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( ^^ω)は地球で恩を返すようです
1
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/04(日) 01:05:53 ID:8W7jEdZg0
ジャンルSFです。
でもSF(サイエンスフィクション)じゃなくてSF(スペースファンタジー)の方のSFなので、矛盾点が無いようには頑張るので、ん?と思っても目を瞑ってもらえれば幸い。
2
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/04(日) 01:07:09 ID:8W7jEdZg0
「これが地球………か………」
目の前に映る青色は恒星の光を反射してきらきらと輝いていた。
最近流行りの『一人乗り宇宙船でゆったり楽しむ!太陽系ツアー』とやら、申し込んだ甲斐があったなとひとりしみじみと考え込む。
故に気が付かなかった。
地球の周りを飛び交うスペースデブリ……
所謂、宇宙ゴミに。
がつん、と機体に何かがぶつかり、積まれたシステムは異常を察し警報をびーびーと喚き散らす。
「っ………!?」
思わず反射的に耳を塞ぎしゃがみこむ。
だから、機体の側面にぶつかろうと迫るスペースデブリを避けることなど出来なかったし、ぶつかられた衝撃で機体の外に弾き飛ばされ地球の大気圏に突入した自分の身体は、受け身をとることもできずに真っ直ぐに、ただ真っ直ぐに地球の重力に従い落ちていったのだった。
3
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/04(日) 01:08:06 ID:8W7jEdZg0
( ^^ω)は地球で恩を返すようです
第一話『Hello、earth』
.
4
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/04(日) 01:09:01 ID:8W7jEdZg0
( ^ω^)「おっおー♪今日もいい天気だお〜!」
内藤ホライゾン、高校生。
幼い頃からのあだ名はブーン。
ぽってりとした柔らかそうな肉体と朗らかな笑顔。
癖のついた少し色の抜けた焦げ茶の髪を風に撫でられながら彼は通学路を歩いていた。
ブーンが冒頭言ったように今日はいい天気どころか雲1つ無い快晴、雨1つ降る気配もない。
( ^ω^)「これだけ天気がいいなら今日はお昼ご飯屋上で食べれるおね」
ご機嫌そうに歩いていたブーンはふと空を見上げ、
( ^ω^)「ん?あれはなんだお?」
(; ゚ω゚)そ「こ、こっちに向かって落ちてくるおーー!!!!」
落ちてくるそれを認識した。
5
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/04(日) 01:10:00 ID:8W7jEdZg0
落ちてきたそれはブーンの頭に激突し、ブーンの冒険はそこで終了する……ことはなく、咄嗟に頭を覆ったブーンの傍らにべちゃん、と転がった。
(;ノω^)「お……?」
おずおずと目を開けたブーンは傍らに転がったそれを見た。
ゼリーのように透き通った身体、クラゲのような形状をし、水槽の中のようなみずみずしい水色をした胴体とそこから何本か展開している透けた薄いピンク色の触手。
それの身体が何かを求めるようにぴく、と動いた瞬間、ブーンは迷わずそれに駆け寄った。
(;^ω^)「ちょ、大丈夫かお!?」
少し固めのゼリーのような感触をしたそれを抱えあげたブーンは、もう10メートル程先の角を曲がれば着くであろう学校のことも忘れ、先ほど自分を見送ってくれた我が家に向かって走りだした。
6
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/04(日) 01:10:55 ID:8W7jEdZg0
【eye catch……】
( ^ω^)
内藤ホライゾン
最近高校1年生に進級した。
食べ物に目がなく食いしん坊。
父親が単身赴任中の為、母親と二人暮らし。
【eye catch……】
7
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/04(日) 01:12:11 ID:8W7jEdZg0
ふっと目が覚めた。
見たことの無い風景が目の前に広がっている。
( ^^ω)「む……」
何度か腕を動かして異常が無いかを確かめた後、少し首をかしげ辺りを見回す。
申し遅れた、自分の名はハセガワ。
マルタスニム星人と呼ばれる、半透明の身体を持ち、H2Oを主な身体の成分とする種族だ。
白い壁と茶色のつるつるしていそうな床、天井には発光物質だろうか?光る物体がくっついていてその光をこれでもかと部屋中に振り撒いている。
「よかった!目が覚めたんだおね!」
宇宙で使用されている言語の中では聞いたことのない言語、慌てて翻訳機のスイッチをオンにする。
この翻訳機、本来であればこちらの言葉を伝えることも可能ではあったのだが、どうやらあの事故の時にマイク部分が損傷して使い物にならなくなっているらしい。
くそ、その辺の安物じゃなくて少し値は張るがちゃんと宇宙大学製のものを購入すればよかった。
8
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/04(日) 01:14:08 ID:8W7jEdZg0
と、とりあえず意思疎通だ、彼(と仮定する)がこちらに友好的かどうかを確認しなければならない。
( ^^ω)「えーと…助けていただき感謝するぞ」
( ^ω^)「お!おしゃべり出来るんだおね!」
よし、これなら意志疎通もできそうだ。さらに話を続けよう。
( ^^ω)「自分は実は宇宙からやって来た……」
( ^ω^)「決めたお」
む?何を決めたと言うのだろうか。
ひょっとしてこのにこやかな笑顔はダミーで、実は自分を『あまりにも残酷なため割愛』や『とっても惨たらしいため割愛』しようとしているのだろうか?
そして彼は自分を指差し、にこやかな笑顔で告げた。
( ^ω^)「君のことは『ホマちゃん』って呼ぶお!なんかホマホマ言ってるし!」
( ;^^ω)「!!!??!?」
前言撤回、やっぱり意志疎通出来ていないようだった。
9
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/04(日) 01:16:32 ID:8W7jEdZg0
( ^^ω)「しかし……」
「何か食べるもの持って来るお!」
とどたばたと走っていった彼の背中を見ながら一人思考する。
( ^^ω)「彼には感謝しなければならないな」
なんせ死にかけ(かもしれない)だったところを助けて貰ったのだから。
( ^^ω)「マルタスニム星人としては、ここで受けた恩は返さなければなるまい」
故に自分は決心した。
彼の元でしばらく過ごしこの恩返しをする、と。
( ^ω^)「でもホマちゃんって一体何の生き物なんだろうお……?」
( ^^ω)「マルタスニム星人だから厳密に言えば君と同じような生き物だと思うんだがな」
( ^ω^)「わかったお!きっとホマちゃんはリククラゲなんだお!」
( ^^ω)「そんな生き物がいるのか……地球の生物は奥深いな……」
※いません
(to be continue……)0o( ^^ω)
10
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/04(日) 01:21:29 ID:8W7jEdZg0
と、いうわけで1話は短めに終わります。ありがとうございました。
2話は校正するだけなので、来週中にはあげられると思い……ます。はい。
11
:
名無しさん
:2017/06/04(日) 01:25:10 ID:SDUavBfU0
待ってると思います、はい
12
:
名無しさん
:2017/06/04(日) 08:48:42 ID:vsj0/MvU0
面白い
13
:
名無しさん
:2017/06/04(日) 11:46:00 ID:yNkaFeLE0
きたい
14
:
名無しさん
:2017/06/04(日) 13:18:51 ID:kHx4mslE0
乙! 楽しみな現行が増えた
続き待ってるぞー
15
:
名無しさん
:2017/06/04(日) 17:58:18 ID:scvmRS3w0
思ったよりだいぶ平和そうだった
乙
16
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/12(月) 18:57:51 ID:VOqQD.bk0
自分がこの地球にやって来てから、3日が経った。
ご主人は、その間せわしなく何処かへ出かけたり、母親と会話なんぞをして過ごしていた。
そういえば、地球の食べ物とやらを食べさせてもらった。
何処かで食べたことがあるような、ないようなという感じだったが、何処で食べたものだっただろうか。
( ^ω^)「ホマちゃん!!」
( ^^ω)「なんだご主人!」ホマー
( ^ω^)「今日は学校に行くおー!」
17
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/12(月) 18:58:56 ID:VOqQD.bk0
そう言いながら自分を頭に乗せて、ニコニコ笑うご主人。
自分の体重はおよそ70ニュートン……キログラム換算で約7キロか。
( ^^ω)「首が折れたりしないのかご主人……?」
ピカ◯ュウよか軽いが、相当な重さだぞ?
( ^ω^)「それじゃあママ!行ってくるおー!」
川^ω^)ノシ「いってらっしゃいホライゾン!」
追記しておくとこの親子、すこぶる顔が似ている。
18
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/12(月) 18:59:47 ID:VOqQD.bk0
第2話『School』
.
19
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/12(月) 19:00:39 ID:VOqQD.bk0
それにしてもだ。
( ^^ω)「ガッコウ………学校か。
地球にもそんな施設があったんだな」
地球の学校とやらも、宇宙のそれとは似たようなものなのだろうか。
違っていてもそれはそれで見てみたい気もするな。
( ^ω^)「そういえば、ホマちゃんと出会った日もこんないい天気だったおね」
さんさんと照りつける恒星を眩しそうに眺めながら、ご主人はそう呟いた。
残念なことに、自分にはその時の記憶がほとんどない為に肯定することもできないが、ご主人がそう言うのならそうなのだろう。
とりあえず、ご主人の頭をぽんぽんと叩いておいた。
20
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/12(月) 19:01:29 ID:VOqQD.bk0
( ^ω^)「お、見るおホマちゃん!ぼくの友達がいるお!」
そう言うや否や、ご主人が走り出す。
ぐんぐん加速していくので、慌てて落ちないようにご主人の頭にしがみついた。
(; ^^ω)「うおぉおおおぉおお」
おっとりしていそうな姿形とは裏腹に、ご主人の足はとんでもなく速いらしい。
たちまち、ご主人がトモダチと言ったであろう人物の姿が近づいてくる。
背が高い黒髪と、小柄な薄い茶髪。
結構異色の組み合わせだ。
ご主人はその二人のもとまで飛ぶように走ると、ぶつかるギリギリの所できゅっ、と止まった。
21
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/12(月) 19:02:20 ID:VOqQD.bk0
( ^ω^)「おいすーだお、ドクオにショボン!」
(;'A`)「ぎゃああああ!いきなり後ろから話しかけんなって言ってるだろ!」
(´・ω・`)ノシ「おいすー、だよブーン。今日もご機嫌だね?
美味しいものでも食べたの?」
オーバーに驚くのは眠たげな目をした黒髪。
それに対して、淡々と対応する少し下がった眉の特徴的な茶髪。
身長のみならず、性格も正反対だ。
( ^ω^)「おっおっ、ごめんお!」
(;'A`)「心臓止まるかと思ったぜ全く……」
(´・ω・`)「とか言いつつ、止まったことはないんだから大丈夫でしょ」
('A`)「お前なぁー……」
22
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/12(月) 19:03:17 ID:VOqQD.bk0
(´・ω・`)「てかブーン?頭の生き物なに?」
( ^ω^)「おー、見えるのかおショボン?
ぼくしゃがんだ方がいいかお?」
(´・ω・`)「ぶち殺すぞ……。なんかクラゲみたいだね、何の生き物なの?」
('A`)「あー、それ。俺もさっきから気になってた。
おいこらショボン、ハサミを出すな。
しゃきしゃき開閉させるな」
( ;^ω^)そ
(´・ω・`)「ちっ、バレたか」
(; ^^ω)そ
( ;^ω^)「ご、ごめんお」
(´・ω・`)「ん?何がー?」
23
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/12(月) 19:04:05 ID:VOqQD.bk0
('A`)「あー、前も言ったけど、こいつの事は別に気にしなくていいからな、ブーン。
ただチビなの気にしてるだけだし」
(;´・ω・`)「ちょっとド〜ク〜オ〜!!
気にしてるって分かってるんなら、
わざわざ言わなくてもいいんじゃないかなっ!」
('A`)「はいはい母親からの遺伝だもんな〜、
しょ〜がないもんな〜」ポンポン
(;´・ω・`)「あーたーまーをー撫ーでーるーなー!
すり減ったらどうしてくれるんだ!」
('A`)「撫でられると頭すり減るってのはチビの発想だぞショボ………」
.・,'
(#´・ω・)≡つ);;)A`)ヘッ…イイパンチシテヤガルゼ……
24
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/12(月) 19:04:54 ID:VOqQD.bk0
( ;^ω^)「ちょwww大丈夫かおドクオwww」
(#)'A`)「いつもの事だからへーきへーき」
( ;^^ω)「いつもの事なのか……」
毎日こんな暴力沙汰で、こいつの身体は持つのだろうか。
(´・ω・`)「あーもう……なんの話だったっけ?
たしかブーンの頭の謎生物の話?」
( ^ω^)「そ、そうだったおね……!
この子は、ホマちゃん!
何の生物かは知らないけど多分リククラゲだお!」
( ^^ω)「マルタスニム星人のハセガワだ」
リククラゲではないぞ。断じて。
(´・ω・`)「お、ホマホマ言ってる〜可愛い〜!」
('A`)「あ、待てよブーン」
( ^ω^)「?なんだお?」
('A`)「学校に連れていくつもりなのか?」
( ^ω^)「そのつもりだったけど、何か問題あったお?」
('A`)「大ありだろ………ミルナ先生そういうのすっごくうるさそうじゃんか………」
25
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/12(月) 19:05:54 ID:VOqQD.bk0
***以下回想***
先生
↓
( ゚д゚ ) カッ ←鋭い眼光
**回想終わり**
26
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/12(月) 19:06:44 ID:VOqQD.bk0
( ^^ω)「回想がすげーこっち見てくる……」
こっちみんな。
('A`)「どうすんだ?ミルナ先生、
そういうの結構厳しいぞ?」
( ;^ω^)「ぬおー……うかつだったお」
(´・ω・`)ノシ「はいはーい、僕にいい考えがあるよ」
( ^ω^)「ほ、ホントかお!?」
(´・ω・`)b「今日のブーンのお昼ご飯ってことにしちゃえば……」
( ^^ω)「鬼かお前」
('A`)b「天才かよ」
( ^^ω)「待て」
( ;^ω^)「さすがのぼくもホマちゃんの事は食べないお!」
( ^^ω)「ちょっと待てご主人。
今聞き捨てならない言葉が聞こえたぞ」
流石にとはなんだ、流石にとは。
いくらマルタスニム星人の身体の85%がH2Oだからって、それ以外の成分も入っているんだぞ?
( ^^ω)「食べたら恨むぞ自分は……」
マルタスニム星に伝わる、やたらお腹が痛くなる呪いをかけるぞ。
特殊な身体をしているが、マルタスニム星人にだって腹の概念くらいはあるんだからな。
27
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/12(月) 19:07:44 ID:VOqQD.bk0
【eyecatch……】
( ^^ω) ハセガワ
今更ながら主人公の紹介。
マルタスニム星人という、所謂地球でのクラゲに似た宇宙人。
言語形態が特殊で、地球人には『ホマ』としか聞こえていないようだ。
【eyecatch……】
28
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/12(月) 19:09:17 ID:VOqQD.bk0
(;'A`)「意外と何も言われずあっさり通過出来たな……」
(´・ω・`)「通り過ぎるとき、ボソッと
『珍味の踊り食い……』って呟いてたね。
ミルナ先生」
:( ∩ω∩)「皆して、ぼくのことをなんだと思っているんだお………」
(´・ω・`)「モンスター、かな」
( ^^ω)「ご主人は地球外生命体だった……?」
まさかの地球外生命体二人目?
そんなにたくさん地球外生命体がポコポコ出てこられても、自分が困る。
まぁ友人同士の、からかい合いのようなものだろう。
ご主人とドクオも、ショボンとやらを身長の話でいじっているみたいだし……っておい、コンパスはマズイだろ。流石に。
プンスカ ゴメンテ ゴメンオ
(#´・ω・) ('A`;)(^ω^; )
( ^^ω)「まぁ、仲がいいのは良いことだな」
大事にするんだぞ、ご主人。
ξ゚⊿゚)ξ「あら、みんなおはよう!」
29
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/12(月) 19:10:40 ID:VOqQD.bk0
とそこに、後ろから少女が声を掛けてきた。
健康的な肌の色。
ぱっちりと見開かれた、きらきら輝く瞳。
くるりと巻かれた金髪は、赤いリボンで二つにまとめられており、彼女の歩みに合わせて頭の上で軽やかに踊っている。
( *^ω^)「お、ツン!おはようだお!」
川 ゚ -゚)「あぁ、おはようだ。ドクオに内藤くん達」
ご主人が挨拶を返すと、金髪の少女……ツンの後ろから、黒髪の長身の少女がひょこりと顔を覗かせた。
透き通るような白い肌。
切れ長の黒い目。
腰よりやや短いくらいの長い黒髪は、光を浴びて艶やかに煌めいている。
二人とも所謂、地球でいう美少女というやつだろうか。
宇宙でも通用しそうだ。
30
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/12(月) 19:12:10 ID:VOqQD.bk0
('A`)「ん、おはよう。クー、ツン」
川 ゚ -゚)「ん……。そうだ内藤くん、
ツンは今日も内藤くんのためにお弁当を作ってくれたようだぞ」
ξ;゚⊿゚)ξ「なっ……!べ、別にブーンの為なんかじゃないわよ!
あんたら男子みんな弁当が茶色いんだもの!栄養が片寄ったら困るじゃない!」
('A`)「弁当が茶色い……?」
川 ゚ -゚)「お前ら男子、総じて弁当に野菜を入れないじゃないか。
ツンが心配するのも分かるだろ」
(;´・ω・`)「や、僕のあれは全部冷凍食品だしセーフだよ」
ξ゚⊿゚)ξ「どう考えてもアウトよ」
だからあんた、いつまで経ってもチビのまんまなのよ、
とツンにズバッとつっこまれたショボンは何か言いたげな顔をしながらも黙りこんだ。
川 ゚ -゚)「私も、今日お弁当作りすぎちゃったから食べてほしいな。な、ドクオ」
('A`)「まーた作りすぎたのか、クー?
いくら一人暮らしにまだ慣れてないからって作りすぎてたら、
そろそろ食事代が大変なことになっちまうぞ?」
(´・ω・`)「いーじゃんドクオ、
食べてあげなよ。クーを太らせるつもり?」
('A`)「あーうん、クーの飯旨いし、
別に全然構わないんだけどさ」
川 ´ -`)「うん……嬉しいぞ」
(;'A`)「あれ?なんでそんな微妙そうな顔?」
31
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/12(月) 19:14:04 ID:VOqQD.bk0
(´・ω・`)「ドクオも早く気づけばいいのに……」
めんどくさいなぁもう、とため息混じりに呟くショボン。
( ^^ω)「ふむ……」
どうやら、クーとやらはドクオの事が好きらしい。物好きだな。
( ^ω^)「おー、ドクオ羨ましいおー」
ξ;゚⊿゚)ξ「あ、あんたはあたしの弁当で十分よ!
クーのを食べさせるまでもないわ!」
( ^ω^)「そ、そうかお?
まぁツンのお弁当が一番大好きだからいいけどお……」
ξ*゚⊿゚)ξ「も、もう!いきなり何言い出すのよ!」
(;∩ω・`)「そうだこっちもこんなんだった……」
先程より大きなため息をつき、自分の前髪を片手で弄るショボン。
ワタワタξ;゚⊿゚)ξ(^ω^; )オー
( ^^ω)「……なるほど」
どうやらツンはご主人の事が好きで、ご主人もツンの事が好きらしいのだが、お互いに素直になれていないらしい。
これはショボンもため息を付かざるを得まい。というかダブルくっついてないカップルに囲まれているとかここは地獄なのか?
32
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/12(月) 19:15:25 ID:VOqQD.bk0
( ^^ω)「だが、恩返しの目処は立ったぞ」
ご主人とツンをくっつけ、幸せにする。
これを持って自分の恩返しとしようではないか。
( ^^ω)「よーし、やってやるか」
(´・ω・`)「ん?どうしたのホマちゃん。
急にホマホマ言い出して」
( ^^ω)「………まずは意志疎通の方法を考えないといかんな」
ハセガワ、頑張ります。
なんてな。
33
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/12(月) 19:16:00 ID:VOqQD.bk0
川 ゚ -゚)「おっと、私が一緒にいられるのはここまでだ。
みんな、また昼休みに屋上で会おう」
('A`)「クーだけ違うクラスなんだもんなー、
一緒のクラスだったら良かったのにな」
川*゚ -゚)「……うん。私もそう思う……!」
( ^^ω)「なんでこれで気付かないんだ、ドクオは……」
明らかに先程よりもクーの顔が輝いている。
ひょっとしてドクオは不細工だから、女の子からそういう感情を向けられた事がないのだろうか。
それならしょうがないが、早めに気づいてやれよ。
愛想を尽かされたって、自分は知らないからな。
34
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/12(月) 19:18:50 ID:VOqQD.bk0
【eye catch……】
('A`) 鬱田 ドクオ (うつた どくお)
内藤が高校で出会った友人。
ひょろっとした高身長と不細工な顔が特徴的。
実はかなりの廃ゲーマーなのだが、もしかしたらこの話のなかでは使われない設定かもしれない。
【eye catch……】
35
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/12(月) 19:22:13 ID:fX9b/qFQ0
(・∀ ・)「なーなーブーン!
頭の上のそれ、何なんだ?」
( ^ω^)「お、またんき!この子はホマちゃん、最近拾ったぼくの新しい家族だお!」
('(゚∀゚∩「へぇ!可愛いんだよ!」
(´・ω・`)「またの名を非常食……」ボソッ
(;・∀ ・)そ
('(゚∀゚;∩そ
( ;^^ω)そ
( ;^ω^)「しょぼぉおおん!
