵐』。それを意のままに操ることから、『嵐飼い(ランカイ)』と名付けられた
彼は城主の食客として城の警護を任されている
(,,゚Д゚) ギコ・オーキ 保有スキル『M・T・S』 スキルレベルB
詳細は謎だが、肉体強化系のスキルという事だけは周知されている
レベルこそBと見劣りするが、名前を聞けば『セガール』の魔王も震え上がるという実力者
単身で五千の軍勢を相手取り勝利したことから、『一騎当軍』の名を持つ
スキル名のイニシャルにどんな意味が込められているのかは、本人が知るのみである
スタローン国王に正式に認められた、異世界人で唯一の将校であり、階級は将軍。通称『ジェネラル・ギコ』
( ・∀・) モララー・ランドウ 保有スキル『+α』 スキルレベルSS
戦闘を行った相手の『スキル』『長所』『技術』を一つ自身に上乗せするスキル
例えば、ドラゴンから翼を。火の精霊から炎の生成を。剣士から腕前を
上乗せできる長所に限界はなく、例えば、複数のドラゴンから一つずつ長所を奪っていけば、ドラゴンという『生物としての』ほぼ全ての能力を扱えることができる
現段階で陸・海・空すべてのシチュエーションで敵を圧倒できる長所数を誇り、スタローン最強の一角を成す勇者
フリーの冒険家として、そして真の勇者として、仲間と共にノリスの統一を目指して旅をしている
32
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:42:12
そんな、スタローンでも指折りの実力を持つ彼らが
( ^ν^)「……」
(,,゚Д゚)「……」
( ・∀・)「えーと……」
一つの場所に集まっているのは、とても珍しいことであった
(;・∀・)「お、お久しぶり、です……」
ココロガピョンピョンスルン城は、決して小さな城ではない
『森』という国境からほど近いこの城は、敵である『セガール』から攻め込まれることが多々ある
それ故、城の守りは強固であり、兵士や住人の数も多い。森から得られる資源やアイテムの加工、流通も行っているため、交易都市としての面もある
市場は武具や装飾品を作る職人や、それを売りさばく商人、依頼を受けて原材料を獲りに行くハンターなどで賑わっている
そんな賑わいの中、冒険者に向けた討伐クエストなどの仲介斡旋を行う酒場では
( ^ν^)「……」
不機嫌そうな顔で真昼間からエールを傾けるニュッと
(,,゚Д゚)「ああ、暫くだな」
それを戒めていたギコと
(;・∀・)「お元気そうで……」
クエストの報告に来たモララーが、一堂に介していた
33
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:43:00
从'ー'从「ああ〜、いけないんだぁ〜!!お酒は夜になってからなんだよぉ〜?」
モララーの背後からひょっこり顔を出した少女の顔を見て、ニュッはあからさまに舌打ちをした
( ^ν^)「失せろガキ。消し飛ばすぞ」
从'ー'从「はわわ〜、かわいいニャンニャンがいないとなーにも出来ない人の脅しは怖いです〜」
( ^ν^)「……」
ジョッキに残ったエールを一気に呷ったニュッは、それを乱暴にテーブルに叩きつけ
傍らに立てかけていた杖を手に取り、立ち上がった
( ^ν^)「表出ろよ、乳臭いお嬢ちゃん。『お人形遊び』に付き合ってやる」
从'ー'从「あれれ〜?どうして女子供相手じゃないと喧嘩も売れない男の人に付き合わないといけないの〜?」
(;・∀・)「やめなさいナベちゃん!!すみませんニュッさん!!」
一発触発の二人の間に、モララーが割って入り深々と頭を下げる
必死の謝罪を受けたニュッは、空のジョッキを一瞥し、再び舌打ちをつき席に着いた
( ^ν^)「残しときゃあ良かったぜ。なぁギコ、せっかく愉快なものが見れるチャンスだったってのに」
(,,゚Д゚)「馬鹿が、それこそ取り返しがつかなくなるぞ。それより、さっきの話だが」
( ^ν^)「断ると前から言ってるだろ死ね」
(,,゚Д゚)「何故だ?自堕落に生活するより、将として人々の役に立つ方がよっぽど……」
( ^ν^)「テメーの価値観なんざ知るか。それに、俺よかそっちのメスに囲まれてフラフラしてるボケを誘え」
(,,゚Д゚)「彼は我々とはまた別のアプローチでノリス統一の為に尽力してくれている。スキルを腐らせているお前と違ってな」
34
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:44:17
( ^ν^)「ハッ、俺から言わせて貰えば、こんな世界に呼び寄せた身勝手な連中に尽くす方がどうかしてる」
『真っ平だ』と言わんばかりに頭を振り、立ち上がって出口へと向かった
(,,゚Д゚)「待て、話は終わってないぞ!!」
( ^ν^)「あーそうかい、そんじゃあ一人で好きなだけ喋ってろ。俺は帰ってクソして寝る」
スイングドアを押しのけ、ニュッは雑踏の中へと消えた
ギコはそれを追わず溜息を吐き、さっきまでニュッが腰かけていた椅子に座った
(,,-Д-)「ハァ……」
( ・∀・)「お疲れのようですね……」
(,,゚Д゚)「見ての通り、な」
从'ー'从「チンチンも勃たなさそ〜」
(;・∀・)「ナベちゃんごめん先に宿に戻っといて」
从'ー'从「ええ〜?お菓子買ってくれるって言ったのに〜?」
(;・∀・)「買って帰るから」
从'ー'从「ふた……三つ?」
(;・∀・)「足下見たね今。わかったよ、買って帰るから」
从*^ー^从「えへへ〜。じゃあ、後でね〜」
軽い足取りで酒場を後にしたナベを見届けたモララーは、対面の席に着き店員を呼ぶ
35
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:45:09
( ・∀・)「リンゴジュース二つ。あと適当なおつまみを」
Ω「あいよー」
(,,゚Д゚)「待て、俺は長居しないぞ」
( ・∀・)「まぁまぁ、ここは僕が持ちますから」
朗らかにそう言われたギコは、他に断る理由も思いつかず言葉に甘えることにした
程なくして、注文の品がテーブルに届く。二人は木製のコップを手に取ると、軽くたたき合わせた
( ・∀・)「この世界に来てよかったと思える所の一つは」
リンゴジュースを飲み、満足そうに息を吐く
( ・∀・)「ご飯がビックリするほど美味しい事ですね」
(,,゚Д゚)「確かにな。だが、俺はたまに添加物まみれのインスタント食品が恋しくなる」
( ・∀・)「……まだ、元の世界に未練が?」
(,,゚Д゚)「当然だ」
即答。モララーの形の良い眉が僅かに歪む
( ・∀・)「……発言には気を付けた方が良いかと、『将軍』」
(,,゚Д゚)「持ち上げられるためにその地位に就いたわけではない。この国の上に立てば、元の世界へ帰れる手段が見つかるかと思ったからだ」
(,,゚Д゚)「……結局、成果は無いが」
36
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:46:12
( ・∀・)「勿体無いと、思わないのですか?」
(,,゚Д゚)「……どうかな」
ギコは、おつまみとして運ばれてきた豆菓子を頬張り、ジュースで流し込んだ
(,,゚Д゚)「確かに、ここに来て得られたものも多い。仲間や、地位や、元の世界じゃ絶対に見られない風景」
(,,゚Д゚)「だが、ここじゃ得られないものだって沢山ある。両親や兄弟、昔の俺を知る古い友人」
(,,゚Д゚)「見もしないのに流すテレビのBGM、大して面白くもないスマホゲーム、毎朝うんざりさせられる通勤ラッシュ……」
(,,゚Д゚)「何でもないことが、今となってはとても懐かしい。郷愁と、言うのだろうな……」
( -∀-)「……考えは、変わらないようですね」
少し寂しい表情を見せるギコの顔に、モララーは目を細めた
(,,゚Д゚)「お前こそどうなんだ?帰りたいと思わないのか?」
( ・∀・)「まさか」
豆菓子を一つ手に取ると、親指で真上に飛ばし口でキャッチした
( ・∀・)「ごく普通の高校生だった僕が、ここじゃ英雄です。あんな退屈な世界に未練はありません」
(,,-Д-)「……ご両親も、心配されていると思うが?」
( ・∀・)「どうだか。元々、兄ばかり気に掛けて僕には興味が無かったようですからね」
37
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:46:57
ギコはそれ以上、何も言わずジュースを飲み干し立ち上がった
『若いな』。そう思ったが、口には出さなかった。彼の自尊心を無意味に傷つける必要はないと考えたからだ
(,,゚Д゚)「ごちそうさん。暫くこの街に滞在するなら、声をかけてくれ。今度、飯でも食おう」
( ・∀・)「ええ、是非」
席を丁寧に整え、ギコは通りへ出る
(,,゚Д゚)「……」
(,,-Д-)=3「ふぅー……」
疲れていた。この世界にも、将軍という立場にも、元の世界に変える手段の模索にも
いっそ、全てを受け入れて生きようかとも考えたこともあったが、故郷への想いはそう簡単に手放せるものではない
(,,゚Д゚)(お前らが羨ましいよ)
割り切り、適応した二人に、時折イラつきと羨望を覚える
それでも、自分は変わることが無いのだろうとも感じていた。前にも後ろにも進めず、その場で足踏みをしているだけ
その瞬間にも、時と言う真綿は首を絞めていく。『諦め』という境地にたどり着くまで
(,,゚Д゚)「……」
彼は欲した。変化を、元の世界に戻りたいという同志を
それを知ってか知らずか。その『両方』が、すぐ間近まで迫っていた―――
38
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:48:14
―――――
―――
―
( ・∀・)「ただいまーっと」
宿屋の四人部屋の扉を開けると、真っ先に彼の胸に小さな女の子が飛び込んだ
从*^ー^从「えへへ〜。お帰り〜♪」
先刻までニュッを挑発していた『ウィッチ』のナベが、胸元から彼の顔を見上げる
もうこの時点で執筆してる私のSAN値はガリガリ減っているのだが、話の展開上やめるわけにはいかないのであった
( ・∀・)「はいはい、いい子に……」
視線を部屋の中へと向けた彼の目に、まず最初に飛び込んで来たのは
(゚、゚トソン「……」
ζ(゚ー゚*ζ「……」
下着姿の二人の美女であった。ああもう嫌だ。なんでこんなクソみたいなシーンを書かないといけないのだろうか
( ・∀・)「」
一瞬、時が止まり
二人の顔が羞恥と怒りで真っ赤に染まっていき
「「きゃああああああああああああああああ!!!!!!」」
耳を劈く悲鳴が、宿屋中に響いたのであった
39
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:49:10
(゚、-#トソン「何時になったらノックを覚えるんですか貴方は!!」
(メ)∀・)「はい……反省してます……」
強烈なビンタを喰らったモララーは、床に正座をし説教を受けていた
何度も注意されたものだが、『何故か一向に』学習する気配がない
(゚、-#トソン「全く……見たいなら素直にお願いすれば私だって……」
(メ)∀・)「ん?何か言った?」
(゚、゚#トソン「なんでもありません!!」
素直になれないツンデレエルフ『トソン』の呟きは、ビンタの衝撃による長い耳鳴りによってモララーに届かなかった
この『難聴』も、何故か似たようなシチュエーションで度々起こるものだった。早く死ねばいいと思った
ζ(゚ー゚;ζ「ほ、ほら、もうその辺にしよ?ね?」
(゚、゚#トソン「……わかりました。デレに免じてここまでにしておきます」
(メ)∀・)「寛大な処置に感謝いたします」
デレと呼ばれた少女は、しゃがみ込んでモララーの赤い頬に手を添える
(*メ)∀・)「だっ、大丈夫だよこれくらい」
ζ(゚ー゚*ζ「いいから」
柔らかな緑の光が、腫れた頬を包み込む
ζ(^ー^*ζ「ん、よし」
(* ・∀・)「……」
すっかり元通りに治った頬を、モララーは照れくさそうに人差し指で掻く
デレは戦闘能力こそ無いものの、随一のヒーラーであった。その能力と同じく、性格も穏やかで優しみのある幼馴染のような存在である
40
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:50:22
从'ー'从「で〜、お金はいくらもらってきたの〜?」
モララーの手荷物から勝手にお菓子を引き出し頬張っているのは、元魔族の『ワタナベ』だ
『ジャム・メイカー』の異名を持つ彼女は、かつて残虐の限りを尽くしたウィッチであったが
モララーとの戦闘に敗れ、それ以降『スタローン側の戦力』として行動を一緒にするようになった
( ・∀・)「この通り」
ベルトに結び付けていた小袋の中身をテーブルへと開け出す
軽い音を立て転がり出たのは、色とりどりの宝石だった
(゚、゚トソン「害鳥駆除の報酬としては破格ですね」
トソンはその中の一つを手に取り、明かりに透かす
紅の宝石の内部で、いくつもの花火が打ち上げられている
『ファイアフラワー・ルビー』と呼ばれる、セガール東部で掘削される貴重な宝石である
( ・∀・)「ありがたいよ。これで軍資金がグンと増えた」
(゚、゚トソン「セガール攻略の日はそう遠くないでしょうね」
モララーの一行はこうして各地でクエストをこなし、セガール侵攻の足掛かりとしての資金を集めていた
装備、軍勢、兵站等、戦争には金が掛かる。高ランクスキル保持者だとしても、一人で平和を掴めるほどこの世界は甘くないのだ
( ・∀・)「それに、城主とのコネクションを築けたのも大きい。前線に近いこの城の兵力と防御力は是非とも必要だからね」
从'ー'从「ハゲだけどね〜」
(;・∀・)「その言葉一つで関係が瓦解するから、絶対に言わないでね?」
41
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:51:30
ζ(゚ー゚;ζ「……」
(゚、゚トソン「デレ、どうしました?」
一人浮かない顔をしているデレに、トソンが声を掛ける
Σζ(゚Д゚;ζ「ふえっ?」
(゚、゚トソン「顔色が優れないようですが……?」
ζ(゚ー゚;ζ「あっ……その……ちょっと、思い出しちゃって」
先日のクエスト『ハーピィ殲滅戦』の事であった
集落のボスらしきオスのハーピィが、炎に焼かれ、矢に穿かれ、ゴーレムに下半身を潰されて尚
一矢報おうとデレの目前にまで迫ったのだ。その鬼気迫る様は、トドメを刺したモララーですら戦慄を覚えるほどだった
( ・∀・)「大丈夫だよ。一羽残らず倒したから、報復になんて来やしない」
从'ー'从「狩猟鳥獣の分際でしぶとかったよね〜」
ζ(゚ー゚;ζ「うん、でも……」
ζ(゚ー゚;ζ「私達は、ハーピィをあれだけ猛らせるほどの事をしたんだって思うと……」
室内がひやりと冷たく、静かになる感覚が、デレには広がった
しかし、その他のメンバーは違った。何食わぬ顔で菓子を頬張り続けるワタナベに
(゚、゚トソン「狩りにはあのような場面は付き物です。慣れますよ、デレ」
それが『当たり前』だと言わんばかりのトソン
42
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:52:45
( ・∀・)「デレ、気持ちはわかるよ」
モララーはデレの手を、自らの両手で優しく包み込んだ
柔らかな掌の感触と暖かみに、彼女は自分の顔に血が上っていくのを感じる
( ・∀・)「僕たちはハーピィにとって非道を行った。でも、これは平和の為に必要な行いだったんだ」
( ・∀・)「『大いなる力には、大いなる責任が伴う』……これは、僕一人の罪で、責任だ。罰はいずれ下る」
ζ(゚ー゚;ζ「そんなっ……」
( ・∀・)「それでも僕は、スタローンの為に……君たちの為に、この手を汚したい。礎となりたい」
( ・∀・)「平和になった後の世で、もし許されるのならば……また君たちと」
真に迫るモララーの言葉は、乱暴なノックの音で中断された
「モララー・ランドウ殿!!居られますか!!」
(゚、゚トソン「ッ」
( ・∀・)「待って、僕が出る」
咄嗟に弓と矢を構えたトソンを制し、モララーは短刀を握った右手を背中で隠しドアノブに手を伸ばす
ゆっくりと扉を開くと、見知った兜と甲冑が目に飛び込んだ。ココロガピョンピョンスルン城の近衛兵である
(;T)「お休み中、申し訳ございません!!城主から火急の応援要請です!!」
( ・∀・)「一体何が……?」
43
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:53:10
(;T)「『蝙蝠』が現れました!!」
.
44
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:54:01
―――――
―――
―
時は数刻前に遡る
( ^ν^)(最悪だ……)
自宅に帰り、惰眠を貪ろうとした矢先
(´^_ゝ^`)「いやぁ〜、惚れ惚れするよねぇこの模様。どう思う?」
( ^ν^)「そっすね」
ココロガピョンピョンスルン城主、デミタスに呼び止められた
亜人や魔獣マニアである彼は、事あるごとにクエストを発注し、『コレクション』を集めている
新しく手に入れたそれを、どうしても誰かに見せびらかしたいのだろう。彼の食客であるニュッは、その相手をさせられることが多かった
(´^_ゝ^`)「はぁ〜〜〜〜、いつもながらモララーくんはいい仕事をしてくれるよぉ〜〜〜〜。孵化寸前の、しかも緑眼のレア種のハーピィの卵ときた!!」
卵を撫でながら頬ずりする様に、ニュッは唾棄しそうになったが
雇って貰っている立場、我慢せざるを得なかった
(´^_ゝ^`)「知ってるかい?ハーピィも他の鳥類と同じく、孵化してから最初に見た顔を親だと認識するんだ」
( ^ν^)「へーそうなんすかー」
適当に返事する。耳にタコが出来るほど聞かされた話だ
端から見れば失礼極まりない態度だったが、デミタスは気にも留めず話を続ける
(*´^_ゝ^`)「コレクター仲間に自慢できるよ〜〜〜〜。何てったって!!レア種の!!ハーピィを!!ペットにするんだから!!」
( ^ν^)「……」
45
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:55:31
( ^ν^)(『ペット』、ねぇ)
ソファーの背もたれに頭を乗せ、チラリと視線を横に向ける
ちょっとした大会議室ほどの広さの部屋には、獣の剥製が所狭しと並んでいるいた
獣だけならまだマシな部類だろう。中には、ケンタロウスや人魚といった亜人も含まれている
『ニュートラル』の卵、幼体の亜人を攫っては育て、飽きたら殺して剥製として飾る
デミタスの悪癖を知る者は少ない。コレクター仲間か、部下の一握りか、ニュッのように個人的契約で結ばれている『勇者』か
恐らくは、彼のクエストを受注したモララーも。スタローンの将軍であるギコですら、この部屋の存在を知らないのであろう
( ^ν^)「……」
ニュッは所謂『用心棒』として雇われているが、仕事内容にしては法外の賃金と待遇を受けている
雇われてから半年近く経つが、『ランカイ』を扱ったのは二度ほど。どちらも、セガールとの小競り合いを終わらせた程度の簡単な仕事だ
(´^_ゝ^`)「いや〜、楽しみだ……」
デミタスの本当の狙いは、ニュッの戦闘力ではなく、彼が使役する『ストームビースト』
金の力で自らの手短に置いておき、機会を伺い奪い取る気でいるのだろう
( ^ν^)(面倒くせえ)
当然、おいそれと手渡す気は毛頭ないニュッは、絞れるだけ絞ってから逃げ出そうと考えていた
交易都市を纏める一城主だ。無駄遣い出来るほど金は有り余っている
自分を超えるスキル所持者を雇うくらい、訳ない筈だ。例えば、『モララー』
( ^ν^)(ま、それはねえと思うけどな)
いけ好かない青年ではあるが、仕事の分別は身についている
『勇者』としての信用、矜持に背くような真似はしないだろうと踏んでいた
46
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:56:36
しかしながら、人としての『モララー』に対して、ニュッは半ば不信感を抱いていた
異世界に来て『人が変わる』ことはよく聞く話だ。例えば、元世界では日陰者として生きていた者が
『スキル』という力を手にして、横暴にも等しい活躍を見せ脚光を浴びる人気者になるなど
特に高レベルスキル保持者には、異世界人も強気に出ることが出来ない。彼らの機嫌を損ねれば、『刃の切っ先』を向けられかねないからだ
特に、先ほど例として挙げた元日陰者などはプライドの塊のようなものだ。気に食わなければスキルを行使し、自らの尊厳と地位を周りに知らしめる
カースト上位に立つことで得られる、所謂一種の『支配欲』に囚われ、それに準じて行動をする
だから、自分より上の立場にいる人間に噛みつき、あわよくば蹴落とそうと作為する
本人にその自覚があるのかは定かでは無いが、少なくともニュッには、モララーがその手の人間に見えた
『心の贅肉』とでも言うのだろうか。モララーがスキルで強くなればなるほど、無自覚の自尊心が積み重なっていく
名声を浴び、富を得て、美女に囲まれた人間が、『まとも』なままで居られるワケがない。それが、元々は『どこにでもいる普通の人間』なら尚のこと
今まで手に出来なかったものを、もっと求める。際限なく求める
この世界にある何もかもを手にするまで、『飢え』が満たされることはない
( ^ν^)「……」
( ^ν^)(気分が悪ぃ……)
悪酔いに、悪い機嫌。更には不気味な部屋とペラペラとどうでも良いことを垂れ流し続ける雇い主
適当な言い訳をして、サッサと家に帰ろうと腰を上げた瞬間。扉が乱暴に開け放たれた
(;T)「失礼します!!」
飛び込んできたのは、甲冑と兜を着けた衛兵の一人であった
47
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:57:52
(;´^_ゝ^`)そ「な、何事〜〜〜〜〜?」
驚いてはいるが、卵を大事そうに手放さないあたり良い根性をしている
(;T)「ああ、セイキョウ様もご一緒でしたか!!」
( ^ν^)「あ?俺が出張るほどの用か?」
(;T)「警戒レベル『狂』です」
( ^ν^)「はっ?」
『勇者』は、マヌケな声を上げただけだが
(´ ゚_ゝ゚ `)「」
『城主』は、それすら出来なかった
警戒レベル『狂』とは、『セガール軍数万の襲撃』もしくは『ランクS以上のスキル保持者複数人の襲撃』
言うまでもなく大事だ。それほどの戦力が動く場合、当然『諜報』からの前情報が入って然るべきである
『勇者』『魔王』どちらにも、隠密や情報収集に長けたスキル保持者は存在する。その上で、高度な情報戦が繰り広げられているのだ
(;´ ゚_ゝ゚ `)「なっ、えっ!?軍!?魔王!?」
( ^ν^)(違う)
備えが無ければ、城一つなど簡単に吹き飛ぶレベルの危険度。諜報部隊が見逃すはずがない
では、『セガールからの襲撃ではない』とするならば。残すところは一つしかない
そしてその『一つ』から、『狂』レベルまで警戒されている人物と言えば、それも一人しか居なかった
(;T)「蝙蝠……」
(;T)「『万屋の蝙蝠』、他二名が此方へと近づいています!!!!!」
.
48
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:58:45
(´ ゚_ゝ゚ `)「」
城主は白目を剥き、持っていた卵をそっと、そぉっとクッションを敷いた強化ガラス箱の中に入れ、鍵を閉めた
(´ ゚_ゝ゚ `)「軍を出せ……」
(;T)「如何ほどですか!?」
(#´ ゚_ゝ゚ `)「動かせるだけ動かせぇぇぇーーーーー!!!ギコ将軍にも連絡しろ!!行け!!」
(;T)「ハッ!!」
衛兵はすぐさま部屋の外に飛び出していった
デミタスは気が気ではないようで、親指の爪を噛み始める
(;´ ゚_ゝ゚ `)「何故この城に……?クソ……向こう側の連中だけ相手してくれればいいものの……何だ……要求は……?」
( ^ν^)「さっきまで頭の代わりに抱えてたモンでしょうよ」
(´^_ゝ^`)「あら洒落が効いてるね☆」
(#´ ゚_ゝ゚ `)∴「ってアホかぁ!!洒落効かしとる場合かァ!!さっさとおめーも向かえ穀潰しがぁ!!」
( ^ν^)「へいへい……」
杖を手に取り、衛兵に続いて部屋を出る
不思議と、酔いと気分は晴れていた。今し方口走った自分の洒落にクスリと笑ってしまうほどに―――――
49
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 00:59:28
♪DMX - X Gon' Give It To Ya
https://www.youtube.com/watch?v=fGx6K90TmCI
.
50
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:00:22
城外からちょっと離れた所を!!!!!!!!!!三人の男たちが!!!!!!!!!悠然と歩く!!!!!!!!!!!
(´・ω・`) ショボン!!!!!!!!!!
_
( ゚∀゚) ジョルジュ!!!!!!!!!
('A`) クソ貧弱童貞野郎!!!!!!!!!!!しかも不細工!!!!!!!!!!
仕事の依頼を受けたのが半日前!!!!!!!そしてココロガピョンピョンスルン城はMEETから早馬で二日の距離!!!!!!!!!
つまりマッチョの脚なら半日あれば余裕で到着する!!!!!!!!!!マッチョってすごい!!!!!!!!!
(´・ω・`)「なんかがやがやしてない?」
_
( ゚∀゚)「アレじゃね?ラブライブのファイナルライブとかやってたんじゃね?」
('A`)「マジかよもう帰りたいんだけど」
城内ですぐに出動できた兵士が慌ただしく隊列を組んでるけど!!!!!!なんでそんなんしてるのか意味わからへん三人は!!!!!!
呑気!!!!!!!!!!!!!非常に呑気!!!!!!!!!!!マッチョは心もマッチョなので慌てたりしない!!!!!!!!
( T)「構えぇぇぇーーーーーーーーーー!!!!!!」
(´・ω・`)「えっ?なんか前列、弓構えてない?」
_
( ゚∀゚)「最近のオタ芸は凝ってんな」
('A`)「アイドルアニオタネタいつまで引っ張るの?これいつになったらシリアスパートに入るの?」
51
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:01:24
( T)「ってええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!」
号令と共に!!!!!!!!!!警告なしに大量の矢が放たれる!!!!!!!!
どれくらい大量かって言うと!!!!!!!!!映画『300』で序盤にペルシア兵が放った量くらいだ!!!!!!!盾があれば安心レベル!!!!!!どってことない!!!!!!
しかしこの三人!!!!!!!!!!盾どころか服すらまともに着てない!!!!!!!!!!ピンチだ!!!!!!!!!
_
(;゚∀゚)「おいおい物騒だな〜。ちゃんと人がいないか確認しとけよスタッフ〜」
('A`)「つーか矢を放つオタ芸ってなんだよ。戦国時代でもそんなことしねーよ」
(´・ω・`)「ジョルジュ、『アイサツ』してやれ」
_
( ゚∀゚)「アイカツ?」
('A`)「挨拶」
_
( ゚∀゚)「アッハイ」ググッ……
ジョルジュ!!!!!!!!右腕を高く掲げて力む!!!!!!!!!!力が入ってる!!!!!!!!!
迫る矢!!!!!!!!!!刺さったら痛い!!!!!!!!!!マッチョでもちょっと泣く!!!!!!!!
_
(#゚∀゚)「うおおおおおおおお!!!!!これが俺の……!!!!!」
高く振り上げた腕を!!!!!!!!!!降ろす!!!!!!!!!!
_
(#゚∀゚)「『おっぱいタイフーン』だ!!!!!!!!!」グオオオオオオオッバアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!
巻き起こるは!!!!!!!!!巨大な竜巻!!!!!!!!!技名がダサい!!!!!!!!
ズッコケ三人組の頭上スレスレまで落ちてきた大量の矢は!!!!!!!四方八方に巻き飛んだ!!!!!!!!!
52
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:02:15
この竜巻は彼の筋肉だけによる所業なのか!!!!!!!!!!??????
否!!!!!!!!!!!
これは彼の持つスキル『空力使い』も絡んでいる!!!!!!!!!!ぶっちゃけると超電磁砲の佐天さんの能力だ!!!!!!!!
なんか風とか起こせる!!!!!!!!!!すごい!!!!!!!!!!
召喚時の彼のスキルレベルは『E』!!!!!!!!!!つまり葉っぱ舞い上がらせる程度の威力しか持たなかった!!!!!!!
しかしそれは!!!!!!!!!!『スキル』のみを行使した場合に限る!!!!!!!!!!
そこに!!!!!!!!!!!!『筋力』を!!!!!!!!!!!!!!森で鍛え上げた筋力を上乗せすれば!!!!!!!!!!!
_
(;゚∀゚)「あっやべえ加減ミスった。ラブライバーの人たちもちょっと吹き飛ばしちゃった」
『S』と対等に並ぶ威力の暴風を巻き起こせるのだ!!!!!!!!!!つまりほぼ筋肉による力だ!!!!!!!!!
は!!!!!!!!??????何!!!!!!!!!????暴論だって!!!!!!!!!??????
お前それゆでたまご大先生の前でも同じこと言えんの!!!!!!!!!!!!?????????????
(´・ω・`)「お前アレ城壁にペシーンって埋め込まれてんじゃねえか。これがギャグじゃなかったらグチャグチャだぞ」
_
(;゚∀゚)「ひゃー、ギャグで良かったぁ〜ふぅ〜」
('A`)「良くねーよもう完全に戦争始まるやつじゃねーか」
_
(;゚∀゚)「えっ?俺らアイマス派代表なの?」
('A`)「そろそろアイドルアニメから離れないかなぁ」
(´・ω・`)「俺アイマス全然詳しくないけど卯月ちゃんめっちゃ可愛いと思う」
('A`)「うん、そろそろ真面目にやろう?な?」
53
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:03:03
<やべえよやべえよ……あんなの俺らがどうにかできるアレじゃねえよ……
<マジやべえよ……給料に見合わねえよ……
<やべえ一体感を感じる……今までにない何かヤバい一体感を……
集まった兵士も!!!!!!!!!竜巻一発でこの体たらく!!!!!!!!!
広がるマジやべえの輪!!!!!!!!!!!!!伝達速度もやべえ!!!!!!!!!!
戦に置いて動揺は好機!!!!!!!!!!!この男がそれを見逃すはずがない!!!!!!!!!!
(´・ω・`)「スゥーーーーーーーー……」
(#´゚ω゚`)「オルrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrラァ!!!!!!!ココロガピョンピョンスルン城主、デミタスボケオラァ!!!!!!!!!!!!!!」
空気震わせる怒号!!!!!!!!!金玉が縮み上がる兵士たち!!!!!!!!!
(#´゚ω゚`)「テメーーーーーーーーーーーーが持ってるハーピィの卵、今すぐ耳そろえて返せやボケオラカスゥ!!!!!!!」
('A`)「だから何で言っちゃうかなぁ目的をさぁ」
マッチョは考えない!!!!!!!!!!もし目の前になんか変な奴が居たら殴る!!!!!!!関節も曲げる!!!!!!!