さすがのぼくでもホマちゃんは食べないって何度も言ってるお!」
( ;^^ω)「ホマちゃん『は』なのが、怖いぞご主人……」
ホント食べたら怒るからな、ご主人。
激おこぷんぷんムカ着火ファイアー丸だからな。
ちょっと地球のスラングとやらを使ってみた。合っているだろうか?
36
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/12(月) 19:23:28 ID:fX9b/qFQ0
('、`*川「おっはーヘリちゃん。こないだの英表の宿題、どうだった?
あたし問5の読み取りがよくわかんなくて……」
*(‘‘)*「それなら出来たのですよ、その代わり問3の解き方教えて欲しいですよ」
('、`*川「おっけーおっけー、そこはねぇ……」
(;'A`)「あ、やっべ。数Aの教科書忘れた……!
ショボン!見せろください!」
(´・ω・`)「またかドクオ!無駄にでかい図体のくせに!
クーに借りてくれば良いでしょうが!」
('A`)「あーそっか、クーに借りるって手があったな。
つか身長は関係ないだろこのチビ!」
(´・ω・`)「ち、チビって言った!
この野郎、今チビって言いやがった!」ゴスッ
('A`)「おいやめろ!鳩尾を的確に殴るんじゃねぇ!」
37
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/12(月) 19:24:06 ID:fX9b/qFQ0
辺りを見渡せば、『教室』とやらの中ではご主人と同い年くらいの少年少女が、それぞれの時間を過ごしている。
ξ゚⊿゚)ξ「あそこはいつも通りねぇ……
ブーンもそう思うわよね?」
( ^ω^)「おっお、ドクオとショボンは幼なじみだから、
あんなに仲良しなんだと思うおー!」
ξ゚⊿゚)ξ「そ、そうね……」
( ^ω^)「ぼくとツンみたいで良いと思うお!」
ξ/////)ξ「な、何言ってんのよ!!バカ!!」
そう言うなり、俯いて拳を握り締めたツンは目にも止まらぬ速さでその拳を繰り出した。
ご主人の腹のど真ん中目掛けて。
38
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/12(月) 19:25:09 ID:fX9b/qFQ0
( ゚ω ゚)「くぺぽぅ!!」ゴスッ
ξ//⊿//)ξ「やーだブーンったら!
そんな恥ずかしい事を軽々しく……」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン?」
( ゚ω ゚)「………」チーン
ξ;゚⊿゚)ξ「や、やだ!そんなに照れないでよ!
ちょっとブーン!しっかりして!」
( ^^ω)「照れる照れないの次元の話じゃないだろ………」
思わず見惚れる程自然で強力なボディーブロー。
む?地球人って戦闘民族だったか?
おかしいな、そんな情報あったら別の戦闘種星人が黙ってないよな。うん。
( ^^ω)「偶然ってことに、しておくか」
世の中には、知らない方が良いこともある。
ハセガワ学んだ。
39
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/12(月) 19:26:40 ID:fX9b/qFQ0
【eye catch……】
(´・ω・`) 辺古海 ショボン (へこみ しょぼん)
ブーンの高校からの友人で、ドクオの幼なじみ。
母親譲りの低身長で、本人も幾度となく気にしている。からかうとキレる。
【eye catch……】
40
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/12(月) 19:28:31 ID:fX9b/qFQ0
一回中断
一時間後くらいに再開します
41
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/12(月) 19:53:17 ID:fX9b/qFQ0
キーンコーンカーンコーン
キヲツケー レーイ アリガトウゴザイマシター
( ^ω^)「お昼ごはんだお!!!」
( ^^ω)「まだ食うのか……」
ご主人、途中の休み時間で大きな弁当を食べていなかったか?
クラスメートもいつも通りみたいな顔をして見ていたが、珍しい生き物を見ているみたいな目だったぞ?
('A`)「お、C組もう授業終わってるじゃん」
(´・ω・`)「じゃあもう、クーは屋上で待ってるよ。
ほらドクオ、早く行こ?
一人で待たせたら可哀想だよ」
('A`)「言われなくても、そのつもりだっつの……。
いでで、引っ張るな引っ張るな。
そういうのは身長差考えてやれ……いっでぇ!!」
42
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/12(月) 19:54:28 ID:fX9b/qFQ0
(´・ω・`)「そういう無神経なとこがさぁ……。
将来彼女出来たときに愛想尽かされたって知らないからね?」
('A`)「いきなり何言い出すんだお前……。
お前は昔からの幼なじみだからこういう扱いなだけで……」
(;´ーωー`) 「ねぇ、頼むから僕とのフラグを建てないでくれる!!??
もっと建てるべき相手がいるの分かって?」
('A`)「なーにを言ってるんだお前」
( ^^ω)「何を言っているんだはお前だ」
これを素で言っているのだから凄い。
クーの前で言ってみろ、ボコボコにされるぞ、ショボンに。
43
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/12(月) 19:56:20 ID:fX9b/qFQ0
( ^ω^)「ねっ!ねっ!ツン、早く行くお!
ツンのお弁当待ちきれないお!」
ξ*゚⊿゚)ξ「そ、そこまで言うならしょうがないわね!
ほら、早くしないと置いてくわよ!」
( ^^ω)「本当に何故そこは恋人同士ではないんだ……」
ほとんど事実婚だろうが。
身体の内側から甘ったるいものが込み上げてきそうだ。
( ^ω^)「ごっはんー!ごっはんー!」
るんるんと階段を上がり、少し錆びた鉄の扉を開けるご主人。
扉の向こう側には白い床と、青空のコントラストの眩しい風景が広がっていた。
44
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/12(月) 19:59:29 ID:fX9b/qFQ0
( ^^ω)「これが屋上……か」
ご主人の頭の上から見渡せば、白い床にはグレーの柵が張り巡らされており、
隅には小さな東屋のような屋根が設置されている。
その小さな東屋の中に、大きなパステルカラーのビニルシートを敷いて、弁当を出しているクーの姿があった。
('A`)「お、早かったんだな。クー」
川 ゚ -゚)「あぁ、今日の4限はLHRだったんだ」
(´・ω・`)「へぇ〜、僕達のところは英表だったよ。
ブーンがずっとお腹鳴らしてるのがおっかしくって」
('A`)「ハハハ、確かにあれば笑えたわ。
クーにも聞かせてやりたかったぜ、ブーンの間抜けな腹の音」
( ;^ω^)「おっ!?ちょっと二人ともなに言ってるんだお!」
川 ゚ー゚)「……ふふ、それは私も聞いてみたかったな。」
( ;^ω^)「クーまで!ひどいお!」
そうご主人が抗議したとき、ご主人の腹からぐぅうう〜〜〜〜〜、となんとも言えない間抜けな音が聞こえた。
45
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/12(月) 20:01:56 ID:fX9b/qFQ0
( ;^ω^)「お……」
ξ゚⊿゚)ξ「ほら皆食べましょ?
ブーンのお腹の中の怪物が待ちきれないって言ってるわよ」
川 ゚ -゚)「あぁ、食べようか。
私もお腹がすいてしまったよ」
('A`)「おう!食べるか!」
川*゚ー゚)ξ*^⊿^)ξ「「いただきまーす!」」(^ω^* )('A`*)(´・ω・`*)
( ^^ω)「いただきます、と」
とりあえず皆を真似て見よう見まねで腕と腕を合わせる。
ご主人の頭から降りて、ツンの前に置かれた弁当から、カラアゲを摘まんで口に放り込む。
ふむ、ご主人の家の物とはまた違って旨い。
46
:
名無しさん
:2017/06/12(月) 20:03:35 ID:vxW2bGbU0
瀬川の外見が想像出来ない
47
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/12(月) 20:06:21 ID:fX9b/qFQ0
ξ゚⊿゚)ξ「ホマちゃん、からあげ普通に食べるのね……」
( ^ω^)「んー、確かに割となんでも食べてるお」
(´・ω・`)「ホマちゃん僕の卵焼き食べる?」
( ^^ω)「頂こう」
聞こえてはいないと思われるが、礼を言ってショボンの弁当からもタマゴヤキを貰う。
もぐもぐ、なんだか不思議な味だな。
とろとろした物が入ってる。
('A`)「お前んちのチーズ卵焼きなんかうまいよな……」
(´・ω・`)「そう?ありがと」
川;゚ -゚)「チーズ卵焼き……か……」
('A`)「おーいクー。
クーの卵焼きも、もらっていい?」
川*゚ -゚)「あ、うん!好きなだけ持っていってくれ!!」
('A`)「……ん、クーの卵焼きは甘くてうまいから好きだな」
川*゚ -゚)「そうか!嬉しい……ぞ」
48
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/12(月) 20:08:55 ID:fX9b/qFQ0
ドクオの発言に目を輝かせて喜ぶクーを横目に見ながら、ツンのカラアゲをもう一つ食べた。うん、旨い。
( ^^ω)「きっとツンはご主人のいい嫁になれるな」
ξ゚⊿゚)ξ「あら?ホマちゃんなにか言った?」
( ^ω^)「きっとツンのお弁当がおいしいって言ってるんだお!」
ξ*゚ー゚)ξ「嬉しいこと言ってくれるわね。
そう言われると作りがいもあるもんだわ」
そう言ってはにかむツンは、年頃の少女の顔をしていた。
朝ご主人に、ボディーブローを決めていたのは、やっぱり幻覚だったんだな。
最初は右も左もわからないような状態だったが、やっと地球の事を少しずつ理解できた気がしてきたと思う。
もっとご主人やその友人達の関係を見守りながら、ご主人への恩返しを完遂したいものだ。
ハセガワ、頑張ります。
(to be continue……)0o( ー ーω)
49
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/12(月) 20:10:46 ID:fX9b/qFQ0
第2話は以上です
ありがとうございました
50
:
名無しさん
:2017/06/12(月) 20:21:53 ID:QZxEl3Xo0
は瀬川食ったものは透けないタイプだろうか…
乙
51
:
名無しさん
:2017/06/12(月) 22:44:15 ID:YBMV9C5c0
乙!
52
:
名無しさん
:2017/06/12(月) 23:48:42 ID:.hMsgDqA0
ほわほわしてていい
53
:
名無しさん
:2017/06/13(火) 00:10:23 ID:mgnPGLlQ0
これめっちゃすき
54
:
名無しさん
:2017/06/13(火) 01:08:20 ID:/uWmYdVAO
つ④
55
:
名無しさん
:2017/06/13(火) 08:26:17 ID:PFLOZNZY0
は瀬川のくせにかわいいじゃないか
56
:
名無しさん
:2017/06/13(火) 20:51:34 ID:E6bvzQ/c0
初めて読んだけどすごくいい
癒される
57
:
名無しさん
:2017/06/13(火) 21:12:06 ID:vSdEqTUQ0
どことなく懐かしい感じで良い
58
:
名無しさん
:2017/06/15(木) 23:58:34 ID:k.hmOrmw0
なるほどブーン系民が好きそうな話だ
俺も気にいるわけだ
59
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/16(金) 18:49:35 ID:AUFuj6d.0
( ^^ω)「〜♪」
故郷の童謡なんぞを口ずさみながら、ふよふよと校内を漂う。
何でも、ご主人が先程昼食を食べていた屋上にハシを忘れてしまったらしい。
既に授業が始まっているご主人に代わり、不躾ながら自分がそれを取りに行くというわけだ。
使いっぱしりじゃないぞ。断じて。
60
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/16(金) 18:50:12 ID:AUFuj6d.0
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非公開 2017-06-16 18:48:30 0views
( ^^ω)「〜♪」
故郷の童謡なんぞを口ずさみながら、ふよふよと校内を漂う。
何でも、ご主人が先程昼食を食べていた屋上にハシを忘れてしまったらしい。
既に授業が始まっているご主人に代わり、不躾ながら自分がそれを取りに行くというわけだ。
使いっぱしりじゃないぞ。断じて。
静かな校内から屋上へ。
うんしょうんしょ、と唸りながら重たい扉を開けると。
∧∧
( ・∀・)「これが所謂ジャパンの『ハシ』ってヤツか……見たことがない食事方法だ、これで食材を摘まんで食べるのかいやそれとも食材を刺して食べるのか……」ブツブツ
なんかご主人のハシを前にぶつぶつ呟いている異星人がいた。
61
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/16(金) 18:51:17 ID:AUFuj6d.0
うわ、投稿方法ミスった。
すみません、もう一度最初から投下し直します。
62
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/16(金) 18:51:51 ID:AUFuj6d.0
( ^^ω)「〜♪」
故郷の童謡なんぞを口ずさみながら、ふよふよと校内を漂う。
何でも、ご主人が先程昼食を食べていた屋上にハシを忘れてしまったらしい。
既に授業が始まっているご主人に代わり、不躾ながら自分がそれを取りに行くというわけだ。
使いっぱしりじゃないぞ。断じて。
63
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/16(金) 18:52:25 ID:AUFuj6d.0
静かな校内から屋上へ。
うんしょうんしょ、と唸りながら重たい扉を開けると。
∧∧
( ・∀・)「これが所謂ジャパンの『ハシ』ってヤツか……見たことがない食事方法だ、これで食材を摘まんで食べるのかいやそれとも食材を刺して食べるのか……」ブツブツ
なんかご主人のハシを前にぶつぶつ呟いている異星人がいた。
64
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/16(金) 18:53:12 ID:AUFuj6d.0
第3話『Guest』
,
65
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/16(金) 18:54:31 ID:AUFuj6d.0
( ;^^ω)「だ、誰だ……」
∧∧
( ・∀・)「おろろ?なんでこんなところにマルタスニム星人が?」
( ^^ω)「そのハシは自分のご主人のものなんだ、悪いが返してくれ」
∧∧
( ・∀・)「へぇ、君のだったの。そりゃあ悪いことをした」
はい、と手渡されたご主人のハシを受けとる。
うん、確かにご主人のハシだ。
( ^^ω)「お前は何故ここに?」
∧∧
( ・∀・)「おっと、申し遅れた。ボクはモララー星人のモララーって言うんだ。
大学の言語学者をしていてね、今は太陽系の言語形態についてを調べているんだ」
モララー星人、言われてみれば発達した頭部の聴覚器官や、身体の造りがモララー星人のそれだ。
66
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/16(金) 18:56:52 ID:AUFuj6d.0
( ^^ω)「そうか、自分はハセガワ。マルタスニム星人だ。
というかお前には、生まれ種族の名前がついているのか?」
∧∧
( ・∀・)「モララー星では、名付けたい名前ベストテンに入る名前だそうだよ」
( ^^ω)「そ、そうか……」
それにしても、とモララーは辺りをぐるりと見渡した。
∧∧
( ・∀・)「ここは良い星だね」
( ^^ω)「そうだな」
自分も気に入っている。
∧∧
( ・∀・)「ジャパンには2日ほど前にやって来たんだけれど、ジャパンはアースの中でも不思議な言語形態をしていて凄く興味があったんだ」
( ^^ω)「そうなのか」
∧∧
( ・∀・)「うん、前はUSAにいたんだよ。
エリア51の人にはお世話になっちゃった」
( ^^ω)「エリア51……」
聞いたことはある。
たしかアースの外部から来た生命体との共存をモットーに色々やってる所だったか。
67
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/16(金) 18:58:08 ID:AUFuj6d.0
∧∧
( ・∀・)「USAもなかなか、面白い所だったよ。青い甘菓子とか」
( ;^^ω)「青い甘菓子!?」
∧∧
( ・∀・)「サイズもニューソク星の伝統料理みたいでなかなかにイカれてて良かったよ。
まぁまた食べようとは思わないけどね」
( ^^ω)「だろうな」
ニューソク星の伝統料理は正気を疑うような料理が多いからな。
自分も一度食わされたことがあるが、二度と食べたいとは思わない。
∧∧
( ・∀・)「それに比べてジャパンの食事は薄い味なのにあんなに美味しいんだよね。
思わず小論文書いちゃった」
( ^^ω)「うわこいつ頭の良いやつだ」
やめてくれ、自分は地球で言うところの高卒ってやつなんだ。
頭もそこまで良くないし、ぶっちゃけご主人の成績も笑えないんだ。
68
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/16(金) 18:59:25 ID:AUFuj6d.0
( ^^ω)「そ、それだけの理由でわざわざこの学校の屋上にいたのか?」
∧∧
( ・∀・)「うぅん、ジャパンに来たのはいいんだけどイマイチどこで研究をすればいいかを悩んでたんだよね」
( ^^ω)「ほぅ」
∧∧
( ・∀・)「だからアースの常識を学べるかつ言語サンプルの沢山取れそうな、良い感じの所を探してたの」
( ^^ω)「そうか。で、見つかったのか?」
∧∧
( ・∀・)「まぁね」
肩をすくめるモララー。
妙に様になっているのが腹立つが、まぁいい。
多分二度と会うこともないだろうしな。
∧∧
( ・∀・)「また会えたらいいね、ハセガワくん」
そう言い、モララーは屋上の隅に置かれていた小型宇宙バイクにひょい、と跨がった。
( ^^ω)「あぁ、そうだな」
ひらりと手を振り返し、モララーを見送る。
( ^^ω)「さて、ご主人の所に戻るか」
少し遅くなってしまったから、心配されているかもしれないな。
69
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/16(金) 19:00:36 ID:AUFuj6d.0
【eye catch……】
VIP高校(びっぷこうこう)
内藤達の通うVIP市内にある私立高校。
男子は黒の詰襟、女子は紺のスカートと胸元に赤い紐リボンを着けたブレザー。
制服は地味だが自由な校風であり、校則もやや緩め。
ちなみに内藤は詰襟の下に白いフードつきのパーカーを着ている。
ちなみに夏服になるのは5月末の体育祭を過ぎてから。
◯(*^ω^)◯
\ : / <おっおー!
|⌒I、│
(_) ノ
∪ ピョイーン
|||||||
【eye catch……】
70
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/16(金) 19:01:41 ID:AUFuj6d.0
(・∀ ・)「なーなー知ってるか?」
( ^ω^)「おー?どうしたんだお、またんき?」
(・∀ ・)「今日、転校生が来るんだってさ!」
学校での生活にも慣れてきたある日、ご主人の友人……またんきだったか?が話しかけてきた。
テンコウセイ、とは一体何なのだろう。
('A`)「えー!マジかよ!」
(´・ω・`)「どこ情報?それ、どこ情報?」
(・∀ ・)「職員室!ミルナ先生と話、してたから間違いないよ!」
('(゚∀゚∩「ミルナ先生と話してるって事はきっとうちのクラスなんだよ!楽しみなんだよ!」
71
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/16(金) 19:03:05 ID:AUFuj6d.0
( ^^ω)「ふーむ」
( ^ω^)「へー!仲良くなれるといいおね!」
('A`)「まじかー、男?女?」
(・∀ ・)「男!そんでさぁー!」
(・∀ ・)「すっげーイケメンだった!」
イケメン、顔立ちの整った男の事だったか。
またんきがそう言った時、ガラガラと教室の扉が開き教師が顔を出した。
( ゚д゚ ) 「おーい、席につけお前ら。
今日は転入生を紹介するぞー!」
「「「えーーーー!!!?」」」
悲鳴に近い声と同時に、バタバタと席に座り出す生徒たち。
あっという間にご主人の周りに集まっていた友人達も席に戻っていく。
72
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/16(金) 19:04:48 ID:AUFuj6d.0
ξ゚⊿゚)ξ「どんな子なのかしら……」
('、`*川「イケメンらしいけどねー」
ひそひそと囁き合う女の子達。
テンコウセイ、とはクラスの新顔のことと認識しておいて良いだろうか。
( ゚д゚ ) 「入っていいぞー」
そう教師が扉の外へ声を掛ければ、からからと控え目な音を立てて扉が開き、そいつはその姿を見せた。
藍みがかった白髪は短く整えられ、くりっと見開かれた黒い目と口元にふわりと浮かべられているやや幼げでありながらどこか大人びた雰囲気の笑み。
なるほど、整った顔立ちをしている。
またんきがイケメンだと言った理由もわかる気がする。
73
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/16(金) 19:06:14 ID:AUFuj6d.0
しかしこいつ、どこかで見たことがあるような気が……。
だがこんなに目立つ地球人がいたら確実に覚えているだろうし……。
( ゚д゚ ) 「じゃあ、皆の前で自己紹介をしてもらおうか」
「はい!」
そう返事をしたそいつは、おもむろに黒板に置かれていたチョークを手に取った。
そして、何も書かれていない黒板にカツカツと丁寧かつ手早く文字を刻んでいく。
『Molaler Lilac』
綺麗な筆記体で黒板に書かれた文字。
それを確認したそいつは此方に向き直り、にこりとした笑顔とよく通る声で告げた。
( ・∀・)「USAから来ました。モララー・ライラックといいます!