(;T)「ひええええええええええ!!!!」
兵士は腰を抜かす!!!!!!!!!!!戦場で血みどろになりながら魔族をぶち殺す強者もビビる!!!!!!!
54
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:03:33
(;´ ゚_ゝ゚ `)そ「ひえええええええ!!!!????なんでえええええええええ!!!!????」
デミタスはおしっこ漏らす寸前だ!!!!!!!!インガオホーである!!!!!!!
(,;゚Д゚)「兵は引き上げるべきですね。意味を為さない」
(;´ ゚_ゝ゚ `)「カカシどもが〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!」
高見台からも分かる!!!!!!!!兵士たちの狼狽が!!!!!!!!!
動ける人間集めて三千!!!!!!!!!その全てがひええってなってる!!!!!!!!!!
(,,゚Д゚)「城外にいる全ての兵を引き上げさせましょう。交渉に持ち込みます」
(#´ ゚_ゝ゚ `)「はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!????問答無用でぶち殺せよ〜〜〜〜〜!!!!!!!俺ァ絶対ハーピィの卵を返さねえからなぁ〜〜〜〜〜〜〜!!!!????」
(,,゚Д゚)「『蝙蝠』が何者かよくお分かりになってないようすね」
(#´ ゚_ゝ゚ `)「わかっ!!!!!!!!!!てるよ!!!!!!!!!!ランクSSの『宇宙大魔王』とセガール軍三万を一人でボッコボコにして土下座させて森の植林活動手伝わせたっつー逸話を持つ変態野郎だろ!!!!!」
(,,゚Д゚)「おや失礼、よくご存じで」
(#´ ゚_ゝ゚ `)「でーーーーーーーーーーもそれは!!!!!!!セガールの兵士と魔王がクソ雑魚だっただけの話だ!!!!!こっちには高ランク勇者が三人も!!!!!!!しかも一人はスタローン最強のSSランクだぞ!!!!!!」
(,,゚Д゚)「ええ。でしたら、どうするべきかお判りでしょう」
(#´ ゚_ゝ゚ `)「ッ……おい!!」
伝令兵に乱暴に命令を下す城主を置き!!!!!!!ギコは高見台をゆっくりと降りる!!!!!!!!!!
(,,゚Д゚)「……負け戦か」
(,,゚Д゚)「やはり将校など、ロクなものではないな」
55
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:04:35
('A`)「あ、なんか兵士引いていくな」
_
(;゚∀゚)「やっべ……竜巻なんか起こしちゃったからライブ中止にしちゃったのかな?」
(´・ω・`)「やだ〜、オタクの人たちって野蛮だからこわ〜い」
('A`)「オタクの人たちだってパンツ一丁のマッチョは怖いよ」
ココロガピョンピョンスルン城の緊張を余所に!!!!!!!ド変態三人組はゆっくり歩く!!!!!!
近づいてくる変態に!!!!!兵士たちは蜘蛛の子散らすように逃げていく!!!!!変態は近づくと恐い!!!!!
('A`)「これもう終わったんじゃね?割とサクッと返してくれるんじゃね?」
(´・ω・`)「いやぁ、そう簡単に済む依頼じゃないから」
(,,゚Д゚)「……」
( ^ν^)「……」
(´・ω・`)「彼女は『目玉』を差し出すんだよなぁ」
('A`)「本当になぁ」
_
( ゚∀゚)「楽しくなってきやがった」
三千の兵の代わりに現れたのはたった二人!!!!!!!!!
しかし、一人で一騎当千の実力を持つ!!!!!!つまり実質二千の戦力!!!!!!アレ!!!!????減ってない!!!????
(,,゚Д゚)「止まれ!!要求を聞こう!!」
(#´゚ω゚`)「断るーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!死ねーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!ぶっ殺すーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
_
( ゚∀゚)「ウッソだろマスター」
('A`)「殺さないんじゃねーのかよ」
(,;゚Д゚)「い、一蹴じゃないか……卵がどうのこうの言ってたな?ニュッ、何か知ってるのか?」
( ^ν^)「お前の知らないクソ城主の悪癖と、金に釣られた優等生クソ勇者がやらかしたんだろうよ……」
(,;゚Д゚)「頭が痛むな……」
マッチョはテンションだけで話す!!!!!!!!!!!後叫ぶ!!!!!!!!!!
歩くのは止めない!!!!!!!!近づいて!!!!!!!殴る!!!!!!!!!!!
56
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:05:15
二組の距離は近づいていく!!!!!!戦いの幕開けは近い!!!!!!!!!
(,,゚Д゚)「どうする?このままだと戦闘になるが」
( ^ν^)「倒せると思うか?」
(,,゚Д゚)「無理」
( ^ν^)「じゃあ出来る限り善処するしかねえだろ。言い訳が出来る程度にな」
ギコは甲冑を外した!!!!!!!!!剣も放り投げた!!!!!!!!
ニュッは杖を振り上げた!!!!!!!杖の先端に付いた宝石的な何かが光った!!!!!!
_
( ゚∀゚)「どっち?」
(´・ω・`)「将軍は俺。神獣使いはお前」
(´・ω・`)「あ、俺が将軍って意味じゃ無くてな?」
_
( ゚∀゚)「一々説明しなくても分かる。オッケ」
('A`)「俺は?」
(´・ω・`)「卵持って来い」
ええ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!???????一番ヤバそうな仕事ををクソ貧弱童貞野郎にさせんの〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!?????
('A`)「余裕過ぎて欠伸とか出るわ」
(´・ω・`)「他に何が出るんだ?」
('A`)「チンコ」
自信満々〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!????????ちゃんと仕事できるの〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!?????
57
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:05:47
('A`)「悪ぃな、通るぜ」
構えを取るギコとニュッの間を!!!!!!!!物おじせず通ろうとする不細工!!!!!!!
(,,゚Д゚)「通すと思うか?」
( ^ν^)「死ね」
ギコ!!!!!!!!!!中段から正拳突きのモーション!!!!!!!!!
ニュッ!!!!!!!!!杖の先端から風の刃を生成する!!!!!!!!!
('A`)「お前らの意思は関係ねえ」
ドクオ!!!!!!!!!!!避けもしない!!!!!!!!必要が無いからだ!!!!!!!!!!
(#´゚ω゚`)「おおおおおおおおおおおおっしゃあああああああああああ!!!!!!!」
ショボンの……拳!!!!!!!!!!!
_
(#゚∀゚)「うらああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
ジョルジュの……風!!!!!!!!!!
(,,゚Д゚)「ッ!!」
( ^ν^)「チッ!!」
お互いの攻撃が……相殺され!!!!!!
('A`)「俺が通るっつったら、『通る』んだよ」
ドクオ!!!!!!押し通る!!!!!!ココロガピョンピョンスルン城へ侵入!!!!!!!!!
58
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:06:47
(,;゚Д゚)「重い拳だな……!!蝙蝠!!」
(´・ω・`)「マッチョは体が資本」
『一騎当軍』VS『万屋の蝙蝠』!!!!!!!!!
( ^ν^)「『暴風右腕』、ジョルジュか。風使いとして光栄の相手だな」
_
( ゚∀゚)「『ランカイ』、ニュッとお見受けした。楽しもうぜ、なぁ!!」
『ランカイ』VS『暴風右腕』!!!!!!!!!!!
お待ちかねの超絶バトルの開始だ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
(,,゚Д゚)(だが……)
開始の前に!!!!!!!!胸中に不安!!!!!!!!!!
( ^ν^)(誰だあいつは……)
なんかかっこいい異名を持ってる二人!!!!!!!!!頑張って考えた!!!!!!!!!!
しかし!!!!!!!!不細工で貧弱で過剰な自信しか持ってなさそうなドクオに!!!!!!そんなもんあると思う!!!????
それでも!!!!!!!ショボン、ジョルジュという変態が連れてきた変態!!!!!!!!
ただの変態の訳が無い!!!!!!!!!変態という枠組みだけで『ただ』の人間じゃないと思うが!!!!!!!!!
('A`)「大丈夫かなぁ」
(,,゚Д゚)(しかし、城内にはあいつが居る……)
( ^ν^)(負けるたぁ考えにくいな……)
ココロガピョンピョンスルン城に残っている勇者は一人!!!!!!!!!しかも女連れだ!!!!!!!
59
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:07:43
―――――
―――
―
( ・∀・)「近隣住人の避難は?」
ζ(゚ー゚*ζ「今し方終わったよ」
( ・∀・)「よし、備えあればってね」
デミタスの屋敷前!!!!!!!!城主直々の命令で警護を固める四人!!!!!!!!!!
(゚、゚トソン「結界内に一人侵入しました。迎撃しますか?」
( ・∀・)「ダメ。まずは話し合いからだよ」
从'ー'从「めんどくさ〜。金玉潰してジャムにすればいいのに〜」
(;・∀・)そ「グロイよ!!ダメだって『ヒューマン』が相手なんだから、紳士的に解決しないと」
从'ー'从「ふぅ〜ん……」
(゚、゚トソン「来ました」
('A`)「……」
人気のない屋敷前に!!!!!!!!パンツの上からローブを着た貧弱変態不細工野郎が!!!!!!!
( ・∀・)「そこで止まってください」
('A`)「……」
立ち止まる!!!!!!!!変態らしからぬ素直さ!!!!!!!!皆も見習おうな!!!!!!!!
60
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:09:12
( ・∀・)「此方に敵対の意思はありません。賠償が必要なら城主と交渉の場を設けます」
('A`)「俺の要求は卵だけだ」
( ・∀・)「それに見合う金額をご用意します」
('A`)「卵」
( ・∀・)「……城主n('A`)「何度も言わせるな」
('A`)「卵だ」
有無をも言わせぬ一点張り!!!!!!!!!!!お金で買えない価値がある!!!!!!!!!
( ・∀・)「……ハァー……」
ζ(゚ー゚;ζ「……ねぇ、やっぱり」
(゚、゚トソン「これ以上は時間の無駄ですね」
デレの言葉をエルフが遮る!!!!!!!!!高貴キャラは空気を読まない!!!!!!!!!
(゚、゚トソン「卵は我々が回収し、依頼主に納入した物です。それを我々の手で返すなど、バカな話がありますでしょうか?」
('A`)「……」
ローブの袖の中!!!!!!!!!!!ドクオの拳に力が入る!!!!!!!!!!
(゚、゚トソン「そもそも、あなた方は森の住人でしょう?ハーピィの巣などそこら中に点在している筈です。そこからご自身で調達すれば、我々の前に立つなどという危険を冒さずに済むものを……」
( A )「……」
61
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:09:55
『「奴らに住処を荒らされ、殺され……残ったのは私だけです……」』
『「燃えていく仲間が、毎晩夢に出てきます。剣の切断面から体が焼け溶ける臭いまで、鮮明に」』
『「雨が恐ろしくなりました。逃げようとした仲間が、空から降り注ぐ幾千もの矢を受ける様を連想させられるから」』
『「地を見るだけで、土塊の巨人を思い出します。傷つき、飛ぶことすら出来なくなった仲間を虫のように踏みつぶした……!!」』
依頼主の!!!!!!!!!!!言葉を!!!!!!!!!!!!!!!
『「それをも奪われてしまっては……もう、生きる意味も無い……私の、全てなんです……!!!!」』
依頼主の!!!!!!!!!!!涙を!!!!!!!!!!!!!!!!!
『「『片目』を」』
依頼主の!!!!!!!!!!!!!覚悟を!!!!!!!!!!!!!!!
( A )「……よくも、言えたものだな」
思い返す度に!!!!!!!!!!!!怒りが込み上げる!!!!!!!!!!!!!!
62
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:10:51
(# A )「ろくでもねえ……欲を満たすために……てめえらに殺された奴らの無念を……!!!!!!」
一歩!!!!!!!!!!強く!!!!!!!!!!!踏み出した!!!!!!!!!!!
(# A )「てめえらに刻まれたトラウマに苦しめられる者の気持ちを……!!!!!!!」
交渉など無意味という意思表示!!!!!!!!!!!宣戦布告!!!!!!!!!!!
(# A )「子供を奪われた……母親の涙も知らずに……!!!!!!!!!!」
胸いっぱい!!!!!!!!!!!息を吸い!!!!!!!!!!!!!!
(#'A゚)「よくも言えたものだなァァァーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
その貧相な体に見合わない!!!!!!!!!!城外にまで響き渡る咆哮を吐き出した!!!!!!!!
63
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:11:33
(゚、゚トソン「ッ!!」
(;・∀・)「トソン、ダメだ!!」
待たず!!!!!!!!!!女はせっかち!!!!!!!!ホモかよ!!!!!!!
矢を一本!!!!!!!!!!!曲射!!!!!!!!!!!
(゚、゚トソン「『増えよ、纏まれ、天聖の矢』」
一本の矢が!!!!!!!!!!!!!二本!!!!!!!!三本と!!!!!!!!!
増える!!!!!!!!!増える!!!!!!!!!!クソ増える!!!!!!!!!
(#'A`)「「そういやてめえら見覚えがあるぞビッチ共ォ……」
矢が!!!!!!!!!!空を!!!!!!!!!!埋めつくす!!!!!!!!!!
(#'A`)「ケツに一本いいのぶち込んでくれたよなァクソエルフ……」
ばらけた矢が集まり!!!!!!!一本の巨大な矢へと変貌を遂げる!!!!!!!!!!!
ドクオの直上に!!!!!!!!!落ちてくる!!!!!!!!!!逃げ場無し!!!!!!!!!
当たったら肉塊必須!!!!!!!!!!貧弱クソ野郎じゃなくても死ぬ!!!!!!!!
必殺の一撃に対する!!!!!!!!!!!ドクオの返答は!!!!!!!!!
(#'A`)「『汗と涙の十二発』」
スキルの、発動!!!!!!!!!!!!!!!
64
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:11:55
♪Maximum Effort
https://www.youtube.com/watch?v=4wD5tamhwXo
.
65
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:12:25
ローブを脱ぎ捨てる!!!!!!!!!!!!貧弱な体が露わになる!!!!!!!!
(#'A゚)「ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ア ! ! ! ! !」
いいや!!!!!!!!貧弱な体が!!!!!!!!!!筋肉が!!!!!!!!!!
増大!!!!!!!!!!肥大!!!!!!!膨大!!!!!!!!!!!!!
(#'A゚)「消し飛べェェェェェーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!」
返答は!!!!!!!!!!!!!!!突き上げた拳!!!!!!!!!!!!一発!!!!!!!!!!
(゚、゚;トソン「ッ!!??」
巨大矢!!!!!!!!文字通り!!!!!!!!!!消し飛ぶ!!!!!!!!!!!!バラバラ!!!!!!!!!!
66
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:13:11
-─-
/ \
/
l l
| / \ |
| /\ .| 「おまたせ、じゃあ死ね」
| / ̄ ̄\ .|
l ⌒ |
-一| \ /. |ー-
/ | ` ー一' ::: |.. \
-─∠ ...::小 \::::::::::::.::::: 人::.. \
/ ´ ̄ ー-ミヽ /二ニ=一---< ´ ̄`ヾ¨ ヽ
/ 爪 V´ } \
ヽ ( / `寸 -‐ }:.. V
{ 弋彡 ≧=く ー=ミi/ 弋 ル ノ::: '
〉 ⌒{ ⌒ヽ ヽ. | > <:::_ ム |
ー--ミム |辷一 / j Y `ヽ
{ l ( > 、.___ノ二辷_ _ { イ ノ::.
∨ | リー=辷二 ̄ ̄ _,込 ヽ `>< `ヾ }
∨小ム 〈 リ リ/ } ′
.∨ Y ー--==-‐ ´ ム-=ニ ノ /
弋 人 ..:r< ハ
`¨¨ヾ ー─ ィ< |二_ __二 イ ノ
T ー─‐<___.{____|  ̄ ̄ フ´
| :{ :|: ≧=ー-- __ ニ=‐
圦 ::ト ー┼一 ┤ ノ
{ヽミ :{: :|: :}: 彡´ }
人 ` ̄¨¨¨ ┬─┬  ̄ 人
/  ̄`¨'辷─┴─┴─=ニ二´ ∧
クソ貧弱童貞野郎改め、クソ強靭マッスル童貞野郎!!!!!!無傷!!!!!!!!!!!
67
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:14:51
ドクオの頭上に!!!!!!!電数字で『12』が浮かび上がる!!!!!!!!
そしてすぐさま!!!!!!!!!カウントが一つ減り『11』へと変わった!!!!!!!
从'ー'从「へぇ〜、珍しい。ジャンクスキルをそこまで昇華してるなんてねぇ〜」
ドクオのジャンクスキル!!!!!!!『汗と涙の十二発』!!!!!!!
鍛錬によって『得るはず』だった『筋力』と『体力』を、溜め込み!!!!!!!!
発動時!!!!!!!!『十二発分の攻撃』として放つ!!!!!!!!!
ただし!!!!!!!一度発動すれば溜め込んだ鍛錬はリセット!!!!!!!一からやり直し!!!!!!!!!
しかも!!!!!!!普段の鍛錬によって身に付く『筋肉』はごく僅か!!!!!!!!!だから貧弱!!!!!!!
一見すげー強そうなスキルに見えるが!!!!!!!!!!そんなことない!!!!!!!!!!
普通の一般兵卒が普通の鍛錬を積んだとしても!!!!!!1.1倍の強化しか出来ない!!!!!熊一匹素手で倒せない!!!!不敗の牛山の方が強い!!!!!!
だからジャンクスキル!!!!!!!!!!ぶっちゃけ他スキルの方が強いから!!!!!!!!!
じゃあなんでドクオの一撃は巨大な矢を消し飛ばしたか!!!!!!!!!答えは簡単!!!!!
『それが可能になるまで鍛錬を積んだから』!!!!!!!!!!!
いやうん!!!!!!!もちろん普通にやってたらこんなん無理だよ!!!!!!!!
でもみんな知ってるよね!!!!!!!!ドクオを拾ったド変態を!!!!!!!!!!!!!
(´・ω・`)←すごい!!!!!!!!!
凄いマッチョ!!!!!!!!ショボン!!!!!!!!!!
彼のトレーニングメニューは!!!!!!効率十倍!!!!!代わりに辛さ二十倍!!!!!吐くほどしんどい!!!!!!
それを毎日こなす!!!!!!!!!人差し指の第二関節痛いとか下手な言い訳使うほど嫌だ!!!!!!!
でもやる!!!!!!!やった結果がアレ!!!!!!!!!
68
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:15:53
('A`)「ジャンク、スキル、だぁ?」
『ジャンクスキル』とは、スタローン及びセガール側の人間が決めた評価!!!!!!!
彼らが求めるのは即戦力!!!!!!!!それ以外は全部ゴミ!!!!!!
('A`)「てめえら……は、違ぇか。奴らの決めた基準で、物事語ってんじゃねえよ……」
だが彼らは肝心なことが見えていない!!!!!!!ショボンはこう言った!!!!!!!
('A`)「『なまくらだって、打てば名刀』だ……」
鍛錬に鍛錬を重ね、その上から鍛錬を重ね重ね重ね重ね!!!!!!!!!!
流した『汗』と!!!!!!!!!『涙』の数だけ無限に強くなる!!!!!!!!!!
努力が前提の男のスキル!!!!!!!!!!
('A`)「俺が、俺の手で、俺の努力で得た『強さ』ってのを……」
指の骨を鳴らす!!!!!!!!威嚇だ!!!!!!!!
('A`)「『強さ』っつー傲慢に溺れたてめーらの身に……」
(#'A゚)「刻み込んで、ぶち殺してやる……」
殺さないんじゃねーーーーーーーーーのーーーーーーーーーーーー!!!!????
しかし今はマッチョ!!!!!!!何もかもが脊髄反射!!!!!!!!口ではなく魂で語る!!!!!!!
69
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:17:29
(゚、゚;トソン「……アレを見て、まだ話し合いをお考えですか?」
(;-∀-)「……」
モララーは腰の聖剣を抜いた!!!!!!!!!!
(;・∀・)「無力化して、説き伏せる」
『聖剣竜』モララー!!!!!!!!
(-、-;トソン「ハァっ……全く、困った性分ですね」
『守護天矢』トソン!!!!!!!!
从'ー'从「ぶっ殺して、ジャムにする〜。よし!!」
『ジャムメーカー』ワタナベ!!!!!!
ζ(゚Д゚;ζ「よろしくないですよ!!」
『ヒーリングファクター』デレ!!!!!!!!
一人一人が半端ねえ能力を持つ戦士!!!!!!!!!それが四人!!!!!!!まさにヒーローチーム!!!!!!アベンジャーズ!!!!!!!!
対し!!!!!!!!!!ドクオ!!!!!!!!!!マッチョになっただけの不細工野郎!!!!!!!!!!
70
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:18:02
彼らを前にして!!!!!!!!!!ドクオ!!!!!!!!!チラリと頭の上に浮かぶ数字を見る!!!!!!
('A`) チラリン……
刻まれた電数字『11』!!!!!!!!!!攻撃残り回数!!!!!!!!!
('A`)「残り、11発でお前ら全員か……」
('A`)「『充分』だ」
そのスキルの性質上!!!!!!!!ドクオの名は世間にあまり知られていない!!!!!!!!
しかし!!!!!!!!!スタローン及びセガールの上層部は彼の存在と特性を把握していた!!!!!!
弱弱しい見た目で油断を誘い!!!!!!!!『汗と涙の十二発』が持つ爆発力で圧倒!!!!!!!!!
その男はこう呼ばれている!!!!!!
('A`)「踊ろうぜ」
『型破り』と!!!!!!!!!!!
.
71
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:18:51
―――――
―――
―
_
( ゚∀゚)「始まったみてーだな」
( ^ν^)「……」
デカい矢は城外からも見えてた!!!!!!!!吹っ飛ばす様も!!!!!!!!!
( ^ν^)「すげーなオイ。誰だよあいつ」
_
( ゚∀゚)「この世界に来て目のハイライトぶっ消えるほど辛い目に遭った奴だよ」
( ^ν^)「なるほど、強くなるわけだ」
風使いの二人は城から若干離れた!!!!!!!!城と民間への被害を失くす為だ!!!!!
あとぶっちゃけ城とか人とか邪魔だから!!!!!!!!!
_
( ゚∀゚)「アンタはどうだい?」
( ^ν^)「どう思う?」
ニュッは杖で地面を叩く!!!!!!!!それを中心につむじ風が巻き起こった!!!!!!!
( ^ν^)「片手におっ包まるほど小さな頃からコツコツと……」
_
( う∀゚)「うわ風つよい」
ジョルジュが砂埃に視界を奪われ……視界が回復した瞬間!!!!!!
( ^ν^)「『ここまで大きくする』のに、どれだけ苦労したと思う?」
72
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:19:50
/ / / / //^\ 丶 \ /^l
/ / / / || 〉 > ニ二天二ニ <´⌒|
/ / / v' / ___人__ \ /
/ / / / / __人__ 〈
/ / / ( 、 , ) \
/ / / `Tf亡i `Y´ jヒjT´ l l ヽ
i 〉 | | lゞミァ^ー ^ ー'^ニ彡'|| 〈 <わんわん!!!!
l | ヽ \_ /へ ヽ / ヘ _ノ l 〉
| 」: . \__,」 r_―‐ュ _」_ / /
. :|l \: .ニ二三キ三 `T´ 三メ三二テl
: :|\ :.:>X彡'^`Tヘ「`^ ̄^lフ^メ`丶`ヽl
: :|, \ .:/.:/`ヽ V |,、,、,/| | \\ |
: :| \ \ : : : : :/: : : :\`^ ̄ ̄´ ノ / ̄ |
虎!!!!!!!巨大な白虎だ!!!!!!!!!!デカい!!!!!!!!
身の丈!!!!!!!三階建てビルくらい!!!!!!!!!!これが神獣!!!!!!『ストームビースト』!!!!!
ジョルジュとか一口チョコみたいに食べれそう!!!!!!!お腹壊すぞ!!!!!!!
73
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:20:44
_
( ゚∀゚)「……いいパートナーだな」
( ^ν^)「だろ?背中の毛並みが最高なんだ」
_
( ゚∀゚)「是非堪能してえもんだ」
( ^ν^)「残念だが……いや、喜べ。お前に振る舞えるご馳走はこいつだ」
虎が前足を踏みしめる!!!!!!吹き起こる……風!!!!!!!
( ^ν^)「神獣の大嵐だ。腹いっぱい味わえ」
_
( ゚∀゚)「そいつぁ贅沢だ。そんじゃあ、お返しに……」
ジョルジュは右腕を払う!!!!!!!!筋肉が!!!!!!風を!!!!!!!巻き起こす!!!!!!!
_
( ゚∀゚)「肉体が魅せるパフォーマンスを……楽しんでくれや!!!!!!」
ジョルジュ!!!!!!仕掛ける!!!!!!走る!!!!!
自慢はスキルだけじゃない!!!!マッチョはやっぱり拳でやるプレイがお好き!!!!!!!エッチな意味じゃないぞ!!!!!
( ^ν^)「ランカイ!!」
ランカイ「わんわん!!!!!」
虎の名前はスキル名と一緒で『ランカイ』だ!!!!!どっかの大猿っぽい名前だ!!!!!意図的じゃないぞ!!!!!!
ランカイ「わん!!!!」
右の前足を……振るう!!!!
爪から放たれるは風の刃!!!!!指の数と同じで四枚刃!!!!!髭剃りかな!!!!!!!?????
髭どころか顎から縦に真っ二つになりそうだ!!!!!!それが四枚!!!!逃げ場無し!!!!!!
74
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:22:01
_
(#゚∀゚)「ちぇいやッッッ!!!!!」
ジョルジュ!!!!!!一度立ち止まり真正面に右の掌打を放つ!!!!
押し出される空気弾!!!!!!その威力は大砲を凌ぐ!!!!!!!!!!
刃と……衝突!!!!!!!!!巨大な風船が弾けるような破裂音の後に巻き起こる台風並みの暴風!!!!!
互いに……ノーダメージ!!!!!!!!!
(;^ν^)「チッ……相殺かよ!!」
否!!!!!!!!!!
_
( ゚∀゚)「……」
_
(- ゚∀゚) ピッ!!
ジョルジュの頬に切り傷!!!!!殺しきれなかった!!!!!!!
しかしニュッは慢心しない!!!!!!!!!何故なら!!!!!!!!
(;^ν^)「生身でランカイの攻撃を『その程度』まで抑え込んだのはアンタが初めてだぜ……眉毛の旦那!!」
『空力使い』の影響もちょっとあるとは言え!!!!!!!ほぼ筋肉の攻撃!!!!!!!
あのギコやモララーですら、全力を出し切らないと受け止められない神獣の一撃を!!!!!!!!
_
(つ゚∀゚)「そりゃどーも」
頬の傷一つで抑え込んだ!!!!!!!!やはり『蝙蝠』の一派、化け物揃い!!!!!!!!!!
(;^ν^)「ランカイッ!!」
ランカイ「わんわん!!」
虎は低頭し!!!!!!主を頭の上に乗せた!!!!!!
ランカイの毛並みはふっわふわ!!!!!!!昼寝すると気持ちいい!!!!!
75
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:23:11
(;^ν^)(全力全開で当たんねえと……!!)
『空気弾』だけであの威力!!!!!つまり!!!!!!!肉弾戦は更に強力!!!!!!
ざっと予想しただけでも!!!!!!!パンチ一撃でランカイの顎が吹き飛ぶレベル!!!!!!!
ワシントン条約違反だ!!!!!!!!!!守ろう絶滅危惧種!!!!!!!!!
(;^ν^)(サッサと痛手を与えちまわねえと狩られちまう!!)
(;^ν^)「飛べ!!ランカイ!!」
ランカイ「わんわん!!」
ランカイ跳躍!!!!!!昼前の青空に神々しい白虎、舞う!!!!!!!!
_
( ゚∀゚)「ほぉ……」
美しさに目を奪われる!!!!!!!!おっぱいと同じくらい幻想的な風景だった!!!!!!
(#^ν^)「俺達の最大攻撃だッッッ!!!!喰らってみるか!?旦那ァァァァアアアアア!!!!」
挑発!!!!!!!そして挑戦!!!!!!!!!!
_
(#゚∀゚)「美味ぇもんは残さず喰うタチでなァァァァアアアア!!!!!!」
ジョルジュ、乗った!!!!!!
風使いの意地と技!!!!!!!!プライドがぶつかり合う!!!!!!!
76
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:24:31
(#^ν^)「その意気、見事ッッッ!!!!!」
ランカイ!!!!!!周りの空気を吸い込む!!!!吸い込む!!!!!!吸い込む!!!!!!!!
真昼に浮かんだ満月のように!!!!!!!!丸くなる!!!!!!!!!!!
_
(#゚∀゚)「来いオラァァァァアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」
ジョルジュ!!!!!!!ノーガード!!!!!!!!!!防御は必要ない!!!!!!!!!
全身!!!!!!!全感で味わうからこそ!!!!!!!!!ご馳走なのだ!!!!!!!!!!!
(#^ν^)「『フォールダウン・ブラスト』!!!!!!!」
ランカイ!!!!!!上空から爆風圧を吐き出す!!!!!!!!
地を抉り!!!!!!!!!木々をなぎ倒し!!!!!!要塞ですら吹き飛ばす神獣の天災!!!!!!
_
(; ∀ )「がぁぁぁぁあああああああああああああああ!!!!!!!!」
真正面から受け止める!!!!!!!!!!!!筋肉が!!!!!!!骨が!!!!!!!!内臓が!!!!!!
激痛という悲鳴を上げる!!!!!!!!!全身が風圧によって引きちぎられそうなほど揺さぶられる!!!!!!!
(#^ν^)(倒せるッッッ!!!!もうひと押し!!!!!)
その場に原型を保ったまま持ちこたえてること自体信じられないことだが!!!!!!ダメージが通っている!!!!!
手ごたえを感じたニュッはダメ押しを放つ!!!!!!!!!
(#^ν^)「ランカイ!!!!」
ランカイ「わんわん!!!!」
自らが起こした下降気流に乗り!!!!!!!猛スピードで落ちる!!!!!!!
落下地点はもちろんジョルジュ!!!!!!ランカイの巨体で押しつぶす気だ!!!!!!
77
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:25:24
(#^ν^)「貰ったァァァアアアアアアアアアア!!!!!!!」
勝利を確信!!!!!!!!しかし!!!!!!!
_
(#゚∀゚)「あああああああああああああああああああッッッッめええええええええんだよおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」
痛がるふりしてちゃっかり技のモーションに入ってる!!!!!!!抜け目ない眉毛だ!!!!!!!!
(#^ν^)「構うなッッッ!!!!!!ぶち込めええええええええええええ!!!!!!!!」
後悔先に立たず!!!!!!!!一度行ったら一直線!!!!!!!!!!それが男の生き様!!!!!!!!!