日本語はまだそんなに上手くないですけど、みなさん仲良くしてください!」
( ^^ω)「うっそだろ」
この声、間違いない。
まさかの再会を果たしてしまった。
74
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/16(金) 19:07:08 ID:AUFuj6d.0
【eye catch……】
ξ゚⊿゚)ξ 津出 ツン(つで つん)
内藤とは親ぐるみの付き合いで幼なじみ。
親譲りの怪力ゴリラ娘。本人は少し力が強いくらいだと思っている。
毎日弁当を作ってあげるほど仲の良い内藤との関係は……不思議なことに付き合っていないのである。
【eye catch……】
75
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/16(金) 19:09:06 ID:AUFuj6d.0
( ・∀・)「いやー……まさか同じクラスになるとはねぇ……」
( ^^ω)「お前……この学校に来るのを知ってて黙ってただろ……?」
( ・∀・)「ハハハ」
( ^^ω)「笑って誤魔化すなよ……」
( ・∀・)「おっと、そろそろ休み時間だ。
多分地球の女の子に囲まれて質問攻めにされるような気がするから、そろそろ主人の元へ戻った方がいいと思うよ?」
( ^^ω)「そ、そうなのか?」
( ・∀・)「ジャパンの資料によるとそうらしいんだよ。
それに笑って答えるのも転校生の務めらしいからね」
*(‘‘)*「ライラックくーん」
( ・∀・)「はいはーい、モララーでいいよ〜?」
話しかけてきた女子に笑顔で返事を返しながらモララーは、自分から目を離した。
76
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/16(金) 19:10:07 ID:AUFuj6d.0
まぁ、クラス内で絆を育むことも大切だろう。
マルタスニム星に伝わる、必殺マルタスニム砲をぶちかますのはまた今度にしておいてやるか。
( ^ω^)「お、ホマちゃんも転校生くんが気になるお?」
( ^^ω)「別の意味ではすごく気になっているんだがな」
ご主人、あいつ宇宙人なんだぞ。
しかもめちゃくちゃ頭が良いし。
とはいえ、実際に宇宙人としての姿を見たことが無いご主人達としては、モララーのことは地球人として見えているのだろう。
宇宙の技術ってすごい。
改めてそう思った。
77
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/16(金) 19:11:04 ID:AUFuj6d.0
【eye catch……】
宇宙バイク(うちゅうばいく)
モララーが使用していた二輪車両の形状をした宇宙船。
見た目が地球の乗り物に近く、地球上ではただのバイクとして扱えるが、宇宙空間内で使用した際には特殊なシェルターが展開し、1人乗り用の宇宙船として扱えるようになる。
宇宙の技術を持ってすれば駆動音の一切しないバイクも制作可能であるが、事故率が高くなる事と「ロマンが足りない」という理由で全ての宇宙バイクにはロマン音をつけることが義務付けられている。
盗んだバイクで走り出す〜♪/
∧ ∧ ズサー
(>=◎( ・∀・) ( ⌒( うわぁああ/
/_/ 〉⊂ノ ( ⌒( ((≡(;^^ω) ホマー
〈/ )/_ミ ≡≡≡( ⌒ ((≡ノノノノノ
(_/^′ ( ⌒ キーキキキッ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
妙にアースの音楽文化に詳しいなお前!?/
【eye catch……】
78
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/16(金) 19:12:22 ID:AUFuj6d.0
( *>〜<)「うわ〜〜!!美味しいねこれ!!」モグモグ
ξ゚⊿゚)ξ「あらそう?モララーくんのお口に合うなら良かったわ」
( *・∀・)「ジャパンの食事最高………」
(´・ω・`)「大げさだねぇ、ツンやクーのお弁当ならともかく僕のお弁当まで美味しがってくれるなんて」
( ^^ω)「………」
何故いる。何故いるんだ。
川 ゚ -゚)「ほらドクオ、早くしないと転校生くんに私のお弁当を全部食べられてしまうぞ」グイグイ
(;'A`)「あーあー、今食べるから……ってあっつい!!
お前の弁当いつも保温性抜群すぎないか!?」
川 ゚ -゚)「そこは素直家の企業秘密ってやつだ。
ほらありがたく食え」
(;'〜`)「ふぉ〜ふぉふぁふぇっふぇふゃふふぁ〜(も〜お前ってやつは〜)」
( ^^ω)「こっちを向けばリア充もどき……」
はやく付き合ってしまえばいいのに。
79
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/16(金) 19:13:34 ID:AUFuj6d.0
( ^ω^)「もぐもぐ!うぉおん!」
( ^^ω)「あっちを向けばご主人……」
どこかで聞いたような台詞だなおい。
( ^^ω)「まともな奴が来い……」
ハセガワ、ツッコミ募集中です。
(´・ω・`)「ところで、モララーくんはなんで日本に来たの?」
( ・∀・)「ジャパンの文化を学びたかったんだよ!
色々な人からジャパンは良いって聞いてて、一度行ってみたかったんだよね」
川 ゚ -゚)「あぁ確かに、日本は良いところだもんな」
80
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/16(金) 19:14:59 ID:AUFuj6d.0
ξ゚⊿゚)ξ「観光地の方とか海外の人凄いもんね」
('A`)「中学の修学旅行の時とか、海外の人に話しかけるって課題もあったもんな」
(´・ω・`)「それ!懐かしいよね〜!」
( ^ω^)「ぼくもツンと一緒の班だったけど、課題こなすの頑張ったおね」
ξ゚⊿゚)ξ「あー、班の子と日本語話せそうな外国人探したわよねぇ」
わいわいと思い出話で盛り上がるご主人達。
モララーはそれをニコニコしながら聞いている。
( ^^ω)「なぁモララー」
( ・∀・)「なーに?ハセガワくん」
こっそりと話しかければ、モララーもご主人達の方を向きながらも小声で返事を返した。
( ^^ω)「お前がアースに来た理由、
アースの言語の研究だけじゃないだろ」
81
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/16(金) 19:16:06 ID:AUFuj6d.0
そう言ってやると、モララーは少し驚いたような顔をした後小さく頷いた。
( ・∀・)「……友達、欲しかったんだよね」
( ^^ω)「そうなのか」
( ・∀・)「うん、宇宙では科学力が急激に発達したせいで、コミュニケーション文化が衰退したって言われてる。
その上ボクってどうやら変わり者らしくて、胸はって友達って言えるのが同じ大学にいる幼なじみしかいないんだよ」
( ^^ω)「ほう」
( ・∀・)「昔の論文で、文明の発達が緩やかな星はコミュニケーション文化が強く残ってるっていうのがあってね、
もしかしたら文明発達が緩やかなアースなら、色々と、やり直せるのかなって」
( ^^ω)「あぁ、そうか」
急激な文明の発達を遂げてしまった宇宙の星々は、その利便性に溺れて互いの繋がり同士をほぼ無かったことにしてしまったと言われている。
我がマルタスニム星は、あまり周りの星との繋がりが多くなかった為に受けた影響は少なかったが、それでも種族間のコミュニケーションが減った感覚はある。
文明発達の先頭にいたモララー星も例外ではなかったのだろう。
82
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/16(金) 19:17:39 ID:AUFuj6d.0
屋上に吹く風は案外強い。
モララーの藍みがかった白色の髪が緩やかに風になびいて舞い上がった時、モララーは静かに目を閉じ、口を開いた。
( ー∀ー)「ホント、それだけ。
別に地球を滅亡させようとか、征服しようとか、考えてないから安心して」
( ^^ω)「………」
こういう際にはどういう言葉をかけてやれば良いのだろうか。
どうにも、自分の頭の悪さが悔やまれる。
( ^^ω)「心配することはない」
咄嗟に言葉が口をついて出た。
83
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/16(金) 19:18:31 ID:AUFuj6d.0
( ^^ω)「自分のご主人は、突然やって来た自分を拾ってくれた、言わば命の恩人だ」
拙く途切れ途切れの下手くそな言葉。
( ^^ω)「本来ならアースで死んでいたかもしれない得体の知れない自分を、ご主人は学校を休んでまで助けてくれたらしい」
モララーに、自分の言葉は届いているのだろうか。
( ^^ω)「そんな優しいご主人と、そのご主人が選んだ友人達がお前を屋上に誘ってくれたんだ。
お前はご主人達に友人と認められているんだ」
ご主人達の話す声が、やけに遠く聞こえる。
そのくせ、自分の話す声が妙にクリアだ。
( ^^ω)「覚悟しておけ、モララー。
ご主人達といると、退屈なんて出来ないぞ」
84
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/16(金) 19:19:38 ID:AUFuj6d.0
( ・∀・)「……ふふ」
( ^^ω)「どうしたんだ?」
( ・∀・)「キミも地球に来て長くないのに、随分な自信だね」
( ^^ω)「あぁ、自信を持って言えるさ」
ふんす、と息を大きく吐く。
『なんでも』出来てしまう宇宙から飛び出して、まだ言語も統一されていないような辺境の星で、人と人の繋がりに触れて得た新しい幸福感。
きっと、自分もモララーもそうなのだ。
( ・∀・)「………悪くないね、アースも」
( ^^ω)「悪くないだろう?アースは」
そうお互い同時に呟いた時、きーんこーん、と昼休みの終わりを告げる予鈴が鳴り響いた。
85
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/16(金) 19:20:36 ID:AUFuj6d.0
( ^ω^)そ「おっ、そろそろ五時限目が始まっちゃうお!
ツン!そろそろ行くおー!」
ξ゚⊿゚)ξ「はいはい、今行くわよ」
('A`)「あれ?次、現文だっけ?」
(´・ω・`)「うん、現文現文。てかドクオ、そろそろ時間割覚えなよ……」
('A`)「るっせーな……」
わいわいと五時限のことなんぞを話しながらいつの間にか片付けたそれぞれの弁当を抱え、屋上の扉に向かうご主人達。
( ^ω^)「ホマちゃーん!行くおー!」
( ^^ω)「あ、あぁ、今行くぞ!」ホマー
86
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/16(金) 19:21:34 ID:AUFuj6d.0
扉を半分ほど開けたご主人の呼ぶ声に慌てて返事をし、そちらに身体を向ける。
ふよ、と身体を大気に預けて浮き上がったとき、ふと後ろからモララーとクーの少し小さな話し声が聞こえてきた。
( ・∀・)「ところでクーさん、ジャパンの居心地はスナオ星人的にはどうなんだい?」
川 ゚ -゚)「あぁ、なかなかの居心地だ。
スナオ星の新政策に米の栽培拡大などが挙げられるのも納得だな」
( ^^ω)「………ん?」
すまんモララー。
今なんて?
(;^^ω)o0(to be continue……⁉)
87
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/16(金) 19:23:52 ID:AUFuj6d.0
第3話は以上です。
ありがとうございました。
もしかしたらホマちゃんの見た目とか、高校の制服の資料とかをあげるかも……しれないです。
また次回もよろしくお願いいたします。
( ^^ω)ノシ
88
:
名無しさん
:2017/06/16(金) 19:38:53 ID:TpWHrZRk0
!!?!?乙
89
:
名無しさん
:2017/06/16(金) 19:51:29 ID:xUmzbSeA0
乙
ラストでまさかの
90
:
名無しさん
:2017/06/16(金) 20:11:57 ID:bSwoqRt2O
企業秘密ってそういうあれか……
91
:
名無しさん
:2017/06/16(金) 20:45:28 ID:F1pWmFIs0
マジか
92
:
名無しさん
:2017/06/16(金) 20:58:16 ID:hNyn6QiwO
乙!続きが楽しみ
93
:
名無しさん
:2017/06/16(金) 23:32:17 ID:dVx8vmAA0
ドクオ……
94
:
名無しさん
:2017/06/17(土) 13:33:25 ID:phxxEB2.0
乙
だからクーだけクラス違うのね
95
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/18(日) 00:46:26 ID:1My5/8Hk0
ちょっとした蛇足
ホマちゃんビジュアルと制服ツンちゃん
こういうイメージでいつも書いています
http://imepic.jp/20170618/026050
96
:
名無しさん
:2017/06/18(日) 01:18:26 ID:.n9btSDU0
かわゆす
97
:
名無しさん
:2017/06/18(日) 10:58:30 ID:ybCnaaU20
両刀使いだったか!! gj
98
:
名無しさん
:2017/06/18(日) 11:08:36 ID:lcdyKcao0
もっと足長いイメージあったけどコンパクトだな
99
:
名無しさん
:2017/06/18(日) 11:20:35 ID:7bloMoKQ0
>>98
伸びるんだろ
100
:
名無しさん
:2017/06/18(日) 20:13:02 ID:Vpt6jTXoO
これがフワフワ浮いてたらメトロイドみたいだな
101
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/21(水) 19:29:46 ID:shcOBM5o0
私の住む星ではアースにある小さな島国、日本へ旅行に行けることが一種のステータスである。
なんでも、うちの星と日本の言語は形態が似ているらしく、(うちの星から一方的ではあるが)観光客は年々増加しているという。
私の家もそんなブームに乗っかり、一番安いものの日本のあちこちを観光できるツアーに来ていた。
地球年齢換算で当時12歳の私には、その遠距離旅行は初めてのことが沢山あり、暇さえあればすごいすごいと目を輝かせていたらしい。
102
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/21(水) 19:30:29 ID:shcOBM5o0
そんなツアー中のある日のこと。
不思議な雰囲気の建物で、あちこちをキョロキョロ見回していた私は、両親とはぐれてしまった。
川 ; -;)「おかあさーん、おとうさーん」
未知の土地に置き去りにされたかもしれないという恐怖。
その場に立ち尽くし、泣きじゃくるしか無かった幼い私に、誰も手を差し伸べてくれる人はいなかった。
そう、彼を除いては。
103
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/21(水) 19:31:16 ID:shcOBM5o0
「なぁ、どうしたんだ?」
川 ; -;)「おとうさんとおかあさんと、はぐれちゃったんだ」
「そっか……それは大変だな……」
「なぁショボン!この子迷子らしいんだ!
一緒にこの子の両親探そうぜ!」
< えー?もう、しょうがないなぁ
ω・`)))「まぁ、僕も迷子さんほっとけるほど薄情じゃないしね。
別に構わないよ」
川っ-;)「おにいさん……ありがとう」
「お兄さんって言うほど、年離れてないと思うけどなぁ……」
「まぁいっか……君の名前は?」
川 ´ -`)「くーる、くーでいいよ。
お兄さんは?」
「え、俺か?」
104
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/21(水) 19:31:53 ID:shcOBM5o0
('A`)「俺はドクオ。
どこにでもいる、しがない修学旅行生だよ」
それが私の、地球という星での一番の思い出。
後に私が飛び級で大学までを卒業する原動力になる人。
いつか枕元で読まれた絵本のように、緩やかに流れていくラブ・ストーリー。
くだらない、と嗤われてしまえばそこまでだが。
それは正に、一目惚れだった。
105
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/21(水) 19:32:32 ID:shcOBM5o0
第4話『Stranger』
.
106
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/21(水) 19:33:53 ID:shcOBM5o0
( ^ω^)「へいパース!へいパース!
へいへいへいパース!へいへいパース!
へいパー…ないっしゅーだおー!」
(;'A`)「うわっ、こっち回ってきた……。
ショボンパス!」
(;´・ω・`)「えぇっなんで僕に、またんきパス!」
(・∀ ・)「うぉりゃあああ!ないすぱーすショボン!このままゴールに突っ込むぜ!
いっくぞぉおおおおおおお!!!」
(・∀ ・) <アレ?
⊂| ⊂ | スッテーン!!!!!
⊂_⊂ノ =§
、ハ,,, ◯←ボール
 ̄″
('(゚∀゚;∩「ちょ、どこ見て蹴ってるんだよまたんき!」
(・∀ ・)「なっはは!失敗しちった!」
ごめんごめーん、とけらけら笑うまたんき。
あぁ、ここは平和な世界だな。
107
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/21(水) 19:34:35 ID:shcOBM5o0
( ゚∋゚) ピッ
体育教師が再開の笛を吹き、ご主人が「いっくおー!」の大声と共にボールをコートに投げ入れ、試合が再開する。
しかし、自分にはそんな平和な球技(サッカーと言うらしい)をのんびり観戦している暇はない。
隅っこに座り、体育見学をしているモララーとクー、それから自分。
ここだけ見れば、地球外生命体人口100%。
嗚呼、どうしてこんなことになったのか。
108
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/21(水) 19:35:43 ID:shcOBM5o0
(;^^ω)「クーも宇宙人だったのか!?」
川 ゚ -゚)「あぁ、知らなかったのか?
てっきりわかっているとばっかり」
( ^^ω)「わかるわけない……」
( ・∀・)「なんにも言ってなかったから、ボクもてっきり知ってるとばかり」
( ノノω)「お前達天才と一緒にするんじゃない……」ホマー…
ただでさえ、スナオ星人のルックスはほぼ地球人のそれと変わらないのだ。
沢山の地球人の中からスナオ星人1人を探し出すなんて、そんなウ◯ーリーを探せみたいな真似が出来るか。
ちなみにウォ◯リーを探せはご主人の本棚に入っていたものを勝手に読んだ。
自分には無理だった。
なんだあの目がチカチカする集団は。
109
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/21(水) 19:36:23 ID:shcOBM5o0
( ・∀・)「うちの大学じゃあ各星人の区別は必修科目なのに……」
( ^^ω)「お前らと一緒にするんじゃないって言っているだろ」
マルタスニム砲を一発ぶちかまさないとわからんか。
川 ゚ -゚)「まぁぶっちゃけ体内の造り以外で、地球人とスナオ星人のどこが違うかと聞かれてしまったら、私も答えられないぞ」
( ・∀・)「始祖は同じかもしれないって大学でも有名な話だよねー」
(;^^ω)「頭が痛い………」
クラス内での話を聞くに、二人とも小テストの成績もほぼ満点だし。
なんだか自分、場違いではなかろうか。
110
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/21(水) 19:37:15 ID:shcOBM5o0
川 ゚ -゚)「まぁ、改めて自己紹介させてもらおう。
私の名前は素直クール、どこにでもいるしがないスナオ星人だ」
( ^^ω)「どこにでもいてたまるか」
( ・∀・)「へぇ、ボクはモララー。モララー星人だよ。
大学で言語学の教授をやってるんだ。」
川 ゚ -゚)「へー、言語学教授か。すごいな」
(;^^ω)「ち、ちょっと待て」
( ・∀・)「なーに?」
(;^^ω)「言語学教授だったのかお前!?」
( ・∀・)「うん、そうだったけど、言ってなかったっけ?」
111
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/21(水) 19:38:13 ID:shcOBM5o0
〜〜〜〜
( ^^ω)「お前は何故ここに?」
∧∧
( ・∀・)「おっと、申し遅れた。ボクはモララー星人のモララーって言うんだ。
大学の言語学者をしていてね、今は太陽系の言語形態についてを調べているんだ」
〜〜〜〜
112
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/21(水) 19:39:12 ID:shcOBM5o0
(#^^ω)「聞 い て な か っ た ! ! !」
( ;・∀・)「ぐぇえ!!ちょ、やめて、ハセガワくん!!首締まる!!」
川 ゚ -゚)「wwwwwwwwwwwwwww」
( ;・∀・)「クーさんも笑ってないで助けて!?」
( ^^ω)「あーすまん、ちょっと正気を失っていたようだな」グイグイ
( ;・∀・)「謝るんなら止めて!?
うわっ、マルタスニム星人の身体めっちゃひんやりしてる!気持ちいい!」
川 ゚ -゚)「まぁまぁ、二人ともそれくらいにフフッしておけってウッフフッww」
( ;・∀・)「笑いが隠しきれてないよ!?」
113
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/21(水) 19:39:53 ID:shcOBM5o0
まぁモララーとのじゃれ合いはここら辺にしておいて、クーの話を聞くことにしようか。
川 ゚ -゚)「え?私が地球にいる理由?」
( ^^ω)「うむ、モララーのように研究旅行をしているとかか?」
( ・∀・)「スナオ星人がジャパン大好きなのは有名な話だしねー」
川 ゚ -゚)「あー、ちょっと違うな。私はな」
川 ゚ -゚)「初恋の人に、会いに来たんだ」
114
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/21(水) 19:40:31 ID:shcOBM5o0
【eye catch……】
( ・∀・) モララー・ライラック
(もららー・らいらっく)
ある日突然、VIP高校1-Bにやって来た超絶イケメン転校生。
その正体は日本の言語を学びにきた言語学教授のモララー星人。
つまり実は結構な年増……いや、この話はここまでにしておくか。
地球に限って言うのなら、英語、ドイツ語、イタリア語、フランス語、ロシア語、エスペラント語、エトセトラ……と何でも話せるヤバい奴。
【eye catch……】
115
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/21(水) 19:41:14 ID:shcOBM5o0
< イケイケー!シュートダオー!
< ヌワー!オシインダヨ!モウチョットダッタノニ!
< ナイスカバーダゼドクオ!
< コレガシンチョウサノヒゲキ……
< ナンデショボンナイテルンダ?
( ^^ω)「ドクオか」
( ・∀・)「ドクオくんだね」
川;゚ -゚)「ば、馬鹿な!何故分かった!?
二人ともエスパーなのか?」
( ;・∀・)「いやエスパーて……予想外の反応を頂いてしまったぞ……?」
(;^^ω)「まさかあれでバレていないつもりだったのか……!?」
どう見たって好き好きオーラに満ち溢れていたろうに。
流石の自分も驚かざるを得ないぞ。
116
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/21(水) 19:42:41 ID:shcOBM5o0
川;゚ -゚)「うわー恥ずかしい……ドクオも気づいているのだろうか……」
( ^^ω)「いや、多分そこは気づいていないな」
( ・∀・)「うん、多分気付いてないね」
あそこまでのクソ鈍感は初めて見たぞ。
いや、ご主人とツンも似たようなものか。
川 ゚ -゚)「複雑だ」
( ・∀・)「心中お察しいたします」
( ^^ω)「Don't mind」
その日の体育の授業の間は、クーが終始項垂れっぱなしになってしまったのでモララーと二人で慰める羽目になってしまった。
恋する乙女は大変だ。
まぁ、自己アピール、頑張って欲しいと思う。
川 ´ ー`) ズーン げ、元気出せって……
((/つ O \(^^ω;) 、
<Z人_)_) \\\\\
117
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/21(水) 19:43:53 ID:shcOBM5o0
【eye catch……】
川 ゚ -゚) 素直 クール(すなお くーる)
VIP高校1-Cの生徒。
実はスナオ星人であり、幼い頃ドクオに一目惚れして同じ学校に行きたいからと自星の大学を飛び級で卒業したスーパーガール。
年齢は地球年齢で換算すれば内藤たちと同い年。
感情が表情にあまり出ないタイプだと自負しているが、よく見ると結構感情駄々もれである。
え?どうやってドクオの自宅の住所と通う高校を見つけたのかって?