_
(#゚∀゚)「おっぱいタイフーン……」
右腕を!!!!!!!!!鞭のようにしならせる!!!!!!!柔と剛を併せ持つ人類最強の武器が!!!!!!!
アンダースローのフォームのように!!!!!!!!!下から!!!!!!上へと!!!!!!!!!!
_
(#゚∀゚)「『猫返し』ッ!!!!!!!!!!」
下降気流を斜めに切り裂く筋肉が巻き起こす迅風!!!!!!!!
真っすぐ落ちてくるランカイの巨躯を!!!!!!!!!!押し上げる!!!!!!!!
(;^ν^)「なっ……!!立てなおせ!!ランカイ!!!!」
ランカイは空中でひっくり返され!!!!!!!!背中を地に向ける体勢にされてしまう!!!!!!
しかしネコ科の生き物は空中でのリカバリーが得意だ!!!!!!!その身のこなしも武器の一つ!!!!!
だが!!!!!!!!その隙を見逃す眉毛ではない!!!!!!!!!
78
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:26:11
_
( ゚∀゚)「遅ぇよ」
ジョルジュ!!!!!!弱まった下降気流の中、ランカイの位置まで跳躍!!!!!毛皮を掴み!!!!!!
_
(#゚∀゚)「どぉぉぉぉらぁぁぁぁ!!!!!!!」
力任せに地面へと放り投げた!!!!!!!!!!!!
(;^ν^)「間に合わッッッ……!!!!」
ランカイ、リカバリー出来ず!!!!!!!地面へと強かに体を打ち付けた!!!!!!
体から投げ出されるニュッ!!!!!!!『フォールダウン・ブラスト』の影響で出来上がったクレーターを転げ落ちる!!!!!!
(メ;^ν^)「クッ……ソ!!」
杖を支えに立ち上がろうとするニュッの前に!!!!!!!男が着地する!!!!!!
_
( ゚∀゚)「ごちそーさん」
ちょっとボロボロのジョルジュ!!!!!余裕の勝利宣言!!!!!!
(メ;^ν^)「……」
(メ;^ν^)「けっ、負けだ負けだ!!お粗末さん!!」
潔い降参と共に!!!!!!!!風使い対決は決着を迎えた!!!!!!!!!
_
( ゚∀゚)「お前さんの言ってた通りだ。最高の毛並みだったぜ」
勝者!!!!!!!!『暴風右腕』ジョルジュ!!!!!!!!!!!!!!
79
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:27:01
(メ;^ν^)「だーーーーーーーー!!クソ!!煮るなり焼くなり好きにしろや!!」
死して屍拾うものなし!!!!!!敗者はただ黙して罰を受けるのみ!!!!!!
しかしジョルジュ!!!!!!笑って手を差し伸べた!!!!!!!!
_
( ゚∀゚)「十分楽しませてもらった。それ以上は野暮ってもんだぜ」
(メ;^ν^)「ハァ!?トドメ刺さねーのか!?」
_
( ゚∀゚)「お前さんが卵を盗んだ奴だとしたら、もうちょい痛い目に遭ってもらったがな。ま、その役目はドクオがやってくれっだろ」
(メ^ν^)「……」
ジョルジュの目には確信しかない!!!!!!!『ドクオ』とかいう奴が勝利する確信が!!!!!!!!!
ニュッの喉元には『奴を侮るな』の警告が出掛かった!!!!!!!しかし!!!!!!飲み込んだ!!!!!!
(メ^ν^)「卵なら、城主の屋敷の地下に保管されてる」
代わりに出てきたのは!!!!!!!!雇い主を売る情報だ!!!!!!!!
_
(;゚∀゚)「お……おいおい、いいのかよそんなこと教えて……」
(メ^ν^)「構わねーよ。近々辞めるつもりだったし、それに……」
ニュッはジョルジュの手を借りて上半身を起こす!!!!!
(メ^ν^)「俺あいつ嫌いだしな」
_
(* ゚∀゚)「ハッ、ハハ!!人望のねえ城主様だぜ」
80
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:27:31
(メ^ν^)「行け、俺らはしばらく休んでるからよ」
照れくささを隠すかのように手を払いのけ!!!!!!地面にゴロンする!!!!!!お前今さっき起き上がったばっかだろ!!!!!
ランカイもわんわん言いながら近寄って!!!!!!!!!ゆったりと寝そべった!!!!!!カワイイ!!!!!!
_
( ゚∀゚)「じゃあな。また遊ぼうぜ」
(メ^ν^)「二度と御免だ馬鹿野郎」
ジョルジュはココロガピョンピョンスルン城へ駆けていく!!!!!
ダメージを感じさせない足取りに!!!!!!!!ニュッは呆れと笑いと悔しさが込み上げていた!!!!!
(メ;^ν^)「だーーーーーーーー!!!!チクショウ!!!!まだまだ未熟だなぁ俺らはよぉ!!」
ランカイ「わんわん!!」
暫く見失っていた『目標を』見つけた喜びと、成長へ渇望は!!!!!!!!
なんかムカつくから喚き散らして消すことに決めたのであった!!!!!!!!!!
81
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:28:32
―――――
―――
―
三(,;゚Д゚)つ「クソーーーーーーーーーー!!!!!!!やっぱ無理!!!!!!!!!」ズサーーーーー!!!!
(´・ω・`)「諦めが早いな。俺を相手に拳で挑んだ男気は称賛するが……」
一方!!!!!!!!!ショボンVSギコサイド!!!!!!!!
こちらはスキル抜きの純粋な殴り合い!!!!!!!!分は圧倒的にショボンにあるぞ!!!!!つよい!!!!!!!
(´・ω・`)「堪え性がねえってのは感心しねえな」
(,;゚Д゚)「これでも精いっぱいだというのに……厳しいな」
(´・ω・`)「いいや、甘い方だぜ?お前が『本気』を出すまで、待ってやってるんだからな」
(,,゚Д゚)「ッ!!」
ショボン!!!!!!!!ギコの実力を見抜く!!!!!!!!
『ジェネラル・ギコ』の力はこんなものではないと!!!!!!!もっと俺を楽しませろと!!!!!
(,;-Д-)「それは失礼をした……あまり使いたくはないんだがな」
(´・ω・`)「ほう?スキルを見せたがらないか。珍しいな」
(,,゚Д゚)「単純な話だ……『格好悪い』からな」
ギコは胸元から!!!!!小瓶を取り出し!!!!!!!!コルク栓を抜いた!!!!!!!!
(´・ω・`)「ドーピングコンソメスープか?」
(,,゚Д゚)「惜しいが……ただの吸物さ」
(´・ω・`)「吸物?」
(,,゚Д゚)「ああ」
82
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:28:56
(,,゚Д゚)「『松茸』の味のな」
.
83
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:32:01
ギコ!!!!!!!内容物を飲む!!!!!!!!用法要領を守って飲む!!!!!!
でも中身は松茸の味風お吸い物!!!!!!!!ギコの大好物だ!!!!!!!!!!!!!
ここで思い出してほしい!!!!!!!!ギコのスキルの名前を!!!!!!!!!!
『M・T・S』!!!!!!!!これはイニシャルだった!!!!!!!
(,,゚Д゚)「『マツタケ・テイスティ・スープ』」
だっっっっっっっっっせえええええええええええええええええ!!!!!!!!!なるほど!!!!!隠したがるわけだ!!!!!
しかしクソダサいのはスキル名だけじゃない!!!!!!!!!見ろ!!!!!!!!!!!!
使用イラスト【№13】なんかキノコの奴。キノコの凄いやつ
姿もダサい!!!!!!!!!!!!!!!ビックリするほどダサい!!!!!!!!!!!
ダサい!!!!!!!!!!!!ダッサい!!!!!!!!!!!!!!
(;´・ω・`)そ「うわだっっっっっっせええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!」
(,;゚Д゚)「言うなああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
(;´^ω^`)「だっっっっっっせええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!」
(,;゚Д゚)「言うなあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
84
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:32:51
(´・ω・`)「だせえだけのスキルなわけねえよ……なッ!!!!」
胸部に肘打ッッッ!!!!!!!!マッチョが放つそれは、正に一撃必殺!!!!!!!死ぬ!!!!!
(;´・ω・`)「ヌッ!?」
手ごたえ……いや、肘ごたえが無い!!!!!!!!柔らかなクッションに打ち込んだような感触!!!!!!!
(,,゚Д゚)「侮るなよ。見てくれは道化だが、数々の猛攻を防ぎ切った茸の鎧だ」
(´・ω・`)「なるほど……」
鉄の鎧なら容易く砕ける!!!!!!しかし!!!!!!柔らかな松茸は砕けない!!!!!!!
そう!!!!!!!!天然の緩衝材!!!!!!!!!!柔らかいということはダイヤモンドよりも砕けない!!!!!!!
一見バカみたいな格好に見えるが!!!!!!!!人体の弱点である正中線をすべて防護!!!!!!!
このキノコギコのデザイン考えた絵師は一見トチ狂ってるが、理に適っている!!!!!!!!褒めとけ褒めとけ!!!!!!!
(,,#゚Д゚)「奮ッッッ!!」
(;´・ω・`)「くッ!!」
松茸の弾力で肘を弾き返す!!!!右腕が上がったショボンの脇腹に……!!!!!!!
(,,#゚Д゚)「唖ッッッ!!!!」
正拳下段突き!!!!!!!!!
(;´・ω゚`)∴「カフッ……!!」
ショボン、呻く!!!!!!!!それもその筈!!!!!!!
右脇腹は人体の急所!!!!!!!肝臓がある!!!!!!!!!!!
ギコほどの実力者なら、ショボンのマッスル装甲を貫き痛手を与えることが出来るのだ!!!!!何事も過信はいけないな!!!!!!
85
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:32:54
支援
86
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:33:47
(,,#゚Д゚)「破ァッッッ!!!!!!」
間髪入れず顎を上げ突き!!!!!!!!流れるような2HITコンボ!!!!!!
(;´゚ω゚`)「ゴッ!!!!???」
仰け反り!!!!!!喉ががら空きになる!!!!!!!!アブナイ!!!!!!
ギコは攻撃の手を緩めない!!!!!!!引いた右手の指を槍のように真っすぐと!!!!!!伸ばす!!!!!
(,,#゚Д゚)「貫ッッッ!!!!!!」
貫手突き!!!!!!!岩をも貫く一槍!!!!!!!!!クソダサい見た目をしてやることは実際えげつない!!!!!
(,,#゚Д゚)「ッシャア!!!!!」
勝利を確信!!!!!!!脳内に浮かぶ未来のイメージは、喉から鮮血を吹き出すショボンの姿!!!!!!
某ニンジャを思わせるカラテのワザマエ!!!!!!!!!ソニックブーム=サンも言っていた!!!
『今も昔もニンジャはカラテを極めた奴が上を行く』と!!!!!!!いやニンジャじゃないんだけど!!!!!
(;´゚ω゚`)「ッッッ!!!」
だがこいつはショボン!!!!!!!『万屋の蝙蝠』と恐れられる漢!!!!!!!!
そう易々と殺される相手ではない!!!!!!!!!!
(#´゚ω゚`)「そォい!!!!!」
上げ突きの勢いを殺さず!!!!!!!逆に思いっきり仰け反って貫手を回避!!!!!!ワムウ!!!!!!対シーザー戦!!!!!
そしてそのまま右足を勢いよく振り上げる!!!!!!!おお見よ!!!!!!あれは伝説のカラテ技!!!!!
(#´゚ω゚`)「イヤーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」
(,; Д )∴「グワーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」
『サマーソルトキック』だ!!!!!!!!!!!!!
87
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:35:05
(,;゚Д )「ガッ、クソ!!」
まるで頭がサッカーボールが如く蹴り飛ぶような衝撃!!!!!!!しかしギコ、受け身から素早く立ち直り構える!!!!!!
『マツタケ・テイスティ・スープ』の鎧が無ければ即死だった!!!!!!!
(´・ω・`)「今のはほんのちょっと効いたぜ……ほんのちょっとな、いやマジで」
強がり!!!!!!!!!!!マッチョは意地っ張り!!!!!!!めんどくさい!!!!!!
(,;゚Д゚)「此方は死ぬかと思ったぞ……!!」
先ほどまでの攻勢は瓦解!!!!!!!未熟と慢心を反省する!!!!!!!
ダメージは大きい!!!!!!!!一方ショボンは!!!!!!!!!!
/フフ ム`ヽ
/ ノ) ∧∧ ) ヽ
゙/ | (´^ω^`)ノ⌒(ゝ._,ノ 筋肉が喜びに満ち溢れている!!!!!!!
/ ノ⌒7⌒ヽーく \ /
丶_ ノ 。 ノ、 。|/ ←ワキ(剃毛済み)
`ヽ `ー-'_人`ーノ
丶  ̄ _人'彡ノ
ノ r'十ヽ/
/`ヽ _/ 十∨
まだまだ元気!!!!!!!ヤンナルネ!!!!!!!!
88
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:36:14
(´・ω・`)「しかし俺のマッスルの前では……ムゥン……」
サイドチェスト!!!!!!!!!!!!!ここぞとばかりに筋肉を魅せる!!!!!!!!!!ナイスカット!!!!!ナイスバルク!!!!!!!!!
(´・ω・`)「少々、決め手に欠けるな」
(,;゚Д゚)「化け物かよ……」
腰に手を当て、空を仰ぎふうと溜息!!!!!!茸の鎧が無ければ様になったろうに!!!!!可哀想だ!!!!!
『マツタケ・テイスティ・スープ』の基本能力は簡単に言うと防御力+肉体強化!!!!!!格闘戦なら負けなしだった!!!!
それでも!!!!!!ノリス最高峰のマッスルには遠く及ばないと言うのか!!!!!!ショッギョ・ムッジョ!!!!!!
(,;゚Д゚)「ふぅー……では、もう少々頑張らせてもらうか」
(´・ω・`)「ほう、まだ奥の手が?」
(,,゚Д゚)「ああ、実はもう発動済みだ」
(´・ω・`)「何だと……んっ?」
ショボン!!!!!!!気づく!!!!!!!空中に浮かぶ白い粉っぽい何か!!!!!!!
それはギコの茸から発せられているものだった!!!!!!おいそこ!!!!今下ネタかなって思っただろ!!!!!!ぶっ殺すぞ!!!!!!!
(,,゚Д゚)「『茸分身』(ホクトプレミアム)」
ギコ!!!!!!!スペルを詠唱!!!!!!!CMとかでお馴染みのやつ!!!!!!!
呼応し!!!!!胞子が光る!!!!!!!!ゆっくりと地面に舞い降りた!!!!!!!同時に!!!!!!!
(,,゚Д゚) (,,゚Д゚) (,,゚Д゚) デデドン!!!!!!
『マツタケ・テイスティ・スープ』を身に着けた無数のギコが生えた!!!!!!ブンシン=ジツだ!!!!!!!
89
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:36:50
(,,゚Д゚)「これこそ、『マツタケ・テイスティ・スープ』の真骨頂。一体一体が俺と同等の強さを持ち、胞子の数だけ生成される」
(,,゚Д゚)「改めて名乗らせて戴こう。『一騎当軍』、ジェネラル・ギコ!!!!」
(,,゚Д゚)「大変失礼だが、囲ってボコボコにさせてもらう!!!!!!」
本当に失礼だなこいつ!!!!!!!!!しかも茸だ!!!!!!
だが戦闘、戦争に置いて多数のアドバンテージは最も有力!!!!!!!!
『沢山撃つと実際当たりやすい』!!!!!!!有名な江戸時代のレベリオン・ハイクだ!!!!!!!!
(´^ω^`)「ガハハ、正直でよし!!!!!!!!!」
ナイスマッチョは心もデカい!!!!!!!!!筋肉もデカい!!!!!!!!
(´・ω・`)「じゃあ俺も、お前のその正直さに敬意を表し……」
(´・ω・`)「『一発』だけ全力でお相手してやろう」
(,;゚Д゚)「なっ……!?」
ギコ、ビビる!!!!!!!分身もビビる!!!!!!!!!!
まだ全力では無かったと言うのか!!!!!!!!底なしかこの男!!!!!!!
(,;゚Д゚)「それは……光栄だ!!!!!」
相反して湧き出る戦士としての誉れ!!!!!!!『最強』と名高い男の、全力の一撃!!!!!!
それを一身に受ける光栄は計り知れない!!!!!!!認められた証拠だ!!!!!!!!
90
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:37:58
(,,゚Д゚) (,,゚Д゚) (,,゚Д゚) <ザッケンナオラー―ーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
上下左右四方八方からの一斉攻撃!!!!!!!逃げ場無し!!!!!!!
(´・ω・`)「スゥー……」
ショボン!!!!!!脱力!!!!!!!!両腕は腰の位置にまで下げている!!!!!
ギコの拳が届く限界まで力を抜き続ける!!!!!!!そして!!!!!!!!!
(#´゚ω゚`)「だらぁッッッ!!!!!!!」ゴウランガ!!!!!!!!!
筋力を一気に全身から放出させた!!!!!!!
身体はやや前傾!!!!!!腕と肩、そして僧帽筋を魅せつけるこのポージングは……!!!!!!!
(,;゚Д゚)(モストマスキュ――――)
そう!!!!!!!『モストマスキュラー』!!!!!!!!最も力強いと評されるこの『ポージング』によって!!!!!
ギコ!!!!!!!!そして分身!!!!!!!!筋肉によって全て弾け飛ぶ!!!!!!!!
(´・ω・`)「ムゥン……」
『茸分身』、消失!!!!!!!!!同時に!!!!!耐久限界値を超えた『マツタケ・テイスティ・スープ』も消え!!!!!!!
(,, Д )∴「グハぁッ!?」
宙を舞った生身のギコが、背中から地面へと落下!!!!!!決着である!!!!!!!!!
91
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:39:00
(´・ω・`)「なかなかのナイス・マッチョだったぜ……俺が本気を出すほどにな」
(,;゚Д゚)「ク……」
(´-ω-`)「無理に立ち上がるな。常人なら半径十数メートル以内に立っているだけで爆発四散するほどの威力を持つポーズだぞ。耐え切っただけではなく、まだ意識があるだけで上等だ」
勿論、筋肉の魅力とかで爆発四散するんじゃない!!!!!筋力の放出による空気の振動によるものだ!!!!!!!!
筋肉の魅力で吹っ飛ぶって最近どこかで聞いたことがあるな!!!!!!!スマ……スマbまぁなんでもいっか!!!!!!!
(´・ω・`)「では、これで」
(,;゚Д゚)「待て!!」
ギコ!!!!!!!声を振り絞る!!!!!!!
(´・ω・`)「……」
(,;゚Д゚)「ど……どうすれば、何をすればそこまで強くなれるんだ!?」
(´・ω・`)「……なぁに、簡単なことさ」
力こぶ!!!!!!!!魅せつける!!!!!!!
(´・ω・`)「己の筋肉を信じて、鍛錬を積んだだけだ。お前に足りないものがあるとするならば……」
(´・ω・`)「自身の筋肉への、絶大な信頼だ。苛めていいのは……」
(´-ω-`)「筋肉だけなんだぜ……」ザッ……
(,;゚Д゚)「な……意味が……」
(,; Д )「わからな……」
失神!!!!!!!!もっと具体的な助言かなって思ってたのにこの仕打ち!!!!!!!!
92
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:39:29
(´・ω・`)「強くなれよ、ジェネラル・ギコ」
最後にそう言い残し!!!!!!ココロガピョンピョンスルン城へと向かう!!!!!!
その最中!!!!!!!!鳴り響く轟音!!!!!!!燃え上がる炎!!!!!!!!!!
(´・ω・`)「おーおー、やってんなぁ」
MEET戦力、残り一人!!!!!!!!!激戦を思わせるその音!!!!風景を目にし!!!!!!
その表情!!!!!!!不安の色一切無し!!!!!!!!!!!
(´・ω・`)「あいつは手加減を知らねえからなぁ。大丈夫かなぁ相手さん」
ショボンの呟きは的を得ていた!!!!!!!!!!場面はドクオが大見得きった後のココロガピョンピョンスルン城へと移り変わる!!!!!
/フフ ム`ヽ
/ ノ) ∧∧ ) ヽ
゙/ | (´^ω^`)ノ⌒(ゝ._,ノ 筋肉が喜びに満ち溢れている!!!!!!!
/ ノ⌒7⌒ヽーく \ /
丶_ ノ 。 ノ、 。|/ ←ワキ(剃毛済み)
`ヽ `ー-'_人`ーノ
丶  ̄ _人'彡ノ
ノ r'十ヽ/
/`ヽ _/ 十∨ そして特に意味のないサービスカットだ!!!!!!!!!!!!!
93
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:40:21
―――――
―――
―
♪Going Commando
https://www.youtube.com/watch?v=EKoD5LsbeeY&list=RDEKoD5LsbeeY
#t=7
(#'A゚)「おッッッ……」
『汗と涙の十二発』、残り弾数『9』!!!!!!!
(メ)゚;トソン「ゴッ…」
エルフの整った顔面が!!!!!!!!!崩壊するほどの強烈な拳を叩き込み!!!!!!!
(#'A゚)「っしゃああああああああああああああああ!!!!!!!!!」
殴り……飛ばす!!!!!!!!宙を舞う前歯!!!!!!血しぶき!!!!!!!!!!色んな汁!!!!!!!
弾丸ライナーの軌道で吹き飛んだトソンは!!!!屋敷の壁に衝突!!!!!そして破壊!!!!!!
(メ) ;トソン「」
勢いは落ちず!!!!!!その他様々な建造物を巻き込み!!!!!!遂には城壁まで破壊!!!!!!!
そしてそのままスタローンの奥の方まで飛ばされていった!!!!!!!!
(#'A゚)「ケツの矢一本のツケにしちゃあ……ちょいとお返しが高くついたか?」
パンチ一発でこの威力!!!!!!!!!!!そしてドクオの容赦無さ!!!!!!
多分今のでトソンファンの殆どがブラウザを閉じた!!!!!!!ゴメン!!!!!!!!
だが不細工は根に持つ!!!!!!!そして執念深い!!!!!!!美少女だろうがなんだろうが一切の容赦無し!!!!
上部のカウンターが一つ減る!!!!!!!残り弾数『8』!!!!!!!!!
(;・∀・)「デレ!!」
ζ(゚ー゚;ζ「ダメ、回復範囲外だよ!!」
広範囲回復能力を持つヒーラーのデレでさえお手上げの始末!!!!!!!これが筋肉の力だ!!!!!!!
94
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:41:32
(;・∀・)「なんて奴だ……!!!!」
ここまで何が起こったのか説明しておくと!!!!!!
トソンの二矢目!!!!!!スコールが如く矢の雨を降らす『降り注げ天災の矢』を!!!!!!
『拳圧』でバッラバラの粉ッ々に吹っ飛ばし!!!!!!!!距離を詰め一発ぶちかましたのだ!!!!!!!!
目にも止まらぬ疾風怒濤!!!!!!イケメン勇者モララーの背に冷たい汗が流れる!!!!!!!!
从'ー'从「時間稼ぎごくろ〜」
対して、ウィッチ『ジャム・メイカー』ワタナベ!!!!!!飛んでったトソンに対し軽い労い!!!!!!
指揮棒のように魔法の杖を振り、詠唱!!!!!!!!
从'ー'从「『バクン』!!」
(#'A゚)「ッ!?」
ドクオ、足下に違和感!!!!!!!!!確認!!!!!!!!
地面から生えた『口』が!!!!!!!!!ドクオの両足に噛みつき固定していた!!!!!!!
从'ー'从「『バン』!!」
脱出の隙を与えず!!!!!今度は巨大な『両手』が生え!!!!!!羽虫を叩き潰すかのように挟み込む!!!!!
これが希代のウィッチワタナベの、ゴーレム生成魔法だ!!!!!!!!!!!
从*^ー^从「えへへ〜、ジャーム♪ジャーム♪」
岩で出来た歯で!!!!!!!掌で!!!!!!ドクオの体をゴリゴリとすり潰す!!!!!!!
これが『ジャム・メイカー』ワタナベ!!!!!勇者のパーティらしからぬ残虐性!!!!嗜虐性!!!!!!!
どんな強敵、鉄人も!!!!!!彼女の前では赤いジャムにされていまうのだ!!!!!!!そう!!!!!!!
今まさに!!!!!巨大な体を作り上げていくゴーレムによって!!!!!!!
95
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:42:35
「くすぐってえな」
从'ー'从「ふぇ?」
96
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:43:09
(#'A゚)「オラァッ!!!!!!!」
生成中のゴーレムが粉砕!!!!!!!中から現れたドクオ!!!!!!!カウンター残り『7』!!!!!!!
从;'ー'从そ「ふえっ!?」
強敵も、鉄人もジャムにするゴーレムも!!!!!!!!マッチョだけはどうにもできなかった!!!!!!!!!
岩と土で出来た巨人が!!!!!!!!筋肉という進化し続ける男の核弾頭を!!!!!!!!!!
砕 け る は ず が な い ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! !
(#'A゚)「ジャムになるのはああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」
落下する岩石を!!!!!踏む!!!!!!踏む!!!!!!!踏み蹴って……!!!!!!
从;'O'从そ「はわっ!?」
ワタナベの目の前に着地!!!!!!!既に拳は固く握り、しっかりと踏み込んでいる!!!!!!!
(#'A゚)「どォッ……」
(#・∀・)「させるかッ!!」
モララー!!!!!!今度は見逃さない!!!!!!!!
スタローン七宝剣『流麗刀 舞姫』に炎のエンチャントを追加し!!!!!!ドクオに斬りかかる!!!!!
これで斬るとリオレウスとか死ぬらしい!!!!!!!!大抵の生き物は斬ったら死ぬと思うけども!!!!!!!
(#'A゚)「ッ!!」
ドクオは視界の端でその存在を確認!!!!!!!!確認したうえで!!!!!!!!!!
(#'A゚)「……」
(#・∀・)「ッ……」
シカトした!!!!!!!!!
97
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:44:19
(#'A゚)「ッおらあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
从; O 从∴「ガボォッ!!!」
ワタナベの柔らかな腹に突き上げる一撃!!!!!!!内臓がジャムのようにかき混ぜられる!!!!!!!インガオホー!!!!
今ので渡辺さんファンがブラウザを閉じた!!!!!!!!!しかしドクオには知ったこっちゃない!!!!!!!
(#・∀・)「こォおッ!!!!」
トソンと同じ末路を辿るワタナベだったが、モララーの攻撃の手は止まらなかった!!!!
首筋に放つ斬撃一閃!!!!!!!!最早話し合いをする余地など残っていない!!!!!!!!
(#'A゚)「『赫力』ぃ!!!!!」
(#・∀・)「ッ!?」
刃は肉と骨を断たず、皮膚一枚で止まった!!!!!!!
『赫力』による肉体強化!!!!!!!!これはスキルではなく立派な『拳法』である!!!!!!!
人体のエネルギー『気』を体に巡らせ、筋肉を硬化させたのだ!!!!!!!これもショボンの下で学んだ武器の一つ!!!!!!
(#・∀・)(硬い……!!!!)
気功使いとは何回も戦ったモララーだが!!!!!斬れない!!!!!!!!!
『赫力』は筋肉硬化!!!!!!!つまり、筋肉があればあるほど効力が増す!!!!!!!!
今の状態のドクオが使えば!!!!!!!例えリオレウスとか死ぬ剣だとしてもドクオは死なない!!!!!!すげえ!!!!!
カウンター残り『6』!!!!!!!半分を使い切り敵残数二人!!!!!!!!
98
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:45:11
(#'A゚)「いつまで押し付けてんだゴラァ!!!!」
『流麗刀 舞姫』を首の筋肉だけで弾き返す!!!!!!!!
(#'A゚)「ちぇりやッ!!!!!」
必殺の肘撃ち!!!!!しかし!!!!!!!
(;・∀・)「『陽炎』ッ!!」
(#'A゚)「ッ!?」
緊急回避スキル『陽炎』発動!!!!!!某駆逐艦娘とは関係ない!!!!
モララーが持つ炎の特性を使い、光を屈折させ立ち位置を錯覚させる!!!!!
結果!!!!!!!!!空振り!!!!!!!!!!!
(#'A゚)「チィッ!!!!!!!!!」
カウンターがまた一つ減ってしまう!!!!!!!!!残り『5』!!!!!!!!
あからさまに舌打ち!!!!!!!不細工な顔面に青筋走る!!!!!!!!!
( ・∀・)「ふぅ、危ない危ない」
対してモララー!!!!!!!!落ち着きを取り戻す!!!!!!!!!
凄い剣と自分の腕前で丸腰の男一人斬れなかった動揺を見せない!!!!!!!た、戦い慣れてやがる!!!!!!
( ・∀・)「今の一発で首を斬れなかったのは、悔しいけどね」
涼しい顔と共に前髪をかき上げる!!!!!!!!!イケメンがよくやる仕草だ!!!!!!!!うぜえ!!!!!!
99
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:46:01
(#'A`)「ああ、今の……首を狙ってたのか?」
( ・∀・)「ん?何?」
('A`)「ハハ、いやな……」
('A`)「あまりにショボかったからよ」
( ・∀・)「!!」
('∀`)「切れ味の悪ぃ剃刀で髭を剃ってくれたのかと思ったわwwwwwwwwwwwいやぁwwwwwwww悪い悪いwwwwwwww死ね」
挑発!!!!!!!!!不細工な顔でポイント倍点!!!!!!!!!!!
( ・∀・)「……」
ζ(゚ー゚;ζ「モララー……?」
長い時間連れ添ったデレにはわかった!!!!モララーが放つ若干のイラつき!!!!!!!
本人は極めて冷静でいるつもりだが!!!!!!違う!!!!!!!!!
( ・∀・)「じゃあ……こういうのはどうかな?」
剣を収め!!!!!!!!両手に炎を携える!!!!!!!
('A`)「出来の悪い髭剃りの次はマジックショーか?」
( ・∀・)「その通り、存分に楽しんでね」
100
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:46:22
( ・∀・)「『創造・炎獄竜』(クリエイト・ヘルフレイムドラゴン)」
(*'∀`)「ブホッwwwwwwwwwwwwwwwwwwww中二病乙wwwwwwwwwwww」
かっこよく決めたにも関わらずドクオ爆笑!!!!!!!!!中二病って実際目の当たりにすると面白い!!!!!!!!
炎は高く舞い上がり!!!!!!!!形を成す!!!!!!!!!!そう!!!!!!!!!
ヽ-,,,,,
~~~=-,~=,,,.,,
\~=-;;;;,, ,,,,,,,,,,-
\ヾ〜=,,,,,, ,,,,,,,,,=~~;;=~~
ヾ ヽ~=-;;;;;;;,,,,, ,,,=-~--~~~~/
ゝ :::..............~~=-,,,;;A ,,ノ;;;/ /
); .. ''''':::.....~ヾ;:ヽ ,,,,,==;;;;;;;;;=--,,,,,/
~~==二< '''''''............. ヾ;ヽ ,,,,-=;;;=--~~~~==;;;;;;=,,
~~ヽ~~===-,,,,'''''''''............ヽゝ il;;;;/::::...................../
ヾ ~~~~=-=,,,,,,__ゝヾ 丿;L_,,,,,,---=====>
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,,=-~ヽ /~ J;;;,/;;;;;;;"-----;;;;;;;;;/|;;~~~--=,,,,,,, ((
,,=~~ ヽm~~ //|;;;;>-=-=----丿,|^~==--- ~==--
,,=~\ // .|;;;;>--ー--./|;;i//ゝゝ ~/
<< ヽ il;;;>----=-| ヽ,,,ゝ:........:: /
ヽヽ"//>==-;-=<;ヽ ~==-,,,,, /
,,=/;;;>;;=---=;;;;;;;ヽ ヽ~;;;;;/
/;;;;;;;;;;|=----=i;;;;;;;;;;ヽ
ヽ;;;;;;;;;/ゝ ---|;;;;;;;;;ノ 巨大ドラゴンの形に!!!!!!!
>--| ヾ=-/;;;;/
/;;;;;/ ヾー|;;;;;(
巛=/ \i;;;;ヾ\
iゝゝゝヽ
ヽ--ヽ, /|
)-);;;) /|/|ノ|
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/-/;/ |/ノ
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ヽ-ヽ,,,ノ;/
ヽ/_ノ
101
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:47:12
('A`)「わあ、とっても、かっこいいね」
('∀`)「ヘルwwwwwwwwwwwwフレイムwwwwwwwwwwwドラゴンwwwwwwwwwwwwwww」
( ・∀・)「その余裕、いつまで続くか見ものだね」
(*'∀`)「ちょっwwwwwww待っwwwwwwwwwお前もう一回喋るごとに面白いwwwwwwwwwww」
( ・∀・)
(;'∀`)「ハー、ハー、悪い、今落ち着い……」
(*'∀`)「やっぱ無理wwwwwwwwwwwwwwwwww異世界来てここまでお手本みてーに中二病拗らせた奴始めt」
( ・∀・)「行け!!」
ドクオのゲラを待つ必要は無いと判断したモララーは炎獄竜(笑)をけしかける!!!!!!
(*'∀`)「ワハハwwwwwwwwww何が一番面白いかってwwwwwwwwwww」
ドクオは両手を広げる!!!!!!!!掌はパーだ!!!!!!!!!!!
炎の竜迫る!!!!!!!!しかし逃げない!!!!!!!!!『汗と涙の十二発』の前では!!!!!!!
('A`)「こんな子供だましで俺をどうにか出来ると思ってる所なんだよなぁ」
102
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:47:48
掌を!!!!!!!!叩き合わせる!!!!!!!!
マッチョの柏手は空気を震わせ!!!!!!!!風を巻き起こす!!!!!!その威力!!!!!!!
('A`)「はいおしまい」
炎で出来たドラゴンを跡形もなく消し去るには十分!!!!!!!!骨と肉と血が通っていない紛い物などこんなものだ!!!!!!
残弾残り『4』!!!!!!!!!!三分の二を消費した!!!!!!!!!!!!!
('A`)「お次は……あ?」
モララー!!!!!一瞬の内に姿を消す!!!!!!!どこへ行ったというのか!!!!!!!!!!
「もちろん、その程度でどうこうしようなんて思ってないよ」
声は空から聞こえた!!!!!!!見上げるドクオ!!!!!!!
どうせならパンチラが見てえとか思ってたけど!!!!!!!残念ながら空にいたのは!!!!!!
w( ・∀・)w バァーーーーーーーーーーン!!!!!!!
竜の翼を生やしたモララーだった!!!!!!!!本当に残念だ!!!!!!!
何が悲しくてイケメンなんか見上げなければならないのだろうか!!!!!!!
('A`)「よぉ!!もう帰んのかよ!!」
気さくに話しかける!!!!!!!そんなわけないだろ!!!!!!!!
103
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:48:47
w( ・∀・)w「ああ、そろそろお暇したいところだね」
両腕を掲げる!!!!!その間には!!!!!!!
w( ・∀・)w「君を消し去ってね」
超高威力のエネルギー球!!!!!!!!ここら一帯を余裕で焦土に出来る危険なスキルだ!!!!!!
ζ(゚ー゚;ζ「モララー、ダメだよ!!城の人たちは!?」
w( ・∀・)w「彼を野放しにする方が、スタローンにとっては毒だよデレ。ついでに、蝙蝠だって駆除出来る」
w( ・∀・)w「『大事の前の小事』って奴さ。正義の為には、切り捨てることだって必要なんだよ」
エネルギー球は太陽のように炎を巻き上げながら、バレーボール大ほどに縮小!!!!!!!
着弾し弾け!!!!!!!!!何もかもを一瞬にして焼き尽くしてしまう!!!!!!!!
w( ・∀・)w「大丈夫、君だけには何時ものように防御スキルを何重にも掛けてあるから」
ζ(゚ー゚;ζ「っ……でm」
('A`)「なぁオイ!!ちょっと待てよ!!」
デレの言葉を遮って不細工が喋る!!!!!!!
w( ・∀・)w「何だい?命乞いなら受け付けないよ?」
('A`)「命乞い……?いや違ぇよ。なんでお前如きのクソしょうもないウンコみてーな」
104
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:49:06
('A`)「しかも元々は他人の所有物だったスキルで我が物顔してる男としてはゴミクズみてーな金玉のちっせえちっせえカス野郎如きに命乞いなんてする必要があるんだよ」
w( ・∀・)w
('A`)「死ねよ」
w( ・∀・)w
105
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:50:12
w( ・∀・)w「ハハッ、最後の強がりって奴かな?」
('A`)「いやいや、忠告っつーか……自覚してねえっぽいから言ってやるっつーか……」
ドクオは米神を人差し指で軽く掻いて言葉を紡ぐ!!!!!!!
('A`)「お前、正義っつったよな?でもよ、今やってることって……」
('A`)「まんま悪役の行動だって、気づいてるか?」
w(;・∀・)w「ッ!?」
揺らぐ!!!!!!!!!『悪』という一文字に!!!!!!!!
『勇者』として正義を成していると『本気』で思っているモララーにとっては!!!!!!耐えがたい……
w(#・∀・)w「何を……何を言っている!!!!!!僕に、勇者の僕に対して!!!!!!!!」
屈 辱 ! ! ! ! ! !
(;'A`)「いや勇者とか魔王とか今関係ねえだろ……よく考えてみろよ」
(;'A`)「アニメでも映画でも、『正義』だの『大義』だのを掲げて大量虐殺する奴って大体悪役じゃん……その自覚あんのかなって思ってよ」
w(#・∀・)w「は……はああああああああああああああああ!!!????」
剥がれる!!!!!!!剥がれていく!!!!!!!!
勇者としての皮が!!!!!!!!モララーという『本質』を隠していたメッキが!!!!!!!!!
106
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:50:59
w(#・∀・)w「何故、何故僕が悪役などと呼ばれなければならない!!!!!!僕は勇者で、僕は正義だ!!!!!!!」
w(#・∀・)w「くだらない理由で勝手に攻め込んできた、お前らこそ悪だろう!!!!!!」
('A`)「あの、さぁ……前提、二つほど挙げさせてもらうけど」
('A`)「そもそもお前らがハーピィの卵を奪わなかったら、俺らも出しゃばる必要なかったよ」
w(#・∀・)w「ッ……!!」
('A`)「そんで、俺らがここにきた段階で、素直に返してくれりゃとっとと帰ったよ」
:w(# ∀ )w:「……」
('A`)「なーんか俺らが全部悪いみてーに言ってるけど、さぁ」
w(# ∀・)w「……『最大奥義』」
('A`)「この状況作り出した原因は、周りにチヤホヤされて好き勝手やった……」
107
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:51:19
('A`)「お前らなんだよなぁ」
w(#・∀・)w「『ドラゴ・ニュークレア』!!!!!!!」
.
108
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:52:23
全てを焼き尽くす無情の炎球!!!!!!!!落とす!!!!!!!!!!!
その姿に『勇者』の影、一切無し!!!!!!!さながら、人を喰らいつくす魔獣の如き形相!!!!!!
('A`)「聞く耳持たずか、こいつぁ救えねえぜ。マスターよォ」
左手の指を右の掌で包み込み!!!!!!!!両親指を揃える!!!!!!!!
バレーの『レシーブ』のフォームだ!!!!!!!!!!
('A`)「そしてわかってねえ……マッチョが、そんな風船如きで……」
w(#・∀・)w「死ねぇえええええええええええええええええ!!!!!!!」
炎球!!!!!!!!着弾!!!!!!!!!!!!しかし!!!!!!!!!!
(#'A゚)「殺せるかってんだよォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!」
受け……止める!!!!!!!!ゴム鞠のように変形する球体!!!!!!!!それを……
(#'A゚)「ぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおっっっらあああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
上空に弾き返した!!!!!!!!!!!カウンター残り『3』!!!!!!!!!
w(;・∀・)wそ「バッ……!?」
返ってくる最大奥義に面喰いながらも、ギリギリ回避!!!!!!!!!!!!
高く、高く舞い上がったそれは!!!!!!!!!打ち上げ花火のように!!!!!!!!!!!
w(;・∀・)w「マズいッ……!!」
爆発した!!!!!!!!!!!!!
109
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:52:58
圧縮されたエネルギーが波紋のように広がる!!!!!!!!!城に落とされていたら住人の命は無かっただろう!!!!!!!!コワイ!!!!!!!!
w(;・∀・)w「ぐうッ!!!!」
爆発から最も近くにいたモララーは!!!!!!爆風に煽られ地面へと落ちる!!!!!!!!
w(;・∀・)wそ「ッ!?」
('A`)「せぇー……」
落下地点!!!!!!!!弾き返した影響で火傷を負った拳を、構わず握りしめるドクオ!!!!!!!!!
w(;・∀・)w「『竜変化・鋼竜クシャルダオラ』!!!!!!」
咄嗟に防御形態を取る!!!!!身体を覆いつくす鋼の鱗!!!!!!!
敵の剣を折り!!!!!!!!触れるだけで空気すら切り裂く!!!!!!!!!!!
(#'A`)「のォッ!!!!!!!!!!」
しかしそんな物は!!!!!!!!ドクオと『汗と涙の十二発』にとって!!!!!!!!!!
w(; ∀ )w∴「ア゙ッ……!?」
紙 屑 同 然 ! ! ! ! ! ! !
(#'A`)「よいしょおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」
胸を穿った拳!!!!!!!!!そのまま殴りぬける!!!!!!!!!残り『2』!!!!!!!!!!!
110
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:53:54
w(; ∀ )w(負け……にはッ……!!)
飛びそうな意識!!!!!プライドが繋ぎ止めた!!!!!!!!!!
何重もの回復スキルを使用!!!!!!慣性に流される体をベクトル変換スキルで持ちこたえる!!!!!
ζ(゚ー゚;ζ「……ッ」
上乗せするようにデレの回復魔法!!!!!!!一撃で瀕死にまで追い込まれた体力を全回復!!!!!!!
('A`)「……」
('A`)「チッ」
再び舌打ち!!!!!!クソめんどくさい!!!!!!!一発でぶっ飛べば長く苦しまずに済むものを!!!!!!!!!
尺もそんなに取ってられないってのに!!!!!!!しぶとい!!!!!!!!!!!!!
(; ∀ )「ハッ……ハァ……!!」
地面に膝を着く!!!!!!!!!ダメージは回復したが衝撃は長く響いていた!!!!!!!
('A`)「……もういいだろ。諦めて卵を返してくれ」
(; ∀ )「……まだ、まだだ!!僕は……負けるわけには……!!」
('A`)「周りの人間巻き込んでまで、勝ちに固執してどーすんだよ。人として本末転倒だろ」
ドクオ!!!!!!!モララーへと近づいていく!!!!!!!!終わらせる気だ!!!!!!!!
('A`)「ここで一回、『敗北』を味わって自分が今まで何をしでかしていたのか省みろ」
111
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:55:20
(# ∀ )「断る……負けなんてありえない……僕はこの世界じゃ主人公なんだ……正義なんだ……」
('A`)「ご立派な心掛けだな。反吐とか出るわ」
他に何が出ると言うのか!!!!!!!チンコかな!!!!!!!!!????????
(#・∀・)「『+α』ァ!!!!!」
最後の切り札を発動!!!!!!!!他人の特徴をそっくりそのまま自分の物にするSSランクのチートスキル!!!!!
引き締まって華奢な体のモララーだったが!!!!!!!筋肉が肥大!!!!!!!細マッチョからゴリマッチョへと変貌した!!!!!!
(#・∀・)「ハハ!!!!力が漲る!!!!!!!モブキャラのゴロツキみたいな醜い体は甘んじて受け入れてやる!!!!!」
('A`)「は?」
(#・∀・)「こんな姿は主人公に相応しくないからなァ!!!!!!君を殺して、後でゆっくり見た目の調整をしておこう!!!!」
('A`)「お前……やっぱり」
(#・∀・)「死ねッ!!!死ねェ!!!!君を殺すのは君自身の筋力だァァァアアアアアアア!!!!!!!!!」
('A`)「何もわかってねーんだな……」
モララー!!!!!!!!拳を振るう!!!!!!!!!!
唸る大気!!!!!!!!!!ドクオの眼前に迫る人が持つ最も原始的な兵器!!!!!!
('A`)「『筋肉』があるから強ぇんじゃねえ……!!!!」
(#・∀・)「ッ!!!???」
ドクオ!!!!!!!!!屈んで拳を回避!!!!!同時に体を捻る!!!!!!!!!
右拳をガッチガチに握りしめて!!!!!!!!!!がら空きの顔面へと狙いを定める!!!!!!!!!!!
112
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:56:25
身勝手で!!!!!!!!!独善的!!!!!!!!!!モララーの態度に業を煮やし続けていた!!!!!!!!
怒り爆発の決定打となったのは!!!!!!!!『醜い体』という言葉!!!!!!!!!
スキル発動時にしか現れない、自身が鍛え上げた肉体!!!!!!!!!!
汗を流し!!!!!!!涙を流し!!!!!!!!時に血反吐や糞尿を漏らし!!!!!!!
文字通り死に物狂いで手に入れた!!!!!!!!努力の賜物!!!!!!男の勲章!!!!!!!!
(;・∀・)「待っ……!!」
それを今!!!!!!!!!!!何の努力もせずに手に入れた傲慢な男が!!!!!!!!!何もかも恵まれ過ぎていた男が!!!!!!!!!!!
こともあろうに筋肉を!!!!!!!!ドクオの誇りを『醜い』と評した!!!!!!!!!!!
いくら顔面が気持ち悪いだの不細工だの言われても!!!!!!!!一向に構わない!!!!!!!しかし!!!!!!!!
(#'A゚)「努力した『俺』がッ……!!!!!!」
この『筋肉』を貶す者は!!!!!!!!例え勇者だろうと魔王だろうと許さない!!!!!!!!!!!
『汗と涙の十二発』!!!!!!!!!!!鍛錬と練磨を積み重ねた先に掴める、人間本来の『強さ』を拳に乗せて!!!!!!!!
(#'A゚)「強 ぇ ん だ よ ォ ォ ォ オ オ オ オ オ オ オ オ オ オ ! ! ! ! ! !」
叩 き 込 ん だ ! ! ! ! ! ! ! ! !
(;メ)∀ )∴「」
113
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:57:19
今度こそ!!!!!!!回復の余地も与えずド真ン中を打ち抜く!!!!!!!!!!
(#'A゚)「吹き飛びなァ!!!!!!ノリスのッッッ……」
(#'A゚)「端っこまでェェェェァァァアアアアアアアアアアア!!!!!!!」
そのまま……殴りぬけるッッッ!!!!!!!!錐揉み回転しながら飛んで行き、あっという間に空に消え見えなくなるモララー!!!!!!!バイバイキーンである!!!!!!!!
(#'A`)「……」
残り『1』発を残し!!!!!!!!!勇者モララーを撃破!!!!!!!キンボシオオキイ!!!!!!!
(#'A`)「『借り物』だけで、着飾った野郎が……」
(#'A`)「一から鍛え上げてきたマッチョたる俺に勝てるわけねえだろ……」
不細工、決める!!!!!!!!!!!しかし一人残ってることをお忘れではないか!!!!!!!!!
('A`)「……」
('A`)「……逃げ足の早いこって」
ヒーラーのデレは瞬間移動魔術を使ってモララーの後を追い、既に消えていた!!!!!!!!!
まぁいても思いっきり顔面殴られてたから、賢い判断ではある!!!!!!!!!!
('A`)「さて、邪魔者は消えたし……」
ドクオが指を鳴らすと!!!!!!!!さっき脱ぎ捨てたローブが独りでに浮かび三角筋逞しい肩に掛かった!!!!!
魔法道具『リモコンローブ』だ!!!!!!!!あのブロッケンjrの帽子と同じ材料で作られているぞ!!!!!!!!!
なるほど!!!!!!自動で動くのも納得だ!!!!!!!!なんてったってブロッケンjrの帽子と同じ材料で作られているのだから!!!!
('A`)「お仕事を済ましましょうかね」
114
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:57:55
―――――
―――
―
デミタスの屋敷!!!!!!!地下!!!!!!!!秘密の部屋!!!!!!!!
秘密の部屋って言っても別になんかヤバめの性癖を満たす道具とか揃ってるわけじゃないし、でっかい蛇がいるわけでもない!!!!!!!!
剥製がいっぱい飾ってるだけだ!!!!!!!!!!!江渡貝くぅん!!!!!!!!!!!!
(;´^_ゝ^`)「へ、へへ……そろそろ終わってるよね?大丈夫だよね?だってモララー君がいるんだから……」
城主はそこに避難していた!!!!!!!!!卵をなでなでしてる!!!!!!!!
地下室は核シェルター並みの強度を誇るぞ!!!!!!!!!世紀末が来ても安心だ!!!!!!!!
世紀末が来ても安心だけど!!!!!!!!!!!!安心だけども!!!!!!!!!
<どこじゃああああああああああああああああああデミタスクソ野郎おおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!
(;´^_ゝ^`)そ「えっ、ええええええええええええええええええええええ!!!!!!!????????」
マッチョが来たら全然安心できない!!!!!!!!!!!筋肉は核よりも強い!!!!!!!!!真理である!!!!!!!!!
<この部屋じゃね?
<あ、そうっぽい。ニュッくんが言ってた通りだわ
<じゃあぶち開けるか
(#´゚ω゚`)「ハーーーーーーーーーーーーーーーーーーレーーーーーーーーーーーーーールーーーーーーーーーーーーーヤーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!」ドッガアアアアアアアアアアアアンン!!!!!!!!!!!!!
(;´^_ゝ^`)そ「アンギャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーース!!!!!!!!??????????」
115
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:58:47
合流した三人!!!!!!!!!!遂に目的の間近に到達!!!!!!!!!!!!!!
合流した描写はめんどくさいので割愛だ!!!!!!!なんだ文句あんのかやるか!!!!???おお!!!!???
(;'A`)そ「うわっ、趣味悪っ……」
_
( ゚∀゚)「噂通りのクソ野郎っぽいな」
(;´^_ゝ^`)そ「なぁーーーーーーーーー!!!???ななななーーーーーーーーなーーーーーーーーーーー!!!???」
_
( ゚∀゚)「イケナイ太陽ぉー」
('A`)「まーた古いネタを……」
ほぼ無傷!!!!!!!ジョルジュとショボン!!!!!!!!
そしてまだマッチョ状態を維持!!!!!!!!!ドクオ!!!!!!!!
マッチョ三人そろい踏み!!!!!!!!!!迫られるとコワイ!!!!!!!!!
(;´^_ゝ^`)「ゆ、勇者は!?近衛兵は!?」
(´・ω・`)「勇者は倒した。近衛兵はダッシュで逃げた」
_
( ゚∀゚)「まー、遥か彼方に飛んでいく『最強』の勇者が見えちまったらなぁ」
('A`)「えっ、アレ最強だったの?全然大したことなかったんだけど」
_
( ゚∀゚)「バッカお前、俺ら基準で判断したら可哀想だろ?」
(;´^_ゝ^`)そ「遥か彼方ーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!???????」
詰み!!!!!!!!!!圧倒的詰み!!!!!!!!!!守る者は皆無!!!!!!!
城主デミタスは失禁寸前!!!!!!!!!!デカい方も出そうだ!!!!!!!!!またウンコなのか!!!!!!!!!
116
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 01:59:36
(´・ω・`)「勝負は着いた。卵を返して、そして二度と森の連中にちょっかいを出さないと約束すれば、これ以上マッスルを行使してやらんこともない」
なんだか曖昧な言い回しだ!!!!!!!!逆に不安を煽る!!!!!!!!!
しかしデミタス!!!!!!!!往生際の悪い男!!!!!!!!!!
(;´^_ゝ^`)「あの……ほんと……これだけは勘弁してくれませんかねぇ……」
マッチョ三人に詰め寄られて、まだゴネる根性だけは見上げたものだ!!!!!!!
('A`)「……」
_
( ゚∀゚)「……」
(´・ω・`)「……では」
三人は顔を見合わせる!!!!!!!!口を開いたのはリーダーのショボンだ!!!!!!!!
(´・ω・`)「我々の雇い主の倍の『報酬』を差し出せるなら、見逃してやる」
(;´^_ゝ^`)そ「えっ本当!?」
(´・ω・`)「マッチョ ウソ ツカナイ」
_
( ゚∀゚)「片言よ」
('A`)「もう完全に蛮族のそれ」
デミタスは内心『よっしゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!ちょっれえ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!ゴネ得ゴネ得!!!!』と歓喜した!!!!!
金も高価な装飾品も幾らでもあるのだ!!!!!!!!!!!雇い主とやらがどれだけつぎ込んだのか定かでは無いが、余裕で上回る金額を用意してやると息巻いていた!!!!!!!
しかし!!!!!!!!次に出てきたショボンの言葉は!!!!!!!!予想だにしない物だった!!!!!!!!!!!
(´・ω・`)「じゃあ、今すぐ両目を差し出して貰おうか」
(´・_ゝ・`)「えっ……?」
(´・ω・`)「両目」
117
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 02:00:16
(;´ ゚_ゝ゚ `)「はああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!?????????」
.
118
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 02:01:24
(;´ ゚_ゝ゚ `)「なっ、はっ!?欲しいのは金だろ!!!!!????どうしてそうなる!!!!!?????頭可笑しいんじゃねえの!!!!????」
_
( ゚∀゚)「いーや、正常だぜ。なんせ依頼主が差し出す報酬は『片目』だ」
(;´ ゚_ゝ゚ `)そ「はーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!????????誰だよそいつ!!!!!!??????意味わかんねえんだけど!!!!!!!???????・」
(´・ω・`)「教えてやろうか?」
ショボンはスカウターがぶっ壊れるほどの握力を誇る右手でデミタスの頭を掴む!!!!!!!!!髪が薄い!!!!!!!
(´・ω・`)「お前の差し金で送り込まれた勇者に、住処を襲われ仲間を失くし、唯一残った希望すら奪われて……」
(;´ ゚_ゝ゚ `)「ヒッ……」
(´・ω・`)「一文無しで俺らの元に訪れ、価値の高い自らの『片目』を報酬に、卵の奪還を依頼した……」
ここまで聞けば、誰だよとか意味わかんねえとか喚いてたデミタスにも理解が出来た!!!!!!!!
それでもショボンは最後まで言葉を続ける!!!!!!!!!!
(´・ω・`)「その卵の生みの親、ハーピィの母親だ」
(;´ ゚_ゝ゚ `)「……」
(´・ω・`)「さぁ、差し出せよ『両目』を。お前がその卵を手にしたいと言うのなら、母親を超える『覚悟』を俺らに見せてみろ」
デミタスは恐ろしさのあまり失禁!!!!!!!!!!床に滴る黄金水!!!!!!!!!!
思考回路はショート寸前!!!!!!!!!そこに投げ込まれるトドメの一言!!!!!!!!!!
('A`)「この剥製の爪の部分、いい感じに目ん玉ツゥルンって出来そうじゃね?」
_
( ゚∀゚)「やべーなサイコパスの発想じゃねーか」
119
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 02:02:13
(´;_ゝ;`)「ああああああああああああああああ返しますうううううううううううううう!!!!!!!!」
恐怖が欲を凌駕した瞬間であった!!!!!!!!!!!
デミタス!!!!!!!土下座の姿勢で卵を差し出す!!!!!!!!
('A`)「なんだよ根性のねえ奴だな……」
それを受け取ったドクオ!!!!!!『リモコンローブ』で優しく包み込む!!!!!割れ物注意だ!!!!!!!
そのまま流れるようにジョルジュに手渡す!!!!!!!!一体何をしようと言うのか!!!!!!!!!
('A`)「あー……まぁ、顔を上げろよ」
(´;_ゝ;`)「くぴぃ……?」
優しい声色に、気持ち悪い鳴き声をあげながらグチャグチャの顔をデミタス!!!!上げるデミタス!!!!!!
('A`)「残り一発」
拳!!!!!!!!高々と!!!!!!!!!!!!振り上げている!!!!!!!!
(´;_ゝ;`)そ「話が違――――――――」
120
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 02:03:41
(#'A`)「フンッッッ!!!!!!!!!」ドゥワァッ!!
(´;_ゝ;`)そ「ヒッ!!!!???」
目を瞑る!!!!!!!!痛みに備えて歯を食いしばる!!!!!!!!
だが!!!!!!!!!!拳は鼻先で寸止めされていた!!!!!!!!!!
(´ _ゝ `)「あ゙っ」
ただし拳圧はモロに喰らった!!!!!!!!!!!!!!剥製を巻き込みながら壁に叩きつけられる!!!!!!!
ギャグ小説じゃなかったら死んでた!!!!!!!良かったギャグで!!!!!!!!!!
('A`)「次やったら本当にぶん殴るからな」
カウンター『0』!!!!!!!!!『汗と涙の十二発』終了!!!!!!!!!!
ドクオの体が元の貧弱ガリッガリのゴブリンゾンビに戻る!!!!!!!!!!
(;'A`)「クソッ、もったいねえ。でもスッキリ」
_
( ゚∀゚)「当てときゃよかったのに」
(;'A`)「あー?殺さない盗まない犯さない、徹底しようヨシだろ?」
_
( ゚∀゚)「いや遠目から見てたけど思いっきりぶっ飛ばしてたよな?死んだんじゃね?」
('A`)「バッカお前、殺しちまったらあのいけすかねえイケメンフェイスを何回も何回も何回もぶん殴れねえじゃねえか」
_
( ゚∀゚)「ブサメンは性根がねじ曲がってんな」
('A`)「世の中が悪い」
121
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 02:04:27
(´・ω・`)「よし、帰るぞ。お客さんが首を長くして待ってるからな」
_
( ゚∀゚)「せやな……ん?」
('A`)「どうした?」
_
( ゚∀゚)「今、卵が動いたような……」
途端!!!!!!!『ピキリ』と皹割れの音!!!!!!!!!!
三人は再び顔を見合わせ!!!!!!そして!!!!!!!!!!!
(;´゚ω゚`)「走っぞーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!」
_
(;゚∀゚)「えっさぁ!!!!!」
(;'A`)「ほいさぁ!!!!!!」
湯長谷で一揆が起きたと聞いた内藤政醇とその一行の如く、超高速で森の拠点へと急いだのであった!!!!!!!!!!
『超高速!!参勤交代』は今ならアマゾンプライムに入会すればプライムビデオで見放題!!!!!!!!
続編、『超高速!!参勤交代リターンズ』は円盤が出るのを待とう!!!!!!!!!面白かったぞ!!!!!!!!
122
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 02:05:13
―――――
―――
―
ξ゚⊿゚)ξ「……」
森!!!!!!!!!!『MEET』の大木の前!!!!!!
一人待つ未亡人!!!!!!!!!なんかエロい!!!!!!言葉の響きだけで股座がいきり勃つ!!!!!
彼女がここに来てからおよそ一日足らず!!!!!!!!奪還まで数日は掛かると踏んでいたが!!!!!!!!!
(;´゚ω゚`)「うおらあああああああああああああちくしょうただいま!!!!!!!!!」バァーーーーーーーーーーン!!!!!!
ξ;゚⊿゚)ξそ「えっ!!!!!?????」
まさかこんなすぐ帰って来るとは思ってなかった!!!!!!!!!!!!
ココロガピョンピョンスルン城を出てここまでおよそ三時間!!!!!めっちゃ走った!!!!!!!
なんかすげー皹割れていく卵は『ほんとマジ勘弁してくださいすいません』って言いながら宥めた!!!!!!
(;´・ω・`)「ハァー!!ハァー!!すっ、すいません……お見苦しい所を……」
汗だくのマッチョ!!!!!!!その背中には!!!!!!!!!
( A )「」
足が遅かったので途中から背負われたドクオ!!!!!!!!!今は貧弱童貞クソ野郎なんで仕方が無かった!!!!!!
_
(;゚∀゚)「ゼハァー!!ゼハァー!!」
必死でついてきたジョルジュも息絶え絶えだ!!!!!!!!だが、しっかりと卵は抱えていた!!!!!!えらい!!!!!
123
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 02:06:17
_
(;゚∀゚)「ハァー!!ハァー!!奥さ……ハァハァ……こ、ハァハァ……奥さんハァハァ……」
文章だけ見るととんでもない変態野郎でしかないが、ちゃんと卵を手渡そうとしているぞ!!!!!大丈夫だ!!!!!!ドエロ祭りみたいな展開にはならない!!!!!!!
ツンは突然汗だくでぶっこんできた変態共に困惑しながら!!!!!ローブで包まれたそれを受け取る!!!!!!!!
ξ;゚⊿゚)ξ「……」
ローブをゆっくりとほどくと!!!!!!中から卵の殻が一つ零れ落ちた!!!!!!
今!!!!!!!!その瞬間!!!!!!!!!変態野郎共に対する感謝の気持ちや!!!!!!礼の言葉も!!!!!!消し飛んだ!!!!!!!
ξ;゚⊿゚)ξ「……」
('A`)そ「ハッ、今誰か俺のことトム・クルーズにそっくりって」
(´・ω・`)「言ってない」
_
(;゚∀゚)「ハァー……ハァー……ハァーマジ……ハァーマジ頑張った……マジ頑張った俺……」
外野がうるさい!!!!!!!!!!!
ξ;゚⊿゚)ξ「……」
すげー宥めたのが功を奏し!!!!!!!!めっちゃいいタイミングで割れ始める!!!!!!