愛の力と宇宙の技術のなせる技だよ最後まで言わせんなまったくもう。
【eye catch……】
118
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/21(水) 19:44:57 ID:shcOBM5o0
( ´ω`)「はぁ〜、結局サッカー勝てなかったお………」
( ^^ω)「残念だったな、ご主人」
前半では2点も得点が入っていたから、行けたと思ったのにな。
まさか休憩後の後半戦であそこまでバカスカ得点が入って2:13で負けるとは自分も思っていなかった。
というか、相手チームも後半で得点入りすぎだろ。
後半の試合時間は15分しか無かったのに、1分に1本はシュートが入っている計算になるんだが?
119
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/21(水) 19:47:03 ID:shcOBM5o0
( ^ω^)「でもでも!次は勝つお!
ねっホマちゃん!」
( ^^ω)「あぁ、頑張るんだぞご主人」
そんな感じでご主人と談笑しながら帰路を歩く。
まぁ自分はご主人の頭に乗っているだけなのだが。
ちなみにドクオとショボンはご主人とは逆方向、ツンは今日は学校での用事で今日の帰り道はご主人一人だ。
「あらぁ、お一人かしら?」
唐突に背後から声をかけられた。
( ^ω^)「おん?」
( ^^ω)「む?」
ふんわりとした柔らかな少女の声。
大したことは無いと思ったのだが、ふと何か違和感を感じた。
少し声にフィルターのようなものがかかってもやもやとしている気がする。
そう、まるで翻訳機を使用して他星人と会話をしている時のような………。
120
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/21(水) 19:47:54 ID:shcOBM5o0
(;^^ω)「っ!?」
その瞬間自分の身体を、冷水に触れたような悪寒が走った。
それ以上関わろうとしてはいけないと、かつてスペースデブリにぶつかった時のように本能が警笛を鳴らしている。
ご主人が振り向くのがやけにスローモーションに感じられる。
( ;^ω^)「………お?」
その姿を認識したご主人は、ここで初めて『彼女』の異常性に気がついた。
121
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/21(水) 19:50:05 ID:shcOBM5o0
∧∧
(*゚ー゚)「やぁ、どうもどうも。
あたし達は、この星を征服しにやって来たの」
薄いピンク色の体毛に覆われた小柄な身体。
∧∧
(*゚ー゚)「という訳でこんにちは、はじめましての地球人さん。
それから……マルタスニム星人さんかな?」
特徴的な発達した頭部の聴覚器官。
しかし、彼女はモララー星人とはまた違う種族。
∧∧
(*^ー^)「そして、さようなら」
咄嗟にマルタスニム砲を溜める間もなく、軽やかに地面を蹴り接近してくる彼女。
122
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/21(水) 19:51:05 ID:shcOBM5o0
宇宙屈指の素手での戦闘能力を誇り、地球の生物に例えるならば『クマ』の群れすらも、彼女達たった一人の敵ではない。
戦闘特化種族、ハニャーン星人。
『最悪』の『災厄』が。
今、ご主人と自分を呑み込まんと迫ってきていたのであった。
( ; ゚ ゚ω)o0(to be continue……‼)
123
:
名無しさん
:2017/06/21(水) 19:52:16 ID:Nye6jcT60
乙!
124
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/21(水) 19:52:43 ID:shcOBM5o0
という訳で第4話は以上です。
いつもありがとうございます。
定期考査が近いので次回の更新は7月過ぎの予定です。
次回もよろしくお願いいたします( ^^ω)ノシ
125
:
名無しさん
:2017/06/21(水) 20:24:25 ID:LaBnLM0k0
( ^^ω)おつかれ ∩ 愛の戦士たち ホマ
そして( ^^ω)おやすみ ∩ 愛の戦士たち ホマ
126
:
名無しさん
:2017/06/21(水) 20:30:48 ID:sQMFMc.s0
http://i.prntscr.com/HvNg1ooPRh2dbhApc2bxNg.png
このシーンクーの口でフフッてなった
端末によって見え方変わってる?(byPC)
127
:
名無しさん
:2017/06/21(水) 21:19:55 ID:5EzhQR420
いきなり話が違うベクトルに
128
:
名無しさん
:2017/06/21(水) 21:29:17 ID:Mu1L3h5A0
ついに動き出したか
129
:
名無しさん
:2017/06/21(水) 23:07:53 ID:voe7wdgc0
乙
ここから話が動きだすのかな
楽しみだぜ
130
:
名無しさん
:2017/06/22(木) 00:27:36 ID:rp3ZIcK20
ほのぼのだと思ったら!! 乙! どうなるんだ……
131
:
名無しさん
:2017/06/22(木) 14:03:41 ID:Fx7IhCUoO
乙です
定期考査good luck
132
:
名無しさん
:2017/06/23(金) 12:32:15 ID:zun8C.ig0
乙
ほのぼのじゃない……だと……!?
133
:
名無しさん
:2017/06/25(日) 00:56:01 ID:k9AEuAXU0
ひたすら可愛い
俺もホマ飼いたい
134
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/06/25(日) 21:29:41 ID:r3j29RV.0
ちょっとした蛇足的おまけ
時間軸的には1話と2話の間くらい
ブーンくん擬人化注意やで
http://imepic.jp/20170625/771930
135
:
名無しさん
:2017/06/25(日) 23:59:01 ID:jrjmh96w0
かわいい
136
:
名無しさん
:2017/06/26(月) 08:42:56 ID:AevRVe5Y0
とてもかわいい
137
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/06(木) 19:09:56 ID:rDzwbcFM0
放課後の教室。
既にほとんどの生徒が下校した教室には、自分とその幼なじみである友人が机を付け合って手元の紙に何かを書き込んでいる。
「そういやさぁ」
「ん、何?」
自分がふと口を開けば、友人はきょとんとした顔で紙から顔を上げた。
「お前って夢あるの?」
「なっ……し、失礼な!夢くらいあるわ!」
「あっはっは、ごめんごめん。
で、その夢って?」
「………」
くすくす笑いながら尋ねてみると、何故か頬を赤らめて俯く友人。
あれ、なんか自分まで恥ずかしいぞ。
「えーと、ごめん。聞いちゃダメだった?」
「………ぅ…」
「え?なんか言った?」
138
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/06(木) 19:11:09 ID:rDzwbcFM0
「可愛いお嫁さん貰うこと!!
な、何度も言わせんなよバカ!!」
幼い頃から何度も聞いてきた友人のその夢。
まだ変わっていないのか、と思わず口元が緩む。
「こーら、わーらーうーなー!!恥ずかしいだろーがー!!」
真っ赤な顔でぽかっ、と軽く頭を小突かれたが、1度ツボが決壊するとどうにも上手く止められない。
「だってwwwwうふふwwwwその顔で『可愛いお嫁さん』ってwwwww、
ああぁ無理ーwwwwwwごめんマジで笑い止まんないwwwwww」
< ゴチンッ!!!!!
「……ホントごめん」
「わかればいいよ」
畜生、おでこがヒリヒリする。
「でも、お前の夢は昔から変わってないんだねぇ」
「なんだよその自分の夢が変わっちまったような口振りは」
未だ赤い頬を押さえて不満気に漏らす友人に「そんなこたぁないよ」と笑って返した。
「じゃあ」
ぱちん、と友人と目が合った。
「お前の夢は?」
頬杖をついて口元に笑みを浮かべ、そう問いかけた友人が、幼い頃の友人とじんわりと重なる。
過ぎていった日々に緩やかに想いを馳せながら、自分は……僕は、にっこり笑ってその問いに答えるのだ。
「言わなくたってわかってるんじゃないの?」
139
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/06(木) 19:12:02 ID:rDzwbcFM0
「『宇宙』へ翔ぶこと!」
.
140
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/06(木) 19:12:48 ID:rDzwbcFM0
.
141
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/06(木) 19:13:22 ID:rDzwbcFM0
.
142
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/06(木) 19:14:19 ID:rDzwbcFM0
∧∧
(*^ー^)「さようなら」
一瞬にしてご主人の目の前まで迫ったハニャーン星人。
何を考えるともなく自分は、咄嗟にご主人の前に飛び出した。
(;^^ω)「ぐぇ……」
握り振られた拳はあまりにも重い。
ゼリー状の身体でなければ死んでいたかもしれない。
しかし、そんな自分の捨て身の防御もむなしく、彼女は自分ごとご主人を思いっきり殴り飛ばした。
( ;^ω^)「お、おーん!?」
突然目の前に現れた自分を思わず
受け止めようとしたご主人も、盛大に吹っ飛びコンクリートの上を転がる。
すまないご主人。
制服をこんなに汚してしまっては母親に怒られてしまうだろう。
143
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/06(木) 19:15:38 ID:rDzwbcFM0
∧∧
(*゚ - ゚)「この星の生物も大したことないのね」
自らの拳を眺めポツリと呟く彼女。
( ;^ω^)「おっお……!?」
殴られた頬を紅く染めたご主人は、突然の事態にきょとんとしている。
∧∧
(*゚ - ゚)「これじゃあこの星の征服なんてあっという間じゃない」
淡々と、表情を変えずに言葉を紡いでいく。
∧∧
(*゚ - ゚)「まぁいいわ。貴方達はここでさよならだもの」
(;^^ω)「あ………」
ご主人、あぁご主人、頼むから早く逃げてくれ。
こんな時ほど自分の言葉が通じない状態を恨んだことはない。
先ほどの彼女の拳はおそらく相当手加減されて放たれている。
だが、次も死なないという保証はないんだ。
∧∧
(*゚ー゚)「それじゃあ、ばいばい。はじめましての地球人さん」
「そんなことさせるかよっ!!」
144
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/06(木) 19:16:29 ID:rDzwbcFM0
∧∧
(*゚ー゚)「……!?誰!?」
突然自分の頬を掠め飛来してきた物体が、彼女の足元ギリギリに突き刺さる。
( ;^ω^)「お……!」
物体の飛んで来た方向を向いたらしきご主人が驚いたような、喜んだような声をあげた。
(;^^ω)「い、今のは一体……?」
目を見開く彼女の足元に良く目を凝らしてみれば、コンクリートにヒビを入れた件の物体を見ることができた。
細長いフォルムとつるりとした見た目。
どこかで見たことあるような、これは。
( ^^ω)「まさか、ハシ……か?」
食事のための道具を、何故こんなところで?
自分が首を傾げている先では、彼女と乱入者との淡々とした会話が続いている。
∧∧
(*゚ー゚)「あたしをハニャーン星人と分かっていながらこんな……。
貴方まさか、宇宙武装中立同盟の?」
「宇宙武装中立同盟……あー、ごめん。
その辺はよくわかんないや」
( ;^ω^)「お……?何言ってるんだお?」
ご主人がきょとんと首を傾げる。
そちらを振り向けば、乱入者は確かにそこにいた。
(;^^ω)「………!?」
145
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/06(木) 19:17:14 ID:rDzwbcFM0
やや下がり気味の眉。
彼女を見据え、ぱちりと開かれた瞳。
少し癖の付いた色の薄い茶髪。
そして、未だ学生服に着られたような小柄な体躯。
(´-ω・`)「だってほら、僕ただの高校生だしぃ?」
少し肩を竦めて笑って見せたご主人の友人。
辺古海ショボンが、威風堂々とそこに立っていた。
146
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/06(木) 19:18:16 ID:rDzwbcFM0
第5話『Stargazer』
.
147
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/06(木) 19:19:14 ID:rDzwbcFM0
∧∧
(*゚ー゚)「………」
(´・ω・`)「ブーン、大丈夫?」
(;^^ω)「た、多分ご主人は大丈夫だと思うぞ」
( ;^ω^)「おっ、お!ぼくは大丈夫、だお!」
(´・ω・`)「そっかぁ、ならいいかなぁ」
∧∧
(*゚ー゚)「何を、言っているの……?」
(´・ω・`)「んっ?友人の安否を確認してただけなんだけど?」
∧∧
(*゚ー゚)「そんな呑気なことしている場合かしら!?」
激昂したように叫び、ショボンに向かって飛び出す彼女。
(´・ω・`)「お」
息を吐くような声をあげたショボンは、ひょいと身を屈めその拳をやり過ごす。
その行為に少なからずとも彼女は驚いたような表情を顔に浮かべた。
148
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/06(木) 19:20:22 ID:rDzwbcFM0
∧∧
(*゚ー゚)「この拳を避けるなんて……。
貴方……地球人よね?」
(´・ω・`)v「もちもち、一切の混じりっけ無し、
ぴゅあっぴゅあの地球人だよ」
表情は崩さずいえーい、とピースサインをしてみせるショボン。
それでいながらも、相手から距離を取ることは忘れない。
∧∧
(*゚ー゚)「……あんたみたいなチビとこんな狭いところで戦うのは、ちょっとブが悪そうね。
宇宙武装中立同盟に出張られても面倒だし、
今は素直に戻るとするわ」
(´・ω・`)「チビ関係ないだろ……。
まぁ、そうしてくれるとありがたい、かな」
∧∧
(*゚ー゚)「でも、これで終わったとは思わないで欲しいわね」
149
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/06(木) 19:20:48 ID:rDzwbcFM0
∧∧
(*゚ー゚)「覚えておきなさい、あたしは『しぃ』。
あんたを倒すハニャーン星人の名よ」
そうショボンを指さして言い放った彼女……しぃは、くるりと踵を返しひょいと塀を乗り越え、いなくなった。
(´・ω・`)「なんかバトルマンガの
テンプレートっぽい台詞だなぁ……」
そんなやや的はずれなことを呟いたショボンは、先ほどまでしぃがいた地点にとことこと歩いていき、突き刺さったハシを引き抜いた。
( ;^ω^)「おー?ショボン、今のは
一体なんなんだお?」
(´・ω・`)「話すと長くなるんだよねぇ、とりあえずこんなところで立ち話もなんだしさ」
僕の家、来る?
と、にこにこ笑いながら、学校での談笑と変わらないトーンでショボンは、飄々と言うのだった。
150
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/06(木) 19:21:42 ID:rDzwbcFM0
【eye catch……】
VIP市(びっぷし)
内藤達が住むやや狭めの市。
人口は約34000人。
私立高校であるVIP高校の他に、公立中学校が2つあり、東部の『VIP東中学校』と西部の『VIP西中学校』に分かれている。
略称は『東』『西』。
内藤とツンはVIP東中出身、ドクオとショボンはVIP西中出身である。
\びーっぷ!/
ξ*゚⊿゚)ξ人 ^ω^)人('∀` )人(・ω・` )
【eye catch……】
151
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/06(木) 19:23:35 ID:rDzwbcFM0
ショボンに続いて住宅街をしばらく歩いていると、やがてショボンはある家の前で足を止めた。
(´・ω・`)「ここだよ」
門を見れば、『辺古海』と妙に達筆で彫られた石の表札が掛かっている。
小さめの門を押し開け、ショボンは制服の内ポケットから鍵を取り出す。
(´・ω・`)「よっ」ガチャ
どうやらごく普通の玄関の鍵らしい。
< ウィーーーーーーンガシャコン‼‼‼‼
( ;^ω^)そ「おー!?なんだおこれー!
壁からタッチパネルが出てきたお!
すげーお!近未来的だお!」
(;^^ω)「オーゥ………」
と思っていた自分が甘かった。
(´・ω・`)「んぁー、ちょっと待っててね」
驚きはしゃぐご主人を軽く制止しながら、慣れた手付きでタッチパネルを操作するショボン。
152
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/06(木) 19:24:52 ID:rDzwbcFM0
ピー、と小さな電子音が鳴り、扉からかちゃん、と何かが外れるような音がした。
(´・ω・`)「はい、開いたよ。ようこそ我が家へ」
そう言いながらショボンは扉を開き、ご主人と自分を中へ招き入れた。
ご主人の頭の上から覗いてみると、そこに広がる景色はごく普通の玄関。
( ^^ω)「………先程のパネルも、夢だと言われれば信じてしまいそうだな」
(´・ω・`)ノシ「母さーん、今日友達連れてきたからー!」
ショボンが奥に向かってそう声を掛けると、部屋からひょこり、とグレーのエプロンを着けた女性が顔を出した。
153
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/06(木) 19:25:52 ID:rDzwbcFM0
後ろで纏めたショボンよりやや明るめの茶髪と、下がり気味の眉がショボンに似ている。
それから……大きな声では言えないが小柄な体躯も。
⌒*リ´・-・リ「あらそうなの?じゃあ母さん
後でお菓子とジュース持っていくわね」
( ^ω^)「お、おじゃましますお〜…」
そう言いながら靴を脱ぐご主人。
⌒*リ´・-・リ「遠慮なくゆっくりしていってね」
そう言いショボンの母親は再び部屋へと戻っていった。
( ^ω^)「なんていうか……」
(´・ω・`)「ん、何かなっ?」
( ^ω^)「似てるおね、ショボンとお母さん」
(´・ω・`)「えー、そーお?ちょっと照れ……」
( ^ω^)「身長」
(´・ω・`)「…………」
154
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/06(木) 19:27:12 ID:rDzwbcFM0
< あれっ?どうしたんだおショボン?
< ってぎゃあああああああ!!!
< 痛い!!痛いお!!ま、待つおショボン!
< その関節はそっちには曲がらな……
< ……コロス
< おおおおおおおおおん!!!?!?!!?
\バキッ/
(;^^ω)「ご主人ーーーーーー!!!!!」
嗚呼、惜しいご主人を亡くした……。
155
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/06(木) 19:28:15 ID:rDzwbcFM0
【eye catch……】
Unknown ( Unknown )
データ を 読み込む こと が
できません でし た
不明 な データ の 詳細
《NODATE》《NODATE》《NODATE》
《NODATE》《NODATE》《NODATE》
《NODATE》《NODATE》《NODATE》
《NODATE》《NODATE》《NODATE》
《NODATE》《NODATE》《NODATE》
《NODATE》《NODATE》《NODATE》
《NODATE》《NODATE》《NODATE》
《NODATE》《NODATE》《NODATE》
《NODATE》《NODATE》《NODATE》
《NODATE》《NODATE》《NODATE》
《NODATE》《NODATE》《NODATE》
《NODATE》《NODATE》《NODATE》
《NODATE》《NODATE》《NODATE》
《NODATE》《NODATE》《NODATE》
《NODATE》《NODATE》《NODATE》
メインプログラム の 強制終了
バックグラウンドプログラム の 強制終了
再 起動 し ます ……
【eye catch……】
156
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/06(木) 19:29:41 ID:rDzwbcFM0
( #)×ω×)チーン
(#´・ω・)「あー、もう……何の話だっけ?」
:(;^^ω):「oh……」
頬に手の跡を盛大につけられたご主人を部屋の隅に転がして、ショボンはそう呟いた。
やだこの子ものすごく怖い。
こいつだけは敵に回したくないと自分はつくづく思ったのであった。
⌒*リ´・-・リ「ショボン〜?お菓子と飲み物持ってきたわよ」
(・ω・` )「ありがと母さん、置いといてー」
とそこにショボンの母親が入ってきた。
少し深さのある板の上に乗せられた菓子類を机の上に置き、「じゃあ母さんお仕事あるから〜」とショボンに言い残して部屋を出ていった。
(´・ω・`)「ホマちゃん、お菓子食べる?」
(;^^ω)「あっいただきます」
差し出された菓子を受けとる。
ところで何故、自分は敬語口調になっているのだろうか。
どうせ聞こえてないと分かっているはずなのであるが、何故だか本能がそうさせてくれないのである。
157
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/06(木) 19:30:47 ID:rDzwbcFM0
(;^^ω)「(普通に旨い……)」ムグムグ
(´・ω・`)「ブーン起きないなぁ〜」
( ^^ω)「(そりゃ思いっきり張り飛ばしていたからな……)」
ご主人、死んでないよな?
(´・ω・`)「なーんでハニャーン星人があんなところにいたんだろうねぇ」
独り言のように焼き菓子(クッキーというらしい)をかじりながら呟くショボン。
その件に関しては、自分から説明したいのはやまやまなのだが自分の言葉は残念ながらショボンには通じない。
せめて自分の言葉を通訳してくれるような奴が居てくれれば……。
ん、通訳?
158
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/06(木) 19:32:23 ID:rDzwbcFM0
( ^^ω)「そうだ!」ガサッ
(´・ω・`)「うわっ、どうしたのホマちゃん。
急にブーンの鞄をあさりだして」
ショボンが驚いたように声を上げる。
ご主人のグリーンのアルミ製の筆箱と、少しくしゃっとなったプリントを一枚取り出す。
(´・ω・`)「わ、結構前の数学の小テストじゃん……ブーンの点数結構ヤバイな……」
ご主人の点数がどうなっているのかはかなり気にはなるのだが、今はこちらのほうが大事だ。
プリントを裏返し、ご主人が寝ている間に必死で覚えた地球の文字『ひらがな』を、筆箱から取り出した鉛筆で一文字一文字書き込んでいく。
お世辞にも綺麗とは言えないが、書き終わったその文字列をショボンの前に叩き付ける。
159
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/06(木) 19:34:25 ID:rDzwbcFM0
(´・ω・`)「ホマちゃん字書けたんだ、ね……?」
首を傾げて自分の書いた字を読むショボン。
(´・ω・`)「別に構わないけど……、てかホマちゃん、あんまり字上手くないね」
( ^^ω)「ほっとけ」
そう呟き、机上の端末を引き寄せたショボンは4、5秒ほど躊躇ったあと端末を耳に当てた。
(ロ´・ω・)「もしもし、ライラックくん?」
160
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/06(木) 19:35:15 ID:rDzwbcFM0
【eye catch……】
未使用 の データ は 見つかりません でした
新規 データ が 入手 可能 です
新規 データ を 入手 します か ?