割れ目から除くほわっほわの白い羽毛は、父親譲りだった!!!!!!!!
124
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 02:07:27
('A`)「……」
(´・ω・`)「……」
_
( ゚∀゚)「……」
生命の神秘!!!!!!!!ピーピーうるせえ野郎共も空気読んで見守る!!!!!
内側から力強く!!!!!!!!卵を割る!!!!!!!!!
ξ;゚⊿゚)ξ「……」
今!!!!!!!この時!!!!!!!!!『卵』というひとつの世界を破壊して!!!!!!!!
父が殺され!!!!!!連れ去られ!!!!!!!男たちが取り返し!!!!!!再び母の元に戻った新しい命が!!!!!!!
「……マ……」
暗い殻の中から!!!!!!!!!光あふれる『異』世界に!!!!!!!!!!
( ^ω^)「ママーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
爆誕した!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
125
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 02:09:14
ξ゚⊿゚)ξ「あ……」
( ^ω^)「ばぶーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
元気!!!!!!!!!!!超元気!!!!!!!!!!!!!!!びっくりするほど元気!!!!!!!!!!!
( ^ω^)「ママーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!」
:ξ ⊿ )ξ:「……ええ、ええ」
肩!!!!!!!!!!振るわせる!!!!!!!!!!
待ち望んだ命!!!!!!!!母と父の想いが取り戻した!!!!!!!希望!!!!!!!
使用イラスト【№37】
ξ;ー;)ξ「そう、ママ、ママよ……」
喜びの涙!!!!!!!!頬を濡らし、息子の綿毛を伝う!!!!!!!!!
_
( ;∀;)「無理、めっちゃ目から男汁出る」ダバダバダバ
(うA;)「その目から出てる臭そうな名前の汁拭えよ」ドバドバドバ
(´;ω;`)「俺こういうのめっちゃ弱い」ヌハハァァァン
変態共もめっちゃ泣いた!!!!!!!!感動のシーンだ!!!!!!!!
素敵なイラストも相まって感動二倍!!!!!!褒めとけ褒めとけ!!!!!!!ヨイショしとけ!!!!!!!!!
126
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 02:09:56
ξ;⊿;)ξ「あっ、あの、な、なんてお礼を言えば……」
( ^ω^)「ママーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」
( うω;`)「良いんです、ゆっくりでいいんです……」
( ^ω^)「アアーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
ξ;⊿;)ξ「そのっ、あのっ、報酬、あのっ」
( ^ω^)「バブーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
うるさい!!!!!!!!!!ミュートしとこう!!!!!!!!!!!
( ^ω^)「※ミュート」
( ^ω^)「※ミュート」
うん!!!!!!!!!!!!!!よし!!!!!!!!!!
( うω・`)「ああ、報酬なら……既に『受け取って』いますよ」
ξ;⊿;)ξ「えっ……?」
素っ頓狂なことを言い出すショボン!!!!!!!!ツンの目は両方揃っている!!!!!!!!!!
泣きすぎて頭が可笑しくなったのか!!!!!!!!!!元々可笑しいとか言うのは野暮だぞ!!!!!!!!
127
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 02:10:36
(´・ω・`)「息子さんを救うために片目を差し出す貴女の『覚悟』は、我々の腰を上げるには十分な行動でした。これ以上の追加報酬など、とても受け取れません」
(´-ω・`)「復讐がメインの依頼なら、私も少し考える所はありましたがね」
ξ;⊿;)ξ「えっ……で、では……?」
(´・ω・`)「それに……今の光景だけで、我々も仕事のし甲斐があったというものです」
_
( ;∀;)「いやほんともう……ほんともう……」
(;'A`)「お前引っ張るなぁ……」
( ^ω^)「※ミュート」
ショボン!!!!!!!!片目を受け取ることをやんわりと拒否!!!!!!!!!!
実質無収入だ!!!!!!!だが、男達に一片の未練は無い!!!!!!!
達成感に満たされる清々しい表情!!!!!!!!!マッチョはハッピーエンドが大好きだ!!!!!!
ξ;⊿;)ξ「ありがとうございます……この御恩は、いつか、いつか……ッ」
(´・ω・`)「では、たまに息子さんの元気な顔を見せに来てください。それが我々にとって何よりの恩返しです」
ξ;ー;)ξ「はい……はい!!」
ハーピィ卵奪還作戦!!!!!完遂!!!!!!!!!!
MEETはまたもや、伝説を作り上げたのであった!!!!!!!!!
128
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 02:11:49
ξ;ー;)ξ「ありがとうございます、ありがとう……!!」
(;'A`)そ「おっ、おお?」
ツンは順に男達の手を取り、何度も何度も礼を言った!!!!!!!
(´・ω・`)「おっと、これはお釣りも考えないといけないな」
_
( ;∀;)「美女の握手だもんなぁ……やっぱりアイドル物は最高や……」
どいつもこいつも色気とは無縁の!!!!!!!荒々しくごわつき、堅い掌!!!!!!!!!
身体を張って仕事をし!!!!!日々鍛錬を積み重ねる男の掌だった!!!!!!!!
ξ;⊿;)ξ(嗚呼、間違ってなかったのだわ……)
そんな掌が、彼女にこう伝えていた!!!!!!!!!!
『俺たちは、頼れる男だっただろう』と!!!!!!!!!!!
礼を言いながら、ツンは何度も何度も頷いたのであった!!!!!!!!!!!
129
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 02:12:07
―――――
―――
―
『MEET』!!!!!!!己の正義ただ一つを貫き通す漢達の住処!!!!!
その名前に込められた、マスターの想いとは!!!!!!!!!!
_
( ゚∀゚)「マーッスルたーいりょくきーほんだぞー♪」
(;A;)「あああああああああああああああキツいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!クソオオオオオオオオオオオオ!!!!!!」ガシャンッ ガシャンッ!!!!
_
( ゚∀゚)「ほれー頑張れー。頑張らないと死ぬぞー」
(;A;)「いいよなぁマッチョがデフォルトの奴はよォォォォオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!」
それは、『出会い』と『縁』!!!!!!!!!
_
(;゚∀゚)「いや無限に強くなれる奴に言われても……」
(;A;)「どんだけしんどいと思ってんだお前よおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」
仲間との『出会い』と『縁』!!!!!!!!!!
130
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 02:12:45
(,,゚Д゚)「おっ、お前もか?」
( ^ν^)「ああ。聞いたぜ、相当揉めたんだってな」
(,,゚Д゚)「最後は兵とルーキー勇者に追われて逃げてきたよ……お互い、お尋ね者だな」
( ^ν^)「ハッ、人々の役に云々はどうしたよ?」
(,,゚Д゚)「方便って奴さ。アレに負けて、どうでも良くなったがな。お前もそのクチだろ?」
( ^ν^)「俺達はただの退屈しのぎだ。あっちの方が面白そうだし、ランカイも暇しねえだろ」
ランカイ「ワンワン!!!!!!!!!!」
(,,^Д^)「クハ、違いない……では、向かうか」
(,,゚Д゚)「『蝙蝠の住処』へ」
強敵、そしてこれからの仲間との『出会い』と『縁』!!!!!!!!!!
131
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 02:13:09
( ^ω^)「ママーーーーーーーーーーーー!!!!!」
ξ゚⊿゚)ξ「はいはい、今日もおじちゃん達の所へ行くのね。今支度するから」
( ∵)「おっ、お出かけかい?」
ξ゚⊿゚)ξ「ビコーズさん。ええ、ちょっとMEETの方へ」
( ∵)「そりゃあ、あいつらも喜ぶだろうぜ。あの手の連中は子供が好きだからな」
ξ゚ー゚)ξ「はい、ウチの子もすっかり懐いちゃって……妬いちゃうくらい」
( ∵)「ガハハ!!罪な男だなぁ!!ええボウズ!?」
( ^ω^)「バブーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
お客さんとの『出会い』と『縁』!!!!!!!!!!
その全てを!!!!!!!マスター『ショボン』は重んじる!!!!!!!!!!
世界は『出会い』と『縁』で回る!!!!!!!!異世界だろうと同じ事!!!!!!!!!
132
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 02:13:41
(´-ω-`)「ふんふーん♪叫び返せハッソマッソ」
今日もまた!!!!!!!!!!!男気と筋肉の噂を聞きつけた客が!!!!!!!!!!
(´・ω・`)「おや?」
『MEET』の扉を叩くのであった!!!!!!!!!!
(´・ω・`)
(´^ω^`) ニコォ
「やぁ、いらっしゃい。ようこそ――――」
.
133
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 02:14:10
♪ED Thema
https://www.youtube.com/watch?v=4vaN01VLYSQ&list=RDEKoD5LsbeeY&index=6
.
134
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 02:14:30
CAST
___________
__( ´^ω^` ):!::. :. . ..........:::=≧=‐- 、 ショボン
_/ .:ヽ :i::::::::/: /:::':.. .:..,. ''. :: `ヽ
, --―'´;.:.、... .: .:i :i::/: .:::..:,.‐''". . .:、 :.:::}
/ . :.:.ノ:. ..\. ヽ: , -‐''´ ..::: .. : .::l . :.:.::|
/ . .:.:.:./:. `ヽ、::/ .:::、:.. .. . :. .::i ...:.:∧
| .:.:.:;イ:: .:i::. . .::`''‐-=、ヽ、.:.. . .:: .:ノ: :!
/{::. '´.:.i::. . :|: . .:: :.::::::::::::/゙"ヽ、:..:.::´::..: :|
,' `: :...:.:.:.::.::;!::.. . .:.:|: :: :.:.:::::::::{::. .::;'` .::.: ;!:|
{ :. `''''゙´|:::.: .:::l::. .:.::..:.:::::::::::|::. . ::i ..:::iく ::|
{:.:.. .:.. . .:.:::ト、:.:.. . . . .:.:;!、::.. . . . ... .:.::..:::::::_;;.ゝ、..:| ..:ノ :. ヾ、
/`''' 、,,,___:ノ \::. :.....:.:ノ::..`'ー::.....;;;_;;:.-‐''....:...:::,>'=、 .::i :.::}
. {:.:. . ___\ ` ‐-=、:::.:.. ..::r ー-=、.....:...::..::::/ . .:::! :; ::|
!ー: . / ___;>┐ \:.. :! ,.-―:‐、:: ,,.:‐''´ . . :__;ノ.イ
';.:../ /´、  ̄)ヽ. _,r―‐亠- 、! |「: . . - '''´. : :.:/
ヽ! { :..  ̄ ̄厂:く__,.-‐'' ..| |!:. . . .. ... - =_ヲ'
135
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 02:14:53
-─-
/ \
/
l l
| / \ |
| /\ .| ドクオ
| / ̄ ̄\ .|
l ⌒ |
-一| \ /. |ー-
/ | ` ー一' ::: |.. \
-─∠ ...::小 \::::::::::::.::::: 人::.. \
/ ´ ̄ ー-ミヽ /二ニ=一---< ´ ̄`ヾ¨ ヽ
/ 爪 V´ } \
ヽ ( / `寸 -‐ }:.. V
{ 弋彡 ≧=く ー=ミi/ 弋 ル ノ::: '
〉 ⌒{ ⌒ヽ ヽ. | > <:::_ ム |
ー--ミム |辷一 / j Y `ヽ
{ l ( > 、.___ノ二辷_ _ { イ ノ::.
∨ | リー=辷二 ̄ ̄ _,込 ヽ `>< `ヾ }
∨小ム 〈 リ リ/ } ′
.∨ Y ー--==-‐ ´ ム-=ニ ノ /
弋 人 ..:r< ハ
`¨¨ヾ ー─ ィ< |二_ __二 イ ノ
T ー─‐<___.{____|  ̄ ̄ フ´
| :{ :|: ≧=ー-- __ ニ=‐
圦 ::ト ー┼一 ┤ ノ
{ヽミ :{: :|: :}: 彡´ }
人 ` ̄¨¨¨ ┬─┬  ̄ 人
/  ̄`¨'辷─┴─┴─=ニ二´ ∧
136
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 02:15:07
_
__,..-‐ ( ゚∀゚)`ヽ
_,.r'´ ̄ ヽ、. ! ヽ` /_, ⌒´`i、._
_,..r'´,,.... _ ヽ `ヽ、_,..-‐´ `ヽ、 ジョルジュ長岡
,'´ _,r'´ ⌒ヽ< /_∠、_ 〃′ __ `ヽ、
i ,r'´ ` `/ ⌒ ⌒ヽ' ̄ `ヽ `)、
!_ ⌒/ ,r'´ ̄ _ , ;;,,, ヽ.
,r' ,′ / ヽ、 i
/ ! ,′ ′ !
,i !、 i 入. _,、_ ,. !
!/ ト、_,.-‐´ `、 ノ / `´ `Y'´ Y
,イ ⌒ヽ、 ,!、 ` ‐ 、. ′,′ `i
_ノ、 Y、i、 _,..-―-.、_ ` ヽ 、_,.-l,i .l !
./ .!、 `ト、_ \!' `ヽ、_ ,; イ il , i __、 )
〈 ヽ `ヽ、_. `ヽ、 、 、_人 Y 〉 ' V
`、 ヽ、 ヽ、>ー-- !^ ,l、|_, ! !
`;、 ` \__,..--..、 ヽ ',r'´ 〈. !
ヽヽ、 ,r'´ ̄ ヽ ̄`、 ヽ-‐'´ ̄ ) !
`ー-、.._ ,-.、_,-v'´ _ヽ _ヽ -`;ー! `ニ=┬' !
`>、__  ̄⌒``ヽ i i |`´ 一' ̄´_,r'´ 〈
/ ー<> lニ!ニ!.ニ'  ̄´ 、 !
ヽ_ '´ _,.. ` ノ
137
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 02:16:19
ご指導、ご鞭撻
/ jjjj _
やっと会えた! / タ {!!! _ ヽ、
,/ ノ ~ `、 \ _
`、 `ヽ. , ‐'` ノ / `j
_ \ `ヽ (´^ω^`)" .ノ/ / /`ー' よろしゅうな!!
('A` )  ̄"⌒ヽ `、ヽ. ``Y" r ' 〈 `ヽ
/ ) ヽ' / 、 `、 i. 、 ¥ ノ `、 ヽ _
γ --‐ ' λ. ; `、.` -‐´;`ー イ 〉 ゚∀゚) ,-、、
f 、 ヾ / ) i 彡 i ミ/ / ノ  ̄⌒ヽ 「 〉
! ノヽ、._, '`"/ _,. '" } { ノ ' L `ヽ./ /
|  ̄`ー-`ヽ 〈 < _ ヽ. / `\ / , ' ノ\ ´ /
!、__,,, l ,\_,ソ ノ / /ヽ、 ヽ. ( ∠_ ヽ、_, '
〈'_,/ / / / ノ ヽ. ) i 、 ヽ
| | イ-、__ \ `ヽ { f _,, ┘ 「`ー-ァ j
l.__| }_ l \ \ | i f" ノ { /
_.| .〔 l l ノ _> j キ | i⌒" ̄ / /_
〔___! '--' <.,,_/~ 〈 `、ヾ,,_」 i___,,」
`ー-‐'
使用イラスト 【No.29】
138
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 02:17:06
ξ*^⊿^)ξ (^ω^ *)<ママーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!! ツン ブーン
使用イラスト【No.37】
( ゚∋゚)
クックル
( ^∋^)
.
139
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 02:17:42
( ^ν^) ニュッ
/ / / / //^\ 丶 \ /^l
/ / / / || 〉 > ニ二天二ニ <´⌒|
/ / / v' / ___人__ \ /
/ / / / / __人__ 〈 ランカイ
/ / / ( 、 , ) \
/ / / `Tf亡i `Y´ jヒjT´ l l ヽ
i 〉 | | lゞミァ^ー ^ ー'^ニ彡'|| 〈 <わんわん!!!!
l | ヽ \_ /へ ヽ / ヘ _ノ l 〉
| 」: . \__,」 r_―‐ュ _」_ / /
. :|l \: .ニ二三キ三 `T´ 三メ三二テl
: :|\ :.:>X彡'^`Tヘ「`^ ̄^lフ^メ`丶`ヽl
: :|, \ .:/.:/`ヽ V |,、,、,/| | \\ |
: :| \ \ : : : : :/: : : :\`^ ̄ ̄´ ノ / ̄ |
(,,゚Д゚) ギコ
使用イラスト【No.13】
140
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 02:18:39
( ∵) ビコーズ
(´^_ゝ^`) デミタス
(゚、゚トソン トソン
从'ー'从 渡辺さん
ζ(゚ー゚*ζ デレ
モララー
特別出演 ( T) Mr.T
141
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 02:19:13
使用楽曲
♪Juice Newton - Angel Of The Morning
♪DMX - X Gon' Give It To Ya
♪Maximum Effort
♪Going Commando
ED Thema
♪Salt-N-Pepa - Shoop
142
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 02:19:33
『異世界BAR MEETのようです』 END
.
143
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 02:19:43
.
144
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 02:20:05
―――――
―――
―
( ・∀・)「……」
ζ(゚ー゚;ζ「ッ、モララー!!」
( ・∀・)「……」
( ・∀・)「ここは?」
ζ(゚ー゚;ζ「スタローンの果てにあるチャック村。部屋を一つ貸してもらっているの」
( ・∀・)「……」
ζ(゚ー゚;ζ「もう十日も眠り続けてたのよ。良かった、目が覚めて……」
( ・∀・)「……」
『ぐるるるるる』
ζ(゚ー゚;ζ「あっ、お腹空いてるよね!!今すぐご飯用意するね!!」
( ・∀・)「……」
『ぐるるるるるるるるるる』
145
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 02:20:45
耐えがたき、底なしの飢えであった
ζ(゚ー゚*ζ「おまたせ。もう何日も食べてないから、先ずはパン粥で胃を慣らして」
( ・∀・)「……」
『粥』などで、到底癒せるものでは無かった
しかし、『食欲』は選り好みをしない。豪快に鳴り響く腹の音が、早く掻きこめと急かしていた
( ・∀・)「……」
だが、意に反し腕は上がらない。先の戦いのダメージと衰弱は肉体にも影響を及ぼしていた
デレは匙で粥を掬うと、何度が息を吹きかけ冷まし、モララーの口元に運んだ
ζ(゚ー゚*ζ「はい……」
( ・∀・)「……」
口に含み、咀嚼する
ドロドロに煮込まれたそれに歯ごたえは無く、味もしない
喉を通り、胃に落ちていくものの、底の抜けた桶に水を注ぐかのように、満たされていく気はしなかった
ζ(゚ー゚*ζ「……ねぇ」
デレはまた粥を掬い、口元へ運んだ
ζ(゚ー゚*ζ「もう……気負わなくていいんじゃない?」
( ・∀・)「……」
146
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 02:21:09
ζ(゚ー゚*ζ「モララーがスタローンの為に……頑張ってたのは私が一番よく知ってるよ?でも……」
ζ(゚ー゚*ζ「少し……焦り過ぎかなって、思っちゃって……その、一般人まで巻き込んじゃうのは……やっぱり、ダメだと思うし……」
( ・∀・)「……」
『足りない』
ζ(゚ー゚*ζ「今回の事も……軍資金調達の為とは言えやりすぎちゃってこうなったから……」
ζ(゚ー゚*ζ「暫くゆっくり休んで、一度考え直さない?モララーならきっと、勇者として正しいあり方を見つけられると……」
( ・∀・)「……」
『足りない』
ζ(゚ー゚;ζ「……ごめん、私が言えた場じゃないよね。でも……」
( ・∀・)「わかった」
ζ(゚ー゚;ζ「っ、本当?」
( ・∀・)「ああ」
147
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 02:21:34
モララーはデレの話など、何一つ聞いてはいなかった
ただ、この『欲』はどこから来て、何を求めているのかに頭を回していた
そして、ようやく気が付いた。この『腹』は、何を求めているのか
( ・∀・)「今までごめん、ようやく気付いたんだ」
ζ(゚ー゚*ζ「謝らないで。私がもっと早く言えばこんなことには……」
( ・∀・)「ねぇ、デレ」
ζ(゚ー゚*ζ「何、モララー?」
( ・∀・)「『いただきます』」
ζ(゚ー゚*ζ「えっ、モラr」
.
148
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 02:22:35
『+α』、スキル進化
『+αnthropophagy』
.
149
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 02:22:57
「……」
「『足りない』」
「もっと、もっと食べないと、積み上げないと」
「追いつけない。殺せない」
「……」
「ねぇデレ、もう君と話が出来ないのは、少し寂しいよ」
「……いや、寂しい筈がないか。僕たちはもう、『二人で一つだ』」
「ねぇ、ねぇデレ。君の力は、僕がしっかりと受け継いだから、心配しなくていいよ」
「『ごちそうさま』」
.
150
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 02:23:11
.
151
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 02:23:32
―――――
―――
―
『セガール』某所にて
从'ー'从「……」
从'ー'从「モララーの『狂人変換』任務を完遂したことをここにご報告します」
「ほいよ。流石は『クックメイカー』のナベちゃんだ。仕事が早いねえ」
从'ー'从「私のスキルは、プライドの高い甘えたガキには効果覿面ですから」
「ハッハー!!まさに、最高ランクスキル保持者特有の性格じゃないか!!俺ァ、ああいう勘違い野郎がどうにも嫌いになれなくてね!!」
从'ー'从「『ご自身の好きなように操れるから』、ですよね?」
「ナベちゃんのそういう、他人のゲスい所を何の容赦もなく指摘するところめっちゃ好きだわ」
从'ー'从「恐縮です。では、私はこれで」
「お疲れぃ。また頼むな」
从^ー^从「はい、喜んで。先生」
152
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 02:24:11
「……随分、無理してたなぁあの子。どんだけ強く殴られたんだ」
「しっかし、『汗と涙の十二発』とは恐れ入ったぜ……ええ?いい拾い物したじゃねえか」
(`・ω・´)「なぁ……」
(`^ω^´)「兄貴よぉ……」
(`^ω^´)「このエゴと虚栄に塗れた世界で、どこまで『男気』を突き通せるか、拝見させてもらうぜ?」
.
153
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 02:25:30
to be continued……?
154
:
あとがき
:2016/11/13(日) 02:41:25
宿屋のモララー一行のシーンだけが書くのほんと苦痛でした。吐くかと思いました
それ以外はめっちゃ楽しかったです。めっちゃ筆乗りました。十月の末にはほぼ完成してました
じゃあ明日から暫くブラッドボーンして過ごします。お疲れさまでした
155
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 08:41:28
乙
156
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 13:51:55
乙乙!すごく面白かった
筋肉ってやっぱすげぇな
続きがありそうなので楽しみ
157
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 14:12:54
乙!面白かった
やっぱりマッチョは最高だな
158
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 15:57:15
ほんとブレねぇな!乙!
159
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/13(日) 19:07:44
笑えるしアツイし読ませるしで非常に楽しかった
つくづくエンタメ作者だなあ、乙
160
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/28(月) 03:12:52
続くと言ったな、勝手に待ってるからな
161
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2016/11/28(月) 22:17:59
乙、続くんだな、おい、続けるよな? な?
162
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2017/03/08(水) 16:49:52
続きマダー!!!!!!?????
163
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/02/23(火) 20:57:39
『ラジー』と呼ばれる街がある。此方の世界で言う所の、所謂スラムに該当する場所だ
『スタローン』並びに『セガール』の王都から遠く離れた僻地に点在するその街に集う者は大きく分けて五つ
一つ、奴隷や違法薬物を捌きに来たアウトロー
二つ、それらを求めて訪れる富裕層
三つ、ヒト・モノ・カネの流れをコントロールする暴力組織
四つ、戦利品として捕らえられた多種多様の奴隷
五つ、他に行くアテと金の無い者
治安、衛生面、そして人種。どれを取っても大陸『ノリス』の中で最低と呼んでも差し支えないが―――――
( A )「この街も変わらねえなぁ」 ※ハンバーグ師匠
『お尋ね者』であるMEETのメンバーが頻繁に訪れる数少ない街であった
164
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/02/23(火) 20:58:40
異世界BAR MEETのようです
.
165
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/02/23(火) 20:59:57
『ドキドキ☆ドックンの上手にお使いできるかな? 〜俺じゃなくてジョルジュが行けばこんなに絡まれずに済むのに〜』
.
166
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/02/23(火) 21:01:33
( A )「……」
フードを目深に被ったブサイク!!!!!!!!!!!!!!!!!顔を隠してもブサイクなオーラは身から滲み出る!!!!!!!!!!!!!かわいそう!!!!!!!!!!!!ギャハハ!!!!!!!!!!!!!!!!
ここはラジーの闇市場!!!!!!!!!!!今日も腐りかけの肉や野菜!!!!!!!!どこからか流れてきた残飯が出店に並び!!!!!!!!!!!
中には茶色の割合が多い白い粉なんかも量り売りされている!!!!!!!!!!!そう!!!!!!!!!!!!粗悪品!!!!!!!!!!!ウチのは混ぜ物無しなんだよなんて言えない!!!!!!!!!!!これにはフィオもブチ切れだ!!!!!!!!!!
「オイオイお客さん、ウチの商品にアヤ付けようってんじゃないだろうね?」
「テメェふざけんな!!俺のズボンにゲロぶっかけやがって!!」
「痛ぇ……痛ぇよ……」
すごく物騒でうるさい!!!!!!!!!!!!!西成でもこんな治安悪く無い!!!!!!!!!!道端で殺傷事件でもあったのか!!!!!!!!!!!!小汚ぇオッサンが腹から血を流して蹲る!!!!!!!!!
途端に集まる人!!!!!!!!!!!人!!!!!!!!!!!人!!!!!!!!!!!!!!!服をはぎ取る者もいれば!!!!!!眼球をくり貫いたり腹を裂いて中身を取り出したりする者もいるではないか!!!!!!おおブッダ
!!!!!!!!シエスタしてんの!!!!!!!!!!!??????????
死して屍拾う者無しなど戦場限定の慣用句!!!!!!!!!!!!ここで死ねば瞬く間に掻っ捌かれ商品として棚に並ぶ!!!!!!!!!!!!資源の有効利用!!!!!!!!!!!!!!実際エコロジーだ!!!!!!!!!!!!
正に異世界羅生門!!!!!!!!!!!このノリスに『地獄』と名の付く場所があるならば!!!!!!!!!!ラジーを置いて他に無いのだ!!!!!!!!!!!!!!!!
( A )「……」
「お兄さぁん……遊んでいかない……?」
引かれた袖を咄嗟に払うブサイク!!!!!!!!!!!!!犯人は客引き兼『商品』の腰が曲がったババアだ!!!!!!!!ゴミ臭い空気に混じって駄菓子より安っぽい香水のキツイ匂いが鼻腔を炙る!!!!!!!!
(; A )「……」
「お兄さん……オイ聞いてんのかブサイク!!しゃぶってやるからチンポと有り金出せっつってんだよ!!」
そしてヤク中のおまけつきだ!!!!!!!!!!!!!!!!唾を飛ばしながら喚くババアに一言も返さず、ドクオはその場を足早に去った!!!!!!!!!!!!
キャッチと一緒だ!!!!!!!!!!!!!!構ったら付きまとわれる!!!!!!!!!!!!!!無視するのが一番だ!!!!!!!頭賢い!!!!!!!!!!
(; A )「……」
ローブの下に隠した荷物を確認するブサイク!!!!!!!!!!!財布!!!!!!!!!武器!!!!!!!!!!そして『報酬』!!!!!!!!!!確認ヨシ!!!!!!ご安全に!!!!!!!!!!
このファッキンクソッタレウンコ治安のスラムでは!!!!!!!!!!例え痩せ細った死に掛けのガキ相手でも用心しなければならない!!!!!!!!!!!
だからこそ『修行』の場としてはうってつけ!!!!!!!!!!!!人混みでの危険察知能力やアンブッシュへの対応が身に着くのだ!!!!!!!!そう!!!!!!スラムチャレンジ一年生!!!!!!
167
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/02/23(火) 21:02:47
(; A )「疲れる……」
常に神経を研ぎ澄ますのでえれえしんどい!!!!!!!!!!!!クソ野郎ごった返す市場を抜け、長屋並ぶ路地へと踏み入れる!!!!!!!!
玄関の前でテーブルを広げ、ヤクを賭けてゲームをするオッサン共や!!!!!汚染された鳥の死骸の羽を毟るガキが余所者のブサイクをジロジロと観察する!!!!!!居心地が悪い!!!!!!
だからと言って急ぎ足をするとすぐさま住民にカツアゲと言う名の強盗殺人されるのであくまで余裕の足運びで目的地に急ぐ!!!!!!!!舐められたら終いなのは現代社会と一緒だ!!!!!!!!!世知辛いのじゃ!!!!!!!!!!
( A )「……」
五分ほど歩いた先に、屈強で小汚く!!!!!!頭にターバンを巻いた緑色の肌をしたオッサンが見張りとして立ってる小汚い店に到着!!!!!!!
足下に立て掛けられてる酷い刃こぼれのアックス!!!!!!!!柄は血脂で赤黒く染まっている!!!!!!!!!汚え!!!!!!!!
<ヽ`∀´>「何用で」
( A )「蝙蝠の遣いだ。初対面じゃねえんだから面倒な問答させるなよ」
い、命知らず〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!聴き耳立ててるエッチなスラムの住人も思わず息を飲む豪胆な発言!!!!!!!!!!
門番はフンと鼻を鳴らすと、斧を担ぎ上げ!!!!!!!!!顎をクイと動かし『着いてこい』と促す!!!!!!!!
( A )「お邪魔します」
アイサツは大事だ!!!!!!!!!!!古事記にもそう書かれてある!!!!!!!!
ブサイクが店内に足を踏み入れると!!!!!!門番はクソボロい長屋には似つかわしくない厚い鉄扉を閉じ!!!!!!閂を嵌めた!!!!!!!
<ヽ`∀´>「……」
そして覗き窓から周囲を確認し!!!!!!!!!そして!!!!!!!!!!
<ヽ;`∀´>「んもー!!来るなら来るって連絡してちょうだぁい!!!!!!!!!」
突如クネッとしたオカマ口調で文句を垂らすのであった!!!!!!!!!!
168
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/02/23(火) 21:05:31
('A`)「わり」
謝罪!!!!!!!!!そしてフードを取る!!!!!!!!!露わになるブサイクな顔面!!!!!!!!!目を伏せるな!!!!!!!!
これがこの物語の主人公だ!!!!!!!!擬人化イラストでやたらイケメンに描かれるドクオなんて夢は見るな!!!!!!!!
<ヽ;`∀´>「着けられて無いわよね?まさかドクオちゃん一人で来るなんて思ってなかったわぁん」
('A`)「俺はアホのマスターやおっぱいキチガイと違って小心者でね。店長は?」
<ヽ`∀´>「奥で仕事中よぉん。まま、座って。お茶を淹れるわぁん」
ようやく一息吐けたドクオは!!!!!!!脱いだローブと肩掛けバッグをポールハンガーに掛ける!!!!!!!露わになるヒップホルスターには何かの薬品が入ったなんかあの……えっと……メスシリンダーじゃなくて……あの……
試験瓶!!!!!!!!!そう!!!!!!!コルク栓で封をされた長細い試験瓶がいくつか!!!!!!!!年取ると道具の名前がパッと思い出せない!!!!!!!老化である!!!!!!!!
それに加えて十五センチ程の長さの棒やナイフ!!!!!!!弾薬盒のような小さなボックスも装備されている!!!!!!!備えあれば憂なし!!!!!!霧島も言っていた!!!!!!!!
('A`)「やーっと落ち着けるぜ……」
小汚い外装とは裏腹に!!!!!!!店内は小綺麗!!!!!!!そしてどう見ても長屋の外見より高い天井!!!!!!!お花も飾って素敵じゃない!!!!!!!
オカマは……オカマって表現は今はアウトなんやっけ!!!!!!!!???????じゃあお姉さんでええか!!!!!!!!
お姉さんは手の汚れを綺麗に洗い流し、清潔な水が入ったヤカンを『炎』が描かれた札の上に置く!!!!!!しばし待つと、沸々と沸騰を伝える音が聞こえてくるではないか!!!!!!!不思議やね!!!!!!!
169
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/02/23(火) 21:08:03
<ヽ`∀´>「元気してたぁん?最近おっきなヤマをこなしたって聞いてからアタシ心配でぇん」
('A`)「見ての通り何とか生きてるよ。そっちはどうだ?ニダ姐」
<ヽ;`∀´>「もー大変よぉ!!『聖剣竜』が行方不明になってから召喚ペース上げたみたいで、異世界難民が増えちゃってぇん」
('A`)「わり、それ俺」
<ヽ;`∀´>そ「なんですってぇ!?」
聖剣竜って誰!!!!!!!!!!!!?????????って方に説明しておこう!!!!!!!!!!!前回、ブサイクによって大陸の遥か彼方まで殴り飛ばされた!!!!!!!!!!!!
異世界に来てチートを手にしザコ相手に無双して女を侍らせ曲がった正義感で無辜のニュートラルを虐殺しては世界救う気満々でいたイケメンのクソ野郎だ!!!!!!!!!!!!もう五年前!!!!!!????????え!!!!!!!!????????
('A`)「案外大したこと無かったわ」
<ヽ;`∀´>「嘘ぉん……アタシがセガール軍にいた頃には魔王率いる一師団が聖剣竜一行に打ち破られたのよぉん……?」
('A`)「結構貯めてたからな」
<ヽ;`∀´>「ほんと、ジャンクとは名ばかりのスキルねぇん」
ブサイクのスキル、『汗と涙の十二発』は!!!!!!!!!鍛えれば鍛えるほど破壊力の増す『十二撃』を、強靭な肉体を以て放つ男の中の男のスキル!!!!!!!!!!!!
だが、他の使い勝手の良いチートとは違って『鍛錬』という長い準備期間が必要であり!!!!!!!!!コスパクソ悪い!!!!!!!!!!故に下された評価は『ジャンク』!!!!!!!!!
それでも無限の可能性を秘めたスキルを使い熟すドクオに、『ニダ姐』は苦笑いと共にお茶を差し出した!!!!!!!!!!!!!!
170
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/02/23(火) 21:12:44
<ヽ;`∀´>「足抜けして正解ねぇん。ドクオちゃんみたいなのが相手だと思うとゾッとしちゃうわぁん」
('A`)「ニダ姐みたく土台がしっかりしてる戦士なら、ブッパしか能のねえ俺如きに遅れは取らねえよ。『一騎当軍』や『嵐飼い』なら負けてたかもしれん」
<ヽ`∀´>「あら、じゃあ聖剣竜は?」
('A`)「身の丈に合ってない武器をただ単に振り回してるだけ……」
ブサイク!!!!!!!!!!!!!お茶を飲みまぁす!!!!!!!!!!!!!!!え゛ぇ゛!゛?゛お゛前゛も゛お゛茶゛を゛飲゛む゛ん゛か゛ぁ゛!゛!゛!゛?゛?゛?゛?゛ワ゛シ゛も゛飲゛も゛う゛!゛!゛!゛!゛!゛!゛!゛!゛
そして彼(女)!!!!!!!!紹介が遅れたが元はセガールの将軍!!!!!!!種族は『オーガ』の『ニダー・ディヴァイン』だ!!!!!!!!ピンク・フラミンゴに出てたドラァグ・クイーンと名前が一緒!!!!!!!!ラストで犬のウンコを食った人とは無関係だ!!!!!!!!良かった良かった!!!!!!
彼(女)はノリス人ではあるが!!!!!!紆余曲折あって今はMEETの心強い味方!!!!!!!!強面に似合わぬ清く優しい心根の持ち主!!!!!!!!そして将軍だけあって物凄く強かったのだ!!!!!!!!
('A`)「ハァー……取り巻きに助けられながら、奪ったスキルでかっこよくゴリ押しして気持ちよくなってたんだろうよ。あいつには『個』が感じられなかった」
('A`)「多いぜ、そんな奴。特に高ランクスキル保持者なら余計にな。一騎当軍や嵐飼いみてーに『積み上げた』異世界人の方が珍しい」
一騎当軍こと『ジェネラル・ギコ』はカラテ!!!!!!!!!嵐飼いことニュッくんは神獣『ストーム・ビースト』との信頼関係!!!!!!!!!!
得られたスキルに驕らず、研鑽を積んだ者が相手となると!!!!!!!『一芸特化』であるブサイクの勝率は格段に落ちる!!!!!!!!つまりマスターがあの時下した采配は実は理にかなっていた!!!!!!!!筋肉は全身が脳なのでお前より賢い!!!!!!!!
十二撃を使い果たせば元のガリガリゴブリンゾンビ顔面のクソザコナメクジに戻るのだから泥臭い消耗戦に持ち込めばクソカスイケメン勇者でも勝てた!!!!!!!!!!
<ヽ`∀´>「両国の上層部が『それ』に気づかず、高ランク保持者を担ぎ上げてるのは、アタシたちにとっては幸運ねぇん……」
「『驕れる者は久しからず』」
部屋の奥からダンディな男の声!!!!!!!!!!!!放つ言葉は当然、このノリスには無い!!!!!!!!!ちゃんと義務教育受けた皆さんなら当然ご存知のはず!!!!!!!!!
知らない!!!!!!!???????え!!!!!!!???????すっげえバカじゃん!!!!!!!!小学生からやり直せば!!!!!!!!!????????
N| "゚'` {"゚`lリ「お前にも言えることだぞ、ドクオ」
車椅子に乗って現れたのは、プロフェッサーXじゃない!!!!!!!!髪の毛フサフサ!!!!!!!
青いツナギに身を包む、推定三十前後のいい男!!!!!!!!!異世界人の『阿部高和』のエントリーだ!!!!!!!!
171
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/02/23(火) 21:18:37
('A`)「よう、カズさん。仕事は済んだのかよ」
N| "゚'` {"゚`lリ「来客があっては集中も出来ん。ニダー、俺にもお茶を」
<ヽ`∀´>「はぁい、ただいまぁん」
声のトーン、上がる!!!!!!!!その表情、まるで恋する乙女!!!!!!!!そう!!!!!!貴重な萌えどころである!!!!!!!!好きだろ!!!!!!!恋愛要素!!!!!!!!
N| "゚'` {"゚`lリ「お前が『汗と涙の十二発』を使い物に出来るのは、ショボンのスキルがあってこそだ。それに、この世界は『積み上げた努力』など簡単に覆せる転生者で溢れている」
鋭い眼光に貫かれ!!!!!!!ブサイクは気まずそうに目を背ける!!!!!!!まともな大人はコワイ!!!!!!!!!
N| "゚'` {"゚`lリ「努努忘れるな。我々は弱者だ。だからこそ、手段を選ばず、狡猾で、卑怯で、臆病で居続けなければならない。間違っても『勇者』や『魔王』のように英雄を気取るな。聖剣竜のようになりたくなければな」
('A`)「良いねえ。狡猾、卑怯、臆病。ザコの俺にはお似合いの言葉だ。今更説教垂れられるまでもねえんだよ」
N| "゚'` {"゚`lリ「卑屈が治ってないようで何よりだな。やはり幸運だ。高ランクスキルを身につければ、真っ先に傲慢に溺れるのはお前のような日陰者だからな」
('A`)「ご高説感謝するよカズさん。これで両脚が使い物にならずに済みそうだ」
一発触発!!!!!!!!!!!!!空気が震える!!!!!!!!!!!!!見つめ合わなくても素直にお喋り出来ないクソ野郎共が会話するとこんなんなる!!!!!!!!!コワイ!!!!!!!!!!
そこに投じられる新たなティーカップ!!!!!!!!!!まるで自然落下のような速度でカズさんの眼前を通り過ぎたそれは!!!!!!!!
<ヽ`∀´>「ダメよん喧嘩しちゃぁん」
机上で音も無くピタリと止まる!!!!!!!!!!!お茶の水面から水滴が一つ浮かんで落ち!!!!!!!!!小さな波紋を広げた!!!!!!!そう!!!!!!!波紋疾走!!!!!!!!!
<ヽ`∀´>「ドクオちゃんはカズさんに言われずともちゃんと弁えているし、カズさんはドクオちゃんが心配だからキツイ口調になっちゃうのよぉん。だから、仲良くしてちょおだぁい」
N| "゚'` {"゚`lリ「善処する」
('A`)「がんばりまーす」
<ヽ;`∀´>「もう!!素直じゃないんだからぁん!!」
172
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/02/23(火) 21:19:48
N| "゚'` {"゚`lリ「さて……」
お茶!!!!!!!!!!!!!!!!!音も無く啜る!!!!!!!!!!!!その所作、本来の意味で紳士じみている!!!!!!!!!
スラムのドブくせえ臭いに似合わぬ柑橘の香り、広がる!!!!!!!!!!!これにはピリピリしていた空気もやんわりだ!!!!!!!!!!!!!!
N| "゚'` {"゚`lリ「今日のブツは?」
('A`)「これだ」
取り出したのは麻袋!!!!!!!!!!!!ハンドのボール程の大きさに膨らんでいるそれを手に取ったカズさんは片眉を上げる!!!!!!!!!!!
N| "゚'` {"゚`lリ「軽いな。ハーピィの羽根か」
('A`)「察しの通りで」
一瞥もせずに中身を当てた良い男!!!!!!!!!いつもの事なのでブサイクも気持ち悪い顔面を歪めて驚いたりはしない!!!!!!!!!!!!!
袋の中から一片取り出すと!!!!!!!!ほうと感嘆のため息を吐いた!!!!!!!!!!!!!
N| "゚'` {"゚`lリ「美しい……羽弁に汚れもなく柄もしっかりとしている。これは狩猟によって毟り取られたものでは無いな?」
('A`)「『お客さん』が換羽期でね。捨てるものだからっつって頂いたんだよ」
お客さんことハーピィの未亡人ツンさん!!!!!!!!!!!!奪われた息子さんを実質無償で奪還したのが前回の話!!!!!!!!え!!!!!!!!!?????????五年前!!!!!!!!???????何の話!!!!!!!?????
それからまぁ時間は経ち!!!!!!!!!!!MEETの近くに息子と二人で穏やかな生活を始めた彼女!!!!!!!!脳筋クソ野郎共との交流も続いていた!!!!!!!!そう!!!!!!!!このお話では希少な女性枠である!!!!!!!!!スケベはない!!!!!!!!
そして今回!!!!!!!!改めて頂いた報酬!!!!!!!!!『片目』と比べるまでもないが、それでもハーピィの羽根は市場になかなか出回らないレアアイテム!!!!!!!!!!!!
N| "゚'` {"゚`lリ「磁器のような光沢に赤ん坊の産毛を思わせる肌触り……安物の帽子にこいつを一本挿すだけで価格が何倍にも跳ね上がるぞ」
装飾に良し!!!!!!!!!ペンに良し!!!!!!!!羽箒に良し!!!!!!!!!魔道具に良し!!!!!!!!お前に良し!!!!!!!!俺に良し!!!!!!!!フンガー!!!!!!!!
ここに中島誠之助先生が居たのなら!!!!!!!!!「良い仕事してますねえ!!!!!!!!!!!!!!ええ!!!!!!!!!!!」と太鼓判を頂ける一品!!!!!!!!!美女は羽根も美女だ!!!!!!!!!!!
しかし一転して!!!!!!!!カズさんの表情、曇る!!!!!!!一体何が気に食わなかったというのだろうか!!!!!!!!鳥アレルギーかな!!!!!!!????????
173
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/02/23(火) 21:20:53
N| "゚'` {"゚`lリ「捌くのが……難しいブツだな」
('A`)「マスターもそう言ってたぜ。ま、どこの世界でも生態系を狂わせるバカはいるってこったな」
前回のお話を思い出して欲しい!!!!!!!!!!!忘れた!!!!!!!!!????????まぁ五年前やしな!!!!!!!!!!しゃあないしゃあない!!!!!!!!!俺は寛大だから今回は許すが次は無いと思えマヌケ
『ハーピィは過去、乱獲に遭いその数を極端に減らしている!!!!!!!!!爪から羽毛、果てはいやらしいことに至るまで、高値で取引されるからだ!!!!!酷い話だ!!!!!股座がいきり勃つな!!!!!!!』
前話より引用!!!!!!!股座がいきり勃つじゃない!!!!!!!!!!!!!人でなしが!!!!!!!!!!オチンコ野郎!!!!!!!!!!!
そう!!!!!!!!!!!!過酷な異世界事情!!!!!!!!!!!!母数が減れば当然、市場に出回る素材も減る!!!!!!!!!!
そんな中、非常に状態の良い品物がポンと並んでいればどう思うか!!!!!!!!!!!異世界であろうともクソ野郎多きこの大陸!!!!!!!!金の匂いを逃す筈が無い!!!!!!!!!
N| "゚'` {"゚`lリ「下手するとハンターが動き兼ねない。慎重にならねばな」
『ハンター』!!!!!!!!!!ドクオは胸糞悪さを洗い流すかのようにお茶をがぶ飲みした!!!!!!!!メロンソーダが如く!!!!!!!!!
この羽根の提供者は!!!!!!!!一片の慈悲も無いクソ勇者一行に!!!!!!!!ひいては奴らに依頼したオタクの風上にも置けないオチンカスコレクターに!!!!!!!!!
住処を追われ!!!!!!!!仲間を!!!!!!!そして夫を殺されたのだ!!!!!!!!!大陸の端まで殴り飛ばしても!!!!!!!殺された者は帰っては来ないのだ!!!!!!!!!!決して!!!!!!!!!
('A`)「……たまに、『こいつ』が煩わしく感じるよ」
手首の内側に刻み込まれた『不殺』の文字!!!!!!!!!ドクオの両腕には『制約文字』が彫り込まれている!!!!!!!!!温泉に……入れないのである!!!!!!!!!!!
ドラゴンボール級破壊力を誇る『汗と涙の十二発』を全力で放って、『誰一人死なない』のは!!!!!!呪いとも祈りとも取れるこの制約があってこそだ!!!!!!!!!!
('A`)「クソ野郎は減る所か増えるばかり。少しでも処分しちまえば、彼女もガキも暮らしやすく……」
N| "゚'` {"゚`lリ「よせ」
鋭い眼光!!!!!!!息が詰まる!!!!!!!!まともな大人は怒るとコワイ!!!!!!!!
N| "゚'` {"゚`lリ「暴力で何もかも解決出来ていれば、俺たちの居た世界も少しはマシだった筈だ。お前の思考は、縛りの緩い此方の世界に染まっている」
N| "゚'` {"゚`lリ「この羽根の持ち主から何もかもを奪った連中と同じ思考だ。後に待つのは新たな暴力による報復しかない。だから『ノリス』の戦火は今なお止まる事なく広がり続けている。お前の両腕に刻まれた言葉の真意を今一度思い出せ」
『殺さない、奪わない、犯さない』!!!!!!!!!!乱世に置いて男を漢たらしめる三原則!!!!!!!!
強大な力を持つからこそ!!!!!!!!漢は自らを律し!!!!!!己の正義を貫く生き様を見せつけなければならない!!!!!!!!
だってその方が!!!!!!!!『かっこいいから』だ!!!!!!!!!何かあるとすぐ復讐やら無双やらとほざく連中にも教えてあげたい!!!!!!!
174
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/02/23(火) 21:22:14
('A`)「……悪い、反省するよ」
N| "゚'` {"゚`lリ「フ……己を省みれるのなら上等だ。良い男になれるぜ。お前は」
('A`)「意味深なのは気の所為か?」
N| "゚'` {"゚`lリ「期待させて悪いが、俺だって抱く相手は選ぶ」
('A`)「こっちから願い下げですけど????????」
ブサイクはブサイクなので男であっても恋愛対象外だ!!!!!!!!!かわいそう!!!!!!!!ギャハハ!!!!!!!
N| "゚'` {"゚`lリ「さて、取引を済ませてしまおうか。ニダー」
<ヽ`∀´>「はぁい」
ニダ姐が手渡した算盤をパチパチしたカズさんは!!!!!!凡その金額を提示する!!!!!!!確認したドクオは新たにメモを差し出した!!!!!!!!
('A`)「今回の入り用だ。いつも通り差し引いた金額と品をくれ」
N| "゚'` {"゚`lリ「どれ……うむ、概ね揃っているが……おや、『簪』に『ぬいぐるみ』と来たか」
('A`)「返礼品だ。できればオモチャの方は頑丈なモノを頼む。すぐに用意出来そうか?」
N| "゚'` {"゚`lリ「ウチの品揃えを舐めてもらっちゃ困るな若造。ニダー、頼む」
<ヽ`∀´>「りょーかい。ちょっと待っててちょうだぁい」
メモを受け取ったニダ姐は内股でパタパタと可愛らしく倉庫の方へと駆けていく!!!!!!!!そう!!!!!!!!萌えどころ!!!!!!!!!てぇてぇって言えオタク!!!!!!!!!
N| "゚'` {"゚`lリ「ついでだ。ローブの調子を見てやる」
('A`)「そいつぁありがてえ」
ドクオの数少ない私物、『リモコンローブ』!!!!!!!ブロッケンJr.の帽子と同じ材質で出来ているので浮遊操作が可能の魔道具だ!!!!!!!
ポールハンガーからビャッと飛んだローブは!!!!!!!!ブサイクから逃げるかのようにカズさんの手元へと収まった!!!!!!!
175
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/02/23(火) 21:23:30
N| "゚'` {"゚`lリ「ふむ……魔力の吸引紋が少し薄くなってるな。サービスで書き直してやる」
('A`)「助かるぜ。大事な相棒で、生命線だ」
N| "゚'` {"゚`lリ「そう言って貰えるなら、こいつも道具冥利に尽きるだろうよ。折角だ。『報酬』を使わせて貰おう」
カズさんは机上に置いてあったインク瓶を引き寄せ、羽根の根元をチョンと浸す!!!!!!そしてロープの襟首に刻まれている『吸引紋』を丁寧丁寧丁寧になぞり始めた!!!!!!!!!
異世界ファンタジー世界『ノリス』では!!!!!!!!!!場所によって濃度は異なるが、空気中に微量の魔力が含まれている!!!!!!!!!
魔道具は吸引紋からその魔力を吸収!!!!!!!!そしてエネルギーとして変換する!!!!!!!!言わば魔力はリモコンローブのご飯なのだ!!!!!!!!
そして前回、ブサイクがお腹ぶん殴って内臓をジャムの如くグチャグチャにされた『ジャム・メイカー』ことワタナベのゴーレム生成魔法!!!!!!!!これも魔法適正のあるものが空気中の魔力を皮膚呼吸により取り込み、体内に溜め!!!!!!!!
詠唱を以って魔法を発現する!!!!!!!!そう!!!!!!!!ウィンガーディアムレヴィオサーなのだ!!!!!!!あれ!!!!!!!??????オーサーだっけ!!!!!!!?????
N| "゚'` {"゚`lリ「ああ、良い仕上がりだ」
カズさん、ご満悦!!!!!!!!!某刀剣擬人化ゲームでお手入れをされた美少女キャラの挙動とかではない!!!!!!!正直あの機能すげーいらない!!!!!!!!!!
元気百倍リモコンローブは!!!!!!!先ほどよりも力強い動きでドクオの手元に舞い戻る!!!!!!!!持ち主は驚きをそのクソブサイクな顔面で表現した!!!!!!!!きっしょ
('A`)「おっと……やり過ぎじゃねえか?」
N| "゚'` {"゚`lリ「通常のペンよりインクの乗りが良かったのさ。まるでこの羽根が、お前の助けになりたいかのようにな」
('A`)「……」
彼女がもたらした『感謝』の想い!!!!!!!!!羽根の一つに到るまで行き届いている!!!!!!!!
この世界へ訪れてから、人によって散々な目に遭った!!!!!!!!しかし!!!!!!戦う術を学び、MEETの元で男を磨き始めてから!!!!!!!
誰かを『助ける』ことによって受けられる恩恵!!!!!!!!感涙と共に贈られた『ありがとう』の言葉!!!!!!!そして今!!!!!!!助けた者に助けられる『恩返し』!!!!!!!!
('A`)「そりゃ……悪くねえ気分だな」
漢であり続けるからこその幸福感に、一言の感想を述べたのであった!!!!!!!!!!!!!
176
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/02/23(火) 21:25:37
―――――
―――
―
('A`)「確かに」
用意されたお金と品物を確認したブサイクは!!!!!!!!それらを手早くバッグの中に詰め込み、帰り支度を始める!!!!!!!!!
行きは良い良い帰りはコワイ!!!!!!!!重くなった荷物、肩紐がズシリと食い込む!!!!!!!!そう!!!!!!!まるでおパンツのように!!!!!!!!!!
<ヽ;`∀´>「もう帰るのぉん?今日は泊まって行きなさいな」
('A`)「折角だが、遠慮するよ。二人の愛の巣に長居するのも忍びない」
<ヽ`∀´>「んまぁ!!」
緑色の肌に朱が差す!!!!!!!!オネエの照れどころだ!!!!!!!萌えろ!!!!!!!!てぇてぇって言えオタク!!!!!!!!
対しカズさん!!!!!!!クールゲ……ガイ!!!!!!!!ブサイクの軽口に顔色ひとつ変えず、メモに走り書きをして手渡した!!!!!!!!!
N| "゚'` {"゚`lリ「次の移転先だ。偶には顔を出すようにマスターに伝えてくれ。それと、こいつはお前への駄賃だ」
('A`)「駄賃?」
十枚ほど積み重なった『お札』!!!!!!!!白地に吸い込まれるような黒円が描かれている!!!!!!!!
ノリスの通貨はファンタジーらしく全てが硬貨!!!!!!!!駄賃と言っても紙幣では無い!!!!!!!!!!
('A`)「『新作』かい?」
N| "゚'` {"゚`lリ「ああ、『闇符』だ。まだ試作だが、問題なく使えるだろう」
('A`)「効力は?」
N| "゚'` {"゚`lリ「二秒。効果範囲は直径一メートル。発動条件は『引っ掻き』から三秒後に設定してある」
('A`)「ふーん……目眩しにするには、心許ないな」
N| "゚'` {"゚`lリ「広範囲に渡る視界の妨害なら煙幕に軍配が上がる。だが使い勝手は良いぞ」
('A`)「なるほど。そんじゃ、色々と遊んでみるぜ」
177
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/02/23(火) 21:26:37
ドクオはホルスターの弾薬盒を開く!!!!!!!!中には今しがた受け取った『闇符』と同じようなお札がギッシリだ!!!!!!!!決闘者なのかもしれない!!!!!!!通行人はどいてた方がいいぜ!!!!!!!今日からこの街は戦場と化すんだからよ!!!!!!!!
その中へと丁寧丁寧丁寧に符を詰め込むと、ローブを操作して身を覆い尽くす!!!!!!!!!頭隠してブサイクも隠す!!!!!!!!合理的だ!!!!!!!!
( A )「また来るぜ」
N| "゚'` {"゚`lリ「ああ。死ぬんじゃないぞ若造。ニダー、お見送りを」
<ヽ`∀´>「はぁい」
ドクオは軽く手を振って店を後にする!!!!!!!ニダ姐が扉を開いた瞬間!!!!!!!!吹き込むドブ臭!!!!!!!気はケツのように引き締まる!!!!!!!こっちのドクオはケツを引き締めても音は鳴らない!!!!!!!圧倒的筋力不足だ!!!!!!
ケツが鳴るってなんだ!!!!!!!??????なんだ……気持ち悪いな……頭おかしいんじゃねえのかお前……
<ヽ`∀´>「毎度……」
( A )「フン」
店を出た瞬間!!!!!!!!愛想の良いオネエは鳴りを潜め、無愛想な門番へと戻る!!!!!!!表裏一体!!!!!!まるでクリスとクラウザーだ!!!!!!!
だがブサイクには見えていた!!!!!!!組んだぶってえ腕の隙間から覗く、反り立つ親指!!!!!!!!!そう!!!!!!!ビッグ親指!!!!!!!!
激励のサムズアップを受け、ドクオもブサイクな微笑みを返して歩き始めるのだった!!!!!!!!!!
178
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/02/23(火) 21:27:22
.