→Yes No
データ を ダウンロード して い ます ……
残り 34 % ……
残り 87 % ……
残り 97 % ……
ダウンロード 完了
入手 した データ を 起動 し ます
now loading ……
よみこみ 中 ……
よみこみ 中 ……
【eye catch……】
161
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/06(木) 19:36:23 ID:rDzwbcFM0
( ・∀・)ノ「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん!モララー・ライラックだよ!」ババーン!!!
(;´・ω・`)「ど、どうも……」
( ^^ω)「うっわうざい」
( ;・∀・)そ「ちょ、ハセガワくぅん!?」
(´・ω・`)「あ、ハセガワクンっていうんだ、このリククラゲ」
( ^^ω)「リククラゲじゃないと言うてるに」
( ・∀・)「辺古海くん、この子はマルタスニム星人。
ハセガワくんっていうんだ」
(´・ω・`)「へ、マルタスニム星人。
初めて見た……こんな感じの生き物なんだぁ……」
(;´・ω・`)そ「ってなんでライラックくんそんな他星人に詳しいのっ!?」
( ;・∀・)そ「えっ、わかってないで呼んだの!?」
(;´・ω・`)「ホマちゃんがライラックくん呼んでって言うから……」
( ;・∀・)「あ、そうなんだ……。
ボク実は、地球に言語研究にやって来たモララー星人なんだよ」
(;´・ω・`)「へー、モララー星人なんだ……ね、うん……」
なんとなく気まずい感じの雰囲気。
やはり、いきなり転校生(しかも宇宙人)を家にあげさせたのは不味かっただろうか。
162
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/06(木) 19:37:46 ID:rDzwbcFM0
( ・∀・)「で、ハセガワくん。なんでボクはここに呼ばれたの?」
( ^^ω)「あ、あぁ、それはだな……」
かくかくしかじか。
( ・∀・)「なるほど、ハニャーン星人が……」
( ^^ω)「ヤバい話だろ?」
( ・∀・)「つか辺古海くんが使ってたハシ状の武器ってのも気になる」
(´・ω・`)「これのこと?」
モララーの言葉に答えたショボンが学生服の内側から先程のハシを取り出す。
(´・ω・`)「これ、チョップスティックっていうんだ。
僕が独自で作ったものなんだけど」
( ・∀・)「ほぇ〜、見てもいいかい?」
(´・ω・`)「構わないけれど……」
ショボンの言葉にチョップスティックを受け取り、しげしげと観察するモララー。
163
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/06(木) 19:39:59 ID:rDzwbcFM0
( ・∀・)「地球の技術だけで作ったの?これ」
(´・ω・`)「んー……厳密に言えば『宇宙で開発された地球で使え得る技術』も使ってるかな」
( ・∀・)「はぇ〜、そりゃあ凄いや。
ボクそんなに宇宙工学には詳しくないけれど、普通に実用化できるレベルなんじゃない?」
( ^^ω)「コンクリート砕くハシをか?」
(´・ω・`)「え、そうかな。嬉しいけどまだまだ改良の余地があるかなって」
(;^^ω)「コンクリート砕くハシをか?」
こ、これ以上強くなられても……。
( ・∀・)「宇宙大学入学する気ない?」
(;´・ω・`)「え? え?」
( ^^ω)「それ宇宙の中でもめちゃくちゃ頭良いところじゃないか」
地球で言うならUSAのハーバード大学を、もっと難易度あげて倍率を増やした感じだろうか。
500人に1人受かるか受からないかとか、なんとかかんとか。
( >∀・)「教授裁定で追加点くらいはあげるよ?」バチコーン☆
( ^^ω)「また新しいプロフィールが公開されてしまった……」
翻訳機使わずに日本語話してた時から思っていたが、宇宙大学の言語学教授とかやっぱり天才なんじゃないか。
( ^^ω)「よし、後でモララーはシメよう」
( ;・∀・)「!?」
何故かモララーがビクッとしていたが、そこらへんはスルーだスルー。
164
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/06(木) 19:43:35 ID:rDzwbcFM0
(´・ω・`)「ところで」
モララーから返されたチョップスティックを学生服にしまいながら、ショボンは口を開く。
(´・ω・`)「僕は良くわからないんだけど、ハニャーン星人ってそんな、他星人に対して攻撃的な星人だっけ?」
( ・∀・)「さぁ、ボク自身宇宙生物学には詳しくないからなんとも言えないんだけれども、ハニャーン星人は基本的には内輪で戦うタイプの戦闘種族らしいんだよね」
( ^^ω)「その情報で詳しくないと言い切るかお前」
その辺の宇宙人より絶対詳しいだろ。
(´・ω・`)「ふーん、それがなんで地球征服なんか……」
( ・∀・)「まぁその辺は置いといて。
後でボクから宇宙警察辺りに連絡はしておくよ」
(´・ω・`)「うん、ありがとねライラックくん」
( ・∀・)「モララー」
(´・ω・`)「?」
165
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/06(木) 19:45:04 ID:rDzwbcFM0
突如モララーに訂正された呼び名に、ショボンはきょとんと首を傾げる。
( ・∀・)「モララー、って呼んでよ。
ボクもショボンくんって呼ぶからさ」
(´・ω・`)「……」
(*´-ω-`)「ん、よろしくね。モララーくん」
( *・∀・)「こちらこそ。ショボンくん」
こうして、ここに宇宙人と地球人の小さな繋がりが出来上がったのである。
( ^^ω)「イイハナシダナァー」
なおモララーに関しては高いコミュニケーション能力っぷりがムカつくので後でシメる。
( ;・∀・)「………え?」
166
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/06(木) 19:46:54 ID:rDzwbcFM0
( ・∀・)σ「ところで、来たときからずっと気になっていたんだけれど、あそこに転がってる物体は何なんだい?」
( ×ω×)チーン
(;´・ω・`)「あぁーーー!!!忘れてた!!!
ブーン起きてーーーーーっ!!!!!」
(;^^ω)「ご主人ーーーーー!!!!!」
モララー、気付いていたのなら頼むから来た時点で言ってくれ……。
ご主人についてはモララーが上手いことはぐらかしておいてくれたらしい。
天才ってすごい。
改めてそう思った。
167
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/06(木) 19:47:49 ID:rDzwbcFM0
【eye catch……】
チョップスティック
ショボンが地球上でギリギリ使えうる
宇宙の科学力で独自に作り上げたハシ状の武器。
棒手裏剣のように扱うと考えると
分かりやすいかもしれない。
量産がしやすいらしく、ショボンの学生服の下には
まだまだたくさんのチョップスティックが
眠っているとかなんとか。
電気を流せるスタンガンのような攻撃的な機能や、
粉コーンスープを塊にならないように混ぜられる
実用的な機能など、その仕様はさまざま。
ヒュンッ カッ!
╰( ´・ω・)╮-=ニ=一=≡ ー壁 そ
【eye catch……】
168
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/06(木) 19:49:23 ID:rDzwbcFM0
( ^^ω)「ど」
川 ゚ -゚)「ど?」
(;^^ω)「どうしてこうなった!!!!」
川;゚ -゚)「それは私が聞きたいぞホマちゃん!!!!」
それから2日後屋上にて。
自分たちは、
∧∧
(* ー )「フシューー……フシューー……」
( ;^ω^)「な、なんであのときの猫さんがこんなところに……」
∧∧
(*゚ー゚)「あらあら……矮小な地球人どもがこんなに沢山……」
∧∧
(*^ー゚)「とぉっても、なぶりがいがありそうねぇ……」ニコォ……
しぃと、再び対峙していた。
169
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/06(木) 19:50:56 ID:rDzwbcFM0
自分の横に立つモララーの頬からたら、と冷や汗が流れ落ちる。
( ;・∀・)「目の前の敵もそうなんだけれど、正直ボクは校庭に降りた宇宙船の方が心配だよ……」
(;´・ω・`)「モララーくんどうする?
僕がしぃ引き付けといて、モララーくんは宇宙警察への通報する?」
川 ゚ -゚)「いや、待て二人とも」
モララーとショボンが小声で何やら話しているところに、クーが静かに制止をいれた。
(´・ω・`)「……? どうしたのクー?」
川 ゚ -゚)「この……しぃと言ったか。私に、任せてくれないか」
(;´・ω・`)「なっ……クー何言って」
( ・∀・)「……勝算は?」
(;´・ω・`)「も、モララーくん!?」
(;'A`)「な、なぁ、どういう状況だこれ」
( ;^ω^)「さ、さぁ……」
ξ;゚⊿゚)ξ「と、とりあえずマズイ状況なのよね?」
ご主人とツンとドクオが完全に話に置いていかれている。
本当にすまない。
170
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/06(木) 19:53:25 ID:rDzwbcFM0
川 ゚ -゚)「ツン、まずは屋上から出て校舎内の生徒たちを体育館に誘導するように先生に言ってくれ」
ξ;゚⊿゚)ξ「えっ……わ、わかったわ!」
川 ゚ -゚)「すまない、頼んだぞ」
その言葉を聞いたツンは少し躊躇うような素振りを見せたが、くるりと回れ右をし屋上の扉に向かって走り出した。
走っていくツンをちらりと見送ったクーは、しぃを睨み付けながらゆっくり口を開いた。
川 ゚ -゚)「内藤くんとドクオも隙をみて私が逃がす。
モララー、ショボン、下のデカブツは頼んだぞ」
( ・∀・)「はーいよ、友達使いが荒いねぇ。
ほらショボンくんいっくよー」
171
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/06(木) 19:55:58 ID:rDzwbcFM0
そう言いモララーは、ショボンの小柄な身体をひょいと抱え、校庭に面した屋上の柵に向かってすたすたと歩きだした。
(;´・ω・`)「えっ、モララーくん、何して」
( ・∀・)ノ「フライハーイ!!」
そう叫ぶと共に軽やかに柵を乗り越え、モララーは地上に向かって飛び降りた。
「え、ちょ、ま、ホントにモララーくん何を、あ、ひぁああああああああああああああああ!!!!!??!!!!!?!!!?」
ショボンの断末魔のような悲鳴と共に。
('A`)「ショボンのあんな声、はじめて聞いたわ……」
( ;^ω^)「言ってる場合かお!あんなスタイリッシュな巻き込み自殺見たことないお!?」
川 ゚ -゚)「まぁ落ち着け内藤くん。
モララー達に関しては大丈夫だ」
∧∧
(* ー )「コロスコロスコロスコロスコロスコロス………」フシューフシュー……
川;゚ -゚)「ちょっとこっちが大丈夫じゃないだけだからな」
( ;^ω^)「ちょwwwww笑うしかないwwww」
172
:
名無しさん
:2017/07/06(木) 19:56:52 ID:tliNMH/E0
なぜか知らんけど今まで恩を返すじゃなくて、仇を返すに脳内変換されてた
173
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/06(木) 19:57:35 ID:rDzwbcFM0
(;^^ω)「クー、先程は誤魔化されてしまったが、勝算はあるのか?」
川 ゚ -゚)「あぁ、負けない自信はあるぞ」
そう言ったクーは、1度ゆっくりと目を閉じ深呼吸をした。
川 - -)「……本当は、ドクオと二人きりの時に言いたかったな」
(;'A`)「クー? どうしたんだ?」
川 ゚ -゚)「なぁ、二人とも」
(;'A`)「なんだよ」
( ^ω^)「お? どうしたんだおクー?」
川 ゚ -゚)「ちょっと話したいことがあるんだが…」
(;'A`)「な、なんだよ。改まって…」
川 ゚ -゚)「大事な話だ」
(;'A`)「…お、おう」
川 ゚ -゚)「聞いてくれるか」
(;'A`)「ぅ、うん」
( ;^ω^)オロオロ
川 ゚ -゚)「実はな…」
174
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/06(木) 19:58:31 ID:rDzwbcFM0
川 ゚ -゚)「私は宇宙人なんだ」
(;^^ω)「アウトぉおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
確かにカミングアウトは大事なことだが、その流れのこのカミングアウトは流石にマズイだろ!!!!!
消されるぞ!?自分達が!!
\シニタクナイ…シニタクナイ…/
(;^^ω)o0(to be continue …)
175
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/06(木) 19:59:20 ID:rDzwbcFM0
.
176
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/06(木) 20:00:01 ID:rDzwbcFM0
昼食のパンをかじりつつ、読み終わった本をパタリと閉じた。
理不尽な理由で故郷から追い出された子供が、たどり着いた国で力を得て英雄になるまでの夢物語を綴った小説、第1巻。
なかなかに、悪くはなかった。
ちらりと廊下を見やれば、金髪の巻き毛の少女(上履きの学年カラーが青なのを見るに後輩だろう)が1-B担任の河内先生と何やら話している。
切羽詰まった表情から察するに校庭での騒ぎと何か関係があるのだろうか。
まぁ自分には関係のないことだ、と咀嚼していた最後のパンを飲み込み、軽く伸びをして立ち上がる。
クラスメイト達の賑やかな声を背に、本を図書室に返すために教室を出た。
第2巻以降も置いてあったら借りようかなぁ、などとゆっくりと思考しながら。
to be continue … ?
177
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/06(木) 20:03:30 ID:rDzwbcFM0
あれも書きたいこれも書きたいしていたらなんだかやたら長くなってしまった5話は以上です。ありがとうございました。
また次回もよろしくお願いします( ^^ω)ノシ
シニタクナイ……シニタクナイヨウ……
178
:
名無しさん
:2017/07/06(木) 21:19:52 ID:l3hJe65o0
オツ
179
:
名無しさん
:2017/07/06(木) 21:26:20 ID:xAMKITqY0
乙!
180
:
名無しさん
:2017/07/06(木) 21:49:13 ID:80qWK..20
乙ゥー!!
181
:
名無しさん
:2017/07/06(木) 23:13:16 ID:2usphgAk0
急展開!
182
:
名無しさん
:2017/07/07(金) 16:02:18 ID:9eGITn4.O
乙乙!
183
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/25(火) 17:18:24 ID:iNmnWlis0
(;'A`)「えっ……、クーが宇宙人?
なに言ってるんだ……?」
川 ゚ -゚)「まぁにわかには信じられん話だろうな」
だがホントのことなんだ、とため息混じりにそう呟くクー。
川 ゚ -゚)「宇宙から来た、地球人より高度な文明を持つ種族だからな。
当然こういうものだって持っている」
そう言うや否や、膝丈ほどある制服のスカートを捲り上げたクーは、その太腿から銃状の武器を2丁取り出した。
川 ゚ -゚)「ちなみに私の今日のパンツは水色の縞パンだ………まぁ聞いていないみたいだがな」
( ;ノωノ)アウアウ
(;ノAノ)ミテナイミテナイ
184
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/25(火) 17:20:00 ID:iNmnWlis0
川 ゚ -゚)「さて、私……スナオ星人の素直クールが相手では、役不足だろうか。
ハニャーン星人のしぃ」
∧∧
(*゚ー゚)「………上等」
∧∧
(*゚ー゚)「その勇気に免じて、やってやろうじゃないの!」
∧∧
(*^ー^)「今から泣いて命乞いをしても遅いんだからね!」
(;^^ω)「加勢するぞクー!」
そう叫んだ自分もマルタスニム砲の装填準備を行う。
川 ゚ -゚)「すまない、助かる」
( ^^ω)「なぁに、女1人に仕事を押し付けるのは、マルタスニム星人のプライドに関わるからな」
川 ゚ -゚)「………ありがとう、ホマちゃん」
( ^^ω)「さぁ、互いの生存を祈ろうか」
この地球を、互いの大切なものを、守るために。
185
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/25(火) 17:20:46 ID:iNmnWlis0
第6話『Latent』
.
186
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/25(火) 17:21:59 ID:iNmnWlis0
( ;ФωФ)「はぁ、はぁ」
時間は少し遡った頃。
VIP高校の校舎の廊下を、1人の男子生徒が走っていた。
全力、全身全霊で廊下を駆け抜けていた。
事態の異変に気がついたのはつい先程、予鈴のほんの5分前である。
( ;ФωФ)「不味いことになったであるな……」
後ろに流され、ワックスで乱雑に固められたダークブロンドの髪。
両目についた大きな傷と、その中から覗く鋭い眼光。
杉浦ロマネスク、地球年齢換算で17歳。
異種格闘技部(部員は彼しかいないが)部長、学年での成績は中の下。
これだけならば、ごく普通の男子高校生だ。
彼が、宇宙から来た地球外生命体であることを除けば。
187
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/25(火) 17:23:07 ID:iNmnWlis0
ロマネスク星人、名はスギウラ。
( ФωФ)「(先程階上から聞こえてきた轟音も気になるのである)」
( ;ФωФ)「(いやしかし、校庭の宇宙船の方が最優先か………ううむ)」
そんなことを考えながら廊下を駆け抜けるスギウラ。
考え事をしながら走っていた為に、
(,;^Д^)「はにゃー!!?」ドゴッ
( ФωФ)「あ」
図書室から本を抱えて出てきた男子生徒に、真っ正面から衝突してしまった。
簡単に説明すると、スギウラ達ロマネスク星人は戦闘種族だ。
戦闘種族と言っても、ハニャーン星人のように個人で戦うのではなく、仲間との連携をとった団体戦を得意とする種族である。
しかし個人での力も相当なもの。
そんな彼が、全速力で地球人に正面衝突したのなら、相手は只では済まない。
当然ぶつかられた男子生徒は、盛大にふっと
ばなかった。
188
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/25(火) 17:24:39 ID:iNmnWlis0
(,;^Д^)「いたたぁ……なんなんですかもう……」
踏み留まっていた。
突然の正面衝突に、一瞬よろめき抱えていた本を取り落としたが、それでも彼はそこに立っていた。
( ;ФωФ)「………」
やや癖のついた栗色の髪。
常に笑っているように見える細い目。
惚けたようにぽかりと開けられた口。
そして頬に貼られた絆創膏。
誰だったろうか。
たしか同じ2年A組のクラスメイトだったはずだが。
189
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/25(火) 17:25:45 ID:iNmnWlis0
(,,^Д^)「……あれ、杉浦くんじゃないですか。
どうしたんです?」
( ;ФωФ)「……誰であるか」
(,;^Д^)「あれ、もしかして名前覚えて貰えてないんですか!?」
えー!と、口元に手を当てオーバーリアクション気味に驚く目の前の男子生徒。
だが、覚えていないものは覚えていない。
なんとかして思いだそうと必死で記憶を探るスギウラ。
そんなスギウラを見て、男子生徒は自らの顔を指差しはっきりと名乗った。
σ(,;^Д^)「たからですよ!
杉浦くんと同じクラス、2年A組の埴輪たからです!」
190
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/25(火) 17:26:44 ID:iNmnWlis0
( ФωФ)「たから……」
その名前を聞いて、スギウラの記憶もだんだんはっきりとしてきた。
埴輪たから、2年A組のクラスメイト。
やや抜けているところもあるが、普段の笑顔と明るい性格から仲の良い友人も多い。
(,,^Д^)「……杉浦くん?」
先程の衝突に関しては非常に申し訳ないとは思っているが、自分の力に多少は対応出来るのなら、これは共に戦える仲間を作るチャンスではないだろうか。
そうと決まれば善は急げ。
もうあまり時間も残されていないのだから。
( ФωФ)「……なぁ埴輪」
(,,^Д^)「たからでいいのに……、なんでしょうか杉浦くん?」
191
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/25(火) 17:27:51 ID:iNmnWlis0
( ФωФ)「お主、宇宙人は信じるであるか?」
これは賭けだった。
共に戦えるなら万々歳。
信じてくれれば上々。
最悪のパターンは冗談だと思われた場合か。
どうか後者でありませんようにと心中穏やかでないスギウラの前で、ぽかんと立ち尽くしていたたからは、その口を開いた。
(,,^Д^)「えーと、信じてますよ?」
(,,^Д^)「だってボクも地球人じゃないですし」
( ФωФ)
( ФωФ)「ん?」
192
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/25(火) 17:28:42 ID:iNmnWlis0
【eye catch……】
銃状の武器
クーが持っていた宇宙製の簡易護身武器。
通称レーザーガン。
あくまでも護身用なので、殺傷能力は低い。
でも当たると痺れる。
【eye catch……】
193
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/25(火) 17:29:47 ID:iNmnWlis0
(,,^Д^)「ハニャーン星人なんです。ボクも」
協力を承諾しスギウラと並んで小走りをしていたたからは、そうぽつりと呟いた。
(,,^Д^)「でも、ハニャーン星人の中では弱くて落ちこぼれで……みんなにバカにされました」
(,,^Д^)「幼なじみはいつもそんなボクを庇ってくれて、鍛えようとしてくれたんですけど……」
(,,^Д^)「最終的には、星を追い出されちゃったんですよね」
衝撃の告白に、スギウラは思わずたからの顔を見た。
たからの表情は、普段のようににひゃらにひゃらとしていて、何を考えているのかはわからない。
194
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/25(火) 17:30:34 ID:iNmnWlis0
(,,^Д^)「その時ボクは中学生……あ、地球換算で中学生くらいで」
(,,^Д^)「この辺りにほぼ無傷で着陸できたのも奇跡でしたし、ボクに地球人の姿になることができる技術があったのも幸いでしたね」
(,,^Д^)「でも、食べ物も飲み物もなくて空腹で死にかけで」
(,,^Д^)「あのとき手を差し伸べてくれた優しい人がいなかったら、ボクは死んでたかもしれないですね」
( ;ФωФ)「………」
何を、言えば良いのだろうか。
曖昧に口を開けたり閉じたりしながら、少し首を捻った。
出そうとした言葉が廊下に霧散して消えていく。
何を言っても薄っぺらくなってしまうような気がして、スギウラには何も言うことが出来なかった。
195
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/25(火) 17:31:42 ID:iNmnWlis0
【eye catch……】
( ФωФ)
杉浦 ロマネスク(すぎうら ろまねすく)
VIP高校2-Aの生徒。
異種格闘技部部長で前年度大会で3位という華々しい成績を持っている。
その正体は地球で潜入捜査中のロマネスク星人という戦闘種族。
両目の傷は星にいたときに出来た名誉の負傷であり、『2-A第一印象と仲良くなった後で印象変わりまくりランキング』トップを獲得している。あんまり嬉しくない。
翻訳機を使わずとも日本語を話せているが、応用が苦手なので普段は「だ、である」口調。
【eye catch……】
196
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/25(火) 17:32:41 ID:iNmnWlis0
(;´・ω・`)「モララーくん酷いよ、いきなり屋上から飛び降りるなんて……」
( ・∀・)「あーうん、ごめんね。あはは」
(;´・ω・`)「もー……」
死ぬかと思った、と抗議するショボンに笑い返すモララー。
端から見れば仲の良い友人同士の会話のように見えるだろう。
( ・∀・)「ところで辺古……ショボンくんは武器って持ってるの?」
(´・ω・`)「一応チョップスティックはある程度持って来てるけど」
そう言い学生服の内側からバラバラとチョップスティックを取り出すショボン。
( ;・∀・)「い、意外と持ってきてるんだね……」
(´・ω・`)「そうかなぁ? 戦うって分かってたらもっと持ってきたのに……」
( ;・∀・)「(一体何本持ってるんだろう……)」
197
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/25(火) 17:34:01 ID:iNmnWlis0
(´・ω・`)「モララーくんは?」
何か持ってるの?と問われたモララーは、よくぞ聞いてくれたとばかりに学生服の内側から15センチ程の棒状のものを取り出した。
やたら学生服の内ポケットに物を収納したがる奴らである。
(´・ω・`)「それ、何?」
( ・∀・)「こうやって使うの」
そう言ったモララーがその物体をブンッ、と振るうとそこから赤く光るビームソードのようなものが展開した。
(´・ω・`)そ「わぁ」
( ・∀・)「宇宙大学宇宙工学部教授の友人に作ってもらったボク専用の武器だよ」
( ・∀・)「☆※△□★■☆▲◎って言うんだけど」
(´・ω・`)「へ?なんて?」
198
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/25(火) 17:35:16 ID:iNmnWlis0
( ・∀・)「あっ、そっか。地球では使われてない言語形態なんだった」
( ・∀・)「んーと、何て言えばいいのかなぁ。えーと、☆※△□が……で★■☆▲◎を………って訳すからぁ……」
(´・ω・`)「(あれ、その武器の形といい何か嫌な予感がするんだけど)」
( ・∀・)「『Nightmare』、かな!」
(;´・ω・`)「アウトだよ!!!!!!!!!!」
思わず叫ぶショボン。
当然の行動である。
(;´・ω・`)「そういう不意討ちやめて……」
( ・∀・)「??」
モララーの肩に手を乗せ呟くショボン。
わけが分からないと首をこてんと傾げるモララー。
イケメンなので妙に似合うのが腹立つなぁ、とショボンはふと思った。
199
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/25(火) 17:36:27 ID:iNmnWlis0
(;´・ω・`)「と、とにかく!あの宇宙船のところ行ってどうにかするんでしょ?」
( ・∀・)「あっ、そうだった。
まずはリーダー的な人探さなきゃ」
「その必要はいらんさ」
不意に後ろから聞こえてきた声に、同時に振り返るモララーとショボン。
そこに立っているのは1体のハニャーン星人。
発達した頭部の聴覚器官に、薄い青色をした毛並。
値踏みをするようにその爛々とした瞳を煌めかせ、『彼』はゆっくりと口を開いた。
∧∧
(,,゚Д゚)「殺すとは言わん。
最も、命の保証は出来かねんが」
∧∧
(,,゚Д゚)「邪魔するやつは問答無用で捩じ伏せる。
それが俺たちのやり方だからな」
200
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/25(火) 17:37:58 ID:iNmnWlis0
【eye catch……】
(,,^Д^)
埴輪 たから(はにわ たから)
VIP高校2年A組の生徒。
笑顔が特徴的でクラス男女問わず人気も高い。
頭もそこそこ良く、成績は中の上と上位層を行ったり来たり。
その正体はかつて故郷を追い出されたハニャーン星人。
無一文で地球にたどり着いた彼だが、彼自身のリアルラックが積み重なった結果現在も地球でなんの問題もなく暮らせている。
最近の悩みは自炊できる料理がパターン化してしまったこと。
【eye catch……】
201
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/25(火) 17:38:48 ID:iNmnWlis0
(;^^ω)「うぉおおおおおおお!!!!!!」
( ;^ω^)「おおおおおおおん!!!!!」
川;゚ -゚)「……っ!」
(;'A`)「うわぁああああああああああ!!」
∧∧
(*゚ー゚)「ほらほら!もう終わり?
もっとあたしを楽しませてみなさいよ!」
けらけらと笑いながら拳を振るうしぃ。
自分もクーも隙を見て、ご主人達を逃がそうとはしているのだが、しぃがうまい具合に邪魔をして思うように動くこともままならない。
川;゚ -゚)「……あっ!?」
しぃの拳に掠り、クーが右手に持っていた銃が吹き飛んだ。
飛ばされた銃はカラカラと屋上の床を滑ってクーの手の届かない所へ行ってしまう。
よそ見をしていたクーに蹴りを入れようとしたしぃだったが、自分がマルタスニム砲を放つ時間のほうが一瞬早く、しぃは舌打ちをしてそれを回避した。
202
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/25(火) 17:39:39 ID:iNmnWlis0
(;^^ω)「くっ……」
マルタスニム砲の威力は申し分がないのだが、いかんせん高度が足りない。
自分で浮くには空気抵抗の調整が必要なので、浮いたままだと狙ったところにマルタスニム砲が撃てないのだ。
( ;^ω^)「ホマちゃんっ!」
(;^^ω)「!!」
突如身体に襲いかかる浮遊感。
何が起きたのかと辺りを見渡せば、自分の身体の下にご主人の頭髪が見えた。
( ;^ω^)「これで、避けやすくなったお!」
( ^^ω)「ご主人……」
どうやら床の上からマルタスニム砲を放つ自分を見かねてご主人は、自分の代わりに避けに徹しようとしているらしい。
203
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/25(火) 17:40:39 ID:iNmnWlis0
勿論逃げる隙を探すよりも、怪我をしてしまうリスクは高くなる。
そのリスクを鑑みてもご主人は、自分の為にその身を張ってくれたのだ。
ならば自分もその身を持って答えるのが当然であろう。
( ^^ω)「やるか」
そう自分に言い聞かせ、マルタスニム砲を再び装填する。
∧∧
(*゚ー゚)「今更仲間が増えたって……」
∧∧
(*゚ー゚)「!?」
204
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/25(火) 17:41:11 ID:iNmnWlis0
ご主人の行動を見ても尚、余裕綽々の笑みを浮かべていたしぃの表情がぴたりと固まる。
しぃの頬を掠めたレーザー弾が空に消えるのが視界に映った。
その発射地点に立っていたのは。
(;'A`)「……」
軽い反動に驚き口元を引きつらせながらも、先程クーの取り落としたレーザー銃を構え堂々と立つ我がご主人のクラスメイト。
鬱田ドクオであった。
( ^^ω)o0(to be continue ……ッ)
205
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/07/25(火) 17:42:19 ID:iNmnWlis0
ホントはもっとギャグチックにバトルするつもりが、どいつもこいつも本格的に殴りあってて書いてる私が泣きそう。
でもこういう真面目な話は次回で終わりなので頑張りたいと思います。
番外編的なのもその内やりたいなぁとか。
次回もよろしくお願いいたします。
( ^^ω)ノシ
206
:
名無しさん
:2017/07/25(火) 17:44:08 ID:UMlYcdOc0
この学校宇宙人多すぎだろ!
207
:
名無しさん
:2017/07/25(火) 17:55:29 ID:nU0V7g/20
割合で言うと地球人の方が少ないかもしれない
208
:
名無しさん
:2017/07/25(火) 18:14:08 ID:UMlYcdOc0
宇宙人一人見かけたら三十人居ると思わなければ駄目だな
209
:
名無しさん
:2017/07/25(火) 18:24:06 ID:KQG2nj1c0
ドクオー!!
乙
210
:
名無しさん
:2017/07/25(火) 18:53:25 ID:AZ5R9daM0
乙!
211
:
名無しさん
:2017/07/26(水) 17:02:04 ID:zykfu2ZUO
乙です
④
212
:
名無しさん
:2017/07/30(日) 19:42:56 ID:/XXAl35M0
乙乙
は瀬川はホイミスライムみたいなイメージで読んでた
213
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/09/19(火) 09:07:02 ID:5xN5Q7S60
屋上に吹く風が一瞬止んだ。
刹那、ドクオの手に収まった銃が再び火を吹く。
∧∧
(;*゚ー゚)「ッ!!!」
的確に急所を狙った一発。
しぃは地を転がりそれを回避した。
('A`)「んー……まだ慣れねぇな……」
そう呟き再び銃を構え直すドクオ。
(;^^ω)「た、確かジャパンではUSAと違って銃を持てないんじゃなかったか?」
川 ゚ -゚)「ドクオは重度の廃ゲーマーなんだ。本人は隠しているがな。
特に得意なのはシューティングゲームとアクションゲームらしい。
まぁ、ここまで適応が早いとは思ってなかったが」
自分の呟きに、クーが独り言のようにぼそりと答えた。
いや、ちょっと待て。
クーは本人が隠しているらしいその情報を、一体どこで手に入れたんだ。
214
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/09/19(火) 09:07:49 ID:5xN5Q7S60
∧∧
(*゚ー゚)「ふんっ!なかなかやるみたいだけど!」
∧∧
(*゚ー゚)「その程度であたしを倒せると思ったら大間違いよ!!」
その言葉と同時にしぃは地を蹴った。
川;゚ -゚)「ドクオっ!?」
多少の技術はあれど、ドクオはただの地球人。
咄嗟に彼女の進行方向に飛び出したクーを、
∧∧
(*゚ー゚)「邪魔よ!」
川; - )「あぐっ!?」
思いっきり蹴り飛ばし。
(;'A`)「クー!?」
∧∧
(*゚ー゚)「次はあんた!」
再びドクオに向かって走り出す。
クーの負傷に一瞬焦りを見せたドクオだったが、ぎゅっと唇を固く結び顔を上げた。
そして真っ正面から向かい来るしぃに向かって、銃を構え――――――――――――――
215
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/09/19(火) 09:08:51 ID:5xN5Q7S60
<( *・∀・)ノ「番外編やるよっ!!!!!!!!!!」ドンッッッ!!!!!!!!
(;^^ω)「な、何ーーーーー!!!!!!!!!!」
川;゚ -゚)「こ、これは……?
さっきまで読んでいた第7話は?」
( ・∀・)「なんでもバトルシーン書くのに疲れたんだってさ」
(;^^ω)「誰だか知らんが無責任の極みだな……」
川;゚ -゚)「ど、ドクオのカッコイイとこが……」
( ・∀・)「それにぶっちゃけ紅白にかまけてたせいで7話の進行は0に等しいらしいし!」
( ^^ω)「8割方そのせいでこんなことになってるんじゃないか」
( ・∀・)「という訳でお題募集しちゃうよ!!
3つくらい貰った所で締め切ろうかな!!」
川 ゚ -゚)「なんという丸投げ感……」
( ^^ω)「まぁ、7話の投下までの息抜きだと思ってくれれば良いんじゃないか?
最近真面目な話しかしていなかったからな」
( *>∀<)「みんなどしどしお題だしてね〜〜!!」
(;^^ω)「ど、どしどし来られても困るだろ……」
216
:
名無しさん
:2017/09/19(火) 09:17:50 ID:QVcMPpx20
お題:紅白
217
:
名無しさん
:2017/09/19(火) 09:18:27 ID:QVcMPpx20
お久しぶりですね!
何書いたん?
218
:
名無しさん
:2017/09/19(火) 09:23:55 ID:ylwK2YaI0
紅白乙
お題:みんなの休日
219
:
名無しさん
:2017/09/19(火) 10:08:44 ID:JfwgQXr60
お題庭
220
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/09/19(火) 10:29:53 ID:bi831bDY0
番外編その1【紅白】
('A`)「モララーくん、これ日本のお菓子なんだ。
紅白まんじゅうってやつなんだけど」
( ・∀・)「何これめっちゃ美味しい」ムシャア
(;´・ω・`)「それお祝い事で食べるやつじゃないの? 大丈夫なの?」
('A`)「なんか父さんが会社でめっちゃ貰ってきたらしくてさ」
('A`)「正直……毎日食うと飽きるよな……あんこって……」
(;´・ω・`)「……僕も食べようかな」イッコチョウダイ
('A`)「うん……」ポン
( ^ω^)「めっちゃ美味しいお」ムシャアアアアア
(;´・ω・`)「にっ…人間バキュームカー!?」
('A`)「なんか最初からこいつに食わせておけばよかったような気がしてきた」
川 ゚ -゚)「ドクオ、私も食べたい」
('A`)「あぁ、食う? はい」ポン
川*゚ -゚)「(ドクオから直接手渡された饅頭……大事に食べよう……)」
( ^^ω)「(何故だろう……手に取るように
クーの考えている事がわかる……)」
ξ゚⊿゚)ξ「ブーン、あんまり食べ過ぎると夕飯食べれなくなるわよ?」
( ;^ω^)「はうっ!それは困るお!
今日の夕飯はママお得意のからあげなんだお!」
( ^ω^)「ドクオ!夕飯のあとに食べるからまんじゅうちょうだいお!」
(;'A`)ノ「まだ食うんかい!」タスッ!
( ;´・ω・)「お、お後がよろしいようで…?」
( ・∀・)「(ボクも欲しいって言ったら怒られるかな……)」
番外編その1終わり
221
:
名無しさん
:2017/09/19(火) 10:47:30 ID:yRPqeeIg0
ひさびさに来てる
お題:お前を浪人生にしてやろうか
222
:
名無しさん
:2017/09/19(火) 11:12:15 ID:ygfYPjBM0
お題:( ^ω^)がトイレでおんを返すようです
223
:
名無しさん
:2017/09/19(火) 21:22:31 ID:.dxTbVsM0
五つ消化イケルー?
224
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/09/20(水) 19:09:16 ID:J/3XnhjA0
番外編その2【みんなの休日】
〜ブーンの場合〜
( ^ω^)「日曜日だお!!休みの日だお!!」
( ^^ω)「そうか、そういえばご主人は月曜提出の課題はやったのか?」
( ^ω^)「課題あるけど休みだしとりあえず寝るお!!!」
(;^^ω)「ご主人!?」
( ^ω^)「ZZZZZZ……」
ー夜ー
( ;ω;)「おーん!おーん!課題が終わんないお〜〜〜!!!」
川#^ω^)「昼間のうちにやっておきなさいってママ言ったわよ!」
( ;ω;)「おおん……」
(;^^ω)「内藤家毎週の恒例行事だな、もはや……」
225
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/09/20(水) 19:13:17 ID:J/3XnhjA0
〜ツンの場合〜
ζ(゚ー゚*ζ「ツンちゃんツンちゃ〜ん!パパと3人でお買い物行きましょ!」
ξ゚⊿゚)ξ「うん!ねぇママ、新しいパジャマ買ってもいい?」
ζ(^ー^*ζ「そうね、そろそろ替え時だと思うしかまわないわ」
ξ*゚⊿゚)ξ「やった!」
(( ( "ゞ)「二人とも準備できたかい?」
ξ゚⊿゚)ξ「大丈夫!」
ζ(゚ー゚*ζ「ええ!」
( "ゞ)「それじゃあ、行こうか」
226
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/09/20(水) 19:14:52 ID:J/3XnhjA0
ーショッピングモールー
ξ*゚⊿゚)ξ「ありがとうパパ! ちょっと高かったけどいいの?」
( "ゞ)「いいんだよ、ツンには良く似合うと思うしね」
ζ(゚ー゚*ζ「えぇ、せっかくツンちゃんが可愛いパジャマを買ったのだし
来週久しぶりにパジャマパーティーでもしましょうか!」
( "ゞ)「おぉ、そりゃあいいな。一緒に映画のDVDでも観ようか」
ξ*゚⊿゚)ξ「わぁい、やったー!」
ζ(゚ー゚*ζ「それじゃあ、フードコートでご飯食べて帰りましょうか」
ξ゚⊿゚)ξ「うん!私とんこつラーメン食べたいな」
ζ(゚ー゚*ζ「じゃあママは牛丼でも食べようかな〜」
( "ゞ)「じゃあパパはホットサンドでも食べようかな」
ノパ⊿゚)「(たまに見ると思うけど、津出んちは父親の女子力が振り切れてるよなぁ……)」←普段からここに買い物に来ているヒート先生
227
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/09/20(水) 19:43:15 ID:J/3XnhjA0
〜ショボン&ドクオの場合〜
((( ´■ω■)).o゚:゚○ウィイイイイイイイン
( ´■ω■)
((( ´■ω■)).o゚:゚○ウィイイイイイイイン
⌒*リ´・-・リ「ショボ、ドクオくんが遊びに来てる」ガチャッ
(´■ω■)「んぇ?」
(・ω・` )っ■■「わかったぁ、ドクオに部屋かたすから待っててって言っといて」カシャッ
⌒*リ´・-・リ「あいよ」
(´・ω・`)「んー……」
(っ´・ω・`)「とりあえず適当にカバー掛けて寄せとくか」ファサッ
228
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/09/20(水) 19:44:23 ID:J/3XnhjA0
('A`)「よぉ」
(´・ω・`)「どしたん」
('A`)「家でパズドラやってゴロゴロしてたらかーちゃんに叩き出された」
(´・ω・`)「ぽいわぁ」
('A`)「ゲーセン行かね?」
(´・ω・`)「そういうとこだぞ、そういうとこ」
(;'A`)「冗談だよ、正直言うと明日提出の課題終わってねぇんだ……」
(;´・ω・`)「え、マジ?」
(;'A`)「うん……なんか最後のやつがわかんなくって……」
( ;´-ω-`)「マジかぁ……」
( ;´-ω-`)「……しょーがないなぁ、今回だけだぞ」
(*'A`)「やたっ!やっぱ持つべきもんは頭の良い幼なじみだよなっ!」
(´・ω・`)「(これがクーにも言えるようになればなぁ……)」
( ´-ω-`)「(……ま、頑張りますか)」
('A`)「ん? このカバー何?」
(;´・ω・`)「あぁ!えーと、散らかってたやつまとめただけだから見ちゃダメ!」
('A`)「ふーん、お前も部屋散らかしたりするんだな……」
(´・ω・`)「そりゃあね。で? どこがわかんないの?」
('A`)「あ、えーとな。最後のこの表のやつの……」
229
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/09/20(水) 20:26:05 ID:J/3XnhjA0
〜クーの場合〜
川 ゚ -゚)ロ「ううん……」
川;゚ -゚)ロ「うううん……」
川;゚ -゚)ロ「『来週空いてる?』……軽すぎるか?」
川;゚ -゚)ロ「『来週、よろしければ二人で遊びに行きませんか』
……距離が近すぎる気がする」
川;゚ -゚)ロ「『ちょっといいかな?』……ワンクッションは要らないか?」
川;゚ -゚)ロ「あぁ〜〜……どうしたらいいんだろう……」
川;゚ -゚)「夏休み、夏休みまでには絶対誘うんだ……」ロ
川ロ゚ -゚)σ「……」カレンダーチラリ
川 ゚ -゚)ロ「来週も、頑張ろ」
川*゚ -゚)ロ「うん……そうじゃなきゃ、何のために飛び級して、
大学出て、日本来たのかわからないもんな」
川*゚ -゚)ロ「うん……」
230
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/09/20(水) 20:27:13 ID:J/3XnhjA0
〜モララーの場合〜
ー宇宙大学、とあるゼミにてー
(※地球言語に訳してお送りしています)
ヽiリ,,゚ヮ゚ノi「モっララー先生!モっララー先生!」トットット
( ;・∀・)「はーいはい!なんでっしょ!スパムちゃん!」
ヽiリ,,゚ヮ゚ノi「ここやってみたけど自信無いんで添削してくーださい!」
( ・∀・)「あー、ハイハイ……ここ3行目の☆○□■●は
▲*▼じゃなくて*●▲のほうが意図に沿うんじゃないかな」
ヽiリ,,゚ヮ゚ノi「おぉ、なるへそ!確かにそっちのほうが良さげかも!ありがと先生!」
( l v l)「せんせ……」トコトコ
( ・∀・)「はーいなんでしょムネオくん!」
( l v l) 「ユキイチゴ理事長が、職員会議開くって……。
さっきアサピーせんせが引きずられてった……」
( ;・∀・)「うぇええ!!? どーせまた理系の方がなんかやらかしたんでしょー!?」
( ;・∀・)「まだこっちも文献用の資料とか全然終わってないのにぃ!」
231
:
◆vBGK6VSBWM
:2017/09/20(水) 20:28:07 ID:J/3XnhjA0
l( ;・∀・)「もー!文系はいっつも理系の尻拭いなんだから!」
li イ( ;・∀・)「ボクしーらない!」
( ;l v l) 「あの……せんせ……」
li イ ゚( ;・∀・)「いいもん!今日はボイコットだバーーーカ!!」
( ;l v l) 「うしろ……」
li イ ゚ -゚ノl|( ・∀・)「え?後ろが何だって?」
li イ ゚ -゚ノl|Σ( ∀ )「アフン」
⊂彡パァンッ
li イ ゚ -゚ノl|「学習中にすまないね生徒諸君。アホ教授一人、連れていくわ」ズルズル
ヽiリ,,゚ヮ゚ノi「はぁーい!」
( ;l v l) 「はぁい……」
ヽiリ,,゚ヮ゚ノi「ユキイチゴ理事長はいつも『シンシュツキボツ』ねー」
( l v l) 「スパムそれ、『アース』のやつ……?」
ヽiリ,,゚ヮ゚ノi「うん! モララー先生がよく使うから覚えちった!」
ヽiリ,,゚ヮ゚ノi「あとムっちぃ、これ先生がゼミの皆で食べてってくれたやつ!