179
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/02/23(火) 21:28:27
―――――暫くして
スラムの長屋街には似つかわぬ、銀の煌めきを放つ甲冑の面々が訪れた
手癖の悪いラジーの住民であっても、『騎士』を相手に略奪を行う度胸は無い。重たい金属の音を立てながら我が物顔で突き進む彼らを、煩わしそうな目で見るだけだ
その中で唯一、チェストアーマーと籠手、脛当といった最低限の防具を付け、惜しげも無く腹を露出した軽装の女性は住民に対して舌打ちを放つ
(*゚ー゚)「……酷い場所」
ラジーに常駐する監視班からの連絡を受けたスタローン王属騎士の一つ、『月猫』副隊長の『シーナ・ハニア』はしかめ面と共に率直な感想を呟いた
後に続く隊員と比べ、頭二つは小さな彼女であったが、その身から放つピリリとした不機嫌さに部下達は内心穏やかでは無く、誰もその態度を窘めようとはしない
ただ一人、彼女の隣を歩く『上官』だけが、苦笑いを浮かべて苦言を呈した
ミ,,゚Д゚彡「気持ちは分かるがな……ようやく掴んだ『脱走勇者』の尻尾だ。ネガティブな発言は士気に差し障る」
(*゚ー゚)「真面目なこと。いっそ最初から異世界人に首輪でも着けておけば、こんな不衛生極まりない場所に踏み込まなくても良かったのに」
ミ,,゚Д゚彡「俺もそう思うよ。だが、彼らにはあくまで『英雄』として働いて貰わねばならない。人を支配するのに必要なのは制約や圧力では無く、実益を伴った甘い甘い『夢物語』だ」
(*゚ー゚)「それだけで従うような度し難いバカばかりじゃないから、こうして私たち末端が働かないとダメなんじゃない」
ミ,,゚Д゚彡「最もだな……だからこそ、逃げ出した『聡い連中』は厄介だ。先の『ジェネラル・ギコ』や『嵐飼い』の件もある」
(*゚ー゚)「『お友達』に裏切られて、内心穏やかじゃないって所かしら?フサールお兄様?」
ミ,,゚Д゚彡「言葉が過ぎるぞ」
彼女の腹違いの兄にあたる『フサール・ハニア』の口調に若干の苛立ちが混じり、隊員達の緊張はなお一層昂まった。妹はそんな彼を見て、『はいはい』と気にも留めぬ態度を返す
異世界から現れた連中は、シーナが言ったように餌をぶら下げただけで付き従うロバのような愚か者ばかりではない。ノリスの現状や、規格外と見做され追い出された異世界人への扱いに疑問を抱く者もいる
ミ,,゚Д゚彡「……いや、お前の言う通りだ」
(*゚ー゚)「あらあら」
召喚時からの仲である『ジェネラル・ギコ』の心境の変化には、それこそ『蝙蝠』との接触前から薄々と感じていた。酒でも飲み交わしながら相談に乗ってやろうとした矢先に、彼は『嵐飼い』と共に姿を消した
『友情』の枷で繋ぎ止めようとした打算から始まった関係だが、いつしか『親友』と呼べる間柄になっていた。なっていた、筈だったのだ
たった一回の、『蝙蝠』本人との直接交戦。フサールとギコが築いた友情よりも、シンプルな『力』が勝った。その事実は、彼にとっては耐え難い屈辱であった
180
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/02/23(火) 21:30:30
>>170
ドーラ様かよ
いや、アズマか
181
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/02/23(火) 21:31:06
(*゚ー゚)「とんだ恩知らずよね。無様に敗北しただけに飽き足らず、将軍として推薦したお兄様のツラまで汚していくなんて」
ミ,,゚Д゚彡「……俺のツラなど、いくら汚れても構わないさ。戻ってきてくれさえすれば、我が王も情を掛けてくれるだろう」
(*゚ー゚)「お人好しも過ぎると欠点よ?」
ミ,,゚Д゚彡「そんな上等なモンじゃないさ……そろそろだな。総員、腹を括れ。情報通りニダー・ディヴァインが居るならば、苦戦を強いられるぞ」
かつて猛威を振るった敵国の将軍、『ニダー・ディヴァイン』。何度か剣を交える機会があったが、当時の実力のままであるなら、ルーキー勇者程度なら『善戦』も出来ずに倒れる存在だ
かつてはセガールでも屈指の猛将だったが、異世界人の違法保護が明らかになり、身柄を拘束。隠れ家で発見された十数名の規格外異世界人はその場で『魔王』によって処理された
彼も謀反の疑いで処刑を言い渡されていたが、執行当日に『蝙蝠』の襲撃によって逃亡を果たす。以後、彼の協力者としてセガールとスタローンの両国で指名手配されている重罪人である
(*゚ー゚)「でぇー……もっとヤバいのは『アベ・タカカズ』の方だっけ?」
シーナは、両腕を振るい籠手からそれぞれ三本のブレードを出現させる。それを皮切りに、隊員は次々と抜刀した
ミ,,゚Д゚彡「EXランクスキル『最高級職人《マエストロ》』。それが彼のスキルだった」
(*゚ー゚)「EX?だった?」
聞きなれないランクと、過去形。立て続けに投じられた二つの言葉に、シーナは小首を傾げる
ミ,,゚Д゚彡「ノリスのヒト、文化を根底から変えかねない超反則級のスキルランクだ。蝙蝠のスキルもこれに該当する」
(*゚ー゚)「へぇー。つまり、超大当たりってこと?」
ミ,,゚Д゚彡「そうなるな。最も、まともに運用された試しがない」
(*゚ー゚)「蝙蝠を見りゃわかるわよそんな事。SSランクのボンボンボウヤがどれだけ扱いやすかったか良くわかるわ。ぶっ飛ばされたみたいだけど」
『聖剣竜』が敗北したという知らせを聴いた妹が、たっぷり五分は腹を抱えて笑っていたのを思い出し、フサールは視線を泳がせた
人当たりと顔立ちの良い青年であったが、女性に対してやや気障とも取れる物腰で接していたのを覚えている
人気のある勇者だったが、シーナにとってはうざったらしい存在だったらしく、『スキルと顔面以外取り柄のないスカスカのつまらない男』と本人に直接評価を下した時は肝を大いに冷やした
182
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/02/23(火) 21:33:42
(*゚ー゚)「で、その超大当たりさんは何をしでかしたワケ?」
ミ,,゚Д゚彡「勇者という立場でありながら、自らが発明した魔道具の製作法をセガールにも流通させていたのさ」
(*゚ー゚)「は?何の得があって?」
ミ,,゚Д゚彡「『技術は人々の暮らしを向上させ、幸福へと導くもの。それはヒトも魔族も例外ではない』。彼なりの信念に基づいた行動だったのだろう」
(*゚ー゚)「ばっかじゃないの、そいつ?」
ミ,,゚Д゚彡「職人気質ってやつさ。その結果、スキルのランクダウンと脚の機能を奪われ、監獄塔に投獄されていたが……これも蝙蝠の手引きによって脱獄されてしまった」
(*゚ー゚)「あーあー……手ぬるい真似なんかするから余計な面倒が増えるのよ。サッサと殺してしまえば楽なのに」
ミ,,゚Д゚彡「スキルランクが下がったとは言え、まだまだ利用価値があると踏んだのだろう。当時の上層部がお前ほど割り切りが良ければな」
隊員の一人は思った。「こいつらめっちゃ喋るやん」と
(*゚ー゚)「にしても、スキルの模写や奪取ならともかく、『ランクダウン』は初耳ね。そんなスキルや魔術の持ち主、見たことも聞いたこともないけれど?」
ミ,,゚Д゚彡「お前が物心つく前で、俺がガキだった頃の話になるが、そんな勇者がいたんだとよ。さて、楽しいお喋りはここまでだが……」
ポイントに到着。フサールは右手を掲げて隊員に待機を命ずる
一見、そこらの長屋と変わらない小さな建物だが、彼と妹の目には常人には見抜けない『残滓』を捉えていた
瞳は金色に染まり、縦長に切り込みを入れたかのように細くなる。その様は暗闇で怪しく光る猫の視線を連想させた
ミ,,゚Д゚彡「……」
(*゚ー゚)「……」
『月猫』の名の由来は、ハニアの血族が代々受け継がれた『眼』にある。通常、不可視である『魔力』を色として見ることが出来るのだ
ハニアの眼はサーモスコープのように物体を貫通してヒトや魔道具に含まれる魔力や、魔法を使った後に残る魔力滓を認識できる
痕跡を辿り、ジワジワと獲物を追い詰める。これが彼らの得意とする戦法だった。しかし―――――
ミ,;゚Д゚彡「なんだぁ……こいつは?」
(;゚ー゚)「気持ち悪……」
今回に限っては、『獲物』が一枚上手だった
183
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/02/23(火) 21:35:26
「どうなされたので?」
同時に混乱した二人に、隊員の一人が心配そうに声を掛ける。彼の眼にはただの何の変哲もない建物にしか見えていない
ミ,;゚Д゚彡「魔力が『濃すぎる』。それも一、二種類なんてもんじゃない」
(;゚ー゚)「絵具かき混ぜたかのようにグチャグチャに染め上げられてるわ……」
部屋の中を、七色の絵具で満たしたかのように魔力が渦巻いている。これも一つの痕跡ではあるだろうが―――――
ミ,;゚Д゚彡「読んでいたな……」
獲物はハニアの二人が追ってくると踏んで、痕跡を『消す』のではなく『塗りつぶす』方法を選んだ
僅かな証拠を探して細々と掃除するよりも手っ取り早く、『どこへ行ったか』『何の罠が張ってあるか』『何の魔法、魔道具を使ったか』などの推測が困難となる
(*゚ー゚)「ふむ……貴方、中を検めなさい」
「は」
声を掛けた隊員は、文句ひとつ溢さず剣を構えて『木製』の引き戸を開き、中へと踏み込んでいく
ブービートラップの類は発動せず、室内も五歩は歩けば壁に到着するほど狭い。水道や厠の類も無い、ただの物置のような部屋だった
特に目ぼしい物は無いと判断し、外へと戻ろうとした時。部屋の四隅に『筒』が置かれているのを発見する
「……」
充分に警戒しつつ、剣先で軽く叩いてみる。爆発はしないが、中から『カラン』と乾いた音がした
倒して転がしても、中から乾いた音がするだけで異変は無い。持ち上げてみても、異変は起こらなかった
念の為、『防呪』『防発』の魔法を施し、慎重に外へと持ち出した
ミ,,゚Д゚彡「どうだ?」
「これが設置されてありました。差し出がましくも防護魔術を施しましたので、宜しければご確認を」
ミ,,゚Д゚彡「助かるよ。ありがとう」
184
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/02/23(火) 21:38:27
筒は蓋に当たる部分に錐でくり貫いたかのような穴が幾つか開けられてあり、斜めに傾けると僅かに水が零れた
(*゚ー゚)「これって……」
ミ,,゚Д゚彡「バルサンだな」
アベ・タカカズが発明した燻煙殺虫剤。室内を毒性の煙で満たし、手の届かない場所に潜む害虫を退治する大ヒット商品
彼が元いた世界には同じ物が販売されていると聞くが、優先すべきは『何故こんな物が置かれていたのか』だった
(*゚ー゚)「こんな汚い場所のゴミ虫なんて、殺しても殺しても切りが無い。だとすると……」
ミ,,゚Д゚彡「室内を魔力で満たしたのは『これ』の仕業だな。猛毒や可燃性の気体では無かったのは、『近隣住民』への配慮と見るべきか」
(*゚ー゚)「『ココロガピョンピョンスルン城』の住民ごと『型破り』を焼き尽くそうとした聖剣竜と比べて配慮の行き届いてること」
ミ,,゚Д゚彡「他には?」
「いえ、綺麗なものです。仕掛けや隠し通路などの可能性も考えられますが……」
ミ,,゚Д゚彡「ブリーフィングでも言った通り、アベ・タカカズは渡り鳥のように拠点を移す。わざわざ大掛かりな逃げ道を作るなんて手間は取らないさ」
(*゚ー゚)「やっぱり転移魔法及び魔道具の線が濃厚だけど……これだけメチャクチャにされてちゃ正直お手上げだわ。私も『型破り』の討伐に付き合えば良かったかしら」
早々に捜索を諦めたシーナは、肩をすかして両腕のブレードを納刀する
ミ,,゚Д゚彡「珍しいな。ルーキー勇者の面倒を見る気になるなんて」
(*゚ー゚)「嘘、冗談よ。何であの手の連中は『ワンチャンある』みたいな顔してすり寄ってくるのかしら?」
ミ,,゚Д゚彡「向こうにいた頃はさぞかしプレイボーイだったんだろうよ。キミ、彼は今どうなっている?」
呆れ半分、面白半分の半笑いで別の隊員に呼びかける。その隊員も、笑いを堪えようと必死に口元を痙攣させていた
「は。現在、奴隷オークションにて2434Gの値が付いたと報告が」
ミ,,゚Д゚彡「どう思う?」
「恐れながら申し上げます。粋がって先行した分際で無様に敗北したのには、失笑を禁じ得ないであります」
ミ,,゚Д゚彡「ククッ、正直だな。救出班は?」
「『ギリギリまで弄んでから連れ帰る』と」
ミ,,゚Д゚彡「直に引き上げる。名残惜しいだろうが、早々に済ませるように伝えろ」
「は」
185
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/02/23(火) 21:39:26
ミ,,゚Д゚彡「やれやれ……」
(*゚ー゚)「随分あっさりと諦めるのね。意外だわ」
ミ,,゚Д゚彡「俺らの仕事は『討伐』で、調査は含まれていない。まんまと見逃した監視班が悪いのさ。元より、一仕事終えた後に命じられた任務だ。隊の疲労をこれ以上溜め込むわけにもいかん」
(*゚ー゚)「だってさ」
「は!!お言葉ですが、我々月猫部隊!!この程度で音を上げるほど柔な鍛え方をしていません!!」
不意に話を振られた隊員は、憧れの副隊長に話しかけられた喜びからか、背筋をピンと伸ばして気合の入った返事をした
初心な反応にシーナはクスリと微笑を漏らす。フサールもまた口角を上げ、隊員の肩を労うかのように叩いた
ミ,,゚Д゚彡「勿論、諸君らの練度に疑問を抱いた事は無いさ。しかしだな、我々は『ご褒美』を取り上げられたままこの場に急行したんだぞ?そろそろ喉の渇きも限界だろう」
「は!!カラカラであります!!」
ドッと笑いが沸き上がり、張り詰めていた緊張が解ける。スタローンでも武闘派で知られる月猫であろうとも、蝙蝠の一派と事を構えるのは相応に覚悟が必要だった
今回はたまたま近場にいたという理由から派遣を命じられたが、本来ならば万全を喫して挑まねばならない相手なのだ。『戦果なし』の報告を土産にしても、幾らでも言い訳はつくだろう
ミ,,゚Д゚彡「では、王都に帰って小言を賜ろう!!その後、『反省会』だ!!たらふく食ってしこたま飲むぞ!!」
隊員達は踵を揃え、右拳を胸に当てて敬礼を行う。その一糸乱れぬ所作には、先ほど初心な隊員が言った通り『柔な鍛え方をしていない』という説得力があった
踵を返し元来た道を戻る彼らに続きながら、シーナは意地の悪い笑みを浮かべながら兄の顔を覗き込んだ
(*゚ー゚)「お小言で済むといいけど」
ミ,,゚Д゚彡「やめろ。頭が痛くなる」
186
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/02/23(火) 21:41:08
(*゚ー゚)「サッサと帰りましょ。私はお風呂が恋しいわ」
ミ,,゚Д゚彡「そうだな……ん?」
(*゚ー゚)「どうしたの?」
ミ,,゚Д゚彡「……」
(*゚ー゚)「お兄様?」
ミ,,゚Д゚彡「いや、何でもない。行こうか」
立ち止まったフサールの反応にシーナは眉を顰めたが、さして興味も引かなかったのか、後ろ手を組んで再び歩き始めた
彼の手の中に納まるバルサンの缶。その底面には、『客人』に対する短いメッセージが添えられていた
『またのご来店を』
と
ミ,,゚Д゚彡「全く……」
店も店主も見当たらないのに、来店もクソもあるものか。フサールは苦笑いを浮かべると、缶を『店内』へと投げ捨てる
ミ,,゚Д゚彡「次は、ちゃんと接客してくれよ」
返事の代わりに、空き缶が転がる音が背に返って来た―――――
187
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/02/23(火) 21:43:10
―――――
―――
―
月猫がラジーに到着する二時間か三時間くらい前!!!!!!!!!!!!!!わかんね!!!!!!!!!!!結構時間経ってる!!!!!!!!!!うん!!!!!!!!!
( ^Д^)「見つけたぞ悪党!!」
('A`)「うわウザ」
ブサイク!!!!!!!!!!!!全力ダッシュ!!!!!!!!!!!!!君子危うきに近づかず!!!!!!!!!名言だな!!!!!!!!!
用事済ませたし早よ帰ろとしてたドクオの前に立ちはだかる少年漫画主人公みたいな男!!!!!!!!!!!鼻には絆創膏だ!!!!!!!!!
大体こんな感じで絡んでくる奴にロクなのはいない!!!!!!!!!!そこそこ長い異世界生活で学んだことの一つだ!!!!!!!ゼロから積み上げろ異世界生活!!!!!!!
( ^Д^)「臆病者!!逃げるのか!!」
('A`)「うん」
( ^Д^)「俺の名前は『プギャー・モウショウ』!!お前を倒し聖剣竜を超える最強の新人勇者だ!!」
('A`)「志ひっく」
(#^Д^)「一回止まれよお前!!!!!!!!!!!!!!!」
止まらない!!!!!!!!!ブサイク全力ダッシュ!!!!!!!!!!!クソどうでもいいしめんどくさいからだ!!!!!!!!!
(#^Д^)「この俺から逃げられると思うなよ!!『魔装外骨格』《タキシード》!!!!」
そう!!!!!!!!!!!!!ジャッキー・チェン主演の映画のタイトル!!!!!!!!プギャーの身体がぼんやり赤く光る!!!!!!!!
力強く踏み込み、跳躍!!!!!!!!!ドクオの頭上を越えてクルっと一回転!!!!!!進路上にスーパーひーろ着地!!!!!!!!これには全力ブサイクも急ブサイクブレーキを踏まざるをえない!!!!!!!!
( ^Д^)「へへ、どうよ」
('A`)「膝壊すぞ」
( ^Д^)「なんでこんな余裕なんこいつ」
188
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/02/23(火) 21:44:41
( ^Д^)「蝙蝠の一派、『型破り』だな」
('A`)「人違いです」
(#^Д^)「顔面が特徴的過ぎて誤魔化しようがねえんだよ!!観念しやがれ!!」
('A`)「イケメンってこと?」
(;^Д^)「イケ……いやうん!!美醜の判断基準は人それぞれだから!!」
気遣い!!!!!!!逆に傷つく!!!!!異世界いってもブサイクはブサイクのままだったし、モテもしなかった!!!!!!かぁいそ!!!!!!!!!ギャハハハハハ!!!!!!!!!
しかし第一印象!!!!!!!!悪い奴じゃなさそうと判断!!!!!!!!!逃走から交渉へと切り替えるブサイク!!!!!!!!よっ!!!!!!!!世渡り上手!!!!!!!!
('A`)「俺がその……膜破り?だったとして、どうするつもりだ?」
( ^Д^)「『型破り』だよちょっとエッチにしてんじゃねえ!!お前を連行する!!大人しく着いて来てくれりゃ手荒な真似はしねえよ!!」
('A`)「俺の名前は『宇津木ドクオ』ってんだ。オメーは?」
(;^Д^)「会話する気ねえのか?さっき言っただろ!!『プギャー・モウショウ』……」
('A`)「そっちじゃねえよ。元の世界での名前だ」
異世界人の中でも『勇者』や『魔王』に選ばれた者は!!!!!!王国から『洗礼名』を賜る!!!!!!!!!前回のキングダム登場人物の名前元ネタにしたアレがそうだ!!!!!!!アレとかそうとか語彙力ないんか?
ドクオのように規格外とされて追い出された者には与えられず!!!!!!!!!!カズさんのような逃亡勇者は剥奪される!!!!!!!!洗礼名とは言わばステータスの一種なのだ!!!!!!!!
189
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/02/23(火) 21:45:40
(;^Д^)「た……高木、蕗弥……」
('A`)「そうか。まだ『思い出せる』か」
(;^Д^)「は?忘れるワケねーだろ……」
('A`)「だよな」
『名は体を表す』という慣用句がある!!!!!!!!!!!名前とは性別、体格、年齢、性格、歪な性癖(ワキおにぎりとか)等!!!!!!!!!全てをひっくるめた『個』を指し示す言葉!!!!!!!
そして人は時に!!!!!!!!!!他者の名を騙り別の人生を演じられる生き物!!!!!!!!!ドニー・イェンがイップ師匠を演じるようなもん!!!!!!詠春拳だ!!!!!!!
勇者や魔王に与えられた『洗礼名』とは!!!!!!!!!元の世界への未練を断ち切り、『ノリス人』として生まれ変わる為に投じられる暗示への第一歩!!!!!!!!!!贅沢な名だねえ!!!!!!!!
洗礼名を名乗り、備わったスキルで敵を殺す生活を送り!!!!!!英雄として祭り上げられる内に!!!!!!!!やがては聖剣竜のように使い勝手の良い駒として成り下がるのだ!!!!!!!!
('A`)「絶対に忘れるな。覚えている限り、いつでもお前は引き返せる」
(;^Д^)「え、あ、はい。ご忠告どうも……」
('A`)「じゃ、達者でな」
(;^Д^)「え?この流れで逃げられると思ってんの?」
('A`)「……」
(;^Д^)「……」
(#'A`)「逃げるんだよォォォ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!」
(#^Д^)「待ちやがれテメー!!!!!!!!!!意味不明の忠告しやがって!!!!!!!!!!」
再び全力ブサイクダッシュ!!!!!!!!!!!!!!!!なんかうやむやにして逃げられるかと思ったがそう上手くいかない!!!!!!!
190
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/02/23(火) 21:49:11
(;'A`)「お助け〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!」
( ^Д^)「逃走は抵抗と見なすぜ!!大怪我しても恨むんじゃあねえぞ!!『魔装外骨格』!!」
スキル発動!!!!!!!身体が赤く宇多田ヒカル!!!!!!!大体十メートルくらいの距離を!!!!!!
( ^Д^)「一発で仕留めるぜ!!」
一歩二歩三歩!!!!!!!!怒涛の勢いで詰める!!!!!!!後頭部を狙った拳、迫る!!!!!!だが!!!!!!!
('A`)「あらよっと」
(;^Д^)そ「な!?」
ふわり浮くブサイク!!!!!!!!拳を踏み台に更に跳躍!!!!!!!!五メートルは上昇(ゲイン)した!!!!!!
スーパーマリオUSAのピーチ姫が如く空中をスライド移動!!!!!!!そのまま壁を乗り越え着地!!!!!!!!
(;^Д^)「なんだそれ!?」
('A`)「じゃあな〜〜〜〜〜〜〜とっつぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!」
カラクリを一々説明するほどお人好しではない!!!!!!これはブサイクが身に纏った『リモコンローブ』によるもの!!!!!!!!
リモコンローブ、又の名を『風羽衣』!!!!!!!!効力は着用した者の運動補助!!!!!!並びに短時間の飛行、滑空!!!!!!!!!
端的に換言すると着たらすげー動ける優れものだ!!!!!!!!!!ただし、余程の訓練を積まなければ意のままに動くことは出来ない!!!!!!!
(#^Д^)「それくらい俺だって!!」
ただのチンピラ相手ならとっとと逃げ太郎出来た!!!!!!しかし相手は新人とは言えスタローンに認められた勇者!!!!!!!
一息に壁を駆け上がると、追跡を再開する!!!!!!!めんどい!!!!!!!まいっちんぐマチコ先生!!!!!!!!
(#^Д^)「『魔装外骨格』は魔力を利用したシンプルな肉体強化!!魔力渦巻くこの世界、リソースは無限にあるんだよ!!」
('A`)「そうなんだすごいね」
(#^Д^)「さっきから腹立つなお前!!!!!!」
逃げながら、煽る!!!!!!!ブサイクな顔面もあってポイント倍点!!!!!!誰だってザコ顔面にバカにされると腹が立つ!!!!!!!!
191
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/02/23(火) 21:53:29
(#^Д^)「お前!!聖剣竜とかいう勇者をぶっ倒したんだろ!!見せてみろよ!!ご自慢の『汗と涙の十二発』ってスキルを……」
(;'A`)「っ……」
(#^Д^)「よぉッ!!」
リモコンローブの補助を以ってしても!!!!!!!!全力全開フルパワーの『魔装外骨格』のフィジカルには遠く及ばない!!!!!!!!王家の装備か何かだろうか!!!!!?????プリコネ二期はまだだろうか!!!!!?????
飛び蹴り!!!!!!無様にも側面に転がって回避!!!!!!!直撃は避けられたが足が止まった!!!!!!!ピンチだ!!!!!!イケメンになるまでボコボコにされる!!!!!!!
(;'A`)「ふー……」
( ^Д^)「ってぇー……ああ、悪い悪い。『出来ない』んだっけか。お前のスキルは長時間『鍛えない』と使えないゴミスキルだもんな。シコシコと筋トレとかやってんのか?」
(;'A`)「よくご存じで」
怒涛のレスバトルに応じながら!!!!!!ドクオは顔面よりはマシな形してるお脳をフル回転!!!!!!逃走は継続!!!!!!しかし逃げきれる可能性は極めて低い!!!!!!!!
『魔装外骨格』!!!!!!!ランクこそBと見劣りするが、シンプル故に使い勝手の良い有能スキル!!!!!!素人丸出しの殴打でもコンクリ砕けるほどの威力を誇る!!!!!!!
そしてプギャーの察しの通り!!!!!!!!!現段階では汗と涙の十二発を発動しても大した威力は出ない!!!!!!!筋肉は一日にして成らずなのだ!!!!!!!
(;'A`)「こんなザコ連れて帰っても、大した成果にはならんぜ。ここは一つ見逃しちゃくれねえか?」
( ^Д^)「俺だって野郎を連れ去る趣味なんざねえよ。だがアガリは良いんでな。ケモミミ美少女奴隷を買う資金にすんだよ」
(;'A`)「ほう」
認識、改める!!!!!!!悪い奴じゃ無いだろうが異世界に浮かれるクソ野郎!!!!!!!大抵ほっとけば好き勝手するタイプの人間!!!!!!!!
戦争とは無縁の穏やかな生活を送りたい『ニュートラル』の中には『ワーウルフ』を始めとしたケモミミ種属も多数存在する!!!!!!!!!
『商品価値』としての高さから誘拐される事も多々ある!!!!!!!そして大抵はクソ人間や魔族の元で『ペット』として飼われる!!!!!!!!!
家族と離れ離れにされ!!!!!!!!!仕置きをされない為に心を押し殺し!!!!!!!!愛想笑いを浮かべて苦しみに耐える日々を送らねばならぬのだ!!!!!!!!
それ以前に!!!!!!!!!!自らの欲の為に『同郷』の者を捕らえる事に躊躇無し!!!!!!!新人でありながら、良識がだいぶ麻痺している!!!!!!!!!
('A`)「わかってんのか?俺ら、同じ異世界人だぜ?テメーらのご都合の為に許可もなく召喚した連中に売り渡そうってのか?」
( ^Д^)「そうだな。だが俺とお前じゃ立ち位置が違う。俺はこの力でスタローンを平和に導く『勇者』で、お前はただの『テロリスト』だ。どっちが正しいか、言わずともわかるよな?」
('A`)「いらねえ異世界人を右も左もわからない世界に身一つで放り出す連中の判断に身を委ねるとか正気かお前?頭は使わねえと錆びるぜ」
( ^Д^)「運も才能もねえごく潰しの面倒を見て誰が得するんだよ。合理的な判断じゃねえか。元の世界だってそうだった」
192
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/02/23(火) 21:59:02
プギャー、構える!!!!!!!!!!身に纏う赤き光はより色濃さを増す!!!!!!!!!!瞳は爛々と狂気に染まる!!!!!!!!
病魔が如く身を蝕むは『選ばれし者』という優越感!!!!!!!!!優しさや思いやりを食い尽くし、人を怪物へと変えてしまうのだ!!!!!!!!
( ^Д^)「やっぱめんどくせえわ。誰も見ちゃいねえのに格好つけてヒーローの真似事すんの。殺しやしねえが、死んだ方がマシってくらい痛めつけてやる」
('A`)「そいつは恐ろしい」
(#^Д^)「チッ……いつまでその汚ぇ澄まし面、続くだろうなぁ!!」
踏み出すッ!!!!!!!!!!!轟と風を纏い大振りで放つ右拳!!!!!!!!!!!!!対しドクオ!!!!!!!!!リモコンローブを使い壁際まで後退!!!!!!!!
寸での所で回避!!!!!!!!拳は地面を砕き破片宙を舞う!!!!!!!!当然これでは終わらない!!!!!!!!再び踏み込み後の無いブサイクへと追撃!!!!!!!!!!
(;'A`)「っ……」
鼓動、跳ね上がる!!!!!!!!!!しかし対処は滞りなく行う!!!!!!!!ホルスターから抜いた棒!!!!!!!!先端をプギャーに、末端を壁に向け唱える!!!!!!!
(;'A`)「『伸びろ』!!」
(;^Д )・'.。゜「ッ!?」
特殊警棒が如くの勢いで伸びた棒!!!!!!!!!突っ込んできたプギャーの腹に深々と突き刺さる!!!!!!!力の逃げ場は末端が突き刺さる壁が殺す!!!!!!!!
相手の膂力を利用した『カウンター』!!!!!!!!膂力で劣るならオツムで勝つ!!!!!!!!マスターの教えの一つだ!!!!!!!!!
:(;^Д^):「ゲエッ……!?」
ゲロこそ吐かなかったものの、蹲って鈍い痛みに耐える!!!!!!!!!ドクオは自身の身長ほどに伸びた自身の『獲物』をクルリと回して悠々と背後へと歩く!!!!!!!!!!
ローブの下に隠した左手!!!!!!!!!弾薬盒を開き何枚かの『符』を抜き取った!!!!!!!戦闘……準備!!!!!!!!!!!
('A`)「確かに、俺のスキルはまだお前を倒す程の威力に到っていない。先日アレだけ大盤振る舞いしたからな。狙い目だってのもわかるよ」
:(;^Д^):「……」
('A`)「でもな、肝心なことが見えてねえんだよ。『運にも才能にも恵まれなかった奴が、どうして今もこうして生き延びているか』」
193
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/02/23(火) 22:01:59
千載一遇のチャンスに追撃行わず!!!!!!!!!!棒を握った手!!!!!!!!!!人差し指で『立て』と挑発!!!!!!!!
新人勇者の眼に映るは、『汗と涙の十二発』唯一の強みを発揮できない筈の大したことのない『ザコ』と捉えていた相手!!!!!!しかし!!!!!!!!今!!!!!!!!!!!!
:(;^Д^):「……ギ」
『ザコ』は醜い顔面で!!!!!!!!!!
('A`)
高みから『勇者』を見下しているではないか!!!!!!!!!
('A`)「物事には必ず理由がある。それを教えてやるよルーキー」
:(# Д ):「く……」
身体!!!!!!!!!!持ち上がる!!!!!!!!!!挑発に次ぐ挑発で頭はポッカポカのポッカ100レモン!!!!!!!!
スキルを使えないドクオが『勝利』する為の条件、順調に達成していく!!!!!!!!しかし油断はしない!!!!!!!!!
ローブの下!!!!!符の一枚を『引っ掻き』、頭の中で秒読みする!!!!!!!!!!!!
('A`)「立てないなら手を貸そうか?僕ちゃん?」
(# Д )「黙……」
力が入る脚!!!!!!!!!タイミングを見極め!!!!!!!!!!!!!
(#^Д^)「れぇッ!!!!!!!!!!」
符を、プギャーの顔へ向けて投げつけた!!!!!!!!
('A`)「三」
(; Д )そ「!?」
ピッタリ三秒!!!!!!!!!!!『闇符』に込められた暗闇が球体となって展開する!!!!!!!!
突如視界が暗転したプギャーは出鼻を挫き、パニック状態となって顔を手で覆い異常を確かめようとする!!!!!!!!
効果時間、二秒!!!!!!!!!!!!短時間ではあるが不意を突くには十分すぎる時間!!!!!!!!!!!!!
194
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/02/23(火) 22:04:26
('A`)「はいっと」
続けて『拳』が描かれた符を投げる!!!!!!!!下腹部に貼り付いた符を、棒で鋭く『突く』!!!!!!
:(; Д )・'.。゜「プギャッ!?」
腹を思い切り鈍器で殴りつけられたかのような『衝撃』!!!!!!!!!リモコンローブの加護があるとはいえ、貧弱ゴブリンクソブサイク童貞野郎には到底出せそうにない一撃!!!!!!!!!!!!
壁に背中を打ちバウンド!!!!!!!!!!!腹を抱えて膝を着く!!!!!!!!!!!ゲロも吐いた!!!!!!!!!!汚ぇ!!!!!!!!!
('A`)「なるほど、確かに使い勝手が良い」
二秒経過!!!!!!!!!!黒球はすぐさま消失する!!!!!!!!!!ブサイクはプギャーが立ち直す時間を与えつつ、次の符の選別に移る!!!!!!!!!
リモコンローブに並ぶドクオの必須品!!!!!!!!!かつて『最高級職人』と呼ばれたカズさんが産み出した魔道具の一つ!!!!!!!!その名を『オショー』!!!!!!!
名の由来は彼らの世界、属する国の有名な昔話『三枚のお札』の和尚さんから!!!!!!!!!その効果は符に様々な現象をため込み、持ち運ぶことが出来る!!!!!!!!!
火から熱を!!!!!!!!!氷から冷たさを!!!!!!!!!!楽器から音を!!!!!!!!!太陽から光を!!!!!!!!!夜から闇を!!!!!!!!
魔力の力で符の中に保存!!!!!!!!!そして書き込んだ『発動条件』を満たせば解放される!!!!!!!!!そう!!!!!!!!プログラミングである!!!!!!!
熱符にやかんを置けばお湯が沸かせられ!!!!!!!!!『撃符』を棒で突けば裏面から衝撃が放出される!!!!!!!貝!!!!!!!???????何の話!!!!!!!??????オリジナル設定ですけど!!!!!??????
ノリスでは威力制限が施された『オショー』が魔道具専門店に並んでいる!!!!!!!!生活必需品の一つだ!!!!!!!!!せんたっきと一緒!!!!!!三種の神器!!!!!!!!!!
:(;^Д ):「ぐ……オショーの戦闘利用は……ノリス法で厳しく禁じられて……」
('A`)「的外れな指摘だな。『テロリスト』がそんなもんお行儀よく守るワケねえだろ」
暴論!!!!!!!!!!詭弁!!!!!!!!!!!!だがお構いなし!!!!!!!!そもそも勝手に連れてきて放り出したのはノリスの方!!!!!!!!!!ルールを守る道理なし!!!!!!!!!
:(;^Д ):「反則だぞ……クソが……」
('A`)「何が?鍛えもせずに強くなったお前ら勇者が言えた口か?生き残る為に何だって利用するのは間違ってるか?ズルい生き方か?」
ルーキー、身震い!!!!!!!!!!!!ポッカポカしてた思考も冷める!!!!!!!!!目の前の男は自分より先にこの世界に召喚された!!!!!!!!
『蝙蝠』とやらの庇護下でただぬくぬくと過ごしていたんじゃない!!!!!!!剣と魔法とスキル飛び交う戦時中の異世界で『生き続けた男』!!!!!!!!!!
これまで喧嘩や暴力とは無縁だった世界で生き!!!!!!!貰ったスキルという力を好き勝手に振るい!!!!!!!!『物語の主人公』気分だったプギャーとは違う!!!!!!
195
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/02/23(火) 22:16:19
('A`)「俺らがやってんのはゲームでも試合でも、ましてやクソヤンキーのくだらねえ縄張り争いでもねえ。互いの尊厳の争奪戦だ」
:(;^Д ):「……」
('A`)「なぁ、お前ちゃんと理解して挑んできたんだよな。同郷の野郎を売り飛ばしてテメーの欲望満たすってのは、そういう事だもんな」
:(;^Д ):「あ……」
言葉を失う!!!!!!!!!甘く見ていたのだ!!!!!!!!!『戦闘』を!!!!!!!!!!!目の前の『ベテラン』を!!!!!!!!!!
呆けた新人に対して、ドクオ深くため息!!!!!!!!!!!たっぷり吐き散らかした後、打って変わって素早く空気を吸い!!!!!!!!!!
(#'A゚)「い つ ま で 跪 い て ん だ ボ ケ ゴ ラ ァ ! ! ! ! ! ! ! !」
恫喝!!!!!!!!!!!!!!!!!!ヤクザさんもビックリのドスの利いたハイパーボイス!!!!!!!!!!!!コワイ!!!!!!!!
(#'A゚)「どうした……来いよ!!!!!早く立て!!!!!!与えられた運と才能で弱者を嘲り踏みにじる生き方を選んだんだろうが!!!!!!!他でもないお前自身が!!!!!!」
:(;^Д^):「ヒ……」
(#'A゚)「またとないチャンスだぞ!!!!!!?????お前の目の前に立つブサイクな男は弾の入ってない大砲抱えた役立たずだ!!!!!!立てよ……立てっつってんだろ!!!!!!」
怒涛の……剣幕!!!!!!!!!プギャーの目に映る男の姿が、とてつもなく大きくなっていく!!!!!!!!!
『真剣』!!!!!!!!!!!!!『スキル』などというチャチな能力には到底出せない圧倒的迫力に圧されてしまう!!!!!!!!!
優位、覆る!!!!!!!!!!!!!!心身ともに追い込まれたプギャー!!!!!!!生まれて初めて遭遇する『命の危機』!!!!!!!!!!彼が選択したのは……
(;^Д^)「う、うわああああああああああああああああああ!!!!!!」
『抵抗』!!!!!!!!!!!痛み苦しみは恐怖で麻痺する!!!!!!!!!!魔力を纏い、ロケットスタート!!!!!!!!!
196
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/02/23(火) 22:19:35
(#'A゚)そ「ぐうっ……!!」
体当たり!!!!!!!!!表面積の大きい攻撃、躱すに到らない!!!!!!!!!!リモコンローブで身体を後方に流し衝撃を緩和!!!!!!!!
だが骨身に響く重い衝撃!!!!!!!!!!!!初のクリーンヒット!!!!!!!!!!!舐めプしてたらこのザマだ!!!!!!!!!!カッコ悪!!!!!!!!!!!!!!
(#^Д^)「殺……してやらぁ!!!!!!!!」
殺意!!!!!!!やられる前に殺る!!!!!!!!!!れっきとした防衛本能!!!!!!!!!!予想より大きく吹き飛んだドクオを追い、赤い閃光奔る!!!!!!!!!
(#'A゚)「ってぇ……!!!!!!」
しかしこの漢!!!!!!!!!!!SSランク勇者『聖剣竜』と取り巻きの美少女達を大陸の果てまでぶん殴ったクソ野郎!!!!!!!!!一ミリたりともなろう大好きクソオタクへの配慮を知らない!!!!!!!!!
汗と涙の十二発が使えようが使えまいが同じ事!!!!!!!!!!!ブサレイツォ、容赦せん!!!!!!!!!!!!!!!!!!両脚で踏ん張り、ブレーキ!!!!!!!!!!棒を両手に持ち、待ち構える!!!!!!!!!!!!
(#'A゚)「み」
(;^Д^)そ「ッ!?」
感情のままに繰り出された攻撃!!!!!!!軌道を読むのは容易い!!!!!!!!!!!屈みながら回転!!!!!!!!顔面に飛んできた拳を回避!!!!!!!
がら空きの下半身!!!!!!!!!遠心力を以て腿を棒で打ち、掬い上げる!!!!!!!!!!!仰向けにひっくり返るプギャーの身体!!!!!!!!!
(#'A゚)「ろ」
(; Д )・'.。゜「カハッ!!!!!」
疾風怒濤!!!!!!!!!!リモコンローブの運動補助をフルに使うブサイク!!!!!!もう一回転し地に落ちる暇も与えず腹を叩く!!!!!!!
同時に!!!!!!!!!靴底に仕込んだ『風符』を落下地点に設置!!!!!!!!!発動条件は『圧力』!!!!!!!!!!!
(#'A゚)「やァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!」
(;^Д )そ「あああああああああああああああああああああああ!!!!!?????????」
プギャーの背中が符を隔てて地に着いた瞬間!!!!!!!!!!!暴風が二人を高く舞い上げる!!!!!!!!!!!MEETのおっぱい大好きクソ眉毛『ジョルジュ』が込めた風だ!!!!!!!!
上空!!!!!!!!ドブ臭い空気から解放され!!!!!!!!ラジーの薄汚れた街並みが一望出来るではないか!!!!!!!!!デートスポットとしては最悪の部類!!!!!!!!!!
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以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/02/23(火) 22:22:06
:(;^Д^):「ヒッ……」
高層ビルほどの高さまで身一つで上昇(ゲイン)するなど、通常あり得ない体験!!!!!!!!!!思考も身体も凍り付く!!!!!!!!
しかし空中戦!!!!!!!!『風羽衣』を纏うブサイクにとってはお構いなし!!!!!!!!!!体勢を調整しつつ、棒に『符』を貼り付け、身体を捻る!!!!!!!!!
('A`)「痛いぞ。しっかり防御しろ」
:(;^Д^):「待っ……!!」
待たぬ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
(#'A`)「『飛び打尾』ッ!!!!!!!!!!!」
『飛び』!!!!!!!!!!!!!『打つ』!!!!!!!!!!!!『尾』!!!!!!!!!!!!!!!
反射的に交差した両腕の間!!!!!!!!!!!!狙いすましたかのように棒、振り下ろされる!!!!!!!!!!!!!
接触と同時に『撃符』発動!!!!!!!!!!!!!!!!!!!腕から胸、背中を突き抜ける衝撃!!!!!!!!!!!!!!
(; Д )・'.。゜「ごでぃば!!!!!!!!!!!!!!!!!」
チョコレートメーカー!!!!!!!!!!!!!!今はそんなことはどうでもいいのである!!!!!!!!!!!!!!
強烈に叩きつけられたプギャー!!!!!!!さながら彗星のように地上へと墜ちていく!!!!!!!!!!ジョー!!!!!!!!!!!きみはどこにおちたい!!!!!!!!???????
どこってお前!!!!!!!!!!ガラの悪い連中が根城にしてるゴミ溜めだ!!!!!!!!!ブサイク!!!!!!あからさまにめんどくせえって顔!!!!!!!!!
('A`)「やったわこれ……」
リモコンローブでフワフワと滑空しながら砂埃盛大に舞う落下地点まで移動!!!!!!!!!え!!!!!!!??????ブレワイっぽい!!!!!!!???????オリジナル設定ですけど!!!!!!!!???????
('A`)「あーらよっと」
:(メ;^Д ):「ウ……うう……」
着地!!!!!!!!!!幸運にもゴミ山がクッションの役割を果たし、加えて『魔装外骨格』が発動中だった為!!!!!!!致命傷は避けられた!!!!!!!!!!良かったね!!!!!!!
だが満身創痍には変わりない!!!!!!!!!立ち上がる間も無く襲い来る罵声と暴力!!!!!!!!!負けるか俺はホーリーナイト!!!!!!!!!!懐かしのフラッシュだ!!!!!!!!
198
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以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/02/23(火) 22:24:07
('A`)「わかったかルーキー?『運にも才能にも恵まれなくても、工夫次第で幾らでもやりようはある』。俺の師匠の言葉だ」
:(メ; Д ):「痛ぇ……ヒグッ……」
ちょっと男子!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!男子泣いちゃったじゃん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
('A`)「その逆も然りだ。運と才能に恵まれても、使い方を学ばなければ本領を発揮しない。お前、格闘技どころか喧嘩もした事ねえだろ」
:(メ; Д ):「ヒンッ……ヒッ……」
('A`)「ロクにパンチも打てねえ癖に、肉弾戦なんて挑んでんじゃねえ。魔力で単純に膂力が上がるのなら、長物一つ振り回すだけでも全然違う」
「ち、違う……こんなんじゃない……」
眉!!!!!!!!顰めてもブサイク!!!!!!!このルーキー、話を聞いてない!!!!!!実際無礼!!!!!!!!無礼が過ぎてブレイド2になったわ!!!!!!!!!
焦点の合わぬ目!!!!!!!!!!!脳震盪でも起こしてラリったのだろうか!!!!!!??????
「違うじゃん……も、もっと……ノベルやアニメじゃ楽に勝ってたじゃん……嘘ついてたのかよ……き、期待させんじゃねえよ……」
(;'A`)「……」
呆れてポカンと口を開けるブサイク!!!!!!!!物も言えぬとは正にこのこと!!!!!!!!世に蔓延る『フィクション』に対して彼は今!!!!!!!!泣きながら文句を垂れている!!!!!!!
チートを手にし敵を蹂躙し!!!!!!!!異性を侍らせありとあらゆる欲望を大した苦労もせず叶える物語!!!!!!それは決して誰かを騙そうとして産み出されたのではない!!!!!!!
所詮は『エンターテイメント』なのだ!!!!!!!!現実では叶えられないからこそ、オタク共にとっては楽しい夢として映る具現化した妄想なのだ!!!!!!!!!!!無様に敗北したプギャーの不満は、的外れ以外の何物でもない!!!!!!!!!
199
:
待ってAA入ってなかったスマンスマン!!!!!!!!
:2021/02/23(火) 22:25:33
('A`)「わかったかルーキー?『運にも才能にも恵まれなくても、工夫次第で幾らでもやりようはある』。俺の師匠の言葉だ」
:(メ; Д ):「痛ぇ……ヒグッ……」
ちょっと男子!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!男子泣いちゃったじゃん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
('A`)「その逆も然りだ。運と才能に恵まれても、使い方を学ばなければ本領を発揮しない。お前、格闘技どころか喧嘩もした事ねえだろ」
:(メ; Д ):「ヒンッ……ヒッ……」
('A`)「ロクにパンチも打てねえ癖に、肉弾戦なんて挑んでんじゃねえ。魔力で単純に膂力が上がるのなら、長物一つ振り回すだけでも全然違う」
:(メ; Д ):「ち、違う……こんなんじゃない……」
眉!!!!!!!!顰めてもブサイク!!!!!!!このルーキー、話を聞いてない!!!!!!実際無礼!!!!!!!!無礼が過ぎてブレイド2になったわ!!!!!!!!!
焦点の合わぬ目!!!!!!!!!!!脳震盪でも起こしてラリったのだろうか!!!!!!??????
:(メ; Д ):「違うじゃん……も、もっと……ノベルやアニメじゃ楽に勝ってたじゃん……嘘ついてたのかよ……き、期待させんじゃねえよ……」
(;'A`)「……」
呆れてポカンと口を開けるブサイク!!!!!!!!物も言えぬとは正にこのこと!!!!!!!!世に蔓延る『フィクション』に対して彼は今!!!!!!!!泣きながら文句を垂れている!!!!!!!
チートを手にし敵を蹂躙し!!!!!!!!異性を侍らせありとあらゆる欲望を大した苦労もせず叶える物語!!!!!!それは決して誰かを騙そうとして産み出されたのではない!!!!!!!
所詮は『エンターテイメント』なのだ!!!!!!!!現実では叶えられないからこそ、オタク共にとっては楽しい夢として映る具現化した妄想なのだ!!!!!!!!!!!無様に敗北したプギャーの不満は、的外れ以外の何物でもない!!!!!!!!!
200
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待ってAA入ってなかったスマンスマン!!!!!!!!
:2021/02/23(火) 22:27:16
(;'A`)「すげえな……ここまでカッコ悪い奴初めて見たわ……」
呆れを押し退け込み上げるは『賞賛』!!!!!!!!!なんかもう逆に凄い!!!!!!!拍手ッ!!!!!!!贈らずにいられないッ!!!!!!!!!
ぽたぽた焼のおばあちゃんでもブチギレて背中に焼きごて押し当てるレベルの煽り!!!!!!!!しかし心が折れたルーキー!!!!!!!!反応なし!!!!!!!楽天インポマンだ!!!!!!!!
('A`)「それでお前、奴隷なんか買って何するつもりだったんだよ」
:(メ; Д ):「は……?」
答えが分かりきってるような質問!!!!!!!!そんなもんえ、ええええ、エッチなことに決まってんだろ!!!!!!!!言わせないでよバカ!!!!!!!!変態!!!!!もう知らない!!!!!!!
:(メ; Д ):「……か、可哀想……だったから……」
('A`)「ほーん。まぁ可愛い女の子が酷い目に遭ってりゃ誰しも情が湧くだろうな。わかるよ」
:(メ; Д ):「そ、それが何だってんだよ……」
('A`)「それ以外は?」
:(メ; Д ):「っ……!!」
奴隷はかわい子ちゃんだけじゃない!!!!!!!!オッサンもババアも等しく奴隷!!!!!!!見た目、年齢、種族違えど境遇は同じ!!!!!!!!
('A`)「俺に掛かった懸賞金でその子だけ救おうとしたのか?ご立派だな。その辺でお買い物を楽しんでいる金持ちの連中となんら変わりねえ見上げたカス野郎だ」
:(メ; Д ):「うぐ……ううう……!!」
('A`)「それで勇者だの平和だのと宣いてんだから救いようがねえ……」
:(メ; Д ):そ「ひっ、ひぃい!!」
201
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待ってAA入ってなかったスマンスマン!!!!!!!!
:2021/02/23(火) 22:29:54
歩いて、近づく!!!!!!!トドメ刺されるとゴミ山の中で蹲るプギャー!!!!!!!!
だがブサイク!!!!!!!!!得物の棒を縮小させてホルスターに挿し込み、暴力の代わりに『一枚』の紙切れを差し出した!!!!!!!!!
:(メ; Д ):「なん……?」
('A`)「紹介状だ。お前がマジモンの『勇者』になる気があるんなら、森に来い。『BAR MEET』はいつでも新入りを歓迎する」
男の勲章、『力こぶ』のロゴが入った名刺サイズの紹介状!!!!!!!!暫く待っても受け取ろうとしないので軽く放り投げる!!!!!!!
ヒラヒラと舞った紹介状!!!!!!!!!!プギャーのお膝下に着地!!!!!!!!!!お行儀ヨシ!!!!!!!ご安全に!!!!!!!!!!!
('A`)「奴隷くらい金じゃなく拳で解放して見せろや。ケモミミ美少女が惚れるような男になってよ」
:(メ; Д ):「……」
('A`)「以上だ。じゃあなルーキー。どんな選択をしても知ったこっちゃねえが、精々死ぬな」
別れを告げ、背を向け歩き出す!!!!!!!!!見逃されたプギャー!!!!!!!何も出来ず見送る他無い!!!!!!!
紹介状拾い上げる!!!!!!!!!すると、指先に違和感!!!!!!!!!!!もう一枚『紙』が重なっていた!!!!!!!!
(メ; Д )「ッ!!」
『八方に爆ける礫』が描かれた『符』!!!!!!!!!ドクオが使い熟していたオショーが手の中にある!!!!!!!!
その威力、身をもって経験済み!!!!!!!!!!恐らく気付かずに渡してしまったと判断!!!!!!!!!!!
消失しかかっていた殺意!!!!!!!!!!!!!再びメラメラと燃え上がる!!!!!!!!!!
(メ# Д )「コケに……しやがって……!!」
偉そうな説教!!!!!!!わかったような口!!!!!!!!!!クソブサイクの分際で顔に泥とゴミを塗った屈辱!!!!!!!!!!!!!
彼の言ったように力をつけて奴隷を解放するなど、遠回りでしかない!!!!!!!!!奴隷が可哀想だから!!!!!?????咄嗟に口から出た出まかせに決まってる!!!!!!!目的は下半身に詰まってる!!!!!!!!!
202
:
待ってAA入ってなかったスマンスマン!!!!!!!!
:2021/02/23(火) 22:31:41
(メ#^Д^)「死ねえええええええええええ!!!!!!!!!」
叫びと共に符を振りかぶる!!!!!!!!!!!!その無防備な背中、吹き飛ばす為に!!!!!!!!!!!
('A`)「一個言い忘れてたわ」
(メ#^Д^)「ええええええ……えっ!!!!!!??????」
ピタリ止まって振り返る!!!!!!!!まるでプギャーの行動を予知していたかのように!!!!!!!!!!
('A`)「発動条件、『それ』な」
(メ;^Д^)「え……」
手の内から離れた『爆符』!!!!!!!!!!!絵が光を放ち、眼前で……
(メ; Д )・'.。゜「えばらっ!!!!!??????」
爆 発 ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! !
('A`)そ「うおおすげえ」
爆風と共に飛んできたゴミの欠片をローブで防ぎ、深くため息!!!!!!!!!爆心地のプギャー!!!!!!!!!まっくろくろすけになって壁にめり込んでいる!!!!!!!!
ちゃんと息はある!!!!!!!!!!見た目の派手さとは裏腹に威力控えめ!!!!!!!!高血圧の方でも安心!!!!!!!!!!!
('A`)「……やっぱそう、簡単には変われねえよな。人って奴はよ」
焼け燃え尽きた紹介状!!!!!!!!!!紙吹雪が如く舞い散った!!!!!!!!!!!!!!!!
インガオホー!!!!!!!!!産まれ変わる機会を自ら放棄した新人、ここに完全敗北!!!!!!!!!
203
:
待ってAA入ってなかったスマンスマン!!!!!!!!
:2021/02/23(火) 22:34:46
「終わりましたカァ〜?」
石の下から這い出るミミズが如く、次から次へと湧いて出る人の気配!!!!!!!!!!!!勝者に語り掛ける間延びした高い男の声!!!!!!!!
マジエグイくらい女性に縁がないブサイク!!!!!!!!!!露骨に嫌な表情を浮かべる(ブサイク)!!!!!!!!!!見知った顔だからだ!!!!!!!!
汚いゴミ溜めに似合わない燕尾服!!!!!!!!!クルリとパーマを巻いた茶髪!!!!!!!!!!宝石をあしらった趣味の悪い鼻ピ!!!!!!!
('A`)「コソコソと見てたのかよ。趣味が悪いな、オットリーヌ」
£°ゞ°)「オ〜、他人行儀じゃあないデスカ〜。愛と親しみを込めて『ロミス』と読んでくだサ〜イ」
('A`)「何の用だ」
£°ゞ°)「冷たァイ……」
彼こそがラジーを取り仕切る暴力組織『ライバック』の舎弟頭、『ロミス・オットリーヌ』!!!!!!!!!そしてその部下たちのエントリーだ!!!!!!!!!
取り囲まれるブサイク!!!!!!!!ある意味ハーレムだ!!!!!!!!!!性別が女で手に武器を持ってなかったら完璧だったのに!!!!!!!!!!
£°ゞ°)「何もナニもありませんヨ〜?人のナワバリで喧嘩してると耳にして、この愛すべき街の治安を守るためにはせ参じただけじゃないデスカ〜」
('A`)「それはそれは、お騒がせして申し訳ない。じゃあ俺は帰るから後片付けは頼む」
帰れない!!!!!!!!!!!ドクオの目の前に立ちふさがるガラの悪そうな連中!!!!!!!!通せんぼだ!!!!!!!!意地悪せんといてぇな!!!!!!!!!
(;'A`)「うわダル……」
£°ゞ°)「人の縄張りで好き勝手暴れて、ハイサヨナラは無いデショ〜?親しき仲にも礼儀はありマース」
('A`)「まだるっこしいな。素直に詫び入れろっつったらどうだ?」
£^ゞ^)「ハッハァ!!話が早イ!!」
異世界だろうとヤクザはヤクザ!!!!!!!!!!人の弱みに付け込んで甘い汁を吸うクズ共!!!!!!!!!任侠なんてあらんかったんや!!!!!!!
204
:
待ってAA入ってなかったスマンスマン!!!!!!!!
:2021/02/23(火) 22:37:42
£^ゞ^)「ワタシも心苦しいのデスヨ『型破り』?デ〜スガ、被った損害はキッチリ支払って貰うのがラジーのルール!!そう、ルゥッルルルルルルルルルルルゥーーーーーーーール!!!!!!!」
£°ゞ°)「アナタがスタローンに売り払われるよりは安く済むと思いマスガど〜でショ〜???????」
('A`)「……」
明確な脅しだ!!!!!!!!ここで断ればプギャーに代わって身柄を捕えるという意思表示!!!!!!!!!クチャアと破顔した口から涎こぼれ落ちる!!!!!!!!!
一戦交えた後に現れる辺り、よく観察していたのだろう!!!!!!!そして察した!!!!!!!今のドクオは『汗と涙の十二発』を十二分に使えないのだと!!!!!!!!!!十二発だけに十二分!!!!!!!上手い!!!!!!!!
£^ゞ^) そしてこのニッコリロミスだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
('A`)「と、仰ってますが?」
£^ゞ^)「? 何を言って……」
「だぁれが、ハイ出ししろっつった?ええ、ロミス?」
£;^ゞ^)「」
暗がりから足音!!!!!!!!そしてドスの利いた女性の低音ボイス!!!!!!!!!!!!ニッコリロミス、凍り付く!!!!!!!!!!
(#゚;;-゚)「テメエ、俺の顔に泥塗るつもりか?ああ?」
現れたるは獅子革のコートを身に纏う、顔面傷だらけ妙齢の女性!!!!!!!!!!!!!ここがロアナプラならホテル・モスクワのボスだ!!!!!!!!!!
£;°ゞ°)「あ、あ……姐さん……」
(#゚;Д゚)「『親父』だろうがクソがァ!!!!!!!!!!」
突き刺さる腹パン!!!!!!!!!!!!呻くロミス!!!!!!!!!!!!部下のチンピラも恐れおののく!!!!!!!!!
彼女こそ『ライバック』のボス、『ディ・ライバック』!!!!!!!!若くして暴力組織のトップに立つ女傑だ!!!!!!!!!!
205
:
待ってAA入ってなかったスマンスマン!!!!!!!!
:2021/02/23(火) 22:41:39
(#゚;Д゚)「蝙蝠の一派に手ぇ出してんじゃねえ!!死にてえのかテメエらァ!!」
:£;°ゞ°):「で、デスガ親父……」
(#゚;;-゚)「一丁前に口答えか?いつから俺より偉くなったテメエ?」
この迫力、閉口せざる得ない!!!!!!!!!!!奥歯を噛み締め、頭を深く下げて退いた!!!!!!!!
(#゚;;-゚)「ここの始末は俺がつける。テメエらサッサと持ち場に戻りやがれ」
:£; ゞ ):「し……失礼、致しマス……!!」
スゴスゴと引き下がるロミスとチンピラ共!!!!!!!!!!去り際、血走った瞳をディとブサイクに向けた!!!!!!!!隠しきれない……殺意!!!!!!!!突き刺さる!!!!!!!!
残された二人とボロ雑巾一匹!!!!!!!連中の気配が消えるのを待ち、先に口を開いたのは『親父』の方だった!!!!!!!!!
(#゚;;-゚)「カズさんから連絡があったよ。珍しい品を仕入れてくれたそうだね」
(;'A`)「アッアッアッアッ、はい」
女性だ!!!!!!!!!!!!!!!!どもる童貞!!!!!!!!!!!!!!!童貞は女性が苦手なのだ!!!!!!!!!!!!!
(#゚;;-゚)「相変わらずスケに弱いんだね……何人か回そうか?」
(;'A`)「いいです、いいですマジ」
商売女も苦手だ!!!!!!!!!!!!!!!!童貞は風俗がコワイ!!!!!!!!!!!!!だから童貞!!!!!!!!!!!!!
(;'A`)「ふぅー……その様子だと、貴方も覗き見していたようで」
(#゚;;-゚)「勇者をマークしていただけで、成り行きだがね……ウチのが失礼をした。余計なお世話だったかな?」
(;'A`)「いえ、助かりました。此方としても『ライバック』との戦争は避けたいので」
(#゚;;-゚)「ククッ、身の程を弁えてるじゃあないか。俺も、蝙蝠と交わした盃をみすみす返上したくは無いしな」
206
:
待ってAA入ってなかったスマンスマン!!!!!!!!
:2021/02/23(火) 22:44:24
MEETとライバック!!!!!!!!!この二つの組織は商売相手としての付き合いがある!!!!!!!!!
今回のハーピィの羽根のように迂闊に売れない珍しい品物!!!!!!!!それらを幾らかのマージンを頂戴し、売りさばいてくれるのがライバックだ!!!!!!
それぞれのボス、ショボンとディは義兄弟の盃を交わしている!!!!!!!!!つまり、どちらかの裏切りはケジメ案件に繋がる!!!!!!!
もしも部下同士が衝突すれば!!!!!!!!盃は返上!!!!!!!!!!!全面抗争へと突入する!!!!!!!!!!!そう!!!!!!仁義なき戦い!!!!!!!!!
(#゚;;-゚)「で、アンタはこのケジメ、どう着ける気だい?」
だがヤクザ!!!!!!!!!!シマに厳しい存在!!!!!!!!!!!!義兄弟の一派であろうと荒らした罪はキッチリと償わせる!!!!!!!!!!
しかしドクオも『はいそうですか』と従う気は無い!!!!!!!!!!!!!立場は対等!!!!!!!ブサイクが親指で指したのは、背後のボロ雑巾勇者!!!!!!!!!
('A`)「奴の身柄、好きにしてください」
(#゚;;-゚)「ほぅ?ライバックは奴隷とヤクのウリから足を洗ったんだがな?」
('A`)「放っといても『お行儀の良い』ラジー住民の日銭になるのがオチです。それなら、奴を迎えに来たスタローンの連中から身代金代わりに小銭を頂戴した方が有意義かと」
(#゚;;-゚)「ふむ……他にも目論見がありそうだね?」
('A`)「このノリスを舐め腐った異世界人のガキに、奴隷という立場の恐ろしさをわからせてやってくださいよ」
ディは吹き出すと、豪快に笑う!!!!!!!!!空気を吸い込み上下する胸部!!!!!!!!!!!残念ながら揺れなかった!!!!!!!!!パンツを穿けオタク
(#゚;;-゚)「わかったわかった。そいつで手打ちにしよう。お前さんも売られた喧嘩を買っただけのようだしな」
('A`)「助かります」
ペコリ一礼!!!!!!!!!!!!!!礼儀のプリンセス・ストライク!!!!!!!!!!!!!!!プリコネ二期はいつだろうか!!!!!!!!!!????????
ゴミ塗れで壁にめり込むプギャーを片手で引き剥がし、肩で担ぐヤクザ・ボス!!!!!!!!勇者がまるで子供扱いだ!!!!!!!!!!!!力強い女性は美しい!!!!!!!!!!
207
:
待ってAA入ってなかったスマンスマン!!!!!!!!
:2021/02/23(火) 22:47:49
(#゚;;-゚)「また腕を上げたね。型破りのボウヤ」
('A`)「あんま褒めないでくださいよ。ローブあっての動きだ。こいつに頼らなくても戦えるようにならねえと、いつまで経っても脳筋の変態共に追い付けねえ」
(#゚;;-゚)「クク、魔王や勇者に目の敵にされている野郎は違うな」
('A`)「貴方ほどじゃねえですよ。相変わらず、寝首を心配する日々が続いてるようで」
(#゚;;-゚)「稼げるシノギを手放しちまったからね。怨まれて当然さ。それでも俺の『子』であるのに代わりない」
外道であった先代から、親父の座を力づくで奪った女!!!!!!!!!任侠を信じ極道へと返り咲こうとする者にしか知りようのない、途方もない苦労!!!!!!!!!身体に刻まれた傷跡が物語る!!!!!!!!!!!!!
(#゚;;-゚)「奴らが侠になるまで、『親父』として努めるだけさ。気を付けて帰りなボウヤ」
('A`)「今後ともMEETを御贔屓に。ライバックさん」
(#゚;;-゚)「『蝙蝠』によろしくな」
軽く手を振り、歩き出すディ!!!!!!!!!!!!その年齢からは考えられないほど哀愁のある背中を、ブサイクな顔面で見送ったのであった!!!!!!!!!!!!
208
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/02/23(火) 22:49:58
(;'A`)「フゥー……」
ようやく一息吐き、その場にドカリ腰を下ろすブサイク!!!!!!!!!!緊張の糸、解ける!!!!!!!!!!!
勇者の襲撃にヤクザの脅し!!!!!!!!!!!その総締めとの対話!!!!!!!!疲れるのも無理はない!!!!!!!!!
(;'A`)「まーったくよぉ……」
しかもこの後、長い帰路が待っている!!!!!!!!!!!!トレーニングの一環とは言え、しんどいものはしんどい!!!!!!!!
少しの休憩を経て、どっこらしょと立ち上がる!!!!!!!!!!!肩に食い込むバッグ紐!!!!!!!体当たりで軋む身体に鞭を打つ!!!!!!
(;'A`)「あーもー……」
帰るまでがお使いだ!!!!!!!!!!!!見窄らしくブサブサと歩き始めたドクオ!!!!!!!疲労感をたっぷりと込めて、文句を一つ溢した!!!!!!!!
(;'A`)「俺じゃなくてジョルジュが行けばこんなに絡まれずに済むのに……」
頑張れブサイク!!!!!!!!!!!!!我が家は遠いぞ!!!!!!!!!かぁいそ!!!!!!!!!ギャハハ!!!!!!!!!!!!
おわり
209
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/02/23(火) 22:55:37
名前欄が途中からアレしてんの投下した後に修正するの忘れてそのままにしてました。ドジっ子なんで
210
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/02/23(火) 23:26:15
おつおつ
名前欄で耐えられなかった
笑った
211
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/02/23(火) 23:47:18
地の文がクソうるせえ勢いだな面白かったわ、乙
212
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/02/24(水) 15:12:00
ドジっ子を自称として使うんじゃねえ!
213
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/03/01(月) 16:30:11
この勢いで進む地の文が!!!!!!!
呼んでて心地よい!!!!!!
214
:
◆L6OaR8HKlk
:2021/03/28(日) 14:23:22
.
215
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/04/03(土) 23:01:58
えっなん
216
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/04/14(水) 21:08:56
まさかの数年越しに続編だと…?
217
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2021/07/17(土) 03:19:04
続き待ってます!
218
:
以下、名無しにかわりまして( ^ω^)がお送りします
:2022/04/16(土) 15:58:56
弱いとこなんて見せたくないよ♪
自分らしくいたいだけなのに♪
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