先輩たちはもう食べてたからうちらも食ーべよ!」
( *l v l) 「ん……!食べる……!」
番外編その2 終わり
232
:
名無しさん
:2017/09/20(水) 21:52:16 ID:Jqe9.2v60
>((( ´■ω■)).o゚:゚○ウィイイイイイイイン
ショボン家の機械は謎だ……
233
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/03/14(木) 23:01:42 ID:wAWsUSe.0
ξ;゚⊿゚)ξ「ふぅ、なんとか全校生徒に連絡が回ったみたいね……」
あっちこっちを走り回っていたらいつの間にか昇降口に着いていたらしい。
額に滲んだ汗を拭いツンはふぅ、と息を吐いた。
ξ゚⊿゚)ξ「私も体育館に行かないと……」
そう言い、体育館に向かって方向を変えるツン。
そんな彼女の背後に1つの影が迫っていた。
234
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/03/14(木) 23:02:22 ID:wAWsUSe.0
∧∧
ミ,,゚Д゚彡「地球人だから! 覚悟するんだから!」
彼の名前はフサ。
ハニャーン星人であり、しぃの幼なじみだ。
ξ;゚⊿゚)ξ「き、きゃぁああああ!!!」
そんなことは知らないツンだが、背後から発された謎の鳴き声は敵意を帯びており、
平和ボケした女子高生の頭でもマズい状況だというのは理解できた。
ふと、ツンの頭の中に母の声が流れてきた。
235
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/03/14(木) 23:03:00 ID:wAWsUSe.0
ζ(゚ー゚*ζ『いーいツンちゃん? ツンちゃんは可愛いからきっとたっくさんの男に狙われちゃうと思うの』
ξ゚⊿゚)ξ『少し大袈裟じゃない?』
ζ(゚ー゚*ζ『だからツンちゃんがいざというときに自分の身を守れるようにおかーさんが色々教えてあげるね』
ξ゚⊿゚)ξ『まぁ、ママがそこまで言うなら……』
ζ(゚ー゚*ζ『それにね……』
ξ゚⊿゚)ξ『?』
ζ(゚ー゚*ζ『仲良しなブーンくんのこと、守りたいでしょ?』
ξ゚⊿゚)ξ『!!』
そうだ、ここで倒れてちゃあ私はブーンどころか
自分の身すら守れないような情けない女になっちゃう。
236
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/03/14(木) 23:03:39 ID:wAWsUSe.0
ζ(゚ー゚*ζ『まずはしっかり足を踏ん張るの。そうじゃないと決定打は出ないからね』
咄嗟に振り返ったツンは、その勢いで足を少し後ろに引いた。
ζ(^ー^*ζ『そんでもって、拳握ってしっかり相手のド真ん中をブン殴る!』
ζ(゚、゚*ζ『あ、親指は握り込んでたらダメよ? 勢いで骨が折れちゃうから』
そして、
ξ# ⊿ )ξ「あっち行けぇ!!!!!!!!!」ドスッ
∧∧
ミ,; Д 彡 ∴「コパァッ!!!??」
全力を込めて、相手の腹をブン殴った。
思い切り壁に激突しズルリ、と崩れ落ちるフサ。
237
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/03/14(木) 23:04:10 ID:wAWsUSe.0
ξ ⊿ )ξ「フー、フー………」
ξ;゚⊿゚)ξ「はっ!? おもいっきり殴り過ぎちゃった!?」
ξ;゚⊿゚)ξ「で、でも襲ってきた方が悪いんだもんね! しょうがないわよね!
私も早く体育館に行かないと怒られちゃうし……!」
そう自分に言い訳をしながらツンは再びくるりと方向転換をし、
体育館に向かってとっとっと、と走って行った。
後に残されたフサは、
∧∧
::ミ,,;Д;彡::「うぅ〜……地球人怖い……金髪ドリル怖いんだからぁ〜……!」ガタガタブルブル
じんじん痛む腹を抱えて、静かに泣いた。
238
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/03/14(木) 23:04:34 ID:wAWsUSe.0
第7話『Blow』
.
239
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/03/14(木) 23:05:39 ID:wAWsUSe.0
(;´・ω・`)「な、何あれ〜〜〜!!!」ダダダ
( ;・∀・)「知らないよぉ〜〜〜〜〜!!!!」ドドド
一方その頃、モララーとショボンは。
∧∧
(#,,゚Д゚)「待てやゴラァ!!逃げんじゃねぇ!!」ドドドドド
( ;・∀・) 「待てと言われて待つバカは
いないんだよなぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!」ダダダ
完全に戦闘モードに入ったハニャーン星人に追い回されていた。
(;´・ω・`)「んっ……もう!」
振り向き様に手に隠し持っていたチョップスティックを放つショボン。
あっさり避けられるものの、少しハニャーン星人の体制が崩れた。
240
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/03/14(木) 23:06:02 ID:wAWsUSe.0
( ;・∀・)「い、今だーー!!!!!!」
( ω `; )「ぐぇ」
瞬間、モララーはショボンの学ランの襟を引っ掴んで一気にその場から離脱した。
∧∧
(#,,゚Д゚)「あっ!待てゴラァ!!」
( ;・∀・)「待たない!!!!!!」
( ω `; )「も……ららー、く……ん……しま、くび、締まって……ぐぇえ」
ショボンの息絶え絶えのか細い抗議は、必死に走るモララーの耳には入らなかったようだ。
心なしか小柄な彼の足は地面から離れて、微かに浮いていた。
241
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/03/14(木) 23:06:49 ID:wAWsUSe.0
【eye catch ……】
( ー )「は〜……」
( ー )「全く……所長は人使いが荒いヨ……」
∧∧
::ミ,,;Д;彡:: メソ…メソ…
( ; ー )そ
( ; ー )「えっハニャーン星人?!大丈夫?!」
( ; ー )「つかナニこれ?地球人ってこんなハイパーパワー秘めてたの?」
( ; ー )「こりゃあ所長とタメ張れてもおかしかねーかもわからんヨ……」
【eye catch ……】
242
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/03/14(木) 23:07:25 ID:wAWsUSe.0
(,,^Д^)「杉浦くん、いいですか?」
( ФωФ)「む? なんであるか?」
(,,^Д^)「このまま二人でいても、効率が悪いと思うんです」
(,,^Д^)「だから……」
(,,^Д^)「一旦、二手に別れましょう」
243
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/03/14(木) 23:08:24 ID:wAWsUSe.0
という訳で、
たからは校庭に立っていた。
屋上の方からドカンバコンパシュンパァンペペペペペみたいな音が
聞こえる気もするが、多分気のせいだろうとたからは結論付けた。
(,;^Д^)「うわ……いっぱいいる……」
( ゚々。) <イシャハドコデスカ
●( ゚々。))) <モグモグ
目にはいるのは、校庭をうろうろと歩き回っているハニャーン星人たち。
なんか食ってるやつとか寝てる奴とかもいるが、とりあえず見ないことにしておいた。
(,,^Д^)「でもこれくらいなら……」
たからは呟く。
呟きながら左手を空へ翳す。
(,,-Д-)「■■──」
口に出した言葉は、この星の外のもの。
瞬間、たからの左手に一冊の本が顕現する。
244
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/03/14(木) 23:09:03 ID:wAWsUSe.0
(,,^Д^)「落ちこぼれなボクだったけど……」
柔らかい風が吹き、本のページがぱらぱらと捲れる。
(,,^Д^)「ボクを救ってくれたこの街のために……
ボクはできることがしたいんです」
誰に聞かれることもなく、風に流された独り言。
(,,^Д^)「★★★★───」
声をあげた。
本が輝き、閃光が迸る。
その光は瞬く間に校庭を包み、そして弾けた。
(,,^Д^)「……ふぅ」
光が弾けた後に残るのは、凄惨な光景……
ではなく。
( ゚々。) <グーグー
( ゚々。) <スヤスヤ…
校庭に倒れて眠るハニャーン星人たちの姿。
245
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/03/14(木) 23:09:43 ID:wAWsUSe.0
(,,^Д^)「相手を強制的に睡眠状態にする宇宙的魔術の一つです。
……まぁ皆寝てるので聞こえないと思いますけど」
(,,^Д^)「……杉浦くん、大丈夫かなぁ」
あっという間の決着の実感が沸かず、
ぼんやりと呟いたたからの背後から。
(( ( ´ー`)ヒョコ「あ、こっちは決着ついたかヨ?
じゃあちょっくら事情聴取お願いしてもいいかなぁ?」
(,,;^Д^)そ
(,,;^Д^)「あ、貴方……その腕章は……」
( ´ー`)「そそ、『宇宙警察』の者ですヨー。
あ、一応手帳もあるけど見る?」
青い腕章を付けた一人の宇宙人が、ひょこりと顔を覗かせたのであった。
246
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/03/14(木) 23:10:11 ID:wAWsUSe.0
【eye catch……】
宇宙的魔術
埴輪たからの使用した素粒子操作技術の一つ。
宇宙の原子法則において、言語には『コトダマ』と呼ばれる一定のエネルギーが存在することが確認されている。
これを利用した素粒子操作技術が宇宙技術の確立前の大昔から存在していたと言われている。
これが『宇宙的魔術』である。
特殊な発音が必要になるため、一部の宇宙の種族の者しか使えないことがその稀少性を大きくしているようだ。
【eye catch……】
247
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/03/14(木) 23:11:26 ID:wAWsUSe.0
屋上に吹く風が一瞬止んだ。
刹那、ドクオの手に収まった銃が再び電撃を放つ。
∧∧
(;*゚ー゚)「ッ!!!」
的確に急所を狙った一発。
しぃは地を転がりそれを回避した。
('A`)「んー……まだ慣れねぇな……」
そう呟き再び銃を構え直すドクオ。
(;^^ω)「た、確かジャパンではUSAと違って銃を持てないんじゃなかったか?」
川 ゚ -゚)「実はドクオは重度の廃ゲーマーなんだ。本人は隠しているが、な。
特に得意なのはシューティングゲームとアクションゲームらしい。
まぁ、ここまで適応が早いとは思ってなかったのだが」
自分の呟きに、クーが独り言のようにぼそりと答えた。
いや、ちょっと待て。
クーは本人が隠しているらしいその情報を、一体どこで手に入れたんだ。
248
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/03/14(木) 23:12:05 ID:wAWsUSe.0
∧∧
(*゚ー゚)「ふん!なかなかやるみたいだけど!」
∧∧
(*゚ー゚)「その程度であたしを倒せると思ったら大間違いよ!!」
その言葉と同時にしぃは地を蹴った。
川;゚ -゚)「ドクオっ!?」
多少の技術はあれど、ドクオはただの地球人。
咄嗟に彼女の進行方向に飛び出したクーを、
∧∧
(*゚ー゚)「邪魔よ!」
川; - )「あぐっ!?」
思いっきり蹴り飛ばし。
(;'A`)「クー!?」
(;^^ω)「…ッ! マズイ!」
∧∧
(*゚ー゚)「次はあんた!」
再びドクオに向かって走り出す。
クーの負傷に一瞬焦りを見せたドクオだったが、ぎゅっと唇を固く結び顔を上げた。
そして真っ正面から向かい来るしぃに向かって、銃を構え――――――――――――――
249
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/03/14(木) 23:12:55 ID:wAWsUSe.0
Σ=( #ФωФ)「させるかオラーーーーーーッ!!!!!!!」ドカーーーッ!!!!
∧∧
(;*゚ー゚)そ「ほぎゃーーー?!」
しかし、それは屋上の扉から飛び込んで来た突然の乱入者によって阻止されることとなる。
∧∧
(;*゚ー゚)「こ、このあたしを蹴り飛ばすとは……
あんた一体何者?!」
( ФωФ)「ふむ、聞かれたならば答えよう」
ご主人達を護るようにしぃの前に立ち塞がった、両目に傷を持った男子高校生は
彼女をその目に見据えて淡々と告げる。
( ФωФ)「我輩の名はスギウラ、杉浦ロマネスク」
( ФωФ)「しがない高校2年生なんぞをやっている……」
( ФωФ)「……宇宙人だ」
( ;^ω^)「!!」
(;^^ω)「!!」
ま、また新たな宇宙人だとぅ……?!
川;゚ -゚)「ロマネスク……。まさか貴方!」
( ФωФ)「察しの通りだ、スナオ星人の少女よ。宇宙の間ではロマネスク星人の名で通っているのである」
∧∧
(;*゚ー゚)「……」
250
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/03/14(木) 23:13:47 ID:wAWsUSe.0
( ;^ω^)「ね、ねぇホマちゃん……。ぼく全然話が掴めないお……」
(;^^ω)「……うむ」
奇遇だな、ご主人。
実は、自分も。
( ФωФ)「大人しく両手を挙げ投降せよ、ハニャーン星人。
同じ闘いを美徳とする種族と言えど、手荒な真似はしたくないのである」
∧∧
(;*゚ー゚)「う、うるさいわね!あたしはハニャーン星人なのよ!
あっさり投降なんて、戦闘種族の名に泥を塗るようなことできるもんですか!」
( +ω+)「……そうか」
( ФωФ)「ならば、実力行使といくのである」スゥ…
∧∧
(;*゚ー゚)「あ、え?」
そして彼女は。
同じ戦闘種族の前に、圧倒的な力の差を知ったのであった。
251
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/03/14(木) 23:14:17 ID:wAWsUSe.0
【eye catch ……】
Nightmare (ナイトメア)
モララーの所持している赤く光るビームサーベル状の武器。
なんかどこかで見たことある気もするけど多分気のせい。
気のせいったら気のせい。
【eye catch ……】
252
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/03/14(木) 23:14:54 ID:wAWsUSe.0
一方その頃、モララーとショボンは。
(;´・ω・`)「も、モララーくん。これからどうするの?」
( ;・∀・)「どうするもこうするも! 時間を稼ぐしかないじゃないか!」
件のハニャーン星人から逃れ、校舎裏を駆け抜けて、裏庭の茂みに隠れていた。
∧∧
(( (,,゚Д゚) テコテコ「どこ行きやがった……」
(;´・ω・`)「殺気が無きゃ可愛いもんなのに……」ヒソヒソ
( ;・∀・)「えぇそうかい……?地球人の感性はどうにも独特なのだねぇ……?」ヒソヒソ
茂みに隠れる二人に気づいているのか、いないのか。
ハニャーン星人はあからさまな声で独り言を言う。
∧∧
(,,゚Д゚)「まさかホントに逃げちまったのか?」
∧∧
(,,゚Д゚)「こうもあっさり逃げるなんて、随分臆病な奴とみたぜ?」
( ;・∀・)「ショボンくん、これ挑発だ。のっちゃあダメだよ……?」
(;´・ω・`)「うぅ、わかってる。わかってるけど…」
253
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/03/14(木) 23:15:37 ID:wAWsUSe.0
∧∧
(,,゚Д゚)「返事もねぇってこたぁ本当に逃げやがったのか。
なぁんだ、随分ちいせぇ奴等だな!」
ダッΣ=(#´゚ω゚`) ⊃ 「だぁ〜〜れがチビだってぇ!?
ンだテメェコラやんのかオラッ!!!!!!!」
( ;・∀・)そ「あっさり挑発乗っちゃったーーーー!!!!!!!
身長の話じゃないのにぃー!!」
∧∧
(,,゚Д゚)「ハハハ! まさか本当に出てきてくれるとはな! アースの奴はすごいって言うのは噂だけの話だったか!」
( ;・∀・)「……?」
違和感があった。
モララーは少し首を捻ったが、ハニャーン星人のつけている翻訳機の
アップデートが遅れているだけだろうと結論付けて、より息を潜める。
( ・∀・)「(落ち着けモララー=ライラック……。ボクはボクに出来ることを探すんだ……)」
そしてモララーは思考に移る。
254
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/03/14(木) 23:16:27 ID:wAWsUSe.0
先程、ハニャーン星人の挑発に乗ったように飛び出していったショボンだが、
(´・ω・`)「(牽制用に4割、後は全部囮に回そう)」
(´・ω・`)「(本命のこいつだけは、絶対当てる)」
実のところ、彼はいたって冷静であった。
(´・ω・`)「ふっ!」ブンッ
∧∧
(,,゚Д゚)「投擲武器か! オレたち相手には良い判断だぜ地球人!」
(´・ω・`)「そうかい!お褒め頂き光栄だよ!」
叫ぶ。
叫びながら、学生服から新たなチョップスティックを複数取り出し投擲する。
∧∧
(,,゚Д゚)「おもしれぇ!手数で勝負ってことか!」
(;´・ω・`)「(うわ、はやっ…)」
出来るだけ隙を作らないようにと未だにややぶかぶかの学生服をはためかせ、
距離を取ろうとするショボンだったが
∧∧
(,,゚Д゚)「オイオイ、これで終わりかよ?
随分あっさり決着が付きそうだぜ?」
(;´・ω・`)「(マズっ…)」
チョップスティックの途切れた一瞬の隙を付いた
ハニャーン星人がショボンに向かって走る。
その瞬間、
茂みから飛び出した影があった。
255
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/03/14(木) 23:16:55 ID:wAWsUSe.0
∧∧
( ;・∀・)「と、とりゃーっ!」ブゥンッ
∧∧
(,,;゚Д゚)そ「なっ…? モララー星人!?なんでこんなとこに…!?」サッ
ショボンがハニャーン星人と乱闘を繰り広げている間に
地球人の擬態を解いていたモララーは、手に持った赤いビームソードを思い切り振るった。
奇襲であれど、相手は宇宙きっての戦闘種族。
当然避ける。
けど、それでよかった。
ハニャーン星人は、一瞬ショボンから気を逸らした。
∧∧
( ;・∀・)「ハァ…ハァ…、ショボンくん!!」
(;´・ω・`)「……!」
一瞬、目が合った。
つい先日、友人として始まったばかりで、まだお互いのことなんて太陽系の
惑星の数ほども知らないショボンとモララーであったが、この時。
この時だけは、互いの考えが綺麗に噛み合った。
前を向く。
ハニャーン星人はまだそこにいる。
256
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/03/14(木) 23:17:32 ID:wAWsUSe.0
∧∧
(,,;゚Д゚)「ちっ……」
学生服の内ポケットから、最後のチョップスティックを引き抜きながら
ショボンはわずかにモララーの方を向いた。
(´・ω・`)「助けてくれて、ありがとね」
∧∧
( ・∀・)
∧∧
( *^∀^)
(#´・ω・`)「うりゃっ!」ブンッ!
投擲した。
武装は宇宙レベルだとしても、辺古海ショボンは普通の男子高校生であったが。
それでも。
届いた。と二人は確信した。
257
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/03/14(木) 23:18:21 ID:wAWsUSe.0
∧∧
バチ::(,,; Д )::バチッ!「うがぁああ!? なんだよコレ!!」
(´・ω・`)「秘密兵器。電気銃を応用しただけだよ」
(*´-ω-`)「まぁちょっとばかし僕なりに電圧いじったんだけどね!」
∧∧
( ・∀・)「(ドヤ顔だ…)」
気持ちが良いほどのドヤ顔だった。
写真撮りたいな、とモララーは思わずスマートフォンに手を伸ばしかけて、
擬態時に着ていた学生服のポケットの中だったことを思い出して手を下ろした。
258
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/03/14(木) 23:19:38 ID:wAWsUSe.0
∧∧
(#,,゚Д゚)「ちくしょう……まだ、まだやれるぜオレは……!」
(;´・ω・`)「えっ?」
∧∧
( ;・∀・)「!!」
地に膝を付きかけたハニャーン星人の足が地を蹴る。
その拳が向かうは、チョップスティックを投擲した後の
姿勢から体勢が戻っていないショボン。
まだそんな力が残っていたのか、とモララーは唇を噛み締めた。
間に合わない。
∧∧
( ;・∀・)「ショボンくん!!」
手を伸ばした。
地球人の身体より二回り以上小さいモララー星人の腕では
今まさに危機へ向かう高校生を救う距離が、圧倒的に足りなかった。
∧∧
( ; ∀ )「ショボンく」
モララーが泣きそうな声でショボンの名を呼んだ。
259
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/03/14(木) 23:21:14 ID:wAWsUSe.0
o川*゚ー゚)o「ハイハイ!あたしの次に可愛い高校生ども!
必死こいた青春、ご馳走さま!あとはプロに任せておきな!」
(;´・ω・`)「!?」
∧∧
( ;・∀・)「!?」
それは刹那のことだった。
体勢を崩したショボンに流星の如く飛びかかったハニャーン星人の拳を片手で抑えて、
突如するりと割り込んできた青い腕章を付けた少女はにこり、と二人に微笑んだ。
260
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/03/14(木) 23:22:04 ID:wAWsUSe.0
o川*゚ー゚)o「異星で戦闘種族が暴れているとの情報が入りまして
急いで白バイで駆けつけたんだから感謝してよね!」
∧∧
( ;・∀・)「……きゅ、キュートさん?」
o川*゚ー゚)o「んもぅ、モララーくんったら。あたしのことはキューちゃんで良いって言ってるのに」
∧∧
(;,,゚Д゚)「その腕章……まさか、宇宙警察か!?」
o川*゚ー゚)o「おぉっと、申し遅れました。私の名前はキュート。
超絶可愛い、しがないスナオ星人でございます」
∧∧
( ・∀・)「宇宙戸籍ではコキュートスって名前なんだよ。
でも響きが可愛くないからキュートって名乗ってるの」
o川*゚ー゚)o「ハニャーン星人の前にお前を連行してやろうか」
∧∧
( ・∀・)「やだキュートさんこわーい。婚期乗り遅れの弊害?」
o川*゚ー゚)o「ハハハこやつめ、ハハハ」ヒュンッヒュンッ
∧∧
( ・∀・)「ヒェ……パンチが空を切ってる……」
(;´・ω・`)「(コキュートス……地球の言葉だと『冥府の川』とか、
『地獄の最下層』って意味なんだよな……
多分関係ないけど……)」
261
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/03/14(木) 23:22:53 ID:wAWsUSe.0
o川*゚ー゚)o「ほんじゃハニャーン星人ちゃん。
宇宙安全法第28条に乗っ取って」
キュートは再び微笑む。
自身の愛らしさを極限まで知りつくした宇宙きっての美少女は
拳を握り、にこやかに笑った。
o川*^ー^)o「キミを逮捕しちゃいます♡」
∧∧
(,,;゚Д゚)「えっ」
∧∧
( ・∀・)「さぁ始まるぞキュートさんのえげつねぇ逮捕劇が」
o川#^ー^)o「華麗でプリティーと言わんか逮捕すっぞモララー!!」
∧∧
(,,;゚Д゚) ))ズルズル「えっえっ」
< エッマジカンベンシテクダサイ…
< ゴメンナサイモウアバレマセン!
ニコニコ笑顔のキュートに引きずられて、建物の影に消えていく
ハニャーン星人の顔は今にも泣きそうだった。
262
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/03/14(木) 23:23:54 ID:wAWsUSe.0
(;´・ω・`)「え、えーと」
∧∧
( ・∀・)「こうして学校を荒らした悪い宇宙人は無事に
宇宙の秩序をまもる優しいお巡りさんに逮捕されたのでした。
めでたしめでたし」
< 超絶可愛いも入れといてー!
< ウッ…ヒグ…グスン…
∧∧
( ・∀・)「はいはいしょうがないなぁ。
こうして学校を荒らした悪い宇宙人は無事に
宇宙の秩序をまもる優しくて超絶可愛いお巡りさんに逮捕されたのでした。
めでたしめでたし」
< ありがとー!
(;´・ω・`)「めでた…めでたいのかな?」
∧∧
( ・∀・)「結果オーライですね」
(;´・ω・`)「あと今更なんだけどモララーくんいつ地球人の擬態に戻るの?」
∧∧
( ・∀・)「いちいち聴覚器官部を入力するの面倒なので次回にはきちんと戻ります」
(;´・ω・`)「そういうメタな話じゃなくてですね……」
263
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/03/14(木) 23:25:11 ID:wAWsUSe.0
(( ( ^^ω)フヨフヨ
( ^^ω)「ふぅ」
( ^^ω)「後処理は宇宙警察の方々がどうにかしてくれるらしい」
( ^^ω)「なんとかご主人たちも無事で一安心……」
(;^^ω)そ「……はっ!? 」
(;^^ω)ノシ「もしや自分、今回空気だったか!?」
(;^^ω)o0(To be continue…?!)
264
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/03/14(木) 23:26:42 ID:wAWsUSe.0
1年ぶりです。
でも自分でも何書いてたか忘れてた節があるのではじめましてでいいと思います。
はじめまして。
戦闘シーンが書けなすぎて、とにかく最低限の戦闘描写ができるようになるまでちょっとした長い旅に出てました。
戦闘シーンって魔境だね。どうして皆戦闘シーンに乗り出してしまうのか。
当初の目的のほのぼの可愛い宇宙間交流はどうした。
まぁ正直言えばテスト勉強したり郷土愛を迸らせたりレジェンド妖怪解放したりBBちゃんゲットしたり映画見たりおデートしたり絵を描いたりと忙しかったのです。
ちょっとだけ嘘つきました。どれだか探してみてね。
あっ、お題消化してない。いつかするんで許して。
次回はやっとこほのぼの回です。
皆は待ってないかもしれないけど俺は待ってた。だって書くのがとっても楽しい。
相変わらずマイペースに進んでいますが、自分が死ぬまでにはなんとか完結させるのでお付き合いいただければ幸いです。
次回もよろしくお願いいたします( ^^ω)ノシ
265
:
名無しさん
:2019/03/15(金) 00:06:30 ID:4e8ZB2g.0
乙です!
いつまでも次回を待つぞ!
266
:
名無しさん
:2019/03/15(金) 01:02:46 ID:GAnwE5bw0
待ってた!嬉しいぞ〜
嘘なのはおデート
きっとそう
267
:
名無しさん
:2019/03/15(金) 01:20:09 ID:sYKXGAcM0
おつ
おかえり
268
:
名無しさん
:2019/03/15(金) 12:02:07 ID:nkpo97AE0
乙!
また楽しみにしてる
269
:
名無しさん
:2019/03/17(日) 08:26:40 ID:lteQQ8uM0
乙!!!
270
:
名無しさん
:2019/03/17(日) 14:32:45 ID:WodgsifQ0
ふとみたら、
復活してるのに気づきました。
読んでいて楽しかったです。
無理の無い範囲で頑張って下さい!
271
:
名無しさん
:2019/03/28(木) 13:32:25 ID:ANfvoKzE0
。゚( ゚��ω��゚)゚。おかあああえりいいい
272
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/04/03(水) 11:53:53 ID:IoNWp2v20
既に忘れかけている皆の為のキャラクター紹介
( ^^ω) ハセガワ
語り部。マルタスニム星人。
地球人勢にホマちゃんと呼ばれ可愛がられている。
実は現在登場面子の中で一番年上。
( ^ω^)内藤ホライゾン
ニックネームはブーン。
彼の持つ恐ろしいほどの食欲は宇宙レベルを凌駕しており
クラスでは胃袋ブラックホールの異名で影で呼ばれている。
ξ゚⊿゚)ξ 津出ツン
ブーンに淡い恋心を抱く、この物語のヒロイン。
パンチがとても強い。
(´・ω・`) 辺古海ショボン
チビと言われるとドクオをしばく低身長ギャラクシー系バイオレンス男子。
たまに贅沢をしたくなって高いコーヒーゼリーを購入するが、
完食後にやっぱりいつもの3個108円のほうが好きだなぁとか考えるタイプ。
('A`) 鬱田ドクオ
ショボンに理由なくしばかれる高身長不憫系鈍感不細工非モテ男子。
どういう流れの話だったか忘れたが、ショボンとの会話で出てきた
『ノーブラおじさん』という単語が未だに心の片隅に引っ掛かっている。
川 ゚ -゚) 素直クール
スナオ星人。超絶美少女。
ドクオガチ勢。ドクオ限定チョロイン。
入学後のクラス分けでドクオとクラスが違っているのに気づきふて寝した過去を持つ。
( ・∀・) モララー・ライラック
モララー星人。超絶イケメン。
宇宙大学とかいう宇宙の超エリート大学の言語学教授。
地球の言語を学習するためだけに学ランとかジャージとか着て
ノリノリで高校生活エンジョイしてる実は若干痛いお兄さん。
本人曰く「順応性が高いだけですー!」とのこと。
273
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/04/03(水) 11:54:20 ID:IoNWp2v20
.
274
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/04/03(水) 11:54:51 ID:IoNWp2v20
ー 宇宙警察 本部 ー
o川*゚ー゚)o「ハイ、という訳で地球人のみんなー!」
o川*゚ー゚)o「超絶可愛い宇宙警察所長のキューちゃんが今からみんなに尋問をします」
( ;^ω^)「?????」
(;^^ω)「あわ、あわわわわ……」
スギウラと名乗るロマネスク星人が、しぃをあっさり無力化してくれたお陰で、
ご主人と自分、それからドクオは大きな怪我もなく事を終えられた。
(;'A`)「あ、クー!」
言い忘れていたが、しぃの攻撃をもろに食らったクーについては。
(( 川;゚ -゚)「うぅ、結構痛かった……。
わざわざ治療用カプセルを貸していただいて、ありがとうございます」
(-_-)「いえ……どうせ普段は使わない緊急用のものですから
ご無事で何よりです」
宇宙警察の方々の快い備品提供によって、傷一つなく自分達の前に帰ってきた。
275
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/04/03(水) 11:55:39 ID:IoNWp2v20
(;'A`)「良かった……クーに何もなくて……」
川*゚ -゚)
(;'A`)「どうしたクー? まだどっか痛いのか?」
川*゚ -゚)「うぅん、大丈夫だ……ふふ……」
嗚呼、なんて嬉しそうなクーの表情。
これでも未だ気付かないとは、ドクオは鈍感なのか馬鹿なのか。
( ^^ω)「まぁ無関係の自分には見守るしか出来ないがな……」
というか、今更ながらここは警察である。
善良な一般マルタスニム星人的には、心臓が竦み上がる程ビビッている。
276
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/04/03(水) 11:56:06 ID:IoNWp2v20
o川*゚ー゚)o「あ、尋問って言っちゃったけど別にキミたちはなんも悪いことしてないから
私は詳しい事情を聞くだけだよ。安心してね」
( ^ω^)「おー……」
( ^ω^)「そういえば、ショボンとモララーくんは?」
('A`)
川 ゚ -゚)
( ^^ω)
o川;゚ー゚)o「わ……」
忘れてた……。
どこかのんびりとした声で呟いたキュートに、
自分たちは揃って、ギャグマンガの如くずっこけたのであった。
277
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/04/03(水) 11:56:41 ID:IoNWp2v20
第8話『Seeker』
.
278
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/04/03(水) 11:57:13 ID:IoNWp2v20
∧∧
( ´∀`)「何か言い訳はありますかモララーさん」
( ;・∀・)「ホンット!ホントすみません!
もう二度としないんで!はい!」
(;´・ω・`)、アワワ…
∧∧
( ´∀`)「大体モララーさん、いっつも研究と称して
色んな星で何かしらをやらかしてくれてるモナ
宇宙武装中立同盟としても、文明レベルの低い星での
軽率な活動には頭を抱えてる所モナよぅ……?」
( ;・∀・)「あ、はい!仰る通りですね!」
∧∧
( ´∀`)「大体キミたち宇宙大学の奴ら、頭は良いけど
若干宇宙一般常識に欠けるところが云々かんぬん」
( ;・∀・)「理系の方が頭イカれた奴多いのに……」
∧∧
( ´∀`)「何か?」
( ;・∀・)「いえ!なんでもないです!」
( ^^ω)
( ^ω^)「……モララーくん?」
279
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/04/03(水) 11:57:59 ID:IoNWp2v20
なんだこの状況。
モララーの前で仁王立ちするモララー星人……いや、あれはモナ族か。
モナ族の青年の前に正座させられて、泥だらけの学生服を着たモララーが説教されていた。
傍らの椅子にはショボンがちょこんと座っており、
モララーとモナ族のやり取りをハラハラと見守っていた。
(´・ω・`)「あ、ブーン。ドクオとクーも!」
ショボンがこちらに気づいて、椅子から立ち上がる。
( ^ω^)「おっおー!ショボン!」
(;'A`)「よ、良かった…。モララーくんと一緒に屋上から
すごい勢いで落ちてったから、心配したんだぞ?」
(;´-ω-`)「あは、そんなこともあったっけ。
なんか色々起こりすぎてて記憶ないなぁ……」
川 ゚ -゚)「まぁ地球人にとっては非現実的なことだらけだったからな。
しょうがないだろう」
クーがやれやれ、と首を振り呟く。
( ^ω^)「そういえばツンは大丈夫かおねぇ……」
心配そうなご主人の言葉に、ドクオやショボンが
大丈夫だよアイツめっちゃ腹パン強いしなどと励ましているのを温かく見守る。
280
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/04/03(水) 11:58:47 ID:IoNWp2v20
ふと気になる事に気づいて、自分は傍らにいたキュートに話しかけた。
( ^^ω)「そういえばキュート。
ハニャーン星人についてはどうなるのだ?」
o川*゚ー゚)o「うん?ハニャーン星人ちゃん?」
( ^^ω)「うむ、あれだけ大暴れしたらしばらく星には帰れないと思うが……」
o川*- -)o「あーね……。どうも話を聞く限り誘導されてたっぽいのよねぇ」
( ^^ω)「誘導?」
o川*゚ー゚)o「唆された、って言った方が正しいのかな。
アースに行けば強い奴と戦えるよーだのと言われたらしいの」
(;^^ω)「それは……誰に?」
o川*゚ー゚)o「それが分かってたら今頃あたしはここにいません。
確かに異星侵略は宇宙未発達文明侵攻防止法4条で禁止されてるけど、
文明侵攻を教唆した奴がいるのなら話は別よ」
( ^^ω)「む……よくわからんが無罪放免?」
o川*゚ー゚)o「そーゆー訳にもいかないけどね。
ハニャーン星人ちゃんたちにはそれぞれのところで罪を償ってもらうことになるから」
(;^^ω)「臭い飯食わされるのか……?」
o川*゚ー゚)o「そこはウチだけの判断じゃないから宇宙武装中立同盟との
すり合わせになると思うけどね。
まぁ彼らもまだ若いし、酷いことにはならんでしょ」
281
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/04/03(水) 11:59:30 ID:IoNWp2v20
o川*゚ー゚)o「なに?心配してるの? やさしーんだ」
( ^^ω)「優しい……のだろうか」
身体を傾げる。
言われてみれば、自分やご主人に危害を加えてきた異星人のことを気にするなんて、可笑しな話ではある。
( ^^ω)「アースの……影響だろうか」
o川*゚ー゚)o「それはとても良い影響だと思うわ。ハセガワさんとやら。
正直少し羨ましいくらいだもの」
羨ましい?とキュートを見上げたが、キュートは既に視線を自分から外し、ご主人たちに声を掛けていた。
o川*゚ー゚)o「はーい若人どもー!みんな無事で何より!
送ってってあげるから、五時間目が始まるまでには地球に帰りましょうねー!」
( ;^ω^)そ
(;'A`)そ
川;゚ -゚)そ
(;´・ω・`)そ
( ;・∀・)そ
282
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/04/03(水) 12:00:06 ID:IoNWp2v20
( ;^ω^)「ほぎゃー!5限目ー!すっかり忘れてたおー!」
川;゚ -゚)「やばい今まで無遅刻無欠席なのに」
( ;・∀・)「えっボクら次の授業誰だっけ」
(;´・ω・`)「えっと……都村先生の現代社会!」
(;'A`)「直接怒られはしねぇけどめちゃくちゃ指してくる先生じゃんヤバいじゃん!」
わたわたとキュートの元に集うご主人たち。
こうして見ても、先程ハニャーン星人と渡りあったとは思えないほど平和な会話だ。
(-_-)「んじゃ……地球まではアベさんがポッドで送ってってくれるから……」
( ;^ω^)「はーい!ありがとうだおー!」
( ^^ω)「そんじゃ自分も……」
∧∧
( ´∀`)「ちょっと待たんかいそこのマルタスニム星人」ガッシ
(;^^ω)「えっ?」
283
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/04/03(水) 12:01:04 ID:IoNWp2v20
∧∧
( ´∀`)「今回ばかりは事故のせいってことで見逃してやるけど、
今のキミはアースに不法滞在してる状態モナよね?」
(;^^ω)「あっ」
∧∧
( ´∀`)「ハイ、じゃあここで書類書いてってね。終わるまでアースには戻さないからそのつもりで」ドサッ
(;^^ω)「ひ、ひぃいい……」
( ;^ω^)「ホマちゃん、ホマちゃーーーーん!!!!!!!」
∧∧
( ´∀`)「大丈夫モナよ〜書類を確認出来しだい速やかにご返却いたしますので〜」
(;^^ω)「最早モノ扱いだーーー!!!」
やれ異性侵略だの宇宙警察の移動支部だのとファンタジー感溢れる中で、
いきなり現実に引き戻されるとは思っていなかった。
目の前に積み上げられた書類を見て溜め息。
嗚呼、夕飯までにはアースに戻れるだろうか……。
284
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/04/03(水) 12:01:38 ID:IoNWp2v20
【eye catch…】
『宇宙警察』
当然宇宙にだって悪者はいる。
宇宙にはアースの比じゃないほど様々な種族がいるんだからそりゃあいさかいが起きたってしょうがない。
でもそれじゃあ宇宙はあっという間に混沌化して、ビッグバンへと逆戻りだ。そういや今何回目の宇宙だっけ?
そんな宇宙を平和にするための組織の1つがここ、宇宙警察だ。
超絶美少女な所長が自由に走り回ってるっぽいけど、
迅速な事態解決の為に宇宙警察本部の移動は宇宙特例で空間を跳躍出来るので問題ナッシング。
現在は宇宙挨拶運動強化期間中。
出会ったら大きな声で挨拶をしよう!
宇宙警察は新しい署員を絶賛募集中!
↓詳しくはこちらのHPから!
○δμ★α£☆Ψ▼ε●ΧΧθ◎%%
【eye catch…】
285
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/04/03(水) 12:05:31 ID:IoNWp2v20
- 放課後 1-B教室 -
ξ゚⊿゚)ξ「ふぅんそんなことがあったの……」
( ;^ω^)「うん、信じてもらえないと思うけど……」
< ヨット
< ウェ…イヤナイチニ…
ξ*゚ー゚)ξ「ふふ、昔からあんた嘘つくの下手くそだもん。信じるなって方が無理な話よ」
( *^ω^)「お!ありがとうだおツン!」
< ジャアココデドウダッ!
<アッヤバ…
ξ゚⊿゚)ξ「じゃああたしが思わずパンチしちゃったあのふさふさした子も宇宙人だったのかしら……」
( ;^ω^)「……そうかもわからんね」
< ッシャ、オレノカチ!
< モー、マタマケター!
_,
ξ゚⊿゚)ξ「てかさっきから気になってたんだけど、ドクオとショボンは何してんのよ」
('A`)「掃除当番のクーとミセリ先生の手伝いさせられてるモララー待ちの暇つぶし」
(´・ω・`)「別のことやってるフリして実は聞き耳立ててるクラスメイトの真似」
286
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/04/03(水) 12:06:22 ID:IoNWp2v20
( ^ω^)「ちなみに机のそれは何してるんだお?」
('A`)「定戦」
( ^ω^)「懐かしい」
ξ゚⊿゚)ξ「それ中学のとき流行ってたやつじゃないの……」
(´・ω・`)「うーん、定規が悪いのかなー」
('A`)「はっはっは、定戦での三角定規使いにおいて右に出るものが
いなかったこの俺に簡単に勝てると思うなよ!」
(´・ω・`)「はいはいVIP西のファンタジスタVIP西のファンタジスタ」
('A`)「あっ過去の異名はマジで勘弁」
( ・∀・)ノ「ごめーん待たせたー」ガラッ
川 ゚ -゚)「すまないな皆、帰ろうか」ヒョイ
ξ゚⊿゚)ξ「あ、そういえばホマちゃんは?」
( ・∀・)「えっと……」
( ^ω^)「お、お夕飯には帰ると思うお……」
287
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/04/03(水) 12:06:50 ID:IoNWp2v20
ξ;゚⊿゚)ξ「ま、まさかブーン、ホマちゃん食べちゃったの?!」
( ;^ω^)「いや違、食べてないおー!!」
:( ∀ ):「ヒッwwwwwwwww」
:(*´ ω `):「ンフwwwwwwwwwww」
ξ゚⊿゚)ξ「ホラブーンのせいで凸凹コンビが変なツボ入っちゃったじゃないの……」
( ;^ω^)「違う違うぼくじゃないぼくじゃない!!」
川 ゚ -゚)ロ「ドクオめちゃくちゃウケてるな」パシャ
( ・∀・)「流れるような写真撮影流石」
\だから違うんだおーーー!!!!/
to be continue…?
288
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/04/03(水) 12:07:25 ID:IoNWp2v20
(・∀ ・)「そういえばなおるよ知ってる?」
('(゚∀゚∩「え?何がだよ?」
(・∀ ・)「明日、ウチに転校生くるんだってさ!」
(*・∀ ・)「しかも女の子!」
('(゚∀゚*∩「ヒャー!可愛い子かなぁ!」
(*・∀ ・)「な〜!楽しみだぜ〜」
289
:
◆vBGK6VSBWM
:2019/04/03(水) 12:14:20 ID:IoNWp2v20
ご機嫌麗しゅう。僕です。
自分でも8割くらい忘れていたので本編の流れを設定すり合わせからやり直す羽目になりました。
キャラ設定メモを残してくれた過去の俺ありがとう。なんとかエンジンかけていけそうです。
着々と宇宙人の知り合いが増えていくブーンくん達。シリーズ終わる頃にはテンプレ使いきっちゃいそうですね。
いっそ目指すか、過去最多テンプレ使用数……いや、ア○ファとかには勝てなそうだしまぁいいか。
せっかくの高校生だし、2年生や3年生の先輩とも絡ませていけたらいいな。
次回もよろしくお願いします( ^^ω)ノシ
290
:
名無しさん
:2019/04/03(水) 20:39:14 ID:qJyabpV.0
おつです!
今回も楽しかったです!
291
:
名無しさん
:2019/04/03(水) 20:47:33 ID:0kWj0pGI0
乙!
さあて転校生は誰なのか…
292
:
名無しさん
:2019/06/22(土) 01:36:54 ID:2Ti6.qJU0
おお投下が来てたのか
楽しみにしてます
293
:
名無しさん
:2020/08/18(火) 22:37:02 ID:2P3Z4h2o0
もうそろそろ投下きてもいい頃かな?
まってる
